【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第20位【アラフォーマーズ】 (1000)

・京太郎主人公

・安価スレ

・某掲示板ネタ

・本編の数年後。京太郎はプロになってる

・基本ギャグ仕立て時々しんみりシリアス

・でも腹パンとか川落ちとか関係ない

・京太郎は麻雀ガチ勢(ランキング13位)

・でもドラマに出たり(松実宥とゲスト同士共演)、料理番組を持ってたり

・異名は「オカルトスレイヤー」。堅実な技術を持つオールラウンダー。闘牌時は非常に獰猛

・でも上位のオカルト持ちと打つと、ミンチより酷い状態になる

・高校生の頃の恋人は高鴨穏乃。少なくとも玄は知らない

・進学などの関係により、破局している

・大学時代、晴絵に息抜きとして連れていかれた先で鷺森灼と出会い、そして恋仲になる。

・なお、関係は切れている。灼が京太郎をフッた(身を退いた)

・弘世菫、小走やえと同じチーム

・同じ大学(T大)なのは、江崎仁美・辻垣内智葉・弘世菫・小瀬川白望(2年上級生)
 鹿倉胡桃(浪人)・臼沢塞(浪人)・荒川憩(1年上級生)、原村和・新子憧(同級生)

・カリス……ではなく、一とは高校時代に一緒にゲーセン行ったり、夏祭り行ったり、バッセン行く程度の仲

・脚力がヤバイ。女子サッカー日本代表にPK対決で勝利

・オカルトスレイヤーの愛称は、出演ドラマから
 超能力ヒーロー学園ものドラマ。超能力者に対抗する、唯一の魔法使い(物理)

・戦闘スタイルは完全にシャコさん

・大学2年時に、オカルトを暴走させた夢乃マホと対局し、敗北

・カピバラとは死別。死因は……

・男友達はちゃんといるよ

・ムエタイの達人。パルクール(フリーラン)を習得

・バイク大好き。愛車には話しかけたりする


   須賀 京太郎 日本

  2X歳 ♂ 高い 標準
 『麻雀ランキング』13位
  M.O.手術 〝昆虫型″
    ━リオック━


※有志の方のありがたいまとめwiki

http://www54.atwiki.jp/ocltslyrkyo/pages/1.html


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1383752033

※前スレ
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.2
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.8【アラフォーマーズ】
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.9【アラフォーマーズ】
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.10【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.10【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.11【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.11【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 Part.12【アラフォーマーズ】
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第13位【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第13位【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379785660/)

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第14位【アラフォーマーズ】
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第15位【アラフォーマーズ】
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【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第16位【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第16位【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381164915/)

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第17位【アラフォーマーズ】

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第18位【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第18位【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382191356/)

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第19位【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第19位【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1383139434/)

・安価を出して、安価先の内容を基に、
 そういう「そういう事があった」「そういうトピックのスレッドが立ってる」としてそれに絡めた話を書きます
 例えば安価先が【小鍛治健夜結婚】なら


引用元:【リアルババ抜き】 小鍛治健夜、結婚 【ターンエンド】

1 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
ソースはブログ。すこやんが男の手料理を食べたとかなんとか

2 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
すこやんみたいな干物が手料理をごちそうになる……これは結婚ですなぁ

3 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
やっとすこやんにも春が来たんだね……遅すぎるとしても

4 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
釣りかと思ったらマジだった

5 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
【悲報】ついに人柱がささげられる

6 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
勇者ありがとう。お似合いだよ……どんな人かはしらんけど

7 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
おめでとうすこやん!これで俺も安心できる

8 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
なんだこれは……たまげたなぁ

9 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
しつぼうしました。うえのさんのふぁんになります

10 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
ん、でもこれさ……この背景……スッガが出てる料理番組じゃないか……?

11 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
糸冬 了

12 名前:名無しさんリーチ 投稿日:20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX.XX ID:???
やっぱりそんな都合がいい話がすこやんにあるはずがなかった


・と言う感じで、これならその番組ですこやんで絡んだシーンとか

・開始時の人間関係はフラットです。安価で人間関係が決まります

・安価についても、明示された部分以外にはキュゥべえ理論展開されたり

・いちゃいちゃとかルートとかコンマで闘牌とか今のところ予定はない。今のところ

安価でお題を3つくらい募集
お題については以下

①いつもの掲示板形式
②掲示板によらない京太郎のオフの日の話
③高校・大学時代の話とか、作中で触れられたけどキンクリされた話(淡ラキスケ、やえタッグ)とか


一応のルールとか

【見出し系】
・基本、恋愛&マイナス結果確定系はNG
 状況なら確定系は可。
 例えば、『須賀プロ、○○プロと路上で口論』。
 但し、『須賀プロ、○○プロと路上で口論。その後、暴行』はNG
 同様に『○○プロ、須賀プロと共演。須賀プロを激怒させる』

・状況確定系でも恋愛関係確定はNG
 『恋人の○○と~』は駄目。
 『恋人と噂される○○と~』はギリOK
 あんまり恋人と噂が多いとなんか悪いこと起こるかもね

・順位確定系もアウト
 『須賀京太郎、M.A.R.S.ランキング2位に』みたいのは駄目

・暴行&下衆&鬱&エログロネタはNG
 AVデビューとかいじめ、強姦被害とか自殺とか薬物中毒とか元風俗嬢など。
 不良に絡まれたとかならまあよし

【ファンスレッド系】
・「○○プロ応援スレ」など
・一般人についてはNG

【質問、目撃スレ】
・「スッガと話したけど質問ある?」のような
・恋愛関係確定系はNG(彼女・元彼女など)


これ+同一IDの連続取得については最安価とします
なお、ズレて取得になった場合もこれにカウント

好感度

★7
ハギヨシ:師匠にして友人にして悪友にして戦友。この人抜きじゃ生きていけない
大星淡:やたら絡んでくるアホの子ライバル。麻雀人生をやってもいいよ。おもち柔らかかった。可愛いっちゃ可愛い

★5
弘世菫:菫さんは最高です! 菫さんのおかげで戦えるんです! 菫さんを目標に大学決めました!
宮永照:強大な目標。勝負事では頼りになる人。なんか放っとけない

★4
宮永咲:気のおけない幼馴染み。絶対の目標にして憧憬を覚えさせた存在

★3
赤土晴絵:師匠! 師匠がいなかったら俺は……
辻垣内智葉:姐さん、一生ついてきます! 姐さんがいたからあの大学に……
松実宥:なんでも共演。寒がり大変そう。正直おもちあるし結婚したい
小走やえ:頼りになる相棒にして、尊敬する先輩。分かち合える戦友にして、正直結婚したい! やえさん!

★2
松実玄:男として見られてないけど正直結婚したい
亦野誠子:お互い大変っすよねー……今度、海釣り行きましょうよ!
国広一:一さんといると落ち着くんだよなぁ……
片岡優希:いい女になったな
東横桃子:消えても終える
龍門渕透華:すっげえスポンサー
小瀬川白望:シロさん、元気そうでよかったなぁ
原村和:初恋……だったんだ
対木もこ:小動物可愛い
姉帯豊音:大きな小動物可愛い
三尋木咏:流石の火力っすね……三尋木プロは
鶴田姫子:頭おかしいんじゃないですか、あんた
新子憧:高校大学と、本当に世話になった女友達。何年後かで、お互いフリーなら結婚したい
(高鴨穏乃):

★1
佐々野いちご
瑞原はやり
小鍛治健夜
愛宕洋榎
愛宕絹恵
野依理沙
渋谷尭深
竹井久
夢乃マホ
染谷まこ
花田煌
加治木ゆみ
新免那岐
福路美穂子
白水哩
江崎仁美
天江衣
薄墨初美
石戸霞
滝見春
狩宿巴

13位「オカルトスレイヤー」 須賀 京太郎
ベーススタイル:『技術昇華』

攻撃力:40/40 防御力:40/40 速度:40/40
技術:60/60 幸運:10/10 気力:60/60

★麻雀スキル
・『情報(0)』
・『分析(0)』
・『対策(0)』
・『オカルトスレイヤー(10)』
・『最古の害虫(10)』
・『偽・闇を裂く雷神(10)』
・『偽・神眼の拳闘家(10)』
・『偽・悪魔の天敵(10)』
・『偽・天上の荒武者(10)』


☆スキル
>『爽やかな笑顔』
>女性キャラと(ゲーム的には初登場)遭遇時の判定について
>内容や判定に正の補正が加わります

>『プロ並のシュートセンス』
>スポーツや運動関連の判定について
>内容や判定への正の補正が加わります

>『愚行権』
>彼は本当の意味での凡人だ
>運があろうが実力があろうが、とにかく分かりやすい華はない
>因縁めいた偶然なんて存在しない
>物語の補正なんてのは、ない
>だからこそ、普通と違う誰かには、もの珍しく映ったり……
>【……思考が常識離れしている相手の好感度に影響】

>『反響定位』
>舌打ち音の反響により、無視界でも通常通りの活動が可能
>音感関連の判定や『反響定位』が活用可能な判定について
>内容や判定への正の補正が加わります

>『マッハ!!!!!』
>大学時代限度ギリギリまで打ち込んだ古式ムエタイの成果
>立っている人間の肩を足場に走れる、肘でヘルメットを割れる等々……
>タイってスゲー。仏像や象さんに手を出すのはやめよう
>格闘やアクション判定について
>内容や判定に正の補正が加わります

>『舌使いが上手い』
>種を残して食べたサクランボを舌で結べる程度には舌の使い方が上手く、繊細で精密
>味覚を用いた判定や舌を使用する判定について
>内容や判定への正の補正が加わります

その他、ランカーステータス
※安価内容を闘牌系にする際の参考に


?位 「???」 宮永 照
ベーススタイル:『技術昇華+運+オカルト』

攻撃力:30+?/60 防御力:30+?/60 速度:30+?/60
技術:45/60 幸運:30+?/60 気力:60/60

・『照魔鏡(0)』
・『黄金回転の連続和了(0)』
・『黄金回転の連続和了Act.2(10)』
・『連続和了Act.3(10)』
・『連続和了Act.4(10)』
・『神砂嵐(20)』


3位 「赤き腕を持つ帝王」 荒川 憩
ベーススタイル:『技術昇華+オカルト』

攻撃力:45/60 防御力:60/60 速度:35/60 
技術:45/60 幸運:50/60 気力:60/60
※(35+45)/2+50=90 コンマ10以上にて聴牌
※45×(50+45/2)=3240 これをコンマ一桁倍

・『赤き腕を持つ帝王(0)』
・『赤き腕を持つ帝王(10)』


9位 「悪魔の天敵」 辻垣内 智葉
ベーススタイル:『技術昇華+運』

攻撃力:40/60 防御力:40/60 速度:60/60
技術:50/60 幸運:40/60 気力:60/60
※(60+50)/2+40=95 コンマ5以上にて聴牌
※40×(40+50/2)=2600 これをコンマ一桁倍

・『悪魔の天敵(15)』
・『神速(0)』


12位「天上の荒武者」 弘世 菫
ベーススタイル:『技術昇華+運』

攻撃力:30/50 防御力:40/50 速度:40/50
技術:50/50 幸運:40/50 気力:60/60
※(40+50)/2+40=85 コンマ15以上にて聴牌
※30×(40+50/2)=1950 これをコンマ一桁倍

・『天上の荒武者(0)』
・『シャープシュート Mk.Ⅱ改 トランジスタ・スライダーICBM(5)』


13位「オカルトスレイヤー」 須賀 京太郎
ベーススタイル:『技術昇華』

攻撃力:40/40 防御力:40/40 速度:40/40
技術:60/60 幸運:10/10 気力:60/60
※(40+60)/2+10=60 コンマ40以上にて聴牌
※40×(10+60/2)=1600 これをコンマ一桁倍

・『オカルトスレイヤー(10)』
・『最古の害虫(10)』
・『偽・闇を裂く雷神(10)』
・『偽・神眼の拳闘家(10)』
・『偽・悪魔の天敵(10)』
・『偽・天上の荒武者(10)』


44位「蒼い血の死神」 大星淡
ベーススタイル:『オカルト』
攻撃力:20/60 防御力:20/60 速度:30/60
技術:20/60 幸運:60/60 気力:60/60
※(30+20)/2+60=85 コンマ15以上にて聴牌
※20×(60+20/2)=1400 これをコンマ一桁倍

・『蒼い血の死神(0)』
・『蒼い血の死神(5)』

もーちゃんか。うん、うん









奈良より西とか行ったことぬえ……

◆2030◆
◆風呂に入ってきなさい◆


その間、本編に直接関係ない小ネタ希望でも書いてて下さいや

エイちゃんと姉帯さんがプロで普段どう過ごしてるのか気になる
たしかエイちゃんプロだったよね?

>京太郎とトキィ


>眼精疲労に悩まされていた俺は、毎週診察を受けていた。

>低下し続ける視力。

>かつては昼間の星をも捉えていた俺の目は、

>今や北斗七星の横の星どころか、普通の景色を見るのさえ儘ならない。

>特に、遠くのものにピントを合わせるのが困難になっていた。

>総合病院に通っていた俺は、そんな中で一人の女性に出会った。


怜「どないしたん?」


>……なんでもないっす。

>園城寺怜――この病院に入院して長いという、儚げという言葉の似合わない女性だ。

>儚げと言うには、あまりにも濃密に気配を感じるのだ。

>死の匂い。

>折れそうな骨と皮が織り成す、薄れてしまっているが故に鮮明に映る死の気配。

>余計なものが剥がれ落ちてしまったが故に、却って彼女の存在感を浮き彫りにしている。


怜「そんな顔してると、幸せが逃げるで」

怜「お手々の皺と皺を合わせて、幸せってなー」


>……笑えない。

>彼女の手は、艶や張りという言葉から遠ざかったものになっているから。

>それが精一杯の強がりと知っていても、口角をぎこちなく吊り上げることすらできない。

>俺は無力だ。


怜「……自信ある、自虐ネタやったのにな」


>……すみません。



>で、手術する云々、俺が約束する云々、困難に勝ってみせる云々、俺が証明する云々で

>ころたんから三倍役満直撃されてミンチ

>大爆笑した園城寺怜は免疫力が回復して手術に成功したとかしないとか

やろうか


あ、全くの嘘だからね。これ

京太郎のチームメイトに関しては、おいおい決めます

まあ、ガイトさんや淡や舞姫とか咲ちゃんやてるてるや姉帯さんや宥姉やネキや咲ちゃんは無理やねんけど
描写に矛盾が出るでなー

後から(モブと入れ替わりで)入ったとかはありだけど

まあ、1枠は後から追加方式が一番いいかな
さっきからちょいちょい電話かかってきて困る

電話が来ないことを祈って始めます


「――嘘、だろ」


 漸く口をついて出たのは、そんな言葉だった。

 冗談だと笑い返そうとするも、頬が引くついて碌に動こうとはしない。

 血の気が引くという言葉があるがむしろ、すべての血液が首元と唇に集中してしまったような錯覚を覚えた。

 口が、脱脂綿でも詰め込まれたかのごとく渇く。

 ひりついた癖に熱い呼吸で、ひゅうと喉が鳴る。


「だって俺たち、上手くやってたじゃねーか」


 今日だって、彼女は楽しんでいた。隣で笑ってくれていた。

 遠距離恋愛だけど、一ヶ月に一度ほどしか会えないけど、自分たちは良好な恋人関係だった。

 連絡だって、ちゃんと取った。

 しつこいすぎないか。逆に淡白すぎないかを考えるのには苦労をしたが、

 少なくとも間違いはなかったと思う。メールにそんな様子だって、なかったのだから。

 穏乃に限って、他に男ができたなどはあるまい。

 そんな可能性を思い浮かべた自分の頭を叩き割りたいほど、ありえない。


 なにが悪かったのか――。

 なにをしたらいいのか――。

 なにかの間違いではないのか――。


 そんな言葉が頭の中で、乱流を巻き起こした。その渦に巻き込まれて、立っていられなくなるほどに。



「なあ、シズ……俺、なんか悪いことしたか」


 駆け巡る思いが、口から零れ落ちて音になる。


「今からでもさ、そういうとこ……改めるからさ」


 声というにはあまりにも弱々しすぎるそれは、頭とは切り離されて、口が勝手に形作る。

 だから、音だ。

 声と呼ぶには蒙昧すぎる。言葉としての体をまるで成してはいない。


「悪かったところ、言ってくれよ……シズには遅いかもしれないけど、俺、変えるから。変えるからさ」


 だから、まるで響かない。

 言っている自分自身の脳裡を上滑りしていくのだから、誰の胸にも届くはずがない。

 ただひたすらに滑稽で、今の自分は、糸が縺れたことを知りながらも踊るしかない道化だった。

 だけど、止められない。

 このか細い言葉を途切れさせてしまったなら、すべてが終わりになってしまう。

 そんな、不安めいた確信がある。

 彼女に喋る暇を与えてしまったならば、何もかもが終わってしまう。


「だからさ、なあ……穏乃」


 女々しいなんてのは判っていた。

 それでもこうして陳情して、懇願して、彼女の心変わりを待つしかない。

 見えない手で彼女に縋り付く自分は、気付いていないだけでとっくに膝を折っていたのかもしれない。

 それでも、嫌だった。怖かった。

 どんなに無様を曝そうと、彼女の同情を引こうと、愛想を尽かされようと――。


 それでも、離れたくなかった。

 彼女が――高鴨穏乃のことが、好きだったから。


 ああ――――だけど。


「……ごめんね、京太郎」


 もう――終わっていたのだ。

 自分の中では、たった今始まったばかりの唐突な別れ話だったけど。

 彼女の中では始まって、とうに“終わっていた”話だったのだ――。


 そんなの、彼女の目を見れば判った。言われるまでもなく理解できた。

 困ったような、寂しそうな、悲しそうな顔。

 だけれども、決めてしまったものだという決意を湛えて静かに波打つ瞳。

 そんなのは、判っていた。

 そして言葉にされたことで、改めて拒絶の壁として、京太郎の頭を弾いた。

 その勢いに、両肩が崩れそうになる。


「さ、寂しい思いさせちまったか? それとも、俺、調子に乗りすぎたか?」


 でも、嫌だ――。

 振り払うように、次々と言葉を生んだ。とにかく並べ立てた。

 そうしていれば、掻き消せるかもしれないと狂信めいた祈りにも似た感情に苛まれて、舌を動かす。


「なら俺、もっと会えるようにするから……! お前が少しでも嫌がること、絶対にしないから……!」


 だから――捨てないで下さい。

 俺を、捨てないで下さい。

 捨てないで、下さい。

穏乃「つまんねぇ恋人のフリまでしてよぉ~ だがテメェは本当に単純だよなぁ 私の口から出ること全て信じちまうんだからよぉ! ウェヒヒヒヒヒ最高だぜd最高!!」


くらいまで突き放したらよかったんじゃないかな(真ゲス感)

>>72
中の人的に考えて
穏乃「京太郎って絶対ホモだよね!(直球)」ぐらい言えばよかったんじゃね?(適当)


