ペリーヌ「お遊戯会の出し物は……」シャーリー「ポールダンスとか」 (34)

~食堂~

ペリーヌ「はぁ……」

ペリーヌ(子どもたちが毎月楽しみにしてくれているだけでに、いつも何をするのかで困りますわね)

ペリーヌ(毎回演劇や絵本の朗読では子どもたちも飽きてしまいますし……)

ペリーヌ「何かいい出し物はないでしょうか」

シャーリー「よう、ペリーヌ。どうしたんだ?」

ペリーヌ「シャーリー大尉。ガリアの子どもたちのためにお遊戯会を毎月開いていまして、出し物をどうしようか悩んでいましたの」

シャーリー「へぇ。そんなことしてるのか。えらいなぁー」ナデナデ

ペリーヌ「ルッキーニさんみたいに扱うのはやめてください」

シャーリー「よしっ。それじゃあ、ポールダンスなんてのはどうだ?」

ペリーヌ「なんですの、それ?」

シャーリー「ポールを使ってダンスするんだ。リベリオンでは有名だけど知らないのか?あれはいいぞ。なにより盛り上がるからね」

ペリーヌ「確かに舞踊は考えもつきませんでしたが……」

シャーリー「どうだ?やってみるか?」

ペリーヌ「しかし、お遊戯会は一週間後です。今から練習しても間に合わないのでは?」

シャーリー「ペリーヌのやる気次第じゃないか?」

ペリーヌ「そういわれると……」

シャーリー「まぁ、ペリーヌの好きにしたらいいさ。あたしは提案しただけだしね」

ペリーヌ「……シャーリー大尉はポールダンスできるのですか?」

シャーリー「できなきゃ提案なんてしないよ」

ペリーヌ「では、あの、どのようにするのかだけでも見せてもらえませんか?」

シャーリー「オッケー。あー、でも、ポールってここにあったかな」

ペリーヌ「緊急脱出用の円柱ならありますが」

シャーリー「おお。それ使おう。よし、行くぞ」

ペリーヌ「これでよろしいのですか?」

シャーリー「ちょっと太いけど、やれないことはないな」

ペリーヌ「それではお願いします」

シャーリー「折角だし、上から降りてくるところから始めるか。少し待っててくれ」

ペリーヌ(一体、どのようなダンスを……。柱を使ったものとなると、アクロバティックなダンスになりそうですが)

シャーリー「――ミュージック、スタート!!」

ペリーヌ「……」

シャーリー「フゥー」クルクル

ペリーヌ「……」

シャーリー「イェーイ」

シャーリー「ふふん……」グッ

シャーリー「――ハッ!!」バッ

ペリーヌ「ぶっ!?そ、そんなに股を広げるものなのですか!?」

シャーリー「そうだけど、問題あるのか?」

ペリーヌ「いえ……」

シャーリー「あとは、こうやって……ポールを胸に挟んで、体を上下させたり……」グニグニッ

ペリーヌ「ちょ、ちょっと待ってください!!」

シャーリー「なんだ?」

ペリーヌ「……あの、とても子どもに見せるような舞踊ではないような気もしますが」

シャーリー「そんなことないって。あたしは8歳ぐらいのときに見てた覚えがあるから」

ペリーヌ「つまり、子どもが見ても問題はないということですの?」

シャーリー「たぶんっ」

ペリーヌ「……」

シャーリー「ルッキーニだってこのダンスを見ると寝つきがよくなったって言ってたから、心配ないって」

ペリーヌ「ま、まぁ、対象年齢はさておき、中々高度な技術が要求されるような気も……」

シャーリー「日ごろから鍛えてあるだろ?ペリーヌにだってできるよ。ちょっとやってみたらどうだ?」

ペリーヌ「は、はぁ……では、挑戦してみます……」

シャーリー「まずはポールを抱くようにして、回ってみるんだ」

ペリーヌ「こ、こうですの?」クルンッ

シャーリー「もっと体を密着させて、股でポールを挟むんだ」

ペリーヌ「は、はい」ギュッ

シャーリー「それで体を上下に動かしてみろ」

ペリーヌ「んっ……くっ……す、すれるぅ……」ズッズッ

シャーリー「その表情いいね。それが大事だ」

ペリーヌ「そ、そうなのですか?」

シャーリー「それが基本形だから、とりあえず慣れないとな」

ペリーヌ「は、はい」ズッズッ

ペリーヌ「はぁぁ……んっ……すれるぅ……」

シャーリー「うんうん。いいじゃないか?」

ペリーヌ「あの、何だかはずかしいのですが……」

シャーリー「舞台に立つと緊張するって。あたしもアフリカにいたときにやったときはすごく緊張したしさ。そのとき力が入ってポールが抜けて、倒れちゃったんだよなぁ。あはは」

