やはり俺のバレンタインデーは間違っている (29)
2月14日それは男にとって夢の日であり絶望の日である
勝者は多くの物を手にいれ弱者は手にいれることが出来ない
それが、このバレンタインデーというものだ
そう考えれば小学生の頃から俺たちは社会の現実……弱肉強食を身をもって体験していると言える
こんな風習を作ったお菓子メーカよ
爆発しろ
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2月13日
結衣「流石にヒッキー捻くれすぎだよ……」
八幡「……え、むしろ間違ってないだろ。義理チョコとか無くなれば勘違いもしなくて済むしお返し考えなくても済むし万々歳だ」
雪乃「間違ってるわ。そもそも貴方は義理チョコすら貰えていないもの」
八幡「おい。やめろ……良いんだよ別に……女子がクラスの皆に配るチョコとか別にいらねーし。……何で俺だけ貰えないんだろうな」
結衣「うわぁ……貰えなかったんだ…」
雪乃「きっとそのクラスの皆とやらに比企谷くんは入ってなかったのね」
結衣「ちょ。ゆきのん流石に言い過ぎだよぉ」
八幡「良いんだよ。こいつの言い分は当たってるし。それに俺は小町から貰えるからいいしな」
結衣「理由が悲しいよ……」
八幡「まぁ今年は受験で貰えないだろうけどな」
結衣「あ、あのさ」
八幡「んー?」
結衣「ヒッキーはチョコ……貰えたら嬉しい?」
八幡「ああ?そりゃまぁな」
結衣「そ、そうなんだ」
八幡「……?」
雪乃「……まぁ比企谷くんも男だものね」
八幡「当たり前だ」
結衣「よ、よーし!」
2月14日
八幡「さて、学校だな」
ハヤマクーン!チョコウケトッテー
葉山「ああ。ありがとう」ニコリ
八幡「相変わらず人気なことで」
戸塚「おはよう八幡」
八幡「ん?ああ、戸塚。お、おはよう」
八幡(やっと朝の挨拶になれてきた……このまま夜のお休みまで言えるようになりたい)
戸塚「……はい。これ」
八幡「……なん……だと」
戸塚「あ、もしかしていらなかった?」
八幡「と、とんでもない!勿論貰うぞ。ありがとな。戸塚」
八幡(と、ととと、戸塚からのチョコだと……!もう俺死んでも良い。まじ戸塚天使だわ。何で男なの。いやむしろ男でもいいかもしれない)
川崎「おはよ」
八幡「え?ああ。おはよう」
川崎「ん」
八幡「え?なにこれ」
川崎「やるって言ってるの」
八幡「え。まさかチョコか?」
川崎「それ以外ないでしょ?」
八幡「あ、ああ。ありがとな」
川崎「言っとくけど義理だかんね?あんたにはスカラシップの恩があったからね」
八幡「わかってるよ」
八幡(勘違いなんてするかよ。プロボッチなめんな)
めぐり「あー。いたいた。比企谷くん」
八幡「へ?ああ。城廻先輩」
めぐり「あ。名前覚えててくれたんだ?ありがとう」
八幡「ええ。まぁ記憶力は良い方なので」
めぐり「あはは。そうみたいだね。そんな比企谷くんにプレゼントです」
八幡「え?良いんですか?」
めぐり「うん。委員会ではすごくお世話になったしね。一応手作りだけど、不味かったら捨てても良いからね」
八幡「そんなことしませんよ」
めぐり「あはは。ありがとう。それじゃ他にも用があるからバイバイ」
八幡「はい。ありがとうございました」
八幡(あ、あれ?何か凄いチョコ貰えてるんじゃないか?)
いろは「お。きたきた」
八幡「げ。なんだよ」
いろは「相変わらず失礼な先輩ですねぇ。折角私が先輩のために良いものを持ってきたのに」
八幡「え。お前もくれるの?」
いろは「も?……ってことは一番じゃないのかな。まぁいいです。義理ですけどね。生徒会選挙のお礼です。お礼は三倍でいいですよ♪」
八幡「おい……」
いろは「クスッ……冗談ですよ」
八幡「……まぁなんだ……ありがとな」??
いろは「はいっ!どういたしまして」
八幡「……」ガラガラ
雪乃「来たのね」
八幡「……まぁな」
雪乃「まぁ、その様子じゃチョコは貰えなかったみたいだけどね」
八幡「ぁー……いや」
雪乃「?」
結衣「……え、ヒッキー。もしかして?」
八幡「ほら」
雪乃「……天変地異の前触れかしら……あの比企谷くんがこんなに」
結衣「ひ、ヒッキーがこんなに貰うなんて……あ、それで最近雪がよく降るのかも!」
雪乃「ありえるわね……」
八幡「いや、ないから」
結衣「ぁーじゃあさ……ヒッキーはもうチョコいらない?」
八幡「もうって言うかそもそもこんなに貰えたことすら奇跡なんだぞ……」
結衣「あ、あのね……」
八幡「…?」
結衣「あ、あたしも……その、チョコ作ったんだけど……食べて貰えない……かな?なんて……あはは」
八幡「……」
八幡(由比ヶ浜の手作り……か。)
結衣「や、やっぱダメかな?まぁあしの作ったやつだから形も巧く出来てないんだけどね」
八幡「……今食って良いか」
結衣「へ?あ、うん」ガサゴソ
八幡「……」パクッ
結衣「……」
八幡「……旨いぞ」
結衣「……え?」
八幡「だから、旨いっていってんだよ」
結衣「ほ、ほんとに?」
八幡「何度も言わない」
結衣「あ、あはは……よ、よかったー」ヘタヘタ
雪乃「全く……もう少し言い方があるんじゃない?」
八幡「……うるせぇ」プイッ
雪乃「素直じゃないわね」
雪乃「これ、あげるわ」
八幡「は?お前が俺に?……毒入りか?」
雪乃「あら?今すぐ社会的に抹殺しましょうか?」ニコリ
八幡「なんでそんなに爽やかな笑顔で言えるんですかねぇ……」
雪乃「私のは家に帰ってから食べてちょうだい」
八幡「……あいよ」
八幡「たでーま」
小町「お帰りー。お兄ちゃん。今年はどうだったー?」
八幡「ぁー。まぁ貰えたよ義理ばっかだけどな」
小町「へ?貰えたの!?見せて見せて!」
小町(結衣さんかな?それとも雪乃さん?)
小町「……これって……」
小町(……全部綺麗にラッピングしてあるし、このラッピング用紙って結構有名な所のだし……これが義理チョコ?)
小町「……はぁ……ゴミぃちゃんだなぁ」
八幡「おい。何でだよ」
小町「まぁいいや、机の上にお兄ちゃんへのチョコ置いといたから」
八幡「え?まじ?」
小町「マジマジ……んじゃ小町は勉強に戻るから」
八幡「おお。ありがとな。小町」
小町「いえいえー。ホワイトデーは三倍で任せるよぉ」
八幡「……さて」
八幡(どれから食べるかなぁ……由比ヶ浜のは学校で食べたし)
八幡「まぁ順番で良いか……」
パカッ
八幡「……」
八幡「……ったく」
八幡「……素直じゃないのはお前もだな」
バレンタインデー
それは人間社会の仕組みを判らせるためにお菓子メーカが仕込んだ甘い罠であり、俺にとっては敵そのものだ
だが、時としてそんな罠に掛かってみるのも良いのかもしれない
もしかすると、思わぬ収穫があるかも知れないからだ
それがなにかまでは開けてみなければわからないが……
さて、訂正しよう……今年のバレンタインデーでは爆発しなくてよかったかもしれない
MessageCard
来年からも三人で……
End
ギリギリ14日滑り込めた
短すぎたかなごめんなさい
お疲れ様でした
八幡「世界を変えさせておくれよ」パンパン
いろは「そしたら君とキスがしたいんだ」
八幡「いろはすっ」ドピュドピュ
いろは「いろはすっ」ビクンビクン
このSSまとめへのコメント
煙草が美味しいスレですね\(^ q ^)\
こういうのもいいよね♪
俺ガイルをよく分かっていらっしゃる
すばらしすぎますね!