「俺、お前に嫌われるようなこと、しちまったか?」


 ただ、言う。


「俺のこと、嫌いになったか? 嫌になったのか?」


 声をあげるしかできない。鳴くしかできない。

 手を伸ばして下さいと、拾って下さいと鼻を鳴らすしかできない。

 それほどまでに、唐突だったのだ。

 何かしら、この状況を否定しないと――何もかもが信じられなくなってしまうくらいに。

 だって、つい先ほどまで笑いあっていたのだ。語り合っていたのだ。

 それすらも、嘘だと言うのか。何もかもが幻だと言うのか。


 もし、そうだと言うのなら――。


 これまでの何もかもが、嘘っぱちだという話になってしまう。

 ああして笑っていた彼女が自分に見切りをつけているということは、

 彼女が見切りをつけた人間にもあんな顔ができる人間だってことを意味していて、

 そんなのも見抜けない自分は、とんだ馬鹿でしかなくて、

 そうなると、今まで信じていたものすべてが信じられないような――足元が崩れ落ちていくような、錯覚を覚える。


「……違うよ。京太郎のこと、嫌いになってないよ」

「じゃあ、なんで……!」

「だから――――今の京太郎を、見たくない」


 それは、どういう――。


「ここに来るために、部活が終わってからもバイトをしてるんでしょ」

「あ、ああ」

「部活も必死にやって、バイトもやって、勉強もがんばって……今度は京太郎、部長になる」

「それは……」

「忙しくなるのに、このままだと……」


 ――京太郎はもたない。

 ――京太郎の負担になりたくない。

 ――京太郎を困らせたくない。


「だから、別れよう? 私たちは――子供過ぎたんだよ」


 そうまで言われて、そんなものをすべて捨てられる――などと言えるほど、京太郎は無責任ではなかった。

 子供というには大人の部分があり、大人と言うには未熟過ぎた。

 あるいはこれは、彼女なりにこちらを納得させる為の――都合のいい、耳障りのいい、言い訳かもしれないけど。

 それでもこう言われて、引き下がれないほど子供じゃなかった。


「……判った」


 辛うじて声を振り絞ったつもりだったが、意外にすんなりと言葉は出た。

 我ながら驚くほど、落ち着いた声だった。

 気持ちの中でも、最早どうにもならないのだと得心していたのだ。


「ずるい言い方して、ごめんね」

「……いや。俺こそ、しつこくて悪かった」


 声色とは裏腹に、未だ完全に落ち着きを取り戻した訳ではないが――。

 改めて、己の曝した醜態を思い返して、

 それがどれほどまでに彼女を困らせてしまったのか――そんな顔などさせたくなかった――を考え、黙る。


「……ごめんね、京太郎」

「いいよ。もう、謝んなって……」


 彼女がそう言うなら――もう、そうでしか、なかった。

 好きだった。ずっと一緒に居たかった。彼女の笑顔を見ていたかった。

 ……でも、こんな自分は負担にしかならないと言うのなら、この話はこれで終わりなのだ。


「……最後に一つだけ、我が儘を言っていいかな」

「……なんだ?」

というか今の京太郎が「大人」になったとはとても思えないんですがそれは…


「麻雀、どんな形でもいいから……続けて?」

「……」

「麻雀を打ってるときの、麻雀の話をしているときの、京太郎の笑った顔が――好きなんだ」


 心は静かに、形を取り戻していく。

 抉れてしまった部分は置き去りに、一先ずは形を整えていく。

 彼女は、どこか、泣きそうな顔をしていた――そんな顔などさせたくないのだ――。

 だから、自分は、立ち直らなきゃならない。

 フラれたことにショックを受けこそすれ、そこまで後には引かないのだと。

 彼女が気に病んでしまうようには傷付いてはいないのだと。ちゃんと納得できたのだと。


「判った。約束するよ」


 そんなことしかできないけど――。

 それが彼女に対して自分ができる唯一のことなら。そうすれば少しでも、彼女の気が晴れると言うなら――。

 たとえ嘘っぱちだったとしても、誓うしかない。

 恋人として自分にできることは、もうこれしかなかった。


「じゃあな。今まで、ありがとうな」

「私も、ありがとう」

「……ああ。本当に今まで、楽しかったよ」

「……うん」


 こうして、須賀京太郎と高鴨穏乃の物語は終わりを告げるのだ。


「元気でな」

「麻雀、頑張ってね」

「ああ」




 離れていく彼を見ながら、高鴨穏乃はブランコに腰掛けた。

 彼を――須賀京太郎を袖にした。穏乃の方から、彼に絶縁を突きつけたのだ。

 愛想がつきた、


(……京太郎)


 という訳ではなかった。

 むしろ、彼に対する愛おしさは未だこの胸に渦巻いている。目を閉じれば、思い浮かぶほど。

 彼と過ごす日々はまた新鮮で、穏乃に様々な気持ちを教えてくれた。

 友情を知っていても、穏乃は愛情を知らなかった。否、男女間の恋愛というものを知らなかった。

 誰かを好きになるということが――。

 こうも心を波立たせて、切なくさせて、熱くさせて、満たされるものだとは知らなかった。

 いつも、彼を思っていた。

 離れれば想いは募り、彼の笑顔を見れば胸が温かく安らぎ、

 彼の腕に収まったときは、激しく彼に口付けしたい衝動と、そのまま穏やかに向かい合っていたい安堵を抱いた。

 楽しかった。彼と一緒にいられることが。


「……うん、これでよかったんだ」


 彼は、麻雀の話をするときは――本当に楽しそうに笑っていた。

 一時は思い詰めていたようだけど、それも直り、実に――心底面白いと無邪気な笑いを浮かべるのだ。

 ちょっぴり悪そうな笑みや、何もかも考えてないような笑顔や、恥ずかしがったはにかみはあったけど、

 どれも好きだったけど、麻雀の話をして笑う彼の顔が――一番いい笑顔。


「あれだけ狡い言い方したら、私のことを忘れてくれるよね」


 麻雀、本当に好きなんだと思う。

 京太郎は優しいから、素直だから、きっとこうして別れてしまったことに傷付くだろうけど――。

 あんなにいい顔をできる麻雀をしていたら、きっと忘れられる。

 自分が付けてしまった傷だって、癒えるだろう。


 彼の負担になりたくないから。彼の疲れた顔を見たくないから――。


 そんな自分勝手な理由で別れ話を持ち出した女のことなんて、きっと忘れてくれる。

 だから、口約束でもいいから麻雀をやって欲しかった。


「……京太郎」


 ――よろしくな、高鴨さん!


「京太郎」


 ――ありがとな、って……穏乃って呼んでいいか?

 ――おう、俺の方も気軽に呼んでくれよ。


「京、太郎」


 ――ったく、お前……何だかんだ危なっかしいよな。


「京……太郎」


 ――へっへーん! どうだ! 俺の勝ちだな!


「京……太、郎」


 ――おう! 任せとけって! いい子にしてろよ?


「京、太郎ぉ……」


 ――よ、また来たぜ! この休みもいっぱい遊ぼうな!


「京、太郎ぉ……!」


 ――そこをなんとか、頼みますよ! 神様、女神様、穏乃様!


「きょうたろぉ……!」


 ――ほれ、ちゃんと掴まれよ。

 ――……お前軽いのな。ちんまくて可愛いけどさ。


「きょう、たろぉ……!」


 ――大丈夫だ。俺が、何とかしてやるよ。


 怒った顔も、笑った顔も、悲しそうな顔も、嬉しそうな顔も、楽しそうな顔も、苦しそうな顔も――。

 全部、覚えている。

 彼との思い出は、胸にある。

 それが暴れて、どうにかなりそうだけど……耐える。耐えなきゃいけない。


(駄目だ。私から言い出したんだから、しっかりしないと……)


 高鴨穏乃は嘘が嫌いだ。

 というより、吐いてもすぐにバレる。だから、嘘とは呼べない。

 幼馴染みの新子憧には、「しず、あんた嘘が下手すぎ……」と呆れ顔を向けられる。

 それに元々、基本的に感情を表に出すタイプである。だから、必要ないと言うのもあるし……。

 嘘を吐くなんて、なんか卑怯だし潔くないと思う。

 勿論、他人が吐くのに対して、別にとやかくは言わないけど。

 まあ、おおよそ自分と嘘は無縁であろうと思っていた。


 でも――。


(京太郎、元気でね……)


 この日――高鴨穏乃は嘘を吐いた。

 水滴に濡れて黒ずんだ土を、軋むブランコが追い散らす。

 夕闇に紛れる蝙蝠めいた甲高い声をあげて、乗り捨てられた鉄の鎖は震えていた。


 遠くで、雷の音が聞こえた――。

 



  ◇ ◆ ◇


京太郎→アニメのあの台詞から考えて多分重い

穏乃→結構よく考えたら、重そう

結論:この二人の別れ話は重い



さて、あとは地雷を消化するだけでござる
しんみり程度にしかならんから平気平気

やけど、眠いんでここまででオナシャッス

姫松勢とかたかみーとか誠子さんとかセーラなら多分軽い
というか、オカモチ能力持ちはなんか重そう(断言)


明日にはヤンジャン読みたい所存


乙ー
7位先輩…

と、思ったけど……いくつか小ネタいきます
小ネタ書いてシリアスパワーを補充しますんで

上にあるうちから、いくつか


>やえさんへの愛の言葉10選~実際に言ってみた~




京太郎「やえさん、結婚して下さい!」

やえ「墓場に行きたいなら、そこのスコップもってっていいわよ」




京太郎「やえさん、大好きです!」

やえ「……今度は何をやらかしたのか、正直に言え」




京太郎「やえさん、付き合って下さい!」

やえ「コンビニに?」




京太郎「やえさん、俺とデートに行きませんか?」

やえ「どしたー? 何か嫌なことでもあったー?」




京太郎「俺、やえさんと会えて本当によかったです……!」

やえ「はいはい。これ、糖分。飲んどきなさい」




京太郎「やえさんを見ると、俺はこの胸の高鳴りが押さえられなくなって……!」

やえ「風邪? 熱計った?」




京太郎「やえさん、ご飯行きましょう! ご飯!」

やえ「今行くから、慌てなさんな」




京太郎「やえさん、どうして俺のこと苛めるんですか?」

やえ「自分の言動、考えろってば」




京太郎「やえさん、俺のこと嫌いなんすか……? 俺、捨てちゃうんスか?」

やえ「あんまり人聞き悪いこと、言うんじゃないわよ」





京太郎「やえさん、俺、この戦いが終わったら……」

やえ「バカなこと言ってないで、用意しなさい」

京太郎「やえさん……」

やえ「……ったく、情けない顔するんじゃないわよ」

やえ「あんたは、私の相棒でしょ?」

やえ「強いプロも巧いプロもいるけど――私が、背中を預けたいと思ったのはあんただけ」

やえ「私の相棒は、他の誰でもなく――須賀京太郎、あんた一人」

やえ「その意味、ちっとは考えなさい」

京太郎「――」

やえ「……あんまり恥ずかしいこと、言わせなさんなってのよ」

京太郎「やえさん……」


京太郎「――遺伝子レベルで一目惚れです。結婚して下さい」

やえ「――うん、5000%無理」

やえさんと絡むと軽い(断言)


買ってしっかり読むのは取り置き頼んだ本屋で明日だからね
くれぐれもネタバレしないでくれよ!
該当ページしか見てないんだからな! ダッシュで戻ったんだからな!


さ、次のネタに行こう


★悪夢★




照「……ふんっ」 ギュルギュル

京太郎「あぎぃぃぃい!?」

照「よし、京ちゃんは生きてる」

京太郎「なんなんだよォ!?」

照「かっこつけて死ぬ京ちゃんが悪い」

京太郎「アッハイ」




智葉「……」

京太郎「あ、辻垣内先輩……どうしたんですか?」

智葉「……」

京太郎「な、なんですか? 俺の顔になんか……?」

智葉「いや、大したことじゃない」

京太郎「は、はい……」

智葉「……須賀。たまにはこっちにも挨拶に、顔を出せ」

京太郎「あ、はい……了解っす!」




菫「……」

京太郎「どうしました、弘世先輩?」

菫「……」

京太郎「な、なんですか? 俺、なにかしました……?」

菫「いや、なんでもないんだ。なんでもない」

京太郎「は、はぁ……」

菫「……それより、飯でも食いにいかないか?」

京太郎「お供しますよ!」

>京太郎「あ、はい……了解っす!」
>京太郎「お供しますよ!」
やっぱこいつ犬だわ




豊音「須賀くぅぅぅ――――ん!」

京太郎「はい……いぎぃ!?」

豊音「大丈夫? 生きてるよねー? 息してるよねー?」

豊音「悪い夢見て、ちょー心配したんだよー!」

京太郎(たった今死にそうなんですがそれは)

京太郎(でもこんな可愛い人にそれはいえない)




淡「きょーたろー!」

淡「生きてる? 大丈夫? この指の本数判る?」

京太郎「え、いや……」

淡「まどろっこしい! 心臓の音! 胸、貸せ!」

淡「……えっと、うん、聞こえるかな? きこえる……よね?」

京太郎「……なにしてんだよ、お前は。近いだろ」

淡「ぁ……う、えと……」

淡「う、うっさいばか! この痴漢男っ! せくはらっっ! どスケベっっっ!」

京太郎「……いきなり胸板に頬擦りしてきたのお前の方だろ!」




咲「……京ちゃん」

京太郎「なんだ? 顔色悪いけど、なんかあったか?」

咲「……うん。京ちゃんが、遠くに行っちゃう夢」

京太郎「なんだそりゃ……」

京太郎「で、お前はそれを本気にしちゃった――と」

咲「う、うん……」

京太郎「……ったく、お前を残してどっか行くかよ」

京太郎「そうなったらお前、樹海に迷いこんで餓死するじゃねーか」

咲「……もう本、貸さないよ?」

京太郎「ごめんなさい」

咲ちゃん贔屓しすぎじゃないですかねぇ…

>>136
むしろ一番贔屓されてるのはちょくちょく出番のある照の気がするで




やえ「……」

京太郎「どうしました、やえさん――痛っ!?」

京太郎「な、なにするんすか!」

やえ「虫が居たのよ。なんか刺しそうな奴が」

京太郎「……虫っすか? 大丈夫かよ、それ」

やえ「もう潰したわよ」

京太郎「いや、叩いたやえさんが刺されてないかが心配で――って、痛ぇ!」

やえ「……行くわよ、京太郎」

京太郎「なんでもう一発!? って、今俺のこと……!」

京太郎「ついにデレてくれたんですね――って、痛い痛い痛い!」

やえ「調子に乗るな、馬鹿」




一「……ねえ」

京太郎「なんですか、一さん?」

一「生きてるよね、京太郎くん」

京太郎「いや、どう見ても生きてると思いますけど……」

一「……そっか。なら、いいんだけどさ」

京太郎「……?」

一「……。手、繋ごうか」

京太郎「手錠はやめて下さいよ?」




もこ「……」

京太郎「あ、どうしたんですか? もこさん」

もこ「……!?」

もこ「……」

もこ「……えと、あの」

もこ「あの……その……」

もこ「……」

もこ「……!」

京太郎(ぎゅっとシャツの裾掴んできた。可愛らしいな、マジ)

寝ますわ

ヒロインとして書きやすいか否かは確かにあるなー
ツンデレというか、ツンドラというか、クーデレというか、呆れデレは書きやすいんや

アレキサンダー先輩かっこよすぎてハゲた


なにあれは


AED復活並みに奮えた

酒の席ででも、イケメンって言われると嬉しい1です

結果次第やけど今日は、更新なしでお願いしますー

ドーモ、読者=サン。飲み会の直後ってナンデやたら筋肉痛になるのか不思議な1です


開始は今すぐじゃないんだけど……
本編戻る前に「この世界のプロ雀士制度について」でも、解説したいと思います。
                                                     ……別にシリアスのカラテがなくなったわけじゃないのよ


で、解説時の相方はだれがいいか書いといてやー

それじゃあ

なるほどなるほど
一体この書き込みの内に何人京太郎が混ざっているというのか


①小走やえと視聴者に向けて解説
②夢乃マホに向けて京太郎が説明


えらべえ


京太郎「知ってた」

京太郎「(俺がやえさんと縁がないぐらい)知ってた」

京太郎「(全然靡いてくれないって)知ってた」


マホちゃんでいくでー



【捕捉:この世界における麻雀プロ制度について】



※これからされるプロ麻雀界についての説明は咲原作の描写などからの推測・憶測などに基づきます
※ベース生物は、こちらでの『やきう+サッカー+麻雀+将棋』となります
※シノハユなどで明かされるかもしれない原作の設定と異なっても、それも全て乾巧って奴の仕業なんだ
※オルフェノクは腐ってるんじゃないかなぁ……?



マホ『きょ、きょ、きょ、京太郎先輩……!』


 突如鳴り響いたコールは、後輩からの助けを求めるサインだった。

 普段あまり食べられそうにない、各地方都市の物産を扱ったデパ地下のフェア。

 時間はちょうど昼時。

 そこで購入した惣菜を食べている最中だったので、一も二もなく応答する。

 これが飲食店ならば、流石に配慮をして、天外に出てから通話していただろう。

 ……時間短縮の為に、壁などを足場に移動したかもしれないが。


やえ「どしたー?」

京太郎「後輩からのラブコールっす」

やえ「ふーん」

京太郎「……あ、妬いてくれました?」

やえ「いや、全然」


 ちょっとガード固すぎませんかね。


京太郎「あ、そうだ」

京太郎「よかったら二ケツしてって、終わったあとデートしませんか?」

やえ「寝言は寝てからにしなさい」

京太郎「……酷い」


 まるで取っ付きにくい。大半が、意にも介されずに袖にされる。

 純情な感情は空回りしすぎである。



京太郎「鉄壁なんだよなぁ……胸と一緒で」

やえ「……そんなに死にたいの、あんた」


 ジロリと半眼で、睨み据えられた。そんな顔もかっこいい。あと可愛い。

 でも……できればもうちょっと打ち解けて欲しい。


やえ「ま、あんたの分は残しといてやるから」

やえ「ちゃっちゃと、可愛い後輩のところに行ったら?」

やえ「あんま、待たせるもんでもないでしょ?」


 あーでもないこーでもないと悩みに悩んだ銘菓は、弘世菫が来てもガードしておいてやる。

 そう告げられて、出発をせっつかれた。

 つっけんどんなのに、こういう気遣いをしてくれるところは、本当に流石である。惚れ直す。


京太郎「行ってきます」

やえ「ん、いてらー」


 なんか今のやりとり夫婦みたいでしたね――。

 なんて、からかってみたい衝動に駆られるが、我慢。我慢だ。

 折角、気を使ってくれたのだから急がないと。

 マホのことを、待たせたくないというのもあるし……。


やえ「二日後には離婚するけど」


 訂正。

 どうやら、口に出てたらしい。

爆☆睡してた。アルカロイドですね

改めて続けます


  ◇ ◆ ◇


京太郎「はぁ……」

京太郎「『二日後なら、今日明日は夫婦っすね』っつったら――まさかの、『別居中』かよ」

京太郎「好きって言ったら言っただけ、好きになってくれる……って心理学の本にもあるんだけどな」


 好意の返報性だったか。

 なんてウソっぱちの法則なのだろう。絶対にもう信じない。

 まあ、大抵その手の心理法則というのは最大公約数的な大衆向けのものであって、ひねくれ者には通用しない。

 自分の、最初の師匠である――竹井久みたいな人なんかには。


マホ「あ、京太郎先輩!」

京太郎「悪い。待たせたな」

マホ「マホも今来たところです!」


 笑いながら、こちらに走り寄る夢乃マホ。

 さて、このパターンは――。


京太郎「――だから、コケるっつーの。気ィつけろよ」

マホ「うぅ……マホ、またやっちゃいました……」

京太郎「まったく……俺がいねーと危ないだろ?」


 まあ、自分がいなけりゃこうして走ってくることもないので、転びはしないだろうが――。

 なんて、そもそも論を持ち出しても無意味だろう。

 抱いた肩を整えて、マホの頭に手を置く。


マホ「友達からは、アンバランスだからだって言われちゃいました」

京太郎「そいつ男だったらマジ連れてこい」


 遺伝子レベルで一目惚れしようが絶対に許さない。兄貴分として……いや、兄として。

 ひたすら顔面に正拳突きを叩き込んでやる。


京太郎「ほら、手」

マホ「え?」

京太郎「また転んだら、危ないからさ」

マホ「はいっ」


 手って言ったのになのになんで腕を組んでくるんですかねぇ……。

 ……いや、その、なんつーか、あの、感触的な意味でも大歓迎だけどさ。

汚れた衣?(難聴)


京太郎「……なるほどな」

京太郎「『プロについて教えて欲しい』……か」

マホ「うぅ……申し訳ないです」

マホ「調べてみたけどよく判らなくて、その……」


 肩を縮める夢乃マホ。

 確かに彼女の言う通り、彼女なりに調べてみたのだろうが……複雑過ぎて把握が難しかったのだろう。

 言うほど難しくもないが、言うほど簡単でもない。

 大体の人間はおおよそなんとなく理解しながらも、詳しい説明はできない。

 そんなシステムだ。

 以前言っていた、彼女の就職、その進路――。

 そこから、プロというシステムについて理解したかったのだろう。

 よく判らない業界に入らず、ちゃんと下調べをするという考えを持ったことを、よくやったと褒めてやりたくなった。

 ……彼女がプロになるというのには、一抹の不安が残るが。


京太郎「ま、それなら俺がちょうどいいだろうな」

マホ「忙しいのに申し訳なかったです……先輩の手、煩わせちゃって……」

京太郎「お前も難しい言葉、使うようになったなぁ」

京太郎「……でもまあ、気にすんなって。会って直接話をしようっつったのは俺の方だし」

京太郎「お前の為なら、スケジュールなんてなんでもねー。簡単に消化してやるよ」

京太郎「――お前の前なら、いつだって俺はヒーローになってやる。どんなことでもな」

マホ「京太郎先輩……」


 だから、もしも次にあるようなら――。

 なんて言葉は、不吉過ぎて付けられはしないけども……。

 もしそのときがあったら、今度こそ夢乃マホを助け出してやる。全てのプロの能力を、敵に回そうとも。

 そんな覚悟は、とうに出来てる。


京太郎(……でも、思ったんだけど)

京太郎(誰かツッコミかボケいないと、これじゃあ俺……普通にかっこいいだけのイケメンなスポーツ万能だよな)

京太郎(普通にかっこよすぎないか? 全力でイケメンすぎないか?)

京太郎(うーん)

京太郎(やっぱり、やえさん連れてくればよかったな)

京太郎(イケメンオーラのせいで、周りの人間に須賀プロだってバレちまうかもしれねーしさ! ははは!)

京太郎(……ははは)

なお、周囲からはタレントと思われているもよう


京太郎「さて……じゃあまず、プロについてだけどさ」

マホ「はいっ!」

京太郎「プロってのは、全員段位持ちってのは知ってるな?」

マホ「【全日本麻雀協会】が段位を発行するんですよね?」

京太郎「ああ、よく調べてるな……偉いぞ、マホ」

マホ「えへへ……っ」


マホ「でも、判らないことがあったんですけど……何段からがプロなんですか?」

マホ「初段でプロって名乗っている人もいれば、調べたら四段からがプロって話もあって……」

マホ「マホ、こんがらがっちゃって……」

京太郎「……ああ」

京太郎「一般的な意味での麻雀プロは、四段からだ」

マホ「なるほど」

京太郎「でも、初段もプロって言えばプロになるんだよ」

マホ「……どういうことです?」

京太郎「初段から三段までをプロ準士」

京太郎「四段からを、プロ雀士って呼ぶ」

マホ「?」

京太郎「三段まではセミプロっつーか、プロ見習いみたいなもんだな」

京太郎「普通の人との違いとしては……」

京太郎「プロ雀士は勿論、プロ準士ってのは全中やインターハイ、インターカレッジみたいな大会には出られない」

京太郎「だけど、準士はタイトル戦なんかに出るのも無理だ」

京太郎「俺が一年生んときは、こういう風なプロ見習いが多かったせいで男子インハイのレベルが下がった」

京太郎「そんな風に言われてたな」

マホ「へー」

アカギ、傀、哲也、竜かな?(白目)


京太郎「あの頃はそれぐらい、全日本麻雀協会に所属して、インハイに出ない人間の方が多かったんだ」

京太郎「……まあ、それでも」

京太郎「一年生のときの俺は、県大会予選でボコボコにされたけどな」

マホ「……ほぇぇ」

マホ「でも、マホの知ってる京太郎先輩は大活躍でしたよ?」

京太郎「ま、一年生のときと違って……一応はな」

京太郎「言った通り、準士の方に人数流れてたのもあるから」


京太郎「全日本麻雀協会の定めたレギュレーションで、一定以上の勝利数や勝率を記録すること」

京太郎「それが昇段条件で、四段になったら段位が下がることはない」

京太郎「ここまではいいか?」

マホ「はい!」

京太郎「んじゃ、続けようか」


京太郎「四段以上のプロ雀士と、プロ準士の何が違うか」

京太郎「簡単に言うと、【出られる大会が変わる】ってことと――」

京太郎「おおっぴらにプロを名乗って、仕事が出来るかどうか……だ」

マホ「どういうことですか?」

京太郎「大会には三種類ある」

京太郎「『プロだけが出られる大会』」

京太郎「『アマチュアしか出ちゃいけない大会』」

京太郎「『プロアマ混同戦』」

京太郎「この中で準士が出られるのは、最後のだけだ」

京太郎「あとはひたすら、全日本麻雀協会で麻雀を打ってるだけ」

マホ「……そこだけ聞いてれば、損してる気がします」

京太郎「でもないんだよ」

京太郎「普通に部活をやってても、記録――全日本麻雀協会が認める成績になる――試合は少ない」

京太郎「でも、協会所属なら全部が全部成績に繋がる」

京太郎「それに、部活動よりもノウハウがある中で勉強できる」

京太郎「ってなると、全然意味合いが違うだろ?」

マホ「なるほど……!」


マホ「あ、でも……」

マホ「お姉さんの方の宮永プロも、宮永先輩もプロですよね?」

マホ「協会に入ってなかったとは思うんですけど、どうしてプロなんですか?」

マホ「それに、ドラフトって……」

京太郎「おう、その説明な」


京太郎「全日本麻雀協会には、『飛び四段制度』がある……見なし四段っつーかな」

京太郎「四段に相当すると考えられる実力の持ち主に、麻雀協会が四段の段位を発行する制度だ」

マホ「お徳ですね……」

マホ「どうしたら、そんなお徳になれるんですか! マホもお徳用が好きです」

京太郎「そうそう。お徳用のピーナッツ抜き柿の種とかな」

マホ「……マホ、柿の種は辛くて食べられないです」

京太郎「……そ、そうなのか」

マホ「そうです……」

京太郎「そ、そっか……」

京太郎「そうかぁ……そうかぁ……」


京太郎「で、話を戻すぞ」

京太郎「この飛び四段制度で宮永照や咲なんかはプロになってる」

京太郎「ドラフト――」

京太郎「これは【日本麻雀機構】のリーグにある団体が行うものだ」

京太郎「要するに、自分とこの団体にこの選手が欲しい。この選手を貰うって宣言だな」

マホ「人気者がいっぱい指名を受ける奴ですよね!」

京太郎「ああ、その通りだ。それ以上の細かいことは関係ないから置いとくぞ?」


京太郎「飛び四段ってのは、このドラフトの後に行われる」

マホ「後ですか?」

京太郎「ああ」

京太郎「基本的にそこらで指名される奴は、インターハイなどで団体の目にとまる活躍を見せた選手」

京太郎「つまり、どういうことだ?」

マホ「……あ!」

マホ「大会ですっごく強いところを見せたから、四段と一緒――」

マホ「って、考えられるんですね!」

京太郎「おう、正解」

京太郎「ドラフトで指名されて、プロ入りを断らなければ……」

京太郎「団体から、日本麻雀機構からの推薦って形で――全日本麻雀協会から四段認定がされる」

京太郎「これで、あの人たちはプロになった」

マホ「なるほどー」


京太郎「他には、団体の入団テストなんかを受けたり……」

京太郎「実業団とかインカレの成績とかが評価されたり」

京太郎「そんな形で、推薦とかを受けて四段になる人間もいる」

京太郎「プロになるのは、今まで説明したうちのどっちかだな」

マホ「……でも」

マホ「それだと、インターハイに出た方がお徳じゃないですか?」

マホ「コツコツ地道にやってたら、ギューンって追い抜かれちゃうのは悲しいです」

京太郎「……ま、そうとも言い切れないんだよ」

マホ「?」

京太郎「おいおい説明するよ」


京太郎「さて、プロになりました」

京太郎「で、どうするか判るか?」

マホ「えーっと、試合に出る……ですか?」

マホ「テレビで放映されてるやつです!」

京太郎「そうだな」

京太郎「じゃあ次に、リーグの説明」

京太郎「リーグは三種類ある。プロ、アマ込みで」

京太郎「ひとつはさっきも言った、【日本麻雀機構】が主催するリーグ」

京太郎「1部リーグと2部リーグがあって、試合成績でチームにも入れ替わりがある」

京太郎「プロサッカーみたいなもんだな」

マホ「ふむふむ、なるほど……」

マホ「京太郎先輩はサッカー大好きです……と」

京太郎「メモるのそこじゃねーだろ!」


京太郎「……ま、まあ」

京太郎「他にも、【国民麻雀連盟】の下の地域密着型の独立リーグ」

京太郎「アマだけど……【日本麻雀連盟】が総括する、社会人リーグってのもある。所謂、実業団って奴な」

京太郎「大体、試合……リーグ戦をするのはここらへんだな」

マホ「多すぎて、頭がこんがらがっちゃいます……」

京太郎「ま、一般的なプロ……全国ネットで放送されるのは、日本麻雀機構の奴だよ」

京太郎「一番、力があるしな」

マホ「はい」


京太郎「さて、麻雀プロがやることといったら――」

マホ「麻雀です!」

京太郎「そうだな。麻雀だな」


京太郎「まずは、さっき言ったような【リーグ戦】」

京太郎「次には【大会】……賞金がかかってるのがほとんどだな」

京太郎「中には、タイトルに繋がる大会なんかもある」

京太郎「あとは、団体が持ってる店で指導したりなんかだな」

マホ「京太郎先輩みたいに、テレビに出るのもありますよね!」

京太郎「……あ、ああ」

京太郎「うん……」


京太郎「で、段位はある程度の勝利数や成績で昇格するが……」

京太郎「タイトルは別だ」

京太郎「さっき言った、インターハイからプロになった人間が必ずしも有利じゃない――」

京太郎「その理由がここにある」

マホ「理由ですか?」

京太郎「ああ」

京太郎「タイトルによってレギュレーションは異なるが――」

京太郎「競技ルールを適用しているものが多い」

マホ「競技ルールですか?」

京太郎「ああ」


京太郎「競技ルールは、偶発役を役として見なしていない」

マホ「偶発役?」

京太郎「ああ。偶然役とも言うな」

京太郎「内訳は――」

京太郎「嶺上開花・槍槓・海底摸月 ・河底撈魚・一発・ダブル立直・天和 ・地和・裏ドラだな」

京太郎「これが、廃止されてる」

京太郎「他にも、なしなしとか……色々な」

マホ「た、大変です……」

京太郎「一回、大星と内輪で競技ルールの麻雀を打ってみたら、さめざめとないてたな」


マホ「……京太郎先輩、意地悪です」

京太郎「い、いや……違うんだ!」

京太郎「これには、海よりも深い事情があってだな……!」

京太郎「俺は別に何も、あいつに嫌がらせのつもりなんかなくてな……!」

マホ「……言い訳するとか、サイテーです」

京太郎「――」


京太郎(――)

京太郎(死のう)

京太郎(天に還るときが来たんだ)

京太郎(マホに嫌われた……死にたい)

京太郎(大星を殺して俺も死のう)

京太郎(玉川上水に入水しよう……ってこれ、俺は生き残るパターンだっけ?)

京太郎(ヤバイ鬱だ)


マホ「……せ、先輩?」

京太郎「……あ、はい」

京太郎「ゴミクズ以下というかゴミクズと比べるのもおこがましいレベルのゴミムシミンチ野郎です」

マホ「えっと……」

マホ「マホ、そんなに悪いこと言っちゃいましたか……?」

京太郎「……」

京太郎「信じて送り出した後輩が大学で天然ドSに調教されてた」

京太郎「キャンパスを更地にしてやるお前ら全員皆殺しだ八つ裂きだミンチだこのクソッタレのクズどもが」

京太郎「たとえ便所に逃げ込んでも必ず見付け出して息の根を止めてやるこの薄汚いゴキブリ野郎共」

マホ「えっと……」

マホ「竹井先輩に、こんな風に言ってみろって言われたんですけど……」

マホ「京太郎先輩がそんなに落ち込むぐらい酷いこと、マホ言っちゃいましたか……?」

京太郎「――」


京太郎「えっと、マホは俺のこと嫌いになってない?」

マホ「マホは京太郎先輩のこと、すっごく尊敬してて……大・大・大・大好きです!」

京太郎「……」

京太郎「俺も、お前のことが好きだ! 大好きだ!」

マホ「マホたち、そーしそーあいですね!」

京太郎「な!」

淡、入水、うっ頭が


京太郎「で……話を戻すけど」

京太郎「これは、インハイのルール如何によっては」

京太郎「そのインハイのルールでは好成績でプロになれたけど……競技ルールのタイトルではまるでとれない」

京太郎「そういうこともある」

マホ「なるほど……」

京太郎「ってなると、運の要素が取り除かれるから――純粋に技量のウェイトが増す」

京太郎「その場合、日本麻雀協会で昔から技量を研いていた奴の方が有利だな」

マホ「なるほど……コツコツやった努力が、実を結ぶんですね!」

京太郎「……一応はな」


マホ「……ところで」

マホ「M.A.R.S.ランキングは、この場合どうなるんですか?」

マホ「先輩は、上位ランカーでしたよね?」

京太郎「ああ、M.A.R.S.ランキングか……」

京太郎「『日本プロ麻雀界における若手麻雀プロランキング』」

京太郎「……揶揄って、麻雀に於ける制圧力ランキングって言われるけどな」

マホ「今のだと、M.A.R.S.ランキングはどんな扱いなんですか?」

マホ「なんで、若手限定なんですか?」


京太郎「……ああ」

京太郎「M.A.R.S.ランキングの基準になってるレギュレーションは、運の要素が高い」

京太郎「さっきみたいな競技ルールでもなきゃ、赤ドラも入ってるしな」

京太郎「M.A.R.S.ランキングの評価基準は、また別にあるんだ」

マホ「別ですか?」

京太郎「……マホも知ってると思うけど、赤ドラありっつーと」

マホ「マホたちのインターハイがそうでした!」

京太郎「インカレとか、国麻もな」


京太郎「なんでこのランキングがあるかっつーと……若手限定かっつーと」

京太郎「一時変わってから、インターハイとかはこっちが主体になった」

京太郎「雀荘で打つのも、こういうのが多いし……」

京太郎「何より、何となく見てて楽しいんだよ。実際あの年からのインハイ中継の視聴率は上がった」

京太郎「運の要素が強いから……」

京太郎「最後まで、誰が勝つか判らないシーソーゲームになる」

京太郎「元々、将棋や囲碁や違って……巧さで全てが決まらない」

京太郎「そういうのが、麻雀の魅力であった訳だ」

マホ「先輩、昔マホに言ってましたよね!」

京太郎「ああ」


京太郎「麻雀競技者は結構な人口を占めてるけど、その中でどれだけの層が本気か」

京太郎「競技ルールだと、そのあたり闘牌がどうにも地味になりがちだ」

京太郎「実際、ほとんどの大会は競技ルールの導入をやめてるし……」

京太郎「世界大会とかオリンピックも、こっちのルールが強い」

京太郎「で、ガチ勢じゃなくてもやりやすい……手に届きやすい雀荘のルールに近い」

京太郎「ってなると、こういう派手な方が盛り上がるだろ?」

マホ「はいっ! ドキドキハラハラしますっ!」


京太郎「……んで、あるときのインハイルール」

京太郎「そいつをリーグとか段位に反映したのが……M.A.R.S.ランキングであり、ランカーだ」

京太郎「ただ、昔ながらの人たちはそれだと不利になっちまうから」

京太郎「若手限定って感じで、区分されてるんだよ」

京太郎「視聴者にも、自分たちに近いルールで『誰が強いか』が分かりやすいしな」

マホ「なるほど……ルールがちょっと違うんですね!」


京太郎「ああ、ルールが違う」

京太郎「……ただ、これだけは言っておく」

京太郎「M.A.R.S.ランキングで戦っている人間が、競技ルールが不得意とは限らないし――」

京太郎「競技ルール主体の人間が、M.A.R.S.ランキングで箸にも棒にもかからないなんてのはない」

京太郎「実際、大半のランカーは技術も磨いてるからさ……」

京太郎「競技ルールでも、十二分に強い」

京太郎「宮永照プロなんかは、どっちにしてもやること変わりないしな」


マホ「……でも、京太郎先輩なら競技ルールの方が強いんじゃないですか?」

マホ「話を聞くだけだと、マホはそう思います」

京太郎「そうとも言えねーよ」

京太郎「運の要素が強いってことは、確率が収斂しにくいってことだ」

京太郎「そうなると、普通にやっても勝てない相手にも……勝てる場合が増える」

京太郎「どっちにしてもまあ、レアケースには違いないけど」

京太郎「存在するなら、俺はそれがどれだけの確率の向こうでも――諦めない」

京太郎「能力って偏りがある方が、読みの材料も増えるしな」

マホ「先輩……」


京太郎「あとこいつは俺の持論だけどさ――」


京太郎「俺、あいつらの事が好きなんだよ」

京太郎「好きになっちまったんだよ」

京太郎「あいつらを、独りぼっちにしたくないんだ」

京太郎「持ってるものを含めて、あいつらが好きなんだ」


京太郎「だから――鳥の羽根をもいだり、虎を檻に入れて竹槍で突き殺すのは無しだ」

京太郎「そういうのは無しで、俺が、人間が、人間としてあいつらと戦って――倒す」

京太郎「世界中の誰がなんて言おうと、絶対なんてものはないって証明してやる」

京太郎「あいつらを放さない。絶対に一人にしない」

京太郎「だから俺は――オカルトスレイヤーなんだ」


マホ「……京太郎先輩」

京太郎「……ま」

京太郎「単純に、その方が楽しいっていうのがあるしな」


京太郎「……ま」

京太郎「正直、ランキングのルールのせいであいつらやりたい放題だし」

京太郎「ランキングルールのおかげで、ミンチ状態にされちまってて……なんつーか、ダサいし」

京太郎「カッコつけても……情けないんだけどな」

マホ「……そんなことないです」

京太郎「ん?」

マホ「マホにとって……」

マホ「マホにとって、先輩は……!」


マホ「先輩は――」

判定
1~20:■世■
21~40:■■照
41~60:宮■■
61~80:■星■
81~99:■垣■智■
偶数ゾロ目:■■玄
奇数ゾロ目:■■宥
77:■木■■
00:■実姉妹だオラァ!

↓8


マホ「いつだって――――マホのヒーローです!」

智葉「……そっちか」











 ……ん?


智葉「……」

京太郎「……」

マホ「……」


 あれ……?

 アイエエエエエ!? ナンデ!? ヤクザナンデ!?


