シャーリー「ルッキーニの特別訓練をしよう」 (179)

たったら

早朝  501JFWロマーニャ基地

シャッキーニ部屋


シャーリー「zzz…」

シャーリー「……ん…ふぁ」モゾ

シャーリー「…………朝か」

シャーリー「んん~~っ!………った"ぁ~」グデー

シャーリー「…………起きるかぁ」

シャーリー「ぃしょっと……」

シャーリー(…あれ?なんか暗くないか?)

シャーリー「げ!まだこんな時間かよ!?……まいったなぁ今日に限って寝覚めバッチリだぞ」

シャーリー「……んー…」ポリポリ

シャーリー「お!そういえば……」チラ

シャーリー「……チビすけはもう出かけたか」

シャーリー「…………」

シャーリー(とりあえず顔洗お)ヨイショ

宿舎流し場

シャーリー「はぁ……」イソイソ

シャーリー(朝食まで随分時間あるなー。魔導エンジンの改良も昨日でひと段落ついてるし)パシャパシャ

シャーリー「……」フキフキ

シャーリー「…久々に早朝ランニングでもするか」



基地野外

シャーリー「――ごっろく!しっちはち!」グッグッ

シャーリー「うし!準備体操はこんなもんかな」

美緒「――お?シャーリーじゃないか!早朝訓練とは関心だな」

シャーリー「少佐?随分早いですね、訓練ですか?」

美緒「まぁな、別段早いわけでもないが。…シャーリーこそ珍しいな?ユニット弄り以外でお前が早起きするとは」

シャーリー「あはは!あたしだって昔は朝練くらいしてましたよ?」

美緒「だろうな。でなければあれ程の腕にはそうなれん……やはり訓練は大事だな…うんうん」

シャーリー「……少佐?」

美緒「あぁ、いやすまん。それで?シャーリーは昨日買ったそのジャージが嬉しくてまた自主訓練を始めたのか?」

シャーリー「いえまぁ…それもチョットあるんですけどね…へへ、今朝は偶々目が覚めちゃって」

美緒「そうか、…しかしそれも案外そいつのせいかもな?私もウラル防衛の暇に浦塩へ出かけた前夜はろくに寝付けもしなかったのに早起きしたものだ、はっはっは!」

シャーリー「な、なるほど……そんなに嬉しかったのか、あたし…」

美緒「まぁどんな理由であれ訓練するのは良いことだ。ついでにルッキーニのやつも付き合わせてやって欲しいものだな」

シャーリー「あいつは多分全力で逃げますよ。その日どこで寝てるかもわかんないし、あたしでも捕まえるの苦労しますって」

美緒「やれやれまったく………後悔してからでは遅いんだがな」

美緒「やれやれまったく………後悔してからでは遅いんだがな」

シャーリー「どういうことです?」

美緒「ルッキーニは……あいつや宮藤は天才だ。ウィッチとしての才能なら私やお前を上回る、将来的にはハルトマンをも抜いていくかもしれん」

シャーリー「…少佐がそこまで言うなんて驚いたな!確かにルッキーニの感性は桁外れだけど」

美緒「……私があいつくらいの頃などはまだまだ未熟だった」

シャーリー「ん~というと…たしか扶桑海事変の頃でしたっけ?」

美緒「あぁ。……みなの力で祖国を守れたが、救えなかった命も多かった。私が不甲斐ないばかりに大事な人に傷を負わせたこともあった」

シャーリー(少佐のこういう話は初めて聞くかも…!)

美緒「皮肉にも私はそれをばねに精進したくちだ。引きずってはいないが、やはり後悔はしている」

シャーリー「……」

美緒「あいつらに同じ思いはさせられん。そして、そうならんための力と才能をあいつらは秘めている」

美緒「……いずれみなの先頭に立ち、私達が味わった苦しみからより多くの人を救うと…私は期待しているがな」

シャーリー「随分とかってますねぇ~?」ニヤリ

美緒「特に宮藤は、この坂本の愛弟子だからな!」

シャーリー「あっはは!親ばかだなぁ!」

美緒「ふっ…言うなよ?……お前はどうなんだシャーリー?」

シャーリー「ルッキーニですか?まだまだ甘えん坊で目が離せないけど、あたしも頼りにしてますよ」

美緒「そうか。…だが日々の努力を怠っている者はいざと言う時に自分も他人も傷つけてしまう」

シャーリー「だからこそのスパルタ…ですか?愛のムチ?」ニヤニヤ

美緒「勘繰りすぎだぞ?指導方針は師の受け売りだ」

シャーリー「ははっ!ひよっこ達は大変だなぁ……あ、そういえば今日は宮藤は一緒じゃないんですね?」

美緒「ん?あぁ…ちょっとな。今日は私一人だ」

シャーリー「毎朝一緒に素振りしてるんですって?」

美緒「そうだ。…おまえも偶にはルッキーニを鍛えてやってくれ、私が探すといつも見つからなくてな」

シャーリー「あはは……善処しまぁす…」

美緒「さて、長話が過ぎたな!私は訓練へ行く。呼び止めて済まなかったな、シャーリーも頑張れよ」

シャーリー「はーい」

美緒「……」スタスタ

シャーリー「……もっかい体操するか」



基地外周

シャーリー「――よっ!ほっ!」タッタッタッ

シャーリー「ロマーニャのっ朝もなかなか気持ちいいな~」タッタッタッ

シャーリー(にしてもさっきの話は新鮮だったなー。少佐もあーいうとこあるんだな)フフッ

シャーリー(………確かに宮藤の成長ぶりはすごいよな。ウィッチどうこう以上にチームの一員として欠かせない存在ってのもあるけど)

シャーリー(501に来た頃の新米っぷりからいつの間にか一丁前に少佐の後ろを守るまでになってるし…)

シャーリー(…少佐ほど宮藤のことは分からないけど、ルッキーニだって素質は負けてないと思う。……あたしとだって上手く飛んでくれるし)

シャーリー(………いざという時か……ルッキーニも多分無茶するだろうなぁ)

シャーリー「……」

シャーリー(もしかして少佐もこんな気持ちだったのか?)

シャーリー「……訓練…するかぁ?」

シャーリー(でも普通に無理だよなー無理やり訓練させるなんて。かえって潰しちゃうよ)

シャーリー(少佐や中佐の手に余るんだから正攻法じゃ――)

ルッキーニ「――ぉーい!シャーリーー!!」テテテ

シャーリー「ん?…うぉ!ルッキーニ!?」キキッ

ルッキーニ「うにゃぁー!シャーリィ!」バフッ

シャーリー「ぐぉ!」

ルッキーニ「にひひー、シャーリーあったかーい!」スリスリ

シャーリー「ちょっと走ってたからな……ってそれよりルッキーニお前こんな朝早くに何やってんだ?」

ルッキーニ「えーっとねぇ!昨日買ったシロップを寝る前に木に塗ったからねー、それ見に来たの!虫いっぱい取れたよ!」キャッキャ

シャーリー「おぉ、そいつは良かったなー(あれ食うんじゃなかったのか)」ナデナデ

ルッキーニ「…んでもね?まだ新種が見つかんないの」

シャーリー「新種?」

ルッキーニ「こないだ捕まえたんだけど次の日に逃げちゃってて……うじゅ~初めて見る虫だったのに~」

シャーリー「それで昨日あんなにシロップ買ったのか。気持ちはわかるがあれはやり過ぎだぞ?虫が食いきれる量じゃない……しかもまた買出しの予算で」

ルッキーニ「だ、だってぇー!すごくカッチョイイんだもん!背中にツノがこうばらばらにシャキーンってなってんの!!ぜったい捕まえたくて……」

シャーリー「だからってハルトマンと一緒になってお菓子とシロップ大量に買いこむやつがあるか?あたしにまで内緒にしやがって……バルクホルンの苦言に付き合わされる身にもなってくれよ」

ルッキーニ「ぁい…ごめんなさぃ」

シャーリー「はぁ……あたしはルッキーニのこと信じてるんだぞ?」

ルッキーニ「……」

シャーリー「…『次』はちゃんと、一声かけろよ?」ニヤ

ルッキーニ「!……シャーリー!!」」ギュ

シャーリー「よしよし、余った分は今度一緒にトーストにつけて食べような。なかなか美味そうだっ……ん!背中にツノ?」

ルッキーニ「シャーリー?どったの?」

シャーリー「…なあ?その逃がした虫って背中にトゲみたいなやつが付いた、これぐらいの青っぽいやつじゃないか?」

ルッキーニ「そう!!それっ!!」

シャーリー「やっぱりアレか…」

ルッキーニ「シャーリーしってるの!?」

シャーリー「ああ実は……っあ!」

ルッキーニ「…あり?シャーリー?」

シャーリー(まてよ?これ上手くすれば……)

ルッキーニ「どったの?あたしの虫しってるのー?」

シャーリー(うーん……ちょっとやってみるか)

ルッキーニ「うじゅぅ~…シャーリー!!」

シャーリー「ルッキーニ!」

ルッキーニ「うにゃ?」

シャーリー「…その虫ならこの前あたしが捕まえた」キリッ

ルッキーニ「えぇぇー!!?」ガーン

シャーリー「いやー、あまりにもかっこよかったからつい本気で捕獲しちまったよ」フフン

ルッキーニ「ねぇシャーリーシャーリー!それあたしにちょーだい!!」

シャーリー「ふふーん、ダーメ」

ルッキーニ「えぇーなんでぇー?いいじゃーん!シャーリー虫集めてないでしょー?」

シャーリー「んーでもあれはルッキーニの言うとおりすんげぇかっこいいしなぁ~?あたしも苦労して捕まえたから結構愛着もあるんだよなぁ~」

ルッキーニ「んむぅ~~ムーシー!ムーシー!あーたーしーのぉ~!!」ユサユサ

シャーリー「おいおい落ち着けルッキーニ。……まぁそこまで欲しいならあげても良いけ――」

ルッキーニ「ホントォ!?やったー!シャーリーすきーっ!!」ギュウウウ

シャーリー「最後まで聞けって!あげても良いが条件があるぞ?」

ルッキーニ「んにゃ?じょーけん?」

シャーリー「そうだ。他人から貰うだけで虫を手に入れたんじゃお前も面白くないだろ?」

ルッキーニ「うーん……そうかな?」

シャーリー「そうだよ、ルッキーニは何で今日こんなに早起きできたんだ?」

ルッキーニ「んとねーぇ、遊ぶ前はすっごく楽しみでー、絶対ぜったいちゃんと起きれちゃうんだー!」

シャーリー「てことは虫捕りはルッキーニにとっての楽しみだろ?それなしで手に入れても嬉しくないんじゃないか?」

ルッキーニ「う~ん………そかな?」

シャーリー「そうなの!」

ルッキーニ「そっか!じゃあシャーリーが逃がしてあたしが捕まえるね!」

シャーリー「いや、あいつはすっかり今のお家が気に入ったみたいで……逃がしても戻ってくると思う」

ルッキーニ「……じゃーどうするの?」

シャーリー「そこでだ!あの虫を見事捕まえたこの『あ・た・し』を捕まえればっ、あの虫を捕まえたも同然じゃないか?」バァーン





ルッキーニ「ぇ?……」

シャーリー「っ………」

ルッキーニ「……」

シャーリー「……」ドキドキ

ルッキーニ「………おーなるほどー!シャーリーすごぉーい!!」

シャーリー(なんとかいけたか)ホッ

シャーリー「せっかく二人して早起きしてるしどうだ?朝食までやってみるか?」

ルッキーニ「うん!やるぅー!」

シャーリー「それじゃあたしがまず――あ、まった!まず体操するぞ?」

ルッキーニ「…………なんで?」


――――
――



準備体操後


シャーリー「――よし、じゃーあたしがまず逃げるから20……いや10秒数えたらルッキーニは動いて良いぞ」ホカホカ

ルッキーニ「あい!」ホカホカ

シャーリー「エリアは基地の敷地内で、ビーチとアンフィテアトルムは無しだ」

シャーリー「それと協力者を呼んでも良いけどなるべくルッキーニが指揮する事。おまえが捕まえないと意味ないからな?」

ルッキーニ「あたしだけで平気だよ?」

シャーリー「わたしのスピードを忘れたか?それにこっちも援軍を使うかもしれないぞ? 」

ルッキーニ「えー!ずるーい!!」

シャーリー「だからおまえも使っていいって。ただし、サ―ニャ起こしたり当番仕事中のやつに迷惑かけるなよ?」

ルッキーニ「りょーかい!」ピシッ

シャーリー「ルールはこんなとこかな?あ、一応言っておくけどストライカーは絶対ダメだぞ」

ルッキーニ「わかってるってばぁ!」

シャーリー「よし!じゃあいくぞ?レディ……ゴー!」ダッ


シュダダダダ


ルッキーニ「――はぁーちぃ、きゅーう、ぅじゅ!まてぇーシャーリー!!」タタッ

シャーリー「……よしよし全力で追ってきたな」チラ

ルッキーニ「まーてぇー!」タタタ

シャーリー(ルッキーニのやつ意外と速いな、油断は禁物か)

ルッキーニ「んにゃー!!もうちょい!」シュタタ

シャーリー「やるなぁルッキーニ!んじゃ、あたしも本気出すぞぉー」ダッシュ

ルッキーニ「あぁーん!シャーリー魔法ずるいー!」

シャーリー「ずるくないし、まだ魔法は使ってないぞー?あたしはかけっこだって日々速くなってるからなぁ!」

ルッキーニ「うじゅー……っ!ニシシッ、そうだ!」シュタッ


――――
――



シャーリー「……とりあえずルッキーニが追えそうな距離保ってあの変まで逃げるかな」

シャーリー(てかルッキーニの声が聞こえない!離しすぎたか?)チラ

ルッキーニ「シャーリー!!」バッ

シャーリー「うぉわ!!!お前いきなりどっから現れて!?」

ルッキーニ「にへへぇ、ちかみちー!」スタタッ

シャーリー「ショートカットってこんな1本道じゃ……まさかあんなとこ登ったのか!?」

ルッキーニ「追いついたぁ!うじゅあー!!」ツカマエー

シャーリー「くっ……あまーい!」ヒラリ

ルッキーニ「――にゃ!そこだぁー!!」シュバ

シャーリー「―――っ!!?」



スカッ

ルッキーニ「ぎにゃ!」ドテ

シャーリー「……大丈夫かールッキーニ?(あ、あぶね~)」キキッ

ルッキーニ「じゅ~、だいじょぶ……」

シャーリー「しっかしよくあのフェイントも追えたなー!お前アレ知ってたっけ?」スタスタ

ルッキーニ「…だってシャーリーがそっちに避けたから……追っかけた」

シャーリー「……マジか」

ルッキーニ「………」

シャーリー「…惜しかったな、ちょっと触れたがタッチじゃ捕まえたことにならないぞ?」

ルッキーニ「うじゅ~勝てるわけないよぉ……」

シャーリー「あはは!別にあたしを追い抜いたって勝ちにはならないんだぞ?これは虫捕りの代わりだからな」

ルッキーニ(ムシ?……そっか!)

ルッキーニ「うじゅぅ………」ションボリ

シャーリー「げ、元気だせってほら!まだ始まったばかりだし、な?」

ルッキーニ「……しゃーりぃ」グス

シャーリー「ん?どうした?」スス

ルッキーニ「てゃあっ!」バッ

シャーリー「うぉぉ!!あぶねぇ!!!」ササッ

ルッキーニ「あーん!おしい~」

シャーリー「お、おまえって奴は……まぁ元気になってなによりだけど」ドキドキ

ルッキーニ「かけっこはシャーリーだけど、虫捕りはあたしが一番だかんねっ!」

シャーリー「まんまと蜜にはまるとこだった。……怪我も無いようだしあたしは先に逃げるぞ?」

ルッキーニ「オッケーイ!」フリフリ

シャーリー(やれやれ……それじゃ、一通り走りまわすかな)タタッ

数十分後 宿舎前


シャーリー「ふ~、なんとか撒いたか。ルッキーニの奴……ふぅ…あそこまでしぶといとは…」

シャーリー「そろそろ次いくか……えーっと、今のうちに援軍の準備を――」

バルクホルン「リベリアン!!」

シャーリー「ん?バルクホルンか、おはよう。ずいぶん早いんだな」

バルクホルン「規定時刻より余裕を持って行動するのは軍人として当然だ!お前がいつもぎりぎりなんだ」

シャーリー「別に良いじゃん?時間は守ってるんだし」

バルクホルン「よくない!それとさっきから何をしている?珍しく早起きしてるかと思えばなにやらルッキーニ少尉と騒いでるようだが?」

シャーリー「大尉殿も朝から説教ですか~?」ポリポリ

バルクホルン「口答えするな!宿舎で騒ぐのは軍規違反だぞシャーロット大尉、遊ぶなら他所でやれ!」

シャーリー「いや遊びじゃないよ、ルッキーニの特別訓練だ」

バルクホルン「なんだと?」

シャーリー「あたしが朝練してたら少佐にルッキーニも付き合わせるよう言われてさ、あいつが逃げないような特製訓練を試してるんだよ」

バルクホルン「……少佐の気持ちはわかる。が、お前の言い分は理解できんな」

シャーリー「頭固いなー」

バルクホルン「どう見ても遊んでいるだけだろうが!いいから他所へ行け!まだ起床前で寝ているものもいる」

シャーリー「規定時刻より余裕を持って行動するのは軍人として当然なんだろ?」

バルクホルン「ぐっ、揚げ足をとりおってぇ…!ゴホンッ………そもそもミーナの許可も下りてはいないんだろ?」

シャーリー「う゛……そうだけどさぁ、ちょうどチャンスだし試してみたいんだよ。あたしがちゃんと監督するから」

バルクホルン「許可できないな、お前では不安しかない」

シャーリー「ていうか自主トレーニングなんだから許可なんかいらないだろ!?飛行訓練でもないし」

バルクホルン「そうだな、許可以前の問題だ。基地内の風紀を乱す。即時撤収しろ」

シャーリー「だぁ~もう、こんなことしてる場合じゃ……!そうだ、ちょうどいいや」ピコーン

バルクホルン「…なんだ?」ジト

シャーリー「だったらバルクホルンも一緒に監督してくれよ。それならいいだろ?」

バルクホルン「なにを言い出すかと思えば…」

シャーリー「いいじゃん、どうせ暇だろ?」

バルクホルン「そんなわけあるか!私はこれから朝のトレーニングだ!」

シャーリー「どーせ筋トレだろ?それ以上パワーつけてもしょうがないぞ?」

バルクホルン「スピード狂いに言われたくは無い!それに筋力トレーニングは体力・精神と心身合わせて練磨できる優れたトレーニングだ!」

シャーリー「体力ならこっちの方がつくって!ルッキーニの訓練にも――」

ルッキーニ「あー!シャーリーいたー!!」

シャーリー「やべ!バルクホルンが怒鳴るから見つかった」

バルクホルン「人のせいにするな!……おいルッキーニ!宿舎で騒ぐのは軍規違反だぞ!!」

ルッキーニ「あ、バルクホルンだ。おっはよー!」フリフリ

バルクホルン「ん?ああ、おはよう……って話を聞けぇ!!」

ルッキーニ「にゃ?」

シャーリー「まーまーそんなに大声出すとみんな起きるぞ?まだ起床前だろ?」ペシペシ

バルクホルン「ぐぅっ!!!お前たちは……」フルフル

シャーリー「そんなに止めたきゃルッキーニを捕まえてくれよ?そうすればあたしもやめるし」

バルクホルン「何故そうなる!?お前たちがおとなしく――」

シャーリー「おぉーい、ルッキーニー!!バルクホルンはあたしの援軍だぁー!捕まったら負けだからなー!!」

ルッキーニ「えぇー!!なにそれぇー!!?」

シャーリー「あたしも援軍使うって言ったろぉー!それに勝つ条件だけじゃ不公平だからなー!!」

ルッキーニ「うじゅー、わかったぁー!!じゃーあたしも使うかんねぇー!」

シャーリー「おぉーいいぞぉー!!」

バルクホルン「おい!なにを勝手な――」

シャーリー「そういうわけだから、よろしく!ほどよく手加減してやってくれ」ダッ

バルクホルン「ちょ、シャーリー!!!」

ルッキーニ「まてぇー!」タタタ

バルクホルン「………止まれぇ!!フランチェスカ・ルッキーニ少尉っ!!!!」

ルッキーニ「ぎにゃ!?」ビクッ

バルクホルン「どうやら昨日のだけでは足りなかったようだな……」ズンズン

シャーリー「…捕まったら説教されてゲームオーバーだぞー?」スタコラ

バルクホルン「おい!!今ゲームと言ったぞ!?訓練じゃないのか!」

ルッキーニ「うぇぇーん!お説教やだー!」シュタタタ

バルクホルン「あ!こら待て!!」ダダッ

格納庫


サーニャ「……」ブゥゥゥン

ガチャッ ガシャン

サーニャ「……」フラフラ


――コッチダゾー! マテーシャーリー! コラートマレェ!!


サーニャ「……?」

シュダダダダダ

シャーリー「――追っかけるだけじゃあたしは捕まらないぞぉー?」ナハハー

サーニャ「……」

シャーリー「…あれ、サーニャ?お疲れ!」キキッ

サーニャ「……お疲れ様です。」

シャーリー「ふぅ~……っと、…今日は結構遅い戻りじゃないか?なにかあった?」

サーニャ「いえ……昨晩からネウロイの探査範囲を広げていますが特に異常はありませんでした」

シャーリー「ここんとこ一向に現れないからな~。平和なのにかえって不安になるよなぁ」

サーニャ「……はい」ウトウト

シャーリー「とにかく無事ならよかったよ。ゆっくり休みな、宿舎にはなんとか行かないようにするから」ポムポム

サーニャ「あ、…はい///……あの、いったい何をやって――」

――シャーリードコー!? オトナシクシロー!! ウジュー!

シャーリー「あ、やばい!そろそろ逃げないと!ごめんサーニャ、おやすみ!」ダッ

サーニャ「……あ」

シュダダダダ

サーニャ(はやい……!)

サーニャ「………」

サーニャ「……」フラフラ

ステテテテッ

ルッキーニ「はーっ!!」シュタッ

サーニャ「!?」ビクッ

ルッキーニ「ササッ!サササッ!ふ~オッテはいったようだなー」キリッ

サーニャ「……」ドキドキ

ルッキーニ「にゃ?サーニャだぁ!おっかえりぃー!!」ダキッ

サーニャ「た…ただいま、ルッキーニちゃん……(…あたたかい)」

ルッキーニ「もう寝てるのかと思ったー」

サーニャ「…うん、今日はちょっと遅くて……これからなの」

ルッキーニ「そっかー。あ!そうだ!ねぇねぇ、サーニャ?」

サーニャ「……どうしたの?」

ルッキーニ「あのねあのね!あたしの援軍になってぇ?!」

サーニャ「援軍……?」

ルッキーニ「そっ!サーニャがいればぁ~、シャーリーもすぐにつかまえ――」



(シャーリー『サ―ニャ起こしたり当番仕事中のやつに迷惑かけるなよ?』)
(サーニャ『今日はちょっと遅くて……これからなの』)



ルッキーニ「――られりゅ…と~ぉもったんだけどぉ~。…ルールだからやっぱナシー!!」

サーニャ「……そうなの?」

ルッキーニ「うん、ごめんね!サーニャねむいでしょ?」

サーニャ「えぇ……そうだけど…なんだかちょっと楽しそう……」

ルッキーニ「にひひぃー!すっごくたのしーよぉー!」

サーニャ(…そうなんだ!)

ルッキーニ「サーニャも今度一緒にやろーねっ!」

サーニャ「え?……はい…ぅん……そうね。楽しみにしてる…」

ルッキーニ「よぉーし!じゃー援軍は芳佳を誘おうかなぁー?」ウキウキ

サーニャ「………」

ルッキーニ「――そだ!サーニャ?シャーリーみてない?」

サーニャ「……さっき会って、少しお話してからあっちの方に…」チョイ

ルッキーニ「よぉーし!サーニャ、ありがとー!!」シタタタ

サーニャ「………」

サーニャ「……寝なきゃ」フラフラ

サーニャ「…!」

バルクホルン「――ミーナが本気で怒り出す前に回収しないと大変だ……まったくあいつらは!」ズンズン

バルクホルン「早朝の穏やかな時間は貴重だというのに、……くそっ!この後にはハルトマンも起こさねば――」

サーニャ「……」ジー

バルクホルン「――そもそも何故私が……ん!サーニャ…哨戒明けか?ご苦労だったな」

サーニャ「……いえ」

バルクホルン「確かミーナの指示で哨戒距離を伸ばしたそうだな?疲れただろう、ゆっくり休むといい」

サーニャ「はい……あ、あの…」

バルクホルン「どうした?」

サーニャ「バルクホルン大尉もシャーリーさん達を……?」

バルクホルン「ああ、そのことなら心配は要らない。宿舎の平穏と規律は私がなんとしても守る!安心して眠っていいぞ」

サーニャ「あ…その、シャーリーさん達は何をしてらっしゃるんですか?」

バルクホルン「私にもさっぱりだが、間違いなく訓練などではないな」

サーニャ「すごく楽しいって言ってましたけど……」

バルクホルン「ぐっ……やはり遊びではないか!!」

サーニャ「はい………大尉はどちらの援軍なんですか?」

バルクホルン「いいや、私はレフェリーだ!この茶番は規律に違反するため即刻中止させる。ノーゲームだ!」

サーニャ(……楽しそう)

バルクホルン「サーニャ、奴らの行き先はわかるか?」

サーニャ「えっと……あっちの方へ二人とも…」チョイ

バルクホルン「そうか、でかしたぞ!」

サーニャ「……あ、あの大尉っ!……その、私も…お手伝いを…」

バルクホルン「ありがとう、しかし無理をするなサーニャ。その気持ちだけ貰っておこう」

サーニャ「………」

バルクホルン「心配するな、仲間の安眠は私が死守する」ポン

サーニャ「……はい」

バルクホルン「何かあったらミーナへの報告前に私か少佐に相談しろ、ネウロイの動きがよめない時に戦力が減るのは困る」

サーニャ「……了解しました」

バルクホルン「では、私は奴らの回収に向かう。おやすみサーニャ」ダダッ

サーニャ「……はい、御武運を」

サーニャ「………」

サーニャ(…参加……したかった…)

サーニャ「……」

サーニャ「……」フラフラ~



宿舎廊下

ルッキーニ「うじゅ~…」ゼハー

――オノレースバシッコイヤツメ! ドコエイッタ!?

ルッキーニ「これじゃー芳佳のとこまでいけないよぉ~」ガックシ

芳佳「――あれ、ルッキーニちゃん?おはよー!……どうしたのこんな朝早く?」

ルッキーニ「…にゃ?あっー!よしかぁー!!」ダキッ

芳佳「ぁわ!?ル、ルッキーニちゃん!?ちょっ…すごい汗だよ!?」

ルッキーニ「いまねぇー?シャーリーとバルクホルンと虫捕りごっこしてるんだー!」

芳佳「虫捕りごっこ?」

ルッキーニ「あたしがシャーリーを捕まえてぇー、バルクホルンに捕まらなきゃ勝ちなの!」

芳佳「へぇ~!なんだか鬼ごっこみたいだね」

ルッキーニ「鬼じゃないよ、ムシー!!」

芳佳「そ、そうなの?」

ルッキーニ「うん!……芳佳もやろっ?芳佳はあたしの援軍だよー!」

芳佳「え、援軍なの?」

ルッキーニ「そだよっ!シャーリーの援軍がバルクホルンだから~芳佳はあたしのチーム!」

芳佳「チーム制なんだ…。泥棒警察ごっこみたいで楽しそう!」

ルッキーニ「違うよよしかぁー、ムシだよ!?」

芳佳「あ、そっか!ごめんね」

ルッキーニ「そんなことよりさ、芳佳は今なんか当番なの?」

芳佳「えーっと、今は何にもないよ?…今日の朝食はリーネちゃんとペリーヌさんだし」

芳佳「私は毎朝坂本さんと訓練してたからつい起きちゃったけど……えへへ、今日はお休みなんだ」

ルッキーニ「やったー!!じゃーはやくシャーリー捕まえにいこっ?」グイ

芳佳「あわっ!?ちょ、ちょっとルッキーニちゃん引っぱらないでぇぇ~!」ワタタ

バルクホルン「――む!これは……宮藤の声」キョロキョロ


ヨシカーハヤクー! マッテルッキーニチャーン!

バルクホルン「……あれはルッキーニ!?なんてことだ、よもや宮藤まで毒牙にかかるとは」ワナワナ

バルクホルン「一刻も早く事態を収拾せねば!!」ダダッ


コラーオマエタチー!! ウジューニゲロー!! バルクホルンサン!オハヨウゴザイマス!

ウム、オハヨウミヤフジ! ヨシカッ!ニゲナキャ!? ア、ソウダッタ

基地裏側 広場―真ん中


シャーリー「……なかなか来ないな」ポツン

シャーリー「探されてたらここで見つからないわけないし……まさかバルクホルンに捕まっちまったかぁ?」

シャーリー「それか宮藤あたりでも起こしに行ったかな?…………やべ、あいつサーニャ起こさなきゃ良いけど」

シャーリー「………」

シャーリー「…ちょっと様子見てくるか」

芳佳「シャーリーさーん!」テテテ

シャーリー「お?宮藤?」

芳佳「おはようございます!」

シャーリー「ああ、おはよう」

シャーリー「……」

芳佳「あ!そのジャージ昨日のですよね?わぁーかわいいー!すごく似合ってます!」

シャーリー「ん、そうか?ありがとう……フフフ~ン、結構高かったけど動きやすいし…やっぱ買ってよかったな~」クイッ

芳佳「…えいっ!」ダキッ

シャーリー「お?」

芳佳「ルッキーニちゃん!!」ギュゥゥ

シュタタタタッ

ルッキーニ「シャーリーつかまえたぁー!!!!」バッ

シャーリー「っ!!」フィィィン ピョコ

シャーリー「ふっ!」ダッ

ピョーーーーン

芳佳「え!?わっ!!わぁぁ!!?」

シャーリー「しっかり捕まれ宮藤!着地するぞ?」ガシ

芳佳「たっ、たかいぃいい!!」ゴォォ

ブワッ

芳佳「いゃあああ!!おーちーるぅうう!!!」

シャーリー「ぃよっと!」フィィン

フワッ ――スタン

シャーリー「ふぅ…怪我ないか宮藤?」シュルル

芳佳「は、はぃぃ~…」ヘナヘナ

ルッキーニ「あーん!また避けられた~!!」テテテ

シャーリー「…今の作戦は悪くないけど詰めが甘かったな。切り札は上手に使わなきゃな?」

ルッキーニ「も~よしかぁー!ちゃんと抑えててよー!?」

芳佳「ご…ごめんね~」フラフラ

シャーリー「宮藤は抱きつくんじゃなくてあたしを押し倒すべきだったな。でも油断を誘うとこまでは良かったぞ?」

芳佳「はへぇ~……でも本当に似合ってると思いますよ?そのジャージ」

シャーリー「それは知ってる」フフン

芳佳「あ、そうですか……」

シャーリー「ルッキーニも相変わらず距離を詰めるのは上手いな。遮蔽物も無いのに」

ルッキーニ「そぅでしょー?」ガバッ

シャーリー「魔法も使わせたんだからもう一息だぞ?がんばれルッキーニ」ヒラリ

ルッキーニ「うじゅっ!?」ドテッ

シャーリー「…このコンビだったら……んーそうだな、ルッキーニ中心で捕まえないとダメってことにしてたけど条件を変えるか」

シャーリー「…宮藤、今朝の当番は?」

芳佳「あ、はい!特にないです」

シャーリー「んじゃ宮藤もルッキーニと同じだ!二人で協力してあたしを捕まえてみよう!」ビシィ

芳佳「えぇ!?……さっきのじゃダメなんですか?」

シャーリー「ある意味捕まえたけど、捕獲できてないぞ?ミッションはしっかり遂げること!」

ルッキーニ「うじゅぁ!!」ガバッ

シャーリー「頭のかたーい敵の存在にも気をつけろよ?捕まったら多分罰ゲームが待ってる」ヒラリ

ルッキーニ「うぎゅ!?」ドテッ

芳佳「ルッキーニちゃん…!」

シャーリー「朝食までがリミットだ!負けたら『カッチョイイ虫』はあたしが貰っちゃうぞぉー?」ダッ

シュダダダダ


芳佳「わぁ…やっぱり速い……」

ルッキーニ「うじゅ~…あたしのムシ…………むぅーっ!!よしか、作戦会議!!」スクッ

芳佳「う、うんっ!がんばろう、ルッキーニちゃん!」

シュダダダ

シャーリー「――追ってこない?……戦略戦を選ぶとは意外だな」キキッ

バルクホルン「…見ていたぞ?」スタスタ

シャーリー「ん?なんだいたのか」

バルクホルン「宮藤の悲鳴が聞こえたからな。まったくお前は何をやっているんだ!」

シャーリー「すごいだろ?念動系の魔法はあーいう使い方もできるんだ」

バルクホルン「そうじゃない!宮藤を危険に巻き込むな!!」

シャーリー「心配ないさ、ちゃんと落下速度ころして着地したし。わかっててお前も見てたんだろ?」

バルクホルン「でなければお前を殴っていた」

シャーリー「あはは!こえーこえー」

バルクホルン「……これは訓練だと言ったな?」

シャーリー「そうだけど?今は宮藤もついでにみてる」

バルクホルン「お前の考えてることはなんとなく解ったが……ずいぶん回りくどい事をするんだな?」

シャーリー「射撃や飛行訓練はともかく、ルッキーニは基礎訓練や勉強の類は絶対逃げるからなぁ。こういうのも面白いかと思ってな」

バルクホルン「……いろいろ言いたいことはあるが今は置いておこう」

シャーリー「どーも」

バルクホルン「しかし作戦立案や指揮を混ぜるのはまだ早くないか?どころかあいつらは戦術練度だってまだ低い」

シャーリー「将来的には必要だろ?少佐は宮藤達がいつか先頭に立つ日が来るって期待してるそうだよ。…まぁ指揮官になるとかそういう意味で言ったんじゃないだろうけどなー、あはは!」

バルクホルン「そんな悠長な話は訓練校ですべきだぞ?そもそも今501にとってあいつらに期待する働きはそっちじゃない。そんな余裕はないと思うがな」

シャーリー「………でもさ…あたしは正直そういう期待ってよりも、……あいつらには生きてて欲しいからさ」フゥ

バルクホルン「?……急にどうした?」

シャーリー「あたしが側にいてやれなくなって、危なっかしいままじゃさ……心配だろ?」シンミリ

バルクホルン「…おい、何を言って……っ!?」

シャーリー「これからのネウロイとやり合ってくにはチーム戦略の理解も――」

バルクホルン「シャーリーお前……まさかっ!!?」グイィ

シャーリー「――ておい、なんだよ!?やめろ伸びちゃうだろ!これ昨日買ったばっかなんだぞ!?」

バルクホルン「そんな馬鹿な!?お…お前は私よりもまだ若いはずだぞ!!?」グググ

シャーリー「はぁ!?何言ってんだ!?いいからはなせよ!」グイグイ

バルクホルン「なぜだっ!?なぜシャーリーが私を置いて………くっ……『あがり』など…」ガクッ

シャーリー「……あがり?…何言ってんだお前??」

バルクホルン「………ぇ?」

シャーリー「……ん?」

バルクホルン「…………」

シャーリー「……?」グイグイ

バルクホルン「…………」パッ

シャーリー「……あ~ちょっと伸びた。ちっくしょー馬鹿力で引っ張りやがって」

バルクホルン「…………さっきの話はなんだ?」ボソ

シャーリー「え?あーだからさ、いつかあたしが飛べなくなっちまったら守ってやれないからさ、こういうことも教えときたいなって…」

バルクホルン「………それはいつの話だ?」

シャーリー「…いつって、そんなのわかんねーよ。あたしはまぁ…あと3年ぐらいか?バルクホルンはもうちょい速いかもな、いまいくつだっけ?」

バルクホルン「……………歯を食いしばれ…」ズンズン

シャーリー「な、なんだよ……あれ?おまえ眼あか――」

バルクホルン「っ……」ペチン

シャーリー「あぶっ!…おい!何すんだよ!?」キッ

バルクホルン「お前は……周りが見えてるのか見えてないのかどっちなんだ?」プイッ

シャーリー「はぁ?」

バルクホルン「ふんっ!人騒がせなリベリアンが」スタスタ

シャーリー「おい待てよ!」

バルクホルン「ルッキーニと宮藤を捕獲すればいいんだろ?今回だけは付き合ってやるが、遊びはこれで最後にしろ!」スタスタ

シャーリー「……」ヒリヒリ

シャーリー「…何なんだよあいつ」サスサス

一方

虫捕りチーム作戦会議中


芳佳「…どうしよっかルッキーニちゃん?」

ルッキーニ「う~ん……二人でおっかけよー!」

芳佳「えぇ!?無茶だよぉ!!シャーリーさん凄く速いし!」

ルッキーニ「大丈夫だよ!あたし1人じゃダメだったけど、芳佳となら絶対できるよ!」

芳佳「う、うん…じゃあやっぱり何か作戦を考えないと。ルッキーニちゃんは何かある?」

ルッキーニ「ん゛~~~さっきのしか考えてなかった……うじゅぅー、芳佳!なにかないっ!?」

芳佳「え!私!?………は、挟み撃ちとか…?」

ルッキーニ「……芳佳ふつー」

芳佳「ご、ごめん…」

ルッキーニ「でもそれさいよー!」ピシィ

芳佳「わぁい!やったー」

芳佳「あ!……でもそれだけだとやっぱり難しいかな?簡単に避けられそう」

ルッキーニ「うじゅ~シャーリーじゃなくてバルクホルンならいけそうなのにぃ」ゴロン

芳佳「あはは、バルクホルンさんでも難しいよきっと……ん?……そっか!」

ルッキーニ「にゃ?」

芳佳「そうだよルッキーニちゃん!?シャーリーさんじゃなければ上手くいくかもしれないよ?挟み撃ち!」

ルッキーニ「え?でも捕まえるのシャーリーだよ?」ムク

芳佳「シャーリーさんをシャーリーさんじゃなくすればいいんだよ!」

ルッキーニ「???」ポカーン

芳佳「ふふふ、ちょっと耳かして?……ごにょごにょ――」

ルッキーニ「……おー!なるほどー!!」

芳佳「こうすれば私達でもきっと捕まえられるよ!それで挟み撃ちすれば…」

ルッキーニ「で、それってどーやるの?」ワクワク

芳佳「……え?」

ルッキーニ「だって普通に追いかけてたら多分むりだよ?」ムリダヨ

芳佳「そ…そうかな?………そう…だね。うぅ…」

ルッキーニ「うじゅぅ~~~…にゃ!そだっ!」

芳佳「?」

ルッキーニ「じゃーさじゃあさ芳佳!こういうのは?……ごにょごにょ――」

芳佳「!!」

ルッキーニ「どぉ?これならばっちりぃ!?」

芳佳「うん!凄いよルッキーニちゃん!これならいけるよ!」

ルッキーニ「にひひぃ!ぶいー!」

芳佳「そうなるとインカム取りにいかなきゃいけないよね……ルッキーニちゃん今の時間とかわかる?」

ルッキーニ「えっとねぇ?……太陽があのへんだからー、多分もうすぐ起床ラッパがなるよ?」

芳佳「……すごいねルッキーニちゃん!どこで習ったの?」

ルッキーニ「にゃ?毎日見てるから、なんとなく」

芳佳「えぇ~…」

芳佳「――って、朝ご飯までだからもう時間がないや!急ごうルッキーニちゃん!?」

ルッキーニ「オッケーィ!」

バルクホルン「待て!お前たち!」デン

芳佳「バルクホルンさん!?」

ルッキーニ「ぎにゃー!わすれてたー!」

バルクホルン「戦場は常に攻防一体だ!攻める事に集中できるのは背中を守る者がいてこそだという事を忘れるな!」

芳佳「ど、どーしよぅ…ルッキーニちゃん?」

ルッキーニ「とにかく逃げなきゃ!」グイ

芳佳「うん!」タタタ

バルクホルン「……これは訓練だそうだ。魔法は使ってやらんが――」グッグッ

バルクホルン「――手加減は…しないぞぉ!」ダッ

ダダダダッ

芳佳「うわぁぁあ!?バルクホルンさんも全然はやいよぉー!!」タタタ

ルッキーニ「芳佳!もっといそいでっ!?」タタタ

芳佳「こっ、これが限界~!」

バルクホルン「さぁどうするお前たちぃ!敵は2機、コアはウサギ型ネウロイの方にあるぞぉ!?」

ルッキーニ「ちがうよぉーー!!ムシだもんっ!!」

芳佳(そこは譲れないんだ…)

バルクホルン「なんでもいいっ!!…お前たちは個人戦力で及ばない敵をどう相手する!?」

バルクホルン「指示をくれる者はいない!お前達2人で乗り切ってみせろ!!」

芳佳「は、はいぃー!!」

芳佳(怒鳴りながら疾走してくるバルクホルンさん怖いよぉ!!)

ルッキーニ「よしかっ!もうちょっと逃げ切ればラッパだよ!そーすれば大丈夫かも!!」

芳佳「え?………あ!なるほど」

芳佳(でもそれって多分だよね……でも、もうそれしかないや)

芳佳「じゃあ私が囮になるからルッキーニちゃんはインカム取ってきて!?」

ルッキーニ「え!よしか捕まっちゃうよ!?」

芳佳「大丈夫、何とか逃げ切るよ!ラッパが鳴っちゃったらもう時間がないし…お願いっ!」

ルッキーニ「……わかった!待ってて芳佳!すぐ助けに来るからっ!!」

芳佳「うんっ…信じてる!」

バルクホルン「丸聞こえだぞお前達ぃ!簡単には逃がさん!」

芳佳(う!気づいたらこの辺すごく狭くて前以外に逃げられない)

バルクホルン(…追われるまま闇雲に逃げては詰むぞ?宮藤、ルッキーニ!)

ルッキーニ「よしかぁ!ジャンプするから手かして!」

芳佳「え!なに!?……え~と、こう?」グッ

ルッキーニ「ルッキ~~ニ、ジャーンプ!!」ゲシ

芳佳「わぁ!?」ドテ

バルクホルン(上から私の後ろを抜く気か!?)キキッ

バルクホルン(残念だが想定済みだ!)

バルクホルン「甘いぞ!」バッ

ルッキーニ「もーいっこぉー!!」ダンッ

バルクホルン(なにっ!?三角跳び――)スカ

ルッキーニ「や!」

バルクホルン「――のわぁ!?」ムギュ

ズテーンッ

芳佳「バ、バルクホルンさん!?」

ルッキーニ「にっげろー!」

シュタタタ

バルクホルン「……ぐっ、ルッキーニのやつ…上官を足蹴にするとは」

芳佳「大丈夫ですか?バルクホルンさん!」テテテ

バルクホルン「問題ない……しかし人の心配とは余裕だな宮藤?」ニヤリ

芳佳「……あ」


――――
――



芳佳「……ぜぇ、はぁ……はふっ…!」

芳佳(ダメだ……もう逃げ場がない)

バルクホルン「だらしないぞ宮藤。最後参加のお前が簡単にへばってどうする!」

バルクホルン(そうなるよう追い詰めたんだがな)

芳佳「す…すみません……はぁ…」

バルクホルン「さっきも言ったが彼我の戦力差は明らかだ。お前達が取るべきは自軍戦力の分散でなく集中……加えて大局的見地に立つことだった…」ズンズン

芳佳(ごめんね…ルッキーニちゃん……)ヘタリ

バルクホルン「とはいえ、たった一人でよく粘った」ピタッ

芳佳「…バルクホルンさん?」

バルクホルン「……いいか宮藤?お前は一人ではない。仲間がいて友がいて…そしてそれを含めた皆を守りたいとお前は言うな?」

芳佳「……はい」

バルクホルン「お前のその気持ちは何より大切だ。だがお前を大切に思い守りたいと同じく願う者もいる」

バルクホルン「結果的に自己犠牲になってしまっては、必ずしも全ての幸せを守れる訳ではないんだぞ?」

バルクホルン(ガリアでお前に教わったことだがな……宮藤)

