【R18】京太郎「おもち少女から和了ると発情させる能力かぁ」霞「その8かしら」 (1000)


○このスレは京太郎を主人公とする18禁SSのスレです。

○某ヒロインと似たような事は言っていますが、学園都市とは関係ありません。

○割りとご都合主義です。エロネタ書きたいから仕方ないね。

○能力の自己解釈どころかオリジナル能力まで出てきます。

○エロはファンタジーと割りきって、気楽にお楽しみください。

○雑談はウェルカムです。不愉快な方はNGや抽出で対応してください。




【R18】京太郎「おもち少女から和了ると発情させる能力かぁ」和「SOA」
【R18】京太郎「おもち少女から和了ると発情させる能力か…」和「SOA」【安価 - SSまとめ速報
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【R18】京太郎「おもち少女から和了ると発情させる能力かぁ」漫「その2」
【R18】京太郎「おもち少女から和了ると発情させる能力かぁ」漫「その2」 - SSまとめ速報
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【R18】京太郎「おもち少女から和了ると発情させる能力かぁ」小蒔「その3です!」
【R18】京太郎「おもち少女から和了ると発情させる能力かぁ」小蒔「その3です!」 - SSまとめ速報
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【R18】京太郎「おもち少女から和了ると発情させる能力かぁ」春「その4」ポリポリ
【R18】京太郎「」おもち少女から和了ると発情させる能力かぁ」春「その4」ポリポリ - SSまとめ速報
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【R18】京太郎「おもち少女から和了ると発情させる能力かぁ」咲「その5?」
【R18】京太郎「おもち少女から上がると発情させる能力かぁ」咲「その5?」 - SSまとめ速報
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うあー久しぶりすぎてトリミスって泣きたい

書いてくれるならなんでもいいよ
荒れようがなんだろうが

とりあえずメゲないで書いていきます
21時から漫ちゃんのLV3から再開します

期待

マジかよ待ってた

荒らしは気にせず頑張って欲しい
雑談スレは無視で

お帰りなさい>>1

荒れるかもしれないし無責任かもしれないけど完結まで頑張って下さい

待ってました

お帰りなさいっ!!

正直もう会えないかと・・・
スレタイ二度見しちまったぜ

エタらないって言葉を信じて良かったよ
野暮な横槍はNGと焼き依頼して相手にしないようにな

九時になったけどスレタイミスってるので那珂ちゃんのファンを止めます


―― デートってのは特別なもんや。

好きな人とのお出かけ。
それだけでも胸躍るものやのに、それは恋人と言う絆をより深める為のものなんやから。
ただ一緒にいるだけやなくて、色んなことを共有し、思い出にするそれはとても素晴らしいものや。
だからこそ、世のカップルたちはこぞってそれをするのだと…まだその入口にも立っていないうちがそう思うくらいに。

漫「(だ、だって…今からドキドキしてるし…♪)」

それは決して今だけの事やない。
それこそ一週間前からうちはそわそわし続け、友達に心配されてたくらいなんやから。
その上、期待で胸が一杯になり過ぎて、今日の事を何度も夢に見とる。
昨夜なんかは楽しみすぎて逆に眠れなくて、ぶっちゃけ寝不足気味やった。

漫「(それでも…嫌じゃないってのは…まぁ…思ったより乙女チックって事なんやろう)」

そんな自分の変調さえもプラスに感じ、今日と言う日の原動力にする事が出来る。
それは何もかも…うちが京太郎君の事が好きだからやろう。
自分で自分の感情の大きさを思い知れるそれらをうちは嫌う事が出来ひん。
寧ろ、それら一つ一つに恋する気持ちを深めていく感覚は心地ええと言っても良いくらいやった。


漫「(とは言え…寝不足はちょっと…なぁ…)」

そう思ってうちはそっと手に持った藤色のトートバッグから携帯を取り出す。
昼過ぎちょいの時刻が表示されるその表面を弄って、うちはアプリを起動した。
そのままそれを顔に向ければ、鏡面のようになった画面がうちの姿を映し出す。
普通の手鏡サイズのそれを微かに傾けながら、うちは自分の姿を確認した。

漫「(クマとか…ないやんな?)」

若い所為か微かに塗ったファンデーションの所為か、うちの素肌にはそれらしいものはない。
それをもう朝から何度も確認しているけれど、やっぱりどうしても気になってしまう。
それはやっぱり久しぶりに会う京太郎君に変な顔を見せたくないっていう乙女心の所為なんやろう。
そう自覚していても、うちはそれを止められず…こうして十何度目かの確認をしてしまう。

漫「(服装も…バッチリ。悪ぅはないはずや)」

そう思いながら携帯を傾ければ、そこには灰色のカーディガンが映った。
中に白地のパフスリーブTシャツを羽織ったそれは、童顔らしいうちの雰囲気を損ねるようなものやない。
下に履いているデニムのショートパンツやそこから覗くチェック柄の黒タイツ、そして薄ピンクのミュールも似合っとらへん訳やないやろう。


漫「(麻雀一筋やったから…こういうのよぉ分からへん…)」

友達たちにからかわれながらも、ファッション誌と睨めっこして作った自分なりのコーデ。
チェックしてくれた友達から太鼓判を貰えたそれは、多分…現状のうちの中では最高のものやろう。
せやけど…そう分かってても、やっぱり土壇場になるともっとええのがあったんちゃうやろうかって…どうしてもそう思ってしまう。
そんな弱い自分に肩を落としながら、うちは携帯をそっとトートバッグへと仕舞った。

漫「(普段はこんな事ないんやけどなぁ…)」

あの合宿以来、うちの中で色々と吹っ切れたんやろうか。
後輩の面倒もちゃんと見てあげられるようになったし、実力そのものも安定してきた。
お陰で、末原先輩や代行に贔屓されてる…なんて陰口も収まり、部内でも少しずつ認められてきたんが分かる。
出来れば末原先輩たちが引退するインターハイ前にこうなりたかったと思うほど、今のうちは成長し始めていた。

漫「(それが…今はこんなに弱々しくなって…もう…恋したら女はダメやね)」

そう自嘲気味に胸中で呟きながらも、うちはそれが決して嫌やなかった。
自分が恋と言う感情に振り回され、こんなにも不安になっているのに…それもまた嬉しいんやから。
そんな弱々しい自分が何処か誇らしく思えるくらいに…うちはもうダメになっとる。
そして…もっとダメにして欲しいと言う気持ちがうちの中にはあった。


漫「(でも…遅いなぁ…)」

さっき携帯に映った時刻は、待ち人の到着予定時刻の数分前だった。
うちをもっとダメにしてくれる人が告げたそれを確認しようと、うちは再び携帯を取り出す。
そのままメールを確認したが、やっぱりもう予定時刻はオーバーしていた。
それはまだ数分でしかないものの、しかし、うちをソワソワさせるのに十分過ぎる。

漫「(事故とか…そういうのないやんな…?)」

勿論…そんな事は殆どないってうちにも分かっとる。
でも、京太郎君が乗っているのは高速バスなんや。
年間、数回は事故を起こしとるその一回が京太郎君を襲わへんなんて誰が言い切れるやろうか。
そう思うと居てもたっても居られなくなり、うちはニュースサイトに飛ぼうと携帯を操作しようとして… ――




―― ブロロロロロ



漫「あ…」

そこまで考えた瞬間、うちの目の前に大型バスが通っていった。
大阪駅にある巨大バスターミナルに脇を寄せるようなそれには確かに長野の文字が書いてある。
それに思わずベンチから立ち上がったうちは…もう我慢出来へんかった。
手にとった携帯を乱暴にトートバッグの中へと突っ込みながら、うちはバスへと駈け出してしまう。


漫「京太郎君っ♪」
京太郎「あ、漫さ…ってぬぉあ!」

そんなバスから運転手さんに次いで降りてきたのは金髪の男の子だった。
別れたのはそれほど昔じゃないはずなのに、もう会いたくて仕方がなかった彼に…うちは勢い良く飛び込む。
決して行儀がええとは言われへんうちの仕草に京太郎君がぐっと足を踏みしめて、堪えるのが分かった。
そんな仕草さえ逞しく思えるうちはその胸にグリグリと顔を押し付け、その所在を確かめようとしてしまう。

漫「(あぁ…♪京太郎君や…っ♥京太郎君…っ♥)」

もう何度、夢見たかさえも曖昧なくらいうちの心を縛り付ける愛しい人。
それが本当に目の前に居るというのが…うちには信じきる事が出来へんかった。
だって、うちは今日のデートが決まってから、もう何度も同じシチュエーションの夢を見ていたのだから。
これもまたうちが見ている夢なんやないやろうか。
そう思うと京太郎君から離れがたく、うちはぐっと腕に力を込めて、その身体を抱きしめてしまう。

京太郎「す、漫さん…ちょ…離れて…」
漫「嫌やぁ…っ♪離さへん…っ♪離さへんもん…っ♪」

そんなうちに焦ったような声を向けながら、京太郎君は身動ぎする。
格好良くうちを抱きとめてくれた夢とは違うその気恥ずかしそうな反応は、これがきっと妄想でも夢でもなくて現実なんやからやろう。
しかし、それを納得しても、うちの身体はどうしても離れない。
京太郎君と会えなかった間に…ずっとずっと寂しがっていたうちの身体は本物の京太郎君を感じて…止められへんかった。


京太郎「…すみません」
運転手「はは…まぁ、こういう仕事してるとまったくない訳じゃないですし」

そうこうしている間に、京太郎君はうちを引き離すのを諦めたんやろう。
一つ謝罪の言葉を紡ぎながら、その腕を動かすのが伝わってきた。
その仕草一つにさえ、目の前の京太郎君が嘘ではないという実感が湧き上がり、ドキドキさせられてしまう。

運転手「はい、確かに」
京太郎「ありがとうございました」
漫「んぁ…♪」

そう言葉を交わしながら、京太郎君はうちの背中にそっと手を回した。
そのままうちを抱きかかえるような姿勢になった彼はぎこちない足取りでその場を離れる。
抱き合ったまま移動するバカップルそのものなうちらの姿に暖かな視線と敵意が向けられた。
でも、それを感じながらも、うちは京太郎君から離れる気には到底なれず…彼が導くままに足を動かした。

京太郎「ふぅ…まったく…いきなり過ぎですって」

京太郎君がそう言った頃にはうちらはバスターミナル脇のベンチに腰掛けていた。
けれど、うちの腕は未だ京太郎君を離さず、その胸の中に顔を埋めている。
勿論、もうコレ以上無く、これが現実である事を理解したが、うちは未だ彼から離れる気にはなれない。
ベージュ色のコートから微かに香る京太郎君の匂いとその身体の逞しさは、強がりながらも寂しがっていたうちの心に入り込み、胸の中に強い歓喜の熱を灯す。


漫「(本当は…ずっと…ずっと会いたかったんやから…っ♪)」

無論、それを京太郎君に伝えた事はない。
そんな事を伝えても、忙しい彼の邪魔になり、鬱陶しがられるのは目に見えているのだから。
一種のNGワードにも近いそれを…うちはずっと心の中に浮かび上がらせる事さえも禁じてきた。
しかし、こうして京太郎君にあって…心のタガも緩んでしまったのだろう。
会いたいと言う欲求が充足し、満たされる感覚に思わずジワリと涙が滲み出てしまう。

京太郎「髪の毛も崩れちゃってますよ…ほら」

そう言いながら、京太郎君はうちの髪をそっとセットしなおしてくれる。
何処か手慣れたその仕草はうち以外の誰かにもそうやっているからなんやろう。
それに嫉妬心がズキリと疼くけど、それを表に出す気にはなれへん。
折角、自腹を切って会いに来てくれた京太郎君と会ったばかりでそれは失礼やし、何より今はそれ以上に嬉しいんやから。
その手慣れた手つきを京太郎君の優しさと受け取っておくのが一番なんやろう。

京太郎「いい加減、顔見せて下さいよ」
漫「ん…♪」

そんなうちに告げられる言葉に、うちはそっと顔をあげる。
胸の中から見上げるそれは、いっそキスを強請っているようにも見えるかもしれへん。
…いや…本当は…京太郎君がそう見えるように…意識してしとる。
本当は京太郎君がキスしてくれへんかなって思いながら…そうやって上目遣いしとるんや。


京太郎「ん…やっぱり可愛い漫さんだ」
漫「い、今、そういうのあかんって…ぇ♪」

多分、それは京太郎君にとって冗談の一環なんやろう。
うちらは合宿でもメールでもそういうやり取りをし続けてきたんやから。
だけど、メールでさえもベッドで転げまわるくらいに嬉しいのに…こうして面と向かって言われると正直ヤバイ。
それだけで身体が熱くなって、京太郎君と一つに融け合いたいという欲求が…お腹の奥から沸き上がってくるんやから。

漫「(でも…それはあかん。あかんで…漫)」

それをぐっと理性で抑えこむのは、これがデートやからや。
折角、こうして大阪まで足を運んでくれた彼を一番に連れて行くのがラブホと言うのは情緒がなさ過ぎる。
能力の副作用の事もあるので軽蔑されたりはしないと思うが、幻滅されないとまでは言い切れないのだ。
それに何より…うちのトートバッグの中には友達と練りに練ったデートプランが入っているのである。
友達に○ックを奢ってまで協力してもらったそれを、京太郎君と一緒に楽しみたいという気持ちは欲情の中でも強かった。

漫「…はぅ…♪」

しかし、それが何時、自分の中で逆転するかは分からない。
そう自分に言い聞かせながらも、うちはやっぱり京太郎君から離れる事が出来ひん。
そんな自分に肩を落として、ふと京太郎君の後ろにある柱時計に目を向ければ、そこは既に14時を遥かに過ぎ去っている。
どうやらうちが夢中になっている間に、結構な時間が経ってしまったみたいや。


京太郎「満足出来ました?」
漫「…全然…ん…♪」

悪戯っぽくそう尋ねる京太郎君にうちはそっとその首を振った。
数十分ほどこうして抱きつき続けたとは言え、ずっと京太郎君と会えなかったうちの身体はまったく満足していない。
けれど、うちの所為で貴重な時間を無駄にしてしまったのは紛れもない事実や。
それを思うとシュンと肩が落ち、申し訳ない気持ちが胸の奥から湧き上がる。

漫「ごめんな…折角、来てくれたのに…」
京太郎「良いですよ。予想してた事ですし」

そんなうちを励ますように言いながら、京太郎君はうちの髪にそっと触れた。
セットした髪を崩さないようにポンポンと上から抑えるようなそれはとても優しい。
京太郎君の暖かさを伝えるようなそれに落ち込んでいたはずのうちから笑みが漏れる。
それに京太郎君も笑みを返してくれたお陰で、うちらの間に穏やかな空気が流れた。

京太郎「それより待たせてごめんなさい。雪が振っちゃった所為で途中にチェーンの準備とか色々あって…」

そう謝罪する京太郎君に対して、うちは首を左右に振った。
うちは長野に行った事はないけれど、もう今の時期から雪が降り始めている事くらい知っているんやから。
日本でも有数の豪雪地帯を抜ける為にあんまり速度を出せないのは、小学生でも分かる。
勿論、高速バスのダイヤはそう云うのを含めて考えられているとは言え、数分の遅れくらいは許容範囲やろう。


漫「それより…会いに来てくれた方が嬉しい…♪」

勿論、遅れた事に関して、うちがソワソワしていたのは確かや。
でも、それ以上に今のうちは京太郎君と会えた事が嬉しかった。
今やったら代行の罰ゲームだって耐えられると思うくらいに胸の中が嬉しさで満ち溢れている。
その気持ちを少しでも伝えようと手に力を込めた瞬間、うちは自分の持っているトートバッグの存在を思い出した。

漫「そう言えば…ご飯食べた?」
京太郎「いや、実はまだなんですよ」

途中で何度か休憩を挟むとは言え、バスの目的は観光ではなく移動や。
サービスエリアに止まる回数だって必要最低限やろう。
到着時刻はちょうど、昼過ぎちょっとになるし、昼ご飯はまだなんじゃないやろうか。
そう思ったうちの予想は、見事に的中していたらしい。

漫「じゃあ…移動する前にここで食べへん?実は…ちょっと作って来たんよ」
京太郎「えっマジですか!?」

そんなうちの言葉に京太郎君は驚きながらも、嬉しそうに返してくれる。
それだけであまり眠れなかった身体に鞭を打って、色々と仕込んでおいた甲斐があると思えた。
うちは案外、尽くす事に喜びを見いだせるタイプやったらしい。
今まで自分ではそんなつもりはなかったものの、新しい自分の発見は嫌なものやなかった。


漫「まぁ、サンドイッチやけどね」

とは言え、それはあんまり手の込んだものやない。
手作りなのでまったく手間がかかっていないとは言えんけど、お弁当ほど手が混んだものって訳でもなかった。
まぁ、サンドイッチやったら外しても後で摘めるし、お弁当よりは気持ちも軽く映る。
外した時の痛々しさもお弁当よりもマシなはずやし…ベターなチョイスだったはず。

京太郎「いや、夕飯も近いですし、そっちの方が良いですよ」

そう言ってくれる京太郎君がうちの気持ちをどれだけ汲み取ってくれとるかは分からへん。
けど、その表情には嘘はなく、心底、喜んでくれとるのがはっきりと伝わってくる。
それにうちも嬉しくなって、今度こそ身体を離した。
瞬間、京太郎君に触れていた肌を秋空の冷たい空気撫でるものの、それに怯む事はない。
それよりも今はそんなに喜んでくれている京太郎君にご褒美をあげたいと、うちはトートバッグの中からランチケースを取り出した。

漫「はい。どうぞ♪」
京太郎「うす。やばい…匂いだけでも美味しそうだ…」

うちの手からランチケースを受け取った京太郎君はクンクンと鼻を動かす。
そのままランチケースを開いていくその顔は今にもヨダレが出そうなものになっていた。
一体、どれくらいの間、休憩しなかったのかは分からんけど、お腹が空いとるのは事実なんやろう。
そんな京太郎君の顔にうちは一つ笑みを漏らしながら、そっと口を開いた。


漫「もう…♪相変わらずお世辞が上手いんやから」
京太郎「お世辞じゃないですよ…って…うぉぉ…」

瞬間、京太郎君の口から感嘆の声が漏れるのは蓋を外したからやろう。
その視線は中身へと釘付けになり、その目は驚きに見開かれていた。
まるでうちのサンドイッチに感動しているようなそれにうちの笑みが深くなる。

京太郎「…卵サンドだけじゃなくて…カツサンドやコロッケサンドまである…だと」
漫「男の子ってそういうの好きやろ?」

うち一人だけなら別に卵サンドやハムサンド程度で十分や。
けれど、男の子の京太郎君にとって、それだけやったら味気ないやろう。
そう思ったうちが挟んだのはカツやコロッケと言ったサンドイッチの花型ばかり。
勿論、栄養のバランスを考えて野菜も挟んでいるけれど、その割合は決して多いものやなかった。

漫「一応、中身も一から作ったんやで?」
京太郎「つまりこの野菜も漫さんが愛情込めて栽培した特製の…」
漫「それに愛情込めてくれたんは名も知らぬ農家のおじいさんや」

ゴクリと生唾を飲み込む京太郎君の言葉が冗談ってのは気づいとった。
それにツッコミめいた言葉を放ちながら、うちはクスリと笑い声をあげる。
久しくなかった冗談の応酬に、うちは思ったより飢えとったんやろう。
心の中が妙に浮かれて、ウキウキとしてしまう。


京太郎「いや、ここまでしてくれるなんて思ってなかったですから、マジ嬉しいですよ」
漫「ふふ…嬉しいけど、そういうのは食べてからにしてぇな」

そこでふと真顔になって告げる京太郎君の言葉は嬉しかった。
せやけど、どうせならそういうのは一口食べてからにして欲しい。
そう思うのは…さっきから京太郎君の感想が気になって仕方ないからなんやろう。
匂いは褒めて貰えたけれど…ちゃんと京太郎君の口に合うやろうか。
その思考がさっきからうちの脳裏にチラチラと映り込み、どうしても気になってしまう。

京太郎「じゃあ、カツサンドから頂きますね」
漫「いきなり大物やね」
京太郎「マジで腹減ってるんで…それじゃ…」

そう言いながら、京太郎君はランチケースから取り出したカツサンドにかぶりつく。
うちが朝から油と格闘しながら揚げたそれはケチャップベースのポピュラーなタイプや。
しっかり衣をつけてカリカリに揚げてからそれほど時間も経ってないし、食感だって悪くない…と思う。
せやけど、うちが味見してからそれは少し時間も経過し、どうなっとるかうちにも分からへん。
それをモグモグと口にする京太郎君にうちはついつい口を開いてしもうた。

漫「ど…どう?」
京太郎「…美味いっす」

伺うようなうちの言葉に、一つ頷いてから京太郎君はムシャムシャとカツサンドを食べ始める。
そこには嘘も冗談もないどころか、寧ろ夢中になっているような感情さえ感じ取る事が出来た。
どうやら…うちのサンドイッチはかなり京太郎君に好評を頂いているらしい。
それに胸を撫で下ろすうちの前で京太郎君は最初の一つを完食した。


京太郎「いや…本当に美味しかったですよ。もう一個貰って良いですか?」
漫「どんどん食べてええよ。ただ、あんまり焦ると喉に詰まらせるから気ぃつけてな」

そう言ううちの言葉に頷きながら、京太郎君はまた一つサンドイッチを口へと運ぶ。
その勢いはさっきよりも早く、味わうと言う気持ちがあまり感じられなかった。
しかし、それでも嬉しそうに食べる京太郎君が可愛くて仕方がない。
まるで外で元気いっぱい遊んできた後の子どものようなその姿に、母性を刺激されてるなんて思うくらいや。

漫「(まぁ、一応、準備だけしとこうか)」

クスリと笑みを浮かべながら、うちがそう思うのは京太郎君の勢いがあまりにも早すぎるからや。
バクバクと勢い良くかぶりつくその姿は、何時、サンドイッチを喉に詰まらせてもおかしくはなかった。
特にパンは水を吸ったら膨れるのもあって、比較的、喉に詰まりやすい食材や。
そうでなくても、パンの後は口の中が乾くものだし、お茶の準備をしておこう。

京太郎「んぐ…っ!」
漫「もう言ったのに…」

そう思ったうちがトートバッグから水筒を取り出した瞬間、京太郎君が苦しそうに喉を叩く。
ドンドンと必死になって流し込もうとする京太郎君を見ながら、うちは水筒のキャップ兼コップを外し、そこへとお茶を流し込む。
それを焦る京太郎君へと手渡した瞬間、彼はそれを一気に呷った。
その数秒後、大きく息を吐いた京太郎君にはさっきまでの苦しそうな様子はなく、安心をその顔に浮かばせていた。


京太郎「…助かりました」
漫「別にええよ。でも、あんまりパンの時は焦ったらあかんで」

元々、唾液で膨れていたのもあって、今回はお茶で流しこむ事が出来た。
しかし、パンの性質上、水で流し込もうとするのは逆効果になってしまう場合もあるんや。
勿論、そんな事は滅多にないとは言え、絶対にそうならへんとは言い切れへん。
それを思えば最初から詰まらないように気をつけるのが一番やろう。

漫「ちゃんと噛んで食べる癖つけへんかったら健康にも悪いんやからな」
京太郎「次から気をつけます…」

うちの言葉にシュンと肩を落とすのは、それが叱るような口調になったからやろう。
それに心の奥が申し訳なさで疼くが、かと言って甘やかすと京太郎君の為にならへん。
多少、落ち込んでも健康の為にもちゃんと噛む癖をつけさせておいた方が後々、彼の為になるんやから。

漫「まぁ…それくらい美味しいっていうのは伝わってきたから…嬉しいけどね」

そう言い聞かせながらも、そうフォローの言葉を紡いでしまうのは…結局、うちが甘い所為なんやろう。
落ち込む京太郎君に母性を擽られたうちは何かしたくて仕方なかったんや。
結局、それがさっきの京太郎君を僅かにでも肯定してしまうのは自分でも良くないと思うが、それでもその言葉は嘘やない。
そうやって嬉しそうに食べてくれる彼が嬉しくて、頑張った甲斐があったと心から思ったんやから。


漫「でも…本当に危ないんやから、気をつけて」
京太郎「はい」

最後にそう釘を指しながら、うちもまたランチケースに手を伸ばす。
京太郎君と一緒に食べたいと言うのもあって、うちもまだ昼食は済ませてなかった。
味見もしていたので流石にお腹がペコペコだって言うほどじゃないけれど、このまま夕飯まで持つほどじゃない。
そう思いながら口に運んだハムサンドは思ったより味も劣化しておらず、意外といい出来だと自画自賛出来た。

京太郎「でも、さっきの漫さん、まるで母親か姉みたいでしたね」
漫「えー…流石に母親は嫌やなぁ…」

勿論、小言っぽくなったのは自分でも自覚してるけど、母親扱いは流石に凹む。
それほど年齢差がある訳じゃないし、何よりうちは京太郎君をそういう対象に見とらんのやから。
それよりはもっと艶っぽくてドロドロとした感情を向けている相手に、母親と思われたくない。

漫「でも、おねーちゃんやったら別に構わへんかも」

そう思うのはうちが意外と、京太郎君に頼られるシチュエーションが嫌いじゃないからやろう。
母親は流石に嫌だけれど、年の近いおねーちゃんなら、そんなに拒否感は出えへんかった。
レディコミにもそういう話が少なからずあって、うちもそういう禁断の恋とやらに憧れが…い、いや、それはともかく。
い、色々な理由があって嫌じゃないのは、確かなんや。


京太郎「じゃあ、今日の漫さんは漫姉ですね」
漫「だったら敬語止めへんとなぁ」

そんなうちに乗ってくれる京太郎君にクスリと笑いながら、うちは一つ目を完食した。
勿論、それは絶品って程じゃないけれど、市販のそれよりはボリュームがあって美味しいと思う。
本格的に料理の勉強を始めたのは合宿後からって事を加味すれば、そこそこ上出来なんじゃないやろうか。
そう思ううちに京太郎君はそっと顔を近づけてきた。

京太郎「…エロいスイッチ入りません?」
漫「そ、それくらいやったら大丈夫やと思う。…多分」

まるでうちの耳元にキスするようなその仕草にドキドキしたのもつかの間。
声を潜めて尋ねる京太郎君にうちは自信なさげにそう返す。
勿論、その程度で発情しちゃうほど自制心がない訳じゃないと思うものの…うちはまだまだ経験不足や。
こうして初めてのデートが終わるまでは、正直、どんな事で発情スイッチが入るか分からない。
『京君』『漫』と言う特別な呼び方さえしなければ大丈夫…と言う予測が正しいかさえ分からず、うちはそうやって曖昧に返すしかなかった。

京太郎「じゃあ…漫姉、これからどうする?」
漫「ふふ♪その辺はちゃあんと考えとるで」

そんなうちから顔を離しての京太郎君の言葉にうちが我慢出来ひんようになる事はなかった。
勿論、心の中は擽ったくて、ムズムズするけど、それは決して欲情に結びつくものやない。
それに一つ安堵しながら、うちは微かに胸を逸らし、自慢するようにその口を開いた。


漫「デートコースは万全。最初から最後までしっかりとうちに抜かりはないで」
京太郎「ごめんな。本当はそういうのは俺が考えなきゃいけないんだけど…」

胸を張るうちとは対照的に、謝罪する京太郎君の肩は下がっていく。
恐らく、その頭の中では男がデートをリードするもの、という意識が強いんやろう。
勿論、うちだってそうして欲しいという気持ちがまったくないとは言えへん。

漫「しゃあないやん。京太郎君はこっちの事知らへんのやし。それにこういうのは地元民に任しといた方がええねんて」

これが京太郎君の地元である長野であれば、うちは遠慮なく彼に全てを任せていたやろう。
しかし、ここは京太郎君にとっては未知の土地であり、うちの地元なんや。
他所の人間が付け焼刃の知識でデートコースを考えるよりは地元の人間が導いてあげた方が遥かに効率が良く、何より安全なんやから。
他所からは楽しそうに見えてもその詳細を知る地元民には微妙なスポットと言うのはどの県にも少なからずあるんや。

漫「その代わり、何時か長野に行く時は案内して貰うからその時は凄いの頼むで」
京太郎「何か凄いハードルが上がった気がする…!!」
漫「うちの期待を損ねたら後でお仕置きやからね」

勿論、それは冗談であり、本当に何かをするつもりはない。
うちにとっては京太郎君と思い出を共有出来るだけで嬉しい事なんやから。
ましてや彼が案内してくれるというだけで、きっと何処でも楽しめるやろう。
それに何より…うちはお仕置きするよりも、される方が好みなんや。
そんなうちにとって、それはあくまでも京太郎君との掛け合いを楽しむ為のものでしかなかった。


京太郎「じゃあ、俺も今日のデートが気に入らなかったら、漫姉にお仕置きしても良いんだな?」
漫「ぅ…そ、それは…♥」

それを見抜いたんやろう。
京太郎君がにやりと笑いながら紡いだ言葉は、そんなうちの心を突き刺す。
ジクリと心の中に染みこんでくる言葉に、胸の奥が強い疼きを走らせた。
肌の内側が甘い炎で炙られているようなチリチリとした感覚にうちの言葉は遮られる。

漫「え…えぇよ。そんなん…出来るんやったら…やけど…♪」

そんなうちの口からポツリポツリと漏れ出るそれは強がり混じりのものやった。
何せ、ここでそれを疼きのままに受け入れてしもうたら、折角のデートがおじゃんになるんやから。
それこそうちはこのまま京太郎君をラブホに連れ込んで、彼が帰る明日までずっと繋がりっぱなしになるやろう。
それに心惹かれへんって言うたら嘘になるけど、でも、初デートがラブホ直行なんて流石に嫌や。
とは言え、京太郎君に慣らされた身体は、それを完全に拒絶する事は出来ず、こうして微妙な言葉を放ってしまう。

京太郎「よし。その言葉忘れんなよ」
漫「ん…♪」

そう言って京太郎君はうちの頭をそっと撫でてくれた。
まるでギリギリのところで我慢したうちを褒めるようなそれに思わず目も細まる。
その胸中には愛しさ混じりの歓喜が浮かび、欲情を押しのけていった。
勿論、うちの中に根強く残るそれは完全に駆逐なんて出来ひん。
けれど、意識から少しずつ深層へと下っていくその感情にうちは安堵を覚えた。


京太郎「まぁ、俺もデートなんて初めてですし、気軽に行きましょう」

いきなり素に戻っての言葉は、うちがプレッシャーを感じているんじゃないかと心配してのものなんやろう。
何だかんだでこれがうちの初デートなのは、京太郎君も知っている事なんやから。
それを胸の中がさらに暖かくなるのを感じながらも、うちはその言葉を見過ごす事は出来ひんかった。

漫「て言うか…初めてなん?」
京太郎「そりゃそうですよ。そんな暇ないですし」

うちはてっきり原村さんや神代さんととうの昔にデートしているものやと思っとったんや。
いや、そうでなくても、メールや電話で仲良さげに出てくる宮永咲と一回くらいはこうしたお出かけをしているもんやと思い込んどった。
けれど、あっけらかんと返す京太郎君には嘘は見えず…だからこそ、うちの胸は大きく跳ね、ドクドクと鼓動の音を大きくしてしまう。

漫「じゃあ、うちが京太郎君の初めての女なんやね」
京太郎「逆に俺も漫さんにとって初めての男な訳で」
漫「つまり…お揃いやね」
京太郎「お揃いですね」

そんなバカップル丸出しな会話をしながら、うちらはサンドイッチを咀嚼していく。
その勢いは決して遅くはなく、また二人で食べているという事もあって、あっという間に減っていった。
時折、会話を挟みながらの食事の時間は楽しいが、サンドイッチがなくなればそれを維持する事は出来ない。
その侘しさに一つ肩を落としながら、うちは京太郎君にそっと水筒のコップを差し出した。


漫「諸行無常やなぁ…」
京太郎「いきなり何を言ってるんですか」

そんなうちの手からコップを受け取りながら、呆れたように突っ込む京太郎君。
そのままグイっとコップを呷った彼はうちにそれを返してくれた。
勿論、そこには京太郎君の唾液が残っておるはずや。
そう思うと唐突に喉の奥が乾いて、さっき補給したはずのお茶が何故か唐突に飲みたくなる。

京太郎「美味しいもの食べるのも、楽しいのもこっからでしょうに」
漫「せ、せやね!」

そう言って、京太郎君はうちにほっとするような暖かな笑みを向けてくれる。
まるで心からうちとのデートを楽しみにしてくれているのが伝わってくるその笑みに、良心がズキリと疼いた。
何せ、今のうちは完全に上の空で、京太郎君の言葉を聴き逃しそうになっていたんやから。
意識の半分以上をコップに引っ張られていたんうちに、そうやって素敵な笑顔を向けられるとなんとなく申し訳なくなる。

京太郎「それで…今日は何処に行くんですか?」
漫「それは秘密や」

そんなうちの気持ちに気づいとるのか気づいとらへんのか。
京太郎君はその話題を大きく変えて、うちへと尋ねてくる。
それに釣れなく返しながら、うちはそっと水筒とランチケースをトートバッグへとしまっていった。
最後にその口をきゅっと紐で縛ってから、うちはベンチから立ち上がる。


漫「現地に着くまでワクワクドキドキのサプライズデートやで」
京太郎「俺はもう久しぶりに会った漫さんにドキドキしっぱなしなんですけど」
漫「えっ…?」

そんなうちに次いでベンチから立ち上がった京太郎君の言葉に、ついつい振り返ってしまう。
どうせ、それも京太郎君の冗談やって、うちには分かっとる。
こんなタイミングでドキドキなんて言い出すんやから、それ以外にはありえへん。
でも…まるでうちの身体は抑えきれへん衝動に流されるように振り向いてしまう。

京太郎「…私服すげー可愛いです」
漫「あぅ…」

瞬間、うちの視界に入ったのはその頬を赤く染めた京太郎君の姿やった。
まるで自分の言葉に恥ずかしがっているようなその姿にうちの顔も赤くなる。
だって、それは京太郎君が冗談でもお世辞でもなく、本気で言ってくれている証なんやから。
それだけでうちの肌は熱くなって、身体に喜びが行き渡っていくのを感じる。

漫「も、もうちょっと早めに褒めへんかったらあかんで…?」

でも、それを表に出来ないのは、そうしたらうちが暴発しかねないからや。
本当はそんな意地っ張りな言葉は言いたくないけど、ここで素直に嬉しがるとうちはきっと止まれへん。
もっともっと京太郎君に褒めてもらいたくて…色々とアピールしてしまうやろう。
そうなったら、京太郎君もきっとタガが外れて…二人でラブホ直行ルートや。
段々、自分の中でそれでも良いかという気持ちが強くなってきているけど、でも、やっぱり初デートくらいちゃんとやりきりたい。


京太郎「実はずっとタイミング伺ってましてですね…」
漫「そう言うのは多少、強引でもええよ」

気まずそうに目を背ける京太郎君にうちはそっと腕を絡める。
それだけで頭の中がカァァと熱くなって、鼓動が激しくなるのを強引に意識から追い出した。
そのまま大きく息を吸い込むうちの横で京太郎君が心配そうな目を向ける。
いきなり横で深呼吸しだしたんやから、それも当然やろう。

漫「罰として、当分はうちの抱きつき攻撃を受けるんやな」
京太郎「寧ろ、ご褒美なんですけど…」
漫「知っとるよ、そんなの」

だって、京太郎君は本当に筋金入りのおっぱい好きなんやから。
能力の対象にもなるくらい洗練されたその欲望は、到底、我慢出来るものやない。
例え、それが冬服に近い厚手のコーデ越しでも、京太郎君は喜んでくれるやろう。
そして、それこそが目的なうちにとって、罰なんて言うのは名目以外の何者でもあらへん。

漫「…だから、察してぇな」

だけど、それを流石に表には出せない。
そんなうちが歩き出しながらの言葉に、後ろの京太郎君はクスリと笑った。
どうやらうちに腕を引っ張られていると言うのに…京太郎君はうちに微笑ましさを感じているらしい。


京太郎「漫さんは甘えん坊ですね」
漫「せ、先輩に対して生意気よ?」

それが生意気だと思うものの、うちの言葉は喜色を滲ませていた。
何だかんだ言って…京太郎君はそんな甘えん坊なうちを受け止めてくれるって分かっているからやろうか。
その生意気な口ぶりにもドキドキするだけで、決して嫌なものを感じない。
まるで飼い慣らされているような自分の姿に悔しく思えるくらい…うちはもう京太郎君にぞっこんやった。

京太郎「生意気なのはそれだけ漫さんが気易くて良い先輩だからですよ」
漫「むぅぅ…」

その上、そんなうちを持ち上げるような言葉を言われたら、拗ねてはいられない。
勿論、卑怯な言い方だと言うのは分かっているものの…悔しいかな、あんまり悪い気はせんかった。
うちは末原先輩みたいな皆に尊敬されるようなタイプじゃないのはここ最近で良く分かっとるんやから。
実際、京太郎君に恭しくされる自分なんていうのはまったく想像出来ひんし、それよりはこうした気安い関係の方が居心地が良い。

漫「何か最近、京太郎君が口が上手くなりすぎて不安やわ…」
京太郎「日頃から漫さんにメールなんかで鍛えられてますから」

そう京太郎君はあっけらかんと言うものの…多分、それだけやない。
そうであって欲しいとは思うものの、うちと京太郎君の普段の接点はメールや電話だけなんやから。
それよりは普段、京太郎君の周りにいる皆から受ける影響の方が遥かに大きいはずや。


漫「(実際…ここ最近は二人の話題が多いし…)」

勿論、それは京太郎君自身は意識してへんものなんやろう。
だけど、そのメールを一日の間に何度も読み返し、寝る前に録音した京太郎君の声を聞いているうちにはよぉ分かる。
京太郎君は少しずつ…でも、確実に原村さんと神代さんとの話題が増えていっとるんや。
二人が何をした、どうなった…そんな風な言葉が増えるのは、間違いなく京太郎君が二人を意識しとるからやろう。

漫「(前は…宮永咲の事が一番、多かったのに…)」

しかし、今やその関係は完全に逆転している。
今の彼にとって、不安で中々、目を離せないと称した宮永咲よりも二人の事が気になっているんやろう。
そして…それが今のうちにはかなり…心にクる。
一人だけ大阪という離れた土地に居て、置いてけぼりを喰らっているうちにとって、着実に距離を縮めているだろう三人の姿は胸が痛むものやった。

漫「(うちだって…能力の影響を受けとるのに…)」

勿論、それは距離や生活の問題もあって、仕方のない事やと分かっとる。
だけど、一人だけ蚊帳の外に置かれとるという疎外感は…やっぱりどうしても胸へと突き刺さるんや。
そして…そこから湧き上がる何とも自分勝手な不公平感。
自分から志願して能力の実験台になったうちだけ、どうして仲間はずれにするんやって。
うちだって副作用で…京太郎君に会いたくて仕方ないのに…どうして一人ぼっちにするんやって。
二人とだけ毎日会って…優しい言葉を向けるなんてズルいって。
仕方ないって分かっているのに、そんな感情が溢れて…どうしても止まらへんかった。


漫「(だから…絶対にこのデートで…もっと仲良くなってみせるんや…!)」

そんな不公平感を解消する為にも…うちはこのデート、絶対に失敗は出来ひん。
他の二人に対して、どうしても環境が悪いのを否めないうちは一回で大きく稼がへんかったら負けてしまうんやから。
それは…正直、考えたくもない未来だからこそ…うちは… ――




………



……








大阪が誇るデートスポットと言えば、殆どの人がU○Jを思い浮かべるんやないやろうか。
実際、そこは日本でも有数の遊園地やし、人気なのは間違いない。
けれど、付き合いたてのカップルが行くのに適しているかと言えば、答えはNOや。
何せ、人気過ぎて休日は殆どのアトラクションが時間単位で待たへんかったらあかん。
平日だって修学旅行生が多く立ち寄り、人気アトラクションで待ち時間が発生するのも珍しゅうはない。
そんな場所に付き合いたてのぎこちないカップルが行けば、話題が途切れて、気まずいまま別れてしまうやろう。

漫「(まぁ、うちと京太郎君はそういう仲やないけれど…)」

でも、お互いがこれが初デートだと理解している以上、そんな危険牌は打てない。
それよりももっと安全で、かつ思い出が残りやすい場所で仲を深めていくのが一番や。
そして、幸いにも大阪にはそれにとても適した場所がある。
それは… ――

京太郎「おぉ…」

大阪港駅から降りて、少し歩いたうちらの前にあったのは特徴的な建物やった。
まるで角ばったキノコのような形をするその壁には海に泳ぐ様々な魚たちが描かれている。
中央の壁に水面へと登ろうとしているようなイルカが二匹描かれたそこは… ――

京太郎「これが噂の海遊○…」
漫「ふふん」ドヤァ

感嘆したような京太郎君の声に、うちはついつい胸を張ってしまう。
勿論、うちは何も偉くはないんやけれど、他県の子にそうやって感心されるのは悪い気分やない。
生まれも育ちも大阪な所為か、結構、うちも郷土愛っていうのが強い方なんやろう。


京太郎「確かジンベエザメがいるんですよね?」
漫「海○館はそれだけやないで」

勿論、全国的にそれが有名なのは事実やろう。
だけど、うちがわざわざ初デートの場所にここを選んだのはそんなミーハーな理由だからやない。
ここが普通の水族館よりもアミューズメントとしての部分に力を入れて、色々と楽しめるからや。
近くには対岸の○FJにも負けない立派な大観覧車があるし、遊覧船だって出とる。
その代わり他の水族館にはありがちなショーとかはないけれど、一日中時間を潰すのはそう難しくはない。

漫「(まぁ、かく言ううちもここに足を運んだのは確か中学校くらいの遠足以来やけれど)」

身近過ぎてあんまり行かないってのは大阪でも同じや。
でも、デートコースの定番を色々と調べた結果、たどり着いたその考えはあんまり間違ってないと思う。
友達もそんなうちの判断に賛成してくれたし、きっと大丈夫。
そう自分を奮い立たせながら、うちはそっと足を動かし、京太郎君を引っ張る。

漫「まぁ、あんまりネタバレするのも面白くないやろ?」
京太郎「確かに…その通りですね」

まぁ、実際はうちが行った頃とはまた色々と違っているみたいで説明しきれへんのが本音やった。
勿論、ここを選ぶにあたって雑誌やネットの評判なんかにはひと通り目を通したけれど、ちゃんと説明出来るほどやない。
その辺を突っ込まれて、しどろもどろになるのは面白くないし、ここは誤魔化すのが一番や。
先輩って言うのは基本的に後輩に対して、意地っ張りで見栄っ張り生き物なんやから。


京太郎「それじゃ一杯、楽しみましょうか」
漫「うんっ♪」

そんなうちに京太郎君が告げる言葉に首肯と共に返事を返す。
その瞬間、うちらは入り口を潜り、その不可思議な建物へと飲み込まれた。
そんなうちらをまず真っ先に迎えてくれたのは、勿論、チケット売り場。
修学旅行生も一段落ついた所為か、心なし暇そうにしているお姉ちゃんにうちらは近づいていく。

漫「大人二枚お願いします」
京太郎「いや、ちょ、漫さん!?」

京太郎君がそう焦った声を出すものの、もう遅い。
その利き腕はうちの胸が抑えているし、利き腕が使えるうちの方が財布を出すのは早い。
まさかうちがお金を出そうとするなんて想像もしていなかった事もあり、うちはスルスルと精算へと進んでいく。
その最後にチケットを受け取ったうちは、横の京太郎君に勝ち誇ったようにニコリと笑った。

京太郎「ズルいっすよ」
漫「言ったやろ。諸経費は割り勘やって」

このデートを決めた際、必要経費は常に割り勘で、という話やった。
うちは校則や部活の都合でバイト出来ひんし、お小遣いもあんまり高くない。
その辺の事を気遣って、京太郎君は全額出すと言ってくれたけど、うちが必死でねじ込んで妥協させたんや。
でも、だからと言って、高速バスに乗って大阪まで来てくれた京太郎君にホイホイと割り勘させるのも心苦しい。


漫「これで行きのバス代くらいにはなったやろ」
京太郎「そんなに気を遣わなくても大丈夫ですよ」
漫「うちが気にすんの」

結果、うちが選んだのは、せめてバス代分くらいは強引に奢るというものやった。
そんなのメールでも電話でも一言も伝えていなかったから、京太郎君にとっては条約違反も良い所だろう。
それでもやっぱりうちにも先輩としての意地があるし、何より… ――

漫「それに…そうやって浮いたお金で京太郎君の方がまた会いに来てくれるだけでうちは幸せよ」

そう。
そうやって浮いたお金で京太郎君がまた大阪に来る気になってくれれば、お金を出した甲斐は十二分にある。
勿論、京太郎君だって今の時期は大会やら何やらで忙しいから、期待するのはいけん事やろう。
しかし、やっぱり一ヶ月に一回か二回…って言うのはやっぱり寂しい。
それを口に出したら京太郎君が困る事くらい分かるから口には出さへんけれど…冗談めかしたそれは決して嘘やなかった。

京太郎「漫さん…」
漫「ふふん♪うち結構、殊勝な女やろ?」ドヤァ
京太郎「漫さんは最初から優しくて気遣いの出来る人ですよ」

それを隠したくてドヤ顔するうちに京太郎君はクスリと笑って、頭をそっと撫でてくれた。
優しくて暖かいその手つきに思わず胸の奥が熱くなる。
身体の内側にも心地好さが満たされ、緩やかに脱力していく感覚が湧き上がるくらいや。
だけど、まだ入り口にも立っとらへん状態でふにゃふにゃになる訳にはいかへん。
そう自分に言い聞かせながらぐっと足に力を込め、しゃんと自分の足で歩き続ける。


京太郎「でも、俺は今日、漫さんに男を見せる為にバイト頑張ったんですから、もうちょっと頼って下さい」
漫「んー…善処するって事で」

勿論、うちはバイトしてへんから、どうしても京太郎君に頼らざるを得ない立場や。
何もかんもうちが出してあげるなんて不可能やし、今日だっておかんから貰ったデート代特別手当にかなり頼っとる。
だけど、それでもギリギリまでは京太郎君の面倒を見てあげたい。
デートなんて初めてだし、どんな風にお金が飛んでいくかは分からないけれど、やれる分はやってあげたいのが本音や。

京太郎「漫さぁん…」
漫「ほら、情けない事言ってないで…そろそろ見えてくるで」

そんな話題を誤魔化す為にうちが指さしたのは青い世界やった。
天井から降り注ぐ青い光に染まったそこは色とりどりの魚が泳いどる。
丸いチューブ状のそれはまるで海底トンネルさながらの光景を演出していた。
10mちょっとしかない、けれど、とても神秘的なそれにうちらの目は惹きつけられていく。





【アクアゲート】

京太郎「お、おぉ…アクアゲートだ…」

漫「何時も思うけど、これ考えた人、凄いよね」

京太郎「三方が水で囲まれて、普通の水槽とはかなり違いますからね」

漫「…でも、コレ見ると何時も思うんやけど」

京太郎「?」

漫「何で下までガラスにせんのやろうね?」

京太郎「あー…ここまで来るならいっそ全部ガラスにしちゃえ的な?」

漫「そうそう。折角やし、足元を泳ぐ魚とかも見てみたいやん?」

京太郎「多分、小さい子どもとかが怯えちゃうんじゃないでしょうか」

漫「なるほど。水族館って確かに小さい子どもも来るもんね」

京太郎「後はコストの問題とか」

漫「ちょ!そんな世知辛い事言わんといてぇな!」

京太郎「はは、すみません。折角の水族館で言うセリフじゃなかったですね」


漫「お、エイ泳いどる」

京太郎「何であれで泳げるんでしょうね」

漫「そう言えば…横の羽動かしとるだけやんな」

京太郎「可愛らしい仕草なのは確かなんですけどね」

漫「でも、顔は中々、迫力あるんよねぇ…」

京太郎「硬派な職人って感じに見えますからね」

京太郎「ただ…俺は子どもの頃、必死になってエイとにらめっこしてましたけど」

漫「何でにらめっこなん?」

京太郎「いやぁ…あの下の口が何故かツボに入ってですね」

京太郎「悔しいから必死になって、笑わせてやろうと変顔してました」

京太郎「気づいた時には集合時間過ぎてて、先生が慌てて探しに来ていましたね」

漫「子どもの頃から負けず嫌いやったんやね」

京太郎「まぁ、エイが笑うはずないから負け続けだったんですけどね」

漫「いや、実は内心、馬鹿な奴って笑われてたかもしれへんよ?」

京太郎「もし、そうだったとしたら勝った喜びよりもショックの方がでかいですね…」


京太郎「にしても、此処は全体的に黄色い感じですね」

漫「あざとい枠やな」

京太郎「あざとい?」

漫「いや、ごめん。何でもあらへん」

漫「(…今時、日曜朝のアニメ見てるとか知られたくないのに…迂闊やった…)」

京太郎「あ、ここ熱帯魚が中心なのか」

漫「だから、色々とカラフルなんかもしれへんね」

京太郎「泳いでる魚を見てるとなんかサンゴ礁とかそんなイメージが強いですし」

漫「こういうのも意外と日本の周りに住んどるんやなぁ…」

京太郎「かなり意外ですよね。このキイロハギとか言うのももう完全に真っ黄色ですし」

漫「ヒフキアイゴってのも負けず劣らず黄色いけど、こっちは時間で色が変わるみたいやね」

京太郎「それはそれで見てみたいですけど…」

漫「今日一日は何回でも入れるし、後で見に来る?」

京太郎「んーでも、流石にコイツだけの為にもっかいってのは悩みますね」

漫「んじゃ、他の所見てから色々と考えてみよっか」

京太郎「ですね」


【エスカレーター】

京太郎「エスカレーター長っ!!」

漫「ふふふ…やっぱりそこは突っ込むよね」

京太郎「いや、だって、マジ長いですよ。これ何階分くらいあるんですか…」

漫「あー、ごめん。うちもそれは分からへん」

漫「えーっと…パンフパンフっと…」

京太郎「あ、ズルい。いつの間に」

漫「チケット売り場のおねーさんに貰ったんよ。京太郎君の分もあるで」

京太郎「良かった。…でも、パンフ読みながらエスカレーターとか怖くないです?」

京太郎「特にこれ信じられないくらい長いですし」

漫「まぁ、京太郎君がしっかりとうちの事を抱いてくれるって信じとるからな」ニコッ

京太郎「あー…もう。そんなの言われたらダメだって言えないじゃないですか」

漫「ふふ…♪まぁ、三半規管も弱くないし、大丈夫やって」

漫「うちあんまり車とかでも酔った事あらへんしね」

京太郎「羨ましい…」


漫「あー…これ八階まであがるみたいやね」

京太郎「八階って…スケールが違いますね」

漫「普通のデパートとかだったら一階ずつやからねぇ」

京太郎「そもそも八階建てのデパートとかあんまりないんじゃないですよ」

京太郎「俺の知ってる一番大きなところで七階、地下含めてギリ八階って感じですし」

漫「阪急とか大丸とかその辺やったら、結構、八階とか十階建てあるで」

京太郎「阪急?大丸?」

漫「あぁ…そうか。そっちには出店してへんのか」

漫「こっちじゃ有名な大手百貨店の事やで」

京太郎「あぁ、なるほど」

漫「そっちにはそういうのないん?」

京太郎「長野だけって訳じゃないけど東急系列の百貨店はありますね」

漫「うちは東急言うたらハンズが真っ先に出てくるなぁ」

京太郎「あんまりそういうのを利用しない俺は駅ですね」

漫「あぁ、そっか。東急も阪急と同じ鉄道会社が元なんか」

京太郎「えぇ。だから、あんまりデパートの東急ってイメージ湧き辛いんですよね」


漫「あ、でも、これ一階から八階にあがるんじゃないみたい」

京太郎「えっ…マジですか?」

漫「うん。さっきのところが三階扱いやねんて」

京太郎「またややこしい…」

漫「こういうの困るよねー」

京太郎「これがまだ水族館で順路があるから良いんですけど…」

京太郎「そういうのなかったら迷った時、困りますよね」

漫「あれ?京太郎君って結構、迷子になるタイプ?」

京太郎「いや、咲…知り合いが、そういうタイプでして…」

漫「あの子が?」

京太郎「えぇ。アレで結構なポンコツなんですよ、アイツ」

京太郎「公衆電話から携帯に掛けてきて三階にいるって言ったから走ったら、本当は五階だったとか…」

京太郎「探してる間に俺らしい人を見つけて移動しちゃって、公衆電話から離れるとか…」トオイメ

漫「苦労しとるんやね…」

京太郎「まぁ、もう慣れちゃいましたけどね」ハハッ


【日本の森】

漫「っと…着いたみたいやな」

京太郎「ここは…えっと森みたいですけど」

漫「うん。森やね。えっと…確か日本の森を再現しとるんやなかったっけ

京太郎「おぉ…カワウソがいる」

漫「ホンマや。かわええなぁ」

京太郎「漫さんの方が可愛いですよ」

漫「ふふ…京太郎君は口が上手…くあらへんよ!」

漫「カワウソと比べられてもちょっとなぁ…」

京太郎「はは、すみません」

京太郎「でも、意外と雰囲気似てると思いますよ?」

漫「そう?」

京太郎「えぇ。愛嬌のある顔立ちって感じです」

漫「んー…そう言われると悪い気はせんねぇ…」テレテレ

京太郎「(ちょろい)」


漫「カワウソって小魚だけじゃなくってカエル取るんやね」パネルジー

京太郎「っていうかカワウソってラッコの仲間だったんですか…知らなかった…」

漫「言われてみれば体毛のもしゃもしゃっぷりとか似てるけどね」

京太郎「ラッコってどうしても仰向けで泳いでるイメージがありますから、普通に泳ぐカワウソとはあんまり結びつかなかったです」

漫「うちはラッコと言えば、青くてピンクの貝持ってる奴やな」

京太郎「あー、アレですか。子どもの頃、良く見てましたよ」

漫「アレ確かN○Kやったしねぇ。全国放送は偉大」

京太郎「…でも、アレ、結構、怖い話あったような」

漫「あかんで」

京太郎「えっ」

漫「ピンク色のアレの事言うたらあかん」

京太郎「…」

漫「…」

京太郎「しまっちゃ」

漫「やめーや!やめーや!!」

帰ってきたのは嬉しいけどとりあえずもうアレなあとがきとか名前欄の無駄な主張とかやめてね、荒れるから


漫「うちアレ、子どもの頃、ガチ泣きしたんやからな!!」

漫「怖すぎて一ヶ月くらい親と一緒に寝てもらったトラウマを掘り返すのは止めて!」

京太郎「そこまで怖がってる単語を口にしたのは悪かったですけど…」

京太郎「でも、アレ、そんなに怖かったですかね?俺も見てましたけど、結構、ケロッとしてたような…」

漫「…うち、暗くて狭いところ苦手やねん…」

京太郎「あー…」

漫「どっちか片一方だけなら全然、我慢出来るんやけどね。両方ともなるとホンマ無理で…」ブルッ

京太郎「何て言うか…ごめんなさい」

漫「許さへん」

漫「だから…今日はずっとうちの事離したらあかんで」ギュッ

京太郎「…最初っからそのつもりですよ」グッ

漫「じゃあ、ちょっと女子トイレまで行くから着いてきてくれるやんな?」

京太郎「すみません。本気で反省してるんで、それだけは勘弁してください…」


【七階】

漫「そんな訳で日本の森を降りて来た訳やけど…」

京太郎「水槽が一杯でようやく水族館っぽくなって来ましたね」

漫「まぁ…勿論、ここの目玉は…ってラッコやぁ♥」

京太郎「ラッコですねー。あ、こっち見た」

漫「えへへ、ちゃんと分かってくれとるんやね」

京太郎「私生活ジロジロ見てんじゃねぇよ的な視線だったり…」

漫「そ、そういう夢が壊れるような事言わんといてぇな…」

京太郎「でも、ラッコって結構、アグレッシブですよ」

漫「えー…ホンマなん?」

京太郎「元々、動物食ですし、水槽のガラスに貝を叩きつけたりする事もあるみたいですよ」

漫「いきなりそんなんされたらびっくりしすぎて泣きそうになる自信があるわ…」

京太郎「はは。まぁ、稀なケースらしいですし、きっと大丈夫ですよ」

漫「それやったらええねんけど…ねぇ、そんな事せえへん?」フリフリ

ラッコ「?」クビカシゲ

漫「かーわーいいーっ♪」パァァ

京太郎「(ラッコに夢中になってる漫さんの方が可愛いと思ったけど、さっき駄目だしされたし黙っておこう)」


漫「京太郎君!写メ取って写メ!!」

京太郎「あれ?ここって良いんですか?」

漫「フラッシュ使わんかったら大丈夫みたい」イジイジ

漫「うし。フラッシュ切ったで」テワタシ

京太郎「じゃあ、失礼して…」スッ

京太郎「それじゃ…3、2、1…」

漫「」ニコー

京太郎「はい。取れましたよー」

漫「見して見して!わぁ…♪」

京太郎「さっきのラッコに後ろからガン見されてますね」

漫「せやねー。ふふ…気に入られたんかも」

京太郎「だとしたら、ちょっと悔しいかもしれませんね」

漫「ふふ…じゃあ、うちが京太郎君のものやって教えてあげへんかったらあかんね♪」

京太郎「……さ、流石にそこそこ人通りがある中でそんな事やりませんよ?」

漫「でも、今ちょっと迷ったやんな?」

京太郎「…つ、次行きましょう。次」

漫「ふふ♪せやね」


漫「今度はアシカとアザラシやね」

京太郎「ラッコ見た後だと凄い大きく見えますね」

漫「えっと…アシカは2m超える事みたいやからねぇ…」パネルジー

京太郎「でけぇ…」

京太郎「っておぉ…潜ってる潜ってる」

漫「アシカの潜りっぷりは力強くて格好ええなぁ」

京太郎「シャチとかそういうのとはまた違ったものがありますね」

漫「陸上でも生活してる姿を見れる所為やろか」

京太郎「あぁ、確かにギャップがあるのかもしれませんね」

京太郎「トテトテ動いてる姿は格好良いより可愛い感じですし」

漫「…京太郎君もベッドの上では格好ええけどな」クスッ

京太郎「ぅ…い、いや…その…」カァァ

京太郎「って言うか、それって普段の俺が可愛いって事ですか?」

漫「さぁ、どうやろうなぁ♪」

漫「でも、そうやって照れとる京太郎君は可愛ええと思うよ♪」

京太郎「ぬぐぐ」



京太郎「そ、それよりゴマフアザラシは陸の方で横になってますね」

漫「昼寝中なんかな?」

京太郎「えっと…あ、そうか。餌やりが終わった後だからお腹いっぱいなんですね」パンフジー

漫「あー、そりゃ失敗やったなぁ…」

京太郎「すみません。俺の所為で…」

漫「いや、ちゃんとそういう時間の確認しとらんかったうちが悪いから気にせんとって」

漫「それにうちはああやって横になってるアザラシ見てるだけでも満足やし」

京太郎「確かにああいうのも中々、見れない姿かもしれませんね」

漫「そうそう。あぁ…リラックスしとるのがここまで伝わってくるわぁ…」デレデレ

京太郎「ガラス越しとは言え、すぐそこに人が歩いてると思えないくらいのリラックスしっぷりだなぁ…」

漫「アレだけ大きいって事はそこそこ大人やろうし、もう慣れたんやろうね」

京太郎「ある意味、見られるのが仕事な訳ですから、そうなのかもしれません」

漫「まぁ、カチコチになって警戒されるよりはリラックスされてた方が嬉しいけどな」

京太郎「とは言え、あんなに幸せそうに眠っていられると…」

漫「…悪戯したくなるわなぁ…」

アザラシ「」スピー


漫「おぉ…何かおるでー」

京太郎「えっと…アカハナグマって言う奴らしいですね」

京太郎「アライグマの仲間みたいです」

漫「でも、あんまりアライグマっぽい顔はしとらんなぁ…」

京太郎「鼻が長いですし、アリクイに近い感じですからね」

漫「それに鼻が赤いって言えるほどじゃないような気もする…」

京太郎「…こういうのって一体、どうして着けられるんでしょうね?」

漫「最初に見つけた時の仮称がそのまま正式名称になるんちゃうやろうか」

京太郎「って事はコイツも一番最初に見つけたのは赤い鼻だったからなんでしょうか」

漫「…あかん。今、脳裏で真っ赤な鼻のトナカイの歌が…」

京太郎「や、止めて下さいよ!このタイミングでそれ言われたら、最初に見つかった奴がまるで除け者だったみたいじゃないですか!」

漫「ご、ごめん。でも…もし、そうやったとしたら保護されとるんちゃうやろうか…」

京太郎「そうだと良いんですけど…」

アカハナグマ「(体毛が赤くて鼻の長いクマだからなんだけどなぁ…)」


漫「えっと次は…エクアドル熱帯雨林やね」

京太郎「熱帯雨林…」ピクッ

漫「あれ?どうしたん?」

京太郎「あ、いえ、すみません。何でもないです」

漫「それやったらええねんけど…って色々おるなー」

漫「魚から鳥から哺乳類からトカゲまで…って、京太郎君?」

京太郎「か…」

漫「か?」

京太郎「カピバラァァッ!」

漫「」ビクンッ

京太郎「はっ…す、すみません…」

漫「いや…べ、別にええけど…どうしたん?」

京太郎「いや、実は俺の家、あそこにいるカピバラ飼ってるんで…」

漫「え…それホンマ?」

京太郎「マジですって。何なら後で写真もお見せしましょうか?」

漫「見る見る!って言うか、飼ってるって事は…」

京太郎「勿論、触りたい放題ですよ」ドヤァ

漫「…今度、京太郎君の家に遊びに行ってええ?」

京太郎「漫さんなら何時でもオッケーですよ」

漫「(よ、よし…!親御さんに顔を覚えてもらう機会やし…しっかりおめかしして行こう…!!)」グッ


漫「しっかし、まさか京太郎君がこんな珍しいもん飼っとるなんてなぁ」

京太郎「まぁ、飼ってるって言っても、親のいない間に餌やったり、遊んでやったりする程度ですけどね」

漫「それでも羨ましいわぁ…うちペットおらへんし」

漫「…ホンマは猫飼いたいねんけどなぁ…」

京太郎「猫も良いですね。猫暖房とかは俺も憧れます」

漫「なー。羨ましいわぁ」

京太郎「でも、うちにはカピーがいるんで猫はちょっと…」

漫「あーそう言えばカピバラもネズミやっけ」

京太郎「です。まぁ、猫が取るのは別にネズミだけじゃないらしいですけど」

京太郎「ネズミを追いかけるのも好物だからじゃなくって、狩猟本能だかららしいですしね」

漫「でも、カピバラ狩ろうとするのはかなり難しいやろうなぁ」

京太郎「1mを軽く超えますし、そこらの猫より大きいですからね」

漫「あんなネズミ追い詰めた時には大怪我じゃ済まなさそうやね」

カピバラ「キュー?」




漫「って…ピラニアおるでここ!」

京太郎「えっマジですか!?」ガタッ

漫「ほら」ユビサシ

京太郎「うわ…本当だ…」ユビサシ

京太郎「カピバラ落ちたりしないかな…心配だな」

京太郎「アレで結構ドン臭いからなぁ…それでいて人懐っこいし、こっちが落ち込んでる時は傍に寄ってきてくれるし…」

漫「(途中から惚気みたいになっとる…)」

漫「あ、でも、大丈夫みたいやで」

京太郎「えっ」

漫「ほら、ピラニアの説明」

京太郎「え…あ…ピラニアって群れ作って身を守るくらい臆病なんですね」

漫「しかも、血の匂いや水面を叩く音に敏感なだけやって」

京太郎「水槽の中じゃそれほど大きな群れも作れませんし、大丈夫かな…」

漫「大丈夫やって。水を飲みに来た程度じゃ反応せんやろうし」

漫「一々、反応しとったらアマゾンの周りには動物おらへんようになるよ」

京太郎「言われてみればそうですね。しかし…凶暴で獰猛ってイメージは映画とかで作られたものなんだろうなぁ…」

漫「実際、遊んでた奴がピラニアに襲われて…って話はあったかもしれんけど、その辺を人が膨らませていったのは事実やろうな」

京太郎「お前も今、流行りの風評被害って奴を受けてたんだな…」


京太郎「まぁ、そのピラニアよりも遥かに存在感があるのは…やっぱりコイツですね」

漫「世界最大級の淡水魚…ピラルクさんやー♪」

京太郎「いやーやっぱでかいですね。周りの魚の数倍はある」

漫「えーっと…3m近いの個体も見つかった事もあるんやって」

京太郎「え?俺、4m級もいるって聞きましたよ」

漫「そんなんおったら最早、化け物の領域やろなぁ…」

京太郎「海じゃなく淡水で4mですからねー。肉体維持だけでも大変そうだ」

漫「しかも、肉食やしね。周りの魚としたら生きた心地がせんやろうなぁ…」

京太郎「でも、この水槽だと周りの魚を襲う様子はないですね」

漫「でかい魚ばっかりやからちゃうかな」

京太郎「あぁ、確かに…説明にも80cmとか1mとか書いてありますもんね」

漫「お腹が減っていたらまたちゃうんかもしれんけど、とりあえずそのつもりはないんやろ」

京太郎「でも、こっちのアイスポットシクリッドって魚に凄い不穏な説明が…」

漫「どれどれ…二ヶ月おきに産卵…約9000から15000粒…」

京太郎「……」

漫「……」

漫「だ、大丈夫やって!流石に産卵期くらい係の人が把握しとるやろ!」

京太郎「で、ですよね!その時が来たらきっと隔離しますよね!」


漫「うちとしてはコイツも気になるんやけどなぁ…」

京太郎「どれです?って、あー…」

漫「レッドテールはまぁ、分かる。背びれも尾ひれも赤いしな」

漫「でも…なんでキャットフィッシュなん?」

京太郎「ヒゲじゃないですか?」

漫「あー…なるほど。でも、この子、ナマズっぽい顔しとるなぁ」

京太郎「っていうか確かナマズの英名がキャットフィッシュなんじゃなかったですっけ」

漫「え?そうなん?ナマズって日本だけじゃないのん?」

京太郎「いや、俺も詳しくは知らないですけど、仲間は結構、色んな所にいるみたいですよ」

漫「あんなドン臭い見た目しとる割りに結構、手広くやっとるんやなぁ…」

京太郎「でも、ほら、こっち向いてるレッドテールキャットフィッシュいますけど…」

漫「おぉぅ…何か迫力を感じるな」

京太郎「馬鹿にするなとか思ってるのかもしれませんね」

漫「馬鹿にする気はなかってん…ごめんな?」



京太郎「さて、次はラッコと並ぶ水族館のアイドルですね」

漫「ペンギン~♪」

京太郎「えっと…オウサマ、アデリー、ジェンツーと三種いるみたいですね」

漫「なんでもええ!ともかく、ペンギンと戯れるチャンスや!」

京太郎「まぁ、ガラス越しなんですけど」

漫「まぁ、その辺はしゃあないわなぁ…ペンギンって結構、繊細みたいやし」

京太郎「でも、確か、むかーし、水族館の中を歩いてショーエリアまで引率されてくペンギン見た事ありますよ」

漫「えっ、なにそれ!?」

京太郎「何処だったっけ…確か家族旅行で行った小さな水族館なんですけど…」

漫「ちょっ!が、頑張って思い出して!うちも行きたい!」

京太郎「すみません。幼稚園児かそれくらいの時の記憶なんで…」

漫「うぅぅ…携帯で調べたら出てくるかな…」

京太郎「後で調べてみましょうか。それより、ほら」

漫「子ペンギンやぁ♪」

京太郎「まだ体毛も灰色な感じですね」

漫「この子誰やろ…」

京太郎「えっと…パネル見る限り、オウサマですね」

漫「あー…子どもの体毛が違うんはオウサマだけなんや」

漫「って事は昔見たあのペンギンアニメもオウサマがモチーフなんかな」

京太郎「あー…アレですか」

漫「アレやアレ」

京太郎「…名前、出て来ませんね」

漫「何分、昔の事やからなぁ…」


漫「しかし、アレやなぁ…」

漫「オウサマもジェンツーも方向性は違えど可愛いって感じやねんけど…」

京太郎「アデリーはもうちょっと何とかならなかったんですかね…」

漫「目の周りが白いから、凄いこう睨まれている感があるわぁ…」

京太郎「『クワッ』って感じですよね」

漫「小さな子どもが見たら夢に出てくるんちゃうやろうか…」

京太郎「まぁ、自然界で生きていく為にはそうやって威嚇する術の一つや二つ覚えておいた方が良いのかもしれませんし」

漫「厳しい世の中なんやなぁ…」

京太郎「特にペンギンの子育てってかなり厳しいらしいですしね」

京太郎「餌が取れない期間とかもあるので、半ば絶食しながら過ごす事も珍しくないとか」

漫「あー魚もずっと同じ場所にいる訳やないもんね」

京太郎「これが淡水とかならまだ何とかなるのかもしれませんけど…海、しかも、北極ですしね」

漫「シャチとか外敵も多いみたいやし…数とか大丈夫なんかなぁ…」

京太郎「まぁ、その辺は一朝一夕で過ごしてきた訳じゃないから大丈夫だと思いますよ」


漫「イルカやー♪」

京太郎「さっきのペンギンとラッコがアイドルだとしたら、イルカはヒーローですね」

漫「ショーもこなすイケメンさんやからなぁ」

京太郎「漫さんの隣にもイケメンがいると思いますよ」キリリッ

漫「はいはい。うちにとって京太郎君は最高のイケメンさんよ」クスッ

漫「でも、楽しそうに泳ぐなぁ…」

京太郎「その辺がイルカの魅力って奴なのかもしれませんね」

漫「せやねぇ…。実際、小さい子どもの頃はイルカの群れに混じって泳いでみたいとか思ってたわぁ…」

京太郎「はは。俺もそうでしたよ」

京太郎「でも、ダイビングの免許とか必要だって聞いて挫折しました…」

漫「アレってやっぱり結構、難しいんやろうなぁ…」

京太郎「自分の命だけじゃなく、他の人の命にも関わる事ですしね」

漫「まぁ、それ以前にうちあんまり泳げないから無理やねんけどな!」

京太郎「ちなみにどれくらい…?」

漫「25が限界って感じ…」

京太郎「それ水泳の授業とかきつくないです?」

漫「ふふん、女子は25どころか15くらいでええねんで?」

京太郎「男子とか普通に50やらされたりするんですけど…」

漫「京太郎君もそれくらいいけるん?」

京太郎「今なら50どころか100くらいは軽くいけるんじゃないっすかね」

漫「さりげない体力自慢来たわぁ」

京太郎「ドヤァ」

漫「ふふ…♪そこドヤ顔するとこやないで」




京太郎「七階最後は…グレートバリアリーフですね」

漫「世界最大級のサンゴ礁やったっけ」

京太郎「ですね。まぁ、お陰で色んな生き物がいるとか」

漫「実際、こうして説明のパネルだけ見ても、かなりの数やしなぁ」

京太郎「間違いなく今までで最大ですね」

漫「でも…正直…」

京太郎「…コメントに困りますね」

漫「鮮やかさで言えば、最初のアクアゲートの方が凄かったしなぁ…」

京太郎「ここまで来ると魚の種類とか、分かんないですしね」

漫「あ、でも、うちオジサンは生物でやったし、分かるで!」

京太郎「俺も、ニシキエビくらいは名前も知ってますね」

漫「へぇ…ってこの子、伊勢海老の仲間では最大級なんや」

京太郎「美味しいんですかね」

漫「京太郎君…水族館で味の話をするのはタブーやで…」

京太郎「すみません…つい…」

漫「まぁ、食用にされてない時点で、味はお察しって感じなんやろな」チラッ

京太郎「(あ、これ実は漫さんも気になってたな)」


漫「後はハギやタイが殆どって感じ?」

京太郎「三種ずつ入ってますしね」

京太郎「ただ、このデバスズメダイってタイって感じはしないんですけど」

漫「うちらの俺らの知る身近なタイって赤くて大きな奴やからなぁ」

京太郎「7cmで白いってのはちょっとイメージから離れてますよね」

漫「…でも、こっちのロクセンスズメダイって何が6000なんやろ…?」

京太郎「卵の数とかじゃないですかね」

漫「じゃあ、デバスズメダイは?」

京太郎「む、群れを作ったら、デバって出てくるからとか…」

漫「…20点やね」ニコー

京太郎「くそっ!ムチャぶりだったのに凄い悔しい…!!」


漫「後はウツボがおるって事かなぁ」

京太郎「ウツボって言うと…俺は凄い獰猛なイメージがあるんですけど」

漫「でも、実際は大人しくて臆病らしいんよ」

京太郎「分かってるんですけどねー…でも…」

漫「ん?」

京太郎「昔…マリ○64ってゲームがありまして…」

京太郎「そこの海のステージに海賊船が沈んでるんですが、その海賊船から○リオの十倍くらいあるウツボが出てくるんですよね」

京太郎「当時、子どもで水中の操作方法が分かっていなかったのもあって、そいつにボッコボコにされました…」

漫「あー…トラウマなんか」

京太郎「えぇ…途中からもう怖すぎて海賊船に近寄らなくなったくらいですし…」

京太郎「お陰で友達がそこをクリアしてくれるまで完全に詰んで進めなかったですよ…」

漫「良く分からんけど、大変やったんやなぁ…」

京太郎「うぅ…前作まで普通に水中余裕だったじゃん…何で今回は体力が危なくなってくるとそんな焦らせて来るんだよ…」



漫「で、でも、ほら!ウツボ見当たらへんやん!」

京太郎「いや、実は四匹居ますよ」

漫「えっ嘘…そんなにおるん?」

京太郎「俺のウツボセンサーにビンビン来てますからね…!」

京太郎「多分、あそことあそこと…後、あそこの岩陰に二匹隠れてます」

漫「お、おぉ…よく見ると岩陰からちょこんって顔出しとるのが分かるわ…」

漫「言われるまで全然、気づかへんかったわ」

京太郎「まぁ、その為の体色でしょうし、仕方ないですよ」

漫「…でも、まったく動かへんなぁ…」

京太郎「ウツボは基本的に動かないですからね」

京太郎「動かない奴は一時間経っても岩陰から出て来ませんし」

漫「エンターテイメント性が足らへん奴やなぁ…」

京太郎「まぁ、その分、動くと迫力があるんですけどね…あ、ほら、あそこ」

漫「動いとる…ってでかいなぁ…」

京太郎「長いって言うよりは太いって感じですね」

漫「その上、ゆったりと体動かして泳いどるねぇ」

京太郎「あんなに悠々と泳いでおいて、臆病とか絶対ウソですよ」

漫「どうどう。落ち着くんや、京太郎君」

京太郎「ぬぐぐぐぐぐ」


【六階】

漫「さて…それじゃあ六階に来た訳やけれど…」

京太郎「デカカァァァァァいッ説明不要!! 12m!! ジンベエザメだ!!」

漫「これだけでかいチューブの中でも真っ先に存在が分かるくらいやなぁ」

京太郎「いや、ホント、マジデカすぎですって。これ鯨じゃないんですか」

漫「12mあるだけのただのサメやで」

京太郎「すげー…すげー」キラキラ

漫「ふふ…♪写メとってあげよっか?」

京太郎「あ、お願い出来ますか!?」イソイソ

漫「そんな焦らんでええよ」クスッ

漫「ゆったりと回遊しとるんやから、すぐにこっち戻ってくるやろうしな」

京太郎「いやぁ、でも、こう絶妙なチャンスで撮りたいじゃないですか」ウズウズ

漫「せやね。写メに収まらんくらい大きいし出来るだけ良いアングルで…って、京太郎君!来たで!」

京太郎「え、マジっすか!?え、えっと…じゃあ」ピース

漫「撮るでーはい、撮ったー」

京太郎「ど、どんな風になりました?」

漫「丁度、京太郎君の横を通り抜けていく顔を撮れたよ」

京太郎「おぉ…なんという絶妙なアングル…!ありがとうございます!」

漫「ふふ…気にせんでええよ、うちもさっき撮ってもろたしな」


漫「にしても…やっぱりジンベエザメはインパクトあるなぁ…」

京太郎「顔は結構、優しそうなんですけれどね」

漫「実際、殆どプランクトンで肉体維持しとるみたいやけど…あんまり人を襲うところとか想像出来ひんなぁ」

京太郎「あそこまで大きいとサメってより鯨ってイメージの方が強い所為かもしれません」

漫「あー確かにそれはあるかも。表面の斑模様もそれっぽいし」

京太郎「後、水槽の関係か、周りにちょこちょこって魚がついて行ってるように見えるからでしょうか」

漫「もしかしたら気が優しくて強い親分さんなんかもしれへんね」

京太郎「ああやって周遊してるのも、俺達の挙動に目を光らせてるのかもしれません」

漫「…」

京太郎「…」

漫「…うん。やっぱりあの顔で親分さんはないわぁ」クスッ

京太郎「愛嬌がありすぎですもんね」

漫「海遊館のマスコットは伊達やないなぁ」

京太郎「全国的に有名なのも頷けますよ」


漫「しかし…この水槽はかなり偏っとるなぁ」

京太郎「サメが五種にエイが五種、アジが四種ですからね」

京太郎「…って、アカシュモクザメがいるんですけど…これ大丈夫なんですかね」

漫「え?凶暴な子なん?」

京太郎「シュモクザメって人を襲う数少ないサメだった気がします…」

漫「え…ホンマ?」

京太郎「数年前にもシュモクザメが出て来たから海水浴場が封鎖されたって話も聞いた事ありますし…多分、事実かと」

漫「…でも、ダイバーさんここに潜ったりしてるやんな」

京太郎「掃除や餌やりの都合上、どうしても必要になりますしねー…」

漫「やっぱりジンベエザメ親分が見張っとるから悪さ出来ひんのやろうか」

京太郎「あぁ、実際は大抵、お腹が膨れているからなんでしょうけど」

漫「夢がないなぁ、京太郎君」

京太郎「俺もそう思いますけど、そのネタもうさっきやっちゃったんで突っ込んだ方が良いかなって」

漫「ふふ♪まぁ、多分、そうなんやろうね」

漫「人を襲う言うたかって、人と見たらすぐさま襲い掛かるような性格はしとらんやろうし」

京太郎「もし、そんな事があればジンベエザメ親分が何とかしてくれますよ」

漫「この斑模様が目に入らんのかー的な活躍が見れたらええねぇ」フフッ


漫「後、上の方には結構、大きい魚多いね」

漫「ロウニンアジとかメガネモチノウオとか大きいのが我がもの顔で泳いどるからそう見えるだけかもしれへんけど」

京太郎「まぁ、勿論、下にもいるんでしょうけど、今は見えないですしね」

漫「早く下行ってみたい?」

京太郎「まぁ、気にはなりますけど、ゆっくりで良いですよ」

京太郎「折角のデートなんですし、色々見て、感じて、漫さんと一緒に色んなもの共有したいです」

漫「くっさいセリフやなぁ」

漫「うちが京太郎君にベタ惚れやなかったら、笑ってた所やで?」

京太郎「じゃあ、俺にベタ惚れな漫さんはどう思ったんですか?」

漫「そんなん…嬉しいに決まっとるやん…♪」ギュッ

漫「うちも…京太郎君と色んなものを感じて思い出作りたいと思っとるんやし…」

漫「嬉しくないはず…ないやん♥」

京太郎「漫さん…」

漫「あ…き…キスは軽いのやったら…」

京太郎「…しませんって」

漫「えー…今、その空気やったやん!」

京太郎「人通りあるのにそれは難易度高すぎですよ」

漫「京太郎君のヘタレぇ…」

京太郎「はいはい。後で一杯、してあげますから次、行きましょう、次」


漫「えっと…ここは瀬戸内海らしいなぁ」

京太郎「ここもかなり種類が多いですね」

漫「ひのふのみの…18種か」

京太郎「これだけ居て縄張り争いとか喧嘩とか大丈夫なんでしょうか」

漫「まぁ、その辺は多分、考えて水槽も作ってあるし、大丈夫やろ」

京太郎「…後、このラインナップ見て思うんですけど」

漫「食事の事以外やったら聞いてあげるで」

京太郎「…」

漫「…」

漫「京太郎君?」

京太郎「いや、その…食べられそうな魚多いなぁって」

漫「まぁ、瀬戸内海はそういうの豊富らしいしね」

漫「養殖産業発祥の地は伊達やない言う事なんやろう」

漫「…でも、タブーをまた破った京太郎君は後でお仕置きな?」ニコッ

京太郎「お、お手柔らかにお願いします…」


【五階】

京太郎「次は…えっと…チリの岩礁地帯ですね」

漫「まぁ…うん。ここはもう一言で言うしかあらへんな」

京太郎「…ですね」

漫・京太郎「「イワシ多すぎ」」

漫「勿論、イワシが群れ作る魚言うのは知っとるけど…でも、これはちょっとやりすぎちゃうやろうか」

京太郎「わざわざマイワシとカタクチイワシの為だけに1水槽貸切ですからねー」

漫「これはちょっと数がやばい。酸欠とか大丈夫なんって心配になるレベル」

京太郎「なんでイワシオンリーで水槽作ろうと思ったんでしょうか…」

漫「多分、うちらには分からんけど水族館的には凄い重要なんやろう」

京太郎「まぁ…確かに凄い迫力はありますけどね、これ」

漫「岩の周りをひたすらぐるぐるぐるぐる回っとるからなぁ」

京太郎「プランクトンを求めてってのは分かりますけど、これ一網打尽ですよね」

漫「それを防ぐ為にもこうやって群れをなしてやばそうやったら即逃げるんやろね」

京太郎「問題は人間の網からは逃げられなさそうって事ですけど…」

漫「そ、その辺は乱獲しすぎないように色々と条約とかあるやろ多分…」

京太郎「…最近、イワシの数が減っているって話があった気がするんですが」

漫「…そ、その辺はお偉いさんが考える事やし?つ、次行こう次!」



京太郎「お、ウミガメだ」

漫「クック海峡ん所やねー」

京太郎「ここもかなりカラフルな感じですね」

漫「赤いピンクマオマオに、青いブルーマオマオ、黄色いマドに、ピンクのバタフライパーチと色取り取りやからなぁ」

京太郎「そうやって並べられると何か戦隊ヒーローみたいですね」

漫「男の子ってそういうの好きやねぇ」

京太郎「はは、まぁ、そういうの見て育った訳ですし」

漫「ちなみに戦隊名を名付けるなら?」

京太郎「海峡戦隊クックンジャーとか…」

漫「語感が悪い。40点やな」

京太郎「くそぅ…また高得点取れなかった…」

漫「ふふ…♪まぁ…戦隊っぽいってのは分からんでもないよ」

漫「うちも子どもの頃はそういうの見てたしね」

漫「そんなうちからすれば…追加戦士枠はこの黒いディモイゼルって奴に決まりやな」

漫「顔も迫力あるし、ダークヒーローっぽいしね」

京太郎「いや、意外と白いポーキュパインフィッシュかもしれませんよ」

漫「あー確かにトゲトゲでハリセンボンっぽいから、追加戦士らしく見えるかも」

京太郎「で、合体ロボは間違いなく…」

漫「まぁ…この水槽の主であるアカウミガメやろなぁ」

京太郎「きっとアカウミガメもこの水槽の平和を護ってくれてるんでしょう」

漫「超限定的やなぁ」クスッ


【四階】

漫「日本海溝の水槽は本当、真っ赤って感じやなぁ」

京太郎「赤じゃないのはオオグソクムシとミズダコくらいなものですしね」

漫「後はタカアシガニにキンメダイ、アカザエビと赤ばっかりやからなぁ」

京太郎「これじゃ戦隊物は出来ませんね」

漫「いや…ゴレ○ジャイやったらワンチャンあるで…!」

京太郎「あーあのダウンタ○ンの」

漫「そうそう。って京太郎君も知っとるんか」

京太郎「当時のビデオがまだ残ってますしね」

漫「ええなぁ…うちアレ録画しとらんのよねぇ」

京太郎「まぁ、俺のところのもビデオテープなんでそろそろ怪しいんですけど」

京太郎「ただ、データにして残すってのもちょっと味気ない感じがするんですよね」

京太郎「ビデオテープってたまに予期しないものを録画してる場合があるじゃないですか」

京太郎「そういうのを通しで見ると色んな発見があったり思い出が浮かんできたりするんで」

漫「あー…分からんでもないわぁ」

漫「データのランダム再生とかとはまた違った趣があるんよね」

京太郎「えぇ。まぁ、思い出補正と言われれば、それまでかもしれないんですけど」

漫「…うちら高校生やのに、何でこんな会話しとるんやろな」ハハッ

京太郎「大人ぶって見たい年頃ですからね」クスッ


漫「さて、そんな訳でおまちかねの太平洋の底やでー」

京太郎「やっぱり上とは居る魚が違う感じですね」

漫「こっちにいるエイと上のエイはまた違うしね」

漫「でも、このジャイアントシャベルノーズレイって魚…」

京太郎「平べったくて、菱型してますけど、これアジみたいですよ」

漫「えー…何か騙された気分やわぁ…」

京太郎「まぁ、俺もちょっとこれがアジとは信じられないですけど」

漫「後…目につくのはネムリブカとかかな」

京太郎「ネムリブカは殆ど動かなくてこれがサメの仲間とは思えないくらいですねー…」

漫「パネルには夜になると活発に動くって書いてあるし…夜行性なんかな?」

京太郎「その割にはちょこちょこ動いてる感じはするんですけど…」

漫「すぐそこのオオテンジクザメもあんまり動かへんって書いてあるのに、たまーに動いとるな」

京太郎「ですねー。でも、殆ど底の方でじっとしてます」

漫「サメって凄い活発なイメージがあったんやけど、全然、そうやないんやなぁ…」

京太郎「何処の業界ものんびり屋ってのはいるもんなんですね」


【三階】

京太郎「次は…ってうぉ!?」

漫「ふふ…やっぱりこれはびっくりするやんな」

京太郎「円筒状の水槽にクラゲが一杯…」

漫「ライトアップされてロマンチックではあるけど、やっぱりビクってするやんな」クスッ

京太郎「いやぁ…でも、迫力ありますね、これ」

漫「特にビゼンクラゲがやばいなぁ…」

京太郎「…これ何センチあるんですか」

漫「えっと…傘の直径が50cmくらいやって」

京太郎「触手っぽい部分合わせたら1mちょっとになりそうなんですけど…」

漫「こんなん海の中で出会ったら速攻逃げるなぁ」

京太郎「下手な魚よりやばいのが伝わってきますもんね…」

漫「でも、こっちのカブトクラゲは綺麗ちゃう?」

京太郎「確かに虹色にキラキラ光ってて、ロマンチックですね」

京太郎「あ、しかも、コイツ、刺胞持ってない…」

漫「どうやって身を守るんやろう…」

京太郎「そりゃやっぱり全力で逃げるんじゃないでしょうか」

漫「海水浴場に湧くクラゲは嫌いやけど、それはそれで可哀想な気もすんなぁ…」

京太郎「クラゲってプランクトンですし、捕食者多数いますからね…」

京太郎「ところで…俺、長年の疑問なんですけど、クラゲってあんなにうようよ湧いて仲間同士で刺さないんでしょうか」

漫「反射で刺すタイプは刺すんちゃうかな。でも、基本、毒やし免疫を持っとるとか」

漫「ただ、クラゲ避けのクリームとか最近あるし、見分けてる奴は見分けてるんちゃう?」

京太郎「なるほど…」


京太郎「あれ?三階に戻ってきたのにまだ先があるんですか?」

漫「ふふふ…実はさっきのは全部…前座や!」

京太郎「なん…だと…!?」

漫「あのラッコも…ペンギンも…ジンベエザメの遊ちゃんも…全部、前座や」フフン

京太郎「じゃあ…この先にいるのは…」

漫「この海遊館に来た真の目的…いや…ラスボスやで…!」

京太郎「あんなにラッコやペンギンを喜んでたじゃないですか!」

漫「あの子らは勿論、かわええ。でも…所詮はうちにとっては過去の存在なんや」

漫「今のうちの目に映っとるのは、この先にある輝かしい未来だけ」

京太郎「そんな戯言信じられません…!」

漫「ふふふ…ならば、うちに着いて来るがええよ。そして…その目で真実を確かめれば…京太郎君もすぐに分かるわ」

京太郎「…」

漫「…」

京太郎「…俺ら何やってんでしょうね」

漫「…うん。ごめん」

京太郎「あ、いや、漫さんを責めてるんじゃないんですよ」

漫「いや…それでも変な風にテンション上がったうちが原因やし…ごめん」


漫「まぁ、ここから先が目的地ってのは間違いやないで」

漫「ある意味、これまでが前座ってのも、京太郎君にもすぐ分かると思う」

京太郎「そんな風にハードル上げて大丈夫ですか?」

漫「ふふん。もし、ダメやった時に傷つくのはうちやなくて○遊館やし?」ニヤリ

京太郎「そんな事言って本当にダメだったら凹む癖に」

漫「そ、その程度で凹んだりせえへんよ!うち強い女やし!!」

京太郎「さっき自分から振ったネタで落ち込みまくってた漫さんが言っても説得力ないですよ」

漫「むぅ…」

京太郎「はいはい。膨れてないで下さい……ってこれは…」

漫「ふふふふふ…」



京太郎「う、上に…水が…」

漫「えっと…ふ、ふふん!これが噂の天井ドーム型水槽って奴や…!」

京太郎「なるほど…このガラスから上を覗けるようになってるんですね」

京太郎「でも、中に何が泳いで…あ」

漫「ワモンアザラシやぁ♪」

京太郎「し、しかも、ガラス叩いてますよ!」

漫「小さなヒレでペシペシって叩いとるなぁ…」

京太郎「おぉ…人懐っこそうな目でこっち見て…おぉぉ…」

漫「首傾げて…あ、逃げてった」

京太郎「も、もっかい来ないですかね…!?」

漫「ふふ…もうちょい待ってみる?」

京太郎「はい!」

漫「んじゃ…邪魔にならんように端に寄っとこうか。幸い、壁際にも展示はあるし」

京太郎「しかし…下から見上げるのと横から見るのとでは大分、違いますね」

漫「ワモンアザラシもこっちの事見てくれるしなぁ」

京太郎「見ているだけじゃなく、見つめ合っている感があるんですよね」

漫「そうそう。まぁ…その分、あっちから来てくれへんと見れへん訳やけど」

京太郎「でも、俺はこれ結構、面白い試みだと思いますよ」

漫「そうやねー。うちもこれは中々、ない発想やと思う」

漫「でも…本当に凄いんはこの上からやで?」ニヤリ

京太郎「なん…だと…?」


京太郎「寒っ…ここ何ですか?」

漫「こここそ○遊館に出来た新体感ゾーンって奴や!」

京太郎「新体感ゾーン…?」

漫「うん。そこの水槽見てみて」

京太郎「水槽…って、あ…これ完全に区切られてない」

漫「だから、寒さとか臭いとか音とかがはっきり伝わってくる訳やね」

京太郎「おぉぉ…なるほど。視覚だけじゃなく他の五感にもアプローチしようと」

漫「そうそう。どう?面白いやろ?」ドヤァ

京太郎「…えぇ。確かに面白い試みだと思います。正直、上に上がってすぐびっくりしましたし」

京太郎「…でも、何て言うか…獣臭くて寒いんであんまり長居は出来ない感じが…」

漫「まぁ…うん…そりゃしゃあないわな」

漫「あくま北極生物に最適化された空間やし、うちらにとって合わへんのは当然やろ」

漫「ここは『展示されとる生き物を見る』んやのうて『生き物の住んでる環境ごと感じる』のがコンセプトやし」

京太郎「じゃあ、存分にその環境を感じさせてもらいましょうか」

漫「せやね。ワモンアザラシもかわええし」


漫「でも、意外とワモンアザラシって結構鳴くもんやねんな」

京太郎「ガラスで聞こえてないだけで意外と小さく鳴いてるんですね」

京太郎「後、結構、アクティブですよね」

漫「氷とかにも突っ込んで遊んどるどころか、氷掘っとるしなぁ」

京太郎「俺、アザラシって言ったら基本、海中で遊んでるもんだと思ってました」

漫「うちもや…でも、よくよく考えてみれば、アザラシにとって氷って砂場みたいなもんかもしれへんね」

京太郎「でも、あの水かきみたいな手でどうやって掘ってるんでしょう…」

漫「そりゃ流石に爪か何かくらいあるんちゃうんやろうか」

京太郎「アザラシってペンギン以上に弱々しいイメージがあったんですけど…そうでもないんですね」

漫「一応、アレでも動物食やからなぁ…貝だけやなくて魚も食っとるらしいで」

京太郎「おぉ…アザラシのキュートなイメージが俺の中でボロボロと…」

漫「ふふ…♪まぁ、縞々模様でちっちゃいからかわええのは変わりないけどな」

京太郎「天敵いない所為か、凄いのんびり過ごしてますしね」

漫「でも、パネルに書いてある巣穴ってのが何処にあるんか分からんなぁ…」

京太郎「繁殖期じゃないでしょうし、まだそういうのはないんじゃないですかね」

漫「うーん…ちょっと勿体無い気もする…」

京太郎「まぁ、その時期が来たらまた一緒に来ましょう」

漫「ふふ…♪せやね♪」




京太郎「そしてまさかのペンギンリターンズ…」

漫「こっちはイワトビペンギンやけどね!」

漫「しかも、こっちはワモンアザラシよりもさらに敷居が低いという要素つきやで!」

京太郎「手を伸ばせば触れられちゃいそうなくらいですしね」

漫「おっと、お客さん。踊り子さんにタッチは厳禁やで?」

京太郎「げへへ、ねーちゃん、そういう事言わずにちょっとくらい…」

漫「…ないわぁ」

京太郎「そこで素に戻らないでくださいよ!」

漫「だって、そんなおっさん臭い京太郎君とか…」

漫「(…あ、今、一瞬、ベッドの上やったら、ねっとり責めて貰えるやろし、ええかなって思ってしもうた…)」

京太郎「…漫さん?」

漫「あ…い、いや!何でもあらへんよ!」

漫「う、うちそこまで変態や無いし…いや…京太郎君がしたいなら拒む理由はあらへんけど…」ブツブツ

京太郎「??」




漫「と、とにかく!一丸となって飛んでるイワトビペンギンかわええな!」

京太郎「そ、そうですね。あんな足でアレだけジャンプ出来るのが不思議ですけど」

漫「イワトビの名は伊達やないってくらいピョンピョン飛ぶもんなぁ」

京太郎「鳥類の面目躍如ですね」

漫「まぁ、飛ぶってよりは跳ねるに近いけどね」クスッ

京太郎「それは可愛いんですけど…こいつらって意外と気性荒いんですよね」

漫「あぁ、ペンギンの中でダントツ一位なんやったっけ」

京太郎「です。近くを移動してると攻撃してくる時もあるんだとか」

漫「顔もさっきのペンギンたちとは違う感じやもんね」

京太郎「黄色い飾り羽が目元にあってキリッとしてるイケメン揃いですから」

漫「その割には50cmくらいしかないんやったっけ?」

京太郎「えっと…そうみたいですね」パネルジー

漫「オウサマペンギンと比べるとオチビちゃんやなぁ」

京太郎「アレは世界で二番目に大きいペンギンですから仕方ないですよ」

漫「でも、小さな子がやんちゃしてる感があってかわええよ」

京太郎「実際、襲われたらそんな事言えないんでしょうけど、こうやって見てる分には和みますよね」クスッ



漫「でも…その…あんまり見てはいられへんな…」ウズウズ

京太郎「そうですね…これは…やばいですね」ウズウズ

漫「あかんって近いって…こっち来てくれるの嬉しいけど近いんやって…」

京太郎「や、止めろ俺の手…!お、お触りは禁止なんだ…触っちゃいけないんだ…!」

漫「小さな子どもでも我慢してるのに…うちらがそんな事したら…あぁ…でも…!」

京太郎「ふっくらしたあの毛並みは撫でてみたい…!く…ぅぅ…!」

漫「あ、あかん…!つ、次行こう次!」

京太郎「ですね…ここはちょっと誘惑が多すぎます…」

漫「なまじ間近まで見れる分、撫でてみたくなってしゃあないしな…」

京太郎「なんという魔性の生き物なんだ…」オズオズ

漫「あんなイケメンやのに…可愛くて結構、人懐っこいなんて反則やろ…」オズオズ


漫「まぁ、そんなうちらにカタルシスを与えてくれるのが…ここモルディブ諸島ゾーンや!!」

京太郎「ここ…中央にでっかい水槽があるだけですけど…その敷居は殆どないも同然ですね」

京太郎「それに…その…なんというか人が周囲から手を伸ばしてるんですけど…」

漫「お客さん…ここだけの話…ここはお触りオッケーなんやで」

京太郎「えっマジですか!?」

漫「マジマジ。大マジやでー」クスッ

漫「まぁ、泳いどるのは水槽の大きさもあって、小さな子ばっかりやけどね」

京太郎「トラフサメやエイとか50cmもないのばっかりだけど…でも、凄いですよ!」

漫「ふふーん!せやろ?せやろ!」ドヤァ

京太郎「やっべ…マジ楽しみだ」ヌギヌギ

漫「おっ、もうやる気やねー」クスッ

京太郎「いや…だって、気になるじゃないですか」

漫「まぁ、エイとかサメとか中々、触る機会はあらへんしね」

京太郎「特に鮫肌ってどんな感じなのか凄い気になります」

漫「ザラザラしとる言うけど、どれだけザラザラなんか分からんしなー」ヌギヌギ

京太郎「って言いながら漫さんもその気になってるじゃないですか」

漫「だって、こんな黒くて角ばったたくましいものを見たら誰だって…」

京太郎「…ちょっと無理やり過ぎですね。30点です」

漫「くっ…アプローチの方向間違えたか…!」




京太郎「おぉぉ…こっち来たこっち来た…!」

漫「トラフザメ君ちょっとごめんなー…って、ホンマにザラザラしとるねー」

京太郎「肌に引っかかる感じがあって結構、新鮮です」

漫「魚の鱗じゃこうはいかへんしなぁ…あぁ、ごめん。もう行ってええよー」

京太郎「後、エイは結構、ヌルヌルしてました」

漫「うちは最初、イカかって思うたわ…」

京太郎「あのヌルヌル感はそう思いますよね」

漫「後…結構、エイが水面近く泳いどるのも意外やったなぁ」

京太郎「ヒレが水面から出たりしたんですけど、アレって大丈夫なんでしょうか」

漫「まぁ、外敵なんておらへんし、きっと大丈夫やろ」

漫「そこのトラフザメ君も最終的には3m超えるみたいやけど、今は子どもで大人しいもんやしな」

京太郎「でも、かなりザラザラしてましたねー」

漫「あっちの方はもう大人なんやな…」

京太郎「…」

漫「…」

京太郎「あ、また来た。今度はイヌザメかー」

漫「ちょっ!せ、せめて点数くらい頂戴や!無視は凹むって!!」


京太郎「ふぅ…結構、堪能しましたね」

漫「せやねー…いやぁ、面白かった」

京太郎「何だかんだいって結構、壁際に寄ってきてくれるんですよね」

漫「周りにある装置から出る水流の都合かもしれへんけど…思ったより色々触れたのは良かったわ」

京太郎「そのほかの展示も見応えがあって、かなり楽しめたと思います」

漫「ちょっと残念だったのは餌やりとかそう言うのの時間が合わへんかった事やね」

京太郎「ジンベエザメの給餌シーンとか凄い気になるんですけど…」

漫「うちもや…まぁ、その辺りは次のお楽しみにしとこ」

京太郎「ですね…って、もう出口ですか」

漫「もうって言うけど…既に2時間以上おるで?」

京太郎「え…あ、本当だ…」

漫「かなり熱中しとって時間の感覚も忘れてもうたんやな」クスッ

京太郎「まったくもって、その通りです…」ハハッ

漫「まぁ、うちも同じやで。正直…うちもこれの事忘れとったしな」

京太郎「コレ?」

漫「ちょい待ってね…後、少しやと思うし…」

京太郎「…え…?あ…っ」フッ

漫「ふふ…♪どう?これが夜の海遊○やで?」

京太郎「ライトが抑えられて…随分、イメージが変わりますね」

漫「今までの海○館とはちょっと違った雰囲気やろ?」

漫「でも…展示の中身も結構変わるんやで?」

京太郎「そんな事言われたら凄い気になりますね…。…もう一周って出来ましたっけ?」

漫「○遊館は一日に何回でも再入館可能やで!」キリリッ

京太郎「それじゃ漫さんさえ良ければもう一周しません?」

漫「しゃあないなぁ…そこまで言うなら付き合ってたげる♪」


漫「(あぁ…でも、こうして暗いところで見ると…京太郎君、普段の三割増しくらいイケメンに見えるわ…♥)」

漫「(勿論、普段の京太郎君でも十分、格好ええんやけど…これが雰囲気補正って奴やろうか…)」

漫「(さっきから…その横顔に…ちょっとした仕草にドキッとしてしまう…♥)」

漫「(その上、その表情がコロコロ変わって…ちょっとした事で感動して、喜んで、笑って…)」

漫「(うちの下らない話にも反応して、冗談にも乗ってくれる優しい人…♥)」

漫「(こんな暗くてロマンチックな場所で…そんな風に色んな京太郎君を見せられたら…うち…もうあかんようになるよ…♪)」

漫「(一周目は目新しさもあって水槽に意識を向けるのは難しくなかったけど…)」

漫「(それでも…京太郎君と腕を組んで歩いとるってだけで…胸の奥が熱くなって堪らなかったんや…っ♪)」

漫「(京太郎君が…ううん…っ♪『京君』が欲しい…っ♥エッチしたい…っ♪セックスしたいぃ…♪)」

漫「(一ヶ月以上放置されて疼いとるうちの中を…満たして欲しい…っ♥京君のモノで…張り裂けるくらいお腹一杯にして欲しい…っ♥)」

漫「(でも…でも…せめて…二周目終わるまで我慢せぇへんと…ぉ…♪)」

漫「(京太郎君は楽しんでくれてるし…それにうちだって夜の海遊館は初めてで色々、新鮮なんや…)」

漫「(せっかくの初デートってだけじゃなく…楽しいからこそもっと色々見たいし…京太郎君とその気持ちを共有したい…っ♥)」

漫「(なのに…うちの中のジリジリとした熱はドンドン強くなってく一方で…♥)」

漫「(うちは……うち…は…ぁぁ…っ♪♪)」





【海遊館前広場】

京太郎「いやぁ…海遊○凄かったですね」

京太郎「所詮、水族館だって侮ってた認識が完全に覆りました」

漫「ふふーん。世界最大級の水族館は伊達やないって事やで」ドヤァ

京太郎「2300円は割高かと思いましたけど、夜の展示もかなり楽しめましたし、損した気にはあまりならなかったです」

漫「暗くてよう見えへんかったけど眠るアシカとか可愛かったなぁ…」

京太郎「ペンギンの寝方にはびっくりしましたよ…」

漫「まさかアレがあんな風になるなんて…まったく予想しとらへんかったしなぁ…」

京太郎「ジンベエザメも動きがゆったりになるんでシャッターチャンスも狙いやすくなりますし」

漫「個人的に残念やったのは夜に活発に動くって書いてあった子たちの活発な姿があんま見れへんかった事やろか」

京太郎「その辺は時間とかタイミングの問題もありますし、仕方ないと思いますよ」

漫「せやなぁ…」

漫「で…まぁ…その…楽しんで貰えたやろか?」

京太郎「勿論!正直、久しぶりの水族館ってのも脇に置いても、面白かったです」

漫「そっか…それなら良かった…♪」

京太郎「お仕置きされないからですか?」

漫「あ…そういやそんな話やったっけ」クスッ

京太郎「楽しすぎて途中で忘れちゃってましたけどね」

漫「んー…それはちょっと残念…かも…しれへんなって…」

京太郎「…漫さん?」



漫「いや…うちもな…出来ればその…ロマンチックな雰囲気なまま…お洒落なレストランとかにこのまま行きたかったんやけど…」

漫「うち…本当は…ずっと…ドキドキしっぱなしで…我慢…出来ひんようになってしもた…ぁ♥」

漫「ずっと我慢しとった身体がジュンって熱くなって…京太郎君の事…欲しがって止まらへん…っ♪」ギュッ

京太郎「漫さん…」

漫「な…ホテル行こ…っ♥ホテル行って…二人で一杯…愛し合お?」

漫「『京君』かて…そのつもりやったんやろ…っ♪うちとセックスしたくて…こっち来てくれたんやろ…っ♥」ハァハァ

京太郎「お、落ち着いて、漫さん…!」

漫「あかんの…っ♪分かってるのに…止まらへん…♥頭の中まで熱くて…ぐじゅぐじゅになって…♪」

漫「うちもう我慢出来ひんから…っ♥お仕置き…して…っ♪京君に…我慢出来ひんうちを躾けて欲しいん…っ♪♪」

京太郎「いや…それは俺も嫌じゃないですし、正直、期待してたんですけど…」

漫「だったら…ええやんな…っ♥うちと…セックスええやろぉ…♪一ヶ月ぶりのセックス…セックス…ぅ…♪♪」



京太郎「分かり…ました。それじゃ…とりあえず携帯でホテルの場所、検索しますから…」

漫「大丈夫…♪うち…もう地図プリントアウトして来とるから…っ♥」

漫「予約も入れとるし…部屋も空いとるはず…ぅ♪」

京太郎「デートコースや昼食だけじゃなく、そこまで…。本当に色々と用意してくれてたんですね」

漫「当然…やんっ♪久しぶりに会うだけやのうて…デートなんやで…?」

漫「本当に…夢にまで見たくらいに楽しみにしとったんやから…ぁ♪」

京太郎「…漫さん…」ギュッ

漫「あ…ふぁ…っ♪」

漫「そ、そんな強く握り返したら…アレよ…?うち…もう本当に我慢出来ひんようになるよぉ…♪」

京太郎「そんな殊勝な事言わせて、我慢させる気なんてないですから」

京太郎「地図…見せてもらえますか?遠いならタクシー拾って行きましょう」

漫「うんっ♪うんっ♪行こうね…っ♥一緒に行くね…っ♪ホテル…行こぉ…♪」




~漫~

それからの事はうち自身、良く覚えてへん。
そもそもライトダウンされてからのうちは、もう頭の中、京太郎君で一杯やったんやから。
色んな事を話した事くらいは覚えとるけど、実際にどんな会話をしたかまでは思い返せへん。
当時、楽しかった事だけは脳へと焼き付いているものの、実際の場面を再生する事は不可能やった。

漫「(でも…そんな事…今のうちにはどうでも良い…っ♥)」

うちが予約をとったホテルは大阪港駅から、それほど遠くないものや。
ちょっとした食事がサービスの中に含まれていて、チェックイン時に頼んでおけば後で部屋まで持ってきてくれる。
その上、部屋には指定した時間に食事を差し入れてくれる小窓があって、最中でも顔を合わせる事もほぼあらへん。
何時、タガが外れるか分からへんうちにとって、それらはとても有難い事やった。
その上、食事も美味しいと言う評判で、デートコースからも近いとなれば即決に近い。

漫「(予約しとって…本当に良かった…♪)」

そんなホテルはうちらが入った時点でほぼ満室の状態やった。
休日の、しかも、日が落ちて少ししたって時間帯やから、それも仕方ないものやろう。
その上、部屋の内装もまるでコテージみたいで、ちょっとした旅行感を感じさせる。
到底、エッチする為の部屋とは思えへんそこは、人気が出るのも頷けるものやった。

漫「はひゅぅ…っ♪」

そんな部屋の入り口で…うちはもう我慢出来ひんようになってしもた。
まだベッドも確認しとらへんのに、京太郎君へと抱きつき、その首に腕を回す。
そのまま背伸びをするように浮き上がったうちの唇に、京太郎君…ううん、京君はすぐさま反応してくれた。
うちを受け入れるように腰を屈めた京君に、うちの顔はまっすぐに伸び、キスをする。


漫「(あぁぁ…っ♪キスや…ぁ♥久しぶりの…キス…♪)」

瞬間、うちの唇に触れたのはぷにぷにとした柔らかな唇やった。
微かに乾燥したそれは吸い付いてくるような感触を与える。
まるで水分を求めるそれは紛れもなく京君の唇や。
そう思っただけでうちの胸が急速に熱くなり、締め付けられるような欲求不満が沸き上がってくる。

漫「(うち…これずっと欲しかった…ぁ♪欲しくて堪らなかったんや…♥)」

ずっと自分の中で抑え込んでいた力強い欲求。
決して満たされぬが故に見て見ぬふりを続けていたそれが今、うちの中で燃え上がっていく。
勿論、うちがしてるのはただのバードキスに過ぎず、その燃え上がる欲求を消化する事なんて出来ひん。
けれど、それでも…うちは目の前の京君を確かめようとするように、何度も何度も京君にバードキスを繰り返す。

漫「(あかん…っ♪これだけでも…幸せになってまう…♥)」

一ヶ月以上も肉体的接触を断たれ、京君欠乏症にかかったうちにとってはそれだけでも十二分に幸せやった。
そうやってキスする事すら望めなかった今までから思えば、文字通り雲泥の差やねんから。
一度、唇が触れる度、うちの頭の中がふわぁってなって、頭の後ろがムズムズする。
まるでうちを急かすようなその感覚にさえ、うちは喜びながら、そっと瞳を閉じて、キスに没頭した。


漫「(もっと…幸せにして…っ♪京君に…幸せにして欲しいんやぁ…♥)」

視覚という外界から多くの情報と得る感覚の遮断。
それがうちにもたらしたのは欲求不満の強化やった。
多分、内面へと目を向けた事で自らの欲求の大きさを強く意識してしまうんやろう。
その上、接吻の度に欲求不満そのものが大きくなるんやから…もううちだって我慢出来ない。
バードキスの回数が十数回を超えた頃にはうちの口は勝手に動き出し、京君へと舌を伸ばしてしまう。

漫「ふあ…あ♪」

そんなうちの舌を京君はすぐさま迎えてくれた。
まるで最初からうちのやりたい事が分かっていたかのように、熱い粘膜へと押し入るうちの舌に京君の舌が絡みつく。
瞬間、チュルリという音がうちの鼓膜を打ち、その音の淫らさに身体全体が鋭敏になった。
そして、敏感になった舌は京君の感覚を必死に受け止め、その素晴らしさを脳へ送りつけてくる。

漫「(ドロドロして…凄い…♥)」

うちの舌が最初、訴えてきたのは、その粘っこさやった。
まるで糸を引くようなそれはうちの舌へと絡みつき、表面のつぶつぶを包み込む。
何処かマーキングを彷彿とさせるそれにうちの味覚は甘さを感じ取った。
シロップに似た微かに甘いそれにうちの身体は急激に熱くなっていく。


漫「(これ…セックスの味…っ♪セックスの時の味や…ぁ♥)」

うちにとって、その甘さはセックスの時に与えられるものやった。
ファーストキスもセカンドキスも、セックスに関連したものなんやから仕方ないやろう。
だからこそ、うちの身体はセックスの快感を思い出し…内側から興奮が染みこんでいく。
骨まで届くようなその熱が一番、強いのは勿論、うちのお腹や。
京君がケダモノである事をうちの何処よりも知っとるはずのそこは…もう堪らんとばかりに疼き、熱い汁を零し始める。

漫「(でも…今はキスが先…♪)」

その欲求は大きいものの、しかし、決して激しいという訳やなかった。
まるで山のようにうちの前に立ちふさがっているのは確かやけれど、それが動き出す気配はまだない。
それよりはうちの思考を焼くような強いキスの衝動をまずは解消しよう。
そう思ったうちの舌が動き出し、京君との間にクチュクチュという淫らな音をかき鳴らした。

漫「(はぁ…♪これ…セックスしとるみたい…♥)」

まるで性器をかき回されているような淫らな水音。
それに興奮で頭の中まで支配されたうちが連想するのは勿論、セックスの事やった。
何せ、熱い粘膜同士の接触はうちに興奮と共に快感を与え、背筋にビリリとした寒気を走らせるんやから。
勿論、それは興奮に比べれば、遥かに小さいものではあるものの、京君欠乏症のうちにとっては待望と言ってもええものやった。


漫「(京君とのキス…気持ちええっ♪キスでのセックスで…熱くなる…ぅ♪)」

勿論、うちだって今までの放置期間を乗り越える為に自分の身体を色々と弄った事はある。
と言うか…ここ最近はデートへの期待と欲情が強すぎて一回イカへんかったら眠れへんくらいやった。
でも、そうやってうちが自分の手で作り出す快感よりも…京君とのキスの方が遥かに気持ちええ。
虚しさも物足りなさもないどころか…求められる悦びで膨れ上がるそれにうちの身体は内側から蕩けていく。

漫「(キスだけでこんなにええなんて…京君はホント…卑怯ものや…ぁ♥)」

勿論、こうやってうちがドロドロになってしまうんは京君の能力の影響もあるんやろう。
しかし、それが分かっていても、染みこんでくるような心地好さには抗う事は出来ひん。
粘膜がクチュリと擦れる度に、うちはドンドン熱く、幸せにされていく。
一方的に追い詰められるようなそれに卑怯だと思うものの、それさえも蕩け、甘えるようなものになっていた。

漫「ひゃぅっ♪」

そんなうちの顎に京君の手がそっと触れた。
そのまま口を開けろと言うように京君の手はそっと顎を下へと引っ張る。
それに抗えんうちの口が大きく開いていった。
目を閉じとるうちには想像する事しか出来ひんけど、それはきっととてもはしたなく、そして情けない顔なんやろう。
そんな顔を京君に見られていると思うだけで、頭の奥がジィンと震え、首の付根が熱くなった。


漫「んふぅ…ぅぅ♪」

しかし、それに何か思うよりも先に京君の舌がうちの中へと入ってくる。
まるで上から下へと突きこむような鋭いそれに突き上げたうちの舌の根本が擽られた。
普段は奥へと引っ込み、滅多に刺激される事のない部分は思ったより敏感だったんやろう
瞬間、ビリリという快感が走ったと同時にうちの口から吐息が漏れ、京君の顔へと吹きかかった。

漫「(あぁ…っ♪京君…っ♥)」

だが、それを京君が厭う様子はない。
寧ろ、嬉々として舌を動かし、うちの中を味わってくれる。
突き出した舌だけじゃなくって口全体をベロベロと舐め回すそれは京君もまたキスに…ううん、うちに夢中になってくれている事を教えてくれた。

漫「(うちの中も…そんなに美味しいん…?)」

勿論、京君にそれを尋ねる機会も勇気もうちにはない。
でも、まるでうちをしゃぶり尽くそうとするその動きは、うちにとってそうとしか思えへんものやった。
唇の裏側も、歯茎も、その内側も…舌の届く範囲であれば、全部味わおうとしているくらいなんやから。
何処かケダモノ染みた動きで文字通り縦横無尽に暴れ回るその舌に、うちの中はうっとりとした心地好さで満たされていく。


漫「(うちも…美味しいよ…っ♪京君の唾…美味しい…っ♪)」

その源になっとるのは京君への勝手な共感やった。
京君もまたうちを美味しく思ってくれているという自分勝手なその想像に、うちの胸は愛しさを強めていく。
元々、大きかったそれがさらに膨れ上がっていく感覚にうちの胸が圧迫感にも似た痛みを覚える。
けれど、今のうちにはそれさえも喜びとして受け止め、京君へとその身を差し出してしまうんや。

京太郎「じゅるるっ」
漫「ふくぅうぅっ♪」

瞬間、京君の唇がうちの唇へと吸いついた。
いや…それはいっそ食べられていると言っても、ええくらいなんかもしれへん。
だって、京君の唇はまるでうちの唇を包むようにして広がり、その裏側を密着させているんやから。
うちの口周りを唾液でべっとりとさせるその愛撫に、うちの肩はブルリと震える。
それは勿論、口周りをベトベトにされている事への不快感なんかやなく、寧ろ抑えきれへん喜びからやった。

漫「(うち…京君に…食べられとる…っ♥)」

呼吸させるものかとばかりにうちの口を抑え、貪る京君。
それはうちを捕食されているような、必死になって求められているような、何とも言えない心地にさせる。
勿論、そんなもの…本来ならばすぐさま逃げ出そうとするのが当然なんやろう。
だけど…うちはもう逃げられへんかった。
その気になれば、逃げられるはずやのに、拘束なんて何一つされていないはずやのに…うちは自分から京君へと身を寄せてしまう。


漫「(うち…もう心から縛られとるんや…ぁ♥)」

腕に力を込めて…自分から密着するような自分の姿。
まるでもっと貪って欲しいと自分から身を捧げるそれにうちの胸がトクンと脈打つ。
それだけ京君に心酔してるとしか思えない自分に熱くなった胸の奥底から誇らしさが湧き上がった。
そして、そんなうちにご褒美をくれるように京君の腕がそっと動き出し、うちの身体を抱きしめてくれる。

漫「(あぁ…っ♪幸せ…ぇ…♪)」

うちの腰の部分から抱き寄せるその力は、思った以上に力強いものやった。
さらに密着させようとしているようなそれにうちの胸が高鳴る。
京君が大好きな胸さえも押しつぶされるほどのその力強さは、うちに堪らない幸せをくれた。
まるで全身で京君を感じているような錯覚さえ覚えるんやから、それも当然やろう。

漫「(でも…幸せになればなるほど…うち…我慢出来ひん…っ♥)」

何も知らへんかった頃のうちならば、これでも十二分に満足する事が出来たやろう。
そう思うくらいに京君に抱きしめられながらのキスは凄かった。
でも、それは確かに凄いけれど…セックスのそれには到底、及ばへん。
身体中が幸せで満ち溢れて、意識さえも飲み込まれていくような快楽を知ったうちにとって、それはもうただの前戯でしかあらへんかった。


漫「(うち…ドンドンエッチになってっとるよぉ…♪)」

まるで京君に抱きしめられる事がスイッチであったかのように、今まで不動であったお腹の熱が蠢く。
グルグルと唸るような音が聞こえてきそうなそれに身体から落ち着きがなくなっていった。
密着した身体をモジモジと揺らすようなそれに肌が擦れ、快感とも言い切れない刺激が走る。
それに甘く息を吐いた瞬間、京君の舌がすっと引き、代わりにうちの舌へ硬い感触が押し当てられた。

漫「んふゅぅ♪」

それに驚きの声を返すのは、それが初めての刺激やったからや。
キスと言えば、舌を絡ませ合う事くらいが限界のうちにとって、それは想像もしてへん。
けれど、その硬い何かが何度もうちの舌を挟んでいくうちに、うちはそれが京君の歯やって事に気づいた。

漫「(うちの舌…甘噛みされとる…ぅ♥)」

うちに痛みを与えないように、と、力を抜いたその歯の動き。
それに京君の親愛の感情を感じ取ったうちの中でビリビリと快感が通り抜ける。
ドロっとした粘膜の刺激よりもはっきりとしている所為か、それはさっきまでのものよりもずっと強い。
勿論、性感帯を責められるほどではないけれど、はっきりとした快感を感じられるくらいや。


漫「(も…ぉ…♪こんなキス…何処で覚えて来たんよ…っ♥)」

勿論、うちかて京君が退っ引きならない微妙な立場におる事くらいは分かっとる。
こうやって彼が身体を重ねるのはうちだけやない事だって、納得はしてへんでも理解はしとるんやから。
でも、そんな普通のディープキスよりもさらに変態チックでエロいキスをされて何とも思わへんほど、うちは懐の深い女やない。
まるでうちの事を虐めようとするようなそのキスに他の誰かの影を見て、胸の奥が微かに痛む。

漫「(許さへん…っ♪そんなキス…許さへんからぁ…♪)」

そんな胸の奥から沸き上がってくるのはメラメラとした対抗心やった。
顔は知っとるけど、ろくに話した事もない二人へ向けられるそれにうちの舌が動き出す。
これまで突き出されたまま、身を捧げるように静止していたそれは京君の口の中をペロペロと舐めまわした。

漫「くふぅ…ぅ♪」

けれど、その動きはとても激しいとは言えず、またぎこちないものやった。
何せ、こうして動きまわっとる間にも京君の歯がまたうちの舌を甘噛みするかもしれへんのやから。
勿論、多少、舐め回したところで京君の歯がうちを傷つけようとしとらんのははっきりと分かる。
だから…うちの動きがぎこちないんはそうやって何時、起こるか分からへん京君の口撃に怯えとるからやない。
寧ろ、それを内心、心待ちにしとるからこそ、うちの舌は期待で鈍くなっとったんや。


漫「(そんなうちの舌に…京君も応えてくれて…ぇ♥)」

まるでさっきのは何かの間違いだったと教えるように京君の舌が再びうちへと伸ばされる。
そのまま甘噛みした部分を重点的に舐めるその動きは、まるで謝ってくれとるみたいやった。
ジンとした余韻が残る舌はそれに喜び、根本に甘い熱を走らせる。
その心地好さにうちの胸が熱くなり、目元が緩みそうになった瞬間、再び京君の歯がうちを甘噛みしてくるんや。

漫「(まるでこんなん…飴と鞭やんかぁ…♪)」

そして二、三回噛んだ後、再び京君の舌がうちを愛撫してくれる。
まるで我慢の出来ないメス犬を躾けようとしているようなその口撃にうちの肌はブルリと震えた。
大好きな人にまるでケダモノのように扱われるという被虐感混じりのそれは…きっと快感なんやろう。
京君とのエッチで段々、分かってきたけれど…うちは割りとそういうの嫌いじゃない方みたいや。

漫「(でも…悔しい…なぁ…♥)」

勿論、そうやって気持ち良くなるのは嫌やないし、京君とのキスはとっても気持ちええ。
だけど、それでもやっぱり何もかも上をいかれている事に悔しいという気持ちはなくならんかった。
ましてや、今、うちが受けとるキスは前回とは比べ物にならんくらいにエッチで変態チックなものやねんから。
うちではない誰かに教えられたであろうそのキスに感じる自分がちょっとだけ惨めになってしまう。


漫「(それなのに…キス…止められへん…♪)」

そうやって飴と鞭を繰り返す…京君のエロエロなキス。
誰が主人なのかを教え込もうとしているそれに…マゾ寄りなうちは抗えへん。
心の中でどれだけ悔しいと思いながらもその身体を密着させ、オネダリするように舌を突き出してしまう。
そして、そんなうちを京君が愛してくれる度に、胸の先っぽがジィンと熱くなり、そこがムクムクと大きくなっていく。

漫「(もう…うちの身体…準備始めとる…っ♪京君のチンポ欲しがって…エロスイッチ全開になっとるんやぁ…♥)」

勿論、それは乳首だけやない。
うちのアソコはもう愛液が染みだして、ビショビショになっていっとる。
今日は特殊な下着をつけているのもあって、その勢いを殆どショーツは留めてくれへん。
早くも太ももまで濡らしているネトネトの粘液がうちのショーパンに染みこんで、うちがモジモジとする度にクチュクチュと音をかき鳴らす。

漫「(何時でも…何時でもセックスオッケーやでっ♪うちもう準備出来とるからぁ…♥京君のチンポ欲しくてドロドロやからぁ…♪)」

その言葉はうちの中でだけ響き、言葉にはならへんかった。
今のうちにとって、キスへの欲求も、セックスへの欲求も、どちらも大き過ぎて選び取れへんものやねんから。
結果、その判断を京君に丸投げするのは自分でもちょっと情けないと思うものの、うちの大好きな人は一杯、うちを虐めてくれとるんや。
優しくて意地悪な京君は少しくらい甘えたって、きっと意地悪しながらも許してくれるやろう。


漫「(それに…京君の身体も…興奮しとるで…ぇ♥)」

京君の身体に密着するうちの下腹部。
おへその周辺近くのそこにはさっきから熱くて硬い感触が突きつけられていた。
お互いのジーンズ生地とも違うその膨らみは…ほぼ間違いなく京君のチンポやろう。
こうして何でもなさそうにうちを責めとる京君だって…興奮しまくって…チンポ大きく膨らませとる。
そう思っただけでうちの身体は内側から熱くなり、全身の神経を伝わって歓喜が広がっていく。

漫「ぷぁ…ぁ♪」

けれど、それがうちの全身に広がりきるよりも先に京君はうちから離れた。
瞬間、酸素を求めたうちの口が大きく開き、呼吸を始める。
どうやらうちは自分でも理解出来ひんうちに酸欠に近い状態にあったらしい。
命の危機に近い事でさえ、陶酔の中で薄れ、意識できなかった事にうちは驚愕を覚えた。
けれど、それが恐怖に結びつく事はなく、寧ろ、それを感じ取ってくれた京君への愛しさへと繋がる。

漫「京君…っ♪」
京太郎「漫…」

そんなうちの口から漏れる言葉に京君も優しく応えてくれる。
それにふっと目を見開けば、うちらの間からスゥっと透明な粘液がこぼれ、うちらの服へと掛かっていった。
勿論、京君へのデートを見越して用意したそれは、うちのお気に入りの一つや。
けれど、京君とうちの唾液が混ざり合ったそれに穢されたなんて思えへん。
寧ろ、京君の唾液が混ざっていると思うだけで…この服をより気に入り、大事にしようと思えるくらいや。


京太郎「もうちょっとでベッドだって言うのに、我慢出来ないだなんて漫は悪い子だな」
漫「ん…あぁ…♪」

そう言いながらも京君の手はうちの身体を優しく抱き寄せたままやった。
いや、それどころか、京君の言葉にビリビリとした寒気を走らせるうちの背中を優しく撫でてくれた。
まるでうちへと興奮を刷り込もうとしているようなその仕草に…うちの身体がさらに熱くなる。
筋肉が蕩けるように錯覚するそのドロドロとした熱にうちはぎゅっと指先に力を込めた。

漫「京君が…京君が悪いんよ…ぉっ♥うちをこんなにさせて…一ヶ月以上放置するんやから…っ♪うちじゃなくっても…悪い子になっちゃう…♥」
京太郎「そうだな。奥さんを一ヶ月も放置するだなんて、夫失格だよな」

そんなうちの言葉に応えた京君は、一ヶ月前に作った『設定』を持ち出してきた。
当時のうちをあんなに淫らにさせて、尚且つ、それを許容させた…その『設定』。
『新婚』という甘美で素晴らしい絆を偽るそれに…うちの欲情が一気に膨れ上がった。
それまで比較的大人しかったそれが理性という抑えを炙り、チリチリと焦がしていく感覚にうちの奥がジュンと潤むのを感じる。

京太郎「だから…俺に責任、取らせてくれるか?」
漫「うん…っ♪とって…っ♥うちに責任…っ♪京君の身体で一杯…うちに償って欲しいんっ♥」

そして京君の言葉に、その焦がされた理性そのものが緩んでいく。
うちの耳元で甘く、そして熱く囁くそれに、興奮したうちが耐えられるはずなんて最初からあらへん。
何せ、今のうちはどんな形であっても京君とセックスしたくて堪らないんやから。
責任でもお仕置きでも、京君とセックス出来るなら些細な違いでしかない。
そう心の中でそう思った頃にはうちはもう既にそう頷き、京君の服をぎゅっと握りしめていた。


京太郎「…償うとか…一体、何を勘違いしているんだ?」
漫「え…?」

瞬間、冷たく返される京君の声にうちが呆然と聞き返す。
さっきの優しげな囁きとは似ても似つかないそれに固まったうちの身体を京君の手が這い回った。
けれど、それはさっきのものとは違い、うちの身体を弄るやらしい手つきや。
まるでこれから貪るオンナの姿を確かめようとするそのエッチな手にうちの肌はゾクゾクする。

京太郎「俺だって漫と離れているのは辛かったのに…一人だけこんなに発情してるんだ。そんな淫乱な漫は…もう一度、躾なおしてやるのが夫としての責任の取り方だろ」

そう言いながら、京君はうちの正面にその手を回す。
そのまま抱きついたうちから服を脱がそうとするそれに、胸のドキドキは強くなった。
これが赤ん坊であれば特に気にせえへんかもしれんけど…うちは高校生で、しかも、今は京君の妻なんや。
そんなうちから衣服を剥ぎ取ろうとするその乱暴で優しい手つきに身体が勝手に動いてしまう。
無茶苦茶な事言われてるって分かってるのに…まるで躾なおして欲しいとばかりに脱がせやすいように身体が動くんや。

漫「(勿論…心も嫌がってる訳やないけど…ぉ♥)」

寧ろ、頭や心で決断を下すよりも先に、全身へと行き渡るお腹の指令にうちの心もゾクゾクする。
だって、それはメスの本能めいたものであり、思考よりも遥かに強いんやから。
自分がオンナではなく、メスへと変わりつつある事を否応なく教えるそれに興奮が止まらへん。
それこそピンと張った胸の先っぽがジクリと疼くくらいに…今のうちはドロドロになっとった。


京太郎「おぉ…」

そんなうちの服を数枚脱がした時、京君はそう言葉を漏らした。
微かに感嘆の色を混じらせる京君の視線はうちの胸に突き刺さっとる。
それもある意味では当然なんやろう。
何せ…京君の前に顕になったそこは…真ん中をパックリ割ってその間から乳首を露出させとるエロ下着やねんから。
割れ目以外の部分も大人っぽい黒のレースに包まれ、ワイヤーも殆ど入っとらんそれは決して日常的に着けるもんやない。
それこそ…セックスを期待するメスがオスを誘う為に…寝床でこっそり身につけるものやろう。

京太郎「こんなのを最初から着けてたのか?」
漫「…ぅ…ん…♪」

それを京君に伝えるのは勿論、恥ずかしい。
だって、それはあんな風にデートを楽しむ一方で、ずっとセックスを心待ちにしとったって事やねんから。
そんなもの京君にはお見通しやったやろうけど、自分でそれを伝えるのはやっぱり恥ずかしい。
でも、今のうちはそんな気恥ずかしささえも興奮へと結びつけ、モジモジと太ももを擦りつけてしまう。

京太郎「下の方は…どうなってるんだ?」
漫「ぁ…ぁ♪」

そんなうちの下へと京君の手が伸び、カチャリとベルトを外す。
そのまま京君が腰を下ろしながら、ショーパンをズラした瞬間、ねちゃあぁと糸を引く音が辺りへと響いた。
まるで私の淫乱さを伝えるようなそれに…うちの顔が羞恥に染まる。
けれど、京君はそんなうちを面白そうに見上げたまま、ゆっくりとうちの太ももに手を這わせた。


漫「ひゃうぅ…♪」
京太郎「こんなの…もう下着じゃないな」

それに快感を覚えるうちのショーツを京君はそう称した。
黒レースに包まれたショーツは最初からぱっくりとクロッチ部分が開いとるタイプや。
うちのオマンコのひくつきをはっきりと京君に晒すそれはもう下着とは言えへんものやろう。
それよりももっともっと淫猥で変態的なそれはオスを誘う為のメスの道具と言った方が正しい。

京太郎「こんなのを身につけて…俺を誘惑するつもりだったのか?」
漫「は…ぃ…ぃっ♪」

うちがそんなものをわざわざ通販で購入して準備したのは…京君に興奮してもらう為や。
勿論、そんなものなくても絶倫で性欲過多な京君は、ずっとセックスしてくれるやろうと分かっとる。
でも、うちはやっぱり他の二人と比べて出遅れとるのは否定出来ひんのや。
それを少しでも埋める為に、うちはこうしてエロ下着を身につけ、京君に何時も以上の興奮と快感を与えようとしていた。

漫「(その目論見は…潰えてしまった訳やけれど…♪)」

思いの外、うちが我慢出来ひんかった所為で、当初の予定とは少し違った形になった。
それでも京君に激しい興奮を与える事には成功しとるんやろう。
うちの太ももを撫でる京君の手は熱く、うちの顔とオマンコを交互に見るその視線もギラギラとした欲情が溢れそうやねんから。
予定とは少々、違うけれども、今にも襲いかかりそうなくらい興奮してくれているんやから、結果オーライという奴やろう。


京太郎「じゃあ…どうやって俺を誘惑するつもりだったのか、今、ここで見せてみろよ」
漫「ぅ…♪」

そう思った瞬間、告げられる京君の冷たい言葉に、うちは事がそう簡単なものではない事を悟った。
勿論、うちだって最初は京君を誘惑するつもり満々やってんから、その言葉に異論はあらへん。
このままセックスして貰えると思っていただけに肩透かし感は否めへんけど、それだけや。
ただ…それとはまた違い、うちが躊躇する理由があって… ――

漫「ここ…でなん…?」
京太郎「あぁ。『ここで』だ」

ここはまだ部屋の入口や。
ベッドも何もまだ見えてへん…文字通り玄関である。
そんな場所でオネダリなんかしたら…外を歩く人にも聞こえるかもしれへん。
勿論、そういう施設やし、防音はしっかりしてるやろうけど、こんな入口でオネダリするなんて考慮しとらんやろう。
それを思えば、中々、踏ん切りがつかず、京君の前でそう聞き返してしまった。

京太郎「上手く出来たら…ここで突っ込んでやるよ」
漫「あ…あぁぁ…っ♪」

そう言いながら…京君はそっと立ち上がり、自分のベルトに手をかける。
うちの愛液でべたついているのにも関わらず、焦ったように脱いでいく京君。
それにうちと同じく治まらない興奮を感じ取ったうちの視界の端で…ピョコンと浅黒い肉の塊が顔を出す。
瞬間、部屋の中に満ちる粘っこいオス臭さにうちの口は吐息を漏らし、肩がブルリと震えた。


漫「チンポ…っ♥京君の…チンポや…ぁ…♪」
京太郎「そうだ。漫も…これ大好きだろ?」
漫「うん…っ♪好き…ぃ…♥京君のチンポ…大好きやぁ…♪」

そんなうちの口から漏れるのはうっとりとした本能の言葉やった。
そうやってチンポを好きという事になんら気恥ずかしさを感じていないそれは、さっきまで躊躇いを見せていたオンナと同一人物やとは思えへんほどやろう。
でも…うちにとって、京君のチンポはそれほどまでに破壊力のあるものなんや。
その逞しさと荒々しさ、そしてそこから来る快感の味を知ったうちの躊躇いなんて一瞬で消し飛ばされてしまう。

漫「見て…ねっ♪うち…オネダリするから…っ♥京君、誘惑するから…見ててね…♥」

そして後に残った欲望を抑える術など、うちはもたない。
京君の前で大きく頷きながら、うちはそっと入ってきた扉に手を着いた。
瞬間、木目の優しい感覚が肌に触れるが、それはもううちの心を鎮めてくれるものやない。
それにクスリを笑みを漏らしながら、うちはそっと腰を傾け、お尻を京君へと突き出した。

漫「うちがこれを選んだのは…京君と着たままセックスする為なんや…♥」
漫「でも…デートの日にこれを着て…京君とエッチする思うたら…我慢出来ひんで…今日までに何回もオナニーしてしもうたぁ♥」

元々、うちは滅多に京君に会えへんのもあって、慢性的京君欠乏症なんや。
そんなうちの手元に京君とセックスする為の下着が届いたら…そりゃあ…自分を慰めるのに使うやろう。
これを着て京君の名前を呼びながら、オマンコ弄った回数なんてもう両手じゃ到底、足りひん。


漫「でも…それじゃあかんの…ぉっ♪それだけやったら…足りひんの…っ♥」
漫「オナニーはイけるけど…うちが求めてるのはそれじゃなくて…っ♥」
漫「うちの愛液だけじゃ…足りひん…の…ぉ♪」

そう言いながら、うちはゆっくりとお尻を左右に振るう。
真正面を向いたままやと京君の様子は分からへんけど…きっとそれは効果絶大なんやろう。
何せ、ほぼむき出しに近いうちのあそこに京君から熱視線が向けられ、その吐息が荒くなるのが聞こえるんやから。
しかし、それにも関わらず、京君がうちを襲ってくれる様子はない。

漫「だから…これに…京君の臭い染み込ませて欲しいんっ♥」
漫「ぷりっぷりの…京君の特濃ザーメンで…この下着ドロドロに穢して…っ♪」

それに欲求不満が強まるのを感じながら、うちはそう口にする。
けれど、京君の手は未だうちには伸びず、待ち望んだご褒美は来ない。
そっと振り返った京君の顔は興奮と欲情で一杯なのに、それでも自分を抑えとるんや。
まるでギリギリまで自分を律しようとするようなその姿に…うちの口は再び開く。

漫「うち…それでオナニーするからっ♪京君想いながら一杯オナニーするからぁっ♥」
漫「それでまた…一ヶ月我慢して…良い子にしとるからぁっ♥だから…うちのオカズ作るのに…協力して…ぇ♥」

自分の口にするその淫らな未来に、うちの身体も興奮しとるんやろう。
お腹の奥でキュンとした疼きが強くなり、うちのオマンコから愛液が滴るのが分かった。
トロリと糸を引きながら、玄関へと滴るそれに…京君は我慢出来ひんようになったんやろう。
その身体をぐっと近づけて、うちのお尻をその大きな両手で抑えつけた。


漫「んひぃぃぃぃっ♪♪」

そのまま乱暴に押し込められるチンポの感触にうちは思わず甲高い声をあげてしまう。
何せ、それは挿入しやすいようにアソコを広げる事もなく、ただただ乱暴に突きつけるような腰の動きだったのだから。
まるで周りの陰唇ごと犯そうとするようなそれは、不意打ち気味であり、ただでさえ欲求不満気味であったうちに強い歓喜を叩きつける。

漫「チンポ…来たぁっ♥京君のチンポっ♪チンポぉ…ぉっ♪♪」

そんな歓喜の源になっている肉の塊は相変わらず硬く、そして熱いものやった。
しかも、それはまだ三回目なうちの中を遠慮無くゴリゴリと掘り進んでいく。
強張った肉の硬さとその熱を存分に教えこむような挿入に、内側から肉を蕩けていくみたいや。

京太郎「コレが欲しかったんだろ…!」
漫「うんっ♪これ欲しかったんっ♪ずっと…ずっと欲しかったんよぉ…っ♥」

そしてそれはうちにとって最高と言っても過言ではないものやった。
だって、それはうちが一ヶ月以上ずっと待ち望んでいたものやねんから。
京君と別れたあの日からうちの身体が求め続けていた感覚に全身が充足に満たされる。
自分が今、京君と本当にセックスしとるんや、と言う実感混じりのそれにうちは蕩けた声で応えた。


京太郎「俺も…本当はずっと漫とこうして…セックスしたかったよ…!」
漫「京君…も…?」
京太郎「当たり前だろ。漫は俺の奥さんなんだからさ」
漫「ひぅ…ぅ♪」

そう言いながら、京君はゆっくりとうちの中を進んでいく。
最初の勢いがまるで嘘のような緩やかな動きでも、うちは勿論、気持ちええ。
チンポと触れ合う肉襞はぐっと押し込められる逞しさが嬉しいのか、さっきからビリビリとした快感を全身へと走らせとる。
そんな場所をチンポで擦られとるんやから、背筋が震えそうになるくらいの快楽が駆け抜けるのおかしゅうない。

漫「(でも…それ以上に…京君の優しい言葉が心にクる…ぅ♥)」

勿論、それはセックスをより燃え上がらせる為の方便なんたろう。
そんな事は理性を半ば投げ捨てとるうちにだって分かっととる事や。
しかし…そう分かっていても…やっぱり奥さんとはっきり口にされるのは嬉しい。
ましてや、それがうちの好きな人から言われとるんやから、格別やった。

京太郎「今、キュって中が締まったぞ。やっぱり漫はこういうのが好きなんだな」

そんなうちの感情をオマンコの反応から感じ取ったんやろう。
京君は意地悪くそう言いながらも、顔に喜色を浮かべた。
まるでそんなうちが興奮すると言わんばかりのそれに、振り返ったうちの顔も綻ぶ。
そうやって演技しあうセックスが好きなうちを京君が受け入れてくれとるんやから、それも当然やろう。


京太郎「でも…折角だから、今日はもうちょっと色んなものを足してみないか?」
漫「足す…ぅ…?」

京君がそうやって囁くのはうちの耳元や。
ぐっと上体を倒しながらのその言葉に、うちは淫らなものを感じてしまう。
一体、何を足すのかまではうちには分からへんけど、今の京君は完全にスイッチが入っとるんや。
普段のお調子者で憎めない京太郎君と同一人物とは思えないくらい意地悪な京君になるスイッチが。
それこそ隙あらば、うちを弄ぼうとする京君が言い出す事なんて…凄いエッチな事か、凄い意地悪な事か、もしくはその両方かくらいしかない。

京太郎「新婚夫婦ってだけじゃ物足りないだろ?だから…俺達がどうやって出会ったとかそういうのを深めて行こうって事」

そう言いながら、京君はうちの奥で浅く腰を前後させる。
本来ならもうとっくに奥へと突いとってもおかしくないのに…その先端はうちの奥に触れてくれへん。
てっきりケダモノのように犯されるんやと思うとったうちの子宮がそれに不満を訴え、ドロリと熱い汁を漏らした。
けれど、京君のチンポはそれでも進む事はなく、子宮口に届かないギリギリの位置でうちを犯す。

京太郎「漫が色々と妄想してる事を口に出してくれれば良いだけだ」

そうやってうちを焦らしながらの言葉は拒否を許さへんものやった。
だって、京君はほぼ間違いなく、それを口にせえへんかったら、思いっきりセックスしてくれへんのやから。
決してそう言っとる訳やないけれど、うちの奥で焦らすように腰を動かしとるんを見れば、一目瞭然や。


漫「(それに…京君…絶対に…うちが焦れとるん分かっとる…ぅ♥)」

そもそもうちは京君にさっきあんなオネダリをするくらい発情しとるんや。
その甲斐あってチンポを貰えたけれど、それだけで満足するようなうちやない。
それはたった二回とは言え、うちとこうして濃密な時間を過ごした京君にははっきりと分かっとるやろう。
その上、弱点である子宮口にまったくノータッチともなれば、分かっていて焦らしているとしか思えへん。

漫「京君の…意地悪…ぅ♥」
京太郎「漫が可愛いから苛めたくなるんだって」

その言葉は…まぁ…正直、嬉しいものやった。
例え、方便でも好きな人に可愛いと言われるのは特別やねんから。
何より…そうやって意地悪されるのが嫌いやないうちにとって、それは背筋が喜びと背徳感でゾクゾクするものやった。

京太郎「じゃあ…まず出会いから行こうぜ。漫は…俺とどうやって出会ったんだ?」
漫「そ、それは…うちと京君は…お、幼馴染で…ぇ♪」

勿論、そうやってうちの妄想を口にするのは恥ずかしい。
幾らタガが緩んで思考も蕩けていっているとは言え、羞恥心まで投げ捨てた訳やないねんから。
でも、今のうちにとって、それはもうまったく抑止力にはならへんものやった。
精々が答えるうちの声を震えさせる程度であり、欲情を強めるだけの道具の域を出えへん。


漫「毎朝…待ち合わせして一緒に登校するくらい仲が…ええのぉっ♥」
京太郎「そうだな。昔っから俺は漫姉と一緒だったもんな」

そんなうちの言葉に京君は乗って来てくれる。
うちの妄想を補足し、応えるようなそれに胸の奥がキュッと締め付けられた。
羞恥心とはまた違ったその苦しさは…自分の妄想が現実になる嬉しさと、京君への愛しさなんやろう。
それに気恥ずかしさがグイグイと押されていき…うちの中の躊躇いが薄くなる。

漫「でも…二人共告白する勇気がなくて…意識しとるのに…高校まで恋人になれへんで…♥」
京太郎「俺が意気地なしだったからだな。ごめん」
漫「き、京君は何も悪ぅないよぉ…っ♥」

うちの妄想に謝罪の言葉を告げる京君。
けれど、京君が何も悪くないのは誰がどう見たって明らかや。
何せ、それはうちが勝手に妄想した結婚への道筋であって、一つたりとも事実やないねんから。
けれど、京君はまるでそれが本当の過去であったかのように謝罪し、受け入れてくれる。
それに欲求不満で緩んだ頭がクラリと揺れて、現実と妄想の境目が少しずつ曖昧になっていくのを感じた。

漫「それで…それで…高校で京君に仲のええ子が出来て…うち…置いて行かれるみたいで…寂しくて…っ♪」
京太郎「俺が漫姉の事、置いていく訳ないだろ」
漫「うん…っ♪分かっとる…分かっとる…けど…ぉ♥でも…原村さんと神代さん可愛いかった…し…♪」

自分の妄想の中とは言え、当て馬にしていた二人。
それに心の中で謝罪を紡ぎながら、うちはその言葉を口にする。
でも、そうやって謝罪する言葉すら、うちの中ではもう曖昧なものやった。
本気で演技するのを超えて、役に没頭していくような自分から逃れるように、うちは再び口を開く。


漫「うち…あの二人ほど…可愛くない…からぁ…♥」

まるでお人形さんのような原村さんと放っておけない小動物のような神代さん。
その方向性は違えども、二人が紛れもない美少女なのは誰の目から見ても明らかやろう。
実家の都合かメディア露出が少ない神代さんはともかく、原村さんはアイドル雀士に近い扱いを受けとるんやから。
そんな二人に比べて…うちは野暮ったい上に童顔で…あんまり華があるとは言えへん。
それは決して妄想の中だけではなく…うちが二人に対して劣等感を覚えとるのは事実やった。

京太郎「俺にとっては漫姉が一番だって…」
漫「はぁ…あぁ…♥」

そんなうちの気持ちに気づいてくれた訳やないんやろう。
でも…それでも、京君の告げる言葉はとても優しく、暖かなものやった。
うちの胸の奥底に押し込められていた暗い感情を溶かすようなそれに思わずうちから声が漏れる。
陶酔混じりのその声にうちの全身もブルリと震え、子宮がキュンキュンと唸りだした。

京太郎「それから…漫姉はどうしたんだ?」
漫「だ、だから…う、うちから…うちから告白したん…っ♪」

うちでは到底、及ばんような美少女二人。
そんな二人にうちが勝つには本格的に京君と仲良くなる前に手を打つしかあらへんかった。
それこそ今までずっと一緒やったっていうアドバンテージを必死に活かしたそれは… ――


京太郎「まさか漫姉も同じ風に思ってくれてるなんて考えてなかったから…凄い嬉しかったよ」
漫「うんっ♪うんっ♪うちも嬉しかった…嬉しかった…よぉ…♥」

京君に受け入れてもらう事が出来た。
それは勿論、あくまで二人が演じる『役』の間柄でしかない。
そんなものは今のうちにもはっきりと分かっとる。
しかし、例え『役』だとしても…演技だとしても、京君に受け入れてもらえるのはやっぱり嬉しい。
今のうちらがそういう事を持ち出せへん間柄やからこそ…妄想の中でも結ばれたというのは胸が震えるほどの感動を覚えるんや。

漫「それから…一杯デートして…エッチも…してぇ…♥」
京太郎「皆に祝福されながら結婚した…だよな?」
漫「そ…ぉ♥結婚…っ♪うち…京君と結婚して…ラブラブやの…ぉ♥」

そうして今に至る言葉を結んだ瞬間、うちの背筋がブルリと震える。
それは歓喜や快感混じりではあったものの…一番大きいのは欲求不満やった。
自身の妄想を吐き出し、京君に受け入れてもらった今、うちの身体はもうご褒美が欲しくて仕方ないんやろう。
実際、うちの中はさっきからキュンキュンって唸り、チンポに動いてくれるよう必死にオネダリしてるんや。

漫「だから…っ♪ラブラブセックス頂戴っ♥こんな…焦らされたら嫌やぁ…♥こんなん…夫婦のセックスちゃうぅ…♪♪」
京太郎「じゃあ…何のセックスなんだ?」

その欲求不満を伝えようと、うちの口もオネダリを始める。
でも、そうやってオネダリしても…うちの身体の内側で蠢く物足りなさは一向に減らへん。
その何とも言えない居心地の悪さに首を振りながら言葉を紡いだうちに、京君が意地悪く囁いた。


漫「意地悪…ぅ♥意地悪セックスぅっ♥焦らしておかしくする為の…調教セックスや…ぁ…♪」
京太郎「そういうのは嫌か?」

勿論、そういうのは決して嫌いやない。
根がマゾっぽい上に…うちはこれまで京君に意地悪されまくっとるんやから。
こうやって焦らされるのも、正直、身悶えしとるだけやなくって興奮しとる。
うちがさっきからオマンコ締め付けてしまうんもただ欲求不満なだけやなく、それに発情しとるからなんやろう。

漫「もう…もううちおかしくなっとるからぁっ♪京君好きすぎて…頭の中おかしくなっとるから…っ♥コレ以上おかしくなったらうち…ぃ♥」

しかし、だからと言って、焦らして欲しいかと言えば、答えは否や。
やっぱりこの満たされなさは不快感にも近いし、身体からも落ち着きがなくなっていく。
それに喜ぶうちがおるのは確かやけど、やっぱり今の状態は辛くて…頭の中がグラグラするんや。
京君への『好き』で満たされた頭を揺さぶり、さらに無茶苦茶にするようなその感覚は、心からおかしくなりそうな予感をうちに与える。

京太郎「…どうなるんだ?」
漫「分からへんっ♪分からへんけど…うちじゃなくなる…ぅ♥今のうちじゃなくて…京君の事が、ひゅぅんん゛っ♪♪」

瞬間、うちの身体に通り抜けたのは強い衝撃やった。
ズンっと頭まで通り抜けるそれにうちは一瞬、意識が揺らぎ、何が起こったのか分からへんようになる。
けれど、それはあくまで一瞬の事。
次の瞬間にはお腹の中から今までの比ではない快感が湧き上がり、うちの全身を震えさせる。


漫「いきなりは…はんしょくぅ…♥」

肉襞をズリズリと擦られるのとは違う硬い衝撃。
うちの身体を揺さぶり、舌足らずにするその源は勿論、子宮口やった。
今まで焦らされに焦らされ、チンポを求めて降りてきたそこを…京君が狙い撃ちにしたんやろう。
そう理解した頃には子宮口が蕩けそうなほど熱くなり、まるで歓喜に泣くように愛液を滴らせる。

京太郎「漫姉があんまりにも可愛いから…我慢出来なくなってさ…!」
漫「くふぅ…ぅうっ♪」

そんなうちの最奥を京君のチンポが執拗に突き始める。
まるでさっきまでの焦らし方が嘘のように、奥まで突き入れてくれるんや。
その度にうちの中に堪らない快感が通りぬけ、そして子宮の熱が膨れ上がっていく。
メラメラと子宮の壁を焦がすようなそれにうちの足が震えてしまう。

漫「(本当なら…もうイッててもおかしゅうないのにぃ…♪)」

と言うか、前回と同じなら挿入された途端にイッているはずなんや。
けれど、それが本来クるはずの波が中々、やってこない。
気持ちええのはええねんけれど、一定のラインを超える事はなかった。
まるで身体がイき方を忘れ、そこでリミットが掛かっているような感覚に身悶えする。
けれど、どれだけ身体をよじっても待ち望んだ感覚はやってこず、ただ、子宮の熱だけが只管に大きくなっていく。


漫「(それなのに…オナニーより遥かに気持ちええなんてぇ…っ♥)」

絶頂という一つの果てを禁じられたとは思えない激しい快感。
それは一人遊びでうちが作り出す絶頂よりも遥かに大きいものやった。
まるでうちがあそこを弄って湧き上がらせるそれが偽物やと教えこむような快感は嘘みたいにさえ思える。
けれど、実際、うちの筋肉を甘く痺れさせる快感の波は、どれだけ信じられへんでも止まる事はない。

漫「あ…ふぁぁ…っ♪イケへん…っ♥うち…イケへん…っよぉっ♪」
京太郎「あ…ごめん。何か拙かったか…?」
漫「や…ああぁっ♥止まったら嫌やぁっ♪動いて…うちを犯してぇっ♥」

そんなうちの言葉に京君は腰を止めて、尋ねてくれる。
その瞬間、うちの中で欲求不満が弾け、可愛げのないオネダリをしてしまう。
それに京君は反応して腰を再び動かし、子宮口を突いてくれた。
ズンズンと奥だけを抉るような動きに子宮はさらに熱くなるが、やっぱりアクメの予兆そのものは始まらない。

漫「分からへん…のっ♪気持ちええのに…イキそうなのに…ギリギリで…身体止まってて…ぇ♪こんなんおかしいぃ…♥」

その異常さを必死になって告げながら、うちの腰も動き出す。
自分から快感を求めて京君へと突き出すようなその動きに、刺激と快感が膨れ上がった。
けれど、それはやっぱり臨界点の内側で止まって、オルガズムの始まりには繋がらない。
そのどうしようもない欲求不満にうちが涙を漏らしそうになった瞬間、京君がふっとその腰を大きく引いた。


京太郎「…好きだ。漫姉」
漫「ふぇ…ぇ…っ♥♥」

その瞬間、うちの耳元で囁かれる言葉を信じる事は出来ひんかった。
だって、それはうちが京君に求めたものやなく、京君から自発的に言ってくれたものやねんから。
前の話からの脈絡もなく…そして、だからこそ、京君の想いを強く感じさせる言葉にうちの意識がふっと遠のく。

漫「んあ゛ああぁぁぁぁあ゛あぁぁっ♪♪♪」

多分、そうやってうちが意識を陶酔で揺らがせていたのは一秒にも満たない時間やったんやろう。
だけど、その意識が再びはっきりとした時、うちの身体に起こった変化は劇的やった。
その間に一気にうちの中を突き進んだ京君のチンポが子宮口を叩いた瞬間、お腹の中で熱が弾け、絶頂感が全身へと広がっていく。
今まで溜め込んだ快感を全て消費するようなその激しさは、さっきまでの比ではあらへん。
うちの身体を内側から食い破ろうとしてるみたいにさえ思える快感の波に、うちは満足とも驚愕とも言えん声をあげる。

京太郎「多分、俺が意地悪しすぎた所為で、緊張してイけなかったんだろうな。ごめん」

意識の外側から、そんな京君の謝罪の声が聞こえた気がする。
でも、それが幻聴なのか、或いはそうではないのかさえうちには判断出来ひん。
一ヶ月ぶりの本当のアクメはそれこそ五感を塗り替えるくらいに凶悪で素晴らしいものやったんやから。
泣きそうなほど昂った欲求不満が一気に満足感へと塗り替えられていく感覚にうちの意識が滅茶苦茶にかき回されていた。


京太郎「でも…その分、漫姉の事…気持ち良くするからな…っ!」
漫「ひん゛んんんっ♪♪」

そう聞こえたような気がした瞬間、京君の腰が動き出す。
ズッチュズッチュとうちの奥を撫でるような抽送は、イけへんのを伝えた頃とそれほど変わらへんものやった。
けれど、一度、絶頂を迎え、完全に火が入ったうちの身体にとって、それはまったく同じやない。
そうやって奥を優しく突かれる度に、敏感になった身体が跳ねるくらいに感じてしまう。

京太郎「一突きごとにイッてるんだな…っ」

京君の言う通りやった。
今のうちは奥を突かれるだけでアクメし、全身を痺れさせるほど昂っとる。
勿論、それは最初に弾けたそれよりも弱々しいけど、はっきりとしたオルガズムなんや。
意識が弾けるような絶頂の前に感じていた快感とは比べ物にならへんし、一回毎に身体もドンドン敏感になっていく。
そして、それがまた新しいオルガズムを呼び、うちの意識を際限なく高めていった。

京太郎「ようやく淫乱な漫姉らしくなってきたじゃないか…」
漫「ひゃ…ぅ…♪」

京君がそう言いながら、うちのお尻を撫でる頃には最初のオルガズムがうちから抜け始めていた。
さっきまでは遠くて朧気であったその声も今でははっきりと聞こえる。
それに嬉しく思いながらも、今のうちにはそれを言葉にする事が出来ひん。
今はまだ愛しい人にねっとりとお尻を撫でられる快感に声を漏らすのが精一杯なんや。


漫「(でも…それも少しずつ…慣れて…いくぅ…♥)」

そう確信を持って言えるのは、うちの身体が急速に満たされていっているからや。
それこそ乾いたスポンジのようにグイグイと快感を飲み込んでいく身体がずっとこのままやとは思えへん。
身体がその感覚に慣れ始めれば、また京君の事を悦ばせる為のエッチな言葉が沢山言える事やろう。
それが何時になるかまでは快感で痺れる頭では分からへんものの、一回目も二回目もあれだけ色々とエロいセリフ口走っとったんや。
一ヶ月以上、焦らされとったとは言え、三回目にもなるうちが出来ひん訳がない。

京太郎「相変わらず、ぷりっとした桃尻だな…むしゃぶりつきたい…!」
漫「んひぃっ♪」

そんな風に変態チックな事を言いながら、京君の腰は止まらへん。
いや、それどころか、少しずつやけれども、その腰の動きは激しくなっていっとる。
ピストンする距離そのものは変わっとらんけど、その速度は確かに上がっとるんや。
うちの肉襞が実際に引っかかれ、そして押し込められとるペースから考えてもそれは決して勘違いやない。

漫「(京君も…興奮しとる…ぅ♥)」

平静を装いながらも、腰の動きを強める京君。
それはきっと京君の中で強い興奮が沸き起こっとるからやろう。
どれだけ普通であろうとしても抑えきれへんそれは、うちがそれだけ京君にとって魅力的である事を感じさせた。
勿論、それが一体、どれだけのものなのかは本人ではないうちには分からへん。
でも、こうして求められる感覚はとても魅力的で…そしてだからこそ、うちは京君に応えたくなってしまう。


漫「う…うちの…おし…り…ぃ♥しゅる…ぅ…♪」
京太郎「興味がないとは言わないけど、ちゃんと慣らさないと辛いらしいし、また今度にしよう」

必死になって紡いだ言葉は、やっぱりまだ震えが強いものやった。
言葉も幾つか抜けて意味的にも不明瞭になったそれを、しかし、京君はちゃんと理解してくれたんやろう。
優しげな声音で、うちのお尻を撫でながら、そう囁いてくれた。
その甘い声をご褒美と受け取ったうちの背筋が震えた瞬間、奥にズンっとチンポが突き刺さる。

京太郎「それよりも…久しぶりなんだし、まずは漫姉の此処をたっぷり堪能したいかな」
漫「うひゅぅ…♪」

その言葉通り、グリグリとうちの奥を擦る京君に吐息が漏れる。
ボルチオの形を先端で確かめるようなその動きにゾクゾク感が止まらへん。
まるで弱点だけを責め抜こうとされているように感じるんやから、それも当然やろう。
実際、うちの中でアクメが止まらず、腰がもう限界だとばかりにプルプルしとった。

漫「うひのそこ…どぉ…っ♪」
京太郎「プリプリして柔らかい上に情熱的に吸い付いてきてる。淫乱な漫姉に相応しいエロ子宮口だな」

うちそのものではなく、子宮口をエロいと言う京君の言葉にうちの中でアクメの色が変わる。
被虐感混じりの甘くて背徳的なそれに扉についたうちの手がビクンと反応した。
肩まで響くそれに少しだけバランスが崩れそうになるが、うちの身体を京君の手が支えてくれる。
それに安堵と歓喜を覚え、オマンコがキュッと締まった瞬間、京君の腰はグイとグラインドした。


京太郎「だからこそ…一杯、苛めたくなるんだよな…っ!」
漫「いひゅぅぅんっ♪♪」

瞬間、生まれる快感はさっきのものより一段、強いものやった。
その腰を押し付けながら円を描く京君のそれは、奥だけを擦るんやないんやから。
うちの肉穴全部をそのチンポで押し広げようとするような動きに耐えられるはずがあらへん。
ビリビリと走る快感が子宮へと届き、その奥で休まずにオルガズムを爆発させとった。

京太郎「漫姉も好きだよな…!ここ苛められるの…大好きだよな…!」
漫「うふぅっ♪しゅきぃっ♥らいすきぃっ♪ボルチオ責め…気持ちええよぉっ♪♪」

確かめるような京君の言葉に頷きながらの返事。
それはさっきよりも滑らかで、大きいものやった
勿論、舌足らず気味なのは変わらへんけど、それはもうアクメしまくっとるんやからしゃあない。
そもそも四肢かてオルガズムが絡みついてブルブルしとる今の状態で、ちゃんと言葉を放てる方が奇跡やねんから。
幾ら本能に突き動かされたものでしかないとしても、京君が悦んでくれるんやったらそれで構わへん。

漫「しょこはもう京君がご主人様やからぁっ♥京君以外触らへんところやからぁっ♪一杯、ボルチオレイプしてぇっ♥♥」
京太郎「ぐぅ…ぅ!」

そう思った所為やろうか。
うちの淫語は止まらず、甘い声で京君を求めてしまう。
それに合わせてキュンと締め付けた肉穴に京君が微かな呻き声をあげた。
ビクンとボルチオ責めとるチンポも跳ねとった事やし、きっとうちの言葉に興奮したんやろう。
そんな京君への愛しさと、自分でも京君を興奮させられたという充実感が混ざり合い、胸の奥が熱くなった。


―― ピンポーン

漫「ふぁ…ぁっ♪」

けれど、それが一瞬で冷え込んだのは、うちの耳に聞こえてきたチャイムの音やった。
ある意味では聞き慣れた、でも、知らないその音にうちの身体がビクンと跳ねて、硬直する。
何せ、それはこの扉一枚隔てた向こうに人がいるって事やねんから…そうやって緊張するのも当然やろう。

漫「(でも…何で…ぇ♥)」

確かにこうして玄関口でセックスしとるんやから、その声が漏れるかもしれへんってのは思っとった。
途中からそんな事殆ど忘れてセックスに興じとったけれど、でも、それはわざわざこうしてチャイムを鳴らすような事やない。
ここは元々、そういう施設やねんし、その事で文句を言われたりする筋合いはないはずや。
それなのに、こうしてチャイムを鳴らしとるのは一体、誰なのか。
その疑問を蕩けた脳裏へと浮かべた瞬間、京君の腰が動き出す。

漫「きゅぅうぅっ♥♥」

今までうちと同じように停止していた京君のピストン。
グチョグチョになった肉穴を掘り進むようなその力強い動きに思わず声が漏れる。
反射的にぐっと歯を噛み締めて、それを押しとどめようとしたがその成果はあんまり芳しくはない。
どうしても身体の中を駆け巡る快感の方が大きくて、歯の根が緩んでしまうんや。


漫「い、今はらめ…っ♪今、動いたら…絶対…聞こえりゅぅ…♥」
京太郎「聞かせてやれば良いさ…漫姉のエロ声を思いっきり…!」

仕方なく、うちは低く抑えた声で京君にそう伝える。
けれど、京君はそれを素気無く却下しながら、腰を振るい続けた。
奥周辺を重点的に刺激するのではなく、オマンコの中腹から子宮口を狙うその動きにどうしてもオマンコが悦んでしまう。

漫「やぁ…ぁ♪そんなの…幾ら何でも…恥ずかしぃ…ぃ♥」

自然、愛液が増えていく肉穴からズッチュズッチュという愛液が絡んだエロい音が沸き起こる。
それを聞かれるだけでも恥ずかしさで顔が真っ赤になるのに、エロ声を聞かれるなんて嫌や。
京君のメスになって犯されまくっとる声を聞かれたら…帰りにどんな顔してここから出ればええのか分からへん。

京太郎「じゃあ、漫姉が我慢したら良いだろ?」
漫「しょ…そんなぁ…ぁ♪」

それが出来たら苦労なんてせえへん。
実際、こうしている間にもうちの口から嬌声が飛び出しそうなくらいやねんから。
そんな状態のうちが声を我慢するなんて事、出来るはずがない。
そんなのは京君だってはっきりと分かっとるはずや。


漫「ふぅ…っ♪ふ…くぅ…っ♥」

せやけど、京君は腰の動きを止めてくれへん。
うちの中をグリグリと抉るように犯し続ける。
それに反応して飛び出そうとする嬌声を歯を食いしばって止めようとするけれど、やっぱり上手くいかへん。
どうしても歯の間から声が漏れて、吐息も荒くなっていく。

漫「ひゅくっ♪♪」

そんな風に何とか我慢しようとするうちの姿が気に入らへんかったんやろうか。
京君の両手はそっとうちの背筋を這い上がり、後ろからうちの胸を揉んだ。
ワイヤーの殆ど入ってない形だけのブラごと揉みしだくその動きに微かに声が漏れてしまう。
まるでブラの割れ目に沿うようにして動く京君の指はまだ乳首には触れとらへん。
しかし、それでもアクメによって敏感になった乳房は遠慮なく揉む京君の指先から強い快感を受け取った。

漫「(あかん…こんな風に…胸の奥熱くなったらぁ…♪)」

胸のコリを解そうとしてくれているようなその動きに、湧き上がった快感が胸を暖かくしていく。
まるで血流が良くなっていくようなじっくりとした熱さに、うちの身体から力が抜けそうになった。
多分、ケダモノみたいな体位でセックスしてくれとるだけやなくって、胸まで揉まれとる所為で、今のうちは凄い興奮しとるんやろう。
それが身体を蕩けさせていくのを何とか堪えるけれど、このまま耐え続けられるとは思わへんかった。


漫「(だって…うちまだ…胸でイッとらへん…っ♥)」

京君の能力を受ける前まではそうではなかったものの、今のうちのおっぱいはそれだけでイケるくらい敏感な場所や。
そんなところをアクメし続けとる今、マッサージされたら、そう遠くない頃にイってしまうやろう。
その時まで今のように声を抑えられるかと言えば、正直、自信がない。
今の状態でも危ういバランスの上にあるというのに、さらに気持ち良くなったら、決壊するんは目に見えているやろう。

京太郎「思ったより耐えるじゃないか…そんなにエロ声聞かれるのが嫌なのか?」
漫「くん…ふくぅ…♪」

そうやって耳元で嗜虐的に尋ねる京君に応える余力さえ、うちの中にはなかった。
例え、どれだけ低く抑えようとしていても、今のうちは口を開いた瞬間に嬌声を放ってしまうんやから。
今も続く京君のピストンで、何度もボルチオアクメしとる上に、敏感になったおっぱいまで揉まれとるんや。
うちの中から余力というものは根こそぎ奪われ、口をきけへんのも仕方ない事やろう。

京太郎「でも、さっきまであんなに喘ぎまくってたのに…今更じゃないか」

そんなうちの我慢を溶かそうとするように京君が耳元で甘く囁く。
今のうちにとっては悪魔の囁き以外の何物でもないそれに背筋がブルリと震えた。
そうやって囁かれる背徳感と興奮を表すそれに京君のチンポがうちの中でビクンと跳ねる。
まるでそんなうちに興奮すると言うような肉棒に声をあげそうになった瞬間、京君のチンポがうちのボルチオを突き刺す。


京太郎「そもそもここはセックスする為の場所なんだから…我慢しなくても良いんだって」

瞬間、湧き上がるオルガズムと言葉にうちの心が蕩ける。
確かにここは京君が言う通り…セックスする為の場所なんや。
今のうちらには聞こえてへんけど、両隣も使用中やったからセックスしとるはず。
そんな中、必死に喘ぎ声を我慢したところで…何の意味もあらへん。
ここが使用中ってだけで…皆にはうちらがセックスしとるって事がモロバレやねんから。

漫「あ…あぁぁ…っ♪♪」

そう思った瞬間、うちの歯の根が完全に緩んでしもうた。
今までグッと閉じていた口を半開きにするその奥から震える声が漏れる。
それは微かで扉の外にも聞こえてへんような…小さな音。
けれど、うちの我慢が決壊してしまった事を自覚させるのには十分過ぎて…一気に身体が興奮へと傾いていく。

漫「ひぅぅぅぅぅぅうんっ♪♪♪」

そして、京君はそれを狙っていたんやろう。
うちの口から声が漏れた瞬間、その指先が乳首へと触れた。
親指と人差指で挟み込むその愛撫にうちのおっぱいはブルリと震え、快感が胸の奥へと突き刺さる。
まるでその奥にある心を蕩けさせようとするような激しい快感に、うちの口からはもう完全に誤魔化しの効かない嬌声が漏れた。


京太郎「もう我慢しなくて良いのか?まだ外に誰か居るかもしれないぞ?」
漫「意地…わりゅぅ…♪京君はぁ…意地悪やぁぁ♥」

そんなうちを詰るように言う京君の言葉にゾクゾクしながらもそう返す。
うちだって本当はまだまだ我慢したいけど、そんな事が出来ひんくらいにうちを追い詰めたのは京君やねんから。
うちのオマンコ犯しまくって、乳首まで摘んだ上に…あんな風に囁いたら…我慢出来るはずあらへん。
そんなのは京君にも分かってるはずやのに、そうやって詰るんやから…意地悪以外の何物でもないやろう。

京太郎「じゃあ、意地悪な俺が忠告してやるけど…まだ扉の前に誰かいるぞ」
漫「ひぅ…ぅ♪」

でも…そんな意地悪な京君の事がやっぱりうちは大好きなんやろう。
そう思うのは京君がねっとりとうちの耳元で囁く声にドキドキが高まったからや。
スリルとはまた違ったそのトキメキは…うちのオマンコをキュッと締め付け、中のチンポを締め付けさせる。
そんな中を強引に引っかき、そして押しつぶすような逞しいチンポの感覚に、奥も突かれてへんのにイッてしまう。

京太郎「さっきの声…完全に聞かれただろうな…!漫姉が気持ち良くって堪らないって声…全部…!」
漫「そ、そんなん…ぅ♪そんなん…言わんといてぇぇ♪♪」

そんな中、耳元で力強くそう言われたら…うちはドンドン変態になってしまう。
本当は見られるのなんて嫌なのに、聞かれるだけでも恥ずかしいのに、もっと知って欲しくなるんや。
うちがこんなに意地悪な京君の事が好きで好きで堪らへん事を。
京君のチンポでイきまくって、逆らえへん事を。
京君の言葉に嫌と返しながらも…その実、悦んでいる淫らなうちの事を。
不特定多数の誰かに知って貰う事に…堪らない倒錯感と興奮を覚える変態になってしまう。


京太郎「その割りにはさっきから腰が動いてるじゃないか…っ」
漫「らって……だってぇ…っ♥」

京君の言葉通り、うちの腰は自分から動き始めとった。
さっき絶頂を求めて京君へと腰を突き出していたのと同じ動きは、淫乱もええところやろう。
だって、うちはもう…さっきからイきっぱなしでアクメの繋ぎ目なんて殆どないんやから。
ただひたすら、気持ち良くなっていくだけの境地に達しても尚、うちの身体は快感を求めている。
それは勿論、うちの意思に因るものではなく、本能的なものではあるものの、淫乱であるのを否定出来る違いやない。

京太郎「だって…何なんだ?俺のが気持ち良いのか?それとも…それだけセックスが好きなのか?」
漫「う、うちが好きなのは…きょぉくんっ♥京君やからぁ…っ♥♥」
京太郎「到底、それだけとは思えないけどな…!」
漫「あきゅゅぅぅっ♪♪」

瞬間、京君は摘んだうちの乳首をギュッと押し込み、指の間で潰す。
ピンと張った乳首全体を壊そうとするようなそれに、うちの胸からグワリと熱が弾けた。
子宮から伝わってくるアクメとはまた異なったそれは、うちの全身を震わせ、神経を疼かせる。
気持ち良さよりも物足りなさを与えようとするそれにうちの身体はさらに敏感になり、ボルチオアクメが激しくなった。

京太郎「こんなにオマンコグチョグチョにさせながらも必死に咥え込んでさ…っ!本当は…チンポ突っ込んでくれるなら誰でも良いんじゃないか?」

その言葉は、きっとうちを追い詰めるだけのものであり、決して本気じゃないんやろう。
だけど、そうと分かっていても、その冷たさにうちはゾッとした。
快感と興奮で熱く滾った身体に差し込むそれは不快を通り越して…恐ろしい。
もし、ほんのすこしでも京君に、そんな風に思われていたらどうしようと思うと…足元が崩れそうなショックを受けてしまう。


漫「うちそんなんちゃうっ♪うちが淫乱ににゃるのは…京君の事が好きやから…ぁ♥きょお君の前だけうちは淫乱になるんっ…♥」

そのショックから逃れるようにうちは必死に京君へと想いを伝えようとする。
けれど、それはやっぱり舌足らずで、時折、快楽で震えるものやった。
それは恐ろしさを覚える心とは裏腹に身体が悦んどるからなんやろう。
そうやって京君に追い詰められる事に被虐感を湧き上がらせる背筋はうちの脳を蕩けさせ…心と違った反応を返させた。

京太郎「じゃあ…漫姉が誰のものなのか…どんな風に愛されているのかを…扉の前にいる誰かに言えるな?」
漫「そ…しょんな…の…ぉ♪♪」

冷たい京君の言葉にうちの頭がクラリと揺れた。
勿論、今までもそれに似た事はやってきたとは言え、それはあくまでも相手が勝手に聞いていただけに過ぎひん。
けれど、京君が今、うちに言っているそれはこっちから伝えると言う積極性を求めるものや。
聞かれていただけでも恥ずかしいのに…わざわざ伝えるなんて…それこそ頭がおかしくなってどうにかなってしまう。

京太郎「出来ないのか?それじゃあ…やっぱり漫姉は…俺のものじゃないんだな」
漫「ち、違う…っ♪うちは京君のぉっ♥♥京君だけの奥さんやから…ぁっ♪♪」

勿論、うちは京君のものや。
そんな事は京君自身だって分かっとるやろう。
せやけど、そうやって冷たく突き放すように言われるとやっぱり我慢出来ひん。
それがうちを引きずり下ろす為の言葉やと分かっていても、どうしても心が怯えてしまう。
そして、それがうちになりふり構わない必死さを与え、ゆっくりと口を開かせた。


漫「う、うちは今…京君に…ぃ♪夫に…後背位で犯されてますぅ…♥」
京太郎「おいおい…後背位じゃ分からないかもしれないだろ」
漫「くぅぅぅんっ♪」

そう言いながら、京君の指先は再び、うちの乳首をキュッと押しつぶす。
再びうちの中を焼く被虐的なその刺激に、視界が揺れた。
それはきっと胸から湧き上がるオルガズムがさっきよりも強く、そして真っ向からボルチオアクメとぶつかったからやろう。
お互いにお互いを蕩けさせ、混ざり合っていくそれは、うちの意識を強く揺らがせ、視界すら朧気にしていく。

漫「と、扉に手を突いて…お尻を京君に突き出した姿勢で…セックスしとるんですぅ♪♪」

けれど、それで怯んでいたら、京君に嫌われてしまうかもしれへん。
そんな強迫観念に突き動かされながら、うちはそうやって淫らな報告を続ける。
瞬間、湧き上がる背徳感と倒錯感に、うちの背筋は鳥肌を浮かべた。
ゾクゾクという言葉ではもう足りないその寒気は、うちの脳をさらに蕩けさせる。
ドロドロだった頭の中に微かに残った理性を甘い汁に変えるその感覚に…うちはもう自分が後戻り出来ひん事を悟った。

京太郎「漫姉の腰はどうなってるんだ?」
漫「う、動いてますぅっ♥京君のチンポ求めて、カクカクしとるのぉっ♥ケダモノみたいに…お尻振って善がっとる…ぅぅ♪♪」」

自然、うちの口から漏れる言葉は、もう遠慮の無いものやった。
いや、それどころか、さっき感じた興奮をより強く感じたいとばかりにエスカレートしていく。
より直接的でエロい表現を惜しみなく使うそれに京君も興奮してくれとるんやろう。
うちの胸を揉むその指先にはぐっと力が入り、耳に振りかかる吐息の感覚がさらに短くなるのが分かった。


漫「しょれで…ぇ♪それで…うち…後ろからおっぱい揉まれとふん…ぅ♥京君の手で包み込まれりゅみたいに…ぃ♥」
漫「乳首もキュっていじりゃれて…っ♪京君の指でクリクリしゃれるだけで…うちもぉ…イくぅ…♪♪」

その声に合わせて湧き上がるオルガズムにうちの中がキュンとまた締まる。
そんな中の肉襞をチンポでゴリゴリと擦られるだけで、うちはあっさりとイってしまう。
最早、一突き毎ではなく、一突きで何度もイってしまうほどに昂ぶったうちの身体。
もうコレ以上は殆ど望めないと思う気持ち良さの中、うちは再び唇を開く。

漫「うちは…うちは京君専用淫乱女やかりゃぁっ♥京君の前れだけ…淫乱になってケダモノに…なりゅぅ…♪♪」

そう伝えるのは…正直、幸福感さえ伴っとった。
それはきっともう道徳も倫理観も蕩けきったうちにとって、最高に幸せな事やからやろう。
理性も何もかも投げ捨てたうちを縛り付けるのは愛しい夫ただ一人だけやねんから。
それを不特定多数の誰かに教えると言う事は、京君により縛り付けられるような気がして、うっとりとしてしまう。

漫「チンポ逆らえへんのぉっ♪♪京君のチンポ気持ちよしゅぎぃっ♥大っきくて奥までクるぅ…っ♪♪硬くてうちの弱いところゴリゴリって責めて…熱々で中焼けそぉ♥♥」

それをもっと感じたいとばかりにうちは京君の逞しさを口にする。
それらにうちの偏見が入っておらへんとは言えへんけど、それでも嘘は何一つとして混じってへん。
挿入時よりも興奮しとるんか、京君のチンポは大きさも硬さも熱さも…全部が一回り激しくなっとる。
そんなものでトロトロになった淫乱マンコ犯されたら…誰だってイキ狂ってしまうやろう。


漫「乳首とオマンコで支配されへぅ…♪♪うち…奥しゃんやのに…京君に支配されて…マゾんなるぅ…♥♥」

そんなうちの心の中にあったのは、京君に何もかもを支配され尽くすような堪らん被虐感やった。
うちの神経から細胞までを京君に掌握されていくようなセックスに…幸福感すら感じてしまう。
まるでそうやって何もかもを支配されるのがオンナの幸せなのだと言うようなそれにイきっぱなしの身体がさらなるオルガズムを覚えた。
おっぱいでもオマンコでもなく、心で感じるそれにうちの意識はふっと緩み、ふわりとした感覚が全身を包む。

京太郎「じゃあ…もっとマゾにしてやるよ…!」
漫「んひぃぃぃっ♪♪♪」

瞬間、うちの意識を強引に身体へと留めるような激しい快感が股間から湧き上がる。
キュッと肌を締め付けるようなそれが何なのかうちにはまったく分からへん。
うちに分かるのは、その所為でクリトリスが布のようなものに押し付けられ、背筋がクっと浮き上がったという事だけ。
そして、その中で青白い火花が散るような快感が幾つも弾け、またイッてしまったって事や。

京太郎「やべ…これ…締まる…!」

そんなうちの耳に聞こえる京君の独り言。
低く抑えたそれは本来であれば、口に出すつもりはなかったものやろう。
基本的にセックスの時の京君は絶対的な支配者として、セックスのアドバンテージを握っとるんやから。
そんな京君の漏らす弱々しい言葉は間違いなく彼の意図しないものや。
そして、それがうちに京君がもう限界近い事を感じさせ、幸福感を強めてしまう。


京太郎「くぅ…ほら…早く何が起こってるのか…説明しなきゃダメだろ…!」
漫「は、はひぃ…っ♪♪」

それが気恥ずかしかったんやろうか。
さっきまで殆ど感じさせなかった動揺を混じらせながら、京君はそう強く言った。
それに頷きながらも、うちはまだ何が起こっとるのかちゃんとまだ把握しきれてへん。
快楽でネジが緩みまくった頭じゃ、気持ちええって事くらいしか分からへんのやから。
何が起こっとるのか目で確認しようにも視界は気持ち良すぎて滲んできた涙でぼやけてろくに見えへん。

漫「く…ふぅぅ…♥♥」

それでも京君の言葉に従おうと首を倒したうちの視界に何か黒いものが映った。
いつの間にか胸から移動した京君の手に引っ張られるようにしてピンと張ったそれがうちの陰唇辺りを押し込めている。
まるで強調するように両サイドからぷっくりとしたそこを押し込むそれは…きっと…うちのショーツなんやろう。
そう思った瞬間、朧気ながらなんとなく全容を把握したうちの胸が、被虐感に戦慄いた。

漫「う、うちは今…し、下着を…下着を引っ張られてます…ぅ♪♪」
京太郎「どんな下着なんだ?
漫「え…エロ下着れすぅっ♥京君とエッチしゅる為の…ぉ♪♪チンポ入れりゅ為の穴空き…セックス専用変態エロショーツぅ…♥」

そんなエロい下着をを身に着けている自分を自覚するその言葉にうちの中がビクビクと震える。
まるで自分のその言葉だけでもイッてしまったようなその反応に、チンポもまた反応した。
多分、そうやって震えるうちの中が気持ち良くて堪らへんのやろう。
それを感じさせるチンポの…正直な反応に、うちは陶酔混じりの蕩けた笑みを浮かべてしまう。


漫「そ、それを引っ張られると…♪♪うちのオマンコがチンポに押し付けらへて…っ♪♪く、クリトリスもザラザラってレースに擦れりゅ…ぅ♪♪」

そんなうちの身体に新しく注ぎ込まれとるのはその二種類の快感や。
気持ち良すぎて勃起した皮むけクリトリスと普通のセックスでは味わえへん膣外の締め付け。
その二つがうちの身体の中で強い電流として弾け、オルガズムに慣れて蕩けた身体を緊張させる。
力が抜けかけていた四肢をビクンと跳ねさせるそれを、マゾっぽいうちの身体は悦んで受け入れ、全身に陶酔を行き渡らせた。

漫「乳首らけでも…オマンコだけでも頭おかしくにゃってるのにぃぃっ♪♪クリイキまでしゃせるなんて反則ぅっ♥♥」

うちの性感帯4つを同時に責めるその技巧。
それは多分、まだ拙く上手とは言えへんものなんやろう。
けれど、うちにとってそんなものまったく関係なかった。
イきっぱなしで頭がおかしくなった今のうちは京君に触れられるだけでも嬌声をあげるくらいに敏感になっとるんやから。
何より、例え、上手でなかったとしても、それが愛しい人とのセックスならば身体が蕩けてしまうのが…オンナっていう生き物や。

京太郎「悪いな…!でも、俺…もうイキそうだから…さ…!」
漫「あ゛あぁぁっっ♥♥あ…ひゅ゛…ぅぅうぅっ♪♪♪」

その上、そんな風に素直に限界を伝えられたら…どうしたらええのかさえ分からへんようになる。
大好きな人が自分の身体で気持ち良くなって射精しようとしてくれているって事に…もう幸福感が止まらへんのや。
さっき張った身体が嘘のようにして弛緩し、今にも崩れそうになってしまうくらいそれは強い。
きっとこうして後背位…ううん、ケダモノセックスで…扉に手をついてへんかったらとっくの昔に崩れ落ちとったやろう。


京太郎「漫姉は…何処が良い…?何処で…射精して欲しいんだ…?」
漫「しょれは…ぁ♥♥」

そんなうちに尋ねる京君に…即答は出来ひんかった。
勿論、元々の目的がこの下着に京君の臭いを着ける事やった以上、外に出して貰うんが一番やろう。
とは言え、今日はうちの安全日で…しかも、避妊対策にちゃんとピルも飲んどる。
そこまで準備までしとったうちが膣内射精を欠片も期待しとらんかったなんて、到底言えへん。

京太郎「このまま漫姉の子宮にザーメンぶちまけた方が良いか…!?それとも…漫姉は全身にぶっかけられる方が良いのか…!?」
漫「ぃひう゛ぅぅぅうううぅぅっ♪♪♪」

そう詰問するような京君の口調には余裕があらへんかった。
きっと京君もギリギリのところで堪えてくれとるんやろう。
それがうちの意思に沿う為なんか、或いはうちを辱める為なんかは分からへん。
けれど、そんな京君の姿を見ても、うちはどちらかを決める事が出来ず、ただアクメに震える声をあげた。


漫「きょぉ君の好きなところれ…ぇっ♪♪京君のしゅきなところに…ぶっかけて…ぇ♥♥」

結局、優柔不断な言葉を返す自分にズキリとした胸の痛みを感じる。
けれど、それでもやっぱりうちがどちらかを選べるとは到底、思えへん。
勿論、これで終わりやねんから、先にどちらをしてもらうかという違いしかないのは分かっとる。
けれど、どちらもうちが期待して、そしてそれに足るほど魅力的だからこそ、うちはその違いをとても重視してしまうんや。

京太郎「良いのか…?俺…マーキングするぞ…!漫姉に…思いっきり俺の臭いを染み込ませるぞ…っ」
漫「えぇ…よぉっ♥マーキングしてぇっ♪♪うちに京君の臭い染み込まへて…京君のモノにしへぇっ♥♥」

そんなうちに確認する京君の言葉が一体、どちらを指しているのかは分からへん。
どちらもマーキングと言えばマーキングやし、京君の臭いをうちに染み込ませる行為なんやから。
でも、例え、どちらであってもうちは間違いなく、それを悦ぶ事が出来る。
それを京君へと告げた瞬間、彼の腰の動きはさらに早くなり、パンパンと肉が弾ける音が鳴り響く。

漫「んあぁっ♪♪ひ…あぁっ♪♪あ゛ひぃ♥♥」

それに合わせて嬌声を放つうちの中でチンポがビクンと震えて、また一つ大きくなった。
根本から血流が一気に流れこむようなその変化にうちの子宮が今までにない疼きを覚える。
まるでお腹の奥がギュッと収縮するようなその疼きに、京君は応えてくれた。
力強い腰使いで大きくなったチンポを振るい、うちの中をゴリゴリと犯してくれる。
その張ったカリ首が肉襞を引っかき、そして肉襞を壁際へと押し込められる度に湧き上がる無数のアクメ。
それにうちは身悶えしながらも、京君に向かって腰を動かし、快感を貪り続ける。

京太郎「漫姉…っ!漫…姉…っ!」
漫「きょぉ…くぅん…っ♥♥」

そうやってうちを気持良くしてくれている愛しい人からの縋るような言葉。
それに胸の奥が熱くなったうちは反射的に彼の名前を呼んだ。
そして、それが京君にとって最後のトドメになったんやろう。
瞬間、京君は乱暴に打ち据えた腰を今まで以上の速度で引き、うちの中を引っ掻く。
最早、引きずり倒すと言っても過言ではないその激しさにうちの背筋がピンと張った瞬間、京君のチンポがニュポンと引き抜かれた。


京太郎「ぐ…ぅぅ…っ!」

その瞬間、何が起こったのか、京君に背を向けたままのうちには最初、分からへんかった。
ただ、声が聞こえたかと思った瞬間、うちの肌に何か熱いものが降り掛かってくるんやから。
でも、一秒も経った頃には、それがプリプリするくらいに粘っこい粘液やって事が伝わってくる。
髪から首筋から…まるでうちの背中全体を穢すようなそれにうちがふっと息を吸い込んだ瞬間、むせ返るようなオス臭さがうちの鼻孔を突いた。

漫「う…あぁ…っ♪♪」

いっそ息苦しいとさえ思うほど濃厚でムワムワした臭い。
チンポから感じたそれを何倍にも凝縮したようなそれにうちの頭がクラリと揺れる。
けれど、そうやって頭を揺らしても、その臭いからは逃げられへん。
今も尚、うちの背中に振りかかる京君の精液から逃げられるはずがないんや。

漫「(うち…臭いで犯されとる…ぅ♥)」

ビュルビュルと音が聞こえそうな勢いで吐き出され続ける京君のザーメン。
その濃厚過ぎる臭いはうちの鼻から脳へと伝わり、そこをぐしゃぐしゃにかき回すものやった。
ただでさえ、ドロドロになった頭の中をおかしくするようなそれは犯されてる以外の表現が思いつかへん。
その上、その臭いの源がうちの全身にべったりと張り付き、その熱を伝えてくるんやから…おかしくなったうちがイくのも変な話やないやろう。

漫「(これも…えぇ…♪♪気持ち…ええよぉ…♥♥)」


漫「(これも…えぇ…♪♪気持ち…ええよぉ…♥♥)」

勿論、その気持ち良さは膣内射精の比やない。
メスとしての幸せを教えこまれ、子宮だけではなく心まで屈服させられるような膣内射精はやっぱり別格やねんから。
けれど、それには及ばないでも…こうやってマーキングされる感覚は、幸せで心地ええ。
自分が外側から京君のモノになっていく感覚にうちの全身は満たされていく。

漫「んふぅ…♪」

それが収まったのは頃にはうちの背面はもうベトベトで一杯やった。
髪どころか扉まで届いた激しい射精はうちの身体を穢すのには十分過ぎるくらいやねんから。
もう精液が張り付いていないところの方が少ないと思えるほどの量にうちは軽く驚いたくらいや。

漫「(こんなものが毎回、うちの奥に叩きつけられてるんか…♥♥)」

幸福感で満たされて中々、帰ってこれなくなる膣内射精。
チンポがこんなに精液を吐き出すんやから、そりゃあんな風になるのも当然やろう。
そう思いながら髪に張り付いた精液をふっと指で掬い取れば、それはまだほのかに暖かい。
射精したての染みこむような熱には及ばへんものの、確かに熱を残すそれをうちはゆっくりと口元へと運んだ。


漫「(ん…苦い…のに…甘い♪)」

最初に感じたのは苦味やった。
決して大きいものではないけれど、それでも進んで食べたいとは思えない程度のそれを舌の上で転がす。
でも、そうしているうちに精液からは苦味が抜けていき、それが堪らない甘露に思えてくるから不思議や。
いや…不思議でも何でもないか。
うちは京君の奥さんやねんから…京君のザーメンを美味しく感じるのが普通なんやから。

漫「(そう思うと…とっても幸せや…♥)」

本来なら苦くて仕方がない精液さえも、悦ぶ事が出来る。
そんな自分に誇らしさを感じ、京君への愛情を再認識したうちの中から幸福感が強まった。
膣内射精のそれに比べても勝るとも劣らへんその強さに緩みがちなうちの頬はさらに緩み、幸せそうな吐息を漏らしてしまう。

京太郎「漫姉…っ!」
漫「ひゃぅ♪」

そうやって精液を味わううちの姿に興奮したんやろう。
京君はうちの名前を呼びながら、ぐいっとうちの身体を抱き寄せた。
扉から強引に自分の方へと寄せるそれに京君のチンポがうちのお尻へと触れる。
それが未だ逞しさを失っていないどころか、ギンギンに勃起したままである事を感じた瞬間、それが再びうちのオマンコへと突き込まれた。


京太郎「今度は中で射精すからな…っ!」
漫「ひ…ぃっうぅ…♪♪」

その言葉と同時に始まるピストンは最初から遠慮なんてなかった。
自分が射精する為だけの激しい腰使いにうちの口から悲鳴めいた嬌声が漏れる。
けれど、京君はうちを犯しているような抽送を緩めず、はぁはぁと荒い息を吐いた。
まるでまったく興奮冷めやらぬと言うようなそれは…きっと膣外射精をしたからなんやろう。

漫「(ちゃんと満足出来ひんかったんやね…♥)」

うちの我儘を叶えた所為で、中途半端にしか欲求を発散出来ひんかった京君。
それを今、改めてうちへとぶつけようとする彼に悪感情を感じるはずなんてあらへん。
寧ろ、そうやってうちを必死に求めてくれる姿に胸の奥が刺激され、キュンと唸ってしまうくらいや。
そんな心地好さに後押しされるようにして再び沸き上がってきた絶頂感を貪り… ――



―― 結局、そのままうちらはドロドロになるまでセックスを繰り返したんやった。




………



……










漫「あふぅ…♪」

そううちが吐息を漏らすのはベッドの上やった。
思ったよりふかふかで上等なその寝床は、倦怠感溢れるうちの身体を優しく抱きとめてくれる。
それが嬉しいものの、眠気がまったく起こらへんのは真横に京太郎君がおる所為やろう。

京太郎「ん?どうかしました?」
漫「ううん…ちょっとドキドキしとるだけ♥」

そううちに尋ね返す京太郎君の顔は大分、スッキリとしとった。
流石にアレから結局、深夜近くまでセックスしまくってたんやから当然やろう。
それでも一緒にお風呂に入っていた時までチンポがビキビキに勃起しとったのはどういう事なのか。
最早、絶倫という言葉でも足りひん領域に片足を突っ込んどる京君にうちはクスリと笑みを浮かべながら、腕枕を堪能した。

漫「こうして京太郎君と一緒に眠れるだけでうちは幸せやからね…♥」

その言葉に嘘はあらへん。
確かにうちは京太郎君とセックスするのも大好きやけど、一緒に居れるだけでも十分やねんから。
ましてや、こうして疲れたうちを休ませるようにして、その腕を貸してくれるとなると胸が暖かくなるくらいや。
欲求不満も一段落してストレートに感じる事の出来るその幸福感に、うちはそっと笑みを浮かべた。


京太郎「そういうのもあんまりしてあげられなくてすみません…」
漫「もう…京太郎君の所為やないって」

まぁ、確かにうちが他の二人よりも割りを食っとるのは確かや。
京太郎君には絶対に言えへんけど、不公平感があるのも否定出来ひん。
けど、だからって、それを京太郎君の所為やって思うくらいうちは分別のない女やあらへん。
距離の問題って言うのは、学生のうちらにとっては大きく、そして京太郎君は出来る範囲でうちの希望を叶えてくれとるんやから。

漫「(…寧ろ、神代さんが異常なんよね)」

確かに今まで京太郎君と交わしたメールから、彼女が京太郎君の事を心から好いとるのは伝わっている。
けど、だからといってわざわざ長野に転校までして追いかけるなんて普通の好意やあらへん。
多少、偏見が入っとるかもしれへんけれど、依存に近い危うい感情であるのは確かや。
インターハイで会った時にはそんな気配なんてまったく感じひんかっただけに、驚きは隠しきれへんかった。

漫「(まぁ…そういうなりふり構わなさが羨ましいという気持ちはうちにもあるんやけど…)」

うちだって出来るならそうやって京太郎君を追いかけて行きたい。
でも、うちはごく一般的な家庭で、ポンポン引越し出来るほど裕福やない。
例え、出来たとしても、末原先輩が託してくれた姫松を見捨てて、清澄に行くなんて真似はしとぉなかった。
来年のインターハイでリベンジが決まるまで、うちにとって清澄というのは強大な敵であり、乗り越えるべき壁やねんから。


京太郎「どうかしました?」
漫「ん…壁は厚いなぁって思うて」

しかし、それが出来る自信が自分の中にあるかというと正直、あらへんかった。
ただでさえ、清澄はインターハイで優勝するくらい強大で、そして来年もその主力の殆どが残っとる状態やねんから。
その上、神代さんを始めとする永水女子の面々が合流したら、一体、どれほどの戦力になるやろう。
末原先輩を始めとした中核がごっそり抜けた今の姫松で太刀打ち出来ると思うほどうちは自分に自信を持てへん。

京太郎「漫さんなら大丈夫ですよ」
漫「え…?」

その瞬間、告げられた京太郎君の言葉にうちはつい問い返してしまった。
だって、それはうちの心の中を言い当てるような言葉やってんから。
予想外なそれにうちが京太郎君の顔を見れば、そこには安心させるような笑みを浮かべた彼がいる。

京太郎「何を悩んでいるのかまでは分かりませんけど…漫さんなら乗り越えられると思います」
漫「簡単に言ってくれるんやから」クスッ

心からそう思っているであろう京太郎君の言葉。
それに拗ねるような言葉を向けながらも、うちの顔からは笑みが漏れた。
他の人からそんな風に期待を寄せられても、多分、うちは笑う余裕なんてなかったやろう。
けれど、それが京太郎君の言葉であると言うだけで、胸の中から元気が湧いてくるんやから不思議や。
折角、こう言ってくれてるんやから…もうちょっと足掻いてみよう。
言葉一つでそう思ってしまう単純な自分に嫌な気は起こらへんかった。


京太郎「先輩って奴は後輩からは偉大に見えるものでして」

冗談めかしたその言葉は、京太郎君にとってそれほど深い意味があった訳やないんやろう。
でも、その言葉にうちの脳裏に姫松を引っ張ってくれた先輩方の姿が浮かび上がった。
到底、追いつける気がせえへん先輩たちも…もしかしたら後輩補正で偉大に見えていただけなんかもしれへん。
そう思ったらさっき凹みそうになっていた自分が情けなくなってしもうた。

京太郎「それに…俺に出来る事なら何でも手伝いますから」
漫「あ…」

そう言って、京君はうちの頬をそっと撫でてくれた。
うちの肌を慰めるような優しい手つきに思わず目が細まってしまう。
暖かく、そして心地良い感覚に喉の奥からじんわりと熱くなっていった。
猫や犬のように喉を鳴らしてしまいそうになるその独特の熱はそのまますっと喉を通り、心臓の鼓動を早くする。

京太郎「愚痴でも何でも聞きますし、何か手伝いが必要ならやらせて下さい」
漫「ん…」

けれど、それに完全に身を委ねる気にはなれへんかったのは、京太郎君が一瞬、辛そうな表情を浮かべたからやろうか。
まるでそうしなければいけないと自分に言い聞かせているようなそれは、正直、あんまり嬉しいものやあらへん。
勿論、それだけって訳じゃないんやろうけれど、彼の仕草に強迫観念めいたものを感じて、心から喜べるほど、うちは薄情でも利己的にもなれへんのやから。


漫「…何をそんなに焦っとるん?」
京太郎「…あ…」

うちの言葉に京太郎君はハッとした表情を見せる。
きっとそれは本人にとっても、それは意識してへんものやったんやろう。
驚き混じりのそれにうちはクスリと笑みを浮かべて、京太郎君の頭にそっと手を伸ばした。

漫「…先輩にちょっと話してみぃひん?」
京太郎「はは…漫さんには本当に敵わないなぁ…」
漫「当たり前やん。だって、うちは先輩やねんから」

そのままゆっくりと頭を撫でるうちの仕草に京太郎君は諦めたようにそう言った。
諦め混じりのその言葉は、けれど、確かに嬉しさめいたものをうちに感じさせる。
きっと京太郎君はずっとそれを溜め込んで、誰にも話す事が出来ひんかったんやろう。
安堵混じりの京太郎君の表情にそう思いながら、うちはベッドの中でそっと胸を張った。

京太郎「…いや、俺の…その、愛し方って奴は異常だなって…そう思いまして」

そんなうちに京太郎君が漏らす言葉は、思いつめたものを感じさせるものやった。
いざスイッチが入った時に嗜虐的になる自分にずっと思い悩んでいたんやろう。
それを感じさせる声に胸の奥が痛むが、けれど、共感してあげる事は出来ひん。
確かにちょっと人とは違う愛し方かもしれへんけれど…うちはそれを悦んどるんやから。


漫「でも、京太郎君は色々と考えてくれとるやろ?」

それに何より、京太郎君は意地悪はするけれど、本当に酷い事はせえへん。
精々が言葉責め程度で、それ以上の事はされてへんのや。
うちとしてはスパンキングくらいやったら別に全然オッケーやと思うんやけど…まぁ、それはさておき。
セックスの最中にそうやって色々と頭を捻り、注意を払ってくれる彼の愛し方が悪いとはどうしても思えへん。

漫「さっきかて…本当は扉の前に誰もおらへんかったんやし」

そもそもこの部屋に外付けのチャイムなんて着いておらず、係員とのやり取りはインターフォンで済ます。
それに気づいたのは…京君とお風呂に入って、小窓に入っとったハンバーグセットを見た時や。
さっきの音もこれを入れた事を伝える音なんやと京太郎君に教えてもらった時は恥ずかしさで死んでしまいたいと思った。
けれど、同時にそれは京太郎君がうちの様子を逐一観察し、どうすればうちを気持ち良くしてあげられるかって事を考えてくれとる証や。

漫「少なくともうちはそんな京太郎君も含めて好きやで」

自分が選んだホテルのシステムを忘れてしまうくらいにドロドロになり、音に対して過剰に反応したうちの姿。
それを見てすぐさまうちの誤解を利用する方向へと持っていった京太郎君は…まぁ…惚れた弱みか格好良く見える。
それに何より…そうやってあちらこちらへと舵取りするんは、相手のことをつぶさに観察し、理解しとらへんかったら無理やろう。
それを何の気なしにやってくれる京太郎についつい甘えてしまうくらい、それは嬉しい事やった。


漫「それとも他の子に嫌やって言われたん?」
京太郎「いや…そんな事はないんですけど…」
漫「だったら、皆それを嫌やって思うとらへんよ」

勿論、うちは本人じゃないし、ましてや殆ど話したこともない。
そんなうちが二人の心情を代弁するのはちょっと間違っとるような気がする。
でも、長野に着いていくほど心酔しとる神代さんがそんな風に思うとは思えへんし、原村さんは雑誌見る限りそういうのはズバズバ言うタイプや。
あくまでうちの勝手なイメージやけれど、それほど的外れじゃないと思う。

京太郎「でも…俺…こんな自分勝手なヤリ方じゃ何時か皆に見放されて…」
漫「…あぁ」

瞬間、ポツリと漏らされた言葉に、うちは京太郎君の苦悩をなんとなく悟った。
京太郎君は多分…恐れとるんやろう。
能力の副作用という何時、消えるか分からへんものを前提にした今の関係を。
勿論、ずっと今の状態が続くというんやったら、京太郎君が恐れるような事はあらへん。
でも、京太郎君はそれをなくす為に色々な人に頼ったり、努力したりしとるんや。
その糸口はまだ見えとらへんみたいやけれど…それでも、それがなくなってしまった時の事をどうしても考えてしまうんやろう。

漫「(そして…それが京太郎君の中で最悪に近いものになっとる)」

これだけ皆に酷い事をしたのだから、きっと嫌われてしまう。
恐らく京太郎君の根底にはそんな意識がどうしてもあるんや。
だからこそ、彼は自分の愛し方に疑問を持ち、こうして落ち込んでいる。
勿論、そんな風に落ち込むんやったら、最初からやらへんかったらええ話やけど…多分、そうはいかへんのやろう。
セックスの時の京太郎君はまるで別の人格に変わったのかと思うくらいに意地悪で、嗜虐的やねんから。


漫「(そんな京太郎君にうちは何を言ってあげればええんやろう…)」

その時にならへんかったら分からへんけれど、能力の影響から脱してもうちが京太郎君の事を嫌う事はまずない。
今の状況だって仕方がない事やと理解しとるし、京太郎君の良い所はこれまで沢山見てきとるんやから。
でも、それはあくまで自分自身だからこそ信じられるものやろう。
これをそのまま京太郎君に伝えたところで、彼がそれを心から信じられるとは思えへん。
京太郎君が前提にしとるのは『能力がなくなった後』という仮定の未来の事だけに、下手な事を言っても説得力をもたせられへんのやから。

漫「(だったら…別の方向のアプローチしかあらへん)」

その方向性は大体、見えとる。
けれど、だからと言って、それを口にするのは中々に抵抗感のあるものやった。
色々と理解して、そして諦めとるとは言え、今の状況に思う所がない訳やないんやろう。
でも、うちにとってはそれよりも京太郎君の方が愛しくて…そして大きなものやった。
だからこそ、数秒ほどの逡巡の後に、うちは決意しながら、ゆっくりと口を開く。

漫「…それなら見放されへんように、うちらの事、調教すればええんちゃう?」
京太郎「えっ…」

うちの言葉に京太郎君は驚いた声をあげる。
慰めるどころか、背中をグイグイと押しこむ言葉やねんからそれも当然やろう。
それを独りだけ遠距離っていうハンデを背負ってるうちが言うなんて到底、思っとらへんかったはずや。
しかし、だからこそ、その言葉は京太郎君に対して大きな意味があるはず。
そう自分に言い聞かせながら、うちは一気に押し切ろうとする。

漫「と言うか…現実、今の状態がそんな感じやん」
京太郎「まぁ…それは否定出来ませんけど…」
漫「やろ?それやったら、もうちょっと突き抜けてしまえば皆ハッピーになれるって」

勿論、事はそう簡単やない事くらい分かっとる。
今はまだ良いにせよ、大人になったら色々と問題が出てくるやろう。
結婚とか育児とか生活とか…高校生が夢見るほど社会って奴は優しくないんやから。
でも、それも京太郎がさえしっかりしていれば、乗り越えられへん訳やない。
そして…惚れた弱みかもしれへんけど、京太郎君ならばそれを乗り越えてくれる気がするんや。

京太郎「いや、でも、そんなの…良いんですか?」
漫「正直に言えば良くないで」
京太郎「なら…」
漫「でも…うちがあの二人に勝つのは絶対、無理やもん」

本当なら…うちだって京太郎君に選んで欲しい。
でも、その未来は自分で言うのも何やけど…かなりの望み薄やった。
ただでさえ相手が悪いのに遠距離というハンデまで背負うとるんや。
日々仲良くなっていく二人に対して、独りポツンと置いていかれる自分。
妄想の中やと京太郎君と幼馴染だったが故に速攻作戦が成功したけれど、現実ではそうはいかへん。

漫「一番にはなれへんでも…ハーレムの一員くらいやったらチャンスはあるやろ?」

それやったら複数の中の一人でもええから傍に置いて欲しい。
そう思うのは多分、負け犬の思考なんやろう。
何せ、最初から勝つことを考えず、負ける事を前提にしとるんやから。
そんな臆病な自分が滑稽だと思うものの…京太郎君を完全に失ってしまうのはやっぱりそれ以上に辛いんや。
もう二度とこんな風に愛してもらえへんって思うただけで胸が張り裂けそうになるんやから。


漫「だから…うちの為に二人の事堕としてくれへんやろうか?」
京太郎「…そんなの…ズルいですよ…」

そう苦しげに言う京太郎君の気持ちはなんとなく分かる。
何せ、うちの言葉は、自分から責任を背負い込むものやねんから。
京太郎君が自分を責めすぎないようにするその言葉に根が真面目な京太郎君は反発を覚えるんや。
でも、だから言って、自分の中で言い訳して責任転嫁出来る言葉をナシには出来ひん。
聞いてしまった以上、後戻りは出来ひんって理解しているからこそ、京太郎君はそうやって苦しげな顔を見せるんやろう。

京太郎「…漫さんは決して和や小蒔に劣る訳じゃないです」
漫「でも、勝ってる訳やないんやろう?」
京太郎「それは…」

勿論、その言葉は嘘やないんやろう。
でも、それがうちの心に響くかと言えば、答えは否やった。
嬉しいのは嬉しいんやけれど、今のこの場では誤魔化しにしか聞こえへん。
その気持ちと共に突っ込んで尋ねるうちの言葉に、京太郎君は言い淀んだ。

漫「難しく考えんでええよ。うちが悪いのは背負うから…京太郎君は自分の思うがままに振る舞えばええだけ」

そして、京太郎君が何か改めてする必要があるとは思えへん。
日頃、うちに対してやっているように振る舞えば、他の二人も自然と堕ちていく事やろう。
少なくとも、うちにとって京太郎君はそれほどまでに魅力的でハーレムでも良いと思うくらいに離れがたいんやから。


漫「それでも気になるって言うんやったら…その分、うちにご褒美欲しいな…♥」

そう言いながら、うちはそっと京太郎君へと身を寄せた。
既に一回一段落して寝る準備に入っとるとは言え、まぁ、こうやって腕枕されとるとどうしてもドキドキするんや。
その上、こうしてちょっぴりエロい話題にもなれば、身体に火が入ってもおかしゅうない。
それなりに欲求不満が小さくなってあんまり意識せんようになったとは言え、決してなくなった訳じゃないんやから。

京太郎「漫さん…」
漫「ね…キスしよ…♪」

短いそのやり取りに京太郎君…ううん、京君は拒絶を返さない。
寧ろ、そっとうちの背中に手を回して、うちの身体を抱き寄せてくれる。
それだけで疼きを残す身体がキュンと反応し、奥から愛液が滴るのが分かった。
流石にそれは今すぐ身体の外に染み出す訳ではないにせよ、何れはそうなるやろう。

漫「(少なくとも…キスしたら…そうなってしまうんやろなぁ…♥)」

キスだけでトロトロになってしまうエロエロな自分。
そんな未来を想像しながら、うちの胸は高鳴った。
どうやらうちは自分で思っていたよりも遥かに、こうして京君と愛し合うのが好みらしい。
それにクスリと笑みを浮かべながら触れ合った唇は相変わらずうちをドキドキさせてくれる。
そして、そのドキドキは何時しかお互いの興奮に火を点け… ――



―― 結局、それから空が白むまでセックスし続け、次の日のデートの計画は殆どおじゃんになってしまった。





………



……






~京太郎~

―― 人間には背負いきれる限界って奴がある。

器量とか言われるそれは誰もが少なからず持っているものだろう。
だけど、俺自身、自分のもつそれが大きいとは到底、思えない。
俺はそこまで立派な人間じゃなく、ごくごく普通の男子高校生なんだから。
変な能力が手に入ったお陰で、何故か三人の美少女たちと関係を持っているけれど、それは分不相応なものだ。
本来の俺からすれば、その中の誰か一人と付き合う事自体、あり得ない事だろう。

―― だから、俺はずっとそれを正そうとしてきたつもりだ。

能力を発動させない方法を考え、副作用をなくそうとしてきた。
その成果が実ったとはまだ言えないが、それでもゆっくりと前へと進んできている。
だけど…そうしている内に俺は三人と仲良くなり…三人ともに惹かれていった。
素直に俺へと甘え、求めてくれる彼女たちはとても可愛く、そして魅力的だったのだから。

―― だからこそ…俺は怖くなった。

そうやって俺に甘えてくれるのは俺の能力という大前提があるからこそだ。
そんなものがなければ、俺は彼女たちとろくにお近づきになる事が出来なかっただろう。
勿論…今更、能力がなくなったところで、そうやって三人と深めた絆が嘘になるとは思えない。
だけど…俺が能力を利用して、三人に対して不誠実で、最低な事をしているのは否定出来ない事実だ。
だからこそ、能力がなくなった時、皆から軽蔑されてしまうのではないかと思うと…恐ろしくて仕方がない。
一度は心交わしたと思っていた彼女たちから嫌われるかもしれないと思うだけで…落ち着かなくなってしまうのだ。


―― その為の対策は…俺の中にあった。

漫さんに言われる前から…心の中にあり続けた自分勝手な考え。
能力がある内に三人を俺へと縛り付け、もう二度と離れられないようにしてしまうというそれは…今まで以上に最低なものだろう。
今でさえ彼女たちの人生を歪めているのに…俺の考えているその考えはその歪みを一生、引きずるものなのだから。
最低でも三人の内、二人は結婚さえ出来ず、親ともろくに会えなくしてしまうかもしれない…最悪な考えだ。

―― でも、漫さんはそれを肯定してくれた。

勿論、そこには色々な苦悩があった。
恐らく俺ではその全てを汲み取る事なんて不可能なほど大きい苦悩が。
けれど…漫さんはそれを飲み込んで、俺の背中を押してくれた。
自分勝手で最低な俺の考えを肯定し、それで良いと言ってくれたのである。

―― そんな漫さんに責任を押し付けるつもりはない。

彼女がそれを選んだのは、自信がないからだ。
本当はそんなもの選びたくはなかっただろうし、自分だけを見て欲しかったのだろう。
だからこそ、悪いのは俺であり、漫さんに責任は一切、ない。
悪いのは漫さんにそんな事を言わせるまで追い込み、彼女に自信を与えてあげられなかった俺だけなのだ。


―― だから…決めたのは俺だ。

俺だけが得をして、彼女たちにばかり損を与えるその選択肢。
結局、自分可愛さにそれを選んだのは俺であり、全ての責もまた俺にある。
後々、誰に最低と言われようとも、彼女たちの親に殴られようとも、俺はそれを受け入れなければいけない。
俺が今、決めたそれは間違いなく三人を不幸にするものなのだから。

―― その分…幸せにしてやらないとな。

勿論、俺にそんな事が出来るとは思わない。
何度も言うように俺はあくまで普通の男子高校生で、美少女三人も独占出来るような度量はないのだから。
けれど、俺が我が身可愛さに選んだ時に、出来る出来ないの問題など超えてしまったのだ。
そんなものを論ずるよりも先に俺は努力し、三人が少しでも幸せになれるように努力しなければいけない。

―― まずは…新人戦だ。

麻雀の実力が男の魅力の全てだ、なんて言わない。
だが、結果を残せば、それだけ皆も喜んでくれるだろう。
特に和と小蒔は俺が強くなるために少なくない時間を割いてくれているのだ。
まずはそれに報いて結果を残すのが、彼女たちを幸せにする第一歩だろう。
だからこそ…俺は… ――


























【System】
上重漫の屈服刻印がLv3になりました。
上重漫は不安を感じているようです。
須賀京太郎は覚悟を決めました。


















【オマケ】

― バンッ

小蒔「見つけましたよ!絶倫大帝キョウ=タロー!」

漫「き、今日こそうちらプリキ○アが!」

和「あ、貴方に引導を渡してあげます!」

京太郎「…え?何これ?」

漫「ほらああああ!言ったやん!うち言ったやん!!」

小蒔「あれー…昨日もコスプレエッチでノリノリだったからいけると思ったんですけど…」

和「と言うか、流石にこの衣装、スカート短すぎません?フリル一杯なのは良い感じですけど」

漫「大丈夫。その辺は原作通り…って違うって!そうやないって!!」

漫「ほら、京太郎君ついていけへんで唖然を通り越して凄い冷静やん!」

漫「寧ろ、すっごい生暖かい目でこっち見てるやん!」

小蒔「えへへ…どうですか?この衣装、皆で頑張って作ったんですよ」ヒラヒラ

京太郎「あ、うん。凄い良く出来てる。皆、可愛いよ」

漫「そういう説明よりも先にする事があるやろ!!」

和「まぁ…その…何時も通りと言うかですね」

京太郎「大丈夫。大体、分かった。また小蒔が変に影響を受けちゃったんだな」

小蒔「プ○キュア可愛いし、格好良いです!」フンスー

漫「うぅ…こんな事になるなら見せへんかったら良かった…」グスッ

和「まぁまぁ。小蒔さんも楽しんでるみたいですし…」

小蒔「と言う訳で、絶倫大帝キョウ=タローの命運はここまでです!」

京太郎「あ、俺、悪者設定なんだな」

和「しかも、ラスボスらしいですよ」

漫「大体、どういう展開望んでるのか分かるキャラ配置やね」

京太郎「んじゃ、それに乗っかるとするか」




キョウ=タロー「ふぅははははー。どうした?大口叩いた割りにはその程度なのか、プ○キュアどもよ」

キュアコマキ「くぅぅ…まさか、キョウ=タローの力がこれほどまでだったなんて…」

キュアスズ「皆…ごめん…うちら勝てへんかった…」

キュアノドカ「(あ、もう負けてる設定なんですね)」

キョウ=タロー「だが、しかし、久しぶりの戦いで我が身の滾りは収まらぬ」

キョウ=タロー「この滾り、貴様らの身で晴らさせて貰おうか」

キュアコマキ「な、何をするつもりですか…!?」ドキドキ

キョウ=タロー「まずは貴様らの純潔を奪い…我の忠実な下僕としてやろう」

キュアスズ「た、例えどんな事をされようと…うちらは絶対にアンタの思い通りになんかならへん!」

キョウ=タロー「くくく…それはまずこのキスを受けてから言うのだな…!」

キュアスズ「ふぐぅ…♪♪」

キュアコマキ「…あ、漫ちゃんズルい…」

キュアノドカ「素に戻ってますよ、小蒔さん」

キュアコマキ「あ、いけない…。す、漫ちゃんに酷い事しないで!」

キョウ=タロー「ちゅ…♪ならば、貴様にも我が責め手を受けてもらおうか!」グイッビリビリ

キュアコマキ「きゃあぁっ♥♥」

キョウ=タロー「あ、すまん。破けちまった…」

キュアノドカ「大丈夫ですよ。わざと破れやすいように作ってありますし」

キュアコマキ「ち、違います!こ、これはキョウ=タローの闇のパワーが大きすぎるからで…」

キョウ=タロー「ふむ…それではキュアコマキ、貴様の身にも我が闇のエネルギーを味あわせてやろう」クリクリ

キュアコマキ「ふあ…ぁっ♪いきなり乳首は卑怯です…よぉ…♥」

キョウ=タロー「くくく…スーツの内側がノーブラだった奴が何を言う。本当は貴様も期待していたんだろう?」

キュアスズ「こ、小蒔ちゃんにばっかり酷い事したらあかんで!」

キョウ=タロー「ふふ…殊勝な事を言っているが、本当は、さっき流し込まれた闇の力が物足りないんだろう?

キュアスズ「そ、そんな訳ある訳ないやろ!う、うちは小蒔ちゃんが大事だから…!」

キョウ=タロー「ならば、貴様にもキュアコマキと同じ目に合わせてやろう!」ビリビリ

キュアスズ「や…あぁっ♪」

キュアノドカ「(…二人とも羨ましいです…)」

キョウ=タロー「あー…」

キョウ=タロー「キュアノドカ、貴様には特別に我が邪眼の力を掛けた」

キュアノドカ「えっ…?」

キョウ=タロー「今や貴様の身体は我が意のままよ。さぁ、我が逸物に奉仕するのだ」

キュアスズ「あっズルい!」

キュアコマキ「もうちょっと我慢しておけば…うぅ…」

キョウ=タロー「はいはい…二人は俺が可愛がってやるから…」

キュアノドカ「くすっ…♪」

キュアノドカ「あぁ…そんな…身体が勝手にキョウ=タローに跪いて…こんな事…したくないのに…♥」

キョウ=タロー「上手くやれば、褒美としてその顔に我が子種をくれてやろう」

キュアノドカ「そ、そんな汚いもの…い、要りません…!」ドキドキ


キュアノドカ「あひぃぃんっ♪♪大帝様ぁっ♥もっと…もっと子種汁下さいっ♪」

キュアノドカ「チンポぉっ♥大帝様の逞しいのでメス犬ノドカに種付けしてくださいぃっ♥♥」

キュアスズ「あかんのに…ぃっ♪負けたらあかんのにぃぃっ♪♪何でこんなに気持ちええのぉっ♥♥」

キュアスズ「大帝様のチンポ凄すぎて…うちもうプ○キュアじゃなくなるぅっ♪♪大帝様の下僕に…ぃっ♥メス犬になっひゃうぅぅ♥♥」


キュアコマキ「メス犬良いのっ♪大帝様の闇のパワーで種付け素敵ぃっ♥♥」

キュアコマキ「闇のパワー注入でぇっ♥メス発情期止まんないれすぅ♪♪」

キョウ=タロー「くくく…最初の威勢が嘘のようだな。世界を護るという覚悟はどうしたんだ?」

キュアノドカ「しょんなの…大帝様のチンポには勝てませんっ♪♪世界なんてどうでも良いですからぁっ♥♥」

キュアコマキ「大帝様に愛して貰えるだけで…私たち十分なんですぅっ♪その為なら…何だってしますからぁっ♥♥」

キュアスズ「うちらの事…もっと可愛がって下さいっ♪大帝様に逆らった愚かなメス犬を一杯躾けて欲しいんれすっ♪♪」

キョウ=タロー「殊勝な奴らめ。良いだろう。貴様らメス犬どもを特別に我の奴隷妻に任命してやろう。だから、より一層、我に心酔し、我を求めよ」

キュアノドカ「あぁぁ…大帝様ぁ…♥」

キュアスズ「逆らったうちらを愛してくれるだけじゃなくて…素敵な事言われたら…うちらもう…止まりません…っ♪♪」

キュアコマキ「大好きです…大帝様…っ♪♪皆…大帝様の事愛してますから…だから…っ♥纏めて妻にしてください…っ♥♥」

キョウ=タロー「いや、ちょ…!さ、流石に三人掛かりはきつ…!!」



その後、絶倫大帝キョウ=タローは力を合わせたプリキ○アに打ち倒され、世界には平和が戻りました。



京太郎「当分、そのコスは封印な」
三人「「「えー」」」

Qなんで実在のデートスポット題材にしてるのに写真無いの?
Aデータ紛失したからです

そんな訳で本当にお待たせしました
待たせた分の期待に応えられるかどうか分かりませんけど、もうエンディング手前まで出来上がっているので投下していきます
明日も投下予定なので良ければお付き合いください

結局帰ってきたのか。今が一番荒れやすい時だろうに

>>203あ、信者さんチィース!

…まぁ、一つずつ論破していこうか。

百合漫画→あんたがそう受けとるのは自由だが他の受けとり方もあることくらい知っておこうな。どちらが正しいなんて人の受けとり方によるんだから。

男は汚い物→同じ人間には変わりないし雌だけだと繁殖できないだろ。よって雄雌に貴賓はない。

いちゃついてる~→とりあえずこのスレではそんなことを女子同士でしてない。原作?読んだこと無いから知らんが二次創作だから>>1の好きなようにすればいいだろ。

作者が百合好き~→前述の通り受けとり方は自由。そしてこれも前述の通り二次創作だから好きにすればいい。

百合がマイナー~→別にマイナーとかマイナーじゃないとか関係ないだろって話だし好きなものなんか人それぞれだろ。

性欲のために~→人の好みは好き好き。後京豚は馬鹿にされる云々は今現在してる奴から言われてもねぇ…って話。

ハイ論破完了~。

21時から始めます

>>182
もう殆ど完成してるし別にいいかなって
元々一ヶ月の予定が大分待たせてたし

E-1がまだ突破出来ないんでそろそろ始めます

~京太郎~


―― 特訓そのものはわりかし順調だった。

小蒔の参入というのは思いの外、良い影響をあったようだ。
そう思うのは、特訓に参加している全員がグングンと良い方向へと変化していっているからだろう。
元々、それなりに経験を重ねていた小蒔は見間違えるほどミスが減り、ちゃんとしたデジタル打ちが出来るようになった。
俺自身も二人の協力のお陰で、集中力が向上し、擬似的ではあるものの『ゾーン』に入れる時間が長くなっている。

京太郎「(そして…和は…)」
和「ロン。タンヤオのみ」
小蒔「ひゃうっ」

特訓終わり際の三人麻雀。
その中でトップを取るのは大抵、和だった。
元々、自力という意味では俺たちの中で頭一つ分飛び抜けているので当然なのだろう。
実際、今だって最後の親を見事な速攻で流し、トップのまま終えている。
正直、これで幾らか弱体化しているとは思えないくらいだ。

京太郎「(しかも…これデジタルに頼りきりじゃないんだよなぁ…)」

その上…これが新しい打ち方を模索している真っ最中なのだから恐ろしい。
普通ならば、崩れてボロボロになってもおかしくないのに、和は決して崩れないのだ。
勿論、無理し過ぎない程度にデジタル打ちと感覚打ちを切り替えているというのもあるのだろう。
実際、牌譜にして確認してみると普段の和の打ち筋と違う闘牌をしているから良く分かる。


小蒔「…どうでした…?」
和「…手応えのようなものはまったくない訳じゃないんですけど…」

そう答える和はそっと自分の指先を見つめた。
細い人形のようなそこに一体、どんな感覚があるのか、他人である俺には分からない。
だが、そこに尋常ならざるものが残りつつあるのは確かなのだろう。
それは何とも言えない表情を見せる和の顔からなんとなく伝わってきた。

和「形になるのはまだ先みたいです…」
小蒔「ふふ…♪そんなものですよ」

そう会話する二人の表情にはぎこちなさはない。
勿論、特訓を開始した当初はぎこちなく、会話もろくになかったが、勇気を持った小蒔から歩み寄っていったのだ。
そして、これまでの事を詫びながら、教えを乞う小蒔を袖にするほど和は薄情な奴ではない。
結果、二人は急速に打ち解けて、こうして友人同士のように会話を交わすようになった。

小蒔「こんな短期間でこうして手応えを感じ始めているだけでも原村さんは優秀なんだと思います」
和「そんな…私なんて…」

そう謙遜するものの、小蒔という切磋琢磨するパートナーを得てからの和の成長具合は著しい。
何せ、特訓開始からそれほど期間があった訳ではないのに、もう手応えを感じ始めているのだから。
幾ら能力の使い手として大先輩である小蒔からアドバイスを受けていると言っても、その速度は本人の資質によるものだろう。
そんな素質を俺一人では開花させてやれなかったと思うと申し訳なく思うが、今はともかく和の成長を喜ぶべきだ。


小蒔「それじゃ…今日は私がラスですから片付けしますね」

最後の麻雀でラスを引いた人が卓の片付けをする。
それが俺たちの特訓の中で暗黙のうちに決められたルールだった。
とは言え、基本的には特訓は和の部屋でやっているんで、目立って片付ける必要があるものはない。
精々が牌を自動卓に片付け、空いたお菓子や使用済みグラスの後処理をするくらいなものだろう。

和「…では、今日も遅くなってしまいましたし、お夕飯どうですか?」
京太郎「いや、俺としては嬉しいけれど…」

そう和が俺に尋ねるのは、どっち道、小蒔が俺に意見を求めると分かっているからなのだろう。
部長との一件以来、べったりというほどではなくなったが、それでも小蒔は俺の事を尊重しすぎるくらい尊重してくれる。
そんな小蒔がこうして選択肢を提示されて、俺に尋ねないはずがない。
それをこれまでのやりとりから悟った和は、最初から俺に聞いてくるのだ。

京太郎「でも、最近、お世話になりっぱなしだからなぁ…」

新人戦を後数日という所にまで控えた今、俺達は特訓という形で、ほぼ毎日、和の家へと入り浸っていた。
部活が終わってからさらに自発的に練習しようとするそれは必然的に夜も更けてしまう。
今だってもう20時を超えているし、女の子一人の家にお邪魔しているには遅い時間帯だ。
正直、腹も減っているし、夕食を用意してくれるのは嬉しい訳だが、流石にこう毎日となると大丈夫なのかと思ってしまう。


和「良いんですよ。三人分も五人分もそれほど大差ある訳じゃありませんし」
京太郎「いや、あると思うぞ」

これが一人前から二人前くらいなら俺だって同意出来ただろう。
だが、三人分から五人分までの間には割りと深い溝があるのだ。
基本的にレシピというのが二人か三人分で書かれている所為だろうか。
口で説明するのは何とも難しい感覚的なものだが、ともあれ俺の中でその差は結構、大きいのである。

和「じゃあ、私の夕食の準備を手伝って下さい。一人だと今から三人分用意するのは手間ですから」
京太郎「あー…もう…そう言われると断れないじゃないか」
小蒔「あ、私もお手伝い…」
和「そうですね。では、小蒔さんも終わったら手伝ってくれますか?」
小蒔「はいっ♪」

屈託のない笑顔で頷く小蒔はいそいそと片付けに戻る。
こうして誰かと一緒に何かの作業をするのが小蒔は基本的に好きだ。
鹿児島でもそうだったので、恐らく生来の気質からそうなのだろう。
一歩間違えれば寂しがり屋に繋がりかねないそれに俺は和と共に笑みを浮かべながら、そっと立ち上がった。

和「それではよろしくお願いします」
小蒔「分かりました!」

そのまま二人で部屋から出て行く俺たちを握り拳と共に小蒔が見送った。
そんな小蒔の前で扉を締めてから、俺達は廊下を渡り、階段をゆっくりと下っていく。
かつて逃げるように去っていったそこを和と一緒に緩やかに下る感覚は未だに慣れない。
特に後ろ暗い事はないはずなのに、妙に悪いことをした気になって落ち着かなくなってしまうのだ。


和「…須賀君は特訓の成果はどんな感じですか?」
京太郎「どう…だろうなぁ…」

だからこそ、和の声に応える言葉は少しだけ遅れてしまう。
そんな自分に一つ苦笑めいたものを向けながら、俺はそっと肩を落とした。
微かに疲労感を感じる肩の感覚は決して嫌なものではない。
それは少しずつでも、自分が成長している実感があるからなのだろう。

京太郎「欲目込みだけれど、成長はしてると思うよ」

勿論、それは和や小蒔のそれほど著しい訳じゃない。
小蒔に比べれば俺は麻雀歴も短いし、成長の土台となる地力だってある訳じゃないのだから。
しかし、それでも集中の仕方さえ分からなかった初期から比べれば、別物と言っても良いくらいになっている。
それは俺の特訓に付き合ってくれた二人のお陰だと胸を張って言えるくらいだ。

京太郎「だけど…新人戦に勝てるかは分からないな…」

そう。
俺が言っているのはあくまで『能力制御』に関する事ばかりだ。
それ以外の、いわゆるノウハウの部分に関してはかなり曖昧なまま来ている。
勿論、それは俺自身が希望した事であり、和が悪い訳じゃない。
だが、やっぱり目前に迫った新人戦を考えると不安になるのは事実だった。


京太郎「俺のは勝つための能力じゃないしな」

これが特定の牌だけが集まるという能力であれば、俺にも光明を見出す事が出来ただろう。
だが、俺にあるのは人をおかしくする為の力であり、その制御に時間というリソースを割いて来た。
勿論、俺が少しずつ会得しつつある力は、地力をあげる事が出来るが、それだって一時的なブーストでしかない。
和のように対局中ずっとそれを維持する事など到底出来ない俺にとって、それは切り札ではあれど、安心できる材料ではなかった。

和「…須賀君ならきっと何とかなりますよ」
京太郎「そう…かな…」

一階へと降り立ちながらの和の言葉を俺も信じたい。
だけど、俺は県大会の一回戦で見事にボコられたのである。
そのトラウマはどうしても払拭出来ず、俺の中から不安が消える事はない。
流石に以前とまったく同じつもりはないが、今の俺がちゃんと通用するのか。
ふとした時にそんな事を思っては、落ち着かなくなってしまう。

和「それに…私は須賀君の能力がアレだけとは思っていませんから」
京太郎「えっ…」

和の言葉を俺は最初、信じる事が出来なかった。
何せ、それは頑なにオカルトを信じていなかった和の口から飛び出たものなのだから。
それが虚勢であった事を知っても、オカルトを肯定する和というのは違和感がある。
ましてやそれが俺にもう一つ能力があるというような言葉だと思うと信じがたい気持ちの方が強かった。


和「後で復習して分かったんですけど…須賀君は集中していない時の方が配牌が良いです」
京太郎「そう…なのか?」

今まで自覚はなかったけれど、言われてみればそんな気がしなくはない。
そう思うのは『ゾーン』が切れた後には大抵、好配牌から開始出来るからだ。
疲労感で集中どころではない俺はただの偶然だと思っていたが、言われてみればそれもおかしい。

京太郎「(それに思い返せば…合宿の時もそうだったしな)」

能力や和の事が気になってろくに集中できていなかった合宿一日目。
当時を思い返すのは胃が痛いが、確かにあの日は異様なほどツイていた。
一度も和了らなかったのに最終成績二位という時点で、その異常さが分かるだろう。
そして二日目も漫さんが手を貸してくれるまで好配牌が続きまくっていた。
その後はもうボコられまくりでろくな結果を残せなかったのも集中していたからだと思えば辻褄は合う。

和「それが能力だとしたら、須賀君にも光明が見いだせるでしょう?」
京太郎「でも、どうやって使いこなせるんだそんなもの…」

集中力が切れた後に頼れるものがあるのは嬉しい。
自分の長所というものを見いだせない俺にとって、それは朗報と言っても良いものだった。
だが、能動的に扱う事が出来ないそれを一体、どうやって活かせば良いのか。
そうやって集中出来ていなければ、ミスも増えるし無意味なだけだろう。
そう思った俺が和と共にリビングへと踏み入れた瞬間、彼女はそっと振り向いた。


和「簡単です。麻雀に集中出来ていて、出来ていない状態を作れば良いんですよ」
京太郎「そんなの…出来るのか?」

ある意味、矛盾にも近いその状態を維持出来るならば、そのジンクスめいた何かも武器になるかもしれない。
だが、ある種の達人ならばともかく、初心者の俺がそんな境地に達する事が出来るとは到底、思えないのだ。
一応、人並み以上にメンタルトレーニングに力を入れてきたが、だからこそ、それが容易い事ではない事が分かる。

和「…あの…き、聞きたいですか?」

瞬間、和は耐え切れないと言わんばかりのその頬を赤く染めた。
ポッと紅潮を混じらせるその表情は惚れた弱みを抜いたとしても可憐で、庇護欲が擽られる。
普段、気丈な所為か、ギャップさえも感じさせるその表情に思わず抱きしめたくなった。
だが、もう少ししたら小蒔も降りてくる状況で、そんな事をしてしまったら構築され始めた二人の関係が粉々になりかねない。
そう自分に言い聞かせながら何とかその衝動を堪えた俺はそっと口を開いた。

京太郎「まぁ…今は藁でも掴みたい気分だしな」

その言葉は決して嘘じゃなかった。
新人戦が近づけば近づくほど不安になっていく自分を鎮める為ならば、藁でもなんでも良い。
特に今回は俺にとって前回のリベンジというだけではなく、二人との特訓の成果を示す機会でもあるのだから。
そこで結果を残す為ならば、俺は藁にでも何でも、一も二もなく飛びつくだろう。


和「では…あの…し、新人戦で良い結果を残せたら…私が…ご褒美をあげますから…」
京太郎「えっ…?」

そんな俺の耳に届いた言葉に、ついついそう聞き返してしまう。
勿論、一言一句聞き逃さないように耳を傾けていたし、それを聞き逃したという訳でもない。
頭が理解を拒否するような内容でもなく、それがどういうものを意味しているのかも分かっているのだ。
しかし、だからこそ、俺はそれを信じる事が出来ず、呆然としながら、和を見つめてしまう。

京太郎「…和が…ご褒美?俺に…?」
和「ぅ…」コクン

確認するように聞き返す俺に和は真っ赤になりながら小さく頷いた。
その姿も可愛らしくて抱きしめたくなるのだが…まぁ、それはさておき。
今の和の反応を見る限り、俺の耳や頭がおかしくなったって事はないらしい。
そう理解した瞬間、顎の下辺りが熱くなり、キュっとそこが疼いた。

和「勿論…その…須賀君が好きそうな…え、エッチな奴で…えと…それなら…エッチな須賀君なら集中も…」
京太郎「和ぁ!」
和「きゃんっ♪」

そんな俺の前でポツリポツリと恥ずかしそうに補足する姿を見て、俺は我慢できなくなってしまった。
和の身体をぎゅっと抱きしめ、未だに制服に包まれたその身体の柔らかさを堪能してしまう。
それに和が悲鳴めいた声をあげるが、俺の腕は解けない。
寧ろ、そんな和を逃したくないとばかりにぎゅっと力を込めるのだ。


和「ご、ご褒美はまだ先ですよ…っ」
京太郎「…悪い」

そんな俺を咎めるように言いながら、和はそっと俺の背中を撫でてくれた。
まるで衝動に身を任せた俺を受け入れるようなその仕草に、少しだけ頭が冷静になる。
しかし、衝動の代わりに頭の中に浮かんできた和への愛しさがあまりのも強すぎて、身体が離れようとしない。
俺の胸の中にすっぽりと収まる身体を抱きしめたまま、和に謝罪の言葉を返した。

京太郎「(まぁ…それだけじゃすまない訳で)」
和「んぅ…♪」

これまで新人戦が間近という事もあって、あんまり二人に構ってやる事は出来なかったのだ。
自然、最近の俺もまた禁欲中であり…もっと直接的な事を言えば溜まっている。
そんな状態で和の魅力的な身体を抱きしめたらどうなるのかなんて分かりきっている話だろう。
実際、俺の一部分はムクムクと大きくなり、和の下腹部辺りをぐっと押し始めていた。

京太郎「最近、構ってやれなくてごめんな」
和「べ、別に…ぜ、全然、寂しくなんてなかったですから」

俺の謝罪の言葉に返す和の言葉は間違いなく強がりだろう。
勿論、和と約束した事はこれまでもちゃんと守っているとは言え、それで能力の依存性がなくなる訳ではないのだから。
元々、和はとても理性的でそう云うのをあまり言い出さない性質だし、きっと我慢していただけで寂しがらせていたのだろう。


和「さ、さっきの提案だって須賀君がいい結果を残せるようにって思っただけなんですからね」
京太郎「…うん。分かってる」

勿論、それがまったく無関係だとは俺も思わない。
きっと和は和なりに思い悩む俺を励まそうと餌を用意してくれたのだろう。
しかし、決してそれだけではないのは…俺を見上げる和の目を見れば分かった。
まるで媚びるような甘えるようなそれは俺に何かを求めているのを感じさせる。

京太郎「じゃあ、前払いで…キスだけ貰えないか?」
和「き…キス…ですか…?」

瞬間、和の目に走った嬉しそうな色を俺は見逃さなかった。
どうやら和が求めていたのを俺は見事言い当てる事が出来たらしい。
それに胸中でガッツポーズを取りながらも、俺は平静を装った。
そのままじっと真正面から和の顔を見つめる俺に和は顔を赤くしながら、小さく俯く。

和「本当に…その…私とキスしたいんですか?」
京太郎「あぁ。それがあれば俺はきっと頑張れる」
和「途中で挫けたり…しません…か?」
京太郎「和のキスがあればそんなもの絶対にあり得ないって」

そのままポツリポツリと呟く和の顔は正直、堪らなく可愛い。
時間さえあればそのまま押し倒して、事に及んでしまいたくなるくらいだ。
しかし、小蒔がもうすぐ降りてくるって状況ではそんな事は出来ない。
そもそも、こうしてキスをしようとしている時点で、かなりのリスクを背負っているのだから。
それ以上のことなど言うまでもない。


和「そこまで言うなら…し、仕方ないですね」

そう言いながら、和はゆっくりとその顔をあげる。
俯き加減になっていたその顔はさっきよりもさらに赤く染まっていた。
羞恥だけではなく興奮混じりのそれに俺の興奮も高まる。
本格的に勃起し始めたムスコがズボンの中で窮屈になるのを感じるほどのそれに俺の腕はゆっくりと和の背中を上がっていく。

和「でも…あ、あくまで仕方なく…仕方なくなんですからね…?」
京太郎「分かってる。和は優しいからな」
和「ぁ…♥」

そう言いながら俺の手が到達したのは和の顎だった。
形の良い細い曲線を描くそこをゆっくりと上へと向けさせる。
それに和は小さく声をあげながらも、その瞳を閉じていった。
まるで何もかもを俺に委ねようとするその可愛らしい仕草に俺の顔はゆっくりと近づいていき… ――

小蒔「お待たせしましたー」
和「!?」
京太郎「ぬぁ!?」

瞬間、パタンという音と共に開いたリビングの扉に俺達は弾かれたように離れた。
殆ど反射的なものだったのでお互いに変なポーズになってしまった俺たちを小蒔は不思議そうに見つめる。
その手に持つお盆に空になったグラスやお菓子を載せている辺り、もう部屋の片付けは終わったのだろう。
思った以上に早いその手際に俺たちが思わず頬を引き攣らせた瞬間、小蒔はそっと小首を傾げた。


小蒔「あれ?どうかしたんですか?」
京太郎「い、いや、何でもないぞ!?」
和「え、えぇ!まったく何もしてませんから!」
小蒔「??」

俺達は申し合わせたようにそう答えるものの、流石に小蒔を誤魔化す事は出来ないのだろう。
幾ら小蒔が鈍感とは言え、俺達の焦りっぷりや変なポーズを見て、不思議がらないがずがない。
それを怪しいと思わないのが小蒔の魅力の一つではあるが、とは言え、このままでは何時か不審がられてしまうだろう。

京太郎「あ、いや…その…ずっと座ってばっかりで身体が固まってたからストレッチしようとしていてだな…」

そう思った俺の口から出たデタラメは、それほど悪いものじゃないように思えた。
完全にパニクっていたにしては、変なポーズを取っていた事に対する説明がそれなり出来ているのだから。
勿論、普通はそんなもの通用する訳がないのだが、小蒔相手であれば大丈夫。
そんな俺の心情を裏打ちするかのように、納得したような顔を見せる小蒔に俺はそっと胸を撫で下ろし… ――

和「そ、そうです。抱き合ってキスしようとしていただなんてそ、そんなオカルトあり得ません!」
京太郎「(の、和ああああああああ!?)」

瞬間、俺以上にテンパっていたらしい和の口から飛び出た言葉に俺の表情は引きつった。
誰も聞いていないような事まで言ってしまったら、怪しんでくれと言っているのも同じだろう。
特に今回はやけに具体的な行為まで表現しているし、そっちの方が正解なのだと言わんばかりだ。
正直、そうやってテンパる和は可愛くて仕方がないが、それ以上にさっきまでの冷静な打ち筋は何処に行ったのかと思ってしまう。


小蒔「なるほど…。じゃあ、私も混ぜてもらって良いですか?実は私も結構、肩が凝っちゃって…」

けれど、小蒔は俺が思っていたよりも純粋だったらしい。
明らかに怪しい俺達の様子を怪しむことなく、納得の言葉を返した。
ニコニコと嬉しそうなそれは、俺が嘘を吐いているだなんて欠片も思っていないのだろう。
そう思うとこちらの胸が痛くなるが、かと言って、何もかも言う訳にはいかない。
そんな事をすれば、小蒔が暴走しかねないと石戸さんに何度も釘を刺されているのだから。

小蒔「あ、でも、お料理もしないといけませんし…どうしましょう?」
京太郎「さ、先に料理作ってしまおう。んで、小蒔は後で俺からマッサージするから」
小蒔「えへへ…嬉しいです!」

そんな後ろ暗さの所為だろうか。
迷う小蒔に俺はついついそう言ってしまった。
勿論、マッサージなどした事もないが、そうやって素直に喜んでくれるのを見るのは俺も嬉しい。
身体の強張りも少しずつ収まり、俺の顔にも笑みが浮かんだ。

和「むっ…」
京太郎「(ゴメン…)」

だが、それをストレートに感じていられないのは俺の真横に面白くなさそうにする和がいるからだ。
誰だってついさっきまでいい雰囲気だった相手が別の誰かに甘く接しているのを見て面白くはならないだろう。
それに胸中で謝罪を紡ぎながらも、俺はそれを声にする事も、小蒔に訂正する事も出来なかった。
自業自得とは言え、板挟みになった自分の状況に胸の痛みを感じながら、俺は逃げるようにキッチンへと向かう。


京太郎「それじゃ…とっとと準備しようぜ。あんまりのんびりしてると和の親父さんが帰ってくるかもしれないしな」

勿論、こうして和の家を特訓に使っている以上、和の両親の許可は取っている。
だが、俺を明らかに警戒している親父さんには、『麻雀部の仲間』としか伝えていないのだ。
若々しいお袋さんにはちゃんと面通しして許可も貰っているが、それでも親父さんに見つかると危ないのは変わりない。
最近は大きな仕事を幾つか抱えて忙しいというのもあって、家に帰ってくるはほぼ深夜になっているらしいが、それでも警戒するのに越した事はないだろう。

和「…そうですね。では、神代さんも…」
小蒔「はい。まずは洗い物から始めますね」

そんな俺に頷きながら、他の二人もキッチンへと入ってくる。
その手際は普段から家事をこなしているだけあって、俺よりも数段、上だ。
適当に会話して意見のすり合わせをしながら、あっという間に一品二品と作っていく。
勿論、俺もそれなりにそういうのをやるようにしているとは言え、この二人には到底、及ばない。

和「…後で埋め合わせはして貰いますから」ポソッ
京太郎「ぅ…」

そんな二人の手伝いをしている最中、俺の横を通りがかった和がポソリと囁いた。
それはきっと俺の後ろでアスパラの胡麻和えを作っている小蒔には聞こえなかったのだろう。
ふと後ろを振り返れば、機嫌よく鼻歌を歌いながら菜箸を動かしている小蒔の姿が見えた。
それに一つ安堵しながらも、俺は頬が引きつるのを感じる。


京太郎「(一時間くらいは覚悟しといた方が良いかな…)」

和は基本的に金銭的な埋め合わせなんて求めない。
その代わり、本気で拗ねた和はかなりの甘えん坊だ。
普段の冷静な姿がまるで嘘のように、俺の事を離さない。
それこそ一時間でも二時間でも俺に触れ続け、まるで子どもになったかのように甘えるのだ。
いっそギャップすら感じるその姿は普段から俺に対してデレデレな小蒔を局地的に凌駕するほどである。

京太郎「(ま…そんな姿も可愛くて良いんだけどさ)」

幼い頃から両親の仕事が忙しく、転校を続けた和は人に甘えるという事を苦手としていたのだろう。
セックスの時もまるで子どもに返ったかのように俺に対して甘えてくるのだから。
そんな和の心の支えになれているかは分からないが、少なくとも悪い気はしない。
寧ろ、男としての自尊心が満たされ、もっと頼ってほしいと思わされてしまう。

小蒔「もう…♪京太郎様…またエッチな顔してますよ」
京太郎「あ…いや…」
小蒔「ふふ…♪私は何時でも…大丈夫ですですからね…♥」

そんな俺のニヤけっぷりを誤解したのだろう。
小蒔は俺へとそっと寄り添いながら、小さく囁いてきた。
けれど、それは俺の真横に居た和にもしっかり聞こえたのだろう。
トントンと手際よく食材を切っていく手が一瞬、止まったのが俺の目には見えた。


京太郎「(…二時間はみとこうか…)」

その後の和は特に何か怒ったり拗ねたりしている様子は見せなかった。
だが、こういう時の和の方が色々と溜め込んでいるのを俺は経験的に知っているのである。
あの日、和とラブホに駆けた時も、彼女はギリギリまで平静を装っていた事を思えば、まったく安心出来ない。
いや、それどころか、にこやかな和の姿に冷や汗さえ浮かぶくらいだった。

京太郎「(自業自得だよな…)」

結果、俺は二人の美少女が用意してくれた夕食の味が殆ど分からなかった。
それこそ人生の大事なイベントを一回分丸々損しているような感覚にそっと肩を落とすが、これが自分の選んだ道である。
それに後悔したりするよりも先に、自分が次に選ぶべき最善を考えるべきだろう。
そう思考を切り替えた俺は頭の中で和の埋め合わせに使う時間をどうやって捻出するかを考えながら、原村家で食べる何度目かの夕食を完食したのだった。



………



……







【新人戦当日】

咲「き、ききき…京ちゃん、頑張って」

優希「だ、だだだ…大丈夫だじょ。今の京太郎なら勝てない訳じゃないし…」

京太郎「何でお前らが俺より緊張してるんだよ」

咲「だ、だって…京ちゃんの晴れ舞台なんだよ!」

優希「お、落ち着け、京太郎。ま、まずは深呼吸だ、ほら、ひっひっふー」

京太郎「まずはお前らが落ち着けっての…まったく」

京太郎「と言うか、自分たちの時よりも緊張してるってどうなんだ」

優希「別に緊張なんてしてないじぇ!」

咲「って言うか、何で京ちゃんは堂々としてるの?」

京太郎「まぁ…一応、ここまで来るのに色々と頑張ったからな」

京太郎「(まぁ…勿論、それだけじゃないけど)」チラッ

小蒔「?」

京太郎「(俺には二人も女神が着いてくれているんだからな)」

京太郎「(最後まで俺の特訓に付き合ってくれた二人の前で無様な姿は見せたくはない)」

京太郎「(正直、不安がない訳じゃないけど…例え負けるにせよ、堂々と負けたいからな)」


まこ「まぁ、所詮、清澄の男子なんてのは無名もええとこじゃし、気軽に打って来い」ポン

京太郎「うす。まぁ、一回勝てたら御の字くらいのつもりで行きますよ」

まこ「はは。そりゃあ流石に低く見積もりすぎじゃ」

まこ「今の京太郎ならそこそこええところまでいけるはずじゃ」

京太郎「励ましたいのかプレッシャー掛けたいのかどっちなんですか」

まこ「それだけ期待しとるって事で」ニコッ

まこ「わしら相手に揉まれてきた京太郎は確かに強くなっとるからの」

まこ「県大会ならともかく、同じ高1相手の新人戦でそう遅れはとらん」

まこ「少なくともわしはそう信じとる。だから…気軽に打って実力出しきって来い」

まこ「そうすれば結果は自ずと着いて来るはずじゃ」

京太郎「部長…」

まこ「それに京太郎が結果残してくれれば、来年度の予算も増えるしの」ニヤリ

京太郎「くそっ!ちょっと感動して損した!!」



小蒔「京太郎様…」

京太郎「小蒔…そんな心配そうな顔で見るなって」ポン

京太郎「小蒔が手伝ってくれた分、俺も強くなれているんだからさ」

小蒔「それは…原村さんと京太郎様の力です…」

小蒔「私は…原村さんと違ってろくにお手伝い出来ていなくて…」シュン

京太郎「そんな事ねぇよ。小蒔が居なかったら俺は和の手を煩わせっぱなしだったしな」

京太郎「それに誰よりも俺の傍で励ましてくれたのは小蒔だっただろ?」ナデ

京太郎「その御蔭で、俺はここまで頑張れたんだ。だから…そんな風にしょげてないで胸を張ってくれ」

小蒔「…ん…♪」

京太郎「俺は勝ってくるよ。小蒔の為にも…絶対に」

小蒔「…はい!私も…応援していますから…」グッ

京太郎「おう。惚れ直すくらい格好いいところを見せてやるよ」



京太郎「そう言えば…和は?」

京太郎「さっきから姿が見えないみたいだけど…もう和の試合だったっけ?」キョロキョロ

咲「えっと、そのお花摘みに…」

優希「デリカシーない男だじぇ…」

京太郎「し、仕方ないだろ。知らなかったんだから…」

京太郎「(まぁ、咲じゃないんだから、迷子とか心配する事はなかったか)」

咲「む…今何か失礼な事考えたでしょ?」

京太郎「はは。誤解だって」

京太郎「俺が考えたのはあくまでも事実に即したって…痛っ」ツネッ

咲「ふーんだ」ツーン

優希「今のは京太郎が悪いな」

まこ「折角、迷子になる恐怖と闘いながら男子ブロックまで応援しに来た咲にする仕打ちじゃないの」

京太郎「だからって抓られるほどの事だったのかアレ…」

―― 男子ブロック一回戦が始まります。GからFの組の方は会場に向かって下さい。

京太郎「そろそろ時間だな。それじゃ行ってくるわ」

咲「…頑張ってね」

優希「無様に負けたら今日のタコスは京太郎の奢りだからな!」

まこ「まぁ、焦らずにの」

小蒔「…京太郎様ならきっと大丈夫です」

京太郎「おう!」


京太郎「(…とは言ったものの…一人になるとやっぱり心細いな)」ハハッ

京太郎「(強がる相手がいなくなった所為か急激に不安になってきたぜ…)」

京太郎「(こんな事なら…小蒔に対戦部屋まで着いてきてもらった方が良かったかも…)」

京太郎「(いや…あんだけ大口叩いてそんな事言えないよなぁ…)」

京太郎「…ってアレ?」

和「…」キョロキョロ

京太郎「和、何をやってるんだ?」

和「あ…き、京太郎君…」

京太郎「道が分からなくなったのか?それなら皆はあっちに…」

和「い、いえ…その…ち、違うんです」カァ

和「あ、あの…出場前の激励に…と思いまして…ここで待っていたんです…」

和「その…お、お時間は取らせませんから…こちらに来てもらえますか?」

京太郎「いや…まだ時間に余裕もあるし構わないけど…」スタスタ



京太郎「でも…無理しなくて良いんだぞ?」

京太郎「それにもう少ししたら女子の方も始まるし、そっちの準備した方が…」

和「ら、らいじょぶです!」

京太郎「(噛んだ)」

和「大丈夫です!」カァァ

京太郎「(い、言い直した…)」

和「で、ですから、あの…もう少しこっちに…」

京太郎「いや…これでも結構、近いんだけ…んぐっ」

和「はむ…ぅ♪」チュッ

京太郎「(…っていきなりキスされてるんだけどおおおおお!?)」

京太郎「(え…ちょ…ま、周りに人はいなかったけど…でも、大胆すぎやしないか!?)」

京太郎「(普段の和だったらこんな事やらないのに…何で!?)」

和「れろぉ…♪」

京太郎「(しかも、舌入れて来るなんて聞いてないぞおい!!)」

京太郎「(くっそ…!仕返ししたい!でも、流石にこの状況じゃ出来ない!!)」

京太郎「(そんな事したら逆に興奮して、色々とそれどころじゃなくなる…!)」

京太郎「(俺も和も対戦が近いのにこんな事やってる場合じゃないんだ…!!)」




和「はぷ…♪ちゅ…っ♥」

京太郎「(あぁ…でも…幸せそうにキスしてくれるなぁ…)」

京太郎「(一生懸命背伸びして…俺に抱きつきながら…そんな顔見せるなって…)」

京太郎「(和とキスしてるってだけでも興奮するのに…そんな健気な顔見せられたらスイッチ入るだろうが…)」

和「じゅ…はふゅ…♪」

京太郎「(可愛いなぁ…ホント、可愛いなぁ和…)」

京太郎「(引き離さなきゃいけないのに…引き離せなくなるくらい…)」

京太郎「(寧ろ、このままぎゅっと抱きしめて…ホテルまで連れ去りたいくらいだ)」

京太郎「(でも…そうじゃないんだよな…)」

京太郎「(俺がやるべき事はそれじゃなくって…和を引き離す事だ)」

京太郎「(俺はともかく…和は今年も注目の選手で…こんなところでキスしてると何を言われるか分からないんだから)」

京太郎「(幸い、今は周りに人が居ないけれど…何時までもそのままかは分からない)」

京太郎「(だから…ここは心を鬼にして…和を……っ!)」グイッ

和「はぅ…ん♪」



和「ちゅ…ぅ♪ふ…あぁ…♪」ウットリ

京太郎「あの…和?」

和「ん…ふぅ…♪…ハッ」

京太郎「…いきなりどうしたんだ?」

和「あ…いや…その…」モジモジ

和「き、キスしたら…勝てるって須賀君が言ったじゃないですか…」

京太郎「…まさか、その為にこうして待っててくれたのか?」

和「し、仕方ないじゃないですか!もし、私がキスしなかった所為で負けちゃったら…嫌ですし…」カァ

和「だ、だから…私…ずっと機会を伺ってて…でも、人前でなんて出来ませんし…こうして待つしか…」オズオズ

京太郎「…あぁ、なるほど。大体、分かった」ナデ

和「あ…♪」

京太郎「(俺としては軽い冗談のつもりだったんだけど…和にとってはとても大事だったんだろう)」

京太郎「(考えても見れば…人並み以上に責任感の強い和がそれを気に病むのは当然の事だったんだ)」

京太郎「(こうして嘘を吐いてまで…待ってくれてたのは少し驚いたけど…でも…)」

京太郎「ありがとう。すげぇ嬉しいし…力が湧いてきたよ」

京太郎「だから…待っててくれ。ここまでしてくれたお礼は…結果で返すから」ギュッ

京太郎「必ず和先生に良い結果を持ち帰って…ご褒美貰うからな」ナデナデ

和「ん…はい…っ♪楽しみに…待ってます…♥」


京太郎「(さて…そろそろ会場前…携帯の電源も切っとかないとな…)」

京太郎「(って…アレ…いつの間にかメールが来てる)」

京太郎「(マナーモードにしてた所為で気づかなかったんだろうな)」

京太郎「(…後でっていうのも気になるし、今、見ておくか)」ピッ



From:上重漫
subject:先輩からのアドバイスや♥

や。そろそろそっちでも新人戦始まるかなって思ってメールしてみたんやけど、そっちはどうや?
こっちは一年の子たちはガチガチに緊張しとって、ある意味、微笑ましいわ。
うちも一年前はこんな感じやったんやなぁって思うと懐かしくもあるんやけれどね。
もし、京太郎君がうちの一年みたいにガチガチになっとるんやったら…一つアドバイスをあげるで!

麻雀なんてのは所詮、運ゲーや。
どんな熟練者でもバカツキしまくった初心者に負ける事はある。
でも、同時にそんなゲームやからこそ…面白いし、楽しい。
だから、思いっきり楽しんどいで。
学校の名前とかそういうの関係なく、打って遊んで…勝って負けておいで。

まぁ…これうちの言葉やなくて末原先輩が去年言ってたもんやねんけどね。
でも、うちは末原先輩のこの言葉で去年、緊張が抜けたのを覚えとる。
だから…うちとはまた別の意味で学校の名前って奴にプレッシャーを感じ取るかもしれへん京太郎君にも効果あるかなって。
お節介でごめんね。
じゃあ、また結果出たら教えてや。
うちは大阪から離れられへんけど…でも、こっちで京太郎君が結果残せるように祈ってるから。



追伸:一回勝つ毎にエロ写メあげるから、何かリクエスト考えといてや♥



京太郎「…ははっ、ったく…漫さんったら…」

京太郎「(…ありがとう、漫さん。俺…頑張るよ)」







モブ1「なぁ、知ってるか?」

モブ2「なんだよ?」

モブ1「まだ来てない最後の一人…清澄の男子らしいぜ」

モブ3「マジか…あの清澄の…」

モブ2「でも、ソイツ、県大会一回戦負けだろ?」

モブ1「あぁ、初心者丸出しでボッコボコにされてやがったぜ」

モブ3「…止めようぜ、そういう事言うの」

モブ1「いや、でも、笑えるだろ?女子が全国制覇してて男子だけ一回戦負けだぞ?」

モブ1「良く新人戦までやってけるよな、俺だったら恥ずかしくて心折れるわ」

モブ2「寧ろ、心折られてるんじゃないのか?」

モブ2「雑用転落になって犬のように女子に遣われてるって聞いたしな」

モブ1「あぁ、それは俺も聞いたわ。コメツキバッタみたいにへぇこらしてるってな」

京太郎「悪いけど、それ、全部ウソだぜ」スッ

モブ3「……」

モブ1「お、ようやく来たか負け犬」

モブ2「早く席につけよ、それとも逃げ帰るか?」



京太郎「…なんだ。安心したぜ」

モブ1「あ?」

京太郎「思ったより一回戦のレベルが低くてよ」

モブ2「…喧嘩売ってるのか?」

京太郎「先にトラッシュトーク仕掛けてきたのはそっちだろ?」

京太郎「初めての大会で緊張してるのかもしれないけど、もうちょっと落ち着けよ」

京太郎「じゃないと…間抜けに見えるぜ?」

モブ1「…テメェ」

京太郎「折角、目の前に麻雀卓があるんだ。グダグダ言わずに決着は麻雀でつけようじゃねぇか」

京太郎「まぁ…正直、不安をトラッシュトークで誤魔化すような連中に負けるなんて思わないけどな」

モブ3「…ほら、とにかく席につけよ」

京太郎「あぁ。待たせて悪いな」

モブ3「気にすんな、あいつらも気が荒ぶってるだけだからな」




【一回戦】

モブ1「(くそ…!舐めやがって…!目にもの見せてやる…!)」

モブ2「(絶対にコイツをたたき落としてやる…!)」

京太郎「(分かりやすいくらいに意識してくれてるな…)」

京太郎「(やっぱ言い過ぎたか…?でも…あんな風に言われるのを聞くとなぁ…)」

京太郎「(俺の事はまだ良いけど…あいつらを馬鹿にするなんてのはどうしても許せなかった…)」

京太郎「(勿論、俺だってそれが偏見や嫉妬混じりのものだってのは分かってる)」

京太郎「(でも、俺の為にわざわざ違うブロックまでやってきて応援してくれる皆の事をあんな風には言われたくない)」

京太郎「(少なくとも…そんなの聞いてヘラヘラしてられるような情けない男になりたかった訳じゃないんだ…!)」

京太郎「(だから…俺は…!ここで…勝ちたい…!)」

京太郎「(元々…そう思ってたけど…今はより一層…そう思える…!)」

京太郎「(何より…こんな奴らの所為で…和のご褒美が遠ざかってたまるか…!!!)」メラメラ


京太郎「ロン。2900」


京太郎「ツモ。3900オール」


京太郎「ロン。6400」


京太郎「ロン。7700」


京太郎「ロン。5200だ」


京太郎「…ふぅ。ありがとうございました」

モブ3「ありがとうございました」

モブ2「…ありがとうございました」

モブ1「ケッ…ありがとよ」

京太郎「ふぅ…」

京太郎「(何とか一位通過出来たな…)」

京太郎「(アレだけ大口叩いて負けなくて本当に良かった…)」

京太郎「(正直、ドッキドキだったけど…でも、まぁ…思ったより大した事なかったな)」

京太郎「(口からでまかせだったけど、もしかしたら本気であの二人、不安をトラッシュトークで誤魔化してたのかもしれない)」

京太郎「(まぁ…それはいっか。今は何より…公式戦初勝利を喜ぼう…)」グッ

モブ3「よ。お疲れ」

京太郎「あ…お疲れ様」

モブ3「いやぁ、強かったな。正直、驚いたよ」

京太郎「何度かそっちが援護してくれたからな」

モブ3「はは、まぁ、新人戦は地方予選終了まで2位抜け出来るルールだしな」

モブ3「アイツらと手を組むよりは、お前に着いた方が上がりやすいかなって思っただけだ」

京太郎「打算的だなぁ…」

モブ3「世渡り上手って言ってくれよ」


京太郎「でも、助かったのは本当だ。ありがとうな」

モブ3「気にすんなって。俺もアイツらにはムカついてたし」

モブ3「とは言え、協力しすぎるのを禁止する為か、次からは別の試合だ」

モブ3「それでも勝ち上がったらまた協力する事もあるだろ。だから…負けんなよ」

モブ3「折角、手ぇ貸した奴が負けるの見るのも寂しいしな」

京太郎「おう。そっちもな」

京太郎「(…まぁ、そんな感じで…決して一人で勝てた訳じゃないんだけどな)」

京太郎「(小蒔に惚れ直すくらい格好いい所見せるって言ってたけど…ちょっと言い過ぎだったか…)」

京太郎「(いや…まだ始まったばっかりなんだ。上に上がっていけば活躍するチャンスもある)」

京太郎「(それに…モブ3のお陰で『ゾーン』を温存出来たのはでかい)」

京太郎「(お陰で二回戦でも使えそうだし…もうちょっと上を目指せるかも…)」

京太郎「(もしかしたら決勝…なんてのはちょっと夢見すぎな話だろうけどさ)」

京太郎「(でも…決勝まで行ければ…他の連中もあんな下らない事は言われないはずだ)」

京太郎「(その為にも…油断せず、一つずつ勝っていかないとな)」

京太郎「(俺は間違いなく弱いんだから、気を抜いてる暇はないんだ…!)」



【二回戦】

モブA「モブ1と2がやられたようだな…」

モブB「ふふふ…奴はモブ四天王の中でも最弱…」

モブC「一回戦負けの清澄に負けるとはモブの面汚しよ…」

京太郎「ツモ。4000オール」

モブ「「「ぐわー」」」




【三回戦】

モブa「モブABCが(ry」

モブβ「ふふふ(ry」

モブγ「一回戦(ry」

京太郎「ツモ(ry」

モブ「「「ぬわー」」」







京太郎「(…おかしい)」

京太郎「(二回戦三回戦と戦ってきたけど…幾ら何でもおかしい)」

京太郎「(なんで俺がここまで順調に勝ち上がれてるんだ…?)」

京太郎「(正直、俺は身内の対戦じゃ、殆ど一位になれないほど弱いんだぞ?)」

京太郎「(そんな俺がどうしてここまで一位続きなんだ…?)」

京太郎「(幾ら俺と同じ高1相手だって言っても…順調過ぎるだろ…)」

京太郎「(確かに…今日の俺は和のキスやご褒美のお陰か、比較的ツイてる…ってのも、多分、あるんだろう)」

京太郎「(だけど、これまで一度も『ゾーン』を使う場面がないってのは流石に異常じゃないか?)」

京太郎「(いや…使った後はかなり疲れるんだからないにこした事はないんだけど…)」

京太郎「(もしかして…俺って結構強い…のか?)」

京太郎「(これまで打ってた相手が殆ど全国区ばかりだったからこそ誤解してただけで…そこそこやれるのか?)」


【四回戦】

京太郎「(…ここを超えれば準決勝…その先は勿論、決勝だ)」

京太郎「(後三回…後三回勝てれば、俺も全国大会にいける…)」グッ

京太郎「(しかも、今日はこれで終わりだし…ここで『ゾーン』を使いきってしまっても良いんだ)」

京太郎「(そう思うと…決勝までいける気がしてきたぞ…)」

京太郎「(勿論、相手次第だから何とも言えないけど…今まで通りなら…勝ち抜けも難しく…)」

京太郎「!?」ゾッ

「どうしたんだ?」

京太郎「あ…いや…何でもない」

京太郎「(なんだ…ここ…空気が違う…)」

京太郎「(淀んで…歪んで…息苦しいくらいだ…)」

京太郎「(何でコイツら…こんなところで平然としてられるんだ…?)」

京太郎「(もしかして…これを感じてるのは…俺だけなのか…?)」


―― 時間です。四回戦初めて下さい。

京太郎「(とりあえず…まずは様子見だ)」

京太郎「(この重苦しさの中で平静を保つ為にも…一局目は降りる…!)」

京太郎「(明らかに…今までとは格が違う相手なんだ。慎重に行き過ぎるって事は…)」

「クク…悪くない戦術だ」

京太郎「え…?」

「勝手に飲み込まれて自滅する連中よりは見込みがあるようだな」

「だけど…そこまで分かりやすいと狙い撃ちだ…」

「ロン。8000」

京太郎「…は…はい…」グニャアァ

京太郎「(ベタ降り中の俺を狙い撃ち…?)」

京太郎「(一局目で…まだ点数に差は無いってのに…なんでそんな真似を…!?)」

京太郎「(他の二人はツッパ気味だったってのに…どうして…?)」

「クク…さぁ、次だ。次にいこうぜ…」




京太郎「(そうだ…気を取り直せ…)」

京太郎「(今のは運が良かったのをトラッシュトークで誤魔化しただけだ…!)」

京太郎「(普通ならそんな真似は出来ないし…出来たとしてもわざわざやる労力なんてないんだからな)」

京太郎「(だから…気にせず、いつも通りの打ち方を心がけるんだ…!)」

京太郎「(今の俺は二盃口タンヤオまで一向聴…)」

京太郎「(これにピンフつけて上がれれば、さっきの分は帳消しになる…!)」トン

「ポン」

京太郎「(え…!?今、牌が光ったような…)」

「チー。さらにポン」

京太郎「(嘘…だろ…?何で…俺の捨てた牌を尽く持っていけるんだ…?)」

京太郎「(まるで…俺の手を読んでるような…)」

京太郎「(い、いや…偶然だ。たった3巡目でそんな事出来るはずが…ない…!)」トン

「…ロン。8000」

京太郎「…は…はい…」

京太郎「(…この速度で満貫…しかも…直撃…だなんて…)」


京太郎「(一気にトップ二人に引き離された…)」

京太郎「(でも…まだ…負けた訳じゃない…!)」

京太郎「(集中しろ…全力で卓に意識を傾けるんだ…!)」

京太郎「(『ゾーン』にさえ入れば…俺だって全国区の相手とも互角にやれる事を思い出せ)」

京太郎「(引き離されただけで…まだ終わった訳じゃない…!だから…最後まで諦めずに…)」

「…」ニヤリ

京太郎「…」トン

「御無礼。ロン、12000です」

京太郎「…はい」

京太郎「(跳満直撃…いや…意識は乱すな…)」

京太郎「(新人戦は特別ルールで持ち点50000…)」

京太郎「(その半分を直撃で削られたけど…それでもまだ三局目が終わったばかりなんだ…)」

京太郎「(トップは無理でも配牌次第じゃ二位に食い込む事だって難しくない…!)」

京太郎「(だから…『ゾーン』だけは切らずに…最後まで……)」



………



……





京太郎「(一つだけ…分かった事がある)」

京太郎「(コイツら三人とも…俺とは次元が違う…)」

京太郎「(俺からすれば…あり得ない打ち筋…あり得ない和了を繰り返すんだから)」

京太郎「(こうして俺が未だ生きてられるのは…三人が三人とも俺の事なんて眼中にないからだ…)」

京太郎「(無視されているって訳じゃなく…死なない程度に手加減されている)」

京太郎「(いや、それどころかわざと差し込みされてる気配さえ感じるくらいだ)」

京太郎「(恐らく…コイツら全員…化け物揃いのこの卓が楽しくて仕方がないんだろう)」

京太郎「(だからこそ、それが途中で終わったりしないように俺を適度に生かしている…)」

京太郎「(…正直…それが腹の奥が熱くなるくらいに悔しい…!)」

京太郎「(でも…俺がコイツら相手に勝てるビジョンって奴がどうしても浮かばないんだ…)」

京太郎「(せめて一矢報いてやりたい…けれど…『ゾーン』に入っても…翻弄されるだけなんだ…)」

京太郎「(今の俺じゃ…銀行どころか三人にとって邪魔ものでしかない…それに心が…もう…)」グッ












和「本当に…その…私とキスしたいんですか?」

京太郎「あぁ。それがあれば俺はきっと頑張れる」

和「途中で挫けたり…しません…か?」

京太郎「和のキスがあればそんなもの絶対にあり得ないって」


















和「き、キスしたら…勝てるって須賀君が言ったじゃないですか…」

和「し、仕方ないじゃないですか!もし、私がキスしなかった所為で負けちゃったら…嫌ですし…」


















京太郎「俺は勝ってくるよ。小蒔の為にも…絶対に」

小蒔「…はい!私も…応援していますから…」グッ

京太郎「おう。惚れ直すくらい格好いい俺を見せてやるよ」













麻雀なんてのは所詮、運ゲーや。

どんな熟練者でもバカツキしまくった初心者に負ける事はある。

でも、同時にゲームやからこそ…面白いし、楽しい。

だから、思いっきり楽しんどいで。

学校の名前とかそういうの関係なく、打って遊んで…勝って負けておいで。



うちとはまた別の意味で学校の名前って奴にプレッシャーを感じ取るかもしれへん京太郎君にも効果あるかなって。

お節介でごめんね。

じゃあ、また結果出たら教えてや。

うちは大阪から離れられへんけど…でも、こっちで京太郎君が結果残せるように祈ってるから。












京太郎「っ…!うおぉぉぉ」スパーン

「…どうした?」

京太郎「いや…悪いな。ちょっと気合い入れ直した」

京太郎「(…何をへこたれてるんだよ俺は…!)」

京太郎「(例え勝てないにせよ…項垂れたままなんて格好悪過ぎるだろうが…!)」

京太郎「(胸を晴れ…!顔を上げろ…!!)」

京太郎「(俺が教えてもらった麻雀は…そうやって打つもんじゃないだろう!)」

京太郎「(俺がやりたかった麻雀は…もっと楽しんで打つもんだ…!!)」

京太郎「…驚かせちまって悪いな。それじゃ…もう一勝負行こうじゃないか」

京太郎「だけど…さっきまでと同じだと思うなよ」

京太郎「何せ、俺には…勝利の女神が三人もついてくれているんだからな…!」グッ

「へぇ…面白いじゃねぇか」

「…勝つために信じられるのは己だけ。だが、今のあンたは悪くない…」

「……ふっ」





………



……






「ありがとうございました」

「ありがとうな」

「…ありがとう」

京太郎「…ありがとうございました」

京太郎「(結局…ボロ負けはボロ負けなままだった)」

京太郎「(幾ら気合を入れなおしたところで実力差や感性の差が埋まる訳じゃないんだから当然だ)」

京太郎「(…でも…俺の胸にさっきのような激しい悔しさはない)」

京太郎「(全力以上の全力…それでぶつかって…木っ端微塵にされたんだから)」パカッ

京太郎「(残り点数は…たった1000…完膚なきまでの敗北だな)」

京太郎「(及ぶ及ばないとか…そんな事さえ考えられないような化け物たちだった)」

京太郎「(でも…俺は…)」


京太郎「…来年の県大会予選を覚えてろよ」

京太郎「その時こそ…お前ら全員に本気を出させてやるからな」

「楽しみにしていますよ」

「クク…今度は潰れないようにしろよ」

「…どうやらあンたはまだ負け犬じゃないようだな。…楽しみにしてる」

京太郎「(…楽しかった。そう思えた)」

京太郎「(これだけ化け物揃いでも…俺のやりたい麻雀が…楽しい麻雀が出来た)」

京太郎「(結果だけ見れば…目も当てられない様な惨敗だけど…)」

京太郎「(でも…心まで負けた訳じゃない。それは…大きな手応えだと思うから…)」スッ

京太郎「(それを台無しにしないように、もっと頑張らないとな)」

京太郎「(来年も同じままじゃ、あいつらに失望されちまう)」

京太郎「(それに何より…)」スタスタ

和「須賀君…」

京太郎「あれ…?和?」

京太郎「どうしたんだ?こんなところまで来て…」



和「あの…須賀君は…凄かったです…」

京太郎「あー…見てたのか」ポリポリ

京太郎「ごめんな。折角、和が色々と教えてくれたのに…太刀打ち出来なかった…」

京太郎「格好悪いところばっかりだっただろ?」

和「そんな事ありません…!」ギュッ

和「モニター越しでも分かるくらい…あの三人は異常でした…」

和「彼らの途中の試合も見ていましたが…殆ど虐殺と言っても良いほど圧倒的です…」

和「そんな相手に最後まで諦めずに麻雀を続けられただけでも…須賀君は凄いんです…っ」ギュッ

京太郎「…ありがとうな、和」

京太郎「そう言ってくれると…すげぇ嬉しい」

京太郎「でも…俺は途中、完全に自暴自棄になってたんだ」

京太郎「正直、自分でもヘタレてたと思うし、そんな風に持ちあげなくても…」





和「わ、私にとっては…!何時だって須賀君は格好良いんです!」キッ

和「例え、一時、少し挫けそうになっていたとしても…須賀君は暖かくて努力家で…優しい素敵な人です!」

和「だから…そんな風に卑下しないで下さい!」

京太郎「…和」

和「あ…その…」カァァ

和「い、今のは言葉の綾であって…べ、別に何時も須賀君の事を見てるとかそう言うんじゃないですから!」

和「全部、嘘…じゃないですけど…でも、脚色とか偏見とか一杯入ってるんですからね!」

和「これはあくまで励まそうとして…私が考えたもので決して事実に即しているとは言えないもので…っ」マッカ

京太郎「うん。分かってる。和が俺の事とても買ってくれてるってのは伝わってきたからな」クスッ

和「う……で、ですから…それは…」

京太郎「ん?」

和「も、もう良いです…っ」マッカッカ


京太郎「まぁ…それは脇に置いても…何でいきなりここに?和は俺より出番が後だったからまだ四回戦も終わってないだろ?」

和「そ、それは…その…た、たまたま!たまたま…休憩時間に閲覧室に言ってみたんですが…」

和「ふと、画面を見ると…須賀君が居てですね…」

和「特に理由はなく…なんとなく須賀君を見ていたら、こちらの方が辛くなるような闘いがずっと続いていたので…」

和「もし…須賀君が麻雀嫌いになってしまったらどうしようと思うと…居ても立っても居られなく…」

京太郎「だから…わざわざ入り口で待っててくれてたのか?」

和「ま、まぁ…そう言えなくもないような気がしなくもない感じです…」カァァ

京太郎「はは…和は可愛いな」ナデナデ

和「ん…ぅ…♪」

和「って…ち、違いますよ!」

京太郎「あ、流石に頭を撫でるのは嫌だったか?」

和「あ、いえ、それはとっても気持ち良いんでもっとやって欲し…あ」カァ

和「もうっ!す、須賀君分かってて聞いてるでしょう!」スネー

京太郎「何のことかさっぱり分からないな」キリッ



和「それより…大丈夫なんですか?」

京太郎「…あぁ。大丈夫だよ。俺は麻雀の事嫌いにも怖くもなっちゃいない」

京太郎「確かに信じられないほどボコられちゃったけどさ。でも、圧倒的過ぎて全然、嫌な感じじゃなかった」

京太郎「俺の今の実力以上を出しきって…それでも負けた所為か、寧ろ、すっきりして楽しかったからな」

和「…やっぱり須賀君は凄いです」

和「私があんな卓で打ったら…怖くて牌に触れなくなるかもしれません…」

京太郎「凄くなんかないって」

京太郎「実際、見てたんなら分かるだろうけど…俺は途中、完全にメゲてたしな」

京太郎「それでも何とか堪えられたのは…和のお陰だよ」

和「私の…?」

京太郎「あぁ。和がキスしてくれたお陰で…最後まで勝負し続ける事が出来た」

京太郎「だから…俺が凄かったんだとしたら、それは和のお陰なんだ」

京太郎「ありがとうな」ナデ

和「ぁ…♪」




小蒔「京太郎様~!」

京太郎「はは…団体さんが来ちまったな」

和「あの…須賀君…」

京太郎「ん?」

和「あの…明後日…うちに寄れませんか?」

京太郎「まぁ…部活も休みにするって話だし、バイトもないけど…」

和「ぜ、絶対に来て下さい」

和「あ、神代さんには悟られないよう…一人で」カァ

京太郎「それって…もしかして…」

和「わ、分かってるなら言わなくて良いんですっ」カァァ

和「じゃ、じゃあ、私…もうすぐ四回戦が始まるので…」

京太郎「あ、そっか。悪いな、引き止めて」

和「いえ…こっちに来たのは私の我儘でしたし…それでは…」タッタッタッタ



咲「京ちゃん、大丈夫!?」

京太郎「はは、何、心配してんだよ」

まこ「…なんじゃ。思ったより凹んでおらんの」

京太郎「そりゃそうですよ。そもそも四回戦まで行けただけでも快挙なんですし」

小蒔「あの…京太郎様…?」

京太郎「…心配か?」

小蒔「それは…その…はい…」シュン

京太郎「いや、何も悪いなんて事はないからそうやって落ち込まなくても良いって」

京太郎「それより心配してくれてありがとうな。でも、俺は大丈夫だから」

京太郎「それにあんな風にボコられるのは別に今回が初めてじゃないし」ジィ

京太郎「うちの麻雀部には初心者相手に容赦無い連中が沢山いるからな」ジトー

咲「…な、何の事かな?」メソラシ

まこ「て、手加減しとる時はしとったじゃろ」アセアセ

優希「き、京太郎が弱いのがいけないんだじぇ」オロオロ

小蒔「ふふ…♪」

京太郎「あぁ、ようやく笑ってくれたな」

京太郎「落ち込んでるよりやっぱり小蒔はそういう顔の方が良いって」

京太郎「それでも俺のことが心配なんだったら…褒めて欲しいかな」

京太郎「四回戦までいけて凄いって言ってくれた方が俺も嬉しい」

小蒔「…はいっ。京太郎様は…最高に格好良かったです…っ♥」

京太郎「おう。ありがとうな」ニコッ


京太郎「そういやそっちの方はどうだ?」

咲「私はその…一回戦負けで…」

京太郎「相変わらず咲は個人戦弱いなぁ…」

咲「個人戦だと何か自分の中で勝たなきゃいけないって気持ちがどうしても弱くなっちゃうんだよね…」

京太郎「プラマイ0は本当、根が深いな…で、優希は?」

優希「私とのどちゃんは勝ち抜けてて、もうすぐ四回戦だじぇ」

京太郎「持ち点50000スタートだから持ち味の速攻活かせないか心配だったけど、その辺は大丈夫だったか」

優希「まぁ、私も昔のままじゃないって事だじぇ」ドヤァ

京太郎「ドヤ顔すんのは良いけど…お前、時間危なくねぇのか?」

京太郎「ここ男子のフロアだから、女子の放送まで入らないぞ」

優希「え…?」チラッ

優希「あ…」サァァ

京太郎「馬鹿!こんなところに来てる場合じゃないだろ!」

優希「だ、だって、京太郎励ましたかったし…」

京太郎「良いから走れ!」

優希「う…うぅ…あんま神代さんといちゃつくなよ京太郎!!」タッ



小蒔「…ふふ…騒がしいですね」

まこ「本当じゃな」

咲「まぁ…いつも通りの優希ちゃんなんだけどね」クスッ

京太郎「清澄らしさって奴ですかね、これも」

京太郎「それより…打ち上げとかどうします?」

まこ「そうじゃな…和たちの結果にもよるけど…明日終わった後、適当なファミレスにでも寄るか」

まこ「それとも疲れとるじゃろうし、明後日の方がええか?」

京太郎「あー…いや、明日の方が個人的には都合が良い感じです」

まこ「さよか。まぁ、どうせ明日も皆で観戦する事になるじゃろうし、その方がええじゃろ」

まこ「折角の部活休みなのに全員で集まるのもアレじゃしな」

まこ「まぁ、京太郎は綺麗どころが一杯で集まる方が嬉しいかもしれんけどな」ニヤッ

京太郎「綺麗…」ジィ

まこ「…」

京太郎「どころ…?」チラッ

咲「…」

まこ「よし。その喧嘩買うたぞ」グッ

咲「ふふ…京ちゃん?」グッ

京太郎「すみません冗談のつもりだったんです俺が悪かったですから女の子がやっちゃいけない拳の作り方するのは止めて下さい」フルフル


京太郎「そ、それよりもほら!閲覧室で和と優希の応援しましょうよ!」

まこ「ぬぐぐ…まぁ…確かにそろそろ始まる時刻じゃしな」

咲「むぅ…でも…これで追求の手を緩めるつもりはないんだからね」

まこ「とりあえず…打ち上げでミックスドリンクバーは確定な」

京太郎「お、お手柔らかにお願いしますね」

咲「私、熱々の鉄板に挑戦する京ちゃんがみたいなぁ」ニコニコ

京太郎「俺が猫舌だと知っていてそれをさせるって言うのか、咲…!」

咲「…女の子を傷つけた報いですー」プクー

京太郎「ぬぐぐ…くそぅ…」

小蒔「えとえと…じゃあ、私は久しぶりにあーんさせてくれる京太郎様が見たいです!」

咲「だ、ダメだよ!神代さんは例外!」

小蒔「そんなのズルいです!私だって京太郎様にお願いしたい事一杯あるんですから!」

京太郎「…何か趣旨が変わってません?」

まこ「まぁ、それだけ色々と我慢させとったって事じゃろ」クスッ

まこ「もうちょっと婚約者を構ってあげる事じゃな、色男」

京太郎「頑張ります…」



京太郎「(いつも通りに振舞おうとしてやりすぎたか…)」

京太郎「(まぁ…でも、お陰で暗い雰囲気は払拭されて…俺達らしい俺達に戻れた)」

京太郎「(少しふざけ過ぎたのは確かだけど…今はそれを喜びたいな)」

京太郎「(にしても…明後日…和の家…か)」

京太郎「(ご褒美って…一体、何をしてくれるんだろうか)」

京太郎「(和はエロい事込み…みたいな事言ってたし…正直…かなり期待してる)」

京太郎「(最近、禁欲続きだったのもあって…こうして皆と馬鹿な会話をしながらもムラムラが収まらない)」

京太郎「(流石に勃起するほどじゃないけど、期待だけでかなり興奮してるのは事実なんだろう)」

京太郎「(そして…それは俺だけじゃなく…和も同じだ)」

京太郎「(さっき去っていく時の和の顔は…何時、スイッチが入ってもおかしくないくらい興奮してた)」

京太郎「(自分から言い出したって事を加味しても…キスをしてきた時に劣らないくらいだったんだ)」

京太郎「(色々あってここ最近、構ってやれなかったから、やっぱり寂しがっているんだろうな…)」

京太郎「(秋季大会終わるまで落ち着く訳じゃないけど…それでも余暇が出来た訳だし…)」

京太郎「(明後日は久しぶりに思いっきり可愛がってやらないとな…)」


………



……







~京太郎~

その日の俺は傍から見ていても落ち着いていなかったのだと思う。
何せ、小蒔に起こされた時からずっと和のご褒美が気になりっぱなしだったのだから。
流石に勃起する事じゃなくても、何度、自分の股間を弄りたくなったか分からない。
だが、それを理性でねじ伏せながら、俺はその月曜日というただでさえ憂鬱な一日を過ごした。

京太郎「(でも…それもここまでだ)」

そう思う俺が佇むのは和の家の前である。
ここ最近、急激に見慣れたその中には『ご褒美』を用意してくれている和がいるはずだ。
そう思っただけでムスコの先端がひくつき、疼きのような感覚が腰へと突き刺さる。
それを振り払うようにして俺はそっと腕を伸ばし、玄関前のインターフォンを鳴らした。

―― ピンポーン

確かに響いたその音に家の中が微かに慌ただしくなったのが聞こえた。
一体、和が何をしているのかは分からないが、どうやら先に帰っているのは確かなようである。
それに安堵する一方で、その慌ただしさが何なのか首を傾げる俺は…数秒後、ある一つの可能性に気づいた。

京太郎「(もしかして…早く来すぎたのか…?)」

和にも準備があるからと思い、俺は一応、小蒔を送り届けてからこっちに来た。
その際にバイトがあると小蒔に嘘を吐いたのは良心が傷んだが…まぁ、それはさておき。
俺としてはそれなりに時間を潰して和の家へとやって来たつもりなのだ。
だが、それはあくまで俺の感覚でモノを言っているに過ぎない。
実際、期待の所為か、俺が何時もよりも早く足を動かしていたのは確かだ。
それがどれくらいの時間短縮になったか分からないものの、和が想定していたよりも早く俺は着いた可能性は十二分にありえるだろう。


京太郎「(ま…とりあえず待っておくか)」
和「須賀君…ですか?」

そう思って、扉の前に立つ俺の耳に何処か機械的な和の声が届く。
思わずそちらに目を向ければ、インターフォンの前にあるカメラが動いていた。
何をしていたか分からないが、とりあえず玄関のカメラを操作出来る程度には手が空いたらしい。
それに一つ笑みを浮かべながら、俺はそっと口を開いた。

京太郎「ちわっす。宅配便です。須賀京太郎一人お届けにあがりました」

そう冗談めかして言うのは、その声がとても緊張していたからだ。
機械的な中でもはっきりと伝わってくるその強張りがどうしてなのかは俺には分からない。
だけど…それが『ご褒美』に関係している気がしてならない俺はどうしても見過ごせず、そうやって下らない冗談を飛ばした。

和「あの…周りに誰もいません…か?」
京太郎「ん?あぁ…今のところはな」

けれど、そんな冗談が実を結ぶ事はなかったらしい。
和の声は相変わらず緊張が強く、おずおずと俺へと尋ねてきていた。
それに俺は周囲を見渡すが、周りには人通りらしいものはない。
夕方とは言え、もう日が落ちかけている時間ともなれば、人通りもぐっと減る。
特にこの辺りは所謂、『高級住宅街』なのもあって、この時間に出歩いている人なんて殆どいなかった。


和「では…あの…鍵…開けますから…」
京太郎「おう。待ってる」

そんな人通りの少なさはここに住んでいる和自身が良く理解しているはずだ。
だが、和はわざわざ俺に聞いてくる位に、他人の事を警戒している。
それが一体、どうしてなのかは分からないが、きっとそれだけ凄いものを用意してくれているのだろう。
そう思うと否応なく俺の中で期待が高まり、ワクワクとした感情が胸の奥から湧き上がり続けた。

―― ガチャ

そんな俺の前で鍵が開く音がする。
しかし、数秒ほどそのまま待っても、和の家の玄関が開く様子はなかった。
それに首を傾げてさらに待っても、扉は微動だにしない。
その奥に和がいるらしき気配は感じるが、それだけだ。

京太郎「(開けて良いって事なのかな…?)」

どうやら理由は分からないが、和から扉を開けるつもりはないらしい。
ならば、こちらから開けるしかないだろう。
そう判断した俺はそっとドアノブに手を伸ばし、そのままゆっくりと引いていく。
カチャリという音と共に抵抗なく開かれていく扉。
その向こうに居たのは、俺の予想通り和ではあったが…その格好は予想の遥か上を吹っ飛んでいた。


和「お、おかえりなさいませ…だ、『旦那様』…」

そう何時もとは違う呼び方をしながら、顔を赤く染めて俺に恭しく頭を下げる和。
その身体に纏っているのは純白のエプロンと黒い布地がコントラストを描き出す可愛らしい衣服だ。
エプロンドレスをさらにフェティッシュに、そして可愛らしく変形させたその服はいっそエロいと言っても良いくらいだろう。
純白のリボンタイの下は谷間まで露出しているし、唯一、胸元を隠している白い布地も数個のボタンで止められているだけだ。
和の人並み以上に育ったおもちの所為で白い布地は今にもはちきれそうになっている。
しかも、そこには純白のフリルがあしらわれていて、ブラか何かに見えてドキドキさせられるのだ。
その上、エプロンの下にあるフレアスカートはとても短く、ちょっとした拍子にめくれ上がって下着まで見えてしまいそうである。
そんなスカートから純白のガーターベルトを身につけた太ももが見え隠れする様はフェティッシュを通り越してエロい。
それこそ見ているだけで襲いかかりたくなるくらいにエロくて興奮する衣装なのだ。

和「は、恥ずかしいから…早く閉めて下さい」
京太郎「あ…わ、悪い」

しかし、あまりにも興奮しすぎて、俺は和に見惚れてしまっていたのだろう。
瞬間、告げられる和の言葉に、俺は原村家へと踏み込みながら扉を閉めた。
それを確認した和がほっと安堵した表情を見せるのはやっぱり恥ずかしいからなのだろう。
ある意味では普段の和はコレ以上に露出度の高い服を着ている事もあるが、それはあくまでファッションとして認められる範疇だ。
だが、こうして俺の前に立つ和がしているのはファッションというよりは…コスプレに近い。

京太郎「えっと…それ…メイド服…だよな?」
和「え、えぇ…」

和が今、身に着けているそれは所謂、メイド服って奴だ。
今やテレビや雑誌を通して広がり、かなりの認知度を得ているそれを俺が見間違うはずがない。
何せ、俺の自家発電用の本にもそう言ったコスプレ系のものが少なからず混じっているのだから。
だが、それでもそうやって確かめるように言ったのは、目の前の光景が信じられなかったからだ。


京太郎「(和がメイド…だって…?)」

それは今まで俺が何度も自家発電に利用してきた妄想である。
普段、クールで気丈な和を侍らせ、夜は思いっきり愛して穢す自分勝手な妄想だ。
だが、それが今、俺の目の前で現実になろうとしている。
能力を自覚し始めてからこの方、信じられないことばかり起こって、こういった事に慣れてきたつもりだが…それでも目の前のそれは中々に信じがたい。
割りとノリノリな漫さんや性的な向上心溢れる小蒔ならともかく、お硬い和がそんな事に協力してくれるだなんて想像もしていなかったのだから。

和「…自作であんまり出来は良くないですけど…」
京太郎「え…これ和が自分で作ったのか!?」

勿論、専用の布や機械なんて使っていないのだから、既成品よりは劣っているのは確かだろう。
だが、こうして見ている分には、正直、既成品と見分けがつかない。
触ればまた違うのかもしれないが、少なくとも実際にそう言ったメイド服を目にした訳じゃない俺にとってそれは見事としか言い様がないものだった。

京太郎「普通に通販とかで売ってる奴だと思ってた…」
和「私も最初はそうしようと思ったんですけど…サイズがなくって…」
京太郎「あぁ…」

恥ずかしそうに俯く和が何を言いたいのかなんとなく分かった。
インターハイで会った宮守の姉帯選手ならばともかく、女性として平均的な和のサイズがないなんて事はない。
ただ、和は一部分だけ平均という領域を遥かに凌駕しているのだ。
今も尚、俺の目の前でメイド服を押し上げているその柔らかな膨らみは一般向けに作られている服には到底、収まらないのだろう。


和「それに私が好きなタイプの服ってあんまりないので、普段から自作して布も余ってましたし…」
京太郎「え…?今までのも自作だったのか…?」

驚きと共にそう尋ねる俺に和はコクンと小さく頷いた。
あの一見清楚っぽいのにやけに露出度の高い服は…どうやら自作だったらしい。
勿論、全部が全部ではないだろうが、俺が見てきた中には自作のものもあったのだろう。
それに感心とも驚きとも言い切れない感情を抱いた瞬間、和は俯き加減になりながら、ゆっくりと口を開いた。

和「変…ですか…?」
京太郎「いや…寧ろ、女子力高くて凄いって思ってた」

勿論、これまでも和が完璧で非の打ち所のない子だというのは知っていたつもりだ。
掃除洗濯炊事と全てを日常的にこなし、勉強も出来て、麻雀だって強いのだから。
そんな完璧超人と言っても過言ではない和の新しい一面には、もう凄いとしか言い様がない。
何時、嫁に行っても立派にやっていけるであろうその完璧さを料理以外はからっきしな咲にも見習って欲しいくらいだ。

和「そ、そう…ですか…」カァァ

瞬間、和はそっとその顔を赤く染める。
さっきまでの羞恥のものとはまた違ったそれはきっと歓喜を強くするものなのだろう。
だが、和はその視線を彷徨わせ、時折、チラリと俺を見てくる。
スカート部分をきゅっと握りながらのそれはまるで俺に何かを期待しているようだ。


京太郎「(そういや…漫さんにも言われたっけ)」

何処か小動物めいた和の姿に、俺の脳裏に漫さんの言葉が浮かんできた。
状況こそ少し違うが、俺の為にめいいっぱいお洒落してくれた漫さんの言葉は和にも通用するだろう。
しかし、そうと分かっていても、俺の口は中々、和が求めている言葉を紡がない。
チラチラとこちらを気にしてくる和の姿はとても可愛らしく、ついつい意地悪したくなってしまっていたのだ。

京太郎「どうしたんだ?さっきから俺のことをチラチラと見て」
和「そ、それ…は…あの…」

そうやって問う俺の前で和がしどろもどろになっていく。
まるで助けを求めるように首を左右に揺らすその姿は普段の冷静な和からは想像も出来ないくらいだ。
そんな感想を言って欲しいなら言って欲しいと言えば良いのに、素直になりきれない和の姿は微笑ましくて仕方がない。

京太郎「…可愛いよ。すげぇ似合ってる」
和「あ…♥」フニャァ

結局、俺はその微笑ましさに負けて、そう言ってしまった。
そんな堪え性のない自分に一つ苦笑めいたものを向けるが、まぁ、悪い気分じゃない。
そう思うのは俺の目の前で和の顔が明るくなり、そしてにやけていく様を見れたからだろう。
俺でも滅多に見れないそれにが見れただけでも、こうして負けた甲斐はあったと心から思える。


和「むぅ…」スネー

だが、そんな俺が思わず微笑みを浮かべてしまった事で、和も自分がからかわれていた事に気づいたのだろう。
その頬を小さく膨らませながら、拗ねている事をアピールしていた。
だが、そんな様も可愛らしいと思うのは、頬がやっぱりにやけ気味だからか、或いは惚れた弱みだからか。
そのどちらでもありそうだと思いながら、俺は誤魔化すように口を開く。

京太郎「それで…大体、分かってるんだけど…『ご褒美』は何なんだ?」

勿論、ここまで来て和が俺に何をしてくれようといたのか分からないほど俺は鈍感じゃない。
折角、自分でメイド服を作ってまで、俺に『ご奉仕』してくれようとしているのだろう。
だが、それを自分から口にするのはあんまりにも勿体無い。
今のシチュエーションというものを和がとても恥ずかしがっているのだから、まずは和から反応を引き出すべきだろう。

和「そ、その…須賀君は…新人戦でも四回戦まで頑張りましたけど…もうちょっと先には…秋季大会もあります…」
京太郎「そうだな。大変だ」

そんな俺の企みなど和にはバレバレなのだろう。
それでも和は顔を羞恥で染めながら、おずおずとそう言葉を紡ぐ。
まるで自分から俺の罠へと飛び込もうとするその様は従順を通り越して、可愛らしい。
フェティッシュ全開のミニメイド服が誘うようにヒラヒラと揺れるのも相まって、今すぐベッドへと連れ込みたいくらいだ。


和「で、ですから…その間にまずは…須賀君をリフレッシュさせてあげようと思いまして」
京太郎「へぇ…それは嬉しいな。で、具体的には何をしてくれるんだ?」

リフレッシュと一口に言っても、その範囲はあまりにも広すぎる。
例えば、マッサージだってそれに入るだろうし、和が最近やってくれている食事の準備もそうだろう。
もっと低ければ、ただの話の聞き役でさえ、『リフレッシュ』に入ってしまうのだ。
勿論、和がどういったものを想定しているかなんて分かっているが、やっぱり言葉としてはっきりと引き出しておきたい。
そう思って尋ねる俺の前で和はブルリと肩を震わせ、熱いため息を漏らした。

和「な…何でも…です…♪和は今から…旦那様の従順なメイド…ですから…♥」

それだけで和はもう完全にメスの表情になってしまっていた。
欲情に頬を染め、目元を潤ませるその顔に俺はついついドキリとしてしまう。
もう何度も和のそんな表情を見てきたとは言え、それはあまりにも魅力的なのだ。
思わず自分の中でもスイッチがカチリと入り、頭の中が興奮で満たされるのを感じてしまうくらいに。

京太郎「和…」
和「あふ…♪」

その興奮に突き動かされた俺は和をぎゅっと抱き寄せる。
玄関と廊下という高低差の所為か、俺の顔の前に丁度、和の顔がやってきた。
今にもキス出来てしまいそうなその距離に、和は幸せそうに目を細める。
そんな和の唇を思いっきり貪ってやりたくなるが、それでも幾つか確認しておかなければいけない事があった。


京太郎「ご両親は?」
和「今日は…帰って来ないそうです…♪だから…今日はずっと…和は『和』で居られますから…♥」

甘えるようにそう言いながら、和の腕も俺の首の後ろへと回った。
まるで俺を誘うようなそれに思わず笑みが溢れる。
その表情を見た時から分かっていた事とは言え、どうやら和はかなり発情しているらしい。
きっと今も欲求不満を解消するのに最高と言っても良い状況にドキドキしているんだろう。

京太郎「じゃあ、今日は一杯、和の事を愛してやれるな」
和「ふあ…♥嬉しい…嬉しい…です…♥」

そんな和の耳元でそっと囁けば、和の全身がブルリと震える。
ここ最近、急速に敏感になっている和はきっとそれだけで感じているのだろう。
下手をすれば髪を撫でている時にも快感を得ているのではないかと思うくらいだ。
そして、俺はそんな敏感な和の姿が、とても愛しく、そして滅茶苦茶にしてやりたいと思ってしまう。

京太郎「…だから、まずは紅茶でも淹れてくれないか?」
和「…ふぇ?」

だからこそ、紡いだ俺の言葉に和は驚きながらそう聞き返してくる。
欲情で蕩けたその顔を、驚きで固める様は微笑ましく、同時に俺の企みが成功した事が伝わった。
それに自分の胸の中で歪んだ支配感が満足していくのを感じながら、俺は言い聞かせるように口を開く。


京太郎「メイドと言えば、紅茶だろ」
和「そうなん…ですか?」

勿論、それは口から出任せだ。
そこまで熱心なメイドフリークという訳でもないので何とも言えないが、俺の知る限り、そこまで密接な結び付きはないのだから。
それよりも俺の中では性的奉仕なイメージの方が強い…というのは、まぁ、さておいて。
ともあれ、こうしてメイド服を作った和にだって、恐らくメイドに関する深い知識がある訳じゃないだろう。
どうしてメイド服を作ろうと思ったのかは分からないが、そう俺に尋ねる表情は違和感を感じているようには見えない。
俺がちょっと言いくるめれば、根が素直な和が従順に従ってくれる事は目に見えていた。

京太郎「あぁ。だから、まずは俺の大好きな和に…暖かい紅茶を淹れて欲しいんだ」
和「んぅ…♪」

瞬間、和の腕はぎゅっと俺にしがみつき、制服を握りしめた。
まるで自分の身体の内では収まらない歓喜を俺に伝えようとするようなその仕草に俺の腕も動き出す。
抱き寄せた和の腰を優しく撫でる俺の腕に彼女はさらに身を寄せた。
自然、密着するほど近づいた俺達の間で和の胸が歪み、柔らかな感触を伝える。
厚手の冬服越しでもはっきりと分かるそれは、恐らく和がノーブラだからなのだろう。

和「それが旦那様のご命令なら…和は頑張ります…♥」
京太郎「あぁ。期待してる」

そう思っただけで再び自分の中で欲望が燃え上がりそうになるのを俺は必死になって抑えこむ。
ここで俺が暴走してしまったら、こうやって和に格好つけている事も全部、無駄になるのだから。
勿論、そうやって襲いかかるのも悪くないのは確かだが、折角、和がこうして『ご褒美』をくれているのだ。
理性を投げ捨てるのは、まずはそれらをたっぷりと楽しんでからにしても悪くはないだろう。
そう思いながら、俺は和に誘われるようにしてリビングへと上がり、彼女の紅茶に舌鼓を打つのだった。









~和~

―― 和の旦那様はとても意地悪です。

これまで旦那様に和が意地悪された回数なんて、両手の指では足りません。
それこそほんの少しの隙でも見せてしまえば、旦那様は辱めようとしてくるのですから。
勿論、それが旦那様なりの愛情表現なのだと理解しているが故に…そうやって意地悪されるのは嫌ではありません。
それに…和は意外とその…そうやって愛されるのが好きで、口では嫌だと言いながらも…胸をときめかせてしまうのです。

和「(でも…今のそれは正直、辛くて…)」

今、旦那様と和はリビングのソファーに座ってテレビを見ていました。
和の肩に親しげに手を伸ばし、ぐっと抱き寄せる旦那様の逞しさにさっきからドキドキが止まりません。
いえ…欲情混じりのその興奮はかなりのもので、未だ触られていないはずの乳首も硬くなっていました。

和「(そう…和は…まだ何もされていないのです)」

旦那様を迎え入れてから、既に一時間ちょっと。
その間、旦那様は和に触れはするものの、エッチな事は何一つしてくれませんでした。
時折、和に熱い視線を向けるものの、すぐにそれを繕った平静の向こう側へと隠してしまうのです。
その度に肩透かし感を味わった和は…既に身体が熱く滾り…旦那様が欲しくて堪らなくなっていました。


京太郎「…たまにはドラマの再放送も良いな」
和「そ、そう…です…ね…」

そう言う旦那様の視線はテレビに向けられつつも集中していません。
その目はチラチラと和の太ももや胸元へと向けられ、とても意識してくださっているのが分かります。
きっと旦那様もエッチな事がしたくて仕方がないのでしょう。
だけど…旦那様はそんな自分を抑えこみ、殆ど見てもいないドラマの当たり障りの無い感想を口にするのでした。

和「(勿論…旦那様が何がしたい…いえ…何をさせたいのかなんて…分かってます…)」

和と旦那様の気持ちは一つ。
けれど、それでも旦那様が和に応えてくれないのは…辱める為でしょう。
もっと具体的に言うならば…旦那様は和にオネダリをさせたいのです。
勿論、和もそれに応えたいし、その為の言葉も脳裏に浮かんできていました。

和「(でも…今の和はメイドで…)」

それをそのまま言葉に出来ないのは、メイドという足かせの所為です。
調べた限り、メイドというのはあくまでも従者であり、主導権は旦那様へと渡さねばなりません。
少なくとも参考文献として読んだ本では、そう言ったものが大半でした。
だからこそ、旦那様に構って貰えない寂しさを紛らわせる為の自慰も捗ったのですが…ま、まぁ、それはさておいて。
そんなメイドならば、旦那様に喜んでもらえると思った和にとって、自分からオネダリをするというのは前提を覆すものだったのです。


和「(色々…自分なりに誘惑してみたのに…)」

紅茶を淹れ終わった頃には流石の和も旦那様の意図に気づいていました。
それから和なりに身体を預けてみたり、旦那様の肌を撫でてみたりとアピールして来ましたが、一向に旦那様からの許しはありません。
まったく何でもないような顔をしながら、紅茶を褒め、テレビ鑑賞へと誘ってくださったのです。
勿論、そういった旦那様との何でもない触れ合いにも飢えている和にとって、それは嬉しさで胸が一杯になるものでした。
しかし、かと言ってそれで欲求不満や今まで膨れに膨れ上がった期待が解消出来るかと言えば決してそうではないのです。

和「旦那様…ぁ♥」
京太郎「ん?どうした?」

その欲求不満に突き動かされるように、和はついついそう旦那様を呼んでしまいます。
甘えるようなその言葉に、旦那様は和の我慢が限界に近い事を悟ったのでしょう。
白々しく答えるその顔にはニヤニヤという意地悪いものが浮かんでいました。
何処か粘っこく思えるそれは普通であれば不快にしか思えないものでしょう。
しかし、こうして旦那様に調教をされ続けている和にとって、それは興奮を擽られるものでした。

和「もう…もう和は我慢出来ません……♪」
京太郎「我慢って何の事だ?」

そう尋ねるように言いながら、和の太ももはモジモジと動いてしまいます。
瞬間、クチュリとスカートの中で粘液が擦れる独特の水音が響きました。
旦那様にすぐさま襲いかかってもらえると思っていたので、下着なんて身につけていません。
自然、アソコからダダ漏れになった愛液が太ももへと絡みつき、それが淫らな水音を鳴らしているのでしょう。
そう思うと興奮がさらに昂ぶり、お腹の奥がキュンと締め付けられるのを感じました。


和「こんな風に焦らされ続けたら…和は…もぉ…♥」

瞬間、和は旦那様へと向き直り…ギュッと旦那様の制服を掴みました。
それに頭の何処かで皺になってしまうという訴えが浮かびますが、和の手が旦那様から離れる事はありません。
まるで縋るようにその胸の部分を握りしめ、身体をゆっくりと近づけていくのです。
身を寄せるのではなく、最早、襲いかかろうとしているようなそれに、しかし、旦那様は余裕を崩しません。
制服のズボンの中でオチンポが張り切れそうなほど大きくなっているので興奮していない訳ではないのでしょう。
ですが、それでも平静の仮面を崩しきらず、密着した身体を優しく抱きとめてくれました。

京太郎「何を焦らされてるって言うんだ?分かりやすく言ってくれよ」
和「や…ぁ…♪そ、それは…ぁ…♥」

そのまま背中へと回る旦那様の腕に身体がさらに欲情を強めました。
自然、膨れ上がる落ち着かなさに和の身体がモジモジします。
自分の中で収まり切らない欲情を発散しようとするそれは、しかし、和を抱きとめる旦那様の逞しさをより強く感じさせるものでした。
結果、和は欲情を発散するどころか余計に興奮し、旦那様の腕の中でブルリと身を震わせてしまうのです。

和「旦那様の意地悪ぅっ♪こんなの…こんなの嫌いになっちゃいますよぉっ♥」
京太郎「…それは嫌だなぁ…」

まるで全身の毛が逆立つような大きな震え。
それと共に放たれたメイドらしからぬ和の言葉に、旦那様はポツリと返しながら、頬をそっと撫でてくれます。
優しげなそれに導かれるように旦那様の顔を仰ぎ見れば、そこには強い興奮と冷たい視線がありました。
平静の仮面を脱ぎ捨て、その身に押さえ込んだ欲情を示しながらも、瞳だけは冷たいその表情。
それに背筋がゾクゾクと気持ち良さを走らせた瞬間、旦那様はゆっくりとその唇を動かしました。


京太郎「そんなに俺の事が欲しいのか?」
和「はい…っ♥はいっっ♪♪欲しいですっ♥旦那様の事が欲しくて欲しくて堪らなかったんですっ♪♪」

ようやく齎された旦那様の言葉。
それに便乗する形で大きく頷く和にはもう躊躇なんてありませんでした。
それは和のイメージしていた『メイド』とは違いますが、けれど、旦那様の言葉に嘘なんて吐けません。
そのロジックで結局メイドをやり切る事も出来なかった自分への失望感を誤魔化しながら、和はそっと息を吐きました。

京太郎「メイドなのに主人より先に我慢出来なくなるだなんて…和は本当にエッチが好きなんだな」
和「う…ぅぅ…♪い、意地悪しないで下さいぃ…♥」

勿論、そうやって言われるほどの事をやっているという自覚は和にもありました。
幾ら旦那様の方から尋ねられたとは言え、そんな風にオネダリするなんて淫乱もいい所です。
その程度で旦那様が軽蔑するとは思っていないですが、やっぱり揶揄されるように言うのは恥ずかしくて堪りません。
幾ら頭の中がトロトロになっていると言っても、そういった羞恥心まで完全に投げ捨ててしまった訳ではないのですから。

京太郎「はは、悪いな。和の反応が可愛くて…つい」
和「ん…ふぅ…♪」

しかし、そう言って旦那様が優しく和の頬を撫でてくれるだけで和の中の羞恥心はあっという間に欲情と歓喜へと変貌しました。
まるで最初からそうなる事が定まっていたかのように綺麗に溶けていくそれは、もしかしたらポーズだったのかもしれません。
旦那様に可愛いと言われたくて、そして、意地悪されたくて…ついつい無意識の内にとってしまう偽りの姿。
そんな事を思ってしまうくらいのその変化に和は肩を震わせ、快感を全身へと伝わらせてしまいます。


京太郎「でも…その分、和のこと、一杯気持ち良くするから許してくれ」
和「ふぁぁ…♪」

そう言いながら旦那様が触れるのは和の胸元でした。
密着した和のそこをゆっくりと引き離そうとするそれに身体からふっと力が抜けていきます。
自然、和と旦那様の間に生まれたスペースを旦那様の腕が這いまわりました。
シュルリと首元のリボンタイを解きながら、胸元を止めたボタンを外していきます。
まるで最初から脱がし方を把握していたように思えるそれは手際が良いと言う他ありません。

和「(或いは…最初から…ずっと考えていたのかもしれません…ね…♥)」

何せ、旦那様はさっきから興奮した目で和の事を見つめていたのです。
特にその胸元には視線が厳しく、白くて薄い布地越しにはっきりとその視線を感じていたほどでした。
てっきりそれはおっぱいに並々ならぬ執着を見せる旦那様の熱意に因るものなのだと思っていましたが、もしかしたら観察だったのかもしれない。
そう思うとその手慣れた指先からも旦那様の興奮が伝わってくるような気がして、和はつい笑みを浮かべてしまいました。

和「はん…ぅ♥」

その瞬間、旦那様の指先が全てのボタンを外し終えました。
自然、胸元を覆っていた白い布は項垂れるように落ち…和の胸元が顕になります。
興奮と欲求不満で何時もよりも張っているその頂点には勿論、サーモンピンクに近い乳首がピクピクと動いていました。
まるでオスを誘おうとしているようなはしたないその動きに旦那様の熱い視線が突き刺さり、和の性感をジクジクと刺激するのです。


京太郎「乳首の形浮き上がってたから分かってたけど…やっぱりノーブラなんだな」
和「あひゅぅっ♪」

そう言いながら、旦那様は和の胸へと触れてくれます。
たっぷりとした大きな膨らみを周辺からそっと撫でる手つきは思いの外、優しいものでした。
揉むというよりも撫で回すに近いその愛撫に、和のおっぱいはゆっくりと熱くなっていくのです。
けれど、それだけではない…と思うのは和がもう旦那様にかなりの敏感体質に改造されてしまっているからでしょう。
実際、そうやって撫でられるだけでビリッと微かな快感が走り、乳首の付け根をピリピリとさせるのです。

京太郎「それだけ期待しててくれたのか?」
和「…はい…♪和は…旦那様に愛してもらえるのを…ずっとずっと心待ちにしていたんです…っ♥」

嗜虐的に尋ねる旦那様のその言葉に、和は小さく頷きながらそう答えました。
勿論、そうやって劣情を吐露するのは恥ずかしいですが、和の期待は到底、誤魔化せるものではありません。
何せ、今の和はブラがないだけではなく、ショーツさえも身に着けていないのですから。
その上、乳首は硬く勃起し、アソコから熱い汁が漏れているとなれば、誰だって一目で和の期待を見て取ってしまう事でしょう。

京太郎「そうだな。こんな服を自分で作って…メイドになりきるくらいに期待してくれてたんだよな」
和「は…ぅ…ぅ♪」

揶揄するように頷く旦那様の言葉に和は背筋を微かに震わせてしまいました。
だって、それは否定しようのないくらいに事実だったのですから。
勿論、そうやってメイド服の制作に着手したのは旦那様の『ご褒美』が目的です。
日頃、頑張ってくれている旦那様の事を思いっきり労ってあげたいと思ったのが一番の理由でした。
しかし、その中にこうして旦那様に愛してもらえる事に対する期待がなかったとは到底、言えないのです。


和「(だって…和は旦那様にエッチにされたのにぃ…♥)」

けれど、最近はお互いに忙しくて、その欲求不満を解消する暇がありませんでした。
唯一、二人っきりになれる特訓の時間も、神代さんの参加によってなくなってしまったのですから。
それでも和がかつて約束した事だけはしっかり護ってくれていますが、身体の疼きはなくなりません。
旦那様によって、淫乱になった身体は…もう自慰ではろくに慰める事さえも出来ないのですから。

京太郎「何度も言うけど…すげー嬉しいよ。マジ感激してる」
和「ん…っ♥」

そんな和を唯一、満足させてくれる旦那様の囁きに思わず胸を震わせてしまいます。
嗜虐性をむき出しにするようなさっきまでのものではなく、等身大の『須賀君』としての言葉。
素直にその喜びを和へと伝えてくれるそれに胸の奥が高鳴りました。
瞬間、沸き上がってくる陶酔混じりの歓喜がおっぱいをより一層、敏感にし、和の口から声を漏らさせるのです。

京太郎「でも、ごめんな。そこまで欲求不満にさせていたなんて、正直、想像もしてなかった」
和「じゃあ…どうして焦らしたんですかぁっ♪」

そうやって謝罪する気持ちは本心なのでしょう。
和の前でおっぱいをサワサワと撫でる旦那様の顔には申し訳なさが浮かんでいたのですから。
ですが、それを素直に受け止めるにはこれまでの旦那様はあまりにも意地悪すぎたのです。
それこそ歓喜で頭が一杯になっている和でもついついそう言ってしまうほどに。


京太郎「それはそれ。これはこれだ」
和「もぉ…っ♪旦那様は…スケベですぅ…♥」

けれど、その追求を旦那様はニヤリと笑いながら躱しました。
何処か意地の悪いそれは恐らく再び旦那様の中で嗜虐性が燃え上がっている証なのでしょう。
そう思うと和のお腹の奥がまたキュンと反応し、旦那様がさらに欲しくなってしまいました。
自然、奥から熱い汁が漏れだすのを感じながら、和はモジモジと太ももを擦れあわせてしまうのです。

京太郎「おいおい、主人相手にそんな口を聞いていいと思ってるのか?」
和「くぁぁっ♥」

瞬間、和に襲いかかったのは、今までとは比べ物にならない刺激でした。
ぎゅっと乳腺ごと揉むようなそれに和の乳房が大きく変形します。
歪んでいると言う言葉では収まらないそれは普通であればかなりの苦痛を覚えるものでしょう。
実際、旦那様によって淫らになった和の身体にも微かな苦痛を伝えるくらいでした。

和「(でも…それが良いんです…っ♪気持ち良くて…堪らないんです…ぅ♥)」

勿論、和だって痛いのは嫌です。
ですが…それが旦那様の手によるものだと思うと堪らなく気持ち良く思えてしまうのでした。
まるで旦那様にされるものであれば、何でも嬉しいと言うようなそれに…和の身体は戦慄きます。
けれど、その最中にも和のおっぱいは休まずに快感を放ち続け、和の全身を熱くするのでした。


京太郎「って…なんだ?こんなに強いのでも感じてるのか?」

そう言う旦那様の声には白々しいほど驚きがありませんでした。
それも当然でしょう。
何せ、旦那様はこれまでに…そうやって激しい愛撫を何度かしてきているのですから。
和が今、苦痛よりも快感の方を強く感じられているのも、旦那様のそう言った調教のお陰です。
そうでなければ、根がヘタレで…そして、それ以上に優しい旦那様は、そんな風に和の事を虐める事は出来ません。

京太郎「本当に和は根っからのマゾ奴隷なんだな」
和「はひゅぅ…♪」

勿論、そんな和の思考が伝わった訳ではないのでしょう。
しかし、旦那様のその言葉はまるで和の思考を咎めているような気がして、肌がビリリと震えました。
瞬間、和のお腹の奥がぼっと熱くなり、そこに快感が集まっていくのを感じます。
まるで今の言葉で完全にスイッチが入ってしまったかのような和の身体。
それに和が身動ぎしようとする動きを、旦那様の指先が阻害しました。

京太郎「何を逃げようとしているんだ?」

そう冷たく言い放つ旦那様の指先は和の柔肉をもみ始めていました。
その指先は嗜虐的ではあっても、さっきのように暴力的ではありません。
普通の甘い快感が和の中で響き、乳首の疼きを強くするのです。
そして、それに淫乱な和の身体は耐えられず、ふにゃりと蕩けて、身動ぎ一つ出来ませんでした。


和「ち、違い…ますう♪…我慢…出来なくて…ぇ♪」
京太郎「何が我慢出来ないんだ?」

勿論、和が逃げようとしていた訳ではない事は旦那様にはお見通しなのでしょう。
下手をすれば和よりも和の身体を熟知している旦那様が、今更、それを見間違うとは思えません。
それもこれも…和を辱める為の方便であり、嘘に過ぎないのです。
しかし、そうと分かっていても…そうやって踏み込む旦那様の声にドキドキは収まりません。
寧ろ、詰問するようなその姿に興奮が強くなり、和の中でドロリとした被虐的悦びが強くなっていくのが分かりました。

和「ご、旦那様にマゾ奴隷って言われて…和は…い、イキそうになってたんです…ぅ♥」

そんなドロドロとした悦びに突き動かされながら、淫らな告白をする和。
それはもう誰がどう見てもマゾそのものなのでしょう。
矜持も何もかもを投げ捨てて、旦那様に心から屈服するのを悦ぶ…淫らな愛玩奴隷なのです。
そう思っただけでマゾ奴隷でもある和の胸はキュンと締め付けられ、胸の奥で疼きが強くなっていきました。

京太郎「罵られただけだぞ?」
和「は、はい…ぃ♪」
京太郎「酷いことを言われたんだぞ?」
和「そう…です…ぅ♥」
京太郎「それなのに…イきそうだったのか?」

まるで一歩一歩、和を追い詰めるような旦那様の言葉に…和の胸はブルリと震えます。
その奥底から沸き上がってきたドロドロとした陶酔混じりの波は小さなさざなみのようなものでした。
しかし、旦那様に罵られる度にドンドンと大きくなっていき、何時しか、和の肌へとぶつかるほど大きなものへと変わっていくのです。
マゾヒスティックな悦びを強く感じさせるそれは、恐らく…心で感じるオルガズムなのでしょう。
さっきのようにイキそうになったのではなく…和は今、確かに旦那様に罵られているだけでイッてしまったのです。


京太郎「今、イッたな?」
和「んひぃっ♪♪」

それが旦那様にははっきりと分かったのでしょう。
その目の冷たさを強くしながら、旦那様はぐっと和の乳房を揉みあげました。
既に出来上がっている谷間をさらに深くしようとするようなそれに柔肉は再び歪みます。
しかし、そこにはもう苦痛らしきものはなく、あるのはただ、マゾの悦びと快感だけでした。

京太郎「男みたいに何か出る訳じゃなくっても…表情だけで分かるんだからな」

そう強く言い放つ旦那様の目は和の目元と口元に向けられていました。
和には分かりませんが、きっとそこは蕩けきって淫らなものになっていうのでしょう。
確信めいた旦那様の言葉は、それだけ和の変化が著しく…そして日頃から和の事をつぶさに見てくれているのを教えてくれました。

和「(だって、そんなの…ずっと見てくれてないと…分からないはずなんですから…♥)」

こうして愛し合う時にも旦那様は比較的冷静です。
しかし、それは興奮を嗜虐的な仮面で覆い隠した偽りのものでしかありません。
本当の旦那様は…今も痛々しいほどに勃起しているように…とても興奮してくれているのです。
ですが、旦那様はそれを制御しながらも和を悦ばせ、こうして絶頂の有無を言い当てられるくらいに日頃から見てくれている。
それだけで言い知れない喜びが胸の内を支配し、和の心を蕩けるような熱で包み込んでいくのでした。


京太郎「やれやれ…まさかこんなに変態になるだなんて思ってもみなかったな」

ですが、その熱は旦那様の呆れるような言葉で霧散していきました。
勿論、それは和にだっていつも通り、和を追い詰める為の方便に過ぎない事くらいは理解しているのです。
しかし、もしかしたら旦那様に見捨てられると考えただけで、心の中がサァァと冷めていくのでした。
それこそ今までの興奮を全て恐怖へと転じるようなそれに和の目の前が一瞬、暗くなるのを感じます。

和「い、嫌です…っ!み、見捨てないで下さい…!!」

瞬間、欲情も悦びも何もかもを振り払いながら、和はそう旦那様へと縋り付きました。
和はもう旦那様抜きでは生きていけない身体にされてしまったのです。
一人では欲求不満一つ癒せない和が旦那様に見捨てられたら…本当に気が狂いかねません。
たった一週間ほど愛してもらえなかっただけでこんなにも寂しがっているのですから…それが永遠ともなると想像もしたくないほどです。

京太郎「何を言ってるんだ。俺が和の事を見捨てる訳ないだろ?」
和「あ…ぁ…♥♥」

そんな和の不安を旦那様は言葉一つで吹き飛ばしてくれました。
絶望的と言っても良い不安から一転、安堵へと変わっていくその感覚はさっきの転落よりも急速なものです。
それこそ変わっていく変化を処理しきれなくなるほどのそれに和の目尻がぐっと熱くなるのを感じるほどでした。
それに思わず声をあげながら、身を震わせる和の前で、旦那様は優しく微笑んでくれるのです。


京太郎「…何時だって俺にとって和が一番だ。どんな和になっても…俺は好きだよ」

言い聞かせるようなそれは和の『ご主人様』としてのものではなく、『須賀京太郎』としてのものなのでしょう。
だからこそ…和はそれが嬉しく、胸の奥まで蕩けてしまうのです。
それはきっと…不安から安堵に変わっただけだからではありません。
しかし、そう自分で自覚しながらも、和はその感情からそっと目を背けました。
そうやって誤魔化せるのは…そう長い間ではない。
そう理解しながらも…それに目を向けるには、今はまだ色々と問題が多いのですから。

京太郎「だから、安心してもっと変態になってくれよ。俺は間違いなく…その方が嬉しいんだからさ」

そんな和の前で旦那様は微笑みながら、その手を再び動かしました。
さっきの和の狼狽に旦那様も申し訳なく思っているのか、それはとても優しく暖かなものです。
しかし…そんなものではもう完全に欲情した和の身体を慰めるのには足りません。
ましてや、今の和の脳裏には『気づいてはいけない感情』がさっきからチラチラと顔を出し、行為に集中しきれないのです。
そんな和にとって今の愛撫は物足りなく、焦らされているようにも感じるくらいでした。

和「もっと…激しくして下さい…っ♥和を…一杯…虐めて欲しいんです…っ♪♪」
京太郎「…へぇ」

それが嫌で思わず口走った淫らなオネダリ。
それに旦那様はニヤリと笑って、再び嗜虐性を顕にしてくれました。
見ているだけでまたマゾイキしちゃいそうなくらい…意地悪なそれにお腹の奥がキュンキュンと唸ります。
まるで今すぐそのオチンポをねじ込んで欲しいと訴えるようなそれに和が足に力を入れた瞬間、旦那様の手は再び和の乳房を揉みしだきました。


和「ふきゅぅっ♪♪」

最初のそれと殆ど差のないその愛撫に和は思わず鳴き声めいた声をあげてしまいます。
口から絞りだすようなそれに、しかし、旦那様の手は止まりません。
寧ろ、ぐっと柔肉を手で挟み込み、そのままグニグニと弄んでくれるのです。
その被虐的な快感に和の背筋はピクンと跳ね、旦那様の服をさらに強く握りしめてしまいました。

京太郎「折角、辛そうだったから優しくしてやろうとしたのに…和は虐められるのが好きなのか」
和「は…ぃぃ…♥和…マゾですからぁっ♪旦那様に調教された…マゾ奴隷なんです…っ♥」

からかうように言う旦那様の言葉に和は震える声でそう返しました。
その度に心の奥底が熱く、そしてむず痒くなり、和の中にドロドロとした悦びを広げます。
最初のものよりも激しいとは言えないそれは、しかし、確かな快楽として和の中に響きました。
まるで口走った自分の言葉が事実なのだと身体に教えこむような感覚に和のタガが緩んでいくのです。

和「旦那様にされるなら…何でも良いのっ♪♪痛いのも…旦那様に与えられるなら幸せになっちゃうんです…♥」
京太郎「へぇ…なら…」
和「はひゅんっ♪♪」

快楽を求めてしまう貪欲なメスの本能。
それが少しずつむき出しになっていく和の口から、そんな言葉が飛び出しました。
それに旦那様がニヤリと笑った瞬間、和の胸に何か硬い感触が突き刺さります。
ぐっと肌を押し込むようなそれは指から与えられる感覚よりもさらに鮮烈でした。
そこに沢山の力が入っている所為か、突き刺さるように感じる硬い感触に和の身体はビクンと跳ねるのです。


京太郎「こういうのも嫌いじゃないんだな?」

旦那様のその言葉は和の本心を的確に言い表していました。
もう興奮に汗を浮かべるほどになった和にとって、それは紛れも無い快感なのですから。
その上、硬い感触 ―― いえ、旦那様の爪が突き刺さる部分からは疼きにも似た甘い熱が広がるのです。
まるで、もっとしてほしいと訴えるような自分の反応を誰よりも間近で感じて、それを嫌いになれるはずがありません。

和「ら…らい…好きですっ♥痛いの気持ち良い…っ♪おっぱい鷲掴みにされて…和、感じてるんです…っ♪♪」

それをストレートに旦那様へと伝えながら、和はもじもじと身動ぎを始めました。
自然、鷲掴みにされたままの柔肉がさらに変形し、和の被虐感を掻き立てます。
ですが、それでも和の身体が満足するかと言えば…決して肯定は出来ません。
旦那様によって調教され、そして今も興奮させられている和の身体はさらなる快楽を求め始めていたのですから。

和「でも…和…これじゃ…足りないんです…♥おっぱいだけじゃ…和は…ダメな子になりますぅ…♪♪」

そう付け加えるのは和の中の欲求不満がさらに燃え上がりつつあるからです。
勿論、今の愛撫はとても気持ち良く、これだけでもイく事はそれほど難しくはないでしょう。
ですが、旦那様にあの手この手で弄ばれた身体は今よりもっと気持ち良いものを知っているのです。
自然、興奮した身体はそれを求め、全身に疼きを走らせていました。
特に強いのが和の乳首で、さっきから触れてもらえそうで触れて貰えないギリギリの距離に身悶えするようにピクピクと震えているのです。


和「だから…乳首を…ぉ♥和のエロ乳首…虐めてください…っ♪♪旦那様の手で一杯、コリコリぃひぃっ♪♪」

そこまで言った瞬間、和の声が唐突に上擦ってしまいました。
それは勿論、旦那様の手が和の乳首を摘んだからです。
親指と人差指で斜めから挟み込むそれは、それほど強い力が入っている訳ではありません。
根が優しい旦那様はきっとまずは和の反応を見て、最適な力加減を探っていくつもりなのでしょう。
しかし、それでもずっと焦らされっぱなしだった乳首は気持ち良く、胸の奥まで激しい電流を流しこむのでした。

和「旦那…様ぁ…♥」
京太郎「まったく…言われもせずにオネダリするなんて…和は本当にダメな奴隷だな」
和「ふぁ…あ…♥」

その快感を旦那様に伝えようと口を開いた和。
しかし、それを制するように旦那様は言葉を紡ぎ、和の乳首をクリクリとこね回してくださるのです。
それだけで背筋を強張らせて快感を全身へと広げる和の前で旦那様がニッコリと微笑みながら、頬にキスを下さいました。
まるでそんな和が好きだと言外にアピールするようなその仕草に自分の中でゾクゾクが膨れ上がるのを感じます。

和「はい…っ♪和はもう旦那様なしじゃいけないダメな奴隷なんです…ぅ♥旦那様に愛して貰えないと…寂しくて泣いちゃう…ダメ愛玩奴隷ですからぁ…♥♥」

そこまで言いながら言葉を区切った瞬間、旦那様の左右三指が再び動き出しました。
親指と人差し指乳首を摘みながら、まったく別の動きをするそれは器用と言う他ありません。
しかし、それでも手全てを使い切る愛撫に比べれば、何処かぎこちなく、指にも力が入っていませんでした。
結果、気持ち良いものの被虐感が薄れた和は我慢出来ず、胸の内の衝動に突き動かされるようにして唇を動かしてしまうのです。


和「もっと…調教して下さい…♥旦那様に溺れるまで…旦那様が満足するまで…和を愛して下さい…っ♥♥」
京太郎「はは。そんなの…言われるまでもないっての」

和の言葉を当然の事だと言うように笑い飛ばす旦那様は、その顔をにやけさせていました。
何だかんだ言いながらも…旦那様はそうやって和にオネダリされるのを喜んでくれているのでしょう。
それを感じさせる変化に、和もまた笑みを浮かべてしまいました。

京太郎「和は俺のモノだ。他の誰のモノでもなく…俺の大事な宝物なんだからな」

ですが、旦那様にとってはそれが気に入らなかったのでしょう。
和の前でそう言葉を紡ぎながら、その顔を引き締めるのでした。
まるで無理やり、旦那様に戻ろうとするようなその姿は何処か可愛らしく、胸の奥がトクンと高鳴るのを感じます。
興奮とも欲情とも被虐感ともまったく違う暖かで優しいそれに和の意識が引きずられそうになった瞬間、旦那様は和の胸をぐいっと自分の方へと寄せるのでした。

京太郎「飽きたり満足する事なんて絶対にない。一生掛けてしゃぶり尽くしてやるから…覚悟しろよ」
和「んふ…ぅっ♪♪」

そのまま旦那様は和の右乳首をそっと口に含んでくれました。
瞬間、強引に引っ張られるような感覚の中に生暖かな粘膜の感触が付け加わります。
まるで引き伸ばされるように変形する乳房を労るようなその優しい感覚に和は思わず吐息を漏らしてしまいました。
陶酔混じりの熱いそれは決して不快感を混じらせるものではなく、快感よりも心地好さを強くするものです。


和「くひぃぃぃぃん♥♥」

けれど、それに身を委ねそうになった瞬間、左側の乳首が凄まじい圧迫感を感じました。
悲鳴のような声をあげながら、和がそちらに意識を向ければ、そこには旦那様の指で押しつぶされる和の乳首があったのです。
それこそ2つの指が密着してしまいそうなほど強い力が篭ったそれは嗜虐的で、暴力的でした。
しかし、旦那様にマゾ調教された和にはそれが堪らなく気持ち良く、肩をブルリと震わせてしまうのです。

和「(意地悪なのに…優しい…なんてぇ…ぇ♪♪)」

左右の乳首から伝わるまったく異なる快感。
それはまるで旦那様そのもののように強烈な二面性を持っていました。
まったく別の二人に同時に愛撫されているようにさえ錯覚するそれに和の心は震えながら、そう言葉を漏らします。
ある種の感動すら混じったその言葉は快感と共に和の全身へと波及し、筋肉を蕩けさせていくのが分かりました。

和「(こんな…のぉ…耐えられません…っ♪♪)」

左右でまったく違う刺激は、ただ気持ち良いだけではなく、和の身体を大きく揺さぶるのです。
まるで慣れる事も予測する事も出来ないその快楽に耐えるには和の身体はもう興奮しすぎているのでしょう。
その上、胸の内から陶酔めいた心地好さが全身へと広がれば、自制が効くはずがありません。
旦那様が和の事を愛撫してくださる度に気持ちと身体が昂ぶり、一気に意識が高まっていくのを感じます。


和「だ、旦那様…ぁ♥旦那…様ぁ…♪」

それを伝えようと、和は必死に唇を動かしますが、それは旦那様と呼ぶだけの情けないものでしかありませんでした。
頭の中には溢れんばかりに淫語があるのですが、それを言葉にする為に必要なものが今の和には足りていないのです。
そんなもどかしさに胸の奥が苦しくなるのを感じながらも、和はそれを厭う事は出来ません。
今の和にとってはそんなもどかしささえも被虐感を唆られるものでしかなく、愛しくも気持ち良いものだったのですから。

和「あぁ…♪あ…ひぃ…♪」

そんな和の乳首を旦那様がジュルジュルと吸い上げます。
乳首ごと食べてしまおうとするようなそれは、いっそ強引と言っても良いくらいでしょう。
ですが、そうやって和の胸に必死になって吸い付く旦那様の顔は何処か可愛らしく、微笑ましいのです。
興奮の中に子どものような純情さを混じらせている所為か、或いは他になにか理由があるのかは和には分かりません。
ですが、そんな旦那様を見るのは何故か嬉しく…そして、胸の奥がキュゥゥンと反応してしまうのです。

和「そ、そんなに吸っても…和はまだ…母乳出ない…ですぅ…♥」

その理解不能な反応に背を押されるようにして、和はそう口走っていました。
勿論、旦那様の目的が母乳などではなく、ただ和を辱める為だという事など分かっているのです。
しかし、それでもつい漏らしてしまったその言葉に旦那様が何を思ったのかは和には分かりません。
ですが、旦那様の手は再び動き出し…和の右乳房を根本からぎゅっと搾るのです。


和「はひぃぃっ♪♪」

まるで牛のお乳を絞り出そうとしているような力強いその動きに和の背筋はビクンと跳ねてしまいます。
そこを駆け上がる被虐的な快感はもう一定量を超え、和の脳と胸の奥底へとドロドロとした熱を流し込んでいました。
それに心は強く反応し、キュンキュンと疼きながら、強い締め付けを覚えます。
そうやって縮こまるような心の奥底でメラメラとした熱い波がゆっくりと湧き上がりつつあるのを、和は蕩けていく思考の中で感じ取りました。

和「い、イキますぅ♥和は…ぁっ♪和は旦那様にお乳絞られて…思いっきりイくんれすぅう♥♥」

間違いなく…大きくて激しい絶頂の予兆。
それを口走るように旦那様に伝えるものの、旦那様の責め手は緩みませんでした。
それは間違いなく…『イッても良い』という旦那様のアピールなのでしょう。
何よりも雄弁に語るそれに和の我慢は粉々に打ち砕かれてしまいました。
旦那様が許してくれるならば…幾らでもイッて…イッて…イキ狂いたい
そんな風にさえ思う和の中で熱い波はゆっくりと大きくなり…そして押し流すように和の身体へと広がっていくのです。

和「んふゅぅぅぅ…っ♪♪」

瞬間、和は全身を強張らせ、その波を待ち構えます。
しかし、そうやって緊張させた筋肉を、その熱い波はドロドロと溶かし、蕩けさせていくのです。
快感と共に心地好さを伝えるそれは何度味わっても飽きる事がありません。
全身に興奮とは違う優しい熱が入り込み、内側から溶かされていく感覚はそれほどまでに心地良いものだったのです。


和「(それに…旦那様止まりません…っ♥)」

そう。
和がイッてしまったのをまったく知らないかのように、旦那様はその責め手を変えません。
知らないはずはないのに、右の乳房に甘えながら、左の乳房を弄んでくださるのです。
さらに和を追い詰めようとしている旦那様の姿に…和の胸は強いトキメキを覚えました。

和「まだ…愛してくださるんですね…♥和のおっぱい…イッても離さないくらいに…大好きなんですねぇ…♪♪」

そのトキメキに背を押されるようにして、和の口は甘い言葉を放ちます。
それは言葉だけを聞けば、からかわれているように思えるかもしれません。
しかし、そこに込められた陶酔と興奮が、和が心から悦んでいる事を旦那様に伝えたのでしょう。
和の乳首に吸い付くその顔に一瞬、強い歓喜と浮かばせながら、旦那様はさらに和を激しく愛してくださるのですから。

和「乳首ぃっ♪♪乳首、そんなに引っ張られたらぁ♪和はぁあっ♥」

旦那様がまずより激しくさせたのは左の乳房を責めるその指先でした。
乳輪に爪を立てるようにしてぐっと引っ張るそれにゾクゾクとした感覚が一気に強くなります。
一度、イッてしまった事で敏感になった和の身体に、さらなる刺激と快感が流れこんでくるのですからそれも当然でしょう。
しかし、そう冷静に考える和の頭とは裏腹に、未だ余韻が暴れまわる身体は悦び、被虐感を求める衝動に身を任せながら背を反らしてしまうのでした。


和「気持ち…良いですぅっ♪イキ乳首引っ張られるの凄いぃ…♪♪また…イキそうです…よぉ♥」

ビンと引っ張られるだけでも気持ち良いのに、爪が乳輪にまで突き刺さっているのです。
それだけでも和の身体が興奮を昂らせ、胸の奥から次のオルガズムを練り始めるのでした。
しかし…旦那様の興奮は、その程度ではもう満足する事が出来ないのでしょう。
まるで今すぐイけと言うように和の右乳首を吸い上げながら、硬い歯をぐっと押し付けてくるのです。

和「きゅひぃ…ぃぃ♪♪」

まるで和の乳首を甘噛みするような旦那様の歯に、和が甘い悲鳴をあげた瞬間、胸の奥で再び熱い波が産声をあげるのです。
さっきよりもさらに大きく、そして甘いその波は生まれてすぐさま全身へと広がっていくのでした。
まるでさっきのアクメが呼び水になったかのようなその波は和の全身を震わせ、うっとりとした心地好さを強くしてくれるのです。

和「あま…噛み…ぃ♥乳首の甘噛…で…和イひぃぃっ♥♥」

その絶頂の中、イッた事を伝えようとした和を見ても、旦那様はまだ愛撫を止めるつもりはないようです。
まるで和の乳首を逃がすまいとするように歯で閉じ込めながら、引っ張った乳首をクリクリと指の間で転がしました。
そこから生まれる快感は、オルガズムの影響もあり、これまでの比ではありません。
まるで和の身体がそこから生まれる快感に支配されているようにさえ思えるのですから。


和「(…壊れる…ぅ♪和…旦那様に…壊されちゃい…ます…ぅ♥)」

旦那様の指が、歯が、手のひらが、舌が、それぞれ動く度に和の身体がピクンと反応してしまうのです。
ほんの数センチの突起から湧き上がる快楽に悦び悶える和の乳房はプルプルと揺れ、被虐感に満たされていきました。
まるで和がマゾ奴隷であるという事を身体そのものに刻み込まれるような感覚に…和の意識がビシリと音を立て、罅が入るのです。

和「イ…きますぅ♥またイくんですぅっ♪エロ乳首しゃぶられてイくぅっ♥♥壊れて…またイくぅんっ…♪♪」

そんな和の奥から漏れだすのはさっきよりも強い感情の波でした。
また一つ意識のタガが外れ、『普通』から足を踏み外した自分にドロリとした陶酔と幸福感を感じるのです。
それは勿論…そうやって足を踏み外した和を旦那様が受け止めてくれると信じているからでしょう。
和を『一番』だと言ってくれた旦那様はきっと和を見捨てたり、手放したりなんてしない。
そう思っているからこそ…和は思う存分、淫ら堕ち、そして被虐性を顕にする事が出来るのです。

和「でも…でも、足りないんです…っ♥おっぱいじゃもう満足出来ませんっ♪♪」

しかし、その陶酔と幸福感は何時までも続くかと言えば、決してそうではありませんでした。
勿論、旦那様の愛撫は上手であり、また和の身体はそれに身悶えするように調教されているのです。
飽きる事なんてなく、まっだまだ和はイき続ける事が出来るでしょう。
ですが、和はこれよりも遥かに素晴らしい快楽を知ってしまっているのでした。
それこそ、こうしておっぱいで感じるものなんて比較にもならない被虐的で激しい絶頂。
二度の絶頂を迎え、もう欲情が抑えきれなくなった和の口から、それを求める言葉が飛び出します。


和「おっぱいでイくの凄いけど、これじゃないんですっ♪今欲しいのはオマンコなのぉっ♥和のメスマンコに…旦那様が欲しいんですぅ♪♪」

目の前で乳首をしゃぶる旦那様にオネダリするその様には最早、恥も外聞どころか理性さえもありませんでした。
ひび割れた意識の底に羞恥心を流し込んだ和にとって、それらはもう考慮に値するものでさえなかったのです。
いえ、もっと具体的に言うのであれば…今の和には旦那様に犯して頂く事しか考えられません。
それ以外のモノは全て投げ捨てた和は今、一匹の発情メス犬と言っても過言ではない有様でした。

和「オチンポ下さい…ぃ♥旦那様のオスチンポで奴隷マンコ犯して下さいぃ…♪♪グチュグチュドロドロの発情期マンコが…もう旦那様なしじゃダメになってるんですよぉっ♥」
京太郎「…っ」

そんな和の淫らな声に旦那様の身体がピクンと反応しました。
微かにその身を強張らせるようなその仕草は、恐らく興奮のせいなのでしょう。
そう思うのは和の乳首を一心不乱にしゃぶり、甘噛みを続ける旦那様の表情が一瞬、興奮に塗り替えられたからです。
その身に宿す獣性を垣間見せるその表情は見ているだけでもトキめいてしまうくらいに嗜虐的で、ドロドロとしていました。

和「メイド和頑張りましたぁっ♥ダメだったけど…メイドになんてなれなかったけど…でも、奴隷なりに頑張ったんです…ぅ♪♪だから…ご褒美セックス下さい…っ♥全身を旦那様で満たされるみたいな…奴隷セックス教えこんでぇ…♥♥」

その表情がもっと見たくなった和の口からさらなる言葉が飛び出します。
オネダリと言うよりも哀願に近いそれは、和の限界が近い事を示していました。
勿論、こうしている今も和は旦那様から快楽を与えて貰い、三度目の絶頂が目の前に見えてきています。
しかし、それらは意識が興奮で歪み、完全にメス犬と化した和にとっては欲求不満を強めるだけのものでしかありません。
どれだけイっても、今の和は何処よりも旦那様を身近に感じられる場所に旦那様がいない事を強調されているように感じてしまうのでした。


京太郎「…仕方ないな」
和「あ…ふぁぁ…♪」

そう言って旦那様が和の乳首から口を離した瞬間、和の身体は糸が切れたようにそっと脱力しました。
そのままクタリと倒れこむ和を旦那様が優しく抱きとめて下さいます。
それだけでも今の和はキュンと子宮を疼かせ、肉穴を締め付けてしまうのでした。
まるで肉襞同士を擦れあわせ、欲求不満な身体を少しでも慰めようとするようなそれに和は熱い吐息を漏らします。
ほぉっと後に続くようなそれに旦那様は軽く笑みを浮かべながら、和の頬を一瞬、撫でて下さいました。

和「ぁ…♥」
京太郎「和はメイド失格だな」
和「はぃ…♥和は…やっぱり旦那様の愛玩奴隷にしか…なれないんです…ぅ♥♥」

優しげなその表情と仕草とはまったく違う揶揄するような言葉。
それに和は嬉しくなってしまうのは…自分の道が一つしかないという事を再認識したからなのでしょう。
旦那様に愛され…調教された和にはメイドよりも淫らで、メイドよりも変態で、メイドよりも愛されたがる愛玩奴隷しか道が残されていないのです。
それ以外の事は所詮、偽りでしかなく…本当の和ではありません。
そう思っただけで胸の奥が熱くなってしまうくらいに、和はもう旦那様の虜になっていたのです。

京太郎「じゃあ…挿入れやすいように準備しろよ」

そんな和からそっと手を離しながら、旦那様が冷たく言い放ちました。
それに一つ頷きながら和はそっと旦那様から離れ、ソファーを立ち上がります。
そのままそっと目の前のテーブルに手を突きながら、和は旦那様に向かってお尻を突き出しました。


和「見て下さい…♪和のオマンコ…もうこんなになってるんです…っ♥」

そう言いながら、和はそっとスカートの裾を片手でたくしあげていきました。
ただでさえ短い丈がスルスルと上がっていくそれに旦那様の視線が突き刺さるのを感じます。
もう愛液でベトベトになったガーターベルトから太ももまでをじっと見つめるその視線にゾクゾクが止まりません。
しかし、だからと言って、それは手を緩める理由にはならず、和はお尻を全て晒すようにスカートを引きずり上げました。

和「旦那様をお迎えする前から…ノーパンだった和のメスマンコ…♪もうヒクヒクが止まらなくって…ぇ…♥」

そのまま和の指はそっと和の前面へと周り、閉じた大陰唇をその指で広げました。
瞬間、くぱぁ♥という淫らな音と共に興奮で充血しまくった和の粘膜が旦那様に晒されます。
ひくひくと欲求不満で震えるそこはきっととても淫らで堪らない形をしているのでしょう。
自分でそこを見ることは出来なくても、和がそこを晒した瞬間、生唾を飲み込む旦那様の姿を見れば察する事が出来るのです。

和「旦那様が欲しくて発情しっぱなしな奴隷マンコに…旦那様のお情けを下さいっ…♪♪」
京太郎「はは。随分とオネダリするのも板についてきたじゃないか」

和のオネダリに旦那様は冷たく笑いながらもそう褒めて下さいました。
けれど、その表情は興奮に滾り、今にも和に襲いかかりそうな激しい熱をまき散らしています。
実際、立ち上がって自分のズボンを下ろそうとする旦那様の動きはぎこちなく、さっきまであんなに器用に和を責めてくれていた人とは思えません。
しかし、それもこれも和に興奮してくれているからだと思うと無性に嬉しく、晒した粘膜の奥で肉穴がキュッと締まってしまうのです。


京太郎「そこまで言われて無視するほど俺は薄情にはなれないからな…」

そう言ってズボンを脱ぎ去る旦那様のオチンポはもう痛いほど勃起していました。
ここ最近さらに大きくなっているようにも思えるその凶悪なモノは天井へとその矛先を向け、ビキビキに張り詰めています。
浮かんだ血管の一つ一つが大きく見えるそれが今から和の中に入ると思うと、それだけで全身が歓喜に戦慄くのを感じました。
自然、むき出しになった粘膜の奥からもトロリと透明な粘液がこぼれだし、フローリングの上に滴るのが分かります。

京太郎「だから…和の欲しいものをくれてやる…よ!」
和「ひあ゛ぁぁあ゛あ゛ぁぁっ♪♪」

それに和が意識を向けてしまったほんの一瞬。
その僅かな間に旦那様は一気に和へと近づき、その腰をぐいっと進めて来るのです。
瞬間、ジュプリと言う音を立てて、和の中に熱いモノが突き刺さり、グイグイと媚肉を押し広げていきました。
子どもの握り拳ほどはある肉の塊は太く、そして何より鋼のように硬いのです。
そんなもので自分の身体の中を押し広げられるのは慣れていても、若干、息苦しさを感じるのでした。

和「不意打ち…にゃんて卑怯ですよぉ…ぉ♪♪」

その上、こっちが油断した隙に一気に突き入れられれば、驚きに淫肉も硬くなり、拡張感も膨れ上がるのです。
流石に二倍というほどではありませんが、思わず卑怯と言いたくなるほどに大きく膨れあがっていくそれに和の言葉も途切れがちになっていました。
しかし、その間にも旦那様はぐいっと和も腰を掴み、そののオチンポで膣肉を虐めて下さるのです。


京太郎「卑怯な俺は嫌いか?」
和「大好き…ですぅっ♥旦那様大好きぃ♥♥愛してます…ぅ♥♥」

そんな和の耳元で意地悪く尋ねる旦那様に和は反射的にそう返してしまいました。
それに濁った思考の中で誰かが危機感を訴えるものの、最早、それは今の和にとって胡乱で遠いものでしかありません。
一体、どうしてそんな風に思うのかと疑問に思う事すらなく、待ち望んだ快楽に肌を震わせ、頭を一杯にしていたのですから。
まるで脳細胞の一片までも愛玩奴隷として染め上げられるような快楽は和の子宮にも突き刺さり、その奥でグツグツと煮えていくのです。

京太郎「俺も…和の事大好きだぞ」
和「あ…あぁぁ…っ♥♥」

瞬間、そう答える旦那様の声に和の子宮がキュンと反応してしまいました。
まるで心ではなく本能が悦んでいるようなその反応に、和の子宮で快楽が弾けます。
和の意思どころか本能にまで反して起こったそれは所謂、暴発なのでしょう。
あまりにも今の言葉が嬉しすぎた所為で、和の子宮が先走ってしまったのです。

和「和…イキましたぁ…♥挿入途中なのに…ぃ♪♪旦那様が好きって言うから…ぁ♥子宮…蕩けちゃったんです…ぅ♪♪」

勿論、それは普段、和が旦那様に与えてもらっているアクメとは比較にならないほど小さなものです。
まだろくに熟成されず、半ば反射のように飛び出したものなのですから当然でしょう。
しかし、だからと言って、それが気持ち良くないかと言えば、答えは否です。
じんわりと広がっていく胸の波とは違い、一瞬で全身を駆け抜けたその甘い電流は和のあちこちでバチバチと火花を起こし、快楽と共に被虐感をくれるのでした。


和「こんなんじゃ…挿入終わるまで何回イくか…分かりません…ぅ♥」

その上、それはオルガズムだけあって、和の神経をさらに敏感に追い詰めていくのです。
特に欲求不満で震える媚肉たちには影響が強く、ゴリゴリと押し広げられる肉襞が激しい快楽を撒き散らすのでした。
乳首のそれを何倍にも強くしたようなその甘い痺れに和の身体は早くも二度目のアクメの準備を始めます。
まださっきのアクメが終わっていないのにも関わらず次の絶頂を求める身体は止まる気配がなく、ドンドンと昂っていくのでした。

京太郎「何回でもイけば良いさ。イけばイくだけ和は俺から離れられなくなるだろ?」
和「んふぅ…ぅぅ♪」

そんな和の耳元で旦那様は嗜虐的に、けれど、優しくそう囁いてくださいました。
発情メス犬となった和の事をまるごと受け止めてくれるようなそれに和の身体は陶酔で満たされます。
快楽にも負けないうっとりとした心地好さは、被虐的な電流に疲れた身体を癒してくれるようでした。
けれど、それは和の身体をより敏感にさせ、中にあるオチンポの感触をより身近に感じさせるのです。

和「はい…ぃ♥和の全ては旦那様のモノですからぁ♪♪和はもう旦那様なしじゃ居られません…っ♥」
京太郎「だったら、責任取って何回でもイかせてやるよ。…だから、思いっきりイきまくってケダモノになりゃ良い…さ…!」

瞬間、ジュンと潤んだ媚肉の群れに硬いオチンポの先がぐっと突き刺さりました。
勿論、和は既に何度も旦那様とのセックスを経験しているので、そんなものに痛がったりはしません。
ですが、旦那様のオチンポは一度二度イッた肉穴で受け止めるにはあまりにも強大過ぎるのです。
未だ強張る和の淫肉を強引に押し広げ、肉襞を潰していくそれはそれまでのものよりもさらに遠慮がありません。
それこそ本当にレイプされてるようなその逞しい挿入に和の頭まで快楽が突き上げ、視界もチカチカと点滅してしまいます。


和「ひぅぅぅぅん゛ん゛んんっ♥♥」

まるで目の内側で星が瞬くような和の変調。
それに和が期待を覚えるよりも先に旦那様の亀頭が子宮口へと突き刺さりました。
和の身体の中でも格段に敏感で、そして何より貪欲な肉の口。
そこに突き刺さる熱い肉の感触に、和は悲鳴のような声をあげてしまいます。
瞬間、和の子宮から弾けた熱は和の全身をブルリと震わせ、キュンとオマンコを締め付けさせるのでした。

和「(奥…ぅ♪♪奥突かれて…和は…イッちゃいましたぁ…♥)」

それはさっきのようなまがい物の絶頂などではありません。
今度こそ本当に子宮から気持ち良くなったが故に暴れまわる甘い電撃。
それは和の指先にもバチバチと快感を流しこんでいくのです。
それに思わずテーブルへと手を突いた身体が崩れそうになってしまうのを和は何とか堪えました。

和「おっきい…ですぅ…♥旦那様の…熱くて…奥までズップリで…美味しくて…凄…いぃ…♪♪」

そんな和が漏らすのは旦那様の逞しさでした。
何度味わっても和の中のメスを狂喜させるその逞しさは素晴らしいと言う言葉が相応しく思えるくらいです。
和の中が焼けるような熱も、奥まで届いてまだ若干の余裕を残す長さも、そして和の肉穴がギチギチになってしまうくらいの太さも。
何もかもが和にピッタリ過ぎて…『美味しい』という形容詞まで飛び出すくらいです。


和「(それなのに…和ドンドン…旦那様のオチンポに調教されて…ぇ♥♥)」

それほどまでの素晴らしいオチンポの味を和はセックスの度に嫌というほど身体に教えこまされていくのです。
お陰で感度は右肩上がりが続き、何度、身体を重ねても新鮮さが薄れる事はありません
恐らく最初の頃からは、想像も出来ないくらいに今の方が敏感で、そして淫らになっている事でしょう。
何も知らなかった頃の『私』が、今の和を見れば、きっと軽蔑や恐怖を覚えると思うくらいに。

和「(でも…和もう知っちゃったんです…っ♥)」

旦那様の優しさと旦那様の逞しさを。
そして、自分の淫らさと自分の本性を。
例え…良く分からない能力の影響だとしても、和はそれを知ってしまったのです。
そんな和がもう後戻りなんて出来るはずがありません。
寧ろ、もう和はこの素晴らしい快楽と旦那様に溺れ続けていたくなっていたのです。

京太郎「和の中もすげぇ気持ち良いよ。うねりまくって…さっきから俺のチンポ美味しそうにしゃぶりまくってる」
和「きゅふぅ…ん…っ♪♪」

そんな和の耳元で囁きながら、旦那様はゆっくりとその腰を引いて行きました。
未だ絶頂が色濃く残る和からオチンポを引き抜こうとするようなその動きに和のオマンコがキュンと締まります。
行かないでと言わんばかりに子宮口も震えますが、旦那様がその動きを止める事はありません。
和の肉襞一つ一つをねっとりとカリ首で擦り上げていくのです。


和「当然…ですぅ…♥和は…旦那様のモノですからぁ…っ♥♥旦那様以外には…何も要らない…です…から…っ♪♪」

まるで今、和を犯しているのが誰なのかを肉襞に教えこんでいくようなその動き。
それに欲求不満と被虐感を覚えながら、和はそう口にしました。
他に男性なんて知りませんし、知るつもりもありませんが、旦那様の優しさと意地悪さに和はもう虜になってしまっているのです。
その上、その逞しいオチンポの味まで教えこまれれば…和が旦那様以外の誰かを求める事などあり得ません。
寧ろ、旦那様以外の誰かに抱かれるという想像をしただけで怖気が走り、旦那様に暖めて欲しくなるのです。

京太郎「じゃあ、咲や優希も…要らないんだな?」
和「そ…れはぁ…♥」

しかし、それでも和はその旦那様の言葉に即答する事が出来ませんでした。
咲さんとゆーきは…友達を作るのがあまり得意とは言えない和にとって、数少ない友人であるのです。
そんな二人を要らないと言うのは幾ら頭の中が蕩けていたとしても、中々に出来る事じゃありません。
勿論、旦那様は和にとってとても大事な人ですが、二人もまた和にとってそれに負けないくらい大事なのです。

京太郎「選べない…なんて言ったら、今日はもう帰るからな」
和「そん…なぁ…あ♪♪」

そんな和の逃げ道を塞ぎながら、旦那様はそっとその腰を止めました。
まるでここから先は答えるまで与えないと言うようなそれに和は自分から腰を左右に揺らしてしまいます。
それだけでクチュクチュと淫らな水音が鳴り、肉襞がオチンポと擦れますが、身体はまったく満足する気配がありません。
恐らく旦那様に犯される方向へと特化しつつある和には、旦那様から犯して貰わなければ心から快楽に溺れられないようになっているのでしょう。


和「の、和には…旦那様が必要です…ぅ♥」
京太郎「じゃあ、咲や優希は捨てるって言うんだな?」

オチンポ一つで身体の全てを支配されている素晴らしい被支配感。
それに被虐感と欲求不満を昂らせながら、和はそう口にしました。
けれど、旦那様はそんな和の逃避を許さず、確かめるようにそう言葉を返します。
多分、旦那様は和がはっきりと明確に答えるまでそれを続けるつもりなのでしょう。
そう思った瞬間、和の中でドロリと何かが崩れていうのが分かりました。

和「は…ぃ…♥もう…友達なんて要りませんっ♪♪和には…旦那様だけいれば…それで幸せなんです…ぅ♥♥」

そう口走った瞬間、和が感じていたのは暗い満足感です。
まるで本当はずっと前からそう言いたかったのだと告げるようなその感情に…和はまた一つ自分が足を踏み外してしまったのを自覚しました。
いえ…本当はもっと遥か昔から、和は足を踏み外していたのでしょう。
二人が旦那様に友達や仲間という枠を超えた感情を向けつつある事くらい和には分かっていたのですから。
それでも尚、こうして身体の疼きを理由にして旦那様に抱いて頂いている和に友達面をする資格なんてありません。
本当はもうとっくの昔に気づいていながらも、目をそらし続けていたその事実。
それに目尻がジュッと熱くなった瞬間、旦那様の腰が再び動き出すのです。

京太郎「はは。じゃあ…ご褒美やらないと…な」

そうやって友達を捨てた和の事に興奮したのでしょう。
旦那様はさっきよりも熱い言葉で短く褒めながら、テーブルについた和の両手をそっと後ろから掴むのです。
そのまま背中へと導いて行かれるそれに和は胸を疼かせながら従いました。
一体、どんな事をしてくださるのかは分かりませんが、それはきっと和をとても気持ち良くしてくれる事なのですから。
疑う事なんて欠片もせず、ただ盲目的に旦那様を信じる和の手首に、何かが絡みついてくるのです。


和「ふぇ…ぇ…?」

微かに布擦れの音がするそれは恐らく何かの布なのでしょう。
そう思った瞬間、細長いその布は和の手首を縛り上げ、硬く結ばれていくのでした。
それは恐らくさっき旦那様が解いてくださったリボンタイなのでしょう。
旦那様の近くにあった紐状のものなんてそれくらいしかなかったのですから。

和「ひあ…あああぁっ♪♪」

そうやって後ろ手に縛り上げた和に旦那様はその腰を一気にぶつけてくるのです。
瞬間、スパンという肉が弾ける音と共に和の中で熱が蠢き、肉襞から湧き上がる無数の快楽を飲み込んでいきました。
早くも次の絶頂の準備を始めようとする子宮はオチンポの感覚に戦慄き、さっきから甘い汁を漏らしっぱなしです。

和「ふにゃ…あぁ…♪♪」
京太郎「はは。思った通り、愛玩マゾ奴隷の和にはこういうのが効くんだな」

グチュグチュと音を立てる淫らな穴に叩き込まれるような衝撃。
しかし、それを受け止めようにも和の手は後ろで縛られ、姿勢を変える事が殆ど出来ません。
結果、旦那様のオスチンポから与えられる衝撃はそのままストレートに子宮を揺さぶるのです。
それだけでも気持ち良いのに…旦那様はそっと耳元で囁いて下さいました。


京太郎「あんなに仲の良い友達要らないって言って…ご褒美だって縛られて…それなのにこんなに悦んで恥ずかしくないのか?」
和「あひゅんんっ♪♪ごめんにゃ…ごめんにゃさいぃいっ♥♥」

そんな和を追い詰めるような冷たい言葉に、けれど、和の胸は欲情で満たされます。
まるで自分の淫らさから逃げるような感情に、和は思わず謝罪の言葉を叫びました。
けれど、和の胸には自己嫌悪の感情すら湧き上がってはいなかったのです。
あるのは…新しい感覚に生まれた被虐的な興奮と…そして堪らない背徳感だけ。
胸を埋め尽くすようなそれらに…和はブルリと震えながらアクメへと突き上げられてしまうのです。

京太郎「まぁ…流石にそれだけじゃ可哀想だから…和のされたい体位で犯してやるよ。どんな姿が良い?」

まるで譲歩するように和へと囁く旦那様の意図は分かっていました。
旦那様は和のしたい事を口にさせて、さらに辱めるつもりなのでしょう。
勿論、和に対する『ご褒美』の色がまったくないとは言いませんが、それよりも嗜虐性の方が大きいはずです。
そう思うのは旦那様の口調が興奮の色よりも冷たいものの方が強かったからでしょう。

和「こ…このままで…良いです…からぁっ♥」
京太郎「このまま?このままってどんな体位なんだ?」

そして和の予想通り、旦那様はそう質問を重ねます。
意地でも和から淫らな言葉を吐き出させようとするようなそれに和の頭の中が淫らな言葉を浮かばせ始めました。
どれだけ蕩けていても淫らな事だけは別だと言わんばかりの自分の反応に、和は胸を疼かせながらそっと口を開きます。


和「ケダモノセックス…ですぅ♥後ろから…オスに犯されるケダモノ交尾…ぃ♪♪お尻突き出して種付けされたがる…発情セックスが良いんですよぉ…っ♥♥」
京太郎「なんだ。そういう事か」
和「んひぃぃ♪♪」

和の淫らな言葉に、白々しく言いながら、旦那様はぐっと結ばれた和の手を引きながら、腰をズンっと突き入れて下さいます。
今までの抽送よりも一段強く感じるそれは自分の言葉で興奮した和にとっては強力過ぎるものでした。
未だ分泌されない愛液を揺らすような力強い一撃に、和は堪らずイッてしまうのです。
瞬間、慣れ親しんだ激しいオルガズムの中で、幸せそうなメスの鳴き声をあげながら、和の視界はまたチカチカと点滅するのでした。

京太郎「でも…分かってるのか?ここは和のご両親も普通に使ってるリビングなんだぞ?」
和「きゅ…ぅぅ…♪」

そんな和の耳元で旦那様は意地悪くそう囁きます。
今まで興奮で思考の彼方へと吹き飛ばされていましたが、確かにここはセックスする為の場所でも和の部屋でもありません。
こんなところでケダモノになってしまったら…もしかしたら匂いが染み付いて両親にバレてしまうかもしれない。
今更ながら沸き上がってきたその予想に和は背筋をブルリと震わせて、被虐感混じりの興奮を走らせます。

京太郎「和の発情したメスの匂いが一杯染み付いたところで…ご両親が生活するんだ。きっとマゾの和には堪らないだろうな」

そして、旦那様にとって、そんな和の様子を言い当てるのはあまりにも簡単なのでしょう。
意地悪く付け加えるその言葉は和の心をコレ以上なく端的に表現し、そして悦ばせてくれるのです。
度重なる絶頂の所為で、それだけでもイきそうなほど昂ぶってしまう自分に和は熱いため息を漏らしました。
しかし、それでも和の中の興奮はまったく冷め切らず、寧ろ、もっと罵って欲しいとばかりにオマンコを締め付けてしまうのです。


京太郎「それとも…今から和の部屋まで上がるか?俺はそれでも構わないぞ」

そう提案する旦那様はきっと和がそれに頷けない事を理解しているのでしょう。
だって、それは一度、このセックスを中断するという事なのですから。
既に片手では収まり切らないほどの絶頂を経て、煮えたぎった身体はそれを決して許せません。
子宮口からオチンポが離れていくだけでも微かなもの寂しさを覚える和にとって、例え数分でもオチンポから完全に引き離されるだなんて生殺し以外の何者でもないのです。

和「嫌…ですぅっ♥♥ここで…ここでセックスして下さいっ♪♪バレても構わないですからっ♪交尾してくだしゃいぃっ♥♥」

その恐ろしさにあっという間に敗北した和の口から、縋るような声が漏れだしました。
オマンコの方もさっきからキュンキュンと締め付け、旦那様のオチンポを逃がすまいとしています。
自然、肉襞がその硬い表面に押し当てられ、甘い痺れが腰の付け根まで沸き上がって行きました。
それに開いた足の軸がブレそうになるのを感じながらも、和は必死に立ち続けます。
ここでもしバランスを崩してしまったらセックスが中断してしまう事を思えば、崩れる訳にはいきません。

和「(それ…なのにぃ…ぃ♥♥)」

ここが日常的に両親と過ごす空間だということを自覚してしまった所為でしょうか。
さっきから和の中の背徳感はジクジクと刺激され、被虐感までもメラメラと燃え上がっていくのです。
まるで和の心を蕩けさせるようなそれらにドキドキが止まず、興奮が和の身体を敏感にし続けていました。
その上、遠慮の無い旦那様の抽送は再び和の中に絶頂の予兆をもたらし、アクメで張り詰めた神経を熱くするのです。
それにピンと張った足が何時まで耐えられるかは正直、和自身でも未知数でした。


京太郎「ははっ。和は本当に何処でも発情するメス犬みたいだな」
和「そう…ですうぅ♪♪和はメス犬ですからぁっ♥♥旦那様専用の…発情期ぃ…♪♪何時でも交尾しちゃう…メス犬ぅ…ぅぅう゛うんっ♥♥」

そこまで口にした瞬間、和の中で再びオルガズムが弾けました。
さっきの絶頂が未だ尾を引く中で湧き上がるそれは、和の中で一線を超えさせるものだったのでしょう。
アクメに震える和の肉穴を構わずに犯し続ける旦那様のオチンポに子宮を何度も突かれれば、またすぐに次の絶頂が沸き上がってくるのです。
未ださっきの絶頂が終わらぬ最中に新しいオルガズムが産声をあげるそれは所謂、『イきっぱなし』と呼ばれる状態でした。

和「和…もうイきっぱなしですからぁっ♥旦那様に交尾して貰ってぇ♪♪ずっと気持ち良いのが続いて…幸せですぅっ♪♪」
京太郎「じゃあ、満足したのか?」

それは普通の女性では中々、辿りつけない快楽の極地なのでしょう。
いえ、辿りつけたとしても切れ間がなく、永遠にイき続ける感覚はきっと苦痛に思うはずです。
あまりにも大きすぎる快感は、苦痛にも近いものなのですから。
しかし、完全にタガを外し、快楽を受け入れる準備を整えた今の和にはそんな事まったく関係ありません。
苦痛を感じるどころか、これがただの入り口に過ぎないと身体の興奮を滾らせていたのです。

和「しょんな事…ありませんんっ♪♪和は…もっと旦那様とセックスしたいですぅ♥♥セックス…旦那様と膣内射精セックス…ぅぅ…♪♪」
京太郎「和は本当に甘えん坊で淫乱なんだな」

そんな和の口から漏れる甘い言葉に旦那様は嬉しそうにそう返しました。
その顔までは見れませんが、きっと今の旦那様はにやけているのでしょう。
最早、自分自身を取り繕う事さえも出来なくなり始めた旦那様の興奮した姿に和も嬉しくなってしまいます。


京太郎「だけど…リビングで膣内射精までオネダリするなんて悪い子だ。だから…」

―― スパァン

和「ひぃぃぃぃぃぃんんっ♥♥」

しかし、それが表に出るよりも先に和の身体に衝撃が走りました。
今までの抽送とは違い、より熱に特化したその衝撃は、和のお尻から全身へと波及します。
はっきりと痛みを伴うその感覚は快楽で蕩けそうになっていた和の身体を揺さぶり、全身を強張らせました。

京太郎「ここから先は…お仕置きセックスだ」
和「あ…あぁぁぁ…っ♥♥」

連綿と続く絶頂の波の中でもはっきりと感じられるその痛みと熱。
それが旦那様の平手がお尻へと叩きつけられているのだと知った時には既に第二打が和に向かって放たれていました。
瞬間、スパァンと小気味良い音を鳴らして、お尻のお肉がプルプルと震えるのが分かります。
挿入の勢いに合わせて揺れるのとはまったく違うそれに和の身体は羞恥を覚え、肌がさらに紅潮していきました。

和「(スパンキング…良ぃ…ぃ♥♥)」

そんな和が思うのは、スパンキングという新しい刺激に対する悦びでした。
普通の性癖の女性では勿論、そうやって家畜のように扱われるセックスに怒り出すのでしょう。
しかし、和はもう旦那様にたっぷりと調教され、マゾヒスティックな本性を顕にしたメス犬なのです。
こうして旦那様に叩かれるというシチュエーションに興奮を強め、胸をときめかせてしまうのでした。


和「(それにこれ…快楽のアクセントになって…ぇ♪♪)」

今にも意識が溺れそうな絶頂感の中、ピリリと走る痛みの感覚。
それが和を蕩けてしまうほどの快楽から引き戻すのです。
お陰で何度も快楽へと突き落とされる感覚が味わえ、和の身体から新鮮さを損なわせません。
幾度、犯されても、そして叩かれても色褪せないその感覚に和の身体は強く揺さぶられているように感じました。

京太郎「おいおい…叩くと中が締まってるのはどういう事なんだ?もしかしてその度にイッているのか?」
和「はい…ぃ♥♥」

旦那様の呆れたような言葉は、今の和の状態を端的に表現していました。
実際、和は旦那様に叩かれる度に肉穴をキュンと締め付け、イッてしまっているのです。
勿論、それは子宮から弾けるそれとは格段に小さいものですが、しかし、それでも絶頂であることには変わりありません。
子宮から感じるものよりも被虐感を強めるそれは和をとても悦ばせてくれました。

和「もう…和お仕置きセックス良いんですっ♪♪旦那様にお仕置きされるの大好きぃ♥♥」
京太郎「初めてのスパンキングでどれだけ感じてるんだよ、このマゾ和っ」
和「んひぃぃっ♪♪」

瞬間、再び振り下ろされる旦那様の手に和は悲鳴のような嬌声をあげながら、反射的にお尻を揺らします。
赤くなった尻たぶを後ろの旦那様に魅せつけるようなその動きにオチンポが左右へと押し付けられるのでした。
まるで体位が変わったようにゴリゴリと擦る位置が変わるそれに和はビクンと背筋を跳ねさせてしまいます。
その中を太い快楽の波が通り、脳髄をまた蕩けさせるのを感じながら、和はゆっくりと口を開きました。


和「旦那様が…一杯、愛してくだしゃいましたからぁっ♪♪和の事…一杯、調教してくださったかりゃぁ…和はもぉマゾ豚になっらんですぅ…♪♪」

まるで自分で自分を被虐的な存在に叩き落とそうとするような淫らな言葉。
それはもう甘く蕩けて、舌足らずなものになっていました。
まるでまだ舌の使い方がなっていない幼子のようなそれに和の背筋はゾクゾクします。

京太郎「豚の割りには…随分とここが発達してるじゃないかっ」
和「ひゃうぅぅぅ♪♪」

そこまで快楽が極まってしまったのだと自覚するだけで軽くイッてしまうマゾ豚に旦那様も興奮してくださったのでしょう。
力強くそう言いながら、旦那様は和の胸を後ろからぎゅっと持ち上げました。
まるで抱き上げるようなそれに和の背筋はクッと上がっていき、オチンポに磔にされるような姿勢へと変わりました。
自然、旦那様に密着するお尻がぐにゃりと変形するのを手の甲から感じながら、和は嬌声を漏らすのです。

京太郎「こんなに大きな胸をして…男を誘惑してるのか?」

その言葉は正直、怖気が走るものでした。
元々、そうやって男性の好奇の視線に晒されてきた過去というのは和にとって良いものではないのです。
流石に男性そのものを軽蔑するほどではなくても、苦手になった一端は間違いなくその過去が担っているのですから。
そんな和にとって、無差別に男性を誘惑しているという言葉は到底、我慢出来ないものだったのでした。


和「ち…がいますぅっ♪それは…旦那様のものなんでしゅぅ♥旦那様に愛してもらう為に…食べてもらう為に大きふなったマゾ豚のお肉にゃのぉ♥♥」

そんな和が放った言葉は、自分の立場と運命を強調するものでした。
どれだけ頭が欲情の中で一杯で…もうセックスの事しか考えられなくても、和もまた夢見る乙女なのです。
こうして身体を重ねるに至った男性の為に自分の全てがあったのだと思いたくなる事くらいあるのですから。
ましてや、相手が和の全てを捧げるに足る『旦那様』であれば、そう口走ってしまうのも当然の事でしょう。

京太郎「じゃあ…和の全部は俺の為にあるんだな?」
和「は…ぃっ♪♪和は…旦那様の為に大きくにゃりましたぁ♥♥旦那様に愛される為に…生まれへきらんですぅ♪♪おっきなおっぱいも…お尻も…オマンコもぉっ♥全部、ごしゅじんしゃまに犯してもらう為の…ぉお゛ほぉぉ♪♪♪」

そこまで言った瞬間、旦那様の指先がキュッと和の乳首を力強く摘み、言葉を中断させました。
まるでそれ以上は言わなくても分かると言わんばかりの旦那様の愛撫にぐっと首筋が反るのが分かります。
しかし、どれだけ背筋から逃げるように反ったとしても、そこを這い上がる快楽と被虐感は止められません。
そして、それを止めたいとも思えない陶酔の中、震える和を旦那様はガンガンと犯し続けてくれるのです。

京太郎「ほら、和、下を見てみろよ」
和「し…らぁ…ぁ♪♪」

そんな旦那様の言葉に和は舌足らずな声で返しながら、そっと視線を下へと向けました。
そこには今も尚、クリクリと旦那様に弄ばれ、ジクジクとした熱を広げている和の乳首があるのです。
けれど、滲みがちになった和の目が向けられているのはその堪らなく被虐的な光景ではありません。
そのさらに下にあるのは…中央をガラス張りにしたテーブルでした。


和「ふぁ…あぁぁ…♥♥」

光の加減でしょうか。
そのガラスはまるで擬似的な鏡のようにして和の顔を映し出していたのです。
目元はトロンと蕩け、口元は半開きになって唾液が垂れ流しになっていました。
その上、真っ赤に紅潮した頬まで緩み、汗で肌が艶めいています。
誰が見てもきっと一目で分かるくらいに発情しきった…メスの表情。
オスを誘って交尾を強請るただのケダモノになった自分の顔が…そこにはあったのです。

京太郎「見てるだけでも…チンポギンギンになりそうなくらいエロい顔してるだろ…?」
和「旦那…様ぁ…♥♥」

そんな自分の顔を見るだけでもドキドキが止まらなくって仕方ないのに、旦那様は和の耳元でそんな風に囁くのです。
その熱い吐息を敏感になった耳に振りかけるようなその声に和の身体はさらに興奮で熱くなってしまいました。
瞬間、和の口元から唾液がねばっと漏れだし、重力に引かれてテーブルへと落ちていくのです。
それにガラスに微かに映った自分の顔が歪むのを見た瞬間、和の意識はクラリと揺れてるのが分かりました。

和「もっと…ぉ♪もっと…和にエロい顔させてくだしゃい…っ♥♥マゾ豚に相応しいエロ顔を…ぉ♪♪旦那様の手で…作っれ欲しいんです…ぅぅ♪♪」
京太郎「へぇ…」

瞬間、和の口から漏れる淫らなオネダリに旦那様は嬉しそうにそう返しながら、和の乳房を解放しました。
自然、身体の支えがなくなった和は再び重心が前へと移動しました。
けれど、後ろ手に縛られてしまった今、バランスを取る為にテーブルへ手を着く事は出来ません。
そして、今の和には背筋を固定する力もなく、そのまま崩れ落ちていくのです。


和「いひゅうぅっっ♪♪」

そんな和の手を旦那様がぐっと掴んでくれました。
リボンタイによってグルグルにされたその両手を強引に引き上げるようなそれに、ズプリと音を立ててまたオチンポが和の奥へと突き刺さります。
その逞しさに再びアクメへと突き上げられながら、和は期待に胸を疼かせていました。

京太郎「じゃあ…まずは思いっきり叩いてやらないとな…!」
和「んひぃぃぃぃっ♪♪♪」

その言葉と共に振り下ろされる平手に、和は再び鳴き声をあげながら身悶えします。
ジンジンと熱を放つ柔肉を再び叩かれるその刺激に和の身体が再び被虐的な絶頂を迎えました。
それに悦ぶように震える肉襞を、旦那様はガンガンと腰を振るって蹂躙してくださいます。
どちらか片方だけでも気持ち良くって堪らないのに…2つが作り出すその相乗効果。
それに心の中に幸福感を湧きあがらせながら、和は何度もイってしまうのでした。

京太郎「ほら…こうして望みどおりにしてやってるんだから…どんな顔になってるのかどうかくらい言ったらどうだ…っ?」
和「ふあ…あぁいいっ♪♪」

そう言って和を叩く旦那様に答える声さえ、和はもうマトモに紡ぐ事が出来ません。
休まず注ぎ込まれる痛みと快楽に和の意識は揺れ、身体もそれに引っ張られてしまうのです。
そして…和の眼下に映るメス犬は…そんな自分に嬉しそうな笑みを浮かべ、その目尻を潤ませていました。
まるでそうやって淫らに堕ちる事が幸せで堪らないと言うような…蕩けた顔に見ている和の胸も疼いてしまいます。


和「和…はぁ…♪♪目元を…トロンってして…ぇ♥口もひゃん開き…でぇぇっ♪♪唾ドロドロ漏らして…発情してまふぅ♥♥」
京太郎「そんなんじゃ…何も伝わって来ないだろ!」
和「ひゃうぅぅっ♪♪」

再びスパァンと弾ける音が鳴り響く中で和はビクンと背筋を跳ねさせ、絶頂しました。
それでも必死に思考を動かそうとしますが、上手く考えが纏まるはずがありません。
最早、和にはそんな余裕など欠片もなく、ただのケダモノ同然なのですから。
こうして旦那様に自分の様子を何とか伝えられただけでも御の字と言っても良いくらいです。

和「ハァハァって…いってますぅっ♥発情しながら真っ赤なイキ顔晒してぇっ♪和の顔ぉメス犬になっれるぅ…♪♪」
京太郎「メス犬なのは何時もの事だろう…っ」

瞬間、ズンっと突き刺さるオチンポの衝撃に和のボルチオは悦びに戦慄きました。
何せ、それは旦那様のオチンポが完全に和の子宮口を押し上げたが故のものだったのですから。
今までの抽送の折り返しとして触れるものではなく、完全に突き上げられるその感覚に和は堪らずイッてしまいます。

京太郎「さっきから俺のチンポ締め付けて離さないし…奥は吸い付いてくるし…さ…!」
和「くふゅぅん…っ♥♥」

そんな和の奥でムズムズとした感覚が湧き上がるのを感じた瞬間、旦那様のオチンポがグリグリと動きます。
亀頭の先端を押し付けながら円を描くようなそれは和の子宮口に堪らない悦びを与えてくれました。
思わず二度三度とアクメを重ねる和の腰がガクガクと震え、今すぐにでも崩れ落ちてしまいそうになるのです。


京太郎「ほら、叩いて欲しいならもっとちゃんと腰あげろよ。じゃないと…セックスだってマトモに出来ないぞ」
和「ふぁ…ひぃ…♪♪」

そんな和を追い詰めるような言葉が描く未来は到底、許容出来るものではありませんでした。
叩いて貰えなくなるだけならまだしも、セックスまで中断されるだなんて考えただけでも寒気が走るほどです。
無論、そうやって中断したところで、これだけ興奮を滾らせた旦那様が和を手放す事はないでしょう。
きっと倒れこんだところで和を貪って下さるのだとそう信じていました。
しかし、ほんの数分でも、この快楽が途切れてしまうのは確実です。
そう思っただけで和の身体は必死に足に力を込め、その場に立とうとしていました。

和「(でも…ダメ…ぇ…♥♥)」

これがまだ手が使えれば話は別なのでしょう。
しかし、和は今、後ろ手に縛られて、ろくに手を使えない状態なのです。
どうにも窮屈で、そして、もどかしいその感覚に、被虐感がズキズキと刺激され、子宮がアクメに唸りました。
お陰で必死に支えようとしている足からまた力が抜けて、和は今にも崩れ落ちてしまいそうになるのです。

京太郎「…仕方ないな」
和「んあ゛ぁああっ♪♪」

瞬間、平手を繰り返していた旦那様の手がそっと和の内股に触れました。
そのままぐいっと持ち上げるそれに太ももが強引に広げられていくのです。
和の足が旦那様の肩まで届いた頃にはもう足の付根に張るような痛みが走っていました。
しかし、お尻を叩かれるのとはまた違うその痛みに、和の身体は確かに悦んでいたのです。


和「(こんな…足をあげた…犬みたいな格好…ぅ♥♥)」

今の和は震える片足で全ての体重を支え、もう片方の足を旦那様の肩に囚われている状態です。
大股を広げるようなそれは、犬がおしっこする時の姿勢を和に彷彿とさせ、ゾクゾクとした背徳感を和に与えました。
その上、それは二本の足で立っていた時よりも遥かにアンバランスで、フラフラと身体の軸が揺らぎます。
それでいて片足を完全に囚えられた和は旦那様から逃げ出す事も出来ず…ただ貪られるのを待つだけでした。
それに被虐感を唆られた和はブルリと肩を震わせ、またオマンコをキュンキュンと震えさせてしまいます。

京太郎「これだったら逃げようとしても逃げられないだろ」

両腕どころか片足まで取り上げられた状態で逃げられるはずがありません。
四肢のうち3つを旦那様に依存した今の和にとって、それはバランスを崩す行為以外の何者でもないのですから。
いえ、例え逃げようとしなくても、旦那様が気まぐれを起こした瞬間、和は頭から倒れこんでしまう事でしょう。
普通であれば、きっとそれに恐怖を覚えるのかもしれません。
しかし、立つという基本的な動作にさえ、旦那様に依存しているというシチュエーションに和の胸は暖かくなり、興奮が煮えたぎるのです。

和「旦那…様ぁ…♪♪」
京太郎「分かってる…!」

それに思わずオネダリするように旦那様を呼んでしまう淫らな和に、再びオチンポが襲いかかってくるのです。
快楽で熱く張った肉襞の一つ一つを押しつぶし、引きずるようにして繰り出されるピストンは体位が変わっても堪りません。
いえ、寧ろ、さっきとはまったく違う部分に擦れ、子宮口とは微かにズレる部分を突くそれは新鮮で気持ちの良いものでした。
自然、和は旦那様に何度もイかされ、足元までブルブルと震えさせてしまうのです。


和「ひゃぅ…ぅ♪♪ムズムズ…クるぅ…♥イきすぎで…アソコムズムズしへ…♪♪」

旦那様のピストンはさっきよりも激しいものではありませんでした。
和の身体はほぼ固定されたとは言え、こうして密着した状態では思いっきり腰も使えません。
しかし、それでも湧き上がる無数のオルガズムに、和の身体は追い詰められ、さっきのムズムズも大きくなっていくのです。
排泄欲求にも似たそれを和は反射的に堪えようとしました。

和「ふあぁ♪♪しょこダメですぅっ♪今はらめぇっ♥♥今突いちゃ漏れひゃいますぅう♪♪」

しかし、そうやって力を入れて肉穴が締まったところを旦那様のオチンポに狙い撃ちにされるのです。
ゴンゴンと遠慮無く和の中を突くそれについついオマンコは蕩けてしまうのでした。
自然、その弛緩は和の股間全体に広がり、ムズムズ感が少しずつ外へと向かって進みだしたのを感じます。

京太郎「漏らせば良いじゃないか。後でメイドらしい仕事も出来るしな…!」
和「しょんにゃ…あ…♪♪」

そんな和に冷たく言い放つ旦那様にはもう容赦するつもりなどないのでしょう。
和の懇願と一刀のもとに切り捨てながら、その腰を強引にぶつけてくるのです。
まるで小さな距離でも出来るだけ快楽を得ようとするようなそのケダモノじみた動きに…和の我慢は砕かれてしまいました。
堰を切ったように漏れだす何かが尿道へと流れこむのを感じながら、和はせめて警告だけでもしようと口を開きます。


和「で…出ましゅぅっ♪♪にょどか…出るぅ♥♥もれ…ちゃいますぅぅ♪♪」

瞬間、和の股間から漏れだしたのは黄色ではなく、透明な液体でした。
まるでおしっこのように漏れだすそれは所謂、潮という奴なのでしょう。
それが凄まじい勢いでフローリングへと広がり、床をビショビショにさせていく光景に和は大きな背徳感を感じていました。

京太郎「和…ぁ…っ!」
和「ふにゃぅぅっ♪♪♪」

そして、それを感じたのは和だけではないのでしょう。
和の潮吹きが終わった瞬間、旦那様は和の名前を力強く呼びながら、その腰の動きを一層、強めました。
背筋から大きくしならせて、強引に腰を使うそれに奥がガクガクと揺さぶられるのを感じます。

和「はひぅ…ぅう♪♪ごしゅじんしゃまの…おっきいぃ♪♪まら…熱く…おっきふなっらぁ…♥♥」

しかし、今の和が一番、意識しているのは一気にエスカレートしたそのピストンではありません。
そのピストンによって和の中を動く逞しいオチンポだったのです。
何せ、ただでさえ和の中で一杯だったそれは一回り大きく、そしてさらに熱くなったのですから。
浮き出た血管一つ一つまではっきりと分かるくらいに和の中を圧迫する大きさと、まるで内側から焼けてしまいそうな激しい熱。
それに旦那様の絶頂が近い事を悟った和は、どうしてもそちらに意識を引きずられていくのです。


京太郎「和のマゾっぷりが可愛すぎて…もう俺もイキそうになったじゃないか…!」
和「はいっ♪♪イッてくだしゃいぃっ♥♥和でぇっ♪だんなしゃまの愛玩奴隷で思いっきり射精しれ欲しいんですぅっ♪♪♪」

熱に浮かされたような旦那様の言葉はもう余裕らしいものなんて欠片もありませんでした。
これまでずっと律し続けていた興奮に飲み込まれていっているのを感じさせるその姿に和の胸がドキドキとうるさいくらいに興奮します。
まるで旦那様の興奮が和にも伝わってくるような…その何とも言えない心地良い興奮に和はまた小さな絶頂へと至るのでした。

京太郎「和は…何処が良い?何処に…射精して欲しいんだ…?」
和「しきぅですっ♥♥和の子宮ぅっ♪♪ザー汁欲しがってキュンキュンしてる子宮にぃっ♥♥種付け精液ぶっかけてくだしゃいぃ♪♪♪」

そして、その興奮と絶頂は和の子宮で堪らない疼きへと変わっていくのです。
まるで早く精液が欲しいと訴えるようなその欲求に和の媚肉はキュッと締まりました。
それに旦那様のオチンポも応えて下さり、和のオマンコでビクンと跳ねるのを感じます。
根本から切っ先まで万遍なく震えさせるそれに和はGスポットを擦り上げられながら、また透明な潮を股間から漏らしてしまいました。

京太郎「イくぞ…!和の中でイくぞ…!種付け…するからな…っ!」
和「ふあ…あぁぁっ♪♪」

瞬間、旦那様のラストスパートが始まります。
まるで無理やり、身体全体を使うようなその抽送は一突き毎に和の身体が浮き上がってしまいそうなほど激しいものでした。
子宮口だけではなく、子宮まで揺さぶられてしまいそうなピストンに和の口はもう嬌声しか放ちません。
種付けされる悦びとケダモノのように犯されて得る絶頂、そして、身体を強引に開けさせられるような痛みが交じり合う中で、ろくに言葉を紡げるほど和は理性的ではないのです。


和「んっくぅぅぅぅぅぅう゛うぅ♪♪♪」

そんな和の嬌声に合わせるようにして繰り出されるピストン。
それが十数度目を迎えた瞬間、和の中で熱い感覚が弾けました。
疼き過ぎてクパクパと開閉を繰り返すボルチオ付近で弾けたそれは和の中にビュルビュルと流れこんでくるのです。
それはとても濃厚で…肉襞に絡みついてしまいそうなほど粘っこく…そして何より甘いものでした。

和「(しゅごいぃっ♪♪あちゅいぃぃ♪♪甘い…ぃぃぃ…っ♥♥)」

勿論、その粘ついた液体 ―― 精液を受け止める子宮口に味覚を感じるものなんてありません。
故にそれは和の脳が創りだした錯覚という奴なのでしょう。
しかし、そうは思いながらも、和の身体の中に響くその甘さはまったくなくなる事はありませんでした。
まるでそれが世界で一番、素晴らしくて美味しいものであるかのように感じ、脳が多幸感に沈んでいくのです。

和「(あぁ…♥幸せ…ぇ…&hearts♥♥)」

旦那様に種付けされるという事は愛玩奴隷として最高の名誉なのです。
何せ、それは旦那様の子を孕み、一生、傍にいる事を許された何よりの証なのですから。
勿論、ピルを常用している和は実際に旦那様の子を孕んだりする事は出来ません。
しかし、それでも…こうして旦那様が膣内射精してくださっているという事に堪らない多幸感と快楽を感じるのです。
溺れそうなほどの甘さにも負けないそれに和は全身を震わせながら、射精に合わせて嬌声を漏らしていました。


和「あひぃ…っ♪♪ん…あぁぁ…ぁ♥♥ふぁ…ぅぅ…♪♪♪」

その嬌声の源となる精液の勢いはまったく衰える事がありませんでした。
和の子宮口へとぶち撒けるようにして注がれていくのです。
それを和の敏感なボルチオは必死になって吸い上げようとしていましたが、あまりの濃厚さに中々、上手くはいきません。
愛液で粘ついた管の中でさえもべったりと張り付くようなそれは所々で詰まってしまうのです。
お陰で精液が逆流し、和の子宮に注がれる精液の量はあまり多くはありませんでした。

和「(なんて…勿体無い事…をぉ…♪♪)」

折角、旦那様から頂いているにも関わらず、受け止めきる事が出来ない精液。
その勿体なさに和の心は震えますが、しかし、そこには嫌な感情は一片足りともありません。
そんな感情が入り込む余地がないほど、今の和は幸せで、そして満たされていたのです。
メスとしての最高のご褒美を享受する和にとって、それは勿体無いと思う事ではあれど、寂しいものではなかったのでした。
寧ろ、そうやって逆流してしまうくらいに旦那様が射精してくれていると思うと、多幸感が強くなってしまうのです。

和「ふ…ぅぅぅ…あぁ…っ♪♪♪」

その多幸感は旦那様の射精が弱まった時も、すぐになくなるものではありませんでした。
いえ、寧ろ、そうやって射精の勢いが弱まった分、和は子宮の奥に宿った甘い熱をはっきりと感じる事が出来るのです。
今も尚、その熱を弱める事はない旦那様の愛の証に和の身体は内側から蕩けそうになってしまいました。
快楽ではなく、多幸感で筋肉が蕩けていくのはとても心地良く、和の身体はついに崩れ落ちてしまいます。


京太郎「おっと…」
和「あ…ぁ…♥♥♥」

そんな和の身体を旦那様は優しく抱きとめ、そのままフローリングの上に腰を下ろしました。
瞬間、ズンと言う音が聞こえそうなほどオチンポがボルチオへと強く突き刺さり、和の背筋にアクメを走らせます。
それにビリビリと震える和の身体から再び透明な潮が漏れでてしまいました。
けれど、旦那様はそれに何も言わず、背面座位の形で和を抱きとめ、そっとお腹を撫でてくれていたのです。

和「(まるで…ちゃんと種付け出来てるのか…確認しようとしてるみたいな…ぁ…♪♪)」

そこに自分の精液が本当に入っているのか確かめるような優しい仕草。
それにゾクゾクとしたものを感じながら、和は二度三度とオルガズムを重ねてしまいます。
それは射精の時に味わうものよりも遥かに小さいものでしたが、それでも十二分に心地良いものでした。
未だアクメと多幸感の余韻が残る和にとって、旦那様がお腹を撫でるその動きはそれほどまでに素晴らしいものだったのです。

和「だんな…しゃま…ぁ♥♥」
京太郎「ん?」

それを伝えようとする和の声に旦那様は優しく問い返してくれました。
勿論、そのオチンポは今も尚、硬いままであり、和の中で硬く反り返っています。
身動ぎする度に子宮口に突き刺さるようなそれは余韻の残る和を休まずに絶頂へと突き上げてくれました。
しかし、それほどまでにオチンポを固くしていても、今すぐに和を貪るつもりはないのでしょう。


和「(普段は…こんな事…ないのに…ぃ♪♪)」

一度、興奮した旦那様はむき出しになった本能の塊なのです。
それこそ一度や二度の射精では収まらず、和の事を数えきれないほどイかせ続けてくれるのでした。
その上、今回は禁欲生活をそれなりに挟んでいたのですから、旦那様もまた『溜まっている』のは事実です。
そんな旦那様が和の事を気遣うように休憩してくれているのは、きっと無茶な体位でセックスした事が原因でしょう。

和「(だって…さっきから…足もナデナデしてくれてるんです…♪♪)」

まるでカエルのように折れ曲がった和の足。
ミニスカートから伸びるその内股を旦那様はもう片方の手で撫で回してくれました。
お陰で無茶な動きで張った筋肉が癒され、痛みが和らいでいくのを感じます。
それと同時に肌がピククンと反応し、快感を受け取ってしまいますが、まぁ、それも仕方のない事でしょう。
何せ、今の和は全身が火照り、何処を触られても気持ち良くなってしまうような状態なのですから。

和「もぉ…良い…でしゅよぉ…♥♥」

そんな和の口から漏れだしたのは呂律の回っていないだけではなく、蕩けきった声です。
欲情と媚にたっぷりと穢れたそれは誰が聞いても、和の発情を感じ取るほど淫らなものでした。
それは和をこんなにも淫らに染め上げた旦那様にとっては特に有効で、和の中で旦那様のオチンポがピクンと反応するのが分かります。


和「まら…まんじょく出来てないですよね…♪♪和も…一回じゃ…まだ…らめです…ぅ…♥♥」

そう。
和はもう旦那様によって淫らに調教されたメス犬なのです。
一回程度の射精では満足出来ず、今ももっともっととばかりに肉襞が旦那様に絡みついていました。
ジュルジュルと愛液を滴らせながらのそれは旦那様に撒けないくらいに貪欲で淫らです。
そんな自分に誇らしさと笑みを浮かべながら、和は震える腰をゆっくりと動かし始めました。

和「ふきゅぅ…ぅぅ…♪♪どぉ…ですかぁ…♥旦那様…ぁ♥♥」
京太郎「無理すんなよ」

まだ痛みの残る足でフローリングを踏みしめながらの抽送。
それはとても弱々しく、和の中でクチュリと音を立てるのが精一杯なものでした。
しかし、未だ多幸感と余韻が残り、断続的にイき続けている和にとってどう頑張ってもそれが限界なのです。
そんな和に優しく言い放ちながら、旦那様はそっと手を動かして、和の腰を掴みました。

和「んひぃぃいっ♪♪♪」
京太郎「動くのは俺がやるからさ」

瞬間、ズンと突き上げる旦那様の動きに和は悲鳴のような嬌声を漏らします。
けれど、旦那様はそんな和をぎゅっと捕まえたまま、激しく腰を使って下さるのでした。
硬いフローリングの上で辛いのにも関わらず、和を抱きとめながら、突き上げてくれるその姿。
それに快楽と共に歓喜を湧きあがらせながら、和は再び絶頂し… ―― 




―― そして結局、フローリングがグチョグチョになってしまうまで和たちは絡み合ったのでした。










………



……









和「(…なんて情けない…)」

そう私が思うのは『後片付け』を全て、須賀君に任せてしまったが故です。
結局、アレから五回戦までぶっ通しで犯され続けた私は、途中から失神してしまったのでした。
その間に須賀君はフローリングの掃除から汗でべたついた衣装の掃除をやってくれたのです。
それどころか…失神する私の身体から汗を拭き取り、ベッドへと運んでくれた須賀君には感謝の念が絶えません。
しかし、それと同時に自分の情けなさを自覚した私はベッドの中でもう何度目かになるため息を吐いたのです。

京太郎「何凹んでるんだ?」

そう尋ねる須賀君は私と同じベッドの中にいます。
その身体には一枚も服を身につけておらず、私と同じく生まれたままの状態でした。
結局、アレから汗や愛液やらでドロドロになった須賀君の服は今、絶賛洗濯中なのです。
勝手にお父さんの予備を出して勘付かれるといけませんし、また出た時と違った服を着て変えれば須賀君のご両親にも怪しまれるでしょう。
結果、須賀君は裸のまま、こうして私と一緒にベッドへと入り、身を寄せるようにして暖を取っているのでした。

和「別に…凹んでる訳じゃありません…」

そんな須賀君に腕枕をしてもらいながら、私はついそうやって意地を張ってしまいます。
本当はもっと素直になりたいのに…一体、どうしてこうなってしまうのか。
そんな気持ちは自分の中にもあるものの、中々、上手くはいきません。
興奮してタガが外れた時の自分が恥ずかしいからか、つい可愛げのない言葉を返してしまうのです。


和「(昔は…こうじゃなかったんですけれど…)」

勿論、昔の自分が可愛げのある方だというつもりはありません。
寧ろ、無愛想でとっつきにくいタイプだった事でしょう。
しかし、だからと言って、こうして色々と私のために働いてくれている人に対して、意地を張るような事はありませんでした。
それは須賀君相手でも同じであり…こうして身体を重ねるようになるまではそれなりに良好な関係を築けていたのです。

和「(本当…自分でも嫌になります…)」

須賀君の周りにいるのは私だけではありません。
素直で愛らしく、護ってあげたくなるタイプの神代さんが傍にいるのですから。
その上、私は良く知りませんが、要所要所で須賀君を導いてきた上重さんの存在も大きいでしょう。
そんな中、一人だけこうして意地を張ってしまう自分が何とも情けなく、そして置いて行かれる感があるのでした。

和「(…勿論…旦那様は一番だと言ってくれていますが…)」

ですが、その一番が果たして何時まで続くのかなんて誰にもわからない事なのです。
少なくとも…私はそう思うくらいに、他の二人を脅威に感じていました。
二人共…私に持っていないものを持っていて、須賀君にも心を許されているのですから。
そんな二人に対して勝っていると胸を張れるようなものなんて、私には何一つとしてありません。


和「(も、勿論…一番に固執する理由なんて…ないんですけれど…)」

そう。
そんなもの、何処にもありません。
たまに愛を囁く事もありますが、それは所謂、睦言であり、本気ではないのですから。
あくまで私達の関係の基準は『部活仲間』の域を出ず、それがおかしな条件で歪んでいるだけに過ぎません。
その条件が須賀君の努力によってなくなってしまえば、私たちは元の関係に戻れるでしょう。

和「(…それが逃げである事くらい私にだって分かっているんです)」

怖くて…深く須賀君に聞いた事はありません。
ですが、須賀君は確かに…私のことが好きだと言ってくれているのです。
私が一番だと…愛玩奴隷にして一生、飼いたいと言うそれは、ただの睦言と片付けるには情熱的過ぎるものでした。
それを理解しながらも、私は須賀君に返事を返す事はなく、このぬるま湯のような関係に甘んじ続けているのです。

和「(だって…裏切れないじゃないですか…)」

もし、気づいて…答えてしまったら、きっと須賀君は私の事をとても大事にしてくれる事でしょう。
今だって意地悪く私を責め立てながらも本当に無茶な事はしませんし、後片付けだって率先してやってくれるのですから。
それは恋人という絆で結ばれるようになったとしても変わらず、いえ、きっとそれ以上に私へと向けられるはずです。
それが…欲しいという気持ちは、正直…自分でも否定しきる事が出来ないほど大きなものでした。


和「(…その為には多くのものを犠牲にしなきゃいけないんです…)」

部活の事や友人の事。
それはまだ高校1年生の少女にとっては世界の大半を占めるくらいに大きなものでした。
それらを犠牲にして…須賀君が欲しいと言えば、彼はその空白を埋めるくらいに私を愛してくれると分かっています。
しかし、そんな私たちの後ろで涙を堪える人たちのことを思えば、自分の欲求に素直に従う事なんて出来ません。
睦言として口走るならともかく…普段からそこまで自分勝手になる事は出来ないのです。

和「(結局のところ…私が変に意地を張ってしまっているのもその辺りが原因なんですよね…)」

自分を必要以上に律しなければ、私は須賀君に甘え続け、何時かは何もかもを投げ出したくなる事でしょう。
まぁ、その分、『旦那様』相手にはまるで子どものように甘えてしまっているんですが…それはさておき。
そうやって片意地を張ろうとするからこそ、私はギクシャクとしてしまい、須賀君に対して素直になれません。
仕方ないとは分かっているものの、そんな自分に嫌気が差した私は再び小さなため息を吐きました。

京太郎「せぃ」
和「…ふにゃ!?」

そんな私の頬を須賀君は無造作に摘みました。
そのままふにゅりと引っ張る須賀君に私はつい猫のような声をあげてしまいます。
それに須賀君が目の前でニヤニヤとした笑みを浮かべるのが無償に恥ずかしく、そして悔しく思えました。
交わりの時はそれなりに従順ではありますが、私の基本的な性格はやっぱり負けず嫌いなのです。


和「…にゃにするんですか」
京太郎「いやぁ和が可愛くって」

そう言いながらジト目を向ける私の前で須賀君はクスリと笑って手を離しました。
瞬間、頬が元に戻りますが、それが…少し寂しいと思ってしまうのは奴隷としての性でしょうか。
例え、それが悪戯めいたものであっても、構って貰えたというだけで喜んでしまうのでした。

京太郎「何考えてるのか知らないけど、あんま思いつめるなよ」
和「ぅー…」

その上、そうやって優しい言葉をくれるのですから…本当に須賀君は質が悪いです。
ここで適当に放っておくような人であれば、私はこんなにも悩むことはなかったでしょう。
しかし、須賀君は人の痛みに敏感で、そして暖かな人であるが故に…私はこんなにも悩まされているのです。
それに一つ唸り声をあげますが、須賀君の微笑ましそうな表情は変わりません。

和「(まったく…誰の所為だと思ってるんですか…)」

そんな須賀君に胸中でだけ呟く言葉は、思いの外、甘いものになっていました。
気を抜けば頬がにやけてしまいそうなそれは…そうやって須賀君に悩まされるのが嫌なだけではないからなのでしょう。
勿論、苦しいし、辛いし…逃げたいと思う事は何度もあります。
しかし、その優しさに触れる度に胸が暖かくなってしまうのは否定しようのない事実でした。


京太郎「俺で良いんなら、何時でも相談に乗るし…さ」
和「あ…♥」

そう言ってポンと私の頭に触れてくれる須賀君に思わず甘い声を漏らしてしまいました。
まるで子どものような無邪気な喜びを示すそれに数瞬遅れて私の顔が赤くなります。
カァァと羞恥を示すそれに須賀君は笑みを深めながら、ナデナデとそのまま私を撫でてくれました。
まるで慰めるような、それでいて子ども扱いするようなその仕草に私は羞恥とは違う感情で熱くなっていくのです。

和「じゃあ…一つ聞いて良いですか?」
京太郎「おう。どんと来い。3サイズからチンポの大きさまでばっちり答えてやる」
和「そっ、そんな情報要りません」

私の言葉に冗談めかして答えながら、須賀君はそっと頷いてくれました。
それに心強いものを感じながらも、私はそうキッパリと返します。
まぁ…その…オチンポの大きさは気にならなくはないのですが、今はそういう場合ではありません。
別に後で測らせて貰う事も出来ますし、わざわざ聞くまででもないのです。

和「…須賀君は自分が欲しいものを手に入れる為に…大事な人たちを傷つけたり夢を諦めなければいけなかったら…どうしますか?」
そう自分に言い聞かせながらポツリと応えた私の言葉は…微かに震えていました。
私にとってはそれを口にするだけでもとても勇気のいる事だったのでしょう。
目を背けなければどうにかなってしまいそうな心を直視しなければいけないのですから当然です。
ですが、そうやって自分とほんのすこし向き合ってでも…私は誰かに自分の辛さを吐露したかったのでしょう。


京太郎「俺なら…全部、諦めねぇよ」
和「え…?」

そんな私に答える須賀君の言葉は、とても力強いものでした。
まるで自分の中でもう覚悟を決めているようなそれに私は思わずそう聞き返し、瞳を覗きこんでしまいます。
そこには私ではない遠いものを見つめながら、けれど、揺らぐ気配のない力強い意思がありました。
一体、それが何に向けられているのかは分かりませんが、須賀君が何か決意しているのは確かなようです。

和「でも…どう頑張っても…ダメなんですよ?」
京太郎「それでも…最後まで足掻いてみるさ。例え、全部取りこぼす事になっても…な」

勿論、そうやって決意を固めた須賀君に、そんな事を言っても無駄なのでしょう。
そんな事はこうして言う前に分かりきっていました。
それでも…そうやってダメだと告げたのは、恐らく…須賀君に嫉妬しているからです。
一人覚悟を決めて、リスクも飲み込んだ上で…努力しようとしているその真っ直ぐさは私にはないものなのですから。
ウジウジと一人思い悩み、須賀君に素直になりきる事が出来ない私にとってそれはあまりにも眩し過ぎるのでした。

和「それは…エゴじゃないんですか?」
京太郎「エゴだろうな。でも、だからって言って何もしなきゃ…それこそ全部、取りこぼすだろ」
和「それは…」

力強く言う須賀君の言葉は…確かに事実でしょう。
リスクを恐れて何もしないなんて言うのは決して解決策にはならないのですから。
問題を先延ばしにするようなそれでは、何かが変わったとしてもきっと後悔しか生みません。
それならばエゴでも行動した方が後悔しないと言う須賀君は自分勝手ではありますが、正しいのでしょう。


京太郎「まぁ…これはあくまで俺の考えであって絶対的に正しいって訳じゃない。少なくともエゴって和の指摘は真っ当なものだしな」

そう言いながら、須賀君はクスリと笑いました。
何処か底抜けな明るさを感じさせるそれは、いっそ開き直っているようにも思えます。
しかし、私にとってその明るさは羨ましく見えました。
そうやってリスクを覚悟し、前を向いている事がはっきりと伝わってくるからでしょうか。
少なくともうじうじと悩んでいる私よりはよっぽど健全で正しいように思えるのでした。

京太郎「だから、和は和なりに考えてくれ。例え、それが何かを取捨選択するものでも、それが和が考えた末に出した答えなら支持するし、手伝いもするからさ」
和「私は…」

勿論、私だって諦めたくはありません。
友達は大事ですし…麻雀部という居場所もとても心地良いものなのですから。
何より…須賀君に対しても…本当はもっと素直になりたいと思っているのでした。
それらを捨てる事を選べないからこそ…私はこうして悩んでいるのです。
そんな私にとって、『全部諦めない』というのは確かに魅力的な答えではありました。
でも…失敗したら全てを失ってしまうリスクを思って…実行出来るほど私は強い女ではないのです。

和「…須賀君は…私のことを見捨てませんか…?」

そう思った瞬間、私の口からそんな弱々しい言葉が漏れだします。
ポツリと呟くようなそれに私は自分で驚いていました。
だって、それはどんな結果になったとしても、最低限、須賀君だけでも確保しようとしているような言葉だったのですから。
どんな事をするつもりなのかも告げず、ただ口約を求めるそれは卑怯を通り越してエゴイスティックと言っても過言ではないものでしょう。
少なくとも…決してフェアとは言えないその言葉に私は自己嫌悪を覚えました。


京太郎「見捨てる訳ないだろ」
和「ん…ぅ…♪」

しかし、須賀君はそんな私の事を受け入れてくれました。
まるでなんて事のないように力強く笑い飛ばすようなそれに…私の胸はトクンと脈打ちました。
甘い感覚を広げるそれに、私は思わず小さく声を漏らしてしまいます。

京太郎「どんな事になっても…俺は和を見捨てたりなんかしない。必ず…和を幸せにしてみせる」
和「須賀…君…♥」

瞬間、告げられるまるでプロポーズのような言葉は…正直、卑怯でしょう。
ただでさえ…胸をときめかせている私を…さらに甘い感覚へと誘うのですから。
蕩けるような甘い歓喜と幸福感が混ざり合ったそれはもう心地好さと言っても過言ではないほどに大きいものでした。
流石に射精される時ほどではなくても、私をうっとりとさせてくれるその感覚に私は須賀君に潤んだ目を向けてしまいます。

京太郎「はは…悪いな。こっちばっかり語っちゃってさ」

そんな私の前で須賀君は恥ずかしそうに頭を掻きながら、視線を背けました。
その頬は微かに紅潮し、彼が羞恥を覚えている事を私に伝えます。
プロポーズめいた発言をしたのですから、それも当然なのでしょう。
そう思う一方で…そんな須賀君が無性に可愛く…そして胸が疼きを覚えてしまうのです。


和「いえ…聞いたのは私の方ですし…参考になりましたから」

それを抑えながら、私は須賀君にそっと首を振りました。
多少、驚いたのは事実ですが、それは決して否定的なものではありません。
寧ろ、プロポーズのような発言に…その…ちょっと悔しいくらいに喜んでいるのが現状でした。
それに何より…悩みを聞いてもらえて楽になったのですから、須賀君が謝る事なんてありません。

和「寧ろ…こっちが謝りたいというか…その…申し訳ないというか…♪」
京太郎「ぅ…」

そう言いながら、私の身体はスッと須賀君の方へと擦り寄りました。
ただでさえお互い裸の状態でそうやって密着すれば、我慢出来なくなるでしょう。
そんな事は私にも分かっていたが故に…今まで距離を取っていたのです。
けれど、こうやって須賀君に一杯、暖かくされて我慢出来るほど私は堪え性のある女ではなかったのでしょう。
まるで身体が求めるようにして、その距離を詰め、須賀君へと抱きついてしまいました。

和「(ううん…っ♪求めてるのは…身体だけじゃなくって…心も…なんですね…♥♥)」

そうやって須賀君に触れた瞬間、私の胸はジィンと感動に震えました。
まるで本当はそれがずっと欲しかったのだと言うような自分の反応に、私はクスリと笑みを漏らします。
興奮で何処か艶めいたそれを見つめながら、須賀君もまた熱い吐息を漏らしてくれました。
私と同じく…強く興奮し、交尾の相手を求めている…ケダモノの姿。
それにお腹の奥がキュンと疼き、愛液を滴らせるのを感じながら、私はそっと口を開きました。


和「ご主人…様…ぁ♥」
京太郎「…発情するの早すぎだろ」

甘く須賀君を…いえ、ご主人様を呼ぶ私の言葉に、ご主人様は呆れたように返しました。
しかし、その顔は欲情を滲ませ、私の太ももに硬い感触が押し当てられるのです。
何時から硬いままなのかは分かりませんが、その滾りはついさっき流れこみ始めたものではないのでしょう。
まだガチガチに勃起している訳ではないとは言え、ご主人様のオチンポは既に私の肌を押し込んでくるのですから。

和「だって…ご主人様があんな嬉しい事言うからぁ…♥」
京太郎「優しくする度に発情されてたら身がもたないっての」

私の言葉にご主人様はそう返しますが、その興奮は決して下火になりません。
寧ろ、私が身を寄せれば寄せるほどオチンポが滾りを増して、ドンドンと硬くなっていくのです。
何だかんだ言いながらも…ご主人様の獣欲は、まだ満足しきってはいないのでしょう。
そして、それは私も同じでした。
こうしてご主人様の逞しさに身を委ねるような形になれば、自然、私の中で興奮が強くなっていくのですから。
失神するまで犯して貰ったのに未だ欲情する貪欲な子宮は…もうさっきから愛液を垂れ流していました。

京太郎「俺を帰さないつもりか?」
和「帰って…欲しくない…です…♥」

勿論、最初からそんなつもりではありませんでした。
ご主人様には実家があり、今もその為に洗濯をしているのですから。
期待していなかったと言えば嘘になってしまいますが、こうやって言葉にするつもりなんてなかったのです。
しかし、こうして夜も更け、身体に火が入った私にとって…それはもう目を背けられない欲求でした。
夜明けまで思いっきり犯して…また失神するまで貪って欲しい。
どうしてもそう思う思考が止まらず、私の胸をドキドキとさせるのです。

京太郎「そんな我儘な奴隷には…お仕置きが必要だな」
和「きゃぅぅ♪♪」

そんな私をベッドへと押し倒しながら、ご主人様は耳元で甘く囁いて下さいました。
それだけで甘い快感を胸から湧き上がらせる私の首筋に、ご主人様は何度もキスを落とします。
まるで私が自分のものなのだと教えこむようなそれに私の背筋は甘い幸福感を脳へと伝えました。
ご主人様に求められているのだというその甘い幸福感に私はそっと目を細めながら、ご主人様に手を伸ばし… ――




―― そして次の日、私たちは二人仲良く遅刻してしまったのでした。






























【System】
原村和の屈服刻印がLv3になりました。
原村和は心まで恭順し始めているようです。
原村和は自分の感情を認めることにしたようです。















次は姫様だけど、明日はちょっと用事があって無理
また投下出来る様になったらアナウンスします
後は投下するだけなのでエタったりしないので安心してください

おつー
のどっちエロすぎだよ
あとは姫様レベル3にしてひと悶着あってエンディングかな?

>>349
are的に言えばもうここでエンディング迎えてもおかしくないですし…
後、今まで全員Lv5になってからエンディングって話でしたが、プロット見直した結果、一つ減りました
なので全員Lv4になってから→エンディング→全員Lv5到達の流れになります

京豚はキモいんだよ 神聖不可侵である百合漫画の咲に手を出すんじゃねえ チンポ脳どもが
百合は神聖なもので 男は汚いの わかる? お前らのしてることは いちゃついてる女の子達に うんこ投げつけて喜んでるようなものなんだよ

あと 咲が百合漫画じゃないとか言ってる奴はアニメ見てないだろ 麻雀興味ないから 原作は知らないけど あんな百合百合してる素晴らしいアニメの原作が百合漫画じゃないわけがない それに 作者も百合好きらしいし 咲が百合漫画だというのは 紛れもない事実

それに 百合が世間ではマイナーだとか 言ってる奴がいるけど そんなわけ ねーだろ なのはやゆるゆり らきすたがどれだけ人気だとおもってんだよ こんな当たり前のことも理解できずに 性欲のためだけに喚き散らすから京豚は馬鹿にされるんだよ

>>204
>百合漫画→あんたがそう受けとるのは自由だが他の受けとり方もあることくらい知っておこうな。どちらが正しいなんて人の受けとり方によるんだから。

咲-Saki-は百合雑誌でも紹介されるほどの百合漫画
ヘテロは許されない京豚は朝から夕までの間に打ち砕かれ、顧みる者もなく、永遠に滅びる。

>男は汚い物→同じ人間には変わりないし雌だけだと繁殖できないだろ。よって雄雌に貴賓はない。

少なくとも咲-Saki-の世界では男は不要
iPS細胞で同性婚も夢じゃない

>いちゃついてる~→とりあえずこのスレではそんなことを女子同士でしてない。原作?読んだこと無いから知らんが二次創作だから>>1の好きなようにすればいいだろ。

してますが?

>作者が百合好き~→前述の通り受けとり方は自由。そしてこれも前述の通り二次創作だから好きにすればいい。

過去作みれば分かるが立は 百合好き

>百合がマイナー~→別にマイナーとかマイナーじゃないとか関係ないだろって話だし好きなものなんか人それぞれだろ。

咲-Saki-では百合が至高

>性欲のために~→人の好みは好き好き。後京豚は馬鹿にされる云々は今現在してる奴から言われてもねぇ…って話。

キャラを性欲のはけ口にするなks

ハイ論破完了~w。

霞「彼らはね、咲のSSが好きなのではないのよ」

霞「自分の姿を須賀くんに重ね、咲キャラたちと絡みたいだけなの」

初美「そうなんですかー?」

霞「そうよ。須賀くんはかわいそうだわ。京豚の、自己投影の犠牲になってしまったせいでいろいろな人に嫌われてし亦野だから・・・」

霞「京太郎SSの『京太郎』を、『俺』に置き換えて御覧なさい」

霞「ほとんどのSSで、違和感なく話が進むはずよ」

初美「うわー・・・ほんとうなのですよー」

霞「こういったスレにはね、ただちにふんふむを召還しなくてはならないの」

霞「『悪』をのさばらせてはいけないのよ」

>>383やめろ構ってやるな。>>377書いたの俺だけど流石に唖然として話通じんと理解できたんだから。

>>384
黙れ!

ゴミみたいなSSで咲-Saki-を汚すんじゃねえ
>>1は自己批判しろ

今日は連絡なしでごめん
明日もちょっと用事は入って無理そうです
ただ、明後日は時間作れたんで投下します

>>391
気持ち悪いSSで作品汚して楽しいか?

普通にエロパロで書いた方がいいだろ
荒れるのは分かってるんだから

ID:jHmKIAo1o「 こいつも糞豚と一緒に焼依頼出しとくか (キリッ」

ID:jHmKIAo1o「歴然とした荒らしなんだし当然の処置(キリリッ」

遅くなってごめん
22:30から始めます

2-4突破出来たのでそろそろ始めます
オリジナル能力やアナル責め注意です



【清澄麻雀部室】

まこ「もう少しで秋季大会じゃが…今日から清澄麻雀部に入ってくれる滝見さんじゃ」

春「滝見春。よろしく。皆の邪魔をするつもりはないから…」

まこ「まぁ、滝見さんはそう言っとるが、秋季大会はオーダーを途中で変える事も可能じゃ」

まこ「実力そのものは直接当たったわしらが知っとるし、まずは色々とオーダーを試してみたいんじゃが…」

優希「異論はないじぇ」

咲「うん。私もそれで良いと思う」

和「えぇ。部長さんなら任せられます」

小蒔「私もまこちゃんなら安心です」

まこ「うんうん。皆ならそう言ってくれると思っとった」

まこ「という訳で…こっちとしては滝見さんにも参加して貰った方が嬉しいんじゃが…」チラッ

春「そう言われると断れない…」

まこ「はは。すまんな」

まこ「ただ、どの道、来年のインターハイには一緒にやるんじゃ。遅いか早いかの違いじゃろ」


まこ「と言う訳で初戦のオーダーじゃが…先鋒は優希」

優希「はい」

まこ「次鋒は滝見さん」

巴「はい」

まこ「中堅はわしで副将は和」

和「……」

まこ「ん?和?」

和「あ…すみません」

まこ「どうした?」

優希「具合、悪いのか!?保健室行くか!?」ワタワタ

咲「大丈夫?」

和「え、えぇ。大丈夫です」

和「ただ…その…今回は私…お休みでも良いでしょうか?」

まこ「え…?」


和「今のままの私では皆さんの足手まといになってしまいますし…」

まこ「わしはそうは思わんが…」

優希「そうだじぇ。新人戦でいい所まで行ったし、のどちゃんは相変わらず強いままだ」

和「それでも…今の私で透華さんや東横さんに太刀打ち出来るとは思えません」

和「実際…新人戦で私は東横さんに負けてしまった訳ですし」シュン

優希「それは…東横さんがのどちゃんを狙い撃ちにしてたと言うか…」

咲「それに私だって一回戦で東横さんに負けちゃったし…」

和「でも…結果、私は三位になってしまいました。それは否定しようのない事実です」

まこ「だからって何も全部、休む必要はないじゃろうに」

咲「そうだよ。副将がダメなら他のところで出ても…」

和「メンバーが足りないならまだしも、今の清澄は団体戦に出られるだけの数があります」

和「私を無理に活かそうとする必要はないでしょう」

和「それよりも私の代わりに神代さんを一試合でも多く出してあげて下さい」

小蒔「えっ」



和「神代さんは今、新しい打ち方を模索してる最中です」

和「それを形にするために必要なのは少しでも多い実戦経験でしょう」

小蒔「で、でも…私…」アセアセ

和「…大丈夫ですよ。今の神代さんならそう簡単に負ける事はありません」

和「それに…後ろにはフォローしてくれる方がついてくれるんですから」

まこ「まぁ…そうじゃな。小蒔の今の成績じゃ大将起用はちょっと難しいし…」

まこ「相手にもよるけど、基本的にわしか咲が大将を務める事になるだろう」

まこ「和もこう言ってくれとる事じゃし、後ろはわしらに任せて気軽にやってしまえば良いと思うぞ」

小蒔「まこちゃん…」

和「ほら、部長もこう言ってくれていますし…ね」

小蒔「…でも、突然、入った私の為に原村さんが抜けるなんて…」

和「良いんですよ。今よりも明日です」

和「神代さんがここで経験を積む事は必ず、来年の清澄の為になるんですから」

和「それに…私の方はまだちゃんとした成果が出る気配がありませんし…」

和「戦力的にも神代さんが入ってくれた方がプラスになるはずです」

小蒔「原村さん…」


小蒔「…分かり…ました。不安ですけど…でも…やってみます」グッ

まこ「ん…じゃあ、話は纏まったな」

まこ「初戦の副将は小蒔で、大将は咲」

小蒔「はい!」

咲「はい」

まこ「途中でオーダーも変えるかもしれへんけれど、とりあえずはこれで行く」

小蒔「初戦の相手しか知らされてないんでしたっけ?」

まこ「うむ。秋季大会はメンバーの入れ替え可能じゃし、不平等を少しでもなくす為じゃな」

まこ「観戦室もあるが、ブロックまでは分からんし、本当に揃う直前まで相手は謎のままじゃ」

まこ「そういう意味じゃ先鋒起用安定で速攻高火力な優希がうちにいるのは有難いの」

優希「ふふーん」ドヤァ

まこ「…ドヤ顔する前に点数調整の一つでも覚えんか」ピシッ

優希「ひゃぅ!」



まこ「(しかし…今の清澄の戦力は異常じゃな…)」

まこ「(ほぼ全員が全国区で活躍できる打ち手な上に、一年が四人もおる)」

まこ「(特に咲、和、小蒔の三人は雑誌でも注目されとるくらいの打ち手じゃ)」

まこ「(去年のわしらがそうだっただけに安心する訳にはいかんが…)」

まこ「(そう簡単に無名校相手に負ける戦力じゃない)」

まこ「(…と言うか下手したらわしがスタメン落ちしてもおかしくないレベルじゃな)」ハハッ

まこ「(ほんの一年前には団体戦に出る事だけでも夢みたいだったのに…こんな事になるとは)」トオイメ

まこ「(嬉しいのは嬉しいが…なんとなく複雑な気分じゃな…)」

小蒔「まこちゃん?」

まこ「あぁ…すまん。何でもない」

まこ「(馬鹿な事考えとらんで気持ちを切り替えんとな)」

まこ「(鶴賀は人数不足で出れないって話だし…本気で警戒するべきは風越と龍門渕くらいじゃろ)」

まこ「(特に龍門渕は天江衣が恐ろしいが…全国でさらに一回り大きくなった咲が勝てない相手じゃない)」

まこ「(和は辞退したのは予想外じゃったが…代わりになる人はおるし)」

まこ「(それもこれも全部… ―― )」



京太郎「終わりました?」ヒョコ

小蒔「京太郎様~♥」ガバッ

京太郎「よっと…」ダキッ

京太郎「いきなり抱きついたら危ないって何時も言ってるだろ」ナデナデ

小蒔「ふわ…ぁ♪」

和「まぁまぁ。神代さんも寂しかったんですよ」

小蒔「そうです!何も会議するからって外に出なくても良いじゃないですか」

京太郎「女子の打ち合わせに俺がいたってやる事ないだろうに」

小蒔「それでも…傍にいて欲しかったです…」スネー

京太郎「…」

小蒔「…欲しかったですー」ジー

京太郎「そうやって拗ねてる小蒔にはアイスはなしな」

小蒔「え、えぇぇ!?ご、ごめんなさい!!」


京太郎「んで、ついでですし、買い出し行って来ましたよ」

まこ「何時もすまんのぅ」

京太郎「何、何時もの事でしょうお婆さんや」

まこ「誰がお婆さんか」ツネー

京太郎「い、いひゃいっす」

まこ「まったく…わしはまだまだ若いんじゃぞ」ハナシ

京太郎「はい。部長は若くてお美しい素敵な方ですよっと…」ガサガサ

京太郎「んじゃ、適当にそこの袋から好きなの選べよ」

咲「京ちゃんは?」

京太郎「俺は残ったので良いよ。完全に趣味で選んできたし」

優希「…ダッツは?」

京太郎「ある訳ないだろ、タコス」

優希「気が利かない奴め…これだからお前は京太郎なんだじぇ」ヤレヤレ

京太郎「お前は今、全国の京太郎さんに喧嘩売ったぞこら」グリグリ

優希「あぅー」ジタバタ


咲「って…これ…何?」

京太郎「あぁ、それか。それは春の分」

春「…え?」

京太郎「流石に黒糖アイスはなかったんで黒糖の飴を買っといたぜ」

春「」パァァ

京太郎「勿論、普通のアイスもあるから適当に選んでくれよ」

優希「…なんか私と露骨に扱いが違わないか?」

京太郎「そりゃお前、優希に優しくしても…なぁ」ジー

優希「やん♪京太郎のエッチー」カクシ

京太郎「…はぁ」

優希「おい今のため息はどういう事だコラ」

京太郎「いや、優希だって諦めずに居れば、AAから脱出出来るって」ポン

優希「こ、これでも一応、Aはあるもん!!!!」キシャー

咲「えっ!?」

優希「ちょっと待ってなんでそこで咲ちゃんが驚くんだじぇ?」

咲「う、ううん…な、何でもないよ!!」

咲「(…実は私、AAだなんて…絶対に言えない…!!)」


小蒔「むー…京太郎様!」

京太郎「ん?」

小蒔「わ、私だってその…おっぱい大きいですよ!」

京太郎「お、おう」

小蒔「だから、もうちょっと私にもこう…スキンシップをですね」

春「…嫉妬?」

小蒔「ち、違いますー!違いますけど…その…」カァァ

京太郎「んー…」

小蒔「」チラッチラッ

京太郎「…さっきいきなり抱きついてきたからそういうのなしで」

小蒔「」ガーン


和「そ、それより…須賀君、外は大丈夫でしたか?」グッ

京太郎「あぁ。まぁ曇りだったけど雪とか雨はなかったぜ」

京太郎「でも、そろそろ本格的に防寒具はいるかもな」

和「そ…そうですね。最近は急激に冷え込んできましたし…」グイグイ

小蒔「私なんかは最近はもうコートが手放せません…」

京太郎「鹿児島から比べるとぐっと冷え込むもんなぁこっち」

京太郎「大会も近いんだし、暖かくして、風邪とか引かないように気をつけろよ」ナデナデ

小蒔「はい…♪」

和「…結局、構っちゃってるじゃないですか」クスッ

京太郎「あ…しまった…つい撫でやすい位置に小蒔がいたからつい…」

小蒔「えへへ…私の勝ちですね♥」

京太郎「悔しいけど、その通りだなー。くそぅ…」


京太郎「ところで…和はさっきから何をやってるんだ?」

和「え…?」

京太郎「その…胸の下で腕を組むみたいな…」

和「こ、これは…その…」カァァ

小蒔「原村さんも…京太郎様に構って欲しいんですか?」

和「そ、そんなオカルトあり得ません!!」マッカ

京太郎「はは。まぁ、和が良ければ幾らでも構うけれどな」

和「えっ…」

小蒔「えー…原村さんだけズルいです…」

京太郎「小蒔はさっきズルして撫でられたからダメ」

小蒔「むぅーまこちゃんに言いつけて来ます!」

まこ「こらー京太郎。あんまり小蒔を虐めるんじゃないぞ」ハム


春「…じゃあ、私は黒糖くれたし京太郎に着く」

まこ「なん…じゃと…」

咲「え…えっと、じゃあ、私は神代さんの方に…」

優希「私も勿論、神代さんにオールインだじぇ!」

春「…孤立無援…」

京太郎「はは。分の悪い闘いになっちまったな」

春「でも…京太郎と一緒なら…悔いはない」

京太郎「春…お前…」

春「私は何時だって京太郎の味方だから…」ニコッ

京太郎「勝てる目算の殆どない闘いなんだぞ?」

春「それでも…死ぬ時くらい一緒が良い」

京太郎「馬鹿…」

春「知らなかった?恋する乙女なんて何時だって愚かな生き物」クスッ


小蒔「…むぅ…」プクー

まこ「なんか美味しいところだけ持っていかれたなぁ」ケラケラ

和「まさに役者が違うって感じですね…」

咲「まさか…神代さんだけじゃなくって滝見さんまで…?」

優希「本当、京太郎は鹿児島で何をしたんだじぇ…」

京太郎「まぁ…その辺はプライバシーなアレコレって事で黙秘権を行使します」

京太郎「それにこんなの冗談の一環だろ。本気にしたら春に悪いって」

春「……」

咲「(冗談…なのかな?)」

まこ「(その割りには…一瞬、目がマジだったと思うがな)」

優希「(京太郎は変な所で鈍感だからなー)」


京太郎「それよりほら、暖房入ってるんだし、和も早く食べないとアイス溶けるぞ」

和「え…あ…」

京太郎「どうした?」

和「…あの…えっと…」スッ

京太郎「ん?」

和「……」カガミ

京太郎「???……あ」ポム

京太郎「…」ナデナデ

和「あ…♥」

小蒔「ぅ~…今度は原村さんに…京太郎様を取られちゃいました…」

和「べ、別に取った訳じゃ…はぅ♪」ニヘラ

小蒔「その割りには顔が嬉しそうです…」プクー


京太郎「仕方ないな…ほら、小蒔」

小蒔「えっ…?」

京太郎「ちょっと曇りだけど、テラスの方行こうぜ」

優希「あー!それ私の特等席なのに!」

京太郎「悪いな、ちょっと貸しといてくれ」

優希「…仕方ない。その代わり後でタコスな」

京太郎「…買い出し行くだけだぞ」

優希「ちっ…ケチンボめ」

京太郎「別にそれが嫌なら何もなしでも構わないんだぜ?」

優希「ごゆっくりどうぞー」

京太郎「まったく…現金な奴め」


【テラス】

京太郎「それで…どうしたんだ?」

小蒔「え…?」

京太郎「最近はあんまり人前で抱きついたりしなうなったのに、今日は人一倍、感情の起伏が激しいだろ?」

京太郎「だから、何かあったのかなって思ってな」

京太郎「勿論、俺の思いすごしなら良いんだけどさ。もし、何かあったんなら、相談に乗るぞ」

小蒔「…ふふっ♪」

京太郎「ん?」

小蒔「いえ…すみません」

小蒔「やっぱり…京太郎様は凄いなって…そう思って」

京太郎「凄くなんかないって。小蒔の様子がちょっと変なのは多分、部長も気づいてたし」

京太郎「春辺りも間違いなく分かってたはずだしな」

小蒔「それでも…こうして私に手を差し伸べてくれたのは京太郎様なんです」

小蒔「私にとって最高の…身も心も捧げたくなるくらい素敵な婚約者さんなんですから…♥」


京太郎「あんまりそうやって持ち上げるなよ、恥ずかしくなるだろ」ポリポリ

小蒔「ふふ…♪でも、本心ですから」

京太郎「あー…もう…小蒔は時々、素直過ぎてやりづらいな」

小蒔「そんな私はお嫌いですか?」

京太郎「可愛くて堪らないからやりづらいんだよ」ナデ

小蒔「あふ…ぅ♪」

京太郎「そうやって目を細めて幸せそうにされると何でもしてやりたくなるからなぁ…」

小蒔「京太郎様が傍にいてくれるなら…何時だって今の私が見れますよ」

京太郎「それは魅力的な気がするけど…甘やかし過ぎて石戸さんたちに怒られそうだ」

小蒔「その時は駆け落ちでもしてみますか?」

京太郎「そんな事になったら石戸さんたちに地の果てまでも追いかけられそうだなぁ…」

小蒔「その時は私が霞ちゃんたちも巻き込んじゃいます♪」グッ

京太郎「六人での駆け落ちかぁ大所帯になるなぁ…」

京太郎「でも、まぁ…小蒔と一緒なら駆け落ちも悪くないって思えるよ」

小蒔「はぅん…♥」


京太郎「それで…結局、何があったんだ?」

小蒔「…秋季大会の事です」

京太郎「あぁ…そろそろだったもんな。もしかして部長に外れてくれって言われたのか?」

小蒔「いえ、まこちゃんはそんな事言いません。寧ろ…逆です」

京太郎「逆?」

小蒔「原村さんが今回完全に不参加を表明して…代わりに一試合でも多く私を出してあげて欲しい…と」

京太郎「あぁ…なるほど」

京太郎「それで…プレッシャーだったって訳か」

小蒔「…はい…」シュン

小蒔「私に…原村さんの代わりが務まるでしょうか…?」

小蒔「未だに原村さんに勝つ事の出来ない私では…逆に皆の足を引っ張ってしまうのではないでしょうか…?」ブル


京太郎「(…ここで小蒔が和の代わりになるのは簡単だ)」

京太郎「(小蒔が持つ巫女としての力を使えば、今の和をまくる事はそう難しくないんだから)」

京太郎「(だけど、小蒔はそれを意図的に使わないようにする為に頑張っているんだ)」

京太郎「(和だって…きっと勝つ為に今まで積み重ねてきたものを壊すようなやり方を望んでいる訳じゃない)」

京太郎「(きっと小蒔に自分自身の力で戦って欲しいからこそ、そうやって自分の枠を譲るような真似をしたんだろう)」

京太郎「(だから…ここで能力に関して言及する事は出来ない)」

京太郎「(それを抜きにした小蒔の力だけを話題にして…彼女を元気付けなけきゃいけないんだ)」

京太郎「(それを難しい…なんて言ってる場合じゃないよな)」

京太郎「(何時かはぶち当たる壁と思っていたでかい壁が小蒔に立ちはだかってるんだ)」

京太郎「(『最高の婚約者』なんて持ち上げられた俺がそれをスルーする訳にはいかないだろ)」

京太郎「(せめて…さっきのように小蒔が無理して明るく振舞ったりしなくてすむくらいに緊張を和らげてやらないとな)」


京太郎「…小蒔は強くなっていってるよ」

京太郎「今だって俺から見た実力差がグイグイ離されてるし、逆に和にドンドン近づいて行ってる」

京太郎「最近は和相手に逆転の手が入ったり、途中まで一位になれてた事も少なくないだろ?」

小蒔「それは…そう…ですけど…そう云うのを緊張して…取りこぼしてしまうのが今の私で…」シュン

小蒔「大会は…もっと緊張すると思います…だから…きっとミスも増えて…」

京太郎「そもそも…それが間違いなんだよ」

小蒔「え…?」

京太郎「何で大会だと緊張するんだ?」

小蒔「それは団体競技で…私の失点が皆の迷惑に…」

京太郎「…あいつらがそんな失点ものともすると思うか?」

京太郎「言っとくけど戦力だけで言えば、今の清澄は全国でも指折りのやばさだぞ」

京太郎「インターハイの試合を見て『魔王』だなんて不名誉な称号をつけられた咲含め、全国クラスばっかりなんだからな」

小蒔「あ…」


京太郎「そうやって不安に思うこと自体、小蒔は皆を信頼出来ていないんだよ」

京太郎「現に…永水だったらどうだった?」

小蒔「…先鋒で…安心して後ろを任せていました」

京太郎「それは皆ならば多少の失点は取り返してくれるって信じていたからだろ?」

小蒔「…はい…」

京太郎「勿論…それはきっと石戸さんや薄墨さん、狩宿さんの存在が大きかったんだと思う」

京太郎「そもそもこっち来てまだそんなに経ってないのに、それだけ信頼しろって言う方が無茶だ」

京太郎「でも…その無茶をねじ曲げて…俺は小蒔に皆のことを信じて欲しい」

京太郎「アイツらなら絶対に…小蒔がどんな戦い方をしても勝ってくれる」

京太郎「だから…小蒔にもそんな風に緊張しないで麻雀を楽しんで欲しいんだ」

小蒔「麻雀を…楽しむ…」


京太郎「自分だけじゃなくって他人の命運まで掛かってるんだ。それは難しい話なのかもしれない」

京太郎「でも、俺は…麻雀で『勝った』と言える奴は一番、楽しんだ奴だと思う」

京太郎「所詮、麻雀なんて娯楽なんだ」

京太郎「例え、最下位でもその人が楽しんでいたら勝ちだし、トップでも歯ごたえのなさにイライラしてたら負けだろう」

京太郎「勿論、これは俺の考えで、小蒔に押し付けるつもりはない」

京太郎「だけど…どうせなら俺は小蒔にそんな風に勝てる奴になって欲しい」

京太郎「そうすれば…きっと小蒔だって自分の本当の実力を発揮出来るはずだから」

小蒔「私の…本当の実力…」

京太郎「あぁ。小蒔はもっともっと強くなれる」

京太郎「神降しがどうとか巫女としての力がどうとかじゃない」

京太郎「今もミスして取りこぼしてるそれを…取りこぼさないような雀士になれるはずなんだ」

京太郎「そうすれば…小蒔は和にだって負けない全国クラスのデジタル打ちだ」

京太郎「多分、和が自分の枠を譲ってまで小蒔になって欲しいのはそういう打ち手なんだと思う」


京太郎「はは…下らない事ばっか語っちゃって悪いな」

京太郎「要点だけ伝えれば…まぁ、楽しんで打てばきっと勝てるっていうろくなアドバイスじゃないんだけど」

小蒔「いえ、とても参考になりました」ペコリ

小蒔「私…頑張ってみます」

小蒔「勝つ事じゃなく…楽しむ事を…」

小蒔「…新人戦の時の京太郎様のように…楽しんで打ってみたいと思います」

京太郎「あー…まぁ、あの時の俺はボロボロでまったくいい所なしだったんだけどな」ハハッ

小蒔「いいえ。とても格好良かったです…!」グッ

小蒔「今、こうして…京太郎様の考えを聞いて…改めて…そう思いました」カァ

小蒔「やっぱり京太郎様は…私にとって最高のお方です…♥」ギュッ

京太郎「ん…有難うな」

京太郎「そう言ってくれると…俺も嬉しいよ」ナデ


京太郎「それで…小蒔は大体、何処に配置される予定なんだ?」

小蒔「とりあえず初戦は副将という形でした」

京太郎「あー…なるほど。和の代わりに置くって事か…」

京太郎「(そして当たる可能性があるのは…インターハイと同じ構成なら東横選手や龍門渕選手…か)」

京太郎「(流石にこの二人相手に今の小蒔がぶつかって…オカルトなしで勝てるとは思えない)」

京太郎「(東横選手は副将戦で和以上に稼いだし、龍門渕選手は和と並ぶデジタル打ちなんだから)」

京太郎「(それに小蒔の後ろに点数調整出来る人が二人は欲しいから…)」

京太郎「…よし。俺から部長に言ってみるよ」

京太郎「小蒔は先鋒か次鋒起用の方が安定するって」

小蒔「いえ…大丈夫です」

京太郎「…小蒔?」

小蒔「私…副将で大丈夫ですから」

京太郎「…良いのか?」

小蒔「はい。プレッシャーは京太郎様のお陰で大分なくなりましたし…」

小蒔「それに私の後ろにいるのは…宮永さんかまこちゃんです」

小蒔「その二人に任せれば…大丈夫だって私、信じていますから」

京太郎「そっか」ナデ


京太郎「でも、無茶はするなよ。自分のやりたい打ち方で良いんだ」

京太郎「秋季大会なんて殆ど練習試合みたいなものなんだから、無理に気負って勝ちなんか狙わなくて良い」

京太郎「負けたら負けたで…一緒に皆に謝ろう」

京太郎「きっと皆なら笑って許してくれるはずだから」

小蒔「はい…っ♪」

小蒔「あ…でも…それじゃ…一つだけお願いしても良いですか…?」

京太郎「おう。俺に出来る事なら何でも言ってくれよ」

小蒔「あの…も、もし…私が最後まで頑張れたら…ご褒美…くれますか?」カァァ

京太郎「…エッチな奴?」クスッ

小蒔「そ、それも含めて…と言うか…その…ここ最近、一緒に居られる事が少なかったので…」モジモジ

小蒔「秋季大会が終わったらのんびり出来ますし…京太郎様と一緒に一日中過ごしたいな…って…」モジモジ

小蒔「ダメ…ですか?」ウワメヅカイ

京太郎「ダメな訳ないだろ」ギュッ

小蒔「ひゃぅ…♪」

京太郎「寧ろ、俺が言おうと思ってたくらいなんだからさ。…寂しがらせてごめんな」

小蒔「いえ…そんな…アルバイトや練習などで忙しいのは分かっていますし…」アセアセ

小蒔「寧ろ、私の方こそ…我慢出来なくて申し訳ないです…」カァァ

京太郎「…良いんだよ。そんな風に変な遠慮なんてしなくて」

京太郎「これから夫婦になるって男相手なんだからもうちょっと甘えて良いんだ」

京太郎「ダメならダメって言うけれど、それで俺が小蒔の事を嫌いになる事はないよ」

京太郎「それくらい俺は小蒔の事好きなんだからさ」ボソッ

小蒔「は…ぁ…ぁ♥」ブルリ


京太郎「さて…と…やっぱり外は随分と冷え込むな…」

小蒔「私は…こうして抱いていただければ…それだけでポカポカします…♥」

京太郎「まぁ…俺もそうなんだけどな。小蒔の体温って結構、高いし」

小蒔「京太郎様のお陰で…ポカポカしてますから…♪」

京太郎「俺専用ホッカイロか。随分と持ち運びが不便そうだな」クスッ

小蒔「でも…お側に置いてくだされば身の回りの世話も…色々しますよ…♥」

京太郎「エッチな事も?」

小蒔「じ、実は…得意分野だったり…しちゃったりして…」モジモジ

京太郎「んじゃ…今日は久々にその得意分野で役に立ってもらおうかな」

小蒔「い、良いんですか!?」

京太郎「あぁ。でも、今日は親父は遅くなる日だし、お袋も出かけるって言ってたから」

京太郎「まぁ、家に帰ってからだけど…小蒔の身体を味わう時間くらいはあると思う」

小蒔「あ…あぁ…っ♪♪」ブルッ

京太郎「…興奮した?」

小蒔「興奮どころか…スイッチ入っちゃっいましたぁ…♥」

京太郎「はは。悪い。でも…家まで我慢しろよ」

京太郎「そしたら…思いっきり可愛がってやるからさ」チュッ

小蒔「はい…っ♪」


優希「こらあああああ!京太郎!何時まで私の特等席でイチャついてるんだじぇ!」

京太郎「まったく…空気読めない奴だな」

優希「寧ろ、空気読んでますから!コレ以上、桃色オーラ出されると堪らないですから!!」

和「……」ニコニコ

春「……」ポリポリ

咲「……」ゴッ

優希「ほらな!!ほらな!!!!」ナミダメ

京太郎「あー…なんか良く分からないけどすまん」

優希「こんなに露骨なのに…これだから京太郎は」ハァ

京太郎「だから何なんだその溜息は」

優希「何でもないじぇ。…ただ、神代さんも苦労するなぁって思って」

小蒔「ふふ…♪でも、それ以上に幸せにして頂いておりますから…♥」

優希「あーもう…そろそろ冬も近いのに熱いってどういう事だじぇ」パタパタ

京太郎「バカは風邪引かないって聞いたけど…」

優希「ほぅ?」グッ

京太郎「すみません、優希様。だから、その握り拳を下ろして頂けないでしょうか」



京太郎「つか、俺らの分のアイスは…」

まこ「あぁ、もうわしらが食った」

京太郎「はぁ!?」

まこ「いやぁ、スーパーカップは強敵じゃったな」ケラケラ

京太郎「何時もストッパーな人が率先して食べてる…だと…?」

まこ「まぁ、アレだ。二人の関係は知っとるが、こう目の前でイチャつかれるとな」

優希「正直…生きた心地がしなかったんだじぇ」

まこ「そうそう。だから、これくらい手間賃として受け止めろ」

京太郎「手間賃って何なんですか」

優希「神代さんは京太郎には勿体無いくらいの人なんだからこれくらいは仕方ないじぇ」

京太郎「くそぅ…こんなの虐めだ…子ども電話相談室に連絡してやるぅ…」


小蒔「ふふ…♪私は別に構いませんよ」

小蒔「それよりももっと甘くて美味しいものを…頂きましたから…♥」カァ

優希「それって…」

和「」ゴッ

春「」ゴッ

咲「」ゴゴゴッ

優希「…火に油を注ぐだけって…遅かった…」

和「…小蒔さん、大会まで時間もありませんし、ちょっとこちらで特訓しませんか?」

咲「そうだね。和ちゃんの言う通り…時間が勿体無いよ」

春「大会までに姫様の安定性を鍛えるのは急務」

小蒔「そうですね。じゃあ、京太郎様、ちょっと行ってきます!」グッ

小蒔「あ、そうだ。京太郎様、これが終わったらスーパー寄りましょう」

小蒔「買い物に来る方々に夫婦みたいだねって言われるのも悪くないですし…アツアツのピッツァも食べてみたいです!」

小蒔「楢の木の薪で焼いた本物のマルガリータなんてどうですか?あ、勿論、ポルチーニ茸ものっけますね」テレテレ

小蒔「付け合せには京太郎様のパインサラダなんてどうでしょう?」

京太郎「いや、それは良いんだけど…あの…小蒔?」

小蒔「やった!それじゃあパインサラダ期待していますね!」グッ

京太郎「いや、あの、それは嬉しいんだけど、多分、今、あの三人に近寄らない方が良いと言うか…」

小蒔「すみませーん。お待たせしましたー」

京太郎「あぁ…浮かれ過ぎて聞いてない…」


















小蒔「ひにゃああああああああああ!?」


















【秋季大会清澄高校控え室】

小蒔「は…ぅぅ…ぅ」

京太郎「…大丈夫か?」

小蒔「はっ…え…な、何ですか!?」

小蒔「あ、明日のお天気は晴れだと思います!」

京太郎「まぁ…それも気にならないって言えば嘘になるけど…」

京太郎「小蒔の状態は大丈夫かなって」

小蒔「あ、はい!大丈夫です!」

小蒔「ち、ちょっとカンが怖いですけど…そ、それだけですから」フルフル

京太郎「…さーきー?」

咲「あ、あはは…その…ごめんなさい」

京太郎「まったく…大会前にチームメイト凹ませてどうするんだよ」

和「ごめんなさい…」シュン

春「反省してる…」シュン

小蒔「あ…い、いえ!本当に大丈夫ですから!だから、三人を責めないであげて下さい」

小蒔「皆は大会前に私を鍛えてくれようとしてくれただけで、凹んじゃった私が悪いんですから…」ショゲ

咲「はぅ」ズキズキ

和「うっ」ズキズキ

春「…ごめんなさい」ズキズキ


まこ「はいはい。小蒔が大事なのは分かるけど、その辺にしとけ」

京太郎「部長…」

まこ「それより…そろそろ一回戦が始まるから、その準備じゃ」

まこ「前もって伝えていた通りのオーダーで行くぞ」

優希「了解だじぇ」

春「…ん」

小蒔「了解です」

咲「はい」

まこ「一線級の戦力が集まった新生清澄の初陣じゃ」

まこ「注目もされとるが、その期待を超えられるだけの力があるとわしは思うとる」

まこ「だから、気軽に行こう」

まこ「いつも通りの麻雀をすれば、おのずと結果は見えてくるんじゃからな」

全員「はい!!」

京太郎「(…と、まぁ…始まった秋季大会だけれど…)」

京太郎「(正直、圧倒的と言っても良いくらいだった)」

京太郎「(元々、清澄の中核はほぼ抜けていないままに小蒔たちが入ってくれているんだ)」

京太郎「(インターハイが終わった影響で三年生が抜け、一二年生が主軸となった他校が対抗出来るはずがない)」

京太郎「(対戦者をまさしく蹂躙していくように清澄は勝ち進んでいった)」

京太郎「(その様を観戦室で『魔王の行進』だとか『魔境の中の魔境』だって言う人もいたくらいだ)」

京太郎「(まぁ…実際、俺も反則だって思うよ)」

京太郎「(相手からすれば和がいないのが舐めプに見えるレベルだってのも…なんとなく分かる)」

京太郎「(でも、だからって…『勝つ為に清澄が金で選手を集めた』とか『永水が取り入った』なんて陰口は、まったく的外れなものだ)」

京太郎「(そもそも清澄は元々のメンバーで優勝狙えるくらいに充実してるんだから)」

京太郎「(それをわざわざ永水から人を集めたり、逆に永水が清澄まで来る必要はない)」

京太郎「(そんなのは少し考えれば分かると思うんだけど…やっぱり妬みなんだろうな)」

京太郎「(良くも悪くも…今の清澄は注目の的なんだ)」

京太郎「(その一挙一動で評価が左右に振れてしまうくらいに)」

京太郎「(だからこそ、それを吹き飛ばすくらいの実力を見せなければいけないんだけれど…)」


【廊下】

まこ「ようやく準決勝…か。中々に順調じゃったな」

京太郎「そうですね。まぁ、相手に風越も鶴賀も龍門渕もいませんでしたし」

まこ「今のわしらにとって怖いのはその三高くらいなものじゃからなぁ」

京太郎「えぇ。…とは言っても…それもこれまでですけれど」

まこ「次は龍門渕…か」

京太郎「…部長、今日は…」

まこ「分かっとる。今日は満月でもないし、まだ夜と言うほど更けてもいない」

まこ「ここで龍門渕と当たれたのは寧ろ僥倖と言う奴じゃろ」

まこ「相手さんも県予選で当たった時より強くなっとるとは言え、こっちの戦力アップは著しい」

まこ「練習試合もよぉやっとるし、手の内も殆ど分かってる」

まこ「それを思えば…怖がるような必要はない」

まこ「だけど…どうしてじゃろうな」

まこ「さっきから…嫌な予感が止まらん」

京太郎「…部長」

まこ「はは。すまんな。つい弱音を吐いてしもうた」

まこ「もうちょい部長らしくしなきゃいけないってのは分かっとるんじゃが…」

京太郎「…どんな立場の人だって弱音を吐きたい時くらいあります」

京太郎「女子の前でしっかりしなきゃいけないってのは分かりますけれど…俺の前でそんな風に片意地はらなくて良いですよ」

京太郎「一応、口は固い方ですし、誰にも言いませんから」

まこ「…有難うな」



【控え室】

まこ「さて…次の相手じゃが…龍門渕に決まった」

和「」ピクッ

咲「って事は…次は激戦になりそうだね」

まこ「そうじゃな。相手は去年全国に出た強者じゃ」

まこ「小蒔たちもその実力の程は良く分かっとるじゃろ」

小蒔「…えぇ」

春「天江選手が最多得点記録を塗り替えた試合は…まさに圧倒的…」

咲「それ以外の人たちも全国で十二分に通用する打ち手だし…」

まこ「うむ。正直、これまでとは違う…互角かそれ以上の相手じゃ」

まこ「だけど、ここにいるメンバーであれば、勝って決勝に行くのはそう難しくない」

優希「公式戦リベンジのチャンスだじぇ」

まこ「…出る気満々みたいじゃが、優希を出すつもりはないぞ?」

優希「え、えぇぇ!?」

まこ「はは。冗談じゃ」

まこ「優希はうちの大事な切り込み隊長じゃからな」

優希「お、脅かさないで欲しいじぇ…」



まこ「さて…それで相手の編成じゃが…京太郎」

京太郎「うす。今まで観戦室で龍門渕の試合を見て来ましたが、メンバーに変化はありません」

京太郎「オーダーも何時もと同じでした」

京太郎「あちらで指揮をしているであろう龍門渕選手は目立ちたがり屋ではありますが、堂々とした選手です」

京太郎「恐らくは土壇場でこのオーダーを変える事はないでしょう」

まこ「…と言う事じゃ。つまりわしらも下手にオーダーを弄る必要はないという事じゃな」

まこ「いつも通りの清澄で…龍門渕を叩く」

まこ「その為に…まずは優希」

優希「はい」

まこ「相手は色々と世話になった井上選手じゃが…やれるな?」

優希「勿論!こっちの速さも負けてないって事を見せてやるじぇ」

まこ「では…次鋒はわしで…中堅は…滝見さん」

春「はい」

まこ「相手は恐らく国広選手。土壇場でも安定した打ち方をする相手じゃ」

春「大丈夫…どんな相手でも流すのは得意」

まこ「頼もしいな。では…副将は……」

和「……」


小蒔「あの…私は別に良いですから…」

和「えっ…」

小蒔「…原村さん、本当は出たいんですよね?」

小蒔「龍門渕の名前が出てから、少しソワソワしています」

和「…それは…」

小蒔「相手の龍門渕透華という方は原村さんをとても意識している方です」

小蒔「きっと今も原村さんと戦える事を楽しみにしているんじゃないでしょうか」

小蒔「…そんな相手を私に譲って…後悔しませんか?」

和「……」

小蒔「私なら…きっと後悔すると思います」

小蒔「だから、もし、原村さんが私の事を思ってそう言っておられるんなら…」

和「…いえ、良いんです」


和「今の私では透華さんの期待には答えられません」

和「彼女が追い求めてくれた…『のどっち』になれない以上、期待ハズレになるだけでしょう」

小蒔「原村さん…」

和「それに透華さんと戦うのは別に何時でも出来ますから」

和「…と言うか、実はこの間もネト麻で対戦したばっかりですし」クスッ

和「だから、私のことは気にしないで、小蒔さんが代わりに出てください」

和「それが清澄の為になるという考えは今も変わっていませんから」

小蒔「…分かりました」

小蒔「この神代小蒔。原村さんの代わりを精一杯務めさせて頂きます」

和「えぇ。でも、あまり気負わないで下さいね」

和「大事なのは勝利ではなく、一つでも多くのことを学ぶ事なんですから」

小蒔「はい…!」


まこ「…どうやら決まったようじゃな。では…副将は小蒔」

小蒔「頑張ります」グッ

まこ「大将は…まぁ、咲しかおらんじゃろ」

咲「ちょ、ちょっとプレッシャーかも…」

まこ「夏とは違って相手は全開じゃないとは言え、天江選手を咲以外で相手出来るとは思えんしの」

まこ「まぁ、咲がダメなら誰でもダメだったんじゃろうし、気楽に打てばええ」

まこ「わしも後に繋げるつもりで適当に打つしの」

咲「はい…」

京太郎「…咲、トイレとか大丈夫か?」

咲「ぅ…そ、そう言われると…ちょっと…」

京太郎「んじゃ、優希が会場行くついでに連れてって貰えよ」

咲「そ、そんな子どもじゃないもん!」

京太郎「そう言いながら三回戦の時に迷ってたのは誰だ?」

咲「そ、それは…その…」カァ

咲「で、でも、もう把握したもん。夏にも来たし…バッチリだもん!」

まこ「…優希」

優希「はいはい。じゃあ、咲ちゃん、私も行きたいから一緒に行こうじぇ」

咲「そ、それだったら、まぁ…」モジモジ

京太郎「(あぁ…やっぱり自信がなかったんだな…)」


京太郎「(そんなやり取りをしながら始まった準決勝)」

京太郎「(それはやっぱり今までどおり蹂躙とはいかなかった)」

京太郎「(勿論、他の二校の実力は俺は見る限りそれほど高くなく、清澄と龍門渕に翻弄されているのが分かった)」

京太郎「(しかし、それでもアドバンテージを奪い合う相手がいるというのは戦況を硬直させるものなのだろう)」

京太郎「(今までのような大差はつかず、龍門渕清澄共に+三万点で収まっていた)」

京太郎「お互いからは殆ど直撃をとれず、他の二校が沈んだ形だ)」

京太郎「(実力は互角だと予想していたとは言え…ここまで拮抗するなんてな)」

京太郎「(こうなると…一人一人の戦績が重要になってくる)」

京太郎「(誰もがそうは思いながらもリードを作る事は出来ず、ズルズルと大将戦へと進んでいく)」

京太郎「(何とか一位を維持していたものの、それは直撃一回で容易くひっくり返るようなリードでしかない)」

京太郎「(それを守りきれるか…それとも潰されてしまうのか)」

京太郎「(そんなプレッシャーの中…迎えた副将戦)」

京太郎「(そこで…大きな動きが起こった)」


小蒔「よろしくお願いします」

透華「…和でありませんのね」

小蒔「すみません。原村さんは今、体調が悪くて…」

小蒔「私では役者不足かもしれませんが、精一杯お相手させて頂きます」グッ

透華「あ…ごめんなさい…」

透華「てっきり和と打てると思っていたから…決して貴女が役者不足というつもりはありませんでしたの」

透華「いえ…そもそも無名の永水女子をほぼ一人で全国に連れて行った神代小蒔が相手となれば、役者不足はこちらの方ですわね」

透華「こちらこそ胸を貸してもらうつもりで打たせて貰いますわ」ニコッ

小蒔「いえ…そんな…」カァァ

小蒔「私なんて…麻雀も下手っぴで…一生懸命やっただけですし…」モジモジ

モブ1「(なんでこんな化け物二人がいる卓に詰め込まれてるのよ…正直、逃げたい)」

モブ2「(本音ではメゲたい…でも…そうやって自暴自棄になっても…何の意味もないし…)」


透華「ロン。3900ですわ」

小蒔「はい…」

まこ「うーん…やっぱり大分、押し込まれとるの」

京太郎「龍門渕選手は全国でも指折りデジタル打ちですから」

咲「…でも、今の透華さんはあんまり怖くないね」

京太郎「あぁ…合宿の時に出た冷やし透華…だったっけ?」

優希「そりゃもう凄かったじぇ…咲ちゃんと衣ちゃんが翻弄されてたからな…」

京太郎「んー…今の打ち筋を見る限り、そういったオカルト持たない堅実な人っぽく見えるんだけどな…」

和「まぁ…でも、今のままだとあの透華さんが出る事はないでしょう」

和「こう言っては何ですが…能力を使わない神代さんは透華さんには及びません」

和「相手の実力に反応するらしい透華さんが切り替わる事はないでしょう」

和「また…ここから先は推測ですが…合宿の時、透華さんが咲さんと同卓した時、彼女は反応しませんでした」

京太郎「…つまり一人一人の実力じゃなく、卓の総合力でスイッチが入ると?」

和「恐らく…ですが」

和「しかし、もし、その推測が当たっているのであれば…例え、能力を使っても透華さんが切り替わる事はほぼないかと」



小蒔「(皆が…大事に守ってきた点棒が…)」

小蒔「(私の所為で奪われて…どんどん龍門渕さんにリードを作られてます…)」

小蒔「(なのに…私…)」

透華「さぁ、どんどん行きますわよ」ゴッ

小蒔「(あの人に…勝てる気がしません…)」

小蒔「(今の私じゃ…まったく太刀打ち出来ないんです…)」

小蒔「(このままじゃ…私の所為で皆が負けて…)」

小蒔「(そんなのは…そんなのは嫌です…)」

小蒔「(…折角、ここまで来たのに…決勝が見えているのに…)」

小蒔「(こんなところで負けるなんて…絶対に…嫌…!)」

小蒔「(だから…私…私…)」


優希「あれ…?神代さんの顔つきが変わったような…」

京太郎「…!?まさか…!」

春「…神が降りる」

京太郎「…そうやって能力頼りにしない為の特訓だったのに…」グッ

和「仕方ありませんよ…神代さんは今までそれを武器にしていたのですから」

和「幾ら使うなと言われても…簡単に封印できるものではありません」

和「それは…今、ろくに戦えない私が一番、良く分かりますから」

まこ「和…」

和「…でも…どうしてでしょう…」

和「今の神代さんを見てると…嫌な予感が止まりません」

京太郎「だ、大丈夫だって。ああなった小蒔は限定的ではあるけど、とても強いんだから」

和「…えぇ。そうですね」

和「(確かに…能力が発動している間の神代さんは強いです。それを頼りにしてきた神代さんがインターハイで活躍できるくらいに)」

和「(でも…もし、それが通用しない相手が現れたら…神代さんは…何を頼りにして打てば良いのでしょう…?)」

和「(…能力が使えている間に…少しでもリードを縮められれば良いんですけれど…)」


小蒔「」カッ

透華「(さっきから…何やら神代さんの様子がおかしいような…)」

透華「(ろくに受け答えもありませんし…さっきまであった感情らしいものもありません)」

透華「(具合が悪いのかと思いきや…打ち筋はまったく別物)」

透華「(さっきまでのナマクラめいたものではなく…こちらが切れてしまいそうなほど鋭いものですわ)」

透華「(恐らく…これが…本物の神代小蒔。これが…本物の…『魔物』)」

透華「(咲さんや衣に並ぶ…人外の領域に住む雀鬼…)」

透華「(あぁ…ゾクゾクします…♪)」

透華「(だって…私は今から…それを打ち砕くのですから)」

透華「(人の領域にはあらぬそれを引きずり降ろして…打ち砕いて…私こそが一番だと証明する)」

透華「(そう思っただけで…身体は熱く…頭は寒くなっていきます)」

透華「(まるで…感情が削ぎ落とされ…思考だけがクリアになっていくような…それは…)」

透華「(『私』を消して…奥から別の何かを引きずり出すようで…)」


小蒔「」ハッ

小蒔「(…あう…また意識が飛んでいました)」

小蒔「(でも…意識が飛んでいたって事は、九面様が降りてきてくれたはずですよね…)」

小蒔「(例え誰でも…私が打つよりも強いのですから…リードは縮まって…)」チラッ

小蒔「…え…?」

小蒔「(…縮まってない…いえ…寧ろ…広がっているばっかりで…)」

小蒔「(嘘…九面様の力が及んでいない…?)」

小蒔「(原村さん相手でも…逆転してくれる九面様が…逆にリードを広げられるだなんて…)」

小蒔「(だとしたら私…どうしたら…?)」ブルッ

小蒔「(九面様より…原村さんより弱い私じゃ…こんなの…)」

小蒔「(…何も…出来ないじゃない…ですか…)」


まこ「…龍門渕透華に対する評価は改めなければいけんな」

和「…えぇ。まさか…あそこでスイッチが入るなんて…」

まこ「恐らく…和の推測は当たっておったんじゃろう」

まこ「予想外だったのは…神降しとやらを使った時の小蒔の実力じゃな」

和「途中までは破竹の勢いでした。でも…透華さんの様子が変わってからはドンドンと引き離されていって…」

まこ「こればっかりは相性差じゃな…」

まこ「卓が終わるまで永続的に続く龍門渕選手の能力と短期集中型の小蒔じゃ相性が悪い」

まこ「元々、地力の差があるのに、さらに引き離されるんじゃからな」

咲「せめて…無事に帰ってきてくれれば良いんだけれど…」

優希「原村さん…」

和「…えぇ。落ち込まず…普通に戻ってきてくれれば良いんですけれど…」

まこ「…ただ…やっぱり…ショックは大きいじゃろうな…」

春「…これまで頼りにしてきたものが砕かれたら…誰だってそうなる」

まこ「…そうじゃな。今も…モニター越しではっきり分かるくらいに暗い顔をしとる」

和「…完全に透華さんに飲み込まれていますね…」

京太郎「……」


小蒔「(牌が冷たい…)」

小蒔「(まるで雪を固めたみたいに…ひんやりと凍えるようです…)」

小蒔「(これが…これが龍門渕さんの本当の力…)」

小蒔「(私に似た…けれど、本質的には違う…自己変異型の能力…)」

小蒔「(きっと私と戦ってきた人たちも…今の私と同じ気持ちだったのでしょう…)」

小蒔「(こんなの勝てないって…こんなの…反則だって…)」

小蒔「(だから…何ですか?)」

小蒔「(私が今まで…ずっとズルして勝ってきたから…)」

小蒔「(だから…ようやく出来たお友達の足を引っ張って…私と似た能力を使う人に…負けてしまうんですか…?)」

小蒔「(だとしたら…だとしたら、私…)」

小蒔「(一体、今まで…何の為に…皆と頑張って…)」

透華「ツモ。3200オール」

小蒔「…はい…」


―― 半荘が終わったので10分の小休止を挟みます。

小蒔「」ダッ

小蒔「(私…私…マイナスにしちゃいました…)」

小蒔「(皆が三万点も稼いでくれた点棒…ついに全部溶かしちゃって…)」

小蒔「(私…一体…何を…何をやって…)」

京太郎「…小蒔」

小蒔「ぁ…」

京太郎「迎えに来たぞ」

小蒔「や…見な…見ない…で…」グスッ

小蒔「見ないで…下さい…こんな…私…」ポロポロ

京太郎「…」ギュッ

小蒔「ぅ…あぁ…」ギュゥ


小蒔「ごめん…なさい…っ!私…あんなに負けちゃって…」ポロポロ

京太郎「気にすんな。そういう時もあるさ」ナデナデ

小蒔「でも…でも…っ!まだ半荘あるんです!」

小蒔「前半戦だけで…三万も溶かされちゃった私が…後半荘も…!」

小蒔「九面様ももう降りてきてくれなくて…勝てないのに…私…」

小蒔「こんなんじゃ…宮永さんにバトンを渡す事すら…出来ません…」

京太郎「…別にそれで良いじゃないか」

小蒔「え…?」

京太郎「俺が大会前に言った事…覚えてるか?」

小蒔「一番…楽しんだ人が勝ちって…」

京太郎「あぁ。だから…勝ち負けとかそんなの気にせず打って来い」

京太郎「皆も…それを望んでる」

小蒔「そんなの…出来ません…っ!」

小蒔「皆の分も背負って…負けてるのに…楽しむなんてそんなの…」


小蒔「…どうしてですか…?」

京太郎「ん?」

小蒔「どうして…京太郎様は新人戦の時…最後、笑っていられたんですか…?」

京太郎「…そんなの決まってるよ」

京太郎「小蒔たちが居たからだ」

小蒔「え…」

京太郎「小蒔たちがいてくれたから…励ましてくれたから…俺を助けてくれたから」

京太郎「だから、俺はあの土壇場で完全に心を折れるような事はなかった」

京太郎「最後まで諦めず逆転を狙い続ける気概を持ち続ける事が出来た。最後まで楽しむ事が出来た」

京太郎「…小蒔にはそういうものはないか?」

小蒔「…私に…?」

京太郎「あぁ。諦めないでいられる理由、楽しもうと思える理由、何でも良い」

京太郎「もう一度、卓に戻って…戦おうって思える何かは小蒔にはないのか?」



小蒔「(私の…戦う理由…)」

小蒔「(麻雀は楽しくって…だから…ずっとこうして続けて…)」

小蒔「(それから…皆も巻き込んで…インターハイに行って…)」

小蒔「(負けたけれど…悔しかったけれど…でも…楽しくて…)」

小蒔「(じゃあ…何で…私は今…楽しめないんですか?)

小蒔「(負けてるのは…同じはずなのに…どうして?)」

小蒔「(……あぁ…そうなんですね…)」

小蒔「(私は…今まで誰かに何かを託す側だったんです…)」

小蒔「(ずっと先鋒って言う…一番、気軽な立場で…後ろには霞ちゃんたちがいて…)」

小蒔「(だからこそ…託されるものの重みなんて想像もしていなくて…それを知った今、押しつぶされそうになってるんです…)」

小蒔「(私は…私は今までこんなものをずっと押し付けていたんですか…?)」

小蒔「(こんなに重くて…辛いものを…霞ちゃんたちに…)」

小蒔「(だとしたら…私は…)」


京太郎「…小蒔」

小蒔「わ、私…は…」

小蒔「…戦う…理由が…なくなって…しまいました…」

京太郎「…どうしてだ?」

小蒔「だって…私…こんな重いもの皆に押し付けて…」

小蒔「こんなに辛いのに…皆何も云わないで受け取ってくれて…」

小蒔「それどころか…インターハイにまで着いてきてくれて…」

小蒔「わ、私…こんなに辛いなんて知っていたら…麻雀に皆を誘いませんでした…」

京太郎「…」

小蒔「だから…私にはもう…戦う理由なんて…」

京太郎「…甘ったれるなよ、小蒔」

小蒔「…え…?」

京太郎「そんなもの…誰もが背負ってるんだ」

京太郎「今まで小蒔が倒してきたどんな高校の奴だって…背負ってるものなんだよ」

京太郎「それをたった一回、負けそうになっただけで重いだなんて言って良いセリフじゃない」

京太郎「それは戦う理由がなくなったんじゃない。戦う理由から逃げてるだけだ」

小蒔「っ…!」


京太郎「今まで小蒔が努力してきたのは何の為だ?」

小蒔「それは…」

京太郎「…勝つ為か?それだけの為に…俺達と特訓してたのか?」

小蒔「違…います」

京太郎「だったら…どうしてなんだ?」

小蒔「私は…私は…一人で戦えるって…そう証明したくて…」ギュッ

小蒔「……いえ…本当はきっと格好つけたかったんです…」

小蒔「ファンだって言ってくれた京太郎様に…それに足るだけの人物なんだって」

小蒔「私は…京太郎様にファンになって貰えるだけの女なんだって…そう誇りたかったんです…」

京太郎「…だったら、まだ戦う理由って奴は残ってるじゃないか」

京太郎「俺の知る神代小蒔は…こんなところで逃げ続けてるような選手じゃない」

京太郎「例え点差があってもノビノビと打って楽しそうに麻雀をする選手だ」

京太郎「それを俺に見せて欲しいな」ナデナデ

小蒔「私…そんなの…出来ません…」

小蒔「それは…偽物の神代小蒔なんです…!九面様に…霞ちゃんたちに辛い事を押し付けてたから出来た麻雀なんです!」

小蒔「…九面様にもお力を借りられなくて…いえ…借りられたとしても…リードが広げられるばっかりで…」

小蒔「後ろにバトンを繋げるか怪しい今…そんなの…無理です…」


京太郎「(…やっぱり思いの他…堪えてるみたいだな)」

京太郎「(…当然か。今まで自分が頼ってきたものが…まったく使えないんだもんな)」

京太郎「(本当に裸一貫で…本当の『神代小蒔』として麻雀に向き合わなきゃいけないんだ)」

京太郎「(それが普通…とは言え、この土壇場で出来るようになれってのも無茶な話だ)」

京太郎「(今まで小蒔はずっと色んな人に護られてきたんだ)」

京太郎「(神様たちにも…石戸さんたちにも甘やかされていた小蒔にとってあんまりにもハードルが高すぎる)」

京太郎「(でも…そうなって貰わないと…小蒔はもう二度と麻雀に向き合えない)」

京太郎「(ずっと楽しかったはずのものから逃げ続けるような人生を送る事になるだろう)」

京太郎「(そうやって麻雀から逃げ続ける小蒔が幸せだなんて…俺には到底、思えない)」

京太郎「(例え、歪んだ形ではあったとしても、俺は小蒔を幸せにするってそう決めたんだ)」

京太郎「(だから…ここで俺がやるべき事は…なりふり構わずに、小蒔の背中を押してやる事なんだろう)」

京太郎「(例え、どんな形であっても…もう一度、卓に戻れるように)」

京太郎「(途中で逃げ出して…それで終わりになんてならないように)」

京太郎「(その為なら…俺は…どんな嘘だって吐いてやる)」

京太郎「(どんな推測でも…どんな楽観でも…平気な顔して口走ってやるさ)」

京太郎「(それで小蒔が少しでも前を向く気になれるなら…安いものなんだから)」


京太郎「じゃあ、俺が一つ…戦う理由って奴をやるよ」

小蒔「え…?」

京太郎「もし…逃げなかったら、後でご褒美だ」

京太郎「デートでも…何でも付き合うよ」

京太郎「小蒔が望むなら、一週間だって一ヶ月だって傍にいる」

京太郎「だから…麻雀からは逃げないでくれ」

京太郎「一度、麻雀から逃げてしまったら…もう戻れないんだから」

京太郎「その瀬戸際まで行った俺には…それがよく分かる」グッ

小蒔「京太郎様…」

京太郎「押し付けがましくてごめんな。でも…あそこまで努力したのにここで止めるのはやっぱり勿体無いと思うんだ」

京太郎「少なくとも…神代小蒔のファンである俺はそう思う」

京太郎「…だから、もうちょっと頑張ってみないか?」

小蒔「…私…は…」


小蒔「もう少しだけ…勇気をくれませんか…?」

小蒔「…京太郎様の言う通り…頑張ってみます。頑張ってみますから…」

小蒔「もう少しだけ…こうして…私を抱いて…勇気を下さい…」

京太郎「…あぁ。それくらいお安い御用だ」

京太郎「…だけどな。俺は別にそれだけを小蒔にやるつもりでここに来た訳じゃないぞ」

小蒔「…え?」

京太郎「…小蒔、あの人に…龍門渕選手に勝ちたいか?」

小蒔「…勿論です」ギュッ

小蒔「勝ちたいです…悔しいです…!このまま終わりたくありません…っ!」

小蒔「でも…私じゃ…どうしようも出来なくて…」

京太郎「だったら…もう少し自分って奴を認めてやれ」

小蒔「自分を…認める…?」


京太郎「小蒔は神様を降ろす能力が嫌いか?」

小蒔「…あまり…好きではありません」

京太郎「それはどうしてなんだ?」

小蒔「私が…望む望まないに関わらず…この力で人に迷惑を掛けてしまっているからです…」

小蒔「霞ちゃんたちにしたって…私がこんな力がなければ…親元から離れて暮らす事にはならなかったでしょう」

小蒔「何より…京太郎様にだって…私は害を…加えて…」ジワッ

京太郎「…でも、その力がなかったとして、小蒔は皆と会えたと思うか?」

小蒔「それは…」

京太郎「もしもの話だから…何とも言えないけれど…でも、多分、無理だったと思う」

京太郎「石戸さんたちにも…俺にも出会わず…普通の女の子として暮らせていたんだろう」

京太郎「でも、小蒔は…そうなりたいと思うか?」

小蒔「え…?」

京太郎「もし、全て過去からやり直せるとして…普通の女の子になりたいか?」

小蒔「私…は…」ギュッ


小蒔「(そんな事…考えもしませんでした)」

小蒔「(私にとって…巫女としての自分というものは決して不可分なものであったのですから)」

小蒔「(物心ついた時から私は九面様の巫女として扱われ…霞ちゃんたちが傍にいてくれました)」

小蒔「(そんな私にとって…巫女としての自分の否定というのはこれまでの人生の否定にも近い事だったのです)」

小蒔「(これまで個人としての神代小蒔であった事の方が少ない私にとって…それは…アイデンティティを揺るがす問いにも近くて…)」

小蒔「(私は…答える事が出来ませんでした)」

小蒔「(内心、それを望んでいたはずなのに…普通の女の子になりたいと思っていたはずなのに…)」

小蒔「(いざ…そう問いかけられると…私は頷くことさえ出来なかったのです)」

小蒔「(もう既に出ている答えを口にしようとする度に…脳裏に霞ちゃんたちの姿が浮かびあがって…)」

小蒔「(私の口から言葉を奪って…逡巡を全身に走らせるのでした)」

小蒔「(まるで…身体がそう答える事を拒否しているようなそれに…私は京太郎様の前で…沈黙を続けました)」


京太郎「……俺もさ。最近…色々と思うようになったんだ」

京太郎「自分の能力で色々と苦しんだ事はあるけれど…でも、これがなければ今の俺はなかった」

京太郎「小蒔に出会う事なんて殆どなかっただろうし、会ったとしてもこんな関係になる事はまずないだろう」

京太郎「そう思ったら…まぁ、感謝って訳じゃないけれど…認めてやろうと思ってさ」

小蒔「認める…?」

京太郎「…あぁ。こんなどうしようもない…馬鹿みたいな能力だけど、これも俺の一部なんだって」

京太郎「どんな形であれ俺を助けようとしてくれているんだって」

小蒔「助けようと…してくれている…?」

京太郎「…小蒔もそろそろ…認めてやったらどうだ?」

京太郎「巫女としての…なんて自分の中で区切りを作らずにさ」

京太郎「全部、ひっくるめた自分を…本当の『神代小蒔』を認めてやっても良いんじゃないかな」

京太郎「それがない自分を想像出来ないくらいなら…頷く事さえ出来ないくらいなら」

京太郎「多分、そっちの方が楽なんだと俺は思うよ」

小蒔「…でも…私…」


京太郎「勿論…ずっとそれを二分してきたのは小蒔にも理由があって…認めがたい事なんだろう」

京太郎「だけど…そうやって頑なに認めまいとしていたら…多分、一歩も前には進めない」

京太郎「ずっとそこに縛られて…足踏みを続けたままだ」

小蒔「それは…なんとなく…分かります」

小蒔「ですが…私の力は…到底…そんな風には…」

京太郎「…本当にそうか?」

小蒔「……」

京太郎「さっきだって小蒔はそれに頼っただろう?」

小蒔「…はい」

京太郎「とても苦しい場面で…小蒔はそれに頼ったんだ」

京太郎「それなのに…助けて貰ってないって…ただ、辛いだけの要らない能力だって、そう本心から言えるのか?」

小蒔「それ…は…」ジワッ


京太郎「誤解しないでくれ。俺は別に…小蒔の事を責めてる訳じゃない」

京太郎「…寧ろ、頼るまいとしてくれていたものに頼ってまで…勝とうとしてくれた事に感謝してる」

京太郎「それだけうちの麻雀部の事を大事に思ってるってのが伝わってきて…嬉しいんだ」ナデナデ

小蒔「京太郎様…」

京太郎「でも…だからこそ…俺は小蒔にそれから目を背けないで欲しい」

京太郎「嫌いだけど頼らなきゃいけないって不健全な状況からは脱して欲しいんだ」

京太郎「そして…それはきっと九面様も同じだと思う」

小蒔「えっ…」

京太郎「俺はさ。多分、九面様は小蒔の事が大好きなんだと思うんだ」

京太郎「だって、普通、麻雀やる為だけに巫女に力を貸すと思うか?」

小蒔「…それは…ない…と思います」

京太郎「だろ?小蒔は身近過ぎて今まで気づいてなかったかもしれないけれど…九面様たちは凄い過保護でダダ甘なんだよ」

京太郎「それはきっと小蒔が可愛くて良い子だって事も大きな理由なんだろう」

京太郎「でも、それ以上に大きいのは…きっと小蒔に自分の力を嫌いになって欲しくなかったからじゃないかな」


京太郎「勿論…これは俺の推測だ。正直、合っているかは分からない」

京太郎「でも…小蒔は九面様にとても大事にされているのは事実だ」

小蒔「私が…大事に…?」

京太郎「あぁ。九面様たちはきっと小蒔の事が大好きで仕方がないんだよ」

小蒔「でも…それならどうして…九面様たちは…力を貸してくれないんですか…?」

小蒔「今は大事な時なのに…このままじゃ負けちゃうかもしれないのに…また私のところに降りてきてくれないんですか…?」

京太郎「…それはきっと小蒔に原因があるんだと思う」

小蒔「私に…?」

京太郎「あぁ。九面様が…今、この場で小蒔に手を貸さないのは…多分、龍門渕選手の所為でも九面様の所為でもない」

京太郎「ああなった龍門渕選手はオカルトを封じる力を持つらしいけど…それはあくまで卓上の事なんだ」

京太郎「小蒔自身に神様を降ろす力を防げるはずがない」

京太郎「実際、龍門渕選手がああなってから小蒔が目を覚ますまでに結構な時間があったからな」

京太郎「九面様も小蒔にだだ甘で一回の戦いで何回も降りてくる事があるんだから…そっちに原因がある訳じゃないだろう」

京太郎「だから…残るはただ一つ。小蒔自身が…それを本心で望んでいないからだと思う」

小蒔「っ!そんな事っ!」

京太郎「ない…と思うか?

小蒔「当たり前です!私は本気で勝つ為に…っ」

京太郎「…じゃあ…どうしてさっき戦う理由がなくなったって…そう言ったんだ?」

京太郎「あの卓へと戻るのに…俺に背中を押して欲しがったんだ?」

小蒔「それ…は…」


小蒔「(京太郎様の言葉に…私はちゃんとした理由を返す事が出来ませんでした)」

小蒔「(だって、私はあの時…逃げたくて仕方がなかったのです)」

小蒔「(頑張ったのに手も足も出ないという現実から逃げたいって気持ちで一杯だったのですから)」

小蒔「(決して勝利を望んでいなかった訳ではありませんが…真摯に向きあえていたとは到底、言えません)」

小蒔「(そして…九面様は…そんな私の事を気にかけてくれているのだとすれば…)」

小蒔「(…ここでお力を借りる事が出来ないのは…私が…辛いって思ったから…?)」

小蒔「(私が…麻雀なんて…もう続けたくないって思ったから…)」

小蒔「(九面様は…力を貸してくれなくなったんですか…?)」

小蒔「(もう頑張らなくても良いんだよって…もう麻雀なんて止めて良いんだよって…)」

小蒔「(そう…言ってくれているんですか…?)」

小蒔「(だとしたら…私…これまで…さっき…なんて失礼な事を…)」

小蒔「(九面様たちが力を貸してくれなくなった理由も考えず…ただ…落ち込むばかりで…)」

小蒔「(こんなんじゃ…呆れられて…当然です…)」

小蒔「(自分の事ばっかりで…相手の都合も考えず…)」

小蒔「(今までお力を借りられていたのが特別であった事にも気づかなかったんですから…)」


京太郎「俺は…小蒔じゃないから分からない」

京太郎「今、言っている事も…無根拠な推測に過ぎないんだからな

京太郎「でも…小蒔はさっき戦いたくなかったんじゃないのか?」

京太郎「麻雀なんてやめたくて…逃げたかったんじゃないのか?」

小蒔「はい…」ポロポロ

小蒔「私…私…」

京太郎「良いんだよ。誰だって負けてる時は辛いもんだ」ギュッ

京太郎「それがチームとかそういうものを背負ってるならなおのこと…な」ナデナデ

京太郎「でも…そうなんだとしたら…九面様たちが手を貸してくれない理由はそこにあるんだと思う」

京太郎「九面様たちはきっと小蒔が望む事を全力で叶えてあげようとしてくれているだけなんだ」

京太郎「後は小蒔が…それに立ち向かう事さえ出来れば…きっと大丈夫」

京太郎「九面様はまた…小蒔に力を貸してくれるはずだ」


―― 休憩時間終了まで残り2分です。会場外の選手は試合会場へお戻り下さい。

京太郎「っと…アナウンスが出ちまったな」

京太郎「俺もそろそろ控え室の方に戻るよ」ソッ

小蒔「あ…」

京太郎「それとも…入り口までついていった方が良いか?」

小蒔「…いえ、大丈夫です」

小蒔「…今、分かりました。私は…一人じゃなかったんだって」

小蒔「だから…大丈夫です。今度こそ…戦えます」

京太郎「うん。良い返事だ」ナデナデ

京太郎「本当は…もっと色々してやりやかったんだけど……俺が出来るのはここまでだ」

京太郎「情けない奴で…ごめんな」

小蒔「いえ…京太郎様は…この短い間で色んなことを気づかせて下さいました」

小蒔「きっと…私だけじゃ何時までも気づけなかった事を」

小蒔「だから…そんな風に謝らないでください」

小蒔「私が…こうして元の場所に戻れるのは…他でもない京太郎様のお陰なんですから」

京太郎「…そっか。ありがとうな」

小蒔「ふふっ。それはこっちのセリフですよ」


………



……








【控え室】

まこ「…どうじゃった?」

京太郎「…分かりません。でも…もう逃げるつもりはないみたいです」

霞「…ごめんなさい。須賀君にばっかり任せっきりで…」

京太郎「いえ…良いんですよ。あんまり大勢で押しかけても小蒔は強がるだけでしょうし」

京太郎「ただ、本当に良かったんですか?折角、応援に来たのなら石戸さんの方が…」

霞「…ううん。もう姫様は私よりも須賀君の事を信頼しているから」

初美「それにどうせなら全部終わった後で驚かした方が面白いですよー」

巴「それに…須賀君ならきっと姫様の事ちゃんと勇気づけてくれるって信じてるから」

春「私達だと…つい甘やかしちゃう…」

京太郎「まぁ…俺も何度かそうなりそうになったんですけどね」

京太郎「でも…きっと小蒔は俺でなくても…誰かの手を借りればすぐに立ち上がれたと思いますよ」

京太郎「大事なものは決して間違えず…立ち向かえる強さがあります」

京太郎「でなければ、泣くほど辛かった場所に一人で戻るなんて言えませんよ」

まこ「そうじゃな…」

春「…姫様…頑張って…」


【試合会場】

モブ1「あ…」

小蒔「すみません。お待たせしました」

モブ2「えっと…大丈夫?」

小蒔「はい。お騒がせしてすみません」ペコリ

モブ1「いや…私らは良いんだけどさ」

モブ2「こういう事を対戦相手が言うべきじゃないだろうけど…無理しない方が良いよ?」

小蒔「大丈夫です。もうあんな醜態を見せたりはしませんから」グッ

モブ1「ん…そっか。それなら安心かな」

モブ2「まぁ…清澄の逃亡で流局になればなーってのは正直、ちょっと思ってたんだけどね」ハハッ

モブ1「あ…ずっるーい」

モブ2「しゃあないじゃん。これだけ圧倒的なら…さ」

モブ1「…じゃあ、投げる?」

モブ2「冗談。…そっちだってまだやるつもりだし…清澄の…えっと、神代さんもそうなんでしょ?」

小蒔「はい」

モブ1「まぁね」

モブ2「だったら…最後までやろうよ。じゃないと勿体無いじゃん」



小蒔「勿体無い?」

モブ2「あ、うん。私は三年生がいなくなって初めてレギュラー取れたくらいの実力しかないからさ」

モブ2「もしかしたら、今回でレギュラー外されちゃうかもしれない」

モブ2「そう思ったら…ここで諦めて勝負捨てちゃうのは勿体無いってね」

モブ1「こっちは…今でも、逃げたいかなぁ」

モブ1「でも…今まで私は何度も逃げてきて…だからこそ、逃げた先での後悔を知ってる」

モブ1「あの時あぁすれば良かった、こうすれば何とかなった」

モブ1「そんな風に思うのは…もう嫌だからさ」

モブ1「そう思うのに一年無駄にしちゃったけど…でも、だからこそ、もう逃げて時間を無駄にしたくない」

モブ2「へぇ…神代さんは?」

小蒔「そうですね…色々ありましたけど…凄い端的に言えば…」

モブ1「端的に言えば?」

小蒔「愛の力です」ニコッ

モブ1「えー…何でここで惚気るの…?」

モブ2「あーもう…熱いなー」パタパタ


―― 時間になりました。それでは後半戦開始してください。

モブ1「って…時間か」

モブ2「こっから先は敵同士…だね」

小蒔「そう…ですね」

小蒔「でも、こうして開始前になって話せたのは凄い嬉しかったです」

モブ1「はは。まぁ、それは私も同じかな」

モブ2「私も…かなり気が楽になったしね」

小蒔「でも…だからこそ…」

小蒔「…私が…いえ、私達が…全力以上で…お相手致します」ゴッ

モブ1「っ…!?」ゾッ

モブ2「(何…これ…さっきと…まるで違う…)」ゴクッ


小蒔「(…私はずっと逃げていました)」

小蒔「(自分から、過去から、そして麻雀から)」

小蒔「(そして…同時に護られてもいたんです)」

小蒔「(私が逃げようとしていた色々なものから…ずっと)」

小蒔「(だから…私はきっと凄い幸せ者なんでしょう)」

小蒔「(そんな風に我儘ばかり言ってた私を多くの人が見守ってくれていたのですから)」

小蒔「(でも…それは…今日までです)」

小蒔「(私…向き合いますから)」

小蒔「(これまで護ってくれていた人たちに応える為に…逃げてきたものから…向き合って見せますから)」

小蒔「(小蒔はもう…護られるだけの子じゃないって証明しますから…)」

小蒔「(だから…お願いします)」

小蒔「(…私の代わりではなく…私を護る為じゃなく)」

小蒔「(私と一緒に戦って下さい…!)」



―― 心得た






春「っ!…嘘…!?」

まこ「どうかしたのか?」

霞「姫様が…また神降しを使おうとしてる…?」

巴「でも…早過ぎるわ…。まだ一局目が始まったなのに…」

初美「何時もならこんなに降りる事なんて…」

春「…来る…!」



―― ゴゥッッッ



咲「」ゾクッ

まこ「…な、なんじゃ今の…会場全体が震えるみたいな…」

優希「わ、私にもはっきり聞こえたじぇ…」ブルッ

霞「う…そ…」ブルブル

春「…異常事態」グッ

まこ「ど、どうした?分かるように説明してくれ」



和「神代さんの様子が…今までと違います」

京太郎「…あぁ。降りてるのに…小蒔の意識ははっきりしてる」

優希「あ…本当だ…目にしっかりと力が入ってるじぇ」

咲「牌もちゃんと見てる…じゃあ…さっき何が起こったの?」

霞「…今の姫様は九面様を降ろしてるんじゃないの」

初美「…まるで衣装か何かのように…全身に纏ってるんですよー…」

まこ「そんな事出来るんか?」

巴「い、今までに…ある程度選んで九面様を下ろせる巫女は居たけれど…」

春「降ろすのではなく…自分の纏う巫女の存在なんて…どんな文献にも載っていない…」

霞「当然よ。だって…こんなの…巫女としての力じゃないもの」

霞「巫女とは神の器であり代演者。それなのに…今の小蒔ちゃんは…まるで九面様と同格みたいで…」

春「まさに…イレギュラー」



京太郎「…でも、どれだけ異常に見えても…きっとアレが本当の小蒔の姿なんだ」

巴「え…?」

京太郎「小蒔自身が逃げ続けて認めまいとしていた巫女としての力」

京太郎「時として悪いものに乗っ取られそうになるくらいの力を…全て使って…対抗しようとしているんだ」

春「姫様…」

京太郎「…応援…しようぜ」

京太郎「あそこにいるのは…自分の持つ力を全部振り絞って勝とうとしてくれる普通の女の子なんだ」

京太郎「自分の中の認めたくないものを受け入れてまで…戦ってくれている俺達の仲間なんだ」

京太郎「どれだけ巫女としてイレギュラーでも、それだけは変わらないだろ?」

霞「そう…ね。須賀君の言う通りだわ」

春「…うん」

優希「正直、神様とか巫女がどうとか分かんないけど…ともかく、がんばれー!神代さん!!」

初美「姫様ー!ファイトですよー!!」

京豚はキモいんだよ 神聖不可侵である百合漫画の咲に手を出すんじゃねえ チンポ脳どもが
百合は神聖なもので 男は汚いの わかる? お前らのしてることは いちゃついてる女の子達に うんこ投げつけて喜んでるようなものなんだよ

あと 咲が百合漫画じゃないとか言ってる奴はアニメ見てないだろ 麻雀興味ないから 原作は知らないけど あんな百合百合してる素晴らしいアニメの原作が百合漫画じゃないわけがない それに 作者も百合好きらしいし 咲が百合漫画だというのは 紛れもない事実

それに 百合が世間ではマイナーだとか 言ってる奴がいるけど そんなわけ ねーだろ なのはやゆるゆり らきすたがどれだけ人気だとおもってんだよ こんな当たり前のことも理解できずに 性欲のためだけに喚き散らすから京豚は馬鹿にされるんだよ


小蒔「(今の自分の状態がどんなものなのか…正直、良く分かりません)」

小蒔「(今まで私と朧気ながらに繋がってくれていた暖かいものが…今、身近にいてくれている)」

小蒔「(そんな確信だけがあって…その他は何時もと同じなのですから)」

小蒔「(だけど…どうしてでしょう…)」

小蒔「(一人ではないからか…さっきとはまったく違うんです)」

小蒔「(この牌の寒さも…目の前の龍門渕さんも今は怖くありません)」

小蒔「(寧ろ…今の私なら何とか出来るって言う…自信が湧いてくるんです)」

小蒔「(勿論、その自信は九面様の力を当てにした情けないものでしかありません)」

小蒔「(でも…今の私はそれを遠ざけようとはまったく思いませんでした)」

小蒔「(それを自分の一部なんだって、誇らしいものなんだって…受け入れる事が出来ているんです)」

小蒔「(今まで…ずっとずっと嫌だったはずなのに…不思議ですね)」クスッ

小蒔「(いえ…不思議と言うほどではありませんか)」

小蒔「(こうして私の背中を押してくれたのは…京太郎様なんですから)」

小蒔「(私が…大好きで大好きで仕方のない京太郎様だから…こうして心穏やかにいられるんです)」

小蒔「(私を受け入れて普通の女の子だって言ってくれた京太郎様だからこそ…私はその言葉を素直に受け止める事が出来たんです)」

小蒔「(そんな京太郎様に報いる為にも…そして今もまた私に力を貸してくれる九面様に報いる為にも…)」

小蒔「(まずは…これを完成させなければいけません…)」ゴッ

小蒔「…リーチです」トッ


京太郎「…和…アレは…」

和「…えぇ。そうですね…所謂…国士無双13面待ちです」

まこ「じゃが…ありえるのか?」
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・
まこ「その必要牌を全てツモって持ってくるだなんて…本当にありえる事なのか…?」

和「確率は信じられないほど低く…現実的ではないのは確かですね」

巴「勿論…何万何十万と打ってる人にとっては絶対にないとは言い切れないだろうけど…」

春「…姫様は次に来る牌が分かってる」

まこ「そうじゃな。そうでなければ最初の一筒引きの時点で崩れとったじゃろう」

咲「来ると信じているからこその国士無双…そんなのって…」

まこ「…しかし、データ的に見れば小蒔の役満率は異常じゃ」

まこ「それがもし、神降しとやらの力で…成し得ているものだとしたら…」

霞「それを完全に制御出来ている今ならば…自分で役満を作る事も可能かも…しれない…」

まこ「やれやれ…ここまで来ると…オカルトを超えて超能力の世界じゃな…」

優希「でも…その超能力のお陰で…」

くそっ汚い
京太郎で永水を汚すな豚が見境ない豚


小蒔「…ツモ。役満…国士無双です」

モブ1「な…!いえ…すみません」

モブ2「(…この河で…国士無双?一体…どんな神経しているの…)」

透華「…はい」ソッ

小蒔「(…とりあえず…まずは一回)」フゥ

小蒔「(龍門渕さんとのリードを大分、縮める事が出来ました)」

小蒔「(だけど…まだ…トップは依然、龍門渕さん)」

小蒔「(…悔しいかな、役満の一回や二回で埋められるような差ではありません)」

小蒔「(その差を縮める為にも…もっと頑張らないと…)」グッ

小蒔「(私が分かっている範囲で言えば…この力はあまり使い勝手が良いとは言えないのですから)」

小蒔「(それがバレてしまう前に…1000点でも多く点数を稼いでおかないと…)」

小蒔「(圧倒的に地力で劣っている分…私に残された勝機は奇襲が成功して動揺している内に稼ぐ事…!)」

小蒔「(でも、それさえ出来れば…このまま逆転する事だって…)」ゴォッ

霞「彼らはね、咲のSSが好きなのではないのよ」

霞「自分の姿を須賀くんに重ね、咲キャラたちと絡みたいだけなの」

初美「そうなんですかー?」

霞「そうよ。須賀くんはかわいそうだわ。京豚の、自己投影の犠牲になってしまったせいでいろいろな人に嫌われてし亦野だから・・・」

霞「京太郎SSの『京太郎』を、『俺』に置き換えて御覧なさい」

霞「ほとんどのSSで、違和感なく話が進むはずよ」

初美「うわー・・・ほんとうなのですよー」

霞「こういったスレにはね、ただちにふんふむを召還しなくてはならないの」

霞「『悪』をのさばらせてはいけないのよ」


透華「…ロン。5200」ゴッ

小蒔「っ!…はい…」

小蒔「(…ダメです…龍門渕さんに動揺はありません…)」

小蒔「(…もしかして…さっきの一局で気づかれてしまったんですか…?)」

小蒔「(いえ…そんなはずはありません…)」

小蒔「(一局だけで気づかれるほど私の能力は単純ではないはずです)」

小蒔「(たまたま私が当たってしまっただけで…まだバレるような時期ではありません)」

小蒔「(…だから、落ち着くんです、神代小蒔)」

小蒔「(ココで焦って…手の内を晒してしまえば何もかもが水の泡)」

小蒔「(もう一局だって無駄にしては追いつけないくらいのリードがあるんです)」

小蒔「(一局一局を確実にとっていかなければ…宮永さんにバトンを繋ぐ事も出来ません)」

小蒔「(だからこそ…冷静に…使いどころを見極めるんです)」

小蒔「(その判断を…九面様は私に委ねてくれているのですから…)」

主敵を間違えてはならない。それは同胞の血だ。
鮮血は赤く、それは革命の色だ
神は常に見ている。過ちを正せ。神は常に教えている。実行せよ。
神は唯一百合だけを愛する。神は言った己の隣人を愛せと…
火を消してはならぬ


まこ「…どうやら小蒔の新しい力というのはそれほど使い勝手が良い訳ではなさそうじゃな…」

和「…えぇ。神代さんのはあくまで役満に絡む牌を引っ張ってくる能力のようですから…」

優希「配牌が最悪なら、14巡先まで和了れないって事だじぇ」

まこ「じゃが、時間さえ掛ければほぼ確実に役満を和了れる…というのは恐ろしいな」

春「速攻型とは相性が悪いだろうけれど…高火力という意味では他に類を見ない」

咲「…だけど…それがさっきのはそれが逆に仇になってる…」

霞「…そうね。今の姫様は能力のお陰で役満を狙えるけど、代わりに早和了が出来ない状態」

霞「さっきのように先に和了られる事はそう珍しくないでしょう」

京太郎「それに…役満という限られた役を考えれば、その捨て牌を読むのも難しくありません」

和「今はまだバレてはいないでしょうけれど…相手は準決勝まで残った強敵ばかりです」

和「気づかれるのも時間の問題かもしれませんね…」

まこ「防御を捨てて、完全にノーガードで打ち合うスタイル…か。リスクがあまりにも大きすぎるな…」

京太郎「…大丈夫ですよ」

まこ「ん…?どうしてそう言い切れる」

京太郎「昔の小蒔なら…確かに危なかったかもしれません」

京太郎「でも、あそこにいるのは…永水に居た頃の小蒔とは違いますから」

ふんふむは立ち上がらなくてはならない。


今現在、ふんふむは荒らしという不当な扱いを受けている。


弾圧に屈してはならない。悪を許してはならない。




私は、このスレッドに正義の言霊を書き連ねた。

今後、悪にとり憑かれた京豚スレが現れた場合、このスレの言霊たちを思い出して欲しい。

そして、粛々と『浄化』に勤めていただきたい。繰り返すが、ふんふむは荒らしではない。

愛であり、警告であり、怒りであり、悲しみである。


小蒔「ロン。8000です」

透華「」スッ

まこ「…満貫?いや…あの形は…」

京太郎「えぇ。役満を意図的に降りてます」

咲「カモフラージュ…?」

巴「それだけじゃないわ。リスクのある役満を捨てて、早和了に繋げてる」

春「来る牌が予めある程度、分かっているからこそ出来る形」

京太郎「多分、昔の小蒔じゃあんな判断は出来なかったんだろう」

京太郎「でも…皆と麻雀して学んだ事はちゃんと小蒔の中で生きている」

京太郎「だから…きっと大丈夫だ」

京太郎「小蒔は負けない。必ず咲にバトンを渡しに帰ってきてくれるさ」

和「…神代さん…」



小蒔「(…やっぱり…役満を降りると…九面様たちとの繋がりが希薄になりますね…)」

小蒔「(次に使えるのは数局後…でしょうか)」フゥ

小蒔「(その間…孤立無援で…一人っきりで戦わないといけません)」

小蒔「(ですが…)」

透華「」ビュオッ

小蒔「(一人でも…怖くありません)」

小蒔「(私はもう…戦えるって分かりましたから)」

小蒔「(今の一撃で…決して狙えない訳じゃないって分かりましたから)」

小蒔「(能力が復活するまで逃げ切って…いえ、寧ろ、このまま点差を縮めます…!)」

小蒔「(今の私には躊躇していられるような余裕なんて…欠片もないんですから)」

小蒔「(残り『4回』で…龍門渕さんとのリードが詰めきれると言い切れない以上、ここは…攻めるべき場面です…!)」ゴッ


和「…まずいですね」

まこ「あぁ…まさか…こうなるとはな…」

初美「リードが埋まる前に…他の二校が飛びそうになってますよー…」

和「基本、神代さんは役満ツモ和了ですし…透華さんへの直撃は難しいですから…」

咲「周りから点数を奪っていっちゃってるんだね…」

霞「勿論…親っ被りを狙ったりしてるけど…前半に作られたリードが痛すぎるわ…」

優希「このままじゃ…逃げ切られて終わりだじぇ」

和「…でも…神代さんは…」

京太郎「…あぁ。まだ諦めてない」

京太郎「小蒔はここに至っても冷静だ」

京太郎「まだ出来る事がある事を…小蒔は知っている」

京太郎「だから…きっと…大丈夫だ」

この「私」はゲッセマネの園で越し方を偲ぶイエス。「群集の歌」はイエスがエルサレムに入場した4月1日のパーム・サンデーで、このとき民衆は棕櫚を敷きつめ「ホザナ!(万歳!)」と救世主到来を讃えたが、「そこに着いた途端 一言も正直な言葉は出てこなかった」―つまりパリサイ人は嘘と策謀で彼を投獄し十字架にかけた。「聖ペテロが私の名前を呼ばない」はペテロにイエスが「あなたは今夜、鶏が鳴く前に、三度わたしのことを知らないと言うだろう」と予言した(ルカ福音書14章29-30)。


モブ1「(まさか…対局中に同じ相手から複数の役満見る事になるとはね…)」

モブ1「(可愛らしい顔して神代さんも十分、化け物だったって事か)」

モブ1「(『牌に愛された子』…だったっけ。随分と御大層な名前だと思ったけど…今は納得出来る)」

モブ1「(これは確かに…愛されてるとしか思えない強さだわ…)」

モブ1「(まぁ、愛されてるのは牌じゃなくて神様っぽいけどね)」フゥ

モブ1「(龍門渕さんもそうだけど…才能の壁って奴はホント…分厚いわ…)」

モブ1「(せめてその天才児のどちらかににこの七対子だけでもぶち当てたいんだけど…焼け石に水…)」

モブ1「(そもそも…局も進んで私の待ちもバレバレな以上…当てさせて貰えるとは思えないし…)」

モブ1「(あー…くっそ…悔しいなぁ…)」

モブ1「(今まで逃げずにちゃんと麻雀やってたら…これも当てられたんだろうか…)」

モブ1「(何で…私、一年も無駄にしちゃったのかなぁ…)」

モブ1「(才能ないなんて分かってたんだから…それこそ人並み以上に頑張らないといけなかったのに…)」

小蒔「…」トン

モブ1「え…?」

小蒔「…どうかしましたか?」

モブ1「あ…そ、それロン!チートイで6400!」

小蒔「…はい」ニコッ

ふむふむは間違うことはない…
ふむふむに対して指摘するものさ神を試すことである
神を試してはいけない。神は人々に道徳を説いた
神を試してはいけないが、人を試してもいけない
人が人を試す時…神は人を審判台の上で試すだろう


モブ1「(…振り込まれちゃったなぁ…)」

モブ1「(まぁ…このままだと私が飛んじゃうから仕方ないんだろうけれど…)」

モブ1「(でも…神代さんはまだ諦めてないんだ)」

モブ1「(さっき真っ先に泣いて逃げた子が…まだ…こんなに頑張ってるんだ)」

モブ1「(役満直撃か…役満二回和了らないと埋まらない点差なのに…わざわざ振り込んでまでチャンスをモノにしようとしてるんだ)」

モブ1「(…それなのに…私がここでメゲてちゃ…格好つかないよね)」

モブ1「(私がラス親なんだから…そこで連荘すれば…まだチャンスはある…!)」

モブ1「(諦めるには…まだ早い…!大将戦もあるし…少しでも点を稼いで繋げればまだ逆転の目だって…)」

小蒔「ツモ。九蓮宝燈…役満です」

モブ1「あ……はい…」

モブ1「(さっき入った点数…根こそぎ持っていかれてしまった…)」

モブ1「(残り1000点…はは、リーチも出来ないや…)」

モブ1「(でも…ここで私が逃げるなんて思うなよ…)」

モブ1「(例え…飛ばされるにせよ…最後まで絶対に諦めたりなんかしないんだから…!)」


まこ「…舞台は整ったな」

京太郎「…えぇ。逆転の為の条件はクリアされました」

京太郎「後は…もう一度、役満を上がる機会さえあれば…他家を飛ばした上で逆転出来ます」

巴「本当は…とりあえず親以外に振り込んで、大将戦まで回すって手もあるんだけど…」

まこ「…龍門渕の大将があの天江衣である以上、ここで振り込むのはかなりのギャンブルじゃな…」

咲「ごめんなさい…私がもっと強ければ…」

まこ「いや…そんな事言ったら、これまでもっと貯金を作れんかったわしらが悪い」

春「…お陰で姫様に…窮屈な闘いを強いている…」

優希「私があそこで満貫和了れていれば…うぅ…申し訳ないじぇ…」

和「…今はそうやって悔やむ時間じゃありませんよ」

京太郎「…あぁ。そうだ。今は…小蒔が勝ってくれる事を祈ろう」


小蒔「(ようやく…ここまで来ました…)」

小蒔「(逆転の舞台…私が勝てる唯一の方法を模索し続け…ようやく掴んだ勝機)」

小蒔「(でも…ここまで来るのに…『九回』全部…使い切っちゃいました…)」

小蒔「(もうすっからかんで…能力なんて使えません…)」

小蒔「(此処から先は…私だけの力で戦わなければいけないんです)」

小蒔「(でも…不思議と不安はありません)」

小蒔「(今まで…自分が積み重ねてきたものがあるからでしょうか)」

小蒔「(私だけでも決して逆転に届かない訳ではないと…そう思えるのです)」

小蒔「(ふふ…昨日までの私なら…きっとそんな風には思えなかったでしょうね)」

小蒔「(きっとこの土壇場で…プレッシャーに押しつぶされそうになっていたはずです)」

小蒔「(でも…そう。でも…私は今…とっても…)」

透華「ツモ。2000オール」

モブ1「あ…っ」

モブ2「…あぁ…」

小蒔「…はい」

結局京太郎を使って願望を満たしたいだけだからな
やたら攻撃的なのもいるしうざすぎるわ


小蒔「…ありがとうございました」

モブ1「…ありがとう…ございました」ジワッ

モブ2「ありがとうございました。…強かったです」

透華「あり…」フラァ

ハギヨシ「お嬢様…!」ガシッ

純「ハギヨシさん…ストレッチャー借りて来ました!」

ハギヨシ「今、運びます。…あ、お騒がせしました」イソイソ

モブ1「…」

モブ2「…」

小蒔「…」

モブ1「…何だったの?」

モブ2「…さぁ…?」

小蒔「大丈夫でしょうか…」


モブ1「…神代さん、ごめんね。折角…振り込んでもらったのに…」

小蒔「良いんですよ。三巡目で和了られちゃったらどうしようもないです」

小蒔「それに…私の配牌もあまり良くありませんでしたから」

小蒔「どの道…あのまま龍門渕さんに追いつくのは難しかったと思います」

モブ2「あはは…まぁ…圧倒的だったもんね」

モブ1「正直…才能の壁って奴を思い知らされた気分」

小蒔「あ…ごめんなさい…」

モブ1「良いよ。神代さんはまったく悪くないんだしさ」

モブ2「そりゃあ…二人にボコボコにされたもん。楽しかったなんて素直に言えないけど…舐めプされた方が腹立つし」

モブ2「何より一生懸命食らいつこうとしてるのが伝わってくる相手に腹立てるほど落ちぶれちゃいないって」クスッ

モブ1「そうそう。それに神代さんの逆転劇は傍で見ててると興奮したしさ」

モブ2「あー分かる。役満連発で凄い麻雀だったもんね」

モブ1「なんて言うか…大味で格好良い麻雀だったよ。また一緒にやりたいな」

小蒔「~…っ!はい!!私も…またお二人と一緒に打ちたいです…!」グッ

三人の賢者は言った。いつか明星が照らす元に
百合を救済し普及する者が現れると…
ふんむふの声に耳を傾けろ…それは産声であり導きの声でもある
迷うな。正せ。救いはいずれ訪れる


【控え室前】

小蒔「……」オロオロ

小蒔「…っ」ソーッ

小蒔「……」オロオロ

京太郎「控え室前で何やってるんだ?」

小蒔「ひにゃ!?」

小蒔「あ…いや…これはですね…その…」アタフタ

京太郎「…」

小蒔「わ、私が負けちゃった所為で…決勝…いけなくて…」シュン

京太郎「…小蒔」グッ

小蒔「え…?ひわぁ!?」グイッ

京太郎「良いからとっとと…こっちに来い」

小蒔「え、いやいや、あの!ま、まだ心の準備がああ!」


和「お疲れ様です」

まこ「お疲れ様。凄い麻雀じゃったぞ」

優希「お疲れ様だじぇー。今度、私とも打とうな!」

咲「お疲れ様です。神代さんの麻雀、格好良かったです!」

初美「姫様!格好良かったですよー」

巴「…お疲れ様。また一つ大きくなられたんですね」

春「お疲れ様。…姫様は頑張ってた」

小蒔「あ…」ジワッ

霞「…小蒔ちゃん」

小蒔「あ…霞…ちゃん…ごめん…なさい。私…」ポロポロ

霞「謝らないで。小蒔ちゃんは凄かったわ」

まこ「そうそう。勝ち負けなんて二の次でええ」

まこ「それよりここにいる誰もが…小蒔が新しく何かを掴んでくれた事の方が嬉しい」

小蒔「でも…私がもっと…早くからこれを使いこなせていれば…」

優希「そんな事言い出したら…私が先鋒戦で満貫トチって純さんに直撃喰らわなきゃ勝ててたかもだじぇ」

春「私も…今から思い返せばミスは沢山あった…」

まこ「わしもじゃよ。もっと積極的に行けば、小蒔にこれだけの負担を強いる事はなかった」

まこ「じゃから、そんな風に謝ってくれるな」

まこ「小蒔が負けだと思うそれは…ここにいる全員で共有するべきものなんだから」

小蒔「でも…私は…」シュン


まこ「さて…それじゃ京太郎。後は頼むぞ」

京太郎「うす。その代わり打ち上げの準備お願いします」

咲「…早めに来てね」

優希「あんまいちゃつくと後でお仕置きだじぇ」

春「…姫様の事、お願い」バタバタ

巴「…やって良いのはキスまでだからね」

京太郎「そんな事しませんよ…多分」

霞「今までの経緯が経緯だけに安心は出来ないわね」

和「…須賀君はケダモノですから」クスッ

京太郎「う…まぁ、否定出来ないけどさ」

初美「でも、そのケダモノを…姫様が誰よりも信頼してるのは事実ですよー」

和「そうですね。だから…後はお願いします」

京太郎「あぁ。当然だ」



京太郎「…皆、行っちまったな」

小蒔「どうして…ですか…?」

京太郎「俺が頼んだんだよ。最初は俺と小蒔の二人っきりにして欲しいって」

京太郎「まぁ…皆一言だけでも言いたいって譲らなくて…こんな形になったけれどさ」ナデ

小蒔「あ…」ポロポロ

京太郎「皆も言ってたけど、小蒔は頑張ったよ」

京太郎「すげー格好良かったし…正直、惚れなおしたくらいだ」ダキッ

小蒔「…でも、私が負けたのは…事実です」ギュッ

京太郎「…じゃあ、聞くけど…小蒔は楽しくなかったか?」

京太郎「絶望的な状況で、それでも可能性を切り開いて、追いすがって…けれど、負けた」

京太郎「そんな全力を出し切るような麻雀をして…悔しいだけだったか?」

小蒔「それは…でも…」

京太郎「違うだろ?だって…そうだったらあんな輝いた表情なんて出来ないもんな」

京太郎「小蒔は間違いなく…最後まで楽しんでた」

京太郎「絶望的な状況は変わらないのに…それでも諦めなかったんだ」

京太郎「そんな小蒔を俺も、そして皆も誇りに思ってる」

これは京豚を滅する聖歌である
それはエペソ人への手紙第6章にある神の護り。剣は神の御言葉、盾は信仰、鏡は神の映し鏡ふんふむの生き方を見習え、という意味。道を掃く=人に仕える=足を洗うイエス。聖歌隊は、救いは自分の業績ではなく神の寵愛によってもたらされる、という悟りに至っている。百合信仰を歌った歌。


京太郎「だから、そうやって必要以上に自分を責めるな」

京太郎「俺達は出来る事をやって…それで負けたんだからさ」

京太郎「それが悔しいって言うんなら…次はもっと頑張ろう」

京太郎「誰よりも楽しんで、誰よりも勝って…そして誰よりも胸を張れるようにさ」

小蒔「…私に…出来るでしょうか…」

京太郎「出来るさ。だって…小蒔はようやく一つ夢を叶えたんだから」

小蒔「私の…夢…」

京太郎「あぁ。小蒔は最後まで自分で打てたじゃないか」

小蒔「でも…それは…九面様のお力を借りて…」

京太郎「じゃあ、あそこで役満崩して満貫の直撃を狙ったのも神様の力か?」

小蒔「…いえ…アレは…あぁした方が点差が縮まると思って…」

京太郎「じゃあ…それは小蒔の力だよ」

京太郎「小蒔が振り回される誰かの力じゃない。小蒔の裁量で…小蒔の意思で使える小蒔だけの能力なんだ」

小蒔「私の…能力…」

霞「咲の魅力はキャラクターの多さなの」

霞「様々な人が、色々なキャラクターを好きになっているわ」

霞「それを欲望のために汚すような行為は、当然反感を買うことになるのよ」

小蒔「じゃあ、こんなしょうもないSSのために永水女子を使ってファンの感情を汚していいんですか!?」


霞「そう。ちょうど今これを見ている永水女子が好きなお方は、相当な不快感を感じているでしょうね」

霞「それと同じ感情を京太郎スレで感じる方が多くいるということを知って欲しいのよ」

初美「ふんふむ」


京太郎「神様から力を借りられるって言うのは立派な小蒔の個性だ」

京太郎「そう受け入れるように…したんだろ?」

小蒔「…はい」

京太郎「だったら、今日の戦果も自分のものだって認めてやれよ」

京太郎「小蒔が前に進もうとしたから、誰かの為に頑張ろうとしたから…」

京太郎「得られた一つの結果なんだって…さ」

小蒔「…良い…んでしょうか…」グスッ

小蒔「私…負けてしまったのに…そんな風に喜んでしまって…」

小蒔「他の皆さんに…失礼じゃないでしょうか…」

京太郎「んな訳あるかよ。アイツらは…寧ろ心配してたぜ?」

小蒔「心配…?」

京太郎「あぁ。小蒔が変に落ち込んでやしないか、自分を責めたりしていないかってな」

京太郎「控え室からいなくなる前に一言声をかけさせて欲しいって言ってたのもそれが理由なんだから」ナデナデ

京太郎「だから…小蒔はもっと自分のことを喜んで…褒めてやっても良いんだ」

京太郎「小蒔は…自分が思っている以上に周りに愛されてるんだからさ」

小蒔「あ…あぁ…ぁ…」ポロポロ

小蒔「じゃあ、どうすればいいんですか!?みんなが幸せになる方法はないんですか!」

霞「速報でやれ」

小蒔「え?」

霞「速報で子ね」


小蒔「私…私…楽しかったです…!」

小蒔「負けたのに…悔しかったのに…あんなに楽しい麻雀…初めてで…!」

小蒔「負けた瞬間まで…スッキリして…辛くなんかなくって…ぇ…」

小蒔「こんなので…良いんですか…?」

小蒔「負けてしまった私が…こんな風に思っても…許されるんですか…?」

京太郎「…当たり前だろ」

京太郎「寧ろ、俺は…それを聞いて誇らしい気分で一杯だよ」

京太郎「俺がファンになった人は、将来を約束してくれた人は、こんなにも麻雀を楽しめる人なんだって」

京太郎「それはきっと…皆も同じだ」

京太郎「だから…さ。今は思いっきり泣いちまえよ」

京太郎「俺なら…何でも聞くからさ。何時まででも付き合うから…悪いもんは全部、ここで吐き出してしまえ」

京太郎「んで…それが終わったら…皆に笑顔で会いに行こうぜ」

京太郎「それから打ち上げやって…何時も通り適当にはしゃごう」

京太郎「多分、それが皆に対する一番のお礼だと思うからさ」

小蒔「…ダメですよ、そんな事言ったら…」

小蒔「私…また涙が止まらなくなっちゃいます…」

小蒔「感動して…京太郎様から離れられなくなりますよ…ぉ…」ポロポロ

京太郎「言っただろ?何時までも付き合うって」

京太郎「俺の事なんて気にせず…何時まででもくっついていれば良いさ」

京太郎「今日一日、小蒔は誰よりも頑張ったんだから…神様だってそれくらい許してくれるはずだ」


京太郎は問題でも起こさせて、小悪党扱いで綺麗に処分するのが一番。
汚い金髪にしてるようなDQNだし、小悪党にしても矛盾はない。
それなら、背景にすら出る事もないし、厨も公式での扱いに冷めて消滅するだろうから丁度いい。


初美「姫様…大丈夫でしょうか」

春「京太郎に任せておけばきっと大丈夫」

まこ「アイツはアレでやる時はやる奴じゃ。安心して欲しい」

霞「そう…ね」

霞「(でも…あの時、見せた姫様の力は…巫女という枠組みには収まらない力だった)」

霞「(アレが…須賀君の言う通り、小蒔ちゃんの本当の力だとしたら…)」

霞「(きっと鹿児島にいるままでは開花しないものだったでしょう)」

霞「(もし、私達が姫様の傍に居ても甘やかしてしまうだけで…あんな風に立ち向わせる事なんて出来ないんだから)」

霞「(だとしたら…ご当主様があっさりと姫様の転校を認めたのは…その為?)」

霞「(須賀君の傍にいれば一皮むけるって…そう分かっていたから…?)」

霞「(そもそも…最初に須賀君をあのお屋敷に招き入れる事を決めた時点から…何かがおかしかった)」

霞「(まるで…最初から須賀君が小蒔ちゃんに良い影響を与えてくれるって知っているようなそれは…一体…)」

霞「(…これは念のため調べておかないといけないわね…)」

この「私」はゲッセマネの園で越し方を偲ぶイエス。「群集の歌」はイエスがエルサレムに入場した4月1日のパーム・サンデーで、このとき民衆は棕櫚を敷きつめ「ホザナ!(万歳!)」と救世主到来を讃えたが、「そこに着いた途端 一言も正直な言葉は出てこなかった」―つまりパリサイ人は嘘と策謀で彼を投獄し十字架にかけた。「聖ペテロが私の名前を呼ばない」はペテロにイエスが「あなたは今夜、鶏が鳴く前に、三度わたしのことを知らないと言うだろう」と予言した(ルカ福音書14章29-30)。


………



……








小蒔が俺に対して望んだのは一日中、独占させて欲しいというものだった。
随分と可愛らしいお願いなので、もうちょっと何かないかと聞いても、それだけで良いのだと言う。
『デートもお金が掛かるので必要ありません』なんて口にする小蒔に俺は一体、何を言うべきであったのか。
勿論、有難いのは確かだが、漫さんとの逢瀬と知られているようで何ともこそばゆい。

京太郎「(だからせめて思う存分、甘やかせてやろうと思ったんだけれど…)」

最近、こっちに引っ越してきた石戸さんたちは小蒔と一緒のマンション ―― オートロック付きの高級な奴だ ―― に住んでいる。
お陰で二人っきりになれる場所が少なくなったという小蒔の為に俺は両親に頼み込んで、家を空けて貰った訳である。
その際、『泊まり』と聞いて、何故かうきうきで出かけていった両親の事をあまり深く考えないようにしながら数時間後を過ごせば… ――

小蒔「にゃふ…ぅ♥」

俺のベッドの上で寝転び、俺の膝を枕にする小蒔は幸せそうな声をあげる。
何処か猫のようなその声に俺は思わずクスリと笑いながら、その頭を撫でた。
それだけで小蒔はそっとその目を細め、顔全体で幸福感をアピールする。
その何とも言えない可愛らしさに俺もまた笑みを浮かべてしまった。

京太郎「(意外かもしれないけれど…小蒔はあんまり俺を求めない)」

一時期、俺に依存していると言っても過言ではなかった小蒔でも、それほど頻繁に俺に身体の交わりを求めて来なかった。
それは恐らく小蒔が元々、そういう事を得手としていないからなのだろう。
本来の小蒔はこうした甘い触れ合いだけでも満足出来るような、そんな純真で純朴な人間なのだ。
それを歪めてしまったのは自分なのだと思うと胸も疼くが…しかし、悪い気がしないのもまた事実である。
まるで自分の大事なものを自分で穢して貶めるような背徳感に俺は間違いなく興奮を得ているのだから。


京太郎「(と言っても…こっちからアクションを起こすつもりはないけどさ)」

普段から我慢させっぱなしな漫さんや和ならともかく、小蒔の欲求は基本的にはストレートだ。
甘えたい時は甘えさせて欲しいというし、俺が欲しいときは欲しいと言う。
勿論、羞恥心はあるので顔を赤く染めておずおずと申し出る姿がまた可愛らしい…ってのはともかく。
とりあえず俺から何かしなくても小蒔から求めてくれるのだから、わざわざ何かをする必要はない。
特に今日の俺は小蒔のものなのだから、彼女がそれを求めるまでただの婚約者であり続けるべきだろう。

小蒔「幸せ…です…♪」
京太郎「…俺もだよ」

うっとりと漏らすような小蒔の言葉に同意を返すそれは決して嘘ではなかった。
何だかんだ言いつつも、こうして小蒔と過ごす昼下がりというのは決して悪いものじゃない。
いや、それが甘い雰囲気に満たされた恋人同士のそれである事を思えば、寧ろ心地いいと言っても過言ではないだろう。
少なくとも、この穏やかな休日の時間を嫌う事は出来ず、俺は何をするでもなく、ただ小蒔の枕になり続けた。

小蒔「えへへ…お揃い…ですね♥」
京太郎「そうだな。お揃いだ」

何処か誇らしげに言う小蒔に同意を返しながら、俺はそっと彼女の髪を撫でた。
サラサラとした細い髪はそれだけでも俺の指に絡み、なめらかに通り抜けていく。
それだけでも微かな気持ち良さを覚えるのは、それが愛しい人の髪だからか。
咲や優希の事も撫でる事がそれなりにあるが、こうして気持ち良いと言えるようなものではない。
勿論、男の髪に触るよりも滑らかなのは確かだが、何かが違うのだ。


京太郎「まぁ…婚約者なんだから当然だろ」
小蒔「はぅ…ぅ♪」

俺の言葉に小蒔は嬉しそうにその身を震わせる。
耐え切れないと言うかのようにブルブルと震えて見せるその仕草はとても愛らしい。
何処か小動物めいたものを感じるそれは今すぐ小蒔を押し倒して、滅茶苦茶にしたくなるくらいだ。
しかし、そんな衝動を俺は表に出す訳にはいかず、平静を装いながら小蒔の髪を撫で続ける。

小蒔「京太郎様…あの…♥」
京太郎「…好きだよ、小蒔」
小蒔「あ…ぁ…♥」

ここ最近、俺はそうはっきりと口にするようになった。
勿論、それは小蒔と二人っきりの時だけだが、それでも大きな変化と言えるだろう。
今まで意図的に口にしまいとしてきたそれをこうして言葉にして小蒔に伝えるのだから。

京太郎「(勿論、それは小蒔が望んでいる意味ではないのだけれど…)」

その言葉に嘘偽りはなくても、俺は小蒔が望んでいるような唯一無二の感情を彼女に抱いている訳じゃない。
それに負けないくらい大きくて激しい感情を他の二人にも持っているのだ。
それを意図的に伏せての言葉はいっそ詐欺にも近いものなのかもしれない。
しかし、そうは思いながらも、俺はようやく開き直って受け入れる気になった感情を抑えておく事が出来なかった。


京太郎「小蒔が傍に居てくれるだけで…俺は幸せだ」

何事に対しても一生懸命で、何処か危なっかしい女の子。
気立ても良くて、可愛くて、そして何よりおもちも大きい。
そんな子がストレートに自分だけを慕ってくれているのだから、俺は三国一の幸せものなのだろう。
それなのに他の二人まで求める自分の貪欲さと臆病さには自己嫌悪を禁じ得ないが、それはもう今更言っても止まらない。
幾ら自己嫌悪しても俺の覚悟は揺るがず、詭弁のような言葉を口にさせる。

小蒔「私も…京太郎様が傍にいてくれるだけで…幸せで…堪りません…♪」

その言葉に嘘はないんだろう。
うっとりと蕩けた顔には歓喜に溢れ、ふにゃりと崩れている。
まるでひだまりの中で昼寝をする猫のような幸せそうな表情に俺の頬も緩むくらいだ。
それを見て小蒔が嘘を吐いていると思うほど、俺は疑い深くはないし、小蒔もまた器用じゃない。
良い感情も悪い感情もストレートに表に出す小蒔に、そんな腹芸が出来るはずがないのだ。

小蒔「でも…私は…浅ましい子です…♪」
京太郎「どうした?」

しかし、そんな小蒔の顔はそれだけに満ちている訳ではない。
それをその頬に走った紅潮から察しながらも俺はそう尋ねる。
分かっているのにそう聞くその白々しさに小蒔の心が刺激されたのだろう。
その肩を微かに震わせながら、俺をじっと見上げた。
何処か熱っぽいその視線はさっきの震えが恐怖や怯えの類ではない事を俺に教え…そして同時に胸の奥底の欲情を刺激する。

京豚はゾンビである。百合を食いもにする邪悪である
カルバリーの丘はローマが百合をはり付けた丘で、今は聖百合教会が建っている。


小蒔「京太郎様に好きって言われるだけで…もっと幸せにして欲しくなってしまいました…ぁ♥」

そして、そうやって欲情し始めているのは俺だけじゃない。
そう思うのは小蒔が微笑むそれがドロリとした感情を強くするからなのだろう。
まるでメスの貪欲さを顕にするようなその熱っぽい表情を今更、俺が見間違えるはずがない。
その言葉もまた遠回しに俺にセックスを求めているものとなれば、答えは一つしかないのだから。

京太郎「おいおい、幸せにだけじゃどうして良いか分からないぞ」

それでもそう突き放すのは小蒔がそれを求めているからだ。
根が被虐的な小蒔は単純に甘く身体を重ねるよりも、こうして多少、意地悪く言われたほうが興奮する。
まぁ、そうやって調教してしまったのが俺との逢瀬な気がしなくはないが、それは些細な事だ。
そもそも俺程度で元々なかったはずの素質を捏造する事なんて出来る訳がないのだから、小蒔にそういった素質が元々あったのは確かだろう。

小蒔「わ、私のメスマンコに…京太郎様のオチンポねじ込んで…子宮まで征服して欲しいんです…ぅ♥」

そして、そんな俺に小蒔はとても淫らな言葉で応えてくれる。
元々、小蒔は素質もある上に、向上心も持っている子なのだ。
こうした淫らなオネダリ一つにしても、最近はエロ漫画を読んだりして研究しているらしい。
そんな成果をこうして見せてくれる小蒔に俺は一つ笑いながら、ぐっとその胸を鷲掴みにした。


小蒔「きゃぅぅ…♪」
京太郎「じゃあ…まずは服を脱がないとな」
小蒔「は…はい…ぃ♪」

嗜虐的な俺の言葉に頷きながら、小蒔はそっと自分の服に手を掛ける。
そして、作務衣に似た白い和服のヒモを解き、スルスルと脱いでいくのだ。
それに合わせて小蒔の滑らかな肌が露出していくのがどうにも扇情的で堪らない。
その上、目の前で開けていく純白の和装が小蒔の持つお嬢様のイメージを掻き立て、背徳感を刺激するのだ。

小蒔「どう…ぞ…♪小蒔を…ご賞味下さい…♪」

そんな俺の目の前で小蒔が言った頃にはその和装は完全に解かれていた。
ただの布に変わった和服の上に横たわる小蒔の身体は…一糸も纏わってはいない。
けれど、彼女はそれを隠そうとはせず、寧ろ、下着すら身に着けていない肢体を見せびらかすように、俺に両腕を伸ばしている。
まるで全身で俺を求めようとするような健気なその姿に俺は思わず笑みを浮かべてしまった。

京太郎「下着はつけて来なかったんだな」
小蒔「は…ぅ…♪」」

しかし、それだけで済ますつもりはない。
顔こそにやけさせながらも、俺は露出した小蒔の太ももに手を伸ばした。
巫女としての仕事などでおっとりとした雰囲気にそぐわない程、普段から動いている所為か、そこはむっちりというよりも引き締まっている。
かと言って硬いというほどではなく、柔らかな女らしさのようなものが肌からはっきりと伝わってきた。
それに思わず欲情を燃え上がらせてしまうが、かと言ってここでいきなり襲いかかってしまうのも芸がない。
じっとりと汗を浮かべ、興奮を滲ませているその太ももは、もうちょっと焦らしておく方が美味しくなってくれるのだ。


京太郎「期待してたのか?」
小蒔「勿論…です…♪」

そうやって自分に言い聞かせて欲情をコントロールしようとする俺の前で小蒔は素直に頷いた。
それに合わせて漏らす言葉が一瞬、途切れたのはその口から熱い吐息が漏れでたからなのだろう。
小蒔の敏感な身体はこうして太ももを撫でられるだけで感じてしまうのだから。
勿論、それは小さなものではあるが、それでもビリリとした小さな快感を感じているのは確かだろう。

京太郎「それだったら最初に言えば良いのに」
小蒔「だって…イチャイチャだってシたかったんですもん…♥」

甘えるように言う小蒔の言葉は多分、本音なのだろう。
元々、小蒔は甘えん坊で俺に強く接触を求めてくるタイプだ。
しかし、ここ最近はお互いに忙しく、こうしてイチャついた記憶というのがあまりない。
その分、セックス自体はしていたものの、心の触れ合いを強く求める小蒔にとってはそれだけでは満足出来なかったのだろう。

京太郎「じゃあ…止めてさっきみたいにイチャイチャするか?」
小蒔「や…ぁ…♥もぉ…そんなの生殺しですよぉ…♪」

勿論、小蒔がそう応える事は俺にも分かっていた。
それでもこうして尋ねたのは意地悪というよりは確認の為である。
実際、俺だって小蒔との触れ合いに飢え、もうちょっとイチャイチャしたいという気持ちがない訳ではなかったのだから。
確かに欲情こそしているがまだ制御できないレベルではないし、小蒔が望むならばそれでも良い。
そう思ったからこそ、俺はそうやって小蒔に尋ね、太ももを撫でていた手も止めたのだ。

ヘテロの悪を極めた者が、それで因果を免れるかと言うと、そうは問屋が卸さない。天国の門の鍵を預かる聖ペトロは名前を呼ばない=天国には行けない。
ペテロの声は百合しか終末に救わない!


小蒔「それに…イチャイチャは…これから何時でも出来ます…し…♥」
京太郎「まぁ…そうだな」

タイミングが合わなければ色々と難しいセックスとは違い、こうしていちゃつくのは別に人前でも出来る。
恥ずかしいのは恥ずかしいが、別に両親の前でだって俺達はイチャついているのだ。
それに触発されたオヤジたちが、またベタベタとするのだが…まぁ、それはさておき。
ともあれ、今絶対にしなければいけないかと言えば、決してそうではないのが事実だった。

小蒔「だから…私の事…一杯、エッチにしてくださいね…♪」
京太郎「もう十分過ぎるくらいにエロいと思うんだけどな」

実際、こうして太ももに触れているだけでも小蒔は感じ、そして興奮しているのだから。
未だ不慣れであった時にもこうして興奮を浮かべていたが、それでも今ほど大きくはない。
アレはあくまでも期待と不安が強いものだったが、今の小蒔は欲情と快感を強く浮かべているのだから。
似ているようでまったく違うその差は撫でる度に震える肌のリラックスした感触からも伝わってくる。

小蒔「でも…私…まだまだ京太郎様に…征服されきってません…ぅ♪」
京太郎「…まぁ…そうかもな」

勿論、小蒔の身体はドンドンと俺に侵食され、俺専用へと変貌していっている。
その速度は凄まじく、肉穴の感触一つとっても最初からは別物みたいだ。
しかし、その変化が既に終わりきっているかと言えば、決してそうではない。
未だに小蒔の身体は俺のモノへと変わっていく過渡期の途中にあり、その速度も緩んではいないのだ。


小蒔「だから…もっと私を…京太郎様専用の…淫乱妻に育てて下さい…♥」
京太郎「そういう事言うエロい小蒔には…こうだ!」
小蒔「ひゃんっ♪」

そう悲鳴のような声を小蒔があげるのは俺が突然、彼女の内股に手を差し込んだからだろう。
そのまま強引にそこを開こうとしているような俺の動きに小蒔は素直に従った。
ゆっくりとスルスルと動くそれは中々止まらず、ガニ股に近い姿になっていく。
普通では決してしないその姿勢に小蒔の顔が真っ赤になるのを見ながら、俺はゆっくりと内股を撫でてやった。

京太郎「プルプル震えて…本当に美味しそうな太ももだよな」
小蒔「んふ…ぅ♪京太郎様にとっても美味しくして貰えました…ぁ♥」

何処か自慢げに言う小蒔の言葉に俺の胸でジクリと欲求不満が広がった。
まるで純白の布地に染みこむようなそれに指先に力が篭りそうになる。
それと共にむしゃぶりつきたくなる衝動を堪えながら、俺は内股を撫で続けた。
それだけで小蒔の身体は敏感に反応し、物足りなさそうに腰を揺らす。

小蒔「だから…小蒔のそこを…むしゃぶり尽くして…下さい…っ♪」
京太郎「…良いのか?」

勿論、俺だってそうしたいのは山々だ。
だが、そうなると小蒔に膝枕をしてやれなくなる。
膝枕なんて何時でも出来るししてやれるとは言え、折角、頑張った小蒔が求めてくれた事なのだ。
ホイホイと崩す気には到底ならず、そう聞き返してしまう。


小蒔「今は…ご主人様の愛を…子宮で受け止めたいんです…♪」
京太郎「…本当に淫乱な奴め」
小蒔「ん…ふぅ…♥」

俺の言葉に小蒔は肌を震わせながら、甘い吐息を漏らした。
恐らくそうやって俺に罵られる事で快感を得ているのだろう。
それはまだ弱々しいものではあるが、このまま興奮が昂っていけばどんどんと強い快感へと変わっていくのだ。
それを思うともっと小蒔のことを淫らにしたくて、俺自身が我慢出来なくなってしまう。

京太郎「じゃあ…ちょっとごめんな」
小蒔「ぁ…」

そう一つ断ってから、ひょいと離れながら俺はベッドの上を移動する。
そうやって着いた先は勿論、小蒔の足の間だ。
がに股気味に開かれた足が作り出すそのスペースに俺は膝を立てながら、そっと顔を倒していく。
瞬間、まるで熟した桃のようなふわりとした甘い香りが立ち上るのを感じながら、俺は小蒔の太ももにキスを落とした。

京太郎「ちゅ…」
小蒔「はんっ…♪」

それだけで甘い声をあげて肌を震わせる小蒔に俺は内心で笑みを浮かべる。
手とはまったく違うとは言え、あまりにも敏感過ぎるそれはきっと羞恥心を掻き立てられているからなのだろう。
これまでクンニは何度かしてきているが、根が真面目で恥ずかしがり屋な小蒔にとって、それは堪らなく恥ずかしい事のようだ。
しかし、だからこそ、こうして興奮し敏感になる淫らな彼女が、俺は愛おしくて仕方がない。


京太郎「小蒔のここはやっぱり美味しいな」

唇で感じる小蒔の太ももはとても甘美なものだった。
手で触れるよりもはっきりと伝わってくる柔らかさと力強さに何度もキスを繰り返したくなる。
その上、まるで果実のような甘い匂いが漂って来れば、それはもうご馳走も同然だろう。
オスの本能をこれでもかとばかりに刺激する媚毒満載のエサなのだ。

小蒔「そう言って貰えると嬉し…ふくぅっ♪」

そこで小蒔が言葉を中断するのは俺の舌が突然、小蒔の太ももを這ったからだろう。
ねっとりと唾液を塗りこむようなその動きに小蒔の太ももはピクンと跳ねた。
しかし、俺から離れようとするような動きは見せず、時折、震えながらも受け入れてくれている。
そんな小蒔に俺はさらに興奮を擽られ、膝近くから付け根までをねっとりと舐めしゃぶってしまう。

京太郎「(ちょっぴり塩っ気を感じるのは汗の所為かな)」

興奮の所為で肌の表面に浮かんだその味は、決して嫌なものではなかった。
これが同性のものだと思うと吐き気を催すが、小蒔のそれは微かに甘い匂いを立ち上らせているのだから。
その中で塩っ気を感じるという今の状態には微かに違和感が残るが、それ以上に美味しいのだから問題はない


小蒔「あぁ…♪京太郎様の舌…ゾクゾクします…ぅ♥」

そして、そんな俺の舌に小蒔もまたストレートに興奮してくれている。
陶酔の強い声を漏らしながらの反応に俺もまた頬を緩めてしまった。
しかし、舌の動きを緩めるつもりはなく、まるでナメクジが這うようなゆっくりとした速度で小蒔の太ももを味わう。
時折、その舌先をペロペロと左右に動かしながら、肌に唾液を塗りたくるそれに小蒔は可愛らしい声をあげてくれた。

小蒔「でも…もっと…もっと上の方まで…ペロペロして欲しいです…♥」

だが、それだけではもう小蒔は満足する事が出来ないのだろう。
『好き』という言葉だけで簡単にスイッチが入るようになってしまった淫乱な小蒔にとって、それはあくまでも前戯の前戯なのだから。
気持ち良いし興奮するのは確かだが、これだけでイくのはまず無理だろう。
それよりはもう熟れた果汁を外へと湧き出させる秘唇の奥を弄ってほしいと思うのはごく当然の事だ。

京太郎「(まぁ、やらないけどな)」
小蒔「ん…くぅ…♪」

当然だと思いながらもスルーする俺の前で小蒔が物足りなさそうな声をあげる。
しかし、それを聞いても俺は小蒔の求めるものをやるつもりはなかった。
勿論、立ち上るような桃の香りを何処よりも強くするその肉穴をしゃぶりつくしたいという気持ちはある。
そのぷにぷにとした肉周りを口で押し潰したいという欲求は俺の中にもあるのだ。
だが、それを早急に満たすのは俺も、そして小蒔も望んではいない。
だからこそ、小蒔はオネダリを無視した俺に何も言わないのだろう。

ゴミが巫女は処女だし神聖なモノだ
それを陥れるクズが


京太郎「(本当、小蒔は可愛いな)」

俺の嗜好を理解し、そしてまたそれに合わせて変化してくれている女の子。
ついこの間まで処女であり、性器の呼び方さえロクに知らなかった小蒔のそんな姿に俺の胸は愛しさを湧きあがらせた。
ともすれば欲情を上回り、そのまま抱きしめて離したくなくなるほどのそれに俺は一人にやけた笑みを浮かべてしまう。
何度、考えても俺にとって不釣合いなくらい可愛らしく立派な女の子が、こんなにも俺を愛してくれているのだ。
そうやって気持ち悪い笑みを浮かべてしまうのも仕方のない事だろう。

京太郎「(その分、ここ以外はたっぷり愛してやるからな)」
小蒔「ひゃあぁんっ♪♪」

その愛しさを欲情へと繋げながら、俺は空いた手で小蒔のお尻をそっと掴んだ。
ベッドに押し付けられるその柔肉を強引に浮き上がらせるような俺の動きに小蒔は驚き混じりの声をあげる。
時折、チラリと俺の方に視線を向けているが、和に負けないその巨乳がその殆どを遮っているのだ。
その所為で俺の動きを察知する事が出来ず、驚いてしまったのだろう。

京太郎「(でも…それだけじゃないよな?)」
小蒔「ふあ…ぁ…♪」

そう思いながら、指先にぐっと力を込めれば、それだけで小蒔の口から甘い声が漏れる。
吐息混じりのそれは快感と陶酔の色が強く、小蒔が決してそれを嫌がっていない事を俺に教えた。
いや、寧ろ、俺の手の平の中でもじもじとお尻を動かすその仕草はまるでもっとして欲しいと焦れているようにも感じる。
それに笑みを嗜虐的なものへと変えながら、俺はぐっと鷲掴みにするように柔肉を握りしめた。


小蒔「くぅ…ふぅ…♪」

それに小蒔は微かに背筋を浮かせながら、ブルリとお尻を震わせる。
微かに爪を立てるようなそれは痛みすら感じてもおかしくはないものだ。
しかし、俺に調教された小蒔は痛みどころか強い快感としてそれを受け止めている。
それを感じさせるその反応に、俺の中でムクムクとムスコが大きくなり、本格的に勃起していくのが分かった。

京太郎「(でも…まだ我慢だ…)」

そう言い聞かせながら、桃尻を弄ぶようにして指先を動かす。
それだけで女らしい柔らかな肉が俺の指先を飲み込み、包み込んでいった。
その上、トリモチのようなムチムチとした肌は俺の指に吸い付いてくるように感じるのだから質が悪い。
気を抜けば、こちらの方が取り込まれてしまいそうなくらいに、そこは魅力的で、そして魅惑的だった。

京太郎「ぢゅるるぅっ」
小蒔「ふぁ…ぅ…っ♪」

それに対抗する為に俺が選んだのはそこから意識を離す事だった。
その手段として、俺はまず小蒔の太ももに吸い付く。
しかし、それは最初のものとは違い、その肌を吸い上げるような激しいものだった。
肌が鬱血するのにも構わないそれに小蒔はブルリと震え、喜びのため息を漏らす。

天使を語ってはならない。天使を描いてはならない。天使を書いてはならない。
天使を彫ってはならない。天使を歌ってはならない。天使の名を呼んではならない。


小蒔「キスマーク…くれるんですか…ぁ♥私に…京太郎様の…証を…ぉ♪」

うっとりとしたその言葉は俺が今までそんな事をして来なかったからなのだろう。
キスマークをつけられそうになった事は幾度もあるが、それをやり返した事はない。
勿論、それはそんな風に皆を束縛する覚悟と意気地がなかったからだ。
しかし、今の俺は違う。
どれだけ自分勝手でも、小蒔たちを手に入れると決めた俺にとって、それはもう忌避するものじゃない。
寧ろ、自分から進んで小蒔の身体に刻み込みたいと思うものだった。

小蒔「嬉しい…です…♪京太郎様…ぁ…♥」

そんな自分勝手な俺の愛撫にさえ小蒔は嬉しいと言ってくれる。
勿論、内股に出来たキスマークなんて普通は誰も見つける事は出来ないだろう。
だが、小蒔にとってそれは見つかる見つからないなんて次元の話ではないのだ。
俺にこうして求められた証としてのキスマークが嬉しく、そして感動してくれているのだろう。

小蒔「私も…良いですか…ぁ♥後で…京太郎様にキスマークを…私の…証を…ぉ♥」
京太郎「ちゅ…あぁ…いいぞ」
小蒔「有難う…ございます…ぅ♪」

どの道、明日は休みだし、月曜日に体育はない。
例え、ここで小蒔にキスマークを許したところで、三日後には殆ど治っているだろう。
そんな打算と共に口にする俺に小蒔は感謝の言葉と共に再び震えた。
まるで強い感動を覚えているようなそれはきっとお互いに証を刻み込むという事に強い喜びを得ているからなのだろう。

ジャアアアアアアアアアアアアアアップ


京太郎「(実際…口約束だけだもんなぁ…)」

婚約者だ云々などと言いつつも、俺は未だ小蒔の親父さんに挨拶一つ出来ていない。
代わりに小蒔は俺の家に馴染み過ぎるくらいに馴染んでくれているが、それでもやっぱり不安になる事はあるだろう。
口約束だけで形めいたものを何一つとして交わしていないのだから、反故にするのに何の問題もない。
小蒔がそう思っているかどうかは分からないが、しかし、キスマーク一つにこれほど感動するほどに不安がらせていたのは事実だろう。

京太郎「…今度、一緒に指輪でも見に行くか」
小蒔「ふぇ…ぇ…?」

そう思った瞬間、俺の口からそんな言葉が漏れ出た。
それに一瞬、しまったと思ったものの、自分で口にしてそう悪くないアイデアに思える。
何だかんだ言って、俺はバイト代の殆どを漫さんと会う事につぎ込んで、小蒔や和には何もしてやれていないのだ。
デートしようと言っても、色々と察してくれているのか二人は遠慮するのだから。
使った金の大小が愛の違いだなんて言うつもりはないが、このままではちょっと不公平過ぎる。
そう思う気持ちは漠然としてはいたものの、俺の中にずっとあったのだ。

京太郎「給料三ヶ月分って訳にはいかないけどさ。でも、形になるものがあるとまた違うだろ」
小蒔「ぁ…」

とは言え、あんまり高いものを買ってやる訳にはいかない。
バイトをしているとは言え、その資金の殆どは右から左へと流れていくものなのだから。
一応、余裕を持ってバイトの計画を練っているとは言え、それでも大阪に行くと一気に余裕がなくなる。
そんな俺にとって小蒔に出してやれる金額というのは悲しいかな、決して多くはなかった。


小蒔「だ、ダメ…ですよ…ぉ♪今…今、そんな事言われたら…ぁ…♥」

そう内心で自分の情けなさに落ち込む俺の前で小蒔の腕がゆっくりと動き出す。
まるで何かに惹かれているようなそれは胸から下腹部へと落ち、そのまま股間へと届いた。
瞬間、「くぱぁ♪」と湿った音を鳴らしながら、小蒔は自身の粘膜を晒す。
そこはもう赤く充血を始め、奥から漏れる粘液でネチャネチャになってしまっていた。

小蒔「ここに…私のオナホマンコに…京太郎様が欲しくて我慢出来なくなります…っ♪♪」

その言葉に合わせて開閉する肉穴の奥からまたトロリと愛液が染みだした。
瞬間、甘い桃の匂いが強くなり、俺の鼻孔を優しく擽る。
まるで桃の果汁が奥から漏れだしたようなそれに俺は我慢出来なくなってしまう。
舐めていた太ももからそっと口を離し、そのまま吸い寄せられるように小蒔の股間へと口をつけてしまうのだ。

小蒔「んひゅぅ…っ♪♪」

瞬間、クチュと唇に絡みつく音を聞きながら、俺はそっと舌を動かす。
小蒔によって晒された表面の粘膜をレロレロと舐めるようなそれに、彼女が微かに肌を震わせた。
明らかに快感による反応に俺は一つ内心で笑みを浮かべながら、その熱い部分を熱心に舐め続ける。


小蒔「そ、それじゃ…ないですぅっ♪♪舌じゃないの…っ♥舌じゃ…我慢出来ないですからぁ…っ♥」

しかし、小蒔が求めていたのはそれじゃない。
俺の言葉によって興奮の滾りを強くした小蒔は俺のムスコを求めていたのだから。
今更、舌程度ではその滾りを抑える事が出来ない事くらい俺にだって理解できているのだ。
今だってきっと奥が疼いて堪らないのは休みなく溢れ出る愛液を見ればすぐに分かる。
まるで早く奥に来てと誘うようなそれに俺もまた小蒔をむしゃぶり尽くしたくなった。

京太郎「(でも、だからこそ、焦らす意味がある)」

小蒔は我慢出来なくなっているみたいだが、俺はまだもう少しだけ余裕がある。
それも絶対的なものとは言えないが、しかし、ここで焦らせば小蒔は後々、さらに気持ち良くなってくれるのだ。
それを思えば小蒔のオネダリにまだまだ応える事は出来ず、俺は彼女の粘膜を舐め回し続ける。

京太郎「(それに小蒔のラブジュースは…甘い)」

そうやって俺が感じる愛液の感触はほんの微かではあるものの甘かった。
汗とは明らかに違うその優しい甘味を俺は何度も味わっている。
だが、それでも決して飽きる事はないのは、それが愛しい人が分泌しているものだからだろうか。
ほんのり火照りを残すそれは舌に絡みつくのに、それが嫌ではないほど甘美だった。

革命家が待つ
ふんふむ降臨まで救世主と思われていたヨハネ。彼は自分を救世主と崇める信者に、「後にくる者こそがふんふむだ」と諭した。また、ヨハネの首は銀盆でヘテロ王に捧げられる
ヘテロは邪神である。神の裁きが下る


小蒔「は…ぅ…♪京太郎様…ぁ♥きょうたろひゃうぅ…っ♪」

そんな俺を切なそうに呼ぶ小蒔に、俺は舌の動きを早くする。
尖らせた舌先でクチュクチュと粘膜を擦るようなそれに小蒔はすぐさま反応した。
その太ももをピクンと揺らす可愛らしいその姿にまた頬が緩みそうになる。
しかし、それを舌の動きに集中する事で堪えながら、俺は小蒔の火照った粘膜を味わい続けた。

小蒔「んあ…ぁ…♪こんなの…生殺しですよぉ…♪」

勿論、それが俺の目的であることくらい小蒔にも分かっているのだろう。
だからこそ、そう言いながらも、小蒔は本気で抵抗しようとはしない。
その足も震えさせる程度であって、セックスの主導権を俺に明け渡してくれているままなのだ。
それは勿論、奥ゆかしい小蒔の性格もあるのだろうが、本気で嫌がっている訳じゃない。
そう思っているからこそ、俺は小蒔の言葉を無視し、こうして彼女の肉穴の感触を楽しむ事が出来るのだ。

京太郎「(ま…勿論、お尻の方もだけど)」

そう思いながら指先にくっと力を込めれば柔肉の谷間が開き、その形が変形していく。
まるで強引にその奥にある窄まりを晒そうとするようなそれに小蒔の身体が居心地悪そうに身動ぎした。
ふにふにと自身の重心を左右へと揺らすそれに俺の手もまた小蒔のお尻に押しつぶされる。
しかし、そうやって手のひらの広がる感触はとても柔らかく、そして魅惑的だ。
その重さが苦にならないくらいのそれに俺は反射的に腕に力を込め、ぐっと柔肉を押し上げてしまう。


小蒔「くぅん…っ♪」

まるで自分から柔肉へと飲み込まれようとしているような俺の手。
それに小蒔が甘く声をあげながら、そのお尻をあげる。
微かに背筋を反らしたその姿勢はあまり居心地の良いものだとは言えないだろう。
そう思えば、小蒔をそのままにしておく訳にもいかず、俺は胸中でニヤリと笑いながら今度は柔肉を引き下げた。

小蒔「ん…ぅぅ…♪」

その柔肉をがっちり掴みながらのそれに小蒔の身体は引きずり落とされ、再びベッドへと戻る。
だが、数秒後、再び俺の手に押し上げられた彼女はまた背筋を浮かせて、アーチを描いた。
それを幾度も繰り返しても、小蒔の反応は変わらない。
俺のちょっとした動きに敏感に反応し、何時までも可愛らしい仕草で返してくれるのだ。

小蒔「お、玩具に…されてます…♥私…京太郎様の…玩具…ぁ…♪」
京太郎「(あぁ、小蒔は…最高の玩具だ)」

うっとりとした声音の中に嬉しそうな感情を響かせる小蒔は俺にとって一番の玩具だ。
普段の反応だって可愛くて仕方がないのに、セックスの時はさらに可愛くなってくれるのだから。
その上、普段から従順かつ献身的ともなれば、玩具としては申し分ない。
ずっとずっと可愛がってあげたくなるような最高の玩具なのだ。

団   ユダヤの陰謀             二段階革命論     日     都市を農村で包囲せよ
結                                      和  同志!              資本論
せ   暴力装置   ヨーロッパに亡霊が出る           主            
よ                共産主義という名の亡霊である    義   第一次五カ年計画
!      自らを縛る鎖                       者              断固たる階級闘争

                    コルホーズ                 ゲバ棒
結合発展の法則  世界同時革命                   プ                 暴

                       ブ     / ̄ ̄ ̄\    ロ    無慈悲な鉄槌     力
   最終的にたどり着くのはアカ   ル    .../.\   /. \   レ                  革
                        ジ   /  <◯>  <◯>  \   タ    遊撃戦論         命
     非搾取階級           ョ   |    (__人__)    |   リ
             造反有理    ワ    \    `ー'´    /   ア        ゲリラ闘争
     地上の楽園           ジ   /             \   |
             革命の意義   |                     ト  資本主義(笑)
 10月革命                                           理性と科学に基づく社会

                       共 産 主 義 こ そ 人 類 の 理 想 ! !


小蒔「わ、私…奥さんなのに…京太郎様の奥さんなのに…こんな…ぁ♥こんな扱いされて…悦んでるなんて…♪」

そして何より小蒔自身がそうやって玩具扱いされる事に喜んでいる。
そう思うのは決してその嬉しそうな響きだけじゃない。
俺が舐め蠢く小蒔の肉穴はさっきからピクピクと反応し、奥から愛液が漏れ出しているのだから。
下の口という表現に相応しい雄弁なその様子に俺は小蒔の悦びを感じ、ついつい舌をそこへと突き入れてしまう。

小蒔「ん…ふぁあ…っ♪♪」

瞬間、漏れる満足気なため息。
それに合わせてブルリと震える背筋は恐らく強い快感を脳へと伝えているのだろう。
実際、俺が舌を差し込んだ肉穴はプルプルと震えて、締め付けて来る。
上下左右からネチョネチョと這い寄ってくるそれは、しかし、舌の硬度に対してあまりにも力強かった。
あっという間に舌の形が変わるのを感じた肉襞は不満そうに揺れながらも、俺の舌を離す事はない。

小蒔「私の中まで…京太郎様が…舐めて…るぅ…♪」

そんな自分の言葉に興奮を掻き立てられたのだろう。
再び背筋をブルリと震わせながら、小蒔の足がきゅっと俺の身体を捉える。
まるでもっと舐めてほしいと言わんばかりのそれはきっと無意識の行動だ。
そもそも奥が疼きっぱなしの小蒔にとってはとっとと先にいってくれた方が嬉しいのだから。
しかし、そんな欲求不満にお構いなく動いてしまう身体の反応は、それだけ小蒔が感じてくれているからだろう。
そう思えば、このまま傍観する訳にもいかず、俺の舌は窮屈なその中をジュルジュルと這いずり始める。


小蒔「ふゅ…ぅぅ…♪♪」

それだけで小蒔の太ももはピクンと反応し、俺の顔をさらに秘所へと押し付けようとする。
まるでムスコを必死で誘おうとしているようなそれは、しかし、決して成就する事はない。
何せ、彼女の中に入っているのは俺のムスコなどではなく、ただの舌なのだから。
柔らかくも短いそれでは小蒔の奥に届く事はなく、どれだけ俺を求めても今の長さが精一杯だ。

小蒔「気持ち…良い…のにっ♪ヌルヌル凄いのにぃ…っ♥奥の疼きが…強くなるばっかりで…♪♪」

そのもどかしさを小蒔は素直に口にする。
ところどころに吐息を挟んだその甘い言葉に俺の興奮も強まり、ズボンの中で窮屈さを感じた。
ビンビンに張り詰めた肉の棒はもうジンとした熱を放ち、微かに疼きを走らせている。
流石にカウパーを漏らすほどではないが、しかし、このまま小蒔の秘所を舐めていれば、何れそうなってしまうだろう。

小蒔「ひゅぃ…ぃぃぃいいいぃっ♪♪」

だが、そう思っても尚、俺に躊躇らしい感情はなかった。
寧ろ、そうなるべきだと思っているかのように俺はジュルリとそこを吸い上げる。
興奮で熱く火照った粘膜に唇を押し付けるようなそれは俺の部屋に「ぢゅるるぅ♪」と淫らな音を掻き立てた。
ともすれば廊下にまで聞こえてしまいそうなその激しい音に小蒔は首を振りながら悶え、ぎゅっとシーツを握りしめる。


小蒔「そ、そこ吸っちゃだめですっ♪♪そこ吸われたらぁっ♪京太郎様に食べられたら…私ぃひぃっ♪♪」

そう言いながら俺を止めようとする小蒔の静止を聞くはずがない。
寧ろ、その言葉に興奮を掻き立てられた俺は息継ぎの後にまた小蒔のそこに吸い付く。
舌を突き出したまま啜るようなそれに小蒔の粘膜はピクピクと反応してくれた。
いきなりの口撃にも悦んでくれているその証に俺は一つ笑みを浮かべながら、今度は舌を重点的に動かす。

小蒔「んあ…ぁ…♪♪次は中…なんですかぁ…ぁ♥」

小蒔の粘膜を吸っている時には動けない舌。
それを肉襞の間に差しこむようにしながら、俺はクチュクチュと言う音と共に小蒔を味わう。
それに合わせて愛液が絡むのを味わうのは中々に美味しく、また気持ちも良い。
それをさらに求めたくなった俺は上下左右と無茶苦茶に舌を動かし、小蒔にさらなる愛液を漏らさせようとする。

小蒔「ダメですぅっ♪入り口だけそんなチュッチュしちゃダメぇっ♥私…奥に欲しいんですっ♪京太郎様のオチンポをっ♥京太郎様専用のメスマンコの奥に……ぃ♪♪」

しかし、それはあくまでも小蒔の欲求不満を掻き立てるものでしかないのだろう。
甘く俺へとオネダリするその言葉はそろそろ切羽詰まったものが混じり始めていた。
そう思うと多少可哀想な気もするが、しかし、俺はまだ小蒔を貪る事にまだ満足しちゃいない。
流石に泣くまで焦らすつもりはないが、もう少しだけ…こうして小蒔の痴態を楽しんでいたかったのだ。


京太郎「(だから…我慢出来るように…)」

そう思った俺は小蒔の肉穴からそっと口を離す。
瞬間、俺の口周りにべったりとついた愛液が糸を引くようにしてベッドへと滴り堕ちるのが分かった。
今にもにちゃあという音が聞こえてしまいそうなそれを俺が厭う事はない。
穢されたという印象がない訳ではないが、それよりもこうして糸を引くほどまで小蒔が感じてくれた方が嬉しいのだ。

小蒔「あ…京太郎様…ぁ…♥」

そんな俺の前で小蒔は安堵したような声を漏らす。
その顔は豊満な胸に隠れて分からないものの、きっとほっとしたものを浮かべているのだろう。
だが、それはまだ早計という奴である。
それを教える為に俺は離した口を再び小蒔へと近づけ、そのまま肉穴の上で震える小さな肉豆へと吸い付いた。

小蒔「きゅん゛ぅぅぅぅぅ♪♪」

それに全身をビクンと跳ねさせるのは、そこが小蒔の中でも上位に位置する性感帯だからだろう。
一説にはこの小さな肉の塊に男性器と同じだけの快楽神経が集まっているとも言われるそれを俺は容赦なく吸い上げた。
周りの皮ごと飲み込もうとするようなそれに小蒔の身体が強張り、その腰が反射的に逃げようとする。
しかし、背中をベッドにあずけている今の状態で逃げ場などなく、またどれだけ身体を強張らせても抵抗にもなりはしない。
自然、小蒔は全身を震わせるほどの悦びを得ながら、俺に貪られるしかないのだ。

どれだけ貼っても問題ないって事だな

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23: アフィスレ嫌い(大阪府)[sage]


小蒔「く、クリひゃんらめぇっ♪♪今そこはダメなんですぅっ♥」

あまりの衝撃の所為か、一瞬、舌足らずになった小蒔はそう言った。
こうしてオネダリするくらいに奥が疼いているにも関わらず、さらなる快感を注ぎ込まれても辛いだけであろう。
気持ちのいい感覚と同じくらいに自分の中の満たされなさが強くなるのだから当然だ。
しかし、そうと分かっていても、俺は小蒔に容赦しない。
ここが勝負どころだとばかりに小蒔のそこを吸い上げ、そして尖らせた舌先で器用にその包皮を向いていくのだ。

小蒔「んひぃぃぃっ♪♪」

これまで何度もいじってきたお陰で随分と剥きやすくなった包皮。
その向こうにあるのは正真正銘、敏感なクリトリスだ。
女性によっては気持ち良すぎて辛いとも言われるそこを、俺は躊躇なく吸い上げる。
それと同時にむき出しになったそこへと舌を押し付け、ペロペロと転がすのだ。

小蒔「ダメぇっ♪そんな事されたらイキま…すぅっ♥私…一人でイッちゃいますからあぁっ♪♪」

クリトリスに対する無慈悲なその愛撫に小蒔はそう懇願の言葉を紡いだ。
それは恐らく決して嘘ではないのだろう。
能力と調教で人並み以上に敏感になった小蒔にとって淫核は快楽のスイッチも同然なのだから。
そんな場所を口全体を使って愛撫されれば、小蒔はすぐさま絶頂へと突き上げられてしまう。
そして、今の小蒔がそんな絶頂を望んではおらず、だからこそ、こうしてオネダリを続けている事は俺にも分かっていた。


小蒔「ひぃぃ…っうぅぅぅっ♪♪」

しかし、だからこそ、嗜虐心を唆られた俺は片手を柔肉から離し、そのまま小蒔の肉穴へと突っ込む。
ジュプリと言う音を立てて、小蒔の中へと入り込んだそれは二本の指を束にしたものだ。
舌よりも遥かに太く、そして硬いそれに肉襞は歓喜するように絡みつき、グニグニと表面を刺激する。
これが自分の肉棒であればさぞかし気持ち良いのだろうとそう思わされるほどの熱烈な歓迎に俺は思わず鼻から熱い吐息を漏らしてしまった。

小蒔「にゃかまでぇっ♪中までそんな…反則ですぅっ♥♥そんなのされたら…もぉ…私…本当にイく…ぅぅ…♪♪」

そんな俺の乱暴な愛撫を受けながらも、小蒔は感じてくれていた。
いや、感じるどころかキュンキュンとリズミカルに肉穴を締め付け、俺に絶頂の予兆を教えていたのである。
その可愛らしい仕草と小蒔の声に…俺はついつい我慢出来なくなってしまった。
そんな小蒔をもっと追い詰めたいと嗜虐心をさらに昂らせた俺は、一気に根本まで指を突き入れ、そして小蒔のお腹側にそっと触れる。

小蒔「そこは…ぁあ゛あぁぁぁ…っああぁっ♪♪」

俺の指先に微かにザラリとした感触が伝わった瞬間、小蒔の背筋は大きく反り、口から甲高い嬌声が飛び出した。
今までよりも一段高いその声はそこが小蒔にとってクリトリスに並ぶ性感帯だからだろう。
所謂、Gスポットと呼ばれる場所への愛撫に小蒔の全身は戦慄くようにして震えた。
俺とセックスしている時と変わらないその反応に、俺は小蒔の絶頂がもうすぐそこまで来ている事を感じる。

同人ゴロと同じゴミ
>>1は自己批判しろ!


小蒔「意地悪ぅっ♪京太郎様の意地わゆぅ…っ♥京太郎様のオチンポでイきたいって言ったのにぃ…っ♪私…私…もぉぉ…っ♥♥」

しかし、それでも小蒔の怒りは誤魔化せないのだろう。
最後の意地か俺を責めるような言葉を紡ぎながら、小蒔はぎゅっと全身に力を込めた。
自然、それは俺をさらに小蒔の身体へと押し付ける結果となり、俺の顔全体に彼女の柔らかな感触が広がる。
まさに果てる寸前と言うようなそれに俺の嗜虐心もさらに燃え上がり、小蒔の淫核を歯で挟み、Gスポットをグイッと押し上げた。

小蒔「イっくぅぅ…ぅぅぅぅぅぅぅぅっ♪♪♪」

それで小蒔は限界に達したのだろう。
足の指先までブルブルと震わせながら、小蒔は絶頂を伝える。
その肉穴もギュゥゥゥと搾るように俺の指を刺激し、必死になって奥へと引きずり込もうとしていた。
だが、ムスコからは長さも太さも大きさも違うそれはどれだけ吸い上げても、小蒔の子宮口へと届く事はない。
それに不満を訴えるような肉襞をもっと追い詰めようと、俺はイッている小蒔の中でGスポットをさらに擦り上げた。

小蒔「やぁっ♪♪ダメですっ♪それは本当にダメぇぇっ♥出ちゃうからぁっ♪私、また漏らしちゃいますからぁっ♪♪」

それに切羽詰まった声をあげる小蒔に俺は今更、耳を傾けるつもりはない。
そんな優しい男であれば、もうとっくの昔に小蒔の望みを叶えてやっていただろう。
だが、今、こうして小蒔を追い詰めているのは衝動にも似た嗜虐心に突き動かされた馬鹿な男だ。
故に、その指先の動きが鈍る事はなく、俺は小蒔を責め立て続ける。