ほむら「謎の白い液体……?」 (37)

ー まどかホーム ー

ほむら「えっと、つまり話をまとめると、
    お風呂場に行ったら浴槽が白い液体で一杯だったって事ね」

まどか「うん、見た目何か凄いドロドロしてたの。わけわかんないよね。
    だから私もこれはもうほむらちゃんに助けを求めるしかないなって思って」

ほむら「……わかったわ、まどか。任せて。私が何とかしてみせる」

まどか「ほ、本当大丈夫?」

ほむら「ええ、もちろん。貴女は何があっても私がずっと守ってみせる」

まどか「ありがとうほむらちゃん!」

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ー 浴室 ー

ほむら「たしかに真っ白ね。底が見えないし、絵の具をぶちまけたような、
    何か白い物を中途半端に溶かしこんだような感じでドロドロしてるわ」

まどか「き、気をつけてね!ほむらちゃん!」

ほむら「えいっ」ズブッ

まどか「ほ、ほむらちゃん!?駄目だよ!
    手なんて入れちゃ危ないよ!もっとこう他に……」

ほむら「……底に何かあるわね、今取り出してみる」グチョグチョ

ほむら「はい」

???「」ドサッ

まどか「……ええっと、この物体は何かな?ちょっと動物の皮みたいな感じだけど」

ほむら「これは……、間違いない、キュゥべえだわ」

QB?「」

まどか「えっ?キュゥべえ!?どういう事!?」

ほむら「さあ、どういうことなのかしら」

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まどかの家、浴室の浴槽にて発掘?された、

ほとんど皮だけになったキュゥべえの体

はたして謎の白い液体の正体とは!?


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まどか「じゃあこの白い液体は……」

ほむら「キュゥべえの体の中身が溶け出した物と考えるのが一番自然でしょうね」

まどか「うぅっぷ……」オエッ

ほむら「大丈夫?まどか」ヨシヨシ

まどか「……それでキュゥべえは大丈夫なのかな?でももうダメっぽいよね、コレ」

ほむら「大丈夫。この中身とこの外側さえあれば私がどうにかして見せるわ」

まどか「どうやって……?」

ほむら「あら?言ってなかったかしら?私って元に戻したりするの凄い得意なのよ?」

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ー まどかホーム ー

まどか「キュゥべえ、本当にその、大丈夫なの?」

QB「平気だよ。一時はどうなるかと思ったけどね」

まどか「どうして、あんなことになっちゃってたの?
    やっぱりキュゥべえ本人にもわからないのかな?」

QB「多少不明瞭な点もあるけど、はっきりしているのは
  あれは昨日キミから貰ったグリーフシードが原因だってことだよ」

まどか「昨日私があげたグリーフシード……?」

まどか(私が昨日あげたグリーフシードは……、えっと、そうだ。
     一昨日初めて私が魔女を倒した時に手に入れた奴だね、うん)

まどか「でも、グリーフシードを回収するのがキュゥべえの役割なんじゃないの?
    なのにグリーフシードのせいで体がおかしくなるなんて……」

QB「昨日のアレはとびっきりのイレギュラーさ。穢れ、エネルギー量、因果の糸、
  グリーフシードに含有されている何もかもが本来有り得ないレベルにまで増大していた」

まどか「よくわかんないけど、凄かったの?アレ」

QB「凄いなんてもんじゃないよ。あんなグリーフシードボクは今まで経験した事がない。
  言葉に出来ないのがもどかしいけど、アレを体内に入れてから時間と空間がひっくり返る感じがした。
  自分の全てがある一瞬という概念をさらに跳び超えた先で無限に拡大されつつ、
  かつ絶えずボクという個体に留まっているような……」

まどか「もういいよ!キュゥべえ!わかった、わかったから!もう十分だよ!」

QB「本当に分かったのかい、まどか?」

まどか「……ごめんなさい、嘘つきました」

まどか(でもおかしいな……。あれがそんな凄い魔女だったなんて。
    私に攻撃なんて全然してこなかったしむしろ私に何かを……)

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さやか「でねー、それでねー」

まどか(ほむらちゃんはさやかちゃんと仲が良くないのが困りものだよ。
     今日もさやかちゃんと顔を合わせようとしないし)

まどか「あれ?さやかちゃん、その指輪は……」

さやか「えっ?ええっ?これ!?えっとね……、これはその……、うん?
    まどかこそ、その指輪をしてるってことはもしかして……」

まどか「ああ、やっぱりさやかちゃんもなんだ。実は私ね……」






まどか「魔法少女なの」

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ー マミホーム ー

まどか「マミさん、大事な話があります」

マミ「あら?何かしら。どうやら冗談ではなさそうね」

まどか「実はワルプルギスの夜が、ここ見滝原に来るんです」

マミ「ワルプルギスの夜……ですって?でもそれって本当に確かな事なの?」

まどか「ええ、ほむらちゃんがそう言ってたから確かな情報です」

マミ「ほむら、さん?……でも、それだけじゃまだ確信を得るには不十分だわ。

他には何か証拠になるような物はないの?」

まどか「それじゃあキュゥべえに聞いてみて下さい」

マミ「キュゥべえ……。キュゥべえ!もしいたら返事をして!」

QB「ボクはここにいるよ。マミ」

マミ「あら、良かった。それで鹿目さんが言ってた事は本当なのかしら?」

QB「本当だと断言する事はボクには出来ない。なにしろ未来の事だからね。
  けれどここら辺の魔力のぶれが近頃異常なのは事実だ」

QB「おそらく何かしら良くない事が起きるというのは確かだろう。
  その一つの可能性としてワルプルギスの夜がやってくるというのは、
  ボクには十分可能性がある話だと思えるね」

