【俺ガイル】八幡「ボーダーか…」2【ワートリ】 (122)

こんにちは
前作 【俺ガイル】八幡「ボーダーか…」【ワートリ】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454944275/)
の続きとなります
更新はかなり亀速度になると思いますが、細々と続けて行きたいと思います

それではよろしくお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1461907362


あ、それと
今回から会話文の前には名前をつけようと思います
前回それで苦労したところもあるので、取り合えず名前有りでやっていきます
様子を見て以前と同じように戻すかもしれません


由比ヶ浜「やっはろー!」ガラッ

雪ノ下「こんにちは、由比ヶ浜さん」

由比ヶ浜「あれ?ヒッキーは?」

雪ノ下「まだ来ていないわよ?」

由比ヶ浜「あれー?あたしが教室出た時にはもういなかったんだけど…」

雪ノ下「もしかして…遂に嫌になって逃げ…」

八幡「逃げねーよ」ガラッ

由比ヶ浜「うひゃぁ!」ビクッ

雪ノ下「あら、こんにちは比企谷君」

八幡「うっす」

由比ヶ浜「ちょっとヒッキー!急に後ろに現れないでよ、びっくりしたじゃん!」

八幡「お前が扉のすぐ前で留まってるのが悪い」

由比ヶ浜「う~!教室出てどこ行ってたの!?」

八幡「三輪に呼ばれてたから三輪んとこ行ってたんだよ」


あの戦いから約3週間
ようやくこの町も落ち着きを取り戻してきた
だが迅さんが言うには今度はアフトクラトルの属国が二つほど接近してるとかなんとか
予知では攻めてくること自体は確定してるらしいが、市民にもボーダー隊員にも被害が出ないらしい
攻めてくる目的は基地か、技術か、捕虜か、はたまた違う理由か
そこらへんは未だ何もわかっていない
攻めてくる時期は予知でほぼ分かってるらしいからそれの対策会議が本部でほぼ毎日行なわれている

それともう一つ

八幡「そういえば雪ノ下」

雪ノ下「なにかしら?」

八幡「ランク戦、初戦からもう参加するらしいな」

雪ノ下「えぇ、そうよ」

由比ヶ浜「あ、ゆきのんそういえばもうB級に上がったんだってね。広報サイトにも名前載ってたよ!何て隊だっけ?」

雪ノ下「玉狛第二、三雲隊よ、由比ヶ浜さん」


そう
なんと雪ノ下のやつ、三雲の隊に入ったのだ
これには誰もが驚いた
だが雪ノ下曰く、これは当然のことらしい

雪ノ下『私は三雲君に命を救われたわ。その恩を何としてでも返したいの』

そう言って半ば無理やりに三雲の隊に入ったのだ
空閑や雨取は雪ノ下の実力も相まって特に反対はしなかった
ただ三雲だけは最後まで悩んでいたらしい
理由は知らんが、どうやら迅さんが捕らえてきたヒュースとかいうアフトクラトルの捕虜が関係しているらしい
まさかとは思うが…ヒュースが三雲隊に入るつもりだった…とかはないよな?
空閑とは違ってヒュースの野郎はこちらに危害を加えている
そんなやつを城戸さんが許すとは思えんし…
あと三輪がストレスでハゲそう

八幡「全員ソロからのスタートだから最初はB級下位との戦いだ。お前と空閑がいればまぁ負けんとは思うが」

雪ノ下「でも油断はせずに行くわ。訓練生の時とは違ってチーム戦でもあるから」

八幡「そうだな」


ちなみに俺達玉狛第一は結局遠征は目指さないことになった
主な理由は小南と京介がノリじゃなかったから
京介は兄弟達の世話やバイトがあるかららしい
まぁそれならしょうがない
小南は面倒だからとかぬかしやがった
んでレイジさんが京介が無理なら諦めろ、ということで止めになったのだ
まぁいいか
その分三雲達へ最大限の手助けをしてやるつもりだ

八幡「初戦はいつだっけか?」

雪ノ下「3日後の夜よ」

八幡「すぐじゃねぇか」

雪ノ下「えぇ、楽しみだわ」

正直、空閑の実力はA級レベル、雪ノ下もB級上位レベルはあるだろう
それにトリオンモンスターの異名を持つ雨取ときたもんだ
三雲はまぁ…アレだが、どう考えても下位に留まりそうもない


この日は結局依頼もなく、そのまま下校時刻に
由比ヶ浜とは分かれ、俺も雪ノ下も玉狛支部へと向かう

八幡「こんちわーっす」ガチャ

雪ノ下「こんばんは」


小南「あら。相変わらず遅いわねー、アンタたち」

小町「あ、お兄ちゃんだー」

八幡「部活だからな、仕方ねぇだろ」

京介「お疲れ様です、比企谷先輩、雪ノ下先輩」

雪ノ下「お疲れ様、烏丸君」

空閑「お、ようやく雪ノ下先輩来た」

三雲「お疲れ様です」

雨取「こんばんは、雪乃さん」

雪ノ下「こんばんは、三雲君、雨取さん」

レイジ「お前達ちょうどいいところに来たな。手を洗って来い、もうすぐ飯だ」

宇佐美「今日はレイジさんと私で作ったんだよー。餃子は修君達も手伝ってくれたけどね」


迅さんとボス、それに陽太郎は今は本部なのでここにいないが、玉狛第一と第二はこれで全員集合だ
今日は週に一度の大規模ミーティング、もとい大食事会だ
まぁミーティングって言っても2部隊では特にすることもないので普通に飯食ってお喋りして終わりだ
明日は土曜日だし、今日は泊まっていくのもアリだな

「「「「「「「「いただきまーす」」」」」」」」

宇佐美「どうぞ召し上がれー!」

レイジ「おかわりもあるから遠慮せずに食べろよ」

今日はチャーハンと餃子、それに酢豚か
中華は大好物だ
遠慮なくいかせてもらおう


小南「あ!ちょっと比企谷!最後の餃子取ったでしょ!」

八幡「あぁ。遠慮なくいかせてもらった」

小南「栞!おかわり!」

宇佐美「あいあいさー」

レイジ「ついでに酢豚も追加してくるか。少し待ってろ」

空閑「俺もごはんおかわりしてこよーっと」

八幡「お、空閑。ついでに俺のも頼む」

空閑「ほいほい」

小町「わたしもおかわりしよーっと。千佳ちゃんは?」

雨取「あ、わたしは大丈夫です」

和気藹々と
これこそが玉狛だなぁとしみじみ思う


三雲「さて、それじゃあそろそろ。千佳、空閑、雪ノ下先輩、宇佐美先輩」

雨取「うん」

空閑「レイジさんご馳走さまでした」≡3≡

雪ノ下「本当にお片づけをお願いしてもよろしいのでしょうか?」

レイジ「あぁ、今はお前達はお前達のことだけを考えてろ」

宇佐美「レイジさんに任せておけば大丈夫だよ。さ、行こうゆきのん!」

雪ノ下「だ、だから宇佐美さん、その呼び方は…」

小町「あ、雪乃さん。小町もついてっていいですか?どんなことしてるのか知りたいです」

雪ノ下「わたしは構わないけれど…」

宇佐美「いいよいいよ~!是非行こう!んでもって興味を持とう!!」

おいコラ機械メガネ馬鹿
小町を勧誘とかするなよ?


雪ノ下「本当にいいのかしら…」

八幡「いいから早くいけよ、三雲達待ってるぞ。ゆきのん」

雪ノ下「…」ジトー

いいねいいね
その虫けらを見るような目
マジそそるぜぇ…

小南「あんたどんどん目が腐っていってるわよ」

八幡「マジでか」

てかいつの間にか雪ノ下も宇佐美もいねぇし
まぁ行ったんならいいか


取り合えず触りとしてここまで
次回はいつになるかも分かりません

ではでは

こんばんは
短いですが投下します


京介「修達、いつ壁にぶつかると思います?」

唐突に京介が言う

レイジ「恐らく中位の上の方…いや、しっかり準備していけば上位までは案外すんなりいくかもしれんな」

小南「そうね。カゲさんとか生駒っち、ましてや二宮さんにはまだまだ勝てそうにはないけど」

八幡「あの人達は経験も実力も段違いだからな。空閑だけは張り合えるだろうけど」

京介「やっぱりそうっすよね」

八幡「まぁでも…」

小南「?」


八幡「三雲と雪ノ下の成長次第じゃないっすかね。その壁を破るのは」

小南「まぁそれよね。修は今のままじゃ到底『上』には通用しないし」

レイジ「そうだな…。雨取も人が撃てるようにならねば活躍は難しいだろう。あいつは技術よりも精神面での成長が必要だ」

京介「そうですね。雪ノ下先輩は普通に戦ってればある程度勝手に育っていきそうっすけど。あの人頭めちゃくちゃいいですし」

八幡「まぁ要は空閑以外のみんなが成長しないと上位の壁にぶち当たるってことだ」

空閑はまぁ大丈夫だろ
経験・実力ともに間違いなくA級
経験にいたっては忍田さんにも匹敵するだろう

あとはもう一人のキーマンとして雪ノ下
三雲や雨取は先行きが見えないが、雪ノ下は今でもグングン成長している
要領がいいのだ
まぁこれは自分でも言ってたしな
雪ノ下が上位と張り合えるまで成長したらそれこそ空閑と並んでダブルエースだ


空閑と雪ノ下で点を取りにいって三雲がその援護、雨取が狙撃で全体をカバー
三雲が成長して、雨取が人を撃てるようになったらと思うと…少しゾッとするな
本当にA級にいけるかもしれん

ちなみに三雲達に俺達があれこれ教えるのはノーだ
レイジさんが言うには、自分達で考えるのも訓練の一つ、ということらしい
なるほど、一理ある
戦場で考えることをやめたやつは生き残れんからな
一部の戦闘馬鹿を除いて

小南「ところで比企谷」

八幡「ん?」

小南「アンタ初戦の実況お願いされてなかったっけ?」

八幡「…え?…あ」

小南「しかも結構前に」


京介「確かなるべく早く返事するとか言ってましたよね。もう1週間過ぎますけど…」

っべー
まじ忘れてたわー
やばすぎて戸部が出てきちまったわー
っべーわー…

レイジ「忘れるなよ…」

京介「武富ちゃん怒りますよ…」

八幡「ちょ、ちょっと電話してくる」

ガチャ バタン

『あー…武富か?いや、そのスマン。忘れてて…。いや本当悪かったって。いや、うん、出れる…と思う。いや出れます。ハイ…』


小南「あいつってどこか抜けてる時あるわよね」

レイジ「私生活がこういうところに現れてくるんだろう」

京介「自宅ではいつもゴロゴロしてるとか」

小南「引きこもりね」

八幡『誰が引きこもりだ暴力斧女』

ガチャ

小南「なんですってこのヒキニートが!!」

八幡「うるせぇよ!わざわざ廊下にまで来んな!あとまだニートじゃねぇよ!」


アンタキュウジツハイツモヒキコモッテルラシイジャナイ!
ヘイジツハソトデテルカラニートジャネェヨ!

京介「なんやかんや仲良いっすよね、あの二人」

レイジ「いいことだ」

京介(比企谷先輩…『まだ』って言ってたな…)

こうして玉狛支部の夜はふける
結局俺と小南の喧嘩は突然現れた雪ノ下の「うるさい」という一言で沈静化した
あの迫力は間違いなくA級だった…


武富『ボーダーのみなさんこんばんは!海老名隊オペレーターの武富です!遂にB級ランク戦新シーズン開幕!初日夜の部は私武富と…』

米屋『どーもどーも』

八幡『うっす…』

武富『米屋先輩と比企谷先輩の3人で実況していきます!よろしくお願いします!』

あぁ~
ダルい
半崎風に言うとダルい
何も変わってねーっつーの

だいたい武富のやつ、ついこないだまで俺のことなんて全然知らなかったクセによー
2週間くらい前に玉狛全員で本部にいた時、たまたま会って、そうしたら即電話番号とLINEの交換しましょうだなんて…
出会い厨顔負けの速度だったぜ
んでもって流れで何故か俺にランク戦の解説をしてくれ、と物凄い勢いで迫ってきたのだ
なるべく早く返事はするから少し考えさせてくれ、といって逃げてきたが…そのことをすっかり忘れてたのが3日前のこと
今現在はしっかり解説席に座ってインカムなんかを装着してるというわけだ


八幡『はぁ…めんどくせぇ…』

米屋『まぁまぁ。ハッチーの解説は結構分かりやすいからさ!ほら、ボーダーのためと思ってよ!』

武富『この席に座ったからにはしっかり解説していただきますよ~!』

八幡『分かってるよ…はぁ』

武富『さて、そろそろ全部隊が転送される頃!MAPは今シーズンからデビューの玉狛第二が市街地Aを選択。これについてはどう思われますか?』

八幡『まぁ特に何か意図があるってわけではないんじゃないっすかね』

武富『というと?今回は三雲隊長が怪我でお休みなので残りの3人で戦うという状況ですが、それは特に関係ないということでしょうか?』

八幡『そうですね』

米屋『まぁ今回はなぁ…』

武富『…?』

八幡『見てりゃ分かる』

武富『は、はぁ…。おっと、そうこうしているうちに全部隊が転送されました!さぁこの戦いどうなる!?』


宇佐美『位置的に考えて…遊真君は千佳ちゃんと間宮隊を、ゆきのんは吉里隊の方をお願い』

雪ノ下「だからゆきのんは…了解したわ」

空閑『おっけー』

雨取『はい!』


武富『さぁ全部隊が動く!間宮隊と吉里隊は合流するようですが玉狛第二にはその様子がない。これは各個撃破という形か!』


モブ「各個撃破?一人はスナイパーだから実質玉狛第二は3人を1人で相手するつもりか?」

モブ「今日がデビューなんだろ?浮かれて調子乗ってんだろ」

モブ「さすがに舐めすぎだよな」

さーて、舐めてるわけではないと思うぞ


米屋『あー、これはまずいですね』

武富『やはりチームを分散した玉狛第二の選択はやや冒険のしすぎでしょうか』

米屋『いや、そっちじゃなくて…』

武富『?』

あー、吉里隊にものすごい勢いで雪ノ下が突っ込んでってるな…

米屋『吉里隊と間宮隊は結託して玉狛第二を相手にするべきだったなー、ってよ』

八幡『その2隊には悪いけど、それでも無理だと思うがな。てかもう遅いし』

武富『は…え…?』


ビュカッ!

吉里「…え?」

雪ノ下「まず一人」

『戦闘体活動限界 緊急脱出』

ドンッ!

北添「なっ…!?」

月見「このっ!!」ヒュッ


雪ノ下「!」

ガキン!

月見(妹)の弧月を雪ノ下は局所シールドでガード
そして…


雪ノ下「ふっ」ビッ

ドスッ!

北添「がっ…!」ピシ…

月見「北添!」

スコーピオンを飛ばして北添(弟)のトリオン供給器官を貫き

雪ノ下「余所見をしてて大丈夫?」バッ

月見「…っ!!」

ザキンッ!

最後は足にはやしたスコーピオンで月見を蹴り上げるように斜め下から真っ二つ
えげつねぇな

『戦闘体活動限界 緊急脱出』

雪ノ下「任務完了ね」

ドドンッ!!


武富『なっ!?吉里隊があっという間に全滅!?』

米屋『あー、やっぱりこうなっちゃうか』

八幡『当たり前だけど容赦のない瞬殺だったな』


モブ「な、なんだあいつ…!?」

モブ「B級下位の動きじゃねぇぞ!」


そりゃA級トップチームから誘いがくるほどだしな

間宮「あいつ、入隊最初の訓練で話題になってたやつだぞ。しかももう一人のこっちに向かってくる白髪のやつも緑川に勝って有名になってたやつだ」

鯉沼「まともに当たるのはよくないね」


武富『これには間宮隊も迂闊に動けない!建物に隠れて待ちの構えか!』

八幡『間宮隊にはハウンドストームがありますからね。待ちに徹するのはまぁ当たり前でしょう』

米屋『近寄ってきたところをズガン!…ってところか』

武富『さぁ玉狛第二はこれにどう対応する!?』

待ちをするんならバックワームとか使ってまず居場所を知られないようにしろよ、間宮隊
知らないだろうからしょうがないとは言え、雨取がいると意味ねぇぞ

宇佐美『千佳ちゃん、あの建物撃ってくれる?』

雨取「はい!」

ズドッッ!!!!

ボンッ!!

「「「うおあ!?」」」


武富『どわぁ!?な、なんだこれは!?』

八幡『大砲です』

米屋『大砲ですな』

武富『た…は!?え!?』


宇佐美『遊真君!』

空閑「おう!」ヒュッ

間宮「ひぃ!?白いあく…!」

ズパパパッ!!!

『戦闘体活動限界 緊急脱出』

ドドドンッ!


武富『しょ、衝撃の決着!!というか今のなんだ!たいほうって…大砲!?』

八幡『落ち着け武富』

米屋『生存点も含めて一気に8得点ですね~』


モブ「は、8得点…!?」

モブ「そんなもん聞いたことねぇぞ!?」


八幡『玉狛第二が合流せずに分散したのも一人で倒せる自信があったからでしょう』

武富『なんと…!強い…!このチーム強いぞ!!』

そりゃなぁ
実戦経験豊富な熟練者にA級からオファーがくるルーキー、そしてトリオンモンスターのスナイパー、あとは今回いないけどこのチームの頭脳といえる三雲
強くないわけがない

武富『8得点ゲットでこれで一気に中位グループに入り込んだ!この勢いのままいけるか!?』

八幡『どうでしょうね…B級中位、ここからが正念場です』

米屋『次は…荒船隊に諏訪隊かー。どちらも一癖ある隊ですね~』

武富『B級に突如として現れた新星の戦い、次戦も注目です!』


今日はここまで
課題がキツイ…

ではまた

こんばんは
お久しぶりです
少ないですが投下します


はぁ、ようやく終わった
間宮隊や吉里隊にはこう言っちゃ悪いが、正直雪ノ下達が瞬殺してくれたおかげで特に喋ることもなくすぐ終われたので助かった
やっぱ目立つことは嫌いだ
精神的にひどく疲れる
二度とやらんぞ

八幡「お、三雲、今から雪ノ下達のところに向かうか?」

三雲「あ、はい」

八幡「俺も行く。米屋はどうする?」

米屋「あー、思ったより早く終わったからなー。俺は個人ランク戦ブース行ってくるわ」

またランク戦かよ

八幡「あいよ。じゃあまたな」

三雲「お疲れ様です」

米屋「じゃな~」ヒラヒラ


八幡「さて、行くか。先輩として労いの言葉もかけてやらんとな」

玉狛に与えられたランク戦室ってどこだったっけなぁ
正直かなり昔だし最近は使ってないしではっきりと覚えてないんだよな
うーん…

八幡「三雲、俺場所分からんから案内頼む」

三雲「あ、はい。こっちです」

カツ…カツ…

三雲「あそこです」

空閑「お、修。それに比企谷先輩も」

宇佐美「あ、ハッチー!解説おつかれ~」

雨取「お疲れ様です」

八幡「お前達もお疲れさん。圧倒的だったな」

雪ノ下「当たり前じゃない。私と空閑君がいるのよ?」

八幡「あんまり余裕ぶっこいてると痛い目見るぞ。特に次の相手からは、な」

雪ノ下「大丈夫よ。油断はしていないわ」


三雲「次は荒船隊と諏訪隊か…。荒船隊は3人全員がスナイパーというかなり異色な部隊だし、諏訪隊も中近距離で強い部隊だ。これからいろいろ研究しないと…」

八幡「ほどほどにな。根をつめすぎると身体が治りきらんぞ」

三雲「はい、ありがとうございます」

八幡「それじゃあそろそろ支部に帰ろうぜ。レイジさんと小南が飯作って待ってくれてる」

空閑「お!それは期待できますな」≡3≡

雪ノ下「ふふっ、では早く行きましょうか」

宇佐美「祝勝会だね!」

雨取「楽しみです」

支部に帰ると時刻は既に夜の8時過ぎ
間食もしていないし、腹は減りに減っている
今の扉を開けると既にレイジさんと小南が盛り付けを行なっているところだった


宇佐美「ただいまー!」

迅「お、帰ってきたなー」

林藤「初勝利おめっとさん!」

八幡「迅さんにボスまで…最近じゃ珍しいっすね」

林藤「城戸さんに無理言って今日だけ早く上がってきたんだよ」

迅「そういうこと。なんてったってかわいい後輩の初勝利を祝う会だからな。でないわけにはいかんでしょ」

八幡「よく城戸さん許してくれましたね…」

林藤・迅「「ゴリ押した」」

八幡「…」

城戸さんの顔が歪む様がありありと想像できる

レイジ「全員お疲れさん。手を洗ってこい。すぐ飯にするぞ」

雨取「はい!」

宇佐美「早くいこ、千佳ちゃん!わたしもうお腹ぺこぺこだよ~」

小南「今日は初勝利ってことで奮発してお寿司も頼んだわよ!」

空閑「ふむ?おすしとは?」


八幡「酢を混ぜた白飯の上に生魚の切り身を乗せた料理だ」

空閑「生魚…。大丈夫なのか?」

三雲「日本のなら大丈夫。ちゃんとそれ用の管理なんかもしてるよ」

空閑「ふむ。なら楽しみですな!生魚を食べるのは初めてだ」

雪ノ下「ふふっ、何事も初めてというのは楽しみなものね」

小南「びっくりするくらい美味しいわよ!」

八幡「そういや京介はどうしたんすか?見当たらないっすけど」

レイジ「バイトだ。どうしても抜けられなかったらしい。だがあと30分もすれば帰ってくるだろう。9時上がりだと言っていたしな」

雪ノ下「烏丸君も大変ね。防衛任務に加えてバイトなんて…」


レイジ「京介は家庭の事情もあるからな。さぁ早く手を洗って来い。寿司だけじゃなくて小南のカレーと俺のからあげもあるからな。冷めてしまってはもったいないだろう」

八幡「了解」

雪ノ下(家庭の事情、ね…)「はい」

空閑「了解です」

三雲(からあげはいいとして、寿司とカレー…?)

こうして玉狛の夜はまたふける
ちなみに京介が帰ってきた頃には既に寿司だけなく、ちょっと悲しそうな顔をしていて申し訳なくなったのはまた別の話だ
今度なんか奢ってやろう…


八幡「やー、なんか久しぶりっすね」

レイジ「先月は大規模侵攻もあって中止になっていたからな」

小南「二ヶ月ぶりね」

京介「今月の相手は三輪隊ですよね」

レイジ「そうだ」

八幡「三輪隊かー…。奈良坂が鬼門だな」

小南「だからこのMAPにしたんじゃない。というかあんたは目で見て避けれるでしょうが」

八幡「後ろから撃たれたりしたら避けらんねぇよ。見えないもんは避けれん」

京介「奈良坂先輩なら普通にやってきそうですよね。死角からズドン、と」

レイジ「それどころか避けた先を予測して撃ってきたりするかもしれんぞ」

八幡「怖いこと言わないでくださいよ…」


俺達は今現在普段三雲達が本部で使っている部屋に集合している
何故か
それは「対黒トリガー想定訓練」のせいだ
まぁつまり、「玉狛って全員揃うと黒トリガーに普通に対抗できる戦力になるから、玉狛を相手にすれば黒トリガーを想定した訓練になるんじゃね?」というわけだ
なら最初から風刃持ちの迅さんや天羽を相手にすりゃいいだろう、と思う人もいるだろう

もちろん最初はそのつもりだったらしい
だが迅さんはこれを頑なに拒否、天羽はそもそも相手にすると訓練にすらならないので無理
今思えば迅さんは黒トリガー争奪戦のために手の内を隠しておきたかったのだろう
迅さんもこれには非常に頑なであったので城戸指令も悩みに悩んだその結果、俺達玉狛第一に任せるという形になったのだ
まったく、ふざけてやがる

しかもそれをこちらが容認しない場合には玉狛製のトリガーを本部が承認していないという理由で取り上げるとまで言う始末
そんなもん俺達に拒否権はないようなものじゃねぇか
というわけで俺達は仕方なく月に一度、どこかのA級チームと模擬戦をすることになったのだ

今にしてみれば空閑相手にすればいいんじゃね?と思ったが、どうもどのA級のやつらも本来の目的である黒トリガーを想定した訓練ではなく、俺達を倒すということが目的にすり替わっているようなのだ
まぁA級の人達って基本負けず嫌いが多いからなぁ…


あ、でもこれは当然俺達も玉狛製トリガーの使用が許可されている
使わないと流石に黒トリガーと同等かって言われたらそれはないと断言できる
俺達はそこまで自惚れていない
まぁでもこの訓練、俺達にとっても良い訓練の機会になっているからウィンウィンの関係ってやつだ

ちなみに今までの戦績は俺達の全戦全勝
唯一危なかったのは半年前のvs太刀川隊
俺と京介が落され、レイジさんも片腕をなくすというところまで追い詰められた
あの時は少しひやっとしたなぁ

宇佐美「もうあと30秒後だよー」

レイジ「よし、最終確認だ。作戦は特に何かない限りはいつも通り」

京介「俺とレイジさんで小南先輩のフォローをして」

小南「そんで私の一撃につなげる、ね」

八幡「仕留め切れなかったら俺がそのフォロー、と」

宇佐美「5秒前!4、3…」

レイジ「よし、行くぞ」

宇佐美「1、転送!」


武富『さぁどちらの部隊も転送完了!ついに始まるA級三輪隊vsボーダー最強部隊!今回は二宮隊長と冬島隊長におこし頂いております!』

二宮『よろしく頼む』

冬島『よろしく!』

武富『MAPは工業地帯が選ばれていますが、これについてはどう思いますか?』

冬島『この対黒トリガー想定訓練ってのはMAP選択権が毎回玉狛にあります。あくまで他のA級チームにとっての訓練ですからね。んで、これはまぁ奈良坂と古寺の狙撃封じが目的でしょう。工業地帯はビルや建物がとても多く、射線が通りにくい』

二宮『三輪隊は狙撃と近接が高いレベルにある。その片方を潰すだけで文字通り脅威は半減するだろうからな』

武富『なるほど!』

冬島『ただ奈良坂はそんなことお構いなしにすんごいとこから狙撃とかするかもなぁ』

武富『スナイパーランク2位の奈良坂隊員の狙撃技術は出水先輩をして変態と言わせるレベル。玉狛は安心できないか!?』


雨取「わぁ、なにかワクワクしますね」

雪ノ下「ボーダー最強の部隊玉狛第一、彼らの全力を見られる機会はそうはないでしょうね」

三雲「会場は既に満席状態、立って見てる人達もいるくらいだ…。他のA級チームやB級チームもたくさん見に来てるし、すごいな…」

空閑「それだけみんなが楽しみにしてるってことだな」


俺が転送されたのは東端にあるビルの屋上
このMAP自体がそう広いものじゃない
レーダーを確認すると既に一人、三輪隊の誰かが近くにいるな
転送された位置が近かったか

八幡『どうします?レイジさん。いつも通り合流しますか?』


レイジ『…いや、作戦変更だ。最初に写ったレーダーから見て三輪隊がかなりバラけて転送されている。全員合流はしない。俺と小南、八幡と京介でそれぞれ合流して三輪隊が合流する前に一人ずつ敵を減らす。もし相手が全員合流してしまった場合はこちらも全員合流して元の作戦通りに動く。いいな?』

八幡・小南・京介『『『了解!』』』

宇佐美『各組の合流ポイントを送るね』

京介『比企谷先輩、まず誰からいきます?』

八幡『宇佐美、こっちの合流地点はいい。古寺か奈良坂か、俺の近くにいた一人がバックワームを起動してレーダーから消えた。そいつから落すぞ』

宇佐美『おっけー!』

京介『了解です。そちらに向かいます』


月見『相手はどうやら2組に分かれるみたいね。2対1でこっちを一人ずつ確実に減らす気なのかも』

三輪『全員がそれぞれ遠い…。転送位置が悪い。急いで合流するぞ』

米屋『あいよー』

奈良坂『了解』

古寺『了解!』


さて、俺たちの猛攻…しのげるか?三輪隊!


今日はここまで
来週再来週は余裕があるので、そこでたくさん書き溜めて投下できたらと思います

ではでは


そういえば、八幡のパラメータを書いていなかったので書いておきます

通常時
トリオン 7
攻撃 9
防御・援護 7
機動 8
技術 11
射程 5
指揮 4
特殊戦術 2
トータル 53

ヤマト起動時
トリオン 7
攻撃 15
防御・援護 3
機動 8
技術 11
射程 7
指揮 4
特殊戦術 7
トータル62

こんばんは
短いですけど投下します


武富『さぁ各隊員一斉に動く!どうやら三輪隊は合流を急ぐ模様!玉狛第一は…これは合流はしない様子!比企谷隊員が近くにいた古寺隊員を追いかけます!』

冬島『これは古寺ピンチですよー。バックワームを起動したとは言え、元々の転送位置が比企谷とかなり近かった。レーダーどころか視認さえも可能なレベル
でしょう。さらには比企谷には目のサイドエフェクトがある。時間の問題かと…』

二宮『どうやら見つかったようだ』

武富『おっとー!?』


八幡「古寺だったか」ダンッダンッ

古寺「くっ…!」ダダダダッ

近くには三輪も米屋もいない
ヤマトを起動させるまでもないな


月見『まずいわ…古寺君が見つかった』

三輪『チッ…!』

米屋『章平、逃げ切れそうか?』

古寺「厳しいです…!もう見えるところまで接近されてます!」


八幡「アステロイド」キン

古寺「!!シールド!」


ドドドドドドッ!バリンッ!


古寺「ぐっ…!」シュゥゥゥ


武富『古寺隊員が比企谷隊員につかまった!アステロイドの弾幕でシールドでも防ぎきれない!』

冬島『終わりかなー』


八幡「旋空弧月」キィン

古寺「くそっ!!」


パッ!


八幡「…っ!!」バッ

ボッ!!!


奈良坂「外したか…」


狙撃…!あぶねぇ!
奈良坂の援護射撃か!!

奈良坂『章平、今のうちに逃げろ』

古寺「了解!」バッ


八幡「逃がすか」ダンッ


パパパッ!

八幡「…っ!シールド!」ガキキキン

ライトニング…!
俺の足を止めるつもりか

八幡「チッ!京介!」

京介『了解』


月見『奈良坂君、気をつけて。8時の方向から一人来てるわ。恐らく烏丸君』

奈良坂「了解。離脱する」


武富『比企谷隊員、古寺隊員を仕留め切れない!奈良坂隊員の援護射撃で古寺隊員もなんとかこの場から離脱!』

二宮『比企谷のミスだな。最初のアステロイド、あれはアステロイドではなく一撃の威力が高い旋空を放つべきだった』

冬島『もちろん奈良坂の狙撃も上手いんだけどな~』


八幡「すまん京介。仕留めきれなかった」

京介『いえ、こちらもすいません。奈良坂先輩を見失いました』

宇佐美『うぐぐ~!ごめん、情報支援が遅れた~!』

八幡『レイジさん、すいません。合流を許してしまいそうです。そっちの状況はどうっすか?』


レイジ「そうか。了解した。お前達もこっちへ来い。今は小南と共に米屋と三輪と交戦中だ」

八幡『了解。すぐ向かいます』

京介『了解』


米屋「やっぱつえーなぁ…玉狛第一」シュゥゥゥ

三輪「…っ!」シュゥゥ


小南「…」ザッ

レイジ『よし、このまま押し気味に攻めるぞ。二人と合流し次第総攻撃をかける』

小南『りょーかい!』


武富『おっとー!?比企谷隊員側の少しの攻防の間に既に米屋隊員が左腕を失っている!さらには三輪隊長もわき腹に傷を負っているだとー!』

二宮『小南と木崎さん、個人の実力としてもトップクラスの二人の連携だ。例え三輪や米屋であろうとも無傷で凌ぐのは厳しいだろう』

冬島『近接戦闘で玉狛第一と正面からやりあえるのなんて太刀川隊と風間隊くらいじゃないか?』


小南『奈良坂と古寺がこっちに来る前にどっちかは落しておきたいところだけど…』

レイジ『無理はするな。慎重にいけば勝てる相手だ。無茶をする必要はない』

小南『それもそうね』

レイジ『取り合えず二人が来るまでは俺の射撃と小南の双月で削るぞ』

小南『了解!』


ドガガガガガガガガ!!

三輪「シールド!」

米屋「うおっ!シールド!」

ガキキキキン!

レイジ「小南」ドガガガガガ

小南「おりゃぁ!!」ゴォッ

米屋「っ!」バッ

ブォッ!

米屋「っぶね!」

三輪「バイパー!」ドドドドドド

小南「っ!」ババッ


「斬空弧月 死突」


米屋「!!秀次!!」ババッ

三輪「っ!!」ババッ


ボッ!!!
チッ!


米屋「うおっ!かすった…!」

三輪「比企谷…!」


八幡「外したか」タン

京介「お待たせしました」ザッ

レイジ「来たか」

小南「あんたちゃんと古寺倒しときなさいよね」

八幡「それについては素直にすまん」

それは完全に俺のミスなので弁解の余地もない


レイジ「お前達がここにいるということは恐らく奈良坂と古寺も既にこっちに到着しているな。もう狙撃地点についている可能性もある」

京介「どうしますか?」


パパッ!


宇佐美『警戒!』

「「「「!!」」」」ババッ


ヒュンッ!
ボッ!!


京介「ちっ!」ブシュウゥゥ

後方からの射撃…!
京介の右腕がやられたか
作戦会議中に後ろから撃ってくるなんてやってくれるぜ


宇佐美『5時と7時の方向!』

レイジ「八幡」

八幡「了解。メテオラ+弧月」ギュワン


米屋『古寺!奈良坂!気をつけろ!』

古寺『!』

奈良坂『二人が昨日言っていたやつか…!』


八幡「爆塵弧月」ビッ


ドォォォォン!!!


…緊急脱出の光が出ない
逃げられたか


武富『な、なんだこれは…!?さっきの白線が通ったように見えた斬撃もそうだが、これは一体…!?』

二宮『比企谷のやつ、試作トリガーが完成していたのか』

冬島『あー、当真が言ってたやつか。確か…ヤマト、だっけか?』

武富『こ、これが…!私、今までの対黒トリガー想定訓練はなんの不幸か全て予定が合わなくて実況が出来ず、ログでしか見て来れませんでしたが…実際に見るとすさまじいですね…!』

二宮『木崎さんのフルアームズ、烏丸のガイスト、小南のコネクター、そして比企谷のヤマト。どれもこれも瞬間の戦闘力では他の追随を許さない圧倒的なものとなる』

冬島『今はまだ比企谷だけだけど、他も使ったら三輪と米屋はやばいだろうな…と、言ったそばから』


小南「コネクター オン」キィィン

レイジ「フルアームズ オン」ギィィィィ


米屋「!!」

三輪「ぐ…!」ギリッ


武富『比企谷隊員に続いて小南隊員と木崎隊長も独自のトリガーを起動!しかし烏丸隊員は起動していないようですが?』

二宮『烏丸のガイストは起動したら最後、限られた時間しか活動できなくなり、それが過ぎると緊急脱出する。もしもの場合に備えて温存しておくのだろう』

武富『な、なるほど…!』


レイジ「狙撃でこちらも落されるかもしれんが、三輪と米屋はここで確実に落すぞ」

八幡・小南・京介「「「了解」」」

今日はここまで

ではでは

長らくお待たせしました
すぐには投下出来ませんが、今日中には投下します

投下します


武富『比企谷隊員に続いて小南隊員と木崎隊長も独自のトリガーを起動!しかし烏丸隊員は起動していないようですが?』

二宮『烏丸のガイストは起動したら最後、限られた時間しか活動できなくなり、それが過ぎると緊急脱出する。もしもの場合に備えて温存しておくのだろう』

武富『な、なるほど…!』



奈良坂『三輪、どうする?』

三輪『…まずは烏丸だ。ガイストを使われる前に落す』

奈良坂『了解』

古寺『了解!』

米屋『おっけー』


八幡『ヤマト解除まであと120秒です。今のトリオン量は5割ってとこっすね』

レイジ『わかった。小南、八幡、お前達で前線を維持しろ。京介は射撃でそれを援護だ』

京介『レイジさんはどうするんですか?』

レイジ『スナイパーに仕事をさせなくする』

おっとこれは…
三輪隊にとって悲惨なことになりそうだな

宇佐美『おっけー。情報を視界に表示します』

小南『…なるほどね。了解よ』

京介『万が一の場合は俺もガイストを起動させます』

八幡『ああ』

レイジ『よし、いくぞ』


二宮(!木崎さんが動く…)


レイジ「スゥ…」キュィィィィィン


三輪「…!」ピクッ

奈良坂「…!!まさか!!」バッ


キュドドドドドドドドドドドド!!!!!


奈良坂「章平!下に降りろ!」ババッ

古寺「な…!」


ドドドドドドドド!!!


『戦闘体活動限界。緊急脱出』

ドンッ!

三輪「古寺…!」

米屋「おいおい…冗談だろ…」


武富『な…こ、これは…!?』


キュドドドドドドド!!!!


武富『木崎隊長が周囲の建物を一掃!?いや、比較的高い建物を集中して爆撃しているのか!?』

二宮『スナイパーの狙撃地点を洗いざらい潰していってるな』

冬島『はは…こりゃ、スナイパーにとって地獄のような光景だろうなぁ』


レイジ「よし」シュウゥゥゥゥゥゥ

『フルアームズ オフ』バシュゥ

八幡「これで狙撃はかなりしづらくなるはず。古寺もついでに落せたのはラッキーでしたね」ザッ

小南「でもまだ奈良坂は残ってる。気をつけないと一瞬で落されるわよ」スタスタ

八幡「分かってるよ」ザッザッ


京介「狙撃がなければこっちのもんですね。援護しますよ」

小南「30秒で二人とも落すわよ」スッ

八幡「おう」チャキ



三輪「…!」ザリッ…

奈良坂『三輪、どうする?はっきり言って俺にとっては最悪の状況だ』

三輪『…やはり狙撃ポイントは全て潰されたのか?』

奈良坂『一つだけ…残っているには残っているが、そこからではここまで射線が通らない』

米屋『ってことは射線が通るとこまで誘導すりゃいけるってことか?』

奈良坂『…出来るのか?』

三輪『どのみちそれしか手は残っていない。このまま俺達二人で戦っても負けるのは明白だ』

米屋『ってことだ』

奈良坂『…了解。狙撃地点に移動する』

月見『安全なルートを表示するわ』


三輪「いくぞ」バッ

米屋「あいよっ」バッ


八幡「ん?」

京介「撤退…ですかね?」

ドドドド!

八幡「!」ガキキキキン


武富『なっ!バイパーを全て剣で叩き落した…!?』

二宮『忍田さんと比企谷にしかできん芸当だ』

武富『な、なんという技術…!』


小南「そっちか!」ダッ

レイジ「まて、小南」

小南「…?」ピタッ


京介「?レイジさん、追いかけないんですか?」

レイジ「恐らくあいつらは奈良坂の狙撃を生かせる地点まで俺達を誘導させるつもりだ」

八幡「まぁそうでしょうね。あいつらにはそれしか残ってないでしょうし」

小南「だからって追いかけないでジッとしてても仕方ないじゃない」

京介「俺のガンナーシフトで壁ごと撃ち抜きますか?」

レイジ「いや、こうなるだろうと思って…――――――」


うへぇ…
まぁ隊の勝ちを優先するのは当たり前か
しょうがないしょうがない

小南「りょーかい!」ダッ

京介「了解です」ダッ

レイジ「頼むぞ、八幡」

八幡「うっす」ダッ


月見『!かかったわ』

三輪「奈良坂、どうだ?」

奈良坂『もう大丈夫だ。狙撃地点についた』

米屋「よっし、迎え撃つぜ!」


八幡(ヤマト解除まで70秒…まぁその前に終わるか)


小南「メテオラ」ボボボッ

三輪「!」

月見『上よ!』

米屋「シールド!」

ドドドドォン!


京介「ふっ!」ドッ

三輪「!」ガンッ


小南「シッ!」

米屋「うおっと!」バッ


三輪(木崎さんはどこだ…?隠れて射撃のチャンスをうかがってるのか?)バッ

米屋(小南の攻撃は威力が高すぎてガード不可ってのが辛いよなぁ)ババッ


八幡「爆塵弧月」キィィン


三輪「…!!そこか!」ドンッドンッドンッ

八幡(鉛弾…!)「やべっ…!」バッ


奈良坂「…!」ドンッ

米屋(ハッチーの真後ろからの狙撃!気付いてねぇ!もらったぜ!)



ボッ!!


八幡「…」ピシ…ピシッ…

『戦闘体活動限界』

八幡「さすがだな、奈良坂」ピシ…


三輪(…?なんだ?全く驚いた様子がない…。まるで想定していたかのような…)


『緊急脱出』

ドンッ!

三輪「…」

米屋「よっしゃこの調子で…」


京介「ガイスト オン。ガンナーシフト」ギィィィィィ

『緊急脱出まで175秒 カウントダウン開始』

小南「メテオラ」キン


奈良坂「…!!」

三輪(まずい…!)「奈良坂!」


ドドドドドドド!!
ボボボボッ!


奈良坂「くっ…!!」ババッ

ズドドドドドォォン!!


奈良坂(間一髪だった…!窓から飛び降りるのが少しでも遅かったら即死だったな。だがこれで狙撃地点は0になった。あとは民家の屋根からしか…)



ドンッ!!!!




奈良坂「…!?」


ボッ!!!


奈良坂「狙撃…!!」ピシ…ピシ…


レイジ「命中した。仕留めたぞ」

京介『流石です』


『戦闘体活動限界 緊急脱出』

ドンッ!

三輪「…そういうことか」ギリッ

米屋「あっちゃー。まんまとつられたってことかー…」



レイジ『こうなるだろうと思ってさっきの爆撃の時、一つだけ狙撃地点を残しておいた』

小南『?なんで?』

レイジ『奈良坂を確実に落すためだ。奈良坂は爆撃では落せないだろうと思っていたからな。まさにその通りになったわけだが』

八幡『どういうことですか?』

レイジ『あいつらは俺が残した狙撃地点の方へと向かった。まず間違いなく奈良坂が張っていると見ていいだろう』

小南『…そっか。つまり、今なら奈良坂の位置が確実に分かるってことね』

京介『なるほど…』

レイジ『そうだ。そこで囮として八幡、奈良坂にわざと背を向けろ』


八幡『釣るんすか?俺で釣れますかね?ほら、あいつらには俺の目が知られてますし』

レイジ『だからこそ背を向けるんだ。あいつらは八幡がシールドを使えないことが分かっている。さらに八幡が背を向けた、となれば必ず撃ってくる』

八幡『なるほど…。奈良坂ならまず撃ってくるでしょうね』

小南『そしたらそこに集中砲火ってわけね』

レイジ『あぁ、だがそれも避けられる可能性はある』

京介『…奈良坂先輩なら避けそうですね』


レイジ『そこを俺が狙撃する』

八幡『…!』


小南『狙撃地点は一つを残して全て潰したんじゃなかったの?』

レイジ『普通なら狙撃地点にはならん。そこからでは残した狙撃地点しか狙えん』

小南『なるほど』

レイジ『他に質問はあるか?』

八幡・京介・小南『…』

レイジ『よし、いくぞ』

小南『りょーかい!』ダッ



レイジ「これでかなり楽になったな」ザッザッザ

京介「そうっすね。ブレードシフト」キィィン

小南「比企谷の犠牲は無駄にはしないわよ」

八幡『おい、俺を死んだやつみたいに言うな』

宇佐美『はいはい、後でねー』グイッ

八幡『あ、ちょっとま…』


三輪「…」

米屋「絶体絶命ってやつかなぁ…」

小南「観念しなさい」ダッ


三輪(次だ…。次こそは…!)



武富『ここで決着!三輪隊の全滅で玉狛第一の勝利です!』


三雲「す、すごかった…」

雪ノ下「もはや別次元の強さね」

空閑「レイジさん達、さすがだなー」

雨取「すごく強かったね」


武富『二宮隊長、冬島隊長、総評をお願いします』

二宮『玉狛第一が作戦・戦力共に三輪隊を遥かに上回っていた。それが結果にそのままでただけだ。三輪隊は終始後手に回っていて攻めることが出来なかった。最後のも結局は釣りだったわけだしな』

冬島『三輪隊は近距離と遠距離が上手く連携すればかなり強いけど、どちらかが機能しなくなるだけでごり押しで勝負を決められちまう。今後もしバラけても高いレベルで戦えるようになれれば、三輪隊はもっと上にいけるだろうなー』

武富『なるほど。今日はお二人ともありがとうございました!これにて今月の対黒トリガー想定訓練は終わりです。みなさんお疲れ様でした!』


ここまで
一ヶ月も空いてすいませんでしたw
課題に追われる毎日です…
頑張ってちゃんと続きも書きたいと思います

ではでは

こんばんわ
こんな時間ですが投下したいと思います


対黒トリガー想定訓練が終わり、現在は玉狛支部に戻ってきている
今夜は祝勝会だ
そもそも俺達は他部隊との試合というものをほとんどしないことに加えて、先月の対黒トリガー想定訓練は中止になっていたので玉狛第一の祝勝会も久しぶりだ

修「あのー、僕達も参加していいんですか?」

宇佐美「もっちろん!」

小南「遠慮なんかしなくていいわよ。てか私たちだってアンタ達が勝った時に一緒に祝勝会してたじゃない」

空閑「確かに」

レイジ「こういうものは皆で楽しくやるのが一番だ」

八幡「ってことだ」

雪ノ下「ふふっ、それじゃあ私たちも参加させてもらいましょうか」

雨取「そうですね!」

京介「それじゃあ電話しますよ」


この日は珍しく出前で寿司を頼むことにした
それも特上寿司だ
なんか自分達の祝勝会に自分達で飯を作るってのも変だしな


迅「みんなおつかれー」ガチャ

八幡「お、迅さん」


今回も玉狛全員集結、と言いたいところだったがボスは来れないらしい
陽太郎も今日は米屋の家でお世話になってるとか

レイジ「遅かったな」

迅「会議がちょっと長引いてね」

京介「いいタイミングですね。もうすぐ寿司が届きますよ」

迅「お、今日は寿司か!」

小南「しかも特上よ!」

空閑「楽しみですな」


三雲「空閑はこの前食べて以来すっかり好物になったみたいだな」

空閑「ニホンの食べ物は全部美味い」≡3≡

雪ノ下「あら、納豆も?」

空閑「ナットウ?」

八幡「独特のねばりとにおいがある豆の食べ物だ。外国人にはこのにおいが駄目という人が多いんだよ」

小南「納豆なら確か冷蔵庫にあるわよ」

八幡「食ってみるか?」

空閑「是非」キラーン


ピンポーン

迅「お、ちょうど寿司も来たみたいだな」

レイジ「よし、俺と迅で受け取っておくからお前達は準備をしていてくれ」

京介「了解です」


どんちゃん騒ぎの祝勝会となった
やっぱり玉狛はこうじゃなくちゃな


でも結局空閑は納豆は食べられなかった
口にいれた瞬間ものすごい顔をしてた


三門市の日常も大分戻ってきた
世間もここまで早く日常に戻れたのは一重に市民の死者が0だったことが大きいだろう
建物は崩れはしたが、市民の動揺は4年半前に比べてかなり小さかったしな

まぁそのおかげなのかね
文化祭は予定通り行なうらしい
まぁ辛気臭いことがあったばかりなのだ
こういう行事で活気を取り戻そうとするのはいいことではないだろうか


八幡「だからって俺には関係ないはずだったんですけどね…」

雪ノ下「あなたまだグチグチ言っているの。もう諦めなさい」

八幡「なんでこうなったかなぁ…本当…」


俺は現在文化祭実行委員会の会議室にいる
何故そんなとこにいるかって?
役員だからに決まってるだろ…!!
保健室に行っている間に先生によって無理やり決定させられていたというなんとも恐ろしい権力による暴力
だがただの生徒であり、なおかつ教室でぼっちの俺に拒否権などあるはずもなく、文句も言えずにこうなったというわけだ


ガラッ

荒船「ん?比企谷じゃねぇか」

八幡「荒船さん?」


会議室に荒船さんが入ってきた
荒船さんも実行委員なのか


荒船「え?比企谷が実行委員やるのか?冗談じゃなく?」

八幡「冗談だったら嬉しいんですけどね…」

荒船「あぁ、お前も無理やり決められた感じか」

八幡「まさにそうですね…」

荒船「まぁここにいる大概のやつらはそうだろうな。かくいう俺も立候補したわけじゃなくクジで決まったんだが」

八幡「まぁ諦めるしかないですよね…」

荒船「そうだな。やるからにはキチンと仕事はこなすぞ」

八幡「うーい」


雪ノ下「あら比企谷君、その方は…確か、荒船さん?」

荒船「ん?俺を知ってるのか…ってなんだ。玉狛第二の子か」

八幡「あれ、知り合いっすか?」

雪ノ下「いいえ。でも私は次の対戦相手だから調べてて、それで名前と顔は知っているのよ」

荒船「俺も同じく。始めましてだな、荒船哲次だ。次のランク戦ではよろしく」スッ

雪ノ下「雪ノ下雪乃です。こちらこそよろしくお願いします」ギュッ

ガラッ

三輪「な…?比企…谷?」

三上「嘘…」

奈良坂「お前が実行委員やるなんて…一体何があった?」

八幡「今度はお前らか…」

この三人も俺を見るなり信じられないといった様子だ
まぁ俺が一番信じられないんですけどね!!!


城廻「それではそろそろ文化祭実行委員会をはじめまーす」

何回か集会でみたことのある生徒会長、城廻めぐり先輩が立ち上がってそう言った
傍には綾辻もいる
そうか、あいつそういえば生徒会だっけか
何やら三上に手を振っており、三上もそれに笑顔で手を振り返している
本当お前ら仲良しだなぁ

城廻「えっと、まずは実行委員長の選出に移りましょう。立候補者はいますかー?」

実行委員長か
俺は論外だな
雪ノ下辺りがいいんじゃないかと思うが、本人に手をあげる様子はない

…結局誰も手をあげない、というね
まぁほとんどの人がしょうがなく実行委員をやってるだろうから仕方がないと言えば仕方がないのかもしれない
体育教師の厚木も雪ノ下に振るが、雪ノ下はそれをいなす
どうやら実行委員長をやる気は全くないようだ


城廻先輩も困った様子だ
すると視界の端の方でゆっくりと手があがるのが見えた

相模「あ、あのー、誰もやりたがらないなら、うち、やってもいいですけど…」

あ?
えっと…確かこいつは…相模?だっけか?
こいつは俺と同じクラスの女子枠での委員だが、本人はしぶしぶ実行委員にされちゃったとかなんとか言ってた気がするが…
そんなやつが実行委員長?大丈夫か?

城廻「本当?嬉しいな!じゃあ自己紹介してもらえる?」

相模「2年F組の相模南です。こういうの少し興味あったし、あんまり前に出るのは得意じゃないんですけど、この文化祭を通して成長…スキルアップっていうのかな?そういうのができるかなぁって…」

いや成長したいと思うのは勝手だし、良いことだとは思うが、なんで知り合いでもない俺達がそれを手伝わないといけないんだ


城廻「うんうん、そういうのもいいよね!」

ちらほらと拍手が起こり始めた
まぁ他に立候補者はいないし、成長うんぬんは別にどうでもいいか

城廻「じゃああとは各役割だね」

その後は残りの役割決めとなった
さぁここだ
ここだけは本気でいかなければならない
なるべく仕事の少ない役職を…!!

城廻「じゃあ相模さん、よろしくね」

相模「え、うちですか?」

城廻「うん。ここからは実行委員長の仕事だと思うし」

相模「はい…。えっと、じゃあ…せ、宣伝広報やりたい人…?」

シーン

この擬音考えた人天才だよな


城廻「宣伝広報だよー、誰かいないー?」

城廻先輩も声をかけるが反応は皆無
悲しいね

相模「じゃ、じゃあ…有志統制…」

そういった瞬間結構な勢いで手があがった
まぁ有志は文化祭の花形だしな

相模「え、え…」

城廻「多い!多いよ!じゃんけんじゃんけん!」

ややパニックになっている相模に城廻先輩がたまらずフォローをする
本当大丈夫か…?


役員決めの結果は、見事仕事が最も少ないであろう記録雑務になることができた
というか記録雑務の立候補者自体それほど多くなく、すんなりなることができた
意気込んだ俺が馬鹿みたいじゃねぇか…

知り合いとしては、荒船さんが物品管理
三輪と奈良坂は会計監査
三上は保健衛生
そして雪ノ下は俺と同じ記録雑務となった

ちなみに記録雑務の担当部長はジャンケンで3年生の先輩に決まった
それでいいのか実行委員

この日はこれで解散
仕事は明日から始まるらしい

どうも嫌な予感がするな…
あ、やば、フラグたてちまった

ここまでです
次回は8月になるかなと思います

ではでは

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年08月25日 (木) 02:14:11   ID: 6EqCZGg-

まってた

2 :  SS好きの774さん   2016年12月06日 (火) 00:33:12   ID: yAsB1n0g

まってる

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