提督「私と一緒になってくれ……古鷹」 (22)

卒論に追われて死にそうなRDです。
そんな合間に少しでも鬱憤を晴らすためにこっそりssを書き殴り貯めてた一本です。


仕事によってクリスマスイブの夜遅くに帰って来た古鷹と提督。
皆のために働く古鷹、皆を引っ張る提督、お互いのある共通点、そしてクリスマスという日に、2人はまた急接近して……。

えっちな古鷹劇場第2弾です。
前回から時系列的には後になります。
でも今回は一応全年齢向けな展開にしてあります。多少エロい描写はあるかもですが。
今回も古鷹の一人称視点で、相変わらず古鷹と提督しかいませんのでご注意下さい。


前作はこちら。18禁注意です→【R-18】古鷹「提督……んっ……ふぅ」【艦これ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417701233/)
こちらはその才再筆版です→http://sstokosokuho.com/ss/read/636

※以下の点に該当する方は読むのをご遠慮ください。

・稚拙な文章が読むに絶えないと感じた方

・二次創作が苦手な方

・いや元々エロいSSが読みたかったんだ、という方

・古鷹は青葉との百合がベストだと思ってる方

・提督は男の世界に(ry

以上を踏まえた上で、稚拙な文章でもお付き合い出来る方は、どうか最後までお読みになって下されば幸いです。


※今回も下書きで完成しているので数分おきに続きをうpしていきます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419170040

「私と一緒になってくれ……古鷹」

「――ッ!」

そんな夢のような瞬間が訪れたのは、真夜中のことでした。



「疲れたなぁ……」

「はい……」

私と提督は、お互いに疲労感を分かち合いながら執務室に戻ってきました。

こんばんは、古鷹です。

世間はクリスマスイブで、この舞鶴鎮守府でもクリスマスパーティが盛大に行われました。

けれど私と提督は突然の提督会談により、横須賀へ行っていました。

本当は私も皆と一緒に楽しみたかったけど、提督を一人にするわけにもいきません。

これも提督と……その、デートだと思って……って言うのは不謹慎ですよね。ダメダメ!


けれど早い寒波がやってきていた影響で公共交通機関も乱れ、長距離移動でもうヘロヘロです。

それでも私たちはいつもの書類をまとめなくてはなりません。

夜遅くになりましたが、すぐに取りかかりました。

「古鷹、ずっと立ちっぱなしで疲れないか? 私も手伝おうか?」

「えっ? だ、大丈夫ですよ! 提督がお休みになるまで、私もお伴しますとも!」

などと強がってはいるものの、やはり体が疲れているのは事実です。

「無理はするなって」

「だ、ダメです! 提督や他の艦娘のためにも、私が頑張らないと!」

弱音を吐くぐらいなら、手を動かします!

秘書艦としての責務を果たさなくては。私が頑張って、提督や艦娘を手助けしなくては。

こうして提督のお役に立ち、鎮守府のために尽くすことが秘書艦の使命です!

私は黙々と作業を続けました。

「……はぁーっ……あっ……」

一仕事終えたと思った途端に、私はバランスを崩してソファーへ尻もちを突きました。

足に力が……入らなくなってしまいました……。

「ほら、な。やっぱり無理してたんだな」

「む、無理なんか……」

けれど、ソファーの柔らかさが心地よく感じるほどに、私の体は疲れていました。

「それじゃ、一服するとするか」

「あ、それじゃあコーヒーをお出しして……」

「古鷹」

私が立ち上がろうとすると、少し強い声で私を呼び止めました。

提督がこちらへと歩いてきて、私の肩に手を置きました。

「座ってなさい。提督命令だ」

お得意の提督命令です。私はしゅんとしながら、言われた通り座って待つことにしました。

うう……失態です。秘書艦ともあろう者が情けないです。

提督はマグカップを私に手渡すと、隣に腰掛けました。

「古鷹、こんなもんか?」

初めて、提督が私にコーヒーを淹れてくれたような気がします。

でも私は、そこに牛乳と砂糖を多めにドリップしてます。甘党でごめんなさい。

火傷しないように息を吹きかけて、ゆっくりと口に含ませていきます。

「あ……すっごく美味しいです!」

自分でもこんなに美味しく作れないのに。

牛乳も砂糖も私が注文したのと同じぐらいなのに……何でだろ?

