P「俺がスパイ、ですか」 (100)

俺は961プロに所属している。役職は社長秘書だ

社長の黒井曰く、『能力はたかいが、信用は出来ない。だからこそ近くに置いておきたい』らしい

入社して二、三年しかたっていないのにこの地位まで登れたのは、案に黒井社長に気に入られたからだろう。確かに社長には俺と近いものを感じる。あの人のやり方は少々目に余る時もあるが




初投稿です。進行は遅めですがよろしくです

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冬馬「ん、なんだ。おっさんじゃねえか」

P「冬馬か、俺はおっさんって年じゃないしそれだと社長の呼び方とかぶるだろ」

冬馬「何だっていいだろ呼び方なんて。社長秘書なんて言いづらいだろうが」

P「まぁそれもそうか」

冬馬「それよりこの間のライブでのアドバイス、サンキュな。あれのおかげで大成功だったぜ」

P「なに、気にするな。同じプロダクションの仲間だろ」

冬馬「俺は仲間だのそんなのには頼んねえけどよ。けじめだけはしっかりつけてえからな。とりあえず、礼は言ったからな!」

P「頼らないって言ったってな、お前、これからソロを脱却してユニットを組むことになるんだろ?しかも三人組。そんなんで大丈夫か?」

冬馬「まぁそうだけどよ。でも俺は変わらずにい続けるつもりだ!トップを目指すことに変わりはねえしそのために自分を磨けば結果は着いて来るからな」

P「お前にしては考えてるんだな。正直見直したぞ。だがその気合は俺じゃなくオーディションとかでみせるんだな」

冬馬「口が達者な所は黒井のおっさんにそっくりだな」

P「ほっとけ、それと年上に言う言葉じゃないぞ。アイドルなんだからそこはちゃんとしろ」

冬馬「けっ、わかったよ邪魔したな、おっさん」

P「だからおっさんじゃねえっての…」

P(しかし、いつまでこんな生活が続けられるんだか)

黒井社長の動きが最近おかしい。ここ二年の俺の行動や、961プロでの実績を洗い出してるようだ

P(クビを切られるのも時間の問題かもな)

そんな考えをしながらいつも通り帰りを急ぐ。
とりたてて予定があるわけではないが何故か出勤や帰宅は急いでしまう。

P(たまには飲みにでも行くか)

酒が弱いわけではないがほとんど毎日仕事の様なもので飲みに行くなんて考えはいつもなかったが、黒井社長の行動を考えるとストレスが溜まっていたし、次の日に影響さえなければいいと思い飲みに行く事にした

P「っと、このバーでいいか」

小洒落たバーを見つけたので、一杯飲むにはちょうどいいかと入った

P「マスター、オススメの酒とつまみをなにか貰えますか」

マスター「かしこまりました」

P(酒には詳しくないが、オススメと言っておけば無難に済むだろう)

??「きみは、この店は始めてかね?」

知らんおっさんが話しかけてきた。顔が暗くて良く見えない

P「はぁ。そうですけど」

??「いやすまんね。旧友に君と似た目をした奴がいてね」

P(なれなれしいおっさんだな)

??「すまない、彼には私と同じものを」

P「え、そんな悪いですよ。あったばかりの方に」

??「いやいや、私はこれでも直感を頼りに生きてきたからねぇ、君の顔を見てティンと来たんだ。失礼だが君、仕事はなにをされているのかね?」

P「しがないサラリーマンですよ」

??「そうか。私は近年アイドル事務所を立ち上げてね、人手が足りて居ないのだよ。君さえよければ、うちの事務所にスカウトさせて貰えはしないだろうか」

P(アイドル事務所…)

なるほど同業者だったのか。それならティンと来たと言ったこの人の眼力は大したものだろう、しかし、今会ったばかりの人間をスカウトなんてするだろうか?

P「はぁ…しかし今の仕事もありますし…」

??「いやいや、そんな背追い込まないでくれ。もし君がこの世界に足を踏み入れたいのならの話だ。わが事務所は、いつでも歓迎しているよ。これが名刺だ」

P「765プロ…」

P(正直、もう二年三年この世界にいるが、聞いた事もないプロダクションだな)

??「では私はこれで失礼させてもらうよ」

そう言うと、グラスに一万円を挟み、店から出て行った
正直、怪しい。だが何か感じるものはあったし、なにより黒井社長の行動もある。

P(万に一つは世話になるかも知れないな)

久しぶりに酒を煽ってしまった。次の日の仕事に支障はない程度に抑えようとはしたが、しばらく飲んでいなかったのもあって、かなり酔っている気がする。

P(許容範囲内だろう。さっさと寝て朝シャワーを浴びればなんとかなるか)

そう考え、着替えるのも億劫なままベッドに倒れるように眠りに着いた

ーー
ーーーー
ーーーーーーー
ーーーーーーーーーー

「………さん」

「………ろ………さん!」

「……わたし、……ぷ………の………て…………ね!」

「信じてますから…………!」

ーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーー
ーー

P(……ひどい夢だな)

女の子が、すがりつく様に俺を呼び。だが、俺はそれを裏切っている。そんな…

P「…夢は夢だろう」

きっと今日も忙しいだろう。仕事をしてればこんな夢忘れてしまうさ

P「おはようございまーす!」

業界人らしいこの挨拶も、ようやく慣れて来たな。あまりテンション高いのはキャラではないが、この挨拶は重要だし、なにより気合が入るからいいのかも知れない

事務員「おはようございます。社長秘書が来たら私の部屋まで来いと黒井社長がおっしゃってましたよ」

P「わかった。ありがとう」

事務員「いえ」

社長室はこの961ビルでもっとも行きにくい場所だ。何せエレベーターを三つ乗り換えなくてはならない。社長自身は駐車場から直通で行けるらしいが、あそこを使っていいのは社長だけになっている

P「本当なんでこんな作りにしたんだか…」

ようやく社長室に着いた。深呼吸を一度してノックをした

黒井「ふむ、入れ」

P「失礼します。黒井社長、事務員にここに来いと伝えられたのですが、スケジュールの確認でしょうか」

黒井「フン!そんなもの私に必要だと思うのか!」

そう、この社長はかなり有能である。俺もそれなりに仕事ができる人間として見られてはいるが、この人には実はそもそも秘書なんて必要ないぐらいに1人でなんでもこなす。実質俺はただの事務員と変わらないのだ

P「大変失礼しました。では用件とは?」

黒井「その事だったな。まぁ座れ。セレブな私がセレブなコーヒーを恵んでやろう」

P「はぁ…ありがとうございます」

黒井「それで、用件だったな」

P「はい、この部屋に人を呼ぶのも珍しいでしょう。なにかあったんでしょうか」

黒井「貴様、765プロの高木と会っていたそうじゃないか」

P「!!」

なんでそれを?昨日の今日だぞ…?

P「…ええ、昨日バーで会いましたね765プロに来ないかなどとも言われましたが」

黒井「フン!それも知っている。会ったのはたまたまなんだろう事もな!」

P「しかし的を得ませんがそれでなにか…」

黒井「お前に765プロのプロデューサーとして働いてもらう」

P「は?」

黒井「何度も言わせるな!このノロマめ!」

P「…つまり、俺はクビって事ですか?」

黒井「ええい違う!765プロにはな、現在13…いや12人のアイドルがいる。だがどれも磨けば光るアイドルで高木はあれで有能な男だ。だが一年たっても芸能界に出て来もしない。あの事務所にはなにかあるに違いない。そこでだ」

P「なるほど。つまりそこでプロデューサーをしつつ、あの事務所でなにが起きているか知りたいと」

黒井「そう言う事だ。それで怪しまれないために貴様のこの事務所に居たという痕跡はすべて消させてもらった」

P「それで動いてたのか…」

黒井「そして昨日ついに貴様が高木に接触してしまったのでな。急遽予定を変えてすぐに実行に起こそうと考えたのだ」

P「一応聞きますが拒否権は」

黒井「そんなものあると思っているのか」

P「…なるほど」

黒井「給料の事は心配するな。今まで通りこちら側も出すし。765プロからも出るだろう」

P「俺がスパイ、ですか」

黒井「なにか質問はあるか?今日だけは聞いてやろう」

P「……765プロになにかあるんですか?もしくは高木という人物に」

黒井「さぁな。それを調べるのが仕事だろう」

P「…わかりました。その仕事、引き受けます」

とりあえずここまで

おお、皆さん結構ざわわん知ってる人いるんですね。話題に上がらなかったらステマでしたと書き込もうと思ってたんですが
しかしざわわんの雪歩可愛い

ていうか宣伝スレでちょうど似たようなの書こうとしてた人が居たみたいですねてん全く見てなかった…悪いことしたかな

22時ぐらいまで残業になったんでそこから帰ってから投下いたします。多分日付はまたがないと思います

P「765プロ…か」

黒井社長に言われた通りに、まず名刺に書いてある高木に電話し、プロデューサーとして働きたい旨を伝えたら。もうその場でほぼ決定してしまい、あとはそのための書類を書くだけだった。

P(俺としては何事もなく入れてよかったんだが、こんなので大丈夫なのかこの会社)

書類を出すために事務所に行って見たが、一言で言うとボロい、そんな事務所だった。

P「まぁ無駄に高いだけの高級ビルよりは良いかも知れないな」

翌朝

P「今日から、この765プロでプロデューサーをすることになりました。みなさん、どうかよろしくお願いします」

挨拶が終わると、少しの間まばらな拍手があった。俺の存在に、戸惑っているようだ

高木「今まで君たちには竜宮小町の律子くん以外プロデューサーがいなかったからね。だがこの新人敏腕プロデューサーが来たからには君たちをさらに磨いてくれるだろう。それじゃあ君。あとは頼んだぞ」

P「はい、高木社長。しかし…今日はこれからまずどうしようか」

律子「それじゃあプロデューサー殿、今日はとりあえず、顔合わせがてら皆のレッスンを見たらどうです?どういったプロデュースをするのかの目安にもなりますし。9人の中から何人か…それともユニットを組むとか色々考えなくてはいけませんし」

P「そうだな。じゃあまずレッスンをみながらそれぞれ皆と話してみるか」

~~~~~~~~~~
ボーカルレッスン

P(まずはボーカルレッスンだな…千早って子が確か歌を全面的に出したいと言っていたか。あと春香って子も)

ヒソヒソヒソヒソ

春香「ね、皆。ここでプロデューサーさんにアピールできたらプロデュースしてもらえるのかな」

千早「そうね。確かにプロデュースの方針を決めるってことは。そう言うことになるのかもね」

真美「亜美たちも律っちゃんがプロデュースについてから急に売れ出したもんね→」

雪歩「ううぅ…プロデュースはしてもらいたいけど…男の人は…」

真「だーいじょーぶだって雪歩!あの人、そんなに悪そうな人じゃないし!何かあったら僕が守から!」

雪歩「うぅ…世界中の男の人が全部真ちゃんだったらいいのに…」

貴音「皆さん、そろそろ始めないと日がくれてしまうのでは」

トレーナー「じゃあ始めまーす。皆、とりあえず発生練習から…………」

…………

P(ふむ、思ったより事務所内の仲は悪くない…というより良過ぎるぐらいだな。それに、アピールしてるだけあって千早さんの歌への思いにはなにか感じるものがある。書類には特に何も書いていなかったが貴音さんも目を見張るものがあるな…あとは…星井美希、か)

>>43
×発生練習から

○発声練習から

~~~~~~~~~~~
ダンスレッスン

真「へへーんっ!ダンスレッスンなら、誰にも負けないもんね!」

響「自分も真には負けないぞ!なんたって完璧だからな!」

真美「んっふっふ~。真美だってダンスは得意なんだかんね!」

やよい「うっうー!皆さんすごいですーっ!」

P(やっぱりダンス得意な子達は元気がみなぎっているな。だけど…)

美希「……」

P(さっきから全部完璧にこなしているのに何か覇気がないというか…なんだろう。この感じは…)

春香「プロデューサーさん!」

P「おっと、春香さん。どうしたんだ?」

春香「いえ、なにか難しい顔をされてたのでどうしたのかなー?って!」

P「いやいや、プロデュースの事で考え事をしてただけだよ」

春香「そうですか!よーし。私も頑張るぞー!って、あ!」

どんがらがっしゃーん

P「ちょ、大丈夫か!」

春香「えへへ、またやっちゃいました…」

P(またやっちゃったって…この子は…危険かもしれん…)

~~~~~~~~~

P「じゃあ早速プロデュースの方針から話そうか」

真「はい!僕、もっとキラキラで、ピカピカのアイドルになりたいです!」

伊織「真!あんたなに言ってるの?いい加減そんなの似合わないって自覚しなさいよ」

真「別に意見を言うぐらいいいじゃないか!雪歩もなんか言ってやってよ!」

雪歩「えぇ?!うぅ…でも真ちゃんにはもっとかっこいいイメージのが…」

真「雪歩まで!」

春香「まぁまぁ2人とも、ほらプロデューサーさん困っちゃってるから」

P「ごめんね、春香さん。それでプロデュースの方針なんだが。とりあえずみんなのレッスンをみて、感じたんだ。やっぱり皆仲がいいんだなって。それで思ったことなんだが。一言で言うとこの事務所は小さい。それにアイドルのみんなは12人だけだ。だが、だからこその戦略で行こうと思っている」

やよい「だからこそ?ですかー?」

P「ああそうだ。会ったばかりでまだみんなのことを、ちゃんと知っているわけじゃないが、みんな個性的で1人1人で売り出そうと最初は考えていた。だけどそれじゃもったいないと感じたんだ」

千早「要領を得ませんね。つまり、なにが言いたいんですか?」

春香「千早ちゃん…最後まで聞かなきゃ…」

P「ん、そうだなじゃあ簡潔に言おう。君たち竜宮小町を抜いた9人には、1人のアイドルでも、アイドルユニットでもなく。新たにアイドルグループとして売り出して行こうと考えている。そうだな…いわば765プロオールスターズだ」

響「それって、今までみたいな1人1人別でやるのとどう違うんだー?」

真美「そーだよー!765プロはみんな仲良しだしあんま変わらないんじゃないの→?」

P「いいや違う。例えばユニットを組んでしまうと竜宮小町を例に出すがほとんど同じ三人で一緒にいて誰か1人になるなんてシチュエーションは少ないし別の765プロの人間と共演の機会も少なくなってしまう」

P「確かにユニットを組めば仕事も組みやすくなるし絆だって深まるだろう。アイドルグループと言ったってどこかの48人以上いるいわばインパクト重視のグループもいる。だけど、君たちなら、君たちの絆があれば!たとえユニットを組まなくても、それをカバーできると感じたんだ」

貴音「つまり、デメリット全てをこの9人なら乗り越えられると、そう言うことですか」

P「そう言うことだ」

真「ねぇ、それって…」

春香「うん!凄い良いアイディアだと思います!」

響「皆でやれるんなら最高さー!」

やよい「とっても良い事かなーって!」

律子「ちょっと待ってください!それって、プロデューサー殿には普通の9倍、いやそれ以上の負担がかかるんじゃ」

P「承知の上だ」

律子「ですが…」

高木「なに、素晴らしいアイディアじゃないか。1人は皆のために、皆は1人のために。いやはや彼をスカウトした私の目には狂いはなかったようだ」

律子「社長まで…」

小鳥「まぁまぁ、律子さん。事務仕事は私もしっかりやりますし、それこそ皆で助け合いながらならきっとできますよ!」

あずさ「そうですよ。竜宮小町も、できる限り協力しますし~」

亜美「そーだよ→9人だけじゃなくて亜美たちのことも忘れちゃだめだかんね!ね、いおりん」

伊織「ふん!あんた達がちゃんとできるなら協力してあげないこともないわ」

律子「あんた達まで…もう!良いですよ私も賛成します!その代わり!ちゃんと結果を残さなきゃ許しませんからね!」

P「皆…ありがとう」

春香「それじゃあ皆!新しいグループとプロデューサーも来た事だし行くよ!せーの!765プロー!」


「「「ファイトー!!!!」」」

~~~~~~~~~~~~

prrrr prrrr

P「はい、Pです。」

黒井『私だ、765プロの様子はどうだ』

P「はい、高木の素性や思惑はわかり兼ねますが、予定通りに全員プロデュースにこぎつけました」

黒井『たった一日でやりきるとはとんだ役者がいたもんだ』

P「買いかぶりすぎですよ。ですが、これすら操作された様な感じがします」

黒井『ほう…高木め…』

P「あとすでにユニットを組んでいた竜宮小町までには手は回らなさそうですね」

黒井『かまわん。想定の範囲内だ。ただ、これだけは言っておく』

P「はぁ、なんでしょうか」

黒井『このまま我々が奴をどうにかしなければ、アイドル業界は今のあり方を変えられてしまうだろう』

P「な!それはどういう…」

黒井『それでは検討を祈る』

P「黒井社長!…切れたか…」

P(しかし、高木社長…か)

ここまで

あー。分かりにくかったですかね…すみません

組むユニットを毎回変えられる…みたいな利点を出したかっただけなんです。

それプラス、Pのスパイ活動的に9人プロデュースはしたい、そのための詭弁みたいなもんですかね

じゃあ9人のユニットじゃねえかって。ぶっちゃけそんな感じです

そんな感じでおなしゃす

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