QB「これで用事は終わりかな?少し調べたい事ができたから
  ボクはこれで失礼させて貰うよ、マミ」テクテク

マミ「ええ。それじゃあまたね、キュゥべえ」

マミ「……つまりはワルプルギスの夜が来るかもしれないのね。
  ありがとう、鹿目さん。そんな重要なことを私に教えてくれて」

まどか「そんな、当然じゃないですかマミさん。
    だって私達は見滝原を守る魔法少女なんですから。
    一緒に見滝原の平和を守りましょう!マミさん!」

マミ「一緒に……、そうよね、私もう、一人ぼっちじゃないのよね……!」

まどか「それと、そういえば私の親友の子も
    魔法少女になったみたいなんです。すっごい良い子なんですよ!

まどか「彼女、幼馴染の所に一度行ったらここに来てくれるはずなんで、
    ぜひマミさんに紹介させて下さい!」

マミ「えっ、ええ?」



QB「……実に興味深い存在だね、ほむら。キミはいったい何者なんだい?」

ちょっと休憩
今日中に終わります

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ー ゲームセンター ー

まどか(ゲームセンターなんて来るの久しぶりだなぁ……、
     ガヤガヤしてる所って一人で来るにはちょっと苦手)

まどか(あれ?あの子も指輪をしてるって事は……)

まどか「あのう、すいません。ちょっと良いですか?」

杏子「ん?なに?アタシに何の用さ?」

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ー まどかホーム ー

まどか「はぁ……、困ったなぁ」

ほむら「どうしたの?まどか?私でよければ相談に乗るわよ?」

まどか「……杏子ちゃんを仲間に引き入れたいんだ。
    でも、杏子ちゃんは仲間になるなんて御免だって言うばかりで聞く耳を持ってくれなくて……」

ほむら「だったら巴マミを上手く動かせばいい」

ほむら「実は彼女と佐倉杏子は昔師弟関係にあったの。
    そのわだかまりが今も残っている内は見滝原に来てくれる事はないでしょうけど、
    貴女が二人の間の緩衝材になって彼女達を仲直りさせてあげれば、
    佐倉杏子は喜んで見滝原に来てワルプルギスの夜と戦ってくれるはずだわ」

まどか「でも、私なんかが二人の中に入ったら余計こじれたりしないかな……」

ほむら「大丈夫、簡単よ。私が全部教えてあげる。いい?まどか、こうするのよ」



ほむら「_________」

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ー ワルプルギスの夜当日 ー




ほむら「……今度こそ、決着をつけてやる」



マミ「……美樹さん、大丈夫?膝が震えてるわよ?」



さやか「こ、こんなのどうってことねーし!」



杏子「おいおいさやかビビってんじゃねーよ、
   アタシらが全員本気を出せば余裕だっての、あんな見かけ倒し」



さやか「ビ、ビビってなんかねーし!杏子のばーか!ばーか!」

杏子「ああっ?今なんてった!もう一度言ってみろ!」

マミ「ちょっと二人ともそんなことしてる場合じゃないでしょ!」



ワルプルギスの夜「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」



まどか「皆、行くよ!力を合わせてワルプルギスの夜を倒そう!」

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マミ「私たちが、私たちがあのワルプルギスの夜を倒したんだわ……!」

杏子「はぁ……、正直死ぬかと思ったよ」

さやか「私もそれには同感」

まどか(勝った……!私たちが勝った……!勝ったんだよほむらちゃん……!)




まどか(あれ?)

まどか「ほむらちゃんは、どこ?」

マミ「ほむら……、さん?」

杏子「はあ、アンタいきなり何言ってんのさ」

さやか「……ねえまどか。一つ聞きたいんだけどさ」













さやか「そのほむらってどちら様よ?」

まどか「え?」

さやか「マミさんと杏子は知ってる?」

マミ「私は前に鹿目さんがほむらさんから
  ワルプルギスの夜が見滝原に来るって教えて貰ったって……」

杏子「さあ?アタシはそんな名前聞いたことすらないね」

まどか「そ、そんなの絶対おかしいよ!魔法少女の暁美ほむら、ほむらちゃんだよ!
    さっきまで私たちと一緒に戦って……」

杏子「何言ってんのさまどか。ワルプルギスの夜と戦ってたのはアタシら四人だけ。
   他には人の影一つなかったじゃんか」

まどか「そんな……、そんなはずない……、そんな……?」

さやか「ねえまどか。あんまり言いたくなかったんだけどさ。この一カ月のまどか、変だよ。
    急にぼうっとしたり別人みたいになっちゃう時あったし。
    大丈夫?何かおかしなことに巻き込まれたりしてないよね?」