ペリーヌ「……」ズッズッ

シャーリー「悪い、ちょっとトイレ。ペリーヌはそのまま練習しててくれ」

ペリーヌ「は、はい……」

ペリーヌ「……」ズッズッ

ペリーヌ「くっ……すれる……でも……」

ペリーヌ「……」ズッズッ

ペリーヌ(なんだか、ちょっと……気持ちよく……)

芳佳「あ、ペリーヌさんだ」

ペリーヌ「ひゃ……!?」ズッズッ

美緒「お前、何をしているんだ?」

ペリーヌ「あ、あの……ダ、ダンスの練習を……少々……」ズッズッ

芳佳「そんなダンスがあるんですか?」

美緒「かなり卑猥だが、ガリアにそんな踊りがあるとはな」

ペリーヌ「い、いえ、これはあの、リベリオンの踊りで……」

シャーリー「おまたせー。ちょっとは慣れたか?」

ペリーヌ「いやぁぁぁ!!!」ズイズイ

シャーリー「あ、おい。昇っていってどうするんだ?そうか。降りるときはできるだけクルクル回って――」

美緒「シャーリー。お前が教えたのか?」

シャーリー「え?少佐かぁ。ペリーヌのダンス、見たか?イカしてるだろ?」

美緒「文化が違えば美的感覚等も違ってくるからなんとも言えんな」

シャーリー「リベリオンではメジャーなダンスなんだよ」

芳佳「でも、ペリーヌさんはポールにしがみ付いて体を上下させているだけでしたよ?踊りとはいえないような」

美緒「もっというなら股間をこすりつけているようにしか見えなかったぞ。まぁ、私ものぼり棒ではよくやったが」

芳佳「あ、それ私もやりましたよ。坂本さんもですか?」

美緒「誰しもが通る道だろう」

シャーリー「なんだ、扶桑にも似たようなのあるのか」

美緒「似ているのか……?私たちの場合はとてもダンスとは言えないが」

シャーリー「そうなのか?こうやって、体をくねらしたりしなかった?」グニッグニッ

芳佳「おぉ……シャーリーさん、すごいですね……」

シャーリー「――ハッ!!」バッ!!

