八幡「最近川なんとかさんをよく見かける」 (133)

コンビニにて


八幡(左門くんおもしれー)ペラッ


沙希「…」ペラッ


八幡(なんだこのヤンキー女、ヤンマガ逆さまに読んでる…)


沙希「…」チラッ


八幡(なんかガンつけられた!怖いから逃げよう)

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スタバにて


八幡「えっと、このやたら名前長いやつのホットのトールで」

カシコマリマシタ


八幡(口に出して読まなくてもメニューを指差しながらサイズとアイスかホットを言えばいいのが分かって気楽に通えるようになった)


沙希「ん」トントン


カシコマリマシタ


沙希「あ、ホットのトールで」


カシコマリマシタ


八幡(マネすんじゃねえとか思ったけどヤンキーに絡んでも自殺行為だからやめとこう、命大事に命大事に)


オマタセシマシタ


八幡(砂糖なくてもうまいのが嬉しいスタバマジック、結局砂糖入れるけど)ズズー


沙希「…」ズズー


八幡(あのヤンキー女ちゃんとヤンマガ買ったのか)サラサラ


沙希「…」ペラッ


八幡(スタバ+ヤンキー+ヤンマガ=異様な光景だな)

八幡(やたら名前長いだけあってうまかった)


沙希「ちょっと」


八幡「はい?」


沙希「あんた気付いてないの?」


八幡「気付く?何に?身近な幸せにか?」


沙希「そういう話じゃない」


八幡「だったらなんなんだよ」


沙希「あたしに気付かないのかって話」


八幡「そりゃ最初はマジで気付かなかったけどな」


沙希「なんで声掛けてくれないの?」


八幡「声掛けても悪いかって遠慮してんだよ」


沙希「…」

八幡「お互い一人楽しく放課後ティータイムを楽しんでるんだから-


沙希「あんたコンビニでマンガ読んでたけど何か面白いのあるの?」


八幡「え?最近は左門くんだけど、あと火ノ丸相撲」


沙希「ふうん…」


八幡「そういやお前もスタバでやたら名前長いやつ頼んでたけどうまかったよなあれ」


沙希「おいしかった、やたら名前長いだけあるよねあれ」


八幡「そうそう、俺も思ったわそれ」


沙希「砂糖入れすぎじゃないのあれ」


八幡「プレーンもいいけどやっぱグラニュー糖が欲しくてな」


沙希「ヨーグルトみたいに言わなくても」


八幡「半分以上乳製品みたいなもんだから応用だ応用」


沙希「ふふっ、なにそれ」

二人はサイゼへ



沙希「え?あれってマンガ原作なの?」


八幡「そうだぞ、山田孝之ぜんっぜんまばたきしないんだよ」


沙希「言われてみればしてなかった」


八幡「俳優ってすげえよな」


沙希「俳優とかじゃなくて山田孝之がすごいでしょ」


八幡「なんかめっちゃ天才らしいぞ」


沙希「いかついのもオタクなのもできるもんね」

八幡「個人的には龍が如くの劇場版の岸谷五朗みたいなハマり役を見つけると楽しいんだよ」


沙希「藤原竜也みたいなのは?」


八幡「あれは何をやっても藤原竜也なのが好きだ」


沙希「好きなんだ…」

八幡「ん?もうこんな時間か」


沙希「もう帰らないと」

八幡「だな」


沙希「…」


八幡「二人分ドリアとドリンクバー頼んでも千円くらいなのが最高だよな」


沙希「今回は奢ってあげる」


八幡「いくら安くてもそれは…」


沙希「お礼だから」


八幡「お礼?なんの?」キョトン

沙希「分からないならそれでもいい」


八幡「?」


沙希「いいから気にしないで」


八幡「お、おうありがとうな川崎」


沙希「ん」

アリガトゥース!


八幡「やけに胸板の厚い店員だったな…」


沙希「それじゃあまたね」


八幡「おう、ごちそうさま川崎愛してるぜー」


沙希「っ!!」プイッ…タタタ…


八幡「足早いなあいつ」

ピコン♪

八幡「ん?ライン(最近先生にムリヤリ始めさせられた)か」


平塚静【第1出動】


八幡「どこのタラレバ娘だよ…」【場所はどこですか?】


平塚静【駅前集合】


八幡【分かりました】「っと…今日金曜日だから普通に婚活しろよまったく」

駅前


八幡「えっと、先生は…」キョロキョロ


静「いきなり呼び出して悪かったな」


八幡「ああ先生、いきなりどうしたんですか?第1出動だからヒマしてたってことみたいですけど」


静「ちょっとこの合図を使ってみたくなってな」

八幡「せっかくの休み前にもったいない」


静「まあそういうな、一人では居酒屋も入りづらくてな」


八幡「あーやっぱそういうことですか(私服に着替えてきた)」


静「そこの居酒屋にしよう」

コチラノセキヘドウゾ

静「ビールと…」


八幡「ウーロン茶で」


静「あとお造り盛り合わせと山盛り唐揚げ、モツ煮込みと豚平焼きと焼き鳥のモモとぼんじりと砂肝とハツを塩とタレで二本ずつ」


八幡「レバ刺しありますか?」


静「鳥のレバ刺しならあるな、あと白子ポン酢で」


ハーイオマカセアレ!


