社長「プロデューサーを採用したぞ!」 (145)
ちひろ「ようやく社長のいう『ピンときた』プロデューサーが入社してきたんですね!」
社長「ああ、採用するための面接を開始した瞬間からピンときたよ」
ちひろ「これで事務仕事をするのが私と社長だけという体制を変えることができますし、事務所がよい方向に向かえそうですね!」
社長「うむ!……ピンときた直感が嘘ではなかったということが、経歴に如実に表れていた…」
社長「さらにはその風格!これは他のどの人間にも出せそうになかったからね!」
ちひろ(社長がここまで採用試験の結果を嬉しそうに語る姿は初めて見ましたね……どんな方なんでしょう)
社長「前置きはこれくらいにして、そろそろちひろくんにも新しい事務所の仲間を紹介しようか」
社長「では入ってきてくれ!」
ガチャ
モバP(以下P)「…失礼します」
ちひろ(……な、なんだか事務所内の雰囲気が変わった…?)
P「これからこの事務所でプロデューサーとしてやっていきます、Pです……よろしくお願いします」
社長「うむ!君なら必ずこの事務所をよい方向に変えていけると信じているよ!」
P「ご期待に添えられるよう、身を粉にして働く所存です」
社長「よくぞ言ってくれた!ではそこにいるのがこの事務所の事務員である…
P「……千川ちひろさん…ですね?」
ちひろ「は、はい!よろしくお願いします」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1380075705
モバマスssです
ミステリアスなプロデューサーが不思議な雰囲気でアイドルたちと奮闘するお話……にする予定
前スレ
社長「プロデューサーを見つけてきたぞ!」
前スレと同じ形、同じくらいの更新速度でつらつら書いていきます
【謎に包まれた経歴】
社長「挨拶はさておき、まず事務員であるちひろくんにPくんの履歴書に目を通してもらうが……いいかね?」
P「はい、どうぞよろしくお願いします」
ちひろ「では失礼します……」
ちひろ「………」パラパラ…
ちひろ(…え?なにこの履歴書……)
ちひろ(そ、卒業大学が東京大学医学部医学科……さらに海外ではコロンビア大学法学部卒業……)
ちひろ(行政書士、司法書士、教育免許、税理士、臨床心理士、基本情報技術者、医師免許、etc……ありとあらゆる資格を待ってる…)
ちひろ(……こ、このひと一人で会社を全て回せるレベルじゃないですか…)
ちひろ「あ、あの~……これだけの履歴と資格を持ちながらなぜ私たちの事務所に……」
P「……そうですね…あえて言うならこの事務所でしかできない何かがあると、私の勘が告げたから……というのが答えでもいいでしょうか?」
ちひろ「は、はぁ……(なんだかよく理解できない…)」
P「……すみませんね、どうしても私は観念的な言い方になってしまうもので…」
ちひろ「い、いえ……つまり、直感が告げたという形になるのでしょうか?」
P「はい…大体そのような感じで合っています」
P「……このような理由でこの事務所に採用していただいて、不愉快な思いをなさりませんか?」
ちひろ「いえいえ……そんなことはありませんよ!(社長だってピンときた、ですからね…)」
P「それはよかったです……社長もこのような理由でも採用していただき、感謝しています」
社長「こちらこそ、我が事務所の仲間が増えて嬉しいよ」
ちひろ(私もアイドル事務所の事務員だから人を見る目はあるつもりですが……私の目からも見ても悪い人ではなさそうですね)
社長「では、私からの紹介はこれくらいにしてあとは二人で語らいあってくれ!」
ちひろ「あ、はい!」
P「了解しました」
社長「事務所についてなにか聞きたいことがあったら遠慮なく私にきいてくれ………では私は社長室に戻るよ」
バタン
P「……ふぅ」
ちひろ「お疲れ様です……そこの椅子にかけてください」
P「ああ、ありがとうございます」キシッ
ちひろ「色々と質問攻めしてしまいましね……すみません」
P「いえいえ、履歴書についてはよく聞かれますし……それにこの見た目も」
ちひろ「ああ……その…失礼でなければお聞きしますが…その髪の毛は…」
P「はい、地毛です……私はいわゆるアルビノというものです……普段はカラーコンタクトをしてますがこれも外すと…」スッ
P「目も真っ赤なアルビノですよ」
ちひろ「………」
P「不気味ですか?」
ちひろ「い、いえ!そんなことありませんよ(むしろなんか神秘的すぎて…)」
ちひろ「逆に社長から私のことについて何か聞きましたか?」
P「いえ、ちひろさんのことに関しては聞いていませんでした……事務員がいるとだけ」
ちひろ「そうですか……なら私も答えられる範囲ならなんでもお答えしますので」
P「いえ…あまり女性のことを根掘り葉掘り聞くのはマナー違反ですし、大丈夫ですよ」
ちひろ「そうですか…けど聞きたいことがあったら…」
ちひろ(……ん?社長から私のことは聞いてないって言ってましたよね…)
ちひろ(それならなんで私の名前を最初に言えたの…?名前は名札を見ればいいとして苗字は…)
P「……どうしましたか、ちひろさん?」ニコッ
ちひろ「い、いえ…なんでもありませんよ(な、なんだかすごい人が入社してきた…)」
【謎に包まれた経歴】 終わり
【顔合わせと深まる謎】
ガチャ
P「おはようございます」
ちひろ「おはようございます、Pさん」
P「……社長はどこにいらっしゃいますか?」
ちひろ「あ、社長からすでに聞いてましたか?」
P「はい、今日私の担当アイドルと顔合わせになると…」
ちひろ「はい!今そのアイドルの子と社長は今応接室にいます」
ちひろ「社長から合図があったら入ってきてくれ、とのことでした」
P「わかりました、では……」スッ
ちひろ「……カラーコンタクトは外すんですか?」
P「ええ、これから苦楽を共にする相手ですからね……こういうことは隠さないようにします」
P「もちろん、ちひろさんに昨日見せたのもそういう理由ですから」
P「……入社当日は言い忘れてましたが…」
P「これから同じ夢を追いかける者同士、助け合っていきましょう」ニコッ
ちひろ「ッ!」カァァァァァァ
モバマスはよく知らんが
他のssでは尋常じゃないほど銭ゲバなのに
ここはまるでただの事務員だぜ…
>>21
ちひろさんは素敵な天使だろ!!いい加減にしろ!
