妹「で、なにかある？」

兄「ないよ」

妹「なんかあるっしょ」

兄「ないって」

妹「そんなこと言っちゃってー」

兄「だからないよ。なんなんだよ」

妹「ここで恩売ってあとで優しくしてもらおうって魂胆さ」

兄「アホくさ」

妹「えー、じゃあうち、部屋戻るけど」

兄「さよならー」

妹「えー」

兄「なんもないったら」

妹「そんなら兄ちゃんこれからなにすんのん？」

兄「漫画読むわ」

妹「あ、じゃあうちとゲームしよ？」

兄「早くこれ読みたいんだけどさ」

妹「スマブラやろうスマブラ」

兄「できるようにみえんのか？」

妹「いまなら勝てる」

兄「はいはい、お前の勝ちだよ」

妹「兄ちゃん骨折してから冷たくなったよね……」

兄「まだ半日も経ってないよ」

妹「でもうち、そんな兄ちゃんも好き」

兄「お前頭打ったか？」

妹「好きだからお金ちょーだい」

兄「やるかボケ」

妹「けちー」

兄「ほら、さっさと部屋もどれ」

妹「そんな邪険にしなくてもいいじゃん」

兄「正直はやく漫画読みたい」

妹「あ、もしかして、アレの新刊？」

兄「おう」

妹「うちも一緒によむ！」

兄「だめ」

妹「なんで」

兄「笑い声がうっさいんだよお前」

妹「ひどーい」

兄「さあ帰れ」

妹「むー」

兄「しっしっ」


妹「いじわるすんなよー」　ぎゅっ

兄「抱きつくなよ暑っ苦しい」　ばっ

妹「あっ」

妹「ちぇ、どうせ漫画読むとかいってエッチなことすんでしょー」

兄「するかボケ」

妹「じゃー、居てもいいじゃん」

兄「なんかうっとおしい」

妹「ひっどー」

兄「はいはい、でてけー」　ぐいぐい

妹「あっ、ちょっ、兄ちゃっ…けが人がそんな無理に……」　じたばた

兄「さよならー」　がちゃん

兄「ふぅ……」

妹『おーい、開けろー』　どんどん

兄「……」

妹『そこにいるのは分かってるー。おとなしく手を上げてー』

兄「……」　しこしこ

妹『って、手は上げらんないよねー。ぷぷっ』

兄「……」　ぺらっ

妹『でてこーい』　どんどん

兄「……」　しこしこ

妹『鍵開けてよー』

兄「……」　しこしこ

妹『ねー』

兄「……」　しこしこ

妹『ちぇー』

兄「……」　しこしこ

兄「……行ったか」　しこしこ

兄「……うっ……」　どぴゅっ

兄「……ふぅ…」

兄「……たまには左手もいいな」

兄「出したのを受け止められないのは難点だが…床に散らばっちまったな…」

兄「と…ティッシュ、ティッシュ」　ふきふき

兄「……」

兄「おーい」

妹「あ、ひきこもり」

兄「ひきこもり言うな」

妹「……ん？」　すんすん

兄「ほれ、新刊。汚すなよ」

妹「…あ、うん。さんきゅー」

兄「あと今日母さんたち遅くなるって」

妹「また飲み会？」

兄「っぽい」

妹「兄ちゃんが骨折したってのに薄情だねー」

兄「そういうこと言うなって言ったろ」

妹「ぶー」

兄「それより、飯行くぞ」

妹「外食？」

兄「この腕じゃあ料理はむずかしいからな」

妹「はーい。もう行く？」

兄「お前が作ってもいいんだぞ」

妹「外食さいこーだよね！　うん！」

妹「……」てくてく

兄「で、どこがいい？」

妹「うーん、　あ、そこ石あるから気をつけてね！」

兄「見えるわ」

妹「ぷっ。前方不注意で骨折したくせにー」

兄「横方不注意ー」　ごんっ

妹「痛っ……暴力はんたーい」

兄「わるいわるい」　なでなで

妹「こんなんでごまかせると…兄ちゃん大好きー！」

兄「で、どこいく？」

妹「うーん、満漢全席！」

兄「ファミレス行くか」

妹「いえーい！」

兄「ちょっと遠いけどいい？」

妹「自転車よりはね」

兄「もう事故んないよ」

妹「どうだかー」

兄「……」

妹「…三角ギブスさわっていい？」

兄「だめ」

妹「いたいの？」

兄「そんな痛くないけど」

妹「ふうん」　さわっ

兄「おい」

妹「ひひっ」

店員「いらっしゃいませー、お二人様ですか？」

兄「はい」

妹「……」

店員「では、お席にご案内します」

兄「……」

妹「……」

店員「ご注文がきまりましたらお呼びくださーい」

妹「……」

兄「……決まったか？」

妹「んー、もうちょい」

兄「ん」

妹「兄ちゃんは？」

兄「ハンバーグかな」

妹「んー……」

兄「……」

妹「ん、決まった」

兄「呼ぶよ」

妹「うちのターン」　ピーンポーン

店員「はーい」

兄「ハンバーグセットと……お前は？」

妹「同じので！」

店員「はい、ハンバーグセット２つですね！　承りました！」

兄「……パクったな？」

妹「ちょうどそんな気分だったんさ」

兄「ぬかせ」

妹「いひひ」

妹「でもファミレスっていっぱいあってムズい」

兄「優柔不断め」

妹「なにそれ？」

兄「お前みたいなヤツのことだよ」

妹「ムズイ言葉つかっても賢くなれんよ？」

兄「弱肉強食」

妹「わー！　とーけーるー！　って知ってるわそんくらいさ！」

兄「お前わからんこと聞くと溶けるのか」

妹「んだよ。わるいかよー」

兄「いんや。悪くないノリツッコミ」　びしっ

妹「兄ちゃん直伝」　びしっ

兄「うむ。よくぞここまで……って教えてないわ！」

妹「うちは賢いから記憶くらいねつぞーできる」

兄「悪賢いってんだよ」

妹「イーッ！」

兄「古いなー」

妹「イーッ！」

兄「……」

妹「……兄ちゃん、ライダーキックは？」

兄「やるかボケ」

兄「だいたいショッカーは悪賢くはないだろ」

妹「でも悪いぞ？」

兄「うんうん。お前は頭が悪いな」　なでなで

妹「……イーッ！」

兄「三度目はくどい」

妹「ノリわるいなー。そんなんだから腕折れるんだよ兄ちゃんは」

兄「関係ねえよ」

妹「やーいやーい。包帯男ー」

兄「片腕だけじゃがな」

妹「かたうでミイラー」

店員「おまたせしましたー。ハンバーガーセットになります」

妹「お」

兄「ありがとうございます。」

店員「注文は以上でお揃いででしょうか」

兄「はい」

店員「それではごゆっくりとお楽しみください」

妹「おー！　うまそう！」

兄「いただきます」

妹「兄ちゃんちゃんと手ぇあわせろよ」

兄「こ、こうか？」

妹「手裏剣か」

妹「そんじゃ、いっただきー！　……とその前に」

兄「あん？」

妹「兄ちゃん皿かせ」

兄「なんで」

妹「うちが切り分けてやるよ。左手だけじゃきれんでしょ」

兄「スプーンでなんとかなるわ」

妹「いーからいーから」

兄「……わるいな。ありがと」

妹「ふふーん」

妹「はい、でーきた！」

兄「さんきゅな」

妹「いーってことよ」

兄「でも人参が増えてるんだけど」

妹「心からのサービス」

兄「食べな」

妹「やだー」　ぱく

兄「おい」

妹「……むぐ？」　もぐもぐ

兄「……む」　ぱくり

妹「ふぅー、くちい。満足だ！　うまかった！」

兄「ごちそうさま」

妹「あ、あーんしたげるの忘れた」

兄「要らんわ」

妹「切ってる時にやっときゃ良かったなー」

兄「はずいわ」

妹「明日からはあーんするかんな？」

兄「せんよ。ほら、いくぞ」

妹「ほーい」

店員「お会計、1728円になります」

兄「はい。えーっと…」

妹「うちがやる。えーと…はい！」

店員「はい。1800円のお預かりで72円のお返しです」

妹「ごちそうさま！」

兄「……」

店員「ありがとうございましたー！」

兄「……ありがとな」

妹「ふふーん。兄ちゃん腕折れてっかんなー。もっと頼れよ？」

兄「嬉しそうに言うなよ」

兄「でもやっぱかなり不便だわこれ」

妹「そりゃー片手だしな」

兄「あー。授業とかどうすっかな」

妹「寝てれば？」

兄「ありだな」

妹「不良め」

兄「おまえは？」

妹「不良」

兄「だから成績わるいんだよ」

妹「体育はいいからいーの」

>>28
さり気なく頼んだものが変わってるぞｗ

>>34
あるあるだよな

妹「たっだいまー」

兄「おかえりー」

妹「お風呂にする？　ご飯にする？　それとも…う ち？」

兄「YOU」

妹「きゃー！　たべられるー！」

兄「すまん、風呂当番変わってくれ」

妹「あーい。まー兄ちゃんにはむりな仕事だなー」

兄「すまん」

妹「貸し3つな？」

兄「暴利だなおい」

妹「ほーい、じゃあ入れてくるさー」

兄「たのむわ」

妹「ふふーん」

兄「……」

兄「テレビでも見っか」

兄「……」