【グリモア】来栖焔「遭難した」【私立グリモワール魔法学園】 (173)

転校生「焔ー、そっちの調子はどう?」

焔「調子って言われてもな。全然釣れねー」

転校生「やっぱりもうちょっとちゃんとした仕掛けが欲しいか・・・・・・野草と木の実だけで食いつなぐのにも限界があるし」

焔「貝とか採れねーの?カメノテとかさ」

転校生「あれ、取るのにドライバーがいるんだよ。つかささんでもなけりゃ無理無理」

焔「はぁー、なんでこんなことになっちまったのかね」

転校生「まったくだよ。みんな心配してるだろうなぁ・・・・・・」

焔「心配で済んでたらいいんだけどな」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1517065154

6月13日 晴れ

ここに来て3日経った。よくテレビのバラエティーでやってる無人島生活ってのはてんで役に立たないんだってことを思い知った。
転校生の謎技術のおかげで釣り竿は作れたけど、針も弱いし仕掛けもない。日がな一日ぼーっとしてるだけだ。
最初は某お笑い芸人みたいに銛で突くことも考えたけど、あれってゴム使ってやってんだな。速さが足りない。
それでも転校生はたまにクッソデカいのを捕ってくるけど・・・・・・はっきり言ってマズい。
デカくて動きが遅いのを捕るからどうしてもマズくなるんだと。今のところ料理とかも任せきりだから、ここらで何とか役に立ちたい。
せめて火ぐらいは・・・・・・って思ったけど、アイツもライター程度の火なら出せるんだよな。今のところそっち方が便利だ。

このスレはAndroid/IOSアプリ【グリモア~私立グリモワール魔法学園~】のssです。
今回は以下の要素を含みます。
・キャラ崩壊注意
・ありすありあり(合言葉)


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―3日前―

焔「んじゃ、さっさと行って終わらせよーぜ」

転校生「だね。情報通りだとそこまでてこずる相手でもなさそうだし」

焔「今日のはただの相性試験の一環だしな。さっさと終わらせてさっさと帰る」

転校生「よし、じゃあ行こう」

・・・・・・

焔「くそっ、なんだよコイツ!バカみてぇに固い!」

転校生「焔、一旦退却しよう。データにもなかった相手だし、あまりにも分が悪い」

焔「いや、でも・・・・・・わかった。一回戻るよ」

転校生「じゃあ僕は学園に連絡を・・・・・・っ!焔!何か仕掛けてくる!」

焔「くっ、転校生、離れるなよ!」

焔「・・・・・・?」

転校生「・・・・・・森?」

焔「いや、おかしいだろ。明らかにさっきまでアタシたちは沢にいたはずだ。こんな森の、拓けてない場所なんておかしい」

転校生「・・・ってことは、あの魔物の魔法か。なーんで僕はこういうタイプとばっかり鉢合わせるのかなぁ」

焔「お前はそもそもの戦闘回数が多いからだろ」

転校生「・・・・・・にしても、まずいな、この状況。さっきの拍子にデバイスを落としたみたいだ」

焔「仕方ねぇな。アタシが・・・・・・?」

焔「・・・アタシのも、ない」

転校生「と、なるとだ。連絡は一切取れないわけだ。それどころか位置の確認もできない」

焔「・・・これって、つまり・・・・・・」

転校生「遭難、だね」

焔「さて、適当に歩いてたら海岸に出たわけだけど」

転校生「疲れてないなら、とりあえず海岸線に沿って歩いてみようか。正直嫌な予感がするけど」

焔「あたしもだよ。ここだけ異様に飛び出てる海岸になってることを祈るしかねえか」

転校生「だね」

・・・・・・

転校生「はい、一周しました」

焔「人っ子一人、文明の跡すら見当たらねー」

転校生「さて、ここで問題です。目の前には広大な海が。背中には大きな森が。この状況を何というでしょう」

焔「遭難」

転校生「そうなんですよ」

焔「・・・・・・それが言いたかったのか?」

転校生「笑ってよ。正直今の状況に軽く絶望してるんだ」

焔「はぁ、荷物も何もねぇし、どうしたもんかね」

~生徒会室~

虎千代「なんだと!?・・・ああ、わかった」

薫子「どうしました?会長」

虎千代「・・・転校生と来栖が行方不明だ」

薫子「はい?」

聖奈「なっ!」

チトセ「どういうこと!?」

虎千代「魔物との戦闘中に、忽然と姿を消したらしい。おそらく、魔法で飛ばされたんだろう」

薫子「でしたら、デバイスをGPSで追えば・・・・・・」

虎千代「それなんだが、あの二人のデバイスはちょうど二人が消えた場所に落ちていたそうだ」

聖奈「つまり、手詰まりですか」

虎千代「・・・・・・そうなるな」

チトセ「それで、どうするの?このことを他の学園生に知られたら、確実にパニックが起きるわよ」

虎千代「ああ、そうだな。・・・・・・2日だ、2日待つ。それまでに国軍から何も情報が得られない時には、知らせよう」

薫子「わかりました」

虎千代「宍戸と水無月、アメディックにはアタシから話を通しておこう」

チトセ「転校生君、そう遠くまで飛ばされてなければいいけど・・・・・・」

鳴子「・・・・・・ふむ。2日、か」

夏海「部長、何かの期限ですか?」

鳴子「そう。とはいえ、突然2日とだけ言われても酷だろう。軽くヒントを出そうか」

夏海「あっ、待ってください。ちょっとだけ・・・・・・ありすが転校生と会えなくてテンションが下がる期限?」

鳴子「・・・・・・驚いたな」

夏海「えっ、正解なんですか!?」

鳴子「8割方ね。楠木君を基準にして考えるのはあれだけれど、そう遠くない未来同じようなことが学園中で起きるだろう」

鳴子「その時、僕らがすべきことは・・・・・・わかっているね?」

夏海「はい!報道部として、できるだけみんなが落ち着けるような記事を書きます!」

鳴子「それでいい。さすがの僕も、この状況で悠長に構えてられないし」

鳴子「しばらく任せるよ。調べることがある」

夏海「は、はい!」

とりあえずはここまで。毎日とはいかないと思いますが、随時更新はしていきます。
ここまでまだありすが出ていない。ありすを早く出したい。
ありすありあり(合言葉)

6月14日 曇り

転校生が家を完成させた。漂着物とか折れた木を使って作った、一応屋根と壁があるワンルームだ。
植物のツルとか漂着した紐とかつかってうまく組み立ててたけど、どこでこんな技術を身に着けたのか。
釣りの方はいったん諦めて、雷の魔法を海に向かって撃ちだして浮いてきたのを捕ることにした。
はじめて自分の魔法が役に立った気がする。朝比奈とか遊佐だったらもっと沖合の方に撃ち込んだりできるのかもな。

焔「船もなにも通らねぇな」

転校生「一応でっかくSOSって書いてはいるけれど、正直この島の大きさだと発見もされにくいだろうね」

焔「イカダとか作って脱出・・・ってのは無理なのか?」

転校生「今自分たちがいる位置が全く分かっていないから何とも」

転校生「いざ出発したら太平洋に向かってましたーとかシャレにならないからね」

焔「なら、現状その選択はなしか。まあ真水はあるし、食い物さえ確保できればなんとかなるか」

転校生「・・・・・・畑を作るか」

焔「道具も何もないのにか?」

転校生「ドラゴンボールの修行みたいに手で耕せばなんとか・・・・・・でも作物がなぁ」

焔「ま、それは今度にしようぜ。塩はもう取れるのか?」

転校生「いけるいける。鉄腕ダッシュ見ててよかったよ。藻塩が大量大量」

焔「これで海水塩からの脱出か。ちょっとは味に差が出るんだろうな」

転校生「まあそれは食べてからのお楽しみさ。まずは調理の準備をしよう」

焔「あいさー」

月詠「もうっ!転校生も焔もどこに行ったのよ!行方不明ってどういうことよ!」

浅梨「先輩を探しに行きましょう!」

メアリー「だから闇雲に探しても意味ねぇってわかってんだろ!?」

エレン「冷静になるのが難しいのはわかるが、落ち着くんだ。残念だが、今の我々に出来ることは何もない」

エレン「ただでさえ国軍の人海戦術、野薔薇やJGJも動いているんだ。精鋭部隊が動いたところで気休めにしかならない」

メアリー「今やらなきゃいけねーのはあいつらの、特に転校生がいねー間のクエストだ」

メアリー「今デカいクエストが来たらあいつの力はいっさい頼れねぇんだ」

月詠「そんなのわかってるわよ!」

メアリー「わかってねぇよ。現にあいつがいないってことでパニックになってるだろうが」

エレン「冷静さを欠いていては実力は発揮できない。魔法使いならなおさらだ」

エレン「特に、転校生という精神的な支柱がいなくなった今の学園では全ての学園生に何かしら影響が出るといっても過言ではないだろう」

エレン「なら、我々がすべきことは転校生の捜索ではなく、学園をフォローすることだ」

月詠「うっ・・・・・・そうよね、ごめんなさい・・・・・・」

浅梨「ごめんなさい、わかってたはずなのに・・・・・・」

メアリー「頭は冷えたか?なら訓練をやるぞ。思いっきり動いて気を紛らわせろ」

エレン「20分後に訓練場に集合だ。各自準備は怠るな」

紗妃「未だに進展はなし、ですか」

怜「ああ。デバイス、野営用の荷物は置き去り。おそらく、魔物に飛ばされたんだろう。人形館でも同じようなことがあった」

イヴ「人形・・・・・・楠木さんの転校生さんセンサーを使えばなんとかなるのでは?」

風子「いちおー聞きますけど、冗談ですよね?」

イヴ「ええ。すいません、私も動揺しているようで」

梓「ども、ただいまッス」

風子「どーでした?」

梓「さっぱりですね。里の者にも頼んでますけど、未だ行方は掴めず。はっきり言ってお手上げです」

梓「やっぱここは先輩センサーもちのありすちゃんに頼むしかないッスかねー」

風子「そのネタもうやりましたよ」

梓「え、まじッスか!?」

さら「ばんごー!」

秋穂「1!」

ノエル「2!」

ありす「さ・・・・・・」

ゆえ子「4」

春乃「5」

龍季「ろ、6」

さら「それじゃあ転校生さんそーさくたいのかつどうをはじめます!」

ノエル「昨日は東の方にいったよね?今日はどこにいくの?」

さら「シロー!」

シロー「わんわんっ!」

さら「こっちです!」

クレプリ「東?」

秋穂「ってことは、やっぱり東にいるのかなぁ」

ゆえ子「むむむ・・・・・・申し訳ありません、今のところ何も見えませんね」

龍季「デバイスも荷物もないって言っても、人里近くなら連絡ぐらいとれるよな?なら連絡がとれそうにないところを探せばいいんじゃねぇの」

春乃「そうね。もしかしたら狼煙でもあげてるかもしれないし」

龍季「あいつならマジでやりかねんな」

ありす「と・・・・・かく、ぃきましょ・・・・・・!」メラメラ

クレプリ「ありすからいつになく燃えてるさね」

転校生「あー、ありすに会いたい・・・・・・おもいっきりありすを抱きしめてなでなでしたい・・・・・・」

焔「相変わらずだな」

転校生「ありすの撫で心地とかふわふわ感とかが恋しい・・・・・・髪の毛さらさらしたい」

焔「キメェ」

転校生「・・・・・・ところで焔」

焔「やめろ」

転校生「おねがい、先っちょだけ、先っちょだけ!」

焔「わけわかんねぇよ!アタシはもう撫でられて喜ぶような歳じゃねぇし!」

転校生「ありすと同い年だろ!」

焔「あっちがおかしいんだろうが!」

転校生「おかしくないよ!むしろウェルカム!」

焔「キメェ」

転校生「・・・・・・ところで焔、なんでこんな近いの?」

焔「・・・・・・夜だから寒いんだよ。このまま寝たら風邪ひくだろ」

転校生「はいはい」

今日はここまでで。ほむほむ日記は毎日更新すると思います。
いくら夏場とはいえ、夜の海際は冷えるから寝る時に近づいてもしかたないよね。
ありすありあり(合言葉)

6月15日 晴れ

デッカいドラム缶を見つけた。これで風呂に入れる!・・・と思ったけど、蓋が固い。
転校生に指示をもらいながらなんとか焼き切ることに成功した。間宮に教わったらしいけど、自分じゃできないから宝の持ち腐れになってたらしい。
湯を沸かして、中の油を浮かして捨てる。これを繰り返してたら日が沈みかけてた。
転校生がパパッと木の底みたいなのを作って、一番風呂をもらった。油クセェ。
タオルがないことに気づいたのは温まってからだったから、転校生に近くに来ないように言ってから自然乾燥を待つ。
・・・・・・見られてないよな?

転校生「焔!見て、これ!ドラム缶だ!」

焔「ドラム缶?それがどうしたんだよ」

転校生「お風呂に入れる!」

焔「!」

転校生「早速加工だ!缶切りでっと」

焔「てか今更ながら、なんでお前そんな万能ツール持ち歩いてるんだよ」

転校生「クエスト中遭難は一回経験してるからね。万が一に備えてナイフ諸々が使える携帯ツールはポケットに」

転校生「食料は2日分を常に荷物に入れてるよ。と言っても、今回はポケットに入ってた分しか持ってこれてないけど」

焔「缶切りはともかく、ナイフは魚捌くのに助かってるからなにも言えねー」

転校生「あれ、固いな・・・ダメだ。これじゃ無理だ」

焔「じゃあ、諦めるか?」

転校生「・・・・・・銀細工の容量で加工するか。焔、手伝って」

焔「あいよ」

今日のほむ日記。着々と住居を整えている模様。
ほむほむが自然乾燥している間、転校生は焔汁を全身で楽しんでました。
こいつら着替えもないけどその辺りどうしてるんだろう。
ありすありあり(合言葉)

6月16日 晴れ

転校生がコンクリートを作り始めた。何を書いてるかわからないかもしれないけど、アタシにもわからない。
とりあえず今日はある程度食料を集めた後、貝殻を大量に集めた。
今の住居の壁の補強に使うつもりらしいけど、本当にできるのか?
とはいえ、今は6月。急な雨や嵐が怖いのは確かだ。今の所天気は安定してるけど、いつ崩れるかわからない。頑丈な壁は欲しいとこだけど、正直無茶だと思う。

転校生「んー・・・・・・おはよう、焔」

焔「お、おはよう」

転校生「んー?・・・・・・顔洗ってこよう」

焔「あ、ま、待て!そっちから行くな!」

転校生「え、なんで?」

焔「いいから!あの川なら周っても行けるだろ!」

転校生「でもこっちの方が近いし・・・・・・」

焔「いいから!デリカシーってもんがあるんだよ!」

転校生「はいはい・・・・・・」

焔(早急に離れたところに女子トイレを作らねぇと)

ドラム缶はもうあるから、石灰は貝殻で作れる(暴論)
魔法の炎だと多分酸素もいらないだろうから、フイゴを作らなくても1000度を超えさせることができるはず。
問題は技術があるかどうかだけど、転校生君器用だしできるでしょ。多分。
ありすありあり(合言葉)

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!
ありすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!
ありすが、ありすが守ってくれるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!
クレプリも新衣装だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
ありすが本気だぁぁぁぁぁ!!!!!ありありぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!
ありす、ありす、ありすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!
シルバーメダルだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!待ってろよ5凸ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!
ありすありあり!ありすありあり!ありすありあり!
ありすありあり(合言葉)

6月16日 曇り

結論から言うと、コンクリート作りは失敗した。転校生が「僕にはまだ土を判別する能力が足りなかったらしい」ってボヤいてた。
ただ代わりに、炭と石灰ができた。これをなんとか生かす方法を考えたい。作るのにくっそ疲れたからな。
あとは、ツルを使って網を作ってみたり、石を削って銛を改良したりしてるけど、今いち役立つものができねぇ。どれも脆い。
「やっぱりプロには敵わないな」って転校生が言ってたけど、コンクリートも銛も作るプロってなんなんだ。

焔「・・・・・・釣り、飽きたな」

焔(流れ着いた針っぽいのつけてなんとかまともな釣り針はできたけど、結局浅瀬に来るようなちんまいのしか釣れないんだよな)

焔(魚を入れておくような容器もないし、そもそもあんまり釣れねーし)

焔「転校生は野草と木の実集めに行ってるんだよな・・・・・・ちょっと見に行ってみるか」

・・・・・・

転校生「・・・・・・こんなもんかな」

転校生「いやー、梓とヤヨイと仲良くしててよかった。あと料理部にも通っててよかった」

転校生「割と食料って見つかるもんだなぁ。後は調理のバリエーションを増やしたいところだ」

転校生「調味料も塩しかないし・・・・・・魚醤、作ってみるか」

転校生「さ、し、す、せ、その中で手に入るのは塩、手に入りそうなのは醤油・・・・・・」

転校生「あと油もほしい。調理のバリエーションが一気に増える。椿とか欲しい」

転校生「あとは銛の改良もすすめないと。タコとか捕れるようになったら食の幅が広がるし」

転校生「それに打製石器から磨製石器にしたい。いつまでも縄文人じゃいられないよ」

転校生「それに・・・・・・ああ、やりたいことが多すぎる!」

焔(あいつ、すっげぇ生き生きしてんな。学園にいるときよりも生き生きしてねーか?)

イヴ「ああああああああっ!いつになったら転校生さんは帰ってくるんですかっ!!!」

ノエル「お姉ちゃん、どーどー!」

里菜「冬樹、荒れてるなー」

萌木「そ、そうだね・・・・・・」ゲッソリ

里菜「萌木も隈がすごいぞ」

萌木「ごめんね、ちょっと不安で眠れてなくて・・・・・・」

里菜「まあわかるけどな、その気持ち。リナもずっと心配さ」

里菜「でも、転校生がいない今、リナたちがしゃんとしてないといけないんだって思う」

萌木「里菜ちゃん・・・・・・」

イヴ「ふぐぅ・・・・・・ひぐっ・・・・・・てんこうせいさぁん・・・・・・はやくかえってきてよぉ・・・・・・」

ノエル「お姉ちゃん、泣かないで・・・・・・」

里菜「あと、あれ見てるとああはなりたくないって思った」

萌木「そうだね」

智花「転校生さん、お腹空かせてないでしょうか・・・・・・この料理を届けられたらいいのに・・・・・・」

智花「転校生さんがいる場所がわかれば、すぐにでも届けに行くのに・・・・・・」

夏海「と、ともか・・・・・・?気晴らしに料理するの、やめない・・・・・・?」

怜「夏海・・・・・・無理だ、今の私たちには・・・・・・智花は、止められない・・・・・・」

智花「・・・・・・よし!完成、智花流ビーフストロガノフ!」

夏海「ひぃっ!」

怜「どうして智花流にしてしまったんだ!」

智花「ちょっと味見を・・・・・・」

智花「・・・・・・」

バタン

夏海「智花が倒れた!やったー!」

怜「フグは自分の毒で死なないとはいうが、実際にテトロドトキシンを摂取したら死亡するからな」

ゆかり「言ってる場合!?早く保健室に!」

ありす「・・・・・・」チクチク

クレプリ(転校生がいなくなって6日経った。ありすは部屋に引きこもってる)

ありす「・・・・・・」チクチク

クレプリ(そんで、少年のぬいぐるみを大量生産してる)

ありす「・・・・・・ふふ・・・・・・てんこ・・・・・・さ・・・・・・♪」

クレプリ(少年、早く戻ってきてくれ。ありすが恐いさね)

ありす「・・・・・・・・・・・・」チクチク

クレプリ(ただ、それ以上に怖いのは・・・・・・)

聖奈「楠木、頼んでいたものを受け取りに来た」

ありす「はぃ・・・・・・できて、ぁす・・・・・・」

聖奈「ありがとう、助かっている。すまないな、負担をかけてしまって」

ありす「こぇで、み・・・・・・なが、ょろこ・・・・・・ら・・・・・・」

聖奈「ああ。このぬいぐるみは私が責任をもって生徒たちに配布する。あと、これは謝礼だ」

ありす「ぁり、ぁと・・・・・・ます・・・・・・」

聖奈「悪いが、引き続き制作を頼む」

クレプリ(ぬいぐるみをハイペースで「消費」するやつらさね。どんな使われ方してるのか知らねぇけど、ぞっとするさね)

ジェンニ「・・・・・・センパイ、かえってこない」

ジェンニ「ぼく、おへやにひとり」

ジェンニ「・・・・・・」

ジェンニ「センパイ。ぼくが、わるいこだから?」

ジェンニ「・・・・・・」

ジェンニ「センパイ、センパイ」

ジェンニ「・・・・・・」

ジェンニ「んっ・・・・・・ベッド、センパイのにおい・・・・・・」

梓(先輩成分を補給しに来たらやべー状況を見ちゃったッス)

焔「んっ・・・・・・寒い・・・・・・」ギュー

転校生(なにこれ。焔が抱き着いてきてるんだけど)

焔「もっと・・・・・・」ギュー

転校生(やばいんだけど。なんだかんだいってちゃんとあるんだけど)

焔「・・・・・・すぅー・・・・・・すぅー・・・・・・」

転校生(あああああっ!吐息があたるううううっ!)

転校生(耐えろ、耐えるんだ僕!これは焔が僕を信頼してくれている証拠、その信頼を裏切るわけには)

焔「はむっ」

転校生(あああああああああああああああ!!!!!)

・・・・・・

焔「んっ・・・・・・朝か・・・・・・」

転校生「おはよう、焔」ゲッソリ

焔「・・・・・・なんでそんな隈だらけなんだ?」

転校生「き、昨日はちょっとお腹の調子が悪くて寝付けなかったんだ」

転校生(耐えた!僕は耐えたぞ!)

焔(腹の調子が悪いって、それやばくねぇか?ここ薬も何もねぇし、なにかあたったとか・・・・・・)

転校生「まあ僕は大丈夫だから、朝食にしよう」

焔「あっ、おい。無理すんなよ」

焔(今日は一日着いとくか・・・・・・)

今日はここまで。ジェンニが転校生ガチ勢の一歩手前まで来てます。
ありすがシルバーメダルの報酬ですよ。もうガチるしかないですよ。野郎ども、ポーションの貯蔵は十分か?
大垣峰攻略といい、裏の聖奈のときといい、重要なときにカードになるありすは実質メインヒロイン。
間ヶ岾相手にならメインヒロインのお手製料理が効果ありそう。
ありすありあり(合言葉)

6月18日 曇り
なんで昨日の日付を16日にしてたのか・・・まぁ疲れてたんだろうな。消す道具もないし、そのままにしておく。
転校生がなんか素手で漁をするようになった。ウェットスーツもないのによくやるよ、あいつは。アタシにそんな気概はないから、風呂と飯の準備をして待つ。
あとは、洗濯用の灰汁を量産してる。戦闘服がいくらミストファイバーって言っても、デバイスがなくて変身できないから汚れが落ちない。
あと、下着もちゃんと洗わないと気持ち悪いし。臭いし。
問題は乾かす方なんだよな。干すにしてもしばらくノーパンノーブラになるわけだし。転校生に見られたら燃やすしかない。

転校生「銛が刺さらない。やっぱり打製石器じゃこれが限界か」

焔「おつかれー、戻って来たか」

転校生「ただいま。ちょっと大きめの魚が取れたよ。魚を入れるための網がやっぱり欲しいな」

焔「だろうな。取っては浜に、取っては浜にって繰り返してたら時間が全然足りねーし」

転校生「処理任せちゃって悪いね」

焔「もう慣れたよ。ここに来て1週間だしな。あ、飯にするか?それとも先に風呂に入る?」

転校生「んー、先にご飯で。無人島で火を気にしなくていいっていうのは大きいなー」

焔「魔法が使えてよかったって今本気で思ってるところだ」

転校生「あと、さっきのやりとりがなんか新婚さんっぽかった」

焔「え?・・・・・・ば、ばかなこと言うんじゃねえ!!ありえねぇし!」

転校生「えー」

今日のほむ日記。戦闘服はデバイスが無いと変身できないことにさっき気づいた。
間ヶ岾きめぇ。でけぇ。きめぇ。
ありすの出番が少ないけど、エンディングではなにか大事なことが判明するって信じてる。
ありすありあり(合言葉)

6月19日 雨

チクショウ!雨が降ってきやがった!薬も何もない状況で動き回って風邪ひいたりしたら厄介だから、今日は一日大人しくすることにした。
食料は残り3日分。転校生が屋根をしっかり整えてくれたから、雨宿りしに行かなくていいのは幸いだ。
とはいえ、雨が止むまでずっと転校生と二畳ぐらいしかない家で過ごすわけだ。この状況だと洗濯もできねぇし、風呂にも・・・・・・
なのに雨で蒸れて汗が出てくる。マジでどうしたらいいかわからない。

転校生「本格的に降ってきたね。先手を打って屋根をしっかりしておいてよかったよ」

焔「ああ、そうだな・・・・・・」

転校生「・・・・・・やることないね」

焔「昨日までは結構慌ただしかったんだけどな」

転校生「しっかし、蒸れるなぁ・・・・・・もうちょっと壁をしっかりして、炭でもおいて・・・・・・」

焔(炭って確か脱臭効果があったよな?)

焔「とりあえず前作った炭置いとくか?風の魔法を使えば傘みたいにできるし」

転校生「あー、そうだね。取りに行こうか」

焔「んじゃ、行って来る」

転校生「え、1人で行くの?」

焔「むしろお前がいても役に立たねーよ。いいから待ってろ」

焔(今の内に軽く体とか洗いてぇし)

転校生「それじゃあ、任せようかな。僕はちょっと寝てる・・・・・・zzz」

焔「早いな、おい。・・・・・・まあ、ずっと働き詰めだったしな。ありがとな」

今日のほむ日記。汗で蒸れ蒸れのありすの香りを思いっきり吸い込みたい。
二畳の部屋でありすと一日過ごしたい。
この状況でまだ我慢出来てる転校生君の理性はすげぇと思う。
ありすありあり(合言葉)

6月20日 雨

雨はまだやまない。だからアタシたちは今日も一日何もせず過ごすことになった。
あまりにも退屈だったから、いろんな話をした。なんでアタシのこと見捨てなかったのとか、すっげー恥ずかしい話もした。
話をしていて思ったけど、なんでこいつはそんなに見知らぬ他人のためにマジになれるんだろうな。
首を突っ込んだら面倒になるってわかってるはずなのに、それでも自分から突っ込みに行く。
損得なんかは二の次で、だけど自分が納得いくまでやりきる。そんなやつだから、アタシもいろいろ気を許しちまうんだろうな。

転校生「焔・・・・・・僕、もう我慢できない!」

焔「えっ、な、なんだよ・・・・・・」ドキドキ

転校生「おねがいだ!後生だから、なんでもするから!」

焔「・・・・・・・お、おまえがそこまで言うなら、その・・・・・・いい、けど・・・・・・」

焔(恩もあるし、こいつになら、うん。大丈夫)

転校生「ホントに!?ありがとう!それじゃあ・・・・・・」

・・・・・・

焔「・・・・・・」

転校生「あ~・・・・・・これだ、これ」ナデナデ

焔(なんだこれ!)

転校生「ごめんね、僕の我がままに付き合わせて。焔はこういうの嫌いだと思ったけど、どうしても・・・・・・ね」ナデナデ

焔「いや、なんだよこれ!なんでアタシ撫でられてんだ!?」

転校生「なんでって、僕が甘やかしたい欲を抑えきれなかったから・・・・・・かな」ナデナデ

焔「アタシの覚悟を返せ!この野郎!」

転校生「え、覚悟って?」

焔「・・・・・・クソッ!」

焔(わかってたよ!こいつはこういうやつだってな!)

ありす「てんこぅせぃさ・・・・・・だ、みつからな・・・・・・」

ありす「・・・・・・ぐすっ」

クレプリ「ありす、泣くなって。少年のことだ、どうせうまくやってるさね」

クレプリ「この前だって一緒に鉄腕ダッシュ観てただろ?人形棚も作ってもらったし、技術も知識もあるんだから大丈夫さね」

ありす「ぇも・・・・・・さびしぃ、よ・・・・・・」

クレプリ「ったく、ありすをこんなに泣かせるなんて罪なやつさね。戻ってきたらガツン!って言ってやらねえとな!」

クレプリ(それよりも心配なのは、少年が来栖とふたりっきりってことなんだけど・・・・・・)

クレプリ(若い男女、2人きり、んでこんだけ見つからねぇとなると恐らくクローズドサークル。何も起きないはずがないさね)

クレプリ(そんときありすにどう説明するか、どう宥めるかだな)

結希「・・・・・・」カタカタ

結希「・・・・・・」カタカタ

結希「・・・・・・」カチッカチッ

結希「・・・・・・天。そっちはどう?」

天「だめよ。全く見つからない。こんなことならアイツの体にGPSでも埋め込んでおくんだったわ」

結希「彼が帰ってきたら是非とも検討したい案件ね。楯野さん、目星はついたかしら?」

望「全く。さすがに日本国外にいるとかなったら手の出しようが無いぞ。太平洋のど真ん中の島とかな」

望「くそっ、なんであいつはボクを置いてどこかにいなくなるんだ・・・・・・ムカつく!」

ミナ「卯衣!もう休め!」

卯衣「いえ、ダメよ。転校生君を見つけるまでは、私は止まるわけには行かない」

恋「闇雲に探しても見つからんということは、言い換えるとそう簡単に見つかる場所にはいないということじゃ」

恋「卯衣、一度落ち着け。転校生のことじゃ、必ず生きておる。もしかしたら自力で帰ってくるかもしれんしの」

心「そうですよ!転校生さんも天文部の活動によく参加してくれてるから、最低限の自分の位置はわかってるでしょうし・・・・・・」

心「ああっ、でもこの部活天文部らしいことほとんどしてないし・・・・・・わ、わたしなんかが出しゃばってごめんなさいっ!」

卯衣「それでも、わずかでも可能性があるのなら私は行かなければならない。それが、今の私に出来ることだから」

ミナ「ダメだ!」

卯衣「部長がなんと言おうとも、私は」

ミナ「サーヴァントは、卯衣がそんなになってまで探すことなんて望んでない!」

ミナ「サーヴァントが今の卯衣を見たら、絶対悲しむから!だから、今は休んで」

恋「そうじゃの。卯衣、一度休むんじゃ。しっかり休んでから、また探せばいい」

恋「そんでもって、元気な姿で見つけてやらんと転校生も心配するぞ」

卯衣「部長、副部長・・・・・・それに、双美さんも。ごめんなさい、それと、ありがとう」

卯衣「一度休んで、頭を冷やしてくるわ」

ジェンニ「センパイ・・・・・・」

転校生「ただいま、ジェンニ。待たせたね」

ジェンニ「!?」

転校生「聞いたよ。もう何日もお風呂入ってないんだって?女の子がそんなんじゃだめだよ」

ジェンニ「・・・・・・ちがう。センパイじゃない」

転校生「えっ?」

ジェンニ「あなた、だれ?センパイのふり、ゆるさない」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

転校生「わーっ!自分ッス!服部梓ッス!」

転校生→梓「朱鷺坂先輩に魔法かけてもらってたのに、なんでそんなすぐ見破れるんスか!」

ジェンニ「・・・・・・ニンジャ?」

梓「そうッスよ。生徒会の方から一度部屋から出すように依頼されたんですよ」

梓「それで、ちょっとの間ならなんとなるかと思ったんですけど・・・・・・いやー、まさか一目でバレるとは思いませんでした」

ジェンニ「・・・・・・ぼく、センパイまってます。ここで、まってます」

梓「いやいやいや、一回外に出てくださいって。先輩もジェンニちゃんがずっと部屋でふさぎ込んでるって知ったら悲しんじゃいますよ」

ジェンニ「・・・・・・ホント?」

梓「ほんとッス。だから一回外に出ましょ?お風呂には松島先輩がいれてくれるって言ってますから」

ジェンニ「みちる・・・・・・モイ。いきます」

梓(いやー、今のところ見破られ率100%なんですけど・・・・・・自分、そんなに先輩のふり下手ですかね?)

梓(忍者としての自信なくしますわ・・・・・・)

焔「ルビー」

転校生「ビル」

焔「ルクセンブルク」

転校生「クール」

焔「ルート」

転校生「トロール」

焔「る、ルール!どうだ!」

転校生「ルシフェル」

焔「えっ、えっ、えっと・・・・・・ルーペ」

転校生「ペルー」

焔「ルンバ」

転校生「バール」

焔「留守番電話」

転校生「ワル」

焔「・・・・・・転校生お前って、性格悪いって言われないか?」

転校生「ドSとはたまに」

焔「だろうな!守谷とかが涙目になってるのよく見るしな!」

転校生「ほら、焔の番だよ。る、る!」

焔「・・・・・・ふっ」

焔「ルゴール(どうだ!これでいけるだろ!)」

転校生「ルミエール」

焔「」

焔「・・・・・・グスン」

転校生「!?」

今日はここまでで。こう、焔の頭を撫でるんですよ。膝の上に乗せて、優しく。
そうしてたら、最初の方は抵抗するんです。じたばたして、子ども扱いしてほしくないみたいに。
でも5分くらいすると大人しくなって、身体を預けてくるんですよ。さらに10分くらい続けると完全に顔が蕩けてるんですね。
そのタイミングで撫でるのをやめるんですよ。そうしたら「も、もういいのか?」って寂しそうな顔で言うんです。
「してほしいの?」って聞いたら「そ、そんなわけないだろ!」って強がるんですよ。で、そこでもう一度撫でるとすごく嬉しそうな顔をするんです。
そのまま続けてたらいつのまにか寝息が聞こえてきてですね、そのまま一日を終えるんです。
そして、翌日になったら顔を赤くした焔が「きょ、今日はいいのか?」って聞いてくるようになるんですね。
ありすありあり(合言葉)

6月21日 晴れ

昨日までの雨が嘘みたいな快晴だ。
さすがに3日もあんなところに篭ってたら気が滅入りそうだったし、よかった。
雨風で潮の流れが変わったおかげかいろんなものが流れ着いてたから、今日は食料集めがてら使えそうなものも拾い集めることにした。
基本はゴミばっかりだけど、その中ででっかい網を見つけた。これがあれば漁とか天日干しとかに使えそうだ。
転校生は鉄板みたいなのを拾ってきた。転校生に強化魔法をかけて、鉄板を無理矢理整形して即席のフライパン完成。これで料理の幅が増えた。

転校生「やっぱり、拠点をもうちょっと大きくして補強したい」

焔「個人的にはもう十分だけど」

転校生「寝るときだけならともかく、雨の日は四六時中密着っていうのはちょっとね」

転校生(僕の理性的な意味でヤバい)

焔「ああ、確かにそれはあるかも」

焔(昼間とかスッゲー蒸し暑かったし。やっぱ臭いも気になるし)

転校生「ってことでなんか使えそうなもの見つけたらなんでも持ってこようか」

焔「わかった。飯はどうする?」

転校生「あー、じゃあ適当に集めつつで」

焔「了解」

今日のほむ日記。部屋が広がるのはちょっと寂しかったりして。
ありす取れたぁぁぁぁぁ!!!!!
正直シルバーメダル底引きする気もあったから、4/5ぐらいで取れてよかったです。
小ポーションを1200、大ポーションを80ぐらい使ったかな。
途中で編成を変えて攻撃スキル持ちだけにしたら効率がすっごい上がった。最初からこうしてりゃよかったんだ。
カードエピの感想。ありすは尊い。
ありすありあり(合言葉)

6月22日 晴れ

あたまいたい。てんこまだ。もうむ

焔「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

転校生「外傷は特にないから破傷風とかの心配は無し」

転校生「疲れか、それとも食あたりか」

転校生「焔、水。飲める?」

焔「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

転校生「意識がほとんどない。これはヤバい」

転校生「焔、体起こすよ」

焔「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

転校生「ゆっくりでいいから、ちゃんと飲んで」

転校生「よしよし。体拭くよ。ごめんね」

焔「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・おにぃ・・・・・・ちゃ・・・・・・」

転校生「・・・・・・はい、終わったよ。寝かせるよ、焔」

転校生「・・・よっと。水汲んでこないと」

焔「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・いっちゃ・・・・・・や・・・・・・」

転校生「大丈夫、すぐに戻ってくるから。ね」

6月22日 晴れ

焔がダウンしてるので代わりに僕が。
連日の疲労が祟ったのか、あるいは食あたりとかなのかはわからないけど、今焔は大熱を出して倒れている。
今の焔を放って置くわけにはいかないし、つきっきりで看病している。
今のこの状況、清潔な布や食べやすく消化にいい食べ物を用意できない。それにここは夜寒い。病人にとっては最悪の環境だ。
なので、とりあえず布は僕のシャツを煮沸消毒して灰汁であらって乾かしてタオルがわりに。とりあえず勢いでやったけど、これが本当にあってるかどうかはわからない。
確か島の奥の方に解熱効果のある薬草が生えてたはずだから、後で摘んでこよう。これからは薬草のストックも用意しといた方がいいな。
家作りに夢中になって、衛生方面を疎かにしてたことを反省する。

今日のほむ日記と見せかけて転校生日記。多分日記は転校生がメモ的なのを持ち歩いてて、それに書いてるんだと思う。
私事ですが、留め具がいらない包帯にえらく感動しております。
周りに交通機関がない状態で足をグネって、20分くらいかけてたどり着いたファミマに売ってました。おかげで割りかしマシな状態で帰宅することに成功。
片足捻挫時は下り階段と下り坂が怖い。
ありすありあり(合言葉)

6月25日 曇り

しばらくダウンしてて書けてなかったけど、ここらで再開することにする。結論から言うと、まあ熱は下がった。
アタシがダウンした初日は転校生が代わりに書いてくれたみたいだけど、それ以外の日はあいつも看病につきっきりでそんな余裕なかったみたいだ。
そのおかげでアタシはこうして元気になったわけだけど、転校生のシャツがダメになっちまった。後家が燃えた。
寝込んでた間も、ずっと魔力を渡してくれてたから、体力はなんとかなったんだ。ただ問題は、アタシがそれを自覚してなかったってことだ。
元気になったことをアピールするために魔法撃ったら思ったよりも威力が出て・・・・・・燃えた。
ってことで今日は家づくり再開だ。こんどこそ本格的な家を作るって転校生が意気込んでるし、アタシはちゃんと食料を集めないとな。

ゴオオオオオオオ

転校生「・・・・・・」

焔「・・・・・・」

転校生「燃えてるね」

焔「・・・・・・」

転校生「キャンプファイヤーみたいに」

焔「・・・・・・」

転校生「・・・・・・」

焔「・・・・・・」

転校生「何か言うことは?」

焔「ご、ごめんなさい・・・・・・調子乗りました・・・・・・」

転校生「・・・・・・まあ、いいか。焔が元気になってくれたし、今日からは心機一転、一からやりなおそう!」

焔「・・・・・・」

転校生「掛け声は?」

焔「え?お、おー・・・・・・?」

転校生(かわいい)

転校生「さて、まずは骨組みからだ。風と雲の流れ的に、しばらく雨はこないだろうからじっくり作ろう」

焔「で、なにするんだ?」

転校生「レンガを焼く」

焔「へ?」

転校生「正確にはレンガっぽいものを。材料はもう集めてるんだ」

焔「手際いいなー、相変わらず」

転校生「魔法が使えないからこれくらいはね。日曜大工は割と女子受けするし」

焔「お前でもそんなこと考えるんだな」

転校生「正直女の子だらけの学校に転校ってなって胸がいっぱいでした」

焔「ぶっちゃけたな、おい」

転校生「あんまりほかの子には言えないけどね。秋穂とか幻滅させそうだし」

焔(むしろバッチ来いなんだよなぁ)

転校生「料理もできる!裁縫もできる!おかん系男子はモテるモテない関わらず女子からちやほやされるってウチの父さんが言ってたんだよね」

焔「ふーん。んで、今に至ると」

転校生「まさか無人島に来るなんて思ってなかったからね。ありがとうお父さん。あとヤヨイとか花梨とか梓とか」

焔「雑だな」

転校生「いやードラム缶くっそ便利だ。魔法とドラム缶があれば基本なんでもできる」

焔「窯、風呂、鍋、一応色々できるからな。鍋はちょっと無理があるけど」

転校生「だけどおかげで藻塩の生成量が格段に増えたしね。消毒にも使えるようになった」

焔「すっげー痛いけどな」

転校生「正に傷口に塩だね」

焔「うわ、面白くねー」

転校生「じゃあ焔なんか面白いことやってよ」

焔「へ?」

転校生「3,2,1、はい」

焔「モノマネ。煽られた守谷」

焔「へっ、ココイチの10辛?そ、そんなの余裕に決まってるじゃない!ツクを誰だと思って、なんで用意してあるのよ!あ、やめ、あっあにゃーーーーーっ!!」

転校生「無駄に再現度が高い!」

焔「精鋭部隊はこうでもしねぇと生き残れねぇんだ」

転校生「僕も月詠モノマネ仕入れとこっかな」

焔(多分それを守谷とメアリーの前でやるんだろうな)

イヴ「くっ、ここもそう長くは持ちませんか」

紗妃「冬樹さん、あきらめてはいけません。私たちに残された分はこれだけなんですから、死守しないと」

ノエル「そうだよ、お姉ちゃん。こんなところで諦めるなんて、お姉ちゃんらしくないよ!」

イヴ「ノエル・・・・・・」

紗妃「・・・・・・ちょうど1週間前から始まった、転校生さんの私物争奪戦。いつ終わりになるんでしょうか」

イヴ「わかりません。ただ、現状楠木さんとジェンニさんの二台派閥に別れていることが幸いですね」

ノエル「漁夫の利で手に入ったりするもんね。まあそればっかりやってるから狙われてるんだけど・・・・・・」

ピンポンパンポン

夏海『報道部より速報です。たった今、楠木ありすとジェンニ・コッコがお互いの所有物を共有することを承諾しました』

イヴ「!」

ノエル「じゃあ、これで・・・・・・」

夏海『よって、我々楠木派及びコッコ派は全ての転校生の私物を回収することをここに宣言します』

イヴ「なっ!?」

紗妃「そんな・・・・・・!」

ノエル「あたしたちに残ってるのは、このコップとシャツだけ・・・・・・これを取られたら・・・・・・」

イヴ「落ち着きなさい、ノエル。要は見つからなければいいの。改めて隠し場所を決めましょうか」

紗妃「そうですね。それじゃあ」

ありす「みつけ・・・・・・した・・・・・・」

ノエル「ひっ!」

紗妃「く、楠木さん?お願いです、これだけは見逃して―――」

ありす「・・・・・・れ、ぁげ・・・・・・す・・・・・・」

イヴ「こ、これは!」

紗妃「AA+級の代物、転校生さんの歯ブラシ!?こんな貴重なものを、どうして・・・・・・」

ありす「その、かわぃ・・・・・・ぉねが・・・・・・が、ぁりぁす」

イヴ「何でも聞きます!」

クレプリ「ん?今なんでもって言ったな?」

イヴ「え?」

今日はここまでで。おやすみなさい。
ありすありあり(合言葉)

6月26日 晴れ

そういや、アタシがダウンしてたときってどうやって飯食ってたんだろう。意識がもうろうとしてて覚えてないけど、なんとかして食わせてもらったのは覚えている。
正直まともに力が入らないから、物をかんだり飲み込んだりってのもしなかったはずなんだけど・・・・・・
ってことを転校生に聞いたら顔を赤くして教えてくれなかった。口移しでもしたのかよって聞いたら否定しなかった。マジかよ。
いや、いいんだけどさ。そうでもしなきゃアタシ多分死んでただろうし。ただ、なんか菌が原因とかだったらうつるかもしれないし、心配だ。

焔「なあ、転校生。今更ながら、お前ってムサシなんだろ?」

転校生「そうらしいね」

焔「じゃあさ、一時的にムサシになって海を渡ったりとかできねーの?」

転校生「どこぞの巨人じゃないんだから無理だよ。てか、割と大事なことを軽々しく言うね」

焔「そろそろレンガ焼くのに飽きて来た」

転校生「レンガを焼いては積み上げ焼いては積み上げ・・・・・・こうやって三匹の子豚の末っ子は生き残ったんだ」

焔「いや、豚は焼いてねーだろ」

転校生「まあ労働無くして対価なし。苦労せずに作ったものは壊れやすいし、これでよかったんじゃないかな」

焔「お前、あの家を苦労せずに作ったって言うのか」

転校生「あんなのちょっと木を汲んで葉っぱ被せただけだよ。楽々」

焔「やっぱりお前って頭おかしいわ」

今日のほむ日記。裏世界の卯衣が言ってた「転校生君と会ったことがある」発言は裏のムサシと化した転校生が人に戻った姿なのか、それとも表の転校生なのか・・・・・・
今回の間ヶ岾の話、仮に6歳児転校生とふーちゃんのやつが続いてたらふーちゃんがぶち切れ状態で戦ってるだろうから拘束に成功してそう。
ありすの出番が少なかったよ・・・・・・クレプリのあの服とか結局何なのかわからなかったし。そのうち説明が来る・・・といいなぁ。
ありすありあり(合言葉)

6月27日 晴れ

川辺の探索をしてたら、小さいカニを見つけた。意外とカワイイ。
そういや、スカーフェイスを倒して放心状態だったころに、我妻に何したらいいか聞いてみたら「ペットでも飼ってみたらどうですか?お魚とか」って言われたのを思い出した。
そういうわけでせっかくなので飼ってみることにする。転校生も余裕を持つのが大事だって言ってたし。
流れ着いてたビンを半分ぐらいで焼き切って、洗ってから砂利と水と水草を入れて完成。
転校生はこれをみてエマニュエルを思い出したらしい。誰だよ。

転校生「あっ、ヤシの実。オラァ!!!」ドカッ

焔「魔法使わせろよ。何のための魔法だよ」

転校生「病み上がりなんだし、あんまり使いすぎない方がいいでしょ。暴発するかもしれないし」

焔「うっ・・・・・・根に持ってんのか」

転校生「別にー?レンガ作りも焔がいないとできないし、家作るの楽しいし」

焔「楽しいのか?これ」

転校生「楽しいよ。今はまだ1Kの家しか作れないけど、いずれは1LDKを目指して・・・・・・」

焔「そうなる前に帰れる・・・・・・よな?」

転校生「さあ。まあ船が通る様子もないし、当分はこのままだよ」

焔「ああー、贅沢なのはわかってるけど、シチューが食いたい」

転校生「僕も山芋食べたい。・・・・・・待てよ、探せば自然薯ぐらいはワンチャンあるかも」

焔「どうやって掘るんだよ。あれって結構深くまで掘らないとだめなはずだけど」

転校生「拳で」

焔「お前の行く末が心配だよ」

今日のほむ日記。果たしてグリモアユーザーの中でエマニュエルを覚えている人は何人いるんだろうか。
何のことかわかったら、あなたは立派な同士です。
ありすありあり(合言葉)

6月28日 雨

ギリギリで完成しそうなところに雲行きが怪しくなってきたから、風の魔法を傘代わりにして急いで家を完成させた。
雨風がばっちり防げて作業用机と寝床のスペースもしっかりあるかなりしっかりした家だ。
念願のマイホーム完成祝いに今日はちょっと贅沢な飯になった。転校生がこの前海で激戦の末に手に入れたウツボを樹液と塩を合わせて作ったたれでかば焼きに。
タコを丸焼きにして香草っぽいので香り付けしたエセイタリアンとか、そりゃあもうこの無人島生活で考えられないくらい豪勢な飯だった。
割とこのままここで一生過ごせそうな気がしてる。・・・・・・帰れるのかな。それとも、一生コイツとここで・・・・・・

焔(ってなに書いてんだアタシ!くそっ、消せるもんがねぇ!)

転校生「ん、書き終わった?」

焔「わっ!見るな!見るな!」

転校生「え、いいじゃん別に」

焔「いいから!こうしてやる!」

転校生「ああ、黒塗りにしないで!インクが、インクが!」

焔「あっ、ごめん、つい・・・・・・」

転校生「まあいいけどさ。予備は後2本あるし」

焔「お前、よくクエスト中もそんなに持ち歩いてるよな」

転校生「余裕がある時は常にメモを取ってるからね。魔法の状態、使い方、癖とか観察しながら」

焔「え、じゃあアタシのもあるのか?」

転校生「うん。良くも悪くもグリモアの生徒って癖が強いから。ちゃんと各々を把握しとかないと指揮を執る時に困るから」

焔「へぇ。守谷もやってんのかな」

転校生「やってるよ。たまにお互いに見せ合ったりしてる。そういう時はちゃんと真摯になってくれるし」

焔「アイツも向上心は精鋭部隊一だしな。圧倒的に体力が足りないけど」

転校生「そこなんだよねぇ」

今日のほむ日記。エマニュエルは夏祭りで転校生がありすにとってあげた金魚の内の一匹の名前です。
残り二匹はアレクサンドルと転校生の名前。覚えている同志がいてくれて嬉しいです。
転校生がまた学校権力に独占されてる。香ノ葉がまたぐぬぬしてそう。
ありすありあり(合言葉)

6月29日 曇り

今更ながら、ふと転校生がいなかったらってことを考えてみた。いなかったらといっても、学園にじゃなくてここに一緒に来ていなかったら、だ。もし、アタシが1人でここに来てたなら・・・・・・。
まず拠点が作れない。少なくとも転校生が作ったみたいな立派なモンはむりだ。次に飯が淡白になる。料理なんて全然しないし、味付けにバリエーションなんてものができるとも思わねぇ。全部塩味だろうよ。
ここには雨宿りできそうな洞窟とかもないから、雨にはそのまま当たって、魔法を使ってもすぐに魔力が尽きて、体力も無くなって・・・・・・。
うん。改めて転校生の偉大さを思い知った。こいつがいないと、アタシは死んでたな。コイツはアタシがいなくてもなんだかんだ生きていけそうだけど。
もしかしてアタシって、今すごく立場が弱いんじゃ・・・・・・。

焔(落ち着け、アタシ。立場が弱いって言ってもアタシも一切役に立ってないわけじゃない)

焔(レンガを焼くのにも貢献したし、ドラム缶の加工もしたじゃんか)

焔(・・・・・・全部なんだかんだ一人でやりそうなんだよな)

転校生「焔、そろそろ火、消していい?」

焔「あ、うん」

転校生「うん。それじゃ、おやすみ」

焔「お、おやすみ」

転校生「・・・・・・?」

・・・・・・

焔(もし、転校生がアタシを見捨てたら、どうなるんだろう)

焔(そんなことないってわかってるけど、絶対にそうならないって言いきれない)

焔(アタシは、生活のほとんどを転校生に依存してる)

焔(そうなったら、アタシはもう・・・・・・)ギュッ

転校生「・・・・・・どうしたの?」

焔「・・・・・・寒い」

転校生「ん」

焔(・・・・・・砂上の楼閣っていうのかな、こういうの。意地だとかプライドだとか、全部捨てる時がくるのかもな)

絢香(拝啓、転校生くん。お元気ですか。私は元気です。あなたがいなくなってから、3週間弱が経ちました)

絢香(氷川さんを自陣に引き入れたありすちゃん一派は契約の魔法により生徒たちに転校生君の私物の奪い合いを禁止しました)

絢香(全ての生徒が平等になるように、転校生君の私物を分け合っています)

絢香(最近は、宍戸さんや如月さんが転校生くんの臭いを再現しようと精を出しているみたいです)

絢香(ただ、やはり本物には敵わないとかで苦労しているようですが・・・・・・)

絢香(こちらはなんだかんだうまくやれているような気がします。転校生君も、どうか無事でいてください。敬具)

絢香「ただ、心配なのは・・・・・・」

純「心配なのは?」

絢香「転校生君が来栖さんといっしょにいるだろうってことなんだよね」

純「そうよね。若い男女が二人きりで誰にも知られない場所にいるなんて、絶対途中で間違いが起こるだろうし」

絢香「転校生君の鋼の理性も、どこまで持つのやら」

純「もう致しちゃってる可能性、十分あるしね」

ソロソロホンバンデース

絢香「あ、撮影はじまるよ」

純「そうね、ちゃんとやらなきゃ。今は転校生たちのことは忘れる!」

絢香「そうだね。今はこっちに集中しなきゃ」

ありす「・・・・・・だ、みつから・・・・・・な・・・・・・」

聖奈「ああ。もちろん国軍やIMCも捜査してくれているが、いかんせん情報を漏らさないようにしないといけないのがネックになっているみたいだ」

クレプリ「こう、世界中にばばーんって探してくださいってできないのか?」

聖奈「そうしたいのはやまやまだが、それで見つけたのがキネティッカのようなテロリストだった、となる可能性がある」

聖奈「テロリストだけじゃない。世界中の科学者たちが転校生の身柄は欲しがっているようなものだ。あまり大々的にはできないんだ」

ありす「てんこぅせい、さ・・・・・・たぃへ・・・・・・」

クレプリ「やろうと思えばできるのに、やっちゃいけないってのはすごい歯がゆいさね」

聖奈「だが、必ず見つけるぞ。転校生も来栖もこの学園の生徒だ。私たち生徒会は生徒を守るための組織だ」

ありす「ぁたし、できること、なんでも、します」

聖奈「ああ。実際に生徒たちを宥めることにかんしてはずっと頼らせてもらっている。すまないな」

クレプリ「困った時はお互い様さね」

焔「・・・・・・この釣り竿も、アイツが作ったんだよな」

焔「アイツに出来てアタシに出来ない事。たくさん」

焔「アタシに出来てアイツにできないこと。魔法」

焔「最近、ヤシの実からたわしを作ってた。アタシには無理」

焔「風の魔法を傘代わりにする。転校生がいないと魔力がもたない」

焔「アタシが得意な炎の魔法も、ここじゃ大して役に立たない」

焔「魔法を使って物を加工するのだって、転校生から教えてもらった技術だ」

焔「・・・・・・ダメだ。全然釣れねーし、変なことばっかり考えちまう」

焔「いったん戻ろう」

転校生「あいてて・・・・・・まずいなあ、これ」

転校生「探索してたら崖で滑って落ちたなんて笑いごとにならないぞ。下が浜で助かった」

転校生「しかも落ちた時に足を捻ったし・・・・・・うわ、すっごい腫れてる。これしばらくは動かせないな」

転校生「今あるのは木の実がいくつか。それと枯れ枝と、ツルか」

転校生「腫れが引くのをまってから、泳いで拠点まで戻るか」

転校生「この感じだと、2日ぐらいあれば泳げるぐらいにはなるかな。焔の方は、まあ干物とか燻製とかあるし、大丈夫だろ」

転校生「いざとなったら一人でも魚取ったりできるだろうし」

転校生「とりあえず海水で冷やすか。気休めにしかならないと思うけど、やらないよりはましだろうし」

転校生「あとは、真水だな。なにかしら容器があれば確保できるんだけど・・・・・・っと、おあつらえ向きにペットボトルが」

転校生「これでなんとかなるかな・・・・・・ああ、足が痛い」

今日はここまでで。流石に寝ないと明日に響く。
ありすありあり(合言葉)

6月30日 晴れ

転校生が戻ってこない。多少時間が前後することはあっても、夜になっても帰ってこないなんて今までそんなことなかった。
もしかしたら、捜索中に怪我でもして動けなくなったのかもしれない。すぐにでも探しに行きたいけど、夜の間に行ったらミイラ取りがミイラになるかもしれない。
とりあえず明日の朝まで待って、転校生を探さないと。

焔「転校生ーーー!!どこだーーーっ!」

焔「くっそ、見つからねぇ!アイツ、今どこでなにしてんだ!」

焔「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

焔(そろそろ日が暮れるな。戻らないと・・・・・・)

焔「転校生・・・・・・どこだよ・・・・・・」

・・・・・・

焔「・・・・・・」

焔「今日も1人、か」

焔「ここに来る前はずっと1人で寝てたのにな」

焔「・・・・・・なんで、なんでこんなに寒いんだよ・・・・・・」

転校生「・・・・・・」

転校生「満潮、ギリか」

転校生「っぶねー!もうちょっとで否応なしに夜の海を泳がなきゃいけないとこだった!」

転校生「ヤバいヤバい。寝相は悪くない方だけど、このまま寝るのはちょっと怖いな」

転校生「足の痛みは大分引いてきてる。ここは自分の魔力量に感謝だ」

転校生「あとは、微妙に広いこの島をどうやって周って戻るか、だ」

転校生「・・・・・・月が綺麗だな。ああ、ありすに会いたい。ありすにうさ耳つけてもらってジェンニとさらとちひろも呼んでぴょんぴょん祭りしたい」

転校生「いや、したいじゃない。するんだ。焔にもやらせよう。浅梨も誘おう」

転校生「兎ノ助どうしようかなぁ。一応あいつも兎だし、呼んでもいいけど・・・・・・」

転校生「夏海の手配もしとかないと。最高の一枚を撮ってもらわないとね」

転校生「うおー!生きる希望が湧いてきたー!!!」

兎ノ助「くしゅっ!」

兎ノ助「なんだなんだ?誰か俺の噂でもしたのか?」

兎ノ助「・・・・・・・・・・・・」

兎ノ助「転校生か、焔か、どっちかがしてくれてたらいいのにな」

兎ノ助「・・・・・・まだ、見つからないんだよな」

兎ノ助「くっそ、俺が自由に動ける身だったらすぐにでも探しに行くのによ!」

兎ノ助「生徒会からくぎ刺されたしな。なにもできない自分が不甲斐ない・・・・・・」

兎ノ助「転校生ーーーーっ!焔ーーーーっ!早く帰ってこいよーーーーっ!!」

風子「気持ちはわかりますが、夜中にさけばねーでくだせー」

兎ノ助「あ、はい。すいません」

今日はここまでで。ぴょんぴょん祭りってなんだ。
ありすありあり(合言葉)

6がつ31にち はれ

おにいちゃんまだかえってこない。あたしはきょうもひとりでねます。わがままいいません。
おさかなおいしいです。ちゃんとカニさんにごはんあげなきゃ。いきものはだいじに。
いいこにしてたらおにいちゃんかえってくるかな。あしたもきっといいてんき。

転校生「よし、なんとか動けそうだ。日が昇って、潮の流れを見て戻ろう」

転校生「そろそろまともなごはんが恋しい・・・・・・焼き貝と木の実と塩水だけで過ごすのはもう勘弁だ!」

転校生「焔、泣いてないかなぁ・・・・・・泣いてないよなぁ」

転校生「さすがに寂しくて泣くとかそんなことはないだろうし。まあ苦言吐かれて終わりかな」

転校生「まあきっと心配はしてくれてるだろう。それぐらいの関係は築けてるはず」

転校生「あと、水浴びしたい。そろそろこのべたつくのがすごい気になる」

転校生「まあそれもこれも全部今日で終わりだ!」

転校生「待ってろよ焔ーっ!僕はもうすぐ帰るからなーっ!」

転校生「・・・・・・・・・・・・」

転校生「寝よう」

きょうのほむにっき。ほむほむにおにいちゃんって呼ばれたい。
間ヶ岾倒したけど、ジェンニはどうなったのか。帰ってないよね、まだ帰ってないよね。帰らないで。
ありすありあり(合言葉)

6がつ32にち はれ

おにいちゃんがかえってきた!あしがいたくてうごけなかったんだって!
ずっとさびしかったけど、がまんしてわがままいわなかった!そしたらおにいちゃんがなでなでしてくれた!
おにいちゃんだいすき!ずっといっしょだよ?

焔「おにいちゃ~ん!」

転校生「よしよし、ごめんね、寂しい思いさせちゃって」

焔「ううん、だいじょうぶ!ほむら、いいこだもん!」

転校生「これは・・・・・・」

転校生(いろいろとまずいものが・・・・・・)

焔「でも、もういなくなっちゃだめだからね?いい?」

転校生「うん、大丈夫だよ。ちゃんといっしょにいるから」

焔「えへへ~きょうはおにいちゃんといっしょにねるもん!」

転校生「そうだね、僕もゆっくり寝たいな」

転校生(とりあえず元に戻す方法はあとで考えるとして、まずは寝よう。体力を回復しないと)

ありす「はっ!」ピキーン

さら「はうっ!」ピキーン

ジェンニ「モイ」ピキーン

寧々「ありゃ?」ピキーン

クレプリ「なんだなんだ、どうしたんさね」

寧々「今、なんか変な感じが・・・・・・」

ありす「ぁたし・・・・・・ちの、ぁぃで・・・・・てぃ・・・・・・が・・・・・・」

さら「とられたような気がしますぅ!」

ジェンニ「センパイ・・・・・・ぼくいがいと、いっしょにねてる?」ユラァ

クレプリ「おおっと、ここはヤンデレスレじゃないんさね。それは抑えてくれ」

ジェンニ「・・・・・・?」

7月2日 晴れ

焔がまともな状態じゃないんで再度僕が。日付もわからないぐらいに幼児退行してるみたいだ。
日記を読み返したうえでの推察だけど、この無人島に来て焔は普段の生活とのギャップに苦しんでいたんだと思う。
その中でも、誰かに依存するっていう状況が今までの学園生活ではなかったから、どうしたらいいかわからなかったんじゃないか。
今回、その依存対象である僕がいなくなったことでさらにどうしたらいいかわからなくなってしまった。
この場合の依存は、心の支えみたいなものだ。それがなくなったことで、精神崩壊を起こしたんだと思う。
そこで、自己防衛として誰かに依存できる年齢まで精神を戻してしまったんじゃないか。
なんでも信じ切るほどの幼い年齢だったら、依存対象がいなくても「きっと戻って来る」っていう希望が支えになるんじゃないだろうか。
もちろん、僕は心理学とかに精通しているわけじゃないからこの推察が正しいとは言えない。
ただ、現状こうしておくことでこれから焔の治療方向を見極められたらと思っている。

焔「おにいちゃんおにいちゃん!みてみて!おさかな!」

転校生「おおー、さすが焔だ。おっきいのが釣れたね」

焔「がんばったよ!」

転校生「よしよし、それじゃあ釣りはこのあたりにして、暗くなる前にお水と木の実を取りに行こうか」

焔「うん!おててつないでー、いっしょ!」

転校生「うん、一緒だね」

焔「いっしょ♪いっしょ♪」

転校生(不覚にも萌えてしまった)

焔「えへへ~、あたしね、おっきくなったらおにいちゃんのおよめさんになるの!」

転校生「そ、そうだね。おっきくなったらね」

転校生(本格的になんとかしないと・・・・・・!)

転校生「・・・・・・精神崩壊、幼児退行・・・・・・」

転校生「おそらく防衛本能が働いてのものだから・・・・・・こんな感じの、どこかで見たような・・・・・・」

転校生「・・・・・・・・・・・・」

転校生「そうか。心か」

転校生「心も自己防衛のために、別の精神を作ってたはずだ。それでいこう」

転校生「まずは元の人格と今の人格を分断して、二重人格状態からだんだんと統合していけるように・・・・・・」

転校生「とりあえずその方向で進めよう。そうしよう」

転校生「しかし、まあ・・・・・・」

転校生「なんだかんだで13歳・・・・・・育ちは良くないとはいえ、抱き着かれるといろいろとヤバい」

転校生「僕の理性が保っている間に解決しないと・・・・・・!」

今日はここまでで。B76は風子と同サイズなので、実質高校生が抱き着いているようなものだよね。
今更ながら、[転寝]鳴子のエピで転校生は座学での成績が優秀ってことが語られましたね。
うのあので微妙に誤魔化してたようなこともあったけど、鳴子の皮肉じゃなかったらこれが公式設定になるはず。
グリモアでの座学が優秀っていうのがどのレベルなのかはわからないけど、少なくとも平均以上ではあるはず。
これは中等部とか後輩組につきっきりで勉強を教えるコミュが来てもおかしくない。
あとごちうさ再コラボおめでとう。約束通りまた行くことになりましたね。それとも向こうが来るのか。
どちらにせよ、楽しみです。
チマメ隊かわいい。
ありすありあり(合言葉)

ああああああああああああああああああっ!!!!
Windowsの更新プログラムで書きかけの状態で再起動しやがった!
おかげでデータ消えたよコンチクショウ!!
今から書く気力がないので、今日は更新なしで。
Fuck you Windows10

8月13日 晴れ

なんかここ最近のことをあんまりよく覚えてねぇ。このメモ帳も変に破れてるところがあるし。
不審に思って聞いてみたけど、答えをはぐらかされるし。なんか知ってるのに教えてないんだろうな。
でも、こいつが言わないってことはなにかしら理由があるんだと思う。その辺は汲んでやらないと。

焔「にしても、あっついなぁ」

転校生「8月だしね」

焔「おにいちゃんがうらやましいよ。パンツだけで過ごせるしな」

転校生「これは割と男の特権だと思ってるよ。裸サイコー!」

焔「うわ、露出狂かよ」

転校生「いやー今年の夏はさすがにジェンニもいるしパンツ一丁で過ごすことはないかなって思ってたんだよ」

転校生「別に露出したいわけじゃなくて、こういろいろとあるんだよ、男には」

焔「ふーん。まあ今年は下手したら国際問題に発展してたからな」

転校生「ジェンニが真似したら大変だしね」

焔「始祖十家の子供に裸見せるとかマズいだろうし」

転校生「えっ」

焔「えっ」

今日のほむ日記。そろそろ転校生君とジェンニちゃんのお風呂事情を公開してください。
ありすありあり(合言葉)

8月18日 雨

ずっと前からおにいちゃんが魚醤を作ってるんだけど、なんか見た目がすごく・・・・・・。
魚と塩を一緒に入れて放置しておくだけで醤油ができるらしく、なんかお得感あふれるけどグロイ。
熟成にはまだまだ時間がかかるらしく、刺身を食べられるのはまだまだ先になりそうだ。

焔「レンガの家、作っといてよかったなー」

転校生「前の家だったら吹き飛ばされてたかもしれないね、この風だと」

焔「時期的にやっぱ台風か?」

転校生「だろうね。となると、おそらくここは太平洋側にある日本の島・・・・・・だと思う」

焔「ま、わかったところでどうしようもないけどな」

転校生「船を作っても結局は陸地の方角がわからないと意味ないしね。東か北か、はたまた北西か」

焔「無謀な賭けに出るよりはここで大人しくしてた方が生存率高いだろ」

転校生「だね。まあ焦る必要はないし、ゆっくり助けを待とう」

焔「そうだなー」

焔「レンガの家、作っといてよかったなー」

転校生「前の家だったら吹き飛ばされてたかもしれないね、この風だと」

焔「時期的にやっぱ台風か?」

転校生「だろうね。となると、おそらくここは太平洋側にある日本の島・・・・・・だと思う」

焔「ま、わかったところでどうしようもないけどな」

転校生「船を作っても結局は陸地の方角がわからないと意味ないしね。東か北か、はたまた北西か」

焔「無謀な賭けに出るよりはここで大人しくしてた方が生存率高いだろ」

転校生「だね。まあ焦る必要はないし、ゆっくり助けを待とう」

焔「そうだなー」

心(拝啓、転校生さん。心ですぅ。助けてください)

心(今のグリモアの生徒たちは、完全におかしくなってしまっています)

心(いないはずの転校生さんがまるでそこにいるかのように振る舞う人が多数出てきているんです)

心(始まりは我妻さんでした。彼女・・・じゃなかった、彼が学園まで迷わずに来れたんです)

心(それを、彼は「先輩に連れてきてもらった」と言い張って、それからそれがどんどん広まっていって・・・・・・)

心(今では生徒の1/5が転校生さんの幻覚を見ています。その中には心さんも含まれます)

心(小鳥遊さんが「これは、来年以降3年3組に死者が紛れ込みますね。そんでさらちゃんが最初に死にます」って不吉なこと言ってるし・・・・・・)

心(もうわたしどうしたらいいかわかりません。どうか早く戻ってきてください。こんなことを祈ることしかできなくてごめんなさい)

卯衣「この状況に終止符を打たないといけないわ。私達は対策を取る必要があるわ」

あやせ「そうね~。このままだと、本当にみんなおかしくなっちゃいそう」

さら「みなさん、ちょっとこわいですぅ」

レナ「てんこー、いない、みな、おかし」

夏海「んで、ここに集められたメンバーの意味は?あたし自由に呼ばれて来たんだけど」

卯衣「小鳥遊さんが、こういうのに詳しいみたいだから集めてもらったの。私達が最適だって言ってたわ」

あやせ(なんだかわたし、ミナちゃんみたいな子とぎくしゃくしそう)

さら(わたし、ミナちゃんみたいな子にお見舞いに来られる直前に死んじゃいそうですぅ)

レナ(レナ、がっしゅく、いかない)

卯衣(何故だか私は窒息死しそう)

夏海(あたし、シャンデリアに押しつぶされながらも生き残りそう)