芳佳「えぇぇぇぇ!?!?」

美緒「シャーリー。簡単に股を開くな。はしたないぞ」

シャーリー「これが技なんだけどな」

美緒「技か。それはいいが、何故ペリーヌに教えていた?」

シャーリー「ガリアの子どもたちのために開いているお遊戯会で何をしようか悩んでたんだ。それで踊ってみるのはどうだって提案した」

美緒「そういうことか。――おーい、ペリーヌ」

ペリーヌ「……はい?」

美緒「降りて来い」

ペリーヌ「……」スーッ

美緒「悪かったな。訓練の邪魔をしてしまって」

ペリーヌ「いえ、そんな……」

美緒「引き続きがんばれよ。そして上達したら見せてくれ。はっはっはっは」

ペリーヌ「は、はい!よろこんで!!」

シャーリー「あーあ。ああ言われたら練習するしかないな」

ペリーヌ「が、がんばりますわ!!」ズッズッ

ペリーヌ「ん……すれるぅ……」

芳佳「シャーリーさん、シャーリーさん」

シャーリー「どうした、宮藤?」

芳佳「私にもできますか?」

シャーリー「さぁ、できると思うけど、やりたいのか?」

芳佳「はいっ!なんだか楽しそうなんで!!」

シャーリー「そっか。なら、やってみるか」

芳佳「おねがいします!!」

ペリーヌ「宮藤さんは関係ないでしょう?」

芳佳「いいじゃないですか。二人でやるほうが絶対に楽しいですよ、ペリーヌさん」

ペリーヌ「ま、まぁ、わたくしの邪魔だけはしないように」

芳佳「はいっ」

シャーリー「――こうやって胸を強調するようにポールを利用する技もある」グニッグニッ

ペリーヌ「ふむふむ」

芳佳「おぉぉ……!!おぉぉー……!!」

シャーリー「二人はまぁ、それができないだろ?だったら、こうやって、体をそらしてみるとか、ポールのまわりを回ってみるとか他のことでカバーするしかない」クルクル

ペリーヌ「……はい」

芳佳「リーネちゃんとかバルクホルンさんならできますね、その技っ」

シャーリー「あはは。多分ねっ!!」バッ!!

芳佳「えぇぇぇ!?」

ペリーヌ「シャーリー大尉。教えていただけるのは嬉しいですが、その股を開くのはちょっと……」

シャーリー「なに言ってるんだよ?お前たちもこれぐらいはできるようにならないと」

ペリーヌ「そ、そうなのですか?」

シャーリー「当然だろ」

ペリーヌ「しかし、その、貴族の令嬢としては……あの……抵抗があるというか……」

シャーリー「ポールダンスをするならペリーヌは羞恥心からどうにかしないとな」

芳佳「私も人前ではその……」

シャーリー「仕方ないな。それなら、ペリーヌがM字開脚をしてあたしと宮藤に10分ぐらい凝視されるっていうのはどうだ?」

ペリーヌ「で、できるわけありませんでしょう!?」

シャーリー「慣れる為だろ」

ペリーヌ「し、しかしぃ」

シャーリー「……嫌なら、やめるか?無理にする必要なんてないからね」

ペリーヌ「そうですわね……。やめておきますわ。わたくしには向いていませんもの」

シャーリー「なら、この話はここで終わりだな」

芳佳「えぇ?終わっちゃうんですかぁ?」

シャーリー「ペリーヌのために教えてたんだ。ペリーヌがやりたくないっていうならやめるしかないだろ?」

芳佳「そうですけどぉ」

ペリーヌ「シャーリー大尉。ありがとうございました」

シャーリー「少佐にはどう言っておくんだ?あたしから説明しておこうか?」

ペリーヌ「いえ、わたくしがご期待に添えられなかったことを報告しますわ」

シャーリー「分かった。それじゃ」

芳佳「残念だなぁ……。もう少し見たかったんですけど……」

シャーリー「なんだよ。そんなに残念そうな顔するなって」

芳佳「……」

シャーリー「分かった。少し待ってろ」

芳佳「え?シャーリーさん?」

シャーリー「――ミュージック!!スタート!!」

芳佳「おぉ!!」

シャーリー「きみのなかに~わたしをずっと~♪」クルクル

シャーリー「ブックマークしてねぇ?」ズッズッ

芳佳「おぉぉ……!!」

シャーリー「わらいながら~がんばったと~♪」グニッグニッ

シャーリー「めちゃくちゃにほめてねっ?」バッ!!

芳佳「わぁぁ……すごぉい……」

シャーリー「どんなと――」

バルクホルン「おい。ここはいつからストリップ劇場になったんだ?」

美緒「ん?断念したのか?」

ペリーヌ「はい。申し訳ありません」

美緒「……そうか。まぁ、ペリーヌがそう判断したのなら構わんさ」

ペリーヌ「少佐……あの……」

美緒「個人的には見てみたかったがな。ペリーヌの踊りは」

ペリーヌ「……」

美緒「分かった。もういいぞ。ゆっくり休め」

ペリーヌ「……っ」

美緒「どうした、ペリーヌ?」

ペリーヌ「いえ……なんでも……ありませんわ……」

美緒「そうか?それで、お遊戯会の演目は決まっているのか?」

ペリーヌ「えっと……その……絵本の朗読なんかを……はい……」

美緒「はっはっはっは。そうかぁ。ペリーヌらしく愛らしいな。がんばれよ」

ペリーヌ「ありがとうございます……」

ペリーヌ(坂本少佐があそこまで期待をしてくれていたなんて……)

ペリーヌ(やはり……ここで膝を折ってしまうなんてわたくしにはできませんわ!!)

ペリーヌ(多少の羞恥心がなによ!!わたくしが少佐から頂いた恩を考えれば、我慢できる、いえ、羞恥心などないに等しいはずっ!!)

ペリーヌ「――シャーリー大尉!!わたくしにもう一度ポールダンスをご教授してください!!!」バンッ!!!

バルクホルン「お前は何を考えているんだ!!!!」

シャーリー「……」

ペリーヌ「あ、あら?」

バルクホルン「あんなダンスを宮藤に見せ付けるなど、どうかしているぞ!!!えぇ!?リベリアン!!!」

シャーリー「いや、ダンスだろ?」

バルクホルン「ふざけるな!!!あのような卑猥な行為を教える奴があるか!!!」

シャーリー「だから、ダンスだって」

バルクホルン「大人のな!!」

芳佳「バルクホルンさん、私が教えてくださいっていったんです。だから……」

バルクホルン「宮藤は黙っていろ!!!」

ペリーヌ(ど、どういうことですの……。あの踊りは何か軍規に違反しているの……?)

バルクホルン「そんなに踊りたければ私がフォークダンスを教えてやる!!こい、宮藤!!!」グイッ

芳佳「あぁ、まってください!!」

シャーリー「お、おい」

バルクホルン「シャーリーと一緒に居ると宮藤に余計な知識が増えるだけだ。私の傍にいろ。全く」

芳佳「あぁぁ……シャーリーさぁぁん……」

シャーリー「みやふじー」

ペリーヌ「あの……?どうかなさいまして?」

シャーリー「ペリーヌか。いや、渾身のポールダンスを宮藤に披露してたんだけど、途中でバルクホルンが入ってきてさ」

ペリーヌ「このダンスは何かその、規則に反しているのですか?」

シャーリー「いや。そんなことはないよ。バルクホルンは真面目だからここでダンスを踊るのが許せなかったんだろ」

ペリーヌ「はぁ……。しかし、ここ以外では練習する場所もありませんわよね」

シャーリー「なんだ、ペリーヌ?ポールダンスは諦めたんだろ?」

ペリーヌ「いえ。少佐の期待に応えるべく、ポールダンスをなんとか身につけたいと思い直しましたわ」

シャーリー「そっか。折角ペリーヌがやる気をだしてくれたのにバルクホルンの監視があるんじゃ、自由にできないよな……」

ペリーヌ「シャーリー大尉の部屋にポールを設置するのはどうでしょうか?」

シャーリー「それができればとっくにやってるさ。ポールそのものをどこからもってくるんだ?」

ペリーヌ「あぁ、そうですわね」

シャーリー「よし、ペリーヌ。夜だ」

ペリーヌ「よ、夜ですか?」

シャーリー「それしかないだろ。バルクホルンだって四六時中ここを監視するわけじゃない」

ペリーヌ「大丈夫でしょうか」

シャーリー「学びたいんだろ、ポールダンス」

ペリーヌ「はいっ」

シャーリー「なら、多少のリスクは覚悟しろ」

ペリーヌ「……了解!」

シャーリー「それじゃ……メシくってからになるから、2000時にここに集合だ」

ペリーヌ「わかりましたわ!」

サーニャ(今日の夜間哨戒も何もなければいいな)

シャーリー「――ペリーヌ、それじゃ、足を広げろ」

サーニャ「……?」

ペリーヌ「こ、こう、ですか?」

シャーリー「そうだ。そのままの姿勢で10分」

ペリーヌ「んっ……」

シャーリー「……」

ペリーヌ「そ、そんなに見つめないでください……」モジモジ

シャーリー「こら、閉じようとするなって」ガバッ

ペリーヌ「ひゃぁ!?」

シャーリー「ペリーヌは見られることに慣れないと」

ペリーヌ「こ、こんな姿勢は……あの……慣れたくないというか……」

シャーリー「恥ずかしがっていたら不完全な踊りを少佐が見ることになるんだ。それは嫌だろ?」

ペリーヌ「……はい。もっと、みてくださいっ」バッ

サーニャ(な、なんだろう……あれ……)ドキドキ

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