真奥「恵美が記憶喪失・・・」(188)
時間軸適当
原作は読んでないためおそらくツッコミどころ満載
恵美「ごめんねエメ」
エメラダ「エミリアが決めたことですから・・・」
恵美「うん、じゃあね」
エメラダ「じゃあ、また」
Pi
恵美「また・・・か」
魔王城
漆原「あーつーいー」
真奥「うれせーぞ漆原、暑いならパソコンを切れば少しはましになるんじゃねーの?」
芦屋「そうだ、漆原。電気代もバカにならんのだ」
真奥「ただでさえ家計を圧迫してるのに廃熱で俺たちを不快にするとか・・・」
芦屋「やはり売り払いましょうか?」
漆原「絶対にさせない!」
ガチャッ
恵美「暑っ!」
真奥「おう恵美じゃねーかどうしたー?」
恵美「ふん!魔王がひからびて死んでるんじゃないかと意気揚々と確認しに来たのよ!」
芦屋「遊佐、貴様・・・さすがにバカにしすぎだぞ!」
漆原「でも、干からびこそしないけど事実として快適ではないよね」
恵美「エアコンとは言わないけどせめて扇風機でも買ったら?」
恵美「エアコンとは言わないけどせめて扇風機でも買ったら?」
真奥「これだけ暑かったら焼け石に水だろ?熱風が送られるだけだ」
恵美「それもそうね」ハァ
真奥「ところでそのビニール袋はなんだ?」
恵美「これ?知りたいの?」ニヤッ
真奥・芦屋・漆原「?」
恵美「ほら、アイスよ恵んであげるわ」ヒョイ
芦屋「な!?貴様からの施しなど誰が受けるか!ね?魔王様!」
真奥「やっぱりスーパーカップかなぁ」
漆原「僕はチョコモナカジャンボもーらい!」
芦屋「・・・」
恵美「・・・芦屋も遠慮しなくていいのよ?」
芦屋「・・・ではガリガリ君を」
恵美「ベルも呼んでくるわ」ガチャ
芦屋「ブラックサンダーアイス・・・あぁ冷たくて美味しい」
漆原「生き返るねぇ」
真奥「悪魔が三人もそろってなさけねぇな・・・」モグモグ
恵美「ほんとにね」ガチャ
鈴乃「いやまあでもこの暑さは人間の身体にはキツイだろう」
恵美「そうね、ベルも食べたら?」
鈴乃「遠慮せずいただこう・・・雪見だいふく?」
恵美「食べたこと無いの?」
鈴乃「まずアイスというもの自体初めてだ」
恵美「・・・そうなんだ」
鈴乃「では、いざ!」パクッ
恵美「・・・どう?」
鈴乃「旨い!こんな素晴らしいものがあったとはなんで今まで食べなかったんだ!」
恵美「そ、それはよかったわ。じゃあ私も」ゴソゴソ
恵美「あれ?」
真奥「どうした?」
恵美「私のPARMがない・・・」
真奥「俺はしらねぇぞ」
芦屋「私もだ」
漆原「・・・」モグモグ
恵美「ねえ漆原?あなた何を食べてるの?」
漆原「・・・なんかチョコがコーティングされてるやつ」モグモグ
恵美「・・・」
漆原「美味しいよ?」
恵美「歯ぁ食いしばれぇ!!!」
真奥「まあまあ、そう熱くなるな。せっかく涼んだんだ、俺が代わりを買ってくる」ヨット
恵美「いいわよ、注意しなかった私も悪いからもう一回買ってくるわ」
漆原「ぼくハーゲンダッツがいいなぁ」
恵美「あぁ?」
漆原「ナンデモナイデス」
恵美「はぁ・・・まあ行ってくるわ」ガチャ
真奥「何か嫌な予感がする」
芦屋「同感です」
鈴乃「同感だ」
恵美「キャァァァァ」
ガタガタガタズドーン
真奥「今日は綺麗に落ちたな・・・」
鈴乃「見たいだな・・・」
真奥「おーい恵美、大丈夫かぁ?」
恵美「・・・」
真奥「恵美?恵美!」
鈴乃「頭を打ったのか!?」
真奥「芦屋!救急車!」
芦屋「はい!」
ピーポーピーポー
病院
医者「頭を打ったみたいですが目立った外傷もありません・・・ただ」
真奥「ただ?」
医者「直接話して貰った方がいいですね。こちらへ」
真奥・鈴乃・芦屋「・・・ごくり」
恵美「・・・?」
真奥「恵美、大丈夫か?」
恵美「恵美って・・・誰?」
真奥・鈴乃・芦屋「え?」
恵美「えっと・・・どちら様ですか?ここ病院みたいですけど私はなんでここに?」
真奥「お前、憶えてないのか?」
恵美「えっと・・・ごめんなさい」シュン
真奥「あ、いや。あやまらなくてもいいんだ」アタフタ
医者「おそらく頭を打ったさいのショックで・・・しかし、脳に傷などはありませんし心配しなくても大丈夫ですよ、何人か同じ症状の人を診たことがありますがある日ころっと治ったりしますので・・・」
鈴乃「だと良いのだが」
医者「とりあえず、ゆっくりと自分のことを思い出すところから始めてみましょう。すいませんが私はいったん席を外します」
芦屋「ご迷惑おかけしました」フカブカ
真奥「なあ恵美、ほんとに何も憶えてないのか?」
恵美「恵美って私のことですか?」
真奥「まずはそこからか・・・」ゲンナリ
芦屋「しかし、勇者ともあろうものが階段から転げおちて記憶喪失とは・・・」
恵美「ゆう、しゃ?」
真奥「そうか、それも憶えてないのか・・・」
鈴乃「とりあえず私は恵美の家に行って着替えなどを取ってくる、最低でも今日は入院しなければいけないのだからな」
芦屋「では私も買い物をしなければならないので」
真奥「え?」
鈴乃「ではエミリアのことは頼んだ」
芦屋「魔王様買い物を済ましたらもういちど私も顔を出しますので・・・」
恵美「あのー」
鈴乃「なんだ?」
恵美「今の話を聞く限り私の名前はゆうしゃ・エミリア・恵美で良いんですか?」
真奥・鈴乃・芦屋「・・・」
真奥「・・・いいか。お前の名前は遊佐恵美。エミリアっていうのはあだ名だ」
芦屋「魔王様そんな適当なこと言っていいんですか」コソコソ
真奥「なんだ?何も憶えてない奴にいきなりお前は勇者で俺は魔王だったんだって言うのか?」コソコソ
芦屋「それは、確かに」コソコソ
鈴乃「まあそれはおいおい説明していけばいいではないか」コソコソ
恵美「あだ名・・・」
真奥「わかったか?」
恵美「一応。ところであなた達は誰ですか?」
真奥「俺か?俺は真奥貞夫って言ってお前とは・・・・」
恵美「?」
真奥「なんというか・・・説明の難しい関係だ」
鈴乃(これは)
芦屋(面倒なことになりそうですね)
鈴乃・芦屋(よし!今のうちに逃げよう)
恵美「恋人とかですか?」
真奥「は?」
恵美「なんとなくですど、こういう場面って普通親とかがいるものじゃないんですか?その代わりにいるってことは恋人かな、と思ったんですけど」
真奥「断じて違う!ていうかそういうことは憶えてるんだな」
恵美「すいません」シュン
真奥「いや、お前が悪い訳じゃないんだ」
恵美「でも真奥さんとは親しい関係ではあるんですよね?」
真奥「そうだな・・・そう言えなくもないな」
恵美「ちなみに私はどうしてこんな状態なんですか?」
真奥「あぁそれはだなぁ。俺の家の階段で足を滑らせて」
恵美「転げ落ちて頭を打ったと・・・」
真奥「まあそういうことだな」
恵美「聞く限り私ってものすごいドジですね」
真奥「いや、そんなことはねぇぞ。職場でも信頼されてるらしいし」
恵美「真奥さんってやさしいですね」フフ
真奥「うっ!」ドキッ
恵美「どうかしましたか?」
真奥「いや、なんでもない///」
真奥(不覚だ・・・恵美にときめくなんて。こいつ顔だけはいいからな)
恵美「でも、家に遊びにいくなんて相当仲が良かったんですね、私たち!」
真奥「いや、まあでも隣に鈴乃もいるし・・・」
恵美「そうですか・・・」シュン
真奥「いや、でも付き合い長いしな!うん!」アタフタ
恵美「そうですよね!」
真奥「そうだな・・・」
恵美「すこし、眠いので私は寝ますね」モゾモゾ
真奥「じゃあ、お休み」
恵美「お休みなさい」スヤスヤ
真奥「・・・寝るのはえぇな」
真奥(しかし、どうするか・・・話してる感じ恵美はエンテ・イスラに関する記憶は完全に忘れているらしい。でも日本で一般的な記憶というか常識はあるらしい)
真奥「寝てる分には無害でかわいいんだけどねぇ」ソー
鈴乃「なにをしている?」フシンシャヲミルメ
真奥「!?」ビクッ
鈴乃「流石魔王ここでエミリアの命をというわけか・・・」
真奥「だれがするか!そんなもん!」
鈴乃「そうか、ならいい。それと病院だあまり大きい声を出すな」
真奥「わかったよ」シブシブ
鈴乃「今しがた医者に聞いてきたが、もう明日にでも退院できるそうだ」
真奥「え、そんなに早く?」
鈴乃「日常通り過ごすことが一番の治療だそうだ」
真奥「丁寧語の恵美ってのも違和感あるしな」
鈴乃「それにいつエンテ・イスラからの攻撃があるかも分からない」
真奥「今の恵美なんて一般人以下だぞ」
鈴乃「それはしょうがない。それに気丈に振る舞ってはいるがきっと不安でしょうがないだろう」
真奥「だろうな」
鈴乃「しかし、なぜかお前には心を許しているようだし頼んだぞ」
真奥「なんでだよ・・・」ゲンナリ
鈴乃「さあな、すり込みみたいなものじゃないか?最初に会話したのがお前だった、そういうことだ」
真奥「そう言われてもねぇ」
鈴乃「今日はもう遅い。お前は一回帰れ、今晩は私が一緒に泊まる」
真奥「あぁそれがいいだろうな」
鈴乃「明日、バイトは?」
真奥「休みだけど?」
鈴乃「そうか、なら10時に迎えに来てくれ荷物もあるのでな」
真奥「わかった。恵美を頼む」
鈴乃「ああ」
魔王城
真奥「ただいま」ガチャ
漆原「おかえりー。遊佐どうだったー?」
真奥「まあしおらしくていいんじゃねぇの?」
漆原「しかし記憶喪失ねぇ・・・」
芦屋「勇者ともあろう者がなさけない」
真奥「言ってやるな。それにあいつも今は混乱してるだろうしな」
漆原「で、どうすんの?」
真奥「気長に待つしかねぇだろ」
芦屋「ですね」
次の日
恵美「一日ですがお世話になりました」フカブカ
ナース「いえいえ、早く治るといいですね」
恵美「・・・はい」
ナース「??」
真奥「おい恵美、鞄貸せよ重いだろ?」ヒョイッ
恵美「あ、うん」
鈴乃「では恵美の家に行こうか」
真奥「だな」
恵美「私の家ってどこにあるの?」
真奥・鈴乃「あっ・・・」
恵美「分からないの?」
真奥「おい鈴乃お前昨日服取りに行ったんじゃ無かったのか!?」
鈴乃「途中でどこか知らないことに気づいて適当に店で買ったんだった・・・」
真奥「・・・永福町だってのは分かるんだが」
鈴乃「・・・とりあえず魔王城に行くか」
恵美「魔王城?」
真奥「なんでもない、ただのアパートだ」
魔王城
真奥「・・・ただいま」ガチャ
恵美「おじゃまします」
芦屋「あれ?遊佐の家に行くのではなかったのですか?」
真奥「場所がわからなくってな・・・」
漆原「まあ別にベルの部屋に泊まればいいじゃん」
恵美「えっと、あなた達は?」
芦屋「私は芦屋四郎といいます、真奥のチームメイトです」
漆原「漆原半蔵でーす。ニートでーす」
恵美「え、ニート?」
漆原「う、うん」ビクッ
恵美「あなた!ニートなんですか!?」
漆原「え、なになに?」アタフタ
恵美「いいとしして他人に養ってもらって恥ずかしくないんですか!?」
真奥(これは擁護しようがない)
芦屋(ルシフェル、哀れな奴め)
ルームメイトじゃなくてチームメイトなんだな・・・
>>65
普通にミスッた脳内補完たのむ
恵美「昨日鈴乃さんに聞いた話によると貞夫さん達はそんなに裕福じゃないらしいじゃないですか!そんな人たちに養ってもらって、このゲス!」
芦屋(貞夫さん?)
真奥「なあ遠回しに俺たちも貶されてないか?」
鈴乃「遠回しでもないだろ」
漆原「うるさいなぁ!僕にも事情があるんだよ!」
恵美「なんですか?事情って!言ってみてください」
真奥「まあまあ恵美、事情があるんだよ」
恵美「甘いんですよ貞夫さんは!」プンスカ
漆原(なんで僕こんな風にいわれなきゃならないんだろ?)
芦屋「とりあえずお昼ご飯にしましょうか、鎌月さんうどんはありますか?」
鈴乃「ああ取ってこよう」
漆原「えぇ!またうどん?」
恵美「ニートの分際でよく文句が言えますね!」
真奥(なぜか恵美が漆原に対してキツイ)
恵美の携帯「Prrrrrr」
真奥「おい携帯鳴ってるぞ」
恵美「え、どうしよう?」オロオロ
真奥「誰からだ?」
恵美「鈴木梨香って」
真奥「俺が出て事情を説明するよ」
梨香「あ!恵美どうしたの!?無断欠勤なんて!」
真奥「そういえば恵美の・・・」
梨香「え、真奥さん?なんでぇ?」
真奥「じつは・・・」
梨香「え!恵美は大丈夫なんですか!?」
真奥「まあ記憶はないけど元気だよ。そうだ恵美の家って知ってるか?」
梨香「?知ってるけど」
真奥「俺たち誰も恵美の家知らねぇんだ」
梨香「だいたい分かりました、じゃあ仕事が終わったら迎えに行きます」
真奥「あとお前らの勤め先に軽く説明しておいてくれないか?」
梨香「はい、分かりました。じゃあ」
Pi
Pi
真奥「おい恵美喜べ、お前の家が分かったぞ」
恵美「え!」
真奥「お前の同僚が迎えに来てくれるってさ」
恵美「そうですか」シュン
鈴乃「よかったな、それはそうとお昼にしようか」
恵美「う、うん・・・」シュン
漆原(あぁそういうことか・・・)
梨花「恵美ぃぃぃ!」
恵美「あ、うん」トマドイ
梨花「心配したんだからぁ」ポロポロ
恵美「ご、ごめんない」
梨香「ううん、恵美が大丈夫ならそれでいいの」
真奥「じゃあ恵美のことヨロシク」
恵美「え!ついてきてくれないんですか?」
真奥「え!」
漆原「いいじゃん、荷物もあるんだし付いていってあげればぁ?」
鈴乃(なにを考えてるんだルシフェルの奴?)
真奥「・・・わかったよ!」ヤレヤレ
恵美「じゃあこれお願いします!」パァァ
漆原(うわぁ、わかりやす)
梨香「じゃあ行こうか」
真奥「行ってくる?」
漆原「帰ってこなくてもいいよぉ」ニタニタ
恵美「な、何言ってるんですかこのクズニート!」
真奥「??」
恵美「さ、さあ行きましょう!」
遊佐のマンション
真奥「おぉ恵美お前!こんな良い部屋住んでんのかよ!」
恵美「あんまり自分の家って感じしないですけど・・・」
梨香「ほんとに何も憶えてないんだねぇ」
恵美「とりあえずシャワー・・・」イソイソ
真奥「まあそうだろうな」ヘラヘラ
恵美「え!臭いますか!?」ウルウル
真奥「いやいや!そう言う意味じゃなくて!」アタフタ
梨香「サイテー」ジトー
恵美「///」カァァ
真奥「お、俺もう帰るから」ソソクサ
恵美「あ、あの晩ご飯作りますから食べていってください!」
真奥「え、でも」
梨香「私からもお願いするわ、私このあと予定があるの」
真奥(うーん、たしかに恵美もまだ不安だろうし・・・)
真奥「わかった、食べてくよ」
その頃、魔王城
漆原「帰ってこないに唐揚げ2つ」
鈴乃「私も帰ってこないにうどん1箱」
芦屋「貴様ら魔王様をなんだと思ってるんだ!私は帰ってくるにセンタッキーワンセットだ!」
漆原(ふ、勝ったな!)
鈴乃(これはいただきだ)
遊佐の部屋
真奥(なんか恵美がシャワーの音が大きく感じる・・・)
真奥(いかん、いかん。今恵美は記憶がないか弱い女の子なんだ!)
真奥(集中!集中!)
ガチャ
真奥「!?」ビクッ
恵美「あ、あがりました・・・///」
真奥「お、おう」
恵美「・・・」
真奥「・・・」
真奥(なんかこれ新婚の夫婦みたいじゃね?)
恵美「じゃ、じゃあご飯作っちゃいますね・・・///」
真奥「あ、ああ」
恵美「冷蔵庫の中、あんまり入ってなかったのでテキトーなものしか作れないですけど」
真奥「あんま気にしなくていいぞ・・・」
チッチッチ
真奥(時計の針の音が・・・)
イッポーン!サスガジュニアサンデスネェ
真奥(番組の内容全然頭に入ってこねぇ)
恵美「で、できました///」
真奥「お、おう!早かったな!///」
恵美「あり合わせですけど・・・」
真奥「じゃあ、いただきます」
恵美「・・・」ジードキドキ
真奥「!うまいなこれ!」
恵美「!お口にあってよかったです!」パァァ
真奥「流石は勇者だな!」
恵美「??」
真奥「いや、なんでもない・・・」
真奥(勇者とか魔王とか関係なく出会ってたらこういう事もあったのかもな・・・)
真奥「じゃあ俺帰るわ、明日バイトあるし」
恵美「そ、そうですよね・・・」シュン
真奥「うん?」
恵美「あ、あの!///」
真奥「な、なんだ?」
恵美「よ、よければと、泊まっていってくれませんか?///」ドキドキ
真奥「え、でも女の子の部屋に男がってのは・・・」
恵美「大丈夫です!わたし、貞夫さんのこと信用してますから!」
真奥「で、でも」
恵美「やっぱりだめですよね」ウルウル
真奥(でもこの部屋だって知らないことだらけで怖いのかもしれないし・・・うーん)
恵美「・・・」シャツノハシッコツマム
真奥「わ、わかった毛布とかあったら貸してくれ」
恵美「はい!ベッド使ってくれていいですよ!私ソファで寝ますから!」パァァ
真奥「いや流石にそれは」
深夜
真奥(ね、寝れねぇ。つーかどうしてこうなった?)
恵美「あ、あのまだ起きてますか?」
真奥「お応、起きてるぞ」
恵美「ちょっと緊張しちゃって寝れません///」ハハハ
真奥「なあ恵美」
恵美「なんですか?」
真奥「やっぱり記憶が無いって怖いか?」
恵美「そうですね・・・でも真奥さんがいてくれますから」ニコッ
真奥(今笑ってたな多分、灯りねぇから見えねぇけど・・・)
真奥「なんで俺をそんなに信用してるんだ?」
恵美「なんででしょうね?フフ分かんないです・・・」
真奥「なんだそれ・・・」
恵美「・・・」スースー
真奥「おい恵美?」
恵美「・・・」スースー
真奥(野郎以外の寝息が聞こえるってのはやっぱり妙だな・・・)
朝 チュンチュン
恵美「・・だおさん起きてください、さだおさん!」ユサユサ
真奥「んあ?」
恵美「朝ですよ」ニコッ
真奥(そうだ、恵美のマンションに泊まったんだった・・・)
恵美「おはようございます」ニコッ
真奥「お、おはよう///」
恵美「いま朝ご飯にします」ニコニコ
真奥「ああ///」
真奥(なんつーか、やっぱ慣れないな)
朝食後
真奥「じゃあ俺帰るわ。多分鈴乃あたりが見舞いに来るから」
恵美「はい、わかりました。バイトがんばってください!」
真奥「おう、じゃあな!」
恵美「あ!貞夫さんちょっとまって!」
真奥「ん?何か忘れたか?」
恵美「これ、この部屋の合い鍵です・・・///」
真奥「え!?」
恵美「あのアパートってエアコンなかったですよね?暑くなったらいつでも来てください」
真奥「う、うん?」
恵美「じゃ、じゃあ///」バタン!
真奥(え、どういうこと?)
魔王城
真奥「ただいまー」
芦屋「・・・」
漆原・鈴乃「ふふふ」ニタニタ
芦屋「魔王様昨晩はどこに?」
真奥「どこって、恵美の部屋だけど・・・」
芦屋「そうですか・・・わかりました」
漆原(センタッキーゲットだぜ!)
芦屋「では私はすこし出てきますので」
真奥「お、おう」
真奥「なあ芦屋のやつどうしたんだ?」コソコソ
漆原「いやぁ主君を敵に取られた気分なんじゃない?」ニタニタ
芦屋「・・・」
真奥「はあ?」
昼食
真奥「なあ芦屋なんで昼飯がセンタッキーなんだ?」
鈴乃「たまにはいいではないか」ハムハム
漆原「そうだよ、こういう味の濃いものもたまにはね」モグモグ
芦屋「・・・」ムグモグ
真奥「まあいいけどさ」モグモグ
真奥(それから一週間がたったが、恵美の記憶は一向に戻る気配がない。この一週間、なぜか恵美が部屋に来い来いとうるさいから入り浸ってしまっている。そして今もこうして食卓を囲んでいるわけだ)
恵美「ねえ、貞夫さん。夏祭りがあるって知ってる?」
真奥「ああそう言えばちーちゃんがそんなこと言ってたな?」
恵美「ああバイト先の・・・佐々木さんだっけ?」ムッ
真奥「ああ・・・何か怒ってる?」オソルオソル
恵美「怒ってません!」
真奥(怒ってんじゃん・・・)
真奥「で、夏祭りがどうした?」
恵美「明日、夜は暇ですよね?一緒に行きませんか?///」
真奥「祭りに?」
恵美「はい///」ドキドキ
真奥「いいよ、俺も興味あるし」
恵美「じゃあ私夕方頃に迎えに行きます!しっかり待っててくださいね!」ニコニコ
真奥「別に逃げたりしねぇよ」
漆原「へぇ遊佐とお祭りねぇ」
漆原(遊佐も大変だ・・・)
芦屋「祭りの出店は高いですからほどほどにしてくださいよ」
真奥「お前は俺のおかんか!」
漆原「ならそろそろ来る頃だね」
漆原(それに隣の部屋からなにやらごそごそ聞こえるし・・・)
コンコン
芦屋「はーい」テクテク
ガチャ
恵美「迎えに来ました」ユカター
真奥「ど、どうしたんだ?それ」
恵美「鈴乃さんと一緒に買いに行きました!似合ってますか?」
真奥「ま、まあ似合ってるんじゃないかなぁ///」
漆原(へたれ・・・)
鈴乃「着付けは私がやっているからな完璧だ」
漆原「それに身体が平らな人は似合うらしいし」ケタケタ
ボコッ
漆原「デギャァ!」
恵美「なに?クズニートは殴られたいの?」
漆原「もう殴ってるじゃん!」
真奥「じゃあ行くか」
恵美「うん!」ニコッ
漆原「え!無視ですか!?」
芦屋「今のはお前が悪い」
ワイワイガヤガヤ
恵美「やっぱり混んでますね」
真奥「そうだな予想以上だ」
恵美「あの・・・手を///」
真奥「そうだなはぐれないようにな」ギュッ
恵美「はい!」パァァ
真奥「何か食いたいもんあるか?」
恵美「えっと・・・綿菓子」
真奥「綿菓子か・・・さっきあったな」
恵美「確かこっちに・・・ありました!」
綿菓子屋「らっしゃい!」
恵美「えっと、これください」
綿菓子屋「はいよ!お嬢ちゃんデートかい?」
恵美「え!?いや・・・どうだろ?」エヘヘ///
真奥「・・・」
綿菓子屋「じゃあかわいい彼女にサービスだ!もってきな」
恵美「ありがとうございます!」パァァ
真奥「空いてる河原の方でたべるか?」
恵美「そうですね!」ニコニコ
真奥「・・・」
河原
恵美「遠くから見ると縁日ってあんな感じなんですね・・・綺麗」
真奥「なあ恵美」
恵美「なんですか?」
真奥「楽しいか?」
恵美「え!?楽しいです!すごく!」
真奥「そっか、すごく楽しい・・・か」
恵美「あ、あの貞夫さん?もしかして楽しくないですか?」オソルオソル
真奥「楽しいよ、凄く楽しい・・・でもさ」
恵美「・・・」
真奥「いい加減にしないか?恵美・・・いやエミリア!」
恵美「な、なんのことですか?」
真奥「お前、記憶喪失なんかじゃないだろ?」
恵美「・・・」
真奥「なあもう良いだろ?」
恵美「いつから気づいてたの?」
真奥「最初から違和感はあった、でも確信したのはさっき漆原を殴ったときだ」
恵美「なにか気づかれるようなことしたかしら?」
真奥「お前、思わず聖法気を使っただろ?」
恵美「なるほどね・・・」
真奥「それに最初の時点でおかしかったじゃないか、お前は階段から落ちたって自分の身なんて簡単に守れるだろ?」
恵美「ええそうよ勇者ですもの」
真奥「お前を診察した医者にも微かに聖法気の気配がした、催眠術だな?」
恵美「続けて」
真奥「どうして記憶喪失のフリなんてしてたんだ?」
恵美「・・・」
真奥「なあ恵美」
恵美「ねえこの一週間楽しかった?」
真奥「・・・そうだな楽しかった」
恵美「私はね、遊佐恵美になりたかったの」
真奥「・・・」
恵美「悪魔とか天使とか魔王とか勇者とかそんなの全然関係ない普通の女の子、勇者エミリアじゃない遊佐恵美になりたかったの」
恵美「あなたも思わなかった?私たちがこんな関係じゃなかったら?って」
真奥「思ったよ・・・」
恵美「普通に会社に行って、友達とご飯食べて、好きな人にお弁当作って、一緒にご飯食べて、一緒にお祭りに行くの。そんな普通になりたかったのよ」
真奥「でも、それはお前じゃない」
恵美「そうね・・・。私は勇者エミリア、人間達の先頭に立ち魔王を倒すために剣を振るって戦場を駆ける」
大丈夫だ、あと少し
今必死で書いてる
恵美「滑稽よね、そんな私が普通の幸せを願うなんて」ポロポロ
真奥「そんなことないさ」
恵美「なら!気づかないふりをしててよ!恋人ごっこに付き合ってよ!」ポロポロ
真奥「俺は・・・」
恵美「なに?やっぱり勇者とは仲良くできない?」
真奥「そうじゃない」
恵美「ならなによ!魔王ならはっきりしなさいよ!」
真奥「好きだ・・・恵美。ごっこ遊びなんかじゃなく本気で」
恵美「え?」キョトン
真奥「戦場を駆ける勇ましいエミリアが好きだ、幸せをおいかける恵美が好きだ!俺にとってはどっちも本物のお前だ」
恵美「本気なの?」ポロポロ
真奥「俺は魔王だぞ!どんな悪逆非道の限りを尽くそうとも自分の言ったことには責任を持つ!」
真奥「だからさ・・・恵美。別に自分を演じる必要なんてないんだぞ?」
真奥(それから恵美はみんなに謝って回った・・・心配を掛けて済まないと。漆原は最初から気づいてたみたいだ、梨香は記憶が戻ったと喜んでいた、芦屋は微妙な顔をしていた)
エメラダ「やっぱりこうなりましたか」ニタニタ
恵美「やっぱりって何よ?」ムスッ
エメラダ「エミリアが最初に記憶喪失のフリをしてやり直すなんて言い始めたときからけっきょく惚気話を聞かされるんだろうなぁって思ってました」フフフ
恵美「なっ!///」
エメラダ「それにぃ、話を聞く限り完全に新婚夫婦みたいデスよぉ。式には呼んでくださいねぇ」
恵美「・・・考えておくわ///」
エメラダ「あら!ずいぶん素直になりましたねぇ。これは魔王に感謝ですねぇ」
恵美「もういいじゃない!電話代もったいないから切るわよ!///」
エメラダ「はぁい、じゃあまた連絡しますねぇ」
恵美「うん、またね」
Pi
真奥「エメラダか?」
恵美「うん、ずいぶんと迷惑を掛けたし」
真奥「ふーん、そっかじゃあ俺仕事行ってくるわ」
恵美「何時頃帰ってくる?」
真奥「8時位かな?」
恵美「分かった晩ご飯作って待ってる」ニコッ
真奥「おう!じゃあ楽しみにしてるぜ!」
恵美「行ってらっしゃい」
恵美(想像してた生活とはほんの少しだけ違うけど)
真奥(こんな生活が少しでも永く続けばいいなと思う)
恵美(私は勇者で)
真奥(俺は魔王)
恵美(決して結ばれないはずだった二人だけど)
真奥(この世界には天使も悪魔もいない)
恵美(こんな世界に飛ばしてくれた奇跡に)
真奥(心から感謝する)
終わり!
エメラダ可愛いよエメラダ!
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