月火「お兄ちゃんを家から出さない作戦!」(565)
月火「去年の約束、お兄ちゃんはちゃんと覚えてるよね?」
暦「……何かあったか? ごめん、僕馬鹿だから覚えてない」
火憐「何だと兄ちゃん! 馬鹿は私のキャラだぞ、被るな!」
暦「安心しろ、火憐ちゃんの真っ直ぐ馬鹿さは僕には到底真似できない」
火憐「褒めるなよ兄ちゃん。確かにあたしは、超絶ストレート系アスリート美少女だけどさ……」
月火「火憐ちゃん、褒められてないよ」
火憐「ストレートとアスリートってなんか似てるよな。どっちかが名前をパクってるに違いない」
暦「似てるだけでパクってはいないだろ。大体、似てるといえば世の中似たもの同士ばっかりだぜ」
火憐「はあん、だったら兄ちゃん。似たもの同士対決だな」
暦「どうして僕とお前が対決しないといけないんだ」
火憐「まあまあ、先攻は譲ってやるからさ」
暦「対決を望まない相手に先攻を譲ったところで意味が無い事を理解しろ!」
火憐「先に攻めて……いいよ?」
暦「すげえ! 同じ事言ってるのに先攻したくなっちゃう!」
月火「1レスで脱線しちゃうかな、普通……」
ほう
月火「火憐ちゃん、火憐ちゃん。大事なこと忘れてないよね?」
火憐「んあ? ああ、もちろん。もちのろんだよ月火ちゃん。あたしは大事なことは忘れない」
暦「……で、僕は去年のこの日、何かを約束したのか?」
月火「今日が何の日か知ってる? 5月の第2日曜日」
暦「僕と戦場ヶ原のデートの日」
月火「ちぃーがぁーうぅー!」
暦「違わねーよ!」
月火「ちがうの!」
暦「一体何が違うんだよ!」
月火「もっと大事な日でしょ! お兄ちゃん、去年約束したじゃん!」
暦「だから約束ってなんだよ。僕が忘れてるのを言い訳に、高い買い物でもさせるつもりか?」
月火「今日は母の日! お兄ちゃん、去年の今日に、来年の今日はずっと家にいるって約束したじゃん!」
寒いんです、早く
暦「あっ、あー……」
月火「思い出した? 彼女とのデートも大切だけど、もっと大切なこともあるでしょ」
暦「いや、まあ。そうだけどさ……でもほら、母親の苦労を労わるなんて今日じゃなくてもいいだろ?」
月火「だったら何で母の日なんてあるの」
暦「ようするにきっかけ作りだろ? 日本中が『今日は母の日』ですよって言っておけば、とりあえず今日は母親労わるかってなるだけの」
月火「何それ。大体お兄ちゃん、そういうきっかけが無いとお母さんの苦労を労わったりしないじゃん」
暦「痛いところを突くな……」
月火「今日でなくてもいいとか、明日にすればいいとか。そうやって逃げてるといつまで経っても大人になれないよ」
暦「大学生にもなって、いつまで経っても大人になれないなんて言われるとはな……中学生の妹相手に」
月火「うるさいなあ、もう! こんな事言われて興奮してるんでしょどうせ!」
暦「してねーよ! お前は僕をどんな目で見てるんだ!」
月火「……んん」
暦「……?」
月火「べ、べつ、べつに……」
暦「どうしたんだ、顔が真っ赤だぞ」
素晴らしい
火憐「月火ちゃんは調子が悪いんだ。さあ、今度のクチバトルの相手はこのあたしだぜ」
暦「何でもかんでもバトルとか勝負に関連付けるな。大体、クチバトルってなんだよ。口喧嘩か?」
火憐「クチバトルと朽ち果てるって似てるよな?」
暦「造語を似たもの同士対決に持ち込むんじゃねーよ! つうか、もうその対決はやってねえ」
火憐「はーっ。しかし兄ちゃん、あたしくらいにバトルマニアになると、いつでもどこでもバトらないと自制心ゲージが下がっちまう」
暦「そのネタは一部の人にしか理解できねーよ」
火憐「とにかく兄ちゃん、デートだかなんだか知らないが、あたしを倒さなきゃ外には出さないぜ」
暦「そんな事言っていいのか、火憐ちゃん。僕は妹思いの良い兄貴だけれども、彼女の事となっちゃ悪い兄貴になっちまうぜ」
火憐「悪くて上等だぜ。正義が道を塞ぐのは、目の前に悪がいる時と、後ろに守るべき人がいる時だけだ!」
暦「ちょっと格好良い事言ってるんじゃねえよ。お前もう高校生だろ」
火憐「……そっ、そういう事を真顔で言うな。恥ずかしいじゃないか」
暦「大体、大学生であるこの僕に勝てるとでも思ってるのか? 僕は強いぞ」
火憐「ふん。あたしだって高校生だぜ。身体のあちこちが成熟してるんだぞ」
暦「なに……? だったら試してやろう」
火憐「試すのはこっちだぜ!」
暦「うおおおおおおおおっ!!」
火憐「うおおおおおおおおおおっ!!」
月火「は、早い……!」
暦「甘いぜ火憐ちゃん! 僕の大学生パワーを舐めすぎてるぜ!」
火憐「はははっ! 流石あたしの兄ちゃんだ! うおっと……パンチが重いっ」
暦「そいつはフェイクだ!」
火憐「な、なにぃー!」
月火(火憐ちゃんが悪役っぽくなっちゃってる……)
ぷにっ
火憐「ひゃあん!」
暦「捉えた……!」
火憐「に、にいちゃ……そ、それは卑怯だぞ! んああっ!」
暦「悪に卑怯は褒め言葉だよ、火憐ちゃん。真っ直ぐな正義の味方には、卑怯こそが正攻法だ!」
ぷにぷにぷにぷに……
火憐「あっ! あぁ、ひ、……んぁぁぁぁあああああああああっ!!」
くそっ寝なきゃいけないのに
火憐「はぁ……はぁ……」
暦「道を塞ぐのは硬くて強いバリケードだ。火憐ちゃん、お前はあまりに柔らかすぎたし、やっぱり女の子だった」
火憐「く、くそぉ……兄ちゃんにおっぱい揉まれるぐらいで負けるなんて……」
暦「おっと、今のは録音させてもらったぜ」
月火「変態だ!」
暦「まあ、確かに去年の約束を反故しちまうのは悪いけどさ。あの時とは違って、今の僕には彼女がいるんだ」
月火「うぐぐ……」
暦「蝋燭沢くんに、瑞鳥くんだっけか。僕より先に彼氏を作ったお前らが、彼氏彼女の予定より、家族の予定を第一にしろってのがおかしいだろ」
月火「ど、どういう事?」
暦「家族の予定を、――事情を優先させるなら、外で男なんか作るなって事だよ」
月火「意味が分からないんだけど」
暦「手を繋ぐ男は家族にもいるし、キスをする男も家族にいる。将来、幸せな家庭を一緒に築く男も家族にいる」
月火「最後だけひっかかるんだけど」
暦「まあ、どうしてもというのならば、僕だってこの母の日に、彼氏彼女の予定より家族の予定を優先しない事もない」
月火「な、なにをたくらんでいるの、お兄ちゃん……」
暦「ところで二人はまだ処女なのか?」
月火「……! ま、まさかお兄ちゃん……」
火憐「……ああ、そうだぜ。あたしの正義はまだ道を塞いでる!」
暦「かっこいいようで実は全然かっこよくない台詞だ!」
火憐「だったら何だって言うんだ、兄ちゃん。あたし達が処女だから何なんだ?」
月火「何か恥ずかしいから私も一緒くたにして言わないで、火憐ちゃん」
暦「つまり、家族の事情を優先する余地は残されているって事だな」
月火「お、お兄ちゃん……?」
暦「僕は親不孝な人間だぜ。ただ、妹に対しての愛情は人一倍だ。こんな僕が母の日を、母の日らしく過ごす方法はひとつ」
火憐「兄ちゃん……」
暦「火憐ちゃん、月火ちゃん。二人が母親になればいい。父さんだって、母さんの事を呼ぶ時は『お母さん』……だろ?」
火憐・月火「!?」
暦「ただ、父さんは娘や不出来な息子が居るから、母さんを母さんって呼ぶんだ。その辺、分かってるよな?」
火憐「お、おう! 分かってる、当然だろ!」
月火「火憐ちゃん! のせられてる! これって絶対おかしいよ!?」
暦「嫌なら断ればいい。そして、僕を戦場ヶ原のところにいかせればいい」
火憐「に、兄ちゃん! いくら悪い兄ちゃんだからって、それは暴言が過ぎる!」
月火「どうしてそんなにお母さんを労わりたくないの……」
暦「それとも、僕を止めてみせるか? 旧ファイヤーシスターズの武を制した僕を止められるか?」
火憐「くっ……!」
暦「ふ、ふはは……ふはははははは! 何も捨てるつもりがない正義なんて、呆気ないもんだ」
火憐「くっそぉ、流石は悪い兄ちゃんだ……」
prrrr♪ prrrr♪
暦「ん、電話だ。ああ、戦場ヶ原か」
ひたぎ『何度コール音を聞かせれば気が済むのかしら、阿良々木くん』
暦「まだ2コールだろ、戦場ヶ原。デスクワークしてるサラリーマン並みに電話取るの早いだろ」
ひたぎ『申し訳ないけれど、私はサラリーマンの電話を取る早さなんて知らないの。さあ、無知な私を笑いなさい』
暦「これぐらいの事で笑わねーよ」
ひたぎ『だったらどれぐらいの事で、阿良々木くんは笑うのかしら。妹の処女を奪おうとした程度の事かしらね?』
暦「聞いてたのかよ!!」
火憐「火憐だぜ!」
月火「月火だよ!」
火憐「思いつきで書き始めると、やたらと筆が進む事が多々あるよな!」
月火「正確にはタイピングだけれど、多々あるよね!」
火憐「でも即興だとネタが続かないんだよな……」
月火「書きたい気持ちだけじゃ書き続ける事は出来ないんだよね……」
火憐「兄ちゃんとエッチはしたかったけれど!」
月火「お兄ちゃんとエッチしたかったの!?」
火憐「抜いてないとエロを書きたくなる事もある」
月火「抜いてなくてもエロは書きたいもんだ!」
火憐「だけど前置きの長さには拘りたいんだ……」
月火「前置きネタすら切れてる癖にね」
火憐「折角の母の日。絶好の化物SS日和なのに残念だ!」
月火「来年にも母の日はある!」
月火ちゃんのおっぱいもみもみ
ひたぎ『それにしても阿良々木くん、彼女を差し置いて。いえ、家族を差し置いて彼女とデートするつもりだったの?』
暦「ん……まあ、そうだ」
ひたぎ『あまり感心しないわね、それは』
暦「お前の口からそんな言葉が聞けるなんてな」
ひたぎ『折角なのだから、そう。折角の、母の日なのだから、今日ぐらいは妹さんのお願いを聞いてあげればどうかしら』
暦「……」
ひたぎ『阿良々木くんは、母の日をきっかけの日と云ったけれども、私達のデートだって同じようなものでしょう』
暦「……ああ、そうだな」
ひたぎ『一年に一度の日曜日と、一ヶ月に四度の日曜日は同価値ではないわ』
暦「なるほど。分かったよ、戦場ヶ原。だったらデートは今度でいいか?」
ひたぎ『時間なんていくらでもあるもの。一週間待つぐらい、造作もないわ』
プツッ
火憐「……」
月火「……」
暦「……ふう。という事で、一年で一度の日曜日は、この家で過ごす事にした」
月火「私達の苦労は一体……」
暦「そういうなよ月火ちゃん。で、母の日を堪能するコツみたいなのは無いのか?」
火憐「堪能するようなもんじゃないぜ、兄ちゃん。ただ当たり前に、お母さんに感謝して労うだけだ」
暦「ふうん……でもさ、やっぱり現物で何かを渡すべきだろ?」
火憐「大人的思考だな、兄ちゃん。現物が無くても、心さえあれば問題無しだぜ」
月火「そうそう。肩たたき券とか渡せばいいよ」
暦「母の日といえば肩たたき券というのは普通すぎだろ。つーか、僕の親不孝振りからして、肩たたき券程度で労う事になるのか」
月火「お兄ちゃんが他人の肩を揉む姿は想像しにくいよね。おっぱいを揉む姿は想像しやすいけど」
火憐「そうだ! 乳たたき券を渡すってのはどうだ!?」
暦「しねーよ馬鹿! 流石の阿良々木暦も、母親のおっぱいまで揉もうとはおもわねえ!」
火憐「じゃあ、何処までがセーフゾーンなんだよ」
暦「妹はとりあえずOK」
月火「その発想がすでにおかしいよ!」
暦「何でだよ。血の繋がった妹のおっぱいを揉むのがアウトとでもいうのか?」
月火「逆に聞くけどアウトじゃない理由があるの?」
暦「逆に逆に聞くけど、お前の肩を揉んでいいか?」
月火「や、やだ……何かお兄ちゃん、プラチナエロい」
暦「僕は満足に肩すら揉めないのか!」
火憐「肩たたき券は危険だな。券だけに。兄ちゃんが過ちを犯す可能性がある」
月火「そうだね。現状でも洒落にならないのに、もっと洒落にならない事になる」
暦「ならねえよ……じゃあ、僕は一体何をすればいいんだ」
火憐「そもそも、兄ちゃんはお母さんに感謝してるのか?」
暦「小っ恥ずかしい事聞くなよ。……いやでも、感謝はしてるよ。色々」
月火「だったら自然に思いつくじゃん」
暦「僕はお前達とは違うんだよ。感謝つっても自分でもよくわかんねーし、実際何をすればいいのか分からない」
火憐「兄ちゃんは男だからな。異性であるお母さんとは微妙な距離感なのかもしれないぜ」
月火「なるほど。じゃあお兄ちゃん、お兄ちゃんは父の日には、お父さんに何したい?」
暦「男はちょっと……いくら乳の日とはいえ、僕はそこまで節操無しではない」
月火「言うと思ったけど、言うべきじゃなかった。ベタベタすぎるよ、お兄ちゃん」
暦「……」
暦「じゃ、とりあえずカーネーションの花束でいいか。無難だし、普通だろ」
月火「いや。お母さんは花貰うと舌打ちするよ」
暦「何で!?」
火憐「世話が面倒臭いからだって。だから兄ちゃん、送るなら造花だ」
暦「造花のカーネーションなんて貰っても嬉しくねー!!」
月火「もう! じゃあ家でも買ってあげれば! 大人でしょ!!」
暦「規模でけーよ! しかも何でキレてんだ!?」
月火「……ううーん。じゃあさ、お兄ちゃんもうデートいけば?」
暦「彼女の許可を得てまで母の日を家族と過ごすと決めたのに、それを今更撤回しろというのか!?」
火憐「どうしても母の日を家族と過ごしたいのならば、あたしを倒してからにしてみろ!」
暦「バトルに持ち込むな!」
月火「という冗談はさておき、うん。でも、カーネーションぐらいは買った方がいいかも」
暦「舌打ちされるんだろ……」
月火「大丈夫。貰う時だけは笑顔で喜んでくれるから。一週間後ぐらいにゴミ箱行きだけど」
暦「貰い花の末路なんてそんなもんだろーけど、出来れば舌打ちとかゴミ箱行きとかの前情報は聞きたくなかったな」
月火「ま、何にせよ舌打ち前提でカーネーション買いに行きなよ」
暦「いいのか? 花屋でカーネーションを買うと見せかけて、戦場ヶ原とのデートに買っていく薔薇を選ぶかもしれないぜ」
月火「きも」
暦「素で返すな! ちょっとしたボケじゃねーか!」
月火「寄り道しちゃ駄目だよ。したら殺す」
暦「怖っ!」
――。
暦「にしても一年か。戦場ヶ原と付き合いだしてから一年、八九寺と出会って一年か……」
暦「色々あったよな。……八九寺、か」
真宵「呼びましたか、アルル木さん」
暦「うわあ、化けて出たぁあああああ!!」
真宵「人を幽霊みたいに言わないで下さい。幽霊ですけれど」
暦「お、お前……なんでいるんだ!」
真宵「細かい事は無しにしましょう、阿良々木さん。そういう事を気にしていては、足踏みばかりで前に進みません」
暦「いや、割と重要な気がするぞ」
真宵「そういえば、初めて会った日も母の日でしたね。今日も妹さんと喧嘩を?」
暦「最初はそうだったかもしれないけれど、最終的には違う。今日は母の日を堪能するつもりだ」
真宵「ほほう。お小遣いを片手にカーネーションを買いにくる女子児童を愛でるのですね?」
暦「僕はそこまで変態じゃねーよ!」
真宵「いえいえ、そんなに自分を卑下しないで下さい」
暦「してねえよ!」
真宵「冗談ですよ、阿良々木さん。……それで、建前ではどう母の日を堪能するのですか?」
暦「建前も何もねえよ。僕はただ、カーネーションを買うだけだ」
真宵「花を買う、と。流石に大学生ともなると、隠語の使い方も一味違いますね」
暦「悪意に満ちているぞ、八九寺」
真宵「失礼、それで阿良々木さん。私が出てきたという事は、早々にネタ切れなんですね」
暦「まあ、スレタイと反して家から出ちゃってるしな。最早、このSSの趣旨が分からないよ」
真宵「そういうメタ発言はどうかと思います」
暦「最初に言ったのはお前だ!」
真宵「いえ、私はネタと言ったんです」
真宵「キレのある突っ込み(予定)も、30行制限の前では無力ですね」
暦「削れないネタもあるんだよ。で、まあ。ネタ不足感は否めないけれど、だからと言って未完は気持ち悪いだろ?」
真宵「そうですね。では阿良々木さん、私なんかとお喋りせず、カーネーションを買うシーンは端折ればいいのでは」
暦「端折ってどうするんだよ。家に帰ったら、僕は妹達と何すればいいんだ」
真宵「母の日を堪能するんでしょう。親子丼ですか、ヤラしいです!」
暦「その単語からヤラしさを連想出来るお前がヤラしいですだよ!」
真宵「いえ、妹さんは二人いるのですから、姉妹丼ですか。あ、でも母親が……うーん」
暦「悩むところじゃねーよ。で、八九寺。端折ったとして、お前はこれからどうするんだ?」
真宵「近親丼というのはどうでしょう、阿良々木さん」
暦「そんな丼捨てちまえ!!」
真宵「我ながら傑作と思ったんですが。ほら、言ってくださいよアレ。アレ言うと流行ります」
暦「アレって何だよ。そんな名言っぽい事、僕はたまにしか言わないからすぐ思いつかないぜ」
真宵「アレです。『流行るといいよな。阿良々木家、近親丼』って感じで」
暦「流行ったらご近所さんに顔向けできねーよ!」
真宵「顔向けするご近所さんなんて、これまでも、これからも作中には登場しませんよ」
――。
暦「ただいま」
火憐「お帰り兄ちゃん! 早速だが、スリッパを履きたければこのあたしを乗り越えていけ!」
暦「玄関入って出迎えてくれた妹が、玄関マットの上で寝転ぶというのは斬新ではあるけれど、邪魔だからどいてくれ」
火憐「なんだ、ノリが悪いな兄ちゃん。いつもなら喜んで踏んでくれるのに」
暦「喜んでたのはお前だけだ」
火憐「ぐえっ! ……何だかんだ言いつつも踏んでくれる兄ちゃんは流石あたしの兄ひゃぁぁぁんっ!!」
暦「うっかり生殖器を刺激しちまったぜ」
火憐「ふ、ふふ……兄ちゃん、もっと踏んでくれると、あたしが喜ぶぜ。母の日だろ?」
暦「お前は母の日を何だと思ってるんだ。ほら、さっさと部屋に戻るぞ」
火憐「ま、待った! 兄ちゃん、部屋に戻りたければこのあたしを倒してからにしろ!」
暦「いちいち道を塞ぐな! お前は意地の悪い門番か!」
火憐「母の日だからな!」
暦「何の答えにもなってねえ!!
