宮藤「本日付けで501のトイレにウォシュレットが実装されました」 (184)

―第501統合戦闘航空団基地 個室トイレ―

エイラ『それでな、サーニャが放ったロケット弾がネウロイに命中したんだ。すごいだろ?』

芳佳「はい。やっぱりサーニャちゃんはすごいですね」

エイラ『だろ? だろ? 宮藤は分かってるなぁ』

芳佳「エイラさーん。そろそろ私出ますけどー」

エイラ『え? そうなのか? ちょっと待ってくれぇ』

芳佳「先に手を洗って外で待ってますねー」

エイラ『待ってって、みやふじぃー。――ん? なんだこれ? お尻……ビデ……?』

芳佳「エイラさーん。待ってますか――」

エイラ『ウワァァアァァァァア!!!!!! みやふじぃ!!! たすけてくれぇぇぇ!!! みずが!! みずがぁぁぁ!!! かおにぃぃ!!!』

芳佳「エイラさん!? どうしたんですか!?」

エイラ「宮藤ぃ!!」ガチャ

芳佳「エイラさん!! ビショビショじゃないですか!! 何があったんですか!?」

エイラ「うぇぇぇ……最悪だぁ……。いきなり、トイレから温かい水が……ピューって……」

芳佳「どういうことですか?」

エイラ「とりあえず見てくれ……まだ出てるから……」

芳佳「あ……。ホントだぁ……。なんですか、あれ……」

エイラ「私が聞きたいぐらいだぁ!!」

芳佳「とりあえず着替えてきたほうがいいですよ、エイラさん」

エイラ「そうだな。そうする……」

芳佳「あ、これどうやって止めるんですか!? このままじゃトイレが水浸しになりますよ!?」

エイラ「そんなの私が知るわけないだろ」

芳佳「あ、そうですよね」

エイラ「あぁぁ……トイレの水をかけられたぁぁ……」

芳佳「と、とにかくとめないと」

芳佳「うーん……。止め方が全然わからない……」

芳佳「とりあえず、バケツで受け止めて……」

美緒「宮藤。今、エイラの叫び声が聞こえたのだが、何があったんだ?」

芳佳「あ、坂本さん。みてください。トイレが水芸始めちゃって」

美緒「水芸? おぉ。中々立派だな。はっはっはっはっは」

芳佳「笑い事じゃないですよぉ。この所為でエイラさんが濡れちゃって、大変なんですから」

美緒「だが、どうしてこんなことに?」

芳佳「わかりません。坂本さんも知らないんですか?」

美緒「うーむ……」

芳佳「ああ、バケツが一杯になっちゃう」

美緒「この便器の傍にある装置はなんだ?」

芳佳「え?」

美緒「これだ」ピッ

芳佳「あ。水がとまりましたね」

美緒「なるほど。これがスイッチになっているのか」

芳佳「よかったぁ……。でも、これお掃除しないといけませんね」

美緒「お尻とビデ……。用途としては用を足したあとに水で洗浄してくれる装置と言ったところか」

芳佳「えぇ? そんなのがあるんですか?」

美緒「私の推測だ。当てにはするな。とはいえ、そういう使い方しかないだろう」

芳佳「手を洗うという可能性もあります」

美緒「この水で手などあまり洗いたくはないが」

芳佳「そうですね……」

美緒「宮藤。ちょっと座ってみろ」

芳佳「え!? この便器にですか!?」

美緒「私の推測が正しいか実験だ」

芳佳「わ、わかりました……。あの、坂本さんは外にいてください」

美緒「わかっている。きちんと服は脱げよ」

芳佳「は、はい。――行ってきます」バタンッ

美緒「……」

芳佳『あぁぁぁぁぁぁ!!!!!! さ、坂本さぁぁん!!!! これ!!! 的確に狙ってきま……アァァー!! いやぁー!!!!』

美緒「宮藤!!!」ガチャ

芳佳「いやぁぁぁ!!!! はいってこないでください!!!」

美緒「すぐに止めろ!!」ピッ

芳佳「あ……あ、ありがとうございます……。助かりました……」

美緒「やはり、そういう装置のようだな」

芳佳「み、みたいですね……」モジモジ

美緒「どうした?」

芳佳「い、いえ……その、お尻が変な感じで……」

美緒「私も試してみるか」スルッ

芳佳「さ、坂本さん!?」

美緒「すまない、宮藤。扉を閉めてくれ」

芳佳「は、は、はい!!!」バタンッ

美緒『んん!? おぉぉ!!! これはすごい!!! はっはっはっはっは!!!』

芳佳「坂本さん!! 大丈夫ですか!?」

美緒『これはいい!! すごくいいぞ!!! 宮藤!!』

芳佳「坂本さん、変な感じになりませんか?」

美緒「なる。穴がムズムズするというか……」

エイラ「おーい、みやふじぃ」

芳佳「あ、エイラさん」

エイラ「さっきのアレ。何かわかったか?」

芳佳「はい。どうやら、用を足したあとに洗ってくれる装置みたいです」

エイラ「えぇぇ? なんだそれぇ。余計に汚くなりそうだな」

美緒「まぁ、トイレの水だからな。気持ち悪く思う者もいるだろう」

エイラ「そもそも、この装置はいつからあったんだ? 昨日まではなかったよなぁ?」

芳佳「なかったはずです」

美緒「それにこの便器にのみ付けられたもののようだ。他の便器には見当たらない」

エイラ「誰かがつけたのか……?」

美緒「こういう装置を作れるのは、シャーリーぐらいだが」

エイラ「宮藤!! 行くぞ!!」

芳佳「は、はい!!」

―第501統合戦闘航空団基地 トイレ―

ルッキーニ「らんらーん。トイレートッイレー。大尉とトイレー。にひぃ」

バルクホルン「ルッキーニ少尉。シャーリーから聞いたぞ」

ルッキーニ「なにを?」

バルクホルン「用を足したあと、拭かないことが多いそうだな」

ルッキーニ「だって、メンドくさいじゃん」

バルクホルン「あのなぁ……」

ルッキーニ「あぅ。もれりゅー」バタンッ

バルクホルン「あ、こら!! きちんと拭いてから出てくるのだぞ!!」

ルッキーニ『はいはぁーい』

バルクホルン「本当にわかっているのか。まったく」バタンッ

バルクホルン「……ふぅ」

バルクホルン「ん? なんだ、この装置は……? お尻……?」ピッ

バルクホルン「なにか音が――」

バルクホルン「あにゃぁぁ!!!!!!」ビクッ

格納庫

シャーリー「え? あぁ!! ウォシュレットかぁ。使ってみたのか。どうだった?」

芳佳「もうびっくりですよぉ!!!」

エイラ「私なんてびしょ濡れになったんだぞ!! どうしてくれるんだぁ!!」

シャーリー「どうやったら、びしょ濡れになるんだ?」

エイラ「水を流そうと立ち上がったときに装置の存在に気がついて……」

シャーリー「ああ。それなら顔面にかかったのか?」

エイラ「そうだ。もうサウナにはいったばっかりだったのにぃ」

シャーリー「あははは。悪い悪い」

美緒「で、あれはなんだ、シャーリー?」

シャーリー「あれはですねぇ」

バルクホルン「――リベリアァァン!!!!」

シャーリー「なんだよ、大声だして……げ!」

バルクホルン「きさまだろぉ!!! あんな装置をトイレに設けて!!! なんのつもりだぁぁぁ!!!」

芳佳「バ、バルクホルンさん!!! きちんとズボンをはいてください!!! 下がったままですよ!!!」

ルッキーニ「ねえねえ、ちゃんとお尻拭いたほうがいいよ? まだ濡れてるしぃ」フキフキ

バルクホルン「説明しろ!! シャーリー!! あれはなんだ!!!」

シャーリー「用を足し終わったあとに水で洗浄できる装置だよ。便利だろ?」

バルクホルン「ならば!! そういう装置であることを明記しておけ!! 利用者に恥をかかせるつもりか!!!」

美緒「バルクホルン。ズボンをはけ。お前は今まさに恥をかいているぞ」

バルクホルン「……」スッ

バルクホルン「これでいいか?」キリッ

芳佳「は、はい。バッチリです」

エイラ「というか、よくここまでズボンを下げたままこられたなぁ」

シャーリー「それだけ驚いたってことか」

バルクホルン「シャーリー。何故、説明もなく装置をつけた? 理由を聞かせろ」

シャーリー「いやぁ。昨日の夜にできあがったばっかりでさ。とりあえず私が試してからみんなに説明しようと思ってたんだけど」

美緒「どうした?」

シャーリー「まだ、トイレに行く用事ができなくて。あははは」

バルクホルン「なくても試すことはできるだろ……」

シャーリー「先にストライカーの調整をしときたくて」

バルクホルン「おのれぇ……!!」

美緒「ともかくだ。ああいう装置があることを周知させなければ、第二第三の被害者が出るかもしれんぞ」

芳佳「あ、そうだ!! あのトイレ、みんなが利用するのに!!」

エイラ「サーニャもだ!!!」

芳佳「リーネちゃんも危ない!! エイラさん、行きましょう!!」

エイラ「当たり前だ!! サーニャをあんなもので濡れさせてたまるかぁ!!!」

美緒「あ、おい。忙しいやつらだ」

バルクホルン「あの装置、尻を洗浄するのはいいが、紙で拭くのは変わらないだろう。付ける意味はあるのか?」

シャーリー「水で洗ったほうが気持ちよくないか?」

バルクホルン「それは……」

美緒「しつこい汚れの場合は水で一気に洗い流したい気分になるな。そういう意味では便利かもしれん」

シャーリー「あと、あれはルッキーニ用ってところもあるんだ」

バルクホルン「ルッキーニ?」

ルッキーニ「あたし? なんで?」

トイレ

芳佳「はぁ……はぁ……」

エイラ「あ、宮藤、誰か使ってるみたいだぞ……」

芳佳「え!? ま、まさか……!!!」

ペリーヌ『あひぃぃぃぃぃぃ!!!!!!』

エイラ「なんだ、ペリーヌか。よかったぁ」

ペリーヌ「――だ、だれかぁ!! たすけてぇ!!!!」ガチャッ

芳佳「ペリーヌさん!! 大丈夫ですか!!」

ペリーヌ「み、宮藤さん……」

エイラ「宮藤!! 気をつけろ!! ペリーヌはヌレヌレだぞ」

ペリーヌ「こ、この破廉恥なものは一体なんなんですの!?」

芳佳「シャーリーさんがつけた装置みたいで」

ペリーヌ「んまぁ!? どういうこと!?」

芳佳「あ、あの、とりあえずズボンをはいてください……」

エイラ「なんだ、ペリーヌって全部脱がないとできない派だったのか」

ペリーヌ「あ!! いや……これは……!!」

エイラ「そうかそうか。そういうやついるいる」

芳佳「とりえあず、水を止めなきゃ……」ピッ

シャーリー「――おーい。無事かぁ?」

ペリーヌ「シャ、シャーリーさん!! これはなんですの!!!」

美緒「ペリーヌも被害にあったか」

ペリーヌ「さ、坂本少佐!!!」

シャーリー「すまん、ペリーヌ。今から説明するから、食堂にきてくれ」

ペリーヌ「こ、このままで、ですか?」

美緒「いや、着替えて来い」

ペリーヌ「は、はい……そうさせていただきますわ……」

美緒「一足遅かったな」

エイラ「サーニャが無事ならそれでいい」

芳佳「エイラさん。そんなこと言っちゃだめですよ」

エイラ「そうか?」

食堂

シャーリー「――以上が今朝トイレにつけたウォシュレットの概要だ」

ペリーヌ「な、なんという発想……気が違ったとしか思えませんわ……!!」

シャーリー「そういうなって。慣れればアレ無しじゃできなくなること請け合いだし」

バルクホルン「人間にとって最も敏感な部分に放射するなんて考えは、普通ではない」

ミーナ「シャーリーさん。確かに便利ではあるかもしれないけど、取り付ける前に説明してほしかったわね」

シャーリー「すいません」

ミーナ「それで、利用者の感想はどうなの?」

バルクホルン「論外だな!!」

ペリーヌ「凶器ですわ!! あんなもの!!!」

エイラ「とりあえずびっくりする」

芳佳「お尻がむずむずします!」

美緒「正直気持ちよかった」

ミーナ「困ったわ。意見がバラバラね。否定的な意見のほうが多いけれど……」

シャーリー「ああ。少佐とバルクホルンには説明したけど、あれは一応ルッキーニ用なんだよ。だから、使いたくなれば使う必要はないから」

ルッキーニ「うじゅ……」

芳佳「ルッキーニちゃん?」

シャーリー「ルッキーニは中々拭くことをしないからな。それでもうボタンひとつでキレイにできるようにしようってところから考えたものなんだ」

エイラ「そうなのか?」

ルッキーニ「みたい」

美緒「ルッキーニ。きちんと拭け」

ルッキーニ「……ぁぃ」

シャーリー「少佐、ここで咎めなくてもいいですって。私はもうウォシュレットを作ったわけですし」

美緒「そうだが……」

シャーリー「中佐。そういうわけだから、設置のほう前向きに検討してくれませんか?」

ミーナ「ルッキーニさんのためね……」

シャーリー「お願いしますよ」

ミーナ「……わかったわ。しばらくは様子を見ましょう。このことを他の人にも伝えておいてね」

シャーリー「了解」

エイラ「サーニャに知らせてこないと」テテテッ

トイレ

エーリカ「ふわぁぁ……」

リーネ「あ、ハルトマン中尉。おはようございます」

エーリカ「あぁ。リーネ、おはよう。掃除してたのか?」

リーネ「いえ、洗濯のほうです」

エーリカ「そっかぁ」バタンッ

リーネ「……」バタンッ

エーリカ『今日はリーネが食事当番だっけぇ?』

リーネ「はい。あ、芳佳ちゃんも一緒です」

エーリカ『やったぁ。なら、今日は訓練がんばるか。お腹空かせとかないとな』

リーネ「ふふっ。ありがとうございます。がんばって作りますね」

エーリカ『ふぅー。でたぁー』

リーネ「……あの、そういうことは言わないほうが……」

エーリカ『お? なんだ、このスイッチ。いえっ。――おぉぉ? ほぉぉ? わぁー。お尻に絨毯爆撃だぁー。きもちいいー』

リーネ「ハルトマン中尉? どうしたんですか?」

エーリカ『リーネ、ちょっとこっちきてよ』

リーネ「え? は、はい」テテテッ

エーリカ「いらっしゃい。まぁ、座ってみて」

リーネ「こ、こうですか?」

エーリカ「ズボン、おろして」

リーネ「そ、そんなことできません!!」

エーリカ「女同士だし、問題ないだろ?」

リーネ「そ、そうですけど」

エーリカ「ほら、おろして」グイッ

リーネ「きゃぁ!? や、やめてください!!」

エーリカ「はっしゃぁ」ポチッ

リーネ「え?」

リーネ「……ぁ」

リーネ「アァァァー!!!!」ビクッ!!

芳佳「――リーネちゃん!!! 大丈夫!?」

リーネ「うぐっ……よ、よしかちゃん……わたしの……だいじなところが……うぅ……」ギュゥゥ

芳佳「大丈夫だよ。水だもん」

リーネ「でも……でも……だれにも触られたことないのに……ないのに……ぐすっ……」

芳佳「リーネちゃん……」ナデナデ

エーリカ「そっかぁ。これ、シャーリーが作ったやつか。納得ぅ」

芳佳「ハルトマンさん。無理やりは駄目ですよ」

エーリカ「えー? 気持ちよかっただろ?」

リーネ「……!!」フルフル

エーリカ「水圧最大にしてあげたのに?」

芳佳「最大?」

エーリカ「これ、水圧の強さが10段階に分かれてるんだ。ほら、ここで設定を変えられる」

芳佳「あー。これシャーリーさんが言ってたやつだ。でも、4ぐらいが丁度いいって言ってましたよ?」

エーリカ「最大のほうが気持ちいいって。な、リーネ?」

リーネ「よくありませんっ!!」

エーリカ「おかしいなぁ。私はよかったんだけど」

芳佳「リーネちゃん、立てる?」

リーネ「う、うん……」

エーリカ「私、もうちょっとしていこーっと」

芳佳「ハルトマンさん、ほどほどにしておいてくださいね」

エーリカ「はいはーい。――ほわぁぁぁ。すごーい。おぉぉー! きくぅー」

芳佳「びっくりしちゃうよね、やっぱり」

リーネ「う、うん。まだ、お尻が変な感じ……」

芳佳「そうなの?」

リーネ「油断してたから中に水も入ってきたし……」

芳佳「あぁー。私もなったよ。気持ち悪いっていうか、なんだか嫌だよね」

リーネ「シャーリーさんには申し訳ないけど、私はあれ嫌かも……」

芳佳「私も苦手。下から水をかけられるのはちょっとね」

リーネ「だ、だよね。よかった、芳佳ちゃんも同じで……」

エーリカ「あはぁ……もっと水圧あげられないかなぁ……」

芳佳「ハルトマンさんはきっと特別なんだと思う」

食堂

シャーリー「リーネにも不評かぁ。やっぱり失敗だったかな?」

リーネ「ごめんなさい。慣れたら、その、いいとは思うんですけど……」

シャーリー「気を使わなくていいよ。ペリーヌやバルクホルンからも怒られたしな」

芳佳「でも、ハルトマンさんは気に入っていたみたいですよ。水圧が物足りないって言っていたぐらいですし」

シャーリー「ホントか!?」

リーネ「確かに言ってました」

シャーリー「あれ以上となると、流石にお尻が傷つくと思うんだけどなぁ」

芳佳「あの、結局、ええと、うぉしゅれっと……でしたっけ? あれはどうなるんですか?」

シャーリー「しばらく様子を見てから、弊害が多いようなら取り外してくれだってさ。ルッキーニが使うだけなら、別にずっとあってもいいと思うんだけどなぁ」

リーネ「でも、それはルッキーニちゃんが恥ずかしいんじゃ」

芳佳「そうですよ、シャーリーさん。ルッキーニちゃん、トイレが嫌になって、外でしちゃうかもしれませんよ?」

シャーリー「な……。そうか。そこまで考えてなかったな……。ルッキーニのためを思って作ったんだけど……」

芳佳「シャーリーさんの優しさは分かっていると思います。だけど、使い難いって感じているかもしれませんね」

シャーリー「……私、悪いことしたみたいだな。ルッキーニに謝ってくるか」

トイレ

エイラ「いいか? ここのトイレだけは使っちゃダメだからな。絶対ダゾ」

サーニャ「どうして?」

エイラ「悪魔の便器だからだ」

サーニャ「そこまで言われると、興味が沸いてくるわ」

エイラ「ダメだ!! サーニャ!! 絶対に行かせないぞ!!!」

サーニャ「エイラ……あの……」モジモジ

エイラ「他の!! 他のトイレを使ってくれ!!」

サーニャ「その装置は使わないようにするから」

エイラ「でも……」

サーニャ「おねがい……もう……我慢できないから……」

エイラ「や、約束だかんな!! お尻って書いてあるスイッチは押しちゃダメだぞ!! サーニャ!!」

サーニャ「うん。エイラとの約束は絶対に守るから」

エイラ「よし。なら、いいぞ」

サーニャ「ありがとう」バタンッ

ルッキーニ(シャーリーがあたしのために……か……)

ルッキーニ(ちょっと恥ずかしいけど、シャーリーが作ってくれたんだし、使ってみよっと)

ルッキーニ「トイレートイレー」テテテッ

エイラ「サーニャー、絶対に押すなよぉー」

ルッキーニ「あ、エイラ。なにしてんの?」

エイラ「ルッキーニか。ここは使用中だ」

ルッキーニ「見たらわかるよ」

サーニャ『ぁ……ぁ……』

エイラ「サーニャ!? どうしたぁ!?」

ルッキーニ「どったの?」

サーニャ『な、なんでないわ』

エイラ「押したのか!?」

サーニャ『ぉ……お尻のスイッチは押していないわ』

エイラ「なんだ、変な声出すから驚いたじゃないかぁ」

サーニャ『ごめんね……ぁ……ぁ……』

サーニャ「――お待たせ」ツヤツヤ

エイラ「随分と長かったな」

サーニャ「ごめんね」

エイラ「いいよ。これからどうする? もう一度、寝るか?」

サーニャ「……うんっ」

エイラ「よーし。サーニャの部屋にいくか」

サーニャ「ええ」

ルッキーニ「にひぃ」

ルッキーニ「次はあったしぃー。とぁー」スルッ

ルッキーニ「準備、かんりょー!!」

ルッキーニ「スイッチ、オン!!」ピッ

ルッキーニ「……」

ルッキーニ「――んにゃぁぁぁぁぁ!!!!!」ビクンッ!!!

ルッキーニ「これやだぁぁぁぁ!!!!」ダダダダッ

ルッキーニ「シャーリー!! おしりがむじゅむじゅしゅるー!!」

格納庫

シャーリー「あっれー? ルッキーニのやつ、ここにもいないなぁ」

シャーリー「はぁ……。もしかして、私が避けられてるなんてことは……」

ルッキーニ「シャーリー!!!」

シャーリー「お!? ルッキーニ!!」

ルッキーニ「トイレの水鉄砲、やだぁー!!」ギュゥゥゥ

シャーリー「つ、使ったのか?」

ルッキーニ「うん……。でも、すごい勢いでお尻に当たって……」

シャーリー「なんだと?」

ルッキーニ「いたかった……」

シャーリー「水圧の設定が高かったんじゃなくてか?」

ルッキーニ「水圧……。そこ、みてなかった。ごめん」

シャーリー「いや、謝るのは私のほうだ。ルッキーニ、余計なお世話だったよな?」

ルッキーニ「そんなことないよ。シャーリーがあたしのためにしてくれたことだもん。うれしいよ?」

シャーリー「そ、そうか? なら、もう一度行ってみよう。きっと水圧が強すぎただけのはずだから」

トイレ

ペリーヌ「ルッキーニさん!!! あのウォシュレットを使用するのは勝手ですが、使用後は必ずスイッチを切ってくださいな!!!」

ルッキーニ「うじゅぅ」

ペリーヌ「トイレが水浸しになってしまいますでしょう!?」

ルッキーニ「ちょっと驚いて……止め忘れて……」

ペリーヌ「まったくもう! 掃除が大変でしたのよ!!」

シャーリー「すまん、ペリーヌ。私の責任でもあるな。掃除してくれて、助かった」

ペリーヌ「もう今後はこんなことのないように!! ふんっ!!」

ルッキーニ「ありがとう、ペリーヌ」

シャーリー「さて、ルッキーニ。水圧の設定下げておいたから、もう一度試してみてくれ」

ルッキーニ「わかったぁー」バタンッ

シャーリー「今度はイケるはずだ」

ルッキーニ『ねえ、シャーリー。このビデってにゃに?』

シャーリー「ああ。水のあたる場所が違うんだ。やってみれば分かる」

ルッキーニ『どれどれ……。おぉぉ……ほんとだぁー!! すごいすごい!!』キャッキャッ

シャーリー「どうだ? 気持ちいいだろ?」

ルッキーニ『うん!! これなら使うー!!』

シャーリー「そっか。それはよかった」

ルッキーニ『ありがと! シャーリー!!』

シャーリー「いや、気にするな」

ルッキーニ「――はぁー。楽しかった」

シャーリー「よし。それじゃ、ハンガーに行くか」

ルッキーニ「シャーリー、すきぃ」ギュッ

シャーリー「はいはい。手を洗ってから抱きついてくれ」

ミーナ「あら、シャーリーさん、ルッキーニさん。相変わらず仲良しね」

ルッキーニ「ミーナ中佐もウォシュレットつかうといいよー。にひぃ」

ミーナ「え?」

シャーリー「こら、ルッキーニ。そんなこと言うなって」

ミーナ「……使ってみてもいいかしら? 坂本少佐も勧めてくるから、興味はあるの」

シャーリー「あ、ああ。どうぞどうぞ。自由に使ってください。別にルッキーニ専用ってわけじゃないし」

リーネ(トイレ……トイレ……)テテテッ

ミーナ『ふぁ……っ……』

リーネ「え……?」

ミーナ『んっ……これは……もうすこし……水圧を……』

リーネ「……」

ミーナ『あぁっ!!!』

リーネ「……!?」ビクッ!!