芳佳「……」

バルクホルン「それが嫌なら強くなることだ宮藤!そして戦場を知り、己を知り……みなの力でみなを守れ!」

芳佳「バルクホルンさん…」

バルクホルン「っ!……とまぁ…しゃ、シャーリーのやつが言っていたぞ…///」プイッ

芳佳「…ありがとうございますバルクホルンさん。…私大丈夫です!仲間を、友達を信じてますから!」

バルクホルン「フッ、そうか…強情だな宮藤は」

――ササササッ

バルクホルン「まぁしかし今日のところはゲームオーバーだ。……どうだ?朝食前に一緒に風呂で――」

ルッキーニ「ひっさーつ!こうそく片手ズボンおろしー!」カッ

ズルッ

バルクホルン「――っ!?」

芳佳「ちょっ!バルクホルンさん!?///」

ルッキーニ「にひひー!よしかっ!助けに来たよぉー?」ブイ

バルクホルン「くっ……おのれルッキーニ!だが、これしきの子供だましで私を無力化できると――」スルッ

モゾモゾ

バルクホルン「――ぎゃぁあ!!?」ビクゥ

ルッキーニ「にゃははー引っかかったぁ!…芳佳!早くこっちこっち!?」フリフリ

芳佳「う、うん…!」テテテ

バルクホルン「も、モゾモゾするっ!??なんだいったい!?」スルッ

ブ~~ン

バルクホルン「む…虫だと?」

ルッキーニ「インカム取りにいったついでに捕ってきたの!さっき大尉のズボンにこっそり入れたんだー!」ウジュジュー

芳佳「…うわぁ……」ゾワッ

バルクホルン「っ~~もういないな?……よ、よし」スル

ルッキーニ「芳佳!今のうちに――」



『パーパパラパ パーパー パッパーパパー』

芳佳「…起床ラッパだ!」

バルクホルン「なに!もうそんな時間なのか?」

ルッキーニ「キタ!……おーい、バルクホルンたーいー!」

バルクホルン「ん?」

ルッキーニ「さっきハルトマンに会ったんだけどねー?大尉があたし達と遊んでるって言ったら『やったー今日はお昼までゆっくり寝れるー』て喜んでたよぉー?」ニシシ

バルクホルン「なんだと!?ハルトマンのやつめ……」グヌヌ

ルッキーニ「そいじゃーねー!いこ、芳佳!」グイ

芳佳「あ、ルッキーニちゃん!……ば、バルクホルンさん!ありがとうございましたー!」テテテ

バルクホルン「あ!おい――」


バタバタバタ


バルクホルン「………穴だらけの策だったが、まぁ及第点だな。そもそもこんな時間にあいつが起きられるなら苦労などないのだが」フッ

バルクホルン「さて!本当に叩き起こしに行くとするか」スタスタ

ブ~ン

バルクホルン「……見逃してやるから、お前はもうあっちへ行け」シッシッ

ルッキーニ「芳佳、はいこれ!」スッ

芳佳「ありがとう!……よーし!これでうまくシャーリーさんを追いかけて」スッ

ルッキーニ「挟み撃ちでドカーン!!イェーイ!」

芳佳「あはははっ……は!でもまって!?」

ルッキーニ「にゃ?どったの芳佳?」

芳佳「シャーリーさんの魔法どうしよう…?二人で追い詰めてもさっきのルッキーニちゃんみたいにジャンプで逃げられちゃうよ!?」

ルッキーニ「ん~~~っんあ!じゃー建物の中に誘い込めばいいじゃんっ!」

芳佳「そ、そんなにうまくいくかなぁ?」

ルッキーニ「それより早くシャーリー見つけなきゃ!?もうすぐであたしのムシとられちゃう!」グー

芳佳(ルッキーニちゃん、お腹の時計も正確なんだ……!)

シャーリー「ハンターからは逃げられたみたいだなー、お2人さん!」ザザッ

芳佳「シャーリーさん!」

ルッキーニ「シャーリーみっけたー!!」

シャーリー「…そろそろハラも減ってきたしな、これが最後のチャンスだぞ?」ググゥー

芳佳(シャーリーさんも……!?)

シャーリー「さぁどこからでも来い!」

ルッキーニ「あたしから行くよ芳佳?」ダッ

芳佳「ルッキーニちゃんお願い!」

シャーリー「よっしゃ!ラストランだ!」ダダッ


――――
――

さるさんくらったので、こっちで保守しながらちょっとだけ待機します

支援が足らないばかりに申し訳ない…

>>106
そんな事ないです

保守・支援してくれてありがとうございます。
最後まで書き溜まったので規制解け次第、順次上げます

ほし

ルッキーニ「まてぇー!シャーリー!」タタタ

シャーリー「…はぁっ…基礎訓練逃げるくせにタフだなールッキーニ!」タタタ

シャーリー(ていうかさっきからルッキーニしかこねぇ……追いたて役か?宮藤はどっかに隠れてるのか?)

ルッキーニ「よしかっ!今どこ!?………うん!今そっちに行ったよ!」

シャーリー(よく聞こえないけど、何か連絡とってんな?あたしを誘導するつもりか?)

ルッキーニ「よしかっ!今そこ曲がる!!」

シャーリー「っ!?」

芳佳「やぁ!」バッ

シャーリー「うぉぅ!!」ヒラリ

ルッキーニ「バトンターッチ!」ピタッ

芳佳「まてぇー!」ステテテ

ルッキーニ「はぁ…ふぅ~……芳佳―!がんばれぇー!」


――――
――

芳佳「はぁ…はぁ……くぅっ…!」タッタッタ

シャーリー「ふっ……ふぅ…大丈夫かぁ、宮藤―?」タタタ

シャーリー(粘るな宮藤…。めちゃくちゃ辛そうなのに根性あるなぁ、さすが少佐の弟子って感じか?)タタタ

芳佳「……!…ふぁっ、…るっきぃにちゃん?……もうすぐ…そっちぃ…ひぃ」

シャーリー「……おい、マジで大丈夫かみやふ――」

ルッキーニ「とぉー!!」ピョン

シャーリー「――くっ!!?」ヒラリ

ルッキーニ「ムシムシー!!!」スタタタ


芳佳「はぁ…ふぅ……けほっ…も、もうむりぃ」ガク

芳佳(でもあとチョットだ……私にできることをやらなきゃ!)


――――
――

ルッキーニ「んにゃ……はぁ~…まっ、まってしゃーりぃ~」タッタッタ

シャーリー「はぁ…ふぅ…はぁ…」タッタッタ

シャーリー(なるほどこういうことか。あっちは交代で休んであたしは走りっぱなし……流石にそろそろしんどい)

ルッキーニ「うじゅぅ~~……」

芳佳『ルッキーニちゃん!聞こえる!?』ガザ

ルッキーニ「…はっ…よしか?……はぁ」

芳佳『あっごめんね、そのまま聞いてて!』

芳佳『ちょうど私から見えてるんだけど今滑走路にいるよね?私が上で待ってるからそのまま右側の階段まで追いかけて!』

シャーリー「はぁ……ふっ…」

シャーリー(ハンガーから基地内に…ダメだ上が狭いと不利だ)

ルッキーニ「はっ…しゃーりぃ……はぁふ」

シャーリー(流石のルッキーニもそろそろキテるな?よし心臓破りの上り階段で決着だ……がんばれあたし!)

芳佳『…きたっ!がんばってルッキーニちゃん!!上ったところ(※)で今度こそ捕まえよう!?』

※正面滑走路脇の階段中だと超危ないため

ルッキーニ「んにゃ……へふ…」

芳佳『私が絶対にシャーリーさんを止めるからっ!!ルッキーニちゃんがんばって!!』

ルッキーニ「うじゅぅ…よしか……~んに゛ゃあ゛っ!」ダダッ

ルッキーニ「……しゃっ…シャーリーィ゛!!」ダッダッダ

シャーリー「ルッキ……おまっ…!?」

シャーリー(うぉぉおお!?ルッキーニすげぇじゃんかよ!!……あたしはもう足がいてぇ!!!)

ルッキーニ「うじゅぅぅううう!!!」ダダダ

シャーリー(だぁぁあああああ!!!!)ダダダ


ダタンッ

シャーリー(なんとか上ったけど…ルッキーニまだ来るかっ!?)ゼハー

芳佳「ここまでです、シャーリーさん!!」ザザッ

シャーリー「っ!?」

シャーリー(ちっくしょ――)フィィン ピョコ

芳佳「やぁあああ!!!」フィィン ピョコ

ドパァアアアアーーー

シャーリー「っ!!!」ビクッ

シャーリー(なんだ!?え、シールド!!?)

芳佳『「ルッキーニちゃん!!」』

ルッキーニ「シャーリーげぇええっっとぉ!!!」バッ




――ガシィ 

ドサッ


シャーリー「うごっ!?」シュルルル

ルッキーニ「はぁ…ひぃ…はぁ…ふっ……にひひっ!シャーリーつかまえたぁ!」ギュウウ

シャーリー「はぁ…ふぅ……っはぁ………まいった…動けねー」ゼェゼェ

芳佳「シャーリーさん、ルッキーニちゃん!大丈夫!?」テテテ

シャーリー「ふぅ……み、宮藤…さっきの…っ」ゼーハー

芳佳「はい!シールドです」

シャーリー「……なんで?」

芳佳「と…止まるかなぁと思って……えへへ」

シャーリー「…あっはは!なんだそりゃあ、はははっ!………はぁー…しっかしすげぇでかかったなー。ありゃビビッた~…」

芳佳「ど、どうも…」

ルッキーニ「にゃふ~……シャーリー…」ゼェゼェ

シャーリー「ふふふっ!ルッキーニお前、汗できもちわりぃ!あっはははは!!」ケラケラ

芳佳「しゃ、シャーリーさん!??」

シャーリー「――はははは!!……はぁ~…宮藤も来い」グイ

芳佳「わぁっぷ!?」ドサッ

シャーリー「宮藤もびっしょりだなーははは!」

芳佳「シャーリーさんっ…む、胸がぁ……」ムニュン

シャーリー「……2人ともよくやったな?」

ルッキーニ「…にひぃ!あたしの勝ちだよっ?」

シャーリー「おー負けたよ。あたしの負けだ」ナデナデ

シャーリー(どっちにしろ捕まるつもりだったけど、気づいたら熱くなっちまって……結局普通に負けたな)

ルッキーニ「シャーリーシャーリー!!やくそくーっ!」ムギュムギュ

芳佳「約束?」

シャーリー「あーわかってるから落ち着けって、ちょっと苦しい」

芳佳「シャーリーさん、約束ってなんですか?」モミモミ

シャーリー「ちょっと珍しそうな虫がいてさ、あたしに勝てたらルッキーニにあげるって言ったんだよ」

ルッキーニ「もともとあたしのだもーん!」

シャーリー「はいはい」゙

芳佳「へぇー!どんなのなの?私にも見せてルッキーニちゃん!?」

ルッキーニ「いいよー!あのねーぇ、背中にツノがいっぱいあって――」

シャーリー「まてまてお前ら!虫はあとで見せるからとりあえず風呂に行くぞ?このままだと風邪引きそうだ」ムクッ

ルッキーニ「うじゅぁ~」ゴロン

芳佳「あ、そうですね」

シャーリー「…で、そのあとはメシだ!」グー

ルッキーニ「あたしもお腹ペコペコ~」グー

芳佳「あはは、ルッキーニちゃんまで――」クー

芳佳「……あっ」

シャーリー「あっははは!よーし、これにて朝練終了―。次は腹の虫を黙らせにいくぞー!」

芳佳「えぇぇ!これって訓練だったんですかぁ!?」

ルッキーニ「そなの?」ムクッ

シャーリー「一応そういうことにしておきたいから、よろしくな?」

ルッキーニ「あーい!」

芳佳「えぇー!どういうことですか!?」


ワイワイ キャイキャイ

ワイワイ キャイキャイ




ミーナ(ものすごく巨大な魔法シールドが見えたから様子見に来てみたけど…)

ミーナ「……まったくしょうがないわね」ハァ

美緒「――なんだミーナ。咎めに行かないのか?」スタスタ

ミーナ「美緒?……えぇ、まぁ」

美緒「ん?」

ミーナ「…今朝バルクホルン大尉に言われたのよ。基地内が騒がしいけど自分とシャーリーさんが監督するから今日だけ許して欲しいって」

美緒「バルクホルンが?」

バルクホルン「――すまないミーナ。責任は容認した私にある。罰なら私が受けよう」スタスタ

美緒「……お前いつの間に?」

さるagain

すみません

ミーナ「そんなことしないわ。……ハルトマンは起きた?」

バルクホルン「ダメだ。昨日買い足した目覚ましも効果がなかったようだ」

美緒「規律に厳しいお前がミーナにそんな嘆願をするとはな?ハルトマンも起きる程の珍事かと思ったがあいつも流石だな、はっはっは!」

ミーナ(もぅ……美緒ったら…)ハァ

バルクホルン「ルッキーニと宮藤の特別訓練なんだそうだ……が、あんなのは今日限りだ!」フン

美緒「ほぅ…。シャーリーのやつめ、早速やってくれるとはな」

ミーナ「……シャーリーさんに何か言ったの?」

美緒「なに、大したことではない。ルッキーニも朝錬に混ぜたらどうだと提言しただけだ」

バルクホルン「あんな和気藹々とした訓練指導があってたまるか」

ミーナ「あらあら、あなただって参加したんでしょ?トゥルーデ」

美緒「ほーそうなのか?どんなものだったか聞きたいな?」

猿規制のスパン1時間て聞いてたのに直ぐ解けたりよく分からないけど、とりあえず頑張って上げます

シャーリーが大好きです

バルクホルン「ぐっ!………ま、まぁ面白い収穫はあった」スッ

美緒「ん?それは?」

ミーナ「…インカム?」

バルクホルン「簡単に言うと、私を躱しながらシャーリーを捕まえるというミッションだったんだが……2人は作戦を立て、こいつを使ってシャーリーを追い詰めたようだ」

ミーナ「盗み聞きしてたの?」

バルクホルン「フフッ、盗聴の対策を怠たるとはまだまだだな。私に使った作戦も含め粗が多いし、ほとんど戦術と運頼みだったな」

ミーナ「…顔が嬉しそうよトゥルーデ?」

美緒「なるほど。シャーリーも面白いことをするな……後で詳しく聞いてみるか」

ミーナ「さすがに普段の訓練でアレはやめてね?せめて場所をきちんと取って――」

美緒「わかっている。ただあいつらが何を考え、どんな索を持って行動したのか興味があってな。指導する立場として記録しておきたい」

ミーナ「ふふ、まるで親ばかね?」

バルクホルン(なんとなくだが気持ちはわかる気がする…)

美緒「しかしルールの中でとはいえ、バルクホルンを振り切りシャーリーを捕まえてしまうとはな!」

ミーナ「2人とも、もう1人前かしらね?」ウフフ

バルクホルン「いや、まだ甘い!空ではこうはいかん!」フン

美緒「そうだな、もっと扱いてやらんとな!わっはっはっは!」




美緒(……先生。あの頃の私達のように、次の未来の空を担うウィッチ達も日々大きくなっているようです)

美緒「………しかし私も、まだまだ降りる訳にはいきません…」グッ

ミーナ「……?」

(・×・)<もうちょっとだけ続くんだナ


【エピローグ】 ~望郷の太陽虫~


夕方 シャッキーニ部屋

ルッキーニ「シャーリー!ムシどこー!?」ピョンピョン

シャーリー「焦るなルッキーニ!もうそろそろ帰ってくる頃だ……ここにな」クイ

ルッキーニ「それ!あたしのビン?」

シャーリー「フフーン、まぁもうちょい待ってろって!コーヒーでも飲むか?」

ガチャ

芳佳「シャーリーさぁん!」

シャーリー「おー宮藤、ちょうど今例の虫を見せるとこだぞ!一緒にどうだ?」

芳佳「えっと、それなんですけど……」チョイ

ウルスラ「……失礼します」ペコ

シャーリー「?……よぉハルトマン」

ルッキーニ「あー!何それ?メガネかけてるー!?」

ウルスラ「はい」

芳佳「あ、あの!このハルトマンさんはハルトマンさんの妹のハルトマンさんです!」

ウルスラ「こんにちは」ペコ

ルッキーニ「にゃ?ハルトマンの…ハルトマン??」

シャーリー「……あ~この前の!芋美味かったぞ、ありがとなー」

ウルスラ「いえ」

ルッキーニ「…ハルトマンじゃないの?」チョンチョン

シャーリー「ハルトマンだよ。ハルトマンの妹のウルスラ・ハルトマン中尉。ジェットの回収でこの間来てただろ?」

ルッキーニ「……ハルトマンでいいの??」

シャーリー「いいぞ。……ところで今日はどうしたんだ?またジェットストライカー持ってきたなら次はあたしに履かせてくれよ!」

ルッキーニ「えぇー!?シャーリーあれ履かないでぇ~!」グイグイ

シャーリー「大丈夫だよ、たぶん改良機なんだろうし……なあ、そうなんだろ?」

芳佳「あ、あの……」

ウルスラ「すみません大尉。本日はリトヴャク中尉に御用がありましたので、ジェットストライカーは持ち込んでおりません」

シャーリー「なんだ違うのかぁ」ガックリ

ルッキーニ「ねぇねぇ芳佳とハルトマンも見てってよ!あたしのムシー!」

ウルスラ「はい是非。そのためにお邪魔させていただきました」

シャーリー「お!そうなのか?」

芳佳「はい。珍しい虫が見つかったって話をしたらハル…ウルスラさんが見せてほしいって」

ウルスラ「青くて棘が特徴の『カッチョイイ』虫とお聞きしましたので、少し興味があります」

なんとなく訂正

ウルスラ「お聞きしましたので」 → ウルスラ「伺いましたので」

ルッキーニ「ヘヘェーン!すっごくカッチョイイよぉ~~!?」

シャーリー「へぇ、虫好きなの?」

ウルスラ「普通です」

芳佳「…あの、シャーリーさん?その虫はどこにいるんですか?」

ルッキーニ「うじゅ!そだよシャーリー!?はやくぅ~」ピョンピョン

シャーリー「んーもうそろそろ帰ってくると思うんだけどな――」

ぶぅ~~ん

ウルスラ「あれですか?」チョイ

シャーリー「お!きたきた、来たぞ!」

芳佳「え?え!?どこですか?」キョロ

ルッキーニ「あたしのムシー!!」

ぶぅ~~ん  ピタッ

芳佳「あ!ビンの中に…!?」

シャーリー「よしよし、お帰りチビすけ」

ルッキーニ「すっごぉーい!ホントにお家に帰ってきた!!?………あり?でもこれあたしのビンだよね?」

ウルスラ「………」ジー

シャーリー「……どうだ?面白いかハルトマン?」

ウルスラ「これは、…やはり『ソラレスケーファー』ですね」クイッ

シャーリー「ソラレスケーファー?」

芳佳「知ってるんですかハ…ウルスラさん?」

ウルスラ「はい。小さい頃何度か見た記憶があります」

シャーリー「てことはカールスラントにもいるのかこの虫?」

ウルスラ「はい。ソラレスケーファーはカールスラント語で『小さい太陽の甲虫』という意味で、本来カールスラントの一部地域にのみ生息する虫なんです」

芳佳「へぇー!そうなんだぁ!」

シャーリー「この辺じゃ見ないわけだな。でもなんでそんな虫がここにいるんだ?」

ウルスラ「ネウロイ侵略の影響で住処を終われた後、低温が苦手なので南下してきたと言われています。ネウロイの欧州大侵略があった39年以降にベネツィアやヒスパニア北東部で多く発見されるようになったそうです」

シャーリー「ほぉー、そっか。こいつもあたしら人類と同じなんだな……」ジー

ルッキーニ「あたし達と………?」ジー

芳佳「シャーリーさん!このムシなんでビンの中に戻ってきたんですか!?」

シャーリー「ん?……あ~それが、あたしもわかんないんだよね」ポリポリ

シャーリー「先週ここで作業してたら飛んできてさ?おとなしいから放っておいたら朝には消えてて……で毎日この位の時間に帰って来るんだよ」

ルッキーニ「……え?じゃあシャーリー捕まえてないの!?」

シャーリー「まぁ……ぶっちゃけそうだな。ルッキーニが逃げたと思ってたこの虫はちゃんと毎晩帰ってきてたんだよ。…お前は部屋にいないから気づかなかったけどな、ぁはは~…」

ルッキーニ「じゃー、やっぱりあたしのじゃーん!もぉー!!」ポカポカ

シャーリー「あたたっ、悪かったって!ちょっとお前と遊びたくなってついさ、ごめんなルッキーニ?」

芳佳「でもホントに不思議な虫ですね?自分から虫カゴに戻るなんて…」ジー

シャーリー「というより虫ビンだけどな」

ウルスラ「ソラレスケーファーの青い色素の主は葉緑体……つまりこの虫は光合成で生成した化学エネルギーを糧にしています」

芳佳「光合成って植物のですか!?虫にもできるんですか!?」

シャーリー「いや、あたしは聞いたことないなー。全然詳しくないけど」ウーン

ウルスラ「勿論捕食によるエネルギー摂取も行えますが、基本的に日中は日の当たる高い場所で光合成を行い、日が沈むとともに土の中の巣に戻ります。こうした習性から『太陽』と名されたみたです」ペラペラ

シャーリー「はぁ~!そりゃ変な虫だなぁ……ん?でも何でこいつは土の中じゃなくてこのビンに住み着いてるんだ?」

ウルスラ「それはわかりません。……推測ですが、この虫は柔らかく乾いた土しか彫れないので地質が合わなかったのかもしれません」

ウルスラ「外敵等から身を守る場所として、ルッキーニ少尉のビンが気に入ったのかもしれませんね」

ルッキーニ「わはぁー!やったー!」

芳佳「すごぉーい!物知りなんですねウル……ウルスラさんっ!」

ウルスラ「いえ、本で読んだだけなので…」

ルッキーニ「はいはいはーーい!ハルトマンせんせーい!!」

ウルスラ「は、はい…(先生?)」

ルッキーニ「このカッチョイーツノツノは武器!?」

シャーリー「おいおい、それでどーやって戦うんだよ?」

ウルスラ「主な役割として体表面積を増やし光合成の効率を上げる他に、鳥やその他動物に捕食されないためのものでもあるので少尉の意見も正解です」

シャーリー「マジか…!やるなぁ虫捕り名人」ナデナデ

ルッキーニ「やたー!さっすがあたしぃ!」フフン

芳佳「ルッキーニちゃんすごーい!」パチパチ

ウルスラ「背中に棘々を背負ったこの独特なフォルムが太陽を模して見える…というのも太陽虫の名の一因だそうです」

芳佳「……あ、本当だ!確かに太陽に見えます!」ジー

シャーリー「そうか?あたしにはよくわかんないけど」ジー

バタンッ

エーリカ「ウルスラいるー?」テテーン

バルクホルン「おいハルトマン!まずはノックをしろ!」

ウルスラ「姉さま!?」

エーリカ「あーいたいた!もぉー探したぞ~?」

ルッキーニ「またハルトマンだ!?」

シャーリー「……ここあたしの部屋なんだけど?(つうか狭い)」

バルクホルン「すまんなシャーリー。ウルスラ中尉がこっちに来ていると聞いたのでな」ズカズカ

シャーリー「バルクホルンがあたしの部屋に来るなんてなぁ。……油臭い部屋にようこそ」

バルクホルン「いや、思ったよりかは綺麗じゃないか。どちらかといえば少し『嘘くさい』な?」クンクン

シャーリー「まだ根に持ってんのかよぉ!今朝のことは謝っただろ?それにアレはお前の勘違いであたしは別に嘘ついてないぞ」

バルクホルン「……少し意地が悪かったな。すまない」

シャーリー「ははは、ジョークの腕はまだまだだな」

芳佳「バルクホルンさんも見てくださいこれ!すっごく面白い虫なんですよ?」クイクイ

バルクホルン「虫だとっ!?……私は遠慮する。虫には碌な記憶がない」モジ

ウルスラ「……そんなことないと思いますよ?バルクホルン大尉」スッ

バルクホルン「っ………!…こいつは!!」

エーリカ「なになに!?」ピョコ

エーリカ「あー!これあれじゃん!?…ソラレスインセクト!」

バルクホルン「ソラレスケーファーだ!………カールスラントで時折見かけていたがこんなところにもいたのか」ジー

芳佳「ネウロイに追われてこっちまで移ってきたそうですよ?」

エーリカ「ええ!?こんな小さいのに?」

ウルスラ「正確には世代交代を繰り返しながらなので、この1匹がここまで飛んできたわけではありませんが」

バルクホルン「しかし懐かしいな。……昔クリスが誤って踏んで怪我をしてしまった時は大駆除作戦を展開したものだ」

シャーリー「おいおい…」

エーリカ「まさかトゥルーデ、ホームシック?」ニヤニヤ

バルクホルン「ばっ、ばか!そうじゃない!これはあれだ…ノスタルジアだ!!///」

シャーリー「あんま変わんねーな」

バルクホルン「うるさいぞリベリアン!//」

ウルスラ「……バルクホルン大尉は意外にかわいい方ですね姉さま?」コソ

エーリカ「そうだよぉ~?さっすが私の妹、わかってるねぇ!」ニシシ

バルクホルン「ゴホンッ………私は一兵士として故郷を思っていたんだ。こいつら(虫)の為にも早いとこ母国を奪還せねばとな」

ウルスラ「はい」

ルッキーニ「………」

シャーリー「その前に、あたしらはまずベネツィアとロマーニャのネウロイをやっつけなきゃな?」グリグリ

芳佳「はい!」クシャクシャ

ルッキーニ「…うん……」クシャクシャ

シャーリー「?……どうしたルッキーニ?ハラ減ったか?」

すみません、お姉ちゃんの台詞が雑すぎてしまいました。
さる対策がてら誤字と一緒に訂正します



バルクホルン「ゴホンッ………私は一兵士として故郷を思っていたんだ。こいつら(虫)の為にも早いとこ母国を奪還せねばとな」



バルクホルン「ゴホンッ………私は一兵士として故郷を想っていたんだ。こいつら(虫)の為にも早いところ母国を奪還せねばとな」

バルクホルン「おいシャーリー!宮藤から手を離せ!髪が乱れてしまう!」グイ

ウルスラ「……大尉は宮藤軍曹がお気に入りなんですね姉さま?」ヒソ

エーリカ「あったりぃ~!ウルスラは賢いなー」カイグリ

芳佳「あの…バルクホルンさん。私、バルクホルンさんの故郷の話もっと聞きたいです!」

バルクホルン「そ、そうか…!?」

シャーリー「お!やったな『お姉ちゃん』?」ニヤニヤ

バルクホルン「ムフフ……いいだろう、特別だぞ?」

シャーリー「…聞いちゃいねぇ」

バルクホルン「さっきの大駆除作戦だがな、私がまず煙であぶり出してやろうとしたのだが妹のクリスが――」ペラペラ

エーリカ「まーったトゥルーデ!!長くなりそうだから食堂行こうよ?リーネ達も待ってるし!」

バルクホルン「――そうだったな。…リーネとペリーヌがウルスラ中尉の歓迎にと紅茶を入れてくれているんだ」

シャーリー「へぇー!そいつはいいな」

エーリカ「いくよ!ウルスラ」グイ

ウルスラ「あ、姉さま!?引っ張ると危ない…!」トテテ

 テテテテー……


バルクホルン「宮藤達も来い、続きは向こうで話そう。…ここは油臭いからな」ニヤ

シャーリー「あ、おい!このやろ――」ダツ

バルクホルン「フフッ……行くぞ」スタスタ

シャーリー「まちやがれ!…ったく」スタタ

ナァー?コノシロップイレタラウマイカナ? ヤメロ!!

 スタスター……


芳佳「……なんだか今日のバルクホルンさん機嫌いいね?」

ルッキーニ「……」ジー

芳佳「私達も行こう?ルッキーニちゃん!」

ルッキーニ「……」ジー

芳佳「……ルッキーニちゃん?」

ルッキーニ「芳佳、…あたし絶対ロマーニャを守る。ロマーニャの皆も……皆のみんなも(※)!!」

※皆のみんな=皆の守りたい人・大切な人

芳佳「ルッキーニちゃん……」

ルッキーニ「その後にカールスラントも取り返して、この子も絶対お家に帰す!………む、ムシだからその前に死んじゃうかもしれないけど…」

芳佳「大丈夫だよ!ルッキーニちゃん!」ガシッ

ルッキーニ「……よしか?」

芳佳「やれるよ絶対、守れるよ!…『みんな』で守ろう!?」

ルッキーニ「芳佳……うん!!ありがとーよしかぁ!」ダキッ

芳佳(バルクホルンさん、ありがとうございます)

芳佳「……行こう?シャーリーさんもバルクホルンさんも待ってるよ!」

ルッキーニ「うん!……あ、昨日買ったシロップいっぱい残ってるんだけど入れたらおいしいかな?」スタスタ

芳佳「…ど、どうかな~?」スタスタ


バタンッ









ソラレスケーファー「………」チョロチョロ


(・×・)<おわりだゾ

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