暦「全く、今日の火憐ちゃんはやたらと突っかかってくるな」
月火「お帰り、お兄ちゃん」
暦「ただいま。月火ちゃんはいつもと変わらないな」
月火「ん? まあ、いつも変わってるけど。髪形とか」
暦「あ、ああ……そうだったな」
月火「で、お兄ちゃんはちゃんとお使い出来たんだ。寄り道しなかったの?」
暦「当たり前だ。僕ほどになると、お使いなんて呼吸するぐらい楽勝だ」
月火「ちょっとそこの花屋さんでカーネーション買うぐらいで、そんな事言われても……」
暦「ともあれ、これで舌打ち分ぐらいは親孝行出来るな。で、次は何すればいい?」
月火「何でもかんでも妹に聞かないで。想像力ってものがないのかなあ、ゆとり教育の影響なの?」
暦「質問に質問で返すなゆとりが」
月火「むっかー! 何なのお兄ちゃん、もっと心にゆとりを持って中学生の相手してよ!!」
暦「お前がゆとりを持て。つうか、僕は別に口喧嘩したいわけじゃねーよ。母の日プロの月火様から、色々アドバイスが欲しいだけだ」
月火「そ、そう。そうだね。うん、母の日童貞のお兄ちゃんは、母の日について何も知らないもんね」
暦「童貞は余計だ」
月火「母の日といえば、国語の教科書にこんな事が書いてたよ」
暦「面白くなかったら、おっぱい揉ませてくれよ」
月火「い、いいよ」
暦「いいの!?」
月火「えーっと……何か、句読点と漢字が無ければみたいなアレで……」
暦「思い出せないのかよ!」
月火「もう、だって五年ぐらい前の話だもん!」
暦「当時はまだブラジャーしてなかったの?」
月火「それ、妹に気軽に聞く質問じゃないよね」
暦「家族だろ。隠し事してんじゃねえよ」
月火「お兄ちゃんは家族の使い方間違ってる」
暦「僕ぐらい、家族との触れ合いを大事にしている兄貴はいないぜ」
月火「大事にするのは結構だけれども、妹のおっぱいを揉んだり、エッチっぽく歯磨きするのは違うと思う」
これ永遠に続くじゃねーか!
オチが見つからない
暦「百歩譲っておっぱい揉むのは違うとしても」
月火「百歩譲らないと駄目な事じゃないけれども」
暦「歯磨きは別だろ。教育テレビでだって、子供の歯を磨いてたじゃねーか」
月火「あれは健全でしょ。お兄ちゃんは大人的歯磨きしてた。プラチナエロい歯磨き」
暦「思い出したかのようにプラチナという言葉を使うな」
月火「むう。でもでも、お兄ちゃんの歯磨きと教育テレビのアレは別物だったでしょ」
暦「じゃあ歌ってみろよ。は・み・が・き・上手かな?」
月火「あららぎつきひ、じゅうごさいです」
暦「そっから!? つうか15歳とか……月火ちゃん、マジ幼いな」
月火「幼くないよ。もう中学三年生だし」
暦「というか、15歳がはみがきじょうずかなに出てくる時点で健全さが失われる」
月火「そんな事ないって。お兄ちゃんはエロに精通しすぎてて、そういう穿った見方しか出来ないんだよ」
暦「じゃあ、仮にあれをこの場で再現したとしても、月火ちゃんはそれをエロと見なさないんだな?」
月火「え……?」
暦「ここに三本の歯ブラシがあるだろ……?」
暦「月火ちゃんは硬い方が好きなのか? それとも柔らかい方?」
月火「どっちかっていうと、硬い方」
暦「電動もあるぜ。硬い方好きの月火ちゃん的に、電動歯ブラシってどうなんだ?」
月火「ち、ちょっとお兄ちゃん……変な意味に聞こえる」
暦「いたって健全だ。この会話が変な意味に聞こえるなら、月火ちゃんはエロに精通しすぎてて、穿った見方しか出来ないだけだろ」
月火「うぐぐ!」
暦「あれ……月火ちゃんって硬い方と柔らかい方、どっちが好きなんだっけ?」
月火「か、か、か……かか、硬い方が、すすす、好き……」
暦「へえ。それじゃあ硬い方でやろうか。月火ちゃんの好きな硬い方で」
月火「あんまり硬い方って連呼しないで。というか、何かこの流れおかしい」
暦「何がおかしいっていうんだ。はみがきじょうずかな? が健全か否かを確かめようとしてるだけだろ?」
月火「はみがきじょうずかな? の比較対象としてお兄ちゃんの歯磨きをあげたのに、どうしてそのお兄ちゃんがはみがきじょうずかな? をやるの?」
暦「月火ちゃんははみがきじょうずかな? を健全だと思ってて、僕の歯磨きを不健全だと思ってるんだよな」
月火「うん」
暦「だったら、健全と不健全が合わさってプラマイゼロだろ。この状態ではみがきじょうずかな? を実践しても尚、健全であるなら僕は負けを認める」
月火「頭がこんがらがってきた。お兄ちゃん、自分が何言ってるのか理解してる?」
暦「100%理解してる。が、理屈じゃないだよ、こういうのは」
月火「うん? んん? 私、もうわけが分からない」
暦「月火ちゃんはただ、はみがきじょうずかな? をやればいいだけだ」
月火「そうなんだ」
暦「はみがきじょうずかな? を終えて、月火ちゃんがはみがきじょうずかな? を健全だと思うならば、僕の負け」
月火「健全じゃないと思ったら、私の負け……」
暦「そう。難しく考える必要は無いんだぜ。足踏みよりも前に進む事が大事だろ」
月火「そ、そうだね!? そんな気がしてきた!」
暦「だろ!ほら、早く僕の膝の上に頭を乗せるんだ! は・み・が・き・上手かな!?」
月火「あららぎつきひ、じゅうごさいです!」
暦「くちゅくちゅ……しゅわしゅわ……」
月火「ってならないよ! だから、お兄ちゃんの歯磨きはただエッチなだけなの!」
暦「何だよ、ノリが悪いな月火ちゃん。だったらこっちにも手があるぜ。――火憐ちゃん」
月火「!?」
火憐「月火ちゃん、悪い!」
月火「きゃっ! か、火憐ちゃん! どうしてお兄ちゃんの言いなりになってるの!?」
火憐「わ、わかんねえけど……でも、あの歯ブラシを見てると……」
暦「そういえば、この歯ブラシはあの時使った歯ブラシだったな」
月火「むしろ何で歯ブラシが部屋にあるの!? うぐー。離して、火憐ちゃん!」
暦「火憐ちゃん。月火ちゃんが終わったら、今度は火憐ちゃんの番だぜ」
火憐「は、はひぃ……」
月火「よ、よだれっ。髪によだれかかっちゃう! 顔に垂れてくるよ、火憐ちゃんっ!」
暦「八九寺とのお喋りを端折ったついでだ。はみがきじょうずかな? も仕上げはお母さんまで端折ってやるぜ」
月火「ひぃっ」
暦「青春は、歯を磨くためにある!」
ブィィィィィン!!!
月火「だ、だめっ! 電動はだめ! せめて硬い方にして!」
暦「駄目だ月火ちゃん。硬いのが大好きな月火ちゃんの希望を叶えるのは良いお兄ちゃんは、ここには居ない」
月火「や、やぁぁぁっ!! お願い、硬いの! 硬い方にしてください!!
暦「もう遅いぜ、月火ちゃん。はみがきじょうずかな? は後半戦に突入した」
月火「!?」
暦「仕上げは鬼いちゃーん……」
ブィィィィィン!!
月火「ひ、ひっ……あっ、ぁ……ぁぁ、ぁ」
暦「くちゅくちゅ……しゅわしゅわ」
月火「んぁっ! に、おにい……ら、らめ……!」
暦「上の歯、下の歯、前歯……歯茎の裏! 歯茎の裏! 舌裏舌裏!!」
月火「ひぁあああああっ!!」
火憐「す、すごい……月火ちゃん、もう立ってられなくなってるぜ」
暦「ははは。月火ちゃんの武器ともいえる口を攻めるのは楽しいなあ」
月火「ふぇぇ……」
暦「よし、あの頃とは違う僕の本気を見せてやろう。――電動歯ブラシ二刀流だ」
――。
月火「はぁ……はぁ、はぁ」
暦「ふう。流石に三十分耐久歯ブラシは堪えたな」
月火「なりゃひゅやりひゅひて、うみゃくひゃへれらい……」
暦「え、何聞こえない。とりあえず可愛いのだけは分かった」
火憐「兄ちゃん……」
暦「ん?」
火憐「どうして端折ったんだ。一番大事なシーンで、どうして端折ったんだッ!」
暦「二刀流だろうが何だろうが、文字だけじゃ表現に限界があるだろ。しかもSSだぜ、これ」
火憐「……変身シーンを見せておいて、戦うシーンをカットするのは正義の味方のやる事じゃねえ」
暦「そういう話でもねえよ」
火憐「そんな事だから……」
暦「ん?」
火憐「そんな事だから、兄ちゃんはいつまで経っても大人になれないんだ!」
暦「……え?」
暦「つまり、どういう事なんだよ」
火憐「いや。ここはズバッと決まる台詞でも言おうかと思ったんだ」
暦「だとしたら大ハズレだ。大体、火憐ちゃんは意識しなくても割かしかっこいい事言ってるぜ」
火憐「へ、はははっ。そうか、だったらいいんだけどさ!」
月火「ぅー」
暦「それより今日は母の日だぜ。全く、僕達は一体何をしてるんだろうな」
火憐「こんな所見られたら、むしろ親が泣くかもしれないぜ」
暦「兄妹同士で歯を磨きあうなんて、微笑ましい光景だろ。一般的には」
火憐「どうかな。兄ちゃんがその一般的の一部を歪めた事は事実だけれども」
暦「火憐ちゃんまでそんな事言うのか。まるで月火ちゃんみたいな物言いだな」
火憐「代弁したんだ。今の月火ちゃん、ロクにお喋りも出来ないからな!」
月火「ひゃい……」
暦「お前ら双子のテレパシー能力者かよ。双子じゃねえけど」
火憐「あたしと月火ちゃんが双子って勘違いしてる男子、結構多いよな」
暦「男子に限らないだろ」
火憐「それはそうと兄ちゃん、思えば母の日らしい事を全然してないよな」
暦「むしろその必要があるのか、今では疑問だ」
火憐「とりあえず、カーネーションを渡してくればいいんじゃないのか?」
暦「とりあえずって何だよ。大体、どうやって渡せばいいんだ……」
火憐「普通に」
暦「僕はお前達とは違う。普通にと言われて、普通が分からず普通じゃない事をするのが僕だ」
火憐「うーん。じゃあさ、気を利かせて渡すってのはどうだ?」
暦「気を利かせて渡す?」
火憐「そう。どうせ舌打ちされてゴミ箱いきになるのなら、最初からゴミ箱に入れて渡すんだ」
暦「それただゴミ渡してるだけじゃねーか!」
火憐「ゴミ箱を花瓶に見立てて、すっげえカーネーション買ってきて入れるとか」
暦「子供からのプレゼントに舌打ちする母さんが相手にか? 大体、僕の財布が持たない」
火憐「うーん、じゃあ……」
暦「つうか待て。僕は普通の渡し方が知りたいだけなんだ。そんな趣向を凝らしたものは期待してない」
火憐「はー。兄ちゃん、数年来の母の日だぜ。インパクトあるもんにしないと、お母さんも喜ばない」
暦「よくよく考えたら、改まって花束贈るのも恥ずかしいよな。恥を誤魔化す為には奇をてらった方がいいのか」
火憐「そういう事」
暦「うーん……こういう時、相談出来る友達がいねーと不便だよな」
火憐「百人いれば一人ぐらい相談出来る相手がいるんじゃないか?」
暦「お前と一緒にするな。僕の数少ない友人だって、家族にワケありな奴が多いんだから」
火憐「ふーん。友達が少ないって面倒臭いな。兄ちゃん、母の日してる場合じゃないな。友達つくりにいけ」
暦「そこまで可哀想な子ではない。友達が居ないとまでは言っていないだろ」
火憐「同性の友達が居ないのは問題だぜ」
暦「同性の友達? はっ、そんなもんに何の価値があるんだよ」
火憐「古いゲームとかアニメの話題を億劫なく話せる」
暦「それなら千石がいる。あいつ、ああ見えて昔のアニメ・マンガに強いからな」
火憐「エロ話を堂々と出来る!」
暦「神原がいれば事欠かないな。最近、やたらと女の子っぽくなってるけど」
火憐「下らない冗談にも付き合ってくれる!」
暦「八九寺がいるしな……。いや、下らない冗談に付き合ってくれるのは、ほぼ全員か」
火憐「何だよ。兄ちゃんの友達は選りすぐりの精鋭なのか?」
暦「ちげえよ。中々集まらないメンバーが集まった感はあるけどな」
火憐「友達は量より質だもんな。兄ちゃんが現状に満足してるなら、友達少なくてもあたしは気にしないぜ」
暦「妹に交友関係を心配されたくねえよ。すげーみっともないみたいじゃないか」
火憐「……兄ちゃん。実は結構モテるんじゃねーの?」
暦「モテる? 僕が? いや、それはねー……よ、とは言えないか。でも僕は戦場ヶ原一筋だからな」
火憐「純情なんだな、兄ちゃん。月火ちゃんのおっぱいを揉んだりするけど」
暦「妹は別腹だ」
火憐「ふうん。ところで兄ちゃん、揉んだりと問題って似てるよな」
暦「そのネタ何度やるんだよ。天丼ネタもしつこく続けりゃ鮮度が落ちるぜ」
火憐「ああー! でももう、そろそろバトらないとあたしの炎が燃え尽きちまうぜ!」
暦「だったら外でも走って来い。その間、僕はカーネーションを渡す方法考えておくから」
火憐「いいんだな、兄ちゃん。42.195kmを完走するよりも早く、何か考えておくんだぞ」
暦「走りすぎだ! ちょっとランニング気分程度に走って来いよ!」
火憐「何言ってんだ兄ちゃん。42.195kmは散歩レベルだろ?」
暦「お前にとってのフルマラソンはアースマラソンレベルなのか? とにかく、行って来いよ」
火憐「そうさせて貰う」
――。
暦「さて、ようやく一息つけるな」
月火「お兄ちゃん……」
暦「お。ようやく喋れるようになったか。それじゃ早速、勝負の結果を聞かせてもらおうか」
月火「はみがきは、エッチなことでした」
l暦「そうじゃないだろ。はみがきじょうずかな? が不健全である、という事だ」
月火「他人に歯磨きされるのが、こんなに快感だなんて知らなかった」
暦「左手でやれば何故か気持ちいい、みたいなか」
月火「ん?」
暦「え?」
月火「ああ、歯磨きね。利き手と違う方でやると、不慣れな分いつもと違った感じで歯磨き出来るってこと?」
暦「そう、そういうことだ」
暦「歯磨きに限らねーけど、いつもと違う方法で事に当たると新鮮で楽しいよな」
月火「変化をつけるのは大事だよね。毎日同じ事やっててもつまんない」
暦「髪型がバンバン変わる月火ちゃんがいうと説得力あるな」
月火「……」
暦「ん?」
月火「変化といえば、お兄ちゃんの私服はどうしていつも同じなの?」
暦「いつも同じって事はないだろ」
月火「パーカーにジーンズが九割じゃん」
暦「それは否定しねーけど、あれだって実は微妙に着こなし方が違うんだ」
月火「一緒じゃん」
暦「ちげーよ。大体、同じといえば月火ちゃんだって家じゃいつも和服じゃねーか」
月火「部屋着でしょ、あれは」
暦「何だよ部屋着って。だったら外出る時はどんな服着てるんだ」
月火「どんなって……やだ、恥ずかしい事聞かないで」
暦「そんな恥ずかしい格好してんのかよ!?
プラチナ眠い
月火ちゃんと火憐ちゃんだけでは限界を感じてきた
――。
暦「…………はっ。カーネーションの渡し方を考えてたら、すっかり夜じゃねーか」
忍「随分と気持ちよさそうに眠っておったの、お前様」
暦「忍、お前も今起きた所か?」
忍「昼間はやたらとお前様がハイテンションで、五月蝿くてよく眠れんかったしな。これから本格的に寝るところじゃ」
暦「ここ最近で一番楽しかったからな。忍にも……ん、忍にも、はみがきじょうずかな……?」
忍「言っておくが、儂はやらんぞ。シャンプーと違って、あまり気持ちよさそうにも見えぬしな」
暦「未経験だからだろ。忍だって、一度経験すれば虜になるぜ」
忍「よいよい。腰が砕けた妹御の姿を見るお前様の心中、相当ヤバかったしのう」
暦「結構冷静なつもりだったんだけどな」
忍「あれで冷静というのならば、世に発狂という言葉は不要じゃな」
暦「そこまでかよ……」
忍「儂とお前様との間にある関係性が危うい程じゃった」
暦「流石にそれは無いと思うけどな。でも、やってみないと分からない」
忍「やる方向に持ち込もうとするでない」
忍「にしても、妹御にお前様の彼女に、儂ときたか。ああ、迷子の怪異もいたか」
暦「いつぞやの化物語オールスターSSを思い出すな。未完に終わったけど」
忍「カカッ。熱は冷めてしまえば一瞬で終わるしのう。燃えている内が華じゃ」
暦「で、だ。忍、ここに三本の歯ブラシがあるだろ……?」
忍「お前様はどうしても歯磨きプレイをしたいらしいのう」
暦「プレイと付けると卑猥に聞こえるだろ。ただの歯磨きだ」
忍「その歯磨きが、お前様がやると卑猥になると言うておるんじゃ」
暦「何だよ。教育テレビでもやってるだろ、はみがきじょうずかな? ってやつ。あれは卑猥じゃねえよ。健全だ」
忍「その見事な掌返しには一種の感動すらあるな。しかしお前様、あれは子供向けの番組じゃろ」
暦「だからどうした」
忍「お前様が考える歯磨きは、大人向けのそれであろうに。教育テレビのアレとはまるで違う」
暦「月火ちゃんも同じような事言ってたな」
忍「という点では、或いは儂もその妹御も同じなのかも知れぬな。不死、不死身同士、な」
暦「……」
忍「カカッ……まあ、儂は歯磨きはせん。もとより、その必要すらありゃせんからな」
月火「曜日ネタやめて! この前も同じ事言われたよ!」
撫子『ど、どうしたの? ららちゃん』
月火「千ちゃん、聞いて。私の名前がスレタイにあると、どいつもこいつも曜日ネタを出してくるの!」
撫子『お、怒ってる……?』
月火「うん。プラチナむかつく!」
撫子『す、すごい怒ってるんだ……。そうだよね、名前で弄られるの、あんまり気持ちいいもんじゃないもんね』
月火「いやいや千ちゃん。プラチナむかつくはそれ程怒ってないよ。プチむかつくに近い感じ」
撫子『そうなんだ。何か、ややこしいね』
月火「それはともかく、曜日ネタだよ! ヒドイ時には『水木金は?』とか言ってくる!」
撫子『ど、土日は……』
月火「あれ。千ちゃん今、友達の私に対して名前弄りした?」
撫子『えっ。あ、いや』
月火「月曜、火曜をいらない曜日とか思ってるんでしょ。だから曜日ネタで私を弄るんでしょ!」
撫子『いや、あの……ごめんなさい』
月火「誤りを謝って過ちは消えないんだよ、千ちゃん。今度曜日ネタ言ったら、家行くからね」ガチャ
暦「おい忍、すげえ興味深い事が書かれてるぞ!」
忍「どれどれ……ほう、感覚のリンクを利用した快感の増幅か」
暦「すげえ興味深い事が書かれてるぞ!」
忍「二度言うでない。どんだけ興奮しとるんじゃ。大体、儂がどうしてお前様の歯を磨かなければならないのじゃ」
暦「それぐらいいいだろ。僕達は切っても切れぬ関係性なんだぜ。歯ぐらい磨きあうだろ」
忍「忘れてくれるな、お前様。儂らの関係性は切ろうと思えば切れるものであるという事をな」
暦「まだそんな事言ってるのかよ……」
忍「カカッ。冗談じゃ、冗談」
暦「全く……あ、そうだ。別に忍が僕の歯を磨く必要ねえじゃん。妹に頼めば万事OKだ」
忍「カーネーションの事はいいのか? お前様、脳みその使い道が大分ズレておるようじゃな」
暦「仕方ないだろ。カーネーションの渡し方なんて、寝るまで考えても分からなかったんだから」
忍「どれ。ここは懐かしき吸血鬼――正真正銘、眷属であった頃の思考法を試すか?」
暦「やめろ。今の僕がそれをやるとマジで死ぬ可能性がある」
忍「人間をやめれば、或いは死なぬかもな」
暦「それはありえねえって……
ガチャ
月火「きゃああ!! お兄ちゃん、無言で妹の部屋に入ってこないでよ!」
暦「無言で妹の部屋に入るだと? 僕はただ、自分の家の部屋に入っただけだ」
月火「すごい屁理屈!」
暦「それはそうと月火ちゃん。これなんだけど……」
月火「えっあ……いや、あの、歯磨きはさっきしたから」
暦「分かってる。でも僕はまだしてない。ついでにカーネーションも渡してない」
月火「あと数時間で母の日終わるのに!? お兄ちゃん何やってるの!」
暦「せめて口臭を抑えてからにしようと思ってな。でもほら、僕って歯磨き苦手じゃん」
月火「歯磨き苦手な人なんていない」
暦「そういう決め付けが歯磨き苦手な人を傷つけるんだぜ、月火ちゃん」
月火「うぐー……」
暦「さあ、頼んだぜ」
月火「っていうか、何で私なの。火憐ちゃんに頼めばいいのに」
暦「火憐ちゃんに頼んだら、僕の口が裂ける。血の海になるからだろ……」
月火「わ、分かった。じゃあやる」
暦「変なサド心に目覚めるなよ。月火ちゃんの場合、それが一番怖い」
月火「大丈夫、安心してよお兄ちゃん。今日は母の日だよ?」
暦「全然関係ねえ!」
月火「じゃあ、口開けて」
暦「ん、ああ……」
月火「ごくり」
暦「何だよ今のごくりってのは」
月火「う、五月蝿いなあお兄ちゃん。喋らないでよ」
暦「僕が喋らなかったらSSが成り立たないだろ!」
月火「じゃあ何しにきたの!」
暦「歯磨きしにきたんだよ!」
月火「歯磨きしながらお喋りは出来ないじゃん!」
暦「うるせえ! 兄妹だったらどうにかしろ!」
月火「無茶言わないでよ!!」
暦「っていうか僕は別に言い争いしにきたんじゃなかった」
月火「もう。ていうか、何で歯磨きしないと駄目なの……?」
暦「月火ちゃんのイき顔が可愛くて、僕も歯磨きの快感を共有したくなったんだ」
月火「ガチきも」
暦「……」
月火「じゃあ、やるよ」
暦「ふぁい……ふぁぁあぁ!?」
月火「お兄ちゃん、すっごい八重歯。吸血鬼みたい」
暦「ふぇぇああぁ! ひゃ、しゅきひひゃん! しゅきひひゃあぁん!」
月火「……何でもうイき顔なの」
暦「はっ、ひぃぃあああ! ほれ、ほれよほういひょうにしゅごひぃぃぃ!!」
月火「あの、お兄ちゃん……あんまり声出さないで。夜だから」
暦「ひゃぁぁぁあああ!!」
月火「……」
やだ、なにこれ
月火「ちょ……」
暦「うぁぁぁあああっ! しゅひぃぃ! はみがきしゅきいいぃいぃ!!」
月火「お、お兄ちゃん!」
暦「ひぃっ、ひぃ……っ! 月火ひゃんも、はみがきぃ!」
ブィィィィン!!
月火「んぁっ! ちょ、ちょっろ! や、やめっ……あっ!」
暦「ひゃあああああああ!!」
月火「あああぁぁあぁぁああ!!」
火憐「……」
駿河「……」
暦「ってかんびゃぁぁぁぁ! お、つきひひゃん、もうやめろ!」
駿河「……いや、阿良々木先輩。どうぞ続けてくれ。私はちょっと、火憐ちゃんに用事があっただけだから」
月火「ひっぁ……に、にいちゃ、やめ、やめないで……!」
暦「んほぉぉぉぉおおあああ!」
駿河「いやあ、しかし参ったな。阿良々木家がこれ程進んでいるとは思わなかった」
暦「ちょ、つきひぃいぃいぃいいいい! らめぇぇええっ!」
駿河「この積極性。見た目に反して、月火ちゃんはドSなんだな! 素晴らしい!」
暦「かっ、かんばるっ! と、とめへぇぇぇぇ! かれんひゃん! つきひひゃんとめてえぇへえええ!」
駿河「Sはサービス、Mは満足と云うが、見事にその両方を理解している動きだ。いやはや、阿良々木先輩の妹教育には恐れ入る」
火憐「に、兄ちゃん……」
駿河「このような光景を見ると、やはり一人っ子である事が寂しくも感じてしまうな。うむ、そういえば昔、一人SMをした事があるのだが」
暦「いま!? いまいうひひゅひょうありゅのぉ!?」
駿河「一人亀甲縛りは中々の高難易度だった。しかも、完成したらしたで助けてくれる人がいないのだ」
月火「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん」
駿河「あの時は死すら覚悟した。お祖母ちゃんに『変態に縛られた』と嘘を吐いて助けてもらった時ほど、心が痛んだ事は無い……」
暦「おかされりゅうううう! たすけれええええ!」
駿河「以後、私は火憐ちゃんと一緒にSMプレイを楽しんでいるのだ。いやあ、阿良々木先輩と出会ってから、私の生活……否、性活が充実した。あっはっは!」
火憐「たまにはスポーツ対決もやってるぞ」
駿河「セックスもスポーツみたいなものだよな、阿良々木先輩!」
暦「それは聞き捨てならねえよ!?」
駿河「それにしても、ただの歯磨きがここまでヒートアップするとはな。流石の私も驚きを隠せない」
暦「ひぃぃぃ……ひー……はぁ、はぁ……」
月火「はぁ、はぁ……ぁ、ぁ……」
駿河「スポーツをしていると息を切らした後輩をよく見るのだが、あれは良いオカズだ」
暦「何処まで変態なんだお前は!」
駿河「阿良々木先輩、復活したか。その回復力はやはり……といったところだな」
暦「つうか、神原! 元はと言えばお前が原因らしいじゃねえか!」
駿河「いや……歯磨きが粘膜刺激云々を言った覚えは無くも無いが、これ程の事態を引き起こすなんて考えてもいなかった」
暦「責任を取れ、神原! 阿良々木兄妹の口処女と童貞を奪った罰を受けろ!」
駿河「阿良々木先輩、それはおかしい。冷静になって考えてみるんだ」
暦「!? ……はぁはぁ。ああ、そうだな……阿良々木家に歯磨きを広めたのは、僕だったな」
駿河「その場合、罰ではなくてご褒美と言うんだ!」
暦「そっちかよ!」
駿河「それにしても口処女か。処女が二つもあるなんて、何だかお得な気分になるなっ!」
暦「ならねえよ!」
駿河「相変わらずこのSSにオチという着地点は見えないが、不肖神原。雑談パートの話題提供としてご褒美を……いや、罰を受けよう」
暦「言い直した所で、罰もご褒美もお前が言えば同義にしかきこえねえよ」
駿河「阿良々木先輩は相変わらず突っ込みが鋭いな。話していてイきそうだ」
暦「僕の突っ込みにそんな変態的効力はねえ!」
駿河「あ、いや。阿良々木先輩。その、物理的な突っ込みは私も覚悟が必要というかだな……」
暦「絶対それは無いから安心しろ」
駿河「この場合、絶対と念押しされるとむしろ悲しい気持ちになってしまうのだが」
暦「たまにはあるかもしれない」
駿河「……もしもし、戦場ヶ原先輩ですか?」
暦「馬鹿やめろ! ちょっとした冗談だろ!」
駿河「分かっているとも、阿良々木先輩。ちょっとした冗談だ。冗談返しだ」
暦「洒落にならないんだよ……割とマジで」
駿河「と、私達ばかり話しているせいで、ファイヤーシスターズが置いてけぼりだが」
暦「僕達の会話は一対一が基本だから、これでいいんだよ」
駿河「ふむ。そういえば、阿良々木先輩は余り複数人の人間と同時に会話していないかもしれないな。忍野さんの前ぐらいか」
暦「それにもう、ファイヤーシスターズは解散してる。知ってるだろ、神原」
駿河「うん、火憐ちゃんから聞いてるぞ。萌える姉妹ってネーミングはかなり好きだったのだが、残念だ」
暦「確かに萌えるが、この場合はちょっと意味合いが違う。いや、かなり違うだろ」
駿河「似たようなものだ、阿良々木先輩」
火憐「似たもの同士対決か!」
暦「火憐ちゃん、いつまでそのネタ引っ張るつもりなんだ?」
駿河「……ん?」
暦「ん?」
駿河「あ、いや。阿良々木先輩は、実の妹をちゃん付けで呼ぶんだな、と思って」
暦「あれ。お前には言ってなかったっけ」
駿河「聞いていた気もするし、そうでない気もする。しかし、今となっては手遅れで些事な問題に過ぎない」
暦「今更、昔の呼び名に戻すのも面倒だしな。小さい方とか大きい方とか」
駿河「エロいな。しかし、最近の中学生にしては二人とも大きい方だと思うが。火憐ちゃんはもう高校生だが」
暦「そっちの意味じゃねえよ! どっちの意味か知らねえけどそっちの意味じゃねえ!」
駿河「と言いつつも、ちゃっかり検分したのだろう? お兄ちゃん、妹のおっぱい揉みすぎである……みたいな」
暦「検分していない、と強く否定する事は出来ないが言わせて貰おう。月火ちゃんのおっぱいを揉んでしまったのは事故だ」
月火「違うっ! 違った! あれは絶対違う!」
駿河「おや。月火ちゃんも結構体力の回復が早いのだな。流石は阿良々木家だ」
暦「何が違うんだよ、月火ちゃん。原作を見ろ、アニメを見ろ。少なくとも、僕が悪い事なんて一度も無い」
月火「あるよ! おっぱい揉まれるところを全国放送されちゃったよ!」
暦「何だと? どこの局だそれ。ぶっ潰してやる」
月火「白々しい!」
暦「全国のお兄ちゃん達が、僕の妹をオカズにしていると考えると気持ち悪いな……」
月火「実のお兄ちゃんに裸にひん剥かれておっぱい揉まれるのは、気持ち悪いを通り越して犯罪だよ」
暦「はっ。だから何なんだ? 家族の馴れ合いに他人が口を出していいものか」
月火「口を出さなきゃ、見つからない犯罪もたくさんあるよ」
暦「家族の馴れ合いと犯罪の線引きはどうするんだよ。大体、さっきの僕も犯罪レベルで月火ちゃんに犯されてたぜ」
月火「そ、それはぁ……」
暦「いいぜ。そこまで言うなら僕にも手がある。ご『妹の阿良々木月火に犯されかけました!』って言いながらご近所を練り歩いてやる」
月火「うぐぐっ!」
暦「破廉恥で変態な妹が居て、僕は他のお兄ちゃんに自慢出来て最高だけど、月火ちゃんはそうじゃないだろ?」
月火「うぐぐ」
暦「ムーンファイヤーが淫乱女子中学生だと知ったら、きっと良からぬ事が起きるぜ」
駿河「淫乱女子中学生という単語には夢と希望が詰まってるな!」
暦「お前は絶対食いついてくると思ったよ、神原」
駿河「正直に言うと、今食いつきたいのは月火ちゃんのおっぱいなのだが」
暦「やめろ変態! まず、兄である僕の許可を得てからにしろ!」
月火「私のおっぱいは私のだよ! 勝手に許可とか言わないで!」
駿河「……あ、そうだ。話は変わるが阿良々木先輩」
暦「どうした?」
駿河「そろそろ私は失礼する。話し込んでいる内に、火憐ちゃんとの用事を果たす時間も無くなってしまった」
火憐「残念だ……また今度、お願いします」
暦「何をしてるか知らんが、いかがわしい事はするなよ」
月火「お兄ちゃんがそれを言うの!?」
――。
暦「帰ったか。結局神原と火憐ちゃんは何をするつもりだったんだ……」
ガチャ
忍「はっ……はぁっ……」
暦「ん? どうした忍。何で息切らしてるんだ、珍しいな」
忍「お、お前様……一体、何をしてたんじゃ」
暦「何って歯磨きだよ。ベッドの上で」
忍「妹御としていたアレか。お前様がされておったのか……」
暦「やりつやられつつだな。……ははん、そうか忍。僕の快感がお前にフィードバックしたんだな」
忍「はみがき、というのを舐めておった。これ程の快楽を得られるとはな」
暦「月火ちゃんの技が凄かったからな。っていうか、さっきの月火ちゃんガチエロだった。僕もだけど」
忍「お前様のガチエロなんて誰が得するんじゃ」
暦「神原」
忍「……」
悲報
もうちょいで仕事いってくる
もし、もしも零時まで残ってたら、俺……
新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内
新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内
忍「そこであっさり名前が出てくる辺り、お前様の交友関係を心配してしまうのう」
暦「よせよ、照れるだろ」
忍「褒めとらんわ」
暦「そんな口利いていいのか? 身体の疼きを抑える事が出来るのは僕だけだぜ」
忍「ほう……頼めば疼きを取り除いてくれるというのじゃな?」
暦「ああ、ただし似たもの同士対決で勝ったらの話だ」
忍「好きじゃな、それ」
暦「先攻は譲ってやるぜ」
忍「暦と屑」
暦「こよみとクズ……」
忍「カカッ。早くも儂の勝利かの? 妹御の乳房を揉みしだく変態には相応しいじゃろ」
暦「残念ながら、コヨミとクズはそれほど似通っていない。なぜなら、僕はただ性的な事に興味がある健全な男子だからだ」
忍「だったら何じゃ。健全な男子なら妹御の乳房を揉んでいいのか」
暦「当たり前だ。おっぱいは揉まれる為にある。故に、揉まぬ男は男にあらず。そもそも、スレッド内アンケートで、僕の支持率は忍を圧倒している」
忍「めちゃくちゃっぷりがぱないの。アンケートなんてしとらんじゃろ」
暦「とにかく、アンケートの結果僕の一勝無敗だ」
忍「どういうルールじゃそれ。どこのデュエリストじゃ、お前様は」
暦「僕のターン……暦とこより!」
忍「……儂の方がまだマシな気がするのう」
暦「くそ、分かった。僕の負けだ。忍の性奴隷になる事を誓う」
忍「儂らの関係に奴隷もへったくれもないじゃろ。対等で清い関係じゃ」
暦「忍……」
忍「というか、この下らん茶番劇よりも、さっさと歯磨きとやらをしてほしいんじゃが」
暦「おい忍。もっと色気を出せないのか。やってくれという相手に、やってやるんじゃ面白みがないだろ」
忍「お前様は儂に何を求めておるのじゃ。幼女という見た目があれば勢いでいけるじゃろ」
暦「雰囲気作りが大事なんだよ。その点、月火ちゃんは結構良かったな」
忍「ただ暴走していたようじゃったが」
暦「それがまた良いんだよ。快楽に押し潰されて、それを求めてさらなる快楽の渦に落ちるなんて最高じゃねえか」
忍「エロ本の読みすぎじゃ。いつかお前様が犯罪を犯さないかと気が気でないわ……」
暦「何を言う。僕は年上相手にはそんな事しないし、年下相手には上手くやる。抜かりない」
終わり無き即興SSは、DAT落ちか>>1000でしか終わらない
夜零時まで残ってたら、俺、休みをフルに使って頑張るんだ……
仕事いってくるぜ
ほ
ら
ぎ
さ
ほ
ほす
し
ほ
不思議と友達になりたいと思えない主人公
ほ
ほ
し
ほ
ほ
ほ
ほ
ほ
暦「全く、僕を義兄に欲しいとか気持ち悪い事言ってくれるぜ」
忍「気持ち悪いはなかろう、お前様。皆、お前様を好いているだけじゃろ」
暦「男に好かれても僕は全然得しない。まあ、この中に中学生女子がいるなら話は別だが」
忍「いつか捕まるぞ」
暦「にしても皆、よくも健気に保守なんて出来るよな。僕なら一時間で飽きてるぜ」
忍「カカッ。儂らの雑談如きの為に数時間粘る根性だけは認めてやってもよいのう」
暦「オチもネタも無いのによくやるぜ。……いや、それは僕達もだけど」
忍「それで、儂らは何の話をしておったのかの?」
暦「はみがきじょうずかな? の話しか覚えていないぞ」
忍「いや、カーネーションの話じゃ。母親にカーネーションの花束を渡す方法を模索しておったのじゃ」
暦「それはオマケだろ! 今日は平日なんだぜ」
忍「今日は世間的に、日本的に全国的母の日じゃ」
暦「母の日は終わったよ、今」
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!
暦「つまり僕は、もうこの家に拘束される理由は無い。自由気ままに彼女とイチャついていいんだ」
忍「お前様は猿か……大体、母の日らしい事を全然しておらんではないか」
暦「お前だってしてないだろ」
忍「儂に母はおらん」
暦「じゃあ墓参りでもしてろよ。かつては人間で、その頃には当然母親が居たんだろ」
忍「かもしれんの。まあ、化物になった娘を見て喜ぶ母親なぞおらんしな」
暦「母親は、自分の子供がどれだけ変貌しても愛してくれるもんだ」
忍「お前様が言っても説得力がない」
暦「何だと。僕ぐらい母親思いで妹思いでシスターラブなお兄ちゃんは居ないぜ」
忍「妹御が好きなのは存分に伝わった。周知の事実ではあるがの」
暦「ああ、もう……母の日、父の日があるのに、どうして妹の日がねえんだ。この国は狂ってる」
忍「狂っておるのはお前様じゃ。そもそも、妹は居ない人間は相当数がいるじゃろ。確実に存在する父・母とは違うじゃろ」
暦「妹ぐらいどっかの小学校で捕まえてくればいいだろ……」
忍「思考がぱないの」
暦「いくら褒めてもミスタードーナツは出てこないぜ」
暦「で、忍。実際問題、これから僕は何をすればいいんだ?」
忍「改まってどうしたのじゃ。これ以前も大して何もしとらんというのに」
暦「だからといって未完はまずいだろ? 僕達の雑談パートも、何処かで区切らないと駄目だと思うんだ」
忍「面倒臭いのう。大体、雑談パートが終われば、それ即ちSSの終わりであろう?」
暦「雑談の後に事件でも起こってくれれば、気持ちよく事件を解決して終われるのにな」
忍「不謹慎じゃぞ」
暦「原発とかもう一回トラブらねーかな」
忍「トラブったところでお前様に出来る事は何もない!」
暦「神原がなんか適当なこと猿の手に願わねーかな」
忍「数少ない化物友人をお前様は何だと思っておるんじゃ!」
暦「いっその事、千石をぶん殴りにいくか。反動で何か起きそうじゃないか?」
忍「ふん。あの小娘を殴ったところで、手痛いしっぺ返しを食らうだけじゃ」
暦「あれも駄目、これも駄目って言われて残った選択肢はひとつだ」
忍「事件は選択性ではないわ。してお前様、一応聞いておくが、その選択肢とは何じゃ?」
暦「この時間、妹達は風呂に入ってる。主人公である僕には、風呂場への侵入が許可されている!!」」
ちょっと10分ほど飯
今日はオールナイトだぜ。
風呂ネタが切れる前にネタを書いてもいいのよ?
――。
暦「よし、行くぞ」
ガラッ
火憐「うわああああああぁぁぁっ!」
月火「きゃあああああぁぁぁ!」
翼「きゃあああああっっ!!」
ピシャッ!!
暦「お、おい……何で羽川がいるんだよ」
翼「あ、阿良々木くん……?」
暦「は、はい。何でしょうか、羽川さん」
翼「ノックも声掛けもせず、水音のするお風呂場にどうして入っちゃったのかな?」
暦「あ、その。僕の家ではそうなんだよ。裸の付き合いを重んじるんだ」
翼「ふうん。どうしてそんな嘘を吐くのかな?」
暦「擦りガラス越しなのに怒気が伝わってくる!」
翼「阿良々木くん、これはちょっとした問題だよ。事件だよ。犯罪だよ」
暦「それはおかしいぜ、羽川。ちょっと僕の話を聞いて欲しい」
ガッ
翼「どうして扉を開けようとしてるの!」
暦「話し合う時は面と向かってするタイプなんだよ、僕は。羽川なら理解してくれると思ったのに!」
翼「し、しないわよ! 時と場合を考えてよ阿良々木くん! 今はそういうタイミングじゃない!」
暦「僕が誠意をもって話をしようとしてるんだぞ!」
翼「誠意じゃなくて下心でしょ!」
暦「とにかくここを開けてくれ! 誤解は早めに解くに限る!」
翼「阿良々木くん、かなりおかしい事言ってるよ!?」
暦「くそ……埒が明かないな。仕方ない。擦りガラス越しの羽川で我慢するよ」
翼「我慢ってなに、我慢って」
暦「とにかく、おかしいといえば羽川がおかしいだろ」
翼「おかしな事をしておいてよく言う。阿良々木くん、こういう事する人じゃないって思ってたのに……」
暦「マジで!?」
翼「……いや、ちょっと嘘吐いた。ごめん」
暦「……酷く傷ついた。僕は酷く痛く傷ついたよ、羽川」
翼「そんなにヘコまれても。というか阿良々木くん、いい加減そこをどいてくれないと、私が湯冷めしちゃうんだけど」
暦「その時は、僕が全身介護してやる」
翼「そんな言葉は無いです」
暦「だったら僕はどかないぜ。大体ここは僕の家だ。僕が何処にいようとも自由だろ?」
翼「まあ、それには一理あるけれども……」
暦「仮に僕が脱衣所にある下着を枕にして寝ても、それを咎める事は客人である羽川には出来ない」
翼「変態暴君だっ!」
暦「何とでもいうといい。性欲モードの僕は羽川にすら容赦しないぜ」
翼「……うーん、じゃあ阿良々木くんは、どうやったらそこをどいてくれるのかな?」
暦「羽川次第だ」
翼「なるほど、私次第なんだ……じゃあ」
ガラッ
暦「!?」
!?
暦「は、羽川さん……?」
翼「阿良々木くん、土下座して」
暦「はい」
翼「まず、謝る事があるよね。阿良々木くん?」
暦「え、えっと……羽川さん、せめて隠しませんか?」
翼「阿良々木くんは誰かに謝る時、目を背けるわけ?」
暦「くっ! わ、分かった。見ればいいんだろぐわああああああああああああっ!!」
翼「人の身体を見て悲鳴をあげないで」
暦「だ、駄目だ。あまりにも神々しすぎて直視出来ない」
翼「たまにそうやって私を褒めてくれるけども、私は阿良々木くんが思っている程にすごくないよ」
暦「い、いやっ。結構なものをお持ちで……」
翼「不人気だし、うざがられてるし、世間的には化物ランクワースト1位じゃないかな」
暦「僕の中では化物ランクトップクラスだよ!」
翼「阿良々木くんは優しいね。でも、優しすぎるというのも問題ではあるよね」
暦「いい加減に前を隠してくれ! 目が潰れる!」
バサ姉とか誰得
翼「さっきから阿良々木くん、神々しいだの、目が潰れるだの、さり気無く悲鳴伝に触れてくるよね」
暦「……さすが羽川、お前は何でも知ってるな」
翼「ごめんなさいは?」
暦「お約束の流れがぶった切られた!」
翼「うん。ほら、私がまた誰得とか言われてるから、早々に退場したいの。阿良々木くん、私の為に謝って」
暦「ごめんなさい、羽川さん。いきなり風呂に入ろうとして申し訳ありませんでした」
翼「うん、よろしい。……でもさ、阿良々木くん。私ならいいけど、妹さんの裸を見るのはお兄ちゃんとしてどうかと思うよ」
暦「はい……」
翼「家族だからって何もかも許されるわけじゃ、ないんだから……」
暦「……」
翼「なんて。こんな事言うからうざがられるのかな。それとも、単純に見た目が悪いのかな」
暦「どっちにしろ、僕は両方好きだよ。羽川」
翼「やだなあ阿良々木くん、そんな事言うとうっかり惚れちゃうじゃない。戦場ヶ原さんが居るんだし、その優しさは抑えた方がいいと思うよ」
暦「別に優しさとかじゃなくて……」
翼「甘えたくなるから、やめて。お願いだから」
暦「……」
火憐「……翼さん、出たのか?」
暦「ああ。今着替えてる」
月火「自然に入ってくるなぁーっ!!」
暦「いてえ! 仕方ないだろ! 脱衣所は羽川が使ってるんだから!」
月火「お兄ちゃんはどうしてナチュラルに変態なの!? ふつう! 普通は外出る! 反対側!」
暦「いてっいて! 何だよ月火ちゃん、今更裸を見られたぐらいで可愛く桶を投げてくるな!」
月火「もう中学三年生だよ!? すっぽんぽんを見られていい年齢はとっくに過ぎてる!」
暦「わ、分かった! 僕も脱げばいいのか!?」
火憐「に、兄ちゃん……」
暦「どうしたんだ火憐ちゃん。珍しくおとなしいな」
火憐「恥ずかしいから、外、出て……」
暦「……お前」
火憐「……」
暦「――お前、熱でもあるのか!? どうしたんだ気色悪い! そんなキャラじゃねえだろ!?」
暦「まさか、囲い火蜂か!? ね、熱。心拍数をはからねえと!」
火憐「ひゃああぁっ! 揉むな兄ちゃん!」
暦「っっっっっ痛えええええええええええええええ!!! 何だよ演技かよ、期待させやがって!」
火憐「兄ちゃんはそんな事だから、いつまで経ってもお母さんの悩みの種なんだ!」
暦「それ、地味に精神にくるからやめろ!」
月火「というかお兄ちゃん、いい加減に出てって!」
暦「ここから出たら羽川の裸を見てしまうだろ! だったら見慣れてる裸を眺めてる方がマシだ!」
火憐「兄ちゃんは誰かの裸を見ないと死んでしまう身体なのか!?」
暦「あ、ああ……実は僕、妹のおっぱいを揉まないと呼吸が困難に……が、息がっ……!」
月火「だとしたら、お兄ちゃんは刑務所に入れられて普通の生活を送るのが困難になっちゃうね」
火憐「に、兄ちゃん!?」
月火「ふぇ!?」
暦「か、かれ……火憐、ちゃ……たす、けて」
火憐「兄ちゃん! 大丈夫か兄ちゃん! しっかりしろぉ!」
月火「何この茶番!?」
化物語のシリーズってこんな感じの話なのか・・
明日本屋に行ってこよう。
>>296
だいたい違う
暦「か、火憐ちゃん……お、おっぱいを……」
火憐「あ、ああ! 兄ちゃん、おっぱいだ。翼さん程大きくないけど……」
暦「手ごろなサイズだ……ぐ、も、揉むぞ!」
火憐「んっ」
月火「ち、ちょっと火憐ちゃん!? どうしたの火憐ちゃん!」
火憐「ぁ、に、兄ちゃん……そこは、先っぽは、駄目だ……ひっ」
暦「はぁっはぁっはぁっはぁっ!」
火憐「ひゃぅっ! あ、だ、らめ……吸っちゃ、ら、……ぁあ!」
月火「これ以上は見てられない! 目の毒だ! ごめん、火憐ちゃん!」
ガシッ!
月火「……あれっ」
火憐「つ、月火ちゃんも、兄ちゃんを助けて……」
月火「え、えぇぇっ! 火憐ちゃん、どうしたの気持ち悪い! そんなキャラじゃないでしょ!?」
SEFU
暦「つ、月火ちゃん……早く、がはっ!」
月火「どうみても演技じゃん!」
火憐「月火ちゃん! こんなのでもたった一人の兄ちゃんなんだぜ! 早くおっぱいを!」
月火「火憐ちゃん、ほんとにどうしちゃったの!?」
暦「はぁ……はぁ、はあ……」
月火「ぁぁんっ! お、お兄ちゃんっ……強すぎ! 痛いってほんとに!」
火憐「つ、月火ちゃん……こっちも」
月火「あっ! ……だ、だめだって! あうと! これはあうと! そこはあうと!」
暦「ぼ、僕の生命ラインもアウトよりに……」
火憐「月火ちゃん、全然足りないみたいだっ。兄ちゃんを助けるんだ! 正義の味方みたいに!」
月火「ぅぁにゃああっ! 違うよこれっ……正義のみかた、ちがう……! あ、だめ、ほんとにだめ……!」
暦「っかは! ……はぁ、はあ……はぁ。何とか助かった」
火憐「はぁ、はぁ……良かったぜ、兄ちゃんが無事で」
暦「じゃあ、そろそろあがるか」
月火「……な、なまごろしだ。私、お兄ちゃんと火憐ちゃんに汚されちゃった……」
――。
暦「深夜のテンションで少しおかしくなったな」
月火「少し?」
火憐「少し疲れたかも」
月火「……少し?」
暦「もう少しで二時だぜ。慣れないエロより、手馴れた雑談でもしようじゃないか」
月火「ていうか、基本的に雑談しかしてないよね」
火憐「ま、あたしとは何度か勝負もしてたけどな」
月火「雑談の延長だった気がする……」
暦「細かい事は無しにしようぜ。そろそろ本格的にネタが尽き始めてるんだから」
火憐「兄ちゃん、雑談なんて適当に話してればいいんじゃないのか?」
暦「甘いな、激アマだよ火憐ちゃん。雑談パートは適当に話しても成立するけれども、面白くしようと思えば結構難しいもんなんだよ」
月火「お兄ちゃんは適当に話してても、それなりに面白いよ」
暦「ははは。妹に褒められるのは気分が良いなあ!」
暦「まあ、雑談の奥深さを語ったところで、やはりそれは雑談に過ぎないんだよな」
月火「雑談のことを雑談するってややこしい」
火憐「妹に妹が出来るみたいなもんか……」
暦「それとは大分違う。同じ単語を並べればいいってもんじゃねーよ」
火憐「何だと兄ちゃん、二倍の力を舐めてるのか!」
暦「二倍の力!? そういう話はしてなかっただろ!」
火憐「いやいや兄ちゃん。これは二倍の力の話だぜ。文武両道、みたいな」
暦「それもまた、微妙に二倍の力とは違う話題だよな……」
月火「お兄ちゃん達はすぐ、話の本筋からずれちゃうよね」
暦「そうか? 僕はそのつもり、全然ないけどな」
月火「無自覚だったんだ……」
暦「それにずれる事だって悪くない。ずれまくれば、いつかは本筋に戻ってこれるだろ」
月火「ただ崖から落ちて、ジュゲムにコースに戻されただけでしょ」
暦「結果的にコースに戻ればいいんだろ」
月火「ゴールが見えないコースに戻る意味はあまり無いけどね」
暦「確かにそれは問題かもな。大体、僕達は当初何をしたかったんだ?」
火憐「去年の昨日した約束を兄ちゃんが守るかどうかって所からはじまったんだよな」
月火「ぐだったけど、結果的に約束は果たされたよね」
暦「マジで果たしただけだけど。そうだ、いっその事、カーネーションを渡すのを、この話のオチにするか」
火憐「それいいな! お母さんもきっと喜ぶぜ。最終的には舌打ちするけど」
月火「ていうか、お母さんのキャラが舌打ちって私達の中で定着してるけれど、実際のところどうなの?」
暦「僕よりもお前達の方が詳しいだろ。何だかんだでお母さんっこなんだから」
火憐「そんな設定があったのか!」
暦「設定とかいうな! もっと自然に僕の言葉を受け止めて、うまい事やれよ!」
月火「カーネーション渡すのは賛成だけど、お母さんが話のオチに登場してもなあ……」
暦「饒舌な僕も母親の前ではだんまりしちゃうだろうしな」
火憐「大体、本編に台詞があったのかも怪しい」
月火「花を貰うと舌打ちするという勝手な設定からして怪しい所だらけだよ」
暦「自分の母親の事すらよくしらねー僕達って一体……」
新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内
新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内
オールナイトしようと思ったけど、昨日の夜から寝てないことを思い出しました
月火「でもさ、お母さんの事をよく知らないのってお兄ちゃんのせいだよね」
暦「何でだよ。確かによくは知らねーけど、僕のせいって事はないだろ」
月火「いやいや。お兄ちゃん視点で話が進む事を考えたら、やっぱりお兄ちゃんのせいだよ」
火憐「何だかんだいって、兄ちゃんも若い女の子にしか眼中にないって事か!」
暦「おい! 僕が母親までもをストライクゾーンに入れてる方が問題だろ!」
火憐「だから物語シリーズは人が少ないんだ。モブはアウトオブ眼中な兄ちゃんのせいで」
暦「モブなんて大抵アウトオブ眼中だろ。僕以外の主人公だって同じ事言う」
火憐「最近では兄ちゃんが主人公である事すら忘れられかけてるけどな……」
暦「ほんとにだよ。大体、語り部が僕じゃない話でもモブ……っつーか、人は出てこないだろ」
月火「お兄ちゃんの友達の少なさに由来してるんじゃないかな」
暦「何だと! つーか、瑞鳥くんや蝋燭沢くんも実際に登場してねえじゃねえか。本当にいんのか、彼氏!」
月火「私達が語り部になれば登場するよ。お兄ちゃんが語り部だと、男には興味無いから出てこない」
暦「反論できねえ……」
火憐「それを思うと、忍野メメっていうオッサンはお兄ちゃんのストライクゾーンに入ってたんだな……」
暦「反論するぞそれは!」
火憐「貝木のやつも、お兄ちゃんのストライクゾーンだったのか」
暦「僕の物語は、僕のストライクゾーンに入ってる奴だけが登場するわけじゃねえよ!」
月火「もおおっ! だったら何で貝木や忍野さんは出てくるのさ!!」
暦「何で僕はキレられてんだ!?」
月火「でも、ホモが嫌いな女子はいないんだよお兄ちゃん。えへっ」
暦「可愛いこぶっても何のフォローにもなってねえ!」
火憐「ま、兄ちゃんの性癖はともかく、同性の友達の少なさは絶対にあるよな」
月火「そうそう。お兄ちゃんはほんと、もっと友達作るべきだよ。同性の方が接しやすいでしょ」
火憐「カップリングも出来るぜ!」
暦「何で僕はホモ好きに媚売らないと駄目なんだ!? 男同士のカップリングなんて僕は得しねーよ!」
月火「勝手な主人公だなあ……。魁!男塾とかを見習って欲しい」
暦「名前からしてホモじゃねーか! つうか、あんなにむさいのは漫画の世界だけで十分だ!」
月火「そういう偏見が駄目なんだよ。主人公なら、同性が相手でもグイグイいくべき」
暦「主人公にそんな万能性はいらねー!」
月火「物語もここまで長期化すると、色んな層に売ってかないと駄目だよね、実際」
暦「妹からそんな言葉は聞きたくなかった。だが、個人的にはホモよりレズ。薔薇より百合だろ」
火憐「そっか……あたしと月火ちゃんがもっと絡むべきなのか」
月火「今後、私と火憐ちゃんに出番があるとは思えないけど……」
暦「はっきり言って、僕はまだそっちの方が興味あるぞ。なのに何故、百合が少ないのか」
火憐「目の前で百合展開があっても、兄ちゃんは困惑するだけだ!」
暦「否定出来ねえ……。分かった、百合は諦める。僕はもう妹だけでいいや」
月火「それは私達が困るよ!」
暦「神原辺りに火憐ちゃんとか犯さねーかなー」
火憐「兄ちゃんがさり気無くすげえ事言った!」
暦「それは冗談にしてもだ。僕と戦場ヶ原以外の人間の恋愛模様をもっと知りたいところだよ」
月火「うわあ……」
火憐「怖いこと言うなあ……」
暦「え? なに? 僕なんかまずい事言った?」
暦「つうか、僕を年中発情期のオスみたいに呼ぶんじゃねえ。僕の名前は阿良々木だ」
火憐「それは苗字だ!」
暦「そんな訂正はいらんわ! 面倒くせえ!」
火憐「いいや、大事なことだぜ。他は許せても、あたしはここは譲れねえ」
暦「火憐ちゃんって時々マジ面倒くさいな。そういうところ、僕は可愛いと思うぜ」
火憐「なっ! ちょ……反応に困るじゃねーか、シスコン野郎」
暦「罵倒された!?」
月火「そろそろ話戻そうよ。カーネーションの渡し方、決まったの?」
暦「話を戻すのは大いに結構だが、そもそも別に何の話もしてなかっただろ。カーネーションとかいつのネタだよ」
月火「ネタじゃないよ! もう母の日から9時間も経ってるのに、何でまだカーネーション渡してないの!?」
暦「月火ちゃん、話が脱線してるぜ。今は妹の話だろ?」
月火「話のレール多すぎ!」
火憐「今にはじまったことじゃないけど!」
暦「ま、とにかく話を戻そう。カーネーションの話とか来年しようぜ」
火憐「兄ちゃんはおじさんが好きなのか?」
暦「ホモのレールはぶっ潰せ。別に僕はおじさんが好きとかねえよ」
火憐「でもさあ兄ちゃん。瑞鳥くんや蝋燭沢くんが出てこなくて、貝木や忍野さんや、兄ちゃんの彼女のお父さんが出てくるのはおかしい」
暦「別におかしくねーだろ。話を進めるのに必要不可欠だったってだけだ」
月火「私達の彼氏をモブキャラみたいに言わないで!」
暦「ああ、確かに瑞鳥くんや蝋燭沢くんはモブキャラじゃねーな。僕のぶっ殺したいリストに入ってるし」
火憐「おいおい兄ちゃん。そんな事言うと、このあたしも正義の味方として動かざるを得ないぜ」
暦「望むところだ。妹の処女を奪っていいのは僕だけだ。他には譲らない」
月火「かっこいい風に言ってるけどただの変態発言でした」
暦「よせよ、月火ちゃん。僕に惚れると火傷しちゃうぜ?」
月火「むしろ焼くのはこっちかも」
火憐「兄ちゃんだけ名前にファイヤーが無いからな」
暦「名前に統一感はあるだろ。暦、火憐、月火」
火憐「名前だけ見ると三姉妹みたいだ」
暦「それは言わない約束だろ?」
統一感?
暦「瑞鳥くん=月火ちゃん、蝋燭沢くん=火憐ちゃんってたまに見るよな」
月火「それが事実だとしたら、つい去年まで友達ゼロだったお兄ちゃんよりも寂しい人間になっちゃう」
暦「夢のある話じゃねーか。ホモの話なんかよりも、立派で素晴らしいと思うぜ」
火憐「真実は闇の中だな」
暦「誤魔化すんじゃねえ! やっぱり本当は彼氏なんて居なかったんだろ?」
火憐「だったら何だ! 兄ちゃんだって本当は友達なんて居ないんじゃないか!」
暦「はははっ。生憎だが、僕には女の子の友達が何人かいる。これは全世界が認める事実だ」
月火「友達だと思っているのはお兄ちゃんだけかも。友情一方通行」
暦「やめろ。僕とみんなの関係は決して僕から向こうへの一方通行じゃないはずだ」
火憐「人の心は読めないんだぜ、兄ちゃん。腹の内で何を考えてるのか分かったもんじゃない」
月火「お兄ちゃんが友情を信じてても、向こうは恋情を持ってるかもしれないしね」
暦「僕に恋情抱いてるのは、羽川と戦場ヶ原ぐらいだろ?」
月火「うん? ああ、うん。そーだねー」
暦「何で棒読みになるんだよ」
月火「千里の道も一歩からと言うけれど、最初の一歩がやっぱり一番難しいね、千ちゃん……」
カレンダーの発想はなかった
暦「逆にいえば、妹であるお前達が僕に恋情を抱いている可能性もあるって事か」
月火「逆ってなに」
火憐「ま、兄ちゃんだもんな。身近な異性として好意を抱くってのはあるかも知れない」
暦「そういう役目は普通父親がやるんだろ」
火憐「え、なんで?」
暦「……いや、何でもない。ただし火憐ちゃん、お前はすげえ可愛いな」
月火「エア彼氏とか言われてるけど、存在を証明されてはいないけれど、いない事も証明されていないんだから結局真相は闇の中だよね」
暦「だったらここに連れてこいよ。僕の目の前に瑞鳥くんと蝋燭沢くんを連れてくりゃ、それで証明終了だろ」
月火「げ、原作でも台詞のない人をSSに出すのはちょっと……」
暦「メタ的な逃げ方するんじゃねえ! 恋愛において散々僕を馬鹿にした月火ちゃんなら、彼氏連れてくるぐらい余裕だろうが!」
月火「何なのお兄ちゃん、そんなに蝋燭沢くんや瑞鳥くんとホモ展開したいわけ!?」
火憐「なんつーか、兄ちゃん……節操なしだな。さすがはあたしの兄ちゃんだ」
暦「ホモ的な逃げ方もするんじゃねえ! いいか、彼氏の有無は物語シリーズ最大の謎なんだよ」
火憐「謎多き女、ファイヤーシスターズ……」
月火「居ようが居まいが乳は揉むお兄ちゃんにとって些事に過ぎないよね。彼氏の有無なんて」
月火「あと、もう日曜日じゃないよ」
火憐「兄ちゃんは将来的に毎日、日曜日になってそうだよな」
暦「何でだよ。お前らが養ってくれるのか?」
月火「絶対無理」
暦「そんな強く否定されるとへこむんだが……」
火憐「安心しろって。いざって時はあたしが止めをさしてやる!」
暦「いざって時には絶対お前ら頼らねえ!」
月火「酷いなお兄ちゃん。性欲発散の時には頼ってくるのに」
火憐「兄妹だから今まで黙ってたけど、兄ちゃんの過剰なスキンシップは世間一般じゃありえないことだぜ」
暦「仲の良さに嫉妬してるんだろ。僕ぐらい、こんな可愛くてエロい妹がいる恵まれた環境のお兄ちゃんはいねえからな」
月火「実の妹を可愛くてエロいとか言うあたり、普通じゃない」
暦「世間一般とか普通とか言うけどさ、そんな線引きに何の意味もねえよ。僕はそんな線引き、簡単に越えてやる」
火憐「かっけえ!」
月火「でもやっぱりただの変態発言にしか聞こえない!」
暦「にしても、改めて振り返ってみると結構色々話したよな」
月火「化物語SS至上、もっとも雑談の多いSSといっても過言ではないかも」
火憐「やっぱこういうの、賞とかもらえんのかな?」
暦「どういう発想だよ。雑談してるだけで賞もらえたら、今頃僕達は賞状の海に溺れてるぜ」
月火「でもさ、冷静になってみると中身スッカスカだよね」
火憐「雑談なんてそんなもんだ」
暦「昨日と合わせて大体70~80レスか。今更ではあるが、この雑談パートはいつ終わるんだよ」
火憐「話題がループしてるぜ、兄ちゃん」
月火「ゲスト的な感じで他の人を呼んだら、一生続けられそうだよね」
暦「僕の喉がヤバイ事になるだろ。その内筆談になるぞ」
火憐「安心しろ兄ちゃん。そうなったら手話を教えてやる!」
暦「へー、火憐ちゃんって手話とか出来るのか」
火憐「手話は肉体言語だ!」
暦「期待した僕が馬鹿だった!
暦「手話っていやあ、最初に考えた人はすげーよな。〝最初の一歩を踏み出した〟人ってのは大抵すげーんだけど」
火憐「牛のミルクを最初に飲んだ人とか、なめこを最初に食べた人とか」
暦「何か、そのふたつに限ってみればただの変態だな」
火憐「兄ちゃんほどじゃねえよ。あたしの兄ちゃんは牛のミルク飲んだやつと、なめこ食った奴には負けねえ!」
暦「それ……僕は喜んでいいのか?」
月火「なめこなんて普通は食べたりしないもんね」
暦「なんでもかんでも口に入れる馬鹿がいたんじゃないのか」
火憐「じゃあ、じゃあさ。鯨を最初に食ったのはすっっっごい巨人だったのかな!?」
暦「あっははははははははは!!」
月火「お兄ちゃんのツボにはまった!」
暦「ははははははっ! 火憐ちゃん、ほんとにお前はすげー奴だよ」
火憐「へへ、今更あたしのすごさに気付いたのか兄ちゃん」
月火「……さっきから、火憐ちゃんばっか褒めてる」
暦「ん、何か言ったか。月火ちゃん?」
月火「べつに。なんもないよ」
月火(たまには私も褒めて)
暦「どうしたんだよ月火ちゃん。さっきからじーっと見てきて」
月火「なんでもない。ちょっと実験してただけ」
暦「実験? 僕が月火ちゃんの熱視線で萌え死ぬかの実験か?」
火憐「視線で燃え殺すとかすげー!」
暦「燃え殺すとなるとただのレーザーじゃねえか」
月火「でもさ。そういう能力があると日常がちょっと楽しくなりそうだよね」
火憐「不死とかなったら超楽しいだろうな! 正義の不死者とか、とうとうあたしを止められる者が居なくなるぜ」
暦「そうか? 不死なんて案外、楽しいもんでもないと思うけどな」
火憐「そうかなあ。そうなのかな。……ま、燃え尽きない蝋燭なんて気味悪いか」
暦「そういうことだ。終わりが見えてるからこそ、生きる甲斐があるんだろ」
月火「なんか真面目な話になっちゃってる」
暦「ホモの話よりもよっぽど有意義だ。でも、妹の話のほうがもっと有意義ではある」
月火「お兄ちゃんってほんとう、私達のこと好きだよね」
暦「当たり前だろ。僕は妹ラブだぜ。彼女が出来たってそれは変わらねえ」
最近妹に「プラチナムカつく」ってのを教え込んだ
うざい って言われるより可愛くていい感じ
暦「僕はマジで運がいいよな。長男として生を得た時は絶望したけど、今じゃこんな妹二人がいるんだし」
月火「お兄ちゃんは生まれた瞬間に絶望したの……?」
暦「この先、一生お姉ちゃんは出来ないんだなって生後三十秒にして理解した」
火憐「すごいな……あたしの生後三十秒なんて、まだ泣きじゃくってただけだ。身体の節々が痛くて」
暦「はは、分かる分かる。でも開放感が半端なかったよな」
火憐「あと、すっごい寒かった。一瞬だけだったけど」
暦「今までいた所が暖かかっただけにな」
月火「生後三十秒の話が何でこんなに続くの!?」
暦「僕にもわかんね。あんまり面白い話ではないのは確かだが」
火憐「あの頃はまだ、月火ちゃんが生まれてなかったんだよなあ……」
暦「普段あんまり意識しねーけど、月火ちゃんって僕らの中じゃ末っ子なんだよな」
火憐「あたしもあんまり意識してなかったけど、妹いるんだなー」
月火「確かに火憐ちゃんをお姉ちゃんって意識する事はないかも」
暦「世界で一番可愛い妹の中の妹か。つまり、月火ちゃんは世界一可愛いってことか」
月火「反応に困るんだけど……」
暦「いっその事、ムーンファイヤーじゃなくてキューティカルシスター月火に改名しろよ」
月火「絶対やだ!」
火憐「兄ちゃんのネーミングセンスは壊滅的だな。駿河さんとは大違いだ」
暦「ヴァルハラコンビの事か? 確かにあれはよく出来てるよな」
火憐「栂の木二中のファイヤーシスターズってのも覚えやすくていいけど、そっち系もいいな」
暦「そっち系ってなんだよ。僕からすりゃ、ヴァルハラコンビもファイヤーシスターズも割りと似たようなもんだ」
月火「名前よりも中身だよね」
火憐「そうだぜ。名前は分かり易ければそれでいい。かっこいいに越したことはないけど」
暦「正義の味方やってる身としちゃ、ファイヤーシスターズぐらい分かり易い方がいいんだろうな」
月火「○○戦隊なんとかジャーみたいな感じ。ややこしい名前の正義の味方なんて面倒くさいよね」
火憐「姉妹戦隊シスタージャー!」
暦「かつてこんなにださい戦隊名があっただろうかというぐらいに酷い名前だな」
火憐「駄目かあ……。名前考えるのって難しいんだな」
月火「戦隊っていっても、そもそも二人だし。今はソロ活動中だけど」
暦「戦隊組めるほどに妹がいたら、僕が萌え死にするだけだ」
暦「名前もそうだけど、口癖っつーか……プラチナむかつくみたいなのもセンスがいるよな」
月火「フィーチャーしてくれるんだ、プラチナ嬉しい」
暦「とってつけたかのように言うな!」
火憐「今じゃプラチナってワードから月火ちゃんを連想するのは難しくないよな!」
暦「ああ。それは僕たちだけかもしれないけれど、確かに月火ちゃんといえばプラチナみたいなのはある」
月火「プラチナ=坂本真綾の時代を越えていくっ!」
暦「懐かしいな。今でも僕は大好きだけど」
火憐「兄ちゃんが好きなのはさくらちゃんだろ」
暦「その通りだが、僕は曲だって好きだぜ。いい曲だよな、プラチナ」
月火「プラチナ嬉しいのに、プラチナ切なくなってとか歌ってると申し訳ない気持ちになっちゃう」
暦「月火ちゃんは月火ちゃんで十分いいと思うけどな。僕なんて、未だに歌ってないんだぜ」
火憐「偽物語一話は戦場ヶ原さんじゃなくて、兄ちゃんが歌えばよかったのに」
暦「こよみヴァンプに期待しろよ。僕が主題歌を歌うかもしれねーんだからな」
月火「あの、お兄ちゃん。私はお兄ちゃんが歌うのはやめた方がいいと思うよ。きっと後悔になる」
暦「後悔上等だ。青春は、傷みなしに過ごせない」
月火「プラチナむかつくってのも流行るといいな」
暦「流行るといいよな。プラチナむかつく」
月火「蕩れは流行らなかったよね。お兄ちゃんがそんな事言うから」
暦「僕のせいじゃねえよ……流行らなかったの一番の原因は、萌えの強さにあるんだよ」
火憐「対抗が強いと燃えるよな! あたしも何か流行らせたい!」
暦「流行らそうと思って流行るもんじゃないだろ。結局、使いやすいかどうかだ」
火憐「コスメティックバイオレンスとか、結構あたしは好きなんだけどな」
暦「ん……ああ、あれか。僕もそれは秀逸だと思うけれど、使い所が限られすぎてるよな」
月火「なにそれ、私知らない」
暦「造語だよ。厚化粧とか、香水の付けすぎがもたらす周囲の暴力、みたいな意味だ」
月火「へえ。確かにちょっと、使い所が限られるかも」
暦「その点、プラチナ○○は便利だよな。このスレのお兄ちゃんの一部も、自分の妹に教えてるらしいぜ」
月火「ありがとうございます」
火憐「くっそー! あたしだって何かすっげーの考えてやる!」
暦「ああ。このSSが終わるまでになんか考えておけよ」
暦「で、そろそろ話題も無くなってきたんだが」
月火「という話題も何度かしてきたけど、何だかんだで今の今まで雑談出来てるよね」
火憐「あたし達が三人で話すって事自体、あんまり無いからな。話したい事なら山ほどあるよ」
暦「山ほどあるなら火憐ちゃんが話題を振ってくれよ。僕と月火ちゃんがそれに答えて行くから」
火憐「言ってみただけだッ!」
暦「期待を裏切るなよ……。こういう時にこそ、ゲストが欲しいよな」
月火「私達の事はいいから、お兄ちゃんがちょっと外出すればいいんじゃないの?」
暦「スレタイとは一体。一応、僕を家から出さないのが作戦なんだろ?」
月火「母の日は終わったんだよ」
火憐「あたし達ばっかりが話してても、他キャラファンの人はきっと楽しくないぜ」
暦「僕が楽しければいいんだ。僕は主人公だぞ。外の人間の好き嫌いなんて知るか!」
月火「最低の発言だあ!」
暦「……でも、気分転換ぐらいにはなるかもな。20時まで残さなきゃいけねーんだし、外に話題探ししてくるか」
月火「20時? なんで?」
暦「頼まれたら断れないって話だよ。じゃあ、ちょっと行ってくる」
――。
暦「つっても、特に行くところなんてねーな。平日の昼に町をウロウロなん、まるで僕が駄目な人間みたいじゃねーか」
真宵「おや、手羽先さん」
暦「もはや原型を止めていないっていうか、母音しかあってないんだけど僕を中京圏でよく食べられる鶏料理みたいに呼ぶな。僕の名前は阿良々木だ」
真宵「失礼、噛みました」
暦「違う、わざとだ……」
真宵「買いました」
暦「何をだ!?」
真宵「偽物語第一巻、かれんビー(上)。ブルーレイにて好評発売中です」
暦「ステマも大概にしろ! むしろステルスしてねえけど!」
真宵「失礼。しかし阿良々木さん、こうでもしないと食っていけないのですよ」
暦「ブルーレイの宣伝しないと食っていけない小学生なんていねえよ!」
真宵「今日も突っ込みが冴えてますね、阿良々木さん。真昼間から町内を徘徊するだけはあります」
暦「それとこれとは関係ねえ!」
TEBASAKI
EAAI
ARARAGI
AAAI
…!?
真宵「それで阿良々木さん。今日は一体何の用事ですか?」
暦「用事ってほどのものはないよ。強いていうなら、その用事は今果たされた」
真宵「ほほう。つまり私に会うことが用事であると。中々嬉しいことを言ってくれますね」
暦「厳密には違うけれども、僕も八九寺と会える事自体は喜ばしい事だから何も言わないでおこう」
真宵「私はてっきり、これからハローワークにでも行ってくるのかと思いました」
暦「僕は現役大学生だ! まだハロワの世話にはならねえ!」
真宵「原液大学生ですか。濃いキャンバスライフを送れそうですね」
暦「濃いって事もねーよ。友達が少ない僕からすれば、むしろ薄まった感じすらする」
真宵「ええ。そんなこったろーと思ってました」
暦「八九寺、ぶん殴っていいか?」
真宵「ひい! やめて下さい阿良々木さん! 小学生を犯すのは駄目です!」
暦「人聞きの悪いことを言うんじゃねえ!」
真宵「失礼しました。阿良々木さんのモットーは、罪を犯して小学生を犯さず、でしたね」
暦「お前、僕をかなりひどい目で見てるんだな」
真宵「はい。相応のことをされてますからね」
真宵「しかも阿良々木さん。先程の手羽先突っ込みにミスがあるみたいですよ」
暦「しかもも何もねーけど……抜かったな」
真宵「大学生になって調子乗ってるんじゃないですか。シリーズが長続きして調子に乗ったかのように」
暦「それとこれとは僕とは関係ない。突っ込みミスは僕のうっかりだ」
真宵「これはもう、漫才サークルに入るしかないんじゃないでしょうか」
暦「おい八九寺。僕がサークル活動なんて出来るとでも思ってるのか? あ?」
真宵「どうしてキレてるんですか。あんまりキレると、私また消えますよ」
暦「八九寺ちゃん、そこの駄菓子屋でお菓子を買おう」
真宵「きゃっほーい! では阿良々木さん、グレープフーセンガムを大人買いしましょう!」
暦「えらく懐かしい名前だな。あれだろ、球状のガムが4個入ってるやつ」
真宵「おや、ご存知でしたか。阿良々木さんの年代でも、駄菓子屋は使うんですね」
暦「お前の実年齢を再認識させられるような発言はやめろ。一生、小学生をやっていろ!」
真宵「言われなくとも私は生涯小学生ですよ。死んでいますが」
暦「合法ロリ、最高じゃねーか。これからのロリ界隈では、とりあえずいっぺん殺しとくのが流行るかもな」
真宵「どんな猟奇犯罪ですかそれ」
真宵「駄菓子屋といえば阿良々木さん、スルメイカってあるじゃないですか」
暦「あるな。ビンっぽいのに入ってるやつ。容器ごと買える事を知ったとき、テンションがあがったのを覚えてる」
真宵「ええ、それです。実は私、昔はあれがすごく怖かったんですよ」
暦「怖い? イカの足とかが苦手ってことか?」
真宵「いえ。理科室で見たホルマリン漬けの蛇を思い出すんです」
暦「なるほどな。確かに干からびたイカが容器に保存されてるみたいで、気持ち悪いかもしれない」
真宵「当時、駄菓子屋のお祖母ちゃんは黒魔術に精通しているのかと思っていました」
暦「どんだけ想像力豊かな子供だ。黒魔術とか知ってる時点でただものじゃねーな」
真宵「占いなんかもありましたしね。だから私、それほど駄菓子屋が好きだったというわけじゃないんです。今は別ですが」
暦「占いねえ……10円ガムの運試しもそうだけど、駄菓子屋ってそういう遊び要素も多いよな」
真宵「スーパーボールクジとかありました」
暦「ああ、あれね。すぐ無くなるんだけど、すぐ手に入るから小学生時代の遊びに便利だったな」
真宵「おや阿良々木さん、スーパーボールで女子小学生は捕獲出来ませんよ」
暦「ポケモンの話じゃねえ!」
真宵「人のこどもを盗ったら、はんざい!」
真宵「駄菓子屋は話題が尽きませんね。ノスタルジックな気分になれますし」
暦「すっぱい○○にご用心シリーズとかも、僕は結構好きだったぜ」
真宵「阿良々木さんは三人兄妹でしたね。ちょうど良かったんじゃないですか?」
暦「知らない人の為に説明しておくと、3個入りで内一個がすっぱいガムの事だ」
真宵「私は一人っ娘でしたので、独占していました。分け合う喜びを知らない女子児童です」
暦「ふうん。だったら、すっぱいのを引き当てておいて『え、これ俺? 何これ、全然すっぱくないんだけど~』という鉄板ネタも知らないのか」
真宵「はい、残念ながら。そもそも私はあまりガム自体買いませんでしたね」
暦「という事は飴派か?」
真宵「何故、ガム派じゃなければ飴派なんですか」
暦「チョコレートは高いし、駄菓子屋っつたら飴かガムが二強だろ?」
真宵「はー、これだからゆとりは困るんです。阿良々木さんなんて、ブタメン買って店先で食べるのがカッコイイとでも思ってればいいんです」
暦「おい、当時ちょっと思ってた事を言うんじゃねえ」
真宵「駄菓子屋といえばスナック類です。キャベツ太郎やフライドポテトは最高でした」
暦「あれ微妙に高いじゃねえか……ブルジョワかよ」
___ ,へ、 ____
|_ / i \ |__ | _|?|__ ロ口
__|?|__ / / | iヽ/ __/ ∠ |_ __|
| | ○ | | | l |_____ `ヽ | l ___
??| |?? | | | | /?ヽ | } ! ! |__| ___
/ ??\ ヽ `ー´ ノ { ○ V /. | | __ |___|
/ /| |?\ ヽ \_/ __ \__/ |_| |__| /
{ し | |_| \:::::::\__ / /
\_ノ ヽ ,-‐'::::::::::::::::::::::::::ヽ、 / /
\ ヽ <、:フ::/::::::::::::::::へ、:::::ヽ /
\ ヽ /:::/:::::/i/,-─ヽ:::::ヘ /
\ rヽ?7:::::へ'´ r rニヽ ヽ:::::} /
\ /` 、> i/i r=ヽ ゞシ ´`} /
\ < ヽ`>' ノ\ゝゞシ ,へ ,r´ /
`‐-' { \r } ノ‐-,ヘ、
\_ `‐--‐ヘ'i´| 'とニヽ }
キャラが変わると勢いで雑談がかける! ふしぎ!
ちょっと休憩しつつ書く
新・支援時間目安表 (アララギ休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内
新・支援時間の目安 (平日ファイヤーシスターズ用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内
真宵「あまり駄菓子屋の話をしていてもつまらないですし、もっと別の事を話しましょうか」
暦「ああ、僕は八九寺と話せるなら何でもいいよ」
真宵「そう言われるとなんだか照れますね」
暦「胸がドキドキするような照れだったら、僕が揉んで癒してやるぜ?」
真宵「謹んでお断りさせていただきます」
暦「八九寺、僕は見た目通りの紳士な男だ。決していやらしい意味で揉むんじゃない」
真宵「阿良々木さんが紳士だった事なんて一度たりともありません」
暦「お嬢さん、年上の人間にそのような言葉遣いは如何なものかと思いますわよ。おっほっほ」
真宵「何のキャラですか! というか阿良々木さんは、いやらしくない意味で何かを揉んだ事があるんですか?」
暦「失礼な事を言うなよ、八九寺。僕が揉む時は大体いやらしくない意味で揉んでる」
真宵「大体の意味を勘違いしていませんか」
暦「してねーよ。都合の悪い事は忘れる主義だ」
真宵「この男、最低ですー!」
ちょっとラーメン食ってくる
○○出せとか書いててくれると書くかもしれないぜ!