八幡「がっつりいきますね」


静「まあな」

八幡「それにしても、ヒマしてたからっていきなり過ぎませんか?」モッチャモッチャ


静「タラレバ娘を読んで思う事があってな」バクバク


八幡「思う事ですか」モッチャモッチャ


静「君達を見てると若さが眩しい…とか思っていたら私もタラレバ族じゃないかって気が付いたんだよ」バクバク


八幡「なんだタラレバ族って」モッチャモッチャ


静「現実問題というものに向き合うチャンスだと思ってな」


八幡「KEY君が言ってましたけどチャンスがピンチみたいなこと言ってましたよね」


静「余裕ぶっこいてたツケの払いどころだから甘んじて受け入れているさ、あくまでもチャンスがピンチなのをもう一転チャンスにしたいということだ」


八幡「今までになくしおらしいですね」

静「悩み抜いたからな色々と」


八幡「悩み抜いた結論は?」


静「瓶ビールと焼きうどんと…君は?」


八幡「コーラとまかない丼で」


オマカセアレー!


静「結論はシンプルだったよ、本当の私自身の身の丈に合った相手を探す事だったんだからな」


八幡「いまいち今までとの差が分かりませんよ」

静「私がようやく身の程を知っただけだ」


八幡「そういえばちょっと前に俺が結婚相手の年収一千万以上とか言ってたらギクリとしてましたね」


静「共働きで世帯収入が六百、少なくとも五百万あれば何とか出来るからな」

八幡「子供とかは考えないんですか?」


静「もちろん欲しい、だから私が育児のために働けない間の子供二人を育てるだけの貯えは準備してある」


八幡「毎晩飲み歩いてるわけじゃないですもんね」


静「そういうことだ、正直マンガで目が覚めるのはどうなんだと思いはするが、シンデレラ気分から覚めたのはありがたい」


八幡「ああ!だからタバコ吸ってないんですか」

静「酒も控えるつもりだ」


八幡「なんか寂しくなりますね」


静「別にグレてないのに更生した気分だよ」

八幡「ハードルを下げたなら良さげな相手も見つかったんじゃないですか?」


静「ああ、今まで気付けなかっただけでいてくれたよ」


八幡「俺は一安心ですよ」


静「泣かせることを言うな」


八幡「今の先生なら絶対幸せになれます、頑張って下さい!」


静「わははは!こいつめ、〆のラーメンも奢ってやる!」


八幡「ありがとうございます」

八幡「く、食い過ぎた…」

小町「もはや平塚先生の姿した別人だよそれ」


八幡「言い過ぎだ…」


小町「だけど、あんな綺麗な人が結婚出来ないのはやっぱそこだったのかもね」


八幡「後は単純に仕事熱心ってのもあるだろうな」


小町「旦那さんの方が専業主婦して欲しいとか言いだしたらどうなるのかな」


八幡「そこはお互い大人なんだから話し合って決めるだろ」


小町「それもそっか」


八幡「こりゃ第1出動だけで済みそうだな」


小町「なんの話?」


八幡「聖典の話」


小町「よく分かんないや」

小町「あ、そうだお兄ちゃん」


八幡「ん?」


小町「大志君から連絡あって、お姉さんの様子がまたおかしいみたいなんだけど」


八幡「あのアホンダラと連絡先交換してんのか!?今すぐブロックしろ!」


小町「大志君のお姉さんの件で必要だったじゃん…お兄ちゃんクラス同じだから心当たりない?」

八幡「は?…今日一緒にサイゼで話し込んだけどその時は特におかしいところはなかったけどな」


小町「え?今日一緒だったの?」


八幡「たまたまコンビニでジャンプ読んでたらあいつはヤンマガ逆さまに読んでて、その後にスタバでやたら名前長いやつ飲んでたらあいつも同じやつ頼んでて店出たら声掛けられてな」


小町「なんでお兄ちゃんから声掛けないの?」


八幡「ばっかお前、ヤンキーは怖いに決まってんだろうが」


小町「お兄ちゃんも平塚先生並みに更生しなよ…」

八幡「いや更生すんのはあいつだろ」


小町「はあ…大体理解しちゃった」

八幡「納得いかねぇ」


小町「もういいよ、小町だけでなんとかなる話だからさ」【お姉さんどんな感じで様子がおかしい?】


大志【うつ伏せになりながらひたすら足をバタバタさせてる】


小町【お兄ちゃんに聞いたら今日お姉さんと一緒にいたってさ】


大志【なるほど!】


小町【そういう事だから心配いらないよ、じゃ】

大志「あ、ちょ…話切るの早い…」

小町「っていうかお兄ちゃんさ」


八幡「ん?」


小町「女の人に奢ってもらい過ぎじゃない?」


八幡「たしかに今日はスタバ以外金使ってないな」


小町「ヒモじゃん」


八幡「失礼な事を言うなよ」


小町「平塚先生のあれは仕方ないけど沙希さんにまで奢ってもらうのはねぇ」


八幡「川崎のは普通に出すつもりだったぞ」


小町「そうなの?」


八幡「二人で千円ちょっとなんだから当たり前だろ、なんかあいつがお礼とか言ってな」


小町「あ、それでか」


八幡「お礼ってなんかしたっけなとは思ったけど引かなくてな」


小町(そこ忘れてるんだこのバカ…)


八幡「ありがたくごちそうになったってわけだ」

小町「次はお兄ちゃんが奢ってあげなよ」


八幡「機会があればな」

小町「よろしい」

書いてないよ

放課後


結衣「ヒマだねー」


雪乃「出番がないのはいいことよ」


八幡「…」ボケー


結衣「最近先生感じ変わったよね」


雪乃「言われてみればそうね」


結衣「そろそろ結婚できるかなー」


雪乃「落ち着いてきたのだからじきに相手も見つかるわ」


結衣「そっかー」


八幡(そろそろ終わりの時間だな)


雪乃「もう帰りましょう」

帰り道にて


沙希「あ」


八幡「なにしてんのお前」

沙希「ちょっとね」


八幡「?」


沙希「ねえ」


八幡「ん?」


沙希「ちょっとマック行かない?」


八幡「別に構わんけど」

マックにて

八幡「たまにはハッピーセットもいいもんだ」

沙希「あんたまで買う必要ないのに…しかもあたしに奢ってまで」


八幡「お、プリキュア」

沙希「あたしは仮面ライダー」


八幡「やるよ」


沙希「受け取れないよ」


八幡「どうせあの妹の為だろ?けーちゃんだっけか」


沙希「そうだけどさ」


八幡「妹さんの喜ぶ顔が見たいんじゃないんですかねぇ?」


沙希「なんか汚いなあんた」


八幡「プリキュア好きだけどこういうグッズは集める趣味ないからな、あるだけ困るからやるよ」

沙希「ありがとう…プリキュア好きなんだあんた」


八幡「見るのはな」


沙希「じゃあ仮面ライダーあげる」


八幡「仮面ライダーは興味ないからなぁ」


沙希「大志も喜ばないしどうしようかな」


八幡「どっちもあげたらいいんじゃねーの?ほら、仮面ライダーの俳優ってイケメンだし」


沙希「玉山鉄二くらいしか知らない」


八幡「俺も水嶋ヒロくらいしか知らん」


沙希「偏ってる?」


八幡「多分めちゃくちゃ偏ってる」

八幡「知ってたか川崎」

沙希「何を?」


八幡「銀だこってごま油でたこ焼きを焼くじゃん」


沙希「うん」


八幡「たこ焼きの本場の大阪ってサラダ油で焼くらしいぞ」


沙希「え?そうなの?」

八幡「銀だこもうまいけど本場の味も気になるよな」


沙希「たしかに気になるね」


八幡「551の豚まんとかもうまいらしいし、行ってみたいんだよ大阪」


沙希「楽しそうだよね大阪」


八幡「大阪のおばちゃんは本当に飴を持ち歩いてんのかね?」


沙希「関東の人間には風当たり強いみたいだけど」


八幡「そこが怖いんだよな」


沙希「気取ってるように見えるんだって」


八幡「どこをどう見てるんだ大阪人…」

八幡「よし、そろそろ帰るか」

沙希「うん」


八幡「そういえばお前、あんなところで何してたんだ?」


沙希「え?あ、いやあの…高校生が一人でマックのハッピーセット頼み辛くて」


八幡「そこに俺が現れたと」


沙希「そうそうそうそう」ブンブンブブブン!


八幡「首振りすぎだろ、マキシマムザホルモンかよ」


沙希「気にしないで」


八幡「まあいいや、またな」


沙希「うん、またね」


八幡「おう」スタスタ


沙希(今日は愛してるって言ってくれなかった…)

帰り道八幡の場合


八幡(そういえばイケメンにチーズバーガーをぶつけると死ぬんだったな…葉山にブン投げる分もに買っとけばよかった)チッ

テロリン♪


静【第4出動】


八幡「おおっ!マジか!?」【場所は?】


静【駅前】


八幡【了解】


※第1出動はヒマだから飲もうぜみたいな感じ


第2出動は仕事の愚痴とかこぼしたいから飲もうぜみたいな感じ


第3出動は誰かしらの悪口で盛り上がりたいから飲もうぜみたいな感じ


第4出動は異性のイロイロで相談したいから飲もうぜみたいな感じです

八幡(ちょっと手間取っちまった、先生が見当たらんな)キョロキョロ

ピコン♪

静【一足先にこないだの店に入った】


八幡【了解】


八幡(そうか、先生もいよいよ幸せになるんだな…)シミジミ

イラッシャイマセ


八幡「えっと、先に平塚という者で…」


コチラデス


八幡「あ、どうもです…ってあれ?」


静「食べ物はあらかた来ている、飲み物はウーロン茶か?」


八幡「あ、はい」


オマカセアレ


陽乃「比企谷君も早く飲めるようになるといいね」


八幡「雪ノ下さんも先生を祝いに来たんですか?」


陽乃「祝う?静ちゃんを?なんで?」


静「…第4出動だけ伝えたから仕方ないな」


八幡「んん?」

八幡「要するに、雪ノ下さんにウホッってなるくらいのいい男が言い寄って来ていて困っていると」


静「かいつまんで説明するとそうなるな、ちなみに当然高学歴、身長185㎝のイケメンで、二十代にしてあの一流商社の営業部長だそうだ」


八幡「本当にいるんですねそんな人間って」



陽乃「いやあたしはウホッてなってないからね?」


静「少し前の私ならウホッてなる優良物件だ」グビッ


八幡「ふーん」ムシャムシャ


陽乃「なんでそんなに興味なさそうなの?」


八幡「なんでもなにも、そんな相手から良い話が来て困る意味が分かりませんよ」ムシャムシャ


陽乃「だってあたし好きな人いるし…あ」


八幡「え静「えー!?そうだったのか!?」


八幡「…」


陽乃「あちゃー…これ言うつもりなかったんだけどなぁ」


静「お前、そこを伏せたら私達はやりにくいぞ」


八幡「俺達に言わなくても、その人にだけ言えばよくないですか?」


陽乃「言ったけど引き下がらないんだよ」


八幡「雪ノ下さんが好きな人ってスペック的には営業部長さんに劣るんですか?」


陽乃「いやそこに関しては勝てる人間の方が少なくない?」


静「たしかに…」


八幡「肩書き見た目収入全部持ってますもんね」

静「逆に引かれるレベルだな」

八幡「雪ノ下さんが尻込みする超スペックイケメンか…」


陽乃「違うんだよそこはいいんだよ張り合えば追い付けるから」


静と八幡「追い付けるのか…」


陽乃「問題なのはあくまでも引き下がらないところなんだよ」


静「さすが営業部長だよな」


八幡「うんうん」


陽乃「…」プチッ


静「幸せイコール金やステータスとは言わないが、稼いでくれる旦那は心強いと思うがな」


八幡「たしかにそうだと思いますよ」


陽乃「ねえ比企谷君」ガシッ


八幡「はい?…い゛だだだだだだ!?握力すっげえ!!離して下さいよ!!」


静「いきなりどうした陽乃!?」


陽乃「やだ」メリメリメリメリ…

八幡「千切れる千切れる!!離して!!お願いだから!!」


陽乃「あたしも今似たような状況なんだよね」メリメリメリメリ


八幡「分かりました!!よく分かりましたああああ!!」


陽乃「分かってくれて嬉しいな」パッ


静「ずいぶん荒いがお前の気持ちは伝わったよ」


八幡「神経とかやられてないだろうな…」ヒリヒリ

陽乃「と、いうわけで」ニコニコ


八幡「…いうわけで?」ヒリヒリ


静「モツ煮込みを食べろ比企谷」


八幡「どうも」ムシャムシャ


陽乃「あたしももーらい、比企谷君はあたしの彼氏になってもらうね」モグモグ


静「…ん?」


八幡「はい?」


陽乃「これおいしいね」モグモグ


八幡「雪ノ下さん?今なんて言いました?」


陽乃「モツ煮込みおいしいねって」モグモグ


静「その前だ」


陽乃「あたしの彼氏になってもらうねって」ニコッ

八幡「なんでやねんんんんん!?」

静「効果的と言えば効果的ではあるかもしれんが…」


八幡「俺がそんなハイスペックイケメンに敵う要素がないんですけど!?言ってて悲しくもならないや!!ハハッ(甲高い声)」


陽乃「あたしの男の趣味を理解してもらえたらいいんだよ」


八幡「ああそういう事ですか、雪ノ下さんがゲテモノ好きだって分かったら相手も引き下がるでしょうね」


静「今学期最大級に卑屈だな」


陽乃「そうそう、あたしはそんな比企谷八幡が大好きだーって思い切りイチャイチャしたらあっちも諦めるでしょ?」


静「今世紀最大級に失礼だな」


八幡「雪ノ下さんが本命と付き合う為にも梅雨払いは必要ですもんね」


静「そういえば陽乃の本命って誰なんだ?私達も知ってる奴か?」


陽乃「ヒ・ミ・ツ」


八幡「聞くだけ野暮っすよ先生、でも手伝うんだから本命と付き合ったら写真だけでも見せて下さいよ」


陽乃「…付き合えたら、ね」


静「?」


八幡「それなら今から俺は雪ノ下さんのゲテモノ彼氏ってことで」


陽乃「ちょっと、陽乃って呼んでよ」


八幡「あ、すみません雪ノ…陽乃さん」


陽乃「八幡ー、名字途中で止めたら雪乃ちゃんとセットで呼ばれたみたいでしょー?」ウリウリ


八幡「すみません、すぐ慣れますんで…陽乃さん」

静「ヒューヒュー」パチパチ

静「いやー第4出動は荒れるな、私に協力できることなら呼んでくれ、またな」


八幡「うす、ごちそうさまです」


陽乃「またねー静ちゃん」


八幡「早速彼氏っぽく送って行きますよ」


陽乃「よろしく八幡♪」ギュッ


八幡「は、はい」ドキッ


陽乃「雪乃ちゃんに悪いかな」