まどか(頭が痛い……、割れるように痛い……)

まどか「…………そうだよ、キュゥべえ!キュゥべえ!」

QB「呼んだかい?まどか」

まどか「暁美ほむらって魔法少女のこと、
    キュゥべえなら知ってるよね!?知ってるよね!?」

QB「いいや、そんな魔法少女のこと、見たことも聞いたこともないよ」

まどか「だけど渡したじゃない……、
    私が魔法少女になって初めて手に入れたグリーフシードをあなたに。それで……」

QB「魔法少女?いったい何を言ってるんだい、まどか」

QB「キミはまだボクと契約していないじゃないか」

まどか「えっ……?」

QB「あのグリーフシードがキミから渡されたのは事実だけどね。  
  契約して貰えるか聞きに行ったら手渡されて驚いたよ。
  既に孵化しかかっていた。そして慌てて処理したらあの始末さ」

杏子「契約してない?どういう事だよキュゥべえ?
   まどかはアタシ達と一緒にさっきまでずっと戦ってたんだぞ」

マミ「いえ、さっきどころじゃないわ。
  私は一か月ちょっとくらい前に、
  今日から魔法少女になったって言う鹿目さんと仲良くなって、
  それからずっと一緒に戦ってきて……」

さやか「……キュゥべえ!?大丈夫!?キュゥべえ!?」






          QB「________」ドロドロ




杏子「どういうことだおい!と、溶け始めてやがるぞこいつ!」

まどか(そんなはずはない。おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい____)

まどか(あれ?ソウルジェムはどこ?あれ?私のソウルジェムって……)

マミ「大丈夫よ、鹿目さん。私は知ってるから。今まで、鹿目さんはずっと私と一緒に戦ってくれてたんだから」

まどか「……あの、マミさん、私のソウルジェムの色って何色でしたっけ?ピンク色、ですよね?」





マミ「……?紫色、でしょう?」





        さやか「ああっ!思いだした!暁美ほむら!」








      さやか「それって早乙女先生が一か月前、今日転校予定だったけど、
          その一週間前に心臓の持病が悪化して死んじゃったって言ってた子のことだよ、まどか」



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まどか(あの日、たしか私はいつも通り学校から帰宅する途中、
     良くわからない空間に迷い込んでしまった)

まどか(そして怯える私の元に現れた、魔女らしい姿をした魔女)

まどか(彼女が手に持って差し出していたのは紫色の……)

???「________」

ほむら『さあ、受け取って、まどか。大丈夫、貴女は何があっても私がずっと守ってみせる』

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まどか(ワルプルギスの夜が見滝原を襲やっつけてから、無情にも時間は流れて行きました)

まどか(さやかちゃんたちは、私が実は魔法少女じゃなかったと知って驚きはしたけれど、
    それでも今も私と変わらず仲良くしてくれています)

まどか(キュゥべえはあれからも頻繁に私を勧誘しに来ます)

まどか(あの個体は深刻なバグに侵されていたらしい。
    でも今のボクはきちんと正常な状態に整備されてるから心配しなくて良い。
    そんなことを前に言っていました)

まどか(契約をする気にはまだなれません。
    皆が頑張って戦ってる中、自分だけが逃げているようで卑怯だと思う時もあるけれど、
    あの一月の出来事が私の中でまだ消化しきれてないのに、
    軽々しく魔法少女になるのは何か違う気がします)

まどか(魔法少女になるのが怖い。……ううん、本当はあの一か月全てが怖い。
    何だかあの魔女に出会ってからは私が私じゃなくなっていたみたいで……)

まどか(結果から見れば、全ては丸く収まりました。
     皆も私も無事にワルプルギスの夜を乗り越えられた。これ以上幸せなことはありません)

まどか(だけど私は一人の大切な友達を失ってしまった。
     いいえ、それどころかその友達は存在してすらいなかった)

まどか(私の頭だけの空想のお友達。
     そう思うにはあまりにその記憶ははっきりしていて、
     私自身の年齢もそんな空想に耽るには全く見合っていなくて……)

まどか(彼女がどこにも存在しない。
     そう思うだけで心の中に、
     魂に穴がぽっかりと空いてしまったように寂しい気持ちになってしまいます)

まどか(暁美ほむらちゃん。私はまたいつか彼女に逢いたい)

まどか(彼女が何者であったのか、どこに行けば彼女に会えるのか。
     それが私にとって今一番の気がかりなのです)

                                          『終わり』

スレタイが数ヶ月前からやりたかった
QBが溶けるという予定はあったけど落ちも展開も思いつかなかった
昨日それを思いついたから朝起きてから実際に書いた

結果スレタイ詐欺のようになってしまった
途中軽くホラーっぽい気がするけどこんなはずじゃなかった

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