キョン「安価でハルヒの機嫌を取るだと?」 (26)

古泉「はい。面白い試みだとは思いませんか?」

キョン「思わないね。しかもなんだ、その安価ってのは」

古泉「おや、ご存知ではないのですか? 貴方であれば、このようなネット用語の一つや二つ、知っているものかと思ったのですがね」

キョン「残念ながら、ハルヒのわがままに付き合っていると、家に帰ってぼーっとパソコンなど眺めている暇など無いもんでね」

古泉「貴方も苦労人気質ですね」

キョン「ほっとけ。…で、その安価ってのは一体全体なんなんだ?」

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古泉「安価というのは、インターネット掲示板において、指定した番号に書き込まれた行動を我々が実際にするといったものです」

キョン「番号というのが良く分からんのだが、要するにネットに書き込まれた命令を俺たちがするって訳か」

古泉「簡単に言えばそういうことですね。理解が早くて助かります」

キョン「しかしいいのか?」

古泉「何がですか?」

キョン「そんな運の要素が高いことをハルヒにするなんて。下手すれば世界がぶっ壊れちまうぞ」

古泉「確かにそうですね」

古泉「ですが、これは機関の方からの命令なのです。常軌を逸した行動を、ましてや僕たちのような親しいものが行ったとき、涼宮さんがどのような行動をするのか、サンプリングが欲しいようです」

キョン「常軌を逸したって・・・。そんなことが前提なのか!?」

古泉「あくまで一例ですよ。いくら暇を持て余したネット掲示板の利用者も、僕たちを犯罪者に仕立てるようなことはしないでしょう」

キョン「どうだかな…。不安しかないぜ…」

古泉「まあ、実際にやってみるのが一番でしょう。早速掲示板に書き込みをしてみましょう」

キョン「俺は、協力をする前提なんだな・・・」

古泉「たまたま部室に居たのがあなたですからね。運の尽きということで、お願いします」

古泉「では↓3が涼宮さんに↓5をするという書き込みで行きましょう」

キョン「↓2の部分は俺たちってことだよな?」

古泉「自ずとそうなりますね。おや、早速書き込みがあったようですよ」

古泉「キョンが涼宮さんに飛鳥文化アタックをする」

キョン「まったく意味がわかんねえよ!」

古泉「また最初から、難解な指令が来たものですね」

キョン「他人事だと思って笑いやがって…」

キョン「大体、飛鳥文化アタックてのは、なんなんだ」

古泉「調べてみたところ、空中で抱え込み前転を数十回して、対象の人物に攻撃をするものらしいですね」

キョン「冷静に解説しているところ悪いが、俺にはそんな超人類的な力は備わってはいない」

古泉「しかし、安価は絶対ですからね。貴方はこの指令を実行しなくてはなりません」

キョン「軽い罰ゲームだな。これは…」

古泉「そう嘆かないでください。空中でくるくると回れば解決する話なんですから」

キョン「そういうなら、喜んで代わってやるぞ」

古泉「今回は、遠慮させてもらいます」

キョン(肩パンしてえ)

_________


長門「…………」

ハルヒ「ん。有希が本を閉じたってことは、もうそんな時間なのね」

ハルヒ「と言う訳で、今日の団活は終了。みんな解散していいわ!」

古泉「お疲れ様です」

みくる「さようなら古泉君」

ハルヒ「さて、私も帰りましょうかね」

キョン「ああ、ハルヒ。ちょっと待ってくれ」

キョン「なによ、キョン」

キョン「ちょっと話があるんだ。この後残ってくれないか?」

ハルヒ「はあ?」

ハルヒ「あ、あんた!この団長である私を呼び止めるってくらいなんだから、それなりの用なんでしょうね!?」

キョン「ま、まあ。俺にとっては、それなりの用件だ」

ハルヒ「まあ、そういうことなら残ってあげるわ。団員の意見を聞くのも団長の仕事だものね」

キョン「すまんな。助かる」

キョン(夕日が差し込む教室に男女が二人きり…状況が状況なら軽いロマンスが発生しそうだ)

ハルヒ「で、話って何よ。さっきも言ったけど、大した用じゃなかったら、ただじゃおかないからね!」

キョン「えっとだな。お前にしてみたいことがあるんだ」

ハルヒ「はあ?団長である私になにかするなんて、いい度胸ね」

キョン「どうしても今日中にしなくてはいけないことなんだ。すまんが付き合ってくれ」

ハルヒ「まあ、なんでもいいわ。私も暇じゃないの! やるなら早く済ませて」

キョン「ああ、そうさせてもらうよ」

キョン「じゃあ、行くぞハルヒ!」

ハルヒ「ちょ、ちょっとどうしたのよ!? そんな構えて」

キョン「行くぞハルヒ!」

キョン「飛鳥文化アタック!」ビタン!

ハルヒ「…………」

キョン「…………」

キョン(勢いよく足を踏み出した俺であったが、体が半回転したところで無残にも背中から地面に落下してしまった)

キョン(一瞬息が詰まって、苦しい思いもしたが、今はそれどころではない)

ハルヒ「…………」

キョン(まるで、ゴミでも見るかのような目で無言で俺を見つめるハルヒ…)

キョン(正直耐えれる雰囲気ではない。何か弁明をしなくては…)

ハルヒ「帰る・・・」

キョン「え?」

ハルヒ「きっとあんたも私も疲れているの。そうこれ幻覚」

ハルヒ「早く帰ってお互い休みましょ」

ハルヒ「じゃあ、キョン。また明日…」

キョン「あ、ハルっ・・・。いっちまった」

キョン「古泉…。恨むぞ…」

-翌日-

古泉「貴方は、とんでもないことをしでかしてくれましたね」

キョン「言っておくがこの件で俺が責められる謂れはないぞ。むしろ俺が謝ってもらいたいくらいだ」

古泉「あの後、観測史上1位2位を争う閉鎖空間が観測されました。お蔭で僕も今日は徹夜ですよ。一体どんなことをしたのですか?」

キョン「知らん。指令通りのことをしたまでだ」

古泉「しかしこうなると、今日は事を慎重に運ぶ必要がありますね…」

キョン「まだ続けるのか!?」

古泉「昨日の観測結果に機関の上部がさらに興味を示したようです。まあ、本来の目的は機嫌を取ることなんですけどね」

キョン「迷惑甚だしいな…」

古泉「では早速…。↓3が涼宮さんに↓5をするですね」

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