ガチャ
社長「では、Pくん入ってくれ」
P「はい、了解しました」
バタン
ちひろ「………」
ちひろ「ううぅ……Pさんは今の狙ってやってきたの!?」
ちひろ(い、いや……出会って数日で私を狙ってやってくるなんてことはないだろうな……おそらく挨拶程度に微笑んできただけだろうな…)
ちひろ「……それにしても失礼かもしれないけど、肌綺麗だったなぁ…」
ちひろ「………」←さっきの笑顔を思い出した
ちひろ「………」ボッ
ちひろ「し、仕事!!仕事しなきゃ!」
社長「では紹介する、彼が君たちの担当プロデューサーになるPくんだ!Pくん、自己紹介を頼む」
P「はい、私がこの事務所のプロデューサーとなりました、Pです…よろしくお願いします」
凛「は、はい……よろしくお願いします」
奈緒(な、なんつーかアニメとかのラスボスみたいな人が来たな…)
加蓮「よろしくお願いします(たしかアルビノっていうんだっけ…入院してた頃こんな人見たなぁ)」
P「……凛さん、花屋の手伝いも大変でしょうが、一緒にアイドル頑張りましょう」
凛「……え?あ、はい…(な、なんでうちが花屋って知ってるの?)」
P「奈緒さん、私はアニメのことはよく知らないので、よかったら教えてください…そういうところでも仲良くやっていきましょう」
奈緒「いぇ!?は、はい…(…え?アニメが好きって社長にもまだいってないんだけど…)」
P「加蓮さん、体力のブランクは大変ですけど、私が無理のない練習プランを考えます…よろしくお願いします」
加蓮「……はい(体弱いの知ってたのかな…?)」
社長「う、うむぅ…?Pくん、まだ彼女らの履歴書は渡してないのだが……」
凛、奈緒、加蓮「……え?」
P「……そうでしたね」
【顔合わせと深まる謎】 終わり
今回の初期アイドルはトライアドプリズムなんだけど
凛が重複して出たことに関しては他のアイドルを期待してた人、ごめんなさい…
みくにゃんがでないとか失望しました。>>1にゃんのファン辞めます
>>30
すまぬ……すまぬ……
今回はCoでいくよ
【邂逅】
ガチャ
凛「ただいま」
奈緒「レッスンから帰ってきました、っと」
加蓮「……なんかいい匂いするね」
ちひろ「………みんなPさんと連絡した?」
凛「へ?Pさんと連絡?」
奈緒「いや、してないけど…」
加蓮「なにかあったの?」
チンッ!
ちひろ「……さっきPさんが丁度クッキーをみんなのために焼いていったんだけど、ちょうどみんなが帰ってきた時に焼きあがりになるようにってレンジにかけていって…」
凛「……いや、予定を把握してただけじゃ…」
奈緒「……いや、今日のレッスンは一週間の総復習でどれくらいかかるかは私たちの出来次第だったんだぞ?」
加蓮「…トレーナーさんたちもずっと私たちにつきっきりで連絡してなかったもんね…」
ちひろ「……ま、まぁせっかくPさんが焼いてくれたクッキーだし、いただきましょう!」
ちひろ「それじゃ、いただきます……す、すごい美味しい…」サクッ
凛「本当だ…市販されてるものなんかとは比べものにならない…」サクッ
奈緒「しかもできたてだからなぁ……なんかすげぇ贅沢させてもらってる気がする」サクッ
加蓮「なんかあのプロデューサーならパティシエとかの資格持っててもおかしくなさそう」サクッ
ちひろ「たしか履歴書には少なくとも調理師免許は持ってましたよ」
凛「まぁ、驚くことでもないけどね……初日のアレを体験しちゃったら」
奈緒「名前と趣味とかあたしたちの履歴書見る前から当てたもんな」
加蓮「しかもそれが偶然じゃなくて全部プロデューサーの洞察力で推測してたっていうんだから驚きだった」
ちひろ「え?なにそれ……詳しく聞いていい?」
奈緒「ああ…」
凛「まず、私が自己紹介する前から花屋の娘ってことを当てられたんだけど…」
凛「理由が私の手を見て、水を長時間触る手をしていたって……しかも花の香りがしたって」
凛「といっても毎日ハンドクリーム使ってるから荒れてるわけでもないし、花の香りなんて…ねぇ」
ちひろ「……花の香りって…私にはわかりませんけど」
奈緒「んであたしはアニメが好きって見破られたのは、あたしの目を見て目が疲れてる、深夜まで起きてるってことを当てて……」
奈緒「そこからここ最近深夜に面白いドラマはやってない、つまり深夜にテレビを見るとしたらアニメだって…」
奈緒「充血もしてなかったはずなんだけどな……それにスマホを弄ってる可能性だってあったのに目を見ただけでテレビとまでわかったらしい」
ちひろ「……」
加蓮「そして多分私が一番すごい推理だと思う……だって私の呼吸のリズムが微妙に健康な人とは違うって見抜いて…」
加蓮「何より私たちの名前を当てたのはこの仕事場から応接室の喋っていた声を全部聞いていたっていうんだよ?」
ちひろ「…応接室の壁は一番厚いはずですし……何より普通に聞こえるなら私も聞こえてるはず」
ちひろ「…………Pさんって何者?」
凛、奈緒、加蓮「さぁ……」
……………
………
…
P「ふむ……これは試されてますね」
P(先ほどからどうも気配を大きくさせたり、消したり…一定の感覚を置いてます)
P「なんらかの法則性があります……それを見破らないかぎりは会うことは難しい」
P(社長に命じられた今日の仕事はスカウトですからね……なんとしてもいい人材を見つけたいですし)
P(これだけ高度なことができる方ですからね……なんとしてもスカウトしたいです)
P「……また消えて…表れた……つまりこの秒数の感覚から……ん?」
???「………」
P「なるほど……最終的には私のところに行き着きますね……」
???「……気づいたようね」
……………
………
…
P「ただいま戻りました」
ちひろ「あ、おかえりなさい!クッキー、ありがとうござい……?」
???「………」
凛「ね、ねぇプロデューサー……後ろの方って…」
奈緒(こ、これまたラスボス臭のする人が……)
加蓮「もしかして今朝社長の言ってたスカウトが上手くいったの?」
P「ああ、その通りだ」
P「では私から紹介しておきますね……この方は高峯のあさんです」
のあ「のあよ……よろしく」
ちひろ「あ、はい……私はこの事務所の事務員をしております、ちひろです」
のあ「…私が書くべき書類はあなたの机の上から二番目に入ってるわね……お願いできるかしら?」
ちひろ「え?……は、はい…」ガラッ
ちひろ(な、なんで知ってるの?……Pさんも知らないはずなのに)
凛(な、なんだかこの事務所…)
奈緒(ただの人間が集まる場所を卒業して…)
加蓮(未知の場所になっていきそう…)
【邂逅】 終わり
【1レス小ネタ、Pとのあの賭け】
のあ「……P、少し時間はあるかしら?」
P「はい、仕事は終わらせておきましたよ」
ちひろ(は!?まだ事務所来て30分も経ってませんよ!!)
のあ「そう……ならいつもの戯れをしないかしら?」
P「いいですよ……今日は…97.38ですかね…」
のあ「私は……96.54というところかしら」
凛「またやってるね…」
奈緒「あれってなんの数字なんだろうな…?」
加蓮「そもそもあの二人の会話って他の人には理解できないよね」
ちひろ「……もうみんな仕事を終えてることには驚かないんですね…」
奈緒「あっ…そういえばアニメが……ちひろさん、テレビ見てもいいかな?」
ちひろ「ええ、大丈夫よ」
奈緒「んじゃ、テレビ点けて……何番だったけかな…」ピッ
<さて今日の平均株価は97.38と……
P「……今日は私の勝ちということで」
のあ「…残念……今度は勝つわ」
P「ええ、受けてたちます」
【1レス小ネタ、Pとのあの賭け】 終わり
【歓迎された魔王】
P「ちひろさん、お仕事の方はどうですか?」
ちひろ「そうですね~……あと支出の計算を残すのみになりましたが…少し時間かかりそうです」カタカタ
P「そうですね、ちひろさん上から三番目の表の下二桁が入力ミスしてますからそこを直せばすぐ済むと思います」
ちひろ「あれ……本当ですね、ありがとうございます」カタカタ
ちひろ(相変わらず私のパソコン画面見てもないのにこんなこと言えるなんて……まぁ、もう慣れつつありますけど)
P「それが終わったらどこか喫茶店でも行きませんか?いいお店を知ってますよ」
ちひろ「いいですね!ぜひ行きましょう」
P「アイドルのみんなは……トライアドプリズムの三人はおそらく今日は収録に四時間はかかりますね」
P「のあさんはおそらく今日はレッスンの後に直帰すると思います」
P「行くのは二人だけですが……それでもいいですか?」
ちひろ「はい、大丈夫ですよ」
ちひろ(……ん?二人だけ…)
ちひろ(………い、いや!深く考えずにいきましょう!ここで赤っ恥をかくわけにはいきませんからね!!)
名前を間違えるのはギルティ……!
>>67
え!?どっか間違えてた?
トライアドプリムス ですな
>P「アイドルのみんなは……トライアドプリズムの三人はおそらく今日は収録に四時間はかかりますね」
これかな
プリムスだ
【歓迎された魔王】
P「ちひろさん、お仕事の方はどうですか?」
ちひろ「そうですね?……あと支出の計算を残すのみになりましたが…少し時間かかりそうです」カタカタ
P「そうですね、ちひろさん上から三番目の表の下二桁が入力ミスしてますからそこを直せばすぐ済むと思います」
ちひろ「あれ……本当ですね、ありがとうございます」カタカタ
ちひろ(相変わらず私のパソコン画面見てもないのにこんなこと言えるなんて……まぁ、もう慣れつつありますけど)
P「それが終わったらどこか喫茶店でも行きませんか?いいお店を知ってますよ」
ちひろ「いいですね!ぜひ行きましょう」
P「アイドルのみんなは……トライアドプリムスの三人はおそらく今日は収録に四時間はかかりますね」
P「のあさんはおそらく今日はレッスンの後に直帰すると思います」
P「行くのは二人だけですが……それでもいいですか?」
ちひろ「はい、大丈夫ですよ」
ちひろ(……ん?二人だけ…)
ちひろ(………い、いや!深く考えずにいきましょう!ここで赤っ恥をかくわけにはいきませんからね!!)
……………
………
…
P「ここです、ちひろさん」
ちひろ「うわぁ……事務所の近くにこんないい雰囲気の喫茶店があるなんて知りませんでした」
P「気に入ってくれて何よりです……では、入りましょう」
カランカラーン
マスター「いらっしゃいませ」
P「お久しぶりです、マスター」
マスター「おおっ、Pさんではありませんか!その節はどうもありがとうございました」
P「いえいえ……今日はいつものを二つ頼みますね」
マスター「はい、かしこまりました…」
ちひろ「……Pさんはここの常連さんなんですか?」
P「そうですね、気分転換とかによくここにきてますよ」
ちひろ「へぇー……それでその節は、っていうのは何があったんですか?」
P「ここはお気に入りのお店だったんですが一度経営難に陥りましてね…」
P「その時に私がコーヒー豆を最も安く仕入れるルートの開通と豆の改良をしたもので…」
ちひろ「……(聞けば聞くほどに謎が深まる人だなぁ…)」
マスター「はい、どうぞ…できましたよ」コトッ
P「ありがとうございます」
マスター「では彼女さんも」コトッ
ちひろ「ありがとうござ……え?」
マスター「…どうかなされましたかな?」
ちひろ「あ、あの……私、Pさんの彼女ってわけでは…」
マスター「おや、そうでしたか……どうにもお二人の雰囲気が良かったように見えたもので」
P「ははは、そう見えたなら光栄ですけどね……ただちひろさんほどの方ならどんな方とでも雰囲気をよくできますよ」
ちひろ「い、いやいやそんなことないですよ!」カァァァァ
マスター「はっはっは、やはり雰囲気はよろしいご様子ですな」
ちひろ「も、もう!この話は終わりにしましょう!」
カランカラーン
???「………」
マスター「おや、お客様ですか……いらっしゃいませ」
???「…煩わしい太陽ね」
マスター「はい、おはようございます蘭子さん」
ちひろ(……え?)
蘭子「闇夜の暗雲のように我が意思は変わらぬ……」
マスター「はい、少々お待ちくださいね」
ちひろ(か、変わった子が来たなぁ…)
P「ああ、蘭子さんじゃないですか」
蘭子「その声……我が同胞か?」
P「はい、お久しぶりですね」
蘭子「悠久の時の彼方にての再会である……如何なる調和を着きし故か?」
P「ここ最近は新しく事務所に就職したんですよ……それで仕事がありまして」
蘭子「して、同胞の辺に座りし客人は何方か?」
P「ああ、この方はその就職先の事務員のちひろさんですよ……ちひろさん、よろしかったら自己紹介をお願いできますか?」
ちひろ「え?…あ、はい!えーと、Pさんと同じ事務所で事務員をしています、千川ちひろです」
蘭子「ふむ、心得た……闇に生きる者の儀礼として名乗らせていただこう……」
蘭子「我が名は神崎蘭子……冥王たる我が同胞とはこの故ある場所にて旧知の仲よ……」
P「はい、そんな感じです」
ちひろ「…ちょっと待ってください」
ちひろ「え、えーと……失礼ですが、お二人は何か特別な暗号とかを決めてるんですか?」
蘭子「……?」
P「暗号…?どういうことですか?」
ちひろ「あれ?私がおかしいのかな…?」
マスター「おそらくお二人の会話がわからないのだと思いますよ…Pさん、蘭子さん」
P「……ああ、なるほど…そういうことですか」
マスター「はい、そうだと思います……あと蘭子さん、いつものですよ」コトッ
蘭子「深淵の光を贈る、主よ……では魔力満ちりし王たる言に帰した方がよいか?」
P「そうですね、ちひろさんにもわかるようにお願いします」
ちひろ(ど、どういうこと…?)
蘭子「心得た……では……ふぅ…」
蘭子「……煩わしい太陽ね(おはようございます!)」
ちひろ「…えっ?」
蘭子「魔王の言霊をその身に解せしか(今私が喋ってることがわかりますか?)」
ちひろ「え?は、はい……わかります」
ちひろ「でもこれどういうことですか!?喋ってる内容はわからないのに何を言おうとしてるかはわかるんですけど…」
ちひろ「いや、自分でも何言ってるのかわからない……こ、混乱してきました」
P「まあ、最初はたしかに混乱してしまうかもしれませんね」
蘭子「同胞は邂逅の刻から同調せし者であったな(Pさんは最初からこれなしで私と会話できましたよね!)」
P「…そういえば蘭子さん、この後予定は入ってますか?」
蘭子「王たる者は余暇を慈しめばよい……何用か?(この喫茶店でゆっくりするためだけにここまで来ただけですから、特にありませんよ……なにかあったんですか?)」
P「蘭子さんにぜひ私たちの仕事場に来て欲しいな、思いまして」
蘭子「……王であれ、賢者の石を媒介の再現ほどは不可能であるが…(私、Pさん並ににハイスペックな訳じゃないのでお手伝いとかできませんよ…)」
P「お仕事こ手伝いというわけではなくてですね……私が今いる事務所はアイドルを産出する事務所なんです」
蘭子「偶像であるか?………む?それは…(アイドルですか?……えっ、それって…)」
P「ぜひアイドルになりませんか?私は蘭子さんならアイドルとして輝けると思っています」
蘭子「……その契約に虚偽はないか?(本当にそう思いますか?)」
P「ええ、私も全力で協力します」
蘭子「……ククク…我が魂の滾りが止まらぬ…良いだろう……その契約、乗ろうではないか!(……ふふふ、なら安心です!わかりました、ぜひ事務所を見せて下さい!)」
P「それはよかった……と、いうことでちひろさん、スカウトしてもいいでしょうか?」
ちひろ「は、はい……わかりました(あれよあれよと言う間にスカウトが成功してた…)」
P「では、せっかくですし、このまま三人でこのテーブルでお茶にしましょう」
蘭子「それもいいだろう…(では失礼しますね)」
ちひろ「は、はい……」
……………
………
…
ガチャ
凛「ただいま……ふぅ」
奈緒「きょ、今日のレッスンはまた一段とハードだった……」
加蓮「もう無理……指一本も動かせない」
ちひろ「歴戦せし英雄の帰還か……闇に飲まれよ!(みんな大変でしたね……お疲れ様でした!)」
凛「……え?」
奈緒「は?」
加蓮「ん?」
ちひろ「…?……如何した?三の柱を集いし偶像よ(…?……どうかした?みんな)」
凛「……え?何言ってるの?」
奈緒「ち、ちひろさん?疲れてないか?」
加蓮「…ついにちひろさんまで未知の領域に……」
P「……ちひろさん、おそらく蘭子さんとの会話の時の癖が抜けてませんね」
ちひろ「なんと…?創生されし王の姿は真実の鑑に写りしか!?(え!?……わ、私は今どういう状態なんですか?)」
P「蘭子さんとの会話を初めてした人はよくなってしまう状態ですよ……まぁ、その内治るとは思いますので」
凛「ああ……ちひろさん…」
奈緒「ちひろさんもこちら側だと思ってたのに…」
加蓮「まぁ、仕方ないよね」
ちひろ「わ、我が魔力に再び胎動をー!!!(な、なんでこんな目に合うんですかー!!!)」
【歓迎された魔王】 終わり
【1レス小ネタ、魔王の公用語】
蘭子「同胞よ……我が狂いし歯車の調停は如何せん?」
P「はい、蘭子さんの次の予定は私と△△雑誌さんの取材ですね」
蘭子「心得た!」
凛「……あれぱっと見は異様な光景だよね」
奈緒「だな……けど、蘭子がなんか統一言語みたいなあれ使ったおかげで私らもわかるようになったけどな」
加蓮「たしかね……蘭子ちゃん!」
蘭子「何用か、加蓮?」
加蓮「……王に言を許されし諫言は此の様であるか?」
蘭子「!……ククク、貴殿も『瞳』の素養を持つ者か…」
P「加蓮もできるようになりましたか……おめでとうございます」ナデナデ
加蓮「え?い、いやぁ……褒められるほどのこでもないけど」テレテレ
凛「……なんか今のは釈然としない」
奈緒(な、なんだよ…あたしだって練習すればあれくらい…)
P「けど上には上がいますよ?」
加蓮「え?」
のあ「窩襾ツヒねひ吼巻ノコよメチわ」
P「お昼ごはんはツナサンドイッチだったんですね」
のあ「…その通りよ」
蘭子「!?」
ちひろ(……もうなにこれ)
【1レス小ネタ、魔王の公用語】 終わり
ここまで読んでくれてありがとう
前回よりレスがどんどん書かれて嬉しいです(小並感)
さて今からトライアドプリムスの三人を一人ずつ書いていこうかな、と思うんですが
凛が前回ニュージェネレーションの時も書かれてますが
今回も重複して凛を書くべきか……
どうでしょう?
なんじのなしたいようになすがよい…
書いてください。お願いします
あとトライアドプリムスは誰から書くべきか……
一番早いレスの人の書いたアイドルから書くよ
凛
じゃあ加蓮
奈緒ー
【休める場所】
トレーナー「はい、ではここまで」
凛「ふぅ……」
奈緒「へぇあ~……や、やっと終わったぁ……」
加蓮「はぁ…はぁ……」
凛「加蓮、大丈夫?」
加蓮「ん、大丈夫だよ……そう簡単にへばる私じゃないから」
奈緒「…加蓮の口からそんな言葉を聞けるなんてな」
凛「ふふふっ、そうだね」
加蓮「も、もう!前の話はいいでしょ?!」
凛「『疲れたー!もう休んでいい?プロデューサー』だったっけ?」
奈緒「ああ、初日のアレな……私も度肝を抜かしたなぁ」
加蓮「お、怒るよ!!二人ともぉ!!」
トレーナー「ふふふふ……そろそろ加蓮さんをからかうのは止してあげてください」
凛、奈緒「はーい」
加蓮「まったく…」
トレーナー「今日のレッスンはここまでですが……この後、私とプロデューサーから一人ずつ話したいことがあるので着替え終わったら呼ばれた順にトレーナー控え室に来てください」
凛「え?…はい」
奈緒「話したいことって…なんだ?」
加蓮「さぁ……」
……………
………
…
P「では、凛…入ってください」
ガチャ
凛「……なんだか珍しいね、こんな形で呼び出すなんて」
P「そうですね、あまり個人でこういう正式な面談のするのは初めてですね」
凛「それでここに呼んだのはどういう用件かな?」
P「……では単刀直入に言いますね」
P「今度、トライアドプリムスでCDデビューをすることになりました」
凛「……え?」
P「おめでとうございます、凛」
凛「CD……デビュー…?」
P「あれだけ夢見てたCDデビューですからね…嘘でもなんでもありませんよ」
凛「……本当…なんだよね?………あはっ…あはははは!やったぁ!!」
P「まだまだ皆さんの成長を考えれば通過点だとは思いますが……ここまでよく頑張りましたね」
凛「うん……うん!」
P「それとこのCDデビューを祭しててのライブも予定されています」
凛「なんか……夢、見てるみたい」
P「皆さんには頑張り続けた事実があります……夢なんかではありませんよ」
凛「そう、だね……私たちだって頑張ってきたもんね!」
P「はい、本当におめでとうございます」
P「さて、ここから話を続けますが……というより今から話す方が本題、というべきでしょうか」
凛「本題…?どういうこと?」
P「はい、これからCDデビューを果たしトライアドプリムスは間違いなく有名になっていくでしょう」
P「そこでこのトライアドプリムスにも様々なことが要求されていくでしょう」
P「その中でも最重要とも言えることは、このユニットの結束力です」
凛「結束力、か……けど私たちって仲悪いわけでもないし」
P「それは三人を当初から見ている私から見てもわかります……とても仲のいい三人だと」
凛「そうだよね…よかった」
P「しかし仲の良さイコール結束力とは言い切れないのです……たしかに仲の良さと結束力は切っても切れない関係ではありますが」
凛「そう、かもね」
P「そこでトライアドプリムスの三人には一人ずつ役割をこなしてもらいたい、と思っています」
凛「役割……?」
P「はい、そして凛にこなしてもらいたい役割というのがーーーー」
P「トライアドプリムスのリーダー、という役です」
……………
………
…
ガチャ
凛「ただいま……」
凛母「おかえりなさい、夕飯の支度はもうできてるからね」
凛「……うん…けど今日は疲れたから一旦休むね」
凛母「そう?なら、夕飯は冷蔵庫に入れておくわね」
凛「うん、お願い…」
ガチャ、バタン
凛「……リーダー、か…」
凛(……考えてみれば学校とかでもそうだっな……よく頼りになるからって…)
凛(でも今回は…今までのやってきたようなものとは重みも責任も違う……)
凛(……そもそもなんで私がリーダーなんだろう…リーダーって普通、一番年長の人がやるんじゃないのか…)
凛「………皆、どんな役割をやることになったんだろう」
凛(プロデューサー、皆に役割は与えたけど、お互いに役割を教えあっちゃいけないって言ってたし…)
凛(……なんの目的があるんだろ…)
凛「…まぁ、あのプロデューサーの考える事はそう簡単に読めないだろうけど…ね……」
……………
………
…
ガチャ
トレーナー「さて……レッスンの準備を…ッ!?」ギョッ
凛「ふっ……うんっ…!」キュッキュッ
トレーナー「り、凛!?まだレッスンの時間まで1時間はあるぞ?」
凛「いいん……です……自主練ですからっ……!」キュッキュッ
ーーーーーーーーーー
凛「………」ジー
奈緒「…ど、どうしたんだ?凛…」
凛「いや、なんでもないよ」
凛「………」ジー
加蓮「…なにか私についてる?」
凛「気にしないで」
凛(二人のアイドルとしての武器は……)カキカキ
ーーーーーーーーーー
トレーナー「今日はここまで!」
奈緒「はあっ……はぁ…よっしゃあ…できた……」
加蓮「さ、さすがに疲れた……」
凛「二人ともお疲れ」
奈緒「お、おう凛……凛はまだ動けるのか?」
凛「さすがに疲れはしたけど……まだ少しは大丈夫かな」
加蓮「すごいね、凛……私たちは着替えたらそのまま直帰するね」
凛「わかったよ、プロデューサーには伝えておく」
奈緒「ありがとな、凛」
加蓮「お疲れ様」
ガチャ、バタン
凛「………」
凛「はあっ……はぁっ……ご、誤魔化せたかな……ふぅ…」
……………
………
…
トレーナー「そこでターン!……凛さん、少し遅れてます」
凛「は、はい!」
凛(マズイなぁ……連日の疲れで動きが鈍くなってるのが自分でもわかる)
凛(このままじゃリーダーなんてこなせないよ……ッ!)グギッ
凛「う、うあっ!」ドサッ
トレーナー「凛さん!?」
奈緒「え!?だ、大丈夫か!」
加蓮「うわっ!足が変色してる…」
トレーナー「……捻挫ですね、二人は少し休憩していてください……私は凛さんを一旦事務所に連れていきます」
凛「……トレーナーさん、湿布とテーピングしてください…まだ続けます」
奈緒「は、はぁ!?何言ってんだ!」
加蓮「悪化しちゃったら大変だよ!」
凛「大丈夫、できるよ!まだ私は動けるよ!」
トレーナー「ダメです!これはトレーナーとしての命令します!一旦休みなさい」
凛「……はい」
奈緒「凛……」
加蓮「無理しちゃ駄目だよ…」
……………
………
…
凛(……なにしてるんだろ、私…)
凛(リーダーを任せられて…自分の思うリーダー像を演じて……結果が周りに迷惑かけてるなんて…)
凛(やっぱり私は…リーダーなんかできないよ……)
ガチャ
P「大丈夫でしたか、凛?」
凛「……プロデューサー」
P「ケガの状態を見ますから、足を出してくれませんか?」
凛「………」スッ
P「……ふむ…この程度なら…」
P「凛、少し驚くかもしれませんが、じっとしててください」
凛「……」コクッ
P「では、よっ………と」コキコキッ
P「ん……こんな具合でしょう……どうですか?まだ痛みますか?」
凛「……痛みがなくなった」
P「それはよかった……しかし、痛みがなくたったとはいえ、一週間ほどは念のため激しい運動はしないでくださいね」
凛「……すごいね、プロデューサーは……なんでもできて…」
P「……そんなことはありませんよ」
凛「……私は何もできなくて……リーダーなんてできないよ」
P「……」
凛「プロデューサーからリーダーに任命されてから色々リーダーらしいことしてみたけど……結果がこれだもん……」
凛「私なんかが……」
P「……凛」
凛「……なに?」
P「凛にとってのリーダーというのは、他の人よりも技量が上で指示ができる人でないと務まらないと思っているのですか?」
凛「……ちがうの?」
P「いいえ、それも一つのリーダーの形だと思います」
P「けれど、私が凛に見出したリーダーとしての素質は……」ポンッ
凛「あ……」
P「周りも巻き込めるほどの一生懸命さだと……そう思いました」ナデナデ
凛「………」
P「私にリーダーを任せられてから本当に色々考えたんでしょう」ナデナデ
凛「………」
P「それをすぐに実行して……レッスンの始まる前から練習したり、奈緒と加蓮の長所、短所を観察してり」ナデナデ
凛「………」
P「二人が言ってましたよ……あんなに一生懸命やってる凛を見て、自分たちも頑張らなきゃ、と…」ナデナデ
凛「……っ……うっ…」ポロポロ
P「…凛のリーダーらしさはもう出ています……心配しないでください……頑張ってくれてありがとう、凛」ナデナデ
凛「…うん!……うん…」ポロポロ
……………
………
…
P「……さて、今日はこのまま凛は帰りましょうか…送っていきますよ」
凛「……プロデューサー」
P「はい、どうしました?」
凛「私……これからリーダーとして頑張るから」
P「……はい」
凛「それで、ね……リーダーとしてちょっと疲れたりした時は…」ギュッ
P「おや……」
凛「私の休める場所になって…」
P「………はい、わかりました」
【休める場所】 終わり
り、凛が長くなりすぎた気がする……
前回に比べて一話一話が長くなってる点はごめんなさい
では残るトライアドプリムスの奈緒と加蓮
どちらを先に書いたほうがいいでしよわう?
一番早いレスのリクエストを書きます
加蓮
>>118
レスありがと
では加蓮を
言い忘れてましたが、
あとのトライアドプリムスの二人の話は凛の話をそれぞれの視点から見た話になります
そのため全員の始まり方は同じにします
て、手抜きとかじゃないからね(震え声)
【スタートダッシュ】
トレーナー「はい、ではここまで」
凛「ふぅ……」
奈緒「へぇあ?……や、やっと終わったぁ……」
加蓮「はぁ…はぁ……」
凛「加蓮、大丈夫?」
加蓮「ん、大丈夫だよ……そう簡単にへばる私じゃないから」
奈緒「…加蓮の口からそんな言葉を聞けるなんてな」
凛「ふふふっ、そうだね」
加蓮「も、もう!前の話はいいでしょ?!」
凛「『疲れたー!もう休んでいい?プロデューサー』だったっけ?」
奈緒「ああ、初日のアレな……私も度肝を抜かしたなぁ」
加蓮「お、怒るよ!!二人ともぉ!!」
トレーナー「ふふふふ……そろそろ加蓮さんをからかうのは止してあげてください」
凛、奈緒「はーい」
加蓮「まったく…」
トレーナー「今日のレッスンはここまでですが……この後、私とプロデューサーから一人ずつ話したいことがあるので着替え終わったら呼ばれた順にトレーナー控え室に来てください」
凛「え?…はい」
奈緒「話したいことって…なんだ?」
加蓮「さぁ……」
……………
………
…
P「では加蓮、入ってきてください」
ガチャ
加蓮「はい、失礼します」
P「ふふ、かしこまる必要はありませんよ」
加蓮「そうなの?なんかこうやってわざわざ面接とかいう形だったからさ」
P「といっても面接する相手も知っている相手ですし、リラックスしましょう」
加蓮「それもそうだね……それで?今回の用件ってなに?」
P「そうですね、まずは嬉しいニュースから…」
加蓮「嬉しいニュース?」
P「はい……この度、トライアドプリムスは正式にCDデビューすることになりました」
加蓮「……えっ」
P「おめでとうございます、加蓮……まだまだ皆の成長を考えれば通過点ではあると思いますが、ここまでよく頑張りましたね」
加蓮「うっそ…え?ほ、本当!?やったぁ!!嬉しい!!嬉しいよぉ!
」
P「体力というハンデをよく乗り越えましたね」
加蓮「うん!Pさんのおかげだよ!ありがとう!!」
P「いえ、加蓮の努力の結果ですよ……本当におめでとう」
更新遅くてごめんなさい
社畜は辛い(白目)
P「では、そろそろ本題に入ります」
加蓮「……本題?この報告だけじゃないの?」
P「ええ、これからのトライアドプリムスのことについてです」
加蓮「トライアドプリムスのこれから…?」
P「はい、このCDデビュー経て、トライアドプリムスは間違いなくこれから有名になっていくことになるでしょう」
P「そこでこれからユニットとして求められてくるのが結束力だと思っています」
加蓮「結束力、ね……」
P「仲の良さなら心配していません……なにしろ先ほどまで加蓮が中心になって場が盛り上がっていたくらいですからね」
加蓮「あ、あれは忘れて!」
P「ふふふ……おっと話が脱線してしまいましたね」
P「では先ほどまでの結束力という話ですが結束力というのは仲の良さとは似て非なるものです」
P「私が思うに結束力というのは、それぞれが自分の役割というものを理解したうえで成り立つもの、としています」
加蓮「……それで、私になにか役割を決めようってことかな?」
P「その通りです……これから加蓮にはトライアドプリムスの一員として、一つの役割を任せます」
加蓮「わかったよ……それで?私の役割っていうのは?」
P「はい、これからの加蓮の役割はーーーー」
P「トライアドプリムスのパフォーマー、です」
……………
………
…
加蓮「……パフォーマー、ねぇ…」
加蓮(パフォーマーなんて言われてもピンとこないんだけど……)
加蓮(プロデューサーに聞いても『自分の思うままのパフォーマーをやってみてください』だもんなぁ)
加蓮(家に帰ってから色々調べてみたら、アイドルにとってのパフォーマーってのはその団体の顔みたいなもの、っていう感じだったから……)
加蓮「つまり私が一番技量が必要ってこと…?」
加蓮「……今日から自主練でも始めてみるか…」
加蓮「思い立ったらすぐ行動だね……30分くらい前だけどレッスン室に行ってみよ」
……………
………
…
ガチャ
加蓮「さーて、一番乗り……えっ?」
凛「ふっ!……うんっ!……」キュッキュッ
加蓮「り、凛!?どうしてこんな早く?」
凛「あ、加蓮……加蓮こそ早いじゃん」
加蓮「い、いや凛の方が先だし!いつからやってるの…?」
凛「わからないけど……少なくとも一時間くらい前からはやってたよ」
加蓮「そ、そう……私も隣で練習していい?」
凛「うん、私に気にしないでやって!」
……………
………
…
加蓮「ふわぁぁ……うぅ、眠い…」
加蓮(……やっぱり上手くなるには練習しかないからなぁ…)
加蓮(なんか最近凛もやる気みたいだし、負けてられないね!)
加蓮「…といっても体が弱かったのもあって朝は弱いなぁ……ふぁぁ…」
加蓮(けど、これからのトライアドプリムスのために頑張らなきゃ)
ガチャ
加蓮「今日こそ一番乗り……」
凛「はっ……ふぅ……」キュッキュッ
加蓮「……おはよう、凛」
凛「おはよう、加蓮」キュッキュッ
加蓮「…参考までに聞くけど、どれくらい前からやってるのかな?」
凛「30分くらい前からかな……そんなに時計見てないからわからないけど……」キュッキュッ
加蓮「あ、あんまり無理しないでね」
凛「ううん、大丈夫……加蓮こそ無理しちゃダメだよ?」
加蓮「うん……また隣で練習するね」
凛「うん、どうぞ」
……………
………
…
加蓮(き、今日こそは誰よりも早く!)
ガチャ
凛「やっ……とっ……」キュッキュッ
加蓮「………」
……………
………
…
トレーナー「そこでターン!……凛さん、少し遅れてます」
凛「は、はい!」
加蓮(凛、いつもに比べて動きにキレがなくなってるなぁ……疲れてる、よね?)
凛「う、うあ!」グギッ
トレーナー「り、凛さん!?」
奈緒「え!?だ、大丈夫か!」
加蓮「うわっ!足が変色してる…」
トレーナー「……捻挫ですね、二人は少し休憩していてください……私は凛さんを一旦事務所に連れていきます」
凛「……トレーナーさん、湿布とテーピングしてください…まだ続けます」
奈緒「は、はぁ!?何言ってんだ!」
加蓮「悪化しちゃったら大変だよ!」
凛「大丈夫、できるよ!まだ私は動けるよ!」
トレーナー「ダメです!これはトレーナーとしての命令します!一旦休みなさい」
凛「……はい」
奈緒「凛……」
加蓮「無理しちゃ駄目だよ…」
加蓮(……凛…あんなに必死で…)
……………
………
…
ガチャ
加蓮「……ただいま」
ちひろ「おかえりなさ……い……加蓮ちゃん?」
加蓮「ん?……どうしたの、ちひろさん?」
ちひろ「……あんまり女の子にこう言っちゃうのは失礼かもしれませんけど…すごい暗い顔してますよ?」
加蓮「うん……そうかもね…」
ちひろ「……加蓮ちゃん、ちょっとこっちにおいで」
加蓮「……どうしたの?」
ちひろ「…はい、笑顔笑顔!」ムニッ
加蓮「!?……は、はにふるの!ひひろはん!(なにするの!ちひろさん!)」
ちひろ「ほらほら、加蓮ちゃんが笑顔にならないなら私が無理やりにでも笑顔にしちゃいますよ~?」
加蓮「な、なふ!なふはらはええ!(な、なる!なるからやめて!)」
ちひろ「はい、では離します」パッ
加蓮「ふにゃ!……うぅ、ちひろさんってば!!」
ちひろ「ふふふ、ごめんなさい……加蓮ちゃんに笑顔を取り戻したくてね」
加蓮「……もっとやり方があったでしょ」
ちひろ「そうかもしれませんね……けどいち早く加蓮ちゃんを笑顔にしたかったから」
加蓮「……」
ちひろ「……初めて社長にここに連れてこられた頃はムスッとした表情だっけど、今はよく笑うようになりましたからね…」
ちひろ「だから、そんな加蓮ちゃんの笑顔がまた陰るのを見てられなかったので……」
加蓮「……ありがと、ちひろさん」
ちひろ「いえ、ただの事務員のお節介ですからね!……それに…」
ちひろ「本当の相談相手になりそうなPさんならあと少しで帰ってきますから」
ガチャ
P「ただいま戻りました」
加蓮「あっ……」
ちひろ「はい、おかえりなさい」
P「凛の足の方ならあと一週間もすれば完治しますよ」
ちひろ「そうですか、それはよかったです…」
ちひろ「けど、凛さんもそうですけどもう一人、暗いので送ってくれませんか?」
P「はい、お任せください」
ちひろ「はい、というわけで加蓮ちゃんどうぞ!」
加蓮「……うん、お願いするねプロデューサー」
P「では、行きましょうか加蓮」
ガチャ、バタン
ちひろ「…Pさんなら…笑顔取り戻せると信じてますよ…」
……………
………
…
P「さて…ドアも閉めましたか?」
加蓮「うん、閉めたよ…」
P「では、加蓮……なにかありましたか?」
加蓮「……やっぱり何かあったってわかっちゃうかな?」
P「ええ、あれだけ表情が明るくなった加蓮が暗くなれば誰でもわかってしまいますよ」
加蓮「……そっか…明るくなったんだ、私…」
P「それで……その明るい顔が陰ってしまったのにはどんな理由があるんですか?」
加蓮「……今日、凛が脚くじいちゃったよね…」
P「はい…」
加蓮「私、なんで凛があんなミスしたか理由知ってるんだ…」
P「………」
加蓮「だって……あの日からパフォーマーになるって決めて、私が自主練しようとすると必ず凛が先にいるんだ…」
加蓮「私がどんなに早く来ても必ず凛は先にいる……そんなことしてたら足元だってふらついちゃうよ……」
P「……そうですね」
加蓮「それに足をくじいたときも凛はまだ続けられるって……そういったんだ…」
加蓮「……ねぇ、プロデューサー…」
加蓮「私……これからなんだか二人についていける自信がないよ…」
加蓮「どんなに頑張ろうとしても二人はそれ以上に頑張ってるんだもん……」
加蓮「体が弱くて……体力のない私がどうやってあの二人を代表してのパフォーマーになれっていうの……?」
加蓮「教えて……プロデューサー…」
P「……加蓮、大丈夫ですよ…加蓮は既に立派なパフォーマーです」
加蓮「…お世辞をききたいんじゃないよ」
P「いいえ、加蓮……あなたの言っているパフォーマーも一つのパフォーマーとしては正しい形です」
P「誰よりも上手い芸を見せて人々を笑顔にする……その点では確かに素晴らしいパフォーマーといえるでしょう」
P「けど間違えてはならないことが一つ……パフォーマーは人を笑顔にさせることができるからこそパフォーマーとしての意味があるんです」
P「その点では誰よりも今の加蓮がパフォーマーに向いているんです」
P「私を、ちひろさんを、凛を、奈緒を笑顔にすることができて、なおかつ今………」
P「一番、自分自身を笑顔にできてる加蓮だからこそ、より多くの人を笑顔にできるんですよ」
加蓮「………」
P「……もう前までの塞ぎこんだ加蓮はもうどこにもいません…今ここにいる加蓮は笑顔を分け与えることのできる輝いている加蓮です」
加蓮「………」
P「少し話が長くなりましたね……そろそろ車を出しましょうか」
加蓮「………プロデューサー…」
P「はい、どうしました?」
加蓮「ありがと……これからもっと頑張って…輝くからさ…」
P「…はい」
加蓮「だから……私がもっと笑顔になるために……私の近くにいて」
加蓮「いつだって私を笑顔にできるのはPさん……なんだから…」
【スタートダッシュ】 終わり
なんか凛と加蓮似すぎちゃったなぁ……
【年上としての意地】
トレーナー「はい、ではここまで」
凛「ふぅ……」
奈緒「へぇあ?……や、やっと終わったぁ……」
加蓮「はぁ…はぁ……」
凛「加蓮、大丈夫?」
加蓮「ん、大丈夫だよ……そう簡単にへばる私じゃないから」
奈緒「…加蓮の口からそんな言葉を聞けるなんてな」
凛「ふふふっ、そうだね」
加蓮「も、もう!前の話はいいでしょ?!」
凛「『疲れたー!もう休んでいい?プロデューサー』だったっけ?」
奈緒「ああ、初日のアレな……私も度肝を抜かしたなぁ」
加蓮「お、怒るよ!!二人ともぉ!!」
トレーナー「ふふふふ……そろそろ加蓮さんをからかうのは止してあげてください」
凛、奈緒「はーい」
加蓮「まったく…」
トレーナー「今日のレッスンはここまでですが……この後、私とプロデューサーから一人ずつ話したいことがあるので着替え終わったら呼ばれた順にトレーナー控え室に来てください」
凛「え?…はい」
奈緒「話したいことって…なんだ?」
加蓮「さぁ……」
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