芳佳「私達10人で、ストライクウィッチーズなんですから!」(991)


芳佳「そうですよね! 坂本さん!」

坂本「そうだぞ宮藤! はっはっはー!」


エーリカ「うー、眠いよー」

ゲルト「お前はカールスラント軍人としての自覚がな……」


シャーリー「しましまルッキーニ!」

ルッキーニ「ぱふぱふシャーリー!」


ミーナ「嵐が近付いているみたいよ……この周辺は荒れる海域ではないのに…」

リーネ「洗濯物が心配ですね」


サーニャ「……」

エイラ「……」


エイラ「おい……誰か忘れてないか……?」


芳佳「え? エイラさん? 何を言ってるんですかぁ」

芳佳「誰か足りてませんでしたかぁ?」


エイラ「……」

エイラ「いや、……」


エーリカ「あー……」

リーネ「よ、芳佳ちゃん……」

芳佳「えぇ、リーネちゃんまで! 私、おかしな事いったかなぁ?」

ゲルト「いや……」



坂本「……む」

坂本「そういえば、ペリーヌの姿が見えんな」


ミーナ「朝食の時は見かけたんだけど……」

坂本「午後の訓練には参加しなかったようだからな」

坂本「真面目なあいつにしては珍しいことだ」


シャーリー「昼は菜園でハーブの手入れをしているところを見かけたぞ」

シャーリー「まだそこにいるんじゃないか?」

リーネ「私がさっき行った時は誰もいませんでした……」

ルッキーニ「どっかでお昼寝でもしてるんじゃないのー、にひひ」




ミーナ「今晩は空が少し荒れるみたい……」

ミーナ「ペリーヌさんも、一人で外を出歩かれると不安だわ」

ミーナ「風も強くなってきてるから、……もしかして、何か事故にでも巻き込まれて……」


エイラ「隊長は心配しすぎなんだよなー」

エイラ「ツンツンメガネの事なんだから、どーせ夜の風呂前には戻って来るってー」

サーニャ「……」


シャーリー「まあペリーヌの事をおいても、この天気の荒れは危険だな」

シャーリー「しばらく外で寝ちゃ駄目だぞ、ルッキーニ」

ルッキーニ「えー! 外出れないのー!?」


ゲルト「荒れようによっては、飛行も難しくなる」

坂本「うむ、明日は基地内での訓練になりそうだな」

ルッキーニ「えー! 訓練するのー!?」





芳佳「ペリーヌさんの行方不明事件……」


しかし、これが後の凄惨な事件の幕開けだったのです。


【1Day 20:00 食堂】

芳佳「夕飯終わっちゃったけど……ペリーヌさんどこいったんだろうね…」

リーネ「心配だよね……」


シャーリー「風も強くなっているし、雨も降り始めたようだなあ」


ミーナ「海も荒れているし……」

ミーナ「こんな日に波にでも攫われたら、たとえウィッチでも……ああ……」


ゲルト「落ち着けミーナ、まだそう決まったわけではない」

ゲルト「単純に基地外へと出かけて、帰れなくなっているだけだろう」



坂本「ロマーニャの周辺基地には空電のために連絡がとれない」

坂本「通常の通話回線も繋がらん」

坂本「嵐が過ぎるまでは、基地内に缶詰だな」


エイラ「今晩は立哨かー、めんどくさいなー」

サーニャ「…寝ちゃ駄目よ、エイラ」


シャーリー「この天気じゃ、飛ぶのもやっとって感じだからなー」

シャーリー「ネウロイの襲撃が無いことを祈るばかりだよ」



坂本「ともかく、隊員が行方不明というのは問題だな

坂本「私、ミーナ、バルクホルンはペリーヌ捜索のため、順次行動とする」

坂本「ミーナは周辺基地からの入電を待ち、通信機と共に待機」

坂本「バルクホルンは宿舎内を巡回。二時間ごとに指定の場所で合流だ」

坂本「私は海岸と滑走路周辺、ハンガー内を見回ることにしよう」


ゲルト「了承した」

ミーナ(……ペリーヌさん…)


【1Day 23:00 宮藤・リーネ寝室】

芳佳「ふわぁ……もう眠いよー」

芳佳「ペリーヌさん、ほんとにどこいっちゃったんだろうね」

リーネ「坂本少佐たちが探してくれてるから、心配ないとは思うけど…」

リーネ「この嵐の中、事故に巻き込まれていないといいんだけど……」



エーリカ「それよりも明日からの訓練が怖いよー」

エーリカ「坂本少佐ってさ、基地内での訓練はすっごい厳しいからさ」

エーリカ「きっとすごーく疲れるトレーニングをさせられるに決まってるよー」

エーリカ「ペリーヌもこんなときに行方不明にならなくてもいいのになー」


芳佳「……あの、ハルトマンさんは、部屋に戻らなくてもいいんですか?」

リーネ「なんでいるんですか……」

エーリカ「ん?」


芳佳「バルクホルンさん、心配しますよ……」

エーリカ「あー、トゥルーデはさあ、ペリーヌ探しで忙しいから」

エーリカ「むしろー、あの部屋に一人でいるのって、寂しいんだよー」

芳佳「そ、そうですか」


エーリカ「エイラは立哨だし、シャーリーはルッキーニ寝かせるので大変だし」

エーリカ「ヨシカとリーネの所なら、まぜてもらえるかなーって、ねー」

エーリカ「おねがい、一緒に寝てよ!」


芳佳「わ、私達は別に構いませんよ。ね、リーネちゃん」

リーネ「う、うん……ハルトマンさんなら……」

エーリカ「やったー!」


リーネ「じゃあ、予備の折りたたみベッドを出さないと……」

芳佳「あ、いいよリーネちゃん。私敷き布団があるから」

芳佳「ハルトマンさんには私のベッドを貸しますよ」

リーネ「えええ……でも床で寝るなんて……」


エーリカ「ねー、3人で寝ればいいんじゃない?」


芳佳「3人でって……一つのベッドで、ですか?」

エーリカ「うん! リーネのベッドで、ミヤフジと3人で!」

エーリカ「きっと楽しいよ-!」

芳佳「えっと……」

リーネ「ちょっと狭いと思います……」


エーリカ「3人で寝ようよぉー、いいじゃんかー」

エーリカ「やだやだ、言うこと聞いてくれなきゃやだー」

エーリカ「私がこの中で一番お姉さんなんだから! 言うこと聞いてよ―!」バタバタ


芳佳「は、ハルトマンさん、暴れないでくださいーっ」

芳佳「わかりました、わかりましたから!」

エーリカ「ホントに? やったー!」


エーリカ「えへへ……」

芳佳(枕並べてる……)

リーネ(どこに持ってたんだろう……)



エーリカ「あんまり起きてると見回りのトゥルーデに見つかっちゃうからさ」

エーリカ「電気消して寝ちゃおうー」


  パッ
       ゴソゴソ

エーリカ「ミヤフジ-、もっと詰めてー」グイグイ

芳佳「あ、ハルトマンさん、これ以上行ったら……」

リーネ「狭い……」

芳佳(リ、リーネちゃんの胸が背中にあたったたたた――たっ ―   ―――)


リーネ「…よ、芳佳ちゃん?」

芳佳「すごいです」


エーリカ「……」

エーリカ「……二人はさ、好きな人とかいるー?」


リーネ「……す、好きな人……ですか?」

芳佳「そんなの、え、えっとー」




エーリカ「私はさ、みんなが好きだよ」



エーリカ「私達の大事な仲間、で友達」

エーリカ「喧嘩したりもするけど、心はいつも繋がってる」

エーリカ「真面目に訓練したり、ふざけて叱られたり」


エーリカ「こうやってみんなと仲良くしてる時が、一番幸せだから」


リーネ(……)

芳佳(そういう意味の質問だったんだ……)


エーリカ「もう………仲間が……くなるのは……」

エーリカ「………や……」


エーリカ「……」スースー

芳佳(寝ちゃった……)

芳佳「ねえリーネちゃん、ハルトマンさんの言った事って……」ボソボソ



リーネ「……」スヤスヤ

芳佳(こっちも寝てる……)


芳佳(わ、私も寝よーっと!)


【1Day】― 00:00 ―【2Day】


ミーナ「そう……見つからなかったの……」

ゲルト「やはり……基地の外に出てしまっているのではないだろうか」

坂本「ならば周辺基地から連絡をよこすはずだ。通信は?」


ミーナ「駄目ね……繋がらないわ」

ゲルト「やはり空電か……しかし規模が異常だな」

ゲルト「この嵐を期に、ネウロイの襲撃があってもおかしくはない」


坂本「ふむ、この嵐がネウロイによるものだと?」

ゲルト「可能性だが……」

ミーナ「いずれにせよ、今基地の系統が緩んでいるわ。ネウロイの来襲は探知不可能……」


坂本「ともかく立哨のエイラが頼りではある」

坂本「……何もしないでは始まらん。私はもうしばらくペリーヌを捜索してみようと思う」

ゲルト「ならば、私ももう一度宿舎内を見回ろう」


坂本「0200時に、再びここで会おう。……できればペリーヌも共に、な」

坂本「それ以降はエイラの元に向かい、立哨を行う」

ゲルト「了解した」


坂本「ミーナはもう休め。あとは私達に任せて」

ミーナ「……ええ」ゾクリ


ミーナ(……嫌な予感がするわ)

ミーナ(ペリーヌさん……)


【2Day ??? ???】


  カツン...カツン......




坂本「……」

坂本「……! 誰だ!」



坂本「……なんだ、お前か」

坂本「なぜこんな所にいるんだ。ペリーヌ捜索なら私とバルクホルンが……」



坂本「……」

坂本「また、その話か」


坂本「…目を覚ませ」

坂本「お前がここで立ち止まる事など、…誰も、望みはしないぞ」

坂本「それを忘れない事と、過去に囚われる事は違う」

坂本「なあ、         」






   パァン!




坂本「……」

坂本「そうか」


【2Day 05:50 監視塔】


エイラ「……」ウトウト

サーニャ「……」



ミーナ「エイラさん!」


エイラ「うわっ………ねね、寝てないぞ! 私は!」ビクッ

エイラ「……中佐、なんでここに……」


ミーナ「なんでここに、じゃないでしょう。エイラ・イルマタル・ユーティライネン少尉!」

ミーナ「まったく……サーニャさんを見習いなさい」

サーニャ「エイラ……」

エイラ「うう…ごめんよサーニャ」

エイラ「わ、私はいつから寝てた……」

サーニャ「ずっと……」

エイラ「ずっと!? そ、そんなことないだろ……」

サーニャ「………」

エイラ「そ、そんな……私はぁ……」



ミーナ「……」

ミーナ「そこまでよ。ともかく……夜間にネウロイの襲撃が無くて良かったわ」


エイラ「ネウロイだって、こんな天気の日に飛びたくはないんだろー」


ミーナ(雨は止んでないし、風は昨日より強くなっているわ……)

ミーナ(本格的な嵐ね……少なくとも明日……明後日までは)

エイラ「なあ、中佐」

エイラ「通信の方はその、直ったのか?」


ミーナ「駄目よ……未だ空電の影響下にあるわ…」

エイラ「……」


 カンカンカン.....


ゲルト「おや、ミーナ。早いな」

ミーナ「あらトゥルーデ……あなたこそ」


ゲルト「…あまり眠れていないようだな。無理もない」

ミーナ「……ええ」

ミーナ(結局一睡も出来なかったものね……ペリーヌさんが心配で)


ゲルト「実は、坂本少佐を捜しているんだが……」

ミーナ「……少佐を?」


ゲルト「ああ、合流場所でずっと待っていたんだが、現れなかった」

ゲルト「気が付けば夜も明けてしまっていたのでな」

ゲルト「もしや出会えずにエイラの場所に来たのだろうかと……」


エイラ「少佐? 少佐がどうかしたのか?」

ゲルト「その様子では、出会っていないようだな……」


ミーナ(そんな……美緒まで……)


ゲルト「少佐ほどの方が、事故に巻き込まれるとは思えんが……」

ゲルト「ともかく、全員が起きたら会議室に集め、状況説明をしたほうが良さそうだ」


ミーナ「そうね……まだ行方不明と決まったわけではないけれど」

ミーナ「嵐に閉じ込められた以上、なんらかの対策を立てないと」


サーニャ「坂本少佐……」

エイラ「心配すんなよサーニャ、きっと二人ともすぐみつかるってー」

ゲルト「……」



ゲルト「……ん?」



ゲルト「おい……エイラ、ハンガーが開いているぞ」


エイラ「え? ………あ、あれ?」

ミーナ「……エイラさん……」


ゲルト「妙だな……エイラ、先ほどまでは閉まっていたのか?」


エイラ「え? えーっとその……たぶん……」

エイラ「サーニャ! 閉まってたのか?」

サーニャ「私は…そっち側の見張りじゃないから……」


ゲルト「お前……」

ミーナ「……」


ゲルト「開いている、と言うことはだな、誰かが開けたのだろう」

エイラ「さ、坂本少佐じゃないのか……」ヒリヒリ


ゲルト(……たしかハンガーは坂本少佐が巡回したはずだな)


ゲルト「しかし、こんな嵐の日にハンガーを開け放っては、ストライカーが危険だ」

ゲルト「まったく……あれを閉めに行くぞ、エイラ!」


エイラ「えー! なんで私なんだよー!」

ゲルト「監督責任だ。付いてこい」

サーニャ「エイラ、私も行くから……」



ミーナ「私も行くわ。少佐がそこにいるかもしれないし」

ミーナ(……美緒)


【2Day 06:10 ハンガー内】

ミーナ「……」

ゲルト「……」

エイラ「……」

サーニャ「……」


坂本「」


ミーナ「そんな………美緒……」ガタッ

ミーナ「美緒……! 美緒……!」


ゲルト「……恐らく……数時間は経過しているな」

ゲルト(胸に銃痕……これが死因か……?)


エイラ「そ、そんな……嘘だろ……」


ゲルト「ともかく、一旦、少佐を別の場所に……」

ミーナ「……」



ミーナ「……いいえ」

ミーナ「……死体は動かしません。ハンガーを閉封してください」

ミーナ「坂本少佐を……襲った人物が存在する以上……」

ミーナ「まずは私達で残りの仲間の安全を確認します……」グスッ


エイラ「……中佐…でも…」

ミーナ「このままにしておくの…! これは命令よ……」


ゲルト「……わかった」


【2Day 06:20 宮藤・リーネ寝室】


芳佳(……)スースー

  サワサワ


芳佳(な、何してるの……みんなして……)ウウッ

芳佳(や、やめてよ……嫌だよぉ……)アアン

芳佳(そんな……駄目……あっ……)ハアハア



芳佳「……気持ちいい……」

エーリカ「うわぁ……」サワサワ



芳佳「……」

芳佳「ひゃああ! ハルトマンさんっ!!」


エーリカ「静かに、リーネが起きちゃうよ」サワサワ

芳佳「あ、はい…」


芳佳「って違います! なんで私の胸をさすってるんですかあっ!」

エーリカ「いい夢見てたくせにー」サスサス

芳佳「あ……。いえ、違いますから!」

芳佳「や、やめ……あっ……い、いい加減にしてくださいーっ!」ガバッ

  ドタバタ


リーネ「うーん……、芳佳ちゃん……?」

エーリカ「助けてリーネ! ミヤフジに襲われたー!」

芳佳「ぎゃ、逆じゃないですか!」

リーネ「えっ、えっ」


エーリカ「もうー、朝っぱらからおさかんな奴だなー、ミヤフジはー」

エーリカ「私とリーネを間違えて押し倒しちゃうなんて……」


リーネ「よ、芳佳ちゃん……!」

芳佳「ち、違うよぉリーネちゃん!」

芳佳「ハルトマンさんも誤解されるような事言わないで下さい!」


エーリカ「え、じゃあミヤフジは私だってわかってて……」ポッ

リーネ「芳佳ちゃん」

芳佳「あ、違うよ、違います!」

芳佳「ハルトマンさんもいい加減にしてくださーい!」



  ドンドン!

