松実玄「きぼーがみねがくえん…?」 (21)



苗木「ん… あれ?寝てた?」

苗木「ここは…教室?」

苗木「僕は…確か希望が峰学園にやってきて…」

苗木「じゃあ、ここは希望が峰学園の教室…?」

苗木「これは…」ガサ

苗木「入学式?8時集合って…もう過ぎてるけど…」

苗木「とりあえず外に出てみるか」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420513127



苗木「まずは玄関ホールってとこに行ってみようかな」

「あれ?君は…」

苗木「え?」

「君はここの人?」

苗木「えっと…僕はこの希望が峰学園に入学することになってて…」

「ふぅ~む、なるほどなるほどなるほどー」

苗木(なるほど多いな…)

「つまりここはきぼーがみねがくえんってところなんだね!」

苗木「多分そうだと思うよ」

苗木「君も新入生?」

「ううん、私は2年生だよ」

苗木「あ、じゃあ先輩なんですね。失礼しました」

「ん?私の学校は女子高だから君みたいな後輩はいないはずだよ?」

苗木「え?ってことは女子高から今日初めてここに来たってこと?」

「う~ん、まあそういうことになるのかな…?」

苗木「なんだ…じゃあやっぱり同級生なんだね」

「えーっと、君の名前は?」

苗木「僕の名前は苗木誠です」

「なえぎ君だね!“なえぎ”ってどういう字?」

苗木「草冠の“苗”だよ」

「なるほど~、“ぎ”は?」

苗木「“ぎ”!? え、いや、普通に“木”だけど… 木曜日の木」

苗木(ちょっと変わった娘なのかな…?)

「あ~そうやって書くんだ!うん!覚えたよ。よろしくね、苗木君!」

苗木「あ、君の名前はなんていうのかな?」

玄「これは大変失礼をば!私は松実玄だよ!」

苗木「松実さんか。よろしくね」

玄「ところでここはどこ?」

苗木「希望が峰学園ってさっき言ったよね?」

苗木(やっぱりちょっと頭がアレなのかな?)

玄「そうでした!でもこれからどうすればいいんだろう?私帰りたいんだけど…」

苗木「もう帰りたいの?入学式くらいは出ないと」

玄「…? 入学式があるの?」

苗木「いやそのために来たんでしょ…」

玄「それがどうやってここまで来たのかよく覚えてないのです…」

苗木「…! 君もそうなんだね!?僕もそうなんだ。突然気を失っちゃって…」

玄「なるほどー、それは何だか変なのです」

苗木「確かにそうだよね… 2人揃って気を失って気が付いたらこんなことになってるなんて…」

玄「とにかくこの辺を歩いてみるのです!」

苗木「あ、そういえば玄関ホールに集合って案内に書かれてたよ」

玄「なるほど!じゃあ玄関ホールに行ってみるのです!」

葉隠「ん?おめーらもここの新入生か?」

苗木「じゃあ、君たちも?」

不二咲「うん、今日希望が峰学園に入学する予定の新入生だよ」

玄「なるほどなるほどー、私たちと同じだね!」

朝日奈「これで全員かな?」

玄「…!? お、おも…」

朝日奈「え?どうしたの?」

玄「ハッ…!? な、なんでもないのです!」

玄(あまりにすばらなおもちにビックリしちゃったよ… 危うくいつもみたいに吸い付いちゃうところだった…)

玄(でも焦っちゃ駄目… ここで変なことしちゃったら折角巡り会えたおもちがパアになっちゃうよ)

玄(永水も姫松も私だけ出禁になっちゃったし、ここはちゃんと振る舞わないと!)

朝日奈「そう?ならいいんだけど…」

玄「それよりまずは自己紹介するのです!」

玄(阿知賀に帰るのはこの娘と仲良くなってからでもいいよね?)

