男「うん。そうなるだろうと思ってたよ、うん」
女「マント……ってことは、すーぱーまん?」
男「何時のスーパーマンだよ。そしてこんなスーパーマン、子供が泣くぞ」
女「じゃあ、何?」
男「……うん。じゃあ暴露させて頂きます。――――吸血鬼が参りました」
女「十字架」+
男「はわ!!?」ビクッ
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男「……まぁ無意味だけど」ケロリ
女「嘘、なんで?」
男「……驚いてる割には冷静ですね」
女「顔に出ないだけだと思う。くーでれ? ってやつ」
男「言葉間違ってますよ、女さん」
女「で、なんで十字架効かないの?」+
男「んっとですね。吸血鬼は吸血鬼でも、俺、無宗教なんで十字架とか無駄無駄ァなんですよ」
女「そうなの?」
男「ええ。……ただ、にんにくとか、そういう臭いの強いものは苦手ですけどね。嗅覚が強化されてますんで」
女「へぇ」
男「あと、目も結構いいんですよ。ネオンとか見てると目が直ぐチカチカして……」
女「えい」ニンニク
男「くさっ!! くさっ!!!」
男「ちょ、マジ止めてくださらない!? 鼻が、鼻がぁぁぁあああ!!」
女「吸血されたくないので」
男「ぬおおおおお!! えい」サクッ
女「な……それは、まさか――――」
男「そう……鼻栓だ」ドォオオオオン
女「えい」スポ
男「あ」
女「零距離腐臭攻撃!! アンド……山吹色の日光(サンライト・サンシャイン)!!」カーテンガバッ
男「あー。すーなーにーなーるー……」さらさらさらさら
女「あれ? 本当にやっつけちゃった?」
男「で? っていう」
女「正しく不死身ね」
とりま今日はこれだけ。
風呂敷はあまり広げないでおきたい……
男「日光は真面目に無理です。焼けて爛れて癌になっちゃいます」
女「え。さっきみたいに、灰になったりしないの?」
男「あくまでも、それは退避用ですので」
女「……通りで、女の子以上に日焼け止めやらなにやら使ってるわけだわ」
男「ええ。とりあえず、朝ごはんください」
女「人の家に無断侵入した上食事を要求するとは」
男「血をほんの数デシリットルで良いんです」
女「だと思った」
女「やだ」
男「そんなこと言わずに」
女「絶対やだ」
男「直接じゃなくていいんで」
女「…………その場合どうするの?」
男「注射器のターン」
女「やだ」
男「仕方ありません。ではこれにて」ババッ
女「あ。蝙蝠になっちゃった……」
ギャアアアア!! ハ、ハダガアアアアア!!
女「……馬鹿?」
学校にて
女友「おっはー」
女「おはよう」
女友「早速だけど宿題写させて」
女「報酬を言いなさい」
女友「――――ランチパックのチキン、なんてどうでしょう?」
女「All right.(よろしい)」
ガシッ
友「うぉ……女同士の友情とか綺麗だと思ったけど、あれじゃ何処のssやら……」
男「そうだね」
女「あ、男君」
男「おはようございます。女さん」ペコリ
女「ん」(……忘れて、る?)
男「……最近、何だか食べても食べてもお腹が空くんだよね」
友「ビョーキだそれ。ビョーキ」
男「かなぁ……」
友「とりま女さん。おはざっす」
女「おはよう。友君」ニコッ
友「フォオオオオオ!! キタコレ! やっぱり俺、今日ついてる!!」
女友「どうしたの? この馬鹿」
男「うん。どうやら、今日血液型占いと、星座占い、年齢占い全部で1位が取れたって」
女友「そこで女か……にゃるー」
友「あ"ー……今日俺ついてるぅ……うへ、うへへへ」
男「おーい」
キーンコーンカーンコーン
女「あ。じゃあね、男君、友君」
友「うへ、うへへへへへ」
女友「み、見事なまでに廃人になってしまっている……」
男「え、と。それでは」
昼休み。図書室にて
女「きゅーけつき、きゅーけつき……」
女友「女ー、何探してんのー?」
女「吸血鬼の本。あ、あった」バサッ
女友「えっと? ……ドラキュラ。ねえ女。もしかしてそういう?」
女「どういうのよ……」
読書中
読書終わり
女「銀、ね」
その夜
男「血をいただきに参上仕りました。可愛い姫君よ」
女「シルバー・スプーン!」サッ
男「おっと」サッ
女「な、避けられた……!?」
男「今宵は満月。月がその顔を魅せる時。……まぁ、今日はちょっと隠れちゃってますけどね」
女「……なんで、月?」
男「銀が弱点なのに知らないんですか。月とは本来魔性を強化する役割のあるものなんですよ。
狼男とか、魔女の魔法とか」
女「えい」ニンニク
男「くさっ!! ちょ、くさっ!!!」
男「ちょ、死ぬ! 臭死する!!」
女「臭いで吸血鬼って死ぬんだ……」
男「まぁ死にませんけど」ヒュン
女「う、後ろ――――!?」
男「では、いただきます」
キィイイイン
男「な、え?」
女「……あれ?」
男「あれ、おかしいな……も、もしかしてこれ、鬼殺しの結界か……?」
女「あの、男君?」
男「あ、はい。何でしょう」
女「何、そんな戸惑ってるの?」
男「貴方がつけてるそのペンダント、誰からの贈り物ですか?」
女「え、これ? えっと、お母さんのだけど」
男「どこ出身ですか」
女「イギリス」
男「……教会め、俺らがいることを知ってたな」
女「えっと……?」
男「簡単に言います。これ、退魔の魔術が掛かってる結界です」
女「え?」
男「退魔。つまりは神秘の除外です。幽霊とか悪魔とか、そういういやなものを寄せ付けないっていう結構強めに作られてる、ちっちゃな結界なんですよ」
女「え、え?」
男「ちっちゃいから、俺もわかんなかったのか……くそ。面倒な……」
女「えと、つまり。これ着けてれば、私、大丈夫なの?」
男「そうなります」
女「ただのパンチ!!」ボカッ
男「ふべらああ!!?」
ちょっと休憩
補足
退魔の印
●魔を有する神秘体の接触を防ぐ上級魔術『ガレージ』が掛かっているペンダント。
但し有効範囲は装着者のみ。なるべく心臓の付近に置くことが必要。心臓、血管を通って体中に廻るために。
男「ぶべらぁ」
女「ふんふんふんふん」
>>23何故かわろたww
あと少しだけやるよ
次の日
女友「おっはー。宿題」
女「報酬は」
女友「ランチパックのチキン」
女「何時も思うけど、何でそればっか?」
女友「売ってるランチパックが大抵これしかないんだもん」
女「ピーナッツとかは?」
女友「あんた食うの?」
女「ランチパックなら」
女「まあいいや。はい」
女友「んー。ありがとー、愛してるー」
友「うへへー、俺も愛してるぅー」グデー
女友「うわ!! きも!! きしょ!!」
男「き、昨日からこのままなんだ。友」
女「……の、ようね」
寝オチしそう
というわけで寝る。
台風こええ
女(……しかし、何なんだろう。昼は吸血鬼として動かないのか私を吸血しようとはしない。っていうか、接触もしようとしない)
女(……昼だから、大きく動けないのかな。むぅ……)
またまた図書室
女「げーんーそーうーどーうーぶーつーずーかーんー」テッテレテッテッテー
女友「はぁ」
女「とりまこれで調べちゃいましょうか」
女友「ねえ女」
女「ん?」
女友「神様っているのかな」
女「え?」
女友「いやね。女がそんな本読んでるからさ」
女「ふと、思ったわけね。……そうね。いるんじゃないかな」
女友「いるとしたら何やってるんだろうね」
女「……人間の監視、とか?」
女友「それが気に食わない」
女「は?」
女友「何で神様って人間を中心として何か事を起こすのかがわからない」
女「いや、だって……」
女友「動物はどうするのさ。あいつら肉食獣だって他動物を殺して食ってるっていうのに、私達が動物殺したら地獄行きって。不公平じゃない?」
女「仏教の考えだっけ、それ」
女友「うるおぼえだけどね」
女「うろおぼえ、ね」
女(――――とりあえず調べてみたけど、やっぱりないか。仕方ないよね、昼に行動する吸血鬼なんてたまったもんじゃないだろうし)
女「ていうか、何で私はあいつのことをちくらないんだろう」
女「……それと」チャリン
――――男『……教会め、俺らがいることを知ってたな』
女「教会、ってつまり……キリスト教の教会のことだよね」
女「……何なんだろう、本当に」
朝はこれでおわり
あとはよるやるで
と思ったけど時間ないし寝る
台風こねえのかよ畜生
男「何の話をしてるんですか?」
女「うひゃ!!?」ビビクゥ
女友「あ、男ーよっす」
男「うん。で、何の話を?」
女「あ、あぁ。うん」
女友「ドラキュラについてだよー」
女「ちょ――――」
男「ドラキュラ? ……あぁ、吸血鬼ドラキュラ。ヴラド三世のことですね」
女友「あ、そこまでは知らないわ。本名ってそうなの?」
男「現実の存在、ってとこですかね。Fate/EXTRAってゲームをやってくれると判りますけど、吸血鬼ドラキュラって言うのはヴラド三世を元にしたお話なんです」
女友「へぇー」
男「ヴラド三世についてはウィキペディアに簡潔に且つ丁寧に書かれていますのでそちらも見てくださればわかります」
女友「おっけー。だってよ女」
女「あ、うん……」
男「……でもそれ、ヴァンパイアの項ですけど」ヒョイ
女「うにゃ!!?」ビクッ
女友「びびり過ぎじゃない? っていうか、ヴァンパイアとドラキュラって違うん?」
男「正式には。ヴァンパイアとは吸血鬼、主に人の血を吸う悪魔の総称です。ですが、先ほども入った様に、ドラキュラとはヴラド三世を元にした物語上の吸血鬼の名。なので、固有名詞になります。
……そうですね。貴方を人間と呼ぶか、女友と呼ぶかの違いです」
女友「ふーん。まあどうでもいいけどね」
女「…………」
どうしよう。
エンドどうしよう。
ハッピーorバッド
どうしよう
その夜
男「ちわーっす」
女「やっぱり来るのね。……あのくさい台詞はどうしたの?」
男「面倒だったんで言いませんでしたけど。言った方が宜しいでしょうか、姫君」
女「結構。血は吸わせないから帰って」
男「そーも行かないんです。最近あいつが金欠みたいで満足な食事が出来ないんでしてね」
女「……あいつ?」
男「おっと。此処から先は情報料をいただきまっせ。無論血で」ジュルル
女「キモい。死ね」
男「おっふ……なんとまぁ手厳しい」
じゃあハッピー書いて残機があればバッドを書くことにする。
女「……あと、もう大体わかってるから」
男「―――――お?」
女「最近思っていたのよ。何で貴方が昼、猫をかぶっているのか。でもそれは違った。猫などかぶっていない。否……被らなければならない」
男「ほぉ?」
女「…………私の結論としては」
――――――――貴方は
――――――――貴方じゃない。
男「……ふーん。それで?」
女「簡単に言ってしまえば二重人格……もしくは多重人格者かも知れないけれど、吸血鬼である貴方は夜にしか起動できない。普通である彼は、太陽が昇る限り起動しなければならない。……尤も、太陽に浴びるだけで死に掛けるらしいから、その役を受け持たせた様だけど」
男「面白い考えだな。で、どうやって考えた、それは」
女「勘。それと貴方の言動から。貴方は昼のことについては何かと他人行儀な言い方で話していた。それが妙に頭に残った。
だから考えたのよ。……もしかしたら、昼の貴方と夜の貴方は違うものなんじゃないか、って」
男「ふーん……」
女「で、回答は?」
男「大当たり、ではないな。むしろ逆だ。おおはずれ」
女「は?」
男「あんたの勘も大したことないな。俺は俺だ。それ以上でもそれ以下でも、ましてや二つなんて存在しない。
他人行儀だったのは昼の時が嫌いなだけだ。あの状態を、自分といいたくはないからな」
女「え、でも……」
男「じゃあなんで昼は血を吸わなかったかってか? 単純な話、日光が出てしまえば大きな動きは出来ないし、そもそもの吸血衝動がまったくの零になる。
――――あぁ、でも二つっていうのは的を射てるな」
女「え?」
男「お前の幼馴染。10年前。忘れたとは言わせないぞ。だって……お前もその時にいただろ?」
女「――――――――――え?」
吸血衝動。
とは。
まさしく。
血をすう。
衝動。
感情。
無意味。
無根。
無価値。
無常。
堕落。
奈落。
耄碌。
消失。
―――――――――記憶を遡る。
、あ。
それは。
なに?
