ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!」 キョン「驚愕、だな」 (80)













                        「久しぶり―――」














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β

部室


キョン「あ……あぁ……」

ハルヒ「冬に別れて、春に再開するなんて出来た物語ね!! ホントに!!」

古泉「春は出会いの季節とは、よく言ったものですね」

キョン「……あ……あ」

朝比奈「あっ、再会記念にちょっといいお茶入れましょうか?」パタパタ

長門「茶菓子も希望する」

キョン「…………ぁ」

佐々木「や、久しぶり親友。僕にとっても、おそらくキミにとってもね」

キョン「…………」

ハルヒ「……」

佐々木「……」

朝比奈「あ、古泉くんそこの棚の取ってもらってもいい?」

古泉「これですか? はい、どうぞ」

長門「あれ」ピッ

古泉「はい。これはまた美味しそうなお菓子ですねぇ」

キョン「…………」

ハルヒ「……」

キョン「……………………」

キョン「……あぁー」

ハルヒ「なんか言いなさいよ!!!?!?!?!!!? 結構待ったわよ!!?!?!?!?」ガーン!!

佐々木「まあまあ、無理もないよ。さすがのキョンも茫然自失のようだ。珍しい」


キョン「…………ハッ!?」ビクッ!!

ハルヒ「わっ! やっと正気に―――!?」ガシィ!

キョン「ハルヒ!? ハルヒなのか!!? お前は誰だ!? 誰なんだ!!?」ユサユサ!

ハルヒ「ちょ、ちょっと! こら! 離し、キョン!!」

古泉「落ち着いてください」

長門「冷静になって」

キョン「……古泉!? 古泉なのか!!? お前……死んだはずの古泉!!?」

古泉「そうです、古泉で……えっ!!? そっちの世界でどうなってるんですか僕!!!?!?」ガーン!!

ハルヒ「(あっ、余裕取り戻してきてボケてきてるわねこれ)」

キョン「長門……お前は……」

長門「宇宙人ではない方の、長門有希」

キョン「……そうか」

朝比奈「はい、キョンくん。これ飲んだら落ち着きますよ」ニコッ

キョン「……朝比奈さんの、お茶だ」ゴク

朝比奈「えへへ。あれからすっごい練習したんですよぉ」

キョン「……やっぱり、ここは……この世界は」

佐々木「ようやく認識したかな? やあキョン改めて久し―――」

キョン「っ佐々木ぃ!!? お前、お前! お前ぇえぇえええええ!!!」ピョーン!

ハルヒ「なあっ!? 飛んだぁ!!?」

佐々木「……くつくつ、ならば全力で冗談に付き合うとしよう」パアァ!

ハルヒ「あ、あれは! あたしがふざけてセクハラする時に放たれるヤツ!!!?」クルッ

キョン「なんだそれハルヒお前それ後で詳しく聞かせ―――!!」

佐々木「ついでに、少し記憶も飛ばしておこうか―――!」






チュドーーーーン!!!!!!!!


キョン「…………ハッ!?」

佐々木「おはようキョン。調子はどうだい?」

キョン「…………俺はd」

ハルヒ「記憶失ったフリはいいから。ボケる余裕あんならそこ座って話聞かせなさい」

キョン「……ああ」ガタッ

キョン「…………」ソワソワ

ハルヒ「それで―――」

キョン「ダメだ、落ち着かん!」ガタッ

ハルヒ「ちょ、5秒も座ってなかったけど!!?」

キョン「……わ、罠か!? もしかしてこれは罠なのか!!? ご、ご都合主義すぎるだろうが!」ガタガタ!

ハルヒ「何言ってんのよ! どんだけ疑心暗鬼なのよ!! そんな心配ならあたしたちの頭ん中覗けばいいじゃないの!」トントン!

朝比奈「えっ、そ、それは恥ずかしいですよ!」

ハルヒ「ほらキョン! みくるちゃんが見られると恥ずかしいこと考えてるわよ!!」

朝比奈「ちちち、違いますっ!!」

キョン「ぐ、ぐおぉおぉおおぉおおっっ!! 超、見てぇえ……!」グヌヌ

古泉「……もしかして、彼は」

佐々木「ああ、予想してた通りさ。キョン、キミは今、力を失っているね?」

ハルヒ・朝比奈「「えっ?」」

長門「……」

キョン「…………そうだ。今も戻ってねぇ。だからあの闇の中から出られたのは俺の力じゃないんだろう」

ハルヒ「闇? あんたどんなとこにいて……いや、そんなことより! あんたをこの世界に引き込んだのはあたしたちよ!!」

キョン「…………教えてくれ。何故俺がここに来たのかを」

ハルヒ「ふんっ。こっちの方が聞きたいことだらけだけど、仕方ないから教えたげるわ!」

予告なしの新スレか!


キョン「何故俺があんなところにいると知り、こっちの世界に引っ張ることができたんだ?」

ハルヒ「どうしてあんたがいると分かったって? そんなのあんたが一番分かってるでしょ?」

キョン「はぁ……?」

ハルヒ「分からない?」

佐々木「みんな、聞こえたんだよ。キミの声が」

キョン「!」

朝比奈「聞こえました!」

古泉「ええ、それもはっきりとね」

長門「あなたが、呼んでいた」

キョン「……俺の、声が?」

ハルヒ「『黒龍よ!! 我が身を食らいて―――』」

キョン「んなこと言ってねぇ!!! 敵か!!? 敵なのか!? お前ら!!」ガタッ!

ハルヒ「……なんか面白いわね、これ」

佐々木「一理ぐらいはあるかもだけど、話しが逸れるからやめよう」

長門「『ここにいる』と聞こえた」

キョン「っ!」

朝比奈「とっても、必死な声でした。すぐ助けなきゃって思うほどの……」

古泉「皆、想いは一致していましたよ」

ハルヒ「ふふん! 団長の務めとしては? やっぱり助けを求める団員はほっとけないって言うか―――」

キョン「だんぢょぉぉおぉおぉおおうぅぅうぅうぅううう!!」ガバッ!!

ハルヒ「腰に抱きつくのはやめなさいっっっ!!!!!! 感激してるのは分かるけど、ええい!! 邪魔ったい!!」ゲシゲシ!

キョン「グスン……ちゃんと、届いてたのか」

朝比奈「届いてましたよ。みんなに。こっちの世界ですけどね」エヘヘ

キョン「あざひなざぁぁぁああぁぁあぁあぁぁあぁぁん!!!」

ハルヒ「だからすぐ泣く、どさくさに紛れてみくるちゃんにも同じことしたら……またあそこ閉じ込めるわよ」ギロッ

佐々木「もう一度ぐらいなら開けられるかな?」

キョン「はい、すいません」


キョン「……開けた、ってことは、佐々木お前が……?」

佐々木「結果的にはね。こんなに上手くいくなんて普通ならありえないよ」

佐々木「無限に広がる時間軸、空間軸から特定の、キミがいる異空間をこじ開けられるなんて最早確率では説明できない」

佐々木「いくら僕の『力』とは言え、ここでは万全でないし万能ではないからね」

キョン「あぁ、そうだったな。こっちのお前の力はハルヒの『力』が元だもんな」

佐々木「だから、運命とか奇跡と言った方が適切なのかもしれない。随分ロマンチックに聞こえるけどね」

ハルヒ「ホントホント! 声だけ聞こえるもんだから、とりあえず校内一瞬で回っちゃったわよ」

朝比奈「残像が見えた気がします……」

キョン「…………」

長門「……皆、あなたのことを助けたかった」

キョン「長門…………ああ、身に染みているよ。みんな!」

キョン「……助けてくれて、俺の声を聞いてくれて……本当に!」

キョン「ありがとう!!」ペコ

ハルヒ「……ふん。あったり前よ! なんてったってあんたとの再会はSOS団の至上目的なんだからね!」

朝比奈「はい!」

長門「……よかった」

古泉「当然のことをしたまでです。尤も、一番の功労者は―――」

佐々木「みんな自分の出来ることを精一杯やった、一番なんてないさ」

古泉「……ええ、仰る通りです」

キョン「おい、ハルヒ。さっきの詳しく聞かせろの件だけどな……」コソコソ

ハルヒ「ちゃんとそれも覚えてんのね……まぁいいわ、聞かせてあげ―――」

佐々木「二人なら、どんな世界でも寂しくないと思うんだけど、どうだい?」

キョン・ハルヒ「「とんでもない。すいませんでした」」


佐々木「さて、そちら側の話も聞きたいところだけど、冷めない内に、みくるさんのお茶を飲みながらにしようか」

キョン「ああ、そうだ…………ん?」

佐々木「おや、これは不思議探索の時に僕と有希さんと一緒に買ったものかな?」

朝比奈「分かりますか? さすがミラさん!」

キョン「……んん??」

佐々木「香りがいつもと違ったからね。そうだ一樹くんアレを……」

古泉「ええ、準備していますよ。彼との再開に役立つかもしれないと集めた資料ですね」ドサッ

佐々木「流石は副団長。団長として鼻が高いよ」

キョン「……えぇ?」

ハルヒ「ミラっ!! 聞き捨てならないわね!! SOS団の団長はあたしって言ってるでしょ!!」

佐々木「『世界を盛り上げる佐々木の団』なのに僕が団長でないのはおかしいじゃないか。ハルヒさん」

ハルヒ「そこがまずおかしいのよ!! 『世界を盛り上げる涼宮ハルヒの団』でしょ!!」

キョン「…………なんか」

古泉「どうかしましたか?」

キョン「あいつ、馴染みすぎてねぇ?」

古泉「あぁ、ミラさんですか?」

キョン「それだよ。なんでミラなんだよ? 前の偽名じゃなくて佐々木でいいだろうよ」

古泉「本人たっての希望ですから。彼女が下の名で僕たちを呼ぶのも、より親密になりたいという理由でしたし」 

古泉「ああして誰にでも男言葉で話すことに統一したのも彼女の考えあってのことでしょう」

キョン「あいつがねぇ……」

古泉「あなたの彼女へのイメージがどのようなものかは分かりかねますが、僕から言いますと」

古泉「ミラさんは、随分と人間臭い方ですよ。失礼ながらね」

キョン「…………そうかよ」

佐々木「どさくさに紛れて今ナニをしようとしたか白状してもらおうかな?」ニコ

ハルヒ「む、胸揉もうとしただけ……っ! は、白状したから……卍固めはヤメテ……」ギギギ

キョン「そしてどうしてああなったハルヒ……」

古泉「同気相求といいますか……まぁ二人とも元を辿れば同じな訳でして……」

キョン「尚更ダメだろ」


キョン「ともあれ……お前がこの世界でよろしくやってけてるのが分かってよかったよ」

佐々木「おや? 僕が上手くいかないと心配でもしてたのかい?」

キョン「えー……まぁ」

佐々木「『コイツ変人だしなぁ……』……ほう?」

キョン「しまった! 力がねえから思考がダダ漏れだ!!」ウワァア!

ハルヒ「大丈夫よ! 慣れれば逆に武器になるわ!」グッ!

佐々木「ハルヒさんの頭の中は極力覗かないよ。ナニ考えてるか大体分かるからね」

ハルヒ「失礼ね!!」

キョン「どの口が……ま、仲良さそうでいいじゃねえか」

佐々木「みんな、かけがえのない友人だからね」

ハルヒ「よくそんなこっ恥ずかしいことを堂々と言えるわね……」

佐々木「本心だからね。偽るようなことはしたくないよ。たとえこの世界が偽物だったとしてもね」

キョン「……」

ハルヒ「もー! またそんなこと言って!! 別に偽物とか本物とかどうだっていいじゃないの!」

ハルヒ「あたしも! あんたも! みくるちゃんも有希も古泉くんも! ちゃんとこうしてここにいるんだから!!」

佐々木「……僕がこういうと、彼女は決まってこう言い返して来るんだ」

キョン「ああ。ハルヒならそう言うだろうさ。どこの世界のハルヒだってな」

佐々木「……そうだね」

ハルヒ「さあさあさあ! 一息つけたことだし! キョン!!」

ハルヒ「あんたの世界で今、何が起こってるのか簡潔に早急に話しなさい!!」

ハルヒ「そしたら、あたしたちが全力で何とかしてあげるから任せなさい!!」

キョン「……心強いな。あぁ、頼むぜ。お前の言う通り早急になんとかしたいからな」

キョン「……俺のいた世界では今―――」

























「――――――キョンくん?」


ここまでー

前スレ

ハルヒ「キョンTUEEEE!!!!」
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ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!」 キョン「分裂するぞ」
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10スレ目ですー。さて完走めざしてもう少し頑張ります!

>>5
スレ立てにお気づきいただきありがとうございます!

少ないですが15時ごろ投下しますー

とうかー


β


ブォオオオォオオオオン






佐々木「そう言えば、『彼女』はどうなったのかな?」

橘「へー、すごいですね息子さ、えっ!? あ、『彼女』のことですか……それは」

藤原「……見失ったか」

橘「はい……すみません……そうみたいです」

佐々木「いや、いいんだ。橘さんが謝ることじゃない」

佐々木「それに、『彼女』相手では当然の結果とも言える」

藤原「いいのか? 放っておいて」

佐々木「いいともさ。むしろ好都合だよ」

佐々木「『彼女』に僕たちが放っておかれているこの状況がね」

藤原「……今のこちらの戦力では太刀打ちできないということか?」

佐々木「断言はできないけど、充分『彼女』1人に計画を妨害される可能性はあるよ」

佐々木「僕は見ての通りだし、頼みの綱の九曜さんはいつ戻ってくるか分からない」

佐々木「僕たちが優位に立っているように見えて、実は結構運任せなのかもしれないね」

橘「け、結構どころか……ホントに『彼女』の気分次第なんじゃ……」

佐々木「くつくつ、なんてね。まぁ大丈夫だろうさ」

佐々木「気分次第と言うなら『彼女』が僕たちに何かをしようという気になるはずがないからね」

橘「えっ? そ、それはどうして……?」

藤原「……」

佐々木「……待っているんだよ。『彼』が帰ってくるのを」

橘「彼って……」

佐々木「誰よりも信じているのさ。『彼女』は」

佐々木「必ず、キョンがまたこの世界に回帰することを」

佐々木「そしてそれまでは、単独では行動しないはずだよ。きっとね」

佐々木「なぜならそれが……彼女の持つ役割だからね―――」


部室


キョン「……ハッ! 今気づいたら古泉、お前これハーレム状態なんじゃ……」

古泉「真剣な顔をして急に何を……」

ハルヒ「話逸らしてないで、続きを話しなさいよ」

キョン「続き、っていってもなぁ。言った通り向こうの佐々木達と対峙して、んで俺は佐々木の『力』を消そうとして……」

キョン「で、あの空間に飛ばされたもんだから……俺の力も無くなっちまったしそれ以降のことは分からねえ」

佐々木「ただ、涼宮さんが危機に追いやられている可能性が高いという訳だね」

ハルヒ「あたしが!? なんで!!? スナイパー!!?」ガタッ!

佐々木「あなたはハルヒさん。涼宮さんというのは向こうの世界の話だよ」

佐々木「元より、向こうの世界の僕の目的は涼宮さんにしかないようだし、行動を起こしたのならそういうことだろう」

キョン「ああ。今までも幾度となくちょっかいだしてきてたが、今回のはかなり本気だ」

キョン「いよいよ大将の佐々木が出張ってきたんだからな」

佐々木「え? 僕が?」

キョン「いや、お前じゃなくて向こうの……おい、いつからそんな小ボケをするようになったんだ」

佐々木「さあね。さて、となると今回もキミの目的は同じだね」

長門「元の世界への回帰方法を調べる」

朝比奈「ま、前みたいに緊急脱出プログラム? はどこかにあったりは……」

古泉「しないでしょうね。おそらく。聞くに、あれは向こうの朝倉さんが仕込んでいたものだったらしいですから」

キョン「お、そういや朝倉はどうしてるんだ? 元気か?」

長門「元気。この世界の彼女はあまり我々には干渉はしないけど」

キョン「あぁ……ツッコミ属性が消えてるからか……」

佐々木「真面目な委員長としてクラスに秩序をもたらしているよ。次期生徒会長の噂もたってるぐらいだ」

ハルヒ「その暁には是非SOS団の部費を増額してもらわなくっちゃ!! それか、あたしも光陽園の生徒会長に立候補しようかしら!?」

古泉「まずは部として認可していただくところからですね」


キョン「あー、そういやこの世界での俺の存在ってどうなったんだ?」

長門「処理したらしい」

キョン「物騒な」

ハルヒ「なんかあたしたち以外は覚えてないみたいよ。ミラがこう、ちょいちょーいってやったみたいで」

古泉「僕たちの記憶はこれまた、朝倉さんによって補完されていますしね」

キョン「そんなあやふやなのか。まぁ、情報操作が上手くいってんならよかったよ」

佐々木「空き家となった家には、キミと入れ替わる形で僕が住んでいるし」

ハルヒ「SOS団の第二活動拠点にもなってるし! すっごい便利よ!」

キョン「俺が消えたことを喜ばれてるようで複雑だ」

朝比奈「そ、そんなことないですよ!」アセアセ

キョン「朝比奈さんのフォローが痛み入ります……ともあれ」

キョン「俺の現状はそんなとこだ。助けてもらった矢先に悪いが、また助けてもらうことになりそうだ」

ハルヒ「もとよりそのつもりよ!! なんならさっそく活動してもいいわよ! ミラ!」バッ!!

ハルヒ「まずあたしたちは何から手を付ければいいのかしら!!?」

佐々木「その質問には答えられないね。なぜなら……」

キョン「お前ですら、今のトコ打つ手がないからだろ」

ハルヒ「そんっ……って、キョン!? 打開策がないって言う割にはえらく落ち着いてない!?」

キョン「分かり切ってたことだ。一朝一夕で元の世界に帰れるなんて思うほど夢見ちゃいないさ」

佐々木「キョンが力を失うほどのことが起きたんだ。向こうの僕もそう易々とキョンに戻ってきて欲しくはないらしい」

ハルヒ「親友親友うるさいくせに」

佐々木「それは関係ないさ」


ハルヒ「だからって諦めるのはダメでしょ!!」バン!

キョン「諦めてなんかねーよ。方法、手段が見つかればすぐにでも行動を起こすさ」

ハルヒ「方法、手段を見つけるための行動をとるべきでしょうが!!!」

キョン「……ごもっともだがなぁハルヒ―――」

佐々木「ハルヒさん、キョン。一度二人共落ち着こうか」

キョン・ハルヒ「「俺は(あたしは)落ち着いてる(わよ!)」」

佐々木「そうそう。そうやって息を合わせて整えるんだ」

ハルヒ「…………スゥ。でもミラ!!」

キョン「一呼吸も落ち着いてられんのかお前は」

佐々木「ハルヒさん。一刻も早くキョンを元の世界に戻してあげたいというキミの気持ちはよく分かるよ」

ハルヒ「なあっ……! そ、そうだけど! 私事じゃなくて仕事としてよ!?」

佐々木「分かってる。そして出来ることがないからと言って何もしないことに異議を唱えるのも分かる」

ハルヒ「……だったら」

佐々木「だとしても、だ。いいかいハルヒさん。事態は刻一刻を争うことなのは間違いない」

佐々木「だけどね、この問題の解決策は時間に縛られたものじゃないんだ。きっと」

朝比奈「???」

古泉「それはつまり、この世界と向こうの世界とで異なる時間軸が存在しているから、ということでしょうか?」

朝比奈「?????」

ハルヒ「……要約すると、こっちの世界でどれだけ早くキョンを送り返したとしても」

ハルヒ「向こうの世界じゃどれぐらい時間が経ってるのか分からない、ってこと?」

朝比奈「あっ、なるほど……」

佐々木「まぁ、そういうことだね」


佐々木「その逆、例えばこちらでキョンが何年もの時を過ごそうが、向こうの世界では一瞬の時も過ぎていない可能性もある」

長門「浦島太郎効果」

佐々木「だから焦って解決しようがしまいが、こちらでの時間軸が向こうの世界には影響しないのさ」

ハルヒ「言い切れるの?」

佐々木「言い切れる。むしろ方法さえ見つけてしまえば元の世界、元の時間に極小の誤差で送ることだってできる」

キョン「だそうだ。ついでに俺もそう思う」

ハルヒ「…………分かったわよ。信じたげるわ」フゥ

佐々木「助かるよ。騒がれたら大変だしね」

ハルヒ「ちょっとそれどういう意味!?」ガタッ!

キョン「せっかく落ち着いたんだから焚き付けるなよ……ともかく」

キョン「なんだ、どれぐらいの付き合いになるかは今のところ分からんが……」

キョン「元の世界に帰るまでの間、世話になる。よろしく」

朝比奈「こちらこそっ! よろしくお願いします!」

古泉「ええ、よろしくお願いします」

長門「よろしく」

ハルヒ「仕方ないから面倒見てあげるわよ! 仕方ないからねっ!」

佐々木「キミも気が気ではないだろうけど、焦らずに解決法を探して行こう。よろしく親友」

キョン「……ああ!」

ハルヒ「そうと決まれば早速周囲で変わったことが起きてないか探しに行くわよっ! ついてきなさいキョン!」ガシッ!

キョン「ちょ、お前、話しきいて―――ぉおぉおおおおおおおおおい!!??」ズザザザザ!

朝比奈「……行っちゃった」

佐々木「よほど彼と再会できたことが嬉しいらしいね。ハルヒさんらしい」

長門「あなたも」

佐々木「うん?」

長門「あなたも嬉しそう?」

佐々木「―――そりゃあね」ニコッ


ハルヒ「……」ズンズン!

キョン「お、おいハルヒ自分で歩ける、からはな、離して……」ズリズリ!

ハルヒ「あっ、忘れてたわ」ポイッ

キョン「ふぐぅ……!」ベチャ

ハルヒ「……ねぇキョン。一つ約束してくれるかしら?」

キョン「約束?」

ハルヒ「あたしは、あたしたちSOS団はあんたを元の世界に戻すことに尽力することを誓うわ」

ハルヒ「その代わり」

キョン「その代わり?」

ハルヒ「…………あんたは」

ハルヒ「……あんたは、元の世界のあたしをなにがなんでも助けなさい!」

キョン「…………」

ハルヒ「それだけっ! 返事は!」

キョン「……どうして、お前がそんなことを……?」

ハルヒ「ふんっ! どこの世界だろうと我が身を案じるのは当然でしょ!」

ハルヒ「それに、団長の身を守るのは団員として―――」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「っ、なによ?」

キョン「……任せとけ!!」

ハルヒ「……この約束、忘れんじゃないわよ!」ニッ!

キョン「当然だ!」

ハルヒ「そう決まったら早速校内の七不思議から探して行くわよっ!!!」ガッシィ!!

キョン「え? それって関係な―――」グイィ!!

ここまでー
では、よいお年をー

あけおめです。今日中には投下しますー

とうかしますー


α












ヤスミ「先輩っ!! あたしとデートしませんか!!?!?」バンッ!












キョン「コートジポワール」

ヤスミ「なんですかなんですかっそれっ!? オッケーってことですか!!?」

キョン「これはな、『断る』と『コートジポワール』をかけた高度な―――」

ヤスミ「じゃあじゃあ場所はですね! 光陽園駅前の、あっ日にちは―――!」

キョン「断るって言ってんだよ。なんだよ、ここ数日ずっと同じことばっか言ってきやがって」

ハルヒ「……」

キョン「団活に支障が出てる、って顔して団長が立腹だぞ」

ハルヒ「えっ!? ち、そっそうね! ヤスミちゃん! あまりに、その……過剰なのは、行き過ぎはよくないと思うわ!」

ヤスミ「わわっ! す、すいません……」

ハルヒ「いや、いいんだけどね。別に誰をデートに誘おうが……あ、でも一応、一応言っておくとSOS団内での異性交遊は―――」

ヤスミ「じゃあ先輩、デートじゃなくてお散歩になら付き合ってくれますか?」

キョン「お、それなら―――」

ハルヒ「!!?」ガタタッ

古泉・朝比奈「「(面白い)」」

キョン「ってなるわけないだろう。しつこいぞ」ペシッ

ヤスミ「あうっ……うぅ、でもでも、あたしはめげませんよっ!!」

ハルヒ「や、ヤスミちゃん! その不屈の心意気や良しだけど、まだ入団試験が継続中なのは忘れてないわよね!?」

ヤスミ「はいっ! もちろんです! 次は確か第二十七次試験でしたよね? 今からやりますか!?」

ハルヒ「えっ、う、うん。そうね、やるっ! やるわよっ!」

ヤスミ「ではその内容はっ!!?」ワクワク

ハルヒ「え、えーっと…………その、に……にらめっこ?」

ヤスミ「にら、めっこ……?」

ハルヒ「あー……有希と?」

キョン「無理ゲ―だ、これ」


ヤスミ「ふぬぬ……っ! うぐぐぅ……!」

長門「……」ジィー

朝比奈「ぷっ、くふふ……や、ヤスミちゃ……あははっ! お、女の子がしちゃダメな、あははははっ!」

キョン「おいハルヒよ、適当に決めたにしろこりゃ難易度が高すぎねーか?」

ハルヒ「なっ!? て、適当じゃないし! ちゃんと考えてたんだから!!」

キョン「だとしても、長門をにらめっこで笑かそうなんざ至難の業だぜ」

ハルヒ「分かってるわよ。難しいからこそ試験にしたんじゃないの」

ヤスミ「ふうぅ……んべろぉ!」

長門「……」ジィ

朝比奈「あーっはっはっはっは!!」ドンドン!

キョン「朝比奈さんが鶴屋さんぐらい笑ってるし、健闘賞ってことでこの試験はパスでいいんじゃねーのか?」

ハルヒ「…………」

ヤスミ「ふいぃ……ぷぅ!」

長門「……」ジィ

キョン「ほら、もう女の子が、ってか人間がしちゃいけないような顔してるぞ?」

ハルヒ「……キョン」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「……あんたはあの子を合格にさせたい??」

キョン「あ? なに言ってんだ?? それを見極めるための試験だろうが」

ハルヒ「…………そうね。今の発言は忘れなさい。いいわね?」

キョン「へいへい」

キョン「(やれやれ……)」

朝比奈「あははっ、ひぃ、ふふ……ひぃ、ひっ……」プルプル


ハルヒ「ヤスミちゃん! 有希はご覧の有り様だけど……」

長門「……」ジィ

ヤスミ「勝てません……全てを見透かされてるみたいです……」

ハルヒ「けど! みくるちゃんが抱腹絶倒してることを加味して!」

朝比奈「ふーっ……ふーっ……っくく……」ピクピク

ハルヒ「延長戦よ!! 古泉くんが掃除当番で遅れてるから、入ってきた古泉くんが笑ったら合格にしてあげるわ!」バーン

ヤスミ「なんと寛大な思し召し!! それと、ポーカーフェイスに御見それしました!」ペコリ

長門「そう」

ハルヒ「ただ古泉くんも手強いわよ! 我が団の副団長だもんね!」

ヤスミ「もちろんです! 心して掛かりま―――!」

キョン「……あれ? 古泉って普段からずっとニヤついてね?」

古泉「すいません、遅れました―――」ガチャ!

ヤスミ「!―――んみゅ……!」グイッ!

古泉「…………」

渡橋「…………」グググ

朝比奈「カヒュー……カッ、ヒュー……」カクカク

ハルヒ「みくるちゃん? みくるちゃーーん!!?」

長門「……」ペラッ

古泉「……はは、なんですか、これ?」

ヤスミ「!! 笑ったーっ!!」

キョン「こっちが聞きてえよ」


古泉「なんと。第二十七次試験でしたか。それはそれは、通過おめでとうございます」

ヤスミ「ありがとうございます! ちょっと不意打ち気味ですいませんでした!」ペコリ

古泉「むしろ不意打ちでなかったら普通に笑ってしまうレベルのクオリティでしたよ。あのお顔は」

ヤスミ「いやいや! お恥ずかしい!!」

キョン「(ほんとにお恥ずかしいぐらいの顔してたけどな)」

ヤスミ「あのぅ……大丈夫でしたか?」

朝比奈「あ、ヤスミちゃん……平気平気。ちょっとツボに入っちゃっただけだか、ふっ!」

ハルヒ「! 有希! もっかい暗示して!」

長門「あなたは笑わない。笑わない。笑わない。笑わない」ジィ

朝比奈「……ふぇ」ポケー

ヤスミ「おおっ!! さすがはSOS団!! ありとあらゆる事態への適切な処置!!」

キョン「あれ適切か? ほとんど洗脳じゃないのか? あれ」

ハルヒ「みくるちゃんを笑い死にさせるわけにはいかないでしょ。とりあえず」オホン

ハルヒ「ヤスミちゃん! 第二十……七次試験! 通過おめでと! まだまだ先は長いけど頑張りなさい!」

ヤスミ「はいっ! 一歩一歩ゴールに向けて進んでいきますっ!」

ハルヒ「……その意気や良し。じゃ、みんな今日はあたしもう帰るから」

キョン「ん? なにかあんのか?」

ハルヒ「ちょっとね。てことで自由解散にするから、最後の人戸締りよろしくね。それじゃ」バタン

古泉「…………」

キョン「……な―――」

ヤスミ「なにか最近、雰囲気違いますよ、ね?」

キョン「……お前が言うのかよ。だがまぁ、その通りだな」


ヤスミ「お悩みでも抱えていらっしゃるんでしょうか?」

キョン「……さあなぁ。あいつを完全に理解するのは俺らでも無理だ」

ヤスミ「むむぅ……あたし如きが出しゃばる必要は全くない、ということですね!」

キョン「ま、ほっときゃいつも通りになるだろ―――」

ヤスミ「そうだ先輩! 今度あたしとデートしませんかっ!!?」

キョン「…………あれ? 今ってエンドレスエイト復活祭だっけ? どっからループしてんだ??」ハテ?

古泉「なんですか、それ……」

キョン「なんで今思いついたかの如く同じ話題を持ち出すんだお前は」

ヤスミ「それだけ必死なんですよ!! どーしても、ですっ!!」

キョン「何故俺にこだわる? 古泉でもいいだろう、なっ古泉」

古泉「えっと、僕ですか?」

ヤスミ「ダメですよっ!! あたしなんかがSOS団副団長と並んで歩くだなんてそんな恐れ多いこと……!」

古泉「おやおや……だそうですよ、平団員さん」

キョン「二階級昇進して会長にでもなるか?」

古泉「遠慮しておきます」

ヤスミ「とにかく! 先輩じゃないとダメなんです!! 絶対!!」

朝比奈「…………ハッ!? キョンくんじゃないとダメなの!!?」ガバッ!

長門「目覚めた」

キョン「なにかの波動を感じなさったようだ……あのなぁヤスミ―――」

ヤスミ「はいっ! なんでしょう!」

キョン「とりあえず、デート云々は置いといてだな……そろそろだな」

ヤスミ「! わ、わわっと! すみません先輩方! あたしも急用がを思い出しましてっ……そ、それじゃあ!」ドビューン!

