二宮飛鳥「特別な存在」 (11)
アイドルマスターシンデレラガールズ、二宮飛鳥のSSです。
SS初挑戦故、誤字脱字、読みにくい、コレジャナイ感などは申し訳ありません。
次レスから投下していきたいと思います。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1476906938
二宮飛鳥「ハァッ、ハァ…」
ベテトレ「よし、今日のレッスンはここまでとする!」
飛鳥「お疲れ、さまでしたっ…」
飛鳥(今日はダンスレッスン 近いうちに大きいライブが予定されていることもあり、
自然とトレーナーさんの指導も熱を帯びる。)
飛鳥(ボクはと言えば、ここのところずっと同じところでつまずいている。)
飛鳥(正しい振り付けは何度も確認した。リズムだって把握している。)
飛鳥(だけど体はついていかない。思うようにならない。)
飛鳥(自分が何でもできるなんて自惚れちゃいないけれど、ここまでできないと流石に堪えるね。)
飛鳥(…少し、風にあたろうか)
事務所 屋上
ガチャッ
飛鳥(ん、あれは…)
飛鳥「文香さん、こんなところに珍しいね。どうしたんだい?」
鷺沢文香「飛鳥さん。こんばんは… いえ、少し、星でも見上げようかと」
飛鳥「その本は…星の王子様、かな?」
文香「はい。久しぶりに読みましたが、やはり、良い本ですね。昔、この本を読んで、
自分のところにも遠くの星から誰かが訪ねて来ないものかと、夢見たものです。」
飛鳥「フフッ ボクはそこまで真剣に読んだことがあるわけじゃないが…そういった非日常的出来事に憧れる気持ちは、共感できるね。」
文香「そういった想いを、物語の数だけ抱かせてくれる… これもまた、読書の魅力です。ところで、飛鳥さんはどうしてこちらに?」
飛鳥「…少し、風にでもあたろうかと思ってね。ボクが屋上に来るのなんて、いつものことだろう?」
文香「いえ、少し、顔色が優れないように、見えたものですから。お節介でしたら、申し訳ないのですが…」
飛鳥「…別に、たいしたことじゃあないさ。」
文香「お話くらいは、聞けるかと思います。」
飛鳥(つくづく優しく、そして強情だね、文香さんは。)
飛鳥「本当に、たいしたことのない話さ。それでも聞いてくれるかい?」
文香「はい。」
飛鳥「ボクは、プロデューサーにスカウトされてこのセカイに足を踏み入れるまで、世の中はつまらなくて、自分は特別なんだ、ってどこかでずっと思っていたよ。」
飛鳥「まあいわゆる痛いヤツさ。この年にしては珍しくも無い、肥大した自意識だ。
今も根底が変わったわけじゃ無いけど、一つわかったことがある。ボクは、特別なんかじゃないってこと。」
飛鳥「プロデューサーに連れられて、踏み込んでみたセカイは、世の中を知った気になっていたボクの、知らないもので満ちていて」
飛鳥「何に対しても斜に構えていたボクが正面から心を揺り動かされてしまうほど、輝いている人たちがいて」
飛鳥「そんな場所にボクが招かれたことには当然困惑したけれど、同時に柄にもなく心躍ったことは否定しないさ。」
飛鳥「ここならば、ボクはボクの夢見たものに近づけるんじゃないかって、そう思ったよ。」
飛鳥「だけど、やっぱり何事も、上手くはいかないものだね。」
文香「飛鳥さんは、今日はダンスレッスン…でしたでしょうか。」
飛鳥「ああ。……本当の意味で輝いている人たちを見て、ボクという個人は特別じゃないことを、ボクは知った。だからこそ、アイドルとして到達できるかもしれない、
『特別』を目指したいと思った。」
飛鳥「でも現実はどうだい?ダンスにしろ、歌にしろ、上には上がいて…ともすればボクは埋没してしまいそうになる。アイドルという新しいセカイの中ですら、ボクは…」
文香「飛鳥さん。」
飛鳥「?」
文香「そうですね、上には上がいます。私も、まさか自分が、アイドルを目指すことになるなど思いもしませんでしたから、経験者の皆さんと比べると、技術や表現力などは、まだまだです。」