朝日奈「あ!それいいね!遅れてきた2人のためにもさ!」

大和田「オイオイ、んなことやってる場合じゃねえだろ」

玄(お姉ちゃぁん…なんか怖い人がいるよ…)

セレス「あら、ですが問題について話し合う前に互いの素性を知っておいたほうがいいのでは?」

石丸「うむ、確かになんと呼んだらいいのかもわからなければ話し合いもできないからな!」

玄「それじゃあ、早速始めるのです!」

苗木「えっと…じゃあまず最初は…」

舞園「苗木君!」

苗木「え?」

舞園「やっぱり苗木君ですよね?同じ中学だった舞園です!」

苗木「舞園さん…僕のこと覚えてくれたの?」

舞園「当然じゃないですか!3年間も同じ学校だったんですから」

苗木「でも舞園さんは有名人だったし…僕みたいな普通の奴なんか気に留まらないと思ってたから…」

舞園「えぇ…?私ってそんなに冷たい人間だと思われてたんですか?ショックです…」

苗木「あっ!えっと…そういうことじゃなくて…その…!」

舞園「…うふふ、冗談です!」

苗木「え、冗談…?」

舞園「はい!」

苗木「か、からかわないでよ…」

玄「うんうん、苗木君もうまくやってるみたいだね!」

玄「それにしてもあの娘もすばらなおもちだなぁ」

玄「でも私はさっきの娘が一番なのです!」



玄「こんにちわ!松実玄です!よろしくお願いします!」

朝日奈「うん!私は朝日奈葵だよ!こちらこそよろしくね!」

玄「朝日奈さんは何か好きなものとかある?」

朝日奈「私はね、ドーナツが好きなんだ!あとはスポーツ全般!」

玄「ふぅ~む、スポーツ少女なんだねぇ」

朝日奈「松実さんは何が好きなの?」

玄「私はおもちが大好きなのです」

朝日奈「あ~お餅もいいよねぇ~。私も大好きだよ!」

玄「ほ、本当!?」

石丸「おい、君たち!時間は限られているのだ!ここは自己紹介の場であって雑談の場ではないと心得よ!」

玄「あ…ごめんなさい」

朝日奈「あはは…怒られちゃったね… じゃあ私はもう1人の人のところ行ってくるよ!」

玄(私ももう1人のおもちの娘のところへ行くのです)

苗木(さて、これで一通り終わったかな?)




 ブブ…

『あー、あー、マイクテスト、マイクテスト。校内放送、校内放送。大丈夫?聞こえてるよね?』

『えー、今から入学式を執り行いますので新入生の皆さんは至急体育館までお集まりください』

『ってことで、よろしく』プツン



苗木「な、なんだ今の…?」

玄「体育館に来いって言ってたのです」

十神「じゃあな、俺は行くぞ」

玄「私たちも行くのです!」

苗木「う、うん」

苗木「入学式みたいだね。どこからどう見ても」

玄「入学式かぁ…シズノちゃんと憧ちゃんの時を思い出すなぁ」

「おーい、全員集まった?それじゃあそろそろ始めよっか」

玄「?」


 ビョーン

不二咲「え…? ぬいぐるみ?」

モノクマ「ぬいぐるみじゃないよ。ボクはモノクマだよ。キミたちの学園の学園長なのだ!」

モノクマ「ヨロシクね!」

山田「う…うわわわ…ぬいぐるみが喋ったァ!?」

石丸「落ち着くんだ…!スピーカーでも仕込んであるんだろう…」

モノクマ「だから、モノクマだってば!」

山田「うわあああああ!!!動いたぁぁぁ!!!!」

大和田「落ち着けってんだろ!ラジコンかなんかだ!」

玄「らじこん?」

モノクマ「っていうかさあ…キミはなんなの?突然こんなところに… どうやって入って来たの?」

玄「? よくわからないのです…」

モノクマ「うぷぷ、アイツ以上に残念な臭いがする奴だよ…」

残姉「!?」

セレス「あら?どうかなさいました?江ノ島さん」

江ノ島「い、いや…なんでもない」

モノクマ「まあいいや。今更キミだけ外に出すのも骨が折れるしね」

モノクマ「松実玄さんだったね。キミにもこの学園生活に参加してもらうことにするよ」

十神「なんだ?その学園生活とは?」

モノクマ「うぷぷ、それはね…」

モノクマ「オマエラにはここで期限のない共同生活を送ってもらいます。つまり…」

モノクマ「オマエラは一生ここから出られないのです!」

石丸「な、なんだと!?」

セレス「そんな…こんなところで一生暮らすなんて無理ですわ…」

モノクマ「心配しなくても予算は豊富だし、生活に不自由はさせないよ」

玄「本当?おもちもある?」

モノクマ「オマエラが欲しいっていうなら用意するよ」

玄「すごいのです!」

桑田「何乗り気になってんだよ!しかも餅で!」

玄「おもちを馬鹿にしないで!」

十神「おい黙れ。それより貴様、何の真似だ。ここで一生暮らせだと?」

モノクマ「まあまあ、ぶっちゃけ無い訳じゃないよ?ここから出る方法」

霧切「何なの?その方法って…」

モノクマ「人が人を殺すことだよ」

苗木「こ、殺す…!?」

玄「衣?」

桑田「どんな耳してんだよ!」

モノクマ「殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺絞殺惨殺呪殺…殺し方は問いません」

モノクマ「誰かを殺した人だけがここから出られる…それだけの簡単なルールだよ」

モノクマ「希望同士が殺し合う絶望的なシチュエーション…ドキドキする~」

朝日奈「な、何言ってんの!?」

舞園「そうですよ!どうして私たちがコロシアイなんて…」

モノクマ「まったく…物分りの悪い連中だよ… いいかい?ここではこの学園がオマエラの家であり世界なんだ」

モノクマ「殺りたい放題殺らせてやるからやってやってやりまくっちゃえっつーの!」

大和田「ざけんなコラッ!!!殺し合いをしろだぁ!?テメェの悪ふざけは度が過ぎんぞッ!!!!」

モノクマ「悪ふざけ?それってキミの髪型の事…?」

大和田「テメェ…!」ガシッ

大和田「捕まえたぞコラッ!いいから俺らをここから早くだせ!!!でなきゃ力づくでも…」

モノクマ「キャー、学園長への暴力は校則違反だよ!!!」ピコーンピコーン

苗木(なんだ…?この音…?)

霧切「危ない!!!投げて!!!」

大和田「あぁ…!? …チッ!」ブンッ


 ドカーーーーーン!!!!


苗木「ば、爆発した…!?」

玄「うわわ」

大和田「な、なんだこれ…」

モノクマ「まったく…今回だけは大目に見るけど校則違反は今みたいなグレートな体罰を発動しちゃうからね!」

モノクマ「それじゃあ、これで入学式を終わりにします」

モノクマ「豊かで陰惨な学園生活を楽しんでください」




石丸「諸君!希望を捨てちゃ駄目だ!必ずどこかに脱出できる方法があるはずだ!!!」

朝日奈「うん!ここで悩んでても何も解決しないもんね!」

玄「石丸君はいいこと言うのです」

桑田「しゃーねえ、皆探索すんぞ」

十神「俺は一人で行く。既に人殺しを企んでいる奴がいるかもしれん」

舞園「そ、そんなこと…」

十神「ないとはいい切れないはずだ」

大和田「待てコラ…んな勝手は許さねえぞ」

十神「ふん…どけよプランクトン」

大和田「あぁ!?」

玄「プランクトンって何?」

不二咲「えっと…今それどころじゃ…」

石丸「水中を泳ぐ小さな生き物のことだな!」

腐川「こいつら馬鹿じゃないの!?」

石丸「ん?何か間違ってたかね?」

腐川「そういう意味じゃないわよ…」

玄「水の中を泳ぐなんてなんだか可愛いのです」

桑田「ぷっ…」

大和田「」ブチッ

大和田「このメガネ…ぜってえ許さねえ…!」

十神「何故俺なんだ」

大和田「うるせええええええええ!!!!」グッ

玄「止めるのですボクたち!」バッ

大和田「あぁ!?」

玄「喧嘩はよくないのです!」

大和田「半分はオメエのせいだろ!!!」

石丸「待ちたまえ!!!大和田君!女性にそんな風に詰め寄るのは感心しないぞ!!!」

大和田「…チッ! わかったよ。確かにその通りだぜ…」

不二咲「ま、松実さん、大丈夫?」

玄「全然平気なのです!」

不二咲「そっかぁ…すごいね…」

腐川「馬鹿なだけよ…」

玄「私はお馬鹿じゃないのです!」

腐川「どこがよ…喋り方から馬鹿が滲み出てるじゃない…」

大神「その辺にしておけ…」

石丸「ふむ…では学園内の探索を始めよう!!!」

玄「うん!おまかせあれ!」

石丸「よし!では全員揃ったな。これより第1回希望が峰学園定例報告会を開催する!!!」

石丸「まずは僕達から報告させて貰うぞ。僕と松実君は寄宿舎を調べていたのだが…」

石丸「そこで世紀の大発見をした!なんと僕達全員分の個室が用意されていたのだ!!!」

玄「大発見なのです!」

朝日奈「いや、みんな知ってると思うけど…」

玄「でも、私の部屋だけなかったんだよ…」

霧切「それはおかしいわね。どうして松実さんの部屋だけ…」

モノクマ「モノクマ登場だよ!」

玄「うわわ」

モノクマ「えー、大変申し訳ないんですが、松実さんの個室は用意してないのです」

玄「そんなぁ…」

山田「何故に松実玄殿だけ部屋がないのですか?」

モノクマ「いやあ、建物の都合で準備が間に合わなくてねぇ」

モノクマ「松実さんは誰かの部屋に入れてもらってよ。コミュ症ぼっちじゃあるまいしそれくらいできるでしょ?」

霧切「」ビクッ

玄「うーん、でもそれじゃ迷惑になっちゃうよ…」

モノクマ「まあまあ、女子は7人もいるんだから… 交代で泊めてあげれば大したことないよ」

モノクマ「ってことでヨロシク!」





江ノ島(本物)「はぁ…やっと始められた。ここまで長かったわぁ」

江ノ島(本物)「絶望的に飽きっぽいこの私様がこれだけ時間をかけたのだから精々楽しませて貰うわよ!」

江ノ島(本物)「それにしても…何なのアイツ?いつの間にか学園に入り込んでるなんて…」


キュイィィィィィィン!!!!!


江ノ島(本物)「!?」

???「ふぅ…やっとこっちに来れたよ」

江ノ島(本物)「は?何アンタ…どっから来たの?」

???「え?あの…あなたは誰ですか…?ここはどこなんですか…?」プルプル

江ノ島(本物)「さっきのアイツといい何か妙なことになってる?」

江ノ島(本物)「まあいいや。アタシは江ノ島盾子でここは希望が峰学園。これでいい?」

???「江ノ島さん…えっと…江ノ島さんはここで何してるんですか…?」

江ノ島(本物)「うーん、まあ教えてあげてもいいけど… あんたが絶望してくれるならね!」


江ノ島(本物)「って訳よ!」

???「そ、そんな…なんでそんな酷いこと…」

江ノ島(本物)「なんでって絶望的だからに決まってるでしょ?」

???「こ、こんなことすぐに止めてよ!」

江ノ島(本物)「ハァ…絶望的に普通でつまらない反応ね。止める訳ないじゃん面倒くさいなあ」

江ノ島(本物)「松実玄といいアンタといい、なんか色んなことが起こってこっちは大変なのにさ」

???「松実玄…?あの女が…ここにいるの…?」

江ノ島(本物)「何?知り合い?」

???「…あは」

江ノ島(本物)「?」

???「あはははははははははははははははははははは!!!!!!!」

江ノ島(本物)「は?何なのいきなり?」

???「そっか、ここにいたんだね… これで探す手間が省けたよ」

江ノ島(本物)「何言ってんの?」

???「ん? ああ、ごめんなさい。あなたのこと忘れてたよ」

江ノ島(本物)「まあなんでもいいけどさ。いつまでもここにいて貰う訳にはいかないからさ。悪いけど消えて貰うよ」

???「あはは、まだ自分の立場がわかってないんだね」

江ノ島(本物)「じゃあね」カチャッ

???「3流にふさわ…面倒臭え、死ね」カン!

江ノ島(本物)「」グシャァッ

???「さてと…どうしようかな」

???「松実玄…許さないよ…」ギリ




このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom