向日葵「最近、櫻子と話す機会が増えた」 (38)
高校生設定です。前作 向日葵「最近、櫻子の雰囲気が怖い…」
向日葵「最近、櫻子の雰囲気が怖い…」 - SSまとめ速報
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の続きです。
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放課後
あかり「さっ、櫻子ちゃん」ハァハァ
櫻子「あかりちゃん?どうしたのそんなに息切らして」
あかり「ひ…向日葵ちゃんが…」ウルウル
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櫻子「なんだって!」
校舎裏
男子生徒「頼む。タダでとは言わないからさ、一発ヤらせてくんねぇかな?」
向日葵「ごめんなさい…私そういうの苦手で…受け入れられない……ですわ」カタカタ
男子生徒「んだとこら」ガシッ
向日葵「いやっ、離して!」
男子生徒「そんないい体して女子と付き合うとか損だぜ?だから俺と」
向日葵「お、お願い……やめて…ください」カタカタ
向日葵「櫻子……」グスン
櫻子「私の向日葵に何してくれてんだボケェェェー」ドロップキック
ドゴッ
男子生徒「うわっ痛っ…マジでないぜ……」
向日葵「櫻子……来てくれたのですね」
櫻子「てめぇ……よくも向日葵に」ガシッ
男子生徒「や、やめろぉ…俺はまだ何もっ」
櫻子「許さねぇ…許さねぇ」
向日葵「櫻子、その人はもういいのですよ?私はちゃんと無事でしたわ」
櫻子「」
バキッ
………………………
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…………………
櫻子「厳重注意食らっちゃいましたーっ☆」テヘッ
向日葵「あなたはやり過ぎですわよ」
櫻子「なんだよー、私がいなかったらどうなっていたことか!」
向日葵「も、もちろん櫻子には感謝していますわ」
櫻子「それならよろしい」
向日葵「ただ理性は見失わないでいただきたいですわ」
櫻子「へいへい。それにしても向日葵は本当男ダメだな―」
向日葵「べべっ、べつに気にも留めてませんわ」
櫻子「いくらなんでもあれはキョドりすぎだろ!」
向日葵「し、仕方ないですわ。中学校までは周りは女の子ばかりでしたし」
櫻子「おいおい、それっていつまでも私がついて見張ってなきゃ駄目なパターンじゃないかよ」
向日葵「いっ、いつまでも櫻子の手ばかり借りていられませんわ!」
櫻子(ったく、危なっかしいったらありゃしない……)
キーン コーン カーン コーン
あかり「よかったよぉ~向日葵ちゃんが無事で」グスン
向日葵「赤座さん、なんで泣いてますの?」
あかり「向日葵ちゃんが校舎の裏で怖い男子に詰め寄られてて、あかり助けようと思ったけど怖くて……」
あかり「だから一刻も早く櫻子ちゃんを呼びにいったの」
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向日葵「そうでしたの……お礼を言いますわ赤座さん」
あかり「間に合わなかったらどうしようって…向日葵ちゃんと櫻子ちゃんが心配で仕方なかったよぉ」グスン
向日葵「赤座さん、私はもう大丈夫ですわ。もう心配なさらなくて」
あかり「でも櫻子ちゃんが…」
向日葵「櫻子が?」
あかり「例の男子の返り討ちにあって大怪我しちゃったんだって……あかり、櫻子ちゃんになんて謝ろう…」
向日葵「赤座さん……その件についてなのですけどじつはそうではなくて」
あかり「あっちなつちゃん来たよ、早めに部活終わったみたいだね」
ちなつ「向日葵ちゃん!」
あかり「ち、ちなつちゃん、ご機嫌斜めみたいだけどどうかしたの?」
ちなつ「どうもこうも…、あかりちゃんからメールで話聞いたけどなんなの!」
向日葵「吉川…さん?」
ちなつ「ここは七森中じゃないのよ!男子と接するときにはそれなりに警戒心持たなきゃ駄目じゃないの!櫻子ちゃんにも負担かけてばっかりで!」
向日葵「ごめんなさい……」
ちなつ「もう何度言ったら分かるのさ!あれほど軽々と男子について行かないって約束したのに…」
向日葵「そう…ですから、逆上されて余計に暴力を振るわれるのではないかと思いますと恐怖で仕方ありませんの……」
ちなつ「だからって?言われたままに何でも言うこと聞くの?人目に着かないところに連れて来られたら本当に何されるか分からないのよ!」
あかり「ちなつちゃん、もうそれくらいで…ね。向日葵ちゃんも今回のことで反省してると思うから…」
ちなつ「今回はたまたまあかりちゃんが現場を目撃したからよかったんじゃない!」ガミガミガミガミ
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帰り道
向日葵「吉川さん、内心呆れてましたね……」
あかり「ちなつちゃんもすごく心配してくれてるから少し辛く当ったんだと思うよ…だからっ」
向日葵「分かってますわ。私って、やっぱり櫻子の重荷なのかしら……。今になって思うことではありませんけど」
あかり「櫻子ちゃんがそんなこと…」
向日葵「今回はまだよかったですわ…」
あかり「よかったって…?」
向日葵「櫻子にも大した怪我はなかったのですから…一歩間違えたら返り討ちに遭ってもおかしくなかったのですもの」
あかり「そうだね……櫻子ちゃんも背高いだけで、中身は普通の女の子だからね」
向日葵「でもあの子……馬鹿だから」
向日葵「私のために自分を犠牲にしそうで、それが今一番怖いですの」
あかり「向日葵ちゃん……」
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校舎前
櫻子「おう、向日葵おっはよー」
向日葵「櫻子おはよう…ですわ」
向日葵「って、あなたその顔の痣どうしたのですの?」
櫻子「ああこれ?体育の授業でソフトしてたら打球当ってさ」
向日葵「あなたまさかですけど……」
男「前から思ってたんだけどあいつらってマジで付き合ってんの」ヒソヒソ
女「あの背丈高いほうの女が束縛してるって噂だよ」ヒソヒソ
男「レズビアンかよww余所でやってろや」
女「ぷっ、ほんとよね。まじキモイわ~」クス
男「レズもセックスすんのか~」ゲラケラ゙
女「あんたやめなって、こっち見つめてるじゃん」ゲラケラ゙
向日葵「……」
櫻子「早く教室行かなきゃ!あと五分で遅刻指導じゃん」
向日葵「待って、置いて行かないで、櫻子……」
櫻子「……ったく」
櫻子「置いて行くわけねぇだろ、ほら」
教室
ガタン
担任「オラオラ朝のHR始めるぞ、お前ら席付けー」
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『櫻子ちゃんにも負担かけてばっかりで!』
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向日葵(薄々わかっていたことじゃないですの……)
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「本当にこれでいいの?あなたならもう一つ二つ上の高校、南高だって有望圏ですのに」
私が選んだ道。後悔はしていない。ただ時々、さらにこれから先のことを考えると、息が出来なくなるほど胸が苦しくなることがある。
櫻子「お前馬鹿じゃないのかよ!向日葵……向日葵は向日葵の人生だろ!」
櫻子「なんで私なんかのために…本当に馬鹿だ。今すぐにでも志望校変えてこい!」
向日葵「わかってるくせして、何で何も分かっていないような素振りを見せるの……」
櫻子「……」
向日葵「櫻子こそ馬鹿!私だって……みんなに反対されて」
向日葵「それでも後悔しないほうを選んだつもりですわ!」
櫻子「絶対後悔するよ」
向日葵「しない」
櫻子「するから」
向日葵「しないですわ」
櫻子「するんだよ!」
向日葵「しない……絶対しないんだから……」
櫻子「向日葵には私なんかよりももっと素敵な人がいるんだよ!絶対…絶対、いつまでも子どもっぽい私なんかに嫌気差してくるって…」
向日葵「そんなこと、絶対ないですわ」
櫻子「私は向日葵の人生を台無しに……」
向日葵「ただ……一緒に居たいのですわ」
向日葵「誰から守られるのなら、櫻子だけに守ってほしいの……」
櫻子「……」
向日葵「ねぇ……何か言って下さいません?」
櫻子「ったく……ぜってぇ私から離れんなよ///」
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向日葵(櫻子、櫻子、置いて行かないで………)
櫻子「おい」
向日葵「」ドキッ
櫻子「おい向日葵って!」
向日葵「ななな、なんですの急に///」
櫻子「何って、移動教室なんだから一緒に行くぞ」
向日葵「え、ああ…そそそ、そうですわね」
櫻子「朝から何キョドってんの」
向日葵「う、うううるさいですわ!」
放課後
櫻子「向日葵―、今日よかったら街にでも遊びに行ければなぁーーって」
向日葵「唐突ですわね。まあたまにはいいですわね」
向日葵(久しぶりのデート…ですわね。それも櫻子から誘ってもらえますなんて)
季節は過ぎ………
高1冬
ちなつ「そういえば通知表返ってきたね。」
あかり「高校に入ってから勉強難しいよぉ」
ちなつ「向日葵ちゃんはどうだった?」
向日葵「そこそこですわね」
ちなつ・あかり「お~~」
櫻子「ひ、向日葵……どうしよう、単位」
向日葵「ほら言わんこっちゃない、高校は義務教育ではないのだから成績が進級に関わってくるとあれほど言いましたのに」
櫻子「どうしよう、もう時間がないよぉ」
櫻子「留年なんてしたくないよー」ガックリ
向日葵「まあ櫻子に留年されると私も困りますからね」
向日葵「仕方ないですわ。今日から学校帰りに真っ直ぐ私の家に来なさい。久しぶりにみっちり勉強教えてあげますから」
櫻子「わーい受験の時ぶりに向日葵に勉強教えてもらえるー」
向日葵「あとせめてこれまでの課題くらいは出しなさい」
櫻子「えぇ……はーい」
櫻子「向日葵んちでべんきょっ♪向日葵んちでべんきょっ♪」
向日葵(あなたと居る時間が、私にとって何よりも幸せですわ)
おしまい
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