八幡「悪いって何がですか?」


陽乃「あたしが雪乃ちゃんから八幡を盗ったみたいじゃない」


八幡「陽乃さんって意外とアホなんですか?」


陽乃「アホとは失礼じゃないかな?」


八幡「だって、あいつとはそんなんじゃないですよ、いきなり素っ頓狂な事言うからアホなのかと思って」

陽乃「素っ頓狂でもないんだけどなぁ」


八幡「まあ、たまに素っ頓狂な陽乃さんならすげえ可愛いと思いますよ」

陽乃「っ!?」ドキッ


八幡「ギャップ萌えってやつですね、完璧なハズなのにいきなり抜けたところがあるとコロッといきそうです」


陽乃「ふ、ふーん?」ドキドキ


八幡「本命の男に見つかった時のいいわけ考えときますか?」


陽乃「いやいいよ、ちゃんと話せば分かる人だから」


八幡「器のデカい男なんすね」


陽乃「まあね」クス

時は遡り
帰り道サキサキの場合


沙希(本当に大志の言った通りの道で待ってたらあいつが来た…)【本当にあいつと会えた】


大志【俺はお兄さんの通学路を比企谷さんから聞いただけだから】


沙希【ありがとう、今日はあんたにエアリアル買ったげる】


大志【塩味でよろしく】

沙希【分かった、けーちゃんに見つからないようにね】


大志【分かってる】

沙希「ただいま」


大志「おかえり」


沙希「ん、塩味」ガサッ


大志「ありがとう」


沙希「晩御飯の後に食べなよ」


大志「もちろん」


沙希「ご飯炊いてる?」

大志「もう炊き上がるよ」


沙希「じゃあちょっと待ってて」


大志「うん」

ねんねします

沙希(さて、大志も寝たしあたしも寝るか)


沙希(…あいつももう寝てるかな)


沙希「はあ…」

沙希(結局寝られなくて散歩に出たけど…もしかしたらあいつに会えるかもって考えが消えない)モンモン


沙希(うっわ、あたし気持ち悪い女だ…)ズーン


キャッキャウフフ


沙希(イチャイチャうるさいカップルめ、こちとらあいつとキャッキャウフフしたいのに…)


陽乃「はーちーまーんー♪」


八幡「TPOをわきまえましょうよ陽乃さん」


沙希「」ピシッ


陽乃「彼氏の頼みは聞いてあげないとだよね」


八幡「はいはい俺は幸せ者ですよ」


陽乃「あたしもだからね」


沙希「~~~~っ!」ダッ!

沙希「はあはあ…」


沙希(あいつ、彼女いたんだ…しかもあんなとびきりの美人…)


沙希「あんなの勝てない…」ウルッ


沙希(…バカじゃないのあたし)

別の日


沙希「…」


八幡「おお川崎」


沙希(何してるんだろうあたし、こいつにはあんなに可愛い彼女がいるのに)


八幡「ちょうどよかった、お前に相談したい事があってな?」


沙希「えっ?」


八幡「奢るからそこのミスドで話さねえ?」


沙希(こいつから誘ってくれた!あたしが奢りたいくらい嬉しい!)


八幡「ムリならいいけど」


沙希「大丈夫、絶対大丈夫」


八幡「そりゃ心強い」

ユックリシテイッテネ


八幡「フレンチクルーラーとポンデリングは絶対頼むんだよな」


沙希「わかるわかる」


八幡「さて川崎、食いながら聞いて欲しいんだけど」


沙希「うん」モチモチ


八幡「横恋慕ってよろしくないよな?」


沙希「ぶふぁっ!?」


八幡「…」ベトォ…


沙希「あ、ご、ごめん!」ワタワタ


八幡「顔洗ってくるわ」

沙希「本当にごめん…」

八幡「俺も話題がいきなりゲスかったから気にすんな」


沙希「ゲス…」ズーン

沙希(そっか、だからあいつはあたしに奢ってまで誘ってきたんだ…お前なんか眼中にないって)

八幡「続きいいか?」


沙希「うん、覚悟はできてる」


八幡「そこまですんの!?」


沙希「いいから話して」

八幡「おう、知り合いが身長185㎝の若手イケメンエリート高収入サラリーマンから言い寄られて困っててな」


沙希「その知り合いの人なんで困ってるの?」


八幡「他に好きな男がいるんだそうだ」


沙希「ああそういうことね」


八幡「もちろん好きな男がいることは伝えたがまだ食い下がってくるんだそうだ」


沙希「それは困るだろうね」


八幡「仕方がないから俺が彼氏として振る舞う事で、イケメンエリート様をさっぱりフッちまって本命とくっつけてやりたいんだけど、何かこう、楽しめるオススメスポットとか聞きたいんだよ」

沙希「…あれ?話終わり?」


八幡「というよりも話を進めたいからアイデアくれない?ってな感じだな」


沙希(あれ?そうなるとこないだ見たあれは…)「えっと、ちょっと確認なんだけど」


八幡「そのポンデリングとフレンチクルーラーとホットコーヒーは俺の奢りだからな」


沙希「いやそこじゃなくて、あんたはもうすでに彼氏役を請け負ってるの?」


八幡「ああ、とはいってもつい先日だけどな、一応彼氏役だから家まで送ったりしてるくらいだ」

沙希(つながった!)「いきなりアイデアあるかとか聞かれても思いつかないんだけど」


八幡「カップルとして思い出の記念写真とかある程度は絶対いるからな、良さげな場所を教えてくれるだけでも助かる」


沙希「うーん…」

八幡「あ、言うの忘れてたわ」


沙希「なにを?」ズズ…

八幡「今の話の彼女役の人、雪ノ下の姉ちゃんだから」


沙希「ぶはっ!?けほっけほっ!!」ポタポタ


八幡「おわっ!今度は手で抑えてくれたのか!?大丈夫か川崎!」


沙希「か、顔洗ってくる」


八幡「すまん、そんなに驚くとは思わなかった」

沙希(驚かないわけないでしょ…バカ)

沙希(あの夜見たのはただの演技だったんだ、たしかに言われてみれば雪ノ下を更に大人にした感じの美人だった…)フキフキ

沙希(…すごく美人だった!そのうちあいつが本気になってもおかしくないってことじゃないの!?)プルプル


沙希(そうならなくてもその関係で雪ノ下の方とどうにかなっちゃうんじゃ…こうしちゃいけない!)

八幡「大丈夫か?タンタン麺も食うか?」


沙希「いらない、それよりもあたしも手伝ってあげる」


八幡「え?」


沙希「良さげな所ならあたしも一緒に探した方が効率的でしょ?」


八幡「本当にいいのか?」


沙希「楽しそうだから構わない」


八幡「そりゃ助かるわ、待ってろ今第4出動かけるから」


沙希「第4出動?」


八幡「魔法の呪文だ」

イラッシャイマセー!

沙希「私服に着替えてこいっていうからなんだと思ったら居酒屋だからか」


八幡「さすがに制服はあれだしな」


静「まさか君から第4出動を受けるとはな、しかも川崎まで連れて」


沙希「え?先生?」


八幡「第4出動を使い出したのは先生からなんだよ、陽乃さんはまだですか?」


静「陽乃は君から出動が掛かったときはまだ東京にいたからもう少しだな」


八幡「そっすか」


静「川崎にはどこまで話した?」


八幡「俺と陽乃さんの話だけです」


沙希「なんか混乱してきた…」


静「私が説明してやろう」

静「10分ほど話したが理解したか?」


沙希「分かりやすかったです」


八幡「まるで先生ですね」


静「これでも先生だよ」ゴスッ


八幡「いってえ!」


沙希(うまいことこいつとアドバイスと称してデートとかこぎつけていけば…イケる!)


静「さて、料理がくるのが先か陽乃が来るのが先か」


陽乃「ごめん二人とも遅く…ん?」


八幡「いてて…陽乃さん、嬉しいことに協力者ができまして」


沙希「どうも初めまして、川崎沙希と申します」ペコッ


陽乃「あ、どうも初めまして、雪ノ下陽乃と申します」

全員「かんぱーい」


静「ふむ…」グビッ


八幡「砂肝うめえ」パクパク


陽乃(この子…)「なんか八幡がごめんね?」


沙希(この人…)「いえ、あいつには恩もありますから」


八幡「メンチカツうめえ」パクパク


陽乃(やっぱり…)「恩?」


沙希(まさか…)「家があまり裕福じゃなくて、年をごまかして夜バイトしてたんですけどその時に助けてもらいまして」


八幡「唐揚げうめえ」パクパク


陽乃(間違いない)「奉仕部?」


沙希(気のせいであって欲しかったのに)「そうでした、妹さんは私達と同い年でしたね」


八幡「モツ煮込みうめえ」パクパク


陽乃(この子、八幡のこと好きだ)「そうそう、その関係で八幡に助けてもらってるんだよ」


沙希(この人、あいつのこと好きだ)「モテそうですもんね雪ノ下さん」

静(若い者同士仲良くなるの早いなー、いいなー)グビッ


八幡「っ!?先生先生!この芋餅めちゃくちゃうまいです!食べてみてくださいよ!」


静「いただくよ」ヒョイ


陽乃と沙希「あたしも食べたい」


八幡「ん?ほい」


陽乃と沙希「…おいしい」


静「おお、これは絶品だな」


八幡「でしょ?」


陽乃「なにこれおいしい!」


沙希「すごいおいしい」

陽乃「大当たりだよね」

沙希「あたしも作れるかな…」


陽乃「沙希ちゃんも料理できるの?」


沙希「陽乃さんこそ」


陽乃「楽しいからけっこう作るよ」


沙希「あたしは家族に作るから自然と」


陽乃「えーすごい立派!」


沙希「いえそんな…」


陽乃「これは二人でこの芋餅の味を再現できるんじゃないかな?」


沙希「やってみたいですね」


陽乃「揚げた後に醤油ベースのタレを塗ってるね」


沙希「つなぎの片栗粉を多めにしてるからこのもちもち感なんでしょうね」


静「なんかあいつらレシピの話で盛り上がりだしたぞ」


八幡「ここまで気が合うとは思いませんでした」

静「まあ仲良くなるならいいじゃないか」


八幡「そういえば先生、花嫁修行はしてるんですか?」


静「…頑張ります」


八幡「してなかったんですか…」

アリガトウゴザイマシター


静「ほどよく酔っぱらえた」ホクホク


沙希「ごちそうさまです」


陽乃「八幡八幡」スッ


八幡「?」


陽乃「手つないでよ」


八幡「ああ、はいはい」キュッ


沙希「…」!?

静「ど、どうした川崎、武丸先輩みたいになってるぞ?」


沙希「"別に"何もないです」!?


陽乃「ふふふふ」


八幡「はははは」


静「なかなかどうして良さげなカップルじゃないか、なあ川崎?」


沙希「…そうですね」

八幡「それじゃ、陽乃さん送ってくんで」


静「ああ、気をつけてな」


陽乃「バイバーイ沙希ちゃん静ちゃん」


沙希「さよなら」

(ラブ)ホテル街


八幡「よりによってこんなところ通らなくてもよくないですか?」


陽乃「フライデーされた方がいいかなーって」


八幡「芸能人かよ」


沙希(右も左もいかがわしい…)コソコソ


陽乃「へえ、今時のラブホってプラネタリウムとかあるんだ」


八幡「ゲーム機の貸し出しとかもあるみたいですね」


陽乃「あ、こっちはカラオケあるって」


沙希(あいつら入っちゃうんじゃ…)


ネエチャンナンボ?


沙希「…」ドゴォッ!


グヘァアッ!?


八幡「まあ普通にどうでもいいオマケばっかりですけど」


陽乃「それもそっか」


沙希(なんか思い直した!ナイス!)

公園

陽乃「酔い醒ましにコーヒー買っていい?」


八幡「どうぞ」


陽乃「八幡はマックスコーヒーだったよね」ガシャコンガシャコン


八幡「別にいいですよ」

陽乃「もう買っちゃった」


八幡「130円ですよね」ゴソゴソ

陽乃「いらないよ」


八幡「…」


陽乃「ふう、やっぱり飲んだ後はコーヒーに限るよね」


八幡「そうなんですか?」


陽乃「けっこういいよコーヒー」


八幡「勝手に紅茶好きなイメージがありました」

陽乃「好きは好きだけど、雪乃ちゃんほどじゃないよ」


八幡「ああ、あいつのイメージが陽乃さんにもあったのか」


陽乃「その理屈でいくと雪乃ちゃんとも彼氏役してくれそうだね」


八幡「あいつが嫌がるでしょうよ」


陽乃「嫌がるのは照れてるからだと思うよ?」


八幡「んなアホな」


陽乃「それに八幡が嫌がらないなら本気になるかもね」


八幡「どんだけ妹をチョロいと思ってるんですか」


陽乃「いやいや、八幡だからこそなんだよ?」


八幡「へいへい、嬉しいなー」

陽乃「あたしは本気だからね」ボソ


八幡「ん?本気?何にですか?」


陽乃「イケメンサラリーマンから逃げる事」


八幡「どうなるんですかね」


陽乃「いい感じになるんじゃないかな?」


八幡「大丈夫なのかそんな適当で」


陽乃「ライバルの方が厄介そうだからさ」


八幡「陽乃さんの本命にも恋敵がいて、それが手ごわいって事ですか?」

陽乃「うん、つい最近恋敵が更に増えてるのが分かったからちょっと焦ってて」


八幡「モテる野郎なんですね」


陽乃「オマケに鈍いからまだ増えるだろうね」


八幡「罰当たりな奴もいるんですね」


陽乃「もう本当にそう思うよまったく」


沙希(コーンポタージュ美味しい)シャキシャキ

八幡「そういえば、川崎と早くに打ち解けてましたね」


陽乃「そうなの?」


沙希(打ち解けてたの?)

八幡「かなり柔らかい表情になってましたから」

陽乃「え?あれで?」


沙希(なんか傷ついた…)


八幡「基本がヤンキーですからもっと怖い感じなんですよ」


沙希(誰がヤンキーだ)メキメキ


陽乃「へー」


八幡「陽乃さんも仮面というか、建て前っぽいのが途中からあんまりなくなってましたし、間違いないです」


沙希(え?あれで?)


陽乃「いい子なのは分かったからね」

八幡「二人はいい友達になりそうですね」


陽乃「…」ポカーン


沙希(…)ポカーン


八幡「え?そんな変な事言ってないですよね?」

陽乃「友達…」


沙希(友達…)

八幡「どうしたんですか陽乃さん、まるで友達いないみたいなリアクションですよ?」


沙希(バレた)ギクッ


陽乃「いないよ?」


八幡「またまた」


陽乃「基本的に誰とでも平等に接するから本当にいないってば」


沙希(この人が友達と思ってないだけなんじゃ…)


八幡「友達欲しいですか?」

陽乃「んー、そもそもどこからが友達のラインなのか分かんないしさー」

八幡「妹も同じこと言ってましたよ」


沙希(言いそう…)


陽乃「血は争えないんだねぇ」


八幡「俺の妹も素晴らしいアホ毛が搭載されてますしね」


沙希(いやそこで血がどうとか考えるの?)


陽乃「なーんで雪乃ちゃんだけ胸は寂しげなのかな?」


八幡「小町も悲しい厚みですよ」


沙希(妹は胸に恵まれないのかも…けーちゃんごめん)

陽乃「雪乃ちゃんの家に行ってあたしのブラと雪乃ちゃんのブラをすり替えるイタズラ思い付いた!」


八幡「絶対実行すんなよ!?」


沙希(楽しそうなのにもったいない)


陽乃「想像するだけで…くくく…」


沙希(ヤバい、あいつがうなだれる姿が目に浮かぶ)プルプル


八幡「趣味悪いな…」

陽乃「趣味悪くないもん!ちゃんと可愛いやつ着けてるよ?大きいブラって可愛いの探すの大変なんだからね」プンプン


沙希(高いんだろうな)

八幡「そういう事じゃないんですけど」


陽乃「分かってるってば」


八幡「まったく」


陽乃「見たいんだよね?そこの物陰行こっか」


沙希(はあ!?)


八幡「アホなこと言わないで下さい」


陽乃「本音は?」


沙希(裁縫の参考にしたいから見せてほしい)


八幡「ノーコメントで」

沙希(ムッツリ)


陽乃「ムッツリ」


八幡「俺がムッツリだろうがガッツリだろうがキモいからどうしようもないけどな!」


沙希(あたしだけにはガッツリしてほしい)


陽乃「あたしだけ見てくれるならガッツリしてもいいよ?」


八幡「…は?」


沙希(さっきからかなり考えが被るんだけどなんで?)

陽乃「浮気しないなら別に今からでもいいよ?」

沙希(え?え?ちょっと…)

八幡「陽乃さんがイケメンリーマンに粘着される理由が分かりましたよ」

陽乃「え?」


八幡「陽乃さんは冗談のつもりでしょうけど、本気にとられてこの状況になったんじゃないんですか?」


陽乃「…」


沙希(…)


八幡「他に好きな男がいるのに、からかう言葉が思わせぶりなんですよ」

陽乃「あのね」


八幡「そういう言葉は本命だけに取って置いた方がいいですよ」


沙希(鈍い奴だけどたしかにそう思っても仕方ないか)


陽乃「…ごっめーん!ちょっと飲み過ぎちゃったみたいでさー、素面ならこんな事絶対言わないんだよ?」


沙希(日頃の行いって大事な場面に影響するんだ)


八幡「平塚先生とは違う酔っ払い方ですね」


陽乃「静ちゃんの場合はもはや酒乱だから」


八幡「まだ醒めないならもう一本コーヒー買いますか?」


陽乃「いやいいよ、コーヒー飲み過ぎたら眠れなくなるし」


八幡「それなら送って行きますね」


陽乃「うーん、今日はここまででいいや」


八幡「別に遠慮なんか…」


陽乃「たまには一人で帰りたくなっちゃったんだ」


八幡「それならいいですけど」


陽乃「またね八幡」


八幡「気をつけて下さいね陽乃さん」


陽乃「うん」スタスタ

陽乃の帰り道


陽乃(はあ…ちょっと焦って攻めすぎたかな)


八幡『本命だけに取って置いた方が良いですよ』

陽乃(その本命に言われるとけっこう傷つくなぁ…)


陽乃(気晴らしに雪乃ちゃんのブラとあたしのブラをすり替えて遊ぼ)







雪乃「…?」ゾワッ

沙希の帰り道


沙希(あいつは自分のことキモいとか言ってたけど、絶対あたしの方がキモいよね)


沙希(あいつが好きだからってどうやって近づけばいいか分からないし…)


沙希(あたしの願望丸出しのデートプラン組んでニヤニヤしよう)


沙希(やっぱりあたしキモい…)

八幡の帰り道


八幡(やはり陽乃さんは掴み所がない、胸の掴み所は妹の数倍以上だろうが)


八幡(しかし、そんな陽乃さんが惚れた男ってどんな化け物なんだ?)


八幡(この俺が戸塚以外の男を気になるなんてさすがは陽乃さんをたらし込んだ男だぜ、まさに罪な男)


八幡(…もしかしたら劇画調のラオウみたいな漢なのかもしれん、すげぇ気になる…)

翌日モスバーガー


八幡「ってな感じで陽乃さんを途中まで送ってな」


沙希「ふうん」(尾行したから全部知ってるけどね)


八幡「しかし魔性の女だよな陽乃さん」


沙希「…あんたもたらされたの?」


八幡「前情報がなかったらヤバかったな、普段のキャラと本性を知らなかったらオチない野郎のがレアだろ」


沙希「むぅ…」


八幡「まああれだ、俺が葉山をいけ好かないと思う現象がお前にも起こってるんだろうけど、悔しがるだけ無駄だぞ」


沙希「それもそうか」


八幡「さて、どこにどんな感じでおデートしようかね」


沙希「女子大生の生態が分からないんだけど」


八幡「金持ちの御令嬢が抜けてるぞ」


沙希「余計分からないんだけど」


八幡「酒はお飲みあそばせるが安酒も普通に飲むあたり判断が難しいな」

沙希「試しに全部安上がりにしたら?」


八幡「思い切ったな」


沙希「いや、高くていいお店は知ってても、安かろう悪かろうのお店は知らないだろうから新鮮なんじゃないかと思ったんだけど」


八幡「た、たしかに!」

沙希(あたしが楽しみたいから予算削りたいとか言えないけど)


八幡「適当に近場の店を調べたら見てみるか」


沙希「うん」

服屋


八幡「たしかにこれは安いな」


沙希「案外掘り出し物多いよ」


八幡「そういえば裁縫得意だったな、アレンジすんのか?」


沙希「趣味でもあるから」


八幡「すげぇな」


沙希「そ、そんなに言うほどでもないから」


八幡「でも裁縫できる奴他に知らんしな、やっぱすげぇよ川崎」


沙希「////」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年02月13日 (月) 01:20:41   ID: HN725ps6

面白い!!

2 :  SS好きの774さん   2017年03月01日 (水) 17:03:04   ID: urEuu0AL

これはなかなか
期待しておりますよ

3 :  SS好きの774さん   2017年03月05日 (日) 14:57:29   ID: 5TyBmGdd

期待

4 :  SS好きの774さん   2017年04月14日 (金) 16:06:35   ID: i3R5Sl6k

続きを・・・

5 :  SS好きの774さん   2017年05月16日 (火) 12:19:38   ID: EraNKvjD

はるのんVSサキサキは新鮮!
続きお願いしゃあす!

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