古泉・朝比奈・長門「「「……」」」

キョン「……なんなんだ、あいつ」


古泉「中々、予測不能な行動を取られる方ですね」

長門「興味深い」

キョン「やれやれだ」

朝比奈「ねぇ、キョンくん。ヤスミちゃんになんて言うつもりだったの?」

キョン「あぁ、それはですね……」

古泉「まさに彼女自身についてのことでしょう」

朝比奈「彼女……ヤスミちゃんについてのこと?」

キョン「えぇまぁ。その内分かる時のその内が来たというか、面倒くさくなる前にやっとくべきだったというか……」

古泉「ずばり、彼女の正体について本人の口から聞き出そう、ということですね?」

キョン「話したがりか」

朝比奈「正体……? それって、もしかしてヤスミちゃんも、その……涼宮さん絡みの?」

古泉「そのようです。まず、『機関』の調査によって彼女は北高の生徒ではないことが分かっています」

古泉「加えて、私生活を観察しようと試みたのですが―――」

キョン「うわぁ……」ヒキッ

朝比奈「古泉くん……」

長門「……」

古泉「……『機関』はそういう組織なんです。そういう裏方の、暗躍的な……そういうお仕事なんです」

古泉「オホン……試みたのですが、なぜか彼女を追跡できない。所在を見失ってしまうという事態が起きています」

古泉「この結果をみるに、十中八九、なにかしらの力が働いていることは間違いありません」

朝比奈「それが、涼宮さんかもしれないってこと……?」

古泉「まぁ、そういうことです」


古泉「考えてもみれば彼女の存在は至極当然なのです。何故ならば涼宮さんが求めたから」

朝比奈「……新入団員として?」

古泉「その通り。僕たちと同じく、涼宮さんによって望まれ、この場に姿を現した存在」

古泉「むしろ彼女がただの新入団員であることの方が不思議である、といったところでしょう」

朝比奈「た、確かに……でも、その。ヤスミちゃん自身には何か役割と言うか……属性?」

古泉「僕ならば超能力者。朝比奈さんならば未来人。長門さんならば宇宙人」

古泉「各々の持つアブノーマルな一面のことですね」

キョン「ん? 俺は? 一男子高校生の俺は?」

古泉「スルーします。今のところ渡橋ヤスミさんには、新入団員以外なんら不思議な能力を持っているようには感じません」

古泉「ですが、潜在的に発現する可能性は大きいと考えられます。そしてその時とは―――」

キョン「入団試験が終わり、正式に団員になった時ってか?」

古泉「違いますか? 僕の現在の考えは話した通りですが」

キョン「つまり、ヤスミは高いポテンシャルを秘めた、能力発現前の能力者である可能性が高い、ってことだよな?」

古泉「ええ。今現在は涼宮さんの『力』に影響されているだけのほとんど一般人と言ってもいい存在でしょう」

キョン「お前ら『機関』がヤスミの詳細について調べきれないのはハルヒの影響であると」

古泉「僕はそう考えます。長門さん、朝比奈さんはどうですか?」

朝比奈「えっ? わ、わたしは……どうかなぁ? 古泉くんの言っていることはすごい正しい気もするけど……うぅん」

長門「…………不確定要素が多すぎる」

古泉「不確定要素、ですか?」

キョン「まぁ、そうなんだよなー」

朝比奈「ど、どういう……?」

古泉「…………」


キョン「多分、俺と長門の考えは同じだろう。古泉のとは違うがな」

古泉「是非、お聞かせ願えますか?」

長門「彼女が涼宮ハルヒが望んだ存在であることは間違いない。一般人であるということはない」

古泉「現段階でも?」

キョン「現段階でも充分、一般人からは離れているさ」

古泉「そうですか……」

長門「ただ、彼女が現れた理由が不明」

古泉「涼宮さんによって望まれたからではないのですか?」

キョン「ハルヒが望んだ存在だとしたら、何故ヤスミをとっとと入団させない?」

古泉「それは、まだ彼女が一般人の域を出ていないため……ではないでしょうか?」

キョン「だから不確定要素なのさ。本当にハルヒが望んだ存在なら、例え一般人であってもこんな遠回しなことはしない」

古泉「…………」

キョン「鶴屋さんでも、ENOZであっても、阪中であっても、SOS団外の一般人だって今までハルヒが手に負えなかったことはないだろう」

キョン「見れば明らかな通り、ハルヒはヤスミに対してどういう接し方をしていいのかを戸惑っている節がある」

朝比奈「確かに……そう見えなくもないです」

キョン「ヤスミが、ハルヒが望んだ存在にしちゃ少し逸脱しすぎてる」

長門「彼女が涼宮ハルヒによって望まれた存在とするには、不確定要素が多すぎる」

古泉「……なるほど。お二方の仰ることはもっともでしょう」

古泉「ですが、となれば……一般人とは違う、涼宮さんによって望まれたわけでもない彼女は……」

古泉「彼女の正体とは一体……?」

キョン「まだ推測に過ぎないがヤスミの正体は―――」


ヤスミ「はぁ……危ない危ない。先輩ったらほんっとに、もう!」テクテク

ヤスミ「んー、でもどうすれば……うーん?」

ハルヒ「うーん?」バッ

ヤスミ「うーん?」タリ












ハルヒ・ヤスミ「「うん???」」












ハルヒ「や、ヤスミちゃん!? な、ど、どうしてここに!!?」ワタワタ

ヤスミ「あ、あたしはそのっ!! きゅ、急に用事が……!」バタバタ

ハルヒ「…………」

ヤスミ「…………」

ハルヒ「……せっかくだしちょっと、話していく?」

ヤスミ「えっ? あ、えっと……」

ヤスミ「は……はい」

ハルヒ「じゃ、そこの公園はいろっか!」

ヤスミ「は、はい!」

ハルヒ「(……言っちゃった)」ダラダラ

ヤスミ「(……ふ、二人きりかぁ)」ドキドキ

ここまでー

時々今何作目か忘れちゃうがスレタイの!の数でわかるから便利

20時までには投下しますー

投下します


α


ハルヒ「……」

ヤスミ「……」

ハルヒ「……」

ヤスミ「……あのー?」

ハルヒ「うーむ……あっ、ごめんごめん! ちょっとボーっとしてて!」

ヤスミ「というよりは何か深い考え事をしてるように見えましたよ?」

ハルヒ「あれっ? そんな風に見えてた!?」

ヤスミ「多分、あたしだけじゃなくて先輩方も……」

ハルヒ「あー……そっか。まぁ、そうかぁ……」

ヤスミ「あのー、差し出がましいのですが……何かお悩みでもあるならお聞きしても……」

ハルヒ「……えーっと」

ハルヒ「うーん……」

ヤスミ「是非是非っ! お力になれるならば!」

ハルヒ「…………じゃあ言うけどね」

ハルヒ「あたし、ヤスミちゃんと相性悪いじゃない?」バーン!

ヤスミ「……え˝っ!!?」

ハルヒ「えっ?」

ヤスミ「そ、そうなんですか!??」

ハルヒ「あれ!? あたしだけ??」

ヤスミ「む、むしろそういう風に思われてましたっ!?」

ハルヒ「なんとなく、そんな感じと言うか……」

ヤスミ「あ、あたしのこと嫌―――」

ハルヒ「いやいやっ! 嫌いじゃないのよ!? 嫌いとかじゃないんだけど……」

ハルヒ「なんか……変なのよね。うん」

ヤスミ「へ、変……ですか?」


ハルヒ「こうやって二人で話す機会なんて今までなかったじゃない?」

ヤスミ「そ、それは他の先輩方ともそうですけど……」

ハルヒ「あたしも家族とか団員以外で人と2人きりで話す機会はあんまりないんだけど」

ハルヒ「それでも、こう何と言うか……身構えたり、臆したりすることはないのよね。例外はあれども、基本的に」

ヤスミ「はい。えっと……」

ハルヒ「でもね、ヤスミちゃん。あなたに対してはちょっとこう……そう、さっきから言ってる通り変なのよ!」

ヤスミ「へ、変とはっ!?」

ハルヒ「あたしがあたしで居られないというか、あたしらしくできないというか……」

ヤスミ「……は、はぁ」

ハルヒ「なんでかしら? あたしは人見知りとかそういうタイプじゃないはずなんだけど……」

ハルヒ「それとヤスミちゃん。あなたもいま結構変よ?」

ヤスミ「えっ? そ、そうですか!?」

ハルヒ「初めてあなたと会った時は物怖じしない、堂々とした子だと思ったんだけど」

ハルヒ「今のあなたからはとてもそうは感じないわよ? 怯えてるとまでは言わないけど、手探り感であたしと接して―――」

ヤスミ「す、ストップ! ストップです! ストップ!」

ヤスミ「そんなことないですよ!? 団長は尊敬すべきお方であることに変わりはないですし」

ヤスミ「あっ、だとしたら緊張してるのかも! あまりに偉大すぎて極度の緊張が―――」

ハルヒ「だから、初めて見た時はそういうタイプじゃないって思ったのよ」

ハルヒ「緊張とか、臆病とか、そういうのとは無縁の存在。天真爛漫を体現したかのような子って感じだったもん」

ヤスミ「そ、それは過大評価です! あたしなんてまだまだ……」

ハルヒ「…………やっぱりあたしたち合わないのかしらねぇ?」

ヤスミ「そんなっ!?」

ハルヒ「なんでかしら? どっかで喧嘩でもしたっけ??」


ハルヒ「ここのところそんなことばっかり考えてるのよ」

ハルヒ「だって、あたしがそんなこと思う人なんて今までいなかったからね」

ヤスミ「あ、あたし邪魔になってるんじゃ……」

ハルヒ「邪魔とかじゃないのよ!? 嫌いとかでもないんだけど……あっ!」

ハルヒ「つまりこうよ! 折り紙の金色の紙とかあるじゃない? 大事なんだけど、結局使わないままでいちゃうみたいな……」

ヤスミ「あっ! なるほどっ! 分かりやすい! そういうことなんですねっ!」

ハルヒ「あたしが言っといてなんだけど……そんなに分かりやすかったかしら?」

ヤスミ「はいっ! でも、そうですか……」

ハルヒ「ごめんごめん! ほんとに邪険にしてるとかじゃないのよ? ただ……そう! そうよ!」

ハルヒ「不思議なのよ!!」

ヤスミ「不思、議?」

ハルヒ「こんなに考えてるのに何故! この結論に至らなかったのかしら!? そうよヤスミちゃん!」

ハルヒ「あなたはあたしの中で『不思議』な存在になっていたのよ!! きっとそうだわっ!!」

ヤスミ「そ、そんな……っ! ま、まさかあたしがSOS団の求める『不思議』そのものだったなんて……!」

ハルヒ「いいえヤスミちゃん! まだあなたは潜在的な可能性を秘めてるにすぎないの!」

ハルヒ「それをどう昇華させるかが今後のあなたの入団試験に懸かっているといっても過言じゃないわ!」

ヤスミ「な、なるほど……やっぱりまだ未熟な身であるということですか!」

ハルヒ「そうね! でもあなたには、そう! 無限の可能性を感じるのよ!」

ハルヒ「その若さに期待大だわっ! あたしをここまで唸らせたのは―――キョンくらいのもんよ!」

ヤスミ「先輩ぐらいの……!!」 


ハルヒ「軽くスッキリした気分だわ!」

ヤスミ「それはよかったです! これであたしとの相性も……!」

ハルヒ「あ、それは変わらないかしら。相性は悪いというか、苦手のままね」

ヤスミ「がーん!!」ガーン!

ハルヒ「気にしない気にしない! 別にヤスミちゃんだけじゃないわよ! 正直、朝倉さんとも相性がいいとは言えないしね」

ヤスミ「朝倉さん……?」

ハルヒ「朝倉さんっていうのはSOS団の……そっかまだヤスミちゃんは会ってないっけ」

ヤスミ「はい。その方とは仲がよろしくないんですか?」

ハルヒ「仲は……悪、くはないとは思うけど……いーや悪いかもね」ニヤッ

ヤスミ「えっ?」

ハルヒ「最近は互いに悪口というか毒吐くことが多い気がするし、いがみ合ってる感じ?」

ヤスミ「へー、そんな方がいらっしゃるんですね」

ハルヒ「最近は部室に顔出さないけど、そろそろ朝倉さんにも相応のポストでも用意しようかと思ってるのよ!」

ヤスミ「おおっ!」

ハルヒ「つまりはね! 相性が良くなかったってなんだかんだ1年付き合ってきた人もいるってことよ!」

ヤスミ「うーん……」

ハルヒ「そういうもんよ! ただヤスミちゃんはなんで相性が悪いか分からないから不思議なわけで……」

ヤスミ「……」

ハルヒ「まったく、本当になんでかしらね?」


ハルヒ「ヤスミちゃんは別にあたしを嫌いだとか、苦手だとか思ってないのよね?」

ヤスミ「そんな恐れ多いこと!! 滅相もないですよっ!」

ヤスミ「……それでもっ」

ハルヒ「うん?」

ヤスミ「団長が、あたしに苦手意識があるのだとしたら……」

ハルヒ「したら?」

ヤスミ「…………それは」

ハルヒ「それは……?」

ヤスミ「…………あたしだからじゃないですか?」

ハルヒ「え? それどういう意味?」

ヤスミ「……あたしは」






ヤスミ「『あたしはわたぁし』ですから!」






ハルヒ「……うん??」

ヤスミ「わわっ! もうこんな時間!! すみませんっ! 今日はこの辺で失礼させていただきますっ!!」シュバッ!!

