………………加音町
アコ 「……は?」
奏太 「えっ? どうかしたか、アコ?」
アコ 「……べつに」
ギロッ
奏太 「うお……な、なんだよ?」
アコ 「…………」
トトトトト……
奏太 「お、おい! ちょっと待てよ、アコー!」
アコ 「……何?」
奏太 「えっ? 一緒に行くって話だっただろ、学校」
アコ 「そうね」
奏太 「お、おう。だから……」
アコ 「――せっかく一緒の登校だっていうのに」
アコ 「……あんたはどうしていきなりそんな話を振るわけ?」
奏太 (こ、怖っ……)
奏太 「いやー……ほら、女子ってプリキュア好きじゃん?」
奏太 「それに、この前また横浜にプリキュアが出たって言うしさ」
アコ 「……そうね」 ギロッ 「……で?」
奏太 「いや、「で?」 ……って、何?」
アコ 「どうして、それが、いきなり、」
ギリッ
アコ 「『キュアピースってかわいいよな』 になるのかしら?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
奏太 (……なぜかは分からないが、どうやら俺はアコの逆鱗に触れてしまったようだ)
奏太 「あー、えーと……すまん。ごめんなさい」
アコ 「……ねえ、奏太?」
奏太 「お、おう」
アコ 「私は、謝れ、って言ってるわけじゃないのよ」
アコ 「……理由を聞いてるんだけど?」
奏太 「あ、うん。ごめんなさい。すぐ言うから許して」
奏太 「朝さ」
アコ 「うん」
奏太 「父ちゃんが新聞持ってきてさ」
奏太 「『またプリキュアが活躍したみたいだなー』 ってさ」
アコ 「うん」
奏太 「そしたら姉ちゃんが急にむせて……って、これはいいか」
奏太 「そこに写真があったんだよ。プリキュア……28人だっけ? 全員の」
アコ 「ええ」
奏太 「それをちょっと見てたら」
アコ 「見てたら?」
奏太 「キュアピースっていう子がなんかかわいいな、って」
アコ 「ごめんちょっと意味わかんない」
奏太 「いや、何で?」
アコ 「今朝の新聞よね? 私も読んだけど」
アコ 「……ほら、キュアピース以外にもいろんなプリキュアが写ってたじゃない?」
奏太 「おう」 グッ 「キュアブラックとかめちゃくちゃカッコイイよな!」
アコ 「違う!!」 バァン!!!
奏太 「あっ、ごめん! なんか分からないけど謝るから許して! 壁ドンはやめようぜ!」
アコ 「…………」 ゼェゼェゼェ……
奏太 「あー……ホワイト派だった?」
アコ 「……ああん?」 ギロッ
奏太 「あっ、ごめん。ほんとごめん」
アコ 「……ちゃうねん。ちゃうねん!」
奏太 (な、なんで関西弁……? あっ!!)
奏太 「そうかアコお前! サニー派だったのか! だから――」
アコ 「お前ちょっと黙ってろ」
奏太 「あ、はい。ごめんなさい」
アコ 「……ねえ? 奏太って、プリキュアの名前、何人言える?」
奏太 「言えるって、覚えてるかってことだよな?」
奏太 「えーと、ちょっと怪しいけど、大体は覚えてると思うぜ? 有名人だし」
アコ 「そうね。そうよね。そうなのよね」
アコ 「……じゃあ、そんな奏太くんにひとつ問題です」
奏太 「おう」
アコ 「この街で大活躍したプリキュアは誰でしょう?」
奏太 「えっと……腋とか腹とか太ももとかむき出しの少し危ういプリキュア?」
アコ 「なんでお前はそうなんだよ。おっさんかよ」
奏太 「あ、いや……なんか名前思い出せなくて」
アコ 「キュアメロディよ。たしかにあの衣装は少し危ういけど……」
アコ 「で、他には?」
奏太 「あー……ピンクの影に隠れがちな白いプリキュア?」
アコ 「言葉には気をつけろ!!」
奏太 「あと、チョロそうな青いプリキュア?」
アコ 「猫だからそのとおりだけど」
奏太 「……あとは、黒いボンテージのえろいプリキュア」
アコ 「おいちょっと待て」
奏太 「……どうかしたか?」
アコ 「そのプリキュアは実はプリキュアじゃない、みたいな話になったじゃない」
奏太 「いや、知らないけど。ああ、そういえば今朝の新聞には載ってなかったな」
アコ 「そうよ。あのプリキュアは、かりそめの姿だったの」
奏太 「へえ。じゃあ、さっきの3人だけかな」
アコ 「だからちょっと待てよオイ」
奏太 「アコ、ちょっとダメな感じの顔になってるぞお前」
アコ 「…………」 チッ
奏太 (なんで舌打ちされたんだ俺……)
アコ 「……ねえ、奏太。あとひとりいたじゃない」
奏太 「あとひとり?」
アコ 「ほら、小柄で、黄色で、とってもかわいらしいプリキュア」
奏太 「だから、キュアピースのことだろ?」
アコ 「お前ええ加減にせぇよ?」
奏太 「あ、はい」
アコ 「いたじゃない。この街で大活躍したスイートプリキュアの一員」
奏太 「へぇー、あのひとたちってスイートプリキュアっていうんだ」
アコ 「…………」 ドン!!!
奏太 「なんかよくわかんないけどごめん」
奏太 「……って言っても、あとひとりかぁー」
アコ 「お、思い出せないようなら、ちょっと真似してみるわね?」
奏太 「おう。頼む」
アコ 「…………」 オホン
『爪弾くは女神の調べ! キュアミューズ!』
奏太 「……うわっ」
アコ 「オイうわっって何だうわって」
奏太 「いや、アコ、お前それかわいこぶりすぎだろ」
アコ 「…………」
奏太 「自分のキャラ考えろよ……。お前、天地が逆さになったってそんなキャラにならないだろ」
奏太 「言葉だけじゃないぜ? なにそのかわいこぶった手。やべぇー」
奏太 「しかも何で名乗る前に跳ぶの? ぴょんぴょんって。何でブリってんの?」
奏太 「あー、怖っ。真似とはいえ一瞬鳥肌立ったわ」
アコ 「…………」 ズドンンンン!!!!
奏太 「あ、ごめん。言い過ぎた。いくらなんでも言い過ぎた」
奏太 「でもおかげで思い出せたよ。サンキュー、アコ」
アコ 「……そう?」
奏太 「おう。キュアミューズだろ?」
アコ 「うん。まぁ名前は言っちゃったしね。それで思い出せなかったらさすがに○してたわ」
奏太 「うん。思い出せてよかった」
アコ 「そうね。……で?」
奏太 「うん。だから、「で?」 って何?」
アコ 「キュアピースとキュアミューズだったら、どっちの方がいい?」
奏太 「おう。キュアピースだな」
アコ 「お前なんなん? ほんまお前なんなん?」
奏太 「えっ?」
アコ 「えっ、じゃねーよ。カマトトぶってんじゃねーよ」
奏太 「アコ、口調口調」
アコ 「うるせーよ知ったことかよ」
オホン
アコ 「……ねえ、奏太。もう一回、よーく考えてみて?」
奏太 「おう」
アコ 「電撃を使ってジワジワと敵を苦しめる、かわいこブリっ子腹黒年増キュアピースと、」
アコ 「シャボン玉や分身技でかわいく可憐に敵を救う、優しくて気立てのいいキュアミューズと、」
アコ 「あんたはどっちの方が好き?」
奏太 「おう。キュアピースだな」
アコ 「ふん!!」 ズドッッッッ!!!!
奏太 「うお、地面にクレーターが」
アコ 「……理由を教えてもらっていい?」
奏太 「うーん、わざわざ語るまでもないと思うんだけどなぁ」
アコ 「いいから早く言えよ」
奏太 「おう。まぁぶっちゃけ、ピースの方がかわいいよな」
アコ 「……ふぅん。そう」
フラフラフラ
奏太 「おい、アコ、どこ行くんだよ。そっちは学校じゃないぞ」
アコ 「ええ。ちょっと用事ができたわ。ちょっと七色ヶ丘まで行ってくるわね」
奏太 「七色ヶ丘ってどこだよ。っていうか、学校サボるつもりかよ」
アコ 「学校どころの話じゃないのよ!!!」
奏太 「…………」 コクッ 「……わかった。何か大事な用があるんだな」 キリッ
奏太 「なら、俺も一緒についていってやる。行くぞ、アコ!」
アコ 「えっ、いや、ちょっ、待っ」
奏太 「行くぜ! 七色ヶ丘!!」
………………七色ヶ丘中学校
奏太 「と、いうわけで来てしまいました、七色ヶ丘中学校」
アコ 「べつに奏太は来なくてもよかったのに……」
奏太 「つれないこと言うなよ。困ってる友達を放っておけるかよ」
アコ 「奏太……」 キュン
? 「あれれぇ? そこにいるのはもしかして……」
アコ 「あっ……」
? 「やっぱり! アコちゃんだぁー! しばらくぶりー!!」
ギュムッ
アコ 「おふっ。く、苦しい……。苦しいわよ、みゆき!」
みゆき 「えっ? あっ、ごめーん」 テヘペロ
奏太 「なんだぁ? アコ、この頭とか股とか緩そうなひとと知り合いなのか?」
アコ 「ちょっとあんたほんと言葉には気をつけろ」
みゆき 「アコちゃんアコちゃん。このショタコン受け良さそうな子はおともだち?」
アコ 「みゆきも少し黙りなさい」
ハァ
アコ 「奏太。このひとは星空みゆきさん。私の友達」
みゆき 「初めましてぇー」 ニヘラァ
アコ 「で、こっちが南野奏太。奏の弟なの」
みゆき 「えええ!? 奏ちゃん弟さんいたんだ! よく見れば似てるかも!?」
奏太 「? みゆきさんって、姉ちゃんとも知り合いなの?」
みゆき 「もっちろん! だって、奏ちゃんとアコちゃんとは、プリ――――」
ムギュッ
アコ 「…………」 (ちょっと、みゆき。何ぶっちゃけようとしてるのあんた)
みゆき (……ごめんアコちゃん) テヘペロ
奏太 「???」
みゆき 「それで、アコちゃんたちはどうして七色ヶ丘に?」
アコ 「ちょっと用事があって……やよいに」
みゆき 「やよいちゃんに?」
アコ 「ええ。学校はもう終わった?」
みゆき 「うん。やよいちゃんなら、裏の山で写生するって言ってたけど?」
アコ 「ありがと、みゆき。ほら行くわよ、奏太」
奏太 「お、おう。じゃあね、みゆきさん」
みゆき 「うん。またね。でもそのみゆきさんって呼び方はちょっとやめてほしいかな」
奏太 「なんで?」
みゆき 「いや、ほら、だってさ、わたしはしっかりプリキュアになれたわけだし」
奏太 「???」
アコ 「ほら、くだらない話してないで、さっさと行くわよ。それじゃみゆき、またね」
みゆき 「うん。ばいばーい!」
奏太 「それじゃあ……ばいばい、みゆき姉ちゃん」
………………裏山
ガサゴソガサ……
奏太 「なぁ、アコ」
アコ 「なにかしら」
奏太 「その “やよい” ってひともやっぱり姉ちゃんと知り合いなの?」
アコ 「そうなるわね」
奏太 「どういうつながりなの? さっきみゆきさんが何か言いかけてたけど……」
アコ 「……サークルみたいなものね。女の子だけの会員制のサークルみたいな」
奏太 「ふーん。そのサークルって何やってんの?」
アコ 「この前はみんなで横浜で遊んできたわ。アスレチックみたいなものでね」
奏太 「へぇー! なんかおもしろそうだな! 俺も入れてくれよ!」
アコ 「だめよ。あんたは男だから」
奏太 「ちぇーっ」
アコ 「女の子でも、かわいくなくちゃダメだけどね」
奏太 「? ふーん」
………………
アコ 「とかなんとかで、発見したけど」
やよい 「…………」
カキカキカキカキ……
奏太 「おおー、なんかすげえ集中してるみたいだな」
アコ 「そうね」
アコ (木々を写生しながら、なんでその真ん中に変な怪人描いてるのかはよく分からないけど)
やよい 「…………」 ムフームフー
アコ (それで何で満足げに興奮してるのかはもっとよく分からないけど)
アコ (とりあえず、) 「やよいー?」
やよい 「ひゃうっ!?」 ビグッ 「だ、だ、だ、誰ですかぁーーーーー!?」
アコ 「…………」 チッ 「……うぜぇ」
奏太 「うわぁ。なんか外見だけじゃなくて、反応までかわいらしいひとだな、アコ」
アコ 「騙されんな男子」
やよい 「あ……なんだアコちゃんかぁ。びっくりさせないでよぉ」
ニヘヘ
奏太 「おお。笑い方かわいらしい」
アコ 「だから騙されんな」
オホン
アコ 「こんにちは、やよい」
やよい 「うん、こんにちは、アコちゃん」 ニパーッ
やよい 「……? あれぇ!? どうしてアコちゃんがここにいるの!?」
奏太 「うぉ、驚きが遅い。かわいい」
アコ 「…………」 チッ 「……ブリってんじゃねぇよ年増」 ボソッ
やよい 「? アコちゃん何か言った?」
アコ 「ううん。なーんにも」 ニコッ
アコ 「実はね、ちょっとやよいに用事があって来たの」
やよい 「わたしに用事? なんだろなんだろ?」 ワクワク
アコ 「…………」 チッ
アコ 「……ちなみに、こっちはわたしの友達で奏の弟の南野奏太よ」
やよい 「奏ちゃんの弟くん!? わー、かわいいー!」 ムギュッ
奏太 「うお!?」 (やべぇ。超いいにおい……)
アコ 「…………」
ゲシゲシッ!!
やよい 「ひゃう!?」
奏太 「うお、痛てぇ!」
アコ 「…………」 ニコッ 「ごめーん。ちょっと足が滑っちゃったわー」
やよい 「奏太くん大丈夫?」
奏太 「あ、うん。俺はべつに。やよいさんは?」
やよい 「わたしも大丈夫! えへへ、奏太くん優しいなぁ」
奏太 「えっ、いや、そんなことは……///」
アコ 「…………」
ゴゴゴゴゴゴ……
アコ 「……やよい、ちょっといいかしら? ふたりだけで話がしたいんだけど」
やよい 「? うん、いいよ」
アコ 「それじゃ、奏太はちょっとここで待っててね」
奏太 「え、何で……」
アコ 「――いいわね?」
奏太 「あ、はい。待ってます」
………………
アカオーニ 「ぐっふっふっふ。今日もまたバッドエナジーを吸い取りに来たオニー!」
アカオーニ 「さぁて、笑顔の連中を絶望のどん底に叩き落としてやるオニ」
ゴゴゴゴゴゴゴ……
アカオーニ 「うん? な、なんだオニ……!?」
アカオーニ 「何もしてないのにバッドエナジーが勝手に溜まってるオニ!!」
アカオーニ 「しかもすごい速度オニー!」
アカオーニ 「…………」
ブルブル
アカオーニ 「な、なんか怖いし目的は達成できたから撤退オニーーーーーーーー!!」
アカオーニ 「でもピースちゃんとピカリンじゃんけんしたかったオニーーーーー!!」
………………
奏太 「……お、戻ってきた戻ってきた」
アコ 「お待たせ、奏太」
奏太 「おう……って、やよいさん?」
やよい 「…………」 ブルブルブル
奏太 「どうかしたの?」
やよい 「…………」 ブツブツブツ 「……ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
奏太 「……アコ、何やったんだ、お前」
アコ 「べっつにぃ。ちょっと先輩らしく振る舞っただけよ」
アコ 「……で、やよい?」 ギロッ 「何か言うことがあったんじゃない?」
やよい 「ひっ! は、はいぃ!」
やよい 「あ、あのね、奏太くん!」
奏太 「? 何?」
やよい 「わたし、実はキュアピースと知り合いなんだけど……」
奏太 「ほんとに!? すごいじゃん!」
やよい 「うん。けどね、キュアピースはね……うぅ……」
奏太 「?」
アコ 「…………」 ボソッ 「……早く言えよ」
やよい 「ひっ……! き、キュアピースは、一見かわいく見えるかもしれないけど、あれ全部演技なんだよ」
奏太 「演技?」
やよい 「うぅ……うん。男に取り入るための……演技なんだよぅ……」
奏太 「そ、そうなの? でも、あんなかわいい子がそんなこと……」
やよい 「えっ……/// か、かわいくなんてないよぅ……////」
アコ 「…………」 チッ
やよい 「! と、とにかく、騙されちゃダメだよ奏太くん!」
アコ 「そうよ、奏太」 ニコッ 「キュアピースって、とんでもなく性格が悪い悪女なんだから」
やよい 「うぅ……」
奏太 「そんな風には見えなかったけどなぁ」
アコ 「これだから男は……。そんな風に思われるように、根っから猫を被ってるのよ、あの手合いは」
奏太 「へぇー。でもまぁ、アコはともかくやよいさんがうそをつくようには見えないし、」
アコ 「おいコラ」
奏太 「本当にそうなんだろうな。危ない危ない。危うく悪女のファンになるところだったぜ」
アコ 「そうね。本当に良かったわ」 クスクス
やよい 「うぅぅ……」
アコ 「あらぁ? やよい、どうしたのぉ? 気分でも悪い?」
やよい 「ひっ……。だ、大丈夫! 大丈夫だから!」
アコ 「そう。大丈夫なのね。それなら、もうひとつ言うことがあったんじゃない?」 ニコッ
やよい 「ひっ! い、言いますから! 言いますから!」
奏太 「?」
やよい 「あのね、奏太くん! キュアピースはもうどうしようもないくらい悪女だけど!」
奏太 「? うん」
やよい 「キュアミューズは、とってもかわいくて可憐で清楚な女の子なんだよ!」
奏太 「キュアミューズが? なんか、きゃぴきゃぴ遊んでるようにしか見えないけど」
やよい 「……うん。正直わたしもそう思う」
アコ 「……ああん?」
やよい 「じゃない! そんなことないよ! あのひとはとても素敵なプリキュアなんだよ!?」
奏太 「でもなんか、無理矢理かわいこぶってるよなぁ。営業スマイルみたいな」
やよい 「そのとおーーーーり!!」
アコ 「…………」 ズドンンンンン!!!!
奏太 「うお! 大木が根元から折れた!」
やよい 「そんなことないよ! あれは優しくて素敵な心からの笑顔なんだよ!」
やよい 「キュミューズ様万歳!」
アコ 「……っていうことなのよ。分かってもらえた、奏太?」
奏太 「うーん。そうだなぁ。キュアピースがとんでもない悪女で、」
やよい (ふぇーん……ひどいよぅ)
奏太 「キュアミューズがかわいくて性格も良いってことは、なんとなく分かったよ」
アコ 「うんうん。そう、その通りなのよ」
アコ 「……奏太も分かってくれたみたい。ありがと、やよい」
やよい 「あ、う、うん……どういたしまして……」
アコ 「…………」 ボソッ 「……二度と奏太に色目使うんじゃないわよ」
やよい 「ひっ……」 ビクッ
やよい 「じゃ、じゃあ! わたしこれから約束があるから、ばいばい!」
アコ 「ばいばーい♪ またねー!」
奏太 「あ……行っちゃった。どうかしたのかな?」
アコ 「さぁ? どうしたのかしらねー?」
………………翌日
アコ 「…………」 (ふふ。これで奏太も、他の女に興味を持ったりはしないわよね)
アコ 「ふふ……ふふふふふ……」
奏太 「お、アコー! おはよう!」
アコ 「ええ、おはよう、奏太」
奏太 「なぁなぁ、聞いてくれよアコ! 俺、気づいたんだ!」
アコ 「気づいたって?」
奏太 「一番かわいいプリキュアだよ! やっぱりキュアピースじゃなかったな!」
アコ 「あら」 ニコッ 「そうね。そのとおりよ」
奏太 「うんうん。一番かわいいプリキュアは、黄色くて素敵なあの子だな!」
アコ 「うんうん。黄色くて、かわいくて、可憐で、一番素敵な、」
奏太 「おう! やっぱりキュアサンシャインってかわいいよな!」
アコ 「えっ?」
おわり
書き上げてからの投下でした。
読んでくださった方、ありがとうございました。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません