【ミリマス】静香「たった一つだけの」 (21)
アイドルマスターミリオンライブの最上静香とそのプロデューサーメインのSSです。
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【春】公園
P「今日はレッスンまで少し時間があるし、少し休んでいこうか?」
静香「そうですね、日差しも気持ちいいですし・・・いい気分転換になりそう」
P「・・・・・・」
静香「・・・・・・」
P「風が気持ちいいね・・・」
静香「そうですね、思わず鼻歌でも歌いたくなっちゃいます」
P「そうか、なら聴かせてくれないかな?」
静香「え?別にいいですけど、すぅ・・・」
春風のリズム 譜面もない鼻歌シャッフル
移り行く色に あなたを思い 小鳥とハミング
P「・・・今日もきれいな歌声だね」
静香「ふふっ、ありがとうございます」
P「鼻歌じゃないけどね」
静香「そこは言わないでくださいよ、もうっ!」
P「ははは、ごめんごめん・・・うん?何か転がってきたぞ?」
子供「そのボール僕ので~す!とってくださ~い!」
静香「私が拾います」
P「いや、いいこれぐらいは自分でできる・・・投げるよ~!」
子供「わっとっと・・・ありがとうございま~す!」
P「ふふっ、礼儀正しい子だね」
静香「ええ、とても」
P「そろそろ行こうか」
静香「はい、出口まで押していきます」
P「いや、いいここは段差が少ないから大丈夫だよ」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
【夏】765プロライブシアター(劇場事務所)
静香「プロデューサー急に呼び出してどうしたんですか?」
P「静香よく来たね!とりあえず座って座って!」
静香「はぁ・・・?・・・それで話って何ですか?」
P「静香、夢ってのはいいよな、目標に向かってる時にくじけそうになっても思い出せば何よりも力をくれる・・・夢ってのは生きる希望なんだ・・・」
静香「何の話ですか?もったいぶってないで早く本題に入ってください」
P「そうだね・・・じゃあ落ち着いて聞いてくれよ?実は・・・冬に武道館でライブをできることになったんだ!ソロライブだぞ!ソロライブ!」
静香「えっ・・・」
P「思えばここまで長かった・・・静香をプロデュースし始めて2年、劇場の公演前に静香がオーバーワークで倒れたり・・・静香がアイドルを続けるのを認めてもらうために静香のお父さんに頼み込んだり・・・本当にいろいろあった・・・・・・」
静香「武道館・・・ソロライブ・・・・・・私が・・・?」
P「ああ、そうだ!いつか静香が話してくれた夢がついに叶うんだよ!」
静香「プロデューサー、私・・・私・・・やります!絶対にこのライブ成功させます!
P「その意気だ!俺も全力でサポートする!」
静香(とうとう叶うんだ・・・私の子どものころからの夢・・・!でも・・・・・・)
P「それでレッスンの日取りだけど・・・うん?どうかしたの静香?」
静香「えっ?あ、いえ何でもありません」
P「そうか?まあ、急に伝えたから少し混乱してるのかもな、今日はもう家に帰っていいよご両親にもまだ伝えてないから早く伝えてあげて」
静香「はい!」
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
【秋】公園
P「ごめんねオフの日に付き合わせちゃって」
静香「いいんです、どうせ他にやることはありませんし」
P「そうか・・・」
静香「それでこの公園で何をするんですか?」
P「静香はそこに座っててくれればいいよ、僕が描きたいだけだから」
静香「へぇ・・・プロデューサー絵なんて描くんですね、意外です」
P「最近、ロコちゃんに勧められてね、結構楽しいんだこれが、でも人物画は初挑戦だから出来には期待しないでね」
静香「ふふっ、なら期待せず待ってます・・・でもなんで私をモデルに?」
P「自分が3年間もプロデュースしてるアイドルだからね、他の誰かを描くよりはよっぽど描きやすいんじゃないかと思って」
静香「そうですね・・・プロデューサーは誰よりもわたしのことを理解してくれてる人ですから・・・きっとうまく描けます」
P「・・・・・・」
静香「・・・・・・」
P「・・・今日も歌ってくれないか?」
静香「いいですよ、曲はどうしましょう?」
P「任せるよ」
静香「じゃあ、すぅ・・・」
たった一粒でも かけがえのないモノ
輝きに変えながら 叶えていきたいの
たった一つだけのかけがえのない夢 あなたにも見えたのなら・・・
手を差し伸べて、硝子の外へ
P「・・・やっぱり初めて会った時からずっと変わらないすごく綺麗な声だ、なのになんで・・・・・・」
静香「・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
【冬】武道館
スタッフA「はいOKで~す!リハお疲れ様でした」
P「静香とっても良かったよ!体調は万全みたいだね」
静香「ええ、最近とても調子がいいんです最高のコンディションで行けます!」
P「ははっ、それは心強いな」
スタッフB「おいお前らこの辺はいろいろ機材があって!危ないから気を付けて運べ!」
スタッフC&D「「は、はい!」」
スタッフC「ってうわっ!」ガンッ!