ハルヒ「あっ、ごめんね引き止めちゃって! 送って行くわよ?」

ヤスミ「大丈夫なのです! 家、近所なので!! それではっ!」

ハルヒ「そ? じゃあまた」

ヤスミ「ええ! また部室で!! それではっ!! あっ、あと!」

ハルヒ「うん?」

ヤスミ「是非っ! 仲良くなりましょうね!! ではではっ!」タッタッタ!

ハルヒ「……ほんと不思議な子ねぇ」クス













キョン「ヤスミの正体は―――ハルヒだ」












キョン「と、俺は思うわけだが……」

長門「……」

古泉「なんと……それは……」

朝比奈「」アングリ

キョン「正確に言えばハルヒの無意識が実体化した……朝比奈さん、大丈夫ですか?」

朝比奈「…………ハッ! だ、大丈夫です!」

キョン「ヤスミはハルヒの無意識が実体化した存在。故にハルヒであってハルヒの意志ではない」

キョン「ハルヒが望んだ存在ではなく、望まずとも生まれた存在で……」

朝比奈「」アングリ

長門「続けていい」

キョン「ああ。つまりヤスミという存在はハルヒによって生み出されたもんだが、当の本人同士にその自覚はない」

キョン「有意識と無意識という対極の存在だから、互いが互いを自分だと認識していない。はずだ」

キョン「ハルヒはヤスミを曲者の新入団員、ヤスミはヤスミでハルヒを尊敬する団長(笑)という認識しか持ち合わせていないはずだ」

古泉「……ヤスミさんを涼宮さんが生み出した存在と決定づける根拠は?」

キョン「根拠ね。そうだな……」

キョン「古泉、お前がこの前言っていたヤスミがSOS団の強力な味方になりえる存在だとしたらどうする?」

古泉「では先ほど僕も言いました通り、彼女には何か潜在的な力が―――」

キョン「その潜在的というトコから違うのさ。あいつの『力』は既に顕在化している」

朝比奈「そ、そんな! でも、そんな感じは……」

キョン「考えてもみてください朝比奈さん。ヤスミはハルヒの『力』から生まれた存在です」

キョン「ハルヒと同じ『力』を持つならば、ヤスミの『力』をハルヒのものだと勘違いしてもおかしくはない」

朝比奈「そ、そんなっ!?」

古泉「……ヤスミさんが涼宮さんと同じ『力』を有すことが、根拠であると?」

キョン「最初に言った通り、これは俺の推測に過ぎん。俺の勘違いかもしれんしな」

キョン「けどまぁ……この予想を大きく外れる、ということはないだろう」


古泉「では……望んでないならなんのために涼宮さんはヤスミさんを生み出したのです?」

キョン「そればっかりはなぁ……むしろハルヒのメンタリスト担当はお前だろうに」

古泉「最近の涼宮さんは精神的に落ち着いており、閉鎖空間の出現頻度も低下傾向にあります」

古泉「安定している状態の涼宮さんが、何故このようなことをしたのかは分かりかねます」

キョン「そうだな。考えられるとしたら、意識的な願望としての新入団員の形成」

キョン「本来なら外的要因によって実現する願望を、内的要因によって補完したというか……あぁー!」

朝比奈「!?」ビクッ!

長門「どうかした?」

キョン「最近な、ハルヒの思考にノイズが入って考えが読みずらいんだよ。同様にヤスミのもな」

古泉「あぁ……ですから保守的な説明を……」

キョン「言うな言うな。あんまり自信のない予測はしたくないんだよ」

キョン「なんでノイズが入ってんのかと思えば、それこそヤスミの存在だよ」

古泉「何故です?」

キョン「言ってみりゃ両方ともハルヒの思考なわけだから、こう、ジャミングというかハウリングと言うか……」

古泉「これまたあなたの推測を裏づける根拠になっているわけですね」

長門「共同個体での思考の共有は不可能ではない。しかし、単一個体時におけるシナプスの―――」

古泉「ほう……」

朝比奈「???」

キョン「そういう小難しーい理由があって、脳へのクラッキングが上手くいかないわけだ」

古泉「言葉に表すととんでもないことをされているんですね」


キョン「まぁ、そういう理由でヤスミがハルヒから生み出されたであろうことは分かってもその理由までは定かじゃない」

朝比奈「はぁ……」

キョン「近々、ヤスミがSOS団に介入してくることは事前に分かってはいた」

古泉「ええ。あなたが未来を見たことをによってね」

キョン「で、その未来がやってきたわけだが……ここで問題だ。残念ながらと言うべきか、次の未来が全く見えん」

キョン「というのも、さっき言った通り、未来を不確定にする存在(ヤスミ)の発する、こうジャミングみたいなもんが……うわぁっっと。な?」

朝比奈「な、なんとなく分かります……?」

キョン「俺を妨害できる程の『力』を持つ奴なんてほんとに限られてるからな。原因を探るのは難しくはない」

古泉「それこそ涼宮さんクラスの『力』でないと話になりませんね」

キョン「……もしくは」

キョン「未来を不確定にする出来事が、もっと別の場所で進んでいるかもってことだ」

古泉「! 先日、仰られていた時空改変よりも大規模な……?」

キョン「もしかして佐々木はこれが狙いだったのか? なんて考えてたらこりゃもう裏かかれすぎてもうだめだーなんて」ハハハ!

朝比奈「わ、わわわ笑ってられる状況なんですか!!?!?」ガーン!

長門「可能性は低い。向こうにとっても、不測の事態のはず」

朝比奈「ふぇ? そうなんですか??」

キョン「冗談はさておき。長門の言う通り、さすがに佐々木にとっても予期せぬ出来事だったことは間違いない」

キョン「何をするにしても俺がここに存在する時点で、何よりもでかい障害になるんだからな」

古泉「……頼もしい限りですが」

古泉「この日常が、嵐の前の静けさのように感じるのは……些か非日常に慣れ過ぎてしまったが故ですかね?」

キョン「……なあに、それは多分」

キョン「全員そう感じてるさ」

朝比奈・長門「「…………」」コクリ

ここまでー

>>54
好きなスレの形式を引用させていただきました!

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