ゲルト「宮藤! ここにいるのか!」


  ガチャ

エーリカ「げ、トゥルーデ」

ゲルト「エーリカ……ここにいたか……」ホッ

ミーナ「部屋にいなかったから、心配したのよ……」


リーネ「ミーナ中佐にバルクホルン大尉……」

芳佳「何かあったんですか?」


ゲルト「詳しいことは後で説明する」

ゲルト「ミーティングルームに集まれ。なるべく固まってな」


芳佳「?」

エーリカ「なになにー?」

リーネ「……」


【2Day 7:00 会議室】

ゲルト「……以上だ」



シャーリー「な……少佐が……!」

ルッキーニ「……」

エーリカ「  」

リーネ「……」

芳佳「な、なんでそんな……え……」

芳佳「坂本さんが……どうしたら……私……!」


ゲルト「落ち着け、……宮藤」

芳佳「だ、駄目ですよそんなの……嘘です」

芳佳「坂本さんに会わせて下さい! 私の治癒魔法があれば、きっと……!」


ミーナ「……宮藤さん」

芳佳「ミーナ中佐……でも、私、そんな……、坂本さんが……」

芳佳「う……うぅ……」


シャーリー「坂本少佐の死因は……?」

ゲルト「…正面からの胸部銃撃。即死だっただろう」

ゲルト「凶器は、……おそらくコレだ」カタン



   ザワザワ......

リーネ「そ…それは…」

ゲルト「501戦闘航空団のウィッチに支給される、小型軍用銃」

ゲルト「坂本少佐の遺体の脇に落ちていた」


エーリカ「じゃあ……それを持って無いやつが犯人なの…?」

ミーナ「エーリカッ!」


ゲルト「……この銃は、部隊の一人に一つ配布される。特注品だ」

ゲルト「確かにこの銃の所持者は疑わしいが……」

ゲルト「しかし……これはその…余り物があってな」

シャーリー「余り? 予備品ってことか? そんな事があるわけ……」


芳佳「……」




芳佳「私の、銃ですか」

ゲルト「……そうだ」


ミーナ「ロマーニャに基地転属になった時、配布された物なの」

ミーナ「宮藤さんには必要無いと思っていたから……ずっとしまい込んでいたんだけど」


ゲルト「ハンガーの武器庫の鍵が、破壊されていた」

ゲルト「おそらくそこからこの銃を盗み出したのだろう」

ゲルト「シリアルナンバーから、この部隊の銃であることに間違い無い」

ゲルト「ごく最近の発射痕もある……凶器で間違いは無い」


ゲルト「全員……この場で身体検査をさせてもらおう」



シャーリー「ま、待てよ……」

シャーリー「それじゃあ少佐を撃った犯人が、私達の中にいることになる!」

ゲルト「……そうだ」

シャーリー「な……! でも……」


ゲルト「状況は明白だ。リベリアン」


ゲルト「坂本少佐が殺害されたのはハンガー内だ」

ゲルト「ハンガーには緊急時の武器、銃器が多数存在する」

ゲルト「犯人はそれらに触れず、わざわざ武器庫の中からウィッチ用の短銃を探し出した」

ゲルト「そしてそれで坂本少佐を正面から銃撃し、死に至らしめている」


エイラ「つまり……どういうことだ?」

リーネ「犯人は、わざわざ武器庫に保管されてる芳佳ちゃんの銃を使った、……」

エーリカ「……いいや…」


シャーリー「……なるほど」


シャーリー「犯人は、自分の銃で坂本少佐を撃った後……」

シャーリー「銃痕と所持している銃を調べられてはまずいと判断し、」

シャーリー「宮藤の銃を盗み出してポケットに入れ、自分の銃は現場に放置した」

シャーリー「現場で他の銃器に手を触れていないのは、そう言うことだ、と言うんだな」

ゲルト「……」


シャーリー「そしてさらに、坂本少佐を正面から撃てるほど、警戒されない人間……」

シャーリー「私達、501の仲間ってわけか…」




シャーリー「……気に食わないね」

シャーリー「私達の中に、少佐を殺す奴なんていない」

シャーリー「それはみんなもわかってるんだろう?」

ゲルト「……」


シャーリー「今は仲間を疑うことよりも、これを敵襲と考えて、万全の対策を練るべきだ」

シャーリー「まずはハンガー内に小本部を設営し、そこへ移ろう」

シャーリー「嵐が過ぎるまで、多く見積もっても5日。食料も全てハンガーに写し、防戦体制をとろう」

シャーリー「ネウロイの襲撃に関しては、もはや許容できない。基地の防戦は諦める」

シャーリー「少しでも嵐が収まれば、部隊を二つにわけ、ロマーニャ軍へと助けを求めて――


ゲルト「……」

ゲルト「それは、一つの意見として受け取っておく」


シャーリー「!」


ゲルト「今は空論を信じて行動するべきではない。理解しろ」

ゲルト「上官が撃たれた以上……常に最悪の状況を想定しなければならない」


シャーリー「……お前……」ガタッ


ゲルト「基地内の武器、弾薬はハンガー内に固まっている」

ゲルト「そのハンガーは私が力尽くで閉鎖した。私の力無しでは侵入は不可能だ」


シャーリー「責任とか、そんな問題じゃ無いんだぞ、バルクホルン……!」

ゲルト「バルクホルン先任大尉、だ」

ゲルト「これは命令だぞ。シャーロット・イエーガー大尉……!」


シャーリー「……っ」

ゲルト「……では、宮藤から。来い」

芳佳「……はい…」

ペリーヌが不人気なのが解せない

【2Day 08:30 会議室】

リーネ「……お、終わりました…」

ゲルト「ふむ。全員危険物の所持は無し……か」


シャーリー「当たり前だろ……寝起きなんだから」

エイラ「私は眠いぞ……」

サーニャ「エイラ、もう充分寝たでしょ」

エイラ「うぅ…サーニャ…」


芳佳(坂本少佐……)

リーネ「芳佳ちゃん……」


ゲルト「それでは……形式的に、皆の昨晩から今朝にかけての行動を聴取しておく」

ゲルト「坂本少佐の生存は、午前零時までは私とミーナが確認しているからな」

ゲルト「0000時から、今朝の0600時までの間、各自の行動を問う」

ゲルト「ミーナ、手記を頼む」

こっからOP

35分位で他の奴は5秒位じゃね

>>73
この人気投票じゃ現在ペリーヌが堂々の一位だぞ

>>82
まじか
っていうか502とか合わせて可愛くないウィッチが一人も居ない件


ゲルト「私はゲルトルート・バルクホルン大尉だ」


ゲルト「昨晩の00:00、私は談話室前で坂本少佐と別れた」

ゲルト「その時はミーナ中佐も共におり、少佐の生存の証明となるだろう」


ゲルト「坂本少佐は基地外部の捜索に向かい、私は宿舎内の捜索を行った」

ゲルト「食堂と会議室、各員の就寝を確認。といっても消灯を確認しただけだが」


ゲルト「02:00、私は談話室に戻り、坂本少佐を待っていた」

ゲルト「眠ってはない。いつネウロイの襲撃があるかわからないからな」

ゲルト「私が談話室にいる期間、誰もこの場所には現れなかった」


ゲルト「そして今朝の05:30、少し前だろうか。朝日を確認した」

ゲルト「私も少々不安になり、第二の合流場所であった監視塔へ向かった」


ゲルト「そして、エイラ、ミーナと遭遇。共にハンガーへ向かい、少佐の遺体を発見した」

バルクホルンをも上回る怪力でA-10のガトリング砲ぶっぱなすウィッチがいたらいいなー

少佐は可愛いではないか!
あの凛々しさといい明るさと言い・・・。奥さんだったらたとえどんな時でも後ろで支えてくれそう。

シャーリー「私はシャーロット・E・イエーガー。大尉だ」


シャーリー「昨晩の00:00、……私はルッキーニと一緒にいたな」

シャーリー「ルッキーニがこの嵐の中、外で寝るなんて言いだしたものだから」

シャーリー「ベッドの上で寝させようと格闘していたよ」


シャーリー「01:30くらいだろうか、ルッキーニが眠ったのは」

シャーリー「あれは暴れ疲れてぶったおれた、ってのが正解なんだろうけどさ」


シャーリー「私がベッドに入ったのは、03:00ごろだ」

シャーリー「少し機具をいじっててさ。本当ならもっと早く寝れたんだけど」

シャーリー「ルッキーニを起こさないように気をつけていたら、どうも時間がかかって」


シャーリー「それからそこの堅物軍人に起こされるまでは、ずっと眠っていたからな」

シャーリー「03:00以降は、もわからないよ」

シャーリー「03:00以降は、もわからないよ」


シャーリー「03:00以降は、もうわからないよ」

在住のシェルストレーム(21)容疑者

ルッキーニ「あわ、あたしは、フランチェスカ・ルッキーニだよ……」


ルッキーニ「あ、あたしは、寝てたよ」

ルッキーニ「え? 時間? わかんないけど……」


ルッキーニ「あ、シャーリーとずっといたよ、うん……」

ルッキーニ「えーっと、寝るまでだよ、うん。シャーリーと一緒に」


ルッキーニ「そ、それで、朝はちゃんと起きたよ!」

ルッキーニ「うん? もちろんシャーリーに……」

ルッキーニ「ま、間違えたー、バルクホルン大佐に起こされたんだっけ?」


ルッキーニ「そ、そうだよ。何もしてないよー……」

ルッキーニ「……」

ルッキーニだけは・・・。

ルッキーニ「うん? もちろんシャーリーに……」

ルッキーニ (いや・・・違う。私はイェーガー大尉に起こされたのだ・・・。
      随分と寝て居なかったからか・・・記憶が曖昧だ。)

ルッキーニ「ま、間違えたー、バルクホルン大佐に起こされたんだっけ?」


芳佳「宮藤芳佳、です……」

芳佳「階級は、えっと、軍曹、です」


芳佳「私は昨日の00:00には、もう眠っていました…」

芳佳「ハルトマンさんとリーネちゃんが同じベッドにいたので、……その、証明に」


芳佳「起きたのは06:00ちょっと過ぎくらいで…ハルトマンさんに起こされました」

芳佳「それまでは、ずっと眠っていたので……わかりません」


芳佳「別に気が付いたことや気になったことはありません……」

芳佳「ごめんなさい……終わりです」


リーネ「リネット・ビショップ……曹長です」


リーネ「私も芳佳ちゃんと同じで……ずっと眠っていました」

リーネ「いや、ちょっと目を覚ました事もありましたけど……」

リーネ「…………、あ、いいえ……何でもないです」


リーネ「昨日の22:00ごろ、ハルトマンさんがやってきて泊まることになりました」

リーネ「私のベッドに3人で、手前からハルトマンさん、芳佳ちゃん、私、です」


リーネ「朝は芳佳ちゃんとハルトマンさんの話し声で目が覚めて……」

リーネ「いえ、特にかわった内容では無かったので……聞いてませんけど……」


リーネ「ともかく、私は眠っていました」



エイラ「エイラ・イルマタル・ユーティライネン中尉だ」


エイラ「さっきから寝てたとか、そんな発言ばっかりだなー」

エイラ「私は……立哨だからな。しっかり起きてたぞ」

エイラ「たまにうとうとしたりしたけど、ほんのちょっとだけだからな」


エイラ「もちろんサーニャも一緒にいたさ」

エイラ「サーニャからは片時も目を離さなかったからな! 大丈夫だぞ!」

エイラ「あ、いや、見張りもちゃんとしてたぞ。ほんとだからなー!」


エイラ「まあともかく、私は監視塔にずっといたんだ」

エイラ「証明なんて、他の奴と比べても大差ないだろ」

みんな、殺そうと思えばできなかったわけじゃない感じか

ミーナ「私はミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐よ」


ミーナ「00:00、確かに私は坂本少佐と会っていた……確実よ」

ミーナ「少佐はバルクホルン大尉と共に、巡回の行路を決め、談話室の方に歩いて行ったわ」

ミーナ「私は……その後、通信の回復が諦めきれずに、司令室に残っていたわ」


ミーナ「部屋に戻ったのは……そうね、03:30くらいかしら」

ミーナ「誰にも会わなかったし、妙な物音も聞かなかったわ」


ミーナ「どうも寝付けなくて……そのまま05:30ごろ、監視塔に向かったわ」

ミーナ「美緒……少佐達がそこにいる、と思っていたからよ」


ミーナ「そこでエイラさんと会って、話している内にバルクホルン大尉が現れたわ」

ミーナ「そして、彼女がハンガーの異常に気が付いたことで、その場の全員でハンガーへ向かったの」


ミーナ「あとは、坂本少佐を発見し……ハンガーの閉封」

ミーナ「その際、凶器と武器庫の異変に気付いたわ」

エーリカ「エーリカ・ハルトマンだよ、16才」


エーリカ「少佐がこんな事になっちゃって……その……」

エーリカ「……なんて言えばいいのかわかんないよ…」


エーリカ「私は、その、トゥルーデがいなくて暇だったから」

エーリカ「ミヤフジとリーネの部屋に泊まりにいったんだ」


エーリカ「寝た時間は、23:00過ぎくらい? 良く憶えてないよー」

エーリカ「電気を消したのは私だよ。ベッドから一番近かったからね」


エーリカ「誰かがこっそりベッドを抜け出したなら私も気付くはずだから、無いと思うなー」

エーリカ「え? 信用ならない? まあ……寝てる時の事だからねー」


エーリカ「起きた時の時間? わかんないなあ……」

エーリカ「でも起きてすぐミヤフジを起こしたよ。だから同じくらいだと思うよー」

サーニャ「アレクサンドラ・ウラジミーロヴナ・リトヴャク……中尉。14才です」

サーニャ「あ、…年は言わなくても…恥ずかしい……」


サーニャ「私はエイラといっしょに、監視塔で立哨していました」

サーニャ「立哨って……空を飛んでる時より、楽しくないです……」


サーニャ「雨と風の音が凄くて……何も聞こえていませんでした」

サーニャ「怪しい人影なんかも……見ませんでした」


サーニャ「エイラが眠っている時は、私が全体的に見張りをしていました」

サーニャ「ごめんね、エイラ……あんまり気持ちよさそうに寝てたから……起こせなくて」


サーニャ「特に変わったことも気付きませんでした」

サーニャ「ごめんなさい……」


【2Day 10:00 会議室】

シャーリー「ルッキーニ、腹は減らないか……? 大丈夫か」

ルッキーニ「お腹減ってない……食べたくない」

シャーリー「そうだよな……」


ゲルト(………)パラパラ

ミーナ「とりあえず皆の発言をそのまま纏めてみただけよ」

ミーナ「犯人捜しなんて……するべきじゃないのは良くわかっているのに」

ゲルト「……」


   宮藤『

   エーリカ『

ゲルト(……! これは……!)


ゲルト「おい、エーリカ・ハルトマン中尉!」

エーリカ「え、なに…!?」

なんだなんだ


ゲルト「お前、先程の聴取……本当のことを話したか?」


エーリカ「……っ」

エーリカ「何言ってんのさ! トゥルーデ!」

エーリカ「こんな時に嘘なんて、その、言うわけ無いじゃん!」


シャーリー「どうしたんだ……」

エーリカ「……」

ミーナ「…気になる発言でもあったの?」

ゲルト「いや……」





ゲルト「朝に弱いお前が、なぜ宮藤たちより先に起きているのか気になってな」

エーリカ「っ!」ビクッ

確かに・・・


   ザワザワ.....

