ラブライブ! × 機動戦士ガンダムUC
UC本編は関係なく、ミノフスキー粒子やMS等は有りで書きます
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オードリー「この学校が、廃校……」
バナージ「でも、どうして急に決まったんでしょう?」
マリーダ「入学希望者が年々減少していただろう? 前々から予兆はあったが、歴史と伝統がいくらあっても時代の流れには勝てないということか」
バナージ「なんだか、少し悲しいですね……」
オードリー「こうしてはいられません。何とかして学校を存続させるため、私たちで行動を起こすしかありません」
マリーダ「姫様……?」
バナージ「何をする気だい?」
オードリー「そ、それは……」
オードリー「……スクールアイドル、というのはどうかしら?」
バナージ「スクールアイドル……?」
マリーダ「近頃、全国各地の学校内で結成されたアイドルグループのことだ。有名なスクールアイドルを抱えている学校は注目を浴びて、年々入学希望者も増えているらしい。確かに学校の宣伝としてはこれ以上のものはないな」
バナージ「そ、そうなんですか……」
オードリー「……決めました。まずはこの三人で、スクールアイドルを結成しましょう!」
マリーダ「いいお考えだと思います、姫様」
バナージ「ちょ、ちょっと待ってくれ! 三人ってことは、俺もアイドルをやるってことなのか?」
オードリー「バナージは……プロデューサーかなんかでサポートに回ればいいと思うわ」
バナージ「そんな無茶苦茶な! なんの予備知識も無しに……!」
マリーダ「文句を言うな。姫様がやると仰ったからにはやるんだ」ワシ ワシ
バナージ「うう……」
オードリー「……お願いバナージ。私はこの学校が好き、そして、この学校を次の百年までも残したい。だから私は今、自分のやりたいこと、為すべきと思ったことをやるわ。あなたなら、それをわかってくれるでしょう?」
バナージ「……わかったよ。君がそう望むなら」
マリーダ「心配するな。お前にできないことがあったら、私もサポートする」
バナージ「マリーダさん……ありがとうございます」
オードリー「そうと決まれば早速行動よ。とにかくまずは、私たち以外にも同じ志を持つ生徒を集めて、人数を増やすことから始めましょう」
[放課後]
穂乃果「ええっ! 本当に、ホントなんですか?」
マリーダ「ああ。私たちもまた、スクールアイドルをやろうと思っていたんだ」
オードリー「穂乃果さんに海未さん、ことりさんだったかしら? 私たちと皆さんで一緒に、スクールアイドルをやりませんか?」
穂乃果「うんうん! こちらこそよろしくね!」
海未「まさか、私たち以外にもスクールアイドルをやろうと言う人がいるなんて……」
ことり「でも良かったね。これで部の設立に必要な人数もクリアできるし」
バナージ「……(俺、完全に浮いてるよな……)」
海未「あ、あの……つかぬことお聞きしますが、あなたもアイドルをやるのですか?」
ことり「ひょっとして……アシスタントさんとか?」
バナージ「一応、プロデューサーみたいなものです……」
◇生徒会室
絵里「これは?」
穂乃果「見ての通り、アイドル部設立の申請書です!」
絵里「それはわかるけど……そこの彼も部員なのかしら?」
希「へぇー、この学校にもピュアな男子がいるもんやねぇ」チラ チラ
バナージ「(ぐっ……)」ギリッ
マリーダ「とにかく、必要最低限の人数は確保してある。認めてくれるな?」
絵里「待ちなさい。あなたたち2年生でしょ? どうしてこの時期にアイドル部を始めるの?」
オードリー「私たちは、廃校を阻止したいのです。スクールアイドルは今、絶大な人気を集めています。だから、こうして私たちがスクールアイドルとなって呼びかけて、この学校をもっと多くの人に知ってもらって、入学を希望する人たちを増やしたいんです」
マリーダ「私は3年だが、志は同じだ」
絵里「……だとしたら、なおさら認められないわ」
穂乃果「ええっ! ど、どうして?」
絵里「部活は生徒を集めるためにやるものじゃない。思いつきで行動したところで、状況は何も変わらないわ。変なこと考えてないで、残り二年間自分のために何をすべきか、じっくり考えなさい」
オードリー「……」
穂乃果「……」
バナージ「……そんなこと、あなたには関係ないでしょう」
マリーダ「……!」
絵里「……何ですって?」
ことり「(バ、バナージ君……!?)」
海未「(あ……あなたは、先輩に向かってなんてこと言ってるんですか!)」
バナージ「俺だって、みんなだって、自分がしなきゃいけないことくらいわかってます。わかってるからこうして、あなたにお願いしているんです。みんなこの学校が好きで、少しでも可能性があるなら、学校のためにできることをしたいと思って集まったんです。その思いに、あなたが口出しする権利なんてどこにあるんです?」
絵里「……」
オードリー「バナージ……」
穂乃果「バナージ君……」
バナージ「申請に必要な条件は全て揃っているはずです。それでもダメなんですか?」
絵里「……この学校には、アイドル研究部があるの。生徒の数が限られている中、いたずらに部を増やすわけにはいかないわ。アイドルを扱う部としてアイドル研究部がある以上、あなたたちの申請は受け入れられません」
オードリー「そんな……」
絵里「これで話は終わり。いいわね?」
希「どうしてもって言うんなら、アイドル研究部とちゃんと話つけてくることやな」
絵里「ちょっ、希……!?」
希「二つの部が一つになるんやったら、問題はあらへんやろ?」
絵里「そ、それはそうだけど……」
バナージ「……わかりました。ありがとうございます。みんな、行こう」
バタン
希「こりゃ、あの男の子に言われちまったなぁ。ね、えりち?」
絵里「…………」フン
◇屋上
穂乃果「いやー、ヒヤヒヤしたよ。バナージ君ったら、生徒会長にあんなこと言っちゃうんだもん」
バナージ「……あれくらい言わないと、俺たちが本気だってこと、わかってくれないかなと思って……」
海未「今回は何も無かったのが幸運です。次からはあんな言動はやめて下さい。こっちの心臓が止まりますから」
バナージ「す、すみません……」
ことり「でも、私たちの気持ちを代わりに言ってくれたんだもんね。ありがとう」
オードリー「素直にはっきりと主張するところは、バナージらしくて素敵だと思うわ」
マリーダ「良くも悪くも、だがな」
バナージ「みんな……」
穂乃果「で、どうしよっか? アイドル研究部のとこに行ってみる?」
バナージ「それよりも、まずはアイドルグループとして基本的なところから固めていくべきです。踊りの動きはもちろん、使う曲の作詞と作曲、それに衣装も考えなければいけない。部活申請するのは、それからでも遅くはない」
オードリー「意外に、やることは山積みなのですね……」
穂乃果「私、1年生にすっごく歌の上手い子知ってるんだ! ピアノも上手で、きっと作曲もできるんじゃないかな。明日、お願いできるか聞いてみるよ!」
ことり「じゃあ私は、みんなの衣装をデザインするね! もし作曲をしてもらえるなら、作詞は海未ちゃんに頼もうかな。中学の時、ポエムとか書いてたの残ってるでしょ?」
海未「……い、イヤです! あんなの、思い出すだけでも恥ずかしいのに!」
穂乃果「えー! そこをなんとか……」
オードリー「私からもお願いします。そういった類の経験があるだけでも、非常に助かるの。私たちもお手伝いするから」
マリーダ「ダンスの動きは姫様が、これからアイドルとして活動するための練習メニューは、私が引き受ける。バナージには、グループの宣伝やライブの場所取りなど、事務的なことをこなしてもらうつもりだ。各個人がそれぞれ能力を活かせるように役割を分担して、円滑に進めていくぞ。異論は無いな?」
バナージ「はい」
穂乃果「異議なーし!」
海未「……仕方ありません。やりましょう」
ことり「やったー! ありがとう海未ちゃん!」
オードリー「これから忙しくなるわね、バナージ」
バナージ「ああ。まずは、最初のライブを目指して力を尽くそう」
[翌日]
◇神田明神 階段前
穂乃果「も、もうムリ……」 ハァ ハァ
ことり「足が動かないよ~」ゼェ ゼェ
海未「あ……あの、少し休憩した方が……」ハー ハー
マリーダ「何を言ってる。この程度で疲れていては、ステージで動き続けることなどできないぞ」
オードリー「……よく考えてマリーダ。あなたは生まれが特殊だから平気だけど、穂乃果さんたちはごく普通の女子高生なのよ」ヒソヒソ
マリーダ「ですが……」
バナージ「このくらい……まだいけます!」
オードリー「あなたやバナージを基準にしちゃダメ。今朝はこれくらいにして、早く学校へ行きましょう」
◇音楽室
真姫「お断りします!」
穂乃果「ええ?っ、そこをなんとか……」
バナージ「作曲、出来るんでしょう? 俺からもお願いします。あなたにしか頼めないんです」
真姫「イヤったら嫌です。私、アイドルが歌うような曲なんて、なんか軽い感じがして遊びみたいだし、好きじゃないのよ」
バナージ「……確かに、あなたがそう言うのもわからなくはない。だけど、他のスクールアイドルだって、みんな真面目にやってるとこだってある。少なくとも俺たちはそうです。そうやって一緒くたに決めつけるの、良くないと思います」
穂乃果「私たちはね、学校のためにアイドルやろうって決めたの。その気持ちは本物だよ? それにね私、西木野さんの歌声大好きなんだ。あの歌とピアノを聞いて感動したから、作曲お願いしたいって思ったんだ」
真姫「…………」
バナージ「この紙に歌詞が書いてあります。一度でもいい、読んでみて下さい。今度ここに来るとき、あなたがどうしても駄目だと言うのなら、それで諦めます」
真姫「……答えは変わらないと思いますけど」
◇教室
オードリー「μ's(ミューズ)?」
穂乃果「うんうん! 募集してた箱に一枚だけ入ってたんだ!」
マリーダ「石鹸の名前から借りたのか? もう少し捻りがあってもいいと思うが」
海未「そっちのミューズじゃありません! 恐らくは、神話に出てくる女神から名付けたのでしょう」
バナージ「μ's……いい響きですね」
ことり「私もいいと思う!」
穂乃果「よーし、これから私たちは、μ'sだ!」
ガラッ
絵里「ちょっと良いかしら?」コツコツ
穂乃果「あれっ、生徒会長? どうしたんですか?」
絵里「……あなたたち、本当にスクールアイドルを続けるつもり?」
オードリー「それは……どういった意味でしょう?」
絵里「……答えてちょうだい」
バナージ「当たり前です。俺たちの考えは変わりません」
絵里「なら、もう少し現実的に考えてみて欲しいわね」
穂乃果「……?」
絵里「スクールアイドルが今まで無かったこの学校で、やってみたけどダメでしたってなったら、みんなどう思うかしら?」
穂乃果「……」
オードリー「そ、それは……」
絵里「私も、この学校がなくなって欲しくない。だからこそ、あなたたちがスクールアイドルをやるにしたって、簡単に考えて欲しくないの」
バナージ「簡単だなんて、俺たちは別に……」
絵里「それに、モビルスーツはどうするの?」
マリーダ「!」
穂乃果「モビルスーツ……?」
絵里「有名で人気のあるスクールアイドルは、それぞれ専用のモビルスーツを所有してるって話じゃない。まさか知らなかったの?」
穂乃果「……もしかして、みんなは知ってたりしたの?」
ことり「私は……一応知ってたよ」
マリーダ「人気があるスクールアイドルは、自分たちの所有するモビルスーツで宣伝やパフォーマンスを大々的に行っている。雑誌やテレビに取り上げられるスクールアイドルは、どのグループも決まって専用のモビルスーツがあるらしいな」
海未「つまり、自分たちの存在をアピールするためにも、モビルスーツは欠かせないということです」
穂乃果「そ、そうなんだ……」
絵里「わかるでしょ? モビルスーツが無ければ、人を集めるのもままならないわけ。もし、モビルスーツ無しにスクールアイドルを続けるのなら、最初から結果は見えているも同然ね」
バナージ「そんなの……まだやってみなきゃわからないじゃないですか!」
絵里「忠告はしたわ。くれぐれも、学校の顔に泥を塗るような真似だけはしないでちょうだい」コツコツ
バタン
バナージ「…………」ギリッ
穂乃果「……やっぱり、思ってたより大変なんだね。スクールアイドルって……」
財団はよ
>>28
この程度、想定の範囲内だよぉ!
海未「モビルスーツ……いつかは突き当たる問題だとは思ってましたが」
ことり「あんな風に言われちゃったら、あんまりのんびりしているわけにもいかないね」
穂乃果「みんなは、自分のモビルスーツとか持ってないの?」
海未「あるわけないでしょう。どれだけ高価だと思っているんですか」
ことり「家一つ買えちゃうよね」
オードリー「身内ならいくらでも知ってるけど、流石に自分のは無いわ」
マリーダ「私は、無くもないが……」
穂乃果「ええっ!? 持ってるの?」
マリーダ「自分用に一機、他にアテが三機ほどある。しかし、どれも軍用機だからな。とてもパフォーマンスで使えるほど見た目も良くないぞ」
オードリー「……マリーダ、ガランシェールのモビルスーツは使えるのですか?」ヒソヒソ
マリーダ「マスターのお許しがあれば、多分……。ですが、やはり厳しいかと」ヒソヒソ
海未「そうですか……。バナージ、あなたはどうですか?」
バナージ「作業用のプチモビなら……」
穂乃果「うぅ……やっぱり使うんなら、ちゃんとした格好良いモビルスーツがいいよね」
海未「そもそも、モビルスーツを持つスクールアイドルは、学校自体が巨額の支援を行っていて、それでモビルスーツを持たせてくれているんです。それこそ、外見を重視した機体を意識してます。他にも、学校と繋がりのある大企業などのバックボーンが堅い所なんかは、高性能なモビルスーツを惜しみなく提供してくれるとか」
ことり「私たちの学校、特にお金がたくさんあったり、他の団体と特別な繋がりがあるわけでもないし……」
マリーダ「バナージ、お前ならなんとかできるんじゃないか?」
バナージ「俺が……ですか?」
穂乃果「えっ、どういうこと?」
オードリー「実は、バナージのお父上はあの有名なビスト財団の現当主なのです。財団の力を以てすれば、何かいいモビルスーツが見つかるかもしれないわ」
ことり「ビ、ビスト財団って……」
海未「……あなた、実は相当凄い家系の子だったんですね」
バナージ「みんなには、あまり知られたくなかったんだけど……」
穂乃果「お願いバナージ君! お家の人に頼んで、見た目が格好良くてなるべく性能が高いモビルスーツを借りたりしてくれない?」
バナージ「でも、マリーダさんは自分のがあるし、オードリーだったらすぐに貸してくれるんじゃないか? 別に俺じゃくても……」
マリーダ「言っただろう? 私の機体は、見た目がスクールアイドルに使うには似つかわしくないんだ」
オードリー「私の周りにいる人たちのだって、マリーダと似たようなものばかりよ。機体の造りが違うだけで、頭の形なんかは殆ど一緒だもの」
ことり「お願い! もうバナージ君しかいないの!」
海未「私も、あなたに望みを託しますから!」
バナージ「……わかりました。できる限りのことはやってみます」
バナージ「(……とは言ってみたものの、父さんやガエルさんに何て言えばいいんだ……?)」
◇ビスト邸
バナージ「あの、父さん」
カーディアス「どうしたバナージ?」
バナージ「……モビルスーツって、貸してくれたりしますか?」
カーディアス「……どうしたのだ。急に」
バナージ「いや、その……」
バナージ「(だ……ダメだ、うまい言い訳が思いつかない……。こうなったら、もう正直に言うしか……)」
バナージ「……実は、俺の学校がスクールアイドルやるって言うもんだから、その……それに使えるモビルスーツを探してるんです。それで、俺も何かできないかと思って、モビルスーツを借りようかと……」
カーディアス「……スクールアイドルとは、なぜお前が……?」
バナージ「そ、それは……」
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