~~~~10年前~~~~
幼馴染「女ー! いっしょにかえろー!?」
女「うっさい。聞こえてるから」
幼馴染「ひひ。じゃ、いこ?」テクテク
女「ちょ、ま、待ってよ幼!」タッタッタ
――――――少女が少女の影を追っている。
それは私。10年前の、私。
それは彼女。大好きだった、幼馴染。
影が、二つ。夕焼けの道に落ちていた。
そして
影が。
増える。
飯食うから一旦休憩
……そして夜が明けてしまいましたとさ。
続けますよー
それは知らない男の人。
上から下まで服で隠されている。
徐にそいつは言う。「辛くは無いか」と。
幼馴染がびくんと揺れる。それを私が抱え、彼女を守る様にそいつを睨んだ。
そして、そいつはこうも言った。「悲しくは無いか」と。
幼馴染がこくん、と首を縦に振った。その時、私はそいつを見ていて判らなかった。
それを見て、男はマスクで隠された口元をにやり、と歪ませて。
「ならば力を授けてやる。貴様に与えるは吸血の鬼。貴様が願うは悪手への反逆。
――――少女。貴様は今、満ち溢れんばかりの、神のご加護を得る――――!」
そう言うと、そいつは自分の中指と薬指の爪を自らの掌に突き刺した。
といっても、刺さった爪の長さはせいぜい2cmかそこらだったので、そこまで血が流れることはなかった。
――――瞬間、彼女は堕ちてしまった。
「あ、あぁ……」
苦痛に悶えるかのように幼馴染が喘いだ。
「あんた、何を……!!」
「何。そやつに力を与えただけだ。……ふむ、今夜は満月と見た。面白い結果になりそうであるな」
そういって、黒衣のそいつは何処かへ行ってしまった。
幼馴染は喘ぎながら、私を突き放した。
その両眼は、まるで―――――
―――――――――深紅に染まった、血液の様な…………。
女「それを、どうして……」
男「うん。じゃあ説明するか。簡単に言うと、俺って教会で派遣された祓魔師……エクソシストって奴だな。まあそんな奴なんだわ。
で、そん時は今から3年前――俺が15歳の頃だな――。実に奇妙な事件の厄介払いにきたわけですわ」
女「さんねん、まえ……」
男「そ。まあ政府が大事にさせないように圧力をかけてたしあんたは知らないよ。ちなみに、その事件ってのがあんたの幼馴染を鬼化させた奴が起こした奴なんだぜ」
女「…………な」
男「そいつは通称『黒衣の異端者』って呼ばれててな。まぁ、元は教会の人間だったんだけど、ブードゥーにはまっちまっていまやゾンビ軍団でも作ってんじゃねえのかなー」
女「……まさ、か」
男「そ。あんたの幼馴染はそれの実験体第一号、ってこと」
女「……だから」
男「そ。残念ながら3年前は取り逃がしちまってその幼馴染ちゃんしかみっかんなかったんだけどさ」
女「!! 居たの!? どこで!!」ガッ
男「ぬるぽ……じゃねえか。遅いし。あ、何処でって言われると、ここかな」トントン
女「……は?」
男「彼女の吸血鬼は殺せなかった。どうやら、心象に深く根付きすぎちまったらしい。
だから呑んだ。憑依させた、って言うのが近いか」
女「……え?」
男「残念ながら、その所為か昼は奴の感覚が体中に回るんだよな。女っぽいってよく言われるけど、まあそれが原因だな。
……しかも、吸血鬼としての衝動は俺が受け持っちまうし。まじめに神社で祓ってもらいたいよ」
女「……えと。つまり」
男「昼のときはあんたの幼馴染っぽい俺に是が非でも成される。夜の時は吸血衝動で狂いそうになる。ただそれだけのことだよ……じゃない、です」
女「……幼馴染、が」
男「いやか?」
女「え」
男「こんな如何にも馬鹿そーな奴が自分の幼馴染を取ってることが憎いか?」
女「あ、いや」
男「……まあそれはともかく。血、くれ」
女「やだ」
男「……おっふ」
次の日の朝
女「…………」
女(えと。整理すると、あいつは二重人格じゃなくて、性格が変わっちゃうっていう感じで、その性格は幼馴染のもので、やっぱり吸血鬼で……)
女「……『黒衣の異端者』」
女(一連の事件の犯人。彼の抹殺目標。幼馴染の仇)
女「……いいや。学校で聞いちゃおうか」
ちょっち球系
そしてまさかの誤字。
続けるよ
学校
女友「女さん、一生のお願いでごわす。宿題を私にください」
女「……宿題って、何だっけ」
女友「え”……まさか、女さんが忘れた、だと……?」
女「いや、そこまで珍しい事でもないでしょ。で、何だっけ」
女友「美術のスケッチ。女、絵ぇうまいもん」
女「あ、やっと口調戻ったのね」
女友「あの口調しんどい」
女「私は気持ち悪かったわ」
女「それはそうと……男君は?」キョロキョロ
女友「え? ……ほぅ……お主その様な」
女「皿砕くわよ?」
女友「え、皿? ……ごめん女。私馬鹿だから判んないんだけど」
女「膝の」
女友「……もしかしなくても、膝蓋骨?」
女「Exactly(その通りだよこの糞アマ)」
女友「意訳がジョジョじゃない!!」
女友「ちなみに男なら今日は休みだって言ってたよ」
男「え」
女「あ、いた」
男「ね、ねえ……なんで僕が休み?」
女友「あれ、おっかしいな。さっき友が言ってたんだけど」
友「うぇえ!!? 俺の所為かよこら!!」
男「友……」じとっ
友「いいいいいってない!! ひとっことも言ってないからそんなこと!!」
女「どうでもいいわ。男君、昼休み一緒にご飯食べましょ」
男「え!? ……まあいいですけど」
友「……Doでもいいとか……ねえよ……」ドンヨリ
I'm sleepy. So I sleep.
寝るお!
ほのぼのコメディかと思ったらシリアスなファンタジーだった。
>>1はカトリック?プロテスタント?
あ、エホバの証人…はないな。あれなら血を題材にするわけないし。
いやそもそも、どこの宗教の人?
>>63
無宗教です。強いて言えば仏教か……まあ、ほかはどうでもいいですか。
ちなみにシリアスファンタジーっつか厨二くさい話が好きなだけなんですけどね。
こっから黒衣の異端者さえ倒してしまえばあとはコメディに入れるぜヒャッホウ!
おきたお
ねむいお
空飛ぶスパゲッティー・モンスター教なんてあったのね
昼休み・屋上にて
男「……誰も居ないね」
女「人払いって、知ってる?」
男「……何かしたんですか?」
女「暇だったから、家の倉庫漁ってみたら魔道書があってね。そこに人払い――ルビには『リムーヴ』と書かれていたが――が書いてあったから、まあ単調にやってみたら大当たりだったわけ」
男「……なるほど。微弱だけど魔道の行使に必要なだけの魔力は持っている、ね。やっぱり、貴方のお母さんの血は偉大だね」
女「? なんの、こと?」
男「教会の伝を使わせて貰ったけど、どうやら君のお母さんって結構な魔術師だったようなんだって」
女「……まじか」
男「マジレス」
女「は?」
男「マジですとマジレスをかけたダジャレです。で、此処に呼んで何のお話をするんですか?」
女「あぁ、うん。……ねえ男君。私は、君の力になれないかな」
男「…………ほあ?」
女「無理、なことは百も承知してる。この人払いだって、朝数十回やってやっと成功した様なものだから……」
男「いや、それすごいことなんですよ。人払いは結界式なんですから素人が数十回で成功するんだったら儲けものなんですよ」
女「じゃあ、それで『黒衣の異端者』は倒せるの?」
男「…………特訓が、必要ですが」
女「え? まじ?」
男「ほあ?」
女「いや、この流れって『男「…………」』『女「あ……」(察し』みたいな雰囲気だったと思ったんだけど……」
男「……あのですね、さっきも言ったように貴方は凄い魔術師であるお母様の血を引いておられるんですから、この程度数回で成功してもありえるんですよ。それが出来なかったのはちゃんとした魔術の特訓がされてないから。……おそらくは、貴方が本格的に魔術の特訓をすれば僕の結界術よりも強くなると断言できます」
女「えっと……つまり、私は特訓すれば、その、魔術が使えるの?」
男「貴方は使えています。ただ、成功確立が低いだけ。……そうですね、特訓後の成功確立を予想しますと、98%ぐらいじゃないでしょうか」
女「……残り2%は?」
男「まだ誰も成し得てない宝術である『死者の完全蘇生』と『時の自己改変』ですかね。貴方でしたら並行世界へも飛べるかもしれません」
女「わ、私SUGEEEEEEEEE!!!」
男「しかし……どうしてそのような?」
女「……幼馴染」
男「……仇なんて言うんじゃないですよね?」
女「」コクリ
男「……はぁ。いいですか女さん、教えてあげます。魔術師とは即ち術式や結界式を使って研究をするもののことを言います。ですが、仇だとか、そんな戦いの為に魔術を使う魔術師は魔術師ではありません。それはただの復讐者、『Odiouser』に堕ちてしまいます」
女「……忠告、ありがとう。でも私は枉げられない。枉げたら……その瞬間私は死んでしまう。私は憎い。あんなふうにしたあの男が憎い!! そう思いながら今日の今まで過ごしてきた。それを今枉げたら、それすらも無意味になってしまう。
だから、私は……復讐の鬼になったとて、彼女の仇を討ちたい……!」
男「……本気、のようですね」
女「ええ、それが?」
男「……一応教えてあげます。『Odiouser』の先にある未来は2つ。殺す相手が居なくなって殺人を趣向するようになる『快楽殺人鬼』、守るべき相手を亡くした悲しみで明け暮れる『懺悔後悔者』。貴方にはそのどちらの運命も渡ってほしくはありません」
女「私がこの程度で殺人鬼になるとでも? しかも、懺悔も後悔も、10年前にすべておいてきた。あるのは率直な思い。彼女の笑顔を奪った報いをさせてやらなきゃいけないっていう……!」
男「ま、ですよね。貴方に限ってそんな」
女「…………」ジト
男「……では、明日から休みなので、明日から特訓は開始します。よろしいですね」
女「当然」
クラス
女「」ガラガラ
女友「Oh girl……どうだい、首尾は」
女「何の話よ……」
女友「そりゃ当然男を落とせたかってこと!」
女「……あのね、私別にそういう対象として彼は見てないから」
女友「えーそうなのー? でもさ、最近男君のことばっか気にしてると思うんだけど」
女「あー……まあ」(言えない。昼も吸血鬼になるんじゃないか、なんて思ってるだなんて)
男「安心してください。昼は吸血衝動は零になるんです。忘れましたか? まあ信用できないでしょうけど、無理して信用していただけると光栄です」ボソッ
女「!!?」フリムキッ
女友「? 女、どうしたん?」
女「い、いや……」(あいつ……)
男「……クスッ」(『ライン』は正常に繋がってる、か)
先程屋上にて
女「らいん?」
男「そうです。スマホアプリの方じゃ無いですよ?」
女「知ってるわ。馬鹿」
男「日本語で言うなら『精神同調線』、英語だと『Soul synchro line』って言うんですけどね」
女「へー」
男「ざっくり言うと糸電話の線をつなぐようなものです。念話って巷では言うんですけど」
女「あ、それよく魔法バトル漫画でよく見る」
男「結構簡単な魔術式なんで、古来よりずっと使われ続けてるんですよ。……まあ、こんなの今じゃスマホさえ持っていれば効率がいいんですけど」
女「え、何で? 電池いらないじゃん」
男「念話って言うのはいやなことに、ちょっとでも思ったことが相手に伝わっちゃうんです。ですので、裏切りをしようにも難しい、っていう、ね」
女「……ふーん」
男「極端なこと言っちゃいますと、相手が女性の場合、男性が少しでも性的なことを思ったらそれが伝わっちゃう様なものです。セクハラですから捕まります」
女「それ最近スマホでも普通に言ってる人いるけど……」
男「人間の屑ですのでご安心を。……ほんとに、何で思ったことをそのまま声に出すんでしょうね、今の若者は。本当にゆとり乙です」
女「あんたの言い方の方がひどくない?」
~~~とまあこういうことがあって
女(……なんか、思った以上にむず痒い)
男(脳に直接情報を送ってるだけですから。ちなみに、情報を送るだけなので言葉が違っても伝わるんですよ)
女(へー)
男(まあ念話しすぎると頭がイカれるらしいのでこれぐらいにしますか)ブツッ
女「ちょ!!」
女友「うえ!? お、女どうしたの!?」
女「あ、いや……」
男(冗談なのにな。面白い子だ……)クスクス
その夜
男「よっす」
女「こんばー」
男「じゃあ明日の予定説明しますか」ペラ
女「血は吸わないの?」
男「んー……彼女のご意思を尊重してるからな」
女「彼女?」
男「幼馴染ちゃんだよ。まったく、あいつ俺の身体だっつーのに勝手に借りやがって……もうこれ二重人格でいいんじゃないかな」
女「幼馴染が……そう」
男「……明日の日課だが、まず10時からマナの溜まり具合を見るから、魔力は行使するなよ」
女「マナ?」
男「最大MPみたいなもんだ。通常は10時ぐらいで最大MPまで回復するからな。で、終わったら11時まで下級結界のいくつかのお勉強。12時はまあ適当に飯を食ってくれてかまわない。が、1時からの特訓は身体を動かすし集中力使うから、ちゃんと取っておいてくれ。
それが終わったら一旦休憩。3時からまたはじめる。で、5時で終了。此処までのことに何か質問があるか?」
女「質問ドラえもん。それって素人向け?」
男「一応。ただ俺の日課はもう少しひどかった」
女「え”」
男「朝3時から5時まで走りこみ。それが終わったら腹筋背筋腕立てしたらスクワット。終わるまでマナの確認までやってくれない」
女「……えっと、それで素人?」
男「前にも言ったが、俺は祓魔師なんだけどさ、祓魔師ってのは成ろうと思ったら一生かけないとなれないようなもんなんだよ。だから3歳の頃からこんな修行を」
女「さんさい!!?」バンッ
男「あ、まぁ……意外か?」
女「……どおりで白髪が多いわけね」
男「生まれつきだよ生まれつきなんだよ。あと銀髪っていえあほ。血ぃ吸うぞ」
女「結界あるのに?」
男「……くやしいです!」
女「ふっる」
ちょっち休憩
質問があったら答える
彼女いますか
>>75
そういう質問じゃねえよwww
ちなみに居たら土日遊びに出てるわ。何そのリア充。
そして続ける
次の日
女(……昨日の女友のことであまり寝れなかった)
女(……好き、なのかな。判んないけど、嫌いじゃない、と、思う)
女「……ご飯、食べなきゃ」
朝食後 10時
男「おはようございます」ペコリ
女「おはよ。敬語じゃなくていいのに」
男「僕だって一応そうしたいですけど、ねえ」
女「……幼馴染、か」
男「彼女は僕の中で少しずつですけど、女さん以上に女っぽくなってますよ」
女「しめていい?」
男「灰となって逃げましょうか」
女「人外」
男「そうですが」
男「まあいいです。右腕、出してください」
女「ん? はい」ヒョイ
男「えい」プス チュー
女「痛……注射器?」
男「ちょっと失礼しますね……」ホワワワーン
女「……それが、マナの検査?」
男「まあそんなものです。よし、まあ十分にありますね。じゃ、はじめましょうか」
女の部屋
女「そこらへん座ってくれればいいわ」
男「……ひどい散らかりようですね。幼馴染さんが飽きれて溜息ついてますよ」
女「……意思疎通、できるの?」
男「ええ。表面には出せませんけど。吸血鬼再来、ってなっちゃうんで」
女「メタなこと言っていい?」
男「はい?」
女「>>1型月好きすぎるよね」
男「最近はらっきょと月姫がマイブームだそうですよ」
女「あとFate/stay nightが再アニメ化されるって聞いたら夜眠れなかったっぽいね」
男「いつまでこのメタフィールド展開するんですか」
~~~~
男「で、あるからにして魔力の形が……」
女「ふんふん」
男「……あの、女さん。聞きますけど、本当に素人ですよね?」
女「ん? そうだけど」
男「なんと言うか……習得早すぎませんか? 光子壁(ロイヤルシールド)が2枚重ねられる素人なんて普通いないんですけど」
女「なんか適当にやったらできたんだけど」
男(い、いけない……このままだと、僕負ける……!)
~~~~11時
男「あ、終わりですね。じゃあ今日はここまでにしましょう」
女「うん。わかった」
男(……現在習得済みなのは、壁(シールド)と光子壁、反射鏡(ミラー)、魔力反射鏡(マジカルミラー)、人払い、降雨術式(レイニー)……
あれ、防御は最強じゃないか……?)
男「お、お昼はちゃんと取ってくださいね。それでは……」
女「あ、食ってっていいよ。別に」
男「ほあ?」
女「だから、作ってあげるって。お昼」
男「…………友、僕は君を裏切ってしまいそうだ」
男「…………あの、女さん。何ですか、これ」
女「何って、スパゲッティ」
男「いやそれはわかりますけど、何ですか、この量。皿抱えきれてないんですけど」
女「んー。まあ男君いっぱい食べそうだからさ。じゃ、いただきまーす」ペチ
男「……いただきます」
女「えい」ガッ
男「……僕は何を見ているんだろう、女さんの取り皿には女さんが半分隠れるぐらいの麺の山があるだなんて」ガッ
女「そういいながら結構取ってるじゃない」
男「貴方がそこまで食べるなんて思いませんでしたよ。……あ、そうなんですか。昔から……」
女「幼馴染。変なことは言わないでほしいんだけど」
~~~~
男「ごちそうさまでした。美味しゅうございました」
女「なんか、あんまり食べないんだね」
男「貴方が普通じゃないんでしょうが。……え、昔はこの倍を……本当ですかそれ……」
女「お~さ~な~?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
男「驚いて心象にもぐっちゃいました」
女「よし」
男「では少しおなか休めたので、特訓に入らせていただきます」
女「次は何?」
男「攻撃魔法、ですね。簡単に言いますと」
女「魔法? 魔術じゃなくて?」
男「はい。魔法とは即ち『魔を使う方法』です。魔術とは『魔を使う術式』です。いわば、魔法が結果、魔術は方程式、見たいな物だと考えてください」
女「ふーん」
男「女さんは魔術の方が適正だとは思いますが、相手が相手なので、一々結界作ったりなんだり、というのは遅いので、結果をばばんと撃っちゃいましょう、っていうことです」
女「え、じゃあさっきの特訓無意味……?」
男「いえ。魔術は防御に比較的特化しているので、魔術では防御の面だけ、魔法は攻撃の面だけ教えさせていただきます。では、まずはじめに……」ボウ
女「あれ……男君が、光ってる?」
男「まずこれが待機体制。魔力を自分の身体にまとわせて、攻防が両立できる状態のことを言います。そうですね、ウルトラマンティガでいうマルチタイプでしょうか」
女「ごめん。わかんない」
男「そうでしたか。まあそれはいいとして」ヒュン
女「あ、やめるの?」
男「あまり貴方に受容性ないんで。どっちかというとこちらのほうがあります」ボワッ
女「あ、また光ったけど色がちょっと違う」
男「こっちは攻撃態勢です。タイセイの漢字が違うので、テストのときは間違えないようにしてください」
女「あるんだ、テスト」
男「時間ないのでやりませんけどね」
女「あ、そう」
~~~
男「……まさか攻撃態勢だけでなく待機体制まで覚えてしまうとは」
女「えっへっへー、どうだ!」
男「え? ……はあ、あげすぎるとだめ、ですか」
女「まだいたの幼!!」
男「ええ。では本格的な魔法に入りましょう」
女「おおきた!」
男「まずは火炎法から。一番簡単なので」
女「簡単なの?」
男「空気を集めて発火させるだけですので。下手でも火花は散りますから。ほら、こんな感じに」ボッ
女「まさしくメラだね」
男「じゃあやってみてください。中指の先を燃やすイメージで、親指に空圧を感じてください」
女「えっと……んぅ……」
男「そうしたら、思いっきり指パッチンすればいいんです」
女「え、えい!」パッチン
ボゥ
男「おお、素人にしては大きい火炎ですね。上出来です」
女「ふっふっふ、私にかかればこんなもの!!」
男「あとは自分で自習で結構です。では次氷水いきますよ」
女「かもん!」
~~~~~~
男「まさか初歩と言えど、一日で五大元素をクリアするとは……」
女「もう終わり?」
男「まあそうですね。今は2時、ですか。じゃあ休憩にしましょう」
女「ん。じゃあ部屋に戻ろうか」
男「そうですね」
女「はい、お菓子」ザラザラ
男「あ、ありがとうございます……」
女「ん。……そういえばさ、男君」
男「はい?」
女「黒衣の異端者って……どういうやつなの?」
男「……前に説明しましたが、元は教会で務めていた者でしたが、ブードゥーの教えに入ってから、ゾンビ、吸血鬼、その他もろもろを使って、おそらくは、世界を超えようと思っているのでしょう」
女「世界を、超える?」
男「彼の価値観では、この宇宙などまた地球の様に小さく、ほかに宇宙があると教会では言っていました。世界(うちゅう)の果てに本当の救済がまっている、と」
女「でも、なんでそれで……」
男「生餌、だそうですよ。外世界は娯楽に飢えている、等と言ってましたから」
女「……意味不明ね」
男「ええ。意味不明です。しかし、その真意は読み取れます」
女「え……」
男「彼は、外宇宙そのものになろうとしている。外宇宙に意思があると考える彼は、その外宇宙に成り代わろうとしているんです」
女「……外宇宙、そのものに」
男「その為に、外宇宙が自分を迎え入れる様に、娯楽を提供していると言っていました」
女「……三年前の、戦いで?」
男「ええ。それと、幼馴染さんの記憶から」
女「…………」
一旦休憩
いつになったらコメディは俺を助けるのだろう
厨くさいのは好きだけど流石にたるくなってきたorz
男「……さて、また始めましょうか」
女「……ん」
男「……え? 抱きしめろ? 何言ってるんですか貴女は……え、好き? 女さんがそんな――――」
女「うぉ~すぁ~ぬぁ~ぁ!?」ゴゴゴゴゴゴゴ
男「幼馴染さんがログアウトしました」
男「さて今回は応用です」
女「応用?」
男「ええ。火炎をそのまま使うのではなく、熱で相手を攻撃する、というように同じ系統で違う結果の魔法を覚えてもらいます」
女「ふえー」
男「では例によって火炎を熱に応用しますか」
女「おっけ」
~~~~
男「……応用は苦手なんですね、全然出来てませんけど」
女「うう……」
男「まあ魔術は教科書どおりやるのが普通ですからね……呪文が自分で変えなきゃいけない多名詞魔法はしんどいようですね」
女「いいじゃんこんなのしなくても……応用なんかしなくてもさ……」
男「それじゃ機転が利きませんよ。簡単に言うと同じ様な問題でも文章題では駄目みたいな感じなんですから」
女「うぅ……」
男「……じゃ、女さんは記憶力は良いので、固有名詞魔法を教えておきましょうか」
女「……なにそれ」
男「多名詞魔法と違って呪文がすべて固定されている、言わばドラクエのメラみたいなものです。多名詞魔法の方はどちらかというと型月の魔術に近いですので」
女「メタフィールド再来」
男「多名詞と違う点はさっき言ったことと、威力がほぼ固定されているという点です。固定されている故に、いつも一定の効果を使えますが、それ相応の魔力も固定なので、魔力が無くなれば何にも出来なくなるのでご了承ください」
女「はあ……おっけ。わかった」
男「じゃあ今日はこれで終了。はい」ドサッ
女「……えっと、何かな。この本の山」
男「魔法書です。全部固有名詞のものしか載ってませんので、明日までに暗記してください。ああ魔術でしたら、明日ちゃんと本を持ってきますので。それでは」タッタッタッタ
女「ちょ」
女「ちょっとまてええええええええ!!」
女さんの憂鬱のところで一旦カット。
余は飯を食う
そんな感じで何日か地獄の様な特訓をした女。
でも素質あり過ぎで追い抜かれるかと不安に思った男は隠れて自己練に励んだ。
しかしそうしていたのも数日だけで、これ以上は教えることがないと悟ると、男は女に大量の魔道書を送って泣きながら特訓に励んだという。
女友「最近男が弱々しいんだけどさ、なんか知らない?」
女「まえからでしょ、それ」
女友「いや最近はちょっとひどいっていうか……もしかして、毎晩のアレが響いて」
女「皿割るぞ」
女友「サーセン姉御」
女(……もしかして、最近まで私の特訓に付き合ってくれてたから疲れてるのかな……だとしたら悪いな……)
女(……つか)
女「女友、あんたよくそんなこと判るわよね」
女友「え? まあ男のことならたいてい何でも知ってるしねえ」
女「ふーん。なに、好きなの?」
女友「え?」
女「男君のこと、好きなの?」
女友「うん」
女「…………うぇ?」
女友「昔からね。男とは幼馴染だからさ、昔から、カッコいい男にあこがれてたんだよ」
女「……へ、へえ」
女友「……昔ね、あいつがまだ三歳ぐらいの頃なんだけど、私ロンドンにいたんだ。男も一緒だったんだよ。
そこじゃあまり遊べなかったけど、まあ楽しい暮らしはしてたよ」
女「へえ……」
女友「……あまり、言いたくはないけど、女の雰囲気からすると大丈夫そうだから言うけど、私、あいつが何やってるのか全部知ってたんだよ」
女「……へえ、え?」
女友「最近の疲れは女の魔道強化と自主練疲れ。その理由は女の幼馴染さんの仇を倒すため、だっけ?」
女「ど、どこで……」
女友「あれ? 男、言ってなかった? ラインって結構盗聴されやすいんだよ?」
女「え、そうなの……じゃなくて! 何で女友が……」
女友「何でって、私も一応は魔法使いだから」
女「……ええええええええ!!!?」
女友「まあ、っていっても魔法使いって言うより呪術使いだけどねー」アッハッハー
女「じゅ、じゅじゅつ?」
女友「そ。呪いとか呪詛とか、そういう関連。家からすると仏教系の呪いだからあまりロンドンの地は適さなかったんだけど、まあとある理由で、ね」
女「……もしかして、私よりすごい……?」
女友「まさか。私の家は代々男に呪術が教えられるから、私は自己流、我流、へっぽこ流だから」
女「そ、そうなんだ」
女友「でも血の強さだと私なんだけどね。というわけで一応は下の兄なら倒せるぐらいの呪力は持ってるんだな。……上の兄貴は倒せないけど」
女「……それ、で」
女友「にゃ?」
女「それで、男と一緒に、日本に来たの?」
女友「ああいや? 男置いて私の家だけ来ちゃったんだよね」
女「え、なんで?」
女友「この街に竜伝説があるのは知ってるよね?」
女「い、一応。竜がこの地を守ってる、とかだっけ」
女友「そ。その時ね、その竜が妖怪にちょっかい出されてたのよ。まあ竜がキレればそんなの消し飛ばせたんだけど、そうしたらこのあたり一面も火の海になっちゃうっぽいから、私達みたいな昔から日本にいた呪術の家が集められたわけ」
女「……ほんと?」
女友「ほんと。でまあ妖怪は退治できたんだけどね。
さてさてそこから時代は変わって今から10年前」
女「」ピクッ
女友「そう……君の幼馴染が変貌した時だね。私達も自分の土地で化け物が出たと成るとそれをどうにかして殺そうと考えたわけよ。理由は簡単。自分の名誉を守るため」
女「…………」
女友「まあ捕まんなかったんだけどね。そして3年前、吸血鬼の出現の時。この地域のお家は全て駆り出されて戦った。その時に男と再会したんだけどね。
まあ結果は知っての通り。君の幼馴染は男の中に。黒衣の異端者は逃亡……おかげで、このあたりのお家はくっらいムードなわけ」
女「そ、そう……」
女友「そーいうこと……あー。なんで男のことを話そうとしてこんなにもずれちゃったかなあ」
女「…………それで」
女友「デジャヴ……じゃなくて。ん?」
女「……なんで、女友はあんな煽りをしたの?」
女友「ん? ああ『さくやはおたのしみでしたね』かな?」
女「……まあ、それ」
女友「じゃあ聞くけどさ、本当にそういうことなかった?」
女「……あるわけ、ないじゃない」
女友「そゆこと。女はそういうことしないから、こういうこと言えるだけ。……まあ本当にやってたら本気で呪うけど」
女「ねえ、それ酷くないかな」
女友「ふふふ……」
女「……はあ」
ちょっと休憩 おやつTime
気がついたら夜だったすまん。
最近スキル【忘却】がB+からAになったみたいだ。あと、俺は一応少食なほうなんだぞ……
まあそれはいいとして、眠いから寝るねー☆
本当にごめんなさい。
今日プールがあったのにギリギリまで忘れてた。まさか……またスキルアップした、のか――――!?
じゃねえよ。はじめまーす
女(……意味わかんない)
女(別に女友が男のこと好きならそれでいいのに)
女「何で……」
友「どうしましたか、女さん(キリッ」
女「あ、生きてたの?」
友「エエエエェェェェェェエエエエエエエエ」
友「とまあエルシャダイは置いておくとして、どうしたんですか女さん。尋常じゃない顔つきでしたけど」
女「あぁ、そうだった……?」
友「――――むっ」
女「?」
友「……ほうほう。なるほどなるほど」
女「えと、友君?」
友「あ、いえいえご心配なく。俺、結構勘がいいだけですんで」
女「え?」
友「これだけは言っておきます。――――少女、何を躊躇う」
女「……え?」
友「そんじゃ。男によろしく」タッタッタッタッタ
女「…………ぅえ?」
下校時
女「……うーん」
女(友君のあれは何だったんだろうな……何か聞き覚えのある調子だったし……)
女「……あれ? 道の真ん中に何か…………」
化け物「■■……?」ゴゴゴゴゴゴゴ
女「ひっ!?」ビクッ
化け物が此方を見ている。いや、見ているのかは定かではないが、顔を向けている。
その顔には目と呼べる存在はなく、変わりに穴が二つ直線状に空いていた。……おそらくは、そこが目だった場所。
身体には苔やうろこが生えているからか、全体的に青緑の印象を受ける。見れば爬虫類か両生類を思わせる風貌なのに、全体的には酷く人間に酷似している。
――――否。人間に酷似しているのではない。あれは、元は人間だったのだろう。しかし、あのような形にされたのだ。何に? 誰に…………?
「決まってる」
思いを声にする。不思議と、怒りは感じられない。ただ、あるのは――――それが存在するという、嫌悪感だけ。
女「……黒衣の異端者、お前だろう。こんなことをしたのは」
化け物「■■■■■■■―――――ッ!!」ドドドドドドッ
女「――――――いいよ。化け物、お前に加護のあらんことを……!」
まず繰り出されたのは化け物の右腕。鉤爪が胸に内包されているそれを抉ろうとして襲い掛かる。だが、女はそれを予知した様に後ろへ飛び、避ける。いや、半分予知だろう。
彼女が現在張っている結界。その名は『悪魔祓い(アンチデヴィル)』。結界内に入った魔物の動きは通常の三分の二まで落とされる。
もうひとつ張っている結界名は『幻視の空間(ミラージュエリア)』。結界内の“物質”の未来を予知する。人とは物質法則に縛られている。それは魔物に堕ちても健在なようで、まんまと結界に引っかかった。
女と化け物の距離はほんの5mにも満たない。これでは、何時攻撃されてもおかしくはない。ならば、と攻撃の態勢に移る。
「……勿体無いけど、もう一個使わせて貰うよ。――――『円陣(サークル)』」
ポケットから小さな紙を取り出して、女はそう呟く。すると、新たな結界が女の周りを包んだ。
先程呟いた様に、その名は『円陣』。術者以外の生命体を炎が焼くという簡単な攻撃結界。しかし、自動でも手動でも操作が出来ないため、相手が特攻してくれないと意味がない。
だが。攻撃方法ならば、女には魔術以外に方法がある。
「――――燃えろ、我が右手。敵を貫く槍と成れ……我を救う牙と成れ――――(Fire of my light. But do not fire the my light. So you must my lance)!!」
脱字った
So you must making my lance
女の右腕に炎が宿り、拳を先端として長槍が形作られる。ゆらゆらと揺れるそれは、まるで神話の武器の様にも見える。
魔法。しかも、女のオリジナルの。型は魔法剣と形容魔法が混ざったような物だ。
魔法剣については知名度が高いため言わずともいいだろう。形容魔法とは、簡単に言うならば想像を具現化させるような物。ただし、具現化するにも魔力は必要な為、あまり長くは続かない。
――――魔力消費の激しい二つ。それを彼女はオリジナルの型に添えることで、難なく使用することが出来たのだ。まさに天才。魔道のセンスに関してならば、教員免許は簡単に取れるだけの才能がある。
女は右腕を化け物に向けて、炎の発射の言葉を紡ぐ。
「死――――ね!!」
爆発音に近いものを上げながら、彼女の炎の槍は化け物に突き刺さろうと直進する。
だがそれを待つほど奴も愚かでない様で、上体を大幅に逸らして槍を避ける。が――――。
「弾けろ……!」
第二の命令を女が紡ぐ。突如、化け物の腹上で槍が爆裂した。
炎の魔法というのは扱いが難しい。間違えて水素を近づけるといきなり爆発してしまうからだ。しかし、逆にその難を攻撃に使おうなどと考える人間はこの世界にほとんどいないであろう。
爆発魔法。最近のRPGではポピュラーになりつつある魔法である。発動してすぐ爆発するのが一般的なのだが、女はそんな普通なことはしない。寧ろ左斜め上ぐらい捻ったものを行う。
太陽は水素を燃やして輝いている。核融合反応というのだが、爆発の理論はそれだ。これを弱めてやると炎系の魔法になる。
女は魔法師ではない。根っからの魔術師だ。故に、設計設定などには優れている。
はじめに設定したのは『空気中の酸素を使って燃え続けろ』という簡単な炎魔法の原理。そして、次に設定したのは『一定の間隔に入ったら水素を使い核融合を起こせ』という命令を付けた。
――――故に、彼女の槍は燃え続けながらも爆裂し、敵を四散させる結果になったのだ。
女「教えてあげる……私は絶対に計算間違い『だけ』はしない……!」
さて本格的に厨になってきたった。そして休憩タイム
なんかおかしいところがあっても俺が馬鹿なだけなので訂正があったら言ってくれてかまいません。
もうシリアス書きたくない。というわけでちゃっちゃと黒衣=サンを倒してコメに移る
――――だが、その油断が女を襲う。
化け物「――――■■ッ!!」ガバッ
女「!? きゃ――――っ」ドスン
(おし……倒されている!? 何で……)
化け物「■■■……ッ」グジュグジュ
女「再生!? そ、んな馬鹿な……」
化け物B「■■■…………ッ」ノソッ
化け物C「■■……ッ!!」ノソノソッ
女「……さらに、二体……」
女(あー、こりゃ無理か)
化け物「■■■――――――ッ!!」ブンッ
化け物「」ピタ
女「……え?」
化け物「……■■……」
化け物B「……」コクコク
化け物C「……■」コクコク
女「は……?」
化け物「……」ペロ
女「ひっ!?」ビクッ
女(な、なななな……こいつ、何……なめ……?)
※prpr中です
女(き、きもちわる……んっ!? やめ、――――)
※prpr中です
女「やだ……こんな、の……」
※描写が無いのは>>1にそういう能力が無いからです
※現在半裸
※現在全裸
女「……」
女(……あー、もうこれほんとに無理かなー)
女(こんな単純に自分って捨てられるんだ、って他人事みたいに思えちゃうな)
女(……やっと、わかった)
女(男、好きだった、よ――――)
ズガンッ
ボガンッ
ドギャンッ
女「ふえ?」
男?「―――――変体prpr狂どもが……私の女に、手を出すな」ドォオオオオオオオン
女「を、男?」
男?「――――血を流せ、一滴残らず(You die. But nothing do on me)」
化け物s「■■■■■■■------っ!!!?」ズゴオオオオオオオオオオン
女「し、死滅魔法……!?」
男?「しかもオリジナル詠唱の、ね。大丈夫? 女。服散らかってるけど」イソイソ
女「え、あ、うん……いやちょっとまって!?」
男?「ん? 何?」
女「なん、で……女言葉?」
幼馴染「当然。だって今は『私』なんだもん!」
女「うぇええ!?」
~~~~~~~
女「つまり……」着替え終わり
幼馴染「あいつ(男)、今寝てるからさ。こっそり私が出てきたわけなの!」
女「……こんな再会をするとは思わなかったわ。ていうか、女言葉の男君とか超シュールなんだけど」
幼馴染「ふっふっふ……いつもあいつに封印されてるからね、今のうちに弱みを作ってやろうかと」
女「……はあ」
幼馴染「あ、それは置いとくとして。女、男が言ってたんだけどさ」
女「……なに?」
幼馴染「『黒衣の異端者』を見っけたんだって。で、また夜会おうって」
女「……それ、貴方が言う?」
幼馴染「だって覚えてないんだもん。……まあいいや。じゃね、女」
女「あ、ちょっと」
幼馴染「んー?」
女「……ありがと。助かったわ」
幼馴染「……んー!」ヒュン
女「……まったく、アレのどこが女らしいって言うのかな」
――――――其の日、半月の夜。
学校、校庭にて
男「よく来てくれた。大魔法師の娘よ」
女「……」
男「今宵は半月。奴の僕の動きが鈍くなり、魔の力が満月の時の半分になる日。
……そして、反逆者の命日を運命付けるものなり。……では、契約を創める」
女「……はい」
男「汝、我の戦いに勝利をもたらす剣となれ」
女「はい」
男「汝、我の戦いに勝利を確定せし楯とあれ」
女「はい」
男「――――此処に契約は完了した。汝、我が武宝とありて我を導け」
女「……はい」
男「……さって。かたっくるしい儀式も終わったし、行くぜ? 女さん」
女「……ねえ。もしかして―――」
男「ああ。奴ももうわかっている」
今夜は――――どちらかを殺すためにあると。
男「だから戦う。そうだろ、女さん」
女「……当たり前。やっと目の前で待ってくれてるんだもの―――ここで、終わらせてやる」
男「ふっ……その意気です」
飯の時間になったので飯食う。
これは、黒衣さんやっと死ぬかな……
まるで要塞染みた学校へ、私達は足を踏み入れる。本来であれば来訪者を退けるべき扉の錠は、先客の手によって破壊されていた。
学校内はまるで胎内の様にうねっていて、尚また愛おしい感情に襲われ、酷く気持ち悪い。
だが彼はそんな事など放り、先に屋上へ行く階段に進む。遅れをとる事が無い様、私も吐き気をぐっと飲み込んで後に続いた。
――――二階、三階、四階へと。私達は奴の場所に少しずつ、且つ確実に進む。
後戻りは許されない。戦いは避けられない。
だが、それこそ、私の思いだった。
戦おう、というただのエゴ。
屋上へ行く扉の前に立つ彼。しばし考え事をしたのか俯いていたが、ぱっと顔を上げて私に振り向く。
「ここから先は、きっとこれ以上に酷いものだと思う。それでも、あんたは来るのか?」
多分それは、まだ実戦に慣れていない私への配慮だったのだろう。無論、そんなものはいらないとばかりに「当たり前でしょ」と突き言う。それを彼は苦笑混じりに「だよな」と言い、ノブに手をかけた。
――――私に出来ることは……結界を張って私達二人を守って、攻撃の円を描いて、後方から援護射撃を行うこと。それぐらい、私とて理解している。私では、黒衣の異端者なんて奴、倒せそうにもない。
だって、彼が言った黒衣の異端者の情報には「ほとんどの格闘技はマスターしている」とのことのみ。つまりそれは、「あんたは後ろで援護でもしていろ」という遠まわしな言い方だったのだ。
それに腹を立てはしたが、異議は無い。だって、それぐらいしか私には出来ないのだから。
あくまでも先陣を切るのは彼。それをサポートするのは私。
……今張っている結界は前回のと同じ。加えて、『頑強なる城壁(ロック・オブ・ウォール)』も張っている。防御の面ではこれで最強。
後は仕掛けが5つ。五大元素をモチーフとした罠。後は自身の習得した魔法のみ。
……そういえば、彼はどんな戦い方をするのだろう。ここにきて、初めて思った。
戦いの練習なんかは教えられていないし、戦闘を見たことも無いから判らなかった。
――――いけない。こんなことはどうでもいい。ただ今は、この先の敵のことだけを考えろ……。
そうして、重く苦しい扉が開き、その先にいる見知った少年の声が反響する。
「よく来た。神は、このような趣向を凝らすか」
そこにいたのは、紛れも無い友君だった。
「……やはりか。どうだ、“新しい体の調子”は」
男君が赤い両眼で友君の身体を使っている『黒衣の異端者』に向けて言い放つ。
「快調だな。前のおっさんより素晴らしいものだ」
ゆったりとしたペースで返答するそいつ。その目は、男君とは真逆の青。
不思議と、勝手に身を屈める形になった。……恐れからか、はたまた直ぐに終わらせようという気持ちの表れか。
「……今夜は半月。されど――――色調は赤、か」
そいつは真後ろの月を見る様に身を正し、光を見つめて無防備な体制になる。
いつでも殺せそうなのに、いつでも見られている様な雰囲気が漂う。
「……ああ、そうだな。お前のゾンビ、赤月の方が強いんだっけか」
「そうだぞ男、教会の犬。私はこの日を貴様の没日へとする」
「……皮肉だね。俺もそう考えてたよ。尤も、死ぬのははてめえだけどな」
赤眼と青眼が視線を交わす。まさにそれは、視線で敵を攻撃しているかのようで。
――――とても、私の入る隙間なんて見えない。
「…………」
静かな夜だ。夏だと言うのに、蝉、鈴虫の声一つせず、また風の吹き荒ぶ音すらしない。
まるで、そこだけ時間が止まっている様で――――
無理
眠い
寝る
ばすたーど面白い
今思ったけどこんな小説もどきみたいな書き方でよろしいでしょうか……
「――――ハッ!」
静寂の夜を裂くは吸血鬼の一閃。彼の銀の髪が、一筋の線の如く闇を奔る。
迎え撃つは闇。黒衣すらも自らの肌であるかのように着こなすそれは、銀の線を待つ。
お互いの距離はほぼ十数mであったが、銀の線は2秒とせず闇へ突き刺さる。だが、闇にはそれすらも無意味と弾かれる。
「……結界、か。よくやってくれるよ、お前」
「お褒め頂光栄だ。まぁ、貴様程度ではこれを解呪できまい」
線と闇はお互いに眼前の自らの敵を見る。赤と青が交差する。
「……まあ、俺にはできねえな。俺には」
そう言って、彼はこちらを見た。意味は事前に聞いている。
――――結界を、壊してくれ。
静かに頷くと、彼は目線を戻して闇を見据える。
「――――あの爺どもは居ないのだな」
闇が呟いた。
「ああ。前回ので諦めたみたいでさ、もうどうにでもなってくれ、だって。……捨てられたぜ、お前」
「クク……その様だな。吸血鬼」
場合が場合でなければ、内容が内容でなければ、友人同士の会話にしか見えない。でも、これは、戦い。
「……なあ、お前。お前は何時から“友”だったんだ?」
吸血鬼がどうでもいいことを呟いた。
「そうだな。何時からだったか――――ああ、前の形は、確か数年前から壊れていたからな。恐らくは、2年ほど前からだろう」
「…………そうか」
吸血鬼から多量の魔力が溢れ出ていく。つまりそれは、自己の魔力の補整が出来ないほどに激情しているわけで――――
「――――初めから、騙していたのか。黒衣の異端者」
「無論――――だが、実に愉しいものではあったぞ。価値は、無かったがな」
――――その言葉で、彼はキレた。
それは、決壊の合図。
「汝、穿たれよ。汝、破戒せよ。汝、内なるそれを曝け出せ――――!」
詠唱し、私が取り出すのは一本の鉛筆状の金属。とある古代の錬金術師がヴァジュラを模して作った純金の塊を、16世紀後半の鍛冶屋が叩き直した一品。『ヴァジシュト』と呼ばれる物のようだ。
その効果は計り知れず、打ち出す者の活用法によって、悪夢を催す破壊の鉄槌となるか、はたまた世界を救う救世の剣となるか。……と言われる消耗品である。消耗品であるからあって、一発使えばほぼおじゃんになる代物だという。ちなみに、世界に数百個しかないとされる凄いものらしい。
男がこの戦いのために用意した品らしいが、いや、まあそんな事はどうでもいい。――――これが奴の結界を破戒すれば、それだけで全ての結界は消滅し、二度と張れなくなる。
「――――爆ぜろ!」
つまり……それは、彼の一撃がもろに奴へ伝わるということ――――!
そう言ってヴァジシュトを投げる。予想外の攻撃に反応できず、黒衣の異端者の結界はあっけないほどにすぐ壊れた。
「な……んだとッ!?」
「へっ! やっと表情らしい表情を出しやがった……いい気になんじゃねえ……このド腐れやろうがあああああ!!」
結界が消えたことに驚く闇に躊躇など無く、銀の線は連打を浴びせる。右、下、上、左、中央。満遍なく、偏り無く、その腹を抉る。
しかし、敵も然る者。その攻撃の殆どが無意味に終わる。
「――――死ね!!」
吸血鬼の右手が闇の顔面を砕こうと奔る。だが、それも無駄である。
それもそのはず。あの身体には予め強化がされており、結界が破壊されようとも鉄壁の人体だったのだ。
「……吸血鬼、か。私の落とした、汚らわしい黒歴史(しっぱいさく)。今ここで、貴様を殺す――――!」
そこから闇の反撃は始まった。
私では理解できないまでの高速な拳の嵐。それに紛れて圧力系の魔法が度々彼の身体を砕いていく。
……回復が追いついていない。百のうち五十かそれ以下しか治せていない。
やっと気づいた。圧倒的な、力というものに……!
連撃。血反吐がそこらじゅう一帯を覆っている。
「――――ハァ……ハ、ァ……」
「どうした吸血鬼。その程度か」
何も、出来ない。
怖くて、足が、震える。
「……ならば、殺すぞ。良いな」
「――――は、ははは」
男「ヴァカじゃねえのかお前」
黒「!?」
男「さっきまでよくもやってくれたな……おまけに殺すぞ? は……くっだらねえ芝居だな、おい」
女(……いやいや、さっきまで死にかけだった筈なんですけど)
男「……いや、本当にお前馬鹿だよな」
黒「……何が言いたい吸血鬼」
男「お前、本当だったら化け物の軍団で俺たちを襲えたのに、何で襲わなかった? ……ああ、別にいいや。結論は俺が言うよ」
黒「な……貴様……」
男「お前はもう、純粋な魔力を持っていない……!!」
女「!? それ、どういう……」
男「……魔法師の魔力には限界がある。恐らくは、今のこの身体にはそれだけのスペックしかなかったんだろうな」
女「って、ことは……」
男「結界自体は何かのアイテムを使っていた。さっきの戦闘にだけ魔法を使っていたんだ。今日の昼に女さんに化け物を三体送っただけで魔力が枯渇したんだろうな。……その身体、ただの人間を使ったか」
黒「……貴様」
男「ハ……こんなこと、もっと早くに気付けばよかったんだけどよ。……まあいいや」
男「黒衣の異端者、お前の神は、もう微笑まない――――!!」
黒「戯れ――――事を――――!!」
男 HP 128/300 MP 200/400
黒 HP ???/??? MP 0/???
女 HP 230/230 MP 400/600
現在のステはこんな感じ。
今日は疲れた。休む。
補足
男の得意魔法 神聖・炎 魔術 呪文字篇
黒衣の異端者の得意魔法 力の運動 魔術 結界陣
女の得意魔法 五大元素 魔術 ほぼ全部
銀と黒が交差する。
二、三度火花を散らせて敵の首を刎ねようと攻撃をする。
「うお――――ぉぉおお!」
「く……ハッ――――!!」
魔法を以って攻撃する銀。黒衣によって魔法をはじく黒。
戦いの果てを目指して、両者は一歩たりとも譲らない。
「……ッ女!!」
呼ばれて見ると、結界が一個破壊されていた。物理法則だけで神秘体を破壊するだなんて……。
「――――再接続(リ・コネクト)!」
私が呪文を唱えると、また結界が元通りになった。それでようやく互角。
一進一退などではなく、互角。それはつまり、どちらにも決に攻める手が無いと言う事。
そう思っていると、途中で黒衣の異端者の動きが止まった。
「――――怖気づいたか。喰らえ……ッ!!」
男が叫んで黒衣の異端者へ走る。
だと、言うのに。
「……フ」
奴は、微笑んでいる。
「――――まさか……!!」
私が気付けどもう遅かった。彼の爪は黒衣の異端者の服を裂いて――――
――――中の『鎖』に触れていた。
「な――――!?」
しゅるしゅると鎖は男に巻きついていき、離れない。がっちりとつかんでしまっているようだ。
「……これは、ロザリオ?」
「そうだ、男。しかしこれは、ただのロザリオでない。彼女が使用したヴァジシュトと同じ製作者のモノだ」
――――。黒衣の異端者が何故一進一退の気配を見せなかったのかが理由がわかってしまった。
つまりはこのため。敵に油断を付けさせ、一気に倒そうという魂胆だったのだ。
そして奴の使ったロザリオは、彼の錬金術師のものだという。
「吸血鬼には最適の武器だろう? まあ、お前には信仰心などさらさら無かろうが」
「あたりまえだ―――神なんて、俺は信じない」
「まあそんなことはどうでもいいのだ、男。さて、無様なお前など放っておき、彼女のほうを先に殺させていただく」
「!!」
そう言って黒衣の異端者は私を見る。無機物のような、その目で。
―――少しずつ、にじり寄ってくる。
「やめろ! 貴様、そいつに触るんじゃねえ!!」
―――黒い闇は、少しずつ。
「無論、断る。彼女の方が、最優先に危険だからな」
――――スコシ、ズツ。
「……女?」
――――――私を、覚醒させる………ッ!
「な、――――!?」
女「――――照準確定(セット)。乱射(シュート)」ダダダダダ
黒「く、う……!?」ザッザ
女「――――結界強化(オーバーサークル)。同時に、破壊の結界陣を追加(And, set the breaker)」フィイイイイン
黒「一体、何が……」
男「……赤い、月。まさか―――」
自分の身体のはずなのに、まるで操り人形を動かしているようで。
「――――乱射。乱射。……固定(セット)、乱射」
だけど現実味が凄くあって。
「――――身体能力上昇結界3枚追加(Set of three barrier)」
凄くきれいで。
「――――接近戦、開始……!!」
凄く、重い。
男「間違いない……あの型は、彼女の母のもの……!!」
女「は―――――あ」ヒュン
黒「な……」
女「ぜい、ああああああああ!!」ブンッ
黒「!? ぬおおおおおお!!?」ボキャアアア
黒(肋骨が何本イった!? 血液はどれだけ出ている……何故だ。何故……此処まで人間が――――)
女「結界重複(ダブリス)、結界軽量化(ライト)、結界圧縮(コンプレイション)!」
黒「ぐ――――」(結界、今何枚だ。十枚か、いやもっと――――!?)
殴打、蹴り、手刀、肘鉄。
認知するあらゆる格闘技を一個一個試しながら結界を作る。式を一瞬で思考し、描き、また作る。
それは血で。それは屋上に。それは私が。それは奴を。それで倒すため。
案外気付いていないようで、私の攻撃を受け流すことに集中している。だが、それもほとんど無意味。
現在15枚の結界が私を守っている。その内七枚が時間鈍重、五枚が自己身体強化、残り二枚が攻撃の結界。
鈍重を七枚も使わなければ、到底私では奴の攻防に追いつかない。――――そして今、16枚目の結界を張る。今度は自己身体強化。
だが、今実際奴とは互角以上に立ち向かえている。奴の反応は、遅い。私が二度動作をして、やっと一動作が終わるぐらいだ。
――――だが、一撃が本当に強い。強化を六枚も使っていて、それでもまだ箇所が痺れる。折れるかと思った。
でも、これなら、勝てる。
黒「……何故だ。何故貴様如きで――――」
女「重複。再生(リメイク)。復元(リテイク)。形成(ペイント)。形成(ペイント)――――――圧縮!!」ガッ
黒「ぐ、おおおおおおおおおおお!!」
男(……こんなにも、強いとは。いや、思わなかったよ、さすがに)
――――直後、一瞬めまいがした。
いけない、血を流しすぎた。と、自身の右手首を見る。そこには、ひとつの切り傷があった。
というのは、彼らが戦っている間、私は私で屋上に大きな結界を作ろうと考えていたのだ。男には秘密で。
ただその材料を持ってきていなかったから(チョークでもあったら良かったのだが)、仕方なく自分の血を代用することにした。
特にそれに嫌悪感や躊躇などは無く、寧ろ「当たり前」とも思えていた。
結界が未完成のまま戦闘を行う現在。戦いながらつくるため血を流す。故にか、もう殆ど目の前が見えない。
――――それでも。
私は完成させなければならない。
――――なんで?
決まっている。私の信念のために。
――――それはどんな?
それは――――
女「―――――出来た」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
黒「!?」
女「此処に、今陣を作ったわ。形式は分解魔術。ただ、規模がものすごいけれど」
黒「な――――この屋上に、だと……!?」
女「――――さて、後は頼むわ。男……」
男「え、え? ――――おまえ一体……」
女「―――――分解操作、開始(バグウィルス、オープン)!!」
――――それは分子レベルの分解。
この結界内の全ての存在の『分解』。本来であれば死の瞬間でしか味わえない様な感覚。
「が――――何を、!」
半分だが、分解しかけている黒衣の異端者は上空に跳躍する。
「は、ははは! 如何に結界の発動者と言えど、こんな無差別且つ大規模な魔術など使えば……貴様とて生きれるわけが無い!! この速度だとあと数秒か? なら私の跳躍時間のほうが勝る―――!!」
余裕からか、物理的に上から目線でぺらぺらとよく喋る。
まあ、無理だけれど。
なんとまあ
ニコ動見てれば
もう七時
我是非もなしと
飯をむさぼる
やべえ結構普通にわすれてたorz
始めるお!
女「――――馬鹿はそっちよ。この私が、そんなヘマを見逃すとでも?」チリチリ
男「あれ……分解されていかない……っつか、鎖の方が……」バラバラ
黒「な、何故ッ……」
女「私は大魔術師の娘よ? これぐらいの式、左手でも書けるわ」
黒「な――――」
女「私の式は『固有名称、《女》および《男》の物質体《人間》以外の物質の分解』と入れているから……死ぬのはあんただけよ。幼馴染の、仇!!」チリチリ
男「……あのー、女さん」
女「ふえ?」フリムキ
男「服まで分解されてるんですけど」
女「…………あ!!」
黒「く、くそぉぉぉぉおおおおお!!」ヒュー
女「う、うぅぅぅぅう……服の存在忘れてたあ……」ガンナキ
黒「こんな……こんな阿呆な娘なんぞにいいいいい!!」シュボンッ
男「ぇぇえええええ……て、天然ってつおい」
女「こ、こっちみないでぇ……てか、全裸で私をみるなぁ……」ガンナキ
男「……えええええ……」
―――――――まだだッ!!
男「!?」
―――――――まだ――――
私は死なないッ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
男「ちっ、精魂体で出てきやがったか……!!」
女「男! もうそいつぶっ飛ばして! 帰るから!!」
男「黙れアホガール!!」
黒魂「が、は、あああああああああ!!」ドドドドドドドド
男「――――ってか、おま化けもんかよ」
男の言い分は正しい。だって、何処からどう見てもその姿は、私が知りうる知識で言うなら、セルとフリーザを二で足して割ったような感じのものに竜の鱗を付けた様な感じだからだ。
恐らく黒衣の異端者の魂は、度重なる反魂転生によって腐敗していってしまっていたのだろう。死の世界とはこの世界とは違う曖昧な世界故、こちらに来る度に、本来年をとって行われるはずの腐敗が加速しているのだろう。
「が、は、あ、あ、ああああああああ!!」
魔力が渦を成して奴の身体にとぐろを巻く。まるでそれは蛇のよう。まるでそれは触手のよう。
「なんで、魔力を……」
その光景が凄く不自然だったから、私はそう呟いていた。
「まさか……貴様魂を……!?」
「肯定。――――が、き、貴様らを、殺すなら、これぐらい、せんと……なぁあああ!!」
彼の異端者はすでに人では無かった。
――――見るからに、悪霊。
男「……くっ、は!!」ヒュン
黒魂「があああああああ!!」ビュンビュン
女「光弾と光弾の打ち合い……!」
男「ぐ、おおおおおおおお!!」ダダダダ
黒魂「が、はああああああ!!!!」ドバババ
女(い、いけない……魔力が尽きててどうしようもできない……!)
光が交差する。
魂が連鎖する。
銀が発射する。
黒が乱射する。
そこには華やかな戦いなど到底無く。
そこには綺麗な賛美などさらさら無く。
そこには無意味な争いしかない。
元より死んでいたものの後始末と言う。
エクソシストが両眼を見開いて敵を穿つ。
ゴーストテイマーが悪霊にまで堕ちて敵を穿つ。
そこに場違いながら生きていた、大魔術師の娘。素人の魔術師。
シュウウウ
男「!! 女、結界!!」
女「ごめん……もう無い!!」
男「――――んだと……ッ」
黒魂「があああああああああああああ!!」ビュンビュン
女(……何か、私にも出来る事……出来る、事――――)
男「ぐあっ――――」ドサッ
女「お、男……!」
黒魂「――――が、はああああああ……」ドドドドドドドドドドド
女(戦わなきゃ戦わなきゃ戦わなきゃ戦わなきゃ戦わなきゃ……でも、どうやって――――)
―――――――――――――――――悪霊。
―――――――――――――――奴は、悪霊。
―――――――――――――悪霊とは。
―――――――――――悪霊とは、つまり。
―――――――――悪霊とは、つまり魔。
――――――――
――――――
――――魔?
――――『幽霊とか悪魔とか、そういういやなものを寄せ付けないっていう結構強めに作られてる、ちっちゃな結界なんですよ』
女「けっ……かい」
黒魂「ぐがあああああああああ!!!」ブンッ
女(――――お願いです。私なんかよりもまず……男を助けなきゃいけないんです)
女(――――だから)
女「魔力、注入……」
――――――拳は目の前。
女「――――決まれぇぇぇぇえええ!!」ブンッ
――――思いっきり、ペンダントを拳に向かって投げた。
キィンと、結界が魔性のものを察知して弾く。しかし、私が残り少ない魔力を使って結界の効果は弄ってある。
そう、それは――――。
「!? ぐ、あああああああああ!!?」
ペンダントの中に吸い込まれていく黒衣の異端者の霊。つまりは、結界が察知した魔性をペンダントの中に封じ込めるというものだ。
「が、が、が……」
少しずつ、少しずつ封印されていく。
そして。
そいつは、まるであっけなく。敗北を認めた。
「――――こんな終わりか、詰まらん。私の物語は此処でゲームオーバー、ということか」
吸い込まれる際、そう言って静かに微笑んでいた。
「――――じゃあな女さん。男をよろしく頼むぜ」
“友”としての口調で、黒衣の異端者は結界に封じ込められた。
数分後
男「……あれ? 夜空?」
女「まっぱの上から毛布かけて天体観測? 馬鹿みたい」
男「……あ"」
男「あー……見ました? 俺のDEATH☆マグナム」
女「見てない。馬鹿」
男「……こりゃ結構なことで。っつーか何であんたは服着てんのさ」
女「今日体操服置き忘れてたから」
男「嘘だ。ダウト。どっかに置いておいたんだろ」
女「いや、ほんとだから」
男「嘘だな」
女「ほんと」
男「ほんとか」
女「嘘よ」
男「ほら!!」
男「……まてよ? 体操服といえど、下はまっぱ……ゴクッ」
女「あ、なんでか携帯がポケットに」
男「冗談だ。その程度で欲情する俺ではない」
女「へー」じとー
男「いやまじで。あんたの幼馴染飼ってますし」
女「見たの!?」
男「見れるか!!」
女「……寒い」
男「え?」
女「流石に裸体操服はしんどい。帰る」スクッ
男「お。じゃあ送ってくよ」
女「いい。いらない」
男「……あ、そう。ならこっちならどうですか」ズモモモモモ
女「……うぇ?」
幼馴染「にゃはー☆元気ー?」
女「お、幼!?」
男「ふっ」V
帰り道
幼馴染「あいつが今封印されてるからね。吸血衝動も弱いのさー」
女「そうなの……っていうか言ってもいい? 何故に腹から生えてきたの?」
幼馴染「インパクトがあるかなって!!」ガッ
女「わけがわからないわ」
幼馴染「昔からそうだったよね」
女「……だったわね」
女「で、どうするの? もう今じゃ貴方いない存在になってるけど」
幼馴染「そうだねー。今はとりあえず男君についていくとして、戸籍とかそういうのが何とかなったら帰ってこようかな」
女「……あぁ、そう」
幼馴染「? 女ちゃん?」
女「あ、うん。なんでもない」
女「……ま、今日のところは泊まってっていいよ。どうせアテがないでしょ?」
幼馴染「んー。そうだね、お邪魔させていただくよ」
女「おし」
―――――こうして、私の奇妙な戦いは幕を閉じる。
――――だけど、女の戦いはまだまだ終わらない。
――――いや、最終回とかじゃないから。
頬おおおおおおおおおおあああああああああ!!
おわったあああああ!!VS黒衣の異端者終わったああああああああ!!
ちなみに女のペンダントは男が貰っていち早くロンドンに送ったみたいよ。
次からやっとほのぼの(ヤンデレ風味)ができるぜHYAHHAAAAAAAAA!!
朝
女「……」ボー
幼馴染「ふへへ……おかしがいっぱいぃ……」ムニャムニャ
女「……ああ。そういえば、そうだったっけ」
スクッ
女「……ご飯、作っちゃおうか」
女「……あいつ、何が好きかな……」テクテク
数十分後
幼馴染「ふにゃ、ぁぁあああ……」ノビー
女「おはよ。ご飯できてるよ」
幼馴染「あーおんなーだー。おっはー」ネボケー
女「寝ぼけてんの? ……はあ。とりあえずパジャマぐらいちゃんと着なさい、みっともない」
幼馴染「男の人いないし全然おっけーじゃない?」
女「それとこれとは――――ああもう面倒くさい。ほら、早く起きて着替える!」
幼馴染「ふにゃー」
女「そしたらご飯! いいわね?」
幼馴染「ふにゅう」
女「子供か!!?」
幼馴染「脳髄だけはねー」
幼馴染「……女ちゃんってさー」パクパク
女「食べながら喋らない」パクパク
幼馴染「む、いいじゃん別に!」カミカミ
女「駄目。昔から馬鹿だったのに、もっと馬鹿になるわよ」パクパク
幼馴染「ふにゃう……」ゴクン
女「うん、それでよし。で、何?」
幼馴染「ああ……女ちゃん、胸そこまで無いんだね」
女「……だまらっしゃい」
幼馴染「ふにゅう」
女「ていうか、何であんたはそんなに育ってんのよ」
幼馴染「にゃー。それはね? 男君に食べられちゃったからさー。情報が混濁しちゃって色々とおかしくなっちゃったのー」
女「それで当たりくじを引いたと……くそう。可愛いフェイス&ヴォイス&バディできょぬーとか狂ってるでしょもう……」
幼馴染「女ちゃん。おっさんくさい」
女「ネト厨ですので」
幼馴染「ねとちゅう?」
女「ごめん。忘れて」
女「ってもうこんな時間じゃない!」7:50
幼馴染「学校ー?」ノホホン
女「ぅあたり前でしょうが!!」ハヤキガエッ
幼馴染「じゃあ送ってってあげるー」
女「え、いや。別にいらない――――」
幼馴染「彼の者を彼の心象の地へあゆませよー『デスファルコン』ー」テルテルテル
女「は――――」
ヒュウウウウウウウウウウウウウウウウウ
女「ええええええええええええええええ!!?」
学校
女「あいたっ!?」ドスン
幼馴染「おー。ここが昨日のがっこーかー。全然ふいんきちがうー」
女「あんた何時の間に着替えて……まあいいわ。それより、何であんたまで」アトフインキジャナクテフンイキネ
幼馴染「ん? あー男君に会おうかなーって」ニヘラー
女「――――ッ」ズキッ
幼馴染「? おんなー?」
女「あ、うん。何でも、無い……よ」
幼馴染「ふにゃー?」クビカシゲ
女(……馬鹿だね。私は)
クラス
男「……なんで、貴方が?」
幼馴染「いよっすだんな! おはざっす!」
女「まあ……色々と、ね」
モブ1「おとこおおおおおお!! 誰だ!? 誰だその可愛い生物は!!」
モブ2「寧ろ何だ!! お前の何なんだ!!?」
男「あ、いえ……あの、別にこの子は……」
モブ3(邪気眼)「早く答えよ。さもなれば汝――――この剣の露と消えよう」キラリ
男「縦笛ですよねそれ」
モブ3「うっせーさっさと答えろゴルァアアアア!!」
男「理不尽すぎる……orz」
女「……なるほど。喋り方を変えてるだけなのね」ミンナヲコンワクサセナイヨウニ
幼馴染「それじゃあ会えたし帰るねー」ヒュン
モブ3(邪気眼)「消えた――――ッ!? まさか、彼女が《浮遊する幻想(ディザイア・ミラージュ)》……ッ!?」
男「ちゃいまんねん……じゃなくて、違いますがな……でもなくて」
モブ1「……お前、結構面白い奴なんだな」
男「は?」
モブ2「そだな。いつも女みてえな話し方や素振りだったし、キメエとか思ってたけど結構おもしれえなお前」
男「は、はぁ」
女「……幼馴染、あんた必要以上に悪影響与えて多っぽいよ」シミジミ
幼馴染「それじゃあ会えたし帰るねー」ヒュン
モブ3(邪気眼)「消えた――――ッ!? まさか、彼女が《浮遊する幻想(ディザイア・ミラージュ)》……ッ!?」
男「ちゃいまんねん……じゃなくて、違いますがな……でもなくて」
モブ1「……お前、結構面白い奴なんだな」
男「は?」
モブ2「そだな。いつも女みてえな話し方や素振りだったし、キメエとか思ってたけど結構おもしれえなお前」
男「は、はぁ」
女「……幼馴染、あんた必要以上に悪影響与えて多っぽいよ」シミジミ
女友「よ、女。突然悪いんだけど勉強教えてくれない?」
女「は? ……藪から棒になにを」
女友「いいえ壁から釘です。じゃねえや、ほらはやく」
女「ランチパックは……まあいいや。で、何の教科?」
女友「無論保健体育ですよ姉御。あの後全裸だったんでしょう? くっそーもう処女貫通したかこのー」ニヤニヤ
女「フリーズ。死んだら動け」
女友「すんません、無理です姉御!!」
女「っていうかそれ何処情報よ……」
女友「幼馴染ちゃんです!」ビシッ
女「……もう一度あいつはころ―――もとい生命活動を停止させようかな」
女友「意味が同じです姉御!!」
ちょっと野暮用で球形。
もとい休憩
ゲームみすったくそう
再開するよ
女「男とそういうことはしてないし、しない。てか、あの後に……その、えっちなこととか、ねえ」
女友「乙女か!! 結界20枚使った女の言葉には見えねえよ!! あと>>1がすっご恥じながらかいてるんだけど!!」
女「知るか」
女友「何? ツンデレヤンキーっぽい感じなのYouは」
女「い、意味わかんない」
女友「…………」ジト
女「……?」
女友「ほう……やはりそういう」
女「皿砕こうか」
女友「しんじゃぅぅうう!!」
おっふsageてた
昼休み
男「ひまだー」ノペー
女友「ひまだねー」ノペペー
女「あんたらご飯は」パクパク
男「くったー」ノペー
女友「くったー」ノペー
女「子供か。……どうして私の周りには、こう……」
男「がきじゃねー」
女友「こどもじゃないのよねー」ニコニコ
女「……ッ」
放課後
女「男君。あれ、どうなってるの」
男「あれ? ああペンダントですか。……って別にこの口調じゃなくてもいいか。
一応教会に送ってある。現時点でどうなるかはまだ未定だけれど」
女「そう」
男「親のプレゼントだもんな。早く帰ってくるといいよな」ニコッ
女「――――う、うん」
男「うっし。じゃあ帰るかー」
女「あれ、部活は?」
男「入ってるわきゃねーだろ俺が。この高校に入ったのも、黒衣の異端者(あいつ)がこの近くにいたからであってだな。
ま、もうそろそろしたら教会から帰還命令が来るだろうからその時またロンドンに行こうかと思ってるけど」
女「――――――え?」
男「あ、知らなかったか? って言ってなかったしな。まあそういうわけだ。何時になるかわかんねーけど、その時こそあんたとはサヨナラだな」
女「……ああ、そうだね」
男「あいつは一緒に来るのかな。……あー駄目だ。あそこの親父さんこええからなー」
女「女友、のこと?」
男「まあな。あんな奴でも俺の幼馴染だし。……ぶっちゃけると、あいつ俺のことが好きみたいでさ」
女「……知って、たんだ」
男「当たり前。俺がラノベの主人公みたいに鈍感スキルAもあると思うか? あってもCかC-だよ。きっと」
女「……それで、あんな」
男「……気に食わないか?」
女「……ええ。心底」
男「まあな。……でも、俺もよくわからないんだ」
女「は――――?」
男「……俺も好き、だとは思うんだ。あいつのこと」
女「――――ッ」ズキッ
男「だけど、なんだろうな。幼馴染という特性からか、あまりあいつの領域に入りたくないっつーのか。そういう風に思えないっつーか。」
女「…………」
男「……あとは、あれかな。“まだいくつか”残りがあるみたいだし」
女「うぇ?」
男「あはは、変な声。まあいいや。ただのポエムだと思ってくれ。じゃな」タッタッタッタッタ
女「ばれ……てたのか」アハハ
幼馴染「―――――ふーん」
その夜
幼馴染「血を吸いにきたよ――――女、ちゃん」クスクス
女「」スゥスゥ
幼馴染「あぁ安心して? 下僕にするなんて、そんな下劣な呪いはかけないから――――ちょっとちくっってするだけだから」コソコソ
女「――――ぅん」ゴソッ
幼馴染「……ごめんね女ちゃん。結構おっきかったね、おっぱい。朝ちっちゃいなんていって怒っちゃっちゃったよね。ごめんね」ペロペロ
女「――――ぁう」モゾモゾ
幼馴染「下は……いやいや。今日はやめよう。明日……いや明々後日かな。月がもう少し欠けるし――――その時には、もう男君はいないし」モゾッ
女「…………ぁうぅ」ムニャムニャ
幼馴染「あ、起きちゃう。えい」サイミンー
女「――――すぅ」
幼馴染「……ああ、可愛いよ。女ちゃん――――絶対、絶対だれにも、あげないから――――」カプッ
女「――――っ」ビクッ
幼馴染「あは……甘い……血なのに、凄く、甘いよ……女、ちゃぁん……」チウチウ
女「――――は、ぁ」ビクビクッ
幼馴染「気持ち良い? しきりにおまた抑えてるもん。気持ち良いんでしょ? イッて、いいよ? ――――『女』」カポッ
女「――――っっっ!!」ビクビクゥ
幼馴染「あは……かわい。赤くなっちゃってる――――ほんと、昔から変わらない……あぁ、可愛いよ。女ちゃん……」
女「――――はぁは、ぁ……」スヤスヤ
幼馴染「お休み女ちゃん。せめてあと3日でもっと熟して――――?」
幼馴染「男君に――――男なんかに振られちゃって、私をもっと、もっと……愛して?」チュッ
やヴぁい百合ヤンデレになったった……いや、女にもその特性は一応『ある』ッ!!
ど、どどどどうしよう……皆さん百合好き?
ここでグッドとバッドに分かれそうな勢いなんですけれども……
グッドは……男と女で結ばれる系? ああでも、実は女も幼馴染が好きでした――――ってのもいいな。
バッドは……男に振られて幼馴染の要求を断って性奴隷にされるとか、かな? もしくは女友に殺されるパティーンもええかも
どうしよう。とりあえず外食するから此処で一旦切るで
やはり両刀か御主等……とりま今日はねみいし考えるし夜はやらん。
とりあえず先どっちがいいかだけ書いて下さい。あとどんなの、とかも。
それではお休み。キモオタssって大抵キモオタがキモく無いけどあれって願望だよね。
朝
女「――――眠い」
女「なんか、このごろ……肩がだるいというか……」ボキボキ
幼馴染「おっはよー女ちゃーん」トビラバーン
女「あー……おはよ。幼馴染」
幼馴染「? どうしたの、元気ないよ」
女「なんか、だるい。今日は学校休むから」
幼馴染「あ、じゃあごはんつくるね!」パァァ
女「大丈夫。昨日の残りがあるから……ああでも、レンジでチンしてくれるならお願い」
幼馴染「えー……ぶー……」ヨタヨタ
女「――――? 傷……、何かした……?」クビサスリ
幼馴染「…………ッ」
チッチッチッチッチ・・・・・・チンッ
幼馴染「女ちゃーん。はい、これ」トスッ
女「……ほんとに出来たんだ」
幼馴染「……私を何だと思ってるの?」
女「世間知らずの馬鹿」
幼馴染「はうっ!」ノケゾリ
女「……はあ」パクパク
女「あんた。朝は大丈夫なの?」ゴクン
幼馴染「……大丈夫、というか、耐えてる? 感じかにゃ」ニャー
女「何で……そんな」
幼馴染「……だって、守りたいんだもの」
女「へ?」
幼馴染「あの時は、女ちゃんに怖い思いとかさせちゃったし。一昨日も、私守れなかったし。
だから、これはある意味……私の義務なんだと思うのですにゃ」ニャー
女「――――あ、そう」
言えない。
さっき一瞬見えた顔が、とても“アイツ”に似ていただなど。
昼
女「……あいつは帰ったし、ご飯も食べたし」カタカタ
女「こりゃもう布団かぶって2chでもやるしか無いよねー」アハハー
女「カロリーメイトうまい」モシャモシャ
女「……ちゃんと、連絡網届いたよね……?」
女「…………ま、いっか☆」カタカタ ターンッ
女「――――あれ?」
――――【速報】俺の学校の屋上がこんなにおかしい訳が無いwwwwwwww【理解不能】――――
女「」
女「ばれてた――――だと……?」
女「……でんわ、でんわ……」ガサガサ
女「……えっと」ピ、ポ、パピ、ピ
prrrrrrrrrrrr
prrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
ガチャッ
男「――――なんですか。ズル休み女」
女「酷い言い草。真面目に体だるいのに」
男「本当にだるい人は、携帯電話なんて取らない」
女「そうかな」
男「……で、何ですか。用件を早く……今、授業中なんですよ」
女「じゃあトイレの中なのかな。……あのね、あの件ばれてたよ」
男「……あの?」
女「うん。屋上の写真。ばっちり取られてネットにアップされてるけど、どうするの、これ」
男「――――ああ、ちっくしょ。黒衣のヤローの人払いが弱まったからか。人に見られちまったのかよ……」カイカイ
女「うん……私たちの顔は運よく写ってないけど、魔法とか魔術とかの光はもろに写ってる」
男「……仕方ねえ。おい女さん。今から言うところに電話かけてくれ」
女「え? 何で――――」
男「魔道はまだ現代社会が取り扱っていいものじゃないから。今のところ全団体は神秘を隠してるんだ。
……この電話の先は、そういう神秘の隠蔽を専門とする団体の番号だから。一回しか言わないからな?」
女「を、おっけ!」
――――――
女「お、終わった……」
女「手続きとか、なんか色々面倒な話になったけど終わった……」
女「――――はぁ。もういいや。とりあえず2ch閲覧の作業に戻りましょうか……」
数時間後
女「あ、もう夜……ご飯食べないと――――と思ったけど、カロリーメイトって偉大。おなか全然空いてないや」
女「……はあ。寝よ」クルッ
女「」スヤスヤ
夜
幼馴染「I was onna's homeぇ……」コソコソ
幼馴染「>>1が眠い目をこすりながらやってるから早く事を終わらせ無いと風呂敷的な問題で大変なことになっちゃうから早くしないと……」コソコソ
女「」スゥスゥ
幼馴染「――――駄目。そんな問題、知ったこっちゃ無い」サッ
幼馴染「あ――――ぁ……女、ちゃぁん……」ナデナデ
女「……ッ!?」ビクッ
幼馴染「いけない、睡眠促進ビーム」ビビビ
女「――――」スゥスゥ
幼馴染「……まあ単純に睡魔法だけど」コソコソ
幼馴染「ハァハァ……ちょ、ちょっと今日は激しくしよ――――いやいや、何を考えてる、私」
幼馴染「ここは、まだ、血を、すう、だけ」イイキカセテイル
幼馴染「――――――クールに、且つ綺麗に。
優美で、妖美で、魅惑な感じの――――それが、吸血鬼」コソコソ
幼馴染「昨日はやっちゃったけど……我慢、我慢……はむ」カプ
女「――――」
幼馴染「はむ、ちゅる……ちゅぷ、にゅ……じゅる……」
幼馴染「ちゅる……はむ……ひゅう……ぷは――――」カポ
女「――――ぁ」
幼馴染「!! 睡眠促進ビームβ!!」ビビビ
女「――――」スヤスヤ
幼馴染「……ばれる、ところだった――――」フゥ
幼馴染「……まだ、駄目。まだ、隠すの」
幼馴染「だって……まだ熟してないもの……」
クスクス・・・・・・クスクスクスクス
女「――――何やってんの、あの馬鹿」
ねみい
だるい
いたい
ねる
最近寝ている時間のほうが多いという長期休みの常識
学校
女「…………」
女友「どったの? すっごい不機嫌そうな顔だけど」
女「不機嫌……というか、どうしたものかと思う苦悩の顔だよ」
女友「何があったの」
女「……色々と、ね」
女友「……男、と?」
女「違う。違うからその右腕を下げなさい」
女友「…………」シブシブ
男「呼ばれたっぽいから来ました」テトテト
女友「あ、おはよー」
女「……おはよ」
男「おはようございます。で、何があったん?」
女「……吸血衝動ってさ、あの後どうなったの?」
男「……朝から重い話をするのが趣味なのか、お前は」
女「色々と、あった」
男「――――あぁ、そう。じゃあ簡単に説明しますと、黒衣の異端者を封印したため擬似的に吸血鬼にされた幼馴染さんは恐らくは吸血衝動は抜けているはずです。
……が、聞いてみれば吸血鬼になっていた時間が多かったようで、癖として吸血衝動を持っているようだけど」
女「……貧乏ゆすりみたいな、そんな?」
女友「酷い喩えだね……」
男「食べる時音ならすのと同じだと思うんだな」
女友「クチャラーに喩えるんだ……」
男「ああそうだ」
女「ん?」
男「前に帰るとかどうのこうのって言っただろ?」
女「…………あ、ぁ……」ズキッ
女友「え、何それ聞いてない」
男「どうやら明後日らしい」
女「――――ぇ」
女友「――――え、それ、ほんと……?」
男「多分そうだと思う。昨日の夜に教会から電話かかってきたから」
女「……きょうかい、って、でんわあるん、だ」
男「何故途切れ途切れ――――まあいいや」クルッ
男「待ってるぞ」
女「…………」
女友「…………ぅ///」
幼馴染「やばい修羅場キタクル」ジュクシテー
夜
女「…………眠れない」ゴロン
幼馴染「血を吸いに来たよー。女ちゃーん」
女「……またか」
幼馴染「あれ?」ピクッ
女「残念だったね。まだ起きてるんだ」
幼馴染「え、あれ? お、女ちゃん……聞いてた? さっきの」
女「もち」
幼馴染「……睡眠促進ビームγ!!」ビビビビビ
女「防護結界」キイイン
幼馴染「にゃ!?」
女「満月の夜じゃない吸血鬼もどきぐらいなら、これでも十分すぎるわ」
女「あのさ」
幼馴染「にゃ!?」ビクッ
女「あんたさ、私のこと好きなの?」
幼馴染「……////にゃ」コクッ
女「……ねえ、じゃあ聞きたいんだけど」
幼馴染「な、なにかな……もしかしておkなのかな!」
女「絶対にありえないから、それ」
幼馴染「……にゃぁ」ショボン
女「……知ってるとは、思うけど」
幼馴染「……男君の、ことね」
女「言われちゃったか」
幼馴染「私は鈍感じゃないもの」
女「……うん」
幼馴染「もう、ネタ晴らししちゃったかな、男君は」
女「ねたばらし……?」
幼馴染「実はね、男君の帰還命令ってペンダント出した時から言われてたんだよ」
女「――――そん、な」
幼馴染「何だろうね。何で言わなかったんだろうね」
女「…………」
幼馴染「逃げようと思ったのかな」
女「……そんな、こと」
幼馴染「聞きたくなかったのかな」
女「……そんな、わけ」
幼馴染「じゃあなんで言わなかったのか――――」
女「――――ああ、そういうことね」
幼馴染「理解した? なら行った方がいいよ。もう女友ちゃんはいいムード入っちゃってるから」
女「な!? ちょ、それ早く言いなさいよ馬鹿!!」ダダダダダダダッ
幼馴染「……ふいー、疲れたー」
幼馴染「まったくなあ。男君には何時も女ちゃんを取られちゃうんだから」
幼馴染「……帰ってきたらむっちゃ食べちゃお」ジュルル
――――――少女は夜道を走る。その道は、見知ったもののはずなのに、まるで荒野の様に嶮しく……。
「――――ぁ」
焦り過ぎてよろける。しかし、腰をちゃんと固定して、少し休んでからまた少女は走り始める。
――――何故少女は走るのか。
――――何を求めて走るのか。
――――誰を求めて、走るのか――――。
――――荒野の果てに、求めた場所があった。
もう遅いのかもしれない。
もう終わったのかもしれない。
――――それでも。
自分の思いぐらいは、カタチにしたかった――――。
屋上
男「…………」
女友「あの、返事は……」
男「…………女友、それに俺は答えることは、出来ない」
女友「――――」
男「お前の事は嫌いじゃない。寧ろ好意に値する」
女友「なら、何で――――」
男「……俺はエクソシストだ。何時霊に身体を取られても致し方ない」
女友「なら――――どんなことがあっても、私が貴方を守るから――――!」
男「……」ヨコフリ
女友「――――ぅ」
男「……もし」
女友「え……?」
男「俺が何時か帰ってきた時、そのときも、お前が俺に好意を持ってくれるなら……その時h(((
女「セーーーーーーーーーーーーーーフ!!!」バァァァァァアアアン
女友「ムード破壊しやがったぁぁぁあ!!」Σ( ̄Д ̄;)
女「不不不……女友、よくも抜け駆けしてくれたわね……」ゴゴゴゴゴ
女友「き、貴様……そのオーラはッ!!」
男「す――――ってあれ? 女?」
女「遅い!! 気付くのが亀の三十倍遅い!!」
女友「しかし!! 私は水の中の亀ゆえに貴様よりも先の告白してやったわ!!」
女「ぉ、おのれ女友!!」
男「あれ? >>1がすげえ活き活きした顔で書いてるんだが……」
いやぁ、SSでメタ発言するのほんと気持ち悪いですねぇ
しかもこの手のタイプは「そう叩かれる覚悟で書いているッ!!」
とか言い出すから余計たちが悪い。ほんと気持ち悪い
死んで、どうぞ(迫真)
女「さて、と……」
男「よ、遅かったな。俺の勘が外れたんじゃないかと思ってたぞ」
女「んなわけないでしょ、馬鹿」
女「……さき越されたみたいだけど。男、私ね」
男「ん……」
女「貴方の事が――――好きです」
女友「――――やはり貴様もか、友よ……」
女「え、そのキャラまだ続いてるの?」
女友「>>1の所為だからほっといて」
女「さっきメタ発言について言われたのに即メタ来ますか」
女友「やってんのよ」キリッ
女「キリじゃないよ。また叩かれるよ」
男「あのー、俺はー?」
男「えっとさ、もう何かぐだぐだ何だけどさ」
女「当たり前でしょ。これが何時もの感じだったじゃない」
女友「そうね……友が唯一のストッパー且つトラブルメーカーだったからね」
男「……あいつが、ストッパー? 平和ブレイカーの間違いじゃないのか?」
女「それ的を射てるわ」
女友「寧ろそれしかないわね」
男「……で、返答だけど」
女「あ、それなら興味は無いわ。別に、女友を選んでもいいから」
男「は――――?」
女「うん。どうせ、無理だとはわかってたから。幼馴染の壁は……崩せる、わけ、無いから……」ポロポロ
男「お、おい」
女「あ、……うん。なんでもないよ。……うん、それじゃ、お幸せに――――」
男「待てよ馬鹿女」
女「――――ぇ」
女友(やヴぁいこれは私空気来る?)
――――ふと、抱きしめられていた。
誰、とは思うまい。自分が、恋焦がれた人の――――腕なのだから。
「人の話は最後まで聞け、馬鹿が。しかも、こんな風に逃げるなんて卑怯だ」
怒ったように彼は言う。いや、拗ねているのかもしれない。顔が見れないから、どうしようもないのだけれど。
「……卑怯でもいい。言葉、聞きたくないから」
目線を地面に落とす。彼が私の身体を抱いていることが、綺麗に見えてしまっている。
「聞け。――――あのな、女友にも言ったんだけどさ、俺はギャルゲの主人公とは違ってさ。鈍感でも無ければ馬鹿でもないんだよ。あ、馬鹿かもしれないけどさ」
自分で言ったことを笑って訂正する。……まったくもって、何をしようとしているのか、わからない。
「俺はな、出来る事ならハーレムだって作りたいし、モテまくってウハウハしたいわけだよ。そこらの男子と同じなんだからさ。
――――だけどな、俺はそれすらも出来ない。普通に青春することが悲しいまでに出来ない」
それは、彼の告白だった。
自分の運命の。
自分の嘆きの。
「……エクソシストは、何時身体を乗っ取られてもおかしくない。寧ろ、今まで無かったことが幸いだとも言える。
……だから、俺は人を愛してはいけないんだ。誰かを愛したら、その人への欲望が霊に良い様につかわれっちまう。
自分がどうなろうが、俺はかまわない。でも……他人が自分のために苦しむのは、いやだ」
「……子供染みた思いだね」
「そうだな。俺は昔から戦うだけの毎日だったから、子供染みた考えは後に回されたんだと思う」
苦笑する彼。その笑みは、まるで自嘲のようで。
「…………だけど。俺はお前に好意を持っているんだ。馬鹿なことに。ふざけた事にさ。
自分の思いを枉げてでも、お前をほしがっている自分がいるんだ。……どうだよ、この馬鹿を見てさ」
こつん、と後頭部に感触がきた。彼の前頭部だろう。
もたれかかっている、のだろうか。
彼は孤独だった。
幼い頃から教会の足となり、腕となり、自己を捨ててまで戦った。
死に掛けたこともあったろうに。止めたいと思ったこともあったろうに。
なのに――――彼は、最後まで他人の思いを尊重するのだ。
「こんな俺でいいのなら、また帰ってきた時にまたその言葉を言ってくれ。そうしたら、また俺は強くなれる。
きっと、どんな奴だってぶっ飛ばせる。どんな奴だって、お前から遠ざけさせられる。
――――――こんな俺で、いいのなら――――」
また自責を呟こうとしたその唇を、私の唇は考える前にふさいでいた。
――――深い、口付け。
――――それは、ある女によって終わらされた。
女友「はいストップ。うちの旦那を取るなよ女」
女「な――――何時決まったのそれ!!」
女友「昔々だね。『女友ちゃんと結婚するー』って言ったのはこいつだからね」ククク
男「ちょ、おま……///」
女「ほう……ではこれは遊びと言うことで」
男「いやいや!! 違う、断じて違う! 俺は二人とも大好きなんだよ!!」
女「それが聞きたかった」ギュ
男「え?」
女友「ちょ、女ごるぁ!!」ギュ
男「え、ちょ――――」
女「帰ってきたら目にものを見せてやるわ。もっともっとあんたに惚れさせてやるんだから!」
女友「貴様……ククク、じゃあ私も男がもっと私が好きになるように磨いてあげるから、その時貰ってね♪」
男「え、ちょ、……あ、あぁ、なるほど」
俺も、ただの馬鹿の一握りだったとは――――――。
男「つか重い! 流石に女二人を首で支えるのはしんどいからちょ、ちょいどけて!!」
女「このまま押し倒させてやろうか……」クロワライ
女友「いいねそれ――――ハーレム体験させたるわ男」
男「――――はぁ、もう……これじゃほんとにギャルゲの主人公みたいだな、俺……」
――――――――後に彼女は、伝説の魔術師となって魔道世界を震撼させる。
――――――――後に彼女は、世界を超えて日本の呪術についてを教えまわる。
――――――――後に彼女は、吸血鬼の体験を生かし、人の道徳について学ぶ。
これは、一人の少女の物語ではなく。
これは、一人の魔術師の物語でもない。
――――――――後に、彼の英雄たるエクソシストは色を好んだのか、常に少女を二人、傍らに置いていた。
オチとしては、その後ろには常に吸血鬼が笑っていた。
END no,1 【三人の伝説】
―――――無理矢理と言う言葉が、一番あっている気がする
だってBADEND早く書きたかったんだもん!(キモいか、すまん
分岐点は最後の夜の前。つまり夕方のSchool(綴り違うかもしれん
女「……あれ?」
女「……手紙?」
ペラッ
『拝啓女さんへ。
屋上に来てください。』
女「……差出人名無し……どーしよっかなぁ……」
屋上の扉の前
女「怪しいと思いつつも来ちゃうんだよねー」
女「一応簡単な結界を三枚程度張っておこうかな」
女「……」ギィ
――――――理解は、していた。
――――――予感は、していた。
――――――運命だと、思った。
女友「…………」
――――――彼女との、対峙は。
風が舞う。
空が曇ってあたりが薄暗くなっていく。
あの時に、似ていて――――彼女の姿を、あいつに投影してしまった。
「…………」
この場に、言葉の概念は要らない。
――――無言空間。
――――無音状態。
風の音も止み、世界が静止した様に感じられた。
彼女の足が、一歩進む。
自然と、自分の足もそれに続く。
一歩、一歩と。距離が少しずつ縮まって――――。
気がつけば、目の前には彼女がいた。
――――――。
相変わらず、無音。
グラウンドの喧騒も、まるで零に還ったかのようで――――――。
――――――戦いは、始まった。
風を斬る音。彼女の右手から放たれた攻撃は、最早グラディウスの一撃にも及ぶ。
きん、という鉄の音。結界が相手の攻撃を察知し、己の魔翌力供給者を守った。
しかし、ダメージこそ無かったものの衝撃までは防ぎきれなく、後方へよろける。
瞬間、彼女は体勢を低く取り――――足払いをかけた。
速さは結界が減速させる。しかし、結界の処理以上に敵の攻撃は早く――――
どさり、と地面に倒れてしまった。
「――――――」
寝てなどいられない。
そう思い、直ぐに立って一目散に距離をとる。
――――その時、私は忘れていた。
彼女は、呪術師ということを――――。
きりきり、と万力が頭にかかる感覚がする。
「が――――あぐっ――――」
頭蓋骨が軋み、脳髄が今にも破壊されそうで――――地面に臥させる。
――――痛みが、麻痺シタ。
「……その程度なの。黒衣の異端者なんて、その程度の力で倒せたんだ」
彼女が私に何かを言っている。だけど――――ナニモ、キコエナイ。
「――――その程度だったら、貴方のお母さんも高が知れてるわ」
――――耳が働かずとも、体はその言葉を聞いていた。
――――走る。その速度は、ヒトを超えていて普通ならば目視できない。
それは彼女も同じだ。イクラ身体を強化しようとて、動体視力までは出来なかったヨウダ――――。
一気に彼女の懐に入り込み、硬く握った右拳を顎下からカチ上げる。
鈍い音がして、彼女は宙に舞う。なんてこと無い、ただの格闘。それでも、彼女の身体は勝てない。
舞った彼女の腹部に、容赦ない回し蹴りを入れる。この一撃は、強化した。馬鹿みたいに吹き飛んでいく。
「――――取り消せ」
言葉を、呟いている。
誰が。
ダレガ?
「――――――トリ、ケセ――――――!!」
身体が熱い。
まるで燃えている様だ。いや、もしかしたら本当に燃えているのかもしれない。
でも、別にかまわない。殺そうとしたのは、初めは彼女だ。
――――――ナラ、コロシタッテシカタナイ。
「――――0,1,2,3……A判定――――セット」
静かに、呟く。
「――――4,5,6,7……B判定――――ドライブ」
静かに、笑う。
「――――8,9――――10カウント。カノン……発射」
静かに、嗤った。
「ばけ、もの――――」
上半身の化け物は呟く。
何を言っているのか、さっぱり判らない。
――――気持ち悪かったから、つぶした。
「……これはまた、よくもやってくれたな、お前」
ダレカノコエガシタ。
トテモアタタカカッタハズノコエガ。
「……そこまで堕ちたか。いや、堕とされたのか? ……まあいい」
ナニカヲテニモッテイル。
ソレハ、ナニ?
ナツカシイ、オモイデ――――――。
「残念だけど、殺させてもらう。異端を、教会は許さない」
―――――――懐かしい ぺんだんと―――――
――――――――――――気がついたら。知らない場所にいた。
「起きてる? ああ、もう起きたのね」
幼い笑い方。知っている筈の声。
――――なのに、思い出せなく、て。
「……あなた、は」
訊ねると、彼女は驚いたような顔をした。
「……だれ、ですか」
たどたどしくて、自分じゃなく思えてしまう。
「……えっと、わからないのかな。本当に」
「……は、い」
その人は困ったような顔をして――――少しすると、口元が歪んだ。
「そう――――じゃあ、教えてあげる。私は、貴方の大切な“ヒト”」
「――――」
大切な、ヒト……。
あぁ、確かに、そんなヒト、居た気がする。
でも、このヒトだっただろうか――――。
「……はい、これ」
ちゃらん、ときんぞくの、音がして。見てみると、きれいな、きれいな、ペンダントがあった。
「……これ」
そう、大切な、モノ。だった、ような。
「……あり、がとう……ござい、ます」
「いいの。だって、私は貴方の事が大好きだもん」
にこにこ、とかのじょはわらった。
そのえみに、わたしは、なきたくなった。
「…………」
このひとは、わたしのことを、おもってくれているんだ。
なら、わたしも、まえみたいに、すきに、ならなきゃ。
「……なまえを、おしえて、ください。わたしの、と、あなたの」
「うん。……貴方の名前は、女」
おんな、ああ、しっている。
そのなまえは、しっている。
「そして、わたしのなまえは―――――」
「――――――幼馴染。貴方の最愛のヒト」
狂った湾曲は、もう二度と戻るわけも無く。
狂った楽曲は、もう二度と直されることは無い。
少女は笑う。やっと、手に入れたと。
少女は嗤う。やっと、奪い取ったと。
――――――――――後に、少女は吸血鬼として町を闊歩する。
――――――――――後に、少女は吸血鬼の寄り代として生きていく。
――――――――――後に、異端者は吸血鬼の奴隷となる。
彼は、最早居ず。
彼女は、殺されて。
彼女は、狂い。
彼女は、笑い。
異端者だけが、正常であり。
――――――――――後に。吸血鬼は魔王となる。
END no,2 【吸血鬼の楽園】
あれ?
あれ? 思ったのと違う。
最後に一つ。
幼馴染「いっそのこと男君が私の吸血鬼になって女ちゃんも吸血鬼になって女友ちゃんも吸血鬼になればみんな幸せだと思うにゃ」
男「は?」
幼馴染「というわけで」ガブ
男「ぎゃああああああああ!!」キュウケツキカ
幼馴染「女ちゃんも」ガブ
女「ちょ、こらああああああああ!!」キュウケツキカ
幼馴染「女友ちゃんもー」ガブ
女友「ちょ、ちぃがあっはん!?」キュウケツキカ
――――――――――後に、英雄は吸血鬼を人間にする研究を何とか成功する。
――――――――――後に、伝説の魔術師は吸血鬼を完全に束縛する魔術を作り出す。
――――――――――後に、呪術師は吸血鬼を永遠の封印に成功する。
――――――――――後に、吸血鬼は自力で封印を解いて、尚ハーレムを作ろうと街を闊歩した。
女「なにこの糞END!!」
男「あれだよ。BADとトゥルーをクリアしたからHAPPYみたいなあれだよ」
女友「全然ハッピーじゃない気が……」
幼馴染「エンドで二個も私が得するのがあるのね」
友「あの、俺のは……?」
男・女・女友・幼「「「「無い」」」」
友「……orz」
END no,3 【希望の道】
くうつか。
やっぱり風呂敷は無駄に広げるのか俺は。
gdgdssでしたが読んでくれた人には感謝のキワミ。あとごめんなさいと言いたいです。
最後に。
ヤフオクショゴスの人です。
吸血鬼なら夜襲いに行けよ
わざわざ朝行くとか馬鹿か
あと眠ってないじゃん、起きてんじゃん
>>258
えっと……幼馴染は絶対に夜に行ってたし、男も吸血鬼時は夜でGOだったと思うんですが……何処をいってるんですか?
あと眠ってないのは幼馴染がアホの子だからです。
このSSまとめへのコメント
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