恒一「中二病?」(78)

恒一「何それ?」

望月「病ってことは病気なの?」

勅使河原「いや、本当の病気じゃないんだけど、そのなんていうか」

勅使河原「ほら中学に入ってこう、無駄に大人ぶったりするやついるじゃん?」

勅使河原「ああいうのをそう言うらしい」

望月「僕たちも中学生じゃ…」

恒一「へー」

勅使河原「他にもファンタジー世界にトリップしたりするのもそれの一種らしいぜ」

望月「ふーん」

恒一「でも、そんなのどこで聞いたの?」

勅使河原「伊●院のラジオ」

望月「あぁ、面白いよね伊集●」

勅使河原「それでよ」

勅使河原「その中で紹介された症例の一つなんだけど」

望月「なになに?」

勅使河原「美味くもないコーヒーを飲みはじめるってのがあったんだ」

恒一「あはは、居そうだね」

勅使河原「いいか、よーく思い出せ」

勅使河原「居なかったか?ウチのクラスにそんな奴」

恒一「うーん……」

望月「居たかなぁ…………」

勅使河原「…………」

勅使河原「…………ハワイコナ」ボソッ

恒一「!」

恒一「エクストラ……」

望月「ファンシー……」

勅使河原「な?」

望月「…プッ」

恒一「ちょっと笑ったらダメブフフッ」

望月「………」プルプル

恒一「………」プルプル

恒一「…………ブッ………クッ」プルプル

恒一「…………フゥ」

望月「ハー……ハー………」プルプル

恒一「なんかそう考えると笑えてくるね」

望月「そ、そうだね…」

勅使河原「…………………」

勅使河原「………エクストラ……ファンシー」ボソッ

恒一・望月「「ブフォッ!!」」

3分後

恒一「ハァ……ハァ……」

望月「ゼェ………ゲホッ……ゲホッ」

恒一「笑い疲れた……」

望月「もう、勅使河原もいい加減にしてよ……」

勅使河原「わりーわりー」

勅使河原「でもやっぱ笑えてくるよんだよなー」

恒一「なんだか赤沢さんのイメージが変わりそうだよ」

望月「あ、あのさ…」

勅使河原「なんだよ」

望月「実はコーヒーの件で一つ……」

恒一「ハワイコナ?」

勅使河原「エクストラ」

望月「ファンシー」

勅使河原「ブッ」プルプル

恒一「グッ……」プルプル

望月「いやそうじゃなくて!」

望月「いや、それで合ってるんだけどさ」

恒一「ハワイコナエクストラファンシーがどうしたの?」

望月「実はね、姉さんに聞いたんだけど」

恒一「うん」ゴクリ

勅使河原「………」ゴクリ

望月「あれハワイコナじゃないらしい」

恒一・勅使河原「「ブーーーーーーーーッ!」」

望月「ちょっと、飲んだ水飛ばさないでよ!」

勅使河原「なんだよそれ詐欺じゃねーのか!?」

恒一「そうだよ!あれだけ自慢気に語ってた赤沢さんがこれじゃピエロだよ!」

望月「お、落ち着いて…」

望月「ちゃ、ちゃんとハワイコナは入ってるんだよ…」

勅使河原「どういうことだよ」

恒一「ブレンドってこと?」

望月「うん」

勅使河原「ブレンドってなんだよ」

恒一「数種類のコーヒーを混ぜて作るコーヒーのことだよ」

恒一「それで、ブレンドの割合は?」

望月「ハワイコナが20%、ブラジルが40%、コスタリカが40%だって」

勅使河原「に、二割……」

恒一「なんでまたブレンド?注文は毎回エクストラファンシーなんでしょ?」

望月「そ、それがね、初めて赤沢さんが来店した時のことなんだけど」


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カランコロン

智香「いらっしゃいませ、ご注文は」

赤沢「えっと……その…は、ハワイ……」

智香「?」

赤沢「ハワイコナエクストラファンヒィーを下さい!」

智香「えっと申し訳ありません、当店ではコナはブレン

赤沢「じゃあそれでいいです!!」

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____

望月「以来、赤沢さんはあれをエクストラファンシーだと信じて疑わないらしいんだ」

勅使河原「ああ、そりゃ赤沢が悪いな」

恒一「一度信じたことは頑として曲げない性格してそうだもんね」

勅使河原「しかし、なんだ」

勅使河原「メニューにもしっかりとブレンドって書いてあるのに」

勅使河原「今の今まで気付かないもんかね」

望月「赤沢さん、ここに来たら『いつもの』しか言わないから…」

恒一「メニュー、見ないんだ」

望月「うん……」

勅使河原「これ……黙っといた方がいいよな……」

望月「うん」

恒一「さすがに、ね」

勅使河原「コーヒー通ぶる、か」

望月「中二病のなんたるかが分かった気がするよ」

恒一「そう思うと赤沢さんが可愛く見えてくるなぁ」

恒一「そういや、大人ぶる以外にもあるんだよね」

恒一「中二病の例」

勅使河原「おう」

望月「ファンシー世界への、トリップだっけ?」

勅使河原「あくまで、そういう感じ、ニュアンスだけどな」

恒一「その、ファンタジーって具体的にはどんなの?」

恒一「剣と魔法とドラゴン、みたいな?」

勅使河原「うーん……ちょっと違うんだよなぁ」

望月「榊原君はゲームとかしないの?」

恒一「うん、あいにくゲームに興味が無くて」

望月「じゃあ小説は?」

恒一「ホラーしか読まないんだ」

勅使河原「そうだなーこう、脳内設定というか」

勅使河原「妄想をそのまま現実世界に引っ張ってきた、みたいな?」

望月「実は自分はとある組織に狙われている一流の暗殺者で」

望月「誰にも知られてはいけない仕事をこなしながら表ではただの学生を装ってる」

望月「こんな妄想を現実世界で口走っちゃうとか」

恒一「口走る?」

望月「もうすぐ組織の追手が来る、とか」

勅使河原「受話器を耳に当てて暗殺の依頼を受るフリをしたり」

恒一「なんだか分かってきた気がするよ」

勅使河原「あと、超能力設定なんてのもあるな」

恒一「超能力?」

勅使河原「右腕に宿った凄い力を抑えるフリをする、とか」

望月「ハハハ、居そうだねー」

恒一「…………」

恒一「………あの、さ」

恒一「実は、見崎が……」

恒一「も、もしかしたら見崎は中二病なのかもしれない」

望月「見崎さんが?」

勅使河原「なんで?」

恒一「そ、それが……」

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鳴「榊原君」

恒一「見崎、何?話したいことって」

鳴「実は私の眼のことなの」

恒一「眼って……左目のこと?」

鳴「うん」

榊原「ってことなんだけど…」

勅使河原「ブホォッ死wwwのwww目」

望月「笑っちゃ駄目だよ勅使河原君…ブハッ」
>>1じゃないけどスレ落とすの勿体無いから寝るまで書いていいか?

榊原「死の目はないよねwwww」

勅使河原「………ぶふぅっ」

望月「いやー中二病って面白、⁉⁉」

榊原「望月くんどうしたの?」

望月「赤沢さんが…赤沢さんがいた⁉」

勅使河原「…ということは今の俺達の会話を全て聞かれていた、のか」

恒一「……ハワイコナ」

望月「……エクストラ」

勅使河原「………ファンシー」

「「「…ブハッブハァwwwww」」」

勅使河原「ちょwwwやめろwww」

赤沢「………(私は、私はコーヒーが好きなだけなのに…)」プルプルプル

見崎「………赤沢、さん?」

赤沢「⁉、見崎さん⁉ハァ、驚かさないでよね」
見崎「…ごめんなさい、驚かす気はなかったわ」

赤沢 (見崎さん、と言えば…そういえばさっき恒一君達にディスられてたわね)

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