京太郎「……先輩」

智葉「人違いだ」

マホ「えっ、えっと」

京太郎「……辻垣内先輩」

智葉「……今の私はどこにでもいるアシダカグモだ」

マホ「えっと、えーっと……」

京太郎「オイコラ」

智葉「……誰に向かってそんな口を利いてるんだ? なあ?」

京太郎「……ごめんなさい」


京太郎「って、やっぱり辻垣内先輩じゃないっすか!」

智葉「そうとも言うな」

京太郎「そうとしか言わねえよ!」

智葉「……あ゛?」

京太郎「……ごめんなさい許して下さい」


京太郎「……いつからっすか?」

智葉「『はぁ……』あたりから」

京太郎「最初も最初じゃねーか! スタンバイはえーよ!」

智葉「……」

京太郎「……ごめんなさいちゃんと敬語使いますごめんなさい」


京太郎「盗み聞きなんて、趣味が悪いっすよ……」

智葉「面白そうだったからな」

京太郎「なんて時代だ!」

智葉「あとはまあ、お前が逢い引きでもしてるのか……と思って」

京太郎「あれ、もしかして先輩……俺に気があります?」

智葉「……そうだと言ったら?」

智葉「抱き寄せて、唇でも奪ってみるか? 私は構わないがな」

京太郎「……アイエエエ」

智葉「その手の冗談でからかうんなら、相手を選ぶんだな」

京太郎「……はい」


京太郎「……で、マジな話なんでっすか?」

智葉「いや、逢い引きかと思った」

京太郎「……は?」

智葉「私生活で見付かりにくいとは言っても、なんだかんだお前は目立つからな」

京太郎「イケメン的な意味で?」

智葉「他には、最初からつけられていたりもするかもしれない」

京太郎(スルーっすか)

智葉「うっかり写真でも撮られやしないかって、辺りを警戒してた」

智葉「可愛い後輩の恋路を邪魔する無粋な奴らは、私が沈めてやるから安心しろ」

京太郎「……先輩」

マホ「いいヤクザさんですか……?」


智葉「いやあ、それにしてもな」

京太郎「……なんすか」

智葉「『大好きだ』に『大・大・大・大好きです』」

智葉「『そーしそーあい』か……」

智葉「ふぅん」

智葉「『あいつらを好きなんだよ』『好きになっちまったんだよ』か……」

智葉「なるほどな」


京太郎(……あ)

京太郎(なんか悪い顔してる……)

京太郎(この人、以外にがっつり乗ってくる――――)


智葉「――やえの奴にも、しっかりと伝えておくから安心しろ」








京太郎「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!」


京太郎「やめろ! やめて下さい!」

京太郎「それを言ったら戦争だろうが!」

智葉「いや、でもなぁ……」

智葉「大星とは個人的に打ってるんだろ? お前の家で」

京太郎「いや、あいつの家――――って、あ……」

智葉「なるほど、なるほど」

智葉「なるほどな……それで『好きになっちまったんだよ』か」

智葉「なるほど」

智葉「好きになるようななにかをやった訳だな……なるほど、なるほど」


京太郎「いや、違……っ」

京太郎「ご、誤かっ……! 誤解っ……!」

京太郎「ノーカンっ……! 事故はノーカンっ……! 事故はキスじゃないっ……!」

智葉「それで、しかも……」

智葉「明らかに胸がある少女に、熱烈な愛の告白だろ?」

智葉「いやあ、これはやっぱりやえのことをからかっていた訳だよな」

智葉「友人として、伝えておかないとな」

智葉「悪い男に騙されて欲しくないからな」


京太郎「ち、違う……!」

京太郎「こいつはただの後輩で……それで……」

マホ「先輩、マホのこと嫌いなんですか……?」

マホ「マホ、先輩に捨てられちゃうんですか……?」

京太郎「い、いや……」

京太郎「マホは可愛い後輩だよ。嫌いになるわけないだろ?」

マホ「京太郎先輩……!」

智葉「ほうほう」


京太郎「……ぐっ」

京太郎「たとえ嘘だとしても、こいつを裏切ったりはしませんよ……!」

京太郎「俺の……!」

京太郎「俺の――大切な、大切な可愛い後輩なんだから」

マホ「……先輩っ」

マホ「流石は――」


マホ「――流石はマホのお兄ちゃんです! 京太郎お兄ちゃんです!」

京太郎「――へっ」

智葉「――えっ」


智葉「……」

京太郎「……」

智葉「…………」

京太郎「…………」

マホ「ま、マホ……悪いこと言っちゃいましたか?」

マホ「お兄ちゃん、マホのこと嫌いになりますか……?」

智葉「………………」

京太郎「………………」

智葉「……………………」

京太郎「……………………」


智葉「…………………………須賀」

京太郎「…………………………はい」

智葉「………………………………」

京太郎「……あの」

智葉「……………………………………避妊はしろな」




京太郎「……オレェ?」






京太郎「やめて! やえさんに連絡しないで!」

京太郎「やめて! やめて下さい! なんでもしますから!」

京太郎「やめてくれよぉ! そんな生暖かい目で見ないでくれ!」

京太郎「無言で距離とらないでくれよぉ!」










京太郎「誤解なんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!」



【小走やえの好感度が上昇しました!】

【夢乃マホの好感度が上昇しました!】

【辻垣内智葉の好感度が上昇しました!】

好感度

★7
ハギヨシ:師匠にして友人にして悪友にして戦友。この人抜きじゃ生きていけない
大星淡:やたら絡んでくるアホの子ライバル。麻雀人生をやってもいいよ。おもち柔らかかった。可愛いっちゃ可愛い

★5
弘世菫:菫さんは最高です! 菫さんのおかげで戦えるんです! 菫さんを目標に大学決めました!
宮永照:強大な目標。勝負事では頼りになる人。なんか放っとけない

★4
宮永咲:気のおけない幼馴染み。絶対の目標にして憧憬を覚えさせた存在
辻垣内智葉:姐さん、一生ついてきます! 姐さんがいたからあの大学に……からかうのヤメテ!
小走やえ:やえさん、やえさん! あのさ! やえさん、俺さ……! ねえ、やえさん! あのですね……! わん!

★3
赤土晴絵:師匠! 師匠がいなかったら俺は……
松実宥:なんでも共演。寒がり大変そう。正直おもちあるし結婚したい


★2
松実玄:男として見られてないけど正直結婚したい
亦野誠子:お互い大変っすよねー……今度、海釣り行きましょうよ!
国広一:一さんといると落ち着くんだよなぁ……
片岡優希:いい女になったな
東横桃子:消えても追える
龍門渕透華:すっげえスポンサー
小瀬川白望:シロさん、元気そうでよかったなぁ
原村和:初恋……だったんだ
対木もこ:小動物可愛い
姉帯豊音:大きな小動物可愛い
三尋木咏:流石の火力っすね……三尋木プロは
鶴田姫子:頭おかしいんじゃないですか、あんた
新子憧:高校大学と、本当に世話になった女友達。何年後かで、お互いフリーなら結婚したい
(高鴨穏乃):
夢乃マホ:可愛い可愛い後輩。何かあったら、今度こそは俺が止める

★1
佐々野いちご
瑞原はやり
小鍛治健夜
愛宕洋榎
愛宕絹恵
野依理沙
渋谷尭深
竹井久
染谷まこ
花田煌
加治木ゆみ
新免那岐
福路美穂子
白水哩
江崎仁美
天江衣
薄墨初美
石戸霞
滝見春
狩宿巴

最初の頃は、

やえをからかう→怒られる(京太郎の甘え方)
やえがちょっとデレたりいいことを言う→京太郎が恥ずかしがって茶化す
京太郎がちょっとイケメンモードに入る→やえがツンモードな応対


だった筈なのにいつのまにか、

京太郎が犬のようにはしゃぎ回る→やえが袖にする
京太郎がやえに甘えにかかる→素っ気なくされる
京太郎がシュンとする→やえがフォローする→京太郎が調子に乗る→スカされる

ってな具合に残念さが増しました。なんでだろうね

イケメン力が発揮されないってことは平和ってことなんだよ……


もしも娘やマホに一目惚れですと告白する男がいたら


TAKE1

京太郎「ああ、判るよ……判る」

京太郎「いい娘だから、一目惚れして告白しちゃうのも仕方ないよな」

京太郎「ところで、見えるか?」

京太郎「……どうやら、俺のパンチは見えなかったらしいな」


TAKE2

京太郎「……またか」

京太郎「そうか、そうか……俺のパンチは見えるか」

京太郎「なら、あれも見えるか? ……そう、死兆星」

京太郎「うん、死兆星は見えても本気のパンチは見えないらしいな」


TAKE3

京太郎「……そうか」

京太郎「いや、祝福するよ……交際にはそれが必要だからさ」

京太郎「ああ、祝福する」

京太郎「ところで……お祝いって言ったら花火だよな?」

京太郎「汚ない花火にしてやるよ……!」


TAKE4

京太郎「……」

京太郎「なるほどな……君には負けたよ」

京太郎「ただ、最後に一言……言わせて貰ってもいいか?」

京太郎「ああ……」

京太郎「マジカル☆ファイヤー(物理)! マジカル☆スライム(化学)! マジカル☆グレネード(軍事)!」

京太郎「マジカル☆カウロイ(説得)! マジカル☆シャイニングウィザード(説教)! マジカル☆無空波(祝福)!」


いや、嘘だけど

プロについての設定

→全日本麻雀協会が段位を発行
→協会の行う検定に合格することで段位が与えられ、その後、勝利数などによって段位が変化
→三段まではプロ準士。四段からがプロ雀士になる
→違いとしてはアマチュアの大会への出場不可能
→逆にアマチュアはプロ限定の大会への出場が不可能

→飛び制度
→インターハイ・インターカレッジ・実業団などで好成績を修めることで、それに応じて段位が付与される(四段)
→日本麻雀機構リーグの各種プロ団体が行う「ドラフト」後に行われる
→話を受ければ四段スタート

→日本麻雀機構リーグは1部と2部がある
(→1部リーグの中にも更にメジャーとマイナーがある)
→地元密着型の独立リーグ「国民麻雀連盟」も存在
→「日本麻雀連盟」という、社会人麻雀を統括する機構もある
→段位だけ所持して、リーグに属さないプロも存在(大星淡)

→タイトルの内いくつかは競技ルール
→偶然役(嶺上開花・槍槓・海底摸月 ・河底撈魚・一発・ダブル立直・天和 ・地和・裏ドラ)の廃止
→リーグの試合や大会などは競技ルールでない

M.A.R.S.ランキング
→通常のそれとは別種のレギュレーションのランキング
→「麻雀に於ける制圧能力ランキング」と揶揄
→ルールが他とは異なり、リーグ戦や試合についても数がやや違う(だから割りとタレント業ができる)

という、『やきう+サッカー+将棋+麻雀』な麻雀プロです

原作見るにやきう風な癖に、段位とか名人とか出てくるから整合性に手間取りましたわ
なんもかんもリッツが悪い


京太郎がイケメンのまま終われる日は、まあ、京太郎怒りの大雀蜂編に期待してて下さい
ドルルンされるからなー

もしもやえさんに嫌われたら




京太郎「ハギヨシさん……」

ハギヨシ「なんでしょうか?」

京太郎「……抱いて下さい」

ハギヨシ「」

京太郎「胸、貸して下さい……俺、俺……!」

ハギヨシ「……え、あ、ああ。はい」

ハギヨシ「今度はどうしますか? スキーやスノーボードでも、やってみます?」




京太郎「……なあ、淡」

淡「んゆ? どしたの?」

京太郎「俺、捨てられちまった……」

淡「ふーん」

淡「ま、私が拾ったげるから安心したら?」

淡「ほら、気分転換にどっか行こ? 時間置いたら、向こうも許してくれるってば」




京太郎「……弘世先輩」

菫「須賀、お前……その顔」

京太郎「……」

菫「なにか誤解があったんだな? そうなんだな?」

京太郎「……俺」

菫「そこで待ってろ。私が何とかしてくる」




京太郎「……」

照「……」

京太郎「……」

照「……」

京太郎「……」

照「……京ちゃん」

京太郎「……はい」

照「……これあげる」

照「食べると元気になる魔法をかけた。きっと良くなる」

京太郎「……はは、照さんらしいっすね」

照「無理しなくていい。私はおねーちゃんだから、ここにいてあげる」




京太郎「……」

咲「……京ちゃん」

京太郎「……ん、なんだ?」

咲「なんでもないけど……肩貸して」

京太郎「……ああ」

咲「……こうしてると、落ち着くよ」

京太郎「そうだな……」

咲「……うん」




智葉「……須賀」

京太郎「なんですか……?」

智葉「腑抜けた面を晒すぐらいなら、どこかで寝てろ」

京太郎「……大丈夫です。やれます」

智葉「そうか」

智葉「なら、それでいい。そう言える内はな」




京太郎「一さん」

一「なにかな?」

京太郎「ちょっと、ジョジョごっこに付き合って貰えませんか?」

一「いいけど、誰をやるの?」

京太郎「エシディシやります」

一「じゃあ、ボクはジョセフだね」

一「片腕切り落とす?」

京太郎「流石にノーセンキューでお願いします」



京太郎「……」

憧(こ、これって俗に言う失恋直後ってやつよね?)

憧(恋愛小説に書いてあったわ……たしかこの状態でやさしくされると人はいともたやすくそちらに傾いてしまうえげつない行為)

憧(つまりこの状態の京太郎をお酒にでも誘ったら確実に私に泣きついてきて)

憧(そのまま縋りついて泣く京太郎のことを振り払えずになし崩し的にホテルに行くことになって)

憧(初めは傷の舐めあいから始まった誰かの代わりを求める関係だったのに)

憧(いつしかその間にも奇妙な絆が生まれて段々と恋愛関係に発展していって――)

京太郎「……あ、痛っ」

憧「なに、辛気臭い顔してんのよ。しゃきっとしなさい、しゃきっと」

京太郎「……ああ」

憧「気分が沈んだときは、身体を動かせば解決するって言ってたわよね?」

憧「だったら、いつもみたいに行ってきたら?」

憧「ほら、荷物は見ててあげるからちゃっちゃと行った行った!」

京太郎「そうだな……ああ、そうする」

京太郎「ありがとな、憧」

憧「別に? 辛気臭いの移されたら、嫌だからよ」




玄「それでね、それでね! おねーちゃんがね、おもちがね!」

京太郎「……」

玄(どうしよ……おもちに反応を示さない)

玄(じゅ、重症だよ……)

玄(んむむむむ……そうだ!)

玄(は、恥ずかしいけど……頑張るよ!)

玄「きょ、京太郎くん……元気だして?」

玄「ほ、ほら……い、今なら特別に私のおもちを堪能させて上げるから――」

京太郎「……玄さん」

玄(は、反応があった!)

玄(え、えっちな気分にはならないと思うけど……おまかせあれ!)

京太郎「自分を安売りしないで下さい」

京太郎「あと、流石に今はそんな冗談に乗れる気分じゃありません」

玄「」




姫子「……んー」

京太郎「……」

姫子「これはチャンスやけん、縛ってよかと?」

京太郎「なん……でッ、そうなるんだよ! おかしいだろ!」

姫子「んー、確かにおかしかよ」

姫子「そいでん、元気ばでとーとよ?」

京太郎「……はっ」

やっぱ、どっちかにトラブルがないとイケメンっぷりって発揮されないですね
いや、もこたんあたりとなら容易いんだけどね
あとは闘牌とか

なお実際は、蔑むことはあっても嫌うことは確実に有り得ない模様


こんな具合にほのぼのを書いて、しんみりシリアス力をチャージしつつ、地雷処理に向かいますー
そんな訳でまあ適当に1~3レスに収まる小ネタの元でも書いといてくれたら、採用するかも

おやすみー

乙ー

クロチャーによる女子プロ雀士おもちランキング発表とか

照咲衣の強大な雀力にあてられ宥姉が暑がりになり薄着に
京太郎「うわあ頑張ろう」

PAD長「アイエエエ!サラシ!?サラシナンデ!?」

ほのぼのを書く→シリアスを書きたくなる→ギャグを書きたくなる→しんみりを書きたくなる→ほのぼのを(ry

だから仕方ないね
適度にチャージしないと積乱雲書けんのや

1530からあっちを始めますー

京太郎の半生を描いた映画とか
見どころは古式ムエタイ修行時代のニンジャとの死闘

最近、鬱が書けなくなってきてて本当に困る

それ以上に、主人公からイケメン力が抜けているのでどうにかしたいところですわ
マジで現在、ただの残念なイケメンと化しているしね

……と思ったけど、6割フォロ賀フォロ太郎3割思い詰め1割イケメンだったのが、6割残念3割人外1割イケメンになっただけだった


2100から始めますー


>やえさんからの愛の言葉~NG集~




やえ「須賀、結婚しない?」

京太郎「……熱あります?」




やえ「大好きよ、京太郎」

京太郎「え? な、なんかやらかしたんですか?」




やえ「須賀、付き合わない?」

京太郎「ねえ、本当にどうしたんですか……?」




やえ「ねえ、デートに行かない?」

京太郎「判りました。救急車に同行します」




やえ「私、あんたに会えて本当によかったわ……!」

京太郎「誰だ! やえさんをこんな風にした奴は……ッッッ!」





やえ「あんたを見ると、この胸の高鳴りが押さえられなくなって……!」

京太郎「不整脈ですね! 医者を連れてきます!」




やえ「京太郎、ご飯行くわよ! ご飯!」

京太郎「……ああ、病院食とか」




やえ「京太郎、なんでのこと苛めるのよ?」

京太郎「……すみません、俺、胃潰瘍です」




やえ「京太郎、私のこと嫌いなの……? 私、捨てられるの?」

京太郎「大丈夫です。先輩の面倒は、俺が見ますから」




やえ「京太郎、私、この戦いが終わったら……」

京太郎「あんまりふざけたことを言わないで下さい」

やえ「京太郎……」

京太郎「……一体、いつからそんな風になっちまったんですか」

京太郎「あなたは、小走やえ。俺の相棒ですよね?」

京太郎「大好きな友達も尊敬する先輩もいるけど――俺に、背中を預けるって言ってくれたのはあなただけ」

京太郎「俺の相棒は、他の誰でもなく――小走やえ、あなた一人だけです」

京太郎「その意味、思い出して下さい」

やえ「――」

京太郎「……あんまり真面目なこと、俺に言わせんで下さいよ」

やえ「京太郎……」


やえ「――遺伝子レベルで一目惚れなの。結婚して」

京太郎「――万が一本気でも、今のやえさんじゃ8000%無理です」

結局どっちにしても変わらん模様


適当に小ネタでチャージして、本編進めます


>皆からの愛の言葉~ヒロインは京太郎~




咲「京ちゃん、結婚しない?」

京太郎「おう、するか……俺が勝ったらでいいか?」




マホ「先輩、大好きです!」

京太郎「おう、俺もだ!」




玄「京太郎くん、付き合って下さい!」

京太郎「結婚しましょう!」




淡「須賀、デートいこーよ! デート!」

京太郎「オレェ? マジに言ってるのか?」




憧「あたし、あんたに会えて本当によかった……」

京太郎「俺もだよ、憧」




宥「す、須賀くんを見てると……この胸の高鳴りが抑えられなくなってね……?」

京太郎「……さ、触ってもいいですかね? その、む、胸に……っすけど」




豊音「京太郎くん、ご飯行きたいなーって」

京太郎「あ、弁当作ってきましたけど……どうですか?」




姫子「きょーたろ君は、なんで私のことば虐めると?」

京太郎「あんたが悦ぶからでしょうが」




照「京ちゃん、私のこと嫌いになった……? 私のこと、捨てちゃう……?」

京太郎「……大好きですよ。言わせないで下さい、こんなこと」




理沙「こ、この……」

理沙「このたた、たたか……」

理沙「この戦いが終わったら……」

京太郎「その先は無しですよ?」

京太郎「そういう風に集中してないのは危ないってのもありますし……」

京太郎「俺の知ってる野依理沙は、そんな約束をしなくても……勝ってくる一人だからさ」


健夜「――言っとくけど、雀卓に神はいないよ?」

はやり「――勿論、この卓にもね☆」

咏「こっちが(婚姻届)使えないからって、いい気になってるねぃ」

そらのよりんはプンスコ可愛いし

あと1つくらい小ネタやって、積乱雲に行こうか
オチはハッピーに決めてるんだけどねー


①T大組(現在登場キャラ)による互いの印象
②上位陣による京太郎への愚痴
③前の、決勝卓に放り込んでみた……な奴

えらべえ


君たち、だからどこにこんなに……?