貝木でも忍野でも誰でも
ラーメン食いにいくついでにコメンタリー脚本買ってきた
というかとがめとかは無理だろ……
暦「あ、僕ちょっと用事思い出したわ」
真宵「へ、ああはい。そうですか」
暦「軽いなおい。八九寺が用事を思い出したら、僕なら全力で止めるというのに」
真宵「止めるもなにも、私はもういませんよ……」
暦「えっ……」
真宵「阿良々木さん、現実を見ましょう。八九寺真宵という怪異は消えたという現実を」
暦「僕は理想に生きる男だ」
真宵「きゃー! かっこいいです、阿良々木さん!」
暦「そして妄想で八九寺と遊ぶ」
真宵「やめてください阿良々木さん、妄想の中で私の処女を奪わないで下さい!」
暦「そんな過激な妄想はしてねえよ! さすがに中学生まで待つわ!」
真宵「え、いや……そういう問題なんですか?」
暦「という感じで、シリアスな雰囲気も僕にかかればコメディーと化すのさ」
真宵「これは一本とられてしまいましたね。では阿良々木さん、私はこれで失礼します。……さようなら」
暦「ああ、またな八九寺」
――。
貝木「まだこんな場所にいるのか、千石。お前はかつての失敗から何も学ばなかったのか」
撫子「こんにちは、泥舟」
貝木「一体何様のつもりだ。俺とお前は下の名前で呼び合う仲ではないだろう」
撫子「じ、じゃあ何て呼べばいいの……」
貝木「貝木。もしくはお前、あなた、おじさん、お兄さん。下の名以外ならば何でもいい」
撫子「あ、あなた……」
貝木「……」
撫子「……」
貝木「この選択肢の中から、あなたを選択するのはお前らしいともいえるが、やはり貝木と呼んでもらおうか」
撫子「分かった。貝木、貝木もここに用事があるの?」
貝木「仕事だ。以前の一悶着で随分な大金が動いたのでな。俺はそれを横から掠め取れるだけ掠め取るのさ」
撫子「まだそんな事してるんですね」
貝木「俺は金に仕える労働者だ。そんな事もする。仕事だからな。親元で生活し、光熱費代がいくら掛かっているかも知らぬお前であっても、金がいかに大切かはわかるだろう」
撫子「う、うん。もちろん。もちろん分かってるよ……」
撫子「にしても生きてたんだ。あんな事があったのに、すごいね」
貝木「あんな事があったにも関わらず、お前は酷く冷静だな」
撫子「べつに冷静じゃないもん……撫子のテンションは、これが普通なの」
貝木「あんな事があったにも関わらず、お前は普通なのか。ふん、神様をやっていただけはあるな」
撫子「どういう意味……?」
余接「貝木の兄ちゃん、そんな話し方じゃ相手が怯えるよ。――と、僕はキメ顔でそう言った」
貝木「千石は商売相手ではない。気取って話す必要の無い相手だ」
余接「貝木の兄ちゃんが出てくると、SS全体のテンションが右肩下がりだ」
撫子「え、えっと。か、変わった格好ですね……」
余接「やあ、千石撫子ちゃん。僕の名前は斧乃木余接。口調は忘れたけれど、化物キャラは大抵こんな喋り方だから通用すると思っているよ」
撫子「そ、そうなんだ。でも、読み返すぐらいはしたほうがいいと思う」
余接「読み返す、なんて言葉を勉強嫌いな撫子ちゃんから聞けるなんて困っちゃうな。――と、僕はキメ顔でそう言った」
貝木「そのキメ顔で云々という台詞は何だ。アヘ顔Wピース以上に鬱陶しい」
余接「僕はそんな下品な事はしてないよ、貝木の兄ちゃん。……いえーいいえーい!」
貝木「殴るぞ」
忍野「子供相手に殴るだなんて物騒だなあ。元気いいねえ、何かいい事でもあったのかな、この詐欺師は」
撫子「忍野さん……」
忍野「おんやあ……あれ、あれれ。僕は君の事を何て呼んでいたかな。いやすまないね、僕も随分オッサンだからさ、物忘れが激しくって」
貝木「ふん。怪異の専門家を名乗る前に病院にでも通う事だな」
忍野「病院? お断りだよあんな場所。大体、住所不定の僕を病院が見てくれるかな」
貝木「病院には表の顔もあれば、裏の顔もある。俺で良ければいい精神科を紹介してやるぞ。金次第でな」
忍野「はっはは。いや遠慮しておくよ。搾り取られる程のお金は持っていないけれど、搾り取る事の出来る身体はあるんでね」
貝木「お前の身体なぞ、大した金にならん」
忍野「あっそう。ま、元より売るつもりなんてこれっぽっちも無いけどね」
余接「二人が話し出すと僕達が口を出せなくなってしまう。程々にしてくれると助かるよ。――と、僕はキメ顔で言った。いえーい!」
貝木「……」
忍野「君は影縫のところの……。はあん、なるほどなるほど」
余接「お姉ちゃんからは見透かしたような喋りをする男と聞いてる。こんにちは、はじめまして。斧乃木余接です」
忍野「いやいやこれはご丁寧に。知ってると思うから名乗りはしないけれど、それでも――そうこんな僕でも分からない事だらけだぜ」
撫子「この組み合わせ、なに……」
貝木「詐欺師に怪異の専門家、式神に元神様。一ヶ所に集まるような偶然は在り得ないだろうな」
忍野「しかし実際、起こってしまったのだから、在り得るんだけどね」
撫子「え、えっと。皆さんは何でこんな場所に?」
貝木「俺は仕事だ。千石にはさっき言ったがな」
忍野「僕も仕事だ。前髪ちゃん……ああそうそう、僕は君を前髪ちゃんと呼んでたね。――には、言ってないけどね」
余接「僕も仕事だよ。千石ちゃんには言ってないけど」
撫子「な、撫子も仕事……」
忍野「いや前髪ちゃん。そこ、ボケなくてもいいからね」
貝木「その前髪ちゃんというのは、以〝前〟は〝神〟様だったという事か?」
忍野「ん? いや別に。大体何だい、神様って。ああ、でも前髪ちゃんはもう前髪ちゃんじゃないな。すっきりしたじゃない。うん、今の方が可愛いよ」
撫子「ありがとう、ございます」
余接「キスショット・アセロラナンチャラの相手をしていた頃にも言われていたけれど、忍野の兄ちゃんはロリコンなの?」
忍野「ぶっ! いや、いや違う。僕は阿良々木くんじゃないからね。至って普通の冴えないオッサンで、性癖もそんな特殊なもんじゃあない」
撫子「じ、じゃあどういうのが好きなの?」
忍野「……突っ込むねえ、元前髪ちゃん。こんなに積極的な子だったかな」
撫子が個人的に難易度高いわ
貝木「お前の性癖に口を出すつもりも、首を突っ込む気もさらさらないが、俺の名前を今後二度と口に出すな。関係者と思われる」
忍野「嫌がらせをしたくなったら口にするよようさせてもらうよ」
影縫「ちんたらちんたら何やってんねん、余接。……あれ、忍野に貝木? おどれら、こんな所でなにしとんねん」
貝木「……忍野、これは一体どういう集まりだ?」
忍野「まあ、大体想像は出来ちゃうけどね。こんな事しでかす人なんて、あの人以外居ないだろ?」
影縫「なんや。不死の怪異に巡り合えると思おたら、こんな辺鄙な場所で同窓会か」
貝木「こうなるといよいよ、あの人――臥煙先輩の関与を認めざるを得ないな」
臥煙「その通り、よく出来ました貝木くん。忍野くんもよく出来ました。影縫は精進しようね」
忍野「……はあん、いやま……困ったねこりゃ」
撫子「だれ……」
臥煙「はじめまして蛇の神様。私の名前は臥煙伊豆湖。気軽に伊豆ちゃんと呼んでくれたまえ」
撫子「はじめまして。な、……撫子は千石」
臥煙「いやいや。初見の相手にそう簡単に名前を名乗るものじゃないよ。千石撫子ちゃん」
撫子「え、何で名前……撫子、有名人になったの?」
臥煙「有名人か無名人かと言われれば撫子ちゃんは有名人だけれども、私が名前を知っている理由とは関係無い。私は何でも知っている、ただそれだけだよ」
臥煙「にしてもまあ、揃いも揃って――一匹狼のソロ連中がここまで集まるとはね」
影縫「ソロやない。ペアや」
臥煙「式神は道具だろう? 道具に愛着を持つのは大変素晴らしい事だと思うけれど、それは数に入れるべきじゃあない」
影縫「……」
貝木「臥煙先輩、一体何を企んでいるんだ」
臥煙「はっ。貝木くん、君に私を先輩と呼ぶ権利は無いよ。それだけの事のしたのだから、当然だよね。まさか忘れたなんて言わないよね」
貝木「……」
忍野「先輩……その、側で僕をすごい睨んでくる子は一体?」
臥煙「あ、これは失礼。紹介していなかったね。彼、或いは彼女の名は忍野扇。フタナリだ。多分」
扇「ちょっと臥煙さん。世間が僕を見る目が変わってしまうような事を言わないで下さい」
臥煙「それが狙いだ。扇くん、或いは扇ちゃんが世間に好奇の目で見られ、興味を抱かれ、その正体を解明してやろうという人物が現れるようにと願って、私はそう紹介したんだ」
扇「ちょっと台詞が長いですね」
臥煙「私も含めて、専門家連中はよく喋るからね。SSという形じゃあ満足にお喋りする事も出来ないよ。口調すら覚えてないってのに」
忍野「……忍野扇ねえ。僕、こういう時はどういう反応をすればいいのかなあ、元前髪ちゃん?」
撫子「え、えっとぉ……」
prrrr♪ prrrrr♪
臥煙「あっ電話だ。あれ、うーん。いやどれだったかな。多すぎるというのも厄介だ」
撫子「すみません、撫子です」
臥煙「知ってたよ。いや知ってたからね。ちょっと遊んだだけだ」
忍野「元前髪ちゃんも携帯を持つようになったんだねえ。時代ってやつを感じるよ」
月火『もしもし千ちゃん。また曜日ネタで弄ったでしょ』
撫子「え、あの、ららちゃん。撫子は弄ってないよ……」
月火『アニメ一話で艶かしい姿を晒し、十話でお兄ちゃんに押し倒されておっぱい揉まれたってのに、何でみんな私の名前知らないの!?』
撫子「アニメを見てないんじゃないかな、多分」
月火『何で!?』
撫子「夜遅いから……」
月火『中学生がおっぱい揉まれるんだから、夜遅くにしか放送出来ないじゃん! 頑張って起きててよ!』
撫子「ご、ごめんなさい」
月火『ああもう、プラチナむかつく。今度曜日ネタ言ったら、プラチナ取り外すから』
撫子「は、はい。はい……」
――。
暦「長い。長いんだよ。僕が主人公だって事が忘れられる長さだ」
ひたぎ「いきなりどうしたの、阿良々木くん」
暦「無茶ぶりに無茶で応える愚かしさを猛省しているんだ」
ひたぎ「そう。愚かなのは常日頃なのだから、気にする事も無いと思うのだけれども」
暦「それは僕を気遣ってくれてるのか?」
ひたぎ「解釈は自由よ。別に気遣ってはいないけれど、解釈は自由よ」
暦「二回言うな。僕が気遣われていないのは分かった」
ひたぎ「阿良々木くんを気遣うのは、私にとっての常日頃、日常なの。こんな事、気遣うの内にも入らないわ」
暦「今まで散々色々言われてきた気がするけれど、あれは僕を気遣った上での発言だったんだな」
ひたぎ「そういう事。そこはかとなく愛があふれ出す言葉の数々に、思わず胸キュンするといいわ」
暦「僕はまだ、かの発言から愛を感じ取れるレベルに至ってないみたいだな」
ひたぎ「あ、そう……。やっぱり阿良々木くんは、肉体言語で愛を伝えなければいけないのね」
暦「に、肉体言語?」
ひたぎ「ええ。オツムの弱い阿良々木くんにも、三大欲求ぐらいは備わっているのでしょう?」
暦「せ、戦場ヶ原さん……」
ひたぎ「鼻の下を伸ばして気持ち悪い。一体何を期待しているのかしら」
暦「何かを期待した僕が馬鹿だった!」
ひたぎ「それで、昨日の母の日はどうだったの阿良々木くん。この私の予定を後回しにする価値はあったのでしょうね」
暦「お陰様で家族との交流が出来たよ。主に妹とだけど」
ひたぎ「阿良々木くんは本当に妹さんとの仲が良いのね」
暦「まあな。スキンシップの取り過ぎでたまに怒られるけど」
ひたぎ「私との予行演習というわけね」
暦「ちげえよ!」
ひたぎ「ところで、羽川さんに続いて私も誰得とか言われちゃっているのだけれど」
暦「僕に言われても困るんだが……」
ひたぎ「やはり、幼い子供が皆好みなのかしら。私のようなスレンダーパーフェクトボディには興味が無いと」
暦「自分で言っちゃった!」
ひたぎ「あるいはババアだから興味が無いのかしら。は? 阿良々木くん、今何か言ったかしら?」
暦「すげえ言い掛かり! 別に僕はババアなんて思ってねえよ!」
ひたぎ「ていうか、阿良々木くんがその内妹さんを襲ってしまうのではないのかと、私は地味に心配しているのだけど、その辺どうなのかしら」
暦「心配ご無用だ。僕の紳士さは、一日中僕の行動を見てきたスレッドの連中が保証してくれる」
ひたぎ「そんな連中、信用ならないわ」
暦「今まで保守とかしてくれた人たちになんて暴言だ!」
ひたぎ「どうせ童貞の集まりなのでしょう。雑談を見て自慰行為に耽る連中の保証なんて、屁の役にも立たないわ」
暦「童貞を馬鹿にするな! 童貞代表、阿良々木暦が童貞を馬鹿にする事を許さない!」
ひたぎ「言ってて空しくならないのかしら。大体、阿良々木くんは童貞の中でも恵まれた方でしょう」
暦「女の子の友達が数人いるだけだ!」
ひたぎ「それが恵まれているというのよ。しかも、あんなに可愛らしい妹さんまでいて、こんなに美しい彼女までいて」
暦「さり気無く自分を持ち上げた!」
ひたぎ「あー羨ましい。こんなイケメンの彼女って、さぞかし優しくて聡明なのでしょうね。あらやだ、この彼女……私じゃないの」
暦「オーディオコメンタリーで見たような茶番劇はやめろ」
ひたぎ「事実を述べたまでよ。私は何も悪くないわ」
暦「お前、どんだけ自分が好きなんだよ!」
ひたぎ「底無しに大好きよ。阿良々木くんがかっこよすぎて隣に居る私が霞まないように、日々自分磨きをしているのよ」
暦「お前……時々可愛いな」
ひたぎ「時々?」
暦「かみまみた。いつもって言いたかったんだ」
ひたぎ「そう。というわけで――というわけでも無いのだけれど、そろそろ私も失礼するわ」
暦「え、もうか?」
ひたぎ「今度の日曜日にデートするんでしょう。それまでに阿良々木成分を不足気味にしないと」
暦「それが不足するとどうなるんだ?」
ひたぎ「好感度が下がります」
暦「マイナスステータスかよ!」
ひたぎ「ただし、私のツンデレスキルにより、最終的には大きくプラス補正が付くわ」
暦「面倒臭いギャルゲーみたいだな」
ひたぎ「私ほど面倒臭い女は居ないと思うけど」
暦「じゃ、僕も戦場ヶ原成分を補充したし、そろそろ家に帰るかな」
ひたぎ「ええ。それじゃあ次の日曜日に会いましょう」
――。
火憐「お帰り兄ちゃん! ここは通さねえぜ!」
暦「絶対そう来ると思ったわ。火憐ちゃんって結構ワンパだな」
火憐「あたしは蹴りも得意だ!」
暦「ワンパンチじゃねえよ、ワンパターンだよ」
火憐「ワンパという言葉にはツーパターンの意味があったのかぁ!」
暦「お、ちょっと面白いなそれ」
火憐「そ、そうか? 照れるな」
暦「それはそうと火憐ちゃん。僕はおっぱいばかり揉んできたが、火憐ちゃんはお尻がすごいらしいじゃないか」
火憐「ん? まあ鍛えてるからな! 大体どこもすごいよ、あたしは」
暦「へえ。見てみたいなあ」
火憐「おいおい兄ちゃん、あたしがいくら馬鹿でもその手には乗らないぜ」
暦「このSS内でもっと馬鹿な手に乗ったやつの台詞とは思えないな」
火憐「あの時は混乱してただけだ! 兄ちゃんがやばいと思って!」
暦「はあ。火憐ちゃん、もうちょっと大人になろうぜ。もう高校生なんだしさ」
火憐「兄ちゃんがどうしてもあたしのお尻を見たいなら、あたしという門番を倒して背後に回る他無いぜ!」
暦「なんだと……」
火憐「昨日のようにはいかねー。スーパーウルトラギガンティックパラダイムミレニアムナイトメアファイヤーシスター火憐ちゃんが相手だ!」
暦「すげー馬鹿っぽいネーミングだ! というか途中からそれっぽい言葉並べてるだけじゃねえか!」
火憐「名前は飾りだ! 覚えやすければそれでいい!」
暦「すげー覚えにくい名前だったよ! 一瞬で矛盾してんじゃねえ!」
火憐「ごちゃごちゃ言ってると舌噛むぜ、兄ちゃん! ――必殺奥義で決めるからさ!」
暦「奥義出すのはやっ! お前どんだけ容赦ない正義の味方だよ!」
火憐「火憐パーンチ!」
暦「超シンプルだ!」
火憐「――っとと、兄ちゃん卑怯だぞ! 正義の味方が必殺技を出したんだからあたらないと駄目だろ! 即効必殺奥義必勝法だったのに!」
暦「うるせえ! あんなもん当たったら死ぬわ! つうか必殺奥義を早々に出すだけで勝てるかよ。正義の味方なんだったら、魅せる戦いを覚えろ」
火憐「み、見せる……? 兄ちゃん、あたしはそういう、エッチなのはちょっと……」
暦「そんな話はしてねえよ。僕は大歓迎だが」
暦「大体、先に必殺技宣言してどうするんだよ。避けるに決まってるだろ」
火憐「くっそぉ……最初に言えよそれぇ……」
暦「馬鹿すぎ可愛い!」
火憐「だが挫けないぜ。第二必勝法にサイレント必殺アタックを追加して再チャレンジだ」
暦「ああ、やってみろよ」
火憐「いくぞ…………」
暦「……」
火憐「……ってぇええい!」
暦「外してんじゃねえよ!」
火憐「駄目だ兄ちゃん……必殺技は叫ばないと、タイミングが掴みづらい」
暦「面倒臭いやつだな」
火憐「これじゃあ悪漢に襲われた時、あっさり負けて悪の洗脳を受けてしまう……」