エーリカ「あ、あうう……」


ゲルト「何だ。やましい事が無ければ、堂々と答えられるはずだ」

ゲルト「カールスラント軍人として! ……フラウ!」


エーリカ「……」

エーリカ「……」


エーリカ「……ちょっと、偶然早くに目が覚めただけだよー」

エーリカ「珍しいことをしたからって騒がれるなんて、困るよー……」


ゲルト「……」

ゲルト「わかった」


ミーナ「他に気になる点は無いの? トゥルーデ」

ゲルト「多々あることはあるが、目立つ事は無い」


シャーリー「まあ、聴取から犯人を特定するなんて無理な話さ」

シャーリー「それよりは、これから全員行動を心がけていたほうが犯人も動けないだろう」

シャーリー「外部犯であれ……内部犯であれ」

ミーナ「……」


ゲルト「坂本少佐の殺され方を考えるに、」

ゲルト「外部犯だとしても我々固まっているところに強襲は行わないだろう」

ゲルト「予測に過ぎないがな……」



リーネ「その……」

ゲルト「下の方の具合がどうなっているのか気になってな」 クチュ

エーリカ「っ!」ビクッ

ミーナ「どうしたの? リーネさん」

リーネ「その、こんな事言うべきかどうか解らないんですけど……」


ゲルト「もちろん言うべきだ。この状況では、どんな言葉にも価値がある」

シャーリー「堅物軍人さんは情報を欲しがってるみたいだからな」

シャーリー「なんでも言ってみなよ」


リーネ「その、ハルトマンさんの事で……」

ゲルト「……!」

エーリカ「!? え、なに、リーネ!?」

リーネ「ごめんなさい……その……」





リーネ「夜……目が覚めた時……ハルトマンさんがいなかった時があったような……」


エーリカ「え、あ、それはね、リーネ」アセアセ

エーリカ「……あっ…」


ゲルト「ハルトマン……お前……」

ミーナ「夜、部屋から出ていたの……?」


リーネ「あの時は……自分の部屋に帰られたのかな、と思っていたんですけど……」

リーネ「ごめんなさい……その、私……!」


ゲルト「おいエーリカ、説明しろ」

ゲルト「お前、『嘘なんて、言うわけ無い』んじゃなかったのか……」


エーリカ「う、うう……違うよ、違うよお」


ミーナ「説明なさい」キッ


エーリカ「わ、わかったよ……」


エーリカ「夜、その……偶然、目が覚めたんだよう……」

エーリカ「それで、トゥルーデはもう部屋に戻ってるかな-、と思って、その…」

エーリカ「部屋に戻ったんだけど……」


エーリカ「でも、誰もいなくて……その、やっぱり寂しかったから」

エーリカ「もういちどミヤフジのベッドまで戻ったんだよ……」


エーリカ「関係無いことだし……黙ってたほうが良いと思って……」


ミーナ「……」

ゲルト(……)

逆転裁判の尋問みたい


ゲルト「……」

ゲルト「それは、いつごろだ?」

リーネ「0400時くらいだったと思いますけど……」

エーリカ「う、うん、たぶん。そのくらいだよ」



ゲルト(……)


ゲルト「…………その後、眠れたのか?」

エーリカ「も、もちろん。ぐーっすりだよー」

ミーナ「……!」

ゲルト「……決まりだな」





ゲルト「エーリカ・ハルトマン。貴様を拘束する!」

寝ちゃったら起きれないだろうしな

10人


エーリカ「な、なんでさ! トゥルーデ!」

サーニャ「どういう事ですか……」


ゲルト「お前の寝態の悪さは、誰であれ、知っている……」

ゲルト「私とミーナは、おまえの将官学校時代から知っているんだ」


ミーナ「そうよハルトマン中尉……」

ミーナ「あなた、0400時ごろに一度起きたんですって?」

ミーナ「そして、06:00前まで眠った……のよね?」


エーリカ「それがどうかして…………あっ…」



ゲルト「……そうだ」

ゲルト「お前が、二度寝をして、すぐさま起きられるはずがないだろう!!」

ぺ・・・なんだっけベルルスコーニだっけ



エーリカ「あ、はわ……うう……」

エーリカ「それは……それは……うう……」


ゲルト「もしも……嘘に嘘を重ねた理由があるのであれば、聞こう」

ゲルト「だが、もはや私にはお前が信用ならない」

ゲルト「……すまんな」


エーリカ「……ごめん、トゥルーデ」

エーリカ「でも……私、坂本少佐を殺してない……」


ゲルト「ミーナ、指事を預ける。この場合の判断は」


ミーナ「禁固室……かしらね」

ミーナ「あそこは外からも内からも錠がかけられるから……」

ミーナ「鍵を持って中に入れば、一応、それなりに安全なはずよ…」


シャーリー「ま、待てよバルクホルン……」

ゲルト「……」

シャーリー「……う」


ゲルト「退け、リベリアン。これは示し、だ」

ゲルト「疑わしき物は罰する――。カールスラント軍人として、当然のことだ」


エーリカ「みんな……ごめんね、混乱させて」

エーリカ「でも私、やってないから……」


芳佳「ハルトマンさん……」

ゲルト「行くぞ、お前達」

芳佳(ハルトマンさんは、バルクホルンさんに中半引き摺られるようにして)

芳佳(隊の階上にある、禁固室に連れてこられました)


芳佳(禁固室は、内側と外側にそれぞれ別の鍵が付いており、外側からの開閉のみ外の鍵で可能です)

芳佳(ミーナ中佐はハルトマンさんにその鍵を渡し、部屋に籠もるように、といいました)

芳佳(これでこの部屋は、ハルトマンさんと外の誰かが同時に鍵を開けなければ、開かなくなるのです)


芳佳(ハルトマンさんは、私達一人一人の顔を見て、泣きました)

芳佳(泣きながらサーニャちゃんを抱きしめ、そして、部屋の中に入っていきました)


芳佳(最後にハルトマンさんは振り返り、私達に『ごめんね』と言いました)

芳佳(その姿は私の心の中に、何かとんでもない失敗をしてしまったのではないか――)

芳佳(また、もう二度とハルトマンさんに会えなくなるのではないかという不安を形作りました)



芳佳(そして、扉は閉ざされました)

 (なかなか……上手く事が運んでくれている)

 (後は、あの二人さえ始末してしまえば……)

 (いや、焦ることはない。嵐は過ぎ去ってはいないのだから)



 (後の問題は、バルクホルンくらいか……)






   ( これは )

                    ( 『私』 の)



             ( 『私達』  の )





                             ( ――『復讐』 だ  )


一応、これで第一幕終了となります。

一応、動機も手段も納得出来る形の犯人は用意してあります。
ただ、思いついたのが逆転裁判3やってる時だったので、そのへんご了承下さい。

とりあえず寝ます

再開いつっすかーー?

同時にリーネがフリーになってることも忘れてはダメだな

芳佳とグルってのも....エーリカが来た最初の反応も怪しい

怪しいのは
シャーリー (言動も怪しい)
ルッキーニ (外に出たがってた。可能性は低いがシャーリー就寝後フリー)
ミーナ (巡回中フリー。エーリカ禁固に賛成)
サーニャ (エイラが寝てる間フリー)
リーネ (エーリカがいなくなった後フリー)
芳佳 (リーネと共犯かも)

かな?

シャーリー (言動も怪しい)
ルッキーニ (外に出たがってた。可能性は低いがシャーリー就寝後フリー)
ミーナ (巡回中フリー。エーリカ禁固に賛成)
サーニャ (エイラが寝てる間フリー)
エーリカ (サーニャとの共犯かも。実行犯ではないのか?)
リーネ (エーリカがいなくなった後フリー)
芳佳 (リーネと共犯かも)

その他 ペリーヌもっさん生存説、ペリーヌと誰かが共犯してるかも

でいい?

ペリーヌの壮大な釣り説も浮上

>>194
ないだろwwww ....................そうだよな?

リーネ.....

やっほー

もどってきたけど
落ちてなくてよかった

ごめんなさい
20時頃から再開します

ペリーヌさんは素敵な人ですよ

再開します

鍵とかについての説明は、我ながら足りなかったと思います
でもあんまり詳しく書くと中弛みするので、今後の展開で簡潔に説明します
ごめんなさい

【2Day 14:00 談話室】


エイラ「……」ペラ

エイラ「復活の審判、笛を吹く天使――逆位置」

エイラ「……過去との決別、修復不可能、望まぬ決断」

芳佳「あ、あはは……」


エイラ「……」ペラッ

エイラ「朧な月、吠え猛る二匹の犬――正位置」

エイラ「不安定、心変わり、隠れた狂気」

リーネ「うう……」


エイラ「まあ……こんな日もあるさ」

エイラ「私の占いなんて、外れることの方が多いんだからさ……」


芳佳(昼になり、私達は食事のための準備をすることになりました)

芳佳(食欲などありませんでしたが、食べなければ体が持ちません)

芳佳(私は、余っていたジャガイモを茹で上げ、簡単な昼食を用意しました)


芳佳(そして、シャーリーさんとバルクホルンさん、ルッキーニちゃんは)

芳佳(ハルトマンさんのために、その食事を運びに行っています)


エイラ「ちなみに、この部隊の行く末は……」


エイラ「………こりゃ駄目だ」

エイラ「落雷の塔、落ちる人影――正位置」


芳佳「そ、それって悪い事なんですか……」

エイラ「……お前って、何にも知らないんだなー」


リーネ「あのね……塔はタロットの中でもっとも悪いカードなの」

リーネ「破綻とか、崩壊とか……救いがたい運命、とか」

芳佳「へえぇー……全然知らなかったよ……」


芳佳「ちなみに、エイラさん自身の結果ってどうなんですか?」

エイラ「私は……」ペラッ


エイラ「星を頂く女帝――逆位置」

エイラ(……これは)


サーニャ「どうしたの、エイラ…」

エイラ「いや、何でもない」

芳佳「?」


ミーナ「……宮藤さん、ちょっといいかしら」

ミーナ「あの子、やっぱり今朝はおかしな所とか、無かった……?」

芳佳「ハルトマンさん、ですか?」


ミーナ「私はあの子のことはよく知ってるつもりだったのに……」

ミーナ「いいえ、この部隊について、知っていると思い込んでいたんだわ、酷い傲慢ね」

ミーナ「こんな事が起こってしまったのも……私の……責任だと思って……」

芳佳「ミーナ中佐……」


エイラ(……)


  コンコンコン!


 「「…!」」


『私だ! バルクホルンだ。皆、無事か』

『こっちは3人とも無事だぞ。ぴんぴんしてるさ』

『ウジュァー!』



芳佳「あ、良かった……バルクホルンさん達だった」

リーネ「私達も全員無事です」

ミーナ「今、鍵を開けるわ」


  ガチャ

シャーリー「ふう、なんとか無事に帰って来られたな」

ゲルト「……」


芳佳「その、ハルトマンさんの様子は……」


ゲルト「……いや」

ゲルト「顔を合わせたくは、無いようだ」

ゲルト「一応、差し込み用の小窓から食事は入れておいたが……」


シャーリー「たぶん、ふて寝してるんだろう。あんな事があったあとだからな」

シャーリー「返事もしなかったよ……それより私達の分の食事は?」


芳佳「あ、はい……ここに」

芳佳「大丈夫ですよ、おかしな物は入ってませんから…」


シャーリー「芳佳が作ったモノなら、なんでも大丈夫だよ。うん、おいしい」モグモグ

芳佳「シャーリーさん……」


ルッキーニ「……」モグモグ

芳佳「あの、バルクホルンさんも……」


ゲルト「いや、まずはこれの処理が先だな」

     バラバラバラ


リーネ「きゃ、きゃあ!」

エイラ「なんだそれ、銃かー!」

芳佳「な、なんですかバルクホルンさん……」


ゲルト「すまないが、勝手にそれぞれの部屋を物色させてもらった」


シャーリー「……私の考えさ。みんなごめんよ」

シャーリー「私とルッキーニが捜索するのを、バルクホルンが見張るって形でな」


ゲルト「それぞれの部屋に隠されていた、軍用銃だ」


ゲルト「芳佳、リーネの部屋からは1丁。 化粧棚の3段目」

ゲルト「私、ハルトマンの部屋からは1丁。 私のベッドの枕元」

ゲルト「シャーリー、ルッキーニの部屋からは1丁。 工具箱の底」

ゲルト「中佐、少佐の部屋からは2丁。 机の引き出し、小物入れ」

ゲルト「エイラ、――サーニャの部屋からは0丁」


ミーナ「……」

ミーナ「そして、坂本少佐の現場に残されていた銃と合わせて、6丁ね」


芳佳「え……部屋を……」

エイラ「か、勝手な事すんなよなー!」

ゲルト「致し方ない」


ミーナ「銃の数が……足りなさすぎるわね」

ゲルト「そうだ。それぞれ先程の場所から確認出来るか?」


ルッキーニ「私の銃、無いよー…、部屋にも戻ったことあんまりないしー」

ルッキーニ「どこにいっちゃったのか、わかんない……」


サーニャ「私の銃……エイラに預けてた様な気がする……」

エイラ「え? あれ? そ、そうだったか?」

サーニャ「サーニャには危ないから、私が預かってやるって……」

エイラ「あぁー! サーニャ! た、たぶんそうだ! ごめんよぅー」


ゲルト「エイラ……貴様……」

ゲルト「紛失したのか……じぶんの銃を…」

エイラ「だ、だだだだって、その、こんな事になるなんて」

再開かあああ

支援

さるさんくらいました……くやしい
ペース落とします

了解だ

芳佳「じゃあ足りないのは、エイラさんが無くした銃と……」

ルッキーニ「あたしのピストルー……」


ゲルト「そして、ハルトマンの銃だ」

ゲルト「然し、こちらに関しては探すのが不可能だったからな」

シャーリー「あんな汚い部屋でよく生活出来るなーとおもうよ」



ミーナ「そして……ペリーヌさんの銃と……」

芳佳(あ、ペリーヌさんいたのか)

リーネ(芳佳ちゃん……!)


ミーナ「そして一応、……ここにももう一つ……7丁目の銃があるわ」

芳佳(……!)

エイラ(どこから出したんだよ)


シャーリー「どういう事だ? 銃は規定人数分しか無いはずだろう?」

シャーリー「……あっ」

ミーナ「ええ……」


ミーナ「これはとある隊員の物で……私が、預かっていた物なの」

ミーナ「たぶん…必要になると思って、出しておいたわ」

ゲルト「……ああ」


芳佳「え? 何か知っているんですか?」


エイラ「…ミヤフジには……あとで私が説明してやる」

ゲルト「……!」

ゲルト「……そうだな。任せたぞエイラ」


芳佳(なんだろ……空気がすごく重たい……)



ゲルト「ともかく、この銃は処分させてもらおう」

ゲルト「こうなってしまった以上な……」


シャーリー「処分って……どうするんだよ」

ゲルト「こうする」キュィーン


   ガギッ!

ゲルト・・・


シャーリー「うわっ」

リーネ「銃身が……垂直に……」


   ガギッ! ガィン! ガゴッ! メギッ! バキッ!


ゲルト「……ふむ」

ゲルト「これで6丁、始末した」

シャーリー「相変わらず…すげ―力だな、おい」

シャーリー「最後の1丁はどうするんだ?」


ゲルト「私と、ミーナ中佐で所持する」

シャーリー(……!)


ゲルト「銃身は私が所持し、弾倉は中佐が持つ」

ゲルト「外部の敵が来襲した際には、我々二人が迎え撃つ」


芳佳「バルクホルンさん……でも一つだけじゃ……」

ゲルト「心配するな宮藤。私は負けない」



エイラ(……)

エイラ(問題は、そこじゃ、ないんだよなー……ミヤフジー……)

エイラ(容疑者のハルトマン……銃を所持する大尉……指揮官の中佐)


エイラ(……この場を動かせるのは、これで、カールスラント人だけじゃないか……)

エイラ(ほかの奴らは、これに気付いていないのか……)

事件の予感....!


サーニャ「……エイラ、何考えてるの」

エイラ「いや、何でもないぞ、サーニャ」

ゲルト「……」


エイラ(サーニャを守れるのは、私だけだ!)







