一夏「愛情度センサー?」(98)
一夏の部屋
一夏「・・・なんだこれ」
一夏「朝出てくときはこんなものなかった気が・・・スカウター?」
ヒラリ
一夏「ん、メモ?」
『愛情度センサー』
一夏「愛情度センサー?
束「そうなのだよ!」バサッ
一夏「うおわ!?」
束「へっへーいいねぇその顔。その顔が見たくて束さんは隠れていたのだよ!」
一夏「はぁ・・・今度はなんですか?」
束「ブーブーそのリアクションは良くないよ。『わあ!束さん!今度はなにを作ってきてくれたんですか?わっほーい!』くらい言ってくれないと」
一夏「千冬ねえ呼びますよ」
束「へぅ・・・いっくんが冷たいよ」
束「まあ簡単に説明するとだね、装着した人に対する愛情を数値にして見られるスーパーハイテクアイテムなのだよ!」
一夏「・・・スカウターのぱくりですか」
束「そいつは言わない約束だぁ」
束「じゃあ、はい。つけてあげるね~」
一夏「ちなみに拒否するとどうなりますか?」
束「うーん、白式から色んなデータ出していっくんが見られたくないシーンを全国放送しちゃおうかな」
一夏「・・・はやくつけてください」
束「よしよし、理解力のあるいっくんが大好きだぞ~」
束「よしオッケー。ちなみにつけてるのは他の人に見えないから安心してね」
一夏「ははは」
束「そんな乾いた笑い声出しちゃ、めっだぞ」
束「ほら、それでわたしを見るとだね」
『ピピピッ 1708』
一夏「おぉ、出た」
束「ちなみに100で相手のことを好きってとこかな」
一夏「ばえっ!?」
束「おう?なにオットセイみたいな声だしてるんだい」
一夏「・・・なんかラディッツより高い数値出てるんですけど」
束「あっははは~、そりゃあ束さんの愛情はマリアナ海溝より深いからね♪」
一夏(こ、怖い・・・)
束「むっ、失礼なこと考えたな~」
一夏「いやなんにも!」
束「まぁいいや。じゃあ帰るとするよ」
一夏「じゃあ」
束「あ、それは外さないから」
一夏「えぇえ!?」
一夏「は、外してくれないと色々面倒なことになりそうな予感しかしないんですけど!」
束「うんそうだね」ニコッ
一夏「・・・お願いします外してください」
束「へっへへ~~。さーて帰ってスカウターから送られてくる数値見てニヤニヤしよーっと」
一夏「今スカウターって言った!束さん!」
束「じゃあねえ~~満足したら外しにくるよ~~~」
バシュウウウウ………
一夏「・・・・・・ほ、ほんとにあの人は昔から・・・」
一夏「こうなったら白式で無理やりにでも」
ヒラリ
一夏「ん?」
『無理に外すと面白いことになるぞ☆』
一夏「・・・だぁああああ!!!」
一夏(このまま部屋から出たくない・・・かといって一人も見なかったら絶対外してくれないだろうし・・・)
一夏(・・・でも自分がどう思われてるのかってのもちょっと気になる・・・)
一夏(・・・いやいや人の心をこんなかたちで覗くっていうのは失礼だろ)
一夏(・・・でも気になる。例えばいつもくっついてくる鈴とk)
ガチャッ
鈴「おーっす」
一夏「なっ!?」
鈴「な、なによ」
『ピピピッ 287』
一夏「お、おぉ・・・」
鈴「なに?なんか変よあんた」
一夏(これは・・・結構どころかかなり好かれてるってことなのか・・・?)ジィィ
鈴「なっ、なんなの?なんかついてる?」
一夏「なぁ鈴」
鈴「なに?」
一夏「俺のこと好きか?」
鈴「・・・・・・はぁっっ!!??」
一夏「どうだ?」
鈴「ばっ・・・」
一夏「ば?」
鈴「バッカじゃないの!?いきなりそんなこと聞く!?バカ!!バーーーカ!!」ダダダダッ
バターーーン!!
一夏「・・・・・・なんだ、好きじゃないのか」
一夏「・・・この機械適当に数字出してるだけなんじゃないか?」
一夏(まぁ好きでもない奴に『好きか?』なんて言われたらなに勘違いしてるんだこいつ、って怒って当然だよな)
一夏「はぁ・・・」
一夏(鈴が怒ると長いからな・・・我ながらもうちょっと前置きとか考えるんだった)
一夏(腹減った・・・でも数字がデタラメだったとしても部屋から出て会う人みんなの好感度を見せられるのはなぁ)
一夏(かといってずっと部屋にいるわけにも)
コンコン
『いちかー、入ってもいい?』
一夏「お、おぉーいいぞー」
ガチャッ
シャル「おじゃましまーす」
『ピピピッ 211』
一夏「211か・・・」
シャル「うん?なにが?」
一夏「あっ、いやなんでも」
一夏(束さんとか鈴に比べると低いって思ったけど、100で好きって言ってたしな・・・十分高いのかなこれは)
一夏(バッと数字だけ出されてもなんかよくわからないぞ)
シャル「どうしたの?」
一夏「え?あぁなんでも。どうしたんだ?」
シャル「あのね、お昼食べた?」
一夏「これから食べようかなって思ってたとこだ」
シャル「よかった!その、こないだ部活で作った料理をね、練習してみたんだけど、よかったら食べて欲しいって思って」
シャル「ちゃ、ちゃんと味見もしたからね!不味くはないと思うの」
一夏「ほんとか?助かったよシャル!」
シャル「助かった?」
一夏「あ、いや。料理はどこに?家庭科室か?」
シャル「うん」
一夏「よし、じゃあすぐいこう!」
一夏(休日の昼ということもあって寮から家庭科室まではなんとか人に会わずに済んだ・・・)
一夏(あとはシャルの料理を食べて部屋に戻って、なんとか束さんに連絡してみよう)
一夏(あ・・・連絡先知らない・・・箒ならわかるか?)
シャル「・・・ねえ一夏。なにか考え事?」
一夏「えっ?なんか言ったか?」
シャル「なにか考え事してるの?って言ったの」
一夏「あー、シャルがどんな料理作ってくれたのかな、って考えてた」
シャル「ほ、ほんと?あの、でもそんなに期待しないでね?まだ練習中だから」
一夏「シャルが作ってくれるならなんだった美味いよ」
シャル「はうっ!」ボムッ
一夏(なんとか誤魔化せたな・・・)
シャル「う、ぅう~~・・・」
家庭科室
ガラッ
ラウラ「遅いぞ!」グゥウ~
シャル「ちゃんとつまみ食いしないで待っててくれたんだね。えらいえらい」ナデナデ
一夏「ラウラもいたのか・・・」
ラウラ「当然だ。夫婦だからな」
シャル「よくわからないよ」
『ピピピッ 365』
一夏「おぉっ」
ラウラ「なんだ?」
一夏「ん、あぁー・・・美味そうだな!」
シャル「すぐに仕上げるからちょっと待っててっ♪」
一夏(さて・・・腹も膨れたし箒のとこいって束さんに連絡取ってもらわないと)
プルルルッ
『もっ、もしもし!』
一夏「もしもし、俺だけど今どこにいる?』
『部屋にいるぞ』
一夏「今から行くからちょっとそこにいてくれ」
『な、なに!?』(一夏がわたしの部屋を訪ねてくるなんてなにかあるのか?)
一夏「なにって、忙しいか?」
『いやっそういうことではなくて、と、とにかく待っていればいいんだな!』
一夏「うん、じゃあまた」
一夏(そういやなんで箒っていつも電話するとあんな大きい声で喋るんだろう)
一夏(なんか焦ってるような感じだし)
一夏(電話苦手なのかな)
コンコン
一夏「俺だけど」
『う、うむ。入ってくれ』
ガチャッ
一夏「ごめんな突然」
箒「いや構わん。ちょうど暇を持て余していたところだ」
『ピピピピッ 370』
一夏「おお抜いた」
箒「ぬいた?」
一夏「あ、いやこっちの話」
箒「それで、何のようだ?どこかに出かけるならわたしは暇を持て余していたから付き合うぞ」
箒「暇を持て余していたからな!」
一夏「そんなに暇だったら訓練でもしたらいいんじゃないか?」
箒「・・・」ゴゴゴゴゴ
一夏「そ、それでだな。ちょっとお願いしたいことがあって」
箒「なんだ?」
一夏「束さんの連絡先教えてくれないか?急用があってさ」
箒「・・・・・・いやだ」
一夏「えっ?」
箒「それが用事か?」
一夏「あ、あぁ」
箒「ならもう用はないな。帰ってくれ」
一夏「ちょ、ちょっと待ってくれ、本当に困ってて」
箒「帰れ!!」
バタン!!
一夏(・・・箒は相変わらず束さんと仲悪いのか・・・姉妹なんだからいつかはなんとかしないとな)
一夏(とりあえず・・・部屋戻ろう)
一夏の部屋
一夏「はぁーーー・・・・・・」
一夏(なんかみんな100超えてるし、やっぱりこれ束さんのジョークだったんだな)
一夏(そろそろ飽きて外しにきてくれると助けるんだけど)
ブブブブブッ
携帯『非通知』
一夏(・・・・・・)ピッ
一夏「もしもし」
『ふっふっふ、お前の姉は預かった』
一夏「そろそろ外してくれませんか」
『なんだよーもうちょっと相手してくれてもいいと思うよー』
一夏「この機械ジョークなんですよね。そろそろ外してください」
『ジョーク?なにが?』
一夏「適当に数字出してるだけでしょ?」
『いやいや、なにを言ってるのかね。この束さんが寝る時間を削って本気で作ったものだよ?その辺の科学者が見たら腰抜かしてアヘアヘ言っちゃう代物だよ?』
一夏「だって普通の友達が200とか300とか言ってるんですよ?」
『あはははは、普通の友達ねぇ~』
一夏「ほんとに早く外してください」
『一応言っておくけど、それ本当に愛情を数値化してるからね?』
一夏「・・・もうそういうのは」
『ほんとだよ。いっくんに嫌われるような嘘はつかないよ~』
一夏「ならこれ外してください」
『大丈夫!それくらいでいっくんは束さんのこと嫌いにならないもん!』
一夏「・・・100で相手のことを好きだって言ってたけどそれも本当なんですか?」
『もちロン!あれだよ、タイタニックのローズが最後ジャックを海に落とすところでだいたい200くらいだよ』
一夏「あそこで200!?じゃあ束さんの1700とかどうなってんですか!?」
『そりゃあねー。わたしが好きなのは世界で3人だけだしね!』
一夏「そうですか・・・」
『ここはもっと喜ぶところだよきみ!』
一夏「ほんとに外してくれないんですか?」
『もうちょっとね~』
一夏「じゃあなぜ電話を」
『いっくんがそろそろ束さんの声を聞きたがってるかな~って』
一夏「・・・これ映像そっちで見てたりしないですよね」
『あははは~しないよ。そんなことしなくてもいっくんのことならなんだってわかるのだ』
一夏「1700ですもんね」
『1700だからね。じゃあまたね~』
一夏「あっちょっと」
ツーツーツー……
一夏「・・・ほんとにあの人は・・・」
一夏(さて・・・どうしたものか)
一夏(束さんの話を信じるならみんなが俺のこと好きってことに、いや好きどころか物凄い愛されてるってことになるのか・・・)
一夏(でもなぁ・・・信じられないよなぁ)
一夏(鈴は気づいたらくっついてきたり俺が他の女子と仲良くしてると怒ったりするけど全然そんなそぶり見せないし)
一夏(シャルはいつも優しくしてくれたりなにかと料理作ってくれたりはするけど、それは俺が日本にきて一番早く友達になったからだろうし)
一夏(ラウラは布団に侵入してくるけど子供が懐いてるような感じだし)
一夏(箒はなぁ・・・なんかいつも怒ってるし)
一夏「うーーーん」
コンコン
一夏「うん?はーい」
『わたしだ。入るぞ』
ガチャッ
一夏「あ、千冬ねえ」
千冬「先生、いや休日だし今はいいとしよう」
『ピピピ…ビィィィィィィィィィィ』
一夏「なっ、なんだ!?」
ボン!!!
一夏「うおぁっ!?」
千冬「一夏っ!?」
千冬「・・・大丈夫か?本当に怪我はないか?」
一夏「だ、大丈夫だって。ISの絶対防御が働いてくれたみたいだし」
千冬「束・・・・・・!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
一夏「い、いや束さんならなにかあってもISで守られるように作ってるはずだって!だから怪我してないんだよ」
千冬「・・・次に会った時は覚えていろ」
一夏「でもまさか壊れるとは・・・もしかして千冬ねえって俺のこと大好きだったりする?」
千冬「馬鹿なことを言うな馬鹿者!」バシッ
一夏「いてっ、なんだよ2回も馬鹿っていうことないじゃないか」
千冬「馬鹿だから馬鹿だと言ったんだ」
一夏「・・・へへっ」
千冬「・・・」バシッ
一夏「いでっ!な、なんだよなにも言ってないだろ!?」
千冬「まったく・・・お前もさっさと誰か好きな奴でも作って姉離れをしろ。じゃないとおちおち結婚もできん」
一夏「あぁ、それなら大丈夫だ。セシリアと結婚の約束してるから」
千冬「・・・え?」
一夏「だから千冬ねえも良い人早く見つけてくれよな!」
千冬「・・・・・・邪ッ!!」
一夏「ぎゃあああああああああ!!!」
終わり
一夏(不用意に出歩いてセシリアに会ったら嫌だから早く部屋に戻ろう)
一夏(セシリアが俺をどれだけ好きかなんて数値知りたくないしな)
セシリア「あら、一夏さーん」
一夏「げぇっセシリア!?なんでこんな時に!」ダダダダッ
セシリア「な、なんで逃げるんですの!?一夏さん!」
一夏「来ないでくれーー!」
セシリア「どうして!逃げるんですの!」
一夏の部屋
一夏「・・・はぁ・・・はぁ・・・なんとか逃げ切れた・・・」
ドアバーン!
セシリア「一夏さん!!」
一夏「なっ、なんで来ちゃうんだよ!」
『ピピピピッ 302』
一夏「あぁ・・・」
セシリア「どうして逃げたのか説明してくださいませ!」
一夏「・・・今はセシリアの顔見たくなかったんだ」
セシリア「っ・・・どうしてですの?わ、わたくしがなにかしましたか?」
『ピピピッ 270』
一夏「あれ?下がった」
セシリア「ぐすっ、一夏さん!!」
一夏「セシリア」
セシリア「っ・・・はい」
一夏「愛してるぞ。世界で一番」
セシリア「ふぁっ・・・」
『ピピピッ 581』
一夏「やっぱり!」
一夏「セシリア!」
セシリア「はひっ!?」
一夏「愛してる!お前に夢中だ!!好きだ!!結婚してくれ!!!」
『ピピピピピ 13000』
セシリア「わ、わたくしも世界で一番愛していますわーーー!!」
一夏「セシリアーーーーーーーーーー!!」
結論:セシリアはちょろ可愛い
終わり
終わりだ。もう保守してもこれ以上はないぞ。
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