「んー、私のは失敗だな。いつもより苦く感じる」

「レギュラーコーヒーなら大差はないんじゃないんですか?」

「いや、やっぱり古鷹が淹れてくれたやつの方が美味しいな。うん」

んー? 私はあまり特別なことをしてないんですけどねぇ……。

コーヒーを飲み干すと、突然に提督が切り出してきました。

「なぁ古鷹、お前って誰かに甘えたことってあるか?」

「えっ……?」

甘える……? 提督の意図が読み取れなくて、私はきょとんとしてしまいました。

「お前って古鷹型の長女だけでなく、重巡洋艦のお姉さんみたいなもんだし、ずーっと皆の面倒をみる立場にいただろ?」

そう、私は古鷹型の一番艦にして、一番最初の重巡洋艦。

だから私には、皆をまとめなくちゃいけないという使命感がありました。

「それでいて秘書艦をしているから、鎮守府の艦娘を取り仕切っている状況だ」

提督は、憐れむような顔を見せて私の方を向きました。

「そして艦娘には……現状において父や母というものも存在しないんだよな……」

提督はそのまま、私の頭を優しくなで始めました。

「お前は、すごいよ。誰にも甘えず、長女として、秘書艦としてみんなをまとめるなんて」

途端に、自然に私の視界がぼやけ始めるのを感じました。

私の中でほとんど失いかけていた想いが、湧きあがってきました。

「だから……私の前では、無理をしないでくれ。古鷹」

「……提督」

もう私は、自分の中での高ぶる感情を押し殺すことができませんでした。

「胸を、貸してくれませんか……?」

「どうぞ」

私は提督の懐へと飛び込みました。そして、顔を軽く擦りつけました。

誰かに甘えるなんて、これまであったでしょうか……?