②やなー


淡「第一回、チキチキ須賀京太郎会議ー」

照「おー」

咲「お、おー」

やえ「なにこれ」

智葉「おい、あの二人はお前と出身校同じだろ……何とかしろ」

菫「できるなら、高校の頃になんとかしてる……。解れ……解ってくれよ」

ハギヨシ「……何故、私がここに?」


淡「この会議はー、日頃から須賀の馬鹿に思ってることをブチまけちゃおうって会議でーす!」

照「あれ? お菓子がない……ちょっと買ってくるね」

咲「ええっ」

やえ「……頭痛い」

智葉「おい、宮永の奴がが一人で外に出たぞ?」

菫「後輩による壁がないから……。不味いな……追うぞ」

ハギヨシ「まあ……こうして見目麗しい女性に囲まれるのも、悪くないですね」


淡「だってさー、皆あいつに苦労かけられてるんでしょ?」

淡「折角ここで会ったんだし、愚痴とか言い合おうよ」

咲「え、えっと……」

やえ「……確かに、あの馬鹿には苦労してる」

淡「でしょでしょ?」

やえ「だからって、相棒の私が……あいつの知らないこんなとこで、御大層に会議なんて開いて……」

やえ「愚痴るつもりなんて、一切無いわよ」

やえ「言うなら、面と向かってあいつに言え。以上」

やえ「私は帰るから」

淡「……むー」

淡「うっさい! この貧乳! 女子会って言葉知んないの?」

淡「こんなとこで須賀の陰口叩くつもりなんてないし……ちょっとした、冗談に決まってんじゃん!」

やえ「貧……っ」

やえ「いい度胸ね、44位……!」


ハギヨシ(おやおや……)

ハギヨシ(これは剣呑な雰囲気になって来ましたし……フォローしておきましょうか)

ハギヨシ(面白そうですので)

空気の読める男、ハギヨシ

>>577
ハギヨシさんが女の子だからだよ(女の子とは言ってない)

>>578
これもうわかんねえな


ハギヨシ「お二方とも、落ち着いて下さい」

ハギヨシ「会議や陰口など、そんな風に仰々しくは考えずに……」

ハギヨシ「あくまでも、親睦を深めるために共通の話題である須賀プロのことで盛り上がる……」

ハギヨシ「そのようなものだと、考えませんか?」

ハギヨシ「プロ同士、ランカー同士……親睦を深めた方が宜しいのではないでしょうか」

淡「だってさ」

やえ「……ふん。わかったわよ」

咲「流石ですね、ハギヨシさん……」

ハギヨシ「あくまで、執事ですので」


照「待ってほしい。私はいくつかのスーパーを巡ろうと思っただけで……」

菫「その油断が危ないと言っているんだ! 今日は、尭深もいないんだぞ!」

智葉「こいつが、私よりもランクが上なんてな……」

淡「おかえり、テルー」

照「ただいま」

咲「また迷子になったの、お姉ちゃん……?」

照「なってない。菫が過保護すぎる」

智葉「……弘世。お前、苦労したんだな」

菫「わかってくれるか……?」


ハギヨシ「ではまあ、適度に親睦を深めましょうか」

淡「はーい、しつもーん!」

ハギヨシ「なんでしょうか、大星プロ」

淡「えーっと、執事さんは須賀とどんな関係なんですかー?」

照(そこを聞くなんて……。二人は、道ならぬ恋なのに……)

ハギヨシ「私でしょうか?」

ハギヨシ「ふむ……まあ、言った以上は私から話すのもいいかもしれませんね」


ハギヨシ「高校時代以来の、彼の友人と言ったところでしょうか」

ハギヨシ「恥ずかしながら…………その、私は、年の離れた親友のつもりです」

淡「へー」

やえ「なるほど」

咲「京ちゃんとハギヨシさんは、京ちゃんが高校一年生の時に知り合ったんですよね?」

ハギヨシ「はい」

照(『生まれたときは違えど、イクときは同じです』『ハギヨシさん……』)


菫「……ということは、ですが」

智葉「あの大学時代の須賀を、ご存知で?」

ハギヨシ「はい」

淡「大学時代って……菫先輩、何があったのー?」

咲「私も……知りたいです」

やえ「……初耳なんだけど」

照(おかしおいしい)


菫「いや、大したことじゃないんだが……」

智葉「大したこと、だったろう」

智葉「すぐに探しに行こうと、走り回ってたのはどこの誰だ?」

菫「……実家から頭数を揃えようとしていたお前に言われたくはないな」

智葉「……」

菫「……」


淡「ねー、教えてよー」

やえ「……私が顔を出さなくなってからか?」

照「……もぐもぐ」

咲「あれ、ハギヨシさんは……?」


ハギヨシ(これで火種は十分ですね)

ハギヨシ(さて……あとはいわゆる女子会というのを、見せて貰いましょう)

ハギヨシ(京太郎くんのおかげで、色々なことに触れましたが……)

ハギヨシ(女子会というのは、初めてです)

ハギヨシ(……)

ハギヨシ(ここで各人が京太郎くんをどう思っているのかを知れば、今後彼から相談されたときにも……いいアドバイスができそうです)

ハギヨシ(なんというか……)

ハギヨシ(どうしてもやはり、彼のような友人の前だと余計に格好つけたくなりますね)


菫「大体、あいつが悪いんだよ」

菫「なんなんだ、あいつは。大丈夫そうな顔をして一人で抱え込んで」

菫「それを周りに覚られまいとする」

菫「余計な格好をつけるなって言うんだ。馬鹿弟子が……!」

智葉「……だからこそ、こっちが気を付けてやらないといけない」

智葉「ただ……」

智葉「私としては、そこらへんはあいつの自由で自己責任だと思うがな」

菫「……お前とは意見が合わない」

智葉「そこの、姉の方の宮永が言うように……お前は過保護すぎるんだよ」

照「もぐもぐ」

淡「ぶー、無視すんなー!」


咲「京ちゃん、お調子者で格好つけしいだから……」

やえ「……確かに」

やえ「しかも、なんというか……構って欲しがるところがあるから」

やえ「変な風に絡んできて、こっちにスカされるのを待つのは……なんなのさ、ありゃ」

咲「ですね……」

智葉「……ああ」

淡「え? なにそれ?」

照「初耳」

菫「そういえば、私にそういうことはしてこないな……いい弟子だ」


やえ「全く、こっちが優しくしたらすぐ調子に乗るし……あいつの相手は疲れる」

咲「ですね」

咲「まあ、そういう風に不器用な甘え方も京ちゃんらしいから……そこまでは」

やえ「……」

やえ「……いや、別に私もそこまで嫌とかだとかっつってはないかんな?」

やえ「ただ、冗談でも結婚してくれとかは面倒だっつってんのよ」

咲「……へー」

淡「……ふーん」

照「……なるほど」

菫「……ちょっと待て。あいつ、そんなことを言ってるのか?」


智葉「そんなものは、誘い受けなんだから……」

智葉「『私は構わないぞ。なんなら誓いのキスでもするか?』」

智葉「そう言ってやれば、黙るだろ?」

やえ「いや、でも……」

智葉「私のときは、すぐ黙ったぞ?」

やえ「……へぇ」

淡「でもそれ、危なくないですかー?」

淡「アイツ、どスケベだから……実際にやってくるかも……」

咲「……た、確かに京ちゃんは少しえっちだよね」

淡「ねー、サキもそう思うよね?」

淡「私さ……おっぱい揉まれたし、お尻触られたし、抱きつかれたし、押し倒されてキスまでされちゃったもん」

淡「もう最悪だよねー」


咲「……」

照「……」 ギュルギュル

菫「……なにやってんだ」

智葉「……あの馬鹿」


やえ「いや、待て」

やえ「確かにあいつは、馬鹿で格好つけでお調子者で自己を過小評価してて誘い受け気質だけど」

やえ「流石に、故意でそんなことするような奴じゃないでしょ」

やえ「人の相棒の誤解招くようなこと、大声で吹聴しないでくれない?」

淡「誤解でも事故でも、事実は事実じゃん」

淡「そんな風に相棒って言うなら、ちゃんと手綱を握っといたらどうですか?」

淡「ま、無理だからこうなってるんだし……交替してあげよっか?」

やえ「……」

淡「……」


照「二人とも、肝心な話を忘れてる」

咲「なに、お姉ちゃん」

照「たとえ普段がどうであろうとも、京ちゃんは頼りになる」

照「年下とは思えないくらいに、しっかりしてる」

照「誰かの期待を無様に裏切るようなことは……絶対にしない」

咲「ああ」

菫「そうだな」

智葉「まあ、格好つけの範囲内だな」

淡「……確かに、そこは、格好いいけど」

やえ「……知ってるわよ。相棒なんだから」


照「あと……」

照「なんというか……意外に寝言が多い。隣で寝ると辛いときがある」

咲「……えっ」

菫「……は?」

智葉「……ん?」

やえ「……ちょっと待て」

淡「……どういうこと」

照「?」

照「そのままの意味だけど」


照「(番組で)一緒に旅行に行ったときに……」

照「隣(のシート)で眠る京ちゃんの寝言がうるさくて、眠れないときがあった」

照「激しく身体を動かしてるから、こっちも疲れてるのに……眠らせてくれなかった」

照「しかも、眠いのに起こして……(朝の運動を)しようって言ってくるから、また困る」

照「京ちゃんと一緒だと、(二度寝や昼寝とかを)全然寝かせて貰えない」

照「体力が有り余ってる京ちゃんの相手は、辛い」

淡「……」

やえ「……」

菫「……どういうことだ? いつのまにそんな関係になってるんだ?」

智葉「どうせ、主語などを省略してるだけだろう…………というかお前、高校一緒なら解るよな」


咲「うーん」

咲「京ちゃん、うちだとそこまで几帳面でも積極的でもないけど……」

照「どういうこと?」

咲「うちに来ても、私の料理を食べてばっかりだし……」

咲「どこかに遊びに行くよりも、こうして静かにしてたいって言うし……」

咲「ときどき作ってくれたり、手伝ってはくれるけど――基本的に私の料理を食べるばっかりだもん」

咲「ちゃんと誘ったら乗ってくれるけど……」

咲「そういう風に、ぐうたらされると何が気遣いの男なのか解らないよね」

咲「それなのに……」

咲「番組の前半潰して、私の応援とかしてくれちゃって……昔から、お節介なんだから」

照「……」

やえ「……」

淡「……」

智葉「あいつも、そういう風にできるんだな」


菫「確かに、あいつは気が利く奴だな」

菫「そして、麻雀にも熱心で……真面目すぎるところがある」

菫「一軒不真面目そうには見えるんだが……根気強く、熱意を秘めているからな」

菫「どうしても、私の技術を教えて欲しいと……後ろをついて回られたときはどうしようかと思ったよ」

菫「『自分がこの先戦うには、あなたのその技術を教えて貰うしかないんです』……ってな」

菫「なんでもするから、なんて頭を下げられても困り者だし……」

菫「未だに使い続けて闘ってくれているとは言え、改良前のものだから……使われる度に恥ずかしくもあるよ」

照「……」

咲「……」

やえ「……」

淡「……菫が教えたせいであいつに刺されちゃった」


智葉「……まあ、それのおかげでプロになれたのもあるから、弘世の功績は大きいな」

智葉「確かに私も、あいつのように“特性(のうりょく)”を持たない人間がどう生き残るか」

智葉「どう立ち回るべきなのか、教えはしたものの……」

智葉「アイツの運だと、使える状況が限られているとはいえ……たまには弘世のそれみたいに意表を突く武器もなければ駄目だな」

智葉「コンスタントに使える立ち回り方だけじゃあ、足りない場合もあるからな」

菫「……」

照「……」

淡「……」

咲「……」


やえ「二人には、感謝してるわ」

やえ「私が見初めたとはいえ、そこらがなければプロとして立ち回れないだろうし」

やえ「きっと今ごろ、大変だったはずね」

やえ「勿論、私の相棒だから私がフォローするのは当然だとしても」

やえ「ちょっと、今以上に苦労をかけさせられるからさ」

智葉「……」

菫「……」

咲「……」

照「……」

淡「……」


淡「それじゃ、皆のおかげですねー」

淡「須賀ってばこの間、私の家に来て、特訓に付き合ってくれたんですよー」

淡「でも、ちょっと距離が近かったし……」

淡「私の部屋で、変に意識しちゃったみたいで教えるのに時間がかかっちゃって……」

淡「結局、帰ったのは朝になっちゃいましたけどー」

淡「そこらへん、もっと教えるのが上手くなって欲しいっていうか……なれるまでこっちも付き合わなきゃいけないのかなーって思いますよ」

淡「でも、そしたらお礼はどーしたらいいんだろ?」

淡「この間のお礼は、今度デートってことだし……」

淡「あはは、何回もデートとか行くとこなくなっちゃうよね」

やえ「……」

智葉「……」

菫「……」

咲「……」

照「……」


やえ「……あんたの理解が遅いだけなんじゃないの?」

淡「麻雀教室の教え方が、あいつにあってないんじゃないですかー?」

淡「これでも私、白糸台は勉強でも特待生ですから」

やえ「へー、私は晩成の特待生だけどさ。あっちからスカウトとかされないで」

淡「……」

やえ「……」

智葉「……おい、お前の後輩とチームメイトなんだからなんとかしろ」

菫「無茶言うな、無茶を」

照「おかしおいしい」

咲「……お姉ちゃん、いつもそれだね」

咲「って、何食べてるの?」

照「京ちゃん手作りのクッキー」

照「ポケットに入ってた」

咲「……へー」


京太郎「~♪」

京太郎「She keeps Moet et Chandon, In her pretty cabinet.」

京太郎「'Let them eat cake' she says, Just like Marie Antoinette.」

京太郎「A built-in remedy, For Kruschev and Kennedy.」

京太郎「At anytime an invitation, You can't decline~♪」

京太郎「やっぱいい曲だよなー、スタンドのデザインも実に格好いいしさ」

京太郎「ああ……今日はなんかすっきりとしてるなー」

京太郎「新しいパンツを履いて迎えた、正月元旦の朝みたいに清々しい気分だぜ。……須賀だけに」

京太郎「……なんちゃって」

京太郎「……」

京太郎「淡とか咲とかやえさん居たらツッコミくれるのにな」

京太郎「……っと、憧からメールか」

京太郎「へー、こっちに遊びに来るのかー」

京太郎「んー」

京太郎「面倒くせーし、電話にするかな」


淡「……」

照「……」

咲「……」

やえ「……」

菫(……な、なあ)

智葉(……諦めろ)



憧「……あ、京太郎だ」

憧「はーい、もしもしー?」

京太郎『おう、俺だけど……こっち来るんだってなー』

憧「久しぶりに、大学のとき行ってた喫茶店とかレストランとか行きたくなっちゃってねー」

京太郎『あー、なるほどなー』

憧「あんま変わってないといいんだけど……」

京太郎『俺の知ってる限りだと、大丈夫そうだけどさ』

憧「ホント!?」

京太郎『お前に嘘ついてどーすんだよ。本当だって』

憧「よかったぁ……」

京太郎『つー訳で、デートのエスコートは任せろな? お姫様』

憧「あら、ディナーまでセットにしてくれるの?」

京太郎『お前が望むなら、ロイヤルスイートの予約もとっておく……いや流石に高い』

憧「ばーか。カッコつけるなら、最後までカッコつけなさいよ」


憧「……でも、実際問題宿泊費が痛いのよねー」

憧「いくつか、行きたかったところも諦めなくちゃいけないし……」

京太郎『んー』

京太郎『だったら……お前さえ良かったら、俺の家に泊まらないか?』

憧「へっ」

京太郎『いや、大学んときとか結構やってただろ? うちに泊まるのをさ』

京太郎『あのときと変わってねーし、お前が気にしないっていうなら……座敷明けとくけど』

憧「えっ」

憧「えっ」

憧「えっ」


京太郎『あ、お節介だったか?』

京太郎『つーか、よく考えたら昔と違ってお互い社会人だし……こういう風に泊まりってのも変だよな』

京太郎『いや、悪い。デリカシーなかった』

憧「……」

京太郎『まあ、お前が構わないっていうなら俺は気にしな――アイエエエエエ!?』

憧「ちょ、どうしたの!?」

京太郎『グワーッ』

憧「京太郎!? ちょっと、京太郎!?」

京太郎『……』

憧「……ど、どうしたのよ」


『……ロン。祈ッタラドウ?雀卓ニ神ガ居ルナラサ』

『……ロン。ウン、須賀ナラソウ言ウト思ッテタ。ダカラコレハ嘘』

『……ロン。黄金長方形ノ無限回転エネルギー』

『……ロン。綺麗事ヲ言ウツモリハ無イ。悪怯レルツモリモ無イ』

『……ロン。何シテルンダ、イカ野郎』

『……ロン。オトトイ来ルンダナ、魔法少女』


憧「なにが起きてるのよ!?」



                            おわりんこ

本体名:須賀京太郎
スタンド:『キラークイーン』

能力:触れたフラグを爆弾にする



いや、なんか長くなったねん
明日は積乱雲進めるでー

おやすみー

最近成年向け書いてねーなと思ったけど、そう言えば今まで全年齢しか書いたことなかった


始めますよー

今週にはアレキサンダー先輩の煽り名明らかにされないかねー


(……あいつとの約束ってのは、確かにあった)


 それがなければ、こうして今頃ここにはおるまい。それは確実だ。

 俺はここにいる。今、ここにいる――。

 それを一番知らせる方法というのは、連絡先を変えてしまった彼女に知らせるというのは、それが一番判りやすかった。

 ただ、会おうと思えば会えた筈だ。

 彼女の家は知っていた。奈良を訪れる機会というのも、多かった。


 赤土晴絵に連れられて鷺森灼と出会ったとき。

 プロになってから、思うように成績が振るわずに醜態を晒し、ふらりと奈良に出向いて――松実玄と知り合ったとき。

 その後、龍門渕透華に連れられて取材に向かったとき。

 そもそも、そんなものが無くとも、新幹線などを乗り継いで向かいさえすれば、彼女に出会うことは容易かったはず。


 なのにどうして、自分はそうはしなかったのだろうか。

 単純に、今更顔を合わせたところで仕様がないという意味合いも強い。

 確かに彼女と約束はしたが、あれは、所詮は彼女が別れの際にただ口から転がしただけの言葉かもしれない。

 考えたくはないが――そんなことを覚えているのは自分だけで、彼女はすっかりと忘れていることもあり得る。

 そんな事実を知ってしまうなら、綺麗な形で、胸の中にある方がいい。 


 また、あれは、終わってしまった話だ。既に終わっていた話だったのだ。

 それを今更掘り返して、得意気に晒して並べるというのは、どうにも収まりが悪い。

 自分の中でも、整理を着けた話なのだ。折り合いをつけ始めた話なのだ。

 でなければ、他の誰かを抱くことも、心を交わすことも、半ば冗談とはいえ交際を言い出すこともないだろう。


 いや、もっと単純に――。


(俺は、怖いのかもしれない)


 変わってしまった彼女を見るのが。

 変わってしまった己を見せるのが。

 そんなのが――実に単純ながら、酷く恐ろしいことに思えていた。


 折り合いはつけたが、割り切れないのが男と言うもの。

 流石にいつまでも“煮え切らない(ウフコック)”ような正確ではないが、ハードボイルドには片手落ちだ。

 青臭いセンチメンタリズムを抱えている自分には、最後に抱えた口約束を破ることも憚られた。


 もしも今の自分が、彼女の望んだそれとは違う形で――。

 それが故に拒絶されることがあるとしたら、やはり、覚悟はしていながら多少なりとも衝撃を受ける。


(何を馬鹿なことを言っているんだ、俺は)


 彼女との約束それだけで、ここに立っている訳ではないというのに――。



 そもそもが、麻雀というものに魅せられたのが始まりだ。


 初めは、皆が熱中しているのは知っていたが、特段食指が動くものではなかった。

 どちらかと言えばアウトドアスポーツが好きで、子供時代は野山を駆け回りヒーローごっこに興じていた(らしい)。

 小学生のときも、周囲が何故麻雀の話題で盛り上がっているかは知らない、風邪を引かない風の子。

 中学時代は、ボール遊びが趣味。……の、帰宅部兼図書委員だった。


 理由は判らないが――忘れているだけで何かあったのかもしれない――なんとなく、麻雀を避けていた。

 その事を思い返そうとすると、鎖骨の辺りが痛み、赤い髪の少女の泣き顔が浮かぶ。

 何があったんだろうか。今度、誰かにに聞いてみるのもいいかもしれない。


 ……まあ、いい。


 高校に上がって自分は――学生議会長にして清澄麻雀部部長の竹井久と出会い、麻雀部に入部する。

 高嶺の花であった原村和とお近づきになれるというのもあり、竹井久の口車に乗せられたというのもあり、

 悪戯っぽく笑いつつも、どことなく寂しさ感じる雰囲気を漂わせていた久の頼みを無下にできない/したくないというのもあり――。

 結局自分は、入部した。


 そして、入部してから自分は知ったのだ。

 麻雀の持つ紙一重の悲喜を、百三十六の牌が作り出す奇跡的な確率を、十四の牌が成り立たせる奥深い押し引きを――。

 麻雀自体が、好きになった。魅せられていた。

 もっと知りたいと思った。もっと、こいつと楽しみたいと思った。


 極め付けは――宮永咲の見せた/魅せた、あの嶺上開花だ。

 あの瞬間、身体に雷が走った。

 ただ呆然とし、驚愕しながらも――何故だか心は“これだ”と叫びを上げていた。

 麻雀が成り立たせる、局や場は美しいが――。

 あの日卓上に咲いた花に勝る美しいさには及ばなかった。あれはそれほど自然であり、厳かなるものであったのだ。

 それに憧れた。

 今にして思えばそれはただ、太陽を目指すイカロスめいた無謀だっただろう。

 夜空に輝く星はどれも太陽が如く輝く恒星で、目に見えたとしても掴みとることなど出来やしない。

 湖面に浮かぶ月を掬おうとしても、ただ波立たせて像を乱すばかりで、得ることなど不可能だ。


 だけれども――。


 京太郎は、星を追いたいと思った。

 星の光を、見ていたいと思ったのだ。


 星が、欲しい。

 そのためには、まずはひとつでも勝ち星を手に入れる――。

 それは切望ではなかった。

 心にはあの日咲いた名前もない花への憧憬が根付きこそすれ、それが全てではなかった。

 勝てば嬉しい。負ければ悔しい。

 そんな、どこにでもある勝負事が絡む遊興の、延長線上である。


 麻雀は勝ちもすれば負けもする、公平な遊戯である。

 それが、結果がどうなるかなんていうのは事前には判らない。

 しかし――手解きをできなかったことを申し訳なさそうにする彼女は――竹井久は、言った。

 運はある。麻雀には、誰がなんと言おうが確率の偏りが存在する。

 しかしながら、それは全てではない。

 運などという不確かなものによらずに、勝利への道筋を整備し、敗北への断崖を埋めるものを――“技術”と呼ぶのだ、と。


 悲しきかな。

 自分には、仲間たちのごとき悪魔めいた運の強さはない。

 だから、生きる道はそこにしかなかった。それこそが、自分にできる星へと近付く為の手段だった。

 そうして、京太郎は技術を磨いた。

 勝って、麻雀を楽しみたいから。負けたら悔しいからという、シンプルな理由である。


 でもそれは――変わった。いつの間にか。


 あれは、国民麻雀大会のときだったか。

 誰かが呟いたのだ。顔も知れぬ、群衆の内の誰かが。

 「こんな化け物に、勝てるわけがないだろ」――と。

 その視線の先には、映し出されたモニターの先には、自分の憧れである少女たちがいた。


 京太郎は憤った。京太郎は悔しかった。

 友人を、仲間をよく知らない誰かに馬鹿にされたことよりも――心のどこかで、言い返せない自分がいることに。

 拳を握り締めて、しかしそれは行き場を失った。


「……俺があいつらを一人にはしない。独りぼっちなんかにはしない。化け物なんて呼ばせない」


 宮永咲。

 天江衣。

 大星淡。

 宮永照。

 夢乃マホ。


 それ以上にもっと、もっと、もっと――不思議な偏りを産む少女たちを。

 守りたかった。

 好きになってしまった、憧れた彼女たちを守りたかった。

 彼女たちは泣きもすれば笑いもする、麻雀が強いだけの人間だ。ごく普通の少女たちだ。

 それを、何故悪し様に言われればならないのか。呼ばせねばならないのか。

 そんな言葉は、彼女たちの心に瑕を作る。たとえ小さく目立たぬものだとしても、絶対に瑕を付けるのだ。


「俺が、傍に居てやる。運がない人間でも、傍に立つものになってやる――」


 許せないのだ。

 何よりも、言い返せなかったあの日の自分が。

 心のどこかで、そんな言い訳を受け入れそうになっていた己が許せないのだ。


「俺が、俺自身が、勝てるって証明になってやる。絶対に証明してやる」


 いつしか勝ちは目的であり、手段となっていた。

 これがある種、須賀京太郎も彼女たちに並び始めた第一歩であろうか。

 インターハイに様々な想いを乗せて戦った、彼女たちと――。


 麻雀で、勝負で勝ちたいと思うことは自然であった。

 その為に技術を磨くことは、習慣であった。

 元々、努力をするのは好きだった。一歩一歩固めていくのは好きだった。

 多分、何だかんだと自分は生真面目な人間なのであろう。

 そうやって努力を重ねるのは、きっと自分の変えられない“習慣(いきかた)”なんだろうけど――。

 今度はそこに、麻雀を通してできた素敵な友達たちを守りたいというのが加わった。


 竹井久を頼った。

 最低限度の負けを減らす遣り方というのは、彼女の薫陶を受けた。一通りを知り、初心者ではなくなった。

 次には、眼を求めた。

 友人たちのいる――遠い巓を、嶺を見通す眼が欲しかった。

 そこで無理を言って、福路美穂子に頼み込んだ。頭を下げた。拝み倒した。

 彼女のそれは異能ではないが、限りなくそこに近付き――凌駕する技術であったのだ。

 彼女は始め、それを渋った。

 後輩にも伝えていないそれを、いずれ己たちの前に立ちはだかるであろう者に伝える――。

 それを忌避したというのもあるし、また、単純に、技術として修得するには恐ろしく難度が高いから。

 それでも京太郎は諦めなかった。

 貯金を切り崩して、美穂子の元に通った。男子禁制なので門前で追い返された。

 毎日通った。金がなくなれば、終いには走った。


 やがて、美穂子は言う――。


「強くなりたいのは判るけど、どうしてそこまでするの?」


 雨が降っている中、ずぶ濡れになった京太郎に傘を差し出して問うたのだ。

 京太郎の熱意が通ったのか、彼女の優しさが勝ったのか。どちらかは知らない。

 ただ、門のところに毎日他校生の男子が待っているというのは、今にして思えば、色々と迷惑をかけただろう。


「人とは違うところがある奴らがいます。大切な友達が居ます。違っても、あいつらは一緒です」


 静かに、京太郎は拳を形作った。


「だから、あいつらはどっか違うって言う奴らに、そんなことはないって言ってやりたい」


 恥ずかしさなど忘れて、ただ叫んだ。


「俺が強くなって、守りたい。そんなおかしな絶対なんてないんだって、証明したいんです」


 だから、どうかあなたの技術を教えて下さい――。

 あなたの力を武器として俺に纏わせて下さい――。

 そう、ひたすらに彼女へと懇願した。


「わかったわ。どこまで力になれるか判らないけど、あなたのその素敵な気持ちに……私も精一杯応えるわね」


 そして、福路美穂子からの手解きが始まった。

 しかし、ここで京太郎にとっての誤算があった。

 彼女の技能は全てが論理ではなく、感覚によるところも存在しているということ。

 一般的には――男女の脳には性差があると言われている。

 男性は論理的な思考能力に優れ、女性は感覚的な思考能力に優れているとする説である。

 福路美穂子のその特技は、論理だけでは成り立たず、感覚だけでも成り立たないものであったのだ。

 宛ら左右で色が異なる彼女の瞳のように、どちらの特色も持った能力。

 故に論理的能力が技能の水準には達しない女性――彼女の後輩――もそれを受け継ぐことや使いこなすことができず、

 また、感覚的なものが不足している京太郎にも、それは会得できなかった。

 ある程度の形になりはしたものの、完成には程遠いかった。

 だけど、努力を重ねて思考速度を磨くことに京太郎は努めた。


 そうしている間でも、京太郎には日常的な幸福はあった。青春を謳歌したいという気持ちがあった。

 麻雀以外の全てを切り捨てたら、一体、自分は何のために彼女たちを独りにしないと誓ったのかわからなくから。

 それは、国広一や萩原との交流であり――。

 原村和への、淡い思いであったりした。

 そして奇妙な縁があって、京太郎は高鴨穏乃、新子憧と出会ったのだ。


(三重から行くよりは、京都から奈良の方へ下っていく方がいいな)


 交流を重ねる中、やがて京太郎は穏乃のことを思うようになった。

 ころころと変わる表情に飽きないというのもあるし、彼女の意外な女性的一面が琴線に触れたというのもある。

 でもきっと一番は、彼女の優しさだ。

 遅々として進まない自らの成長、頭打ちを見せた発達で顰め面が増える京太郎に、彼女はこう言った。


 ――麻雀を楽しまないのは、勿体ないよ。


 なるほど確かにそうである。

 最初はそのつもりであった筈なのに、いつしか心に灯った焔に急っつかれて、大事なことを忘れかけていた。

 彼女は恩人だった。

 麻雀にのめり込みすぎた京太郎を、人間にしてくれた。


 また、そんな恩などはともかくとして――。

 この美しい少女と、優しい少女と、いつまでも一緒に居たいと思い始めていた。

 彼女のことが、大好きだった。


 彼女と交際を続けた。

 初めてできた、目的を共にする後輩への指導を行い、傍らで自分の技能を研く。

 牌譜を調べて、己が目指す方向性を表す雀士を見付け、静かにその大学への勉強を進める。

 月に一度は愛する彼女の元へ向かうために、その旅費を稼ぐ。

 かつてないほど、気力に満たされている気がした。全て、上手く行っている気がした。


 果たして――。


 そして結果は、先に語ったばかりである。

 そんな幻影はただ、消えてしまった。

 朝霧が、照らし出す太陽に掻き消されるが如く。山の天気が種々に移ろうが如く。

 代わりに京太郎は、彼女が最後に伝えた約束を頼りに歩き出した。

 たったひとつの道標だった。京太郎の足元を照らす月明かりであり、大いなる星の瞬きだ。

 痛みを直視して受け入れる強さを、あのときの京太郎は持ち合わせていなかったのである。


 それからもう一人、可愛い後輩ができた。

 てんで素人なのに麻雀が大好きだというその態度を、京太郎は好ましく思った。

 大学に向けた勉強を本格的なものとしつつも、空いた時間を作っては彼女の面倒を看た。

 彼女には、京太郎と違って素質があった。

 それを何とか生かせはしないかと腐心して、同じだけ彼女に懐かれた。


 可愛い後輩だった。力になって、やりたかった。


 その後京太郎は、志望した大学に合格した。

 ここに来たのも、麻雀の実力を更なるものにするためだったのだ。

 そして、己の後を追う知己の新子憧と共に、大学の麻雀部の扉を叩いた。新たなる扉を。

 皆が、尊敬できる強さを持った先輩たちであった。

 自分なりに彼女たちの牌譜から研究を重ねて技能を模倣し、福路美穂子から受け継いだ技能と組み合わせて、

 高校最後の年には――それなりの成績を記録したが。

 それでもまるで、敵わない強さであった。


 彼女たちに師事をした。その技術を、何とか“もの”にしたかった。


 きっと、その武器の所有者でなくては――ひとつひとつではただの武器としてしか使えまい。

 だけれども、己の受け継いだ技能――“特性(のうりょく)”と組み合わせることで、それは京太郎の専用武器となった。

 京太郎が今まで教わった技術が、京太郎が今まで積み重ねてきた努力が、自身を更なる高みへと改造したのだ。


 相手の動きを読み、素早く撃ち込まれるそれはただの直撃ではない。

 相手の攻撃を掻い潜り受け流して行われるそれは、表面的な打点よりも、内部への衝撃を産み出す。

 上手く当てはまったのなら、それで相手の気概を殺ぎ、行動や判断を鈍らせることができた。


 「狙った他人からカウンターを受けるというのは、相当にショックだからな」――とは、弘世菫の言葉だ。

 事実彼女はかつてのインターハイでそれを受けたことがあり、正に電撃が走るような衝撃だったと笑っていた。

 なるほどなと、その言葉を胸に刻む。


 あとは場数を踏む。とにかく打つ。

 己の押し引き判断をより正確なものに変え、読み合いを制し、攻める力を確たるものにする。

 自分の力が開けただけに、毎日が楽しかった。


 それだけではなく、また、麻雀を通して繋がった人々との交流が――。

 憧や和、部活の先輩たちとの毎日が新鮮で、かけがえなく、満たされていた。


 そして大学の一年間も、あっと言う間に過ぎた。

 何か話題や楽しみをということで、国広一たちとの交流を続けてはいたし、部活の仲間との日々を楽しんだ。

 全てが上手く回り始めていると考えたが――問題が起こった。


 ひとつは、眼球の酷使――眼精疲労による視力の低下。

 元より京太郎の生活には、無理があった。特にここ数年間それを続けていたのは重大であった。

 心が緊張感で張り詰め、精神が肉体の無理を許容している間はまだ良かった。

 だが一旦緊張の糸が解れることで、ツケは一気に襲いかかって来たのだ。


 もうひとつは――後輩、夢乃マホの豹変であった。

 いつもの彼女はそこにはなく、ただ、麻雀で他者を蹴散らす為にいる。

 そんな悲鳴を、京太郎は聞いた。かつて己のいた清澄麻雀部の後輩たちから、そんな助けを求められた。

 話を整理するには、恐らく原因は京太郎で――京太郎のしてしまったことで間違いはなかった。


 京太郎は焦った。

 低下した視力に代わり、麻雀に使えそうな技術を片っ端から探して、試みた。

 時期が時期であるがゆえに、大学の先輩は頼れず、また、プロとなってしまった宮永咲の手は借りられなかった。

 己がやるしかない――。


 そして、京太郎は夢乃マホを止めんと戦いを挑み――。

 破れた。破れ果てた。

 全ての立ち上がる気力を奪われ、何もかもを砕かれ尽くした。そこにいたのは後輩ではなく、ただの破壊者。

 限度を超えて眼を使用し、誰もが顔を背けるほど諦め悪く立ち上がり、両目から血涙を流しても――。


 京太郎は、大切な後輩一人すらも助けることができなかった。


 苛まれる自責のメスは、京太郎の心を切り取り抉る。

 ついには牌を握ることが叶わないほど、何もかもを破壊された。

 京太郎の抱いていた希望も目標も矜持も約束も努力も――全ては切り捨てられたのだ。

麻雀って血を流しながらやる競技だったのか


 そして京太郎は、立つことも儘ならなくなった。

 五年間。

 その程度と人は断ずるかもしれないが、それは京太郎の青春と共にあった。

 京太郎の短い人生でも極めて濃密な時間であり、彼の絆の殆どはそれが関わり、また、全ての情熱が向かう先であった。

 それは、失われたのだ。


 ――殺してくれ。


 京太郎は毒を漏らした。心の中の傷痕は、火傷の如く疼いた。

 積み重なった出来事の末に、己の人生をも否定された京太郎は、死を願った。虚無的な欲望を抱いたのだ。

 麻雀を忘れて別の日常に戻ろうとする反面、何かをして、死のうと思った。死ぬために何かを始めようと思った。

 何かをやって、麻雀以外をやって、ちっぽけな達成感と引き換えに死にたかった。

 いずれ炸裂する爆弾が如く、火薬を内に溜め込み、段々と上空へと高度を上げていく。


 ――殺してくれ。


 途中で、死んでもいいと思った。

 前のめりに努力して死ねるなら、そのときだけ麻雀のことを忘れて死ねるなら、欺瞞の果てでも良かった。

 だから、到底正気の沙汰ではない行為を重ねた。

 しかしすると、不思議なことに……死を願うほど打ち込むことで、却って京太郎は死にはしなかった。

 それでいて技術を磨きながら、先がみえてしまったのだ。

 このまま続けても、またしても自分は頂点へと辿り着けない。完全に極めることなど出来やしない――と。

 そして、諦める。

 死を願いこそすれ、徒労に身を投じることには耐えられなかったのだ。


 ――殺してくれ。


 どこかで自分はまだ、未練があったのかもしれない。

 あれからも、握れずとも、毎日牌に触れる生活は続いていた。習慣を続けていた。

 まだ自分は生きていたいのかも――と思いながら、何を今更都合がいいと断ずる。


 ――殺してくれ。


 大学の抗議も終わり、休みに入ったある日……新子憧に言われた言葉。

 己の中の弱さを、未練を、生き汚なさを見抜かれてしまった気がした。尊大な羞恥心と臆病な自尊心が火を吹いた。

 心の奥底で何かが疼き――それから目を背ける。

 もう、終わった話だ。初めから終わっていた話なのだと言い聞かせる。


 ――殺してくれ。


 憧が居てくれる自宅を後にし、宛もなく街をさ迷った。何かが欲しくて、でも、それが何かを理解するのが怖かった。

 代わりに、柄の悪い連中に絡まれている少女を見付けた。

 ここで、死のうと思った。

 あの日守れなかった少女の代わりに目の前の少女を守って死ぬ。

 最期にしては、随分上等であるし、こうして街の片隅で死ぬなんてのは、自分にお似合いだった。

そこらのチンピラじゃ殺せるわけないんだよなぁ
誰か堂島の龍連れてこい


 角材で撲られて、上衣に仕舞った携帯電話が壊れた。

 だけども、京太郎は衝撃こそ負っても、負傷を受けはしなかったのだ。

 なんたる皮肉か。

 死を願いながら修めた体術は、死に敏感であった。死を紙一重で避け、死を遠ざけることに優れていた。

 そして、死の気配に反応し、一撃を繰り出す。心がいくら死を願おうとも、身体がそれを許さない。

 実に皮肉だが、焼け鉢で挑んでいた体術は、今まで希った全ての技能よりも身に付いていたのだ。


 気が付いたときには、その場に立つのは京太郎ただ一人で――。

 庇ったはずの少女はとうに逃げ去り、男たちも這う這うの体で壊走を始めていた。


 何もかもが、どうでもよくなった。


 死にたいと強く願うこともなくなり、同時に、生きる気力もやはりない。膨大な徒労感だけがある。

 心臓が動いている間は生きるだろう。止まったら死ぬだろう。

 無理に動かそうとも、無理に止めようとも思わなかった。なにをしても、儘ならないのだ。

 主人を失った操り人形めいた動きで、地面に横たわった。

 こうしていれば、いずれは心臓の鼓動も止まるかもしれない――なんて考えていたら、


「ちょっと、大丈夫!?」


 赤い髪の女性に、拾い上げられた。

 最早何がどうなろうと構わないので、されるがままに彼女に連れられ、心に浮かぶがままに彼女に問いかけた。

 ややあって、沈痛そうな面持ちでいた彼女は――


「代わりとか、無理に忘れるとか考えないで息抜き! そこらへんは、経験者に任しときなさい!」


 なんて宣って、須賀京太郎を連れ立った。

 そしてその、赤土晴絵と名乗る女性に連れ出された先で――須賀京太郎は、鷺森灼に出会ったのだ。


「ハルちゃん!? って、それ誰……?」


 こけしが店番している。

 どうやら自分は知らない間に、妖怪の世界に連れて来られてしまったらしい――なんて思った。

 これが、鷺森灼に対する第一印象だ。



  ◇ ◆ ◇



「京、店番お願……」

「……うっす」

「返事は?」

「……痛いっす」


 脇腹をどつかれて、身体がくの字に曲がる。しかしそれだけで、他には俄に皮膚が痛む程度。

 衝撃に対して、無意識の内に身体が対処してしまうらしく、しなやかになった身体にダメージは通らない。

 猫が高層階から飛び降りても平気だという話もあるが、そんなものなのだろうか。


 下からこちらを見上げるこけしこと――鷺森灼は、やたらと厳しい。こちらに敵愾心を持っているのかもしれない。

 だけど、どうでもよかった。

 よしんば夕飯に毒を盛られようが、寝ている間にボウリングの球を落とされようが、どうでもいい。

 そうしたら死ぬかもしれないが、別に今、自分から死ににいくつもりはなかった。

 殺したいのなら、止めはしないけど。


「ちょっと、お夕飯買いに行ってくるから……」

「了解っす」

「……そこで、普通、何かメニューの希望とかしないの?」

「……別にどうでもいいんで」


 ある程度メニューを指定された方が作りやすいというのはある。

 自分自身がそうだったから、それは知っていた。

 でもやはり、そうとは知りながらも積極的に手助けする気力はない。億劫なのだ。


「なら、食べさせな……」

「……どうぞ。飯とか別に、構わないっすから」

「この……! ……もういい」


 やがて諦めたように、肩を落とした。我ながら実に他人事である。実際彼女は、他人だし。

 ……ただ、まあ。

 流石に少しは、申し訳なかった。飯を作って貰えるんだし。


「……灼さん」

「何?」

「ちくわ大明神」

「…………。……え?」

「……違う。ちくわ明太子。この間のあれ、お願いします」

【速報】遂にあらたその「ちくわ大明神」の出所が明らかに


 こちらが発した余りに素っ頓狂な台詞に彼女は静止して、クスリと笑った。


「……判った」


 鷺森灼の飯は上手い。子供の頃から、家事手伝いをやっていたそうだ。

 彼女曰く――というか正確には――彼女の祖母曰く、『食べるという字は人を良くすると書く』らしい。

 だから、料理に余念がないのだろう。

 そんな彼女は、時々創作料理を行う。ちくわ明太子というのも、それだ。

 ちくわの穴に、刻んだ生姜と明太子を詰めて焼いたもの。

 出来上がったそれを輪切りにして、葱をのせて食べるのだ。

 なんとなく京太郎は、気に入っていた。

 セールで買ってきたという、小瀬川宅の冷蔵庫に多量に鎮座するちくわを使って、

 何とか皆に飽きさせないようにおつまみを作っていた苦労を思い出すからかもしれない。

 今では、遠すぎる思い出だった。

 東京から物理的に距離が離れているというのもあるし、心理的に遠ざけているというのもあった。


「それじゃ、楽しみにし……」

「まあ、日本じゃ二番目っすけどね」

「……一番は?」

「俺。ダルいんで、作りはしませんけど」


 そう茶化すと、僅かに喜色を帯びていた彼女の顔が強張った。

 それから、小さな肩を揺らして不機嫌そうに立ち去っていく。

 すれ違い様に、常連に挨拶しているようだった。


「よ、お兄ちゃん。喧嘩でもしたのか?」

「……生理じゃないっすか」

「わしらのアイドルなんだから、あんま苛めんでくれな」


 あれは照れ隠しだなんだと、好き勝手に話ながら立ち去る壮年の男たち。

 日本にまだボウリングブームが来ていたときに、慣らしたクチらしい。

 カーブをかけた球がガターすれすれを擦りながら、見事に離れたピンを倒して、小気味良い音を鳴らせていた。

 京太郎はというと、ボウリングはそれなり。カラオケのついで程度。

 別に今更、上手になりたいなんて思えなかった。


(……申し訳ない、か)


 馬鹿らしいと、腕の骨に顎を預ける。

 またひとつ、小気味のよいピンを弾く音が、鳴っていた。

どうせなので、アラチャーとの日常(?)も挟んでみる
これなら、しんみりで終わるしね

ちくわ大明神については、まだおいおい


あと、某星淡さんはあとで職員室まで来るように
落ち着きが無さすぎですので、須賀くんと一緒に鍵のかかった部屋に下着なしで入って貰います


それじゃあ、おやすみー

もう解決して、どよーんとしてた京太郎も今は立派なやえさんの犬だから、鬱じゃあないでー
もうわりと解決して、終わった話だからなー

姫子「小走プロの(バター)犬!?」

藤枝さんだっけ、美術部の娘
クッソ懐かしい


京太郎「メリーさんは捨てた人形が復讐に来るという……」

京太郎「つまり、復讐に来られないぐらいに人形をコナゴナにすればいいんだな……! 拳で!」

そんな電波を受信した


始めます




(変な奴)


 それに、腹が立つ奴だと鷺森灼は考える。

 やたらと一言多くふてぶてしいあの――赤土晴絵の紹介でやってきた男――須賀京太郎。

 無給で扱き使ってやってくれと、そんな言葉を受けはしたものの……やはり気に食わない。

 恩師で憧れの女性である、他でもない赤土晴絵の頼みであるから放り出しはしないものの、それでもどうかと思う。

 卒業したとはいっても、仮にも元教え子の家に男を連れてくるなんてのは、正直晴絵相手であっても眉を顰めざるを得ない。


 頼みの祖母は、豆腐を買いにフランスまで出掛けている(彼女なりの諧謔だ)。

 つまりはまあ、あの家によく知らんどこぞの男と二人っきり。

 身の危険を覚えぬ筈がない。


 そりゃあ、確かに成長期を過ぎたものの未だに起伏に乏しい体躯であり、男の劣情を刺激はしないだろうが、

 それでも年頃の女の子であり――いやいや多少は成長してます、でも、同級生の松実玄と比べてしまうと悲しいよね、

 だけど本来的にはまるで性的魅力に乏しくとも、二人っきりという状況でいざ相手に魔が差すとも限らない――なんて、

 心配してしまうのは人情であり、刃傷沙汰になろうが貞操を守るのが優先であると、

 鍵の付いた自室に念のための刃物を隠して幾星霜(冗談だが、最初の夜は正に朝までが無限に感じられた)。


 ……尤も。

 今では、刃物は台所に戻してある。

 一々料理の度に部屋に取りに戻るのが億劫なのだ。

 無論、それだけではない。


(京太郎、ちゃんと店番できてる……?)


 あの男は殆ど、世捨て人だ。

 仕事上のミスは少ない。否、ないと言っても差し支えがないであろう。

 だけどそこに丁寧さや情熱はなく、卒なくこなしているという印象しか受けない。

 仕事は出来るが、気遣いという言葉とは無縁だ。

 ……実際灼に度々無礼な言葉を投げ掛けてきやがりますし。


 それに何より、あいつは笑わない。

 これは客商売としては致命的であろう。


 自分に構うのをするんじゃねえよ、なんて不機嫌そうな仏頂面や、

 如何にも自分は不幸で辛いんです傷付いてるんです、なんて沈痛な面持ちは晒さないが、

 どことなく冷めている目の、アンニュイそうな顔を並べていた。

 何が楽しくて生きているのか判らない。

 楽しさを感じるのだろうか。そもそもあいつ、本当に生きているのだろうか。

 死んだ魚の目とはよく言ったもので、全体的に覇気がない。生気もない。



 とりあえず、バイト兼用心棒として使ってやってくれ――。


 赤土晴絵からは、そう言われた。

 勿論、それだけではないとは思っている。

 彼女がそう言い出すなら、きっと相応の理由がある筈だ――。

 彼に何があったのか、気にならなくはない。

 それは確かであった。


 ……まあ、そんなことはともかく。


 何があったとしても、夕飯の買い物ぐらい代わってくれてもいいんじゃないか。

 吉野は坂も多い。

 二人分の食材を抱えて歩くのは、矮小な体躯の灼には一苦労だった。

 食べたいと注文をつけてきたときは、こいつにもそんな珍しいことがあるものだなんて思ったけど、

 気を利かせて買い物を申し出ないあたり、やっぱり須賀京太郎は須賀京太郎だった。



「……あ、お疲れっす。じゃあ俺、戻りますんで」


 灼の顔を見るなり、そう言ってカウンターから顔を上げる京太郎。

 ちょっと待て。

 それ以前に何か、あるだろう。帰ってきたんだから、言うことが。

 そもそも、こちとら買い物袋を両手に持っているのだ。

 だから――。


「あ、灼さん」

「何?」

「俺は別にいーっすけど、裏口からの方がいいんじゃないっすか」


 変な風に生活感を匂わすのは、客商売としてどうなんですか――。

 なんて意図を含めた言葉だったので、脇腹に一撃お見舞いした。

 痛いなんて言いながらも、まるで堪えた様子はない。


 本当に、腹立たしい男だ。



「喧嘩かい? 若いっていいねぇ……」

「まさか、灼ちゃんにあんなハイカラな恋人ができるなんてね」

「彼……甲斐性、あるのかい?」

「いや、違……」


 一連のやり取りを見ていた、常連さんに絡まれた。

 やめてほしい。

 高校の部活仲間の耳に入ったら、なんて言われるか判ったものじゃない。


 東京に出てしまった新子憧、プロになった松実宥には届くまい。

 高鴨穏乃は、多分変に勘違いして、悪気なく盛り上がる。

 一番面倒なのは、同級生の松実玄だ。


 女性の豊満な乳房に執心していながらも、その実、男女の付き合いに憧れている。

 悪い奴ではないが、何を言い出すか判らないし、何か変な騒動でも巻き起こしそう。

 本当に、悪い奴ではないし、嫌いでもないんだけど……。

 この手の話題を絡ませたら、話をややこしくしそうな印象を受けるのだ。

 ……いや、本当に何故だか判らないが。


 ただでさえ、須賀京太郎というある種の頭痛の種がいるのだ。

 これ以上は御免だ。


「いやいや、お祖母さんなら『ボールは見ただけじゃ判らない、見かけに騙されるな』とでも言うんじゃないか?」

「『本当の名店は看板さえ出していない』とも言うしねぇ……」

「いや、でも……『仕事は納豆のように粘り強くするものだ』って言うから、彼はどうかね?」

「認められるといいねぇ」

「もう、勝手にし……」


 やっぱり、本当に腹立たしい男だ。



 そして、夕飯も終わって灼は部屋に戻った。


 やっぱり、須賀京太郎の奴は好きになれそうにないのだ。

 夕飯もただ黙々と食べて、それっきり。

 一応ちゃんと、「いただきます」と「ご馳走さま」は言っている。

 加えて、最近ようやく食卓に皿を並べたり、皿を洗うようになったが――違う。

 確かに、灼もむやみやたらに話すのは好きではない。


 祖母からは、『食事とは一期一会、毎回毎回を大切にしろ』と言われていた。


 だから、ながら飯は好きではなかった。

 やたらとお喋りばかりに興じたり、テレビに余所見をしながら食事をするものではない。

 そう思っていた。


 でも――今になって思うのだ。

 これの言うところの食事とは、食卓ではないかと。

 
 その日の夕飯は、その日しかない。

 その日の食事は、その日しかない。

 当たり前のことだが――その日囲んだ食卓は、別の日には再現できないのだ。

 だから、その日起きたことを食卓で話さなければ、別の日にはできない。

 団欒をする食卓は一期一会で、

 毎日様々に起きる出来事も、その度に抱く感想も、常に移り変わって行くのである。


 ……まあ、そんな大層なことはいい。


 つまり、何が言いたいのか――と言えば。


(頑張って作ったのに……)


 せめて、旨いとか。気に入ったとか。どうだとか。

 食事についての感想を言ったらどうなのだ、あの男。

 いや、無理に求めるつもりはないし、押し付けるつもりもない。

 気に入らないあの男に、料理をやたらめったら褒められても仕様がない。


 だけれども。


 珍しく注文なんてつけてくれるから、作ったというのに……。

 「おいしい」の一言とか、「ありがとう」の一言ぐらいはあってもいいのでは。

 いや、勝手だと思うし、別に、期待してもないけど。

 せめて、お通夜みたいに黙々と食うのはやめろ。


 やっぱり、多少イケメンでも無理だ。

 生理的に、そこらへんが合わない。

 


 と、そんな時だ。

 何か、物音が聞こえた気がした。それも、ボウリング場の方から。

 初めは、京太郎かと思った。

 だけれども彼は、仕事のときを除いて向こうには行きやしない。

 というかそもそも、食事と風呂とトイレ以外、部屋に籠りっぱなし。

 わざわざ閉店後に、あちらへと向かいはしないだろう。


 ――と、なると。


(まさか、強盗)


 考えられる原因はそれぐらいしか、あり得ない。

 いや、放火や空き巣なども思い浮かぶが……どれにしろ、同じこと。

 対京太郎用のゴルフクラブを片手に握り、焦燥に後押しされて廊下に出る。


 用心棒と、晴絵は言っていた。


 見たところ、無気力な優男でしかないが……。

 それでも、こういうときは男手が欲しかった。誰かに一緒にいて欲しかった。

 少しでも、自分の不安は和らぐ。

 それだけでも、須賀京太郎が居る意味はあった。

 そこだけで感謝してもいいくらいだ。


「……夜這いにしちゃ物騒っすね。夜襲ですか?」


 訂正。やっぱりこいつ、駄目だ。

 一瞬たりとも、こんな男に感謝した自分が馬鹿だった。

 ふてぶてしい皮肉に、思わず本気で頭部めがけてゴルフクラブを降り下ろしたくなった。


 なんなんだろう。


 この、斜視で皮肉屋の無気力男は。

 本当に腹立たしい。

 腹立たしいったら、ありゃしない野郎である。


「違……。あっちで、変な音がして……」

「ああ、空き巣か強盗かと思った――と」


 その瞬間、灼は確かに見た。

 僅かながら、須賀京太郎の瞳が強く輝くのを。

 だけれども、それは――。


「判りました。見てきますから、灼さんはここに居て下さい」

「嫌。相手が複数いたら、一人っきりになるし……」

「ああ、それもそうか」


 それじゃあ、と彼が立ち上がった。

 普段見ていたあの姿はどこへいったのだろう。背筋は伸びて、その背中はいつも以上に広い。

 やはり、男というのは背中が広いのだろうか。今の今まで、まるで気が付かなかったが……。


 自分の手のひら、何個分だろう――。


 なんて関係ないことを考えながら、短縮ダイヤルで即座に通報可能な電話を左手に。

 というか、この男、こんなに大きかったっけ。

 これまで気付かなかったが、ここで初めて、彼も男なのだと思った。

 すると、無性に怖くなった。

 今まで、こんな奴とひとつ屋根の下で、二人っきりで過ごしていたのだ。

 そして、これからも。……晴絵がいつ引き取りに来るのか、訊きそびれた。

 強盗よりも、そのことへの怯えが生まれる。


 そんな自分に――。


「大丈夫ですよ、灼さん」


 普段のあの、斜に構えた姿勢はどこへいったのだろう。


「何があっても、あなたを守りますんで」


 それは、自然な笑みであった。

 思わず、携帯を握った方の手で彼のシャツの裾を掴んだ。

 困ったなと、京太郎が笑う。


「任せて下さいよ。何かあっても、絶対にあなたに手出しをさせませんから」


 きっと彼は自分のことを、恐怖を覚えているとか、臆病であると思っているのだろう。

 こちらを安心させようとする笑みを、須賀京太郎は浮かべ――。

 それから、猫科の猛獣が如く、足音を殺しながら歩き出す。


(違う)


 だけれどもそれは、まるで見当外れである。

 鷺森灼は、強盗に対して不安を感じたのではない。

 須賀京太郎の目に灯った光に、恐怖したのだ。

 そしてそれは、その後彼が発した言葉によって、確信に変わる。


(京太郎は、どこかで安堵してた。悦んでた)


 自分が誰かの頼りにされることを、ではなく――。

 危険に、己のひとつしかない身を投じられることに。

 それは期待を抱きつつも、ともすれば直ぐ様に消えてしまいそうな笑みだったのだ。

 蝋燭の最期めいた光。

 だから反射的に、闇に紛れてしまわないように掴み止めた。


 それだけだ。


(これが多分、ハルちゃんが預けた理由)


 ただ無気力で斜に構えたという奴は、それこそ世の中に掃いて捨てるほどいる。

 何が楽しいのか、冷静を気取った他人の振りで、他人事じみた俯瞰姿勢ばかりを繰り返す。

 そんな性分の冷めた人間は、少なからず存在しているだろう。

 でも。

 この男はきっと違う。

 恐らくもっと、本質的には別人だ。性格だってまるで異なるものだろう。

 それが、如何なる理由かこうなってしまったのだ。


 きゅっ。

 シャツを握り締める手に、自然と力が籠っていた。



 彼の言葉は全て、灼の身についてしか言及されていない。

 なるほど、確かにこれが物語に出てくるヒーローであれば、そんな台詞も頷ける。

 だけれども、彼も私も夢物語のヒーローなんかじゃない。

 或いは――。

 普段から、須賀京太郎がそのような性格の人間ならば、素直に聞いた。

 こちらを勇気付けようとしているものだと、肯んじられた。

 だがしかし、普段の彼はあの死んだ魚だ。

 まさか、昼行灯とは言うまいよ。


 器用そうだが、不器用な男なのだ。

 卒なくこなしはするものの、何かを取り繕うのが上手ではない。

 それができているのなら、何かを器用に行っていると相手に気付かせまい。

 必死にやっている振りさえしていれば、妙な軋轢とは無縁でいられるのだから。


 何度も舌打ちをしながら、須賀京太郎が先行する。

 彼の周囲だけ、空気が違った。

 そこは京太郎の領域で、踏み込んだものから破壊すると言わんばかりの、静謐にして張りつめた気配。

 当の本人が軽々と滑らかに動いている分、なおのこと恐ろしい。

 猛獣と同じであった。構えを崩して脱力しつつも、己の牙の距離に近付くものを虎視眈々と狙っている。

 緊張していない筈はないが、彼は己の筋肉にそれを悟らせない。

 余計な身体の強張りが、運動を阻害すると知っているようだった。


 改めて――と思う。


 改めてこの男は、何者なんだろう。

 普段の彼のイメージと噛み合わない。

 とてもじゃないが、お世辞にも上等とは言えない店番で、置物になっている姿とはかけ離れている。

 今浮かべた薄ら笑いは、未練の琴線に触れた亡霊じみている。

 朽ちていくだけの炭の塊が、まだ燃えるだけの残りカスを見付けたようであった。


「こっちには、いないみたいですね」

「どうして……?」

「今の舌打ち何度かで、確かめました」


 そんなことが、できるものなのか。

 獰猛さにも見える酷薄な笑みを浮かべた男は、緊張感を伴いつつも愉快そうに、静かに喉を鳴らした。

 普段の彼を老犬とするなら、今の彼は年若い灰狼であった。

寝落ちしてました

明日になれば、明日になればきっと、アレキサンダー先輩の素敵な二つ名とベース生物が明らかになるはず……!

1930前ぐらいに始めます



須賀京太郎 職業:タレント兼アクション俳優兼麻雀プロ兼教師

STR(筋力):14 CON(頑強さ):14 POW(精神力):13 DEX(敏捷性):14
APP(外見):15 SIZ(体格):16  INT(知力):18 EDU(教育):21
〈HP〉:15 〈MP〉:13 〈SAN〉:65 〈アイデア〉:90 〈幸運〉:65 〈知識〉:105

〈回避〉〈キック〉〈投擲〉〈マーシャルアーツ〉
〈鍵開け〉〈聞き耳〉〈隠れる〉〈隠す〉〈忍び歩き〉〈精神分析〉〈目星〉
〈登攀〉〈運転〉〈水泳〉〈跳躍〉〈言いくるめ〉〈信用〉〈説得〉〈心理学〉

※普通はこんなに技能をぶっこまないけど細かいことは(ry
※%割り振りはめんどいので(ry


須賀京太郎 職業:オカルトスレイヤー(物理)

STR(筋力):18 CON(頑強):18 POW(精神力):18 DEX(敏捷性):18
APP(外見):13 SIZ(体格):15 INT(知力):16 EDU(教育):15
〈HP〉:17 〈MP〉:18 〈SAN〉:90 〈アイデア〉:80 〈幸運〉:90 〈知識〉:75

〈回避〉〈キック〉〈組み付き〉〈頭突き〉〈パンチ〉〈投擲〉〈マーシャルアーツ〉
〈拳銃〉〈サブマシンガン〉〈ショットガン〉〈マシンガン〉〈ライフル〉
〈応急手当〉〈隠れる〉〈追跡〉〈目星〉〈登攀〉〈跳躍〉
〈言いくるめ〉〈医学〉〈オカルト〉〈化学〉

※普通はこんなに技能を(ry
※%割り振りはめんど(ry


おかるとすれいやー(ぶつり)!


京太郎「ティンダロスの猟犬の対策?」

京太郎「ああ、簡単だからよく聞いててくれよ?」

京太郎「ティンダロスの猟犬――この猟犬は、鋭角から現れるんだよ。そう、鋭角」

京太郎「で、執念深くどこまでも追ってくる」

京太郎「だから、まずは鋭角をなくすことから始めようか」

京太郎「そう、まずは人気のない場所に行こうか。人工物は、どうしても鋭角だらけだからさ」

京太郎「周りに人がいると、巻き込まれる危険もあるだろ?」

京太郎「そんで……そう、辺り一体を更地にするんだ。拳でもいいし、爆発物を使ってもいい」

京太郎「とにかく、完全に平らにする」

京太郎「で、目の前に箱を置く。ちょうどいい鋭角だな」

京太郎「あとはノコノコとそこから出てくる猟犬を、動かなくなるまで蹴り続ければいいんだ」

京太郎「な、簡単だろ?」

京太郎「どんな場所に離れたって、わざわざ近付いてきてくれるんだからさ」

京太郎「え? 『ティンダロスの猟犬にはこっちの死の概念が適用されないかもしれない』って?」

京太郎「んー、よくわからないけどさ」

京太郎「何かの性質を持ってて行動するなら、多分精神みたいのがあるだろ?」

京太郎「向こうが嫌になるまでボコボコにすれば、精神死するみたいだぜ。実際死んだし」

京太郎「幽霊と違って、実体があるっていいよな」

オカルトスレイヤー(物理)と、タレント雀士スッガは別物なので悪しからず

非常に倒錯的な内容の物を書きたくなりますが、これをやらせたら「そりゃあシズも別れるわ……」なので踏みとどまる
たまには、そういうのも書きたいんやけどねー


んじゃあ、始めようかー


 一体、どちらが本当の京太郎なのだろうか――。


 彼との付き合いの日は浅く、また、神ならぬ灼にそれを知るよしもない。

 だけれども、不思議と思うのだ。

 どちらもきっと、本当の須賀京太郎ではない――と。

 普段のあの、空気の抜けた風船や糸の切れた凧めいた、意気や意気地を置いてきたという京太郎も、

 今の、危険を感じつつも緊張は覚えず、どこか心待ちにしていたという様子の京太郎も、

 その両方とも、恐らくは、ある意味では須賀京太郎ではありながら、本当の意味では須賀京太郎ではあるまい。


(馬鹿らし……)


 なんで、こんな男のことを真剣に考えているのだろう。

 灼の生活に紛れ込んだ異物。

 異物というにはそれは、あまりにも自己主張をしないものではあるが――。

 それが却って、気に障るのだ。

 部屋の物をそのままに、配置をズラされてしまったような違和感が残る。

 とにかく何か、しっくりこないのだ。こいつがいると。


 だから、忌々しいとは言えずとも、少なくとも歓迎すべきものではない。

 そんな男に、こうも思考を割いてしまっている自分に、多少ならず驚きを隠せない。

 彼の顔を、見上げてみる。

 黙っていれば、悪くない顔だと思う。

 むしろ、今まで見てきた男の仲でも、かなり整っている方に分類されるだろう。

 だけれども、普段のあの、骨を失って打ち上げられた魚ような態度は戴けない。

 どれだけ見目が麗しくても、あれは駄目だ。マイナスだ。


 かといって、今の顔がよいと言えばそうでもない。

 薄ら笑い。

 普段の京太郎に比べたら、えらく気力が充実している。さながら、獲物を見付けた大型肉食獣だ。

 獰猛な、生気の充実した笑み――好戦的な笑い。

 先ほどのごとき落ち着いた物言いは、普段のそれとは違って、見るものを勇気づけるだろう。

 でもやはり、


(違う)


 のである。

 その笑いには、ある種の虚無的な愉快が含まれていた。

 それこそ、どこか仮面めいている。

 彼自身も気付いてはおらず、また、他方では紛れもなく本心なのであろうが……。

 どことなく儚く、嘘っぽさを覚えた。


「大丈夫っすよ、俺が付いてるんで」

「いや……」

「こう見えても、鍛えてるんで。安心して下さい」

「違……、ちょっ……!」


 子供をあやすように、頭に手を置かれた。

 やっぱり、軽薄で無礼な男である。

 女の身体に、命である髪にこうも容易く触れるとは何事だ。

 きっと、こいつの本質は――こいつはどうなっていても、多分デリカシーがなく、無神経な男だろう。

 こちらに笑いかけて、何度か、軽く叩いてきた。

 気安く触るなと振り払おうしたが、それが原因で空き巣だか強盗だかの何者かに気付かれたら仕方がない。

 そのまま、黙ってされるがままになる。

 こちらの不満も知らず、いい気なものだ。彼は気をよくしたらしい。


 ……別に。


 不思議と安心感を覚えてなんか、いない。いないったらいない。

 万が一にでも感じるとしたらそれは、きっと強盗などの某がいるせいだ。

 そんな非日常で、悍ましい存在がいるから……。

 だから相対的に、こんな駄目男に安心してしまうのだろう。

 許すまじ。

 件の強盗やら何やらを見かけたら、ゴルフクラブの一撃では済ますまい。

 静かに灼は、グリップを握り締めた。



「……窓、空いてましたがそれだけっすね」

「でも、確かに音が……」

「灼さんのこと、疑ってなんていませんよ」


 それは、事実だろう。

 依然として彼の身体には気勢が充実し、静かに闇の中を睨み付けているのだから。

 彼の身体は、鋼鉄の鞭だ。

 鋼鉄で、ゴムがごとき弾力を持った鞭だ。野生の刀剣だ。

 その瞬間となったなら、引き絞られた弦が如く勢いよく弾けて、しなやかな身体は獲物に躍りかかる。

 そのさまが、容易く想像できた。

 想像していたから、次に己の身に起きたことを、灼は暫し把握できなかった。


「えっ」

「静かに……今何か、動きました」


 肩を掴まれて、彼の胸元に抱き寄せられていた。

 反射的についてしまった手から、京太郎の鼓動が伝わってくる。

 とくん、とくん。

 緩やかに一定のリズムを刻むそれから、鼓動の度に熱が流れ込んでくる。

 その筋肉はやはり力強さを秘めながらも、優しく灼の指先を受け入れて包み込んだ。

 これが、彼にとっても自分を守りやすい姿勢なのだろうが……。


(ち、近……)


 訳もなく赤面してしまう。

 相手が京太郎だとしても、こうして異性の胸元に指先を埋めるというのは、

 灼に羞恥を覚えさせるのには十分な行為で、何故だか自然と掌が丸まっていた。


「……こいつか」

「可愛……」

「……確かに武器を隠し持ってるから、強盗と言えば強盗だよな」


 それから、彼の言う音のする方向にいたのは、猫。

 どこから入ったのか判らないけど、親とはぐれたのだろう、年若い猫がいた。

 或いは早々に一人立ちしたのか……。

 なんにせよ、その猫は人に馴れているらしく、近寄っても毛を逆立てようとはしなかった。


「おいで?」


 しゃがんで、チッチと誘き寄せてみる。

 躊躇いがちに前肢を出して、鼻をひくつかせながら猫が近寄ってきた。

 その瞬間を狙って、両脇を抱えて持ち上げる。間抜けな具合に、後ろ足と胴が伸びる。

 抱き上げられるとは考えていなかったのだろう。その年若い猫は、軽く目をしぱたかせる。


「ふふっ、ごめんね。何も持ってなくて……」


 不満そうに、にゃあと声が上がる。

 やはり野良だから、抱き抱えられることに抵抗があるのか身を固くしていたが、逃げ出そうとはしない。

 雨風で乱れたのだろう、若干パサつく毛並みの尻尾が、ぱたぱたと脇腹を打つ。

 なんて、可愛らしい強盗なのだろう。

 こうして空き巣まがいのことなどせずとも、十分に稼ぐことなどできよう。


 ――いけない子め。


 心中で呟きながら、だらりと前肢を垂らしたその身体に頬擦りをする。

 なんともふてぶてしいような、それでいて胸が暖かくなる柔らかさだ。

 新子憧が相当に動物好きであったが、それもわかるようだった。


「……他には誰もいないみたいっすね」


 やや距離が離れたところに立つ京太郎が、辺りを見回しながら言った。

 何が気に食わないのかは知らないが、先ほどから灼と猫を遠巻きにしていた。

 或いは、望んでいた強盗が可愛らしい美猫であったことに、落胆したのだろうか。

 なんとなく、居心地が悪そうにしている。


「アレルギー? それとも、猫は嫌いだった?」

「別に……。ただ、苦手なだけです……動物が」

「ふぅん……。こんなに可愛いのに、勿体な……」


 ねー、と前肢を持ち上げてみる。

 猫は、迷惑そうに欠伸をあげた。


 嫌いではないのに、苦手だというのはどういうことなのだろうか。

 しかも、アレルギーではないのだ。益々判らない。

 動物全般が苦手ながら、猫は割りと好きな部類なのだろうか。本人は狼じみているというのに。

 昔、動物に襲われたことがあるのかもしれない。


「うちの子になる?」


 猫に問いかけてみた。にゃあと、鳴いた。

 可愛らしい奴だ。こうしておとなしくしているのを見るに、向こうも満更ではないのだろう。

 これも何かの巡り合わせだと思えた。

 正直灼はこれまで、猫がこれほどまでに愛らしい動物だなどとは、思わなかった。

 なんとなく、可愛いとは思っていた。

 だけれども、新子憧があれほどまでに熱心に語り上げるほどの興味は抱いていなかったし、

 そんな彼女の話も、なんとなく聞き流していた。


 だがしかし、これはどうだ。

  
 まさか、ここまで愛くるしいものだとは、思ってもみなかった。

 今この腕に抱いていると、尚のこと思いが強まっていく。


「……灼さん」

「何?」


 やっぱり、アレルギーなのか。

 それならまあ、仕方ない。苦手という程度ならまだしも、生活に関わるなら譲歩も吝かではない。

 京太郎の言葉の続きを促すが、待てども来ない。

 何かを言いたげに顎を尖らせたものの、口を紡ぐと、伏し目がちに目線を反らした。

 おかしな奴だ。

 先ほどまでの、あの強気な態度はどこへやら。

 今の京太郎は、吹けば飛ぶような力なさを湛えていた。


「……飼うんなら、大切にしてやって下さい」

「言われなくても……」


 それきり京太郎は口を噤んだ。

 いつものあの、無重力で無気力な彼とも違う、顔だった。

 それが、嫌に引っ掛かる。



「……そうだ」

「何ですか?」

「名前……」


 家族の一員になるなら、ちゃんとした名前が必要であろう。

 これから長らく一緒に暮らしていくというのに、あれだのそれだのと呼ぶわけにはいかないし、

 まさかなんの捻りもなく、猫だとか、タマなどと呼ぶわけにもいかない。強盗や空き巣は論外。

 しかし、そうとなったらなったで、思い浮かばない。

 ふむと、猫の頭に顎を乗せてみる。


 お前はどんな名前がいい――?


 言葉が通じない分、肌を合わせてみれば気持ちは伝わるかもしれない。

 なんて思ってみたものの、「に゛ぇっ」っと、蝦蟇蛙を潰したような悲鳴が変えるのみ。

 はてさて、「にえ」という名前がいいのか。

 それとも、向こうからの返答も気持ちで伝わってきやしないかと考えるものの、

 自らの額に乗った異物に対して、鬱陶しそうに耳ではたきを上げるだけである。


「カ……」

「なに?」


 思案げな京太郎が小さく呟いたのを、灼は聞き逃さなかった。

 というか、月の明かりと虫の音以外が呼吸していないこんな夜では、

 いくら多少距離を取っているとは言っても、人の声を聞き逃す筈もない。

 だからこそ、向こうに居ながらも店の物音が聞こえたのだ。

 まさか、聞かれているとは思っていなかったのであろう。

 京太郎が、ぎょっとしてこちらを見た。


「いや、今のは……」

「恥ずかしがらなくてもいいから、とりあえず言って……」

「本当に……」

「笑わないから、ほら」


 そう促しても、京太郎は煮え切らない様子である。

 猫と共に、彼を見やる。

 「カ」と中途半端なところで区切られた猫も、早くしろと言いたげだった。

 やがて、観念したのであろう。

 京太郎が、訥々と口を開いてきた。


「カ……、カ……カブトとか。カザリとか」

「センスな……」


 だがまあ……。


 確かにこの猫の額の模様は、言われてみればどこか兜を被っている風ではある。

 なんのかんのと離れながらも、よく見ているではないか。

 可愛らしくもない名前だけれど、それが却って素っ頓狂で馬鹿馬鹿しく、猫の名前としては好い塩梅の気がした。

 変に気取った名前よりも、野良猫だった彼(彼女?)には丁度よい。

 名付け親を彼に渡してしまうのは、些か癪であるが……。

 今日、その程度の働きはしたであろうし、

 また何より、灼の中でその名前が実にしっくりと来てしまっていたので、仕様があるまい。


「カブト……お前の名前は、カブト」

「ちょっ、灼さん……!」

「文句があるなら、あっちのお兄ちゃんにどぞ……」


 にゃあと、また猫が鳴いた。

 灼は猫の言葉が判らないが、どうにもそのあとごろごろとあの不気味な音を立てるものだから、

 猫としても、その名前に異存はないのだろう。


(まずはお風呂で、綺麗にしよ?)


 野良猫だったのだから、蚤やら何やら沢山だろう。

 暴れてくれなければいいが……そうなったら、男手の京太郎に手伝わせよう。

 なんて思いながら――新しい家族を抱えて、ボウリング場を後にする。

 今度はしっかりと、窓も閉めて。


 こうして鷺森家に、新たな住人が誕生した。

 三人――二人と一匹の、奇妙な同居生活が始まったのだ。


 しかしその間も、殆ど京太郎はカブトに寄り付こうとしなかった。

 渋々と、カブトの寝床やトイレ砂を整え、皿を丁寧に掃除はしているものの、

 肝心のカブトに対しては――少なくとも灼の前では――つっけんどんに接していた。

 ともすれば、灼よりもカブトに懐かれているというのに……。

 足元に擦り寄ろうとするカブトを巧みに躱し、ドアの向こうに逃げてしまう。


 これでは、どちらが一体猫だと言うのだろうか――。



  ◇ ◆ ◇


ちょっと次スレ立ててきます
シズと再会なのに、非常にアラタソに尺を割いている気がするけど、仕方ないね


尚、時間関係としては

眼精疲労で一時的に視力低下
 ↓
エコロケなど、麻雀に生かせそうなもの
 ↓
後輩からマホのことでヘルプ
 ↓
和と共に、長野へ
 ↓
ミンチよりひでえ。血涙
 ↓
カピ死亡
 ↓
死にたくて、とにかく危ない技術を
 ↓
憧が世話を焼く。半同棲状態
 ↓
憧ちゃん選択肢をミスったでござる
 ↓
部活にごめんなさい元気ですと顔を出して、それから街で喧嘩
 ↓
レジェンドに拾われる
 ↓
あらたその元へ

と、なります

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第21位【アラフォーマーズ】
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第21位【アラフォーマーズ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1384350934/)

次スレやでー


流石にそろそろ名ありキャラ彼女化はヤバい(回想の辻褄が合わなくなる)ので、以降のゾロ目については

『あのとき京太郎に助けられた』に変わるでー

誰も該当しなかったら、松実宥とか大星淡とか野依理沙そこらへんの、
『大学以前に付き合いない当時東京にいた連中』になりますので、悪しからず

あ、カピの死因はちゃんと考えてるから安心してね
だいぶ今消費しちゃったけど、マホにボコボコにされたときので描写するから

アコチャーは選択肢をミスらなければ今頃京太郎と結婚して、2位になった京太郎に「愛してる」とか電話で言われてたのにね


竜田と下足ちゃんはエピローグで、出番があるのではないでしょうかね
適当にちゃんとネームドキャラにするなら、多分、龍田早苗と九頭竜泪とかかね

ちなみにいまのところでエピローグというかエンディングは4つほどかな

エンディングの基準とかはないね
ただ、このスレを1が終わらせるとしたらどんな形にするかなーって感じなので

綺麗な着地点ってところやね
そう、SBRのジョニィやジョジョリオンのジョニィのような


さて、埋めも兼ねて小ネタ書くからお題を寄越すのです僕たち!

あ、あの、あれだ
1~5レスで収まるのにしてください

長いの書く力は使いきってしまってるからね


ロンハーとかドッキリとかキンクリとかは安価やねん


>もしも○○と夫婦だったら




京太郎「……ハギヨシさん」

ハギヨシ「はい」

京太郎「俺たち、男同士ですよね」

ハギヨシ「はい」

京太郎「誰ですか、俺たちを夫婦にした奴は……?」

ハギヨシ「やめて欲しいものですね……私も、同性愛者じゃありませんし」

京太郎「ですよね」

京太郎「あ、でも……」

ハギヨシ「なんでしょうか?」

京太郎「萩原京太郎って名前は、気に入ってます」

ハギヨシ「それは何よりです」




淡「もー、信じらんない! きょーたろーのバカ! バカ!」

京太郎「それは俺の台詞だ、淡!」

淡「こーなったら、喧嘩だ! 喧嘩!」

京太郎「……普通そこは離婚じゃねーのか?」

淡「やだ! 嘘でも、離婚なんつってやんない!」

京太郎「あ、そうですか。……愛されてんなぁ、俺」

淡「だってきょーたろー、私のこといっぱい『ぎゅっ』てくれてるから……って、違う!」

京太郎「おう、喧嘩だよ」

淡「いつもの奴ね! タイトル戦、とった方の勝ち!」

京太郎「他からすりゃ傍迷惑だけど……どんな理由抱えてようが、戦いには違いないしな」

淡「ん」


淡「――私が勝ったら、きょーたろーと子供作る!」

京太郎「――俺が勝ったら、デートの回数減らす」


淡「しょーぶだ、きょーたろー!」



絹恵「ホンマに、うちでよかったん……?」

絹恵「自分で言うのもどうかと思うけど、あんまり家におれんし」

絹恵「忙しくて、私のことばっかり手伝わせてしもーてますけど」

京太郎「いいんだよ」

京太郎「うちの嫁さんスゲーだろって、全世界に得意面晒せるし……」

京太郎「そんな絹さんのこと、俺は好きになったんだからさ」

絹恵「京太郎さん……」

京太郎「なーんて、ノロケてみたりして」

絹恵「本人の前で言ーても、ただ恥ずかしいだけやん……」

京太郎「だよなぁ」

絹恵「……それに、こっちも同じです」

絹恵「う、うちの旦那さんホンマかっこええやろって……チームメイトに、自慢してるから」

絹恵「お、お相子っちゅーことで……どう?」

京太郎「いや、何がお相子か全っっっ然、判らないんだけどさ……」

京太郎「……まあ」


京太郎「これからも、末長くお願いします――絹さん」

絹恵「こっちこそ、隣に居てください――京太郎さん」




京太郎「縁って、判らないもんっすね」

一「いきなり、どうしたの?」

京太郎「いや、なんだかんだ俺らって付き合い長かったじゃないっすか」

一「んー……十年ちょっとかな」

京太郎「一さんとは、相当長く一緒にいましたから……なんつーか、こうして男女の関係になるとは思えなくて」

一「男女のっていうか、もう夫婦関係だけどね」

京太郎「いや、なんか親友って感じだったから……」

一「ああ、ボクもそう思ってたなぁ」

一「でも……」

京太郎「でも?」

一「君から付き合いたいとか、結婚したいとか言われたら……オーケーしちゃうぐらいではあったかな」

京太郎「それ、俺も一緒です」

一「気が合うよね、本当」

京太郎「合わなきゃ結婚してないですって」

一「本当だよね」

一「でもさ……いくら付き合いが長いから染み付いちゃってるって言っても……」

京太郎「なんです?」

一「そろそろ、敬語はやめない?」

一「ねえ――」


一「――ダ・ン・ナ・サ・マ?」


京太郎「あ、あの……善処します……いや、善処するよ」

一「ん、よろしい♪」




京太郎「ああ……そうだよ、ああ……」

京太郎「やっぱりさ、なんだかんだ入れ替わり激しくて……永続きするかどうか判らない業界だから」

京太郎「明るい新人見ると、結構辛くなっちまうんだよな」

憧『そうなの?』

憧『……って、ああ、最近の若手はランキング100番までだっけ?』

京太郎「そっち枠でとられなきゃ、大丈夫なんだけどな」

憧『本当、大変な業界よね……』

憧『ちゃんとご飯食べてる? 無精してない?』

京太郎「ああ、大丈夫だよ。……ああ」

京太郎「そっちこそ、最近物騒だって言うから……夜とか気を付けろよな」

憧『ふふ~ん、そんなにあたしのこと、心配してくれてるんだー』

憧『大丈夫よ? 旦那さまに余計な心配はかけないから』

京太郎「……ああ、助かる」

京太郎「憧」

憧『なーに?』


京太郎「――愛してるよ」

憧『……うん、あたしもよ。京太郎』

おわりんこ

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