卯衣「とにかく、この状況を打開する方法を考えないといけないわ。みんなにも手伝って欲しいの」

あやせ「もちろん、わたしにできることならなんでもしますよ~」

さら「はいぃ!わたしもお手伝いしますぅ!」

レナ「レナ、がんばる!」

夏海「もちろん、あたしも協力するわよ!」

ありす「・・・・・・・・・・・・」

クレプリ「みんなヤバいさね。ありすは大丈夫か?」

ありす「紛い物なんかに惑わされるほどじゃないよ」

クレプリ「ならいいさね」

ありす「さらちゃん達がそっちについては対策してくれてるみたいだし、私たちは私たちがやれることをやらないと」

クレプリ「そうだな。もうすぐ完成なんだよな?」

ありす「うん。1/1転校生さん人形。細部までこだわって、音声は白藤さんが録音していたものを使って完全再現」

ありす「これで、なんとか落ち着いてくれたらいいんだけれど・・・・・・」

クレプリ「・・・・・・」

クレプリ(ありすもこの2ヶ月で変わっちまったさね。大きいグループをまとめるようになって、自身が付いたのかはっきり喋るようになった)

クレプリ(この姿、早く少年に見せてやりたいさね。転校生、ありすは立派にやってるぞ)

転校生「・・・・・・・・・・・・よし!」

焔「次はアタシか・・・・・・どこから攻めれば・・・・・・」

転校生「制限時間は30秒だよ」

焔「わかってるっての。おにいちゃん、いちいちうざい」

転校生「こういうのはプレッシャーが大事だって風紀委員長が言ってた」

焔「くそっ、落ち着けアタシ・・・・・・ここだっ!」

ガタガタガタガタ

ガシャーン

焔「ああっ!」

転校生「今のすごい風だったね」

焔「あ”ァ”!?」ダッ

転校生「ほ、焔!?」

焔「ッダロガケカスゥーーーーーー」

焔「ッスケガダラァーア!!」

転校生「すごい剣幕」

転校生「って落ち着け焔!風に怒ってもどうしようもない!」

焔「このまま、対消滅させてやる!ぶっ潰してやる!」

転校生「くそっ、台風の日にジェンガなんてやるんじゃなかった!」

今日はここまで。メロンに行ったらパロディだらけのクソマンガのパロディのクソマンガがたくさん置いてあって困惑。
お助け魔法少女か・・・・・・一番初期の仕様にもどしてチマメ隊が全力で殴ってくるようにならないかな。
スキー場にいる幼女と殴り合をしていたあの日が懐かしい。ところでマジカルクリエイトはいつ戻ってきますか。
ありすありあり(合言葉)

8月25日 曇り

こう拠点がしっかり整って、食料調達も安定してしまうと書くことがなくなってくるな。
おにいちゃんは新しい何かを作ろうとしてるみたいだけど、それがなにかは教えてくれない。
なんかまた土を集めてたけど・・・・・・何作るんだ?ていうかあいつは何を目指しているんだ?
って感じのことを訊いたら「素人は黙っとれ」って顔をされた。ムカつくからアタシも何か作る。
生活に役立ちそうで、今無い物・・・・・・洗濯機とか?

焔「いまんところ手洗いで十分・・・・・・ていうか、そもそも洗濯物が多く出ないから洗濯機を使う意味がない」

焔「思い出せ、アタシ。授業で三種の神器とか3Cとかやったはずだ・・・・・・」

転校生「それ全部機械だから作ろうにも作れないよ」

焔「え、マジで?」

転校生「三種の神器は電気洗濯機と電気冷蔵庫、そしてテレビ。3Cはクーラー・カラーテレビ・カーの三つだ」

焔「お前よくそんなの覚えてるな」

転校生「こう見えて座学は優秀なんだよ?あと持久力」

焔「おにいちゃんは持久力に関しては魔力量のおかげで人一倍あるしね」

転校生「それに、ありすとかさらとか寧々とかノエルとか、他にも後輩にいろいろ勉強を教えたりもしてるかな」

転校生「そうしてると自然と覚えているもんだよ」

焔「ふーん・・・・・・」ギュッ

転校生「ん、どうしたの?(幼児退行がぶり返したか?)」

焔「別に・・・・・・なんか、面白くないだけ」

今日のほむ日記。姉に恋人がいって弟にも恋人がいて僕には恋人がいませんが僕は今日も元気です。
姉の彼氏と顔合わせとかマジ勘弁。何喋ったらいいかわかんねぇ。小舅しときゃいいのか。
ありすありあり(合言葉)

8月31日 晴れ

焔「なあ、おにいちゃん」

転校生(さて、こう呼ばれ続けて2ヶ月過ぎようとしているけど、そろそろ元に戻さないと)

転校生(ていうか、微妙に治療失敗してこうなってるんだよね。マジでどうしたらいいんだ)

焔「なあ、聞いてるか?」

転校生(とりあえず、僕は焔のおにいちゃんじゃないよっていう事実を突きつけるのは何回かやった)

転校生(だけど「んなもんわかってるっての」で終わりだった)

焔「ねぇ、おにいちゃん?」

転校生(となると、あの呼び方は無意識なのか。意識してやってるとは思えないし・・・・・・)

転校生(いっかい疑問をぶつけてみたら変わるかな?なんでおにいちゃんって呼んでるのって)

焔「・・・・・・ひっぐ・・・・・・ぐすっ・・・・・・」

焔「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

転校生「!?」

焔「おにいちゃんがはなしきいてくれないぃぃぃぃぃ!!!!ふわぁぁぁぁぁぁん!!!」

転校生「ああ、ご、ごめん!ちょっと考え事してて、てかまたぶり返してるし!」

転校生「よしよし、焔。ちゃんとおはなし聞くからね。どうしたの?」

焔「ひっぐ・・・・・・えぐっえぐっ・・・・・・あのね、あのね」

転校生「よしよし、大丈夫だよ。落ち着くまでちゃんと待つからね」

焔「ほんと?」

転校生「ほんとだよ」

転校生(やべぇ、また1ヶ月かけて前の状態まで戻さないと・・・・・・)

焔「えっとね、あのね、おにいちゃんは、あたしのおにいちゃんじゃないでしょ?」

転校生「え、えっと(これどう答えたら正解なんだ!?イエスかノーかk、どっちがGood choiceかBad choiceなんだ!?)」

焔「わかってるよ。だけど、あたしがおにいちゃんってよんでるからずっとなやんでるんでしょ?」

転校生「う、うん」

焔「あたしね、おにいちゃんがいないとすごくふあんになるの。もしかしたら、おにいちゃんがあたしをすてちゃうかもって」

転校生「そんなことはない!絶対に!」

焔「うん、わかってる。わかってるけど、やっぱりふあんなの。だからね、ずっとおにいちゃんってよんでたんだ」

転校生「えっと?」

焔「おにいちゃんってよんでいれば、かぞくになれるかもって、おもってたの」

焔「かぞくだったら、いっしょじゃなくても、もどってくるから。そう、おもってたから・・・・・・」

焔「だけど、それがおにいちゃんにめいわくかけてたんだよね。ごめんなさい」

転校生「焔・・・・・・そっか。ごめんね、不安にさせちゃって」

転校生「・・・・・・うん。そうしよう」

焔「そうするって、なに?」

転校生「ここにいる間は、僕らは家族だ。兄妹だ。だから、今のままでいい」

焔「・・・・・・ほんと?おにいちゃんってよんでもいい?」

転校生「うん。もちろんだよ、焔」

焔「・・・・・・うん!改めてよろしくね、おにいちゃん!」

転校生「こっちこそ、よろしく」

焔(でも、なんかもやっとするのはなんなんだろ?)

軽く更新。ありすと家族になりたい。
そういや家族になろうよって歌があったような気がする。
ありすありあり(合言葉)

9月1日 晴れ

今日はおにいちゃんがいっぱい魚をとってきた。どうやら前々から石を砕いて磨いてたみたい。
「これで新石器時代突入だ!」って喜んでた。早速海に潜って魚を取りにいった。
結局磨いてたのはほとんど使わないで、素手で取ってきたみたい。今日のばんごはんはウツボの丸焼きだ。

焔「うまうま」

転校生「ウツボに勝てた・・・・・・これで僕は濱口に一歩近づいたんだ」

焔「次はどうするの?」

転校生「そうだな・・・・・・エイを狙うか」

焔「エイって、確か尻尾に毒針がなかったっけ?危ないよ?」

転校生「さて、智花の料理とエイの毒、どっちの方が強いと思う?」

焔「おにいちゃん・・・・・・苦労してるね・・・・・・」

転校生「コラボ先のチノちゃんには迷惑をかけたよ」ホロリ

焔「これからは、あたしも一緒に食べるからね」

転校生「被害が拡大するだけだ、苦しみは半分にならないんだ。だから、看病の方をしてほしいかな」

焔「うん、がんばる!」

転校生(かわいい)

今日のほむ日記。ウツボって食べたことない。どんな味なんだろ。
智花の料理VSエイ毒 ファイっ!!!!
ありすありあり(合言葉)

9月4日 雨

転校生のことをおにいちゃんと呼び続けてどれぐらい経っただろうか。アタシは相変わらずアイツの好意に甘えてばかりいる。
スカーフェイスのときも、その後も、今も。いつだってアイツはアタシを助けてくれるし、アタシはアイツに甘えている。
今更になって気付くなんてな。んで、今はそれから抜け出せなくなってる。これ、すっごい麻薬だな。
もうこれがなかったら、アタシは生きていけない。アイツがいなくなったら、すぐに発狂するんだろうな。
・・・・・・そういや、学園の奴らの中でアタシみたいになってるやつはいないんだろうか。

焔「今更だけどさ、今グリモアってどうなってるんだろうな」

転校生「んー、今も僕らを探し続けてくれている・・・・・・と思うよ」

焔「まあ、そうだろうな。・・・・・・いや、それだったらいいんだけど」

転校生「どうしたの?何か煮え切らないね」

焔「いや、なんでもないんだ。なんでもない」

焔(転校生に会えないと、やべーことになりそうなやつがすっげぇ思い浮かぶな)

焔(白藤とか桃世とか守谷とか白藤とか瑠璃川妹とか白藤とか)

焔「学園、まだ残ってるんだろうか・・・・・・」

転校生「不吉なこと言わないで!?」

イヴ「おはようございます、転校生さん」

秋穂「先輩、おはようございます!」

ノエル「・・・・・・お姉ちゃん・・・・・・」

春乃「秋穂・・・・・・」

龍季「やべーな。めちゃくちゃ広がってるぜ。もしかして、なんかの魔法にでもかかってるんじゃないか?」

春乃「催眠魔法、とか?そうだとしたら、アタシは魔法を使ってるやつを肉片にするまで止まる気はないけど」

ノエル「お姉ちゃん・・・・・・もう見てられないよ!お姉ちゃん!」

イヴ「どうしたの?ノエル」

ノエル「ちゃんと現実を見て!お兄さんは今学園にいないんだよ!まだ帰ってきてないんだよ!」

イヴ「何を言っているの、ノエル。さっき通ったばかりじゃない」

ノエル「お姉ちゃんこそ、何言ってるんだよ!お兄さんがいつ帰って来たの!?」

イヴ「そんなの、当然・・・・・・あれ?転校生さん、いつ?」

イヴ「あれ?あれ?あれ?おかしいわね、あれ?」

イヴ「あっあっあっあっあっあっ」

ノエル「お、お姉ちゃん?」

イヴ「・・・・・・・・・・・・」

イヴ「ノエル、あなたが何を言っているかわからないわ。転校生さんがいなくなった?そんなことあるはずないじゃない」

ノエル「お、お姉ちゃん・・・・・・」

龍季「・・・・・・ヤバいってレベルじゃないな」

春乃「今のところ、現実を指摘するのはダメね。さっさと転校生を見つけるのが一番手っ取り早い、か」

龍季「その一番手っ取り早いのが一番難しいんだよなぁ」

香ノ葉「葵ちゃん、ソフィアちゃん、おはよう」

葵「おはようございます、白藤さん!」

ソフィア「ぐっもーにん!」

葵「・・・・・・その、香ノ葉さんは転校生さんを見たりはしていないのでしょうか?」

香ノ葉「うん?いや、見てへんのよ。見えてへんって言ったほうがいいんかな」

香ノ葉「ダーリンがおらんのは確かに寂しいんよ。やけど、良妻っていうのは夫を信じて待つものなんよ」

香ノ葉「ダーリンは、絶対に戻って来る。だから、紛い物なんかにウチは負けないんよ」

ソフィア「香ノ葉さん・・・・・・」

香ノ葉「まあ、ダーリンが焔ちゃんといっしょにおるんは心配やけどな。あの子は絶対ダーリンのこと・・・・・・・」ブツブツ

今日はここまでで。イヴが今までに例を見ない狂い方をしている。
智花の料理、ニコ生で転校生を殺してなかったっけ・・・・・・?いや、記憶違いかも。
自分の過去作では死んでます。智花の料理は万能。
ありすありあり(合言葉)

9月8日 晴れ

やっともやもやの原因がわかった。アタシ、お兄ちゃんと家族になりたいんだ。
この島にいる間だけじゃない、ずっとずっと。この島を出てからも、いっしょに。
あと、兄妹ってのもいや。それじゃだめ。
アタシはこのままじゃいけないんだ。行動を起こさないと。口だけの兄妹じゃなくて、本当の、みんなが認めるような家族になるために。

今日のほむ日記。実はそろそろ最終回に近づいております。
智花の料理はオチとして万能。爆発オチぐらいには万能性のある素材となっております。
智花の料理でロシアンルーレット(当たりが1つ)をした・・・・・・くない。死にたくない。
望曰く鬼引きの転校生君は見事当たりを引き当てることができるのか。多分無理だろうな。
ありすありあり(合言葉)

12月24日 晴れ

今日はクリスマスだからとおにいちゃんがご飯を豪勢にしてくれた。この冬のクソ寒い海にわざわざはいって・・・・・・よくやるよ。
アタシはおにいちゃんが帰って来た時のためにドラム缶で湯を沸かしていた。我ながらいい湯加減を保っていたと思う。
そうこうしているうちに戻ってきたから、おにいちゃんには身体を温めてもらって、その間に下準備を。
ここで暮らし始めてもう半年、さすがにとってきたものの下ごしらえとか、軽く調理するぐらいならできる。
これからのためにも、もっと本格的にできるようにならないと。

転校生「焔、これなんだと思う?」

焔「何って、作りかけの魚醤でしょ?」

転校生「そう、確かに作りかけ・・・・・・だけど、正直十分味は出ています」

転校生「ってことで取ってきた鯛を使って刺身だ!ついでに混布締めも作るぞ!」

焔「おー」

転校生「ナイフナイフ・・・・・・これもさすがに切れ味が落ちてるなぁ」

焔「ずっと同じの使ってるし、ちゃんと洗えないしね」

転校生「いや、ちょいちょい錆は落としてるんだけどね。石灰使って」

焔「えっ、どうやって?」

転校生「石灰と水を混ぜてペースト状にして、ナイフに浸して、流れ着いてた歯ブラシでこすると取れるんだよね」

転校生「石灰って水に溶けないから、いい感じに研磨剤になってくれるんだ」

焔「おにいちゃんって時々すっごい主婦みたいなことするよね」

転校生「こんなこともあろうかと花梨からそういう系はいろいろ聞いてたから」

焔「あー、そっか。アタシも帰ったら里中にいろいろ聞かないとな」

ゆえ子「はっ!」ピキーン

千佳「どしたの?センセイ。なにか見えた?」

ゆえ子「今、確かに転校生さんが・・・・・・」

律「おいおい、センセイまで例の幻覚か?」

ゆえ子「いえ、ゆえが見たのはここにいない、孤島らしきところでたたずんでいる転校生さんたちです」

千佳「・・・・・・えっ!?それって、もしかして!」

ゆえ子「詳しい場所まではわかりませんが、確かに見えました。転校生さんと来栖さんが、仲良くレンガの家で・・・・・・」

律「れ、レンガの家?」

ゆえ子「・・・・・・・・・・・・」

千佳「センセイ?」

ゆえ子(この内容、言っても大丈夫なんでしょうか)

焔「いろいろ取って来たりとか全部任せちゃって悪いね」

転校生「いいよいいよ、これくらい。焔は今あんまり動かない方がいいからさ」

焔「まだ行けると思うんだけどなー」

転校生「だめだめ。専門家が今いないんだから、あんまり軽く見ちゃだめだ。軽い運動ならともかく、あの割と険しい道を歩くのは危険すぎる」

焔「そんなもんかなぁ」

転校生「そういうものだよ。それに、もう焔だけの体じゃないんだし」

焔「・・・・・・・うん」サスサス

転校生「そういうわけだから、狩りとか採集は男に任せて、奥さんらしく家でゆっくり待っててくれればいいよ」

焔「うん、わかった」

転校生(とはいえ、このままじゃマズいのも事実。あと7か月くらいか、それまでに助けがこないと・・・・・・)

転校生「とにかく、身重の女性があんまり身体を冷やすのは良くないよ。ほら、家で待ってて」

焔「うん、よろしくね」

転校生「任せて」

転校生「・・・・・・久々に、煙でもあげてみるか」

転校生「・・・・・・うーん、やっぱ煙が白いな。個人的には黒煙が上がってほしいんだけど・・・・・・」

転校生「あっ、そうだ。浜辺に流れ着いてるプラスチック製品。アレ燃やせばなんとかなるかも」

転校生「とりあえずいろいろ集めに行こう」

・・・・・・

転校生「よし!こんなもんでいいかな。あとは発煙塔っぽいのを組んで・・・・・・」

転校生「よし、焼く!燃えろ!」

転校生「・・・・・・焔いないから火力一気にあげれないや。まあ空気が乾燥してるから割かしつけやすいけど」

転校生「よーしよし、いい感じに燃えて来たぞ・・・・・・おらっ!プラスチック投入!」

転校生「このまましばらく燃やし続けよう」

転校生「頼む、これで気付いてくれ・・・・・・」

卯衣「!」

恋「どうしたんじゃ?卯衣」

卯衣「向こうに、何かが見えるわ。・・・・・・黒煙?」

恋「火事か!?ど、どこじゃ!わっちには見えんぞ!」

卯衣「かなり距離があるわ。おそらく、海を越えて・・・・・・越えて?」

卯衣「・・・・・・行かないと!」

恋「あ、卯衣!待つんじゃ!報告は・・・・・・わっちがしておくか」

恋「しかし、煙のう。やっぱりわっちには見えんが、海を越えてとか言っておったの。・・・・・・海を越えたところに煙?」

恋「・・・・・・もしや、転校生か!?遭難した転校生が救難信号をあげてるのやもしれん!」

恋「と、とにかく生徒会に行かねば!」

焔「ん、なんだあれ。黒煙?」

焔「おにいちゃんが上げてるのかな。こっちの方が遠くからでも見やすいかも」

焔「・・・・・・んー、でも船も何も見えないし、人工衛星から見えたりするのか?」

焔「陸地が見えない程度には孤島だから、対岸から見つけるのは絶望的だろうけど・・・・・・」

ズドン

焔「!?」

焔「な、なんだ!?何が落ちてきたんだ!?」

卯衣(半分)「・・・・・・・・・・・・」

焔「た、立華!?なんでこんなちっちゃく、お、おにいちゃーん!」

卯衣「ごめんなさい、転校生君。魔力を分けてもらって」

転校生「いやいやいや、助けに来てもらってる身だし、そもそも魔力譲渡に関しては気にしないでって前から言ってるだろ」

焔「マジでびっくりした。ちょうど目の前の数mぐらい先のとこにいきなり立華が降ってきたからな」

卯衣「ごめんなさい。焦っていて着地の事を考えていなかったの」

転校生「でもまあ、これで戻れるんだよね」

焔「やったね、おにいちゃん。でも、どうやって帰るんだ?」

卯衣「ええ。私があなたたちを運ぶわ」

転校生「・・・・・・」

焔「・・・・・・」

卯衣「どうしたの?」

転校生「いや、なんか想定してた帰り方と違うなって」

焔「こう、ヘリみたいなのでレスキューされるか、船とかで助け出されるかだと」

卯衣「ごめんなさい、誰にも知らせずに来てしまったの。副部長が一緒にいたから、おそらく生徒会に報告はしてくれていると思うけれど」

転校生「ていうか、運ぶって言ったって同時に二人は無理だろ?」

卯衣「二人ぐらいなら抱え上げられると思うわ」

転校生「あー、だめだめ。焔に負担がかかる」

卯衣「魔法使いは頑丈だから、ある程度なら大丈夫じゃないかしら」

転校生「いや、そうじゃなくて・・・・・・」

焔「アタシ、妊娠してるんだ。だから、あんま負担になるようなことしたくない」

卯衣「そうなのね、来栖さんは妊娠中・・・・・・」

卯衣「・・・・・・?????」

卯衣「・・・・・・・・・・・・」

卯衣「?」

転校生「ヤバい、卯衣が壊れた」

焔「お、おい、立華!戻ってこい!さっさと戻りたいんだって!」

卯衣「ごめんなさい、エラーが発生していたから処理をしていたわ」

転校生「まあ、見るからに」

卯衣「つまり、来栖さんは転校生くんの子供を孕んでいて、そのために負担のかかる行為は出来ない、そういうこと?」

焔「そうそう」

卯衣「わかったわ。なにか乗り物代わりになりそうな、籠のようなもので運べないかしら」

転校生「それなら、あー、ドラム缶が」

焔「ちょっと待て、それだと1人しか運べないだろ?ここに飛んでくるまでにあの大きさになってたってことは、転校生がいないと人を乗せての飛行なんかできないんじゃないか?」

卯衣「・・・・・・ドラム缶に二人同時に入るのは無理かしら?」

転校生「がんばればいけなくはない、かな?」

焔「これに二人で入るのか・・・・・・まあアタシの方が小柄だし、いけるだろ」

卯衣「それじゃあ、早速運ぶわ」

転校生「あっ、待って。一応ここに置いていける生活用品みたいなのを置いていこう」

焔「あー、アタシらみたいなのが出たら困るだろうしな」

卯衣「そういうことなら、私も手伝うわ。できることがあったらなんでも言って」

転校生「んじゃ、まずあっちのからあの家まで運んで・・・・・・」

今日はここまでで。次回、帰還後のいろいろ解決編。
何気に焔が妊娠した描写が出たのって過去SS全部含めても初じゃないか?
多分一番妊娠してるのは七撫。そんな七撫は今回まだ出てない。
ありすありあり(合言葉)

12月25日 晴れ

なんとかグリモアに帰ってくることができた。だから、この日記を書くのも今日で終わりだ。
これからやらないといけないことがたくさんある。まずは精鋭部隊からの除隊を、そして、花嫁修業ってやつか?
まあ花嫁ってレベルのモンじゃないのはわかってるけど。それでも、やらないといけない。
あとは育児に関する知識とかもちゃんと蓄えないとな。おにいちゃんばっかりに負担させるわけには行かない。
正直不安だらけだけど、アイツといっしょなら乗り越えられる。

焔「んー、やっぱベッドっていいなぁ。背中が痛くならない」

焔「おにいちゃんが簡易的なベッドとか作ってくれたけど、やっぱりどうしても限界があるしな」

焔「・・・・・・・・・・・・」

焔「・・・・・・だめだ。おにいちゃんが側にいないと眠れない」

焔「・・・・・・こっそり会いに行こう」

・・・・・・

焔「さーてと、ここだな」コンコン

焔「・・・・・・もう寝てるのか?まあいいや。合鍵もらったしそれ使おう」

焔「・・・・・・こ、これは・・・・・・」

転校生「zzz」

ありす「すぅー・・・・・・すぅー・・・・・・」

さら「んん・・・・・・」スヤスヤ

寧々「おにいちゃん・・・・・・ネネ、まだまだたべられるよ・・・・・・zzz」

ジェンニ「せんぱい・・・・・・」ウットリ

焔「・・・・・・・・・・・・」

焔「いや、わかってたけどさ。こう、もうちょっと節操ってものを持った方がいいんじゃないか?」

焔「てか、1人絶対に起きてるだろ。おい」ガシッ

ジェンニ「じゃましないでください」ギロッ

焔「邪魔はしねーよ、ただ・・・・・・」

焔「アタシも、そこで寝たいんだ。ちょっと寄ってくれないか?」

ジェンニ「わかりました」

焔(意外と素直だな。もっと強情かと)

ジェンニ「せんぱい・・・・・・」ウットリ

焔(あ、違う。こいつ転校生を見つめられたらなんでもいいだけだ)

焔(この歳にして悟りの境地に至ってんな。将来が心配すぎる)

風子「・・・・・・んー、まあ想定はしてましたけどね」

紗妃「想定していた、ってどうするんですか!転校生さんが手を出したとなれば、普通に犯罪ですよ!?」

風子「いちおー学園外のことですし、事態が事態ですし、校則の適応は難しい・・・・・・というかウチがしたくねーです」

風子「一応遭難中の報告書みたいな感じの日記を読ませてもらいましたけど、転校生さんずいぶんと我慢してたみたいですし」

紗妃「その我慢がしきれなかったのが問題じゃないんですか!?」

梓「いやいや、先輩は多分最後まで理性を保って抗ってたと思いますよ?これ見た感じ向こう側から行ったっぽいッス」

怜「いくら転校生が鋼鉄の理性を持っていようとも、来栖の方に同じだけの理性がなければ・・・・・・」

イヴ「強化魔法なんか使われたら、転校生さんに勝ち目はありませんしね。この場合、風紀委員として対処すべきなのはどちらになるんでしょうか」

紗妃「うぐっ、そ、そうですね。女性が一方的に被害者とは限りませんし、そもそも今回は害と言うべきかなんというべきか・・・・・・」

風子「厄介なのは、来栖がすでに妊娠してて産む気でいるってことなんですよね。過去には例を見ない事ですから、ウチもどうしたらいいのか全然わかりません」

風子「ってことで風紀委員は現状維持。上から何か言われるまでは大人しくしてましょー」

怜「わかりました」

梓「了解ッス!」

紗妃「はい、わかりました」

イヴ「わかりました」

風子「・・・・・・ところで、氷川と冬樹、あと服部はなんでマスクを?」

梓「先輩が半年使い続けた下着を細かく切ってマスクの中に入れたやつッス」

イヴ「楠木さんにもらいました」

紗妃「これで転校生さん分を補充してショックに耐えるようにと」

風子「・・・・・・しょっ引かれるべきはむしろアンタさん達ですね」

今日はここまでで。2月中には多分終わると思います。
ここはヤンデレスレじゃないのでジェンニがヤンデレになることはありません。
ありすありあり(合言葉)

エレン「・・・・・・まさか、二度もこれを見ることになるとはな」

焔「悪い。でも、ちゃんとけじめつけないといけないから」

メアリー「ま、腹に一物抱えたまんまじゃここにはいられねーしな」

月詠「それってギャグで言ってるの?」

メアリー「おう、笑えよ」

浅梨「えっと、これどういったらいいのかな。とりあえず、おめでとうございます?」

焔「まあ、変な感じだけど・・・・・・ありがと」

メアリー「おうおう、一発ヤってから随分素直になったじゃねーか」

焔「一回だけじゃないけどな」

月詠「ちょっと!そういうのやめてくれない!?」

エレン「これからどうする気だ」

焔「とりあえず、産む。んで、育てる。・・・・・・魔法使いとしての身の振り方は、考えないといけないけど」

エレン「そうか。お前がそう決めたなら、止めはしないさ」

エレン「・・・・・・この状況は、正直褒められたものではないだろう。だが、我々はいつでもお前の味方だ」

月詠「ひとりでいろいろやろうとしないで、ツクたちのことも頼りなさいよね!」

浅梨「私も、先輩の子供ならお世話してあげたいです!」

メアリー「ま、アタイがいろいろ可愛がってやるよ」

焔「お前ら・・・・・・」

エレン「元上司として、そして一人の友人として、祝わせてもらおう。おめでとう、来栖」

香ノ葉「恐れてたことが・・・・・・二番目に恐れてたことが起きてしまったんよ・・・・・・」

香ノ葉「うう、でもダーリンがそれを望むなら、ウチが祝わへんわけにはいかへんし・・・・・・」

香ノ葉「でも、でも!うう~~~!!!」

もも「二番目・・・・・・では、一番目は?」

香ノ葉「そんなん、もちろんダーリンが帰ってこーへんことなんよ!無事帰ってきてくれたから、そっちはもういいんよ」

もも「そ、そっか・・・・・・そうですよね。先輩たちが無事に帰ってきてくれたこと、まずはそれをお祝いしないと」

智花「よし!わたし、今からフルコースを作る準備をしてくる!今、わたしにできることでお祝いするの!」

香ノ葉「その意気やえ!」

香ノ葉(でも、さすがにこれは止めへんと・・・・・・)

もも(先輩たちが死んじゃいます!)

焔「くっそ、あいつら質問責めしてきやがって・・・・・・つ、疲れた・・・・・・」

秋穂「・・・・・・来栖さん」

焔「おまえは、瑠璃川、だよな。なんだ?」

龍季「ん?お、おい、なんだなんだ?」

春乃「止めるな」

秋穂「わたしは、先輩のことが好きです」

焔「・・・・・・」

秋穂「・・・・・・だから、先輩とずっといっしょにいたい。その気持ちは、誰にも負けないって思ってます」

焔(これから、こういうやつら全員としっかり向き合わないといけないんだよな・・・・・・)

秋穂「来栖さんは、どうなんですか?」

焔「・・・・・・正直、最初は、そうじゃなかった。他の奴らみたいに、あいつと仲良くする気もなかった」

焔「でも、あいつとクエストにいったり、いろいろしたりしてるうちに、あいつのことをだんだん知っていった」

焔「・・・・・・たぶん、そのころから少しずつ魅かれていったんだと思う」

焔「んで、今回のことで気づいた。アタシ、あいつが・・・・・・転校生のことが好きだったんだって」

焔「・・・・・・その気持ちが抑えきれなくて、今回の事が起きた。悪いのはアタシだ。アイツじゃない」

焔(そう、これがアタシの気持ちだ。だから、ちゃんと伝えないといけない。ちゃんと、ぶつけないといけない)

秋穂「・・・・・・違います」

秋穂「悪い人なんか、いません。人を好きになることに、悪いことなんてありません」

秋穂「来栖さんの想い、伝わりました。こんなことを言うのはおかしいかもしれませんが、それでも・・・・・・」

秋穂「先輩を、おねがいします」

秋穂「・・・・・・ううっ・・・・・・ひっぐ」

春乃「秋穂」

秋穂「おねえちゃん・・・・・・おねえちゃん!」

春乃「がんばったわね、秋穂」

秋穂「おねえちゃん、せんぱいが、せんぱいがぁ・・・・・・ひっぐ、ひっぐ」

秋穂「わたしも、せんぱいのことすきなのに、なのに、せんぱいはもう・・・・・・」

春乃「そうね、そうね・・・・・・」

秋穂「うわああああああん!!ずるいよ、ずるいよ!こんな、ちょっとだけのことなのに!」

春乃「そうね・・・・・・がんばったわね、秋穂。よく頑張ったわ・・・・・・」

虎千代「まあ、なにはともあれ、まずは無事でいてくれて、本当によかった」

転校生「すいません、心配をかけちゃって」

薫子「本当に心配したんですからね。ですが、こうして無事に帰ってきてくれたことで安心できました」

虎千代「まだいろいろと問題はあるみたいだが・・・・・・これから、どうするんだ?」

転校生「そうですね。まず、焔のこと。経緯はどうであれ、僕が妊娠させたのは事実です。また、焔が子供を産みたいというのなら、僕はその意見を支持します」

虎千代「わかった。お前たちがその気なら、アタシたち生徒会は全力でサポートをする」

薫子「その言葉を聞けて、よかったです。あなたのことですから、きっとそういうとは思っていましたけれど」

虎千代「なんにせよ、あまりにも前例がないことだ。色々と困惑するかもしれない。というか、正直アタシが困惑している」

虎千代「だが、生徒会はお前たちを守る。それは保証しよう。アタシたちは、味方だ」

転校生「会長・・・・・・副会長も、ありがとうございます」

薫子「我々が生徒会だから、というのももちろんありますが、それ以上にあなたへの恩は大きいのです。ですから、お気になさらずに」

虎千代「そういうことだ。できることがあったらなんでも言ってくれ。可能な限り対処する」

今日はここまでで。学園生の子はしっかり話せばちゃんとわかってくれる子たちだと思ってます。
話の通じない生徒がいないっていうのは、グリモアの魅力だと思います。
多分、転校生がいる限り病みからは一番程遠い作品なんじゃないかな。転校生がいる限りは。
転校生がいなくても、なんだかんだ支え合ってやっていきそうではありますけども。
ありすありあり(合言葉)

焔「んー、おかえりー」

焔「今日も一日お疲れ。あの子たちはもう寝てるよ」

焔「パパを待ってるーって言ってたけど、限界が来たみたいで」

焔「最近、帰り遅いけどなにかあったのか?」

焔「・・・・・・へぇ、部下がやらかした事後処理を。相変わらずだな」

焔「・・・・・・その部下って、女の子じゃないよな?」

焔「やっぱり!もー、なんでおまえはつくづくそうなるのか・・・・・・」

焔「もう諦めてるけどさ。それに、信じてるし」

焔「晩御飯、すぐ温めるから。座って待ってて」

焔「ん?あー、そういやそんなこともあったなー」

焔「無人島か・・・・・・懐かしいな。あのとき作った家ってまだ残ってるんだろうか」

焔「あー、そうだな、今度の休み、ちょっと行ってみるか」

焔「あの時はそんな気分じゃいられなかったけど、今はキャンプみたいな感じで行けるんだよな」

焔「んじゃ、用意しとくよ。平気平気、これでも精鋭部隊だったんだ。野営の準備ぐらい覚えてるって」

焔「期待して待ってるからな。ちゃんと休みとってこいよ」

焔「・・・・・・え?えっと、うーん・・・・・・・わ、わかった」

焔「お、おにいちゃん、よろしくね!」

焔「・・・・・・だあーっ!やっぱこれ恥ずかしい!なんだこれ!アタシよくあのときは何回も言えてたな!」

焔「さて、あのときは食材現地調達だったけど・・・・・・」

焔「今回はそういうわけにはいかないよな。アタシたちだけならいいけど、子供たちもいるし」

焔「んー、なにもってきゃいいだろ。とりあえずバーベキューの準備はしとくか」

焔「あと定番と言えばカレー。あそこの川がもう生きてない可能性を見越して水を大量に」

焔「あとは、朝飯用のパン買ってくか。魚醤がまだ残ってるから、出汁とかはそっち使えばいいだろ」

焔「あとは米。これは外せない。味噌、味噌どうしよう・・・・・・味噌汁、嫌だなぁ」

焔「んー、あとは・・・・・・まあ現地でなんとかなるか。魚とかは取り立ての方がおいしいし」

焔「あ、釣り具も買っていこう。エサは現地調達で、あとはあの人用に銛とウェットスーツか」

焔「・・・・・・魔法使いやってたころの貯金、まだ大分残ってるなぁ」

焔「一応家計簿はつけてるけど、支出を気にすることが無いのがなぁ・・・・・・」

焔「結城が聞いたらぶち切れそうなこと言ってるな、アタシ」

焔「にしても、あいつ資格いろいろ取りすぎだよなぁ。船舶免許なんかどこでとったのやら」

焔「自前の船とか持ってるし。IMCにいた時代に貯めこんだからってちょっといろいろ買いすぎな気がする」

焔「てか、正直一生働かなくてもいいぐらいは金持ってると思うんだけどなぁ」

焔「・・・・・・なんで働いてるんだろ?」

焔「やっぱあれかな。父親が働いてる姿を、子供に見せたいっていうやつかな」

焔「家も立派な一軒家だけど、デカすぎず小さすぎず。ローンは無し、一括現金払い」

焔「・・・・・・金銭感覚狂いそうだな。家計簿はこれからもちゃんとつけよう」

焔「さて、到着!長旅お疲れ様っと」

焔「おー、当時のままだ。多少蔦が這ってるけど、その程度だ」

焔「わりと日当たりが悪くない場所に作ったから、苔とかは生えなかったのか?」

焔「ま、これならちゃんと寝れるだろ。テント張らなくてよさそうだ」

焔「あ、ごめんごめん。とりあえず荷物おろさないと」

焔「今日から3泊4日の無人島生活だ。思いっきり羽を伸ばそう!」

焔「しかし、まあ・・・・・・船酔いのことは全然考えてなかったな」

焔「子供たちは両方ダウンしてるよ。しばらく寝るってさ」

焔「ってことでアタシは釣り用の餌を調達してくるよ」

焔「今回はまともな釣り具だからな!入れ食い間違いなしだ!」

焔「ついでに川の確認とか、野草とか探してくる」

焔「お前には・・・・・・これだ。銛、そしてウェットスーツ」

焔「・・・・・・言いたことはわかるよな?期待してるよ、おにいちゃん」

焔「お、いたいた。こいつだこいつ。これがいい餌になるんだよな」

焔「・・・・・・そういや、あの時は虫って食わなかったけど、魚がとれてなかったら食ってた可能性があるんだよな」

焔「・・・・・・・・・・・・」

焔「いや、考えるのはよそう。いざとなったら食えるけど、いざってときが来ないから食う必要はない」

焔「よし、水源の確認オッケー。あ、そうだ。灰汁を用意しておかないと」

焔「さすがにこの大自然に洗濯用洗剤を流すのは気が引けるし・・・・・・まあ灰汁なら前も使ってたし大丈夫だろ」

焔「・・・・・・あ、しまった。ドラム缶、持って帰ったんだった」

焔「やらかしたなー。お風呂どうしよう」

焔「・・・・・・おっ、いいのがあった。これだ、これを使おう」

焔「ポリバケツ。多少汚れてるけど、綺麗にすればいけるだろ」

焔「これにお湯いれて、水いれて温度調節すればいいかな」

焔「あいつらが溺れないように木組みの台も作っとくか」

焔「・・・・・・アタシ、影響されてるなぁ」

焔「おかえりー。おお、大漁だな」

焔「てか、もういくらか捌かれてるし。これ、まさか海中で?」

焔「よくやるよ。それが一番早い血抜きなんだろうけど」

焔「こっちも準備は出来てるよ。今日はバーベキューだ!」

焔「あの時と違って肉がある!まともな野菜もある!」

焔「ここでこんな大層なもの食うことになるなんて思いもしてなかったな。あのときは生きるのに必死だったし」

焔「あとは、取ってきてくれた魚を焼くのと刺身用にわけて、食うぞー!」

焔「あ、こら!それまだ火が通ってないから!ちゃんと焼いてから食べないと!ここ病院ないからな!」

焔「・・・・・・ふふっ、楽しいな」

焔「んー、星が綺麗だな」

焔「あの時はこんな時間まで起きてるなんてなかったし。次の日に備えてすぐに寝てたからな」

焔「こんな風に、砂浜にごろ寝して星を見るなんて、そんな余裕なかった」

焔「・・・・・・すっげぇ綺麗だな」

焔「・・・・・・なぁ」

焔「いろいろ、あったけどさ。アタシ、ここに来れてよかったって思ってる」

焔「多分、あのときここに来れてなかったら、お前とこんな風になるなんてことはなかっただろうな」

焔「自分が不器用だってわかってるから。不器用なくせに意地っ張り。だから、素直な感情をぶつけるってのが出来なかったと思う」

焔「んで、気が付いたらお前はもう手の届かないところにいるんだ。たまに、そんな未来もあったのかもって思うんだよ」

焔「・・・・・・アタシ、今幸せだ。だから、未来を憂うことはもうないよ。あるとしたら、あいつらがどう成長するかってぐらいかな」

焔「でも、ま。アタシと違って、ちゃんと素直に、いい子に育ってるし。多分大丈夫だろ」

焔「・・・・・・ねぇ、おにいちゃん」

転校生「ん、どうしたの。甘えたくなった?」

焔「うん。だって最近、ずっと甘えられてなかったもん」

転校生「いいよ。おいで」

焔「んっ・・・・・・」

転校生「相変わらず、焔はちっちゃいね」

焔「おにいちゃんは、ずっとおっきいまま」

焔「・・・・・・おにいちゃん」

転校生「なんだい?焔」

焔「アタシと、家族になってくれてありがとう。アタシに、幸せを教えてくれてありがとう」

焔「アタシを、ずっと見捨てないでくれてありがとう」

転校生「・・・・・・こっちこそ。数え切れないぐらいのことに、ありがとう」

焔「・・・・・・大好きだよ、おにいちゃん」


―アタシ、一生一緒にいるからね―

転校生「一生?それは違うよ、焔」

焔「え、ど、どういうこと?」

転校生「焔には、僕と同じ墓に入ってもらうんだから。一生なんかじゃ短すぎる」

焔「・・・ん、そうだったね」

転校生「さ、そろそろ寝よう。おやすみ、焔」

焔「うん、おやすみなさい」

TRUE END ずっと一緒

これにて今回の話は終了!
今回の反省点として、ありすの出番がかなり少なかったことをなんとかしないといけませんね。
3月中は結構忙しいので、長いのは書けないかも。時間があれば短編みたいなのを書きます。
ほぼ丸々一か月お付き合いいただきありがとうございました。
ちょっと長い休憩みたいな感じになるけど、まだまだSSは書き続けますのでまた見かけたら読んでやってください。
そんな感じで今回は次回作安価は無しです。最近ぐだり気味だったし、初心に戻って書きたいものをしっかり練ってから書こうと思います。
それでは、また会いましょう。

合言葉は
ありすありあり(合言葉)

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