律子「765プロが念能力者による攻撃を受けています」(200)

P「うぅ~…」ボリボリ


千早「プロデューサー、体が痒いんですか?」

P「あぁ、今朝からずっとなんだよ。一体何だろうなぁ…」ボリボリ

千早「忙しいのは分かりますが、ちゃんとお風呂には入らないと…」

P「いや、風呂には入ってるんだけど……う~む、肩が痒い」ボリボリ


千早「うっ……見ているこっちの肩も痒くなってきました」ボリボリ

※主に高校生組しか出てきません。予めご了承下さい。

P「あれ、うつったか?悪い悪い、ははは」ボリボリ

千早「くっ…!」ボリボリ


千早「あれ、治った」

P「いいなぁ、すぐに治って」ボリボリ

千早「とにかく、身だしなみは清潔に保って下さい」

P「す、すみません…」


小鳥「あー、肩痒い」ボリボリ

ガチャッ

春香「おはようございまーす!」

美希「おはようなのー」

千早「おはよう、春香、美希」

春香「?……どうしたの千早ちゃん?」

千早「何が?」

春香「いや、いつもよりちょっとだけ不機嫌そうだったから」

千早「大したことではないわ、気にしないで」

春香「ふーん、そう」


美希「ハニー、おっはようなのー!」ムギュッ!

P「うぉい!?な、なんだよいきなり」

美希「なんだとはなんなの?ひど……うっ!」

P「どうした、美希?」

美希「ハニー、少し匂うの」

P「えっ!?ま、マジで?」ボリボリ

千早「私は気にならなかったけど」

美希「ミキにしか分からない、ビミョウな違いだけどね!」ドヤッ

春香「えっ、本当!?ちょっとプロデューサーさん…」ズイッ

千早「失礼します」ズイッ

P「な、なんだよ…」

春香・千早「スンスン」

千早「……あまり気にならないわ」

美希「ねっ?ミキにしか分からないけど、ハニー少し匂うの」

春香「きっとミキの勘違いですよ。元気出して下さい、プロデューサーさん!」

美希「あー!そんなこと言って春香、ミキを悪者にしようとしてるの!」

春香「実際そうじゃん!」

P「ま、まぁまぁ二人とも……」ボリボリ

P「うぐ……今度は首が痒い」ボリボリ


美希「………うぅ」

千早「美希、どうしたの?」

美希「何だか、首が痒いの」ボリボリ

春香「あっ、プロデューサーさんのがうつってたりして」

P「お前も俺のことを不潔と思ってるんだな」

春香「わわっ!い、今のはウソです、ウソ!」

美希「うー、首痒いー」ボリボリ


P「しかし美希、お揃いだな、ははは」ボリボリ

美希「こんなのでハニーとおソロになりたくないの!」ボリボリ

美希「あ、治った」

春香「早っ」

千早「私の時もそうだったかしら」

美希「?……私の時って?」

千早「かくかくしかじか」


春香「あー、それでちょっと不機嫌だったんだー」

千早「きっと気のせいよ、深く考えることではないわ」

美希「そうだね」


小鳥「あー、首痒い」ボリボリ



(この反応は……美希?まさか……)

(いや、まだ気づかれてはいないはず……)

ガチャッ

響「はいさーい!」

貴音「おはようございます」

千早「我那覇さん、四条さん」

美希「おはようなのー」


響「あれ?どうしたんだ、皆様子がおかしくないか?」

千早「いいえ、大したことではないわ」

春香「ちょっとプロデューサーさんの…」

千早「春香、プロデューサーの悪口は止めなさい」

春香「いやいや、違うって!プロデューサーさんの悪口じゃないってば!」

美希「かくかくしかじか」

貴音「なるほど……面妖なことが起こるものですね」

響「って言っても、ちょっと痒いだけだろ?なんくるないさー」

春香「そりゃそうだけどさ」


P「……くそ、今度は左の太ももか、あー痒い」ボリボリ


響「うー」

貴音「……響、どうしたのですか?」

響「うあー、太ももが痒いさー!特に左が!」ボリボリ

春香「ひ、響ちゃんまで……」


美希「……ねぇハニー、今もまだ体痒いの?」

P「ん?あぁ、左太ももが痒い」ボリボリ

春香「えっ……!」

千早「ま、まさか……本当に、伝染してる……?」


響「うー、痒いよー」ボリボリボリ

貴音「響、そんなに掻いては、あなたの綺麗な脚が台無しになりますよ」

響「そんなこと言ったって、痒いものはしょうがないさー」ボリボリボリ


響「おーい、美希ー。これってすぐに治ったんだろ?話が違うさー」ボリボリボリ

美希「う、うん……ミキと千早さんはすぐに治ったんだけど」

春香「響ちゃんは、もしかしたら、ちょっと、あの……」

響「な、何だよ!自分も家族達も、風呂はちゃんと入ってるさー!」ボリボリ

P「おーい、どうしたー?喧嘩すんなよー」ボリボリ

響「プロデューサー!自分、皆にひどいこと言われたさー!」ボリボリ

P「あー、ひょっとして体が痒いのがどうとかって話か?」ボリボリ

響「そうなんだ!ちょっと左太ももが痒いから掻いてただけなのに……」ボリボリ


響「……あ、あれ?」

美希「治ったの?」

響「ウソみたいに、スッキリ痒みが無くなったぞ」

千早「何なのかしら……」

P「いいなぁ、すぐに収まって」ボリボリ


小鳥「あー、左太もも痒い」ボリボリ

ガチャッ

真「おはようございまーす!」

雪歩「おはようございますぅ」

春香「あ、真、雪歩!」

響「はいさーい!」


ガチャッ

律子「プロデューサー、竜宮小町のライブスケジュールの件ですが…」

律子「って、どうしたの皆して?」

貴音「律子嬢、おはようございます。社長室にいらしていたのですね」

真「ボクと雪歩は、今来たばかりですが」

雪歩「何かあったんですか?」

千早「かくかくしかじか」

真「ふ~ん、体が痒くなる怪現象かー」

雪歩「うぅ……話を聞いただけで体がムズムズしてきますぅ」


律子「…………………」

美希「律子…さん、どうしたの?ムズカシイ顔してるとシワが増えるの」

律子「余計なお世話よ!」

律子「ただ……この現象、心当たりが無いことも無いわ」

響「ほ、本当か!?」


律子「次に起きた時、真相を確かめましょう」


P「うぅー、ますます体が痒いなぁ」ボリボリ

P「何だぁ?今度は、手の甲が痒いなぁ」ボリボリ


雪歩「……あぅ」

真「ゆ、雪歩、まさか…」

雪歩「か、痒いですぅー」ボリボリ

律子「どこが?」

雪歩「て、手の甲……それもどっちも」ボリボリ

律子「ふむ……」チラッ


P「うー、手の甲痒い」ボリボリ


律子「やはり、同じところが痒いようね」

春香「律子さん、さっき現象に心当たりがあるって……」

律子「えぇ、その通りよ」

雪歩「うぅー…」ボリボリ


律子「これは、単なる偶然の範疇を超えている」

律子「すなわち、何者かがこの現象を引き起こしていると考えるのが妥当ね」

律子「意図的かどうかは分からないけれど」

美希「えっ?それってもしかして、超能力的な?」



(………………)

春香「ぷっ!……ねぇ美希~、マジメな顔して何言ってんのー?」プークスクス

美希「ミキだって冗談で言ったの!」

春香「ウソだね!絶対本気で言ってたね!」

美希「ミキもそこまで馬鹿じゃないの!春香じゃあるまいし!」

春香「何をー!?」


雪歩「あ、あのぅ、二人とも喧嘩は…」オロオロ…

春香・美希「雪歩は黙っ…!」


律子「ええ、おそらく超能力的なものよ」

一同「!?」



(この口ぶり……ハッタリでは、ない?)

貴音「律子嬢……お気は確かですか?あなたの口から、そのような面妖な…」

真「超能力なんて、最近は小学生だってそうそう真顔で言わないよ」

千早「……疲れているのよ、きっと」


律子「なかなか高度な『隠』ね……これを見破る方法は一つ……」


律子「『凝』!」クワッ!


響「律子、目ぇ怖っ!」ギョッ

雪歩「うぇぇ……痒いよぉ」ボリボリ

律子「………」


ロオオオオ… ロオオオオオ~~ド… ロオオオオオ…


律子「何か、雪歩の手の甲に付いているわね。生物のような……」

真「えっ!?な……何も見えませんけど」

律子「例えるなら、ムーミン谷にいるニョロニョロが禍々しくなったような……」

律子「もしくは、もののけ姫に出てくるコダマが、上半身だけ一杯はみ出てるような……」

春香「き、気持ち悪っ!」

雪歩「ひぃーん、そんなの嫌ですよぉ!」ボリボリ

律子「美希、千早、そして響だったわね」

律子「あなた達は、プロデューサーと会話をした途端、ピタリと痒みが収まったと」

響「う、うん……そうだけど」


律子「雪歩、まずプロデューサーに声をかけてみて」

雪歩「は、はいぃ……うぅ、痒い」ボリボリ


律子「焦ってはダメよ、痒みが収まる条件を探りたいの」

律子「とりあえず声をかけるだけ。私が良いと言うまで、それ以上話をしないこと」

律子「いいわね、雪歩?」

雪歩「え、えぇぇぇぇぇ……」ボリボリ

P「うぅ、痒い」ボリボリ


雪歩「ぷ、プロデューサー」ボリボリ

P「お、雪歩どうした?」ボリボリ

雪歩「うっ………」ボリボリ

P「………どうした、何を黙っているんだ?」ボリボリ


雪歩(律子さん、痒みがとまらないですぅ……)チラッ

律子(いいわ、会話を許可します)

律子(ただし、痒みネタ以外の会話で)ビシッ

雪歩(は、はいぃ……)ボリボリ

雪歩「え、えっと……この間、新しいお茶を仕入れてきたんですぅ」ボリボリ

P「おー、そうか!雪歩の淹れてくれるお茶はどれもおいしいよ」ボリボリ

雪歩「あ、ありがとうございますぅ」ボリボリ

P「ちょうどお茶のおかわりが欲しかったんだ、淹れてもらっても良いかな?」ボリボリ

雪歩「は……はいぃ」ボリボリ


律子(……まだ収まっていないようね)

雪歩(律子さぁん……)チラッ

律子(雪歩、手の甲が痒いというのを、プロデューサーに話してみて)

雪歩(は、はいぃ……)ボリボリ


雪歩「ぷ、プロデューサー、あの、実は…」ボリボリ

P「ん、どうした?……ひょっとして、お前も…」ボリボリ

雪歩「そうなんですぅ、手の甲が痒くて……」ボリボリ

P「そ、そうか……何だか、本当に俺が原因みたいになって…」ボリボリ


雪歩「あれ……あっ!」

真「雪歩、治ったのか!?」

雪歩「うん!」


小鳥「あー、手の甲痒い」ボリボリ

貴音「どうやら、痒みが収まる条件は特定できたようですね」

律子「おそらく、『プロデューサーに自分の痒い部分を認知させること』が
   条件と考えて、概ね間違いはないはずだわ」

律子「その証拠に、今、雪歩の手の甲には、ニョロニョロは付いていないし」

雪歩「ほっ……良かった」


千早(私達には、そんな生き物は見えないけれど)

美希(律子に口答えすると怖いから、黙って分かったフリしといた方が良いと思うの)

真(うん……美希の言う通りかも)

春香(とりあえず、解決策が見つかって良かったということで!ね?)


響(……うーんダメだ、やっぱ自分には見えないぞ)

律子(しかし、分からないわね……)


プロデューサーと同じ箇所を痒くすることが念能力の正体だとして、目的は何か?

今、受けている念能力について分かったのは、
『プロデューサーに自分の痒い部分を認知させること』
を能力の解除条件とすることのみ。


律子(現状で考えられる中で、最も可能性が高いのは……)


体の痒みをネタに、他者とのコミュニケーションを図ること…

すなわち、765プロアイドル達とのパーフェクト・コミュニケーションを
狙いとするプロデューサーの念能力であるという説か……

だが、律子は釈然としなかった。

このような些細な念能力に頼らずとも、プロデューサーとアイドル達との
コミュニケーションは概ね良好である。

律子(痴話話をしたいがための能力だとしたら、あまりにも大仰すぎる)


律子(そもそも、目的など無いとしたら?
   無意識的に、周囲の人間を巻き込む能力であるとする可能性は?)

律子(いいえ……能力の解除条件がややこしく設定されている以上、その可能性は薄い)

律子(……現状では、これ以上考えるのは無駄ね)

律子(プロデューサーの動向に気を配りながら、些細なオーラの乱れも見逃さず、
   状況を見守る)

律子(癪だけど、今はそうするしかない)

最終的に、律子はそう判断した。

……否、そう判断せざるを得なかった。


思いもよらない、底知れぬ目的を秘めた真犯人の手の上で踊らされているのではないか?

例え難い焦りを、律子は感じていた。

(まさか、彼女も念能力者だったとは……)

(だが、然したる問題ではない)



P「あーダメだ、全然痒みが収まらん」ボリボリ

律子「……………」

P「うー、クソ。頭がすげー痒いな」ボリボリ


律子「……!」

律子(今度は私か)

律子(ちぃ、予想以上に痒いわね)ボリボリ


美希「あ、律子、さん、頭痒いの?」

千早「プロデューサーと同じ……」

雪歩「ということは、律子さんにニョロニョロが付いたんですね」

律子「そういうことね……ま、解決策が分かれば何でもないわ」スッ

律子「プロデューサー、ちょっと頭が痒いのですが」ボリボリ

P「え、えぇ!?律子まで……やっぱり、俺のせい?」ボリボリ

律子「気をつけて下さいね」ボリボリ

P「は、はい……」(お、俺のせいなのか……?)ボリボリ


律子「ふぅ、収まったわ」

真「そうか、ただ自然にプロデューサーに言えば良いだけなんだ!」

響「そう考えれば、なんくるないさー!」

律子「そうよ、あくまでごく自然にね」


律子(さてと、念能力の正体を見極めないと……)


小鳥「あー、頭痒い」ボリボリ

P「うーむ、お腹が痒い」ボリボリ

春香「プロデューサーさん!お腹が痒いですよ、お腹!」ボリボリ

P「えっ……あ、そう」ボリボリ


P「うーむ、背中が痒い」ボリボリ

美希「ハニー、ミキも背中痒いの!掻いてあげるから、ミキのも掻いてね?」ボリボリ

P「あ、ありがとう……」ボリボリ


P「うーむ、歯茎が痒い」モゴモゴ

真「プロデューサー!歯茎が痒いので歯磨きしまーす!」シャコシャコ

P「おぉ……いい心がけだな」モゴモゴ


小鳥「あー、お腹と背中と歯茎痒い」ボリボリボリボリ

響「いいぞー、皆いい感じで切り抜けてるさー!」

貴音「このまま、何事も無ければ良いのですが」


P「うーむ………うぐっ」ボリボリ

P「うぐぐ……鼻の穴が痒い」ホジホジ


一同「!?」

P「あー、しかも結構奥の方がムズムズする」ホジホジ グリグリ

雪歩「ぷ、プロデューサー……鼻をほじってます……」ワナワナ…

真「ま、まさか……ボク達も、もしアレがうつったら……」

春香「そ、そんなのできないよ……」

律子「落ち着いて!別に鼻の穴をほじる必要があるとは限らないわ!」

貴音「律子嬢の言うとおりです。プロデューサー殿に、痒みを認知させるだけで良いはず」

千早「そうね、確かに……」


千早「!?」ビクッ

千早「………………」ブルブル…

美希「ち、千早さんどうしたの?」

千早「いいえ、別に……」ブルブルブル…

春香「千早ちゃん、もしかして、うつったの?……そうだよね?」

千早「くっ……!」ブルブルブル…


響「千早、めちゃくちゃ我慢してる……辛そうだぞ」

貴音「……如月千早、我慢する必要は無いのです」

千早「し、四条さん…」ブルブル…

貴音「プロデューサー殿に、ただ鼻の穴がムズムズすると、そう伝えるだけです」

貴音「何も不自然な会話ではありません」

千早「そ、それもそうね……」スッ


律子(……この胸騒ぎは一体……)

P「うぐぐ……さすがに鼻の穴をほじるのは恥ずかしい」ホジホジ グリグリ


千早「ぷ、プロデューサー…」

P「うぉっ!?ち、千早……」ビクッ

千早「………………」

P「すまん……今のは見なかったことにしてくれ」

千早「いいえ……既に、皆で見てましたから」

P「ま、マジか……ショックだ」

千早「いえ……それより私も、鼻の穴がムズムズしていて……」

P「えっ、千早もか!?」

千早「ええ……」

P「そ、そうだったのか、ごめんなー」

千早「いえ……」

P「って、俺が謝るのもおかしいんだけどさ、ハハハ」

P「いやー、何で皆、俺と同じ所が痒くなるんだろうなぁ」

P「本当に俺のせいなのかなぁ、ショックだなぁなんつって、ハハハ」

千早「ふふ……」


千早「………………」ブルブルブル…

千早(な、何故痒みが収まらないの!?)


律子(ば、馬鹿な……!)

春香「そ、そんな!千早ちゃん、プロデューサーさんにちゃんと伝えたよね!?」

美希「何で千早さん、まだ痒そうにしてるの!?」

雪歩「千早ちゃん、苦しそう……」

響「意味が分からないさー!反則だぞ!」


貴音「まさか……ただ伝えるだけでは駄目なのでは?」

真「そ、それって、つまり……!?」


律子「プロデューサーの前で、痒い所を掻いて見せること……それが必要なのかも」

一同「!?」

響「お、おい……それってもしかして……」

雪歩「今の千早ちゃんの場合……」

真「プロデューサーの前で、鼻をほじって見せる……ってこと、ですよね」

春香「そんな……千早ちゃんに出来っこないよ!」

美希「ハニーの前でそんな事やれないの!」

貴音「しかし……どうしようもありません」

律子「何てこと……」


千早(なるほど……皆が騒いだおかげで、察しがついたわ)

千早「くぅっ……!」ブルブルブル…

P「お、おい千早、大丈夫か?」ホジホジ グリグリ

P「ってすまん、鼻をほじりながら言うことじゃないよな」


千早「うっ………くっ……!」ブルブルブル…


千早(駄目……これ以上は………)

P「お、おい……ちは…」

千早「……………………」


千早「…………………………」ホジホジ グリグリ


P「ち……千早………お前何やってんだ……」

千早「………」ホジ…


千早「………………………………………」

千早「………………………」ズゥーン…

春香「ち、千早ちゃん……」

響「な、なんくるないさー!自分だってたまにするし!」

真「そ、そうだよ!元気出しなよ!」

雪歩「あの状況じゃ、仕方無いよ!」

美希「ハニーも、きっとそこまで気にしてないの!」


千早「………………………」ズゥーン…


律子「これは、思ったより重症ね……」

貴音「おいたわしや……心中お察し致します」

春香「千早ちゃん……」


小鳥「あー、鼻の穴痒い」ホジホジ グリグリ



(まずは一人、堕ちた……)

律子(この念能力……間違いない、やはり悪意があるわ!)

律子(早く念能力者を見つけなければ……必ず近くにいるはず!)


P「ううぅ……痒い痒い」ボリボリ


P「うぬ……乳首が痒い、両方とも」ボリボリ


一同「!?」

P「あー、何でこんなところが痒くなるんだよ、まったく」ボリボリ

春香「い、イヤだ……次のは絶対イヤ……」ワナワナ…

美希「もしミキだったら、恥ずかしすぎて窓から飛び降り…」

真「早まるな、美希!」

響「頼むー、来ないでくれー!」

雪歩「どうしよう~……」

貴音「もし当たったら……これも運命でしょうか」

律子(いけないわ、皆動揺している……無理も無いけれど)


雪歩「ひぅっ!?」ビクッ

真「雪歩!?」

雪歩「ま、真ちゃん……」ブルブル…

響「雪歩、大丈夫か!?しっかりするさー!」

雪歩「う……うぅ……」ブルブル…


春香「律子さん、どうにかならないんですか!?」

美希「恥ずかしい所が痒いのを、掻きながらハニーに伝えなきゃ治らないなんて、
   あんまりなの!」

律子「………………」

律子「……能力の正体が分からない以上、手の打ちようがないわ」

春香「そ、そんな……!」


貴音「ですが、女性であれば誰しも恥ずかしく、とても容易にできることではありません」

貴音「ただでさえ殿方との接触を苦手とする萩原雪歩にとっては、
   あるいは精神が壊れる可能性も……」


雪歩「ひぃ~ん……!」ブルブル…

美希「雪歩、大丈夫!落ち着くの!」

雪歩(そんな、乳首が痒いなんて、プロデューサーに言えないよぅ……)ブルブル…

雪歩(ましてや、掻いてる所を見せなきゃいけないなんて……)ブルブル…

雪歩(でも……でも……!)ブルブル…


雪歩「ひっ……くぅぅ……!」ブルブルブル…


真「………」スッ

雪歩「!……ま、真ちゃん…!」ドキッ

真「雪歩……一緒にプロデューサーの所に行こう」

雪歩「えっ?」

真「大丈夫……ボクが付いているから」

真「すごく、恥ずかしいだろうけど……乗り越えよう、一緒に」

雪歩「ま……真ちゃん……!」ジィーン…

P「ううぅぅ、猛烈に乳首が痒いぃ~~!」ボリボリボリ


真「プロデューサー」

P「うぉ、真に雪歩か。今度はどうした?」

真「雪歩、さぁ」

雪歩「う、うん………」

P「……?」

雪歩「あ、あのぅ……プロデューサー、私……」

雪歩「乳首が……痒いですぅ……」

P「…………え?」


雪歩「………………」ポリポリ

雪歩「ひぅ……………………」ボリボリ


P「なっ…………あの、えっ?」


真「話はそれだけです、それじゃあ」

雪歩「………………」


P「………………え?」ポカーン


小鳥「あー、乳首痒い」ボリボリ

真「良く頑張ったね、雪歩」

雪歩「う、うん………」

春香「おかえり、雪歩!」

美希「痛々しいカンジにならなくて良かったの!」

響「プロデューサー、ちょっと困惑してたけど、結果オーライだぞ!」

貴音「誠、ご無事で何よりでした」

律子(良かった……真が雪歩の助けになってくれて)



(二人目、とは行かなかった……)

(仲間同士の結束……侮ってはならないということか)

P(な、何だか良く分からんが……)

P(俺と同じ所が痒い子が、俺に話しかけにきて……)

P(それで……掻いてって、去って行く)


P(……ひょっとして、俺、皆に恥ずかしいことをさせているのでは……)

P「いやいやいやいや!俺何も知らねぇし、どういう…」


P「オウフ!?」ビクッ


P(い、いかん……まさかと言うか、ついにと言うか……)

P(こ、股間が……アソコが痒くなってしまった……!)ブルブル…

P(まさか、これも皆に伝染するのか……?)

P(まずいぞ……耐えろ、耐えろ俺……!)ブルブル…

P(いや、そもそも耐えて意味あるのか!?)


美希「ねぇ……ハニーの様子、何だかおかしくない?」

真「た、確かに……」

律子「また、新しい部位が痒くなったようね」

雪歩「もうイヤ……」

響「だ、大丈夫さー!雪歩に二連チャンは来ないって!」



貴音「あのご様子……まさか、殿方の大事な……!」

春香「……えっ!?」ギクッ

春香「それって……もしかして、もしかしなくても……!」

美希「い、イヤなの!あまりにもオゲレツなの!」

響「いや……待て、ちょっと皆落ち着くさ!」ティン!


響「もし……もしだぞ!?もし、今度はプロデューサーのアレが痒くなったとするだろ!?」

響「アレは、女の自分達には無いぞ……だからさ!」

真「ひょっとして、今回は大丈夫!?」

春香「うつらない!?」

律子「可能性はゼロではないけれど……」

雪歩「お願い、そうであって……!」


響「ひんっ!?」ビクッ

響「…………………」ブルブル…

貴音「響、どうしたのです!?」

響「残念だけど、全然そんな事無かったさー……!」ブルブルブル…

春香「響ちゃん、しっかりして!」


響「いや……大丈夫、自分には秘策があるんだ……!」ブルブル…

美希「秘策!?」

響「恥ずかしがるから、余計に恥ずかしいんだ……」

響「いっその事、勢いに任せてプロデューサーに大声で言ってやるさー!」ガバッ!

真「響、それは良い考えかも知れないよ!」

雪歩(わ、私にはとてもできない……すごい勇気……)


響「貴音!もしもの時は、自分の骨を拾ってくれ!」

貴音「えぇ、承知しました」


響「うおぉぉぉ!死なばもろともぉぉおーーーー!!」ダッ!

P(ぐぅぅ……こ、これはキツイ……!)ブルブル…

P(しかし、これがもし皆に伝染したとして……)

P(その時は、これまでと同じように、誰かが俺に話しかけに来るのか?)

P(それで……俺の目の前で、自分の股間を……)


P(それはそれで、ちょっと興奮…)

P「いかんいかんいかん!何を考えているんだ俺は、変態か!馬鹿!」


響「プロデューサー!!」

P「うおぉ!?……ひ、響か、どうした急に?」

響「プロデューサー、自分は股間が痒いさ!!」

P「うえぇぇ!?」


響「ふんがあぁぁぁ!!」ボリボリボリ!

P「えええぇぇぇ!?」


響「話はそれだけだぞ!!」ダッ!

P「ちょ、ええぇぇぇぇぇぇぇ!?」


P「…………………………」

P(何だか……逆に萎えた)


小鳥「あー、股間痒い」ボリボリ

響「ぜぇー……ぜぇー……どうだった!?」

貴音「勢いに任せて圧倒する作戦……お見事でした、響」

真「プロデューサーも唖然としてたし、一番ダメージ少ないんじゃない!?」

響「あぁ、そうさー!むしろ清々しいとさえ感じるぞ!」ドヤッ


春香(傍から見たら、変態の一歩手前だったけどね)

美希(響みたいにバイタリティある子じゃないと真似できないの)

雪歩(うぅ……強いなぁ、響ちゃんは……羨ましい)



(またしても、失敗したか……)

(だが、響なら、それもまた良し……)



律子「……………………」

律子(大体の察しは……ついた!)

P(やれやれ……今日一日こんな調子だと、全然仕事進まないな)ボリボリ

P「はうっ!」ビクッ


P「……………………!!」ブルブルブル…


春香「ぷ、プロデューサーさんの様子が、また……!」

律子「プロデューサー、今度はどこですか!?」

真「律子!?」

律子「あの様子だと、プロデューサーも薄々この能力のルールに気づき始めたはず…」

律子「それなら、今更コソコソとお互いに事情を探る必要も無いわ」


P「さ、さすがだな、律子……」ブルブル…

P「実はな……今度はどうやら、ケツの穴らしい……!」ブルブル…

一同「!?」

雪歩「お、お尻の……!?」

真「か、浣腸しなきゃ治らない……ってこと?」

美希「お、終わりなの……今度こそ、アイドルとして……女として終わるの!」ワナワナ…

貴音「お、お気を確かに、皆……!」


P「大丈夫だ……俺も、何となく事情は察している……」

P「お前達が、やりたくてやるわけじゃないってのは、もう分かったから……」ブルブル…


春香「そ、それでも……いやああぁぁぁっ!!」ダッ!

律子「春香、落ち着いて!」ガバッ!


小鳥「あー、お尻の穴痒い」ボリボリ グリグリ

春香「離して下さい!私、男の人の前でそんな事できません!!」ジタバタ

律子「だからと言ってどうするの!早まった真似はしないで!!」

春香「いやあぁぁぁぁっ!!もう死ぬ、窓から飛び降りる~!!」ジタバタ

律子「春香っ!!」


小鳥「あー、お尻の穴痒い」ボリボリ グリグリ

響「……あ、あれ?」

真「響、どうしたの?」

響「何かさ……おかしくないか?」

雪歩「…………?」


P「う、うぐぐ……」ブルブル…

貴音「………………」

春香「そう言えば、プロデューサーさんが痒くなってから結構経ったのに……」


美希「誰にもうつってない……?」

真「本当だ……誰にもうつってないみたいだ」

P「ほ、本当か……良かったな……」ブルブル…



(チッ……)イラッ


律子「……!!」

律子(今のオーラの乱れ……明らかに、動揺した!)


律子「……ようやく分かったわ、この念能力者の正体が」

一同「えっ!?」


美希「ほ、本当なの、律子!?……さん」

律子「えぇ、薄々変に思っていたのよ。千早が潰された時からね」

春香「千早ちゃんが…?」

律子「千早が鼻の穴の痒みを訴えた時、その犯人は彼女にこう言ったわ」

律子「何も心配はいらない、ただ痒いのを伝えるだけだから、と」

律子「そして千早は……いいえ、私達は、能力の解除条件の思わぬ落とし穴に気づき…」

律子「結果、楽観していた千早は絶望に突き落とされ、堕ちた」

真「……り、律子…?」

律子「雪歩の時もそう」

律子「千早の時よりも、もっと残酷に、露骨に不安感を煽るような話をしたわね」

律子「精神が壊れるかも知れない、と」

雪歩「あっ……」

律子「この念能力は、大いなる悪意の元に発せられたもの……」

律子「私達を、アイドルとして……女として堕落させるための能力」



律子「違うかしら、貴音?」

貴音「……………………」

響「なっ……」


貴音「ふっ……何を言い出すのかと思いましたよ、律子嬢」

貴音「私がそのような事をして、何の得があると言うのですか?」

響「そ、そうだぞ!貴音は何も関係ないさー!冗談だろ!?」


律子「私も、冗談であって欲しいわ」

律子「でも、私達の中で、痒みをうつされていない者がただ一人だけいる……それは事実よ」

美希「!」

春香「あっ!」

貴音「それは、たまたま私の運が良かったからに過ぎません」

貴音「いいえ、それすらも私には分かりかねる事ですが……」


律子「あくまでシラを切るという訳ね」

貴音「そこまで犯人扱いされるとは……心外ですね」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


雪歩「あ、あのぅ、二人とも喧嘩は…」オロオロ…

トテトテトテ…… サワッ

貴音「ひゃんっ!?」ビクッ


貴音「な、何奴っ!?」

律子「………!」


チュウ チュウ  トテトテトテ…


貴音「はぁ……ハム蔵でしたか、驚かさないで下さい、響」


響「貴音……」


響「……ハム蔵はずっと自分の頭の上にいるさー」

貴音「!?」

チュウ チュウ


貴音「なっ……!」

春香「どこにハム蔵がいたんですか、貴音さん……?」

美希「ミキには何も見えなかったの」

真「雪歩、貴音の足元に何かいた?」

雪歩「い、いや……分かんない、良く見てなくて……ごめん」

貴音「……ふっ、勘違いでしたか。失礼致しました、響…」


キシャアァァァァァ!


貴音「きゃあ!」ビクッ

貴音「こ、今度はへび香……?何で事務所に連れて…」

響「へび香は事務所に連れてきていない。今は自分の家にいるぞ」

貴音「!?……なっ…」

響「今のへび香も……さっきのハム蔵も……」

響「どっちも、自分の念能力なんさー」


貴音「!!」

響「まだ特訓中だから、『凝』とかは苦手なんだけどね……えへへ」

春香「えっ……えっ?」

律子「念能力は、基本的に念能力者にしか見えない。私には見えていた」

律子「そして貴音……あなたにも見えていた」


貴音「………………」

律子「響が念能力者だった事にも驚きだけど、これで言い逃れはできないわね?」


響「いや、待ってよ律子!貴音が念能力者なのは分かったけどさ!」

響「今回の念能力が貴音のものだって、決めつけることないだろ!」

貴音「……………………」

響「何で黙っているんだ、貴音!何とか言ってやれよ!」

響「こんなひどい念能力が、貴音のものである訳無いよな!?」


貴音「ふっ……もはや隠す必要もありませんね」

響「えっ……!?」

律子「…………」

貴音「私の念能力は…」

貴音「961プロに仇なす愚かなアイドル達を排除するためのもの」


  ムーンライト・フラワー        シェイム・トリップ
“月を望む高嶺の華  -第一章 散菌交体-” (特質・放出系)

・見た目的には、禍々しくなったムーミン谷のニョロニョロや、
 もののけ姫のコダマ(上半身のみ)のような姿。
・961プロに敵対するアイドル事務所の中核的人物に寄生し、1~2週間程度の
 潜伏期間を経て、体中に痒みを発症させる。憑念の一種。
・寄生された者は、周囲に痒みを撒き散らす苗床となる。
・痒みを伝染された者は、苗床となった者に自分の痒みを申告し、掻いてる様を
 見せると治る。
・苗床となった者は、術者である貴音が倒されるか、貴音が能力を解除する以外に
 治る方法が無い。

響「たっ、貴音……」

春香「貴音さん……?」


貴音「ちなみに、先ほど皆は勘違いをされていましたが…」

貴音「プロデューサーのお尻の痒みは、ちゃんと他者に伝染していたのですよ?」

美希「えっ!?」

雪歩「そ、それは一体……」

貴音「…………」スッ


小鳥「あー、お尻の穴痒い」ボリボリ グリグリ

P「こ、小鳥さん……?」

小鳥「へっ……?何ですか、プロデューサーさん?」ボリボリ グリグリ


小鳥「あれ、治った」


一同「…………………」


小鳥「あー、またしても股間痒い」ボリボリ

貴音「見ましたね?彼女は、私の念を受ける前からこうでしたが…」

貴音「ゆくゆくは、貴方達もこうなるのです」

貴音「人前で、恥も外聞も無く、体のあちこちを掻いて回る、愚かな女にね」


春香「そ、そんな……」

貴音「そんなアイドルと、私達961プロのアイドル…」

貴音「どちらにファンの支持が集まるかは、自明の理でありましょう」


P「な、何ておそろしい事を……ぐっ……!」ブルブル…

律子「プロデューサー、しっかり!」

真「貴音!どうしちゃったんだよ!?ボク達、仲間じゃなかったのかよ!!」

雪歩「そ、そうですよ四条さん……私、四条さんに何度も励まされて……!」


貴音「仲間?……ふふ、そんなものはアイドルに必要ありません」

貴音「この業界は、喰うか喰われるかです。馴れ合いに意味を求めるのは愚かですね」

真「貴音っ!!」


貴音「さて……後はただ時が過ぎるのを待てば良いのですが…」

貴音「念能力者は、後々私達の脅威となるやも知れません。よって……」

貴音「この場で、私が直接排除致しましょう」

律子「!」


貴音「律子嬢……そして、美希」

美希「!?」

美希「えっ……な、何で!?」

貴音「私の念能力にいち早く気づいたのは、律子嬢ではありませんでした」

貴音「その時はあなたも、ただプロデューサー殿の体臭がいつもと違うとだけ
   感じたのでしょうね」

美希「!……あ、あの時の」


貴音「さすがは黒井殿が目をかけたアイドル、と言った所でしょうか」

貴音「ですが、敵対するのであれば、例え覚醒していなくとも容赦は致しません」

美希「うぁ……ああぁ……!」

律子「美希!私の後ろに下がりなさい!!」


  ムーンライト・フラワー         エグゼキューショナー
“月を望む高嶺の華  -第二章 舞化生捌刀-”

貴音「覚悟っ!」


ワオオォォォォン! ドカッ!

貴音「ぐっ!?」

貴音「これは……そうですか、あなたの犬……もとい念能力ですね」

ガルルルルルルル…

響「いぬ美、ハウス!」

パシュゥゥ…


 シャイニー・スマイル
“家族達との絆” (具現化・放出系)

・響の飼っているペットを実体化し、使役する。
・術者である響自身が実際に飼っているものしか実体化できない。
・放出系能力者である響は具現化系能力との相性が悪いが、上記の制約とペットとの
 絆により、比較的高い精度でペットを実体化させる。
・響とペットとの絆が深ければ深いほど、より細密に実体化することができ、強い力
 を発揮することができる。


響「貴音……こんなこと止めるさー」

貴音「いいえ、響。あなたは優しいから気づかぬだけでしょうが……」

貴音「黒井殿から授かったこの念能力、いずれ脅威となる者を排除するために今…」


響「止めろって言ってんだろ!!!」

響「何やってんだよ、貴音……」

響「そう言えば2週間前、貴音さ……961プロに行ってたよね?」

響「黒井社長に何を言われたんだ……教えてよ、貴音……!」


貴音「何も言われてなどいません。私は正常ですよ」

貴音「響、あなたも黒井殿に認められた者です」

貴音「私達と共に、高嶺を目指しましょう。そうであれば、悪いようには致しません」


響「だったら……謝ってよ」

貴音「?」

響「皆にひどい事したのを謝ってよ、貴音!!」


雪歩「ひ、響ちゃん……」

響「お願いさー……自分、貴音を嫌いになりたくないぞ……」

貴音「…………響」

貴音「所詮、あなたも馴れ合いの輪の中にいたいだけ……そうなのですね?」

響「!!」


貴音「残念です、響……唯一、心から分かり合える友と思っておりましたのに」

響「た、貴音……!」

貴音「3人まとめて、消え去りなさい」

律子「まぁまぁ、落ち着きなさいって」

貴音「……?」

春香「り、律子さん……何か、顔がホッコリしてますけど……?」

律子「えぇ、あなた達がお喋りしている間に、ようやく終わったのよ」


律子「プロデューサーの『除念』がね」


貴音「!?」

響「えっ……『除念』だって!?」

   タスク・マネージャー
“懸念事項強制処理者” (具現化系)

・他者の憑念を解析し、除去、処理する人型の念獣を作り出す。除念の一種。
・念獣が除念に要する時間は、憑念の強さに比例する。
・除念後、念獣は知的労働への対価と称し、術者である律子に報酬を求める。
・律子は、念獣が求める報酬を、念獣が指定する期日までに支払わなければならない。
・労働時間(除念に要した時間)が長いほど、より厳しい報酬、期日となる事が多いが、
 報酬の法則は律子自身にも不明である。
・期日までの支払いに応じない場合、念獣は無期限のストライキを起こす(強制的に
 律子が『絶』の状態になる)事がある。

P「ふぅ~~……良く分からんけど、本当に痒みが収まったよ。ありがとう、律子」

律子「いいえ、どう致しまして」


念獣『マッタク、イイ気ナモンダゼ。アンタハ見テタダケダロウガ』カチャカチャ…

律子「あら、あなたを呼び出したのは私よ?」

律子「それに、何事もギブアンドテイクなら、文句は無いんでしょう?」

念獣『ケッ、良ク分カッテンジャネェカ』カチャカチャ… シャキーン

念獣『出タゼ。今回ノ報酬ハ……』

念獣『ろーそんノぷれみあむろーるけーきヲ16個、ぷれみあむてぃらみすヲ15個、
   アトハ手包ミくれーぷト、だぶるちーずけーきヲ4個ズツダ』

律子「ちょっ……大した労働時間じゃないのに多くない!?」

念獣『ツベコベ言ウンジャネェ。知的労働ノ後ハ、甘イ物ガ欲シクナルンダヨ』

念獣『今週ノ金曜マデニ出セヨ、ジャアナ』バシュゥゥ…


律子「まったく……せっかくお金を節約してきたのに」

すみません、20分ほど席を外します。保守していただけると嬉しいです。
よろしくお願い致します。

再開します。

貴音「律子嬢……まさか、あなたが除念師だったとは」

律子「普段の会話で、そんな話しないものね。さてと……」スッ


美希「?……な、何、律子…さん?」

律子「美希、私の念能力は戦闘向けではないの」

律子「それに、もし貴音と響が戦う事になったら、おそらく響は分が悪いと見てるわ」

響(手厳しいさー、律子……まぁ、実際そう思うけど)


律子「だからね、美希……今、あなたを念能力者として覚醒させます」

美希「えっ?」

律子「あなたの眠っている体に喝を入れ、精孔を開く」

律子「オーラも見えるようになるから、それをどう扱えるかはあなた次第よ」

美希「ちょっ、ちょっと!何言ってるか分からないの!」

貴音「そうはさせません!」ダッ!


響「へび香!貴音の右手に巻きつけ!」

キシャアァァァァァ! ガシィッ!

貴音「!……くっ、小癪な真似を!」

響「律子、美希!自分が持ちこたえておくぞ!」

美希「そんな!ちょっと待って、ミキ何にも分からないの!」

律子「説明している時間は無いわ。あなたの天性を信じるしかない」

律子「行くわよ……喝ッ!!」ドンッ!


美希「!?……う、うわあああぁぁ!?」

律子「見えているわね?それが、あなたの体を流れるオーラよ!」

美希「だから何なの!?」

律子「まずは、そのオーラをコントロールする事を考えて!」

美希「む、ムリー!」

貴音「ぐっ……えぇい離れなさいっ!」バシィッ!

パシュゥゥ…

響「へび香!くっ…!」


貴音「どきなさい、響。これ以上は容赦できませんよ」

響「イヤだぞ!今の貴音を見過ごすことはできないさー!」


響「ブタ太!ロケット頭突きだ!」

ブヒイィィィ!

ブオン! ザシュッ!

響「うっ!……うぎゃああぁぁぁぁっ!!!」

パシュゥゥ…


春香「ひ、響ちゃん!?」

真「変な日本刀みたいなので斬られた!」

響「うっ……ううぅぅぅ……」

貴音「………………」


  ムーンライト・フラワー         エグゼキューショナー
“月を望む高嶺の華  -第二章 舞化生捌刀-” (特質・具現化系)

・日本刀を具現化した念能力。
・日本刀に斬られた者は、斬られた体の部位が強制的に『絶』の状態になる。
・『絶』の状態になる期間は、概ね一週間程度。
・斬られる事による身体的な外傷は無いが、痛みは本来の日本刀で斬られる時と
 同等であるため、場合によってはショック死することもある。


貴音「右手を斬りました……あなたの念能力は、右手からしか発せられないのでは?」

響「ぐっ……!……うぐぅぅ……」


貴音「この能力を使うのは、あなたが初めてです」

貴音「まさか……あなたが最初になるなんて……」

美希「げぇーっ!?何だか良く分からないうちに、響がピンチなの!」

律子「美希!早く念能力を!」

美希「何でもかんでも押し付けないでよ!ミキ、どうすればいいか分からないってば!」


貴音「響……」

響「た、貴音………」

貴音「……………………」


貴音「…………………………………………………………」

春香「ちょ、ちょっと待っ……うわああぁぁぁ!!」ドンガラガッシャーン

貴音「!?……春香?」

真「雪歩!響を頼む!」

雪歩「うん!さぁ、響ちゃん」

響「う、うぅ………」


貴音「何のつもりです。念能力も使えない者が、邪魔をしないで下さい」

春香「あーそうですよ!そんなの私達、全然知りません!」

真「でも、それよりも大事なものをボク達は知ってる!貴音はもっと知ってるはずだ!」

貴音「何を?」

真「何度でも言ってやるさ!絆だっ!!」

貴音「ふっ……またその手合いの話ですか、いい加減に…」


春香「じゃあ何で!貴音さんは今、響ちゃんを見て躊躇していたんですか!?」

貴音「……!」

春香「トドメを刺せる状況だったんじゃないんですか!?何で!!」

貴音「そ、それは……」


真「ボク達は知ってるよ!二人がどれだけ仲が良かったか!」

真「一番の仲良しである響を、貴音が傷つけるなんて!貴音自身が望むわけが無い!!」

貴音「な、何を言って…」


千早「し、四条さん……」ヨロッ…

春香「ち、千早ちゃん!大丈夫!?」

千早「えぇ……しばらく休んだら、大分落ち着いたわ」


貴音「如月千早……」

千早「四条さん……さっきあなたが話していた事、少し聞こえていたけれど……」

千早「確かに、馴れ合いでトップに立てるほど、この業界は甘く無いのかも知れない」

千早「時には、他の人を蹴落とす非情さも必要なんだと思う」

GIから読んでて知識が半端なんだけど 具現化したら念は一般人にも見えるの?

千早「でも、私達は……少なくとも私は、自分を支えてくれる仲間がいることを、
   誇りに思うわ」

千早「馴れ合いだと周囲に思われようが、そんな事はどうだっていいの」

千早「励まし合い、認め合い、競い合い、同じ夢を追いかける仲間を、私は大事にしたい」


貴音「………………」

千早「今、ここで私達を蹴落とすと言うのなら、好きにしてくれて構わない」

千早「一緒に走り続けてきた仲間が成功していくのなら、悔いは無いわ」

>>156
解説サイトを見ましたが、念能力を持たない者にも、具現化した念能力は見えるらしいです。

そうすると、>>98~105辺りまでの件は矛盾しそうですが、
そこは響の念能力と書き手の未熟さとして受け取っていただけると嬉しいです。

貴音「………馬鹿な」

貴音「理解できません」

貴音「理解できません…」


貴音「いや、違う………う……う………」ヨロッ…

千早「………四条さん?」

春香「どうしたんですか、貴音さん!?」

響「貴音……頭が痛むのか!?」

真「貴音、大丈夫…」


貴音「近づいてはなりません!!」ブンッ

真「うわわっ!」

雪歩「真ちゃん!」

春香「あ、あっぶな~……今の間一髪だったよ、真」


貴音「違う………理解……したくない………」

響「貴音……!」

美希「……ほ、本当に行くの?」

律子「大丈夫よ、試運転はバッチリ!その結果がアレよ!」ビシッ


P「ぐぅぅぅぅぅぅぅ………」Zzzz…

小鳥「ずごごごごごご………」Zzzz…


律子「自信を持ちなさい!それっ!」ドンッ

美希「う、うわぁっ!」

美希「と、とと……」

春香「あ、美希」


貴音「………美希、ですか……今、私に近づかないで………」

美希「た、貴音、あのね……あの………」


美希「ちょっとミキ、眠いから……欠伸をするの」

貴音「……………えっ?」


美希「んーと……あ…あふぅ」

貴音「…………?」キョトン


貴音「!?………む……くっ………」ヨロッ…

貴音「こ、これは………いっ……たい…………」ヨロヨロ…


貴音「…………………」バタッ


貴音「スゥー………スゥー………」Zzzz…


美希「あっ……上手くいったみたい」

律子「上出来よ、美希」


スリープ・ブリーズ
“阿封の呼吸” (操作系)

・術者である美希の欠伸を見た者一人を眠らせる。
・おそらく、対象を眠らせる以上の効果は無いと思われる(律子談)が、詳細は不明。

春香「す、すごい……良く分からないけど、もう念能力?……を使えるようになったの?」

美希「えへへー、まぁねー」ドヤッ

響「自分は、2ヶ月は特訓したんだけどなぁー」

真「やっぱ、美希って凄いんだな……」

美希「えっへん!」ドヤッ


律子「安心するのはまだ早いわ」

雪歩「り、律子さん……?」

律子「さっきの貴音の様子……やはり、何者かに操られていた可能性が高い」

響「自分も、誰なのかもう察しは付いてるぞ…」

千早「おそらく、ここにいる皆が感づいているわ」

春香「やっぱり、さっきまでの貴音さんの様子、変だったよね……?」

響「当たり前さー!いくら貴音でも、真顔であんな事言ったりやったりしないぞ!」

響「ういてててて……」

雪歩「響ちゃん、大丈夫!?無理しないで…」


律子「見なければならないわ…」

律子「彼女がなぜ、黒井社長に忠誠を誓い、私達を排除しようとしたか…?
   理由が…」

律子「ここにあるッ!」バサッ

ヒクヒクヒク ヒクヒクヒク

真「なんだ?この動いているクモのような形をした肉片は?」

春香「き、気持ち悪……!」


響「あっ……じ、自分聞いたことあるぞ……噂で」

律子「響、これは一体……」


響「それは黒井社長の念からなる『肉の芽』……貴音の脳にまで達している」

響「このちっぽけな『肉の芽』は……貴音の精神に影響を与えるよう
  脳にうちこまれている!」

響「つまり…この肉の芽はある気持ちをよび起こすコントローラーなんだ!」


  カリスマ
“肉の芽” (具現化・操作系)

・ヒトラーに従う兵隊のような気持ち!邪教の教祖に憧れる信者のような気持ち!
・対象となる生物の脳に打ち込むことで、対象を操作する。
・肉の芽を打ち込まれた者は、黒井社長に憧れ、絶対の忠誠を誓う。

響「噂には聞いていたけど、本当にあったなんて……」

真「ど……どうすれば治るんですか、コレ?」

美希「ムリヤリ引っこ抜くとか……」

雪歩「たぶん、ダメだと思う……それ」


律子「方法はあるわ」

響「……そうか!律子の除念能力で!」

律子「ただ……今日だけで一度もう使ったからねぇ」

律子「またアイツを呼び出す事を考えると……はぁ」


千早「でも律子、このままにしておく訳には……」

春香「貴音さんがこのまま起きちゃったら、また大変な事になっちゃいます!」

律子「それもそうね……四の五の言ってられないか」


   タスク・マネージャー
“懸念事項強制処理者”

念獣『オイオイ、サッキ仕事シタバカリダロウガ』

律子「ごめんなさい、どうしても至急やって欲しいの」

念獣『第一、サッキ要求シタ報酬モ支払ワナイママ、マタ働ケッテカ?』

律子「その分、今回の報酬は弾むわ。だからお願い、彼女を助けて」


念獣『イヤダネ、命令ハ聞ケナイ』

念獣『俺ハ疲レテンダ。術者デアルアンタダッテ、疲レテ…』

律子「これは命令ではないわ、“お願い”よ」


念獣『?』

律子「私達の仲間を助けて……この通りよ」ドゲザ

念獣『オイオイ……』

雪歩「り、律子さん……」


一同「お願いします!!」ドゲザ


念獣『…………………』


念獣『……術者ノアンタガ、念獣ノ俺ニ“オ願イ”スルナンザ、滑稽ダゼ』

念獣『ショウガネェーナ、報酬ハ覚悟シトケヨ』カチャカチャ…

(………………………)

(ここは………)



黒井「良く来てくれたね、貴音」


貴音「黒井殿、お久しぶりですね」

黒井「ああ、君も元気そうで何よりだ。765プロの居心地はどうだい?」

貴音「はい、皆にはとても良くして頂いております」

黒井「それは良かった。しかし……」


黒井「君は、その馴れ合いの輪の中にいて、満足なのかな?」

貴音「?……不満はありませんが、何か?」

黒井「いや何、ちょっとしたお節介さ」

黒井「もし君が、本当にトップアイドルを目指すのなら……今の輪にいるのは勧めない」


貴音「………黒井殿、おっしゃる意味が分かりかねます」

黒井「言葉通りの意味だ。馴れ合っているようでは、トップアイドルにはなれんよ」

貴音「皆、あれだけ努力をしているのです。彼女達を悪く言うのは止めて下さい」


黒井「努力や根性だけでトップに立てるのなら、誰でもトップに立てる」

黒井「しかしな、実際は一人だけしか立てんのだ。どういう意味か、分かるね?」


貴音「……黒井殿、そろそろ私を呼んだ理由をお教えいただきたいのですが」

黒井「あぁ、そうだったな。ふふ……」コツ… コツ…


貴音「…………!」バッ ガチャッ


ガチャガチャッ

貴音「!?」

黒井「無駄だよ、君は逃げられん。君の念能力の射程距離も熟知している」コツ… コツ…

貴音「な、何をなさるおつもりですか……」


黒井「君は、これまで出会ったどんなアイドルとも違うモノを持っている」コツ… コツ…

黒井「特質系の念能力……これを有効に使わない手は無い」コツ… コツ…

コツ…


黒井「君の夢を叶えてあげるだけさ」

黒井「我が961プロの下でね」


キャバパアァァァ! ピジュル ピジュル ピジュル ジュルジュル



貴音「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

貴音「ハッ!!?」



響「貴音、大丈夫か!?」


貴音「?………こ、ここは……」

春香「事務所の休憩室だよ!」

貴音「事務所………765プロの……?」


千早「ずっとうなされていたわ、四条さん。もう夕方よ」

真「雪歩なんて、貴音が目覚めるまでの間、泣いていたんだぞ」

雪歩「だって…本当に辛そうで……死んじゃうかもって……」グスッ…

美希「ミキの念のせいで死んじゃったら、シャレにならないの!」

貴音「皆……レッスンは………」

響「そんなの関係ないだろ」

春香「プロデューサーさんが取り計らってくれて、今日はナシになったんです」

貴音「そうでしたか……」


貴音「………私は……皆にひどいことを、したのですね」

響「うぅん……自分も、貴音に乱暴なことしちゃったし………いいんさ、えへへ」

貴音「響………」

律子「……と言うわけで、このデザート代は経費として落ちますよね?」

小鳥「えっ?……い、いやぁ、個人のお菓子代とかは、ちょっと……」

律子「人の話を聞いていましたか、小鳥さん?」ギロッ

小鳥「ひっ!も、もちろんですハイ!落ちます落ちます!!」

律子「それは良かったわ。じゃあコレ、今すぐ買出しに行って来て下さい」

小鳥「えっ、ええぇぇぇぇ!?だってコレ、一店舗のローソンじゃ足りない個数の…」

律子「時間が無いんですよ?」ギロッ

小鳥「ひいぃぃぃぃ!!た、ただいますぐにぃぃぃぃぃ!!」ダッ!


律子「…………」ギロッ

P「あ、小鳥さーん。俺、車出しますよー」ダッ!

律子「ふぅ……とりあえず何とかなりそうね」


ガチャッ

貴音「律子嬢……」

律子「あら、貴音。もう大丈夫なの?」

貴音「ええ……ご迷惑をおかけ致しました」


貴音「許してくれなどとは申しません。ただ、謝らせて下さい」

律子「ああ、いいのいいの。いちいちそんな事で謝らないでよ」

貴音「しかし……」


律子「仲間でしょう?」

貴音「律子嬢……」

律子「お互いに迷惑かけ合ってんだし、いちいち謝ってたらこっちだって面倒なのよ」

春香「そうそう!とりあえず、もういいよね?ね?」

千早「えぇ、もちろんよ」

響「自分が『絶』の間、ちゃんと自分を守ってもらうぞ!貴音!」

美希「あふぅ……疲れたから、ミキはもう寝るの」

真「うっ……急に眠気が………」バタン

雪歩「ひぃ~ん、真ちゃんしっかりしてー!」


貴音「………ありがとうございます、皆」ジィーン…



ガチャッ

伊織「ちょっとー、伊織ちゃんが帰ったわよー」

やよい「うっうー、お疲れ様ですぅー!」

あずさ「あらあらー、皆してどうしたのかしら~?」

亜美「すっげ→楽しそうなことしてたんだよきっと!」

真美「ちょっとー、そういうの真美達も仲間に加えてよ→!」

律子「……やれやれ、仲間に入れてほしい?」

伊織「何よ、当たり前じゃないの!ていうか仲間でしょ!?」

あずさ「うーん、抜け駆けは良くないと思うわねぇ~」

やよい「話題についていきたいですぅー!」

亜美・真美「ずーるーい!ずーるーい!」


律子「じゃあ、念能力のレッスンも加えるよう、プロデューサーに提案してみようかしら」



 かくして、765プロのアイドル達は、各々の念能力を身に着けるべく、
 過酷な特訓に身を投じることとなった。

 やがて彼女達は、アイドル業界に渦巻く異能者達の大いなる陰謀に
 立ち向かうことになるが、それはまた別の話。


~つづかない~

元々は、ただ痒いのが伝染していくだけの痴話話にするつもりが
いつの間にか、能力者バトルになっていました。

ジョジョっぽかったのも、メタリカを登場させてから、何かが狂ったのかも知れません。

ただ、HUNTER×HUNTERじゃないキャラが、どの念能力の系統に分類されるかを
妄想するのは、とても楽しい。

矛盾の多いSSにお付き合いいただき、ありがとうございました。

ひびたかは永遠に不滅です。

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