文香「ですが、だからと言って、飛鳥さんが埋もれてしまうだけとは、思いません。」
文香「特別、と飛鳥さんはおっしゃいましたね。確かに、世の中に特別な人間など、そうそういないのでしょう。皆、人の子ですから。」
文香「ですが、誰かから見て特別、というのは、あるのではないでしょうか」
文香「例えば、家族。例えば、親しい友人。そういった人たちは、ごく普通の人たちですが、自分にとっては、特別な存在であると、言えるのではないかと思います。」
飛鳥「それは、確かに…」
文香「もちろん、私や奏さん、ありすちゃん、周子さん…他の皆さんにとっても、飛鳥さんは特別な存在です。飛鳥さんのライブを見に来るファンの方々も、アイドルなら誰でもいいのではなく、飛鳥さんを見に来るのですから、それは、飛鳥さんを特別に思っているということでは、ないでしょうか。」
文香「そして何より、飛鳥さんの魅力に、誰よりも早く気付いた、プロデューサーさん…誰よりも、飛鳥さんを、特別に思っていることかと思います。」
飛鳥「…ッ!」
文香「…あまりいい助言もできず、申し訳ないのですが…」
文香「飛鳥さんを見守っている人たちは常にいます、そしてそういった人たちがいる限り、飛鳥さんはきっと『特別』なのだと、私は思います。」
飛鳥「………」
文香「飛鳥さん…?」
飛鳥「フフッ ……アハハハハハハハハ!」
文香「……?」
飛鳥「いや、すまない…随分、自分は小さなことで悩んでいたんだなと気づくと、つい、ね。フフッ」
飛鳥「他の誰かにとって特別、か。確かに、ボクにとっても文香さんは特別だね、うん。」
文香「自分で言いだしたことではありますが、面と向かって言われてしまいますと、なかなか、気恥ずかしいものがあります…」カアア
飛鳥「ボクだってかなり恥ずかしかったし、それはお互い様さ。…でも、ありがとう、文香さん。ボクは、ボクという存在を、誰かに肯定してほしかったのかもしれない。」
飛鳥「きっと、それはボク自身がやるべきことで…今なら、できるんじゃないかって。そう思えるよ。ボクを特別な存在と認めてくれる人がいるから、さ。」
文香「はい、飛鳥さんなら…きっと。」
飛鳥「そろそろ中に入らないかい?流石に体が冷えてきたよ。」
文香「そうですね、時間も、遅いですし…そろそろ帰りましょう。」
ライブ当日 控室
モバP「おう飛鳥、お疲れ。」
飛鳥「やあ、お疲れ様。…と、言いたいところだけど、担当アイドルの大事なステージが控えてるってのに、ここ数日あまり姿を見せないってのはどうなんだい。」ジトッ
モバP「うっ…いやその、色々と調整があってな…悪い。」
飛鳥「フッ まあいいさ。キミがボクのために色々尽力してくれているのは、よく知っているつもりさ。」
モバP「そう言ってもらえると助かるよ。」
飛鳥「ところで、一つだけ聞きたいのだけど、いいかい?」
モバP「なんだ?急に」
飛鳥「キミにとって、ボクはどういう存在だい?」
モバP「大事な担当アイドルだろ、それがどうしたってんだ。」
飛鳥「フフッ、そうかい。ありがとう、答えてくれて。」
モバP「ん?お、おう、なんだか知らんが、どういたしまして。」
飛鳥(全くキミってヤツは、苦も無く即答してくれるじゃないか。フフフッ)
モバP「おっと飛鳥、そろそろ時間だぞ。」
飛鳥「わかっているさ。さあ、行こうか。」
飛鳥(ボクがそこにいると言ってくれる人がいるから)
飛鳥(ボクは自信を持って叫ぼう。『ボクはここにいる』ってね。)
飛鳥「ボクという存在を、証明しに行こう。」
~終~
以上となります 改行ヘッタクソですね・・・勉強してきます
このような拙作をお読みくださり、ありがとうございました。
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