モバP「恩返し?」 芳乃「ええー」 (34)



トボトボ・・・


P「はあ、今回の出張も収穫無しか……」

P「……ん?」


地蔵「…………」


P「お地蔵様か。しかし随分古いなこりゃ……」

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P「まあ折角だし、拝んどくか。えっと、お供えできるものあったかな……」ガサゴソ

P「……お、あった」

P「お茶とせんべいか。湿気ってるな……」

P「ま、コーヒーとクッキーよりは似合うよな、うん……」ノソッ




パンパン

P「えっと、帰ってもちひろさんが怒りませんようにっと」

P「ああ。あと、いいアイドルが見つかりますように……」

P「さて、戻るか。交通費自腹とかで済みゃいいが……」



スタスタ・・・



地蔵「…………」


地蔵「…………」


――数ヵ月後、岡山



P「ふう、一人スカウトには成功したな」

P「とりあえず、この間の鹿児島出張みたいにはならずに済みそうだ」



ぽりぽりぽり……



P「しかし一人か。しかも13歳……」

P「ま、素質十分、やる気も十分。いい成果だろ」

P「でもなあ、どうせならあと一人、パンチの効いた子とか……」



ぽりぽりぽりぽり……



P「さっきから何の音だ?」



ぽりぽりぽり……


「ほー……どこかしらー……?」キョロキョロ


P(せんべいの音か。……ん? あの子結構……)


「……!」キョロ・・・


P(っと、目が合った。見すぎたか)



テチテチテチ


「そこのお方ー、ひとつお伺いしたいことがございましてー」

P「ん? あ、ああ、何かな」

P(割と小さいな……。スカウトはよした方がいいか? またこずえの時みたいになったら大変だ)

「……むー?」

P「!」

P(いかんいかん、会話の途中だった)

P「ああ、すまない――」

「あぁー、そなたでしたかー、わたくしを探しているのはー」

P「――はい?」

「人をお探しだったのでしょうー?」

P「え? いやまあ、人を探してるというか、何というか……」

「よき人を求めてお困りでしょうー? そなたのお力になれるなら喜んでー」

P「は? 俺の力に……?」

「ええー」コクリ

P「えっと、とりあえず名前は?」


芳乃「わたくし依田は芳乃でしてー」

P「ええと、芳乃さん、ね。あ、モバPと申します。これ名刺」スッ

芳乃「ご挨拶が肝心なのでしてー、どうもご丁寧にー」

スッ

芳乃「ほー……東京からー」

P「まあ、出張というか。スカウトのために」

芳乃「むー、CGプロ……」

P「そう、芸能事務所で働いていてね。神崎蘭子とか、十時愛梨。知ってる?」

芳乃「むー……」ジー

P「まあ、そういう者です」ハハ・・・

芳乃「ではこれからアイドルとして、よろしくお願いしますー」

P「はは……え?」


――――

――――――

ちひろ「それで、連れてきた?」

P「そういうことなんですよね。手続きなんかも全部こちらに来てからやるって聞かなくて……」

芳乃「いい気が巡っていますー」ウロウロ

ちひろ「いくら言われたからって……犯罪スレスレですよ!」

P「ウス……」

ちひろ「だいたい、櫂ちゃんの時といいこずえちゃんの時といいあなたはいつも……」ガミガミ

P「ウス、ウス……」

ちひろ「Paにしたいっていう娘は大体いつも……」クドクド

芳乃「もしー」クイクイ

ちひろ「ごめんね今ちょっと……って、その万年筆」

芳乃「失せ物探しモノならお任せをー」ニコー

ちひろ「あ、ありがとう……。これ大切なものだったの」

芳乃「笑顔は心の元気でしてー」ニコー

ちひろ「あ、うん……」ニコ

ちひろ「はっ! ……と、とにかく! こういうのは今回までにしてくださいよ!」

P「……ウス」

P「な、なんだかよく分からないが、ありがとう」

芳乃「困っている人には力を貸しなさい…ばばさまのお言葉でしてー」

P「はあ。で、その家族に連絡は?」

芳乃「ご心配なさらずー」

P「俺から連絡を入れなきゃあならないんだが……」

芳乃「そなたに必要だから芳乃がまいったのでしてーそこに理由などー」

P「いや、そう言われてもだなあ……」


――――


P「まあこれで手続きは完了、と」

芳乃「なにからいたしましょうー」

P「とりあえずゆっくりしてていいぞ。お茶もある」

芳乃「ではー、お茶とおせんべいがよいですー」

P「はいはい……。その箱も下ろして、楽にな」

芳乃「この箱はー置いておきましてー」

P「うん? そんなに大事なものなのか?」

芳乃「置いておきましてー」スッ

P(普通に置いた……。そのまま『置く』って意味かよ)

P「ほい、お茶とせんべい」コト

芳乃「ほー……」ズズズ

P「で、結局なんでアイドルになろうと?」

芳乃「会いに参りましたのでー」ポリポリ

P「それか……。俺を探してたっていうのか?」

芳乃「知らないを知っているのでしてーつまりそなたの求めるモノもー」ポリポリ

P「俺が、アイドルを求めていたから来た、とでも……?」

芳乃「そなたが困っているならーわたくしが力をお貸ししますー」ポリポリ

P「うーん……つまりどういうことだ?」

芳乃「しかしー、アイドルというのはつまりーみなから崇拝される神様のようなものでしてー…つまりわたくしの天職といったところですのねー」

P「神様? 天職……?」

芳乃「そなたの望みどおりにみなに愛されてみせましょうー」

P「……え?」

芳乃「そなたが神を信じなくともよいのでしてーつまりわたくしがー」

P「いや、言いたいことは大体分かったんだが、ええとだな……」

芳乃「そなたはー、ほおっておけない運気がついているのでしてー」ズズー

P「ううむ……ひどく信じがたい話だが……」

芳乃「そなたー、難しい顔はなさらずー」ポリポリ

P「どこか納得できるというか……」ブツブツ

芳乃「棚からぼた餅が落ちるように、アイドルがまた一人増えるという事実を享受するのが一番でしてー」ポリポリ

P「ううむ……」

芳乃「ほー……」ズズ・・・

コト

芳乃「いつも感謝の心で笑顔をー。そなたには特に必要でしょうー」ニコー

P「む……そ、そうか」

芳乃「そなたー」

P「あ、ああ」ニッ

芳乃「自然と笑みが溢れてくるのですねー。それがそなたのお力でー」ニコー

P「いや、実はこの事務所じゃあ今に始まったことじゃあないんだが、こうはっきり言われるとな……」

芳乃「ほー、それでそなたの運気がー」

P「まあ、色々あってだな」

芳乃「では何よりー、そなたの持つお力をもっともっと高めるのが大事でしてー」ニコー


――――

P「衣装届いたから合わせるぞー」

芳乃「ほー……」
http://i.imgur.com/av2iD6y.jpg

芳乃「アイドルはキラキラパシャパシャですねー」

P「まあ、イメージにピッタリだな」

芳乃「ようやく活動が本格的に動くのでしてー」

P「ああ、顔出した段階からファンは付いていたみたいだが」

芳乃「ファンのみなが応援してくださるのはわたくしの喜びでしてー」

P「おう」

芳乃「そなた様とわたくしとみなとで幸せになりましょうー」

P「おう。……え?」

P「いや、おかしな意味ではないか。うん。……だよな?」

芳乃「そなたーこのお服は似合いますー?」

P「昔話なんかじゃよくあるが……まさかなあ?」

芳乃「ねーねー、聞いてましてー?」



おしまい

ふざけた話にしようと思ってたのに気がつきゃNのセリフで話を回すって実験になってた
ノープランってこわいよね

おまけ 書きながら思いついたネタ


P「京都で罠に嵌った狐を助けたら……」


周子「もむもむ……あ、お肉取ってー」

P「いい加減白菜とか食えよ……」

周子「あたし肉食だからー」モグモグ

周子「ごっそさん。じゃあね」

P「え、結局キミ誰?」

周子「あ、そうだった。はいこれお礼の八つ橋。じゃあね」

バタン

P「……え、何?」

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