坂本美緒「扶桑海軍がマイクロ波を照射する新兵器を開発したのだが」 (125)

美緒「まだ試作器ではあるが、これだ」

ミーナ「このパラボラアンテナが?」

シャーリー「へぇー。おぉー。すげー。バラしてもいい?」

バルクホルン「やめろ、シャーリー。で、少佐。これはネウロイに有効な兵器なのか?」

美緒「実用化までは時間がかかる。というより、扶桑海軍の技術部も行き詰っているようでな。各国の優秀な技術者に意見を求めたいとのことだ」

バルクホルン「それでここにも試作段階のものが運ばれてきたわけか」

美緒「そういうことだ」

シャーリー「なぁー、もうバラしてもいい?」

バルクホルン「ダメだ。我慢しろ」

シャーリー「えー?」

ミーナ「マイクロ波を照射するとどうなるの?」

美緒「原理としては極性をもつ水分子を繋ぐ振動子がマイクロ波を吸収、そこから振動、回転をし対象物の温度を急速に上げることができるそうだ」

シャーリー「バラしてもいいだろぉ?」

バルクホルン「やめろ。しかし、対象物の温度をあげるだけか。とてもネウロイに有効なものとは思えないな」

美緒「だが、急激に温度を上げられるのならネウロイと言えど無事ではすまないはずだ」

ミーナ「それはそうかもしれないけど」

バルクホルン「この兵器が完成したとして、既存の銃器以上の利点があるのかというのが問題だな」

美緒「物理的な攻撃ではない分、ネウロイにも耐性はにかもしれない。もしないのであれば広域配備をし、戦艦などにも積む予定だそうだ」

シャーリー「バーラそっと」

バルクホルン「おい」

シャーリー「なんだよ? いい加減、バラさせろ」

美緒「で、シャーリー。お前の意見を聞きたい」

シャーリー「バラさしてくれないとなんとも」

バルクホルン「バラさなくてもいいだろう」

シャーリー「バラさないと意見なんていえないだろ?」

美緒「構わん、バラしてよし」

シャーリー「よっしゃー!」カチャカチャ

バルクホルン「……もう原型が無くなったか」

ミーナ「相変わらずの手際の良さね」

シャーリー「ほぉー? うんうん。これがこうなってるわけか。おぉー。すごいなぁー、これぇ。あ、この部品をこうやって使ってるのは初めて見たぞっ」

美緒「時間、かかりそうか?」

シャーリー「これは……ああ、そうか! ふんふん……」

バルクホルン「おい!! 少佐の話をきけ!!」

シャーリー「へぇー。扶桑もやるなぁ」

バルクホルン「こら!! シャーリー!!」

ミーナ「ダメね」

美緒「仕方ない、書置きでも残しておくか」

バルクホルン「全く」

シャーリー「ここはこうなってるのかぁー。ほぉぉー」

シャーリー「ふんふんふふーんっ。ふんふふふーんっ」

芳佳「シャーリーさーん」

リーネ「そろそろ夕飯の時間ですけどー」

シャーリー「ん? あぁ。もうそんな時間かぁ」

芳佳「ここに持ってきましょうか?」

シャーリー「いいの? それは助かるな」

リーネ「坂本少佐から聞いたんですけど、新兵器ってどんなのですか?」

シャーリー「これだ」

芳佳「……どれですか?」

シャーリー「だから、これ。ここにあるのが新兵器」

リーネ「部品しかないですけど」

シャーリー「色々と改良できるところがあったからね。一から組み立てようと思ってさ」

芳佳「へぇー。そうなんですか。がんばってくださいね」

シャーリー「おう」

シャーリー「これをこうして……」

ルッキーニ「シャーリー?」

シャーリー「お。ルッキーニ、今日はここで寝るのか?」

ルッキーニ「うん。朝からなにしてるの?」

シャーリー「新兵器の改良だ。もうすぐできあがるぞ」

ルッキーニ「どんなの?」

シャーリー「瞬間的に対象物の温度を上げる兵器だ」

ルッキーニ「にゃにそれー? つよいのー?」

シャーリー「まぁ、見てろ。銃なんかよりも強力なものができあがるからさ」

ルッキーニ「へぇー……」

シャーリー「いいか? マイクロ波をここから照射して――」

ルッキーニ「すぅ……すぅ……」

シャーリー「……おやすみ」

シャーリー「えーと、あとはこれを……あ、やっぱり、これはこうして……うん、いいなっ! これだ!」

翌日 食堂

エイラ「なんだ、これ?」

サーニャ「なんだろう?」

エーリカ「おっはーよ、エイラーにゃん!」

サーニャ「おはようございます」

エイラ「もう昼だけどなぁー」

エーリカ「細かいことは気にしない~気にしない~♪」

サーニャ「きにしない~♪」

エイラ「な、なんだその歌?」

エーリカ「サーニャが作詞作曲した『エーリカの気にしないソング』だ」

エイラ「ふぅん。そんなことより、中尉。この箱に見覚えあるか?」

エーリカ「ん? なんだこれ?」ガチャ

エイラ「朝はなかったんだけど」

エーリカ「うーん……? 何かを入れるのは間違いないね。お皿みたいなのあるし、プラグもあるし……」

サーニャ「食堂にあるってことは、お料理に使うものじゃないかしら?」

エイラ「これをか? まぁ、オーブンっぽいけど」

エーリカ「なんか入れてみたらいいじゃない?」

エイラ「えー? 危なくないかぁ?」

エーリカ「水なら平気でしょ」

サーニャ「大丈夫だと思います」

エイラ「なんか、怖いゾ」

エーリカ「よっと。これでよし。あとは……スイッチを……ここかな?」ピッ

サーニャ「あ、回り始めました」

エイラ「おー?」

エーリカ「なんだろうこれ。温まってる感じがするねー」

サーニャ「景気良くまわってます」

チーン!!!!

サーニャ「……!?」ビクッ

エーリカ「おわ!! びっくりしたぁ」

エーリカ「どれどれ、水はどうなったかな」ガチャ

エイラ「……どうだ?」

エーリカ「すごい。あったかぁーい。ほらほらぁ」

サーニャ「ホント……」

エイラ「こんな数秒で……」

エーリカ「瞬間的に食べ物を温める機械だね。間違いない」

サーニャ「卵はどうかしら?」

エイラ「卵?」

サーニャ「すぐにゆで卵になりそう」

エーリカ「おぉ! 斬新! それでいこう!」

エイラ「……爆発しないか?」

エーリカ「卵が爆発するのか?」

エイラ「ないか。よし、私もゆで卵たべるぞ」

サーニャ「お塩、もってくるわ」

格納庫

美緒「それで、シャーリー。改良したと言っていたが?」

シャーリー「はい、これです」

バルクホルン「見た目に変化はないようだが」

ミーナ「何が違うの?」

シャーリー「主に出力と有効射程距離が倍以上に違います」

美緒「ほう? 扶桑の実験データでは数メートル先の小動物をなんとかできる程度とあったが」

シャーリー「まぁ、見ててください。おーい、ペリーヌ」

ペリーヌ「準備できましたわ」

美緒「あれは……卵か」

シャーリー「100メートル先にある卵ぐらいなら――」カチッ

バァン!!

ペリーヌ「きゃぁ!?」

バルクホルン「破裂、したのか?」

シャーリー「ふふーん。どうだ?」

ミーナ「人に向けるとどうなるの……?」

シャーリー「血液が沸騰して死ぬ」

ミーナ「……」

美緒「人類はまた踏み込んではいけない領域に足を踏み入れたか」

バルクホルン「恐ろしい兵器であることは確かだが、これでネウロイが落とせるのか?」

シャーリー「それはまだ無理だ。もっと大きな装置が必要になってくる」

ペリーヌ「はぁ……たまごまみれに……」

シャーリー「悪い悪い」

ペリーヌ「破裂するならするっていってくださいな! 卵をおくだけでいいからと言われたから手伝ってあげましたのにぃ!」

バルクホルン「現段階では実用性皆無ということか」

シャーリー「いや。そうでもない。この装置を応用したものを既に作ってあるんだ。あっちは実用性ありまくりだ」

美緒「応用だと?」

シャーリー「もう食堂に置いてあるんで、見に行きますか?」

食堂

芳佳「今日はなに作ろうか?」

リーネ「うーん」

エーリカ「よし、できたぞ」

芳佳「あれ、ハルトマンさん。なにしてるんですか?」

エーリカ「ふっふっふー。これだー」

芳佳「卵?」

サーニャ「ゆで卵、作ったの」

リーネ「へえ。いいなぁ」

エイラ「やらないからな」

芳佳「よし。お昼ごはんにはゆで卵、付けよう!」

リーネ「そうだね!」

――バァン!!!

芳佳「え?」

リーネ「な、なに!? 銃声!?」

サーニャ「……」

エイラ「サ、サーニャ……?」

芳佳「サーニャちゃん!? どうしたの!?」

サーニャ「殻をむ、こうと……したら……た、たまご……が……ばくはつ……して……」

リーネ「そんな……どうして……?」

サーニャ「……いたい……よ……エイラぁ……」

エイラ「サーニャ!? 大丈夫か!! お、おい!! 宮藤!!」

芳佳「は、はい!! 怪我はない!? サーニャちゃん!!」

サーニャ「たま、ご……」

エーリカ「エイラ!! 卵から手を離せ!!」

エイラ「え? うわっ」ポイッ

バァン!!!

リーネ「きゃぁ!!」

芳佳「な、なに!? どうして卵が爆発して……!?」

エーリカ「私のこれも……まさか……!! ええい!!」ポイッ

バァン!!

芳佳「きゃぁ!! な、なんですかー!! これー!!」

リーネ「ネウロイの襲撃……!?」

エイラ「サーニャ!! 何か感じるか!?」

サーニャ「たまご……が……たまご……」

エイラ「ダメか……」

エーリカ「とにかく姿勢を低くしろ!!」

芳佳「は、はい!!」

リーネ「よしかちゃーん!!」

エイラ「中尉、狙撃か?」

エーリカ「わかんないけど、卵が爆発したのは確かだね」

エイラ「テロか? 卵を使ったテロか?」

ルッキーニ「おにゃかすいたぁー。ごはんありゅー?」

芳佳「ルッキーニちゃん!! 危ないからこっちへ!! 早く!!」

ルッキーニ「え? な、なにが?」

ルッキーニ「卵が爆発?」

芳佳「そうなの!!」

リーネ「ほら、いっぱい飛び散ってるでしょ?」

ルッキーニ「あぁー。もったいなぁい。たべよ」

芳佳「食べちゃダメだよ!!」

エーリカ「うーん。狙撃なら窓ガラスが割れるだろうし、やっぱり卵が爆発したのは間違いないか」

エイラ「どうして、ゆで卵が……」

エーリカ「爆発の規模から言って警告を目的としたもの……」

エイラ「なんだよ。誰がそんな嫌がらせを……」

エーリカ「……以前、ミーナ宛てに脅迫文が届いたことがあった」

エイラ「脅迫文?」

エーリカ「差出人は書いてなかったけど、ミーナと少佐は軍上層部、それも大将からだろうって」

エイラ「マロニーとかいうやつか。ひどいなぁ」

エーリカ「許せないね」

ルッキーニ「で、いつまでこうしてればいいの?」

エーリカ「とにかく、エイラは魔法を使って常に警戒しておいて」

エイラ「了解」ピコンッ

エーリカ「サーニャは……」

ルッキーニ「サーニャ、大丈夫なのー?」

サーニャ「たまごが……ば、くはつ……して……」

リーネ「しっかりして!」

エーリカ「宮藤、サーニャの怪我は?」

芳佳「もう大丈夫です!!」

エーリカ「オッケー。とりあえず、少佐とミーナに知らせないと……」

リーネ「他にも爆発物があったら……」

エイラ「私が本気を出せば、こんな罠にはもうひっかからないぞ」

芳佳「お願いします」

エーリカ「サーニャはここにいること。いい?」

サーニャ「……」コクッ

ルッキーニ「ごはんはぁ?」

美緒「ほう? マイクロ波で調理をな」

バルクホルン「卵が破裂するようなもので料理などできるものか」

シャーリー「多分、できるんだって」

ペリーヌ「なんとも頼りない返答ですわね」

ミーナ「まぁ、試してみてから判断すればいいじゃない」

美緒「そうだな」

エイラ「いたぞ!!」

芳佳「坂本さーん!!」

美緒「どうした、宮藤?」

芳佳「た、大変、なんです!!」

美緒「大変?」

エイラ「テロだ! 基地の中でテロが!!」

バルクホルン「なに!? しっかりと状況を説明しろ!!」

エーリカ「いきなり、卵が爆発したんだ。小さな爆発だったけど、サーニャが……」

シャーリー「おいおい、サーニャは無事なのか?」

ペリーヌ「な、なんですって……!?」

バルクホルン「宮藤、現場はどこだ?」

芳佳「しょ、食堂……です」

ペリーヌ「サーニャさん!!」タタタッ

芳佳「あ! 待ってください!! ペリーヌさん!!」

美緒「他に爆発物がないか調べる必要があるな。不審なものを見つけたら絶対に手を触れるな」

バルクホルン「爆発物の処理なら私がやろう」

美緒「頼むぞ」

バルクホルン「了解」

シャーリー「なんでいきなり……」

美緒「我々が疎まれていることを忘れたか」

シャーリー「でも、今更……」

ミーナ「各部屋も消毒しておくべきね」

美緒「無論、そちらの点検もするさ。しかし、一見するだけは不審だと思えない物が爆発物なら……」

シャーリー「あたしも食堂に行ってみるか」

食堂

サーニャ「たまご……たまごが……」

ペリーヌ「サーニャさん!?」

サーニャ「あ……」

ペリーヌ「大丈夫ですの!?」

サーニャ「あ……たまご……が……」

ペリーヌ「こんなに震えて……怖かったのね……。もう、安心ですから」

サーニャ「たまご……」

ペリーヌ「もう大丈夫ですわ……」

サーニャ「……」コクッ

芳佳「ペリーヌさん」

シャーリー「ひどいな。めちゃくちゃじゃないか」

芳佳「サーニャちゃんが持っていた卵がいきなり爆発したみたいなんです」

シャーリー「いきなりか?」

芳佳「はい。なんの前触れもなかったそうです。ただ手に持っていただけの卵が……」

シャーリー(てことは、このマイクロオーブンでゆで卵を作ろうとしたわけでもないか。それにこれでゆで卵を作ろうとしても、中で爆発するだろうし)