暦「つうか、火憐ちゃんは必殺技が無くても十分強いだろ。一発一発の重みが必殺級だ」
火憐「そっか……じゃあ、今度から一回攻撃する毎に必殺技名を叫ぶことにする!」
暦「馬鹿すぎだ!」
暦「ったく。火憐ちゃんはそんな馬鹿っぽさも可愛いけど、見てると危なっかしくて仕方ないな」
火憐「燃えるように危険な女だからな!」
暦「そういう意味で危なっかしいと言ったわけじゃねえよ。で、そろそろ家に入れてくれないか」
火憐「いや駄目だ。必殺技を当てるまでは通せない」
暦「お前は僕を殺したいのか。そんなに必殺技を当てたいなら、適当に町をぶらついて変態でも探して殴って来い」
火憐「変態なんてそう簡単に見つからない!」
暦「そうでもないぜ。僕が知る限り、この町にはお前の相手が務まりそうな変態が一人いる」
火憐「何だって! そいつは悪なのか!?」
暦「ああ、そこそこ悪だな。自分の部屋を自分で片付けられない程度に」
火憐「分かった。あたしはそいつをぶっ飛ばしてくる!」
暦「……」
月火「あ、お兄ちゃんお帰り。……あれ、火憐ちゃんは?」
暦「火憐ちゃんは正義を実行しにいった。まあ、夕飯までには戻るだろ」
月火「そうなんだ。困ったなあ、買い物頼もうと思ったのに」
暦「買い物? 何なら僕が行ってこようか?」
月火「ほんと? あ、でもお兄ちゃんじゃ不安だし……」
暦「大学生にもなって買い物如きで不安がられるとは思わなかった。僕なら大丈夫だよ」
月火「お兄ちゃんは生理用品とか平気で買えちゃう系?」
暦「月火ちゃん、一緒に買い物行こうぜ」
月火「うん。あっ、でも着替えた方がいいかな」
暦「そのミニ和服、僕は結構好きだけど。あちこち隙だらけで」
月火「じゃあいいか。お財布とってくるからちょい待ってて」
暦「ああ。……全く、よくよく考えたらけしからん格好だよな。誘ってるとしか思えない」
月火「誘ってない誘ってない。楽なの、この格好は」
暦「早いな。えっと、先払いだっけ?」
月火「うちはそういうお店じゃありません」
暦「ついうっかり」
月火「どんなうっかりだよ……」
暦「とにかく行こうぜ。火憐ちゃんにも途中で会えるかもしれねーし」
――。
暦「到着っと。で、まずは何を買うんだ? とりあえずガチャガチャまわしてきていい?」
月火「親の買い物に付いてきた子供じゃあるまいし、デパート着くなりガチャガチャまわさないでよ」
暦「そうはいっても、このプリキュアガチャガチャは是非やっておかないとな」
月火「恥ずかしいから先に買い物行ってていい?」
暦「いや駄目だ。大学生の兄が一万円を百円に崩して、必死にガチャガチャをまわすところを色んな人に見られて赤面する月火ちゃんが見たい」
月火「お兄ちゃん、その考えはプラチナやばい」
暦「そうか? この程度のことでうろたえてたら、五階ゲームコーナーで悪夢を見ることになるぜ」
月火「一応確認しておくけど、買い物しにきたんだよね?」
暦「当たり前だ。物事には優先順位があって、ガチャガチャが買い物よりも優先されるというだけだよ」
月火「もう、ガチャガチャなんて後回しでもいいじゃん。お母さんに頼まれた買い物なんだから早めに戻りたいのに」
暦「分かったよ……じゃあ二千円分で我慢する」
月火「……」
暦「行くぜ……!」
月火「……」
暦「二回目にしてダブった!」
月火「……」
暦「おいおい、ダブりすぎにも程があるだろ……」
月火「お兄ちゃん」
暦「二千円をあっという間に飲み込みやがって……あと一種類なのに」
月火「もう二千円終わったよね」
暦「あと一回! あと一回だけ!」
月火「……うぅぅ」
暦「行くぜっ……痛ええええぇぇぇぇええ!!!」
月火「お兄ちゃんなんて! お兄ちゃんなんてカプセルで指挟んで死ねばいい!」
暦「そこ耳! 空カプセルで耳を挟むな! もげる!」
月火「お母さんが待ってるんだから! 早く行かないとリアル人体シリーズガチャガチャ・阿良々木暦編作っちゃうんだから!」
暦「洒落にならねえよそれ! わ、わかった! 行くからもがないで!」
駿河「おや。阿良々木先輩じゃないか。こんな所で会うとは奇遇だな! それに月火ちゃんも」
月火「こんばんは」
暦「よう神原。あ、お前火憐ちゃんに会わなかったか?」
駿河「いや、会っていないが。もしかして何かあったのか?」
暦「悪を討ち滅ぼしにいったんだけど、行き場所を聞いてなかったからな。もしかしたら、と思ったんだけど」
駿河「そうだったか……く、私とした事が力になれず申し訳ない。阿良々木家の動向は監視カメラと盗聴器を使ってでも把握しておくべきだった!」
暦「それをやったら、僕はお前を一生軽蔑する!」
駿河「半分冗談だ。しかし阿良々木先輩、火憐ちゃんならば大丈夫だろう」
暦「半分冗談ってどういう意味だ」
駿河「悪の組織に捕まって、あんな事やこんな事をされる火憐ちゃんではない。残念ながら……」
暦「僕は妹にそんな事を期待してねえよ! あとさり気無く僕の疑問を無視するな!」
駿河「あっはっは。聡明な阿良々木先輩に疑問などある筈がないと思って、軽いジョークと判断して敢えて流したのだ」
暦「流すな、答えろ!」
駿河「半分冗談というのは、半分は本気だけど半分は冗談という意味だ」
暦「そんな事は分かってるわ!」
駿河「うむ、流石は阿良々木先輩。やはり分かってるじゃないか」
月火「お兄ちゃん……」
暦「ん、ああ。すまん神原、僕達は今買い物中なんだ。もし火憐ちゃんを見かけたら、家に戻るように伝えてくれ」
駿河「承知した。頼まれたからには例えこの猿の手に願ってでも見つけてみせよう」
暦「それだけはやめろ。つうか、別に無理して探さなくていいからな」
月火「火憐ちゃんはお腹が減ったら戻ってくるしね」
暦「見かけたら、程度で構わないよ。何かを後回しにするほどの事じゃないしな」
駿河「しかし、万が一という事もある。出来れば、悪の組織にあんな事やこんな事をされている最中に見つけたい」
暦「お前が立ち会うと状況が悪化するだけだ」
駿河「いや、私も加わって盛り上げようと思っている」
暦「それが悪化してるっていうんだ!」
駿河「そうか。では、多少心苦しいが静観の立場をとらせて貰おう」
暦「そもそも悪の組織なんてこの町にはいないだろ」
駿河「正義の味方がいるのだから、悪の組織もいるだろう?」
暦「尤もらしい言い分だけど、本物の正義の味方はこの町にはいねーよ。だから絶対、悪の組織もいないんだ」
暦「それで何で神原はついてきてるんだ」
駿河「人気投票の結果だ。これでも私は、相当な人気があるらしいぞ」
暦「そうなのか。何でもいいけど買い物の邪魔だけはするなよ。僕がガチャガチャコーナーに並ぶ事になる」
駿河「ん? それは……何かの本の話か? すまない、私が読むのはBL小説ぐらいなのだ」
月火「お兄ちゃんは官能小説ぐらいしか読まないよね」
暦「僕ほどになると、〝ぬ〟という文字にすら欲情出来る。だから別に官能小説じゃなくてもいいんだ」
月火「ひらがなに欲情するお兄ちゃんなんて嫌だ……」
駿河「ひらがな、というのは丸みがあってエロいと私は思うのだ。小学一年生の作文のそれは、不出来な官能小説を越えると思っている」
暦「さすがは神原。よく分かってるな」
月火「この二人に囲まれると、私がすっごい常識人みたいになっちゃう!」
暦「月火ちゃんにその気があるなら、僕が変態にしてあげてもいいんだぜ」
駿河「百合について知りたいなら私を頼ってくれてもいいのだぞ、月火ちゃん」
月火「変態だー!」
暦「自分の妹を変態に改造するなんて、リアルじゃ絶対出来ないと思ってたぜ。楽しみだなあ」
月火「やる事前提で話をすすめないで!」
この時間帯が一番落ちそうでこええ
そして飯
落ちたらこの雑談SSはおしまいだ!
ひらがながエロいってのは同感だ
よく分からんけどこの主人公とはいい酒が飲めそうだ
未成年か
髪を染めた娘をフルボッコにして、墨汁で黒く戻そうした母ちゃんは出ないのかな
月火「とりあえず買い物しよう!」
駿河「うむ。ショッピングは女子の必修科目みたいなものだからな」
暦「食品売り場をうろつきながら言う台詞じゃねえよ」
月火「えっと。買うものはまずカレーの材料で……」
駿河「なるほど。じゃあ私はゴツゴツしたジャガイモを取ってこよう。これでも野菜選びには自信があるのだ」
暦「野菜は任せたぜ。僕は月火ちゃんが好きな白いミルクとか、あの辺の重量物を買ってくる」
月火「ち、ちょっと……」
駿河「ん、どうしたのだ月火ちゃん。好みの形があるならば、先に言っておいてくれると助かる。実用性重視とかも出来れば」
暦「おい神原! 月火ちゃんが好きな白い液体選び、何も面白くないじゃねーか! 野菜選びと役割交換しろ!」
駿河「ふざけるな! 阿良々木先輩の頼みであっても、こればかりは譲れない」
暦「なんだと! 譲らないというならば、戦場ヶ原にある事ない事言いふらしてやるからな!」
駿河「戦場ヶ原先輩に嫌われようが、この役割だけは譲らない!」
暦「上等だ! だったら僕が先に野菜を選んでやるぜ!」
駿河「あっ! 阿良々木先輩、フライングスタートとは卑怯だぞ!」
月火(だれか!)
>>531
台詞があれば或いは
探すのめんどくせえ
駿河「うっかり阿良々木先輩と〝競争〟をしてしまったが、まるで後悔の念が無い!」
暦「ぜぇぜぇ……畜生神原、本気で走りやがって」
駿河「遅かったではないか、阿良々木先輩。そんな走りでは、月火ちゃんに相応しいニンジンは選べないぞ」
暦「そうは言うけどな。神原、お前はどういうニンジンを選ぶのがベストなのか知っているのか?」
駿河「当然だ。私はヴァルハラコンビのニンジン担当、直江津高校の俊兎・神原駿河だ」
暦「そんな肩書き初めて聞いたわ!」
駿河「因みに戦場ヶ原先輩はゴボウ担当だ」
暦「そんな担当作ってヴァルハラコンビは何がしたいんだ!?」
駿河「阿良々木先輩、そういうエッチな事を女子に聞くのはどうかと思うぞ」
暦「エッチな事を聞いたつもりはねえよ!」
駿河「あ、男子の前で〝エッチ〟なんて言ったらオカズにされてしまう。メインディッシュの材料を買いに来たのに、私自身がオカズになるとは」
暦「思いついたように適当な事言うんじゃねえよ。大体なあ、神原は阿良々木家のカレーがどういうものか知らないだろ」
駿河「ぐっ!」
暦「阿良々木さん家のカレーと神原さん家のカレーは違うんだ。そっちの野菜選びで、阿良々木さん家のカレーの味が損なわれるわけにはいかないんだ」
駿河「ぐう……そこを突かれてしまうと、野菜に手が出せなくなってしまうではないか……!」
暦「ははは! 大人しく面白みの無い白い液体選びでもしてるんだな」
駿河「阿良々木先輩ィ…………はっ! よく考えれば、私はカレー用ではなくて月火ちゃん用を選びにきたのだった!」
暦「普通の買い物をしろ!」
駿河「今の阿良々木先輩に言われても、何の説得力もないのだが」
暦「それはお互い様だろ。じゃあもう……ああ、僕がニンジンを選ぶから、神原は他の野菜を選んでくれ」
駿河「参考までに聞いておきたいのだが、月火ちゃんはどれぐらいの頻度でやるのだろうか?」
暦「参考までに聞くような事じゃないし、仮に知っていれば僕はただの変態だし、知っていても他人には教える事はしない」
駿河「成程。確か月火ちゃんには彼氏が居たと聞く。色々な事は彼氏を相手に処理しているのだろうか」
暦「残念ながら、その彼氏というのは実は火憐ちゃんではないのかという説が挙げられている」
駿河「ということは……百合か!? そ、それとも……月火ちゃんにはついてるのか!?」
暦「〝には〟ってなんだよ〝には〟って。まるで火憐ちゃんの全裸を知っているような口振りじゃないか」
駿河「運動後、一緒にシャワーを浴びる事が多々あるからな。火憐ちゃんにはついていないから、もしやと思ったのだ」
暦「普通はもしや、なんて発想にすら至らないだろ。とりあえず野菜コーナーで言う台詞では無いのは確かだ」
駿河「ふむ、それには一理あるな。野菜コーナーが食品売り場最高のエロ地帯である事ばかりに意識が向いて、人目がある事を失念していた」
暦「そうだ。近頃は色々うるさいからな。今までの会話で通報ギリギリというラインだろう」
駿河「通報ギリギリラインか。それはまずいな。ギリギリという言葉の魔力についギリギリまで粘ってしまいそうになるが」
暦「そこは堪えろ。この歳で警察のお世話になるなんて笑えない」
駿河「善処しよう。するだけだが」
暦「そこが一番大事な部分なのに曖昧な返事をするな」
駿河「確約する。神原駿河はギリギリのラインを追い求めないと」
暦「絶対だぞ。今の言葉はお前の枷だからな。自制心という名の足枷だ」
駿河「そんな事言われると興奮してくるではないか。もっと枷をつけてもいいだろうか?」
暦「喜んでたら枷の意味が無いだろうが。大人しくしてくれるなら、いくらでも枷はつけてもいいけど」
駿河「心得た。神原駿河は騒がない、エロい事を言わない、野菜に興奮しない、練乳を過剰に購入しない、風呂でシャンプーを使い、ぶっかけごっこをしない……」
暦「今必要のない枷までつけてるんじゃねえ!」
駿河「……」
暦「騒がないの枷か。とりあえず頑張ってろよ、僕も黙っては野菜を選んでるから」
駿河「……」
暦「……」
駿河「……」
暦「――こんな所か。我ながら良い野菜選びだった。神原もそう思うだろ?」
駿河「……ふーッ。ふーっ! ……ふぅーっ!」
暦「ど、どうしたんだ神原。表情だけですでに通報ライン突破してるぞ……」
駿河「あ、阿良々木先輩……だ、駄目だ。枷塗れの姿を想像して耐えていたら、立っているのも……んっ、辛く……」
暦「お前馬鹿だろ」
駿河「やっ、ぁ、やめてくれ……阿良々木せ、ん……ぱい。今、罵倒されると……ぁん、大変な事に」
暦「ははぁん……」
駿河「こ、ここは危険だ……はや、早く移動しよう、阿良々木先輩」
暦「体調が悪いならベンチで休んでろよ。〝ゴーヤのイボイボの上〟でな」
駿河「!!」
暦「ベンチまでいけないなら、全裸にしてから〝とろろまみれの手〟でお姫様だっこして連れて行ってやる」
駿河「かはっ……! あ、阿良々木せ、んぱい!」
暦「足が震えてるぜ、神原。今の神原ならその辺の子供にだって負けるだろうな。〝キュウリで突かれて〟倒されるといい」
駿河「っぁ、ああっ! あ、あああああ!!! だ、だめだ! もう駄目だ! あっああああぁぁぁぁあぁああ!」
月火「……何やってんの」
暦「!? つっ、月火ちゃん! いやこれは、野菜選び……な、神原」
駿河「あ、ああ。そうだ、やさ、野菜選びを終えたところ、なのだっ……ん」
月火「へー」
暦「神原はちょっと調子が悪いみたいだな。あ、他の買い物終わったのか? 重そうだし僕がカゴを持つよ」
月火「駿河さんは、どうしてこんなに汗だくで顔真っ赤で息を荒げてるの?」
駿河「えっとだな……ゴホッ! ゴホゴホッ! ゲホ! ゲホゲホ!」
暦「だ、大丈夫か神原! 見ての通りだ月火ちゃん、神原は酷い風邪で……」
月火「他の買い物終わって、ずっと待ってたのに」
暦「うっ!」
月火「心配だったけど、お兄ちゃんに全部任せようと思って、今の今まで野菜コーナーに来なかったのに」
駿河「あ、あの……月火ちゃん?」
月火「むかつく」
暦「プラチナとれたあー!!」
月火「あと、もう曜日ネタで弄らないっていったよね。何でまたするの? 私が嫌がることして楽しい? やめてって泣き叫ばせたいの? 調子乗らないでよ。殺す」
駿河「あ、悪夢だ……私は今、悪夢を前にしている……」
やめてって泣き叫ぶ月火ちゃん…
アリだな!
>>559
アリだよな
暦「か、神原……。立てるか?」
駿河「あ、ああ。何もかもが吹っ飛んだ」
月火「……」
暦「今の月火ちゃんはやばい。どれぐらいやばいっていうと、蟻vsロードローラーぐらいやばい」
駿河「当然、向こうがロードローラーなのだろうな……?」
暦「こうなったらそう簡単には止められないぜ。神原、逃げろ。全速力で逃げるんだ」
駿河「し、しかし阿良々木先輩!」
暦「僕は兄として妹を止める義務がある。ついでに色々謝る義務もある。だが神原、お前は部外者であり、僕の大切な友達だ」
駿河「この状況下で部外者も何も無いではないか! 私だって阿良々木先輩の友人だ!」
暦「いいのか神原? キレた月火ちゃんがどれだけ恐ろしいのかお前は理解してないだろ。だから踏ん張れるんだ。悪い事はいわない、逃げるなら今だ」
駿河「この殺気だけで恐ろしさは理解しているつもりだ、阿良々木先輩」
暦「……分かった。お前がそこまで言うのならもう止めねえ。でも、何があっても僕は知らないぜ」
駿河「ああ。何もかもを覚悟の上だ」
臥煙「そいつは困る、困るなあ。私の許可無しに何もかもを覚悟しちゃうなんて。コートの上だけが戦場じゃないんだぜ、神原選手。ベンチでは監督とかマネージャーが待ってるんだからさ」
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