日々の使命感に追われて、私は誰かに甘えることはありませんでした。

それどころか、甘えるという感情すら忘れていました。

だから、私は気付いたんです。

「提督だって……」

「提督だって……そうじゃないですか」

「えっ……?」

私は、顔を上げて再び提督と目を合わせました。

「提督は私以上に他の艦娘たちの面倒を見て、誰にも甘えてないじゃないですか」

提督は、ハッとした顔を見せました。

そして、さびしそうな表情になっていきます。

その頬に、私はゆっくりと手を滑らせました。

「ご両親が他界されても、提督がずっと一人で頑張ってるのを私は知ってます。寂しくても、辛くても、提督は私たちの模範でした」

私は頬から、提督の震えを感じました。

「提督が私に甘えろと仰るなら、提督も私に甘えて下さい。それで、おあいこして下さい」

提督は、それでも涙を見せることはありませんでした。

なんて強い人なんでしょう。

だから私は、あなたの支えでありたい。

私をしっかりと、きついぐらいに抱き締めました。

そんな私も提督の想いに応えて、負けないほどに強く抱き返しました。

私にとって唯一人、甘えることが出来る提督。提督にとって唯一人、甘えられる私。

抱き合い、その温もりを共有してお互いの拠り所を確認し合いました。

「……寝オチするとはな」

「こればかりは本当に失態ですね……」

抱き合ったまま、私たちは疲れで寝てしまいました。

そして覚醒してみれば、もっと真夜中の、本当に中途半端な時間。

サンタクロースが良い子たちにプレゼントを配っている頃合いでしょうか。

「さ、先ほどは……す、すみませんでした」

「い、いや、私もだ。悪い……」

思い返せば、なんとも恥ずかしいことです。

微妙な空気が漂ってしまいます。

「お、お手洗いに行ってきます!」

思わず私はその場を出て行ってしまいました。

こんなのその場しのぎでしかないのに……。

「も、戻りました……って、あれ?」

部屋に戻ってみると、照明が消えていました。

そして、部屋を照らしていたのは、窓から差し込む月明り、クリスマスツリーの電飾と、テーブルの上でゆらゆら燃えるロウソクでした。

薄暗くも神秘的な空間に、提督は立っていました。

「て、提督……?」

「すまないな。本当は仕事が終わった後にするつもりだったんだけどな……」

ゆっくりと、こちらに歩み寄る提督は、どこか優雅な雰囲気でした。

「クリスマスパーティーに参加させられなかった私からのお詫びも兼ねて……」

提督はそっと私の手を取りました。

「古鷹……どうかこのちっぽけなクリスマスパーティーにお付き合い頂けませんか?」

とても紳士的な提督に、私はドキッとしました。

素敵です。素敵で、私はときめきが抑えられなくなります。

とても、とっても嬉しくなって手を握り返しました。

「よろしくお願い致します……」

私も見よう見真似の振る舞いで、提督に応えました。

「……でもこの時間に食べると太るよな」

「うっ」

げ、現実に戻さないでください!

私たちはお腹を抱えて笑いあいました。

「では……古鷹」

「はい……提督!」

「「メリークリスマス!」」

真夜中なのでワインは控えて、普通のジュースで乾杯しました。

普段飲むジュースなのに、格別に美味しく感じました。

「すまないな。予算がオーバーしたから、ケーキもチキンもすぐそこのスーパーのやつしか用意できなかった……」

「いえ、私は……感激です」

用意されたもののなんて、関係ありません。

こうして提督と二人きりで、こんなパーティーを用意してくれるなんて。


「あ、ケーキすごく美味しいですよ!」

「そうか? スーパーとはいえ、少しはマシなものを選んだつもりだよ。よかった」

でも、こんなに美味しく感じられるのは、きっと提督と一緒だから……なんて、恥ずかしくて言えませんね。

「さすがにこんな時間にフライドチキンってのはマズいかなぁ」

「ま、まあ今日ぐらいですよ! 今日だけです!」

クリスマスパーティーに、カロリーを気にしたら負けです!

