ありす「イタリアンをマスターします」 (21)

ありす「前回のは偶然です」

ありす「私だってきちんと作れば、イタリアンだって作れます」


ありす「……」


ありす「でも、念には念を入れましょう」

ありす「転ばぬ先の杖ともいいますから……」



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ありす「でも、誰に聞いたらいいんでしょうか……?」

ありす「Pさんは驚かせたいので、知られたくないですし……」

ありす「お料理が上手な人……」

ありす「特に、イタリアン……」


早苗「呼んだ?」

ありす「!?」

ありす「え?早苗さん?」

早苗「その表情はどういうことなのかなー?」

早苗「『この人だけはダメっぽい』って顔じゃないかな?ありすちゃん?」

ありす「いえ、その……そういうわけでは……」わたわた

早苗「お姉さん心外だなー……」

ありす「でも、早苗さん料理できるんですか?」

ありす「そういう話を聞いたことが無いんですが……」


ありす(むしろ、反対の話を聞いたことならあるんですが……)

ありす(楓さんと早苗さんで圧力鍋を爆発させたとか……)

早苗「まぁ、そんないろいろ作れるわけじゃないけどね」

早苗「イタリアンだけは別なのだよ……」にやり

ありす「!」

早苗「イタリアン……」

早苗「トマトと香辛料のハーモニー」

早苗「とても、とても奥が深いイタリアン……」

早苗「一時期はあの味を求めて、研究の毎日を過ごしたことだってあるんだよ。ありすちゃん?」

ありす(なんでしょう、この自信は……)

ありす(何故だか、いける気がしてきました……!)

早苗「P君を見返したいんでしょ?」

ありす「!」

早苗「私がたどり着いた秘伝、ありすちゃんにも伝授しよう……」

ありす「お、お願いします……!」

ありす「それでは食材のを買いにいきましょう」

早苗「甘いよ、ありすちゃん」

ありす「?」

早苗「どうせなら徹底的にやらなくちゃ……」

ありす「徹底的に、ですか?」

早苗「そう」

早苗「食材からこだわって究極の一品をP君に……」

ありす「究極の…一品…」ごくり

早苗「それに、私ならいちごだって活かせるよ」

ありす「!」

早苗「やる気になってきたみたいだね♪」

早苗「それじゃあ、いこうか♪」

ありす「は、はい!」

---

ありす「随分、遠くまできましたね……」

早苗「ここなら、申し分はないと思うよ」


ありす「あ、看板が見えてきました!」

『及川牧場』


早苗「まずはここで食材の調達だ!」

早苗「雫ちゃーん!おじゃまします!」

雫「あ、二人ともついたんですねー」

ありす「おじゃまします」

雫「もう、準備はできてますよ?楽しんで行ってくださいねー♪」

ありす(及川さんの牧場ってことは、牛乳でしょうか……?)

ありす(チーズやバターも作れそうですし……)

ありす(早苗さん、意外と抜かりないですね……)

雫「ありすちゃん、難しい顔してどうしたの?」

ありす「い、いえなんでもないです」

早苗「それじゃあ、いこっか♪」どたぷーん

ありす「……」

雫「はい♪」どたぷーん

ありす「……」さわさわ

ありす(ついでに、お二人の胸でも絞ったらいいと思います……)

ありす「?」

ありす「あの……」

早苗「ん?どうしたの?」

ありす「牧場から離れちゃうんですか?」

早苗「ああ、そういうことね」

雫「着いてからのお楽しみですよー♪」

雫「到着しましたー♪」

早苗「うわぁ、これは見事だね」

ありす「綺麗なトマトがこんなにいっぱい……」ぱぁぁ

雫「売り物じゃないんですけど、家の家庭菜園みたいなものです♪」

雫「もちろん、無農薬有機栽培でこだわってます♪」

早苗「さすが農家……。家庭菜園が本気すぎる……」

ありす「こ、これ本当にもらってもいいんですか?」

雫「大丈夫ですよ♪」

雫「Pさんのためにお料理、協力します♪」

ありす「べ、別にPさんのためなんかでは……。ただ、見返したいだけです」あせあせ

雫「♪」

早苗「見て、見てこれ!すっごいよ!」

ありす「あ、早苗さん!抜け駆けはずるいです!」たったった

ありす「たくさん採れました」にこにこ

雫「喜んでもらえてよかったですー♪」

雫「じゃあ、次は牛さんに会いにいきましょー♪」どたぷーん

早苗「おー♪」どたぷーん

ありす「……もうここで絞ればいいんじゃないでしょうか」ぽそり

雫「何かいいましたかー?」

ありす「い、いえ、何も」

雫「はい♪お待ちかねの牛さんですよー♪」

早苗(ありすちゃん。で、でかいよ……!)ぽそぽそ

ありす(は、はい。予想を超える迫力です……!)

牛「ンモォォォォォオオ!」

ありす「ひ、ひうっ」びく

雫「花子が『こんにちはー』って言ってます♪」なでなで

ありす「は、花子さん。よろしくお願いしまふ」ガチガチ

早苗(口まわってないよ、ありすちゃん……)

ぎゅっぎゅ

ありす「なかなか難しいんですね……」

早苗「こうかっ!」

雫「あまり乱暴にしないであげてくださいね……」

早苗「ごめん、ごめん。つい力が……」

ありす「あ!ちょっとコツわかってきました」ぴゅっ

早苗「おおぉ」

---

早苗「というわけで……」

ありす「牛乳も無事ゲットです!」

雫「おめでとうございます♪」

早苗「あと、雫ちゃん。例のものを……」

雫「はい♪」どさっ

ありす「早苗さん、それは?」

雫「お肉ですよ♪」

雫「私が毎日お世話したみんなの……」

ありす(早苗さん!及川さんの目が……!)

早苗(農家さんは慣れてるとおもったんだけどなぁ……)

雫「美味しく食べてあげてくださいね♪」

雫「くれぐれも……」

雫「無駄遣いしちゃいけませんよ……?」


ありす・早苗「は、はいぃぃ!」

---

早苗「というわけで、材料確保だ!」

ありす「及川さんの目が……。夢に見そうです……」ぷるぷる

早苗「……ありすちゃん。忘れよう」

ありす「……はい」

早苗「それじゃあ、気を取り直して次の食材だ!」

ありす「はい!」

---

ありす「それで……、ここはどこです?」

早苗「美味しい料理には美味しいお水が必要なのだよ、ありす君」

ありす「いや、誰ですか。それは……」

早苗「というわけで、お水を汲みにやってきました!」

早苗「そして、ここではこの方を呼んでみました!」

藍子「私、なんで呼ばれたんでしょうか……」

早苗「いや、何というか。ほら……」

早苗「ゆるふわ系で森ガールっぽいし……」

早苗「山とか登ってそうだったから、いけるかなーと……」

ありす(やっぱり、この人テキトーですね……)

早苗「それじゃあ、出発だ!」

コオオオォォオォ

ありす「これは……」

藍子「結構険しいですね……」

早苗「まぁ、場所の把握はできてるし……」

---

ガラガラっ

藍子「きゃあ!」

早苗「藍子ちゃん!」がしっ

早苗「ファイトォォォォ!」

藍子「え、えっ!?」

早苗「早く、早く!」

藍子「い、いっぱあああつ?」

早苗「よし!それでこそパッションだ!」

藍子「ありがとうございます……?」

---

早苗「というわけで、水汲み場だよ!」

藍子・ありす「はーはー……」

早苗「ふたりとも、若いのに情け無いぞー!」

ありす(早苗さんと一緒にしないで貰いたいです……)ぽそぽそ

藍子(さすが、元警察官ですね……)ぽそぽそ

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