   『星を頂く女帝――逆位置』



エイラ(軽率、虚栄心、えこひいき……)

エイラ(……いや…まさか、な…)

ゲルト「ともかく、これで我々の武器の所存は理解しただろう」

ゲルト「では、……我々3人の身体検査をして、食事としよう」

ゲルト「宮藤! 我々の身体検査を済ませてくれ」

芳佳「あ、はい!」



シャーリー「あ、悪い! 私もう食べ始めてた!」

ゲルト「この……リベリアン……!」


ルッキーニ「……」モグモグ


芳佳「……?」

リーネ「ルッキーニちゃん……なんかボーッとしてるね」

リーネ「あんなことがあったあとじゃ、しょうがないかも……」

ルッキーニ(……)

【2Day 16:00 談話室】


ゲルト(はやこの場所に立て籠もり6時間か……)


リーネ「……」

サーニャ「……」

エイラ「……まだ、占える奴とかいるか」

芳佳「えーっと……扶桑の……疾風ちゃんとか」

エイラ「……誰だよ、それ……」ペラ


エイラ「えっと、愚者……意味は何だったっけ……」

芳佳「えっと……同じ人がいたような…」


ゲルト(皆、襲撃者への怯えがある……もはや、限界かもしれんな)

ゲルト(何らかの手を打たなければ……)

支援


ゲルト「……中佐、今晩の立哨はどうする?」


ミーナ「監視塔は危険ね……」

ミーナ「この際、司令室に全員待機で、そこから交代で見張りを行いましょう」

ミーナ「日没から明日の日の出までは、動かない方が賢明ね」

ミーナ「外からの襲撃者ではないと、まだ確定していないわけだし…」


ゲルト「うむ……」

ゲルト「その件で……少し話がある」ボソッ

ミーナ「?」

ゲルト「皆、聞け!」

ゲルト「これより一度、司令室へ体を移し、そこを拠点とする」

ゲルト「立哨は司令室内からの遠望のみ。エイラ、宮藤、リーネの3人が行う」

ゲルト「私とミーナは、交代で基地内を捜索」

ゲルト「そこで明日の0600時までの間、通信回復を待つ」

ゲルト「何か意見は、無いか」


   ザワザワ.....


エイラ「あ、あのさ……」

エイラ「私は、サーニャと自分の部屋に戻っちゃ、駄目かな」


ゲルト「……エイラ」

エイラ「だ、だって……」


エイラ「今はさ、そんな、ネウロイとかに構っていられないだろ」

エイラ「だって、私達の中に犯人がいるんじゃないか……」

シャーリー「……」


エイラ「ハルトマンだって、鍵の掛かった禁固室に一人でいるんだ」

エイラ「私達だって、自室で籠もっていた方が、安全じゃないか!」


シャーリー「……一理、あるな」

シャーリー「犯人が501内にいるかも知れない以上、……各々数人数組で対処すべきだ」

シャーリー「もっとも、私は外部犯だと思うがね……分裂するのは危険だ」

シャーリー「しかし、帝国軍人さんは内部犯を疑っているんだろう?」

ゲルト「……」


エイラ「……い、いこうよサーニャ」

エイラ「ここに居たって、何も解決しないだろ…」グイッ

サーニャ「エイラ……でも、中佐が……」


ミーナ「……」

ミーナ「エイラさん、…この鍵を渡しておくわ」

ミーナ「あなたの部屋の鍵よ。これで外からの解錠は出来なくなるわ」

エイラ「……」


ミーナ「充分に用心してね……エイラさんに…仲間にもしもの事があるなんて、私、もう耐えられないから…」

ミーナ「また明日……この場所で会いましょう」ニコ


エイラ(信じないぞ……)

ミーナ「……」

ゲルト「……」



芳佳「い、いいんですか、中佐……エイラさんを部屋に戻しても」

芳佳「もしも途中で誰かに襲われたら……」


ゲルト「……エイラは未来予知の魔法が使える」

ゲルト「今は執拗に気を張っているからな……不意を撃たれることはない」


芳佳「で、でも……うう」


ゲルト「それに、これは予想出来ていたことだ」

ゲルト「各員、二人一組で自室へ戻れ……我々、二人は司令室へ向かう」

ゲルト「そして、我々以外の人間には扉を開けるな」

ゲルト「自室、廊下、談話室――外部犯の可能性がある以上、これら以外の外出は認めん」

ゲルト「必ず二人一組で行動するように」


ミーナ「宮藤さん、シャーリーさん……部屋の鍵よ」

芳佳「あ、はい……」

ミーナ「よく似ているから、間違えないようにね」

ゲルト「それと、これを持て」スッ


宮藤「インカム……ですか?」

ゲルト「常に受信状態にしておけ。私達は定時ごとに現状を報告する」

ゲルト「もちろんそちらからの音声も聞き取らせてもらう」


シャーリー「これで、各自連絡を取りつつ自由行動……ってわけか」

シャーリー「……今のところ、最善か」


ゲルト「では、それぞれ部屋に戻れ」


  ガチャ

リーネ「その、おやすみなさい…」

芳佳「バルクホルンさん…ミーナ中佐……気をつけて下さいね」

ゲルト「ああ……」


  バタン




ミーナ「……さっきの……話って何? トゥルーデ」




ゲルト「……」


ゲルト「犯人を、釣り出してみようと思う」

ミーナ「……!」

ゲルト「我々二人が、今晩立哨と巡回を行うことは皆に説明した」

ゲルト「犯人が我々の殺害を望むのであれば、この期を逃すはずが無いだろう」

ゲルト「一人になった我々の背後を取るには、絶好の機会だからな」


ゲルト「しかしおそらく……私は、襲われない」

ゲルト「おそらく犯人は途中のネウロイの襲撃をも警戒している」

ゲルト「我々を孤立させるには、ストライカーを破壊するのが一番なのだが……」

ゲルト「それをしなかった、と言うことは、ネウロイの襲撃による自らの破滅を念頭に置いているからだ」

ゲルト「現在……ハンガーの開閉が行えるのは、私だけだからな」


ゲルト「坂本少佐の遺体は放置され、わざわざ凶器をその側に示してくれた」

ゲルト「犯人は内部の物であり、未だ……我々の命を狙っている可能性が高い」


ミーナ「……具体的、には。どうするのかしら」

ゲルト「……基地の外を、探索する」

ゲルト「皆は忘れかけているが、坂本少佐があの時間にハンガーにいた理由とは何だ?」」

ゲルト「そう、ペリーヌの捜索だ」


ゲルト「少佐はおそらく、雨の中、島の周辺を歩いてまわったのだろう」

ゲルト「そして、ペリーヌを見つけたのかどうかは解らないが……ハンガーに辿り着き、撃たれた」


ミーナ「それを、……辿るのね。……私が」

ゲルト「飲み込みが早くて、助かる。……すまんな」


ミーナ「私の把握魔法があれば、半径50メートルくらいの把握は可能よ」

ミーナ「この雨風の中でもね…」


ゲルト「ならば私は、その30メートル後方から隠れて追尾しよう」

ゲルト「いざという時は、それで対処出来る」

ミーナ「私を囮にした、敵機誘導……将官学校時代を思い出すわね」

ミーナ「十分な危険……正直、怖いけど…やりたいわ」

ミーナ「何か、坂本少佐の死の原因が、見つかるかも知れないもの…」


ゲルト「……すまん」

ゲルト「では、定時連絡だ」カチッ


ゲルト『こちらゲルトルート・バルクホルン』ジー

ミーナ『ミーナ中佐よ』

ゲルト『これより我々は、一時基地外の巡回に向かう』

ゲルト『夕食は2030時。談話室に用意しておくので、必要であれば取ること』

ゲルト『それまでは各員、部屋からの外出は禁ずる』


ルッキーニ「……む」

ルッキーニ「…」バタン!

支援


【2Day 16:30 宮藤・リーネ寝室】


 『各員、部屋からの外出は禁ずる――』


芳佳「バルクホルンさん達……外に出かけるんだ」

リーネ「心配だね……」


芳佳「こんな雨の中じゃ……何にも見えないと思うけどなあ」

リーネ「うん……」


リーネ「芳佳ちゃん…私、ちょっと横になるね」

リーネ「ちょっとだけ、肩がこっちゃった……」

芳佳「リーネちゃん…」


リーネ「エイラさんもバルクホルンさんも……みんな誰かを疑ってる…」

リーネ「おかしいよね……みんな、仲間なのに…」ポロポロ


芳佳「……」

リーネ「私も……疑ってるの……」

リーネ「みんなが、とつぜんおかしくなりそうで……そんな自分と、…みんなが怖いの……」


リーネ「芳佳ちゃん…! 私とずっといっしょにいてね…。私をおいていかないでね…」




芳佳「うん……リーネちゃん」

芳佳「私達、ずっと親友だからね」


【2Day 16:30 シャーリー・ルッキーニ寝室】


シャーリー「さて、夕飯まで眠るとするか」

シャーリー「ルッキーニ、お前も眠そうじゃないか。今は休んでおいた方がいいぞ」


ルッキーニ「うん……」


ルッキーニ「シャーリーはさ……その、」

ルッキーニ「誰が……坂本少佐を殺しちゃったんだと思う……?


シャーリー「……」

シャーリー「そんな奴、いないさ」

シャーリー「少なくとも、私達の中に、そんなことをする奴はいない」


ルッキーニ「……ホントに?」

シャーリー「ホントだぞー」


ルッキーニ「でもぉ、その、もしもだよ……」

シャーリー「……」

ルッキーニ「私達の中に、犯人がいるってわかったとしたら……?」

ルッキーニ「私は、どうすればいいのかな……?」


シャーリー「まず、そいつと話し合わなくちゃならない」

シャーリー「なんで、こんなことをしたのか」

シャーリー「そいつの言い分をしっかり聞いてから、ガツンと言ってやるべきだ」


ルッキーニ「そうだよ、ね……うん」

シャーリー「ルッキーニ…」

>ルッキーニ「……む」

>ルッキーニ「…」バタン!

一体なにをしにどこへ行ったんだ

ルッキーニ「あたし……もう、寝る…」

ルッキーニ「シャーリー、おやすみ……」モゾッ

シャーリー「あ、ああ……」



シャーリー(繊細な年頃、なんだろうな……)


シャーリー「気をつけろよ、堅物軍人」

 インカム『……』


━━━――

ルッキーニ「……」

シャーリー「……」スヤスヤ


  「……」ムクリ


【2Day 16:30 エイラ寝室】

エイラ「……」

サーニャ「……」


エイラ「なあ……サーニャ……眠くないのか…?」

エイラ「昼もほとんど眠れて無いじゃないか……大丈夫か?」


サーニャ「大丈夫よ、エイラ」

サーニャ「眠いのなら、私に構わず、眠って」


エイラ「…」

エイラ「やっぱり……ハルトマンが、心配なのか……?」


サーニャ「……うん」


サーニャ「ハルトマンさん……可哀想」


エイラ「で、でも仕方ないだろ」

エイラ「そういう状況だったんだから……」


サーニャ「……」

エイラ「……う」


サーニャ「私達が、力になってあげられないかな……」

サーニャ「私も一緒に、禁固室で過ごすとか……」


エイラ「だ、駄目だぞサーニャ! そんなこと……」

エイラ「そ、そんな危ない……いや、その……」


サーニャ「ねえ、エイラ。唄を聞いてくれる?」

エイラ「え……」


サーニャ「眠れないんでしょう……私が、唄ってあげる…」

エイラ「サーニャ……」



サーニャ『   ~♪     ~♪』


エイラ(だんだん……気持ちよくなって……)

エイラ「……」

エイラ「サーニャ……ずっと……一緒ダカラナ……」スヤスヤ

サーニャ「……」



サーニャ「もちろんよ、エイラ」

【2Day ??:?? 禁固室】


エーリカ「ふん……私が坂本少佐を殺すわけ…無いじゃん…」

エーリカ「みんなで私を疑ってさ……グスッ……」


エーリカ「もう……寝ちゃお……」ゴロ

エーリカ「……」


エーリカ(……)

エーリカ(……今眠ったら、…もう二度とみんなに会えなくなるかもしれない)


エーリカ「……」

エーリカ「……怖いよ…」



   ......ガチャリ...

エーリカ「!?」ビクッ

エーリカ「誰!?」


   ……

エーリカ「……」

エーリカ「だ、誰なんだよう……」



エーリカ(物音がしない……)

エーリカ(ちょっと、見にいってみようかな……)

エーリカ(でも鍵は開かないし……そうだ、あの差し込み口から覗けば…)

  ソー....
        カタン

エーリカ(もしかして……坂本少佐の……でもいきなり撃たれたり……しないよね?)

エーリカ(すぐに飛び退けるようにしておかないと……)


エーリカ「……」ゴソゴソ


「……」スッ



エーリカ「え? ……サーニャ?」

エーリカ「あ、ちょっと待ってよ……!」


   ガチャ

エーリカ(あれ? 扉が開く……? 外から鍵、かかってな――







       パァン!

エーリカああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

【2Day 19:00 宮藤・リーネ寝室】


芳佳「……ん」

芳佳(今……何時くらいだろう……)

リーネ「……」スースー


芳佳(夕飯まで時間があるなあ……)

芳佳(そもそも、今、何をすればいいんだろう……)


  坂本『なにぃ! 何もすることが無いだと!』

  坂本『そんな時こそ訓練だ! ついてこい宮藤! あっはっは!』


芳佳(坂本さん……)



  コンコン

シャーリー『宮藤、リーネ。起きているか?』


芳佳「え…シャーリーさん、ですか……?」

シャーリー『ああ、ここを開けてくれると嬉しい』


芳佳(バルクホルンさん達以外には、開けないように言われてるけど……)

芳佳(………)


  ガチャ

シャーリー「助かったよ、宮藤。今ちょっと……困ってるんだ」

芳佳「どうかしたんですかぁ…?」



シャーリー「目が覚めたら、ルッキーニがいなくてなー」

シャーリー「インカムも持って行っていないようだし……どうしたものかと」

芳佳「え……! ルッキーニちゃん、いないんですか…!」

シャーリー「ああ、まったく、一体何処に……」


シャーリー「談話室まで探しに行こうかと思ったんだけど、一人じゃ動けないだろ?」

シャーリー「宮藤たちに付いてきてもらおうと思ってさ」

芳佳「私は構いませんけど……」

リーネ「……」スヤスヤ


芳佳(リーネちゃん、起こすのはちょっとかわいそうかな…)

芳佳(部屋に鍵をかけておけば、大丈夫だよね…?)

芳佳(ちゃんとメモを残しておかないと)

芳佳(万が一の為に、インカムを枕元に置いておこう)


   ガチャリ

芳佳「じゃあ、談話室に行きましょうか」

【2Day 19:20  リーネ】


リーネ「…ん……」フワァ

リーネ「芳佳ちゃん……?」ムクリ


リーネ「芳佳ちゃん、どこいったの……」

リーネ「あ……」



  芳佳『シャーリーさんとルッキーニちゃんを探しに談話室に行くよ』


リーネ「……」

リーネ「……私も、行こうかな……」


リーネ(あ、でも芳佳ちゃん、鍵を持っていっちゃってる……)


  ガチャリ

リーネ(部屋の鍵、掛けられないけど……)

リーネ(別に入られて困る事なんて無いし、大丈夫だよね……)


リーネ「談話室、だっけ……」


リーネ(扉、開けっ放しでいいかな……?)

リーネ(そのほうが、いないってわかるもんね)


リーネ(ミーナ中佐は、まだ帰ってこないのかなあ)

リーネ(エイラさんも部屋に籠もりきりだし……)


リーネ「……!」



リーネ「……今、誰かシャーリーさんの部屋に入っていった……」


リーネ(ルッキーニちゃんが、戻ってきたのかな?)

リーネ(ならシャーリーさんは談話室だって、教えてあげないと……)


リーネ「ルッキーニちゃん……」



リーネ(なんだろう……手が震えて……)

リーネ(シャーリーさんの部屋なんて……なんどもお邪魔したことあるのに……)

リーネ(ちょっと……怖い……)




  ガチャ

リーネ「ルッキーニちゃん……いるの……?」


リーネ「は、入るよ……ルッキーニちゃん……」

リーネ「ルッキーニちゃん……暗くて見えないよ……明かりをつけて…」

リーネ(誰か、部屋の奥で動いているなあ)



リーネ「えっと、……あ、いた……」






  カチャッ


リーネ「え?」


【2Day 19:20 談話室】


芳佳「……」ズズ....

芳佳「……!」

芳佳「う、うう……苦いですぅ、シャーリーさん」


シャーリー「あはは、宮藤にはまだ私のコーヒーは早かったかー」

シャーリー「そいつが大人の味って奴だ。早く大人になりたいだろー」

芳佳「せ、せめてミルクを入れて下さい……」チラッ



芳佳(おっきいなあ……)

シャーリー「お、なんだその目は」

シャーリー「どしたどしたー、うりうり」

芳佳「わああ、やめてください……ぅあ……」


芳佳「そ、それにしても、ルッキーニちゃんいませんでしたね…」


シャーリー「ああ……」

シャーリー「あいつのことだから、危険なことはしないと思うんだが……」

芳佳「でも……」

シャーリー「ルッキーニだからなあ……心配だ…」


芳佳「食堂の方にでも、食べ物を探しに行ったとか……」

シャーリー「あの石頭軍人さえいなけりゃ、探しに走れるんだけど……」

芳佳「あはは……」



  『定時連絡、こちら石頭軍人だ』

シャーリー「うわっ!」


ミーナ『こちらミーナ中佐よ。現在、ハンガーのハッチ前』


ゲルト『ルッキーニの件は先程からこちらにも聞こえている』

ゲルト『私はこれよりミーナ中佐と合流し、その後、浴室、食堂、会議室と移動する』


ゲルト『シャーロット・宮藤両名は談話室より動くな。我々も時期に向かう』ブッ


シャーリー「うわー、びっくりしたー……」

芳佳「駄目ですよシャーリーさん、これ全部聞こえてるんですから……」


芳佳「ルッキーニちゃんもインカムを持っていってくれればすぐ連絡が取れたのに…」

シャーリー「代わりに部屋の鍵を持って行かれてしまったからなー」

シャーリー「今、私の部屋は開けっ放しだ」


芳佳「大丈夫なんですか……それ?」

シャーリー「大丈夫も何も、盗られて困る物も無いからなー」

芳佳「まあ、それもそうですよね……」


シャーリー「……」カチャ

  スッ


芳佳「……!」

芳佳(シャーリーさん……顔が……)


シャーリー「なあ、芳佳」スッ

シャーリー「ちょっと、声を落としてくれるか…?」

芳佳「……えっ」


シャーリー「あいつらには聞かせたくないんだ……芳佳の可愛い声を、さ」

芳佳「……あぅ……」


シャーリー「お前は……この事件を、どう見ているんだ……?」


芳佳「私……」

芳佳「私は……」



芳佳「わからない……です」



芳佳「私達10人の中に犯人がいるなんて……考えられない……」

芳佳「でも……状況は……私達の誰かが……その……」

芳佳「もう……辛くて…何も考えたくありません……」ポロポロ


シャーリー「……ああ」

   ギュ


シャーリー「そうさ……仲間を撃つ奴なんて、いない」

シャーリー「きっと、そこには何か、私達の考えられないような、悲しい理由があるはずなんだ」


シャーリー「…もうこれ以上、仲間を傷付けさせやしない」

シャーリー「私が……みんなを守るから。……安心してくれ」




芳佳「……」

芳佳「ずるいです……シャーリーさん」

芳佳「みんなを一人で守るなんて……ずるいです…」


シャーリー「ああ、私はずるいんだ」

シャーリー「――大人、だからな」


芳佳「……」ムスッ

シャーリー「ふふ、……でもさ、芳佳」

シャーリー「私は、みんなを守るけど、……芳佳は――」スッ


シャーリー「……――芳佳は、私を守ってくれるんだろう?」ギュッ


芳佳「あぅ……シャーリーさ……駄目……」







       パァン!






シャーリー(な……銃声!)バッ

芳佳「あっ……!」


シャーリー「こちらイェーガー大尉! 談話室にて、発砲音を確認した!」

シャーリー「音は寝室から聞こえて来た模様! 直ちに確認に向かう!」


  インカム『ま、待ちなさい大尉――まだ――』


シャーリー「持ってろ宮藤!」ポイッ

芳佳「あ、ちょ、ちょっと! 待って下さいシャーリーさん!」


  『待て! 宮藤! その場を動くな!』

  『バルクホルン大尉! あなたは西階段から上がって!』


  『この通信を聞いている物はその場待機! 状況把握出来ている物は随時説明なさい!』


シャーリー「くそっ! 廊下には誰もいないな……」ダダダダッ


芳佳(わ、私の部屋の扉が開いてる……!)

芳佳「リーネちゃん……」ダッ

シャーリー「待て宮藤! 敵が潜んでいるんだぞ!」


  ガタッ

芳佳「リーネちゃん!」


芳佳「い……いない……!」


シャーリー「……!」


シャーリー(私の部屋は、扉を開けておいたはずだな……)

シャーリー「宮藤、私の側から離れるな!」



   ガチャガチャ.....

シャーリー「……! 鍵が内側から閉まっている……!」

シャーリー「ルッキーニ! 戻っているのか! 返事をしろ!」ドンドンッ


芳佳「シャーリーさん……この部屋の鍵は……!」

シャーリー「持っているのはルッキーニ自身だ……どうしようもない」



   タッタッタッタ

ゲルト「どいてろ! リベリアン!」

シャーリー「バルクホルン! ずぶ濡れじゃないか……」



芳佳「バルクホルンさん……鍵が…」

ゲルト「状況は理解している。宮藤のインカムを全て聞いていたからな!」


ゲルト「うぉおおおおおお………! せぇいっ!」


   バギッ!


芳佳(ど、ドアノブを引き抜いた……)

シャーリー「ルッキーニ!」

ゲルト「待て! 迂闊に侵入するな!」

   バタン!




芳佳「……あ」

ゲルト「……」

シャーリー「……」



リーネ「」



芳佳「う、うわ……うああ……」

芳佳「っリーネちゃん! リーネちゃああん」


シャーリー「室内……荒らされているな。少なくとも私が出た時以降か」

シャーリー「……扉には施錠。窓は――開いている」

シャーリー(カーテンが外れている……残った一枚は、引き裂かれているな)



ゲルト「室内に人影は無し……またもや胸部銃撃。即死…か」

ゲルト「イエーガー大尉、窓を閉めてくれ。……この風ではガラスが割れてしまう」


   ガタバタガタ........

シャーリー「もう割れてるよ。もともとこの窓は耐風用じゃないんだ」

シャーリー「よっと……」バタン


シャーリー(……我ながら、落ち着いたものだな)


   タッタッタッタ.....

ミーナ「……到着したわ」ハァハァ

ミーナ「状況は……通信で把握、…済みよ」


芳佳「リーネちゃん……リーネちゃん……」

芳佳「ずっと一緒だって約束したのに……私が守るって……」ポロポロ



ゲルト「ミーナ、この部屋も封鎖するぞ」

ゲルト「状況確認。扉1、窓2。遺体は部屋の中心部」

ゲルト「扉には内側から施錠されており、鍵の持ち主は行方不明」

ゲルト「窓の一つは解放されており、嵐により粉砕。犯人はおそらくその窓より脱出」


ゲルト「……おっと」スッ


芳佳「……」グスツ


ゲルト「遺体の脇――。凶器は、また、この銃だな」

ゲルト「一発装填され、発射された後がある」

シャーリー「……501ウィッチ用の軍用銃……」


ミーナ「これで、8丁目ね……」

ゲルト「行くぞ、宮藤……立て」

ゲルト「我々にはまだ、死者を追悼する余裕は存在しない



シャーリー「……!」

シャーリー「おい、他の奴らはどうした」


ゲルト「……」

ゲルト「そうか、エイラ!」


【2Day 19:30 エイラ寝室】


   ドンドンドンドンッ!


『エイラ! 無事か! 返事をしろ!』

『ミーナ中佐よ! ここを開けて!』

『エイラさん! 宮藤です! 大変なんです!』



「……」



『駄目だ! 返事がない……、乗り込むぞ!』

『ああ、うおおおおおお!』


  バキバキッ!


ゲルト「エイラ!」


シャーリー「……!」

シャーリー(こちらも窓が開いている……また、割れているな)

シャーリー(カーテンは一枚もない……どういう事だ……?)


ゲルト「おい、エイラ!」

ミーナ「エイラさん、しっかりして!」




エイラ「うー……」スースー

エイラ「うるさいなー……」モゾッ


ゲルト「エイラ! 起きるんだ!」ユサユサユサ

エイラ「もおー、なんなんだよー」


   ビュービュー

エイラ「うわっ、さむいっ!」

ミーナ「窓を開けて寝ているからよ……よく眠れるわね…」

シャーリー「ハダカだしなー」



エイラ「え……」

芳佳「おっぱい……」


エイラ「な、何見てんだコラー! ミヤフジ-!」バッ

芳佳(リーネちゃん……)

芳佳「……うっ」


エイラ「ひ、人の胸見て泣くなー! なんなんだよーもー!!!」


シャーリー(この部屋と私の部屋とは隣同士だな……)

シャーリー(パイプとカーテンを使えば、渡れない距離じゃない……)


シャーリー「エイラ、髪を触らせてくれるか?」

エイラ「は、……な、なんだよ急に……ちょ…」


シャーリー(濡れてはいない……あの短時間でここまで乾かすのは不可能か)

シャーリー(ならば……)


ミーナ「エイラさん、貴方、なんで窓を開けて寝ていたの?」


エイラ「へ? 窓?」

エイラ「知らないぞ…そ、そんなの……わたしは開けてな――」


エイラ「へっくし!」


エイラ「とにかく説明しろよ、何なんだよ! おまえらー」


芳佳「エイラさん……」

エイラ「潤んだ目でこっちをみんな! 気持ち悪いー」

エイラ「あ……ゴメン、言い過ぎた、……なんかあったのか……」


ゲルト「話している暇はない。エイラ、移動するぞ」

ゲルト「自体を甘く見すぎていた……」


芳佳「……!」

芳佳「……エイラさん、その枕元にあるの、この部屋の鍵ですか?」


エイラ「……ん、そうだぞ」

エイラ「大尉に扉を壊されたから…もう必要無いと思うけどな……」


シャーリー「ん……」


シャーリー「エイラ、お前、サーニャはどうした? いっしょじゃなかったのか?」

エイラ「えー? サーニャなら私の隣で寝て――」




エイラ「あれ!? いないぞ」

エイラ「どどどど、どこいったんだ! サーニャ!」

ミーナ「……お、落ち着いて、エイラさん」


エイラ「な、なにが、おち、おち、落ち着いて……サーニャ、サーニャ!」

エイラ「サーニャがいないと、私、私は……」

ゲルト「皆、サーニャはこの部屋にいないのか?」



シャーリー「ベッドの下とかに……」

エイラ「いるわけないだろー、ばかー!」


エイラ「な、なんでだ? さ、さっきまでは」

エイラ「寝る時は確かにいたのに、なんでいないんだ、あ、あう」


芳佳「窓も開いてるし……飛ばされちゃったとか……」

エイラ「真面目に考えろばかー!」


シャーリー(こちらでも、また密室、か)

ゲルト「寝る前は窓を閉めて、扉にも鍵を掛けていたんだな」

ゲルト「そして鍵は持ち去られていない……十中八九、サーニャの消えた先は窓からだ」


エイラ「そんな……サーニャ、こんな雨の中……」

ゲルト「サーニャが一人で窓を飛び降りていくわけがないだろう……」

ゲルト「やはり、何者かに持ち去られた、と考えるのが妥当か」


シャーリー(隣の密室との共通点は、やはり、窓、か……)


ゲルト「宮藤、エイラを取り押さえろ。一刻も早く司令室に向かうべきだ」

芳佳「ええ、あ、はい……」ダキッ


エイラ「や、やめろ離せ! サーニャ! サーニャ!」

エイラ「うわあああん、サーニャー」

ミーナ(宮藤さんに力負けする人って、初めて見たわ)


ゲルト「ルッキーニも行方不明……まったく、どうなっているんだ…

ゲルト「この際……ハルトマンも回収していく。奴を一人にさせては危険だ」

ミーナ「ええ……」

ゲルト「ミーナ……すまん……」



シャーリー(……)


シャーリー(ふむ……)

シャーリー(現場を整理すると、こういう事だ)

シャーリー(私達が銃声を聞き、駆けつけた時――)


    ╋━╋==╋━╋    ╋━╋╋━╋    ╋━╋==╋━╋
    ┃ 鍵B  エ      ↑.    ┃┃     ↑               ┃
    ┃     イ   サーニャ     .┃┃   .犯人            ┃
    ┃     ラ              ┃┃     銃 リーネ      ┃
    ┃                ┃┃                ┃
    ┃                ┃┃                ┃
━━┻━━━━━━━╋─╋━┻┻━━━━━━━╋─╋━┻━━

                扉B                 扉A
   バルクホルン→               芳佳   シャーリー
━━━━━━━━━━━━━━廊下━━━━━━━━━━━━━━


シャーリー(このように、犯人はおそらく室内にリーネの遺体と共にいたのだろう)

シャーリー(そして、窓から逃走)

シャーリー(時同じくして、エイラの部屋からはサーニャが消える)

シャーリー(扉は施錠されており、その鍵はエイラの枕元)

シャーリー(サーニャが扉から出されたのであれば、施錠されているはずがない……つまり、窓)


シャーリー(サーニャが犯人と共に消えた可能性を辿るのであれば――)

            犯人←─┐
                    │┌───────┐
    ╋━╋==╋━╋││╋━╋╋━╋  |╋━╋==╋━╋
    ┃ 鍵B  エ.    ││    ┃┃      |              ┃
    ┃     イ      └┘    ┃┃    ②└────┐    ┃
    ┃     ラ   サーニャ③  .┃┃.   銃 リーネ     │    ┃
    ┃                ┃┃                │    ┃
    ┃                ┃┃                │    ┃
━━┻━━━━━━━╋─╋━┻┻━━━━━━━╋①╋━┻━━

                扉B               扉A│
←西階段                                談話室→
━━━━━━━━━━━━━━廊下━━━━━━━━━━━━━━

 ①犯人はリーネと共に部屋に入り、殺害後、もしくは前に扉を内側から施錠
 ②リーネ殺害後、銃をその場に放置し、窓から逃走
 ③エイラの寝室に侵入(窓を破壊?)、サーニャを拉致(?)



シャーリー(……このように)

シャーリー(一度、犯人がエイラの寝室に侵入、もしくは招き入れられた可能性が高い)

シャーリー(エイラ自身は窓の外には出ていない……そして扉Aを通過することは出来ない)

シャーリー(鍵Aを所持したルッキーニか、もしくは……)

>>497の下産業が怪しい

どいつもこいつもフラグ立ちすぎだろ…

ゲルト
ミーナ
宮藤
シャーリー
エイラ
サーニャ(?)
ペリ犬(?)

ついに7人か

【2Days 19:50 禁固室前】


    ドンドン!

ゲルト「おい! ハルトマン! ゲルトルート・バルクホルン大尉だ!」

ゲルト「緊急事態につきお前の禁固を一時解く! 返事をしろ!」



ミーナ「警戒して……いるのかしら」

ゲルト「いや……恐らく眠っているだけだろう。昼もそうだった」

ゲルト「ともかく起きるまで叩き続けるか……扉を破るか……」

ゲルト「この際インカムを小窓から投げ込んでおけば、状況把握だけはできそうだが……」


芳佳「は、ハルトマンさん……出てきて下さい……」

芳佳「まるで……誰もいないみたいですね…」


シャーリー(昼も確か……こんな……)

シャーリー(…………!)

