サン=テグジュペリ「ストライクウィッチーズ?」 (174)
その日、ぼくはコルシカ島のボルゴ基地から、グルノーブル地方への偵察に出発した。
ノルマンディー上陸の作戦が始まってから一か月ほど後のことだ。
ぼくはその道程の途中、ドイツ軍機らしき影を見た。
〈ああ、ぼくはここで死ぬのか〉
そう思った。
しかし、雲の間から現れたのは、巨大で黒い謎の飛行機と、それと戦う少女たちだった。
『それまで、ぼくはずっとひとりぼっちだった。だれともうちとけられないまま、6年まえ、ちょっとおかしくなって、サハラさばくに下りた。ぼくのエンジンのなかで、なにかがこわれていた。ぼくには、みてくれるひとも、おきゃくさんもいなかったから、なおすのはむずかしいけど、ぜんぶひとりでなんとかやってみることにした。それでぼくのいのちがきまってしまう。のみ水は、たった7日ぶんしかなかった。
1日めの夜、ぼくはすなの上でねむった。ひとのすむところは、はるかかなただった。海のどまんなか、いかだでさまよっているひとよりも、もっとひとりぼっち。だから、ぼくがびっくりしたのも、みんなわかってくれるとおもう。じつは、あさ日がのぼるころ、ぼくは、ふしぎなかわいいこえでおこされたんだ。
「ごめんください……ヒツジの絵をかいて!」
「えっ?」
「ぼくにヒツジの絵をかいて……」』
サン=テグジュペリ『星の王子さま』より
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404961577
夜から始めます
BGM:時には昔の話を(加藤登紀子)
現在フミでカネな先生及び某超有名スタジオの某ハヤオ監督とかに日本式DOGEZA謝罪をしております
今日は5時からやります
すると、その黒い飛行機は赤い光線をこちらにも放ってくる。ぼくはこの状況にいささか混乱しながらも、高度を400まで下げて、雲のなかに逃げこんだ。
サンテグジュペリ「何なんだ一体」
ぼくは、<あれは空の見せた幻覚だったのだ>と、無理矢理に納得して、元の航路に機首を向けるよう修整した。
そのままフランスの大地を探そうと飛んでいたが、雲は思ったよりも厚く、今飛んでいるのが陸地だか海だかぼくにはわからなかった。そうして飛んでいると、ぼくはその時雲の切れ間に灯台の白い光が滲むのを見た。
サンテグジュペリ<陸だ!あれは海の灯台の光だ!>
しかし、その光は直ぐにかききえてしまった。
ぼくは更に高度を落とそうとした。
その時、ぼくを強い振動と、地獄から響くような恐ろしい音が襲った。そのまま飛行機は草原を滑ってやがて止まった。
ぼくは不時着してしまったのだなとその時理解した。
機体は不気味に震えている。ぼくは危険だと判断して、コックピットから飛び降りて走った。すると、軍から与えられた金属製の双発機は、草原の真ん中でぼうぼうと炎を上げて燃え始めた。ぼくはそれを離れたところから見つめながら、持ち出して来たわずかな水を一口飲んで、そのまま座ってしまった。
ぼくはフランスの平原にひとりぼっちになってしまったのだった。
サンテグジュペリ〈そうだ、前にもこんなことがあった〉
ぼくは依然、サハラの砂漠に不時着してしまったときのことをおもいだした。しかし、あのときは同乗者のプレヴォーがいたし、ここまで飲み物も少なくはなかった。
ぼくは、辛抱してその日は眠りにつくことにした。もう燃え終わった機体の影で横になった。
翌日、ぼくは起きて水を飲もうとして、呆然とした。機体の上に置いたはずのその小さな瓶は、地面に落ちて割れてしまっていた。僕は完全に生きる希望を失ってしまった。
ここは仮にも敵地だった。仲間が危険を犯して助けに来るとも思われなかった。
サンテグジュペリ〈ああ、ぼくはここで死ぬんだ。遂に帰ってこなかったギヨメやメルモスのように、ぼくはここで死ぬのだ〉
ぼくは、脱水で死にそうな気分になりながら、空を見上げた。涙で視界はぼやぼやとした。
「あら、だいじょうぶですか!?そこの貴方!!」
ぼくは、その時、空から降りてくるお姫さまを確かに見たのだった。
とりあえずここまで
資料は 星の王子さま 人間の土地 夜間飛行
の三つです
別酉で趣味全開で戯れにかいたSSが評価高くて舞い上がっているので今日はもうちょっと書きます
九時から更新です
雪風的近代ジェット機じゃないよー