ペリーヌ「立てますか?」

サーニャ「は、い……」

ペリーヌ「部屋に行きましょう?」

サーニャ「……」コクッ

芳佳「ペリーヌさん。サーニャちゃんのこと、お願いします」

ペリーヌ「ええ、任せて」

シャーリー「食堂内は点検したか?」

芳佳「まだ、ちゃんとは……」

シャーリー「卵は全部廃棄しないとな」

芳佳「で、でも……」

シャーリー「まだ爆発する卵があるかもしれないだろ」

芳佳「……手伝います」

シャーリー「いや、知識のあるバルクホルンか爆発物処理班に任せるべきだ。あたしたちじゃ怪我をするかもしれないし。いくら宮藤がいるからって、痛いのは嫌だからな」

芳佳「は、はい」

ペリーヌ「もう大丈夫ですから」

サーニャ「たまご……たまごが……ばーんって……」

ペリーヌ「怖かったですわね」ナデナデ

エイラ「あ、ペリーヌ」

ペリーヌ「エイラさん。サーニャさんがかなり怯えていて」

エイラ「そうなのか。……ペリーヌ、サーニャを頼むゾ」

ペリーヌ「え?」

エイラ「まだ探し終わってないからな」

ペリーヌ「分かりましたわ。責任をもってサーニャさんはわたくしが」

サーニャ「エ、イラ……たまご……が……」

エイラ「サーニャ。守ってやれなくて、ごめんな。でも、もうこんな怖い想いはさせないから。絶対に」

サーニャ「う、うん……」

エイラ「待っててくれ!!」

サーニャ「エイラ……」

ペリーヌ(エイラさん、頼りにしていますわよ)

格納庫

ルッキーニ「おなかすいたぁー!!」

リーネ「我慢して、ルッキーニちゃん」

ルッキーニ「でもぉ……」

バルクホルン「こちらにもそれらしきものは見当たらないな」

ミーナ「こっちもないわ」

リーネ「でも、どこにでもあるようなものに似せたものなら……」

バルクホルン「そうなってくると、ミーナかエイラの魔法に頼るしかないが」

ミーナ「そうね」

美緒「ミーナ!! 各部屋の消毒は済んだ!!」

ミーナ「何かあった?」

美緒「何もない!! 私は他もチェックしてみる!!」

ミーナ「おねがいね!!」

バルクホルン「ここには無さそうだな。よし、次に行くぞ」

ルッキーニ「うじゅぅ……ごはぁん……」

ブリーフィングルーム

ミーナ「不審物等はあったかしら?」

バルクホルン「我々は見つけられなかった。ハルトマンは?」

エーリカ「こっちもなかった」

エイラ「色々探したけど、ダメダナ」

シャーリー「食堂の卵は一応全部廃棄してもらったよ。何かあるとまずいから」

芳佳「あ、あと中身が見えない缶詰の点検がまだです」

ペリーヌ「サーニャさんは何とか落ち着きを取り戻しましたわ」

リーネ「はぁ、よかったぁ」

ルッキーニ「おなかすいたよ」

美緒「そうか」

ミーナ「今現在、ハルトマン中尉、サーニャさん、エイラさんが手にした卵だけが爆発したことになるわね」

リーネ「でも、卵はたしか数十個あったよね?」

芳佳「うん。ケーキ作るときにもよく使うし」

エーリカ「卵はどこから補給してるんだっけ?」

美緒「補給先を疑うのは当然だな。今すぐ行ってみるか」

ミーナ「証拠があればいいけど」

美緒「とにかく動くしかない。ミーナ、いくぞ」

ミーナ「分かったわ。みんなはバルクホルン大尉とシャーリー大尉の指示に従うように。いいわね」

芳佳「了解!」

バルクホルン「……もう一度、細部まで点検しておくべきか」

シャーリー「いいじゃないか? ハルトマンの言うとおり、何らかの警告だった可能性もあるし」

バルクホルン「楽観的過ぎないか?」

シャーリー「そうは言っても、エイラや中佐でも見つけられなかったんだ。あたしたちじゃどうしようもないだろ?」

バルクホルン「しかし」

シャーリー「不安なのは分かるけど、下手に触れ回ったらそれこそ危ない」

バルクホルン「そうだな。すまない」

ルッキーニ「ねえねえ、芳佳ぁ。ごはん、たべてもいい?」

芳佳「え? あ、うん、そうだね。リーネちゃん」

リーネ「うん。食堂で何か簡単に作ろうか」

>>47
リーネ「うん。食堂で何か簡単に作ろうか」→リーネ「うん。食堂で何か簡単に作ろう」

食堂

ルッキーニ「そういえば、これなぁに?」

芳佳「え? ああ、うーん……なんだろうね、これ?」

リーネ「オーブンじゃないかなぁ」

ルッキーニ「ならこれでなんか焼けるんじゃないの?」

芳佳「そうなのかな」

リーネ「良く分からない機械は危ないから触らないほうがいいよ」

ルッキーニ「そうなのー?」

芳佳「あ!!」

リーネ「どうしたの?」

芳佳「材料殆どない……」

ルッキーニ「えぇー!?」

芳佳「点検のときに廃棄したんだ」

リーネ「困ったね」

ルッキーニ「うぇーん……」

芳佳「ちょっと待ってて、ルッキーニちゃん! バルクホルンさんに訊いてくるから!」

リーネ「私もいく!」

ルッキーニ「うじゅぅ……」

ルッキーニ「……」

ルッキーニ「なにかないかなぁー?」ゴソゴソ

ルッキーニ「やぁー♪ ソーセージだぁー♪」

ルッキーニ「これを……。そだっ!」

ルッキーニ「オーブンで焼けばいいじゃーん」ガチャ

ルッキーニ「スイッチは、こーれっ」ピッ

ルッキーニ「おぉぉー。まわってるぅー、まわってるぅー」

ルッキーニ「にひぃ」

チーン!!!

