シンジ「そろそろバレンタインデーか……」(151)
シンジ「……訓練終了っと」
ミサト『シンジくん。お疲れ様。先に帰ってていいわよー』
シンジ「はい」
初号機「……」
シンジ「それじゃあ」
初号機「……」
シンジ「はぁ……。そろそろバレンタインデーか……」
シンジ「今年も自分でチョコ作ろうかな」
初号機「……」
アスカ「んー……。疲れたー」
レイ「……」
ミサト『二人ともお疲れー。アスカー、シンジくんは先に帰ったわよー?』
アスカ「知らないわよ」
ミサト『そろそろあの日だけど、アスカとレイはシンちゃんにあげるのー?』
アスカ「はぁ!?なんでこのアスカ様がそんなことしなきゃいけないのよ!?」
レイ「あの日ってなんですか?」
ミサト『大切な人にチョコレートをあげる日じゃない。レイは知らなかった?』
レイ「はい」
初号機「……」
アスカ「全く。くっだらいイベントよね!!それじゃあね、ミサト!!」
ミサト『はいはーい』
初号機「……」
マヤ「先輩、そろそろバレンタインですね」
リツコ「そうみたいね」
マヤ「今年もあの店のチョコを買ってきます。一緒に食べませんか?」
リツコ「ええ。構わないわよ?」
マヤ「やった」
リツコ「本命はいないの?」
マヤ「い、いつもお世話になっている先輩にあげたいんです。そもそも別にその、意中の異性にあげるだけがバレンタインじゃないですし」
リツコ「そうね。義理チョコは親が子に渡すことあるものね」
マヤ「はい」
初号機「……」
リツコ「異常はないわね。次に行きましょう」
マヤ「はい」
初号機「……」
冬月「碇」
ゲンドウ「なんだ?」
冬月「レイがチョコの原材料を訊ねてきた」
ゲンドウ「何故だ?」
冬月「そろそろ2月14日だからな」
ゲンドウ「……」
冬月「もらえるかもしれないな」
ゲンドウ「ああ……問題ない……」
冬月「しかし、あのレイが手作りのチョコを……。一応、市販の板チョコを溶かして好きな形に固めなおせと助言をしておいた」
ゲンドウ「そうか……たすかる……」
初号機「……」
冬月「楽しみだな、碇」
ゲンドウ「ああ。我々の望みまであともう少しだ」
初号機「……」
加持「葛城、よっ」
ミサト「珍しいわね。どうしたの?」
加持「14日はこっちにいられそうになくてな。先に貰っておこうと思って」
ミサト「何を?」
加持「君からの義理チョコをさ」
ミサト「は?」
加持「それとも本命だったかな?」
ミサト「もう、やめてよ……」
加持「葛城の自身でも……俺はいいけどな……。こっちのほうがビターで……」
ミサト「あ……」
初号機「……」ゴゴゴゴ
加持「なんだ?」
ミサト「今、エヴァが動いた?」
初号機「……」
ミサト「気のせいか……」
アナウンス『消灯します』
初号機「……」
弐号機「……」
零号機「……」
初号機「……」ゴゴゴゴ
弐号機「……」
初号機「……」ゴゴゴゴゴゴ
零号機「……」
初号機「……」パキンッ
初号機「オォォォォォォ!!!!!」
アナウンス『異常発生。異常発生。職員は非常時マニュアルに沿って行動してください』
リツコ「何事……!?」
マヤ「初号機から異常なエネルギー反応!!これは暴走状態です!!!」
リツコ「ありえないわ!」
ゲンドウ「何があった?」
日向「原因は不明です!!突如、初号機が暴走を始めました!!」
冬月「固定ロックは?」
青葉「破損しました!!初号機は暴れています!!」
冬月「碇、どうする?」
ゲンドウ「初号機の動きを止めろ」
マヤ「ベークライトを使います!!」
日向「ベークライト注入開始!!」
初号機『オォォォォォォォ!!!!!!』
リツコ「他のエヴァは無事なの?」
マヤ「零号機の頭部をひたすら殴ってますね……」
リツコ「どういうこと……」
ゲンドウ「ユイ……」
初号機『オォォォォォ!!!』
翌日
シンジ「初号機が凍結?どうして……」
ミサト「昨晩、ちょっち問題が起こったみたい。暴走したんですって」
シンジ「暴走……」
ミサト「だから、しばらくは初号機パイロットはお休みしてもらうわ。レイかアスカが出撃できないときには貴方にやってもらうけど」
シンジ「分かりました」
ミサト「それじゃあね」
シンジ「あ、ミサトさん。初号機に会えますか?」
ミサト「え?いいけど……」
シンジ「ありがとうございます」
ミサト「何かあるの?」
シンジ「いえ、顔だけでも見ておかないとなんだが、落ち着かなくて」
ミサト「そう……。優しいのね、シンジくん」
初号機「……」
シンジ「酷い……。これじゃあ、動けないじゃないか」
初号機「……」
シンジ「ふーん……ふーん……。ダメだ。やっぱり、とれないや」
初号機「……」
シンジ「何かあったの?」
初号機「……」
シンジ「暴走したって聞いたけど、何か嫌なことでもされたの?」
初号機「……」
シンジ「父さん?」
初号機「……」
シンジ「それともミサトさんかな?」
初号機「……」
シンジ「綾波やアスカじゃないでしょ?」
初号機「……」
シンジ「ネルフスタッフ?」
初号機「……」
シンジ「これだけざっくり言っても反応がないんじゃ……。まさか、エヴァ?」
初号機「……ォ」
シンジ「エヴァなんだね!?」
初号機「……ォォ」
シンジ「零号機?」
初号機「グォォ」
シンジ「そうなんだ……。だから零号機の頭が無くなってるのか……」
初号機「……」
シンジ「でも、手を出したほうが悪いと思うよ。きっと凄く傷つくことを言われたんだろうけど……」
初号機「……」
レイ「碇くん」
シンジ「綾波。どうしたの?」
レイ「ここにいるって、葛城一佐が」
シンジ「うん。何か用かな?」
レイ「碇くん、チョコレートは好き?」
シンジ「え……ど、どうして……」
レイ「もうすぐ、バレンタインだから……碇くんにあげようとおもって……」
シンジ「あ、綾波……」
初号機「……」
レイ「……だめ?」
シンジ「そ、そんなことないよ!!とってもうれしい!!」
レイ「よかっ―――」
初号機「……」ゴゴゴゴゴ
レイ「え……?」
シンジ「な、なに……?エヴァが……」
マヤ「緊急事態!!初号機が起動しました!!!」
ゲンドウ「……ユイ」
冬月「なにがあった?」
日向「原因は不明!!初号機に異常なエネルギー反応を確認しました!!」
ミサト「ベークライト用意!!」
青葉「待ってください!碇シンジ、綾波レイを確認!!このまま注入を開始すれば巻き込まれます!!」
ミサト「何ですって!?」
リツコ「すぐに退避させて!!」
マヤ「ダメです!!初号機が起動した所為で通信装置に異常発生!!こちらの音声、届きません!!!」
ミサト「あたしが行くわ!!」
リツコ「ミサト!!」
初号機『オォォォォォォォォ!!!!!』
シンジ『危ない!!綾波ぃ!!』ギュッ
レイ『……』
初号機『ゴボゴボゴボ……』
青葉「初号機!!沈黙!!」
日向「ベークライトの海に沈みました!!」
ミサト「はぁ……はぁ……。大丈夫?」
シンジ「ありがとうございます……ミサトさん……」
レイ「助かりました」
ミサト「ううん……いいのよ……ふぅ……」
ゲンドウ「シンジ……」
シンジ「と、父さん……なに……?」
ゲンドウ「何をした?」
シンジ「な、何もしてないよ」
ゲンドウ「……」
シンジ「本当だよ!!!」
ゲンドウ「そうか……」
レイ「……」
シンジ「でも、エヴァはどうしていきなり……」
レイ「私の所為かもしれないわ」
シンジ「え?どうして……?」
レイ「……なんとなく、そう思うだけ」
シンジ「綾波の所為なわけないよ」
レイ「……」
リツコ「とにかく原因を突き止めないと、今後の運用に支障がでるわね」
マヤ「ですね……」
冬月「碇。どう思う?」
ゲンドウ「……」
冬月「やはり、お前の息子とレイか」
ゲンドウ「可能性はある……」
冬月「ふむ……」
初号機「……」
シンジ「……ねえ、どうしちゃったんだよ。今までこんなことなかったじゃないか」
初号機「……」
シンジ「息苦しくない?」
初号機「……」
シンジ「僕、何かしたかな?」
初号機「……」
シンジ「もし、そうなら……ゴメン……」
初号機「……」
シンジ「また、来るから……」
アスカ「バカシンジー。ミサトが呼んでるわよ」
シンジ「うん。今行くよ」
初号機「……」
シンジ「初号機に乗るんですか?」
ミサト「ええ。危険かもしれないけど、原因がイマイチ分からないのよね」
リツコ「各システム、駆動系共に異常なし。理論の上では何も問題はないの」
シンジ「そうなんですか……」
ミサト「次は起動させてみて問題点を探ってみようって話になってね。そこでシンジくんには今からエヴァに搭乗してもらうから」
シンジ「わかりました」
リツコ「でき得る限りの安全対策は施しているから心配はしないで。不測の事態でもきちんと対応できるようにしています」
シンジ「はい」
ミサト「大丈夫よ。今まで私たちを守ってきてくれたんですもの。シンジくんが内側から語りかけたら初号機も機嫌を直すわ」
シンジ「やってみます」
マヤ「では、シンジくん。エントリープラグへ」
シンジ「はい」
リツコ「……大丈夫かしら」
ミサト「心配ないわよ。シンジくんならね」
シンジ「……」
マヤ『初号機、起動します』
シンジ「……」
ミサト『シンジくん。何か違和感はある?』
シンジ「いえ。特にありません」
ミサト『そう……。てことは、パイロットでもないと』
リツコ『分かりました。暫く待っていて』
シンジ「はい」
シンジ「……ねえ。何があったの?」
シンジ「教えてくれないかな?」
シンジ「……って、応えてはくれないよね」
マヤ『エントリープラグの放出開始』
シンジ「……?」
ミサト『どうしたの?』
マヤ『エントリープラグの放出開始します……。もう一度……。ダメです、反応ありません』
シンジ「どういうことですか!?」
リツコ『もう一度、最初から』
マヤ『はい!!』
シンジ「ミサトさん!!どうしたんですか!?ミサトさん!!!」
ミサト『心配ないわ。すぐに出してあげるから』
マヤ『信号拒絶!!!ダメです!!エントリープラグの射出も不可能です!!』
リツコ『手動に切り替えて!!』
マヤ『何度もやってます!!』
ミサト『リツコ!!』
シンジ「ミサトさん!!ミサトさん!!!」
ゲンドウ『……』
シンジ「父さん!!なんだよこれ!!!どういうことだよ!!!」
ゲンドウ『すまん、シンジ』
シンジ「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
マヤ『初号機に高エネルギー反応!!!大変危険です!!!』
初号機「オォォォォォォォォ!!!!!!!」ゴゴゴゴゴゴ
ミサト『緊急時プランに切り替えるわ!!アスカ、レイ!!』
アスカ『ったく、何やってんのよぉ』
レイ『準備できました』
ミサト『初号機の保護を最優先!!いいわね!?』
アスカ『りょーかい』
レイ『了解しました』
初号機「……」ゴゴゴゴゴ
弐号機『おらぁ!バカシンジなにして―――』
初号機「……」ピカッ!!!!
弐号機『ひっ―――』
ドォォォン!!!
マヤ『弐号機!!活動停止!!!』
零号機『……碇くん……』オロオロ
初号機「オォォォォォォ!!!!」
初号機「オォォォォォォ!!!!!」ガンガンガン!!!!
日向『初号機、特殊装甲版の破壊を開始!!』
ミサト『何よ、外に出たいってこと?』
レイ『外に出してみては?』
ゲンドウ『何故だ、レイ?』
レイ『初号機は外でなにかをしようとしています』
ミサト『分かるの?』
レイ『はい』
ゲンドウ『レイ、初号機をカタパルトに移動させろ』
レイ『はい』
ミサト『司令!!』
ゲンドウ『構わん。レイに任せる』
零号機『こっちに……』ギュッ
初号機「……ォォ」
ミサト『ロック、全部外して!!!』
ジオフロント
初号機「……」
零号機『碇くん、聞こえる?』
シンジ『な、なんとか……。どうなったの?』
レイ『分からないわ』
シンジ『そうなんだ……』
初号機「オォォォ!!!」
零号機『どうしたの?』
初号機「オォ……ォォォ……」
零号機『ネルフ本部の隣の空洞がどうかしたの?』
初号機「ォォォ……ォォォォン」
零号機『……?』
シンジ『綾波、なんて言ってるの?』
レイ『分からないけど、本部の隣の穴に何かを流し込んで欲しいみたい』
初号機「オォォォ……ォォォン」
零号機『碇司令。本部の隣の空洞に何かを流し込んでみてもらえますか?』
ゲンドウ『分かった。水で満たせ』
マヤ『水ですか?しかし、かなりの時間と予算が……』
ゲンドウ『構わん、やれ』
マヤ『分かりました。注水を開始します』
初号機「グォ!?」
零号機『今、水を入れて―――』
初号機「オォォォォォォ!!!!!」
シンジ『綾波!!逃げて!!!』
零号機『違うの……?』
初号機「オォォォォォ!!!!!」ガキィィィン
零号機『ぐっ……!!』
ミサト『レイ!!!弐号機は!?』
リツコ『まだ動けないわ』
初号機「オォォォォォ!!!!!」グググッ
零号機『うぅ……!!』
マヤ『初号機!!零号機の頸部を圧迫!!!』
冬月『神経接続を20パーセントカットしろ』
ゲンドウ『シンジ』
シンジ『と、父さん……』
ゲンドウ『ユ……初号機は何を望んでいる?』
シンジ『そんなの分かる訳ないじゃないか……』
ゲンドウ『お前は初号機パイロットのはずだ。何故、わからん』
シンジ『そんなこと言われても分かる訳ないじゃないか!!!勝手なこと言わないでよ!!!作ったの父さんたちでしょ!?父さんのほうがわかるんじゃないの!?』
ゲンドウ『分かればお前に聞いてはいない。少しは考えろ、シンジ』
シンジ『僕のことは何も考えていないじゃないか!!!』
初号機「オォォォォ!!!!!」
零号機『み、ず……を……とめて……』
ミサト『注水中止!!』
初号機「……ォ?」
零号機『はぁ……はぁ……』
ミサト『水じゃないってことは……』
リツコ『注入できるものは限られているわよ?』
ミサト『そうよね……』
初号機「オォォ。ォォォォン。オーン」
零号機『水ではないのね?』
初号機「オォォォォ」
零号機『この場所に注入できるものはなんですか?』
ミサト『すぐに流し込めるのはベークライトと生活排水ぐらいだけど』
シンジ『排水はまずいと思います』
レイ『ベークライトをお願いします』
シンジ『綾波、いいの?もし間違っていたら……』
レイ『心配ないわ。私が死んでも代わりはいるもの』
シンジ『綾波……』
マヤ『ベークライト、注入開始します』
ドロドロ……
初号機「グォォ!?!」
零号機『それでよかった?』
初号機「……」
ミサト『正解だったか……』
リツコ『でも、何が目的なのかしら?』
ミサト『あの空洞を埋めたかったんじゃない?ほら、なんか穴が開いてたら埋めたくなるでしょ?』
リツコ『蟻の巣に悪戯する子供じゃないんだから……』
初号機「……」キョロキョロ
零号機『……?』
初号機「オォォ……」ガキィィン
マヤ『初号機!!パレットライフル装備!!!』
初号機「……」グルグル
マヤ『初号機!!パレットライフルでベークライトをかき混ぜています!!!』
初号機「……」グルグル
ゲンドウ『ユイ……何をしている……』
冬月『あの姿、ユイくんがキッチンに立っているようだな』
ゲンドウ『ああ……懐かしい……』
零号機『碇くん。平気?』
シンジ『ありがとう、綾波。大丈夫だよ』
レイ『エヴァは何がしたいの?』
シンジ『わからないよ。エヴァってこんなにも自由に動くってことも知らなかったし』
初号機「……」グルグル
マヤ『ベークライト、固着が始まりました』
初号機「グォ……?」ググッ
零号機『もう固まったみたいね』
初号機「……」
マヤ『パレットライフル一丁、使い物にならなくなりました』
初号機「……」パキンッ
初号機「オォォォォォ!!!!!!!!!」
零号機『……!』ビクッ
ミサト『弐号機は!?』
日向『まだです!!』
ミサト『レイ!!時間稼ぎして!!』
零号機『了解』
シンジ『綾波!!逃げて!!』
初号機「オォォォォォォォ!!!!!!!オォォォォォォォォン!!!!!!」
零号機『碇くんを助ける……』
初号機「■■■■■■■―――!!!!!!」
ミサト『レイ!!来るわよ!!』
零号機『……!』
初号機「オォォォン……オォォォン……!!」ドシンッドシンッ!!!
零号機『え……?』
マヤ『初号機!!!地団駄を踏んでいます!!!!』
ゲンドウ『ベークライトも違うということか』
冬月『では、もうお手上げだな……』
ミサト『レイ!!とにかく初号機を押さえ込んで!!本部が揺れるの!!』
レイ『了解』
初号機「オォォン!オォォン!!」
零号機『大人しくして……』ギュッ
初号機「オォ……ォォ……」
シンジ『綾波……。優しいね……』
レイ『そんなことないわ』
リツコ『初号機はかき混ぜるような動作をしていたわね……』
マヤ『つまり、かき混ぜるようなものをあそこに入れろといっているのでしょうか?』
ミサト『かき混ぜるようなもの……?』
シンジ『カレー……』
ゲンドウ『……カレーだ』
ミサト『カレーですか!?』
本部
ミサト「司令!!しかし、あそこを満たすほどのカレーなんてすぐには用意できません!!」
ゲンドウ「構わん、やれ」
ミサト「そういわれましても……」
日向「材料費の問題もあるし……」
青葉「それ以前に、数年間は臭いがとれないかもしれない」
マヤ「ずっとカレー臭い職場なんて嫌です……」
日向「誰だって嫌だよ」
リツコ「具を考慮しなければ、比較的安価で済みそうよ?」
ミサト「リツコ、やる気なの?」
リツコ「MAGIの回答もご覧の通りよ」
MELCHIOR・1『賛成』
BALTHASAR・2『条件付賛成』
CASPER・3『チョコレートだと思います』
ミサト「……なら、やりますか」
ジオフロント
ミサト『レイ。用意するのに時間がかかるから初号機を宥めておいてくれる?』
レイ『了解』
ミサト『シンジくんもお願いね』
シンジ『やれることはやります』
初号機「……」
零号機『すぐに用意してくれるらしいわ』
初号機「……ォ?」
零号機『ええ。すぐに出てくるから』
初号機「オォン」
シンジ『でも、本当にカレーなのかな……?』
レイ『どうしてそう思うの?』
シンジ『エヴァが暴走したとき、僕たちは何をしていたかなって……』
レイ『……私は碇くんに……強く……抱きしめられていたわ……』
シンジ『あ、綾波……そうじゃなくて……』
日向『弐号機の修復、完了しました!!』
ミサト『よし。アスカ、いける?』
アスカ『いけるわよぉ!!!早く出して!!』
ミサト『はいはい。やることは分かってる?』
アスカ『初号機を宥めること!!でしょ!?』
ミサト『せーかい。んじゃ、エヴァンゲリオン弐号機!!リフト・オフ!!!』
弐号機『おっしゃー!!!』
シンジ『アスカ、もう平気なの?』
零号機『……』
初号機「グォ……」
弐号機『ふん。バカシンジに心配されるほどおちぶれて―――』
初号機「オォォ……!!」ゴゴゴッ
零号機『あ……』
弐号機『ん?なによ?』
初号機『オォォォォォォォ!!!!』ピカッ!!!!
弐号機『そう何度も同じ手はくわないわ、よぉぉぉ!!!!』ガキィィィン!!!
初号機「オォォォォォォォ!!!!」
零号機『あぁ……』
シンジ『アスカ!!やめてよ!!!これ以上は……!!』
弐号機『バカシンジは黙って―――』
初号機「オォォォォォォン!!!!!」バキィィ!!!!
マヤ『初号機!!渾身のドロップキックです!!!』
冬月『荒れてるな』
ゲンドウ『ああ』
弐号機『なにすんのよ!!!バカシン―――』
初号機「グォォォォ!!!!」グググッ
アスカ『がっ……!?』
マヤ『初号機!!弐号機にチョークスリーパーホールドを極めました!!!』
弐号機『やめて……やめて……』ペシッペシッ
初号機「オォォォォ……!!!」ググッ
レイ『貴方のバカシンジに反応しているみたい』
アスカ『な、んですって……?だ、って……バカシンジなんだが―――』
初号機『オォォォ!!!』グイッ
アスカ『らぁ!?』
シンジ『アスカ、謝ったほうがいいよ……。エヴァはなぜか怒ってるみたいだから……』
アスカ『な、んで……わた……し……がぁ……』
初号機「オォォォォォ……」グググッ
シンジ『アスカ!!強がっちゃだめだよ!!』
アスカ『くっ……。ご……ごめん……なさい……』
初号機「ォォォ?」
弐号機『も、もう……いわない……から……』
初号機「……」パッ
弐号機『ごほっ……えほ……』
初号機「……」ゲシッ!!
弐号機『きゃぁ!?お尻を蹴らないでよ!!!』
本部
リツコ「暴走してからの時間は?」
マヤ「既に3時間と18分が経過しています」
ミサト「自己ベスト更新ね」
アスカ『ミサトぉ!!早くカレーでもシチューでも流し込んでよ!!こんな奴の相手なんてしてられないわ!!』
ミサト「分かってる。ちょっち待ってて」
アスカ『そのちょっちはあと何時間よ!!』
ミサト「うーん……10時間?」
アスカ『殺すきぃ?!』
マヤ「カレーはそんなにすぐにできません」
アスカ『さっさとやりなさいよ!!!』
ミサト「はいはい」
リツコ「無様ね」
ミサト「弐号機でも初号機のアレには勝てないか……」
ジオフロント
レイ『まさかこんなことになるなんて……』
アスカ『全くよ。こっちだって忙しいんだから』
シンジ『忙しいって、アスカは家に居ても何もしないじゃないか』
アスカ『ぬぁんですってぇ!?バカシ―――』
初号機「……」
アスカ『……シンジ……くんの癖に……生意気いうんじゃないわよ……』
シンジ『アスカ、家で何かしてるの?』
アスカ『してるわよ。あんたと一緒にしないで』
シンジ『何してるの?あ、そういえば最近、台所が酷く汚れてるときがあるけど、あれアスカがやってるの?てっきりミサトさんかと……』
アスカ『うるさいわねー。アンタには関係ないんだから、いいでしょ?』
シンジ『もう……』
レイ『私もできればすぐに帰りたいわ』
シンジ『綾波もどうして?』
レイ『チョコレート作り、練習してるから』
初号機「……」
シンジ『あ、綾波……』
レイ『……碇くんに……食べて欲しいから……』
シンジ『う、うん……』
レイ『……ごめんなさい。変なこといって』
シンジ『そ、そんなこと……』
アスカ『ちょっと!!!あんたたちぃ!!!』
初号機「オォォォォォォ!!!!!」ダダダダダッ!!!!
マヤ『初号機!!移動!!!』
零号機『碇くん!!』
弐号機『どこいく気よ!!』
シンジ『し、しらないよ!!』
初号機「……」
マヤ『初号機、本部の影に隠れました』
ミサト『何がしたいのかしらね……』
ミサト『みんな、起きてる?』
アスカ『ん……?できたのぉ……?』
レイ『……』
シンジ『ミサト……さん……?』
ミサト『流し込むわよ。初号機のことお願いね』
アスカ『ふわぁぁ……はぁーい……』
シンジ『おねがいします……』
ミサト『レイー?』
レイ『……』
ミサト『レイっ!!!』
レイ『……寝てません』
ミサト『今からカレーを注入するわね』
レイ『はい』
零号機『来るわ』
初号機「ォォォォ?」
ドドドドドドド……!!!
弐号機『うぇ……カレーの滝じゃない……』
シンジ『うっ……すごい匂いだ……』
零号機『……』
初号機「グォォォ」
弐号機『な、なによ?』
初号機「ォォォォ。オォォォ」ブンッブンッ
弐号機『なに?ソニック・グレイブでも欲しいの?』
初号機「オォォン」
弐号機『ちょっと、待ってて……』
初号機「ォォォ……」
弐号機『はい』
初号機「オォォォォン!!!」
マヤ『初号機!!ソニック・グレイブを装備!!』
初号機「……」グルグル
マヤ『初号機、ソニック・グレイブでカレーをかき混ぜています!!』
ミサト『これで満足してくれたらいいんだけど……』
リツコ『さぁ、どうでしょうね』
初号機「……」グルグル
弐号機『楽しい?』
初号機「グォ!」
弐号機『なによ!?』
零号機『邪魔するなって言っていると思う』
弐号機『邪魔って……。シンジ。なんとか言ってやりなさいよ』
シンジ『この状態のエヴァに何を言っても意味ないよ』
弐号機『まぁ、そうでしょうけど』
零号機『納得するまで好きになせるべきね』
弐号機『納得するんでしょうね?』
初号機「……」グルグル
初号機「……」
マヤ『初号機、動作停止』
弐号機『もういいわけ?』
初号機「……」
弐号機『次はどうするわけ?』
初号機「ォォォォ!!オォォォォ!!!」ブルブル
シンジ『なに?エヴァは何をしてるの?』
弐号機『寒がってる……?あぁ、これを冷やすのね』
初号機『オォォォン』
弐号機『ミサトー、冷やすやつー』
ミサト『液体窒素を用意するわ』
弐号機『早くしてよねー』
零号機『……』
シンジ『綾波、大丈夫?』
零号機『……寝てません』
マヤ『いいんですか?液体窒素を入れてしまうとカレーが食べられなくなりますが』
ミサト『でも、あんなものを冷やすってそれぐらいしかないでしょ』
リツコ『冷凍弾なんて作れないしね』
日向『液体窒素、注入準備完了しました!!』
ミサト『よし!!注入開始!!!』
ゴゴゴゴ……
弐号機『きたきた』
初号機「……ォ?」
零号機『もうすぐね』
ミサト『はーい。もう冷えたでしょ』
弐号機『さ、これでいいわね?』
初号機「……」チャポ
マヤ『初号機、カレープールに指を突っ込みました』
初号機「……」ペロッ
マヤ『初号機、味見を開始しました』
初号機「……」
零号機『美味しい?』
弐号機『まぁ、美味しくはないでしょうね』
シンジ『カレーの味が口に広がる……』
初号機「……」パキンッ
マヤ『初号機に高エネルギー反応』
ミサト『アスカ!!レイ!!!』
初号機「オォォォォォォォォ!!!!!!」
弐号機『もう!!なんなのよ!?何がしたいわけ!?』
零号機『……』
シンジ『アスカ!!綾波!!にげてぇ!!!』
初号機「オォォォォ!!!!」ガシッ
弐号機『ちょっと!!何をするつもりよ!!!離しなさいよ!!!』
初号機「グォォォォ!!!!!」ポーイッ
弐号機『きゃぁぁ!!!!』
ドボォン!!!
マヤ『弐号機と初号機がカレーの海に入りました』
ミサト『シンジくん!!アスカ!!!』
初号機「オォォォォォォ!!!!!」グググッ
弐号機『ちょ……やめ……!!いきがぁ……!!!』
シンジ『アスカ!!!やめろよ!!!アスカが溺れちゃうよ!!!!』
初号機「オォォォォォン!!!!!」
零号機『食べてみろと言わんばかり……』
ゲンドウ『ユイ……どうした……何故、私の手を離れていく……』
冬月『ユイくん……』
初号機「オォォォォ!!!!」
アスカ『ご、め……な……さ、い……!!!い、き……で……き……!!』
初号機「オォォォォォォォ!!!!!!」
シンジ『うわぁぁぁぁぁ!!!!!』
ミサト『レイ!!アスカを救出して!!!』
本部
日向「弐号機パイロット、救出!!生命反応はあります!!」
ミサト「すぐに医務室に運んで!!!」
リツコ「私も行くわ」
マヤ「ふぁぁ……」
冬月「まるで狙いが分からんな……」
ゲンドウ「ああ……我々は今、試されている……」
初号機『オォォォォォォ!!!!!!』
シンジ『もうたくさんだ!!!!父さん!!とめてよ!!!!エヴァを壊してよぉ!!!!とーさぁぁぁん!!!!』
レイ『碇くん……』
ゲンドウ「初号機の目的が掴めるまではそのままだ」
シンジ『もういやだぁぁぁぁ!!!!僕をここからだして!!!だしてよ!!!!』ドンッドンッ!!!
ゲンドウ「駄々をこねるな」
初号機『オォォォォォォン!!!!!!』
レイ『碇くん……臭うわ……』
シンジ『どうしようもないよ……』
初号機『……』
ミサト「うーん……。一体、何が……」
加持「葛城。大変そうだな」
ミサト「ええ。もうすっごくね。貫徹よ」
加持「これじゃあ、葛城の特製チョコレートはお預けかな」
ミサト「そんなのないわよ」
加持「本命でもいいんだけどな」
ミサト「あのね……。ちょっと、待って。そういえばもうすぐバレンタインデーだっけ?」
加持「それを忘れたら、乙女であることを捨てることになるな」
ミサト「……リツコ」
リツコ「何かしら?」
ミサト「MAGIに訊いてみたいことがあるの」
リツコ「分かったわ」
MELCHIOR・1『賛成』
BALTHASAR・2『盲点だった』
CASPER・3『だからチョコレートだって言いました』
ミサト「よし。MAGIもこう言ってるし、行けるわ」
リツコ「次はチョコね……」
日向「つまりエヴァはチョコレートを誰かにあげたいということですか」
ミサト「今までの反応からして、恐らくお相手は……」
ゲンドウ「……」ピクッ
冬月「……」キリッ
ミサト「シンジくんね」
ゲンドウ「……」
冬月「……」
リツコ「一理あるわね」
ミサト「すぐにチョコレートの用意を!!準備が出来次第、注入を開始!!!」
日向「了解です」
ジオフロント
零号機『……』ゴシゴシ
シンジ『ごめん、綾波に掃除を任せて……』
零号機『気にしないで。命令だから』ゴシゴシ
シンジ『ごめん……』
零号機『……碇くん』
シンジ『なに?』
零号機『……また、あとで言うわ』
シンジ『うん……』
初号機「……」
ミサト『レイー。掃除ありがとー。あと2時間でチョコ流すから、まっててー』
零号機『はい』
シンジ『それより、ずっとエヴァを駆動させていますけど、大丈夫なんですか?』
ミサト『子供がそんなこと気にしないの』
シンジ『それならいいんですけど……』
青葉『チョコの注入準備完了しました!!!』
ミサト『注入開始!!』
日向『注入開始します!!!』
初号機「……?」
零号機『これでいい?』
初号機「……」ペロッ
シンジ『チョコの味が広がる……』
初号機「……ォォ」
ミサト『レイ!!警戒して!!』
零号機『……っ』ザッ
初号機「オォォ……ォォォォ……ォォン」ペロペロ
リツコ『エヴァが……喜んでる……』
ミサト『やっぱり、これだったのね』
零号機『よかった……』
ゲンドウ『ユイ……シンジのために……』
初号機「……」シャキン
青葉『初号機、プログレッシブナイフ装備!!』
初号機「……」グルグル
日向『やはりかき混ぜています』
ミサト『レイ。初号機にそのチョコを固形化させるだけの方法はないって言ってくれない?』
レイ『分かりました』
零号機『……あの』
初号機「グォ!?」
零号機『そのチョコを固める術はないの。諦めて』
初号機「ォォォ?オォォォン?」
零号機『ええ、そうよ。無理なの』
初号機「ォォォォ……ン」
零号機『ごめんなさい』
初号機「……」
シンジ『どうしたの?チョコを食べられたんだから、いいじゃないか』
ゲンドウ『シンジ……。ユ……初号機はお前にチョコを渡したいのだ』
シンジ『僕に?エヴァが?』
ミサト『そうとしか思えないの。初号機がとった今までの行動を考えるとね』
シンジ『そうだったの……?』
初号機「……ォォ」
シンジ『ごめん……。そんなことだって気付かなかったよ……。でも、ありがとう』
初号機「……」
シンジ『アスカのこともあるから、その素直に喜べないけど……。その気持ちは嬉しいから』
初号機「ォォ……」
シンジ『だから、ありがとう。あのチョコレートは貰うね』
初号機「オォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!」
ミサト『エヴァも恋をするのね』
リツコ『そうじゃないと思うわ。あれは義理よ』
ミサト『えー?本命じゃないの?』
リツコ『ありえないわ』
零号機『……碇くん』
ミサト『よし、初号機を回収しましょう。もういいでしょ』
日向『ですね』
初号機「オォォォォォ!!!!」プシュ
青葉『待ってください!!エントリープラグ射出信号が!!!射出後、ドアロックも自動で解除されるようになっています!!!』
ミサト『なんですって!?じゃあ、射出と同時にシンジくんが外に投げ出される!!!』
リツコ『まずい!!プラグが!!!』
シンジ『え……ミサトさん!?なんか変ですよ!!!ミサトさん!!!!』
零号機『碇くん……あぶない……』オロオロ
日向『ダメです!!こちらの信号、一切受け付けません!!!』
ミサト『まさか!!!シンジくんをチョコの海に!!!』
初号機「オォォォォォォォォォ!!!!!!!」バシュッ!!!!
シンジ『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』
ドボォン!!!
ミサト『回収班急いで!!!シンジくんが溺死するわ!!!』
医務室
シンジ「は……!!」
シンジ「知らない天井だ……」
レイ「……」
シンジ「綾波……」
レイ「気がついたのね。食事はこれ」
シンジ「ありがとう……」
レイ「調査報告が聞く?」
シンジ「調査報告……?」
レイ「初号機の異常動作について」
シンジ「……うん」
レイ「1006時。第一次エヴァンゲリオン初号機の暴走。これは綾波レイ、碇シンジがバレンタインの会話を初号機の前で交わしたことによるもの」
レイ「翌0331時。第二次エヴァンゲリオン初号機の暴走。チョコを所望していたのにカレーが出てきたことによるもの」
レイ「0940時。第三次エヴァンゲリオン初号機の暴走。碇シンジにチョコレートを食べて欲しいためにエントリープラグを強制射出した。……以上。質問、ある?」
シンジ「……ありがとう。ないよ」
レイ「そう……。それじゃあ、私、行くから」
シンジ「ありがとう……綾波……」
レイ「それから……これ……」
シンジ「え?」
レイ「チョコはもういいと思って、クッキー焼いたの。よかったら、食べて」
シンジ「いいの?」
レイ「ええ。碇くんのために作ったものだから」
シンジ「大切に食べる」
レイ「それじゃあ」
シンジ「うん……」
シンジ「……」
シンジ「……」クンクン
シンジ「取れないや……チョコの匂い……」
シンジ「あのチョコプール、どうしたのかな……」
本部
ミサト「そう。シンジくんも目を覚ましたのね」
レイ「はい」
ミサト「ありがとう」
リツコ「でも、これから大変ね。シンジくんの誕生日なんかにも初号機は動き出すかもしれないわ」
ミサト「そうよね。パーソナルデータは初号機の中にも入っちゃってるし」
レイ「……」
マヤ「おはようございます」
リツコ「おはよう」
ミサト「それにしてもあのチョコプールどうするわけ?」
リツコ「司令があのままでいいと言っていたわよ」
ミサト「マジ?」
マヤ「モニターチェック始めます……。ん?チョコプールに誰かいる……」
冬月『ユイくんのチョコだ……無駄にはできんな……』パチャパチャ
ゲンドウ『ああ……問題ない……』パチャパチャ
葛城宅
シンジ(散々なバレンタインデーだったけど……。綾波からクッキーもらったし、いいかな)
シンジ「あれ……なにか、入ってる……手紙かな……」ペラッ
『碇くんへ ホワイトデーは碇くんのチョコが欲しいです。 綾波レイ』
シンジ「……」
アスカ「シンジ!!」
シンジ「なに?」
アスカ「ちょっと……チョコレート作りすぎて……余っちゃったから……あげるわ」
シンジ「ゴメン。僕、チョコ苦手になったんだ」
アスカ「……」
シンジ「あと、アスカ……カレー臭いね」
アスカ「なによぉぉぉぉ!!!バカシンジぃぃぃ!!!!」
シンジ「うわ!!くっついてこないでよ!!本当に臭いんだよ!!」
アスカ「臭い臭いいうなぁ!!!!」
本部 格納庫
レイ(ホワイトデー……。副司令に教えてもらったイベント……。これで碇くんのチョコを……)
アスカ「あーもー!!ちょーむかつくぅ!!!」
レイ「……」
アスカ「バカシンジのくせにぃ……私のチョコを一回拒否して……!!」
レイ「……何を苛立っているの?碇くん、貴方のチョコレート美味しいって言っていたわ」
アスカ「あ!?」
レイ「……」
アスカ「ふんっ。どうせ、お世辞でしょ」
レイ「貴方も碇くんからホワイトデー、何か貰うつもりなの?」
アスカ「そうねー。ま、別に欲しいものもないしー、アイツのセンスにまかせるわ」
レイ「そう……」
アスカ「でも、こうチョコをあげたんだから、チョコがいいわよね」
レイ「そうね」
初号機「……」
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И:::::「 ( : : f;j: : q} {p: :f;j : : )j:::}: ト
八从 `¨¨¨¨´/ ',`¨¨¨¨´ }厶リ
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八 '. / ( い
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一ヵ月後 格納庫
ミサト『はーい、シンちゃん、おつかれー』
シンジ「お疲れ様です」
ミサト『今からホワイトデーのお返し巡りでもするの?』
シンジ「え、ええ……綾波とアスカに……」
初号機「……」
ミサト『むふふ……結果はあたしに報告してね?』
シンジ「なんの結果ですか……」
ミサト『ま、がんばってね。できるなら、二人とも頂けばいいのよん。あたしが許す』
シンジ「ミサトさん!!」
ミサト『ぶふふ。もう、シンちゃんたらモテモテー』
シンジ「もういいです!!僕は行きますから!!!」
ミサト『はぁーい』
シンジ「はぁ……ホワイトデー……綾波とアスカには何がいいのかなぁ……」
初号機「……」パキンッ
おしまい。
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