青葉「ゆんさんって、どうしていつも長袖なんですか?」 (35)



ゆん「」


ひふみ「」ガタッ


青葉「どうしてなんですか?」

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ゆん「と、突然どしたん、青葉ちゃん?」


青葉「いや、いつもゆんさんって長袖じゃないですか。不自然な位に」


ゆん「そかな…青葉ちゃんの気のせいやと思うで」


青葉「いえ、入社してからずっと長袖ですよ。夏でもずっと長袖だったじゃないですか」


ゆん「…」


青葉「どうしてかな~って思って」


ゆん「…ウチ、長袖の服が好きなんよ」


青葉「へぇ~」


ゆん「うん、だからいつも長袖なん!」


青葉「ふ~ん…私は半袖姿のゆんさんも素敵だと思うんですけどね」


ゆん「そかな…」


青葉「一回、袖まくってみてもらえませんか?」


ゆん「…遠慮しとく。ウチ、半袖は似合わへんし」


青葉「なーんか腑に落ちないんですよね。どうしてそんなに長袖にこだわるのかなぁ」


ゆん「別にこだわってるわけやないけど…」


青葉「あっ!もしかして長袖が好きなんじゃなくて、半袖が嫌ってことなんでしょうか。でもどうして半袖が嫌なのかな~」


ゆん「だから半袖が嫌いってわけや


青葉「あ!嫌いじゃないんですね。じゃあ半袖になってもらえませんか!?早く早く!!」


ゆん「い、いやや言うとるやないか!しつこいで、青葉ちゃん!」


青葉「あれあれ~やっぱり嫌なんですか?」


ゆん「ちが…今のは言葉の綾で


青葉「で、結局どっちなんですか。半袖が嫌なのか、嫌じゃないのか」


ゆん「…い、いやや!ウチは半袖が嫌いなん。だから半袖にはせぇへんし、袖もまくらない!これでええやろ!」


青葉「何で?」


ゆん「え」


青葉「何で半袖が嫌なんですか。理由を説明してくださいよ、理由を」


ゆん「理由なんて…そんなん、ただの好みの問題や」


青葉「ただの好みの問題で、ここまで嫌がるかなぁ…」


青葉「あっ!!もしかして」


青葉「半袖が嫌なんじゃなくて、半袖になるとまずいことがあるんでしょうか?」


ゆん「っ…」


青葉「あれ~どうしちゃったんですかゆんさん?俯いちゃって。もしかして図星でした?」


青葉「半袖になるとまずい…半袖ってことは…手首か前腕でしょうか?」


ゆん「ぐ…」


青葉「きっと腕に な に か が あるから、半袖になりたくないんだろうなぁ。一体、なにがあるんでしょうか」


ゆん「…ぅ」


青葉「え?何ですか」


ゆん「もう堪忍してな…」


青葉「堪忍って言われても…私がゆんさんを追い詰めてるってことですか。どうして?ねぇ、 ど う し て ?」


ゆん「…青葉ちゃんだって本当は分かっとるんやろ。ウチが半袖になれへん理由」


青葉「え~そんなことないですよ~。むしろ、分からなくて聞いてる感じなんですけど」


ゆん「だからそれは…」


青葉「それは?」


ゆん「…わかった!半袖になる、なるから!」


青葉「!じゃあ半袖になってください。はやくはやく!ほら、ひふみ先輩も見てください!」


ひふみ「えっ…私も、見ていいものなの?」ビクッ


青葉「う~ん。別に見られて困るものではない…ですよね、ゆんさん?」


ゆん「まぁ、別にええよ」


青葉「見られて減るものでもないですよね?」


ゆん「…まぁ、そうやけど」


ひふみ「じゃあ…私も見ていい?」


ゆん「大丈夫です、ひふみ先輩」


ゆん「じゃあ半袖になりますね。この服、特殊な構造だから、脱ぐっていうか、腕の部分を外すことになるんですけど」スッ


青葉「…」


ひふみ(大丈夫かなぁ…)


ゆん「ジッパーを下げて…はい、脱ぎました。さぁどうぞ見てください!」ジー


ひふみ「!!……ん?」


ゆん「あ、あんまり見ないでください、恥ずかしいです///」


ひふみ「え?どういうこと、なの」


青葉「あ~…」


ゆん「だから見せたくなかったんです…太った二の腕を!」


ひふみ「に、二の腕?」


ゆん「私、元々腕が太いんです。それを見せたくなかったからずっと長袖を着てたんです」


青葉「…」


ひふみ「そういうこと、だったんだ」ホッ


ゆん「そうです。それを青葉ちゃんたらなんべんもしつこく…」


青葉「……あははは~そうですよね。ごめんなさい」


ゆん「青葉ちゃん、今回はさすがにデリカシーが無さすぎやで!同じ女ならちぃとはわかるやろ!」


青葉「えへへ…面目ないです」


ゆん「そういうわけやから、ウチは半袖になりとうないの。これでこの話はお終いや!」


ひふみ「そういうことだったんだね。あっ、私会議あるから行かなきゃ…」タタッ


青葉「…」


ゆん「さ、青葉ちゃん仕事に戻り!」


青葉「…」


ゆん「なんや、まだ何かあるん?」


青葉「もう片方の腕も、見せてもらえませんか?」


ゆん「なんや、しつこいなぁ。見せても同じやで」


青葉「いや、そうじゃなくて。ゆんさんって右利きですよね?」


ゆん「そうや。それがどないしたん?」


青葉「右利きの人が腕を片方見せるためにジッパーを下すなら、右手で左腕のジッパーを下すと思うんですよねぇ」


ゆん「…」


青葉「なのに左手で右腕のジッパーを下しましたよね。どうりで、ジッパーを下すのに少し手間がかかってたんですね」


ゆん「…言っとくけど、左腕は見せへんで」


青葉「なんでですか?右腕と同じなんじゃないですか?」


ゆん「今は仕事中や。遊んでる時間はあらへん」


青葉「じゃあ、仕事終わったら見せてくれますよね?」


ゆん「嫌や」


青葉「何でですか?」


ゆん「なんとなくや、な ん と な く。そもそも、青葉ちゃんに腕を見せる義理なんかあらへんわ」


青葉「ふ~ん…そうですか」


ゆん「そゆことや。ほら、仕事に戻った戻った」シッシッ


青葉「…わかりました」タタッ


ゆん(やっと諦めたわ…左腕は見せられるわけあらへんわ)


ゆん「さ、仕事仕事と…」カタカタ


ゆん(昔の自分が恥ずかしいわ…何であんなことしてしまったんやr「ぐぁ…!?」ガタン


ゆん「なんやこれ…青葉ちゃん!?」


ゆん(青葉ちゃんがウチに馬乗りになってる…ウチを転ばしたのは青葉ちゃん!?)


青葉「…!」グググ


ゆん「や、やめてな青葉ちゃん!」


青葉「…!」グググ


ゆん「自分いい加減にしぃ!八神さんに言いつけるで!」


青葉「…!」ジーーーー


ゆん「や、やめて!ジッパー引かんといて!」


青葉「…!」ジーーーーーー


ゆん「やめて…お願い…お願いやから」


青葉「ジッパー下しちゃいました。左腕、見せてもらいますね」グググ


ゆん「や…やめてやめてやめてやめて!!!」グググ


青葉「…マウント取った相手に、勝てるわけないじゃないですか」ススッ


ゆん「いや、いやいやいやいやいやいや!!!!脱がせないで!やめてよ!」


青葉「言葉づかいが普通になってますよ~。さぁ、左腕はどんな風になってるのかなっ…と!」バッ


青葉「…」


ゆん「うっ…うぐっ…見ないで…見ないでよぉ」


青葉「……気持ち悪い」


ゆん「いや…いや…嘘だ…こんなの嘘だ…うっ…」


青葉「…」パシャッツ


ゆん「!?」


ゆん「や、やめて!」


青葉「いいでしょう。撮られたから治るものでもないし」パシャパシャ


ゆん「なんで…なんで青葉ちゃんはこんなことするの?」


青葉「こんなことって、どんなことですか?教えてください、ゆんさん」パシャパシャ


ゆん「いや…もう嫌…」グスグス


青葉「ふふ…ゆんさんの泣き顔、かわいいなぁ」


30分後

八神「おつかれ青葉。ゆんってどこ行ったか知らない?」


青葉「ああ、体調が悪いから早退しました。八神さんに伝えておいてと言われましたけど」


八神「そうなの?大丈夫かなぁ。…あ、でさ青葉、このキャラクターのグラフィックなんだけど…



次の日

りん「もしもし、飯島さん、体調はどう?……え、仕事辞めるって、突然どうしたの?」

りん「事情は言えないって…ちょっと待って。ねぇ」ブッツーツー



その後、ゆんさんのお母さんから会社に電話ががかかってきました。

娘をそっとしておいてほしいとのことでした。

これ以降、ゆんさんと連絡がつくことはありませんでした。



数日後、会社宛てにゆんさんから退職届が送られてきました。

みんな、突然のことに戸惑っていました。

しずくさんは、「こういうことも時には起こる。仕方がないことだよ」と言っていました。


結局、ゆんさんは退職になりました。机の私物は、ダンボールに入れてゆんさんの家に送りました。

そしたら、受け取り拒否されて戻ってきてしまいました。



遠山さんはしょぼくれてましたが、すぐに元に戻りました。でも無理してる感じがします。

八神さんは昔の事を思いだしたのか、落ち込んでいます。自分のせいなんじゃないかって自分自身を責めてるみたいです。

はじめさんも寂しそうです。はじめさんはゆんさんと仲が良かったですから。

ひふみ先輩は、私のことを避けている気がします。どうしてなんでしょうねぇ。





部署の雰囲気はガラっと変わりました。

業務量を細かく配分し、無理のないスケジューリングで仕事を進められるようになりました。

先輩方も、すごく優しくなりました。よく声をかけてもらえるようになったし、お昼にも毎日連れてってくれます。



一度八神さんと仕事終わりにご飯を食べました。

酔った八神さんに、「お願いだから青葉は辞めないで」と泣き付かれました。


遠山さんも、裏ではすごく落ち込んでいることも知りました。

はじめさんもやっぱり寂しそう。ひふみ先輩は何故かビクビクしてます。



こんな職場を盛り上げられるのは、新人である涼風青葉、私をおいてほかにありません。

私が元気に明るく働けば、先輩方もまた元気になると信じています。

さぁ、今日も一日頑張るぞい!


終わり

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