ライトニングは双発レシプロ機です
なおサンテグジュペリの操縦技量に難ありな模様
ぼくは信じられない、今まで体験したことのない状況にいた。ぼくの意識は一気に活性化する。
空からやって来た彼女は、ぼくの意識のあることを確認すると、仲間をつれてくるので待っているように言って飛び去っていった。
サンテグジュペリ〈また幻覚か、女の子の、しかも下は下着しか着ていない空翔ぶ少女の幻覚を見るとは、自分も案外変態だったのか〉
ぼくは死の間際に立っていた。立っていながら恐怖は感じなかった。それとは別に誰かに抱き締められているような気がしていた。ぼくの意識は静かに薄れていった。
目が覚めると、ぼくはベッドに寝かされていた。そんなぼくを覗きこむ二つの目がある。
「あっ!目が覚めましたか!」
それは東洋人の少女であった。ぼくは幾つか質問をしてみる。
サンテグジュペリ「ここはどこなんだ?」
「ここはガリアの第501統合戦闘航空団です」
サンテグジュペリ「ガリア…?フランスの古名か?」
「フランス?」
サンテグジュペリ「フランスを知らないのか?」
ぼくにはなにがなんだかわからなかった。
サンテグジュペリ「君の名前はなんだろうか」
芳佳「私は芳佳、宮藤芳佳といいます。貴方は?」
サンテグジュペリ「私はサン
サンテグジュペリ「私はサンテグジュペリという。軍人だよ」
そのあとぼくはベッドのなかにいながら、彼女に色々な質問をした。どうやらこの世界はぼくのいた世界とは全く違ってしまっている事が分かった。彼女のいっていることが嘘でなければ、ぼくは全くの別世界に来てしまったことになる。ぼくは運よく優しい少女たちに拾われたことに感謝しながら、少しの間眠った。
とりあえずここまで
まだ彼は活躍できませんね
もう少しお待ちを
彼はまだサポートとしても活躍できていないのだ…
しかもあんまり操縦も巧くないのだ…
やがて、ぼくは大分回復して、この隊の隊長の元へ出頭することになり、先ほどの芳佳に連れられて執務室へとやって来た。執務室では、一人の少女が書類を読んでいる。彼女は、顔を上げて入ってきたぼくらを見た。
「あなたが救助されたライトニングのパイロットね。貴官の名前と所属をお尋ねします芳佳」
サンテグジュペリ「アメリカ連合軍アルゲーロ基地所属、アントワーヌ・ド・サン
なぜだぁぁあ何故誤字とエラーが出るのだぁぁぁ
上のは無視してください
やがて、ぼくは大分回復して、この隊の隊長の元へ出頭することになり、先ほどの芳佳に連れられて執務室へとやって来た。執務室では、一人の少女が書類を読んでいる。彼女は、顔を上げて入ってきたぼくらを見た。
「あなたが救助されたカールスラント機のパイロットね。貴官の名前と所属をお尋ねします」
サンテグジュペリ「アメリカ連合軍アルゲーロ基地所属、アントワーヌ・ド・サン
サンテグジュペリです」
彼女はミーネと名乗った。ぼくは彼女にも、芳佳にしたような説明を繰り返さなければならなかった。
ミーネ「……貴方の世界ではガリアを占領しているのがカールスラントだなんて…信じられないわね」
サンテグジュペリ「しかし、ぼくにとっては紛れもない事実です」
ミーネはしばらくぼくを鋭い目で見つめていたが、ふっと顔を緩めた。
ミーネ「まだ疑いは残るけど、物は嘘をつかない」
そう彼女は言うと、ぼくの目の前に、ぼくのドッグタグを差し出した。
ミーネ「このタグには、出身地がちゃんとフランスとかれているわ。貴方を信じましょう」
ぼくは芳佳と一緒に執務室を退室した。
ミーネ「このタグには、出身地がちゃんとフランスとかかれているわ。貴方を信じましょう」
の間違いでした
脳内修正お願いします
執務室から出た後、ぼくは一人の少女とすれ違った。それは紛れもなく、ぼくを助けてくれた少女であった。ぼくは礼を言おうとして彼女を引き留めた。
サンテグジュペリ「ぼくを助けてくれてありがとう。助かったよ」
ぼくは芳佳からあらかじめ、ぼくを助けてくれたのはペリーヌという少女だということをおそわっていた。
ペリーヌ「べつにネウロイの掃討の帰り際に見かけただけでしたのよ、お礼を言われる筋合いはないですわ」
サンテグジュペリ「しかし、君がここに運んでくれなかったら、ぼくは渇きで死んでしまっていた」
ペリーヌは足早に立ち去っていってしまった。彼女は本当に不器用だった。
やった……!