ミーナ「――ふぅ」ガチャ

ミーナ「こんなの初体験……」

ミーナ「これからも使ってみようかしら……ふふっ……」

リーネ「……」

リーネ(ミーナ中佐、なんだがすっきり顔してた……)

リーネ(そんなに気持ちがいいのかなぁ……。私にはよくわからないけど)

サーニャ「……あ。そこのトイレ、使う?」

リーネ「え? ううん。どうぞ。私は別のトイレ使うから」

リーネ「……」

サーニャ『ぁ……ぁ……っ……』

リーネ(なんだろう……変な声が聞こえる……)

サーニャ『ぁ……は……』

リーネ「あの……」

サーニャ『ぁ……なに?』

リーネ「えっと……ウォシュレット、気持ちいいのかな?」

サーニャ『うん。あなたも試してみたら?』

リーネ「わ、私はもういいかなって」

サーニャ『折角だから色々試してみるのも悪くないと思うけど』

リーネ「そうかな……」

サーニャ『ええ』

リーネ「少し考えてみるね。ありがとう」

サーニャ『うん……ぁ……ぁ……』

リーネ(芳佳ちゃんに相談してみようかな)

滑走路

芳佳「サーニャちゃんとミーナ中佐も使ってるの?」

リーネ「うん。みたいだよ」

芳佳「やっぱり、慣れると気持ちいいのかなぁ」

リーネ「どうなんだろうね」

芳佳「リーネちゃんは使った?」

リーネ「ううん! もう怖いよぉ」

芳佳「だよね」

リーネ「でも、ミーナ中佐はすごくいい顔でトイレから出てきたから、うまく使えばとっても気持ちいいかも」

芳佳「どう使えばいいの?」

リーネ「それがよくわからないよね」

芳佳「あははは、だね」

美緒「話しながらランニングとは余裕があるな、二人とも」

芳佳「さ、坂本さん!!!」

リーネ「あ、す、すいません!!!」

バルクホルン「ん?」

美緒「ほら。しっかり腕を曲げろ。腹が地面につけば、最初からやり直しだ」

芳佳「ふぬぬぬ……」

リーネ「うーん……!!」

バルクホルン「少佐。随分ときついことをさせているな。訓練後に腕立てか」

美緒「余力が残っていたようだからな。無理をさせている」

バルクホルン「そうか」

芳佳「た、たすけてください……」

バルクホルン「できない相談だ。最後までやり切れ」

芳佳「あぁ……そんなぁ……」

リーネ「も、もう……だめぇ……」

美緒「だらしがないな」

バルクホルン「ところで、ハルトマンを見なかっただろうか? もうすぐ訓練の時間なんだが」

美緒「部屋で寝ているんじゃないのか?」

バルクホルン「いなかった。先に来ているかとも思ったが、どうやらそうでもないようだな。一体、どこで油を売っているんだ……」

トイレ

エーリカ『はぁぁぁ~。これやば~い』

サーニャ「……」コンコン

エーリカ『はいってまーす』

サーニャ「あの。長いです」

エーリカ『あと30分』

サーニャ「そんな……」

エイラ「――サーニャ、ここにいたのか。起きたらいないから心配したじゃないか」

サーニャ「エイラ」

エイラ「どうしたんだ?」

サーニャ「なんでもないわ。行きましょう」

エイラ「そ、そうか?」

エーリカ『あぁぁぁ』

エイラ「ん? なんだ?」

サーニャ「……」

夜 トイレ

芳佳(トイレ行って、もう寝ないと……)

