P「ユニットへの文句?」 (55)
・書き溜めあり
・モバ&765混合のプロダクション
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ちひろ「はい。それも結構な数の」
P「本当ですか。うーん、心当たりはバッチリあるけどないことにして逃げたいんですが、ダメですか」
ちひろ「馬鹿なこと言ってないでちゃんと聞いてあげてくださいね。順番に呼びますから」
P「はーい」
ちひろ「それじゃあ一番目にお待ちの子たち、どうぞー」ガチャ
まゆ・奈緒・千鶴「…………」バタン
P「最初はお前たちか。何が気に入らなかったんだ?」
P「聞かせてくれるよな、"まゆ&眉毛ズ"」
・ケース1.まゆ&眉毛ズ
まゆ「うふふ……まゆ、Pさんのことなら何でも理解しようって思ってるんですよ?でも今回ばかりは、ちょっとついていけなくてぇ……」
奈緒「いくらなんでも酷過ぎるだろ!アタシだって、き、気にしてるんだからなぁ~っ!!」
千鶴「可愛い衣装も恥ずかしいけど……でも、こんな変なユニット名は無理!絶対無理!」
P「え~?奈緒も千鶴も「太眉可愛い!撫でたい!」ってファンが結構な数居るんだぞ?」
奈緒「それ褒められてるのか馬鹿にされてるのかわかんねーよ!」
千鶴「か、可愛いの……太い眉毛が?ち、ちなみにプロデューサー。結構な数ってどれくらい?」
P「約五分の三くらい」
奈緒・千鶴「半分以上!?」
まゆ「……盛り上がってるところごめんなさい。二人はともかくとして、どうしてまゆがこのユニットのリーダーに選ばれたのか、教えてもらえますかぁ?」
P「語感がいいから」
まゆ「うふ……前衛的な理由過ぎて、ちょっとクラクラしてきちゃいましたぁ」
奈緒「いや、さすがにそこは怒っていいから」
千鶴「それで、プロデューサー。私たちはこんな冗談みたいなユニットは」
奈緒「断固として反対させてもらうからな!」
まゆ「いくらPさんの決定でも……まゆも二人も考え直してほしいって意見ですからぁ……ね?」
P「しょうがないな。えー、じゃあ社の方に持ち帰って考えさせていただきます、ということで」
奈緒「うわ、なんか大人特有のいやらしいはぐらかし方だ!」
千鶴「約束だからね?絶対、絶対だから!」
まゆ「次の子たちも来ているみたいですから、まゆたちはこれで戻りますけど……。くれぐれも、考え直してくださいねぇ」バタン
P「いいと思ったんだけどなぁ、まゆ&眉毛ズ」
ちひろ「繊細なお年頃の女の子をなんだと思ってるんですかっ!ていうか年頃じゃなくても怒りますよ」
P「……わかってないな、ちひろさんは」
ちひろ「何がわかってないっていうんですか。わかってないのはプロデューサーさんの方ですよ」
P「いいですか?俺にベタ惚れのまゆ。何かと苦労性っぽいツッコミ担当の奈緒。まだまだ引っ込み思案で自身のない千鶴」
P「この三人が自分の意見をハッキリと言えるような状況を作ること……それこそが"まゆ&眉毛ズ"なんて、ふざけたユニットを立ち上げた理由なんですよ!」
ちひろ「え?まともな考えがあったんですか?」
P「いや2000%嘘です」
ちひろ「……はい、次の方どうぞー」ガチャ
珠美・若葉・早苗「…………」バタン
P「お、一目見ただけでどんなユニットかわかる三人だ」
P「では聞かせてもらおうか……"チーム逆サバ"」
・ケース2.チーム逆サバ
珠美「なんですかこのユニット名は!失礼極まります!」
若葉「そうです、酷いです~!私は大人の女なんですから~!」
早苗「いや、正直私はそんなに文句ないんだけどねー。若いって言われた方が嬉しいし。でもこの二人は可哀そうだし、それにこのユニット名はないかなー」
P「実は"私立アイドル小学校高等部"にしようかとも悩んだんですが、そっちの方がよかったですかね」
早苗「あ、これはシメた方がよさそうだわ」
P「だって三人とも、ランドセル・リコーダー・黄色い学帽の三点セットを違和感なく着こなせるでしょう。ちっちゃこいし」
珠美「申し開きはおろか小学生扱いとは!くぅっ、この恨みはらさでおくべきか!」
若葉「ひ、ひどい!普段は中学生止まりだったのに、小学生だなんて~!」
早苗「……ひょっとしてPくんはロリコンなのかな?ガチ逮捕が必要だったりする?」
P「馬鹿言わないでくださいよ。ただストライクゾーンが下は9歳から上は31歳までと広いだけで、決してロリ専ではないですよ」
早苗「自分が何言ってるのか理解できてるのかなP君は?」
P「冗談はさておき。いいと思ったんだけどなぁ、結婚適齢期な小学生風アイドルユニット。ニッチ層に受けると思うんだがなぁ」
珠美「そんなマニアックすぎるファンを相手にするなんて怖すぎますよ!」
若葉「そうです~!それに売り出すなら、大人の魅力を前面に出してください~」
P「無い袖を振れと言うのか」
若葉「が~ん!傷ついた~!え~ん、珠美ちゃ~ん!Pさんがいじめた~!」
珠美「可哀想な若葉殿……その辛い気持ち、痛いほどわかります!」ホロリ
早苗「あー。と、いうわけで。ユニット全員が反対してるってことだから、ちゃんと対応してくれないとシメちゃうよ?じゃ、まったねー」バタン
P「ここはぶっちゃけ絶対文句が出ると思ってた」
ちひろ「なら最初から変なユニット作らないでくださいよ……」
P「いや、だってさ!もしかしたら、天文学的確率の奇跡が起こって、三人が嬉々としてランドセル背負う可能性だってあるわけじゃん!?」
ちひろ「そんな奇跡は少なくとも向こう千年は起こりませんから!はい、次、次!」ガチャ
ヘレン・キャシー・フレデリカ「…………」バタン
P「意外だな。まさかお前たちが来るとは思わなかったよ」
P「一体何が不満なんだ?"エセ外国人"」
・ケース3.エセ外国人
キャシー「うーん、あたしは特別ユニットそのものに文句はないんだけどねぇ。あ、ユニット名は変えてほしいけど」
フレデリカ「アタシも別にーって感じ。むしろみんなで片言で喋るのとか楽しそうだしー。ボンジュール皆サーン、フレデリカデース、なんてね」
P「じゃあいいじゃん。はい、次……」
ヘレン「待ちなさい!私を無視するなんていい度胸ね、P」
P「リーダーのお前から文句があるなんて予想外だ。なんだ、言ってみろ」
ヘレン「どうして私がエセ外国人扱いされなきゃならないのよ!?」バンッ
P「だってなんかお前って外国人っていうよりも外国人風味って感じだし……」
ヘレン「あなた、世界レベルのこの私を前にして、よくそんなふざけたことを言えるわね」
P「だってさぁ……お前の出身地「海の向こう」って時点で胡散臭いんだもん」
キャシー「あ、それあたしも気になってた」
フレデリカ「海の向こうって言うとー、北海道とか沖縄ー?」
P「いや、さすがに違うだろう。佐渡島とかじゃないの?」
キャシー「キャシーは石垣島だと思うね!」
ヘレン「勝手に日本限定で盛り上がらないでよ!」
P「この際聞くけど、じゃあどこなの?」
ヘレン「それは……」
キャシー「ワクワク」
フレデリカ「さー、ズバッと言っちゃいなよ」
P「どうした?ん?」
ヘレン「……"Top Secret"よ!」ダダッ
フレデリカ「あ、逃げちゃった」
キャシー「結局教えてもらえなかったかー」
P「貴音みたいなこと言いやがって。しかも発音良さげに言うことでさりげなくアピールするとか、さすが世界レベル」
キャシー「じゃああたしたちも行くねー。バーイ!」
フレデリカ「それじゃねー。えーっと、オートクチュール!」バタン
P「オ・ルヴォワールな」
P「謎は謎のままってことか」
ちひろ「ヘレンさんの出身地に関して、実は私もちょっと気になってました」
P「頑なに言わない理由ってなんなんですかね?不法就労?」
ちひろ「ちょっと、怖いこと言わないでくださいよ!スキャンダルはごめんですからね!」
P「うーん、謎だ」
ちひろ「謎ですねぇ。まあそれはそれで置いといて、次の子たちどうぞー」ガチャ
春香・歌鈴・むつみ「…………」バタン
P「お、よく無事に来られたなお前たち」
P「来るまでに転んでケガはしなかったか?"放送事故"」
・ケース4.放送事故
春香「ちょっとぉ、酷いですよプロデューサーさん!なんですか放送事故って!」
歌鈴「そ、そうですよぉ!いくら私がドジだからって、こんな扱いは嫌です!」
むつみ「私も波乱に満ちたドキドキするようなアイドルをやりたいって思ってますけど、こういうドキドキとは違います!」
P「まあなー。俺もこのユニットは冒険だと思ってたよ。ツッコミ不在でボケ倒すようなもんだからなぁ」
春香「私、こう見えてしっかりしたところだってあるんですから!最近はコケない日だってあるんですよ!」
歌鈴「え?す、すごい!私なんて少ない日でも五回は転んじゃうのに……」
むつみ「それは一度病院に行った方がいいのでは……」
P「コケドル界のエース春香、中堅の歌鈴、ニューホープむつみ。バランスが取れた最高のユニットだと思うんだがな」
春香「コケドル界!?」
むつみ「そ、そんなものがあるんですか?ていうか、ニューホープってどういうことですか!?」
歌鈴「と、とにかく、もっとちゃんとしたユニットにしてくださいよ~!」
P「しょうがないな。じゃあ今から出す条件をクリアできたら、考えてやらんこともない」
春香「条件?」
P「ああ、これから三人でダンスを踊って、一度も転ばないことが条件だ」
歌鈴「ももも、もし転んだら……」
P「連帯責任でユニット継続」
むつみ「な、なんという過酷な条件……」
P「それじゃミュージックスタート」~♪
春香「え、もう!?が、頑張ろうね、みんな……って、おわーっ!?」ズテーン
歌鈴「え!?わ!わ、わわわっ!!」ズテーン
むつみ「ああーっ!!」ズテーン
P「すげぇ……開始2秒でこれかよ……。お前らこの才能を生かさない手はないって!絶対!」
春香・歌鈴・むつみ「そんなー!!」
P「というわけで、再挑戦のチャンスは翌日以降となりまーす。さ、帰った帰った」
春香「くぅっ!つ、次こそ!次こそは必ず成功させてみせますからね!!」バタン
<ウワーッ アアーダイジョウブー?
P「……あいつらアレでよくケガなく生きてられるなぁ」
ちひろ「不思議ですよね。受け身とか取ってるわけでもないみたいですし」
P「衝撃に反応して瞬間硬化する皮膚でも持ってるんですかね」
ちひろ「そんな、化け物じゃないんですから……」
P「世の中には不思議がいっぱいだ」
ちひろ「深く追求しないでおきましょうか。はい、次どうぞー」ガチャ
乃々・輝子・文香「…………」バタン
P「……まあ、来るんじゃないかなーと思っていたよ」
P「理由はお前たちの口から聞かせてくれるよな……"放送事故2"」
・ケース5.放送事故2
P「とりあえずラジオの仕事を考えてるんだが、どうだろう」
乃々「むーりぃー……。しゃべるのは苦手って……前に言ったと思うんですけど……」
輝子「ト、トモダチとなら……や、やってやるけど……フフ…………ト、トークはあんまり……自信がない……」
文香「……私も話すのは……苦手です。……どう考えてもミスキャストだと思うのですが……」
P「いや、この業界何がウケるかわからんからな。少なくとも話題にはなる」
乃々「本当に放送事故にしかならないんですけど……」
輝子「そ、そうだ……ライブの時みたいなメイクをしていいなら……。あ、でもラジオじゃメイクしても意味ない……」
文香「……あの……そもそも、共通の話題が……」
P「うーん、話題ね。よし、じゃあ今から試しに番組の体裁でトークしてもらおうか。テーマは……そうだな、無難に"春"とでもしようか。それじゃスタート!」
乃々「え……もう?えっと……その…………うぅ」
輝子「は、春と言えば、エノキ、キクラゲ、シイタケ、ヒラタケ……さ、サクラタケもあるぞ……フヒヒ」
文香「桜、ですか……。桜と言えば……梶井基次郎の"桜の樹の下には"の序文、"桜の樹の下には屍体が埋まっている"……という一文が有名ですね……」
輝子「し、死体?そ、それは小梅さんが……フフ……す、好きそうだな……」
乃々「そういう怖いのは……む、むーりぃー……」
P「会話が成立してるって言えるのか、これ」
文香「……やはり向いていないのでは……」
乃々「ダメダメってわかっててやらせるなんて……うぅ……いぢめですか……」
輝子「フヒヒ……わ、私は、楽しいけど……」
P「まあいいや。とりあえず保留ということで。結論は追って沙汰する」
乃々「じゃあ今日はこのまま帰りますね……」バタン
P「おいコラ仕事しろ」
P「前代未聞の口下手ユニットによるトーク番組。これ、絶対ウケますって」
ちひろ「まあ確かに話題にはなるでしょうけど……本人たちには苦痛なんじゃ」
P「嫌と行けるのギリギリをどこまで攻め込めるか……これこそプロデューサーの腕の見せ所ってもんですよ」
ちひろ「とか言って本当は困ってる姿が見たいだけなんでしょ」
P「バレたかー」
ちひろ「いつかボイコットされますよ?……はい、次の方ー」ガチャ
美波・美優・あずさ「…………」バタン
P「え?まさか、これほど完璧だと自負していたユニットからも文句が出るなんて……そんな……!」
P「なんだ、何がダメだって言うんだよ!"昼下がりの情事"!」
・ケース6.昼下がりの情事
美波「そのユニット名が大問題なんです!」
美優「どうしていつもお色気担当ばっかりなんですか!それに、いくらなんでも妖しすぎますよこの名前は……」
あずさ「私としても、もう少し普通なユニットの方が……。それに未成年の美波ちゃんも居ることですし……」
P「候補は色々あったんだがなぁ……"団地妻"、"課外授業~放課後の誘惑~"、"桃色吐息"、えーっとあとは……」
美波「もういいです!そしてどれも嫌です!」
美優「メンバーに不満があるわけではないんですよ?だから、せめてユニット名だけでも変えていただきたいと思って……」
あずさ「ダメですか?プロデューサーさん」
P「そんなに大ブーイングじゃ仕方ないな。で、代替案はあるのか?」
美波「それは……まだありませんけど……」
あずさ「それじゃあ、今考えましょうか」
美優「そうですね。そうしましょう」
あずさ「えーっと、じゃあ三人の共通点とか特徴、みたいなところを挙げていきましょう」
美優「うーん……何かあるかしら」
美波「いざ考え出すとなると難しいですね……」
P「いや、あるだろ。一番シンプルなのが」
美波「え?なんですか?」
P「エロいところ」
美波「え、エロっ……!?」
美優「ち、ちょっとPさん!?」
あずさ「あ、あらあら~」
P「だってもうすんごいじゃん。普通の服着て突っ立ってるだけでそれだけフェロモン出てるのって、ちょっとありえないよ?礼子さんとは別のベクトルの色気に満ちてるんだよ」
P「いいか!?あえてセクシー路線で売り出さず、露出の低い服装で活動させたとしよう。それでも「なんかエロいよね」って感想が漏れてくる三人という絶妙なアイドルこそが君たちなのだよ!!」
美波「り、力説されても困ります!」
美優「それはつまり、その……Pさんの目から見ても、エ……じゃなくて、色気があるということでしょうか?」
P「もちろんだ。法律や世間体がなかったら襲ってるかもしれん」
あずさ「これは褒められている、って受け取っていいのかしら?」
P「ユニット名の件は承知した。これ以上の話し合いはまた別に時間を作ってするとしよう」
美波「……わかりました。お願いですからパパに顔向けできないような名前は止めてくださいね」
美優「そ、それでは……」
あずさ「後もつかえているようですし、仕事に戻りますね」バタン
P「ふぅ……"セクシャル民族大移動"や"右手の恋人の友達"は止めておいてよかったようだな」
ちひろ「下品すぎますっ!!」バシッ
P「へぶっ!ごめんちゃい!」
ちひろ「あずささんや美優さんはともかく、美波ちゃんはまだ未成年なんですからね?あまり酷い名前を付けたら可哀想ですよ」
P「それでもネット上のあだ名よりはマシでしょう」
ちひろ「……それ、絶ッ対!教えちゃダメですからね!……おっと。お待たせしましたー、どうぞー」ガチャ
伊織・麗奈・裕美「…………」バタン
P「うおっ眩し!」
P「……という冗談はさておいて。よく来たな"ハゲではない"」
・ケース7.ハゲではない
伊織「こんの馬鹿プロデューサーッ!!」ゲシッ
麗奈「覚悟はできてんでしょーねッ!!」ボカッ
裕美「ひ、ひどいよPさん!!」ペチン
P「う、うぉぉぉお!超甲殻三戦法でガード!……駄目だ俺サイボーグじゃなおぶっ!!」グシャッ
――十分後
伊織「……で?何か申し開きはあるのかしら?」
P「いや、何も?」
麗奈「少しは悪びれる素振りくらい見せなさいよっ!」スパーン
裕美「それ以上やったら危ないよ、麗奈ちゃん……」
P「ゴメンな。正直お前らがどれくらい怒るか見てみたいがためだけに、このユニットを考えたんだ」
伊織「アンタ、本物の馬鹿だったのね」
裕美「ごめんねPさん。さすがに擁護できないかな……」
麗奈「それもあるけど!それ以上に問題が残ってるわよ!」
P「は?」
麗奈「なんでリーダーがアタシじゃないのよ!?おかしいじゃないの!!」
伊織「はぁ?そんなの伊織ちゃんがこの中で一番可愛くって優秀で経験があるからに決まってるじゃない」
裕美「それに一番年上だしね。私はいいと思うんだけど」
麗奈「全っ然わかってないわね!いい?どう考えてもこの中で……いや、事務所はおろか世界でイチバンなのはレイナサマに決まってんでしょう!?」
伊織「はっ!アンタみたいなへっぽこが一番なわけないでしょ」
麗奈「む、ムカつく……!!ちょっとP!この成金女をとっ捕まえて縛り上げなさい!!」
伊織「ちょっと、何勝手に私の下僕をこき使おうとしてるのよ!?P、この悪役気取りを羽交い絞めにしなさい!!」
麗奈「アンタの下僕なわけないじゃない!私のコマなの!」
伊織「そんなわけないわよ!私の下僕で所有物だってもう決まってるの!」
裕美「……ねえPさん。あの二人、放っておいていいの?」
P「本音言うと、似たもの同士の二人がどれだけいがみ合うか見てみたかったんだ。それで絶対衝突するであろうこんなユニットを作ってみました」
裕美「酷い……。あれ?でも、なんで私まで選ばれたの?」
P「デコに魅力を感じたから」
裕美「え、ええー……」
P「いやお前、世の中に結構な数のデコ好きっているんだぞ?潜在的なデコ好きも合わせたら、全男性の五分の一くらいはデコに何かしらの魅力を感じているという統計結果があるくらいだ」
裕美「ほ、ほんとかなぁ……?」
伊織「ちょっと二人とも!何をのんきに二人だけで話してるのよ!」
麗奈「そうだ!裕美!アンタはどっちがリーダーに相応しいと思うの!?」
裕美「こっちに飛び火した!?ど、どうしようPさん」
P「逃げちゃえ逃げちゃえ」
裕美「うー……う、うん。ご、ごめんね二人とも!」ダダッ
伊織「あ、待ちなさい!」
麗奈「こらーっ、ちゃんと答えなさいよー!!」
P「ドアも閉めんと行ってしまった」バタン
ちひろ「裕美ちゃん苦労しそう……」
P「史上初のデコユニットって、行けると思いません?」
ちひろ「競合する相手が居ないっていう点では期待できますね。……あ、次、どうぞー」ガチャ
都・裕子・マキノ「…………」バタン
P「不満そうな顔だな……」
P「そのわけを聞こうじゃないか、"ポンコツ三人組"」
・ケース8.ポンコツ三人組
都「不満ですよ!すっごく!」
裕子「なんですかポンコツって!ハッ!?もしかして、このエスパーユッコのサイキックを疑ってるんですか!?」
マキノ「全く……貴方ね、なぜ私までこの二人と一緒のカテゴリーで扱われているのかしら?理解しかねるわ」
都「なッ!この名探偵都を馬鹿にしましたね!?」
裕子「むむむ……ならば!今から得意のスプーン曲げをご覧に入れましょう!ムンッ!」
P「だってさぁ、眠りの小五郎系探偵にインチキエスパー、なんちゃって諜報員の三人とか、ある意味最高にお似合いじゃん」
マキノ「き、聞き捨てならないわね……!誰がなんちゃって諜報員ですって?」
都「私は誰かに代わりに謎解きしてもらったりしませんよ!ほら、この間の猫さがしだって、ちゃんと自力で解決したんですからね!エッヘン!」
裕子「ま、まだ私はちょーっと未熟なだけで……け、決してインチキなどでは!……ほらほらっ、スプーンだってこの通り!」
P「うーむ、やはり絶妙なポンコツ具合だ」
マキノ「第一、あの三人との格差はなんなの?」
P「あの三人……ああ、頼子と真奈美さんとのあのユニットか」
都「確か"ブリリアント・トリニティ"でしたっけ」
裕子「ちゃんとかっこいいユニットじゃないですか!こっちにもちゃんとした名前付けてくださいよ!」
P「あっちは有能そうなアイドル三人組だから、ちゃんとカッコイイのは当然だもん。お前らの場合、名前だけかっこよくしたって意味ないじゃん。へっぽこだし」
マキノ「だから!どうして私までこの二人と同じ扱いを受けなくちゃならないのよ!」
P「だって……お前の諜報活動って趣味なんでしょ?」
マキノ「そ……それは、その……」
P「しかも本当に機密情報とか盗んだら犯罪だよ?いくらうちが色んなアイドル扱ってるからって、さすがに犯罪者アイドルはなぁ」
マキノ「……くっ」
P「あと情報で戦うキャラって噛ませ犬っぽいイメージがあるんだよね。「くっ……私のデータは完璧なはずなのになぜ!?」みたいな、不測の事態ですぐ負ける感じ」
マキノ「それは完全に偏見じゃないの!!」
P「というわけで、ユニット解散の条件は"各自本物のスキルを身に着けること"だ!簡単に言えば、脱☆ポンコツ!そしたらもっと真っ当なユニットを作ってやる!」
都「ふっふっふ……その挑戦、受けて立ちましょう!この都、Pさんの思いもよらないスピードで難事件を解決し、名探偵アイドルとして世に名をはせることになるでしょう!」
裕子「私も今世紀最大の超能力者、スーパーエスパーユッコとなって、そのふざけた考えを捻じ曲げて見せましょう!」
マキノ「……私だってコケにしてタダで済むような女と思われるのは我慢ならないわ。いい?貴方にとって一番の秘密、盗み出してあげるわ!」
都・裕子・マキノ「その時をそこで待ってなさい!」バタン
P「なんだかんだであいつら仲好さそうだったな」
ちひろ「意外とマキノちゃんも似た者同士なのかもしれませんね」
P「これで奮起してくれたのはいいんだが……あいつら自分がアイドルだってこと、忘れてませんかね。本業そっちのけで別の活動に没頭とか困りますよ」
ちひろ「……ノーコメントで。あ、いよいよ最後ですね。それではお待たせしました、どうぞー」ガチャ
雫・かな子・菜帆「…………」バタン
P「えぇ?お前たちも不満があるの?スゲー意外」
P「どうしたっていうんだ、"ボン・ボン・ボン"」
・ケース9.ボン・ボン・ボン
雫「えっとー、私は別に不満はないんですけどー」
菜帆「私も不満なんてありません~」
P「じゃあ終了で」
かな子「私があるんですぅっ!!」
P「おわっ。どうしたウエスト担当のかな子」
かな子「それ、それですよっ!ウエスト担当ってなんなんですかっ!」
P「読んで字の如くだが……。バストの雫、ヒップの菜帆。そしてウエストのかな子!これぞ"ボン・ボン・ボン"の醍醐味だろう」
かな子「酷いですよ!気にしてるのにぃ!」
雫「でもかな子ちゃん、ぽちゃぽちゃして可愛いですよー。子豚さんみたいですー」
かな子「はうっ!」グサッ
菜帆「少しお肉がついちゃったみたいね~。えい、つんつん~」
かな子「ふぐぅっ!」グサッ
P「うん、すっかり打ち解けていい感じだ。良かったな、ウエスト担当のかな子」
かな子「うぅー……!Pさんのばかぁっ!いじわるっ!デリケートな話題なんですよ!」
P「実際気にするほどのこともないと思うけどなぁ。一般水準で見れば、十分平均的な方なんだし」
雫「そうですよー。みんなが痩せすぎなだけですってー」
菜帆「かな子ちゃんはそれくらいが一番可愛いと思うもの~」
かな子「ほ、本当に……?き、気にしすぎなのかな……」
P「まあかな子は気を抜くとすぐ太るけどね」
かな子「うわぁぁぁんっ!!」
雫「もぉー、Pさん?かな子ちゃんをいじめたらダメですよー」
菜帆「そうですよ~。ほらかな子ちゃん、おいしいどら焼きあげる~。雫ちゃんにも~」
かな子「ひっく……え?ホントに?あむっ……わぁ、凄く美味しい!」モグモグ
雫「わー、美味しいですねー。ウチの牧場の牛乳とよく合いそうですー」モグモグ
菜帆「やっぱり甘いもの食べてる時って、幸せ~」
雫・かな子・菜帆「ね~♪」
P「かな子よ……どうしてその一口がデブの元だと気付かないのだ……」
かな子「はっ!?う、うぅ……あ、明日から!明日から練習量増やしてダイエットしてみせますから!」
雫「じゃあみんなで頑張りましょー。おー♪」
菜帆「でもまずは一休みしようね~」バタン
P「行っちゃったよ。結局何の解決にもならんかったし」
ちひろ「もう何のために来たのかすら忘れてそうでしたけど……まあ幸せそうでしたし、いいんじゃないですか?」
P「実際、かな子は男ウケいいですからねー。やっぱり多少肉がついてる方が安心感ありますし」
ちひろ「何事もほどほどが一番、ですね。健康的で可愛いですもの、かな子ちゃん」
ちひろ「さて。これで一通り終わったわけですが……みんなの意見をちゃんと取り入れたユニットにしてあげてくださいね」
P「はーい。でもこれからも苦情上等で大冒険なユニットには果敢に挑みたいと思う」
ちひろ「対応につき合わせる私の身にもなってくださいよ……」
P「あ、そうだ。ユニットといえば、新しい企画を思いついたので、この資料に目を通しておいてください」パサッ
ちひろ「はい、わかりました」
P「じゃ、俺は仕事がありますので」タッタッタッ
ちひろ「ふぅ、忙しい人……。私も仕事しなくちゃ。で、なになに……?」
ちひろ「えーっと、"新企画!現役プロデューサー・秋月律子、アシスタント・千川ちひろ、事務員・音無小鳥による新ユニット!その名も……"」
ちひろ「"恋はグラス、ショップ、デイドリーム"……って、ちょっとプロデューサーさん!?こんなの聞いてませんよ!」
・ケース10.恋はグラス、ショップ、デイドリーム……には続かない
以上で終わりです
誤字脱字あったらメンゴ
ほいじゃ依頼出してきます
お付き合いどもでした
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