まどか「思いでの宝物」(199)
「あの時のこと…覚えてるの?」
「うん、もっちろん!」
「忘れるわけないよ」
「だってあれはさ、あたし達にとっての…」
「うん」
「大切な思いでだから」
「…!」
「だからね?あれは…」
「思いでは宝物なの」
まどホーム
まどか「パパ、ただいまー」
知久「おかえり、まどか。学校は楽しかったかい?」
まどか「えへへ、今日もね?さやかちゃんと遊んだんだよっ」
知久「はは、そっか。さやかちゃんとまどかは仲良しだもんね」
まどか「うんっ!さやかちゃんとお友だちになれてほんとに良かったって思ってるんだ」
まどか「ほらっ見て見て!このぬいぐるみ貰ったんだよ?」
まどか「名前は「べえくん」って言うの」
知久「そっか、良かったね」
まどか「うんっ!」
知久「なら、さやかちゃんに何か恩返ししたいと思わない?」
まどか「おんがえし?」
知久「うん、ぬいぐるみもだけど…一番はまどかと仲良くしてくれるお礼かな?」
まどか「おれい…うん!さやかちゃんに何かおれいしたい!」
知久「ははっ、なら良かった。実はね?今度東京に遊びに行こうと思うんだ」
まどか「えっ?どおして?」
知久「どうして東京に行くのってこと?」
まどか「うん」
知久「実はママと話あってね、家族3人で何処かに遊びに行こうってなったんだ」
まどか「3人で?」
知久「うん。でも、さやかちゃんのお父さんやお母さん、そしてさやかちゃんに色々とお世話になってるから」
知久「さやかちゃんも一緒に連れて行こうって話になったんだ」
まどか「えっ?ほんと?」
知久「もちろん、さやかちゃんのお父さんに許可は貰ったよ」
まどか「なら、さやかちゃんと一緒に東京に行けるの?」
知久「うん、後はまどかとさやかちゃんの返事しだいだね」
まどか「行くっ!さやかちゃんと一緒に東京に行きたい!」
知久「なら後はさやかちゃんの返事を待つだけだね」
まどか「ありがと、パパー!」
知久「ははは、ならまどかは今のうちに宿題をしておくといいよ」
まどか「うん!」
まどルーム
まどか「わーい!やったぁ!」
まどか「べえくん!さやかちゃんと一緒に東京に遊びに行けるんだよ?」
まどか「嬉しいよぉ、だってさやかちゃん大好きだもん」
まどか「えっ?べえくんも一緒に行きたいの?」
まどか「そっかぁ、ならべえくんも一緒に遊びに行こう?」
まどか「わたしとさやかちゃん、パパとママ、そしてべえくんのみんなで行くの」
まどか「えへへ、楽しみだねー」
さやホーム
さやか「ただいまー!」
母「おかえりなさい、今日もまどかちゃんと遊んできたの?」
さやか「うん、まどか『さやかちゃん、さやかちゃん』ってすっごく可愛いんだよー?」
母「ふふっ、まどかちゃん可愛いもんね」
さやか「ほんとほんと、妹にしたいくらい」
母「でも同い年でしょ?」
さやか「あっ、そっかぁ」
母「ふふ…あら?べえくんはどうしたの?」
さやか「まどかにあげたの!」
母「そうなの?あんなに大切にしてたのにね」
さやか「大切にしてたから、まどかにあげたいって思ったんだ」
さやか「きっとべえくんも喜んでるよ!」
母「そっか、さやかは優しいね」ナデナデ
さやか「えへへー」
母「さやか、まどかちゃんと一緒に遊びに行きたいと思わない?」
さやか「えっ?行けるの?行く行くー!」
母「ふふ、そう言うと思った。実はね?まどかちゃんのお母さんとがさやかを東京に連れて行ってくれるんだって」
さやか「うそ?東京?ほんとにー?」
母「うん、本当よ。どうする?行きたい?」
さやか「うんっ!行く!絶対行くー!」
母「ふふっ、じゃあ今からまどかちゃんのお父さんに電話をするわ」
母「ちゃんとお礼を言うのよ?」
さやか「うん!でも、あたしだけなの?ママは?」
母「ママも誘われたんだけど、その日は地区の仕事があっていけないのよ」
母「パパは仕事だしね、だからさやか1人になるけど大丈夫?」
さやか「大丈夫だよ、まどかのパパとママもすっごく優しいから!」
母「ふふ、そうね。じゃあ電話をするからちゃんとお礼をね?」
さやか「うん!」
母「もしもし―はい―さやかが―はい―よろしくお願いします」
母「さやか、まどかちゃんのパパよ」
さやか「うん、もしもし、さやかです!」
さやか「はいっ!ありがとうございます!」
さやか「はーい!さようならー!」ガチャッ
さやか「ちゃんとお礼言えたよ」
母「うん、それじゃあ夕食までに宿題しておきなさい」
さやか「はーい」
さやルーム
さやか「やったー!まどかと一緒に東京に行けるんだー!」
さやか「えへへ、楽しみだなぁ」
さやか「まどかといっぱい遊べたらいいなー」
さやか「楽しみ楽しみ!」
数日後
まどルーム
まどか「べえくん、明日東京に行けるんだよ?」
まどか「うん、楽しみだねー」
まどか「明日は早起きしなきゃいけないし、そろそろ眠らないといけないね」
まどか「べえくん、おやすみなさい」
まどか「えへへ、楽しみ…」
当日
さやか「おはよーございますっ!」
詢子「おはよう、さやかちゃん」
さやか「あ、あのっ!今日はよろしくお願いします…!」ペコッ
詢子「あははっ、良いよ良いよ。私もさやかちゃんが居てくれて助かるしね」
さやか「えっ?助かる…?」
詢子「さやかちゃんにまどかを任せて、私はショッピングー」
さやか「えー?あはは、何ですかそれー?」
詢子「ふふ、冗談だよ。でもさやかちゃんが居てくれて助かるのは本当よ?」
さやか「ところでまどかは…?」
詢子「ああ、ちょっとトイレにね…少し体調が悪いみたい」
さやか「えっ?大丈夫なの?」
詢子「大丈夫、楽しみすぎて眠れなかったんだってさ」
さやか「何でですか?」
詢子「まどかだよ、まどかはさやかちゃんが大好きだからさ」
詢子「さやかちゃんが居てくれた方がまどかもずっと楽しめるだろうからね」
さやか「えへへ、なんだか照れるなぁ」
詢子「ふふっ、さやかちゃん、今日はよろしくね?」
さやか「はいっ!」
詢子「うん、良い返事だ」
さやか「あー、まどかもなんだ。あたしも楽しみで中々眠れなかったんだぁ…」
詢子「ん?大丈夫?無理は禁物だぞ」
さやか「だいじょーぶ!さやかちゃんは元気いっぱいでーす!」
詢子「あはは、そいつは良かった」
まどか「さやかちゃん、おはよぉ」
さやか「おっ、まどか!おはようっす!」
まどか「待たせちゃってごめんね?」
さやか「いいよ、全然おっけー!」
さやか「それよりも、べえくん連れていくんだね」
まどか「うん、わたしのべえくんは宝物だもん」
さやか「あはは、ありがと!あたしも嬉しいよ」
まどか「えへへ」
知久「これで準備は大丈夫だね、それじゃあ出発しようか」
さやか「よろしくお願いしまーす!」
知久「はは、こちらこそよろしくね、さやかちゃん」
さやか「はーい!」
まどか「べえくん、楽しみだね」
詢子「まどか、体調は大丈夫なんだな?」
まどか「うん、もう大丈夫だよ」
詢子「そっか、じゃあ今日は思いっきり楽しまなきゃね!」
まどか「うんっ!」
さやか「いっぱい遊ぼうね、まどか!」
まどか「えへへ、うん!」
東京
さやか「ついったー!東京だよ!東京!」
まどか「わぁ…人がいっぱいいるね」
詢子「はぐれないよう注意しなきゃな…まどか、ママの携帯持っときな」
まどか「携帯?」
詢子「万が一はぐれた時はその携帯でパパの携帯に連絡すること、使い方はわかるよな?」
まどか「えっと…うん、大丈夫だよ」
知久「さやかちゃんは大丈夫かい?」
さやか「はい、ママの携帯借りてきちゃいましたー!」
知久「良かった、念のために僕の番号を教えておくね?もしもの時はここに電話をしてね」
さやか「はーい、もしものもしもしだねぇ」
まどか「てぃひひ!なにそれ?」
さやか「なんでもー?」
知久「さて、とりあえず昼食にしようか」
詢子「まどか、さやかちゃん。なに食べたい?好きなもん食べて良いぞ」
さやか「ほんと?やったー!」
まどか「なに食べようかな?」
さやか「んーと…そうだなぁ…」
知久「遠慮はいらないよ」
さやか「ねね、まどかは何が好物だったっけ?」
まどか「えっと…クリームシチューかな」
さやか「なるほど、クリームシチューね!」
まどか「?」
知久「決まったのかい?」
さやか「あたし、美味しいクリームシチューが食べたいです!」
まどか「えっ?」
詢子「クリームシチュー?まぁ探せばあるだろうけど…いいの?」
詢子「まどかの好物に合わせなくてもいいんだぞ?」
さやか「ううん、あたしも食べたかったですし!」
まどか「さやかちゃん…」
知久「よし、なら美味しいお店を探してみるよ」
さやか「楽しみだねー!」
まどか「さやかちゃん、ありがとう」
さやか「えー?何かなぁ?」
まどか「えへへ」ニコッ
さやか「…ふふっ」
詢子「まどか、良い友だちがいて幸せだね」
まどか「うん!」
さやか「あはは、何だか照れるなぁ」
知久「どうやらこの近くにありそうだよ、早速食べに行こっか」
知久「えー…こっちだね、ついてきてよ」
詢子「よっし、行くぞ!」
さやか「はーい!まどか、行こっ?」
まどか「うんっ!」
一時間後
まどか「えへへ、美味しかったね」
さやか「うん!ごちそうさまでしたー!」
知久「はは、喜んでくれて良かったよ」
詢子「さて、次はどうする?何処に行っても良いよ」
まどか「んーと…そうだ!お買い物に行きたいなぁ」
詢子「買い物?何か欲しいものあるわけ?」
まどか「えっとね?」ゴニョゴニョ
詢子「うん…うん…わかった」
さやか「?」
詢子「なら次はデパートでショッピングだな」
まどか「うん!」
詢子「ショッピングでよかった?」
さやか「はい、大丈夫ですよ!」
知久「僕はまどか達の行きたい所なら何処でも大丈夫だよ」
詢子「よし、なら決まりだね」
さやか「まどか、何を買うの?」
まどか「えへへ、内緒だよっ」
さやか「むー!けちー」
まどか「てぃひひ!」
デパート
詢子「じゃあ、まどかとさやかちゃんはおもちゃ売り場に行くんだな」
まどか「うん」
さやか「あたしも何か買おっと」
知久「はい。まどか、さやかちゃん」
まどか「ありがとう、パパ」
さやか「えっ?お金?良いんですか?」
詢子「うん、それで好きなの買ってきなよ」
さやか「わぁ…!はい、ありがとうございます!」
詢子「ふふ、迷子にだけはなるなよな?」
まどか「うん。行こうよ、さやかちゃん」
さやか「うん!じゃあ行ってきます」
まどか「行ってきまーす」
知久「何かあったら直ぐに電話するんだよー」
まどか「はーい」タタッ
詢子「ふふっ」
知久「楽しそうで何よりだね」
詢子「うん、じゃ私たちもショッピングといこうか」
知久「何買う?僕は栽培の…」
詢子「私はちょっとベビー用品でも見ようかなってね」
知久「……えっ?」
詢子「ふふっ。ほらっ、行こうよ」
知久「あ…う、うん!」
おもちゃ売り場
まどか「わぁ…!」
さやか「ほぇー、広いね」
まどか「うん!」
さやか「まどか、色々見てみようよ」
まどか「うん、そうだね」
さやか「えーと?何か良いのないかなぁ」キョロキョロ
まどか「んーと…」テクテク
まどか(さやかちゃんに、べえくんのおかえししなきゃ)
まどか(可愛いぬいぐるみないかな…?)
さやか「んー…あっ、これ綺麗!」
さやか「ねね、まどかー」クルッ
さやか「……あれ?まどか?」
まどか「んと…あ!この子、べえくんのお友だちなのかな?」
まどか「うん、可愛いなぁ」
まどか「えへへ」スッ
「かわいい…」スッ
まどか「あっ」
「あっ、ご…ごめんなさい」
まどか「い、いや…わたしこそ…」
「うぅぅ…」
まどか(この子も、このぬいぐるみが欲しかったのかな?)
まどか「あ、あのっ」
「はっ、はいっ」
まどか「えと…あ、あなたもこの子が欲しいの?」
「…うん」
まどか「そうなんだ…!」
「あの…あなたも?」
まどか「うん。えへへ、おんなじだね」
「…ても、最後の1つだから」
まどか「あっ…ほ、ほんとだね…」
「その…わたしは大丈夫だから、あなたが買って?」
まどか「えっ?そんな…悪いよ」
「ううん、わたしは大丈夫だから…」
まどか「でも…」
さやか「あー、いたいた!」
まどか「あっ、さやかちゃん」
さやか「もー!はぐれちゃったかと思ったよ?」
まどか「あ…ごめんね?」
さやか「ね、あっちに綺麗なおもちゃがあったんだ、見に行こうよ」
まどか「う、うん」
「あ…」
まどか「ば、ばいばい」
「……ばいばい」
さやか「ん?友だち?」
まどか「ううん…たまたまお話しただけだよ?」
さやか「ふーん?まぁいいや」
さやか「でさ―」
まどか(どうしよう…あのぬいぐるみ、さやかちゃんにプレゼントしたいのになぁ…)
まどか(でも、あの子が買っちゃうよね?)
まどか(それに、さやかちゃんに隠れてこっそり買わなきゃいけないよね?)
まどか(どうしようかな…)
さやか「この青い宝石みたいなの綺麗だよねぇ」
さやか「あっ、このピンクのなんかまどかに似合うんじゃない?」
さやか「うーん、これ買っちゃおっかな?」
さやか「ねえ、まどか。どう思う?」
まどか「…」
さやか「…まどか?」
まどか「えっ?」
さやか「どうしたの?さっきから何か考えてるみたいだけど…」
まどか「あ…なんでもないよ?」
さやか「そう?ならいいんだけど」
まどか「ごめんね?」
さやか「ううん。それよりもさ、これどう思う?」
まどか「うん、可愛いと思うよ」
さやか「やっぱり?うーん…買おうかなぁ」
まどか「……さやかちゃん」
さやか「んー?」
まどか「えっと…ちょっとおトイレ…」
さやか「え?大丈夫?一緒に行こうか?」
まどか「ううん、1人で大丈夫だよ?さやかちゃんはここにいて?」
さやか「…まどかがそう言うなら良いけど、迷子にならないよう気をつけなよ?」
まどか「うん、じゃあ行ってくるね」
さやか「あたしは、ずっとここにいるからねー」
まどか「うん」タタッ
さやか「あんなに急いで…ピンチだったのかな?」
まどか「んと…」キョロキョロ
まどか「あっ…無くなってる…」
まどか「あの子が買って行っちゃったのかな…?」
まどか「…仕方ないよね」
まどか「他にも可愛いぬいぐるみはいっぱいあるし、そこから探そうかな」
まどか「ん…あ、この子可愛いなぁ」
まどか「この子も、みんな可愛いよ」
まどか「べえくん、お友だち見つかると良いね」
まどか「………」
まどか「んっ…」
まどか(どうしよう…本当におトイレに行きたくなっちゃった)
まどか(さやかちゃんを待たせたらいけないし、急いで行かなきゃ…)
まどか「えっと…」タタッ
ポトッ
数分後
まどか「探すのに時間かかっちゃったなぁ…遠くまで来ちゃったよ」
まどか「早く帰らなきゃ…!」タタッ
まどか「………あれ?」ピタッ
まどか「ここ…どこ?」キョロキョロ
まどか「うぅ…ど、どうしよう…来た道分かんなくなっちゃった」
まどか「で…でも…探せばすぐ見つかる…よね?」
まどか「うん、おなじ建物なんだし…ま、迷子になんかなってないよ?」
まどか「迷子じゃないもん…」
まどか「そうだよね?べえくん…」
さやか「むー…さすがに長くないかな?」
さやか「もしかして、迷子になっちゃってないよね?」
さやか「でももしかしたら…やっぱり一緒に行けば良かったかも」
さやか「…あっ、そうだ!電話があるじゃん!」
さやか「えーと?」ピッピッ
さやか「……ん?」プルルプルル
さやか「…まどか?」プルルプルル
さやか「……でないなぁ」ピッ
さやか「なんでだろ?…心配だよ」
さやか「…よし、探しに行こう!」
まどか「ここかな…?」キョロキョロ
まどか「ち、違うね…」
まどか「あれれ…どうしよ…どうしよ…」
まどか「…そ、そうだ、ママのケータイがあるんだった!」
まどか「んっと」ガサゴソ
まどか「…あれ?」ガサゴソ
まどか「……えっ?」
さやか「念のため電話かけながら探した方がいいよね」ピッピッ
さやか「まどか、何かあったのかな…?」
さやか「…んっ?」
~♪
さやか「こんなところにケータイが…落とし物かな?」
さやか「あれ?これってもしかして…」ピッ
さやか「さやかちゃんでしたー」
さやか『さやかちゃんでしたー』
さやか「あっ!やっぱりまどかのママのケータイじゃん!」
さやか『あっ!やっぱりまどかのママのケータイじゃん!』
さやか「もー!わかったって!」ピッ
さやか『もー!わかっ』
さやか「でも良かった、気づかなかったら、まどか怒られてたかも知れないもんね」
さやか「……あれ?」
さやか「じゃあ…まどかと連絡できなくない?」
さやか「え…ど、どうしよう…ほんとに迷子になっちゃったの?」
さやか「あたしが一緒に行けば…こんなことにならなかったのに」
さやか「あたしのバカ…」
さやか「まどか…泣いてないよね?大丈夫だよね?」
さやか「まどか…まどかっ!」タタッ
まどか「うぅぅ…ケータイなくしちゃったよぉ…」
まどか「ママに怒られちゃう…早く見つけなきゃ…」
まどか「でも…何処にあるのかわかんないし…ここが何処なのかも…」
まどか「わたし…迷子…なのかな?」
まどか「ぐすっ…」
まどか「…泣いてないよ、怖くなんかないもん」ゴシゴシ
まどか「大丈夫、べえくんがついてくれてるから怖くなんかないよ」
まどか「早く戻ろうね、べえくん!」タタッ
まどか「きゃっ?」ドテッ
まどか「っ…痛いよぉ…」ウルウル
まどか「ぐすっ…」
まどか「パパ…ママ…」
まどか「さやかちゃん…」
まどか「うぅぅっ……」
「あ…あの…」
まどか「……え?」
「だ、大丈夫…ですか?」
まどか「あっ…あなたは…さっきの…」
「う、うん…それよりも血がでてるよ?」
まどか「うぅ…」ウルウル
「わ、わたし絆創膏持ってるから…えっと…は、張ってあげるね?」
まどか「ぐすっ…あ、ありがと…」
「んっと…ど、どうかな?痛くない?」
まどか「うん…えへへ、上手なんだね」
「そ、そんな…わたし、保険委員だし…」
「こんなわたしでも…少しでも誰かの役に立てたら嬉しいから…」
まどか「そうなんだ…ありがとう」ゴシゴシ
まどか「もう痛くないよ、あなたが治してくれたから」ニコッ
「…えへ」
まどか「…あっ」
「?」
まどか「このぬいぐるみ、買ったんだね」
「あ…うん、可愛かったから…」
まどか「この子と似てるよね」
「…うん、そうだね」
まどか「あなたも、ぬいぐるみが好きなの?」
「うん、お部屋にたくさんお友だちがいるんだよ」
まどか「そうなんだ、わたしもだよ」
「えっ?ほんとう?」
まどか「うん!みんなにお名前もつけてるんだ」
まどか「この子はね?べえくんって言うんだよ」
「べえくんって言うんだ…可愛いね」
まどか「えへへ、わたしの宝物なんだよ」
「わたしも、べえくんにもっと似てるぬいぐるみ持ってるよ」
まどか「えっ?ほんと?」
「うん、お家にあるけど…み、見にくる…?」
まどか「えっ?」
「あ…う、ううん!何でもない…です」
まどか「…ごめんね?見てみたいんだけど、わたし…東京の人じゃないから」
「…え?東京には住んでないの?」
まどか「うん、見滝原から遊びに来たんだよ」
「みたきはら?」
まどか「えっと…群馬県だよ」
「そ、そうだったんだ…じゃあさっきの子はお姉ちゃんなの?」
まどか「お姉ちゃん…?あっ、さやかちゃんはお友だちだよ」
まどか「パパとママとさやかちゃんと一緒に遊びに来たの」
「仲…良いんだね」
まどか「うん、さやかちゃんのこと大好きだもん」
「…羨ましいな」
まどか「えっ?」
「わたし…あんまりお友だちいないし…」
まどか「……」
「だから、ぬいぐるみがお友だち…」
「あっ!ご、ごめんなさい…変なこと言っちゃって…」
まどか「う、ううん、大丈夫だよ」
「………」
まどか「ね、ねえ。あなたのお名前は?」
まどか「わたし、まどか!」
「まどか…ちゃん…」
まどか「うんっ!」
「わ、わたしは…ほむら」
ほむら「暁美ほむら、です」
まどか「ほむらちゃん…!」
さやか「まどか…何処にいるの…?」
さやか「まどかぁ…」ウルウル
さやか「あたしのせいだ…あたしが一緒にいなかったから…」
詢子「次は何買う?」
知久「そうだね…おや?」
詢子「ん?」
知久「彼処にいるのって、さやかちゃんだよね?」
詢子「あっ、ほんとだ。何か探してるみたいね」
知久「まどかは見当たらないし…もしかして…」
詢子「…なるほどね」
さやか「まどか…」
知久「さやかちゃん」
さやか「あっ…」
詢子「どうしたの?もしかして、まどかとはぐれちゃった?」
さやか「ぐすっ…」
詢子「!」
さやか「ごめ…なさい…」ポロポロ
知久「さやかちゃん…」
さやか「ごめんなさい…ごめんなさい…」
さやか「あたしが一緒に行かなかったせいで…まどかが…まどかがぁ…」
さやか「どうしよぉ…ぐすっ…」
詢子「よしよし、さやかちゃんは優しいね」ナデナデ
さやか「うぅぅ…」
知久「はぐれてしまったものは仕方ないよ、それに携帯に連絡すれば…」
さやか「これ…」
知久「あっ…これは…」
さやか「まどか探してたら、ケータイが落ちてて…だからまどかに電話できなくて…」
さやか「だからずっと…ずっと探してるのに…見つかんなくて…」
さやか「あたしのせいなんです…」
詢子「大丈夫だよ、さやかちゃんは何も悪くないって」
さやか「でもっ…電話もできないし、探しても見つからないから…」
さやか「まどか…きっと泣いてるよ…どうしよう…」
知久「迷子の呼び出しを頼めばきっと見つかるよ」
さやか「あっ…」
知久「だから、まどかなら大丈夫だよ」
詢子「さやかちゃん、ありがとう」ナデナデ
さやか「…まどか」
まどか「ほむらちゃんって言うんだね」
ほむら「あ、あの…ほむら、って…変じゃない…?」
まどか「えっ?」
ほむら「お父さんとお母さんくらいしか、名前で呼んでくれないし…」
ほむら「おかしな名前だから、みんな呼んでくれないのかなって…思って…」
まどか「えー?おかしな名前なんかじゃないよ?」
ほむら「!」
まどか「とっても可愛い名前だと思うなぁ」
ほむら「…ほんと?」
まどか「うん!」
ほむら「…ありがとう」
まどか「えへへ」
ほむら「…嬉しい」
まどか「ほむらちゃん、ありがとう。ほむらちゃんのおかげで元気でたよ」
まどか「…わたし、あのままだったら泣いちゃってたと思うんだ」
ほむら「まどかちゃん…」
ほむら「そうだ…どうして1人なの?お友だちは?」
まどか「…ま、迷子になっちゃって…」
ほむら「えっ?大丈夫?」
まどか「…おもちゃ屋さんの場所がわからなくなっちゃって…」
ほむら「さっきの場所に行けばいいの?」
まどか「うん…」
ほむら「なら、わたしが案内してあげるね」
まどか「いいの?ありがとう」
ほむら「…えへ」
ほむら「あっ…立てる?怪我は痛くない?」
まどか「…実はちょっと痛いかも…」
ほむら「あ、あの…」スッ
まどか「?」
ほむら「…お母さんがよく、わたしが怪我した時に手を握ってくれたの」
ほむら「そうしたら、痛くなくなるって…だから…その…」
まどか「ほむらちゃん…うん」ギュッ
ほむら「まどかちゃん…!」
まどか「うん、痛くなくなったかも」
ほむら「ほんと?よかった…」
まどか「えへへ、ありがとう」
ほむら「…えへ」
さやか「………」
詢子「大丈夫だって、それに今ごろおもちゃ売り場に帰ってきてるかもしれないからさ」
知久「そうだね、とりあえずそこに行って、いなかったら迷子の呼び出しをしてもらおうか」
詢子「うん、じゃあ行こうか」
さやか「まどか…」
詢子「さやかちゃんは本当に優しいよね」
さやか「そんなこと…ないです…」
詢子「そんなことあるって、まどかをそんなに心配してくれるんだしさ」
知久「うん、まどかはさやかちゃんと友だちになれて本当に良かったよ」
さやか「でも…」
詢子「心配ないって、まどかを見つけたら4人でさやかちゃんの食べたいもの食べうな」
さやか「…うん」
ほむら「ついたよ」
まどか「ありがとう、ほむらちゃん」
まどか「あはは…わたし、反対側に行っちゃってたんだ…」
ほむら「広いし、初めてなら仕方ないと思うよ?」
まどか「うん…」
ほむら「お友だちも探そう?」
まどか「あっ…そ、そうだね。さやかちゃんを待たせちゃったよ」
まどか「たしか…ここにいるって…言ってたけど…」
ほむら「…いないね」
まどか「……うん」
ほむら「だ、大丈夫だよ?探せば見つかるよ」
まどか「そ、そうだね…」
ほむら「わたしも一緒に探すから…!」
まどか「ありがとう、ほむらちゃん」
ほむら「ううん、そんな…」
ほむら「それに…嬉しいの」
まどか「えっ?」
ほむら「こうやって、まどかちゃんの役に立てることができて…」
ほむら「わたし…嬉しい」
まどか「ほむらちゃん…ほんとにありがと」
まどか「ほむらちゃんがいなかったら、わたし…」
まどか「ほむらちゃんと会えて良かった、お友だちになれて良かったよ」
ほむら「え…?お友…だち…?」
まどか「うん!」
ほむら「…えへ」
さやか「まどかぁー!」タタッ
まどか「あっ、さやかちゃん!」
ほむら「…見つかったね」
まどか「うん、良かった」
さやか「まどかっ!」ダキッ
まどか「わわっ?」
ほむら「あ…」
さやか「良かった…良かった…!」
さやか「あたし、まどかが迷子になってないかって…泣いてないかって…」
さやか「すっごく心配で…あたし…」
まどか「さやかちゃん…」
ほむら「……」
詢子「ほら、帰ってきてた」
知久「そうだね、良かった」
まどか「ママ、パパ」
詢子「まどか、さやかちゃんにちゃんとお礼しなよ?」
知久「まどかを一生懸命探してくれてたんだよ」
まどか「そうだったんだ…ありがとう…そしてごめんね?」
さやか「ううん…まどかが無事で良かった…」
まどか「さやかちゃん…」
ほむら「………」
詢子「まどか、落とし物には気を付けなよ?携帯、さやかちゃんが拾ってくれたんだからな」
まどか「ほんとにありがとう、さやかちゃん」
さやか「…えへへ」
知久「まどか、迷子になってたの?」
まどか「う、うん…場所がわかんなくなっちゃって…」
まどか「ケータイもなくしちゃって…転んじゃって泣いてたんだ…」
さやか「まどか…」
まどか「でも、この子が…ほむらちゃんが助けてくれたの!」
ほむら「!」
さやか「あっ…さっきの…」
まどか「怪我を治してくれて、案内してくれて…」
まどか「わたし、ほむらちゃんがいなかったら…」
ほむら「まどかちゃん…」
詢子「そっか、ほむらちゃん…だよね?ありがとう」
ほむら「あっ…」
知久「ほむらちゃんがまどかを助けてくれたんだね、ありがとう」
ほむら「あ…いやっ…その…そんな…」
さやか「…そっか、あたしからも、ありがとう」
ほむら「えっと…」
さやか「ほむらちゃんだね…よし!」
さやか「あたしはさやか!よろしくね!」
ほむら「さやか…ちゃん…」
さやか「うん!えへへ」
ほむら「…えへ」
まどか「ほむらちゃんは、もうわたしのお友だちなんだよ」
詢子「そう、新しい友だちができてよかったね」
まどか「うん!」
ほむら「まどかちゃん…!」
さやか「ほむらちゃんは東京に住んでるんだよね?」
ほむら「う、うん…」
さやか「そっかぁ…なら遊べるのは今日だけかぁ」
まどか「そう…だよね…」
ほむら「………」
詢子「日帰りだからねぇ…」
ほむら「あ、あの…わたし、そろそろ…」
まどか「ねえ、ママ。この後…ほむらちゃんと遊んでいい?」
ほむら「えっ?」
さやか「そうだね。せっかくだし、あたしも遊びたいかな」
ほむら「あ、あのっ…」
まどか「ほむらちゃん、遊んじゃダメ…かな?」
ほむら「あ、いや…大丈夫…だけど…」
まどか「ほんと?」
ほむら「でも…いいの?せっかく東京に遊びに来たのに、わたしなんかと…遊んで…」
まどか「せっかくお友だちになれたんだよ?いっぱい遊びたいよ」
さやか「そうだね、東京の友だちってだけで結構レアだし」
さやか「それに、買い物よりもずっと楽しそうだもんね!」
まどか「うんっ!ほむらちゃんとお話ししてて楽しかったもん」
ほむら「まどかちゃん…さやかちゃん…」
まどか「ね?いいでしょ、ほむらちゃん」
ほむら「…うん…!」
まどか「ありがとう!ねぇママ、パパ…いいよね?」
詢子「ふふっ、どうする?」
知久「もちろん決まってるよ」
詢子「うん、そうよね」
まどか「ママ…?」
詢子「いいよ、思う存分3人で遊んできな」
まどか「わーい!ありがと、ママ!」
さやか「やったー!」
ほむら「…えへ」
知久「ほむらちゃんはお母さんと一緒に来たの?」
ほむら「ううん…お家はここから遠くないし、よく1人で来るんです…」
ほむら「それに…お父さんもお母さんも働いてるから…」
知久「…そっか」
ほむら「だから、わたしは大丈夫…です」
知久「うん、わかったよ。まどかとさやかちゃんをよろしくね」
ほむら「は、はい…!」
詢子「まどか、これは守りなよ?」
まどか「えっ?」
詢子「迷子にならないこと」
まどか「あっ…」
詢子「それから落とし物もしないこと」
詢子「ちゃんと連絡すること」
まどか「う、うん…」
詢子「そして、思いっきり楽しむこと」
まどか「…うんっ!」
詢子「よし、行ってこい!」
まどか「はーい!」
さやか「いってきまーす!」
ほむら「あ…えと…」
まどか「ほらっ、行こうよ、ほむらちゃん!」スッ
さやか「はやくはやくー」スッ
ほむら「あっ…」
まどか「ねっ?」
ほむら「…うん!」ギュッ
まどか「えへへ」
詢子「…ここに来てよかったよ」
知久「うん、まどかにとって買い物よりもずっと良いものができたんじゃないかな」
詢子「ふふっ、あの子と友だちになる為に来たのかもね」
知久「はははっ、そうだね」
知久「お金で買えないものもある、ってね」
詢子「あはは、ほんとそうよね」
知久「さて、僕たちはショッピングの続きと行こうか」
詢子「うん」
さやか「ね、思い出にさ、3人でこれ買わない?」
さやか「この宝石みたいなやつをさ、おもちゃだけど綺麗だよねー」
まどか「あっ、ほんとだね。こんなのがあったんだ」
さやか「むー!ってことはやっぱり、あの時は話聞いてなかったなー?」
まどか「あっ…ご、ごめんね?」
さやか「そんなまどかには…こうだぁー!」
まどか「きゃっ?やめてよぉー」
ほむら「…ふふ」クスッ
さやか「あっ、ほむらちゃんはどう思う?」
さやか「この青いのはさやかちゃんで、このピンクのはまどかで…」
さやか「ほむらちゃんは…そうだね、この紫のとか似合うんじゃない?」
ほむら「あ…うん、そうだね」
まどか「みんな似合ってるね」
さやか「でしょ?買おっかなー?」
まどか「うん、そうしようよ」
ほむら「んと……」チラッ
ほむら(お金…足りない…)
ほむら「…」シュン
まどか「ほむらちゃん…」
まどか(よーし)
まどか「……さやかちゃん、3つともわたしが買うね?」
ほむら「えっ?」
さやか「ん?何で?」
まどか「ほら…その…さやかちゃんには、べえくんのお返し」
まどか「ほむらちゃんには、今日助けてくれたお返し」
ほむら「…!」
まどか「そして、2人ともわたしとお友だちになってくれたから、そのお礼がしたいの!」
さやか「まどか…」
ほむら「まどかちゃん…!」
まどか「ほんとはこっそり買いたかったんだけどね?」
さやか「ふふっ、どうする?お言葉に甘えちゃう?」
ほむら「んと…でも…わたしは悪くないかな…?」
まどか「そんなことないよ?2人とも大切なお友だちだもん!」
さやか「まどかは言い出したら止まらないんだよねー?」
まどか「うん!」
ほむら「まどかちゃん…」
さやか「ってことでさ、まどかに甘えちゃおっか!」
ほむら「……うん」
まどか「えへへ、じゃあ買ってくるね」
さやか「ありがと、まどか!」
ほむら「あ、ありがとう…!」
まどか「うん!待っててね」
さやか「あはは、まどかと友だちになれて良かったのは、あたしもだよ」
ほむら「うん…わたしも、だよ」
ほむら「…嬉しい」
ほむら(わたしも何かお返ししなきゃ)
まどか「はい、さやかちゃん。ほむらちゃん。」
さやか「ありがと!大切にするね!」
ほむら「わ、わたしも大切にする…!」
まどか「えへへ」
ほむら「あ…あの、まどかちゃん」
まどか「何かな?」
ほむら「これ…まどかちゃんにあげる」
まどか「えっ?」
さやか「それってさっき買ったぬいぐるみ?」
ほむら「うん…まどかちゃんも欲しがってたし…だから…」
まどか「そんな…悪いよ!」
ほむら「でも…」
まどか「わたしは大丈夫だから、その子はほむらちゃんが持ってて?」
まどか「気持ちだけで嬉しいから!」
ほむら「まどかちゃん…」
さやか「あはは、まぁ…そう言うことだからさ」
さやか「それはほむらちゃんが持っておきなよ」
まどか「うん、そうして?」
ほむら「うん…そうするね」
さやか「ね、次はどうする?」
ほむら「あっ…わたしが案内するね?」
まどか「うん、お願いね。ほむらちゃん!」
ほむら「うん…!」
数字間後
まどか「楽しかったね!」
さやか「いっぱい遊んだもんねー!」
ほむら「えへへ…」
まどか「ほむらちゃん、今日はほんとにありがと!」
さやか「あたしも!楽しかったよ、ほむらちゃん!」
ほむら「…わたしも、すっごく楽しかったよ」
ほむら「まどかちゃん、さやかちゃん。わたしと遊んでくれてありがとう」
ほむら「ほんとに…すっごく楽しかったの」
まどか「えへへ、そうだね」
さやか「うん、まだまだ遊び足りないけどね…」
まどか「うん…」
ほむら「あ…」
知久「みんなー」
詢子「もう夕方だね、たくさん遊べた?」
まどか「うん…でも、足りない…かな」
知久「まどか…でも、もう帰らなきゃ」
まどか「…ねえ、明日も来れないの?まだまだ遊びたいよ!」
詢子「明日は学校だろ?それはダメだよ」
まどか「でもっ…ほむらちゃんと…もっと遊びたいよ…」
ほむら「まどかちゃん…」
知久「まどか、残念だけど我慢しなきゃいけない時もあるだんだよ」
知久「だから…ね?わかってほしいんだ」
まどか「パパ…」
詢子「さやかちゃんも、ほむらちゃんもわかってくれるよね?」
さやか「うん…」
ほむら「は、はい…」
まどか「ほむらちゃん…」
詢子「まぁその代わり…って訳じゃないんだけどさ」
知久「5人で夕食なんてどうかな?」
ほむら「えっ?」
まどか「5人?なら…!」
詢子「うん、ほむらちゃんも一緒にさ」
さやか「ほんとに?やった!」
ほむら「あ、あの…良いんですか?」
知久「うん、もちろんほむらちゃんが大丈夫ならだけどね」
まどか「ほむらちゃん、いいよね?」
ほむら「うん、でもお母さんに電話してみるね」ピッピッ
ほむら「あっ…お母さん、あのね?―」
ほむら「―あと、あの子も一緒に持ってきてほしいの」
ほむら「うん、ありがとう…それじゃあ」ピッ
詢子「どう?大丈夫?」
ほむら「は、はい…あの、よろしくお願いします」ペコッ
数字間後
ほむら「あのっ…ごちそうさまでした、とても美味しかったです」
知久「うん、僕たちもほむらちゃんと一緒に食べることができてよかったよ」
知久「そうだよね、まどか、さやかちゃん」
さやか「はい!ほんとに楽しかった!」
まどか「うん、ほむらちゃん…今日は本当にありがとう」
まどか「すっごく…とっても楽しかったよ!」
さやか「ほむらちゃんと仲良くなれて、あたしもまどかも本当に良かった!」
さやか「大切な思いでを作れたよ!ね?まどか!」
まどか「うんっ!」
ほむら「さやかちゃん、まどかちゃん…」
詢子「ほむらちゃんは、もうすぐお母さんが迎えに来るんだよね?」
ほむら「あっ、はい…もうすぐ来ると思います」
母「ほむらちゃーん」
ほむら「あっ、お母さん」
母「すみません、娘がご馳走になったみたいで…」
詢子「いえいえ、私も娘がお世話になりましたので」
母「そうですか、でも…本当にありがとうございました」
知久「こちらこそ」
ほむら「お母さん、持ってきてくれた?」
母「ええ、これでしょ?」
ほむら「うん、ありがとう」
母「ほむらちゃん、良かったね」
ほむら「うんっ!」
母「うふふっ」
知久「まどか、パパ達はここで少し話してるから、3人はもう少し遊んでていいよ」
まどか「うん」
さやか「はーい」
まどか「ほむらちゃん、行こっ?」
ほむら「うんっ」
まどか「何を持ってきて貰ったの?」
ほむら「これだよ」
さやか「ぬいぐるみじゃん。かわいいー」
まどか「あっ、この子…べえくんにすごく似てるね!」
ほむら「うん、きゅぅくんって言うの、わたしの宝物なんだ」
まどか「なら、べえくんとおんなじだね!」
ほむら「まどかちゃん…きゅぅくん、あなたにあげるね」
まどか「えっ?」
ほむら「きゅぅくんは宝物だけど…ううん、宝物だからまどかちゃんにあげたいの!」
まどか「ほむらちゃん…」
ほむら「その方がきゅぅくんも喜んでくれると思うから」
まどか「ほんとにいいの?」
さやか「わかるよ、ほむらちゃん。あたしとおなじだね」
ほむら「さやかちゃん…」
さやか「べえくんもさ、元々はあたしのだったんだ」
ほむら「そうなんだ…!」
さやか「まどか、貰っときなよ」
ほむら「まどかちゃん…」
まどか「…うん。ありがとう、ほむらちゃん!」
まどか「嬉しい…大切にするね!」
ほむら「良かった…ありがとう、わたしも嬉しいな」
まどか「えへへ」
ほむら「さやかちゃんにも、この子あげるね」
さやか「えっ?あたしにも?いいの?」
ほむら「うん、もらってくれる?」
さやか「うん!ありがと!すっごく嬉しい…!」
ほむら「ふふっ」
まどか「べえくんにも大切なお友だちができたね!」
さやか「あっ!あたしも何かお返ししなきゃなぁ…」
ほむら「お返しだなんて、そんな…」
さやか「あぁー…何もないんだよなぁ…」
さやか「…よし!なら、これだぁ!」
ほむら「?」
さやか「はい。これ、あたしのヘアピン。結構気に入ってるんだ」
ほむら「えっ?でも…」
さやか「こんなので悪いけどさ、受け取ってくれたら嬉しいな」
ほむら「さやかちゃん…」
まどか「あっ、ならわたしも…んと…」
まどか「はい、わたしのリボン、ほむらちゃんにあげるね」
ほむら「まどかちゃんまで…いいの?」
まどか「うん!」
さやか「いつかそれを着けてさ、あたし達のこと思いだしてくれるといいな」
ほむら「…ありがとう、これも大切にするね!」
まどか「えへへ、良かった」
ほむら「…ねえ、最後にもう1ついいかな?」
さやか「いいよ、何でも言ってくれたまえ!」
ほむら「その…写真撮ってもいいかな?」
ほむら「思いでにしたいから…!」
まどか「うん、いいよ。撮ろうよ、写真!」
さやか「うん!」
知久「じゃあ僕が撮ってあげるよ」
まどか「あっ、パパ」
知久「ほむらちゃん、カメラ借りてもいいかな?」
ほむら「あ、はい…お願いします」
知久「はは、良い写真を撮ろうね」
まどか「うんっ!」
さやか「ほら、ほむらちゃんが真ん中ね!」
ほむら「うん」
さやか「んで、あたしとまどかが横に来て…これでよし!」
まどか「ほむらちゃん、さやかちゃん。今日はありがとう」
まどか「またこうして3人で遊びたいね」
ほむら「まどかちゃん…」
さやか「うん、きっとまたいつか会えるよ…そんな気がするんだ」
さやか「だからさ、さよならは無しね」
まどか「うん、そうだね。それじゃ、またね。ってね」
まどか「さよならなんて嫌だもん」
ほむら「うん…そうだね」
ほむら「また、会えるよね…!」
さやか「うん、だから今はちょっとだけお別れだね」
さやか「またこうやって3人でたくさん遊ぶんだから!」
ほむら「うん…!」
知久「みんな、準備はいい?」
まどか「うん」
さやか「はーい」
ほむら「はい」
知久「それじゃ、いくよ」
まどか「ほむらちゃん、さやかちゃん」
まどか「大好き!」ギュッ
カシャッ
数年後
ほむら「ここが…見滝原中学校」
ほむら「また…会えるといいな」
ほむら「まどかちゃん…さやかちゃん…!」
ほむら「……でも、わたしのことなんて覚えてくれてるかな?」
ほむら「それに…見滝原中かどうかも分からないし…」
ほむら「うぅ…」
ほむら「でも…もし、同じクラスになれたなら…嬉しいな…」
ほむら「えへへ」
和子「暁美さーん?」
ほむら「あっ…」
ほむら(き、緊張するなぁ…)
ほむら「………」ドキドキ
ほむら「あ、暁美ほむら…です…よろしくお願いします…」
まどか「ほむらちゃん!?」
さやか「もしかして…いや!もしかしなくても…!」
さやか「ほむらちゃんだよっ!」
ほむら「まどかちゃん…!さやかちゃん…!」
まどか「ほむらちゃーん!」ガタッ
ほむら「まどかちゃんっ!」
休み時間
さやか「うわぁー!ほんとにほむらちゃんだ!」
ほむら「さやかちゃん、また…会えたね!」
さやか「うんっ!やったー!」
まどか「えへへ、ほむらちゃん!」
ほむら「まどかちゃん…!」
まどか「ほむらちゃんが転校生だなんて…すっごく嬉しいよ!」
ほむら「わたしも、まどかちゃんとさやかちゃんとまた会えて」
ほむら「クラスメイトになれて本当に嬉しいの」
さやか「あの時のこと思い出すなぁ…」
ほむら「あの時のこと…覚えてるの?」
さやか「うん、もっちろん!」
まどか「忘れるわけないよ」
さやか「だってあれはさ、あたし達にとっての…」
まどか「うん」
さやか「大切な思いでだから」
ほむら「…!」
まどか「だからね?あれは…」
まどか「思いでは宝物なの」
ほむら「まどかちゃん…さやかちゃん…」
まどか「ほむらちゃんとの思いでは、わたしとさやかちゃんにとって」
まどか「とっても大切な思いでなんだよ?」
まどか「ねっ?さやかちゃん」
さやか「うん!だから忘れるなんてあり得ないよ」
ほむら「…ありがとう、嬉しい」
まどか「えへへ、ほむらちゃんのリボンって…」
ほむら「うん、まどかちゃんから貰った宝物だよ」
さやか「あっ、これってもしかして…あたしのヘアピン?」
ほむら「うん、これも宝物だから」
さやか「そっか、ありがと!」
まどか「ほむらちゃん、似合ってるよ?すっごく可愛い!」
ほむら「…えへへ」
ほむら「あ、そうだ放課後…空いてる?」
まどか「うん、大丈夫だよ」
ほむら「なら…!」
キーンコーンカーンコーン
さやか「あっ、もう時間かぁ…話しはまた後でね」
まどか「今日からはずっと一緒だもんね」
ほむら「うん…!」
ほむホーム
まどか「おじゃまします」
さやか「おじゃましまーす!」
ほむら「んと…い、いらっしゃい」
まどか「えへへ、ここがほむらちゃんのお部屋なんだね」
ほむら「う、うん」
さやか「あっ!これってあの時、まどかが買ってくれたやつじゃん!」
まどか「ほんとだね、ずっと持っててくれたんだ」
ほむら「うん、それもリボンもヘアピンも…みんな宝物だから」
ほむら「そしてこれも…」
さやか「あの時撮った写真じゃん!」
ほむら「うん、ずっと飾ってたんだよ」
まどか「てぃひひ、みんな可愛いね」
さやか「だねー!」
ほむら「そして…これを作ったの」
まどか「えっ?これって…」
さやか「わぁ!あたし達のぬいぐるみ?」
ほむら「うん、見滝原に引っ越すことがわかった日からずっと作ってたんだよ」
まどか「そうなんだ、すごいなぁ…!」
さやか「本物に負けず劣らず可愛いね!」
ほむら「ふふっ」
まどか「これ、もらってもいいの?」
ほむら「うん!」
まどか「わぁ…!ありがとう、ほむらちゃん!」
ほむら「えへ」
さやか「こうやって思いでがたくさんできるんだよね」
ほむら「うん、みんなみんな…大切な思いでだよ」
ほむら「思いでの宝物…なの」
まどか「ほむらちゃん…えへへ、そうだね!」
さやか「このぬいぐるみもだけどさ、この写真もみんな可愛いよね」
さやか「特にさやかちゃんが!」
まどか「てぃひひ」
ほむら「ふふっ」
さやか「ねね!また写真撮ろうよ!」
ほむら「うん、もう準備してあるんだ」
さやか「さっすが、ほむらちゃん!」
ほむら「えへへ」
まどか「この写真を今見てるように、また何年か経って写真を仲良く見られるようになりたいなぁ」
さやか「うん、なろうよ!絶対なれるって!」
さやか「高校生に、大学生に…大人になってもずっと、ずっとさ!」
ほむら「さやかちゃん…!」
まどか「思いでのお友だちじゃなくって、最高のお友だちになれたらとっても嬉しいなって」
ほむら「まどかちゃん…うん!」
さやか「あははっ!あたし達3人ならなれるよ!」
ほむら「まどかちゃん、さやかちゃん…ありがとう!」
まどか「えへへ、それじゃあ写真撮ろうよ」
ほむら「うん、タイマーでいいね」ピッピッ
さやか「ほら、ほむらちゃんが真ん中ね!」
さやか「あの時と一緒だよ!」
ほむら「うん!」
さやか「えへへ、そしてあたしと…」
まどか「わたしが横だねっ」
さやか「うん!」
ほむら「えへへ…」
まどか「ほむらちゃん、さやかちゃん。これからも毎日よろしくね」
まどか「ずっとこうして3人で…ね?」
ほむら「うんっ」
さやか「そうだね、あたし達はさ、これから最高のお友だちになるんだからね!」
ほむら「うんっ!」
まどか「えへへ、明日から楽しみがいっぱい増えるね」
さやか「うん、今度はあたし達が見滝原を案内しちゃいますからねー!」
ほむら「ありがとう、楽しみにしてるね」
まどか「あっ、そろそろ時間かな?」
ほむら「うん、みんな準備はいい?」
まどか「うん」
さやか「はーい」
まどか「ほむらちゃん、さやかちゃん」
さやか「あっ、今度はあたしもやるんだからね!」
ほむら「えへへ、わたしも」
まどか「てぃひひ!じゃあみんなでやろうね」
ほむら「うん!」
さやか「いくよー!」
3人「大好きっ!」ギュッ
カシャッ
おわり
きゅぅくんべえくんの伏線どこいった
乙
>>197
申し訳程度のキュゥべえ要素
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