サシャ「あ、エレンにミカサにアルミン！」

サシャ「晩御飯だというのに話してばっかで全然食が進んでいませんねぇ、食べないなら私が――」

エレン「うわあああ！来るな！」

サシャ「？」

エレン「赤毛の者は俺に近づかないでくれ！」

サシャ「エ、エレン？」

エレン「だから来るなってば！」

サシャ「よくわからないけど酷いです！」

サシャ「エレンのバカ！」ｸﾞｽﾘ

ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

エレン「ふぅ～、キフロム」

ミカサ「エレン、サシャに謝って」

アルミン「そうだよ、エレン。今日のエレンは変だよ！」

エレン「じゃあ赤毛の奴を許していいのかよ！」

ミカサ「赤毛？エレンは赤毛が嫌いなの？」

ミカサ「だとしても、毛の色だけであんなにも酷い言葉を浴びせてはいけない」

エレン「好きとか嫌いとか、そういう問題じゃないんだよ！」

エレン「……そうか、お前たちはまだイプシロンの教えてくれた真実の素晴らしさを知らないんだったな」

アルミン「イプシロン？」

エレン「そうだ。イプシロンだ」

エレン「オレたち人間は皆、繋がりを持って行きているよな？」

エレン「人類は皆、助け合って生きている」

エレン「でも！赤毛の者は別なんだよ！奴らはオレたちと繋がってなんかいないんだ！」

アルミン「意味が分からないよ！」

エレン「おおっとアルミン、アンチテーゼはよくない」

エレン「そんなんだからすでに手にしている幸福にすら気付けないんだよ」

ミカサ「エレン、本当にどうしたの？なんだか今日のエレンは、いつものエレンじゃない」

エレン「そうだな……オレは変わったんだ。真実を知ったオレはな……」

ミカサ「真実？」

エレン「ああ、イプシロンという素晴らしい人たちに出会ったんだ。うちの支部は、主にウォール・シーナの中で、ニックという人を中心に活動している」

アルミン「……(怪しい、怪し過ぎる)」

ミカサ「……それは何？どういう団体なの？他にも支部はあるの？」

エレン「ああ。壁外にも支部を持っているとニックは言っていたぜ。たしか、他にはリバティーシティというところと、ロスサントスとかいうところで活動してるらしい」

アルミン「壁外だって！？」

エレン「ああ、壁外だ」

アルミン「ねえ、エレン。どうやら君は変な人たちに騙されてるみたいだ」

エレン「アルミン、疑うのは良くないぞ。信じる者のみが救われるだからな」

エレン「そうだ、アルミン、ミカサ。明日は訓練なかったよな？お前らもイプシロンに連れてってやるよ！」

アルミン「え、エレン、僕たちはべtミカサ「アルミン」ﾎﾞｿｯ

ミカサ「明日エレンに着いて行けば、エレンを騙しているものの正体がわかるかもしれない」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

アルミン「そ、そうか！ミカサ、ナイスアイデアだよ！」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

エレン「？」

アルミン「エレン！やっぱり僕たちもついて行くよ！」

エレン「おお！アルミン！ミカサ！信じてたよ！」

エレン「じゃあ、明日は行くまでにこれを読んどいてくれよ」ﾊﾟｻｯ

エレン「イプシロンのパンフレットだ」

エレン「じゃあな。キフロム」

アルミン「……ミカサ」

アルミン「エレン、相当ヤバそうだね」

ミカサ「ええ、何とかして前のエレンを取り戻さなくては」

アルミン「イプシロンとかいってたよね？このパンフレット、一応見ていようか」

ミカサ「ええ」

キフロムの12教義



1 　事実！ 世界は157年前に生まれた。

2 　事実！ 恐竜とは、人々がその弱さゆえに生み出した嘘である。

3 　事実！ 汝は自ら悟らぬだけであって、すでに幸福である。

4 　事実！ 我らはみな同じ樹から生まれた。

5 　事実！ 誰もが他人と結びついている。ただし赤毛の者は別である。

6 　事実！ 精子は存在しない。それは他の様々なものと同様に、生物学の教師が広めた嘘である。

7 　事実！ 男は1週間に9人の新しいパートナーと交わるべきである。女は1週間に6人の男と交わるべきであるが、7月には1日に5人の男と交わるべきである。

8 　事実！ エイリアンは地球上に実在する。あざを持って生まれた者は、第4パラダイムの高名な皇帝クラフの血を引く者である可能性がある。

9 　事実！ 樹は言葉を話すが、それを聞くことのできる者は少ない。

10　事実！ 信じる者は無神論者よりも長く生きることができ、特典として永遠の命を手に入れる。

11　事実！ これを信じ、自らの手と資産をイプシロニズムに委ねる者には幸福が待っている。

12　キフロム！ 幸福は汝のものである！ キフロム！

アルミン(……う、う、う……………)

アルミン(胡散臭い！圧倒的！超圧倒的に胡散臭いッ！！)

アルミン(要約すると金を払えって書いてあるよこれ！)

アルミン(しかも何だよ！エロい！エロいよ！)

アルミン(腹筋バキバキとはいえミカサだって女の子じゃあないか！女の子と二人でこんなエロい文章を読んでるなんて！)

アルミン(気まずい！気まずいのにああもう！僕のアルレルトが！)

アルレルト「Oh,my god! Fuck me!」
ムクムク

アルミン(ミ、ミカサはどんな顔でこの文章を……！)

ミカサ「……アルミン」

アルミン「はいっ！？」

ミカサ「それ、かして」

アルミン「は、はいっ！」

ミカサ「ありがとう……」

ミカサ「フンッ」ｸﾞｼｬｧｯ

ﾎﾟﾄｯ

アルミン「～～～ッ！？(か、紙で出来たパンフレットが！たったの一握りで砂粒程の大きさに圧縮されてしまった！)」

ミカサ「こんな下らない物でエレンを……」

ミカサ「許さない……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

アルレルト「good bye!」ｼｭﾝ

アルミン(ミカサが怖すぎて勃起とかしてる場合じゃなかった)

キフロム！

――内地、キフロム！


エレン「お前ら、金持ってきたか？」

ミカサ「金？」

エレン「そうだ、イプシロンに寄付する金だよ」

エレン「うーん、最初は五万円くらいあれば足りるかな」

アルミン「五、五万！？」

エレン「おう。俺はこの前五十万寄付したぜ」

ミカサ「エ、エレン。給料をそんなことに――」

エレン「下らないとはなんだ下らないとは」

エレン「イプシロンのおかげで見えた真実に比べてれば安すぎるくらいだぞ！」