遂にやってしまった……!
あまつさえあのお方の名前を間違えるという大失態…!
ミーナに脳内変換してください本当に申し訳ない
そしてこの眠気…!
圧倒的眠気…!
眠気にかてないので今日はここまで
中佐の名前間違えは本当に申し訳ない
一体誰とごっちゃになったのか
今分かった…リーネさんと混じったんだ…
12時から書き溜め放出します
芳佳はそのままぼくに与えられた部屋に案内してくれた。
ぼくは清潔な部屋のベッドに腰かけて、頭を休めた。今日というこの日は、ぼくに大きな混乱をもたらした。だが、あまりにもへんな出来事が続けざまに起きると、ぼくは思考を停止してしまうくせがあった。ベッドから立ち上がると、数少ない私物を整理して、ジャケットを古びた椅子に掛けた。
やがて、芳佳が、食事ができたと伝えに来て、そのまま食堂まで案内してくれた。てっきりぼくは一般兵用の食堂に案内されるとばかり思っていたが、一般兵と一緒に食事させるのも問題があるとのことなので、魔女の彼女らと食事をとることとなった。
食堂では、10人の少女がぼくと芳佳を待ち構えていた。
彼女らが食事をとるその場所は、にぎやかだった。ぼくの素性はミーナからあらかじめ伝えられていたようで、みなぼくに彼女たちにとっての別世界のことを質問した。ぼくはできるだけ丁寧に説明した。
そこは、島の狭い基地の小さな兵舎に押し込められていたぼくにとって、オアシスであった。美味いジャガイモをほおばりながらの少女たちとの談笑は、なんと明るく楽しいことだろう!
彼女たちはネウロイとの戦いの中にあって、戦争の薄暗さを感じさせなかった。
ぼくはこの団欒の中にあって、彼女たちの力強さを感じ取った。
シャーリー「アントワーヌはガリア人なのか」
ぼくはこの場ではアントワーヌと呼ばれていた。
サンテグジュペリ「ああ、フランス人だからそういうことになるのだろう」
リネット「でも、別の世界から飛んできたなんて、不思議な話ですね」
サンテグジュペリ「僕も信じられないよ」
エイラ「まあ、短い間だろうけどゆっくりしていくんだな、ここはいいところだ」
サンテグジュペリ「ああ、そうすることにするよ」
食事が進むにつれ、皿のジャガイモはあっという間になくなっていった。
用事があるのでここまで
イメージボード
菫ョ豁」
今日は10時から始めます
翌日、ぼくは再びミーナに呼び出しを受けた。
ぼくは一人で執務室に入室する。すると、そこにはミーナの他に、昨日食堂でも顔を見た眼帯の、坂本という少女がいた。彼女の豪放な性格はよく記憶に残っている。ぼくはミーナに一礼して用件を尋ねた。
サンテグジュペリ「今日は何の用ですか少佐」
ミーナ「ミーナでいいわ。今日になって貴方の処遇が決定した」
サンテグジュペリ「それはまた早いな」
ミーナ「この基地周辺の事はある程度私が自由にできるから…リストを洗ってみてもサンテグジュペリと言う名のガリア人の少佐は居なかったわ」
サンテグジュペリ「当然だよ、ぼくはフランス人だ、ガリア人じゃない」
ミーナ「そうだったわね……ともかく貴方はこの世界では軍属ではないわ、でもこのまま放り出すこともよろしくない」
サンテグジュペリ「ぼくとしても遠慮願う」
ミーナはひとつ咳払いをすると、こう言った。
ミーナ「貴方は昨日の食堂で、昔は郵便機のパイロットだったと言っていたわね?