ルッキーニ「わーい! できたぁー!! のかなぁ?」

ルッキーニ「まぁ、いっか。いただきまーす!」ガブッ


バァン!!

バルクホルン「缶詰も無くなっていたのか」

芳佳「はい」

シャーリー「それは参ったな。今日は飯抜きか」

リーネ「一応、ソーセージなんかは残ってたんですけど」

エイラ「まぁ、今は食事を取る気にはならないけどな」

ペリーヌ「そうですわね」

エーリカ「でもでも、ごはん食べないと力もでないしー」

バルクホルン「一理ある。宮藤、リーネ。残っているもので構わないからなんとかしてみてくれ」

芳佳「了解!」

リーネ「ルッキーニちゃーん、おまたせー。すぐに――」

ルッキーニ「ほ……ぁ……ぁ……」

芳佳「どうしたの?」

ルッキーニ「ぁい……あ……」

シャーリー「お、おい、ルッキーニ?」

ルッキーニ「うぇ……うぇぇぇん……」

エイラ「どうしたんだ!?」

シャーリー「おい、お前。口の中、怪我してないか?」

ルッキーニ「うぇぇぇん……ぇぇぇ……」

エーリカ「宮藤ぃ」

芳佳「は、はい!!」

ルッキーニ「うぇぇぇ……!!」

芳佳「もう大丈夫だよ……泣き止んで……」

バルクホルン「ソーセージを食べようとしたようだな」

ペリーヌ「ソーセージの肉片が飛び散っていますわよ」

エイラ「なに!?」

リーネ「もしかして……」

ルッキーニ「うぇぇぇん……ソーセージがぁ……ばくはちゅしたぁ……!!」

ペリーヌ「な、なんてこと……!!」

バルクルホルン「完全に我々を狙ったテロだな。宮藤、ソーセージは全て廃棄する。いや、今ある食料は全てだ。絶対に触れるな」

芳佳「わ、わかりました」

エイラ「ルッキーニ……」

ルッキーニ「うぇぇぇぇん……」

エイラ「ごめんな」

ルッキーニ「え……」

エイラ「ごめん……」

ペリーヌ「エイラさんの所為ではありませんでしょ?」

エイラ「私がちゃんと調べなかった所為だ」

ペリーヌ「エイラさん」

ルッキーニ「エイラぁ」

エイラ「怖かったんだよナ? ごめんな、ルッキーニ」

ルッキーニ「エイラぁぁ……」

リーネ「ルッキーニちゃん、可哀相」

ペリーヌ「ゆるせませんわ……」

エイラ「……くそ!! 誰だぁ!! 誰がこんなことするんだぁ!!! 出て来い!!! こらぁ!!!」

バルクホルン「冷静になれ、エイラ。叫んだところで犯人が名乗り出るわけがないだろう」

シャーリー「ルッキーニ、ソーセージはどのタイミングで爆発したんだ?」

ルッキーニ「噛んだときに……バァンって……」

シャーリー「卵のときとはまた違う種類か」

バルクホルン「ミーナと連絡を取る。シャーリーきてくれ」

シャーリー「あ、ああ」

エーリカ「このソーセージの中に爆弾をね」

芳佳「ソーセージがあったかい……」

リーネ「え?」

芳佳「ルッキーニちゃん、ソーセージはどうやって調理したの? フライパンで焼いた?」

ルッキーニ「ううん、オーブンで」

エーリカ「焼いたってなると、変だね」

芳佳「ですよね」

ペリーヌ「何が変ですの?」

芳佳「焼いたんですよ? どうして焼いているときに爆発しなかったのかなって」

ペリーヌ「特殊な爆薬とかではなくて?」

通信室

シャーリー「よし、繋がった」

バルクホルン「ミーナ、聞こえるか」

ミーナ『どうかしたの?』

バルクホルン「今度はルッキーニが被害にあった」

美緒『なに!? ルッキーニは無事なのか!?』

シャーリー「無事だ。軽傷で済んだし、宮藤もすぐに治療してくれたから」

美緒『そ、そうか……』

ミーナ『何が爆発したの?』

シャーリー「ソーセージだ」

ミーナ『ソーセージ……?』

美緒『分かった。物資補給リストを見て、どこから補給されてきているのか調べてくれ』

バルクホルン「もう調べている。シャーリー」

シャーリー「ええと……ソーセージはぁ……。卵と一緒のところからだ」

美緒『了解』

食堂

ルッキーニ「この新しいオーブンで焼いてみたの」ガチャ

エーリカ「これで?」

エイラ「……」

ルッキーニ「でね、チーンっていったから、とりだしてね、食べてみたら……バァン!ってなってぇ……」

芳佳「そうなんだ」

ペリーヌ「ソーセージからはやはり火薬等の臭いはありませんわね」

リーネ「はっきり分からないけど、もしかして、このオーブンが原因だったり……?」

エーリカ「そういえば、エイラ。私たちもこれでゆで卵つくったよね」

エイラ「作った、作った」

芳佳「なら、これですよ!!」

ペリーヌ「食材を爆弾に変えてしまうとでもいうの!?」

ルッキーニ「えぇぇ……」

エーリカ「いや、それはないね。卵を温める前に、水で実験したけど水は爆発しなかった」

エイラ「そうだな。水はお湯になっただけだ」

芳佳「水は食材とはいえないからとかですか?」

エーリカ「……そうだ。ミルクは?」

リーネ「ミルク?」

エーリカ「あれは食材っぽいよね」

ペリーヌ「ハルトマン中尉!! 危険ですよ!!」

エーリカ「でも、これが原因ならはっきりさせるべきだろ」

ペリーヌ「それは……」

エーリカ「エイラ、ミルクだして」

エイラ「わかった。ちょっとまってろ」

リーネ「よ、芳佳ちゃん……」

芳佳「だ、大丈夫だよ。距離さえ取れば……」

エイラ「おまたせ」

エーリカ「サンキュ。それじゃあ、いれるぞ」ガチャ

ルッキーニ「ひぃ……」

エーリカ「えい」ピッ

>>71
ペリーヌ「ハルトマン中尉!! 危険ですよ!!」→ペリーヌ「ハルトマン中尉!! 危険ですわよ!!」

ぷ~ん(笑)























ぷ~ん(笑)

ぷ~ん(笑)























ぷ~ん(笑)

エイラ「まわってるなぁ」

エーリカ「そうだねー」

ペリーヌ「みなさん!! 退避を!!」

ルッキーニ「うぇぇぇん!! ペリーヌぅ!!」

ペリーヌ「大丈夫ですわ。私の後ろにいて。いざとなればシールドを張ればいいだけです」

芳佳「私はもう張っておくから!! リーネちゃん!!」ギュィン

リーネ「ありがとう……」

エイラ「うーん……なにも起こらないなぁ……」

エーリカ「そうだねー」

エイラ「あ!」

エーリカ「なになに? なにがあったの?」

ルッキーニ「ひぃぃ!!」

芳佳「シールド、全開ッ!!」

ペリーヌ「な、なにがありましたの!?」

エイラ「ミルクがあふれた。爆発したみたいに……」

エーリカ「これは酷いね」

エイラ「やっぱり、この機械、食材を爆発させるものなのか」

ペリーヌ「なんという兵器……。しかし、どうしてそんな兵器が……この食堂に?」

エーリカ「というか、誰がなんのために作ったんだ、これ? ネウロイに卵爆弾投げつけたって意味ないじゃん」

芳佳「あぁ、うん、確かにそうですよね」

リーネ「対人用なのかなぁ」

エイラ「この機械、誰が持ってきたんだ!?」

エーリカ「まずはそこだね」

バルクホルン「お前たち、食堂から出ろ!!」

芳佳「あ、バルクホルンさん」

バルクホルン「今から徹底的に消毒を行う。まだ爆発物があるかもしれないからな」

エーリカ「トゥルーデ、この機械はなにか知ってる?」

バルクホルン「ん? それは……」

シャーリー「それ、あたしが作ったやつだけど? マイクロオーブンだよ」

芳佳「シャ、シャーリーさんが!?」

エイラ「おい……」

シャーリー「え?」

ペリーヌ「シャーリー大尉……」

シャーリー「な、なんだよぉ?」

バルクホルン「おい。何をしてるんだ。聞こえなかったのか、食堂から出るんだ」

エイラ「シャーリー!! お前、食材を爆発させる兵器つくって何がしたいんだ!!」

ペリーヌ「サーニャさんに謝ってください!!!」

シャーリー「は、はぁ?」

エーリカ「シャーリー……」

リーネ「……」

芳佳「シャーリーさん、嘘ですよね……」

ルッキーニ「シャーリーが、これもってきたのぉ?」

シャーリー「ま、待てって。お前たち、何をそんなに怒ってるんだ?」

エイラ「あの中に入れた食材が全部爆発してるんだ!」

シャーリー「爆発って、何を入れたんだ? 卵とか入れたら、爆発するぞ?」

バルクホルン「――そういうことか。これがあの兵器を応用した調理機器なのか」

シャーリー「そうそう。殻や皮で覆われているものを温めたら破裂するんだ」

ペリーヌ「そうだったのですか……」

エーリカ「でも、それならどうしてオーブンの中で爆発しないんだ?」

シャーリー「そこだ。外気に触れたからか、それとも別の衝撃があったからか……」

エイラ「ミルクだって、急に溢れた」

シャーリー「沸騰したってことじゃないのか?」

エイラ「違うな。いきなりだ、いきなり」

バルクホルン「急な沸騰か」

リーネ「あの、液体なら突沸って現象がありますけど……」

シャーリー「それだ。このオーブンは稼働中に振動してるし。いきなり噴出しても不思議じゃない」

芳佳「それじゃあ、食材に爆弾が仕込まれていたわけじゃないんですね?」

バルクホルン「そういうことになるか……」

シャーリー「なんだぁー。びっくりさせるなよー」

バルクホルン「お前が説明もなくこんなところに置いておくのが問題なんだろうが!! 反省しろ!!!」

美緒「……なるほど。事情は分かった」

シャーリー「えへへ」

美緒「……」

シャーリー「すいません」

ミーナ「でも、よかったわ。テロじゃなくて」

美緒「そうだな。危うく、上層部に殴りこみにいくところだったからな」

芳佳「栗とか危ないかも」

ルッキーニ「いれてみよ、いれてみよ!」

エイラ「……」

リーネ「どうですか、エイラさん?」

エイラ「くるゾ!!」

バァン!!

サーニャ「くりが……ばくはつ……」

エイラ「おい、次ヤバそうなのどれだ? この際、全部試そう」

エーリカ「キャンディーってどうなるのかやってみよー」

ペリーヌ「しかし、これが対ネウロイ用の兵器だなんて……」

芳佳「びっくりですよね」

リーネ「うん。この中にネウロイを閉じ込めるってことかな?」

エイラ「こんなちっこいネウロイがいるか?」

芳佳「でも、いるから作ったんじゃ」

サーニャ「そうかも」

エーリカ「そうなの?」

ルッキーニ「ねえ、ねえ。シャーリー、すっごい怒られてるんだけど」

ペリーヌ「自業自得ですわよ」

ルッキーニ「でも、シャーリーだって考えて作ったんだよぉ?」

ペリーヌ「その所為でこんなにも迷惑をかけられたら、身が持ちませんわ」

ルッキーニ「うじゅ……」

エーリカ「なんだ、ルッキーニは悔しいの?」

ルッキーニ「だって、シャーリーが頑張って作ったのに、怒られるなんて……」

芳佳「ルッキーニちゃん……。あ、じゃあ、こうしよう!」

数日後 格納庫

美緒「敵襲だ!! いそげー!!」

シャーリー「おっしゃー!!」

バルクホルン「少佐に続けー!!」

ルッキーニ「よいしょっと!!」

芳佳「ルッキーニちゃん、頑張ろうね!!」

ルッキーニ「うん!!」

バルクホルン「ん? ルッキーニ、その背中に担いでいるのはなんだ?」

ルッキーニ「マイクロオーブン!」

バルクホルン「何故だ?」

ルッキーニ「この中にネウロイを閉じ込めて、チンしてやるんだぁ!」

美緒「今回は300メートル級だ。どうしたって入らんぞ。置いていけ」

ルッキーニ「うじゅ……」

芳佳「つ、次があるよ!!」

シャーリー「ルッキーニ……」

別の日

ルッキーニ「今日のネウロイも大きかったぁ……」

リーネ「……」

芳佳「やっぱり、オーブンに入ってくれるようなネウロイはいないのかも」

リーネ「うん」

シャーリー「なぁ、最近よく出撃時にマイクロオーブンを持ち出そうとしてるけど、どうした?」

ルッキーニ「シャーリー」

芳佳「あ、あの、シャーリーさんの作ったものでなんとか名誉挽回を……って」

シャーリー「お前ら……」

リーネ「ほ、ほら! あのマイクロ波を出す兵器の運用もまだまだ先の話になるみたいですし、これを使ってネウロイを倒せたらシャーリーさんも褒められるかもなんて……」

シャーリー「ありがとう。だけど、その中にネウロイは入らないだろ。どうしたってさ」

ルッキーニ「でもでも、入るネウロイだってでてくるかもしれないし!」

シャーリー「いや、その気持ちは嬉しいけど、料理かなにかでやってくれよ。それ、調理機具なんだからさ」

ルッキーニ「あっ。そっか、そっか」

シャーリー「それにネウロイなんかを温めたら、きっとオーブンが火を噴くぞ」

芳佳「だったら、なに作ろうか」

ルッキーニ「卵をあっためて、スクランブルエッグ!」

リーネ「それは無理じゃないかな?」

シャーリー「……」

美緒「どうした?」

シャーリー「少佐、マイクロ波を照射する新兵器だけど、あたしが作っても問題ないよな」

美緒「なに?」

シャーリー「先日の失敗を自分で取り戻したい」

美緒「できるのか?」

シャーリー「扶桑のより何倍もすごいのを作ってみせるさ」

美緒「……私も協力してやろう。言っておくが、扶桑が考案した技術だからな」

シャーリー「ありがとう、少佐!」

美緒「しかし、ネウロイを撃墜するほどのマイクロ波となると、大規模な装置が必要になってくるな」

シャーリー「でも、小型化しないと運用は難しい」

美緒「恐らく各国から技術提案を載せた資料も既にあるはずだ。集めてこよう」

別の日

美緒「ふむ……。では、ここが」

シャーリー「あー、そこをいじるとなぁ」

美緒「そうか」

エーリカ「お、がんばってるねぇ」

美緒「どうした?」

エーリカ「新兵器の開発、進んでるかなぁって」

シャーリー「出力がどうしても上がらないんだよな」

美緒「上げようとすればするほど、兵器が巨大になるしな」

シャーリー「いろんなところの資料もあるけど、どれも参考にならないし」

エーリカ「じゃーん。これはどう?」

美緒「これは?」

エーリカ「ウルスラに色々訊いてみたんだぁ。シャーリーと少佐ががんばってるから」

シャーリー「ハルトマン……。サンキュー!! 助かる!!」

美緒「ほう? 全く新しいアプローチだな。これは面白い。輻射波動機構というものらしいが」

別の日

