ロン「ハリー、ディメンターだ!」ハリー「まかせて!」 (41)

ハリー「エクスp――」

ディメンター「待って」

ハリー&ロン「!?」

ディメンター「すぐにどこかへ行くから乱暴はしないで」

ロン「おっどろき、ディメンターがしゃべったよ
   ハリー、どうする?」

ハリー「どうって…僕がディメンターを苦手なのは知っているだろう?
     きみが話を聞いてくれ」

ロン「…オーケー」

ロン「あー、ディメンターって話せるんだね、初めて知ったよ」

ディメンター「私は特別よ、人間が好きだから頑張って勉強したもの」

ロン「へー……」

ディメンター「だけどそれも意味がなかったわ
        話そうとしてもみんな逃げるか追い払うから」

ロン「僕も今そうしたい気分さ」

ディメンター「そういう気分にさせているのよ、私はディメンターだもの」

ロン「だってさハリー……きみ、どこまで離れているんだい?」

ディメンター「いいの、近くにいると気分が悪いでしょう?
        あなたも早く逃げていいのよ」

ロン「言われなくともそうしますともさ
   謎は解けたし、行こうぜハリー」

ハリー「うん……」

ディメンター「……………」

ハリー「……やっぱり待とう、なんだか可哀相だ」

ロン「きみが苦手だって言ったんだろう?」

ハリー「近寄らなければ大丈夫さ」

ハリー「僕達、すこしきみと話をしようと思う
    いいかな?」

ディメンター「ほんと?いいの?」

ハリー「ここからで良ければね」

ディメンター「うん、我慢する…」

ロン「ねえきみ、どうして人間を持ったんだい?
   きみ達からすれば僕らなんてただのエサみたいなもんだろう?」

ディメンター「…………」

ハリー「ロン、そういう言い方はないんじゃないかな」

ロン「おっと失敬
   それで、どうなんだい?」

ディメンター「最初は私もみんなみたいに何も思わず、ただ幸せな感情を吸っていたの
        だけど少しずつ、そんな素敵な感情を持つことができる人間に興味がわいてきたの」

ロン「へ~、どんな人間がおいしいか知りたくなったわけだ」

ハリー「きみ、さっきからトゲがありすぎじゃないか?」

ロン「当り前だろう?さっき僕はこいつに吸われたんだぜ?
   僕じゃなければとっくに顔面パンチをかましているところさ」

ディメンター「やっぱりどこでも厄介者なのね…」

ハリー「ロン、きみはもう城に帰ったほうがいい」

ロン「そりゃいいや、チョコレートでも食べて温かいベッドでおねんねするさ」

ハリー「歯磨きも忘れずにね」

ロン「ママみたいなこと言うなよ…
   じゃあハリー、気をつけて」

ハリー「えっと、ロンが色々言ったけれど気にしないで
     ちょっと苛々しているだけなんだ」

ディメンター「大丈夫、慣れているから
        それより……優しいのね」

ハリー「そうかな」

ディメンター「うん…」

ハリー「…………」

ディメンター「………」

ハリー&ディメンター「……あのっ」

ハリー「えっ、あ……なに?」

ディメンター「…そっちこそ、なに?」

ハリー&ディメンター「…………」

――――
――


ロン「やあハリー、おかえり
   あのディメンターとは何を話したんだい?」

ハリー「…………」

ロン「ハリー、きみ大丈夫かい?」

ロン「あいつに何かされたなら……」

ハリー「大丈夫だよ、ロン
     なにもされていないし、あんまり話もしていないから」

ロン「そいつは正解だ」

ハリー「だけど……」

ロン「ん?」

ハリー「だけど僕達、その……付き合うことに………なったんだ…」

ロン「ふぇっ?」

ロン「冗談だろう?」

ハリー「いや……」

ロン「さっきの言葉は訂正
   そいつはハリー、大間違いだ」

ハリー「そんなことよりロン、彼女をホグワーツにひっこしさせたいんだけど
     なんとかならないかな」

ロン「スネイプの部屋にでも放りこんでおけよ
   フィルチでもいいな」

ハリー「ロン!まじめな話なんだ!」

ロン「無茶言うなよ、誰かに見つかったら通報されてダンブルドア行きだぜ?」

ハリー「わかってる、だから相談しているんじゃないか」

ロン「近くにいるだけで寒気がするのにどうして隠せって?
   僕よりハーマイオニーにきけよ」

ハリー「わかった、そうする」ダッシュ

ロン「待ったハリー、冗談だ
   きみの頭がイカレたことを……じゃなくてディメンターを隠すためにハーマイオニーはやめた方がいい」

ハリー「なるほど
     ロン、冴えてるじゃないか」

ロン「今のきみよりはね」

ロン「そんな冴えてる僕からアドバイスだ
   このホグワーツにはものを隠すのに最適な部屋がある」

ハリー「彼女は”もの”じゃない!」

ロン「……ごめん」

ハリー「で、それはどこだい?」

ロン「きみの頭は飾りかい?もちろん必要の部屋さ」

ハリー「(゚∀゚)」

ロン「どうやってそこに連れていくかが問題だけど」

ハリー「どうする?」

ロン「さあ」

ロン「さあ?」

ハリー「ここでその答えはあまりに無責任じゃないか」

ロン「すこしは自分で考えろよ、ハリー」

ハリー「…………」

――――
――

ハリー「考えたんだ」

ロン「へえ」

ハリー「いいかい?まずきみがダンブルドア校長に呪いをかける」

ロン「おい」

ハリー「騒ぎになっているうちに僕が忍びの地図を使いながら
     透明マントを被せた彼女を誘導する」

ロン「却下」

ハリー「なぜ?」

ロン「脳みそのお花を全部摘んでからもう一度考えろ」

ハリー「…………」

――――
――

ハリー「普通に夜に連れ込むことにした」

ハリー「女の子を夜に連れ込むなんて……ちょっと緊張するよ
     でも僕達そういうお年頃だよね」

ロン「いや、世界中を探してもきみだけさ」

ハリー「考えていたらもう良い時間だ
     ディミーを迎えにいかなくちゃ」

ロン「ディミー?」

ハリー「ディメンターだからディミーさ、良い名前だろう?」

ロン「…………ああ、うん」

―――
――


ハリー「ふう、ひやひやしたよ」

ロン「まったく、どうして僕まで付き合わなきゃならないんだ」

ディミー「ごめんなさい」

ハリー「ロン!余計なことを言って彼女を悲しませないでくれるかな
    ごめんディミー、ロンも悪気はないんだ」

ディミー「いいの、わかってる」

ロン「…はぁ、もうやってられないよ」

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