>>506
スマン
行方不明のルッキーニ忘れてたわ

シャーリー「お、おい、ミーナ中佐!」

ミーナ「な、何……」



シャーリー「もしかして、この中にハルトマン……いないんじゃないのか……」


ミーナ「な……」


ゲルト「まさか……不可能だ」

ゲルト「壁か扉を破壊でもしないかぎり……内側から開くことはできない」


ミーナ「ま、待って……」キュィーン

ミーナ(扉の向こう……)

ミーナ(扉には両側からの施錠を確認……部屋壁、異常無し)

ミーナ(ベッドの周囲……上……床……天上……)

ミーナ「……!」



ミーナ「い……いないわ!」

ミーナ「どうして……フラウ…!」

エイラ「……」


芳佳「な、なんでですか! 出られないはずじゃ……」

シャーリー(……!)



ゲルト「バカな……っ! エーリカ・ハルトマンッ!」


  ガッ.....バギギッ!
         ガシャーン!


ゲルト「エーリカ!」タタタッ

芳佳「ホントに……誰もいない……!」


エイラ「ベ、ベッドの下とか、どうだ。いないのか?」

ゲルト「そんな場所にいるか! 馬鹿者!」

ゲルト「あいつは…!!」




ゲルト「あいつは……逃げたんだ……」ポロポロ

芳佳「バルクホルンさん……」

ミーナ「トゥルーデ……しっかり……」


ゲルト「すまん……二人とも……」

ゲルト「私とした事が……すこし動転してしまって……」

シャーリー(……)


ミーナ「司令室に、向かいましょう」

ミーナ「もう、そこで立て籠もるしかないわね」

エーリカ生存フラグか

サーニャ 地平線の彼方のゴキブリの存在が分かる
ミーナ  基地中のゴキブリの種類、形状が分かる
もっさん 視界に入るゴキブリのなかが見える


【2Day 21:30 司令室】

芳佳「みなさん、夕食ですよ……」


芳佳(ハルトマンさんの行方不明の直後)

芳佳(私達は、司令室に籠もり、遅めの夕食を取りました)

芳佳(バルクホルンさんは、しきりに嵐の空ばかりを見上げ、辛そうです)

芳佳(そして、シャーリーさんも、先程から何か考え込んでいるようでした)



エイラ「サーニャ……サーニャ……サーニャ……サーニャ……」




芳佳「エイラさんは、こんな感じです」

エイラ「誰に言ってんだおまえ……」

エイラ ゴキブリの出現を予知できる
宮藤 スリッパでたたかれたゴキブリを回復できる

シャーリー ゴキブリよりも速く動ける

>>519 >>521 >>522
ストライクウィッチーズ見たことないが凄いなwwww


エイラ「ど、どうしたらいいんだよ……ミヤフジ」

エイラ「サーニャ、どこに行ったんだよ……なんで……」


芳佳(エイラさんはサーニャさんといつもいっしょでした)

芳佳(そのサーニャちゃんと離れることは、彼女の心にどれだけの影響を与えたのでしょう)


エイラ「な、なんだよその目は……気持ち悪いぞ…」

エイラ「……その、リーネの件は、残念だったな……」

芳佳(私は、リーネちゃんが殺されてから、次第に頭が冴えていくのを感じていました)

芳佳(怒りはありません。然し、体の中の何かとても大切な物が消えてしまったような…)

芳佳(そんな、虚無感だけを抱えていました)


エイラ「やっぱりちょっと変だな……お前」

芳佳「いいえ」


芳佳(ふと、シャーリーさんの横顔を見上げると、彼女は窓の外を見ていました)

芳佳(彼女の視線は、空から雲――雨へと辿り、窓辺の人物を見つめます)


エイラ「お、おい……」

芳佳(同じくして、バルクホルンさんも、しっかりとシャーリーさんを見つめ返していました)

芳佳(そして、二人の視線が合わさった時、ゆっくりとバルクホルンさんが口を開きます)

芳佳(呟くような、そして、囁くような。しかし、――)







ゲルト「……今回の犯人は……エーリカと、その共犯者だ……」


シャーリー「どうして、……そう思う?」

ゲルト「恐らく……エーリカであれば、坂本少佐殺害も、可能なはずだ」

ゲルト「奴の腕であれば、少佐が見せた少しの隙で打ち倒す事も可能だろう……」


ゲルト「そして……リーネ殺害――奴であれば、可能だ……」

ゲルト「サーニャを盗み出したり、密室を作り出すなどの行動も」

ゲルト「奴が犯人であれば否定出来ない……」


シャーリー「本当に、それが全てか?」

ゲルト「……」

ゲルト「正直、わからない」

ゲルト「奴が逃げ出した事による失望と怒りが、奴を犯人だ思い込もうとしているのかもしれない」

ゲルト「私は―――エーリカを信じているが……その自分を信じることが…できない……」

シャーリー「……」


エイラ「……」

エイラ「ミヤフジ、その、寒いから……もっとくっつけよ」

芳佳「あ……エイラさん、毛布一枚でしたもんね……」

エイラ「バカ、……」



ミーナ「やはり、ハルトマン中尉の犯行の可能性が高いのね……」

ゲルト「もはやこの状況では、断定せざるを得まい……」


シャーリー「……ふむ」

シャーリー「しかし…解らないぞ。どうして共犯者がいることになるんだ?」

シャーリー「エーリカが自力であの禁固室を出た、という可能性は無いのか…?」


ゲルト「そうだな……」

ゲルト「あの鍵についての説明をした方が……良さそうだな」

キタ━━(゚∀゚)━━!!



ゲルト「あの鍵は、外からの内錠の解錠が可能な物だ」

ゲルト「閉じ込めた軍規違反者に、禁固室内部に立て籠もられないための、非常用の鍵でもある」

ゲルト「つまり、このような形となる」


    外    [鍵rf>   <外施錠┃ 扉 ┃内施錠>       内

    外から→ 外施錠は解錠出来る。 内施錠は鍵を使い解錠出来る →通行可能
    内から→ 外施錠は解錠出来ない。内施錠は解錠出来る。  →通行不可能


シャーリー(……)

シャーリー「これは、内側の奴はどうあっても出られない事になるな……」

シャーリー「逆に、外側の奴からは容易に密室を作り出すことが出来る――」


シャーリー「……!」

ゲルト「気付いたか、リベリアン」


シャーリー「今回は、鍵は『内側』にあったんだな……?」


ミーナ「ええ……。ハルトマン以外の、外部犯人も疑っていたから」

ミーナ「両方から完全に状況を遮断するには、こうするしかなかったの」



    外          <外施錠┃ 扉 ┃内施錠>   [鍵rf>    ハルトマン

    外から→ 外施錠は解錠出来る。内施錠は解錠出来ない。  →通行不可能
   ハルトマンから→ 外施錠は解錠出来ない。内施錠は解錠出来る。  →通行不可能



シャーリー「……確かに、これではどちらからも開くことが出来ない」

シャーリー「だが、……『密室』、なら話は別だな?」

ゲルト「……」


芳佳「え……ど、どういうことですかシャーリーさん!」

シャーリー「順を追って説明しよう」

シャーリー「まず……ハルトマンが犯人だと前提に……」


    外          <外施錠┃ 扉 ┃内施錠>   [鍵rf>    ハルトマン


シャーリー「この状況ではハルトマンは脱出不可能……」

シャーリー「つまりいることになる。……『共犯者』が」



    共犯者       <外施錠┃ 扉 ┃内施錠>   [鍵rf>    ハルトマン

      共犯者→外施錠解錠
      ハルトマン→内施錠解錠


シャーリー「そして脱出したハルトマンは、外側から内側の施錠を操作出来る……『鍵』を持つ」


  ハルトマン  鍵rf>  <外施錠┃ 扉 ┃内施錠>            内


      ハルトマン→外施錠を施錠できる。内施錠を鍵を使い施錠出来る

鍵はトリックのためだったのか
すげえ

抱きついたときだな


シャーリー「ハルトマンは、外側から共犯者によって外施錠を開けてもらい、脱出」

シャーリー「渡した鍵で一時的な密室を作り上げた」


シャーリー「そして、リーネを襲い、再びどこかに潜伏した……ってところか」

ゲルト「……そうだ」


芳佳「そ、そんな……」


ゲルト「密室を作り出したのは、我々に、『まだ中にいる』、と思わせる為だ」

ゲルト「事実、あの時シャーリーの一言がなければ、」

ゲルト「私は連絡用のインカムだけを置いて、立ち去るつもりだったのだから」


シャーリー「……その場合、私達は行方不明のルッキーニ達を疑い続け……」

シャーリー「ハルトマンの事は念頭から消えていただろうさ」

>>555
抱きついた時に鍵をサーニャに渡した…ってことか?


シャーリー「だが……、これは、ハルトマンが犯人だと仮定しての話だ」

芳佳「えっと……」


エイラ「なるほど……」

エイラ「『真犯人』が外側からハルトマンの鍵を開け、誘い出し、始末した」

エイラ「そう言うわけか…」


シャーリー「……そうだな」

シャーリー「犯人か犠牲者か……どちらか二択ってのも怖いもんだ」


ミーナ「トゥルーデ……」

ゲルト「……」


ゲルト「私は……ハルトマンに……『犠牲者』であって欲しくない……」

ゲルト「あいつは……私の……大切な仲間なんだ…」


シャーリー(『犠牲者』、か『犯人』か……)

シャーリー(然しそれはこの場の全ての人間に言えるのかも知れない)


シャーリー(明日の朝日が上る時、私は、『生存者』なのだろうか)


シャーリー(それとも……)







エイラ「へくしょ!」

エイラ「うう……風邪引いたな…」

>>374の銃声はリーネが撃たれた音な気がしてきた

ミーナ「ともかく、ハルトマンを犯人だと断定はできないわ…」

シャーリー「仮定した場合……鍵を開けた『共犯者』がいることになる…もの」


ゲルト「……」

ゲルト「この状況では、誰でも……犯人にも共犯者にもなり得る」

ゲルト「行方不明の三人はもちろん……この中のメンバーもな」


ミーナ「……エーリカ…」

シャーリー「………ルッキーニ…」

エイラ「……サーニャ…」



芳佳「……」

芳佳(あ……ペリーヌさん……)

シャーリー「仮定の犯人の想定じゃない……」

シャーリー「今は、嵐が過ぎ去るまで、生き残ることだけを考えよう」


芳佳「……はい」

シャーリー(『生き延びる』、ではなく、『生き残る』ってのが悲しいところかな)

シャーリー(ともかく、なんとしても士気をあげないと……)

シャーリー(こんな事を考えてるって事は、私はたぶん、共犯とか考えていないんだろうなあ)

シャーリー(……仲間想いってのは、結構重いもんだよ)

シャーリー(なんつってなー)




ゲルト「……宮藤芳佳軍曹」

芳佳「あ、はい……バルクホルンさ……」


芳佳「い、いえ、バルクホルン大尉」

>>567
ペリーヌワロタwwww


ゲルト「宮藤軍曹、お前にもこの銃を渡しておく」

ゲルト「リネット・ビショップ曹長の脇に落ちていた、おそらく犯人の銃だ」

ゲルト「犯人が銃を多数所持している以上、こちらも対抗出来る人数は多いに越したことはない」

ゲルト「私が……この場で、最も信用出来る人物に預けるのが、最善だと判断した」


ゲルト「宮藤……お前だ」


芳佳「そんな……」

芳佳「持てません……そんな銃…」


ゲルト「お前が素直に受け取るような奴であれば、私も押しつけはしない」

ゲルト「優しいお前だからこそ、私はこれを託すのだ」

芳佳「でも……私……」

芳佳「それは……リーネちゃんを撃ったもので……」ポロポロ


ゲルト「これは、……誰かを殺す凶器ではない。自らを守るための武器だ」

ゲルト「受け取るんだ、宮藤…!」

   カチャ…


芳佳「これ……弾が、入ってます」

ゲルト「ああ。いざと言う時は躊躇わず引き金を引け」

ゲルト「例えその相手が、誰であってもな…」


エイラ「……」

ミーナ「……」

シャーリー(……)

>>565はエーリカとサーニャ生存説か


シャーリー(躊躇わずに、引き金を引け、か……)

シャーリー(昔を少し、思い出すな…)



シャーリー(ルッキーニ…)

シャーリー(お前はなぜ、出てこないんだ…?)

シャーリー(私はお前が犯人でないことは、よーっく知っているぞ……)


シャーリー(何か……悪い事にでも巻き込まれているんじゃないだろうな…)

シャーリー(お前のことだから、犯人に捕まった、なんてこと、ないだろ?)


シャーリー(事件のおわりで、ドーンと登場して、解決してくれるんだよな……?)

シャーリー(……)


シャーリー(そうか)

そしてカーテンで髪を拭い、窓の外へ捨てたのか

>>582
それで完全に乾かすのは無理だろ

お姉ちゃんずぶ濡れだったよね








シャーリー『そうか、それにはまず、こいつらに説明してやらないといけないな』










                                apo mekhanes theos


シャーリー(まず、坂本少佐の殺人だ)

シャーリー(私の中で、容疑者は、かなり絞られている)

シャーリー(口にしないのは、『誰も気付いていない』という違和感があるからだ)


シャーリー(それが大前提としてそこにあるというのに、誰も気付かない違和感)

シャーリー(おそらくそれを私は、――説明出来るだろう)

シャーリー(そう……)







 シャーリー『まず、第一の事件、坂本少佐のハンガーでの殺人』

 シャーリー『問題となる違和感。それは、―――『犯行時間』さ』

>>590
お姉ちゃんて誰だ
原作知らないので名前で頼む

>>599
今すぐアニメ見てこい

推理モードキタ━━(゚∀゚)━━!!

>>601
OPだけは歌える

>>599
ゲルトルート・バルクホルン大尉

かいけつ編来るか?

>>599
トゥルーデ


 シャーリー『それはズバリ――00:00から、02:00分までの、二時間!』

 シャーリー『これは至って明白なことだ』


 シャーリー『なぜかって? おやおや』

 シャーリー『当時の――バルクホルンの証言を思い出して欲しい』


   ━━ ゲルト「02:00、私は談話室に戻り、坂本少佐を待っていた」 ━━



 シャーリー『……ふ』


 シャーリー『ふふ、もう、解ったかな?』

 シャーリー『バルクホルンが嘘を付いているので無いとすれば―』


 シャーリー『坂本少佐は、02:00分に談話室に現れるはずだったのさ!』
                  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 シャーリー『現れない理由……想定し得ない事故――でも、無い限りね!』
                   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

原作知らんのにキャラ名把握してるとか意味わかんね

>>604>>605
サンクス!

>>607
SSはよく読んでるから一応分かる


 シャーリー『もちろん……バルクホルンが真犯人の可能性は棄てるなよ?』
                 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 シャーリー『私はむしろ、そのほうが綺麗に解決出来る気がするんだけどな……!』


 シャーリー『さて、犯行時間をその期間に確定すると……』

 シャーリー『凄いことに気付かないかな?』


 シャーリー『そう、あれだけ不審がられていたハルトマンの外出……』
                             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 シャーリー『あれが全くの白! 事件とは無関係になってしまうのさ!』



━━ ゲルト「朝に弱いお前が、なぜ宮藤たちより先に起きているのか気になってな」 ━━
━━ リーネ「夜……目が覚めた時……ハルトマンさんがいなかった時があったような……」 ━━
━━ リーネ「0400時くらいだったと思いますけど……」 ━━
━━ ゲルト「お前が、二度寝をして、すぐさま起きられるはずがないだろう!!」 ━━


   ――さて、これらの意見なんて、全部役に立たなかったわけさ。

  早起きには何か理由があったのかもしれないね。でも、詮も無いこと。

今度原作見るわ
流れぶったぎってしまってスマン


シャーリー『そうすると、解るかな……ルッキーニは、白さ』


この私、シャーリーが、ルッキーニを寝かしつけるまで01:30まで格闘している

そして、その後、私は03:00まで、機材の確認の為、起きていた。
このころバルクホルンは、談話室で坂本少佐を健気に待ち続けていたはずさ。


シャーリー『つまり、ルッキーニの03:00時までの潔白は、この私が証明出来る!』
             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


お分かり、かな?



もちろん、私とルッキーニが共犯であれば、この潔白はすぐに消えてしまうけどね。


シャーリー『もちろん、バルクホルンとルッキーニが共犯でも、それは同じ事かな』

シャーリー『共犯者――。でも本当に、そんな物、存在すると思うかい?』



シャーリー『人を殺す人と、それを手助けする人、匿う人』

シャーリー『その間には、――どんな利害関係とか、あるのかな?』


シャーリー『『純粋』――? ただ、被害者より、加害者の方が大事だから?』

シャーリー『それとも単純に、お互い殺したいほど恨んでいたのか…?』


シャーリー『この501って――そんなに、……歪んだやつらばっかりだったか――』

シャーリー『な!』




 さあ、―それは、しりません。


 共感関係 結んじゃおうよ
 強迫観念 どっかにあずけて身軽に行こう

 Baby

やられた気づかなかったわ

もっと、良く考えてごらん

たった2時間。されど二時間

怪しいやつを上げるだけでいいんだ。



そして……二日目の夜の犯行――、リーネ殺害。

共犯者? 鍵? ハルトマン?

いやいや、なーにいってんのさ。そんな者モノ、必要無い――かもしれない、だろ?
                            ~~~~~~~~    ~~~~~~~~~~~~

それを思い返せば――容疑者は、たった、一人。
                     ~~~~~~~~~~~~

     シャーリー『さあ』

     シャーリー『それは』





     シャーリー『誰かな?』






































  ……。

 ……おや、

 シャーリー『おや、――まだいたのか』

 シャーリー『まだ、何が解らないのかな? ――それが私にはわからないよ』
                 ̄ ̄ ̄ ̄


 そうか……そうだね。

 おかしな事だ。君の推理は、まず、前提から、すべて間違っている
                             ~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 成る程、君は――何か、とてつもない勘違いをしてしまっているようだ。

良かった生きてた



 シャーリー『確かに……その勘違いは、ちょっと致命的かな』

 シャーリー『この物語を解決させるには、……可能だが、レートが上がりそうだ』


  人物、発言、態度、反応――

  露骨に怪しむべき場所は、たくさんあったはずだ

  でも……これは少し厳しすぎるかもしれないね…




 シャーリー『もう一度……この物語を、良く読んでみるんだ』

 シャーリー『回答は、物語の始めに――既に、記されているんだよ』



    そうだ、わかったなら……




      シャーリー『音速の速さで、読み直してくるんだね!』


   坂本「───忘れない事─、─────れる事は──」


   ミーナ「────必要になる────、──────わ」


   エイラ「──────ずっと────ダカラナ……」


   ルッキーニ「私達の中に、───────────としたら……?」






              < apo mekhanes theos >









     芳佳「私達──人で、ストライクウィッチーズなんですから!」

逆転ウィッチーズ3
これにて、第2幕、中頃まで終了です

図らずしも

 1幕 発端  2幕 展開  3幕 収束

 の3幕構成となりました
次からは完全な解決編へと向かいます。


一応、言っておきますと、推理小説としてはネウロ並みです、が、たぶん解けます。
ストーリーはwiki重視で展開しています。不透明な要素は誤魔化します。
登場人物の設定は序盤から一切変わりません。


※そこはミスです
※たぶんミスです
※伏線です
※たぶん伏線です

皆様からの疑問・質問には、これらでおそらく全て回答出来ると思います。


文章構成が非常に下手なので、つい図やAAを持ち出して説明しようとしてしまいます
携帯の人には申し訳なく思う限りです。

たぶんこのまま最終幕に突入すると、怖いことになりそうなので……
一応先に言っておきます


叙述トリックとかよくわかりませんが、
一応犯人も自分視点からの推理などを話す時もあるので、
○○は犯人ではない! と断定するのはちょっと怖いかも知れません。

心理描写があれば犯人ではない……間違っています。
犯人は、被害者としての推理はしませんが、加害者視点からの推理はします。


なお、最後にシャーリーのメタみたいなのが語っているように、
既に、犯人を見つけ出すことは可能です。
     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

でも、動機とか展開とかはネウロなので解らないと思いますが……
それでも全ての真相が解ってしまったニュータイプの方は、大人だから守って下さい



再開はまた、夜となりそうです。



身勝手な作品ですが、完結まで見守って頂けると嬉しい限りです。
おやすみなさい


かなり面白い、次も期待
一回推理し直してみる

ほしゅ

犯人は芳佳。
最初に10人て言ってるし。

>>754
冒頭の発言や会話からおかしいのは確かだな
皆の反応も含めて>>3が特に
ただ芳佳が犯人ならリーネはどうなる

なるほど
リーネも真犯人にやられたとは限らないもんな

定時連絡です

書き貯めの数も色々と怖ろしくなり、
予想外ではありますが、概ね計画通りに進んでいます。

推理パートと言うことで、中弛みが著しいですが、
501の仲間達と共に犯人捜しを楽しんで頂ければ幸いです。


21時ごろより再開させて頂きます。

そろそろ再開かな

では、再開させて頂きます。


一応皆さん順応されてるようですが……

途中、登場人物が二重カギ括弧とト書きで会話している部分がありますが、
あれは現実に会話しているわけではなく、その人物の脳内の推理の描写です。

安楽椅子探偵とかご存じの方は、だいたい理解して頂けると思います。

キタ━━(゚∀゚)━━!!
待ってたぞ


【3Day 00:00 司令室】

シャーリー「……」スースー

芳佳「……」スースー


エイラ「……」

ミーナ「……」


ゲルト「眠ってもいいんだぞ、二人とも」

ゲルト「……見張りなら、私がする」

ミーナ「いいえ。私も起きてるわ」


エイラ「……」

エイラ「……」プイッ



ゲルト「……そうか」

エイラ「……」


エイラ「……なあ、ウェアウルフ、ってゲーム知ってるか?」

ミーナ「えっと……それは、占い、かしら」


エイラ「パーティゲーム、……みたいなもんだな」

エイラ「サーニャから教わったんだ」

エイラ「マフィアとか、怪物が出てくるのを考えなければ、」

エイラ「たいていは……『人狼』と『村人』のサバイバルゲームなんだ」


ゲルト「……それなら知っているぞ。そこのリベリアンから昔――聞いた事がある」

ゲルト「……何が言いたいんだ?」


エイラ「……」

エイラ「……私は『予言者』だ」

エイラ「予言者は……夜に眠ってはならない」

エイラ「村人に成り済ました……狼を探さなくちゃならないからな」


ゲルト「……それは狼も同じ事だろう」

ゲルト「村人を一人選んで……噛み殺さなければならないのだからな」


エイラ「そう……」

エイラ「そして、この部屋には…明らかに牙を持った奴がいるじゃないか……」



ゲルト「……」

ゲルト「……何が言いたい」

エイラ「……」

エイラ「……世間話、だな」

ミーナ「あ、貴方たち……」


ゲルト「そうか……世間話、を所望するか」

ゲルト「お前とはあまり接点は無かったしな。余り話す機会も無かった」


ゲルト「サーニャを交えた時、以外はな……」

エイラ「……」


ゲルト「だが、それはもう、過去のことだ」

ゲルト「お互い、洗いざらい話し合おうじゃないか」


エイラ「私は……」



  エイラ『バルクホルン大佐と、ミーナ中佐。およびハルトマンが犯人だと思うぞ』
       ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  ゲルト『……ほう、それは何故だ』

さて、こんな場面で推理パートだぞ。
私は今よく考えたらシーツ一枚のまっぱだかなんだよな……やれやれ
もし犯人が襲ってきても、これじゃあ逃げることしか出来ないじゃないか


エイラ『まず、第一の事件、坂本少佐の殺害だな』


エイラ『単純に考えてみろよ……殺すチャンスが一番多かったのは、誰と誰だ?』

ゲルト『……ふむ』

ゲルト『私と……ミーナ。最後に会っていた連中か』


ゲルト『然し、それは早計と言うものだろう。第一、私には動機がない』

ゲルト『私は坂本少佐を尊敬しているし、ミーナだって……』


エイラ『動機なんて、……今、説明していないだろ? バルクホルン『少佐』 』
                                        ~~~~~~~~
ゲルト『……っ!』


エイラ『説明を続けるぞ』

大佐→大尉

申し訳ありません。全面的にミスです。

この物語上に大佐は登場しません


 エイラ『さて……ここに私視点の簡単な坂本少佐の生存表を出してみるぞ』

 エイラ『こうだ』


    ━━━  エイラ『坂本少佐の生存確認期間』  ━━━


 20:00   22:00      00:00      02:00    06:00
 ━╋━━━━┛━━━━━━┛━━━━━━┛━━━━━┛━━┓
   ┃生存確定┃目撃証言のみ┃ 犯行時刻? ┃ 生死不明 ┃死亡┃
 ━╋━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━┛━━┫
   ┃   ①   ┃     ②     ┃     ③     ┃     ④   ┃ ⑤ ┃
 ━┗━━━━┛━━━━━━┛━━━━━━┛━━━━━┛━━┛
     ①食堂、廊下などで何人もの人間が目撃
     ②ミーナ中佐・バルクホルン大尉と話し合い
     ③基地巡回。外回り
     ④行方不明
     ⑤死亡確認


 エイラ『そう……私も気付いていたぞ』

 エイラ『犯行時刻は、夜の0000-0200時の間だってな!』


ゲルト『確かに……それは私も気付かなかったわけではない』

ゲルト『私は何せ、談話室で3時間近く待たされたのだからな』
              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    そう、そこだよな。バルクホルン大尉
    私もそこだけは納得出来ないんだよ。

    大尉はさ、坂本少佐が遅れたことに、違和感は無かったのか?

    あの、坂本少佐だぞ?

    こんな嵐の日に、外へ出て、かえって来ないんだぞ?



エイラ『それでも大尉は、談話室でのんびり帰りを待ち続けたのか?』


 ゲルト『ふむ……後付けで申し訳ないが、……』

 ゲルト『カールスラントではよくある事、だったな』
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 エイラ『……』ピクッ


 ゲルト『上官が部下を待機させ、小一時間返ってこない』

 ゲルト『そこで立てと命令され、数刻後には何故立っていると詰問される』

 ゲルト『下士官時代にはよくあったことだ。体が覚えてしまっているのだろう』


 ゲルト『もっとも、総統やガラント将軍の指揮下となってからは、そのような事は無い』

 ゲルト『カールスラント軍は、素晴らしい規律ある軍隊へと生まれ変わることが出来たのだ』


  おいおい……カールスラント軍の事なんて聞いてないぞ……

  でも、どうやら、うまく……はぐらかされたみたいだな
  どうも上手くいかないな


エイラ『……』

エイラ『第2の事件――リネット曹長殺害――嵐の出口』


  この事件について、説明するからな

    ╋━╋==╋━╋    ╋━╋╋━╋    ╋━╋==╋━╋
    ┃ 鍵B  エ      ↑.    ┃┃     ↑               ┃
    ┃     イ   サーニャ     .┃┃   .犯人            ┃
    ┃     ラ              ┃┃     銃 リーネ      ┃
    ┃                ┃┃                ┃
    ┃                ┃┃                ┃
━━┻━━━━━━━╋─╋━┻┻━━━━━━━╋─╋━┻━━

                扉B                 扉A
   バルクホルン→               芳佳   シャーリー
━━━━━━━━━━━━━━廊下━━━━━━━━━━━━━━


 これが、シャーリーがわざわざ用意してくれた事件の図だな。
 この図から――、バルクホルン大尉の犯人説を考えて見るぞ


  ゲルト『……ほう、言ってくれるな』

尋問ktkr


     エイラ『まず、大事になるのは、犯行方法だ』


  これは至って単純だな。

  まず、バルクホルン大尉は巡回に出かけるふりをして、宿舎内に潜んだ。
  そしてリーネが一人になるのを見計らって、襲って、殺害した……

  あとは、駆けつけた宮藤たちに見られないように、窓から飛び降りてしまえばいい。


  部屋のカーテンが引き裂かれていたな?
  あれはたぶん、命綱かなんかに使ったんだろ。

  そして何食わぬ顔で私達の元に戻り、扉を破壊、侵入。、

━━ シャーリー「バルクホルン! ずぶ濡れじゃないか……」 ━━

  この発言が、雨の中、歩いていたことの証明となる。

  まあ、次手としてはこんなもんだ。

     エイラ『なんか、反論とか、あったら言ってみろよ』

  ゲルト『……』

  ゲルト『やれやれ、馬鹿馬鹿しすぎて呆れるな』


  ゲルト『まず、服が濡れていた点……』

  ゲルト『これは、雨の中を巡回していたからだ』
             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ゲルト『支給の雨具は着ていたが、嵐の中ではほぼ無意味に等しかった』


   ………、それで。


  ゲルト『そして……』

  ゲルト『お前には言っていなかったが……私はミーナと行動を共にしていた』
                           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  ゲルト『ミーナは、空間魔法で私の位置を捉え続けていたからな』
              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ゲルト『ミーナは、リーネ殺害に関して私の無実を証明出来る!』
                         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


   エイラ『空間魔法……、そんな話、聞いてないぞ…』

  ゲルト『言ってなかったからな』


   空間魔法があるならば、ミーナ中佐は周囲の状況を探れたりするのかな…
   なるほど、探索には向いているわけだ。


  ゲルト『これで投了か? 』

  ゲルト『ならもう、この世間話を終わらせて眠ってもいいんじゃないのか?』



   エイラ『ふふん……そんなわけ無いだろ』

   ああ、そうだ。
   もちろんこれも想定出来てたぞ。最初に言っただろ?

   ミーナ中佐とバルクホルン大尉は共犯だってな!
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   そもそも、坂本少佐の事件に関して、怪しいのは大尉だけじゃないんだ。
   ミーナ中佐が共犯者であるなら、ずっと話は早いからな!


  ゲルト『なるほど、カールスラント人同士の結託……というわけか』

  ゲルト『坂本少佐を始末して、この501の乗っ取りを画策……バカな』


   何かおかしな事はあるのか! 私にはこれしか思いつかないぞ

   そもそも元々501は、坂本少佐を除けばほぼカールスラントの支配じゃないか!



  ゲルト『我々の結託を……否定出来る証拠は、無い…』

  ゲルト『おそらくミーナと私が協力すれば、坂本少佐の暗殺も容易かっただろう』

  ゲルト『……』


  ゲルト『あえて……不審な点を上げるのであれば』

  ゲルト『リーネの殺され方……その状況か』


   なんだ……そこにおかしな所でもあるのか


  ゲルト『私が犯人だとして――』

  ゲルト『凶器に……『銃』を使用しているところだ』

  ゲルト『私がたとえ数丁銃を所持していたとしても、わざわざ銃声を聞かせることはない』
           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  ゲルト『リーネなら、この腕で締めれば、事足りることだ』


    ……。……それって、もう反論でも何でもないな……

    まあいいや、それに関してもう一個の詰めがあるぞ


   エイラ『もう一つは、実行犯が別、って説だな』


  ゲルト『別……? ミーナと私の立ち位置を入れ替えるつもりか』

  ゲルト『確かにそれならば銃を使う理由も出来てくるが……』


    違う、違うぞバルクホルン大尉。

    もう一人、いるじゃないか。宿舎内のどこかに潜む、3匹目の狼


  ゲルト『……!  ハルトマンが実行犯……か!』
             ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    そうだ。こっちの方が実は自信があるんだぞ……
    見えるだろ、この事件の真相が!


  エイラ「私の、『事件の真相』、だ」

  エイラ「犯人は、ハルトマン中尉、バルクホルン大尉、ミーナ中佐」


  1Day
    ミーナ中佐、バルクホルン大尉は坂本少佐をハンガー内で殺害。
    死体をハンガー内に放置し、巡回を続ける

  2Day
    立哨とともにハンガーを訪れ、死体を発見。
    バルクホルン大尉がハンガーを閉鎖、武器庫を閉鎖。
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ~~~~~~~~~~~~~~

    ハルトマンを拘束。
    全員の短銃を破壊。中佐、大尉のみが残ったそれらを所持。

    夕刻、全員と別れた後、ハルトマンを解放。これは外からの施錠を外したのみ。

    ルッキーニ、サーニャ拉致(?)
    ハルトマン、リーネに姿を見られ、口封じに殺害(?)

しかし思ってた答と違う流れだわ

>>830
これはあくまでもエイラの推理


   エイラ『これが、私の結論だ』

   エイラ『ハルトマンが坂本少佐の殺人まで実行したかはわかんないけどな』


  ゲルト『ハルトマンが犯人だ、と言うことは……状況から否定できない』

  ゲルト『……然し、ハルトマンが犯人だとしても、我々が共犯者になる必需性は無い』



   エイラ『そうか……?』

   エイラ『リーネの殺人は、カールスラント組にしか不可能だ……』

   エイラ『少なくとも、…ハルトマンは犯人。そして、禁固室の扉は共犯者によって開かれた』

   エイラ『つまり、中佐か大尉……あんたらのどっちかだろ!』


  ゲルト『……』


    どうした、何か言いたいことでもあるのか!
    それとも、もうあきらめたのか!


  ゲルト『……いや』

  ゲルト『リーネの殺人の際の、図を、もう一度、出してくれ』


    図……って、あの見取り図か?

  ゲルト『簡単なものでいい。状況さえわかれば、それでいいんだ』



  ゲルト『お前は言ったな、カールスラント組以外に犯行は不可能、だと……』
                 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  ゲルト『つまり……それさえ崩してしまえば、お前の疑いは解けるわけだ』


  ゲルト『……実に面白い。やってやろうじゃないか』

  ゲルト《現時点で、エイラの言及を撥ね付けることは確かに可能だ》

  ゲルト《それを私ができない…………いや、しないのは、》

  ゲルト《…恐らく……私もほぼ、ハルトマンが犯人で確信しているからだろう》


  ゲルト《然し……そうなれば、エイラの疑いは、『共犯者』へと向けられる》

  ゲルト《エイラの頭の中には、すでにカールスラント人の犯人説しか無い》


  ゲルト《ここで何とかして奴の思考を止めねば、必ず暴走するだろう》

  ゲルト《我々は今は結束する時なのだ……》


  ゲルト《多少、乱暴な意見でも構わない。エイラの口を塞ぐべきか》

  ゲルト《余計な疑惑を振りまかれるのは、痛い》



  ゲルト《……宮藤》

この物語にマルチエンドとか妄想してたらやたらとコメディ率が高くなった俺は欝体制が低いようだ


    ╋━╋==╋━╋開放╋━╋╋━╋開放╋━╋==╋━╋
    ┃ 鍵B  エ.            ┃┃                ┃
    ┃     イ   サーニャ     .┃┃   .犯人            ┃
    ┃     ラ              ┃┃     銃 リーネ      ┃
    ┃                ┃┃                ┃
    ┃   エイラの寝室     ┃┃   シャーリーの寝室    ┃
━━┻━━━━━━━╋錠╋━┻┻━━━━━━━╋錠╋━┻━━

                扉B                 扉A

━━━━━━━━━━━━━━廊下━━━━━━━━━━━━━━
       【談話室】  シャーリー   芳佳
       【巡回中】  ミーナ   バルクホルン
       【行方不明】  エーリカ   ルッキーニ



    ゲルト《考えろ……ゲルトルート》

    ゲルト《この状況で、リーネを殺害することが可能な人物……》

    エイラ《エイラを黙らせられるほどの推理を……!》


   ――エーリカ、ミーナ、私…
      あるはずだ……誰も関わらず、この殺人を説明出来る方法が……

>>848
その妄想力が欲しい


  ゲルト『……!』

  ゲルト『……そ、……そうか』

  ゲルト『はは、……あっはっはっは!』


   な、何がおかしいんだよ、気味が悪いぞ、大尉……
   な、なんだよ、何笑ってんだよ!



  ゲルト『いた……いたんだよ、一人だけ、犯行可能な奴がな!』

  ゲルト『そいつは坂本少佐の殺害すら、場合によっては単独で可能だ!』

  ゲルト『私とした事が……見落としていたとはな……』


   だ、誰だ、そいつは! 言ってみろ!

   ……ルッキーニか、行方不明のルッキーニで全て説明するつもりか…!

  ゲルト『ルッキーニ……? いや、その件も考えたが』

  ゲルト『少し……こう、あいつが犯人だと納得出来ない所があってな』


  ゲルト『ルッキーニは、今回の件には関わっていない可能性もある』

  ゲルト『そして、もう一人の行方不明者……』

  ゲルト『私には、……サーニャを犯人として疑わないだけの、理由がある』
                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      ~~~~~


    な、なんだよ……行方不明者を犯人として見ないだって……

    サーニャは確かに犯人じゃないけど――
    ルッキーニの件は、本当にそれでいいのか?


  ゲルト『ああ……そうだ』

  ゲルト『それに、行方不明者の殺人では、お前も納得しないだろう』

   わ、わかってるじゃないか……
   たしかに行方不明者に犯人を押しつけた所で、私は大尉を疑い続けるからな!


   単独犯……だって……!
   聞かせてもらうぞ……その推理!


   さあ、リーネ殺人の犯行が可能なのは、誰だ!








   ゲルト『………』

   ゲルト『――…お前だよ、エイラ』


   エイラ『      あ、……な、  なんだって…』

  ゲルト『こうして図にしてみると、不思議なものだな……』

  ゲルト『……正直に言って、私にはお前が犯人にしか見えん』



     な、なんだと! どういうことだよ!
     お前、ちゃんと事件追いかけてないな? 私は――



━━━━━────
   まあ待て、エイラ。焦るんじゃない
   さんざんお前の推理を聞いてやったんだから、少しくらい私の推理も聞け
━━──


     げ、大尉がこっち入ってきた!



  エイラ『なんなんだよもー!』

  エイラ『私がリーネ殺人の犯人だって? なら証明してみろよー!』

 ゲルト『まずは……お前が、リーネを殺害後に……』

 ゲルト『窓の外をつたい、部屋に戻った可能性だ』


  お前は、まず『犯人』の場所でリーネを殺害し、扉Aに内側から鍵を掛ける
  そして、窓をつたい、自室のベッドへと戻った

  カーテンが引き裂かれていたのは、――
  お前の言葉を返せば、それを命綱か何かに使ったのだろう

                ┌───────┐

    ╋━╋==╋━╋  │╋━╋╋━╋  │╋━╋==╋━╋
    ┃ 鍵B   エ  ←──┘    ┃┃      │              ┃
    ┃     イ   サーニャ     .┃┃   .犯人            ┃
    ┃     ラ      └┐    ┃┃     銃 リーネ      ┃
    ┃                │    ┃┃                ┃
    ┃                │    ┃┃                ┃
━━┻━━━━━━━╋↓╋━┻┻━━━━━━━╋─╋━┻━━

                扉B                 扉A
   バルクホルン→               芳佳   シャーリー
━━━━━━━━━━━━━━廊下━━━━━━━━━━━━━━

   サーニャの消失騒動は、何の問題でもない。
   お前の意識があった以上、部屋の扉Bの鍵は、自由に施錠出来たはずだからな。
   恐らく、我々を混乱させる為の狂言だろう。

  エイラ『………』

  エイラ『……ふふん、全然駄目だな』

  エイラ『やっぱりバルクホルンじゃ、シャーリーの足下にも及ばないってか…』


   おい、エイラ。流石に無礼だぞ。――上官に対して……
   言葉の使い方には気をつけることだな


  エイラ『ひ、人を犯人扱いしといて、何が無礼だコラー!』

  エイラ『あ、いけね、それは私もか――』

  エイラ『と……ともかく、その反証はコレだな』


━━  シャーリー「エイラ、髪を触らせてくれるか?」  ━━
━━  シャーリー(濡れてはいない……あの短時間でここまで乾かすのは不可能か)  ━━


   エイラ『そう、もう解るよな? バルクホルン大尉』

   エイラ『私はあの晩、窓の外に出ていない証明ができるぞ!』
                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    ……お前とシャーリーが結託していた可能性は?


   エイラ『もしもシャーリーと私が『共犯』、であるならば』

   エイラ『その利害関係を説明して見せろよ!』
            ̄ ̄ ̄ ̄

      お前……そこまで要求するのか


   エイラ『当たり前だ! シャーリーと私には、普段からの接点は無いからな!』

   エイラ『無関係な人物を共犯にされても困るぞ!』


    まあ、それは一理あるな。
    ……なら、もう一つの可能性を説明してやろうじゃないか


     エイラ『な、何? まだあったりするのか……!』


  ゲルト『確かに、お前は窓の外には出ていないのだろう…』

  ゲルト『とすれば、考えられることは一つ』


    お前は、まず、シャーリーの部屋でリーネを銃撃後……

    そして…・廊下を通って自分の部屋に戻り、鍵を閉める。
          ~~~~~~~~~~~~~
    我々が扉をぶち破るまで、眠ったふりをしていたんだ。


    エイラ『あ……あのな……』

    エイラ『だから、それは無理だって』


    エイラ『まず、シャーリーの部屋の扉は、施錠されていたんだぞ!』

    エイラ『その鍵は、ルッキーニが持っているはずだし……』
                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    エイラ『何より、私の部屋はサーニャを探した時に捜索したじゃないか!』


   ゲルト『部屋の鍵はルッキーニが持っている……?』


    馬鹿馬鹿しい。誰だ、そんな戯言を言ったのは。
    シャーリーの部屋の扉を解錠出来る鍵A……
    その行方は、『不明』だ。

    ルッキーニが持ち去った証拠は無く、持ち去られてもいない証拠もない。


    ただ、こうは考えられないだろうか――?


    あの鍵Aは、部屋から全く動いていないのだ。

    そう、目覚めてルッキーニがいないことに気付いたシャーリーが、
    ベッドの脇にでも転がっていたその鍵を……見落とした。……どうだろうか



    そして、その鍵を拾ったのは、部屋に忍び込んできた犯人
     ――即ち、エイラであると。


  ゲルト『つまり、こういう事だ……』

             ↑鍵A

                ④
    ╋━╋==╋━╋┌┐╋━╋╋━╋    ╋━╋==╋━╋
    ┃ 鍵B. エ     ││    ┃┃                ┃
    ┃     イ←──┘│    ┃┃    犯人①───┐    ┃
    ┃     ラ        │    ┃┃.     銃 リーネ   │    ┃
    ┃                │    ┃┃                │    ┃
    ┃                │    ┃┃                │    ┃
━━┻━━━━━━━╋③╋━┻┻━━━━━━━╋②╋━┻━━

                      └────────────┘
                扉B                 扉A
━━━━━━━━━━━━━━廊下━━━━━━━━━━━━━━


   ①まず、お前はリーネ殺害後、もしくはそれ以前に部屋で鍵Aを見つける
     窓を開け、そこから逃げたように見せかける。

   ②扉Aを鍵Aにて、外から施錠

   ③扉Bを内側から施錠、自室を密室に

   ④鍵Aを窓から投擲始末。サーニャが消えた説明を付ける為、こちらも窓を開放



   エイラ『ば、ばか……そんなこと……』


   この方法なら、エイラ、お前が犯人だとほぼ断定出来る。


   さらに、お前が犯人だとすれば、次の予想も立てられる。


   その鍵Aは、部屋で拾ったのではなく――
   廊下を彷徨いていたルッキーニを襲った際に、奪い取ったものだ。
                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~   ~~~~~~~~~~~~~~

    エイラ『や、やめろ……』


   お前はルッキーニの死体をどこかに隠した後に、
   部屋で寝ているであろうシャーリーを襲う為、再びそこを訪れた。

    エイラ『ち、違う……』


   しかし部屋には誰もおらず、
   おまえは偶然宮藤の部屋から出てきたリーネを襲うことに決めた。


    エイラ『い、いいかげんにしろよぉ…』ポロポロ

    エイラ『わぁ、……私が犯人なわけないだろ……』


          ――さて、どうだかな。

     私はただ、ハルトマンが犯人である可能性以外を示してみただけだ


    エイラ『か、カールスラントの3人が共犯なんだよ……!』

    エイラ『だって、そうじゃないと……お、おかしいじゃないか…』



       おかしいだと? おかしいのはお前だ、エイラ。
       なぜ私達が犯人だと決めつける……!

      ――証拠が足りない――この状況ではな
                   ――誰でも真犯人になり得るんだ



【3Day 04:00 司令室】

芳佳「……」スースー



芳佳(カナタさん……体のお加減はどうですか?)

芳佳(まだ少し熱がありますね……ふふ)

芳佳(さあ、お薬のまえに……少しお体を和らげましょうか……)

芳佳(ほら……恥ずかしがらないで……私に、身を任せて……)

芳佳(うふふふふ……未発達なその胸が、今、八百万の神の御許に……)



芳佳「……」モミモミ...

芳佳「う…うへへ……   ――えっ」

芳佳「あれ……おっきい……?」モミモミ


シャーリー「んぅ……」スヤスヤ


芳佳(今、何時頃かな……、  ……!)




エイラ「うう……」ポロポロ

エイラ「私は……わたしは……」ヒクッ


ゲルト「私も、お前が犯人などとは言っていない」

ゲルト「ただ、今ここで我々の中に不和の渦を広げるのは許さん」


ミーナ「……」

ミーナ「……宮藤さん、起きたの……」


芳佳「あ、はい……どうしたんですか?」

芳佳「エイラさん……泣いて……」


ゲルト「気にするな……少し口論に熱くなっただけだ」

ゲルト「……宮藤、お前は休めたのか」


芳佳(床で寝たから……体の節々が痛いよ……)

芳佳「大丈夫です。充分休めましたから…」

芳佳「それよりも、少し……お腹が減りましたね」


ミーナ「そうね……昨日の昼から、ほぼ何も食べてないわ」

ゲルト「たしか、司令室には非常用の耐久食が用意されていたはずだが…」



ミーナ「……駄目ね」

ミーナ「ほとんど無くなってるわ……」


ミーナ「ルッキーニさんと、シャーリーさんが持ち出してたのは知ってたけど」

ミーナ「こんなに減っていたのね……」


ゲルト「リベリアン……!」


シャーリー「……」ビクッ

シャーリー「……」

シャーリー「……」スヤスヤ


芳佳(今、胸がびくって……)


ゲルト「ともかく…食料が無いことでは始まらない」

ゲルト「一度食堂に出向いて、数日分の食料を確保してくるべきか……」


ゲルト(確か、――……ハンガーにも、工員用の備蓄があったはずだな)

ゲルト(……)


エイラ「……ミヤフジ、何見てんだよ」

芳佳「エイラさん、おしり、はみ出てますよ」

エイラ「見てんじゃなくて言えよなー……もう……」ゴソゴソ

エイラ「これで、隠れたか?」



ミーナ「トゥルーデ……これからのことなんだけど…」

ミーナ「一度、食糧確保のために行動しなければならないでしょう?」

ミーナ「その最、全員行動は危険だと思うの……」


ゲルト「……相手があのエーリカである以上な……」

ゲルト「下手に拠点を動かせば、全滅してしまう恐れがある」

このスレでは終わりそうに無いですね。
2スレに渡る作品を書くのは初めてなので、正直どうすればいいのか解りません。

どなたかご教授下さい

ここかな
芳佳「私達10人が、ストライクウィッチーズです!」 - SSまとめ速報
(http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1297092167/)

>>962
ごめんなさい、次のスレタイに悩んでいたら気付きませんでした。
こちらでお願いします

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月13日 (土) 03:24:37   ID: v4t6UPRk

個人的に一番面白かった。本でたらかう

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