美琴「軽音部かぁ~」(126)

―桜高校・音楽準備室

美琴「あ、あの…すいませ~ん」ガラッ

紬「はい?」

澪「ぅん?」

唯「え?」パクパク

律「…お」

美琴「え、…えっと」

紬「あら、何かご用でしょうか…?」

澪「えっと、靴の色からして、新入生の方で?」

美琴「あ、はい…そうです」

唯「新入生の人が何の用なんだろうね、りっちゃん?」パクパク

律「えーと、校内で道に迷ってたまたまここにたどり着いたとか…?」ウ~ン

美琴(あれ…?)

美琴(やたらお菓子を食べてる人の声…なんだかすごく聞き覚えがあるような…?)

美琴(ま、まあ気のせいよね…?)

美琴「あ、いや、その…たまたまとかそういうのじゃ…」

澪「そうだぞ律。そんな唯みたいな人がそうそういるわけないだろ」

唯「え~!? ひどいよ澪ちゃん!?」

紬「あっ」

澪「どうしたムギ?」

唯「どしたのムギちゃん…?」

美琴(ム…ギ…ちゃん!?)

美琴(無関係とは言え…、何か嫌な奴の顔が脳裏に…!)

律「あああっ!!!」

澪「お前までどうしたんだ、律?」

唯「りっちゃん教室に忘れ物でもしてきたの?」

美琴(そういえば、あのカチューシャの人…リツ…さん?)

美琴(以前どっかで会ったような気が…?)

美琴(いや、…気のせいかしら…?)

紬「ひょっとして…!」

律「うちの部に見学に来た人とか…!」

美琴「あ、その、…!」

澪「そ、そうだったのかっ!?」

唯「ほんとにっ!?おいでおいで~お菓子もあるよ~」

澪「おい…唯、ここにあるのは皆ムギが作ってくれた奴だろ…」

紬「あら、いいのよ澪ちゃん。私気にしてないから」

律「ちょっ!?唯~!私の分にまで手を出すなって!」サッ

美琴(ま、まずいわ…)

美琴(私、上手く表現できないけど…)

美琴(すごいのっぺりとしたペースに飲み込まれつつある気がする…!)

美琴(は、早く…、はっきり伝えなきゃッ!!)キッ

美琴(け、軽音部に入りたいです、…って!)

澪「あ、えっと…見学の人でしたっけ?」

律「どうぞどうぞもっと中の方へ…!」

紬「今お茶とお菓子を用意しますからね~」

美琴「あ、あの…! ちょっと聞いてください…! 先輩方!」

唯「ん、何~?」

美琴「わ、私…!」

唯「わ、」チラ

澪「わ」チラ

紬「た」チラ

律「し…!」ヨシッ

美琴「軽音部に、入りたいんですッ!!」

唯「」

澪「」

紬「」

律「え」

美琴(い、言っちゃった~///)

澪「」

紬「」

律「…」

唯「い、今…何と…?」

美琴「え…、いや、ですから…、軽音部に入部…したいな~、って」

唯「わああああ…!!」パアアア

澪「ほ、ホントにか…!!」パアアア

紬「ゆ、夢じゃないのね…!!」パアアア

律「っしゃああ」ダッ

美琴「え」

律「確保おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ」バッ

美琴「ひっ!?」

美琴「ひいいいいいいいい!?」

ビリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

―5分後

律「も、もぉ~…、電気使えるんなら予め言ってよ~」シュー

美琴「ごめんなさいッごめんなさいッごめんなさいッ…!」ペコペコ

澪「―いや、さっきのはいきなり飛びかかった律の方が悪いだろ」マッタク

唯「でもびっくりしちゃったね」アハハ

紬「電気系統の能力って、持ってたらすごく便利そうよね~」

唯「そうかな~、私はムギちゃんの持ってるような力が欲しかったな~」

律「確かにムギのも便利だよな。材料さえあれば料理できるし~」

―更に5分後

律「えええええええええっ!?」

澪「…レ、レベル5だったのかっ…!?」

唯「すご~い!!」

紬「聞いたことがありますよ…!ひょっとして常磐台中学校出身の超電磁砲さんっ…?」

美琴「あ、はい…まあ、そんな感じです…」

律「と、とりあえずコレ記入して…!」つ入部届

唯「早く早く~」

澪「せかすな」

美琴「あ、はあ、はい、…」カキカキ

澪「その前にお互いの自己紹介のほうが先だろ…」

紬「お茶が入りましたよ~」カタッ

美琴「あ、どうもありがとうございます」ズズズ

紬「お口に会えばいいのだけれど…」

美琴「わあ~!とってもおいしいです…!」コトッ

唯「でしょでしょ~」

律「お菓子もいっぱい食べてくれよな…!」

澪「自己紹介…」

美琴「こ、こんなにいっぱいタ、タダで食べちゃっていいんですか…!?」

美琴「高級な銘柄のばかりだし…!」

紬「あら、やっぱりわかる~」ウフフ

唯(お嬢様だ~)

律(お嬢さんですな~)

澪「自己…」

澪「あ~もうっ」バンッ

美琴「え!? ど、どうしました…?」

律「あ、気にしないでいいよ。澪はたまにパンクするから」

唯「澪ちゃんもはい、お菓子あげるよ~」

紬「おかわりはいっぱいあるから安心してね♪」

美琴(み、澪先輩っていうんだ…)

美琴(ムギ…さんもだけど…)チラリ

紬「?」

美琴(この人…!)

澪「ん、どうした?」ボイーン

美琴(めちゃくちゃ大きい……)ショック

美琴「律さん…!」

律「ん? どしたの~」ペタン

美琴「ちょっとだけほっとしました…」ホッ

律「へ?」

唯「???」

澪「ってそれより…!」

唯「どしたの澪ちゃん? トイレ?」

律「しょうがないな~連れでついてってやるよ」

澪「ちが~うッ!!」

紬「なかなか話が先に進まないわね~」

美琴「分かっててボケてたんですか…?」

律「と、いうわけでお互いの自己紹介を始めようではないか~皆の衆」

唯「お~」

紬「お~」

美琴「お、お~」

澪「 や っ と 、ここまで来たか…」ツカレタ

律「その前にトランプでもして遊ぼうぜ」シャシャシャ

唯「何やる?」

紬「美琴ちゃんの好きなものをやりましょうっ…!」

美琴「え、私ですか? …えーと、…ポーカーとかどうですか!」

澪「大勢なら大富豪とかもいいな…!」

澪「ってちが~う!!」

律「ポーカー嫌なのか?」

美琴「あ、別に私、大富豪でも全然オッケーですよ…!」

紬「大富豪って地域によっては大貧民って言ったりもするわよね~」

唯「えーと、どんなルールだったっけ…?」

律「おいおい唯、昨日も確かやったぞ…」

紬「革命はありよね」

美琴「何か縛りもつけます?」



澪(…もう、後でいいか…自己紹介…)ハア

―10分後

紬「勝ちました~」ブイッ

美琴「ムギさん強いですね…!」

唯「三着~」

律「やーい、大貧民め~」

澪「律にまで負けるなんて~!?」ショック~

―それから30分後

紬「ごめんね澪ちゃん…」

美琴「だ、大丈夫ですか澪先輩…」

唯「澪ちゃんどしたの? 顔色悪いよ?」

律「そろそろ別のことして遊ぶか…?」



澪「ぅ、…ぅん。そうしてくれ…」グッタリ

―それから30分後

紬「嶺上開花~!」スチャッ

美琴「ええっ!? ま、またですかっ!?」アゼン

唯「?そんなにすごいの…?そのリンなんとかってやつ…?」パクパク(※見てるだけ)

澪「あ~もうッ…!!」プシュー

律「そうテンパるなよ澪ちゃ~ん」クスクス

―更に30分後

澪「こ、こ、国士無双ッ―――――――――――――――――!!?」(※交代した)

唯「え? これが?ってそれなあに??」カチャカチャ

律「」

美琴「マジっすかッ!?」

紬「唯ちゃんすご~い!」

律「ちょっと待つんだ皆…!」ガタッ

律「さっきから私達は一体何をやっているんだッ…!?」

律「ここは軽音部なんだぞッ!!」

律「しっかり練sh」ボカッ

澪「…都合が悪くなったからって急に態度を変えるな」

律「うわ~ん澪が殴った~!!」イタイヨ~

美琴(み、澪さんって意外と暴力的…?)

紬「そろそろ…下校時刻ね」

唯「帰ろっか~みこにゃん~」ギュッ

美琴「ゆ、唯先輩~あんまくっつかないでくださいよ~」ム~

美琴(…何でだろ)

美琴(これが黒子だったらすごく鳥肌立つけど…)

美琴(唯先輩だと…何だか全然嫌じゃないっていうか…///)

美琴(…ヘンな下心とこか全然感じないからかな?)

紬「食器のお片づけ終わりました~」

律「じゃ、帰ろ~ぜ」

澪「まあ、もう、今日は遅いし…そうだな、今日はもう帰ろうか」ハア

唯「よしよ~し、帰ろうね、ギー太~」

美琴「ギー太…?」

澪「あ、ああ、…唯は自分のギターに名前を付けてるんだ」

律「まあ…可愛がってるっていうか…」アハハ

美琴(あ、…そういえばここ軽音部だったっけ)

美琴(何ていうか…すっかり忘れてた)

紬「あら、美琴ちゃんの鞄についてるお人形さん…可愛らしいわね~」

唯「あ、ほんとだ~」

澪「どれどれ…?」

律「何これ? カエル??」

美琴「ああ、これはゲコ太っていうマスコットキャラなんですけど…」

美琴「とっても可愛いですよね…!!!」

唯「うん、とってもかわいいよ~!」サワッテイイ?

紬「私もお揃いのを買おうかしら~」

澪(う、う~ん…)

律(まあ、人にはいろんな好みがあるからな…)

ガラッ



さわ「ちょっと、あなたたち~? いつまで校舎内に残って…、ってあら…!?」

唯「あ、さわちゃん!」

美琴(さわちゃん…、ってひょっとして顧問の先生!?)

さわ「あなた…!!」

美琴「は、はいッ…?」シャキッ

さわ「猫耳とかにあいそうねッ!」

美琴「は」

澪「また始まったか…」

律「そこはピカチュウ耳だろ~さわちゃん」

紬(ど、どっちも似合いそう…!)

唯「さわちゃん何しに来たの~?」

さわ「はっ!」

さわ「そ、そうだったわ…!」

さわ「もう、あなたたち~下校時刻過ぎているんだから早くおうちに帰りなさいよ」

御坂って敬語使えたっけ?

>>79 超電磁砲ので固法先輩あたりに使ってた気がする

一同「は~い」

美琴「あ、すいません先生~」サッ

さわ「あら、これは…」

美琴「えっと、入部届けです…」

さわ「そう」ニコッ

さわ「まあ、こんな子たちだけど、…優しい子たちだから」

さわ「大丈夫よね」

美琴「はい…!」ニコッ

律「いや~私らの勧誘が良かったんだよな~」

澪「いやいや、こっちはまともな勧誘やってなかっただろ」

唯「それじゃ、バイバイさわちゃん~」

紬「こちら部室の鍵です」スチャ

さわ「ありがとね、琴吹さん」

さわ「それじゃ、皆。気をつけて帰るのよ~」

一同「さようなら~」

―物陰

梓「…」コソッ

梓(…新歓ライブを見て、軽音部に入ろうって決意して音楽準備室の前まで行ったら…)

梓(…既に先客がいて…というよりあの超電磁砲の人がまさか同じ部活志望だったなんて…ッ!!)

梓(なんとなく遠慮しちゃって結局入って行けなかったな…)

梓(あ、明日こそ…やってやるですッ!)グッ

―道端

??「俺もようやく完全復活か…」

??「長く辛い日々だったな…」

??「いや、もうアレはすべて過去の出来事だ…」

??「忘れろ、俺」

??「まずは俺を冷蔵庫呼ばわりしたクソ野郎をぶっ殺しにいくか…」

??「―――いや、まずは気分転換にナンパでもするか」キョロキョロ

初春「―――何が気分転換にナンパですか…!?」

??「あ?」

初春「人が折角あなたの退院の日が今日だって聞いたので…!」

初春「こうやって予定を開けて来てあげたっていうのに…!」

??「いや、俺別にお前に来てくれとか頼んでねぇんだが」

初春「べ、別に私だって来たくて来たわけじゃないんですから…!」

??(…何か話噛み合ってなくね…?)

初春(そ、そうですよ…! 私はただ…個人的にこの人のその後が気になってただけで…!!)

ゾロゾロゾロゾロゾロ

美琴(…あれ初春さんよね)チラッ

美琴(隣にいるのはひょっとして…恋人さんかな)ニヤッ

美琴(今は声かけない方が良さそうね)スタスタ

澪(なあ、今すれ違った女の子…!唯と良く似た声してなかったか?)

律「あ、私も思った思った!!」ヒソヒソ

唯「ん? どしたの2人とも??」

紬「唯ちゃんは気付かない方がいいと思うわ~」

唯「え? どうして?」

紬「どうしても~」クスクス

麦野「あら…?」

美琴「ゲ」コソッ(※電柱の陰)

美琴(…な、何となく隠れちゃった)

美琴(てか大人数でワイワイやってるとことかアイツに見られたくないし…!)

律「ん?」

澪「どうした?」

紬「あら、沈利ちゃん」

唯「何? ムギちゃんの知り合い?」

美琴(え…?)コソコソ

紬「今日は皆とは一緒じゃないの…?」

麦野「まあね。今日は仕事休みだし」

紬「――そういえばご両親が、たまには実家にも帰ってきて欲しいって言ってたわ」

麦野「あー…。まあそりゃ…暇になったらたまには帰ろうかとも思ってるけどさ…」

唯「お嬢様友達かな~?」ヒソ

澪(…その割には言葉遣いがそれっぽくなくないか…?)

律「ちょっぴりSな女王様タイプだったりして~」ヒソ

美琴(ってなんでムギ先輩がアイツと知り合いなのよ~!!?)コソッ

麦野「それじゃ、私用事あるから。また今度ね」ニッ

紬「ええ、―――――――――――また今度、ね」ニッ

麦野「そんじゃ」スタスタ

紬「ごきげんよう」

律「なーなームギ~、誰だよあの人~?」

澪「見たところ私達より年上っぽいけど…?」

唯「大学生くらいかな~」

紬「う~ん、あんまり自分のことをいろいろ話すような人じゃないのよ」

紬「家同士でのお付き合いがあって、顔見知りってくらいで…」

唯「へえ~、そうなんだ~」

律「じゃ、それは置いといて。とりあえず小腹が空いたからサ店でも行こうぜ~」

唯「うん、いこいこっ!」

紬「そうしましょうか」ニコッ

澪「おーい、美琴も隠れてないで行くぞ」チラッ

美琴(ムギ先輩…一体何者なの…!?)

―平沢家

唯「ただいま~」

憂「あ、お帰り~お姉ちゃん~」

憂「ご飯にする? それとも先にお風呂?」

唯「その前にアイスっ!」

憂「も~夕御飯の前にアイスはダメだよ~お姉ちゃん」

唯「そ、そこを何とか~!」オネガイ☆

憂「もう~仕方ないなあ~」

唯「♪」ペロペロ

憂(アイス食べてるお姉ちゃんもやっぱり可愛いなあ~)

唯「はっ…!」

憂「ん? どうしたのお姉ちゃん?」

唯「そういえば今日ね!軽音部に新入りの子が入ったのっ!!」

憂「え…!本当に…!」

唯「うん! 本当にっ!! 名前はみこにゃんって言うんだよっ!!」

憂「みこ…にゃんさん…?」

唯「とっても可愛くて面白い子なんだよ~」エヘヘ

憂(そっか…軽音部に入部することに決めたんだね、美琴ちゃん)ニコッ

唯「これから、もっともっと楽しくなりそう…!!」

憂「良かったね、―――お姉ちゃん」

―美琴の下宿宅

美琴「たっだいま~」ガタン

美琴「って言っても応えてくれる人はいないけどね…」

美琴「この春から一人暮ら(ry」

黒子「お帰りなさいませお姉さまあああああああああああああああっ!!!」ギュッ

美琴「ってなんであんたが居んのよ!?」ハナセコラ

黒子「ここしばらくお姉さまに会えなくて…もう黒子は寂しくて寂しくてええ…!!」

黒子「仕方がありませんので寮の門限をスルーしてこうしてお姉さまの元へ!!!」

美琴「ってつい昨日も放課後初春さんや佐天さんと一緒に遊んだでしょ!?」

黒子「今夜は寝かしませんのッ!!」

美琴「いいから帰れっての~!!」

黒子「で、いかがですのお姉さま…結局、部活動とやらを本当に始めることに…?」

美琴「え、ええそうよ!今日ちゃんと挨拶に言ったし!入部届けも受け取ってもらったし!」

黒子「…そうでしたか」フフ

黒子(あれほど、人づきあいのちょっぴり苦手なお姉さまがねえ…)シミジミ



黒子「で、どうでしたか?その部活動、楽しめそうですの…?」

美琴「うんっ!!ちょっとイメージしてたのとは違ったけど――」

美琴「――とっても楽しかったッ!!!」ニコッ

黒子「良かったですわね、――お姉さま」ニコリ

                     お し ま い



>まあこの辺が切り上げどころだと思うんで

>ちなみにけいおん組の能力は唯=絶対音感、紬=分子制御、澪=テレパス、律=無能力者とか考えてました…ノシ

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