武術家「ハァッ!」
ボゴォッ!
男「ちっ、肋骨がイッちまったか……」
武術家「セヤァッ!」
ベキィッ!
男「ちっ、鎖骨がイッちまったか……」
武術家「ダリャッ!」
ボギィッ!
男「ちっ、尺骨がイッちまったか……」
武術家「ぬりゃあっ!」
ドゴォッ!
男「ちっ、大腿骨がイッちまったか……」
武術家「ここだァ!」
ズドッ!
男「ちっ、恥骨がイッちまったか……」
武術家「くううっ……ダァァッ!」
ドゴンッ!
男「ちっ、胸骨がイッちまったか……」
武術家「おのれ……! ウリャアッ!」
ボキィッ!
男「ちっ、膝蓋骨がイッちまったか……」
武術家「これで決めるッ! てぇりゃあっ!」
パキャッ!
男「ちっ、中手骨がイッちまったか……」
武術家「ソイヤァ!」
ボギィッ!
男「ちっ、脛骨がイッちまったか……」
武術家「ならば、ここだっ! ……ダアッ!」
グシャッ!
男「ちっ、頭蓋骨がイッちまったか……」
武術家「キエエッ!」
ゴキャッ!
男「ちっ、肩甲骨がイッちまったか……」
武術家「ドオアッ!」
バキャアッ!
男「ちっ、上腕骨がイッちまったか……」
武術家「なぜだ……なぜ倒れん!?」
武術家「ウリャアアアアアッ!」
ドゴォッ! メキィッ! ズガァッ! ドボォッ! ガゴォッ!
男「ちっ、足根骨、尾骨、腓骨、仙骨、舌骨がイッちまったか……」
武術家「くっ、くそっ……」ハァハァ…
男「ふふふ……どうやら、ここまでのようだな」
武術家「私の武術では、お前を倒すことはできないのか……」ガクッ…
男「ようやく悟ったか。いかに体を鍛え、技を磨いても、越えられぬ壁というものを」
男「では、人類最後の希望である貴様を葬り、この世を闇に染めるとしよう」
男「――うっ!?」
武術家「!?」
男「な、なんだっ……!?」
男「体が言うことを……っ!? バカな……! 今までこんなことなかったのに……!」
男「く、くそぉぉぉぉぉっ!」
男「たかが……パンチや……キックごときに、この俺がぁっ……!」
男「――ぐはぁっ!」ドサッ…
武術家「私が……勝った、のか……!」
………………
…………
……
記者「このたびは、世界支配を目論む“不死身の男”をみごと打倒されました!」
記者「おめでとうございます! そして、ありがとうございます!」
武術家「いえ、当然の使命を果たしたまでです」
記者「ところで、今回の快挙、いったい勝因はなんだったとお考えですか?」
武術家「そうですね……」
武術家「諦めずにコツコツとダメージを与えたのが勝因だと考えています」
~おわり~
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません