男「ちっ、肋骨がイッちまったか……」(24)

武術家「ハァッ!」



ボゴォッ!



男「ちっ、肋骨がイッちまったか……」

武術家「セヤァッ!」



ベキィッ!



男「ちっ、鎖骨がイッちまったか……」

武術家「ダリャッ!」



ボギィッ!



男「ちっ、尺骨がイッちまったか……」

武術家「ぬりゃあっ!」



ドゴォッ!



男「ちっ、大腿骨がイッちまったか……」

武術家「ここだァ!」



ズドッ!



男「ちっ、恥骨がイッちまったか……」

武術家「くううっ……ダァァッ!」



ドゴンッ!



男「ちっ、胸骨がイッちまったか……」

武術家「おのれ……! ウリャアッ!」



ボキィッ!



男「ちっ、膝蓋骨がイッちまったか……」

武術家「これで決めるッ! てぇりゃあっ!」



パキャッ!



男「ちっ、中手骨がイッちまったか……」

武術家「ソイヤァ!」



ボギィッ!



男「ちっ、脛骨がイッちまったか……」

武術家「ならば、ここだっ! ……ダアッ!」



グシャッ!



男「ちっ、頭蓋骨がイッちまったか……」

武術家「キエエッ!」



ゴキャッ!



男「ちっ、肩甲骨がイッちまったか……」





武術家「ドオアッ!」



バキャアッ!



男「ちっ、上腕骨がイッちまったか……」

武術家「なぜだ……なぜ倒れん!?」

武術家「ウリャアアアアアッ!」



ドゴォッ! メキィッ! ズガァッ! ドボォッ! ガゴォッ!



男「ちっ、足根骨、尾骨、腓骨、仙骨、舌骨がイッちまったか……」

武術家「くっ、くそっ……」ハァハァ…

男「ふふふ……どうやら、ここまでのようだな」

武術家「私の武術では、お前を倒すことはできないのか……」ガクッ…

男「ようやく悟ったか。いかに体を鍛え、技を磨いても、越えられぬ壁というものを」

男「では、人類最後の希望である貴様を葬り、この世を闇に染めるとしよう」

男「――うっ!?」

武術家「!?」

男「な、なんだっ……!?」

男「体が言うことを……っ!? バカな……! 今までこんなことなかったのに……!」

男「く、くそぉぉぉぉぉっ!」

男「たかが……パンチや……キックごときに、この俺がぁっ……!」

男「――ぐはぁっ!」ドサッ…



武術家「私が……勝った、のか……!」



………………

…………

……

記者「このたびは、世界支配を目論む“不死身の男”をみごと打倒されました!」

記者「おめでとうございます! そして、ありがとうございます!」

武術家「いえ、当然の使命を果たしたまでです」

記者「ところで、今回の快挙、いったい勝因はなんだったとお考えですか?」

武術家「そうですね……」

武術家「諦めずにコツコツとダメージを与えたのが勝因だと考えています」







                                   ~おわり~

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom