御坂美琴「おはよう」 (139)
白井黒子「おはようございます」
御坂美琴「黒子は今日も元気ね」
白井黒子「ありがとうございます」
終わり
美琴「今日はお休みだね。どんな服にする?」
黒子「なんでもかまいません」
美琴「そう? じゃ、これなんかどう?」
黒子「よくわかりません」
美琴「そっか、じゃぁこれにするね」
黒子「りょうかいしました」
美琴「黒子……」
黒子「」
美琴「…………ヒク…ヒック…グス」
黒子「なぜないているのですか」
美琴「許して……もう許してよ黒子ぉ……元に戻って……ウッ」ギュゥ
黒子「よくわかりません」
美琴「ごめん、もう大丈夫。脱がすわね」
黒子「そうですか」
美琴「今日はいい天気ね。着替えて外にいくわよ」プチプチ
黒子「りょうかいしました」
美琴「どこか行きたい場所はある?」スルスル
黒子「ありません」
美琴「……」ウル
美琴「……そっか、じゃ、テキトーに、ブラブラ、しようね……ウッ」
黒子「わかりました」
美琴「よく晴れたわね。昨日はあんなに降ったのに」
黒子「そうですね」
美琴「どう? 新しい車椅子の乗り心地は」
黒子「もんだいありません」
美琴「そっか、ならよかった。喉は乾かない?」
黒子「もんだいありません」
美琴「……そう」
美琴「……あ、初春さんだ」
美琴「初春さーん!」
初春「み、御坂さん……お、おはようございます」
美琴「おはよ、ほわ、黒子も挨拶しなさい」
黒子「おはようございます」
初春「……」
美琴「……初春さん?」
初春「は、はい!」
美琴「黒子がおはようって言ってるんだけど……」
初春「は、はい! おお、おはようございます! 白井さん!」
美琴「よく晴れたわね。雨上がりの空気って気持ちいい」
初春「そうですね……」
美琴「初春さんはなにしてるの? 良かったら一緒に買物とかいかない?」
初春「わ、私は……ジャッジメントの仕事が……」
佐天「ういはる――!!」バサー
初春「きゃぁぁぁ!!」
佐天「待たせてごめんごめん、って、あ…」
美琴「おはよー佐天さん」
佐天「おはよう、御坂さん、お散歩?」
美琴「うん、黒子と一緒に、どっか行こうと思ってて」
黒子「……」
初春「……」ガクブル
美琴「ほら、黒子、佐天さんだよ、挨拶は?」
黒子「おはようございます」
佐天「あの、御坂さ……」
美琴「黒子が……」
佐天「」ビクゥ!
美琴「あいさつしてるんだけど?」
佐天「お、おはよー白井さん……」
美琴「二人はこれからどっか行くの?」
佐天「うん、ちょっと新しいお店……」
初春「ジャッジメントの仕事です! 佐天さんに手伝ってもらうことになってて!」
美琴「そっか、黒子の穴埋めだよね。ごめんね、手伝えなくて」
初春「い、いえ……」
美琴「そっか、じゃぁ、今日は二人でデートだね黒子……」
黒子「」
美琴「フフ、そっかそっか」
佐天「……」
美琴「それじゃ、二人とも頑張ってね」
初春「は、はい~」
佐天「初春……ついていった方がよくない?」
初春「でも、ついてってなにするんですか? ボロでますよ?」
佐天「それはそうだけど……」
初春「今は御坂さんを刺激しないのが一番なんです」
佐天「でも……」ウルウル
初春「ですよね……」
佐天・初春「……」
初春「こっそり尾行しましょう」
佐天「うん」
美琴「二つください」
店員「はい、ありがとうございます!」
美琴「黒子~クレープ買ってきたよ~」
黒子「ありがとうございます」
美琴「はい、どーぞ」
黒子「」ベチャ
美琴「ああもう、ちゃんと持たないから……」フキフキ
黒子「ごめんなさい」
美琴「クレープだめになっちゃったね。半分こしよっか」パク
黒子「りょうかいしました」
美琴「どーぞ」
黒子「」ペチャ
美琴「」パク
黒子「」ペチャ
美琴「」パク
美琴「……ぜんぜん食べないのね黒子」フキフキ
美琴「疲れちゃったのかな? どっか、涼しい所で休憩しようか」
黒子「りょうかいしました」
美琴「あ、あのカフェいいかんじ。あそこにしよ」
黒子「りょうかいしました」
カランコロン
店員「いらっしゃいませ、一名様ですか?」
美琴「一人に見える?」イラ
黒子「」
店員「えっ……」
美琴「二人……」
店員「か、かしこまりました。こちらへどうぞ」
美琴「まったく、失礼しちゃうわね黒子」テクテク
黒子「よくわかりません」
ザワザワザワ……
美琴「なんにする黒子?」
黒子「なんでもかまいません」
美琴「そう? あ、このパフェとか美味しそう」
黒子「よくわかりません」
美琴「これにしよっか……大きいけど、二人で分けたらちょうどいいよね」
DQN「ようカノジョ一人? 誰かと待ち合わせかな?」
美琴「」イラ
DQN「中学生? カワイーね、これからどこ行くの?」
美琴「消えなさいようっとおしい」
DQN「おお怖い怖い、何? 友達にドタきゃんされちゃった?」
美琴「……」
DQN「そんな睨むまないでよビビるからさ」
美琴「……」
DQN「……(汗」
DQN「こ、このぬいぐるみ、カワイイ服着てるね、車椅子乗っ……」ヒョイ
美琴「黒子にさわんじゃねぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」
バリバリバリバリ!!!!!!
DQN「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
美琴「ったく……」パリパリ
店員「あ、あのお客様……」
美琴「ああ、ごめんなさい、ごめんね黒子」ナデナデ
黒子「もんだいありません」
美琴「悪かったわね。お店変えるわ……」コロコロ
黒子「」
店員「あ、あの……」
美琴「黒子、怪我はない?」
黒子「もんだいありあません」
美琴「ビックリさせてごめんね~~」
店員「……」
美琴「ふう、結局、歩いてるだけで夕方になっちゃったわね……」
黒子「そうですね」
美琴「疲れた?」
黒子「もんだいありません」
美琴「いつもおなじ返事なのね黒子」
黒子「ごめんなさい」
美琴「黒子……」ギュゥ
黒子「なぜないているんですか」
美琴「黒子が……黒子のせいで……」
黒子「ごめんなさい」
美琴「違う私が……私が黒子を……」
黒子「よくわかりません」
美琴「黒子……ごめんなさ……黒子……」ブルブル
黒子「よくわかりません」
美琴「黒子……返事してよ黒子……」
黒子「しておりますが」
美琴「黒子……ごめん……黒子……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」バリバリバリバリ!!!
パチパチパチパチ
美琴「あ、また黒子燃えちゃった……」
黒子「」
美琴「黒子……もうだめだコレ……」ポイ
黒子「」ペチャ
美琴「……グスグス」
美琴「新しい黒子……買って帰らなきゃ……ヒック」
【ぬいぐるみ専門店】
美琴「う~ん、どれがいいかな……」
美琴「あ、この子眉毛が黒子っぽい。フフ」
美琴「この子は……ちっちゃいトコがそっくり」
美琴「髪型はこの子が似てるなぁ……」
美琴「黒子……」
美琴「……」
美琴「」
美琴「……」
美琴「……うん、この子にしよ」
店員「ありがとうございましたー」
美琴「さ、帰ろっか黒子」
黒子「」
美琴「日が沈むといっきに涼しくなるわね~~」
黒子「」
美琴「お腹空かない? 外で食べて帰る?」
黒子「」
美琴「……」
黒子「」
美琴「無口になったわね黒子……」
美琴「ただいまっと」
黒子「」
美琴「はい、今日はお疲れさま」ポン
黒子「」
美琴「ゆっくりお休み黒子」ナデナデ
黒子「」
美琴「…へへ」ナデナデ
黒子「」
美琴「……おやすみ黒子」ナデナデ
黒子「」
美琴「……おやすみ」
黒子「」
美琴「……オヤスミ」
黒子「」
美琴「オ・ヤ・ス・ミ」
黒子「」
美琴「オ!ヤ!ス!ミ!」
黒子「」
美琴「……返事しなさいよ」チッ
黒子「」
美琴「返事しなさいってばぁぁぁ!!!」バリバリバリバリ
ボォ! パチパチパチ……
黒子「」メラメラ
美琴「アンタって相変わらずすぐに燃えるのね……」
美琴「えっと、お水お水……」バシャ
黒子「」
美琴「また黒子ダメになっちゃった……」
美琴「明日、買いに行かないと……」
美琴「……」
美琴「……寝よ」
美琴「おやすみ」
翌朝
美琴「……う……ふわ……」
美琴「黒子ー朝よー」
美琴「……ったく、いつまで寝てるの?」
美琴「あ……」
美琴「黒子、いないんだ……」
美琴「……」
美琴「ジャッジメントの仕事かな? 大変ね」
美琴「う~ん……」ポキポキ
美琴「ご飯食べに行こ」
美琴「今日は何しよっかな」パクパク
美琴「あ、そういやゲコ太バックの発売日だ今日」
美琴「う~ん、買いに行こうかしら。どうしよっかな……」
美琴「……」
美琴「……うん、行こう」
美琴「黒子がいないとホント平和ね」トコトコ
当麻「不幸だ――!!」
美琴「!?」
当麻「ったく、朝からサイフ落とすなんて……ああ、なんて不幸だ」
美琴「なにしてんのよアイツ……平和丸つぶれ」
当麻「ん、あ、よう……久しぶり、えっと」
美琴「不景気な顔ね。なにしてんの」
当麻「上条さんってばサイフ落としちゃって……」
美琴「はぁ? 仕方ないわね。どこで落としたか心当たりはありますの?」
当麻「さっきコンビニで支払った時は確かにあったような……」
美琴「なら、コンビニに置き忘れたか、はたまたスリか、アナタが相当な間抜けかどれかね」
当麻「めんぼくない……」
美琴「アナタが間抜けならそれでいいんですが、スリや置き引きなら由々しき事態ですの」
当麻「……はぁ」
美琴「一度コンビニに戻って、店員に確認というのが無難ね。なんなら、私が一緒に行って監視カメラを見せてもらってもいいわ」
当麻「なんか悪いな」
美琴「いえ、これもジャッチメントの勤めですので」
当麻「……」
美琴「……? なんですの?」
当麻「いや、えっと……ビリビリは元気?」
美琴「はぁ? なにいってんの?」
当麻「いや……ハハ、ワリーへんなこと聞いたな」
美琴「頭でも打たれましたの?」
当麻「えっと……」
美琴「御坂美琴は目の前にいるでしょう。その目は節穴ですか?」
当麻「いや……はい、そうですね」
美琴「……やれやれですの」
美琴「お姉さまはどうしてこんなノロい殿方をお気にかけているんでしょうか」
コンビニ
店員「シャッセー」
美琴「ほら」
上条「す、すみません、サイフ落ちてなかったッスか?」
美琴「まったく、世話がやけますの……」
美琴「……あ、ゲコ太のコラボグッツだ。カワイー」
美琴「あ、今日からなんだ。フフ、お姉さまに買って帰ればお喜びになられるかしら」
美琴「『ありがとう黒子』『いいえお姉さま』『お礼にキスしてア・ゲ・ル』『ああんお姉さまそんな……』グヘヘヘ」
当麻「なにやってんだよ気色悪い」
美琴「はッ!」
当麻「サイフ、レジ前に忘れてたみたいだわ。店員さんが持っててくれた。サンキュ」
美琴「あっそ、良かったわね」
当麻「それ、欲しいのか?」
美琴「悪い?」
当麻「ん、良かったらお礼に買ってやるよ。中身も無事だったし」
美琴「い、いいわよ別に……」
当麻「遠慮すんなって。お姉さまにプレゼントするんだろ? アイツこんなの好きだから…あ……」
美琴「あなたに言い当てられると屈辱の極みですわね」
当麻「……(汗」
美琴「なによ?」
当麻「べ、別になんでもないです」
『キャァァァ!! ひったくりよ――!!』
美琴「はぁ、まったく……!」
当麻「やばい!」ガバッ!
美琴「」シュピン!
当麻「クソ! 遅かった!」
美琴「」シュピン
男「!? い、いきなり現れ……ゴフ!」
美琴「これは返していただきますの」
男「おお前……ジャッジメントの……白…」
当麻「どわぁぁぁ!!!」ズダダダ
美琴「やれやれ、走りながら何を叫んでいらっしゃる。騒がしいお方ですこと」
美琴「どうぞ」
女性「あ、ありがとうございます……」
当麻「はぁはぁ……」
美琴「アナタはホントなにをやっていますの?」
当麻「いえ……ゼィ……いやいや……ゼィ」
美琴「相変わらずヘンな奴ね」
初春「すみませんジャッジメントですとうしてくださ……むぎゅ!」
美琴「初春さん……もう終わりましてよ?」
初春「すみません白……御坂さん!」
美琴「それでは、私はパトロールに戻りますの。引渡しはお任せしても?」
初春「あ、はい……」
美琴「では」トコトコ
当麻「……」
初春「……だ、大丈夫でした?」
当麻「なんとか、たぶん」
初春「事件が起こったときだけ元に戻るみたいですね……」
当麻「はぁ、どうしてやったもんかなぁ……」ポリポリ
美琴「ん……ふぁぁぁ……よく寝た」ムク
美琴「黒子……流石にもういないか、お昼じゃん……」ゴシゴシ
美琴「」ガリガリ
美琴「あ、そっか、黒子、買いに行かないと無いんだ……」
美琴「着替えて行こ……」
【ぬいぐるみ屋さん】
美琴「次はどこ子を黒子にしようかしら・・・」
美琴「あ、この子目元が似てるー」
美琴「えへへ、この子にしよっと……」
店員「ありがとうございまーす!」
美琴「さーて黒子、今日はなにしよっか……」
黒子「」
美琴「この前、食べれなかったクレープ、もう一度食べに行く?」
黒子「」
美琴「それとも、新しいカフェ探しにいこっか」
黒子「」
美琴「無口なのね」
黒子「」
美琴「返事しなさいよ黒子……」ユサユサ
黒子「」
美琴「返事しなさいよ……」ユサユサ
黒子「」
美琴「なんとか言いなさいってば……」ギリギリ
店員「あ、あの、お客様? そんなに力強く持たれては……」スッ
美琴「!!」
美琴「黒子に触んじゃねぇぇぇ!!!」バリバリバリバリ!!!
ジリリリリリリ!!
美琴「警報! この音は個人経営店の……」
美琴「あちらですの!!」シュピン
美琴「ジャッチメントですの!!」シュピン
美琴「黒子……また燃えちゃった」グス
美琴「あなたなにをしていますの! こちらをごらんなさい!」
美琴「……黒子、また買わなきゃ……」
美琴「……発火能力者? それとも私と同じ電撃使いですの?」スタスタ
美琴「黒子ってば……たまには自分で逃げればいいのに……」
美琴「その制服、常盤台ですわね? 見覚えが……」グイ
美琴「……!?」
美琴「……!?」
美琴「お姉さま…?」
美琴「あ、私? 鏡?」
美琴「いえ、アナタ黒子ね? なにしてるの?」
美琴「黒子? 黒子は燃えたわよ? また買わなきゃ」
美琴「訳のわからないことをおっしゃらないでください!」
美琴「アンタ誰?」
美琴「は? 常盤台の制服着てて私のことをご存じないと?」
美琴「御坂美琴」
美琴「そう私は常盤台中学の電撃姫、御坂美琴ですの!」
美琴「でも私も御坂美琴」
美琴「あら、なんだお姉さまでしたの?」
美琴「お姉さまって、あなた私の妹?」
御坂妹「あなたの妹は私であります。と、ミサカは挙手して存在をアピールします」
美琴「すっこんでろですの!」
美琴「黒子・・・黒子ぉー、どこいいたの?」
美琴「黒子は燃えたんじゃないの?」
美琴「そっか、また買わなきゃ」
美琴「やれやれ、人騒がせなお姉さまですこと」
美琴「ごめんね。まったく、黒子がいないから」
美琴「だから、あなたが燃やすからでしょう?」
美琴「そっか、私が燃やしたのか。だから黒子がいないんだ」
美琴「私が燃やした」
美琴「あなたが燃やした」
美琴「黒子燃やした」
美琴「ええあなたがおもやしになるから」
美琴「くろこがいないどこにもいない」
美琴「わけのわからないことをおっしゃらないでくださいまし」
美琴「くろこいないのくろこ」
美琴「おねえさましっかり」
美琴「くろこどこいったの」
美琴「だからあなたがもやされたくろこいない」
美琴「くろこ・・・」
美琴「……」
美琴「……」
美琴「くろこ、かみきったの?」サラサラ
美琴「わたしはみさかみことですの」
美琴「そっか、みじかいからみさかみことなのね」ヘ
美琴「だっておねえさまがそうしてらしたから」
美琴「たんぱんはいてる」ペラ
美琴「だっておねえさまが」
美琴「ちいさい」ムニムニ
美琴「おねえさまだってちいさかったから」
美琴「くろこー」キュ
美琴「ですから、くろこはかわないといないのです」
美琴「くろこいない?」
美琴「ええ、くろこはいません」
美琴「くろこじゃないの?」
美琴「くろこではありませんのみさかみことですの」
美琴「くろこどこー」
美琴「ですからくろこはかってくださいお姉さま」
美琴「くろこいないの、みさかみことふたりいるの」
美琴「ゆゆしきじたいですの」
美琴「どっちがくろこ?」
美琴「どちらもくろこではありませんの」
美琴「どっちもミサカミコト?」
美琴「そうですの」
美琴「ソレオカシクナイ?」
美琴「オカシイ」
美琴「ドチラカイラナイ」
美琴「ミサカミコトハヒトリデスノ」
美琴「ソノアトデ」
美琴「シライクロコを買いますの……」
当麻『その幻想をぶち壊す!!』
バタバタ
御坂美琴「……」
白井黒子「……」
当麻「ゼーハーゼーハ……」
初春「ま、間に合いましたぁ……ありがとうございます佐天さん」
佐天「ううん、そ、それより……並ぶとホントどっちがどっちか分からないわね」
佐天「白井さん……髪型も格好も御坂さんにそっくり」
当麻「だ、大丈夫なのかコレ……」
初春「わかりません……とにかく救急車を手配しましたので、病院へ!」
めしくってくる
おちてたらおわりにするわ
美琴『黒子ぉぉぉぉ!!!!!』
初春『ダメ御坂さん動かしちゃ……』
美琴『ごめん黒子……そんな、近くにテレポートしてくるとは思わなくて……』ボロボロ
黒子『……ぁ』パリパリ
初春『佐天さん救急車お願いします! 早く!』
佐天『う、うん!』
キターと思ったらIDが違う
美琴『……私が……私のせいだ……私の……』ガクガク
初春『だ、大丈夫ですよ! 絶対に助かりますから!』
美琴『で、でも、でも私、ほとんど全力で……』
ウィィィン
カエル顔『』カツカツ
美琴『!! 黒子! 黒子は?』
カエル顔『…』
美琴『た、助かり、ましたよね?』
カエル顔『……すまない』
美琴『……ぁ』
>>94
ポケットwifiだから電源落ちたらID変わるんだわ
初春『みさかさーん』トントン
佐天『こんにちは~、来たよ~』
初春『……』
佐天『……』
初春『……いつまで』ボソ
佐天『!!』
初春『いつまで引きこもってるんですか御坂さん!! それが白井さんへの償いですか!』
佐天『う、初春ちょっと……』
初春『あの日からずっと、部屋にひきこもりっ放しじゃないですか!! 出てきてください!』ドンドン
佐天『う、初春落ち着いて……』
初春『それでも……それでもレベル5ですか!』
佐天『どーどー』
初春『まだ白井さんは死んでません! 意識不明ってだけなんですよ!』
初春『帰ってきた時に、笑われてしまいますよ!! 御坂さん!!』
初春『……』
佐天『ゼーゼー』
初春『帰ります…』
佐天『ま、また来るからね!』
初春『……ハァ、ハァ、ハァ』
ドッドッドッドッド
美琴『初春さん! 大ニュース!!』
初春『み、御坂さん! こ、こっちも大ニュースです!!』
美琴『帰ってきたの! 黒子が!』
初春『え? し、知ってらしたんですか!?』
美琴『いつの間にか部屋にいたの! もうびっくりで……』
初春『え? 部屋に? そんな、白井さんはさっき病院で目覚めたばかりで……』
美琴『なに言ってるの? 黒子はここにいるじゃない!』
美琴『ね? 黒子!』
ゲコ太『』
初春『……え?』
美琴『黒子~、どうしたの? やけに無口ね』
ゲコ太『』
美琴『ま、帰ってきたんだからよしとしよう』
初春『先生……』
カエル顔『精神的ストレスに耐え切れなかったんだろう……完全にぬいぐるみを彼女と思い込んでるようだ』
初春『でも、あの……』
カエル顔『今、本物の白井君と会わせるのは得策じゃない。もう少し様子を見て……』
黒子『おねぇしゃまぁぁぁぁ!!』
佐天『ご、ごめんなさい!! 止められ無かった!!』ハァハァ
初春『佐天さん!!』
カエル顔『これはマズ……』
美琴『ちょ……なによ! あんた誰!?』
黒子『!!』
黒子『お、お姉さま……私ですのよ……白井、黒子……』
美琴『黒子? 馬鹿言わないで、黒子ならここにいるのよ!』
ゲコ太『』
黒子『……』プルプル
黒子『お、お姉さま、面白くない冗談ですわ……』
美琴『なによアンタ、変人? ケンカなら買うわよ?』
黒子『お姉さま……お願いします、もうふざけるのはやめてくださいまし……』
美琴『だいたい、見なさいよ、黒子にはそんな顔に火傷跡なんてないし』
黒子『これはお姉さまが……いえ』
美琴『黒子、ジャッジメントのリストにこんな顔ある?』
ゲコ太『』
黒子『お……おねえさま……』ブルブル
美琴『何泣いてんの? ちょっと黒子、病院の人呼んできてよ』
ゲコ太『』
黒子『お姉さま……そんなぬいぐるみに話しかけないで、こっちをごらんになって?』
美琴『……はぁ? 何言ってんのアンタ?』
黒子『おねぇさま! はっ! そうですの! このぬいぐるみに敵の罠が!』
美琴『黒子にさわんな!!!』
黒子『!!!!』
黒子『』パクパク
美琴『ヘンなヤツ……』スタスタ
黒子『』
初春『あ、あの、白井さん……』
黒子『』
佐天『アハハ、大丈夫大丈夫、すぐ元に戻るって……』
黒子『』
美琴『それじゃ、二人とも。行くわよ黒子~~』
ゲコ太『』
初春『黒子さんが目覚めて半月もたったのに……』
佐天『御坂さん、元に戻らないね……』
初春『ヒック……ウグ……』
佐天『こらこら泣かないの』
初春『だって……白井さんが……辛すぎて……』
黒子『あらあら、誰がなんですって?』シュピン
佐天『白井さん! ……さん?』
初春『か、顔、整形したんですか?』
黒子『ええ』
佐天『み、御坂さんそっくり……髪型も』
黒子『ええ』ニコ
佐天『短パンはいてる』ペラ
黒子『ええ……』ゲシ
初春『な、何がどうしたんですか?』
黒子『だって、お姉さまってば、あのぬいぐるみを白井黒子だと思って、私のことを見てくれませんもの』
佐天『だからってなんで御坂さんのカッコを……』
黒子『ええ、私ひらめきましたの』
初春『はあ』
黒子『お姉さまは白井黒子を見てくれない、愛してくれない。でも私は愛されたいんですの』
黒子『でもお姉さまは愛してくれない、なら、私がお姉さまになって白井黒子を愛せばいいんですの』
佐天・初春『はい?』
黒子『』ニコッ
初春『でも、あの……』
佐天『それって、どういう……』
初春『あの、白井さんよく考えて……』
黒子『考えましたわ。でもお姉さまは私のこと思い出してくれないんですもの』
佐天『……でも』
黒子『本当に名案でしたわ。私さえお姉さまになってしまえば、この狂おしい愛で愛して頂けますもの』
初春『……いやでも』
黒子『じゃあどうすればいいとおっしゃいますの!!!』
佐天『……』
黒子『お姉さまはどうすれば私を思いだし、愛してくれますの?』
初春『……』
美琴『黒子~、いい天気ね……』
ゲコ太『』
美琴『ほんと無口なのね黒子……』
ゲコ太『』
美琴『ひょっとして怒ってるの? 私のこと、恨んでる?』
ゲコ太『』
美琴『毎晩誤ってるじゃない……お願い、許して……許してよ黒子……』グスグス
ゲコ太『』
美琴『何か言ってよ…お願いよ……許して黒子……黒子……』
ゲコ太『』
病室
美琴「」パチ
美琴「」ムク
美琴「……」ポリポリ
美琴「くろこ~?」
美琴「……?」
美琴「よっこいしょ」ペタ
…ガチャ、パタム
病室
トントン
美琴「誰?」
美琴「私」
美琴「ああ、御坂さん、どうぞお入りになって」
美琴「どうも、おじゃましま~す」
美琴「どうかした?」
美琴「ううん? そういや、黒子がいないな~っと思って……」
美琴「あなたが燃やしたんでしょう? 白井黒子は」
美琴「ああ、そうだったね」
美琴「早く買いに行けば?」
美琴「ううん、もういい」
美琴「どうして?」
美琴「だって、買った黒子は何も言ってくれないもの」
美琴「問題がありますの?」
美琴「だって、黒子は許してくれないの……」
美琴「白井黒子に許されたいの?」
美琴「私が……あの子をひどい目に……」グスグス
美琴「白井黒子は許さないんですの?」
美琴「だって何も言ってくれない」
美琴「ぬいぐるみなら至極自然では?」
美琴「だったらどうすりゃいいのよ!! どうすれば黒子は許してくれるの!!」
美琴「簡単ですわ」
美琴「なに?」
美琴「お姉さまが黒子になればいいんですの」
美琴「どうして?」
美琴「だって黒子がいませんもの」
美琴「買えば黒子はいる」
美琴「でも買った黒子は許してくれない。意味がない」
美琴「でも」
美琴「ミサカミコトがふたりいる。シライクロコはひとりもいない。それはオカシイ」
美琴「なら」
美琴「どちらかが黒子になればいい。違いますか?」
美琴「そうね。そうかもしれない」
美琴「私が、白井黒子を愛する御坂美琴となったように……」
美琴「お姉さまも、お姉さまを許す白井黒子となればいいんですの」
美琴「だったら黒子が許してくれる」
美琴「だったら黒子が許してくれる!!」
美琴「私黒子になる! 黒子になって私を許す!!」
美琴「じゃぁ私は御坂美琴であり続けますの。あり続け、白井黒子を愛しますの」
黒子「お姉さま……」
美琴「黒子、やっと会えたわね」
黒子「おねぇさまぁぁぁ!!」ムギュ
美琴「黒子ぉぉぉ!!」ダキッ
黒子「お姉さま! ご安心ください! 黒子は全くお姉さまを恨んでいませんの!」
美琴「黒子! 愛してる! 大好きな私の黒子!」
黒子「お姉さま……」
美琴「黒子……ぐへへ」
黒子「お姉さま、許しますの。大好きなおねぇさま……」
美琴「黒子……ぐへへ、よしよし、私も大好きなんだから」
初春「なんですか……なんですかコレ」
佐天「御坂さんが白井さんで、白井さんが御坂さんで……」
初春「なんですか、コレ……」
佐天「……訳がわからない」
終わる
このSSまとめへのコメント
世にも奇妙な物語みたいな感じでいいね、これは拡散すべき。
俺敵には名作