「こんなところを間宮さんに見られたら、きっと怒られるよな」

「そのときは、私たちでしっかりと謝りましょう!」

そんな、何気ない話をしていることが、私には幸せでした。

お互いに目を合わせるだけで、自然と喜びの笑みをこぼさずにはいられません。

提督との特別な時間を分かち合えて、古鷹は幸福です。

「はーっ、食べたなぁ」

「食べちゃいましたね……」

それでもやっぱり、太りそうで心配なのは事実だったりします。

「……なぁ、古鷹」

「はい? 何でしょう」

「クリスマスプレゼントが、あるんだ」

わぁ……何ということでしょうか。

こんなにもしてくれたのに、プレゼントも用意してくれるなんて……。

「えっ……?」

頭の中が真っ白になりました。

提督の手に出てきたのは、とても小さな箱でした。

それはクリスマスプレゼントというよりも……そう、それは……。

「規定上、古鷹はまだ練度が達してない……だからこれは、俺の意志。カッコカリの、カッコカリだ」

提督は椅子から立ち上がると、私の元へ歩み寄って、その場で跪き箱を開けました。

「私と一緒になってくれ……古鷹」

「――ッ!」

銀色の指輪――。

途端に、前が見えないほどに視界が歪みました。

「あ……ああ……!」

幸せです。幸せすぎて、生きている心地がしません。

感謝の想い、提督への愛を伝えたいのに、言葉が出ません。

だから私は、提督の想いを受け入れるために、左手を前に差し出しました。

お互いに頷き合うと、提督はそっと私の左手を手に取りました。

そして指輪を私の薬指に、ゆっくり、ゆっくりと……。

――はまりました。

「愛してます、提督……」

言葉を振り絞って、私はそれだけでも伝えたかった。

もっと他にも言いたいことがあるけど、声が出ません。

私はそのまま提督の懐へと飛び込みました。

きっと、言葉だけでは感謝してもし足りないでしょう。

だから私は……。

「ありがとう――」

契りを交わす想いを込めて、提督と唇を重ねました。

「す、すみません……指輪を頂いたのに、こんなプレゼントしか無くって……」

「いいや、とても嬉しいし暖かいぞ、古鷹」

私はその後、用意していて渡すタイミングを逃していたプレゼントをお渡ししました。

日々の仕事の傍らで、こっそり編んでいたマフラーです。

そして今私たちはソファーに座り、そのマフラーを……2人で巻いています。

「古鷹から2人マフラーをしてくるなんて、思ってなかったな」

「だ、だって……指輪とマフラーじゃ、全然価値が違いすぎますし……何かご奉仕しないと思いまして……」

いろいろ考えた結果が、これしかなかったんです……。

「それに、古鷹からのプレゼントは、さっきももらったしな」

「えっ……それって……」

「また、してくれないか?」

私が答えようとする前に、提督は既に私の頬に手を置いてました。

そんなの……するしかないじゃないですか。

目を閉じて、唇の温もりを感じました。

「んっ……」

すると、提督はそのまま私に寄りかかってきて……ソファーに横になって、体を重ねてきました。

「んっ、ふっ……はっ……」

それでも、提督は離れようとはしなくて、息継ぎをしながらまた提督とキスを繰り返します。

ときに吐息や舌が絡み合うと、私はビクッと反応をしてしまいます。

そんな強引さが、愛おしく感じます。

「……ぷはぁ……」

やっとのことで、提督が顔を上げました。

軽く息切れをするなかで提督の顔を見ると、物欲しげな顔をしていました。

「……また……ご奉仕しなくちゃ駄目ですか……?」

あの夜のように……。私は服を脱ぐ覚悟をしました。

「……いや、やめとく。というかもうすぐ朝だし」

そう、このままだと艦娘たちが目覚める時間になってしまいます。

さすがにそれは倫理的に問題がありますよね。

「だからもうちょっとだけ、お前に甘えてもいいか? 古鷹……」

提督は、私をギュッと抱いて、顔を埋めてきました。

「じゃあ私も、甘えさせて下さい。提督……」

「ああ……ありがとう」

私たちは、抱き合いお互いの拠り所となろうとしました。

「んんっ、ん……」

夜明けの時間を前に、私はなんだか一日の終わりに恐怖感を覚えました。

あんなに特別な夜が終わってしまうことが勿体ない、と。

「ふっ、んぅ……はっ」

提督を感じていたい。でももう時間が無い。

だから私たちは何度も口付けあうことで、お互いを感じ合いました。

提督の唇の感触を味わいたい。提督の舌に弄ばれたい。

……離れたくない。

「ん……ふぅ……んぐっ……はぁ……」

やがて提督の唇は離れて行きました。

お互いの舌からのびる津液。

それが途切れると、終わりを感じるようで寂しくなりました。

最後に、私たちはしっかり抱き合いました。

「古鷹……メリークリスマス」

「はい……提督、メリークリスマス……!」

本当に、本当に良い一晩を過ごしました。

「この季節を一緒に過ごせて、古鷹……嬉しいです……!」

「私もだよ古鷹……」

提督は、私の指輪がある左手を優しく握りました。

「来年も、再来年も、ずっとずっと……一緒に過ごさせてくれ」

「……よろしくお願いします!」


fin...

いかがでしたでしょうか?

今回もまた純愛ストーリーでいかせていただきました。

次回は逆にドエロなストーリーでも書きたいなぁ……。


今作も余裕ができれば再筆させていただきます。

今年度の投稿はこれが最後です。また続きがあれば年明けの卒論提出後です。

詳細についてはtwitterでも報告していくつもりですので、よろしくお願い致します。

twitterはこちらとなります→ https://twitter.com/Roundabout_road

では、またどこかで。 ノシ

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