提督「チョコが欲しい」 (12)
「盲目にでもなったのかしら?それとも健忘症?」
「ちゃうわい、この既にもらったチョコはちゃんとありがたく食べるさ」
「良かったわ目の前のチョコが見えてない訳じゃないのね?じゃあまだ足りないって事かしら?大きな段ボールが何箱も埋まってるけど」
「そうでもない……その……本命がな」
「本命?それっぽい包みのチョコならいくつかあるんじゃない?」
「いくつかな?後はまぁ義理チョコだが……その……そういう意味でなくな……俺の本命というか」
「つまり提督の本命からはまだ貰えてないって事ね?」
「はい」
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「そう、もうヒトキュウマルマルね、この時間になってもまだ渡してもらえてないの?」
「そうなんだよ……既に起床してから半日以上経つのにだ」
「そうね、あれじゃない?渡すタイミングを計ってるとか」
「いくらでもあったと思うが?」
「そうね、でなきゃ執務室の一角がチョコの入った箱で埋まったりはしないわよね、じゃあ既に沢山もらってるのを見て気後れしてるとかは?」
「そりゃ無いとは言わんが、少なくとも俺の知る限りそんな子じゃないはずだよ、多分」
「じゃあ単純に向こうも忙しいんじゃない?」
「忙しいのは確かだろうが、渡すヒマは確実にあったんだよ」
「そうなの?」
「ならいっそ提督から貰いにいけば?」
「それなんだがな、考えたよ?でもな?ちょっとダメなんだよ」
「ダメって何が?」
「だからな……もしかしたらだが、渡す以前ではないかと」
「と言うと?」
「俺はその子の事がその……好きだ……」
「本命って言うくらいだものね」
「でもその子がどう思ってるかは分からない、特に何か思ってる訳でもなく、チョコの用意すらしてないのかもしれない」
「まぁそれはないと思うけど?」
「長月は用意してなかったぞ?」
「そうだったわね」
「まぁだからな?もし俺から言い出してさ、用意してなかったらさ……ショックだろ?」
「まぁそうよね」
「だから困っててな」
「……まぁもう少し待ってみたら?誰の事か知らないけど、もしかしたら恥ずかしくて人目があると直接渡せないのかもしれないわよ?」
「それも違うと思うんだが……まあいい、とりあえず飯食ってから仕事片づけるか」
「そうね……先に行っててくれる?」
「おう」
「……本命……ね」
「フタフタマルマル仕事終了ね」
「そうだな……」
「あれから何人か渡しにきたけど?」
「……」
「来なかったみたいね」
「……うん渡してくれなかった」
「……この後はどうするのかしら?」
「ん?まぁいつもの通り鳳翔さんの所で飲んでから寝るかな」
「そう……ショックでもあまり深酒しないでね?日付が変わる前には部屋に戻る事いい?」
「ん?何で?」
「いいから」
「分かったよ、それじゃまた明日よろしく頼むよ」
「ええ、また明日ね、おやすみなさい」
「はぁ……さてと、とりあえず行くか」
「あー変に愚痴ったなぁ……鳳翔さんにわいつも悪いことしてるかもな」
「……フタサンゴーマルか、結局日付変わる前に部屋に帰ってる俺」
「さてとさっさと寝るかん?ドアに何か」
「これってチョコか?カードも付いてる」
『提督へちゃんと今日中に受け取りなさいよね?
本命かもしれない艦娘より』
「……ふっちゃんと受け取ったよ、まったく……最初から渡してくれよな……美味そうだ……うん美味い」
「……お返し考えないとな」
終わり
お気に入りの艦娘でこの子だけボイスが無かったのでムシャクシャして建てた、後悔はしていない、後でHTML依頼してきます
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