モバP「だりやすかれんの電池切れ」 (18)
―――
とん とん
たん たん……
P「――ふう……今年ももう終わりかぁ」
P(3人ともよく頑張ってくれたな……今年はもう仕事もないし、家でゆっくり休んでるかな)
P(いや、いつも通り泰葉の部屋に集まって年越し準備でもしてるか)
P「俺もさっさと荷物整理してダラダラしよう――」
がちゃり
P「……ん? カギ開いてる……!?」
P「ちひろさんも帰省してるし誰が……!」
ぎいっ
李衣菜「……んあ? あーPさん……おあよござます……」グッタリ
泰葉「………………ん……」ペコリ
加蓮「」
P「なんでいるんだよ」
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李衣菜「やー、なんか気がついたらここにいました……」
P「気がついたらって……。あのな、休めるときに休めっていつも言ってるだろ」
李衣菜「そ、そのつもりだったんですよ。でも……ほら、Pさん分を補給というか、なんというか」
P「はぁ……そんな疲れ切った顔してるのに無理して、まったく」ワシャ
李衣菜「わぅ、……ぇへへ♪」クテー
泰葉「……Pさ……ぁ」ギュウ
P「わ、あぁ泰葉、ちょ、待ってそんな頭ぐりぐりするなって」
泰葉「Pさん、Pさん……!」グリグリ
P「分かった、分かったからっ。泰葉もよく頑張ったな、お疲れさま」
泰葉「ぅ~……♪」
加蓮「」
泰葉「はぁ……、ふう。なんとかPさん分を補給できました」
P「なんだそりゃ」
李衣菜「あはは、髪の毛ぼさぼさになってるよ泰葉。直したげる」
泰葉「ふふ、うん」
P「ほんとにもう……。てっきり泰葉のところでまったりしてるのかと思ったよ」
李衣菜「流石に疲れすぎてたんで。まずはエネルギーを充填させようって感じで」
泰葉「Pさんが今日来てくれなかったら3人ともここで干からびてましたね」
P「シャレにならん……」
加蓮「」
P「いや待て、もう干からびてるのがいるんだけど」
加蓮「」
泰葉「……加蓮?」
加蓮「」
泰葉「あの、返事が……」
李衣菜「私が来たときにはもうソファーに横たわってたけど」
P「お、おーい加蓮~? 起きれるか~?」ユサユサ
加蓮「」ズル…
加蓮「」ドサッ
加蓮「」シーン…
加蓮「」
泰葉「……まさか果ててしまったのでは……!?」
李衣菜「うわあああかれーん!」ユッサユッサ
P「き、傷は浅いぞ加蓮!」
加蓮「――んはぁっ!?!?」ビックゥ!
「「「!?」」」
加蓮「は、あ、あわわわ本番ですか大丈夫、へーきですいけましゅ、寝てませ、歌えますっ!!」
加蓮「………………はれ?」キョトン
李衣菜「良かった生きてたあああああ! うわああああんん加蓮んんん!!」ギュー
加蓮「んひゃあっ! り、李衣菜なに、なになになに、え、お仕事は? や、泰葉ほら、ステージ行かないとっ!」
泰葉「あぁもう、心配させないで加蓮……!」
加蓮「へ? あれ、ここ事務所……ん、あれ? あれ??」
P「び、びっくりした……はぁ、あはは。良かった良かった」
加蓮「――あけましておめでとうPさん。今年もよろしくね」
P「うん、まだ明けてないぞ。大丈夫か」
泰葉「年末進行のせいで時差ボケしてるんじゃ」
李衣菜「ポンコツになっちゃった」
加蓮「あー……そっか。なんだか頭がぼーっとしてるなー? 疲れすぎて頭がー、誰か撫でてくれないかなぁ~?」
李衣菜「…………」
泰葉「…………」
P「…………」
加蓮「…………」
加蓮「……………………ぁ、あの……撫でて?」
P「かわいい」ナデナデ
泰葉「かわいい」
李衣菜「かわいい」
加蓮「ほあぁ~……疲れが溶けてくぅ……♪♪」ホンニャリ
P「はいはい、お疲れさん」
加蓮「来て良かったぁ。PさんPさん♪」
李衣菜「加蓮が1番ふらふらだったもんね。昨日のライブ、幕が降りた瞬間『無』の顔になってたもん」
加蓮「えへ。実は昨日ライブ終わってから記憶があんまり……」
泰葉「え、だ、大丈夫だったの?」
加蓮「お母さんいわく、お風呂入っておにぎり食べて着替えておやすみしたらしいんだけど。私は一切覚えてない!」
李衣菜「えぇ……」
泰葉「ああ……私も昨日は帰ってなにもやる気起きなくて」
P「そうか、一人暮らしは大変だよな。悪かった、送るだけで。平気だったか?」
泰葉「はい、なんとか。夕飯をどうしようか1番悩んで……出かける体力もなくてへとへとだったので」
泰葉「初めて挑戦しました。塩茹でパスタ」
P「貧乏飯だ!?」
李衣菜「呼んで、私呼んでいいから! 疲れてても材料買って飛んでくからー!」
加蓮(ちょっと食べてみたい)
P「い、今はお腹空いてないか? 大丈夫か?」
泰葉「はい、今は。朝が大変でした、尋常じゃないくらいお腹が鳴ってしまって」
加蓮「だろうねー。私も朝ぐーぐー鳴っててお母さんに笑われちゃったもん」
泰葉「ふふ、加蓮も? 頑張ったものね、ライブ」
加蓮「うんっ、頑張ったよね。……ご褒美になにか美味しいもの食べてもバチ当たんないと思うんだけどなー」チラッ
泰葉「♪」チラッ
P「ん?」
李衣菜「……あれっ? わ、私? ここはPさんに奢ってもらう流れじゃないの!?」
P「んー、俺が奢ってもいいけど。それよりは食材買いに行ってここでなにか食べるのもいいんじゃないか?」
加蓮「だよねー♪ 忘年会しよ、忘年会っ」
泰葉「土鍋ありましたよね、たしか。お鍋にしませんか♪」
加蓮「賛成~♪」
P「よし、買い物行くかー。あったかくしてけよ、寒いからなー」
「「はーいっ」」
李衣菜「あの、あのー! 誰が作るのかなお鍋ーっ。ねー聞いてー、せめて野菜切るとかはしてほしいんだけどー!」
P「頼んだ李衣菜、俺も李衣菜の鍋食いたい!」
李衣菜「う、……むぅー……。Pさんのためならいいですけど。……そこの2人は手伝ってよ?」
泰葉「よろしくね、」
加蓮「李衣菜っ♪」
李衣菜「手伝えって言ってんの!」
加蓮「お願いお願い李衣菜♪ 今年最後のお願いだから!」
泰葉「来年こそはちゃんとするから……ね、李衣菜っ。ふふふっ♪」
李衣菜「それもう何回も聞いてるから! いつまで私に甘えるつもりなんだよー!」
「「ずーっと♪」」
李衣菜「んもー!」
P「あはは……元気じゃないか、3人とも。電池切れてたかと思ったのに」
加蓮「Pさん行こー。どこも混んでるから早くしないとねっ」
泰葉「はぐれないようにしないと……手、繋ぎます?」
李衣菜「Pさん、Pさんは手伝ってくれますよね……!?」
P「はいはい、あんまり騒がないようにな――」
がちゃ
ばたん……
―――ちひろの実家
母「ほらちひろ! アンタも手伝いなさい、久々に帰ってきたんだから!」
ちひろ「ええー、せっかくのんびりできると思ったのに~」ゴロゴロ
ちひろ「みんななにしてるのかしら……こんななら帰らないでプロデューサーさんたちと一緒に」
母「いい加減起きなさいちひろ!」
ちひろ「はいはい聞こえてますー!!」
おわり
というお話だったのさ
あけましておめでとうございます
モバP「だりやすかれんの待ち合わせ」
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ひとつ前のお話
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