貴方を、この基地付きの郵便飛行機パイロットに任命します」
げえっミーナさんの階級中佐だ
一行目変更しておいてください
ぼくは何の因果か、この世界でも郵便飛行機の操縦士に任命されてしまったのである。ぼくはミーナに幾つか質問をした。
サンテグジュペリ「何処と何処を結ぶんだ?」
ミーナ「この基地からトゥールーズ、カサブランカの間よ。今までは兵員輸送の際に一緒に手紙を送ってもらってたけども、郵便飛行機があればあるに越したことはないわ。この基地には色々な国の人々が集まっているから郵便物は多い」
サンテグジュペリ「それに、郵便飛行航路に就航している飛行機も少ないと」
ミーナ「その通りよ、みんなネウロイとの戦いに徴発されるか、さもなくばパイロットが志願して居なくなってしまってる」
ぼくはミーナに敬礼をして、命令を受領したことをあらわす。坂本は豪快に笑ってぼくを激励してくれた。
ぼくは歓喜にうち震えた。もう一度大空を飛べるのだ!このぼくの喜びようがわかるだろうか。執務室を出たあとのぼくは廊下を跳び跳ねながら行きたいような心持ちだった。
ぼくがかつて郵便飛行の仕事に着いたのは、第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦間の時だった。ぼくはその時すでにひどく空に憧れていた。その前は軍に入って飛んでいたが、操縦のミスが多くてついに辞めざるおえなくなってしまった後だった。ぼくは決められた航路を政治家の手紙や富豪の証券なぞを積んで、危険な冒険をしなければいけなかったが、空はそれ以上に、息を飲む風景を見せてくれた。ぼくはそれがたまらなく好きだったのだ!
ぼくは部屋に戻ると、ジャケットと飛行帽の手入れをきちんとした。そして、手帳に今日伝えられたことを書き付けて、ジャケットの右ポケットに滑り込ませた。そうして色々な、大空に飛び立つ準備を進めていると、通りかかったエイラが食事の準備がすんだ事を知らせてくれた。
とりあえずここまでー
一期です
何故なら基地の位置が都合がよかったからです
サンテグジュペリはフランス本土を偵察する任務についていて、地中海の島からフランスへ向けて飛んでいったのですが、一期ストライクウィッチーズはガリア、つまりフランスにいたので、冒頭の遭遇シーンは実はそこら辺も考えられてます
ぼくは食堂で、少女達とパンにかじりついた。ぼくがこの基地の郵便飛行機操縦士に任命されたことを皆に伝えると、喜んでいるようだった。皆とこうして雑談するのも、規則により今日が最後かと思ったが、ミーナは特にうるさくはなかった。理由を聞くと、ぼくは民間人の扱いだからとのことであった。それでいいのかとは質問したが、その代わり死んではいけないわよとは言われた。ぼくとしても彼女たちを無闇に悲しませることはしたくなかった。
シャーリー「リベリオンからの手紙も早く届くようになるな」
サンテグジュペリ「そうだな、カサブランカ経由で飛ぶと早く着くね」
坂本「日本からの手紙も」
サンテグジュペリ「早くなる」
ぼくは皆の期待を背負って飛ぶ覚悟を決めた。
明後日には飛行機が用意され、第一便のフライトを決行する予定だった。
今日はここまでー
無職から郵便飛行機パイロットに昇格しました
カサブランカってアフリカなんですよねー
やがて二日後がやって来た。
ぼくが起こしてもらったのは朝の三時だった。ぼくはいきなり鎧戸を押し上げた。そしてこの水上の城の周辺に薄暗い雲がかかっているのを見た。ぼくはむっつり身支度をした。
三十分後、ミーナから与えられた小さな鞄の上に腰を下ろして、基地のそまつな滑走路で機が来るのを待っていた。待っている間の時間はひどく長く感じられた。
やがて、ぼくの元に倉庫の整備員がやって来て、ぼくに整備の終わったのを告げた。
「大将、終わりましたぜ……」
ぼくは一礼して立ち上がって、倉庫の方へ歩き出す。やがて、倉庫の扉がゆっくりと開く…。
このときのぼくの驚きようといったら!
倉庫の中に鎮座していたのは懐かしの複葉機であった。
サンテグジュペリ「ブレゲー14!」
「基地にはこれしかなかったんです、他はみんな徴発されてしまってる…」
ああ、ブレゲー14 !
ぼくが始めて郵便飛行に使った機だったが、まさかこんなところで出くわすとは!
この機は相当に年寄りなはずだ。ぼくは少し不安になった。
「大丈夫ですぜ…俺たちがきちんと整備しましたから…」
ぼくは腹を括って、よじ登って郵便袋を操縦席の裏に詰め込むと、一番前のコックピットに着いた。
ぼくはここにきてしげしげと滑走路を眺める。今までここから何人の操縦士が飛び立っていったのだろう。そして、何人がその大空に身を投じたのだろう。何人が地に落ちたのだろう。何人が帰ってこなかったのだろう!
そして、ぼくもこの滑走路から飛び立つ操縦士の一人になるのだ。
ぼくは、エンジンをかけてもらう。そして計器盤を点検して、ライトが点くかどうかを確認する。ライトがつかなかったら、ぼくは夜間飛行の時に、唯一の羅針盤を失うことになってしまうからだ。そうして一通りの点検を終えた。
やがて、機体はゆっくりと前進する。そしてその速度を増す。発動機は全開となり、銅鑼のようになりはためきながら、風切りの音を圧して進むとき、ぼくは自分の腰の動揺によってこれを知る事ができる。ぼくは感じる、自分の機がスピードを増すにしたがって刻一刻と能力に満ち溢れてゆくのを。ぼくは感じる、この十五トンの物質のなかに、飛行を可能とするあの成熟が準備されるのを。ぼくは、その手のなかに操縦桿を握りしめる。するとしだいに、彼の手のひらのなかにこの能力が技となって受け入れられる。操縦桿の金属の器官が、この能力が彼に満ちてくるにしたがって、彼の力の伝達者として働きだす。この力が成熟しきったところで、花を摘み取るよりいっそうしなやかな動きで、操縦士は機体を陸から離して空中に浮かび上がらせる。
ぼくは、懐かしの土地、トゥールーズへと飛び立った。
訳 堀口大學でお送りしました。
とりあえずここまでです
眼下にはドーバー海峡が見える。辺りはそろそろ日の出を迎えようとしていた。空の一点が明るくなり、地平線が煌めく。
すると、ぼくの視界に入るものがあった。
サーニャ「アントワーヌさん」
ぼくは手を振る。サーニャは暫く、並んでぼくの機についてきた。
朝日を浴びる彼女は、美しく、その銀髪が橙に反射する姿は、ぼくの記憶に深く刻まれた。
ぼくとサーニャは朝日とは反対方向の、まだ暗闇の残る方角へと飛んでいた。彼女は、薄く笑っている。その微笑みさえも神々しかった。静かなその笑みの後ろに隠された、その知性は、ぼくの航海を導く女神をぼくの機体に降ろした。
サーニャ「……この二百キロさきで、嵐がおこってるわ。気をつけて」
サーニャはそうぼくに告げると、ゆっくりと離れていった。おおかた夜間哨戒の帰りだったのだろう。その小さな女神は遥か後ろの基地へと戻っていった。
ぼくは高度をさらに上げた。
サーニャ
一番したの一行は無視で
ここまで
>>1は、飛行機は普通に発達してると考えています
今回は描写の問題でブレゲー14を選びました
ディティールはイメージボードを参照してくだされ
ぼくは、ガリアを避け、ネウロイに出くわさないようにしながらぼくはやっとの思いで道程の半分を翔破したところで、サーニャの予言通り嵐に襲われた。鋼管に布を張っただけの翼には、激しい風雨が打ち付けられる。機体が激しく揺れた。空の怒り狂った場所をぼくは機体の速度を上げて通りすぎようとする。積乱雲の上昇気流に機体は突き上げられ、更に振動が激しさを増す。ぼくは更にエンジンの出力を上げる。
すると、周りの黒い雲は後方へと流れ、辺りは純白の雲と澄んだ藍色の空になった。嵐を通りすぎたのだ。
ぼくは機体の異常がないことを確かめると、安心して、トゥールーズでの朝食のことを考えた。
やがて、雲が切れてトゥールーズの町が地平線に見えてきた。ぼくは高度を落として滑走路を確認すると、ゆっくりと着陸する。右のタイヤが軋んだが、特に問題はなく降りることができた。
とりあえずここまで
挿絵的な何かをいれてほしい人は、シーンを指定してくれれば入れます
ぼくは機を降りて滑走路に立つと、郵便袋を背負って軍の施設に入った。この飛行場は元々ぼくが所属していたラテコエール社の飛行場だったが、今では軍に接収されて、すっかり軍用飛行場へと様変わりしていた。
ぼくは軍の施設に郵便袋を預ける。明日には別の郵便袋が用意され、ぼくはそれをもってバルセロナへと飛び立つはずであった。
ぼくは軍の建物を出ると、馴染みの食事屋に向かった。
ぼくは町へ出て呆然とした。町の家々は皆空っぽだった。急いで近くの軍人に聞いてみると、ついこの間もネウロイの攻撃があり、皆スペインなどに疎開していってしまったとのことだ。ホテルもやっておらず、仕方なく軍の施設に宿を借りることになった。トゥールーズはガリア沿岸に位置する。これは後で知ったことだが、ガリア全体がそうであるように、このトゥールーズも、ぼくが帰りにここに寄ったときを最後に、ネウロイの攻撃を受けて完全に人がいなくなってしまったのであった。ぼくがこのときいたトゥールーズは、陥落しようとしている砦だった。
これはあれだ。きっとラテコエールとかの会社の名前が同じだったからてっきり食事屋もあるんじゃないかと勘違いしたんだ。
ぼくはその晩、軍から借りた部屋のなかで、手帳に文章を書き付けていた。サーニャの神秘的な姿が印象的であったため、彼女をモデルにして散文でも書こうかと考えていた。
書き出しはこうだ。
「あれは、ぼくが501の基地で郵便飛行を勤めた最初の朝のことだった。
ぼくが、基地のある海峡を飛んでいると、横に、ある小さな女神が並んだのをぼくは見た……………」
ぼくは、冒頭の一章をかきあげると、そのまま寝てしまった。
ここまで
翌日、郵便袋を積み替えるとバルセロナへと飛んだ。バルセロナには一日で着くことができた。バルセロナはヒスパニア領であり、まだ活気があった。市場で買った酸っぱいオレンジをかりながら、昨日の小説の続きを書く。題名は「魔女と郵便飛行機」とした。元の予定を大幅に縮小して、二章での構成とする、比較的短い文章だった。ぼくはそれを一気にかきあげると、バルセロナにあったガリアの亡命政府の支部に届けて、機関紙にでも載せてくれと頼んでみた。担当者は、出てくる魔女がガリアの出身でないことに苦言を呈したが、主人公はこの、ガリア出身の郵便飛行士であると言うと、来週号にでも載せると言って原稿を引き取ってくれた。原稿料は夕食代くらいの金額にしかならなかったが、食事屋でクロワッサンとコーヒーを頼む位の金にはなった。
ぼくは翌日にはカサブランカへと飛び立った。ひとつの町でゆっくりしないのは、郵便飛行の鉄則であった。色々な会社が凌ぎを削っていた時代は、郵便飛行機はどの会社の郵便飛行機よりも早く目的地に郵便物を届ける事が要求されたからである。
ぼくはカサブランカに飛び立つとき、ある奇妙な同乗者を載せることとなった。
ここまで
携帯からだがちょっとした地図
トゥールーズとかカサブランカとかわからない人向け
実は宮崎駿監督の書き方を研究したりしてる
宮崎駿の紅の豚エンディングの絵とかに割りと近いと思っとります
12時からやります
前にかいたスレHTML依頼してなかったガビーン
ぼくが新しい郵便袋を担いでカサブランカへと飛び立つ準備をしている際、ある一人の女性がぼくに声をかけてきた。彼女は自らを圭子と名乗った。話を聞くと、圭子は北アフリカ戦線でストームウィッチーズの隊長をやっている少佐らしく、カサブランカへの便が今日はぼくの郵便機しかなかったので、これに載せてくれとのことだった。
サンテグジュペリ「……こんなぼろの飛行機でよければ、後部席に乗せましょう」
実を言うとぼくは、こんなことは何回も経験していた。ぼくは例によって快諾することにした。彼女は喜んで、おんぼろの郵便飛行機に乗り込んだ。
用事があるので今日はここまでで
一レスしかなくてすまない
いつかは出ると思ってたがどうしよう
改行か…考えてみます
そういえばそうでした
修正しときます
あ、8話のミーナさんの恋人の車と形違うやん
書き直そう…
今日は五時から始めます
サハラの砂漠は昼は厳しい暑さで、一度地図上のその一点に放り出されれば、周囲二百マイルはなにも存在せず、ありもしないオアシスを探し求めてさ迷うこととなる。
このとても人の生きることのできないような荒れ地を、ただの遊戯の規則でしかなかったコーランが人々を富ませ、または人々を隷属させ、ひとつの王国へと変えて行く。
その王国は一見脆いように見えて、その実堅牢だが、それも吹きすさぶサハラの砂嵐に飲み込まれてしまえば、一夜の夢のごとく消えてしまうものだ。
その、王国の絢爛さと、外敵にたいしての儚いほどの脆さには、人を惹き付けるなにかがあるようだった。そして、かつてのぼくもその一人であった。
私はケイと共にカサブランカへと飛んだ。カサブランカは北アフリカに位置し、北アフリカ戦線の戦線維持で重要な補給を担っていた。ぼくはカサブランカで郵便袋を降ろしたあと、ケイを送り届けるために、ストームウィッチーズの本拠地があるトブルクへと彼女を送り届けることになった。
砂漠ですか?ぼくはこの時北アフリカにぼろの郵便飛行機で乗り込むこととなった。バルセロナでの偶然の出合いが、ぼくを昔のようにまたサハラへと向かわせることとなった。1944年の7月のことである。
話はこうだ。
とりあえずここまで
本文の格式高さを再現するのが難しい
やってみます
199の冒頭が私ではなくぼくでした
ぼくはカサブランカへケイをのせて飛び立った。
彼女は後部の、かつてのプレヴォー達、親愛なる僚友達が乗っていた通信機が据え付けられている席に座り、しきりにライカのシャッターを切っている。
ぼくは空の上で彼女に話しかけてみた。
サンテグジュペリ「……空を撮っているんですか」
ケイ「……いや、これは君を撮っているんだ」
サンテグジュペリ「……ぼくを?」
ケイ「……そうだよ、501の専属郵便飛行士を撮っているのさ。」
サンテグジュペリ「……何故?」
ケイ「……何故って、ああ、私は元々報道写真家だったんだ。こういうのは撮っておきたいものなのさ」
サンテグジュペリ「……へえ?そんなにぼくは人気者ですか?」
ケイ「……この戦争のなか郵便飛行なんてやっている人は貴重だよ。それに、あの501専属だなんて、それだけで人気者になるさ」
ここまで
挿絵がほしいシーンがあったら遠慮なくいってください
じゃあ写真を撮られて少し振り返ってる主人公
>>126のリクエスト
明日にはスキャンします
わし書き分けができないんじゃぁ…
若い頃は結構イケメンだったようですが中年になるとMr.ビーンみたいな感じになってましたね
着陸態勢のブレゲー
>>132 描き上げたので明日スキャンして上げます。本編今からはっじめっるよー
雲の中に機体は突入する。
例のごとく四方八方からの気流に機体は翻弄され、がたがたと上下に揺れた。
ケイ「大丈夫なのかい?」
サンテグジュペリ「大丈夫なはずです。これよりもっとひどいこともありますから」
ケイ「へえ、それはどんなときだい?」
サンテグジュペリ「たとえば…大きな山の周囲の気流をもろに受けると、大変です」
ケイ「どうなるんだい」
サンテグジュペリ「機体が分解します。そして操縦者は死にます」
実際にぼくはの周りではそんなことで死んだ先輩、僚友が何人もいた。
郵便飛行のために、初期の頃は何人もの人々が探検にでかけた。
そして、帰ってこなかった
皆、山脈の腹や海の底に、いや、大空に還っていった。
飛行すること四時間。
各地の空港がぼくによこしてきた報告の通り、時速20キロメートルの追い風が吹いた。
そのため鈍足なこの機体でも早めにカサブランカに着陸することができた。
ぼくはここの軍の基地で、郵便袋を降ろして、ミーナに電報を打ち、ケイを送り届けるために2日ほど遅れることを報告した。
そして、ケイとイスラム教の色が濃い町並みを見たり、軍の船から下ろされる、戦車や地上型ストライカーのコンテナを見たりした。
近場の食事屋で適当な郷土の料理を食べ、宿を取り、一眠りするとやがて翌日がやって来る。
トブルクへ出発。
とりあえずここまで
イラストは明日スキャンしますので挿絵のリクエストは今のうちにしておくと明日に間に合うかも
カサブランカ行
夜間飛行
着陸
ああ……同人誌書きてえ……
ストパンの合同誌あったら参加してえ……
時間ができたので四時からやります
お圭さん今描いてます
ちょっと待ってね
リリーマルレーン
申し訳ない九時からでお願いします
忙しくて圭さんかけん…
すまぬ…明日まで待ってくだされ…
落書き ガリア解放
九時から始めます
カサブランカから飛び立って二時間、この小さな郵便飛行機は北アフリカの大きな雲に入り、コンパスを頼りに飛行を続けていた。
ぼくは三度めの方向修正を済ませると、速度を時速300キロメートルに固定して一息ついた。
ぼくは椅子のしたからコーヒーの入った水筒を取りだし、ケイの方向を振り向く。
サンテグジュペリ「……コーヒー、飲みますか?」
ケイ「いいの?ならいただくよ」
ぼくは彼女にブリキのコップと水筒を手渡すと、白い雲の中を見渡す。
眼下には赤い光が見える。あれは灯台だろうか?
ここでぼくは気づく。こんなところに昼間から赤い光を灯す灯台なんてない。
ケイも気配に気づいたようで、コーヒーの水筒をぼくに渡すと、あの赤い光を指差した。
ケイ「……ネウロイよ、あれ…」
ぼくはい守っている武器を確認するが、生憎ちっぽけな拳銃しかもっていない。ぼくは舌打ちして前を向いた。
すると、雲を貫いてやつが光線を放ってきた。翼を僅かに掠り、鉄が溶ける嫌な臭いがする。
ぼくはこの場を切り抜けるために、ある決断をした。
サンテグジュペリ「ケイさん!しっかりシートベルトをしていますか?」
ケイ「してるよ!」
ぼくは、一気にレバーを引っ張り、エンジンを止めた。
機体は急降下する。むしろ墜落といった方がいいかもしれない。
ぼくの作戦とは、機体のエンジンを切ることで、機を墜落したように見せかけ、この場を切り抜けるというものだった。
まだ第一次世界大戦の、西部戦線の生き残りがいた時代に、彼らの武勇伝のひとつとして聞いた話だった。彼らはそうして敵機から逃げおおせていた。
ケイはぼくが何をしたかを理解したようで、ベルトをつかんでじっとしている。
機体はなおも急降下し、高度計がぐるぐると回った。700、650、600。
ぼくは、雲を抜けて、ネウロイが完全に飛び去ったのを確認すると、高度400mで機体のエンジンをかけ、また上昇した。
サンテグジュペリ「……成功しましたね」
ケイ「寿命が縮んだと思ったわ。」
ぼくは再びコンパスを確認すると、機体を東に向ける。
あと一時間ほどで、基地に到着するところまで来ていた。
トブルク。
サハラの真ん中に位置する、ストームウィッチーズの本拠地だ。
そこの砂にまみれた滑走路に、着陸許可の無線を入れてから、ブレゲーを着陸させた。でこぼことした路で機体は二、三度飛びはね、滑走路の端でようやく停止する。
僕らを出迎えたのはハンナという少女だった。
夜、ぼくはトブルクからの帰路に着いていた。
トブルクでは501にいる友への手紙と、お礼の上等な白ワインと、ミーナに渡すべきある書類をもらい、それらを後部座席に詰め込んでの飛行だ。夜を一跨ぎしてぼくはカサブランカに降りた。
その二日後には、501へと帰りつくことができたのであった。
基地に着いたのは朝のことであった。
途中でネウロイに襲われもしたが、なんとかぼくは懐かしいあのオアシスに戻ってくることができた!
ぼくは滑走路に降り立ち、郵便袋を担いで城の中に入っていった。
既に入り口では、手紙を待つ人々が待ち構えていた。ぼくは手紙を担当の男に渡すと、男は礼をして走り去っていった。
すると、廊下の遠くで大きな歓声が上がる。皆家族からの手紙をもらった人々だった。
とりあえずここまで
アフリカ篇はどこかでやります
いかんな…これはいかん
SS速報ゴールデンタイム(当社調べ)にやったのに音沙汰ないのはいかん…どこで間違えたのか…
こうなったらスレ建て直してストーリー変えていくか…?
少し弱気になってました、ありがとう
改定案
改定案として、サンテグジュペリが元々ストウィの世界に生きてたらという設定の元、郵便飛行に従事するというのにしようかとは考えていましたが、いつかこのネタでなにか出すときに使うことにします
ウェイありがとうございます
頑張りますのでこれからもよろしくお願いします
宮沢賢治は現在書き貯め中です
>>1にとっては皆さんは全員大事な読者です
明日には更新します
遅れてしまいもうしわけないです
>>1にとっては皆さんの全員が大切な読者です
遅れてしまい申し訳ありません
明日には更新します
おおう電波状況悪いな
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