スタッフB「マズい!倒れるぞ!避けろ!」
静香「え?」
P「静香危ない!!」ドンッ!
静香「きゃっ!」
ガターン!!
静香「うぅ・・・いったい何が・・・プロデューサー?・・・・・・え?」
スタッフB「おい!あんた大丈夫か!?しっかりしろ!」
スタッフD「誰か早く救急車呼べ!」
静香「そんな・・・プロデューサー・・・・・・私を庇って・・・」
いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
【冬】武道館(ライブ最終日)
静香(プロデューサーは病院に運び込まれた、私はあの後気絶してしまったらしくその日は家に帰されたが、翌日小鳥さんが教えてくれたところによると大したケガではなかったらしい。)
静香(その後はプロデューサー不在ながらも予定通りライブを始めることはでき初日は無事に終わって、今日が最終日だ)
静香「私の夢が叶うこの瞬間を・・・プロデューサーに見せられなかったのは少し残念だけど・・・それでも全力を出し切る・・・!」
P「気合十分って感じだな、静香」
静香「えっ?・・・ってプロデューサー!?病院から出てきて大丈夫なんですか!?」
P「いや~もう少し入院してなくちゃいけないし足が骨折したみたいでしばらくは車いすで生活しなきゃいけないみたいなんだけど大事なアイドルの晴れ舞台に立ち会わないってのもどうかと思ってさ・・・」
静香「プロデューサー・・・」
P「あ!でもおとなしくしてるし!終わったらちゃんと病院に帰るから!」
静香「絶対ですからね!・・・でもプロデューサーが見ていてくれると思うととても心強いです、ありがとうございます」
P「静香・・・」
ブー
P「ブザーか、そろそろだね」
静香「はい・・・・・・プロデューサー、しっかり見ていてくださいね、あなたのアイドルのステージを!」
P「・・・ああ!行って来い!」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
【春】公園
P(あのライブがきっかけで静香はその年のIA大賞に輝いたでも・・・)
静香「あの日、IA大賞の授賞式の後社長とプロデューサーが話していたのを聞いたんです」
・・・・・・
社長『それで、プロデューサーを辞めたいと?』
P『はい』
社長『それはその足が原因かね?』
P『ええ、医者に言われました手術で手を施したけど神経がズタズタで、もう一生歩けないだろうって』
社長『確かにその足では営業やあいさつ回りは無理だろうね』
P『はい、ですからプロデューサーを退職させていただきたいんです』
・・・・・・
P「やっぱりか・・・」
静香「あれから1年以上たった今でもプロデューサーが退職してないのを見ると社長がどうにか説得してくれたんだと思います」
P「『その足でもレッスンの指導やスケジュール管理、劇場の運営はできる、だから彼女たちのためにも辞めないでくれ』って言われちゃってね」
静香「それからはプロデューサーの仕事はボーカルレッスンの指導と劇場の運営がメインになったんですよね」
P「おかげさまでまだプロデューサーを続けていられてるよ・・・さて、次はこっちの番かな」
静香「・・・・・・」
P「お父さんから聞いたよ、進学先は看護系の学校にしたんだってね」
静香「・・・・・・」
P「それと、これは言わなくてもわかるよね?・・・君はもう半年以上アイドルとしてステージに立ってない」
静香「・・・・・・」
P「社長に聞いたよ、アイドル辞めるつもりなんだってね」
静香「・・・っ!」
P「理由、聞いていいかな?」
静香「・・・もう気づいてるんですよね?」
P「・・・・・・」
静香「最初、武道館でライブができるって聞いた時から思ってたんです、今までトップアイドルになる夢を叶える為に生きてきました、その夢を叶えてしまった後私はどうなってしまうのか」
P「・・・・・・」
静香「でも、そんな心配はいらなかったんです」
P「・・・・・・」
静香「自分の夢が叶ったのなら自分以外の人の夢を叶えればいいんだって」
P「・・・・・・」
静香「昔、あなたは私が夢を語った時に同じく自分の夢を教えてくれました、『俺の夢は静香をトップアイドルにして、765プロライブシアターを日本一・・・いや、世界一の劇場にするのが夢なんだ』って」
P「・・・そうだ、だから社長に引き留められたときに俺は残ることにしたんだ、シアターを世界一の劇場にする夢を叶えるために」
静香「でも、その夢を一度諦めてしまおうと思ってたんですよね?」
P「・・・・・・」
静香「あなたのその足は、私のせいで失われてしまった」
P「・・・・・・」
静香「私の夢は叶ったのに私のせいであなたの夢が潰されてしまうなんて嫌なんです」
P「・・・・・・」
静香「だから、私の夢が叶った今、私があなたの足になるんです、そしてあなたの夢を叶える・・・」
P「・・・その為にアイドルを辞めるのか?」
静香「あなたの足は私の夢を叶えるために失われました、それに比べれば大したものじゃありません」
P「ならなんでそんなに悲しそうな顔をするんだ?」
静香「なんででしょうね・・・自分でもわかりません」
P「変わらないね、君は・・・」
P(静香は心からアイドルを辞めたいと思ってるわけじゃない)
静香「私って結構不器用なんです、あなたなら知ってるでしょう」
P(おそらく俺の足を奪ってしまったという自責の念から自分の心を縛り付けてるんだ)
静香「それにあなたは昔言ってましたよね?夢は生きる希望だって、それなら今の私には生きる希望はありません、なら残りのこの命も人生もすべて、私の希望をかなえてくれたあなたに・・・」
P「静香、君は自分にはもう夢がないから俺の夢を叶える手伝いをするって言ったよね?」
P(なら俺ができるのは)
静香「・・・はい」
P「なら、僕が君に夢をあげるよ」
・・・・・・・・・・・・
昔、誰かが言っていた
『夢は呪いだ、叶えられなかったものは一生それを背負って行かなければならない』
でも、それは本当に叶えられなかった者だけが背負うものなんだろうか
・・・・・・
【秋】765プロライブシアター(劇場内)
P「・・・・・・」
雑誌の見出し
『トップアイドル最上静香半年ぶりの復活!』
『トップアイドル半年の活動休止の真相』
社長「隣、いいかね?」
P「社長」
社長「最上君がアイドルを続けてくれる気になって本当によかったよ、君が説得してくれたおかげかな?」
P「いえ・・・」
社長「はっはっはっ、謙遜しなくてもいいんだよ、現に彼女は半年前に比べてさらなる力を付けたようにさえ見える、君のプロデュースの賜物だよ」
P(俺が静香に与えたのは俺のために歌ってくれという夢、『俺のためにアイドルで居続けてくれ』という夢)
社長「お?そろそろ始まるようだね」
P(静香はそのめちゃくちゃな『夢』を一も二もなく受け入れた、おそらく俺に対する罪悪感ゆえにだろう)
P(皮肉にも新しい『夢』を得た静香は前よりも生き生きとしている・・・)
静香(今日もプロデューサーが私のステージを見てくれている・・・)
P(ステージの上の彼女は何よりも輝いていて、何よりも美しい・・・これが彼女の新しい『夢』)
静香(この観客の前で私が歌い、私をあの人が見ていてくれる・・・それが私の新しい『夢』・・・)
P(誰かが言っていた夢は呪いだと)
静香(誰かが言っていた、夢は希望だって)
P(俺はいつまでもこの呪いで彼女を繋ぎとめていく)
静香(私はこの希望がある限りあの人の傍に居られる・・・)
P・静香(たった一つだけのこの夢がある限り)
・・・・・・・・・・・・
END
社長「いやー素晴らしいステージだった」
P「当然ですよ、俺の自慢のアイドルですから」
静香「プロデューサー!」ガバッ
P「おわっと!・・・静香、お疲れ様今日のステージも良かったよ」
静香「ありがとうございます!」スリスリ
社長「おやおや・・・これは私はお邪魔みたいだね」
静香「あっ!社長も見ていらしたんですね」
社長「見事なステージだったよ」
静香「ありがとうございます」
P「じゃあ、静香今日はもう帰ろうか、社長お先に失礼します」
社長「ああ、お疲れ様」
静香「お疲れ様です社長」
静香「・・・プロデューサー、今日はお夕食何うどんがいいですか?」
P「・・・静香のうどんに外れはないからねオススメにするよ、それより今日は静香に渡したいものがあるんだ」
静香「・・・・・・なんですか?教えてくださいよ」
P「・・・・・・・・・ははっ、それは帰ってからのお楽しみ!」
社長「もうみんな知っているとはいえもう少し隠す努力をしたほうがいいと注意したほうがいいかもしれないなぁ・・・スキャンダルにならないといいが・・・」
HAPPY END
というわけで終わりです
Pは単純にもがみんが介護士免許を取る数年でも離れたくないからぐちゃぐちゃ言って引き留めただけです、クソ野郎です
もがみんはわんこです、キバはもう抜けきりました
終わりです
HTML化以来行ってきます
これタイトル完全に一緒のSS前にあったよね
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