苗木「キミがボクに教えてくれた優しさ」 (21)


苗木「えるたそ~」

舞園「……」

苗木「えるたそ~」

霧切「……」

苗木「えるたそ~」

不二咲「な、苗木君がおかしくなっちゃったよぉ…」

舞園「どういうことですか、山田君?」

山田「いやはや…僕にも状況がよくわからないのですが…」

霧切「この呪文はいったいなんなのかしら?」

山田「"えるたそ"とは〈古典部〉シリーズの登場人物である千反田えるの愛称ですな」

舞園「〈古典部〉シリーズってなんですか?私、気になります」

苗木「えるたそ~」

山田「…米澤穂信による推理小説のシリーズものですね」

山田「この小説はアニメ化されています。"えるたそ"という愛称はアニメ化後、ネット上で広まったものですな」

不二咲「アニメ…?」

霧切「もしかして山田君が苗木君にそのアニメを見せたんじゃ?」

山田「僕は知りませんぞ…おそらくこの学園に来る前から知っていたのではないかと」

苗木「えるたそ~」



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霧切「これは調査が必要ね…」

舞園「たしかにこのままだと困りますね」

山田「とはいっても…どうするつもりですか?」

霧切「……」

不二咲「ここに来たばっかりのときは普通だったよねぇ?」

苗木「えるたそ~」

舞園「もしかして苗木君…このコロシアイ学園生活に耐え切れなくて…」

山田「それで精神を病んでこんな風になってしまったというわけですか…ありえないことではないですな」

霧切「……」

苗木「えるたそ~」

山田「それにしてもこの言葉を聞くとアニメが見たくてしょうがなくなりますな」

舞園「霧切さんはどう思います?」

霧切「……」

不二咲「霧切さんどうしたのぉ?」

山田「何か様子がおかしいですぞ」

霧切「…えるたそ~」

舞園「…え?」

苗木「えるたそ~」


舞園「大変です!霧切さんまで"えるたそ病"に!」

不二咲「ええ!?これって病気だったのぉ!?」

山田「な、なんですとぉおおおおおお!!」

苗木「えるたそ~」

霧切「えるたそ~」

不二咲「ど、どうしよぉ?誰か人を呼んでこないと…」

舞園「も、モノクマさん!苗木君と霧切さんが病気になっちゃいました!」

モノクマ「ええ~?ここでボクを呼んじゃうの?」

舞園「モノクマさん!苗木君と霧切さんを治してあげてください!」

モノクマ「そんなこといわれたってボクにも何が起こってるのかさっぱりだよ」

モノクマ「オマエラがなにかしたんじゃないの?」

不二咲「そ、そんなぁ…やっぱりここでの生活がストレスになって…」

舞園「苗木君…霧切さん…」

大神「…なにかあったのか?」

朝日奈「山田の悲鳴が聞こえてきたけど…」

舞園「実は苗木君と霧切さんが"えるたそ病"に…」


大神「"えるたそ病"だと?なんだそれは?」

苗木「えるたそ~」

霧切「えるたそ~」

朝日奈「えるたそ~」

舞園「!?」

大神「な…どうしたのだ!?朝日奈よ!?」

不二咲「朝日奈さんまで"えるたそ病"になっちゃたよぉ」

大神「こ、これが"えるたそ病"…か」

モノクマ「…え、なにこれボクも本気で恐怖を覚えるんだけど」

大神「貴様の仕業ではないのか?」

モノクマ「ボクは知らないよ!まあもしかしたらこれが動機になるかもしれないしあとはオマエラでなんとかしてね」

不二咲「なんとかって…どうすれば…」

舞園「幸いなことに私はエスパーですからみなさんのいってることはわかるはずなんですが…」

不二咲「…!みんななんて言ってるのぉ?」

舞園「えるたそ~…とだけ」

不二咲「それって本当に言ってることわかってるのぉ?」

大神「えるたそ~」


霧切「えるたそ~」

舞園「…?ひなってなんですか?私、気になります」

葉隠「ひなだお!」

朝日奈「えるたそ~」

不二咲「こ、これってまさか…」

大神「えるたそ~」

葉隠「ひなだお!」

舞園「葉隠君、それだけじゃなんのことかわかりませんよ」

葉隠「ひなだお!」

不二咲「舞園さん、もしかしてこれも病気なんじゃあ…」

舞園「そ、そんな…そうなんですか?葉隠君?」

葉隠「ひなだお!」

不二咲「間違いないよ…"ひなだお病"だね」

舞園「葉隠君まで…どうしてこうなったのか私、気になります」

不二咲「何も悪いことが起きなければいいんだけど…」


――――
――


苗木「えるたそ~」

モノクマ「ピンポンパンポーン! 死体が発見されました。一定の自由時間の後学級裁判を開きます。」


→裁判所

モノクマ「やあやあ、やっときたね。さっそくお待ちかねの学級裁判を始めちゃいましょう」

モノクマ「うぷぷぷ、それでは議論を開始してください!」

――学級裁判開廷!

苗木「えるたそ~」

霧切「えるたそ~」

江ノ島「えるたそ~」

大神「えるたそ~」

朝日奈「えるたそ~」

十神「おい、これはなんだ?ふざけているのか?」

舞園「それが…皆さん"えるたそ病"にかかってしまったようなんです」

十神「なんだそれは?説明しろ」

桑田「いいから」

セレス「そうですわね、彼らがまともに議論できないことがわかってれば十分ですわ」

十神「っち、まあいいだろう」

セレス「まずは凶器についてから議論をはじめましょうか」

不二咲「えるたそ~」


山田「凶器は厨房に合った包丁で間違いないですな」

桑田「ありえない」

腐川「な、なにがありえないよ!どう考えても包丁でしょうが!」

セレス「しかし…包丁なら誰でも手に入れられますわね」

大和田「はあ?じゃあどうすんだよ?」

朝日奈「えるたそ~」

舞園「…!包丁を持ち出した人物がわかりました!」

十神「なんだと?説明しろ」

舞園「朝日奈さんの証言によると包丁を持ち出した人物は…」

山田「人物は…?」

舞園「…山田君だそうです」

山田「へ…?ぼ、僕ですとぉおおおおおお!!」

大神「えるたそ~」

舞園「一緒にいた大神さんも同じように証言してます」

セレス「あらあら、あっというまに解決しそうですわね」

山田「ちょ、ちょっと待ってください!被害者は苗木誠殿の部屋で死んでいたではないですか!」


苗木「えるたそ~」

舞園「どうやら苗木君の話によると山田君が怖いから部屋の交換をしてくれと話を持ち出してきたようです」

山田「ちょっとお待ちを!さっきから"えるたそ~"としか言ってないのになぜ言ってることがわかるのですか?」

舞園「エスパーですから!」

石丸「なるほど!納得だ!」

山田「ま、待ってください!苗木誠殿は嘘をついています!」

舞園「いいえ、苗木君は嘘なんかついていません。それに苗木君には犯行を行うことは無理なんですから」

山田「…どういうことですかな?」

舞園「苗木君の部屋においてあったメモ帳の筆圧を浮かび上がらせたんです」

石丸「む?これは苗木君が葉隠君を部屋に呼び出した証拠ではないか!」

不二咲「えるたそ~」

山田「や、やっぱり苗木誠殿が犯人ではないですか」

舞園「…いえ、これこそが苗木君が犯人ではない証拠です」

山田「…?どういうことですかな?」

舞園「山田君は"えるたそ病"が発覚した後逃げ出したから知らないかもしれませんが…」

舞園「苗木君は"えるたそ~"しか書くことができないんです」


山田「な、なんですと?」

十神「決まりだな」

大和田「山田…テメーがやったのか!?」

セレス「ですわね…もう諦めなさい」

江ノ島「えるたそ~」

山田「うぐ…まだ、まだだ」

桑田「無駄だよ」

舞園「最後に事件の全貌をあきらかにします。これで自分の犯行を認めてください」


クライマックス推理!

              えるたそ~
舞園「この犯人は苗木君たちが"えるたそ病"にかかったことをいいことにある犯行を企てました」
                            えるたそ~
舞園「まずは凶器の調達。朝日奈さんと大神さんが喋れないことをいいことに堂々と食堂から持ち出しました」
                   えるたそ~
舞園「次に犯人は苗木君に部屋の交換を持ちかけたんです。なぜなら苗木君はまともに喋ることができないからですね」
       えるたそ~
舞園「こうして部屋の交換をした犯人は葉隠君を部屋に呼び出した…苗木君の部屋にあったメモ帳を使ったんですね」
                        えるたそ~
舞園「そして犯人は呼び出した葉隠君を殺した。後はトラッシュルームで証拠をすべて焼き払ったんです。これは鍵を持ってる山田君にしかできませんね」
    えるたそ~
舞園「これが事件の全貌です!どうですか!」

山田「うわああああああああ!!」


石丸「な、なぜこんなことをしたんだ!?」

山田「うう…ど、どうしてもアニメが見たかったんです」

不二咲「えるたそ~」

大和田「ああ!?アニメだぁ!?そんなことで殺したってのか!?」

山田「皆さんが悪いのですぞ!あんな台詞を吐かれてはアニメも見たくなるではないですか!」

セレス「えるたそ~」

桑田「ありえない」

腐川「あ、あんたマジでそんなこと言ってるの…」

苗木「えるたそ~」

モノクマ「うぷぷぷ、議論の結果が出たみたいですね! では、そろそろ投票タイムといきましょうか」

モノクマ「お前ら、お手元のスイッチで投票してくださーい。投票の結果、クロとなるのは誰か……」


ドルルルルルルルル

ドンッ


【ヤマダ】【ヤマダ】【ヤマダ】


モノクマ「ヒャッホー、大正解」

モノクマ「今回葉隠康比呂君を殺したのは山田一二三君なのでした!」

モノクマ「さっそくオシオキだよ!」


GAMEOVER
ヤマダくんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。


【ぶー子あやうし!大怪獣襲来】


舞園「山田君…モノクマさんのしかけた病気のせいで…」

モノクマ「いや、あれボクのせいじゃないからね」

苗木「えるたそ~」

桑田「んでっ!んでっ!んでっ!」

霧切「えるたそ~」

セレス「えるたそ~」

十神「くだらん、俺は帰らせてもらうぞ」

大和田「モノクマのやろう…絶対許さねぇぞ!」

腐川「も、もう嫌こんな生活…」

朝日奈「えるたそ~」

石丸「みんな!錯乱する気持ちはわかるが落ち着くんだ!」

大神「えるたそ~」

江ノ島「えるたそ~」

モノクマ「…なんかどうでもよくなってきたよ」


――――
――

なんやかんやあって

→裁判所

モノクマ「さっそく桑田怜恩殺しの学級裁判を始めちゃいましょう」

モノクマ「うぷぷぷ、それでは議論を開始してください!」

――学級裁判開廷!


苗木「えるたそ~」

霧切「えるたそ~」

セレス「えるたそ~」

十神「えるたそ~」

大和田「えるたそ~」

腐川「えるたそ~」

朝日奈「えるたそ~」

不二咲「えるたそ~」

石丸「えるたそ~」

大神「えるたそ~」

戦刃「えるたそ~」

舞園「モノクマさん、投票お願いします」

モノクマ「ああ、うん。じゃあ投票」


ドルルルルルルルル

ドンッ


【エノシマ】【エノシマ】【エノシマ】


モノクマ「はい、そうです。黒幕こと江ノ島盾子ちゃんが真犯人なのでした」

ドジャーン!

江ノ島「あんたらが全然コロシアイしないからアタシがやっちゃたよ」

江ノ島「じゃあオシオキターイム…」

舞園「……」

江ノ島「……」

舞園「えるたそ~」

江ノ島「……」

苗木「えるたそ~」

江ノ島「……」

戦刃「えるたそ~」

江ノ島「…えるたそ~」


苗木「えるたそ~」

舞園「えるたそ~」

霧切「えるたそ~」

セレス「えるたそ~」

十神「えるたそ~」

大和田「えるたそ~」

腐川「えるたそ~」

不二咲「えるたそ~」

朝日奈「えるたそ~」

石丸「えるたそ~」

大神「えるたそ~」

戦刃「えるたそ~」

江ノ島「えるたそ~」


              えるたそ~

                            えるたそ~

                   えるたそ~

       えるたそ~

                        えるたそ~

    えるたそ~



えるたそ~



終里えるたそ~

多分知らないと思うけどこの前2キャラが全員生存するSSとか書いてました
つい勢いで書いてみました、これはひどいね
HTML化してきます


ちなみにスレタイの意味は

苗木「不二咲さん蚊に刺されても殺さないとかマジ優しい」

苗木「ボクも実践だ!」

苗木「やっべ蚊に刺されたけど変な病気もらったっぽい」

苗木「えるたそ~」

的なね

>>4>>5の間に入れ忘れてた


舞園「はあ…ついに大神さんまで"えるたそ病"に…」

不二咲「うう…みんなどうして…」

山田「ひ、ひぃいいいいいいい!!ぼ、僕はもう帰らせてもらいますぞ!」

苗木「えるたそ~」

霧切「えるたそ~」

朝日奈「えるたそ~」

大神「えるたそ~」

葉隠「おっ、どうしたんだべ?」

不二咲「それがみんな"えるたそ病"にかかっちゃって…」

葉隠「な、なんなんだべ!?それは!?」

舞園「どうやら"えるたそ~"としか喋れなくなるみたいで…」

葉隠「むむ、なんだか宇宙からの意思を感じるべ」

葉隠「ちなみに文字は書けるんか?」

舞園「…!その手がありましたね」

不二咲「さっそく試してみるよぉ」

舞園「苗木君、もし私の言ってることがわかるならこれに何か書いてみてくれませんか?」

苗木「えるたそ~」カキカキ

不二咲「…はあ」

舞園「やっぱり駄目ですね…」

葉隠「ひなだお!」

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