ミーナ「みおー……」コンコン

美緒『しばし待て』

ミーナ「そ、そんな……」モジモジ

芳佳「ミーナ中佐、どうしたんですか?」

ミーナ「み、宮藤さん……。その、順番待ちをね……」

芳佳「他のトイレが空いてますけど」

ミーナ「そ、そうなんだけど……ね……」

芳佳「……?」

サーニャ「あ……」

芳佳「サーニャちゃん」

サーニャ「……使用中」

芳佳「どうしたの? 他のところを使えば……」

エーリカ「よっと。あれ? なんだー、使用中かぁ。残念」

芳佳「ハルトマンさんまで、他のところを使えばいいじゃないですか」

エーリカ「宮藤ぃ。そうじゃないんだよね」

芳佳「どういうことですか?」

エーリカ「あのトイレ以外でもう用を足せない体になったんだよ」

芳佳「えぇぇ!?」

エーリカ「あれが気持ちよすぎてね。ミーナもサーニャもそうでしょ?」

ミーナ「わ、わたしは……」

サーニャ「はい。そうです」

芳佳「そ、そこまで?」

サーニャ「うん」

エーリカ「宮藤はそう思わなかったの?」

芳佳「は、はい。無理して使うこともないかなって」

エーリカ「人生の半分は損してるね」

芳佳「そ、そこまでですか!?」

美緒「――ふぅ。すっきりした。ん? なんだ、随分と並んでいるな。はっはっはっは」

翌日 トイレ

ルッキーニ「トッイレートッイレー」テテテッ

ルッキーニ「あにゃ!?」

美緒「サーニャのやつ、長いな」

ミーナ「そうね。朝は忙しいのに」

エーリカ「サーニャ、まだー?」コンコン

サーニャ『あと、10分』

エーリカ「えぇー!?」

美緒「サーニャ、なんとか5分で終わらせてくれ」

サーニャ『わ、わかりました』

ルッキーニ「にゃにこれぇ……」

ミーナ「あら、ルッキーニさん、おはよう」

ルッキーニ「あたし用のトイレなのにぃ」

美緒「シャーリーから使用許可は出ている。我々が使っても問題はない」

ルッキーニ「……」

格納庫

シャーリー「魔導エンジンの調子もいいな。よしよし」ブゥゥゥン

ルッキーニ「シャーリー!!!」

シャーリー「どうした?」

ルッキーニ「トイレ、使えない!!」

シャーリー「はぁ?」

ルッキーニ「みんなが使ってて、シャーリーが作ってくれたトイレ使えないの!!」

シャーリー「みんなって……?」

芳佳「坂本さんやミーナ中佐ですよ」

シャーリー「宮藤。その二人が使ってるのか?」

芳佳「あとハルトマンさんとサーニャちゃんもですね」

シャーリー「待てばいいだろ? トイレなんだから1分ぐらいで出てくるし」

ルッキーニ「30分待ったけど、だめだったの!!」

シャーリー「なに!? なんでそんなことになってんだ!?」

芳佳「よくわかりませんけど、一人が入っている時間がとっても長いんです」

トイレ

シャーリー「……」コンコン

エーリカ『はいってまーす』

シャーリー「何分入ってるんだ?」

エーリカ『かれこれ、15分ぐらいかな?』

シャーリー「でろ!!」

エーリカ『なんでー?』

シャーリー「いいから!!」

エーリカ「なんだよぉー?」ガチャッ

シャーリー「何してたんだ?」

エーリカ「ウォシュレットを使ってただけ」

シャーリー「どうしてそんなに長くなるんだ?」

エーリカ「気持ちいいからだよ」

シャーリー「でも、いくらなんでも長すぎるだろ。他にもこれを使いたがってるやつがいるんだからさ」

エーリカ「だって、ここにしかないんだから、仕方ないだろー。一度譲れば、当分は使えないし」

ブリーフィングルーム

ミーナ「え? 増設?」

シャーリー「ハルトマンから聞いたけど、かなり好評みたいで嬉しい限りです。でも、それで本来使わせたかった奴に使ってもらえていないんじゃ意味がない」

シャーリー「だから、できれば全トイレにウォシュレットを実装できればと思うんですけど」

美緒「……私は賛成だ。昨日の段階でパンク状態だったからな」

ミーナ「そうね……」

エイラ「ちょっと待ってくれ!! 全部につける必要あるのか!?」

ペリーヌ「そうですわ!! あのような悪魔の機能はあ必要ありません!!」

シャーリー「でも、501の半数が長時間使用しているなんだぞ? なら、全部につけておいたほうがいい」

サーニャ「……さんせい」

エーリカ「いいじゃん。使いたくないならなら使わなくてもいいんだしさ。私は満足するまで使用するけど」

バルクホルン「それはそうだが」

リーネ「誤作動でいきなり発射されたら……」

ペリーヌ「か、考えただけでも恐ろしいですわ……」

芳佳「でも、ルッキーニちゃんが少し可哀相だし、増えるのはいいことかも」

ルッキーニ「もともと、あたしのためにシャーリーが作ってくれたんだよ?」

美緒「……シャーリー。できるのか?」

シャーリー「まぁ、なんとかなりますよ。一度作ったんで」

美緒「では、任せよう」

シャーリー「はい!」

バルクホルン「大丈夫なんだろうな……」

シャーリー「心配するなって。今だって、不具合があるわけじゃないだろ?」

バルクホルン「増産することになれば話は違ってくるぞ」

シャーリー「大丈夫さ。私を信じろ」

エイラ「サーニャ。絶対に使っちゃダメだぞ? いいな?」

サーニャ「……うん」

エイラ「絶対だぞ。繊細なサーニャのお尻が爆発するかもしれないからな」

サーニャ「うん」

芳佳「よかったね、ルッキーニちゃん」

ルッキーニ「うんっ」

作業場

シャーリー「よし。早速――」

エーリカ「シャーリー。ちょっといい?」

シャーリー「ん? どうした?」

エーリカ「水圧なんだけど、20段階ぐらいにわけられない?」

シャーリー「そんなに作ってどうするんだ? 意味ないだろ」

エーリカ「いやぁ、今のままじゃあ満足できないんだよね」

シャーリー「でもなぁ」

エーリカ「一生の、おねがいっ」

シャーリー「まぁ、水圧があるほうがこびりついた汚れも一瞬で取れるだろうけど」

エーリカ「なら、いいじゃん。よろしく」

シャーリー「あ、おい」

シャーリー「簡単に言ってくれるな……」

シャーリー「うーん……」

シャーリー「そうなるとまずは実験してみないと」

501随一の常識人シャーリーは、快楽におぼれないと信じてる



リーネ「芳佳ちゃん、全部のトイレにアレがついたら、やっぱり使う?」

芳佳「どうだろう。よくわかんないよ。でも、使わないかも」

リーネ「やっぱり、怖いよね」

芳佳「うん。でもね、ちょっと考えたんだけど」

リーネ「なに?」

芳佳「トイレに入っているときにネウロイがきたとしたら、ウォシュレットはとっても便利だと思うの」

リーネ「うん。それは私もそうかなって感じてた。水で洗浄して一拭きすればいいだけだもんね」

芳佳「そう。だから、あると便利っていう考えぐらいで丁度いいかもしれないよ?」

リーネ「実際、そのときが来たら押せるかな?」

芳佳「やっぱり慣れておく必要はあるかも」

リーネ「じゃあ、結局は使わないといけないね」

芳佳「あ、うん……そうだね……」

ルッキーニ「よしかぁー!! リーネー!! ちょっときてー!!!」

芳佳「どうしたのー?」

シャーリー「お。宮藤とリーネか」

芳佳「シャーリーさん、便器なんて持ち出してなにしてるんですか?」

シャーリー「水圧実験には必要なんだよ」

リーネ「す、水圧……?」

シャーリー「どっちでもいいから座ってみてくれないか?」

芳佳「な、なにするんですか!?」

シャーリー「いや、どれぐらいの強さなら安全なのか試しておかないといけないだろ?」

リーネ「どうしてそんなことをするんですか?」

シャーリー「要望があったんだよ。もっと水圧を強めてくれっていうな」

芳佳「そんな、私は……」

シャーリー「抵抗があるのは分かる。だけど、これは大事なことなんだ」

芳佳「で、でも……」

リーネ「う、うん……」

シャーリー「私もルッキーニもついさっき試した。強弱の感じ方は千差万別だから、どうしても他の被験者も必要になってくるんだ」

ルッキーニ「よしかぁ、リーネぇ。おねがい。協力してぇ」

芳佳「……分かりました。実は私たちも慣れておかなきゃっていけないって話し合っていたばかりなんです」

シャーリー「そうか。助かる。それじゃ、宮藤から座ってくれ」

芳佳「はい」

リーネ「芳佳ちゃん……」

芳佳「心配ないよ。リーネちゃん。そこで見てて」

リーネ「……わかったよ。芳佳ちゃんのこと見守ってるからね」

芳佳「うん。ありがとう」

シャーリー「それじゃあ徐々に水圧を上げていくから、無理だって思ったら言ってくれ」

芳佳「了解!」

シャーリー「ルッキーニ、弁を開けてくれ」

ルッキーニ「あい!!!」

芳佳「おっ」ビクッ

シャーリー「これが最も弱い水圧だ」

芳佳「……」

芳佳(割といいかも……)

シャーリー「それじゃあ、少しずつ水圧を強めていくぞ」

芳佳「は、はい」

シャーリー「……」ググッ

芳佳「は……ぃ……」

シャーリー「まだ大丈夫か?」

芳佳「い、いけます」

シャーリー「よし……なら……」ググッ

芳佳「くっ……!!」

シャーリー「まだいけるか?」

芳佳「なんとか……!!」

シャーリー「そうか。私とルッキーニはこの辺でギブアップしたんだけど……まだいけるのか……」ググッ

芳佳「はっぁが!?」

シャーリー「どうした!?」

芳佳「こ、これいじょうは……ちょっと……」モジモジ

シャーリー「そうか。サンキュ、宮藤。次、リーネが座ってくれ」

リーネ「芳佳ちゃん、大丈夫だった!?」

芳佳「う、うん。リーネちゃん、しっかり締めておいたほうがいいよ、これ」

リーネ「なにを!?」

シャーリー「ルッキーニ、たのむ」

ルッキーニ「いっくよぉ」

リーネ「きゃぁっ!?」ビクッ

シャーリー「これが一番弱い水圧だけど……。もう無理か?」

リーネ「い、いえ……少し驚いただけですから……」

シャーリー「よし。ここから強めていくぞ」

リーネ「は、はい」

シャーリー「……」ググッ

リーネ「あ……ぁ……」ピクッ

シャーリー「まだ平気か?」

リーネ「は、は……ぁ……い……」ピクッピクッ

シャーリー「わかった。もっと強めるな」ググッ

食堂

エイラ「今、作っているらしいな」

バルクホルン「例のウォシュレットとかいうのか。ちゃんとしたものができればいいがな」

エイラ「大尉は使うか?」

バルクホルン「必要に応じて使い分けるつもりだ。とはいえ、使用頻度は決して高くはないだろうが」

エイラ「いつ使うんだ?」

バルクホルン「用を足したあとの余韻に浸る間もなく敵襲があった場合ぐらいだろうな」

エイラ「なるほど。それは一理あるな」

バルクホルン「そういうエイラはどうなんだ?」

エイラ「私はもうトラウマだからな。絶対に使わないぞ」

バルクホルン「それが賢明かもしれないな。シャーリーの作ったものだ。どのような落とし穴があるかは分からない」

エイラ「サーニャが間違ってスイッチを押さないかどうかだけが不安だ」

バルクホルン「リーネも懸念していたな。誤作動があっては困る。尻なんて鍛えようがないからな」

エイラ「私はあれだな。トイレに行くときは魔法を使おう。それなら先読みできるから、水が出そうになったら、こうお尻をズラして、避ける」

バルクホルン「尻をズラすだけでは体にかからないか?」

エイラ「む……そうか……」

バルクホルン「まぁ、何にせよだ。あのような装置は使わないに越したことは――」

シャーリー「――酷い言われようだな」

エイラ「あ。できたのか?」

シャーリー「まぁ、な。あとは量産するだけだ」

バルクホルン「大丈夫なんだろうな?」

シャーリー「ああ。水圧も30段階の設定変更ができる」

エイラ「なんだそれ?」

シャーリー「最初は20段階で行こうと思ったんだけど、ちょっとわけがあって30段階になった」

バルクホルン「尻が吹っ飛ばないか?」

シャーリー「抜かりはない。実験もしたし、吹っ飛ぶようなことはない」

バルクホルン「信じていいのか」

シャーリー「無理に使わなくてもいいって言ってるだろ?」

エイラ「まぁ、そうダナ」

バルクホルン「そうだな。シャーリーの作ったものを使う必要性は皆無だ。私も非常時以外は使わないことに決めている」

シャーリー「それでいいさ。私も強制するつもりは微塵もないし」

バルクホルン「ならばいい」

エイラ「なぁ、誤射することだけはないようにしてくれ。サーニャのお尻に傷がついたら、もう許さないぞ」

シャーリー「それはないって」

エイラ「……不安だぁ」

バルクホルン「誤射だけは避けようがないからな」

シャーリー「心配性だな。私の設計にミスはない」

バルクホルン「まぁ、もう決定事項についてとやかく言っても仕方がない。シャーリーを信じることしかできないが」

シャーリー「信頼には応えるって。それとこれだけは言っておく」

バルクホルン「なんだ?」

シャーリー「一度使えば、世界が変わるはずだ」

エイラ「はいはい」

バルクホルン「そのような安い文句では使う気にはならんな」

シャーリー「なんだと!?」

エイラ「とにかく、サーニャにだけは被害がでないようにしてくれ。頼むゾ」

信じて送りだしたサーニャがシャーリー製作のウォシュレットにドハマリして

格納庫

芳佳「……」

リーネ「……」

ペリーヌ「あら? お二人とも、何を呆けていますの?」

芳佳「あ、ペリーヌさん」

リーネ「……私たち、間違っていました」

ペリーヌ「は、はい?」

芳佳「あれって、とってもいいものですよ」

リーネ「はい。利用しないなんて、ダメです」

ペリーヌ「な、なんのことですの?」

芳佳「ウォシュレットですよ!!」

ペリーヌ「なにかありまして?」

芳佳「やっぱり、経験しなきゃわからないんです。ペリーヌさん」

リーネ「ペリーヌさんも使ってみてください。すぐにあの良さが実感できるはずですから」

ペリーヌ「は、はぁ……。何があったのかは知りませんが、そんな人生観が変わったかのように大げさに言わなくてもいいのではなくて?」

数日後 食堂

ミーナ「みんな、聞いて。ついに全トイレにウォシュレットが完備されたわ」

美緒「……ついにきたか」

ミーナ「それも最新式で前回よりも機能も増えたとか」

ルッキーニ「にひぃ。もうね、すんごいよ!! ね、よしか!?」

芳佳「うん!! すごくすごいです!!」

バルクホルン「何をオーバーな」

エーリカ「よーし!! いちばんはもらったぁ!!」

ルッキーニ「あぁん!! あたしもー!!」

芳佳「いこ! リーネちゃん!!」

リーネ「うんっ!」

エイラ「おいおい。なんだぁ? みんなして目の色変えて」

バルクホルン「宗教のようだな」

シャーリー「いやぁ。ここまで喜んでもらえると、作った甲斐があるなぁ」

サーニャ「……」テテテッ

トイレ

バルクホルン「安全性を確認するためにも一度ぐらいは経験しておいたほうがいいだろうが」

エイラ「ホントにやる気か?」

ペリーヌ「わ、わたくしは遠慮しますわ……」

エイラ「私も怖いからいい」

バルクホルン「お前たちが尻込みすると、私も決心が鈍るというか」

芳佳『ぅわぁ!! 勢いが全然違う!!!』

リーネ『きゃふぅ……はぁ……』

エーリカ『すごーい!! ある意味、お尻がぶっ飛ぶよー』

ルッキーニ『あぁぁ~、しゃいこー』

サーニャ『ぁ……ぁぁ……ぁ……』

エイラ「サーニャ!? サーニャも使ってるのかぁ!?」

サーニャ『……ううん。お尻のスイッチなんて使ってないわ』

エイラ「そうか。ならいいんだ。よかった」

美緒『はっはっはっはっはっはっは!! はっ……ぁ……はっはっはっはっは!!!』

芳佳「気持ちよかったね、リーネちゃん」

リーネ「うんっ。心も洗われるみたいだったよ」

芳佳「ああ、うん! そうだよ!!」

ミーナ「水圧がすごいわね。あんなの、何度でも繰り返したくなるわ」

美緒「ああ。出撃前はあれで身を清めたくなるな」

ルッキーニ「あぁー。しゅごかったぁ。シャーリーにお礼いわなきゃぁ」

サーニャ「……ふぅ」ツヤツヤ

バルクホルン「……」

ペリーヌ「ここまで言われてしまうと、やはり試してみたくなりますわね」

エイラ「えぇぇ。恐ろしくないか?」

ペリーヌ「でも……」

エーリカ「やらないと、本当に後悔することになるけど、いいの?」

バルクホルン「……いいだろう」

エイラ「大尉!!」

バルクホルン「ペリーヌとエイラは待機していてくれ。私が無事に帰ってきたら、二人も試してみればいい」

バルクホルン(宮藤が使った便器は……これか)

バルクホルン「ふぅー……」

バルクホルン「……いくぞ!!!」

バルクホルン「うおぉぉおぉおお!!!!」

バルクホルン「……」

バルクホルン「せい」ピッ

バルクホルン「……」ドキドキ

バルクホルン「……おっ?」

バルクホルン「なんだ、この程度の水圧か。これなら初めて経験したときより――」

バルクホルン「もがっ……ぁ……あ、ぁああああ!!!!」

エイラ『大尉!? どうしたんだー!!』

ペリーヌ『ご無事ですか!?』

バルクホルン「ぅわぁぁぁぁぁあああ!!!!!」

エイラ『大尉ー!! 応答してくれー!!』ドンドン

ペリーヌ『バルクホルン大尉ー!!』

>バルクホルン(宮藤が使った便器は……これか)
お姉ちゃん・・・

格納庫

シャーリー「どうだった?」

ルッキーニ「もうねー、水がビシュー!!って感じでお尻に当たって、それがもう気持ちいいのぉー!!」

シャーリー「そうかそうか。私もあとでやろうかな」

エイラ「シャーリー!!」

シャーリー「どうした?」

ペリーヌ「大変ですわ!!! バルクホルン大尉が!!」

シャーリー「バルクホルンがどうかしたのか?」

エイラ「なんか、もう、放水の所為で大尉が……いいから来てくれ!!」

シャーリー「な、なにがあったんだよ」

ペリーヌ「やはり、あれは悪魔の装置ですわ。バルクホルン大尉があんなことになるなんて……」

シャーリー「あんなことって……」

ルッキーニ「あたしも行く!!」

エイラ「ああ、そうだ。宮藤も連れて行かないと。出血してたし」

シャーリー「出血だと!? なんで!?」

トイレ

芳佳「バ、バルクホルンさん!?」

バルクホルン「す、すまない……宮藤……」

芳佳「どうしたら、こんなところから血が……!?」

バルクホルン「……調子にのって水圧を最大にした結果だ。情けない……うぅぅ……」

芳佳「今、治療しますから!!」パァァ

バルクホルン「こんな陵辱は初めてだ……。宮藤に尻をむけることになるなんて……くそっ……くそっ……」

シャーリー「あー……。水圧が強すぎたのか」

エイラ「おい。こんなの怖くて使えないぞ」

ペリーヌ「そうですわ!! どうして洗浄で血が流れますの!? 血を流すのは戦場だけで十分ですわ!!!」

エイラ「……あ?」

ペリーヌ「な、なんでもありません……」

シャーリー「おかしいな。リーネとミーナ中佐はなんともなかったのに」

エイラ「もうやめないか、こんなの。サーニャがバルクホルン大尉みたいになったら……私……」

シャーリー「エイラ……」

芳佳「……私も」

シャーリー「え?」

芳佳「こんなことになる危険性があるなら、やめたほうがいいと思います」

ペリーヌ「何を都合のいいことをおっしゃっていますの?」

芳佳「だって、こんなことになるなんて思わなくて……!!」

ペリーヌ「十分に想定できたことですわ!!」

芳佳「うっ……」

バルクホルン「ペリーヌ。もういい」

ペリーヌ「ですが。大尉は現にこうしてお尻から血を流して……」

バルクホルン「宮藤だけの責任ではない。私たち全員の責任だ」

エイラ「宮藤、早く大尉の傷を治してやれって」

芳佳「は、はい!!」パァァ

シャーリー「……」

ルッキーニ「シャーリー……どうするの?」

シャーリー「怪我人が出た以上、このままってわけにはいかないな……流石に……」

エイラ「どうするんだ?」

シャーリー「とりあえず、元の水圧に戻して……」

ルッキーニ「……あたしの所為だよね」

ペリーヌ「え?」

エイラ「なんだよ、いきなり」

ルッキーニ「だって、ウォシュレットを作ったのも……」

シャーリー「ルッキーニ」

ルッキーニ「あたしが……」

シャーリー「違うって。私が悪いんだよ」

ルッキーニ「……っ」ダダダッ

シャーリー「ルッキーニ!!」

エイラ「あ、おい!!」

芳佳「ルッキーニちゃん!!!」

エイラ「手間のかかるやつだなぁ」テテテッ

シャーリー「ルッキーニ……」

庭園

ルッキーニ「……」

エイラ「――よし。見つけた」ギュッ

ルッキーニ「エイラ……」

エイラ「戻るぞ。ほら」

ルッキーニ「……」

エイラ「バルクホルン大尉が怪我したのも、シャーリーが責任感じてるのも、全部自分の所為だって思ってるのか」

ルッキーニ「……だって、そうでしょ?」

エイラ「まぁ、元を辿ればそうかもしれないけどさぁ」

ルッキーニ「あたしが最初からちゃんと……」

エイラ「バルクホルン大尉も言ってただろ。みんなの責任だって」

ルッキーニ「そんなことないよ」

エイラ「いや、ある。ウォシュレットに少しでも期待していたやつ全員が悪いんだ。そんなに便利なものができたならいいナって考えたやつ全員だゾ」

エイラ「誰も開発を止めようとはしなかった。だから、ルッキーニだけが悪いわけじゃないぞ。絶対にな」

ルッキーニ「でも……でも……」

ペリーヌ「ルッキーニさん」

ルッキーニ「ペリーヌ……」

ペリーヌ「貴方がご自身のことを反省するのはいいことですけど、今はみんなでトイレの件をどうするのか考えたほうがあいくらか建設的ですわよ」

ルッキーニ「うじゅ……」

エイラ「そうだな。そのほうがいい」

ルッキーニ「どうすればいいの?」

ペリーヌ「そうですわね。ウォシュレット自体はそこまで悪いものではありません。水圧の問題さえクリアすればよろしいのでは?」

エイラ「でも、水圧が強いほうがいいって言った奴がいるから、あんなことになったんだろ? 弱めたら不満ができるぞ」

ペリーヌ「で、では、水圧が強いトイレを一箇所だけにしてしまうとか」

エイラ「それじゃあ、元のパンク状態に戻るだけじゃないか?」

ペリーヌ「はぁ……難しいですわね……」

エイラ「ダナ」

ルッキーニ「……」

芳佳「――みんなー!! シャーリーさんが集まってほしいっていってまーす!!」

エイラ「ん? 解決策でも見つかったのか?」

トイレ

シャーリー「尻、大丈夫か?」

バルクホルン「ああ。宮藤の魔法が効いている」

芳佳「戻りました!!」

シャーリー「悪いな」

エイラ「で、解決策は?」

シャーリー「とりあえず全トイレの水圧は弱めておいた。これでいいだろ」

バルクホルン「私たちは構わないが、他の者から不満がでるのではないか?」

ペリーヌ「よろしいんですの?」

シャーリー「別に私は優れたものを作ろうなんてことは考えてないよ。隊のみんなが便利だと感じてくれればそれでな」

バルクホルン「……そうか」

シャーリー「水圧に関して不満が出てもいいかな。洗えるっていう点がなくなるわけじゃないしさ」

エイラ「そうだな。もうそこを我慢してもらうしかないな」

シャーリー「怪我人がでたっていえば、みんなも納得するだろ」

バルクホルン「まさかとは思うが、私が尻から血をながしたことを皆に喋るつもりか? リベリアン」

シャーリー「必要ならな」

バルクホルン「ならば、ここで息の根をとめておくしかないな」

芳佳「や、やめてくださいよ!!」

エイラ「そうだぞ」

ペリーヌ「まったく、このお二人はいつもいつも……」

ルッキーニ「にゃはは」

シャーリー「よっしゃ。みんなに説明してくるか」

バルクホルン「私も同行させてもらう!! 余計なことを喋らないかどうか監視だ!!」

シャーリー「好きにしろ」

芳佳「私もいきます!!」

エイラ「私もいくかな」

ペリーヌ「わたくしは訓練をしてきますわ。これ以上は付き合いきれませんもの」

ルッキーニ「ペリーヌもいこうよぉ」

ペリーヌ「しかし……」

サーニャ「……あ」

エイラ「あれ、サーニャ。またトイレか?」

サーニャ「……うん」

シャーリー「……」

サーニャ「失礼します」バタンッ

シャーリー「……」

バルクホルン「いくぞ、シャーリー」

シャーリー「なぁ、宮藤?」

芳佳「は、はい」

シャーリー「宮藤も水圧があったほうが嬉しいんだったよな?」

芳佳「あ、はい。まぁ」

シャーリー「それはどうしてだ?」

芳佳「どうしてといわれても……お尻が刺激させるのが……気持ちよくて……」

エイラ「そうなのか?」

ペリーヌ「なんて下劣な」

芳佳「ペリーヌさんは一度も経験してないからですよぉ。本当に気持ちいいんですからぁ」

ペリーヌ「わたくしも一度はありますわ」

芳佳「そのときは驚いて倒れてたんじゃ……」

シャーリー「うーん」

ルッキーニ「どったの?」

シャーリー「みんなが尻を刺激してるのにバルクホルンだけが怪我をするっておかしくないか?」

バルクホルン「どういうことだ?」

シャーリー「バルクホルンは調子にのって30まであげたから怪我をしたんだよな?」

バルクホルン「あ、ああ」

シャーリー「つまり宮藤はそこまで水圧を上げてなかったってことだ」

芳佳「はい。私は14にしてました」

シャーリー「なら、なんでリーネやミーナ中佐がなんともなかったんだ?」

ペリーヌ「確かに。バルクホルン大尉のほうが丈夫そうではありますわね」

バルクホルン「私は別に頑丈というわけではないぞ」

シャーリー「中佐と少佐、ハルトマンとサーニャは最初からトイレに篭ってたし……。なんか、ありそうな気が――」

サーニャ「……勢い、足りない」ガチャッ

エイラ「サーニャ。元気ないな」

サーニャ「エ、エイラ。まだいたの」

エイラ「いたらダメなのか?」

サーニャ「そういうわけじゃないけど……」

シャーリー「……サーニャ」

サーニャ「はい、なんですか?」

シャーリー「水圧なんだけど、最大出力の30は試したか?」

サーニャ「はい。それがなにか?」

シャーリー「痛くなかったか?」

サーニャ「いえ。むしろ気持ちよかったぐらいで」

バルクホルン「……リーネとミーナが最も強い水圧に耐えられた秘密をサーニャが握っているようだな」

シャーリー「サーニャ。ひとつ訊くけど、どこに当てていたんだ?」

サーニャ「……え」

シャーリー「教えてほしい。もしかしたら、私は大変なことに手を貸してしまったかもしれないんだ」

サーニャ「……」

バルクホルン「――どうだった?」

シャーリー「……前ならいける」

ルッキーニ「ビデってやつ?」

シャーリー「ああ。ルッキーニがすると少し痛いかもしれないけどな」

サーニャ「……」

エイラ「サーニャ、なにしてたんだ?」

芳佳「サーニャちゃん、どういうこと?」

ペリーヌ「あの、説明してほしいのですが」

バルクホルン「つまり、ミーナも同じことをしていた、ということだな。リーネも」

シャーリー「後ろは下手に中に入ると傷がついて出血するかもしれないけど、前ならまぁ、当てるところによってはなんともないな」

バルクホルン「サーニャ……」

サーニャ「ごめん、なさい……」

エイラ「なんだ? サーニャはトイレでナニしてたんだ!?」

シャーリー「水圧を強めてほしいってこんな理由からだったのか……はぁ……最悪だぁ……」

バルクホルン「尚のこと、水圧は無くてもよさそうだな」

シャーリー「いや。もうこれ自体、外すか」

サーニャ「え……」

芳佳「いいんですか!?」

シャーリー「いいよな、ルッキーニ?」

ルッキーニ「え? あ、うん。あたしはいいよ」

シャーリー「こんなの作ったのが間違いだったな」

バルクホルン「シャーリー……」

シャーリー「バルクホルン、悪いけどみんなに伝えてくれないか」

バルクホルン「いいだろう。いくぞ」

芳佳「あ、えっと?」

エイラ「なぁー、サーニャはナニしてたんだー? なぁーって」

ペリーヌ「大尉! 分かっているのなら説明を……!!」

バルクホルン「教えたら試してしまうだろうから、ダメだ」

芳佳「しませんよー」

バルクホルン「そんな保障がどこにある」

シャーリー「あーあ……折角作ったに……」カチャカチャ

ルッキーニ「シャーリー……」

シャーリー「ルッキーニ、どうした?」

ルッキーニ「これからは、ちゃんと拭くから」

シャーリー「そうしてくれ」

ルッキーニ「ありがと。あたしのために色々してくれて」

シャーリー「取り外すの手伝ってくれるか?」

ルッキーニ「いいよー」

シャーリー「便利すぎるっていうのも考えものってことかぁ」

ルッキーニ「でも、ちょっと持ったないよね」

シャーリー「そーだなー。何かに有効活用できればいいんだけどな」

ルッキーニ「無理ぃ?」

シャーリー「ムリダナ」

ルッキーニ「あははははは。エイラだぁー。あははははは」

シャーリー「ははははは……はぁ……。もっとちゃんと使ってくれよなぁ……」

>>162
ルッキーニ「でも、ちょっと持ったないよね」

ルッキーニ「でも、ちょっと勿体無いよね」

よかれと思って開発したのにエロ目的で使われたらそりゃ開発者としてやるせないわな

ブリーフィングルーム

バルクホルン「えー。諸事情により、ウォシュレットは全て廃棄することになった。理由は察しているものも多いと思う」

エーリカ「なんでだよぉー」

バルクホルン「いいな?」

エーリカ「横暴だぁー。越権行為だぁー」

芳佳「リーネちゃん、どういうことかわかる?」

リーネ「……ううん。わからないよ」

芳佳「そっかぁ」

ペリーヌ「謎が謎を呼びますわ」

エイラ「サーニャも黙ったままだし。ナニがあったんだ……」

ミーナ「まさか、バレた……?」

美緒「そんなわけない。そんなわけが……」

サーニャ「……あれって、そういう目的じゃなかったんだ……」

バルクホルン「私からは以上だ。解散」

芳佳「はい!!」

>ミーナ「まさか、バレた……?」
>美緒「そんなわけない。そんなわけが……」
うーんこの上官共
まあ年齢考えたらおかしくないか
そう考えると、シャーリー(17)は立派

庭園

シャーリー「き~みとなら~」

ルッキーニ「シャーリー、全部すててきたよー」

シャーリー「サンキュ、ルッキーニ」

ルッキーニ「なにしてたの?」

シャーリー「することないから、花に水を撒いてた」

ルッキーニ「あたしもやるぅ」

シャーリー「もう終わりだって」

ルッキーニ「えぇー?」

芳佳「シャーリーさーん。食事の時間ですよー」

シャーリー「おう。今いくー」

ルッキーニ「えい!! すきありだぁ!!」バッ!!

シャーリー「あ、こら!!」

ルッキーニ「くらえー。ルッキーニシャワー、発射ぁ!!」バシュゥゥ!!!

シャーリー「ぉわぁぁ!!!」

芳佳「シャーリーさん!! 大丈夫ですか!?」

シャーリー「大丈夫にみえるか……?」

芳佳「み、みえません……」

シャーリー「こら……ルッキーニ……」

ルッキーニ「あはははは」

シャーリー「この!! お返しだ!!!」バシュゥゥゥ!!!

ルッキーニ「うにゃぁぁ!!!!」

シャーリー「あははははは」

ルッキーニ「にゃはははは。ずぶ濡れだぁー」

芳佳「二人とも食事の前ですよぉ?」

シャーリー「あぁ? なら宮藤も、そーら!!」バシュゥゥ!!!

芳佳「ぁふぁっ……!」ビクッ

シャーリー「……あ、悪い。そこを狙うつもりじゃなかった」

芳佳「い、いえ……だいじょうぶです……」

ルッキーニ「なになに!? どうしたの!? 芳佳ぁ、股のところに水かけられて変な声だしたけど」

芳佳「な、なんでないから!!」

ルッキーニ「うっそだぁ!! 芳佳の弱点、はっけーん!! 集中砲火ー!!」バシュゥゥ!!!

芳佳「あぁっ!! や、やめてぇぇ!!! そ、そこ、はぁっ……!!」

ルッキーニ「芳佳、なんだか気持ちよさそー。もっと強めにあててあげりゅー」

芳佳「ル、ルッキ……ニちゃ……や、め……」

シャーリー「ルッキーニ!! もういいって!! そういうのは懲りたんだ!!!」

ルッキーニ「シャーリーはどうなの?」バシュゥゥ!!!

シャーリー「はぁ……ぁ……!!」ビクッ

ルッキーニ「にひぃ。シャーリーも芳佳と同じところが弱点だぁ」

シャーリー「や、やめろ……ルッキー……ニ……あぁっ!!」

ルッキーニ「そーれ、そーれ。にゃはははは」

シャーリー「あぁぁ……もうやめ、て……ぇぇ……!! ウォシュレットはぁ……もう、いぃんっだぁ……!!」


サーニャ(――その手があった。今度、エイラにやってもらおう)



END

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