エーリカ「だからさ、こっちでいいんだって」

美緒「しかし」

シャーリー「いや、それでいいかもしれない。これぐらいならきっと持てるはずだ」

美緒「出力のほうはいいのか?」

エーリカ「問題ないじゃん」

ミーナ「順調なの?」

美緒「ああ。ウルスラ・ハルトマンの協力もあってな」

ミーナ「え?」

エーリカ「ウルスラー、こっちおいでー」

ウルスラ「はい」

ミーナ「あ、あら。いらっしゃい」

ウルスラ「この兵器、完成させるだけの価値があると思って着ました」

ミーナ「そう……」

美緒「ミーナ、よければお前の知恵も拝借したいのだが」

別の日

ミーナ「これじゃあ、持ち運べないわ」

シャーリー「バルクホルンなら、いけるだろ」

バルクホルン「呼んだか?」

エーリカ「丁度いいや。これぐらいなら余裕だよね」

バルクホルン「どうだろうな……。他の重火器との併用は難しそうだが」

ウルスラ「では、ジェットストライカーを装着して……」

芳佳「なんか、やってるね。……楽しそう」

リーネ「新兵器の開発らしいよ」

エイラ「あのマイクロオーブンの発展型らしいな」

ペリーヌ「最近、ああしていつも集まってますわよね。おかげで少佐との時間が……」

芳佳「私たちでもできることないかな?」

サーニャ「お手伝いしたいな」

エイラ「なんかあるか?」

ルッキーニ「そうだっ! いいこと考えたぁ!」

数ヵ月後

シャーリー「あぁー。もうむりだぁ。宮藤ぃ」

芳佳「ちょっとまてくださーい」

チーン!!

芳佳「シャーリーさん、お待たせしました」

シャーリー「サンキュー。食べないとやってやれないな」

エーリカ「リーネ、ミルクぅ」

リーネ「はーい。すぐに温めまーす」

ルッキーニ「ごはん、あっためたよぉー」

ウルスラ「どうも、ありがとうございます」

エイラ「ここを弄ったら、どうなるんだ?」

美緒「そこを弄っても何もならん」

サーニャ「ここを弄ったら?」

美緒「一緒だ」

ペリーヌ「では、こちらを弄ってみては如何でしょう?」

シャーリー「うーん……これをはめて……」ググッ

美緒「シャーリー、まだ寝ないのか?」

シャーリー「ん? どうしてもここまではやっておきたくてさー」

美緒「それにしても……」

芳佳「すぅ……すぅ……」

エイラ「さーにゃぁ……」

エーリカ「えーい……」ドガッ

ウルスラ「うぅ……うぅ……」

美緒「全員で開発しているようなものだな、これは」

シャーリー「完成してもあたしと少佐の手柄ってわけにはいかなくなりましたね」

美緒「そうだな。各国の知恵が合わさった究極の兵器だ」

シャーリー「絶対に完成させないと」

美緒「そうだな」

シャーリー「この輻射波動機構でネウロイを倒して……!!」グググッ

シャーリー「あ、はまった。よし、あとは」

別の日

シャーリー「――できた!!! おーい!! できたぞー!!」

芳佳「え!? ホントですかぁー!?」

リーネ「みせてください!」

ルッキーニ「シャーリー!! みせてぇー!!」

エイラ「私にもみせるんだー!」

ペリーヌ「エイラさん、押さないでください!!」

美緒「こら、お前たち順番だ」

サーニャ「これが輻射波動機構『紅蓮弐式』。腕に装着するんですよね」

ウルスラ「早速、試射してみますか?」

バルクホルン「誰がテストをするんだ?」

エーリカ「それは、やっぱりシャーリーじゃない?」

ミーナ「私もシャーリーさんがいいと思うわ」

シャーリー「ああ! あたしがやる!!」

ウルスラ「では、腕に装着してください。ターゲットバルーンを出します」

ウルスラ「いつでも、どうぞ」

シャーリー「よし!!」ゴォォォ

バルクホルン「ジェットストライカーの調子も申し分なさそうだな」

シャーリー「みんなっ」

芳佳「は、はい!」

リーネ「なんですか?」

シャーリー「この試射が上手くいったら、言いたいことがあるんだ」

エイラ「なんだよー。今言えよ」

シャーリー「いや、完成してからいいたいんだ」

美緒「分かった。ならば早く行ってこい。気になって眠れなくなる」

ミーナ「そうね。シャーリーさん、がんばって」

芳佳「シャーリーさん!! ここで見てますから!!」

シャーリー「見ていてくれ……」ゴォォォ

シャーリー「いくぞぉ!! これが……輻射波動だぁぁ!!!」

ルッキーニ「いっけー! シャーリー!!」

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