【俺ガイル】八幡「ボーダーか…」【ワートリ】 (938)

前のスレではすいませんでした
新たにここで始めさせていただきます

主人公 八幡の基本的なトリガーセット
メイン
弧月、メテオラ、シールド、バッグワーム
サブ
旋空、メテオラ、バイパー、アステロイド

ここから射撃トリガーを組み替えたりしている
基本避けるスタイルなのでシールドは念のためとして片方にだけ装備

では始めさせていただきます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454944275


「このまま街に墜ちるつもり!?」

「止まれ!止まりなさい!」

このままでは街が!人が大勢死んでしまう!
それだけは…!!

少女は叫ぶ

「やることは決まったな」

少年は頼まれたことを実行しようとする

「おいおい、なにやってんだエリートさんよ」

そして
目の腐った青年はやれやれとポケットに手を入れる


「止まって!!」ドンッ!ドンッ!


「ま、こいつを試す絶好の機会だ…トリガーオン」キィィィン


「頼むぞ、レプリカ」

『りょうか…待て、遊真!』

「?」

街に自爆するために墜ちようとしていたイルガーは

突然顔の先から尾まで一本の線に貫かれた
そして

(何!?こいつ、突然…!?)

爆発することすら出来ずに河に墜落した


「ふぅ。木虎にばれなかっただろうな…。念のためさっさ退散しよ」

木虎はチームメイト以外に助けられるのを気持ちよく思わないだろう
見つからないうちにとっとと撤退だ

「あ、そういやまだこのトリガーをボーダーのトリガーとして認証してなかったな。やっべ…ま、いっか」

逃げるが勝ちだ

「うお、イルガー貫いた。なんだ今の」

『自爆モードのイルガーを貫くとは』

「キトラ…じゃないよな?」

『キトラが出来たのなら最初からやっていただろう』

「ふむ。ボーダーにもすごいやつがいるってことか」

『何にせよ、これでトリガーも使わずに済んだ。結果として良かったと言えよう』

「そうだな」

――――――
「うっす」ガチャ

「遅い!」パァン

「いってぇぇ!?何しやがる小南!!」

「普通に遅刻っすよ、比企谷先輩」

「あー…それは悪かった。ちょっと途中で野暮用が出来てな」

「ふっふーん?」

「あ?なんだよ宇佐美?」

「大方、さっきの爆撃型だろう?」

「…なんで分かるんすかレイジさん。エスパーっすか」

「お前のやりそうなことだからな」

「???」

「小南先輩、通知見てないんすか?」

「通知?なにそれ?」

「よせよ、京介。この斧女がそんなこといちいち確認するわけないだろ」

「誰が斧女よ!!」ウガー

「いてぇ!噛み付くな!!」

「仲がいいねぇ二人共」ニヤニヤ

「「はぁ!?誰がコイツなんかと!」」

「はぁ、まったく…いいからさっさとミーティング始めるぞ」

「「「了解」」」「いてぇ…」


俺は比企谷八幡
高校2年生のしがないボーダー隊員だ
スタイルとしては一応オールラウンダー
ってもほぼ弧月ばっか使ってるけど
メテオラやバイパー、アステロイドなんかも使ってることは使ってる
使い方はかなり特殊で、多分こんな使い方が出来るのは俺だけだろうがな
俺の自慢できる数少ない特技の一つだ
それはまた今度話すとしよう
あと一応強化視覚のサイドエフェクトも持っている
スナイパーの弾を避けたり相手を見つけるのに役立ってるな
ちなみに元アタッカー3位
玉狛支部に入ってからはほぼソロランク戦をしてないからかなり抜かれてる
実力的には今じゃカゲさんにぎり負けるくらいか?
鋼さんにはまだ勝ち越せるな
あの人のことだからそのうち抜かれるだろうけど


母親は4年前の第一次大規模侵攻で殺された
俺と小町は三門市外の出掛け、親父は出張に行っていたおかげで難を逃れたが…
その後の小町と親父はもう見てられなかった
1年後には落ち着きもかなり取り戻し、今では以前とあまり変わらない生活も出来ている
家事は俺と小町でなんとかしてるしな
んで、俺はその大規模侵攻の後からボーダーに所属している
最初は俺も母さんの仇をうつためだった
そうすれば小町や親父も立ち直れるかもって思ってたからな
でも、ボーダーに入って2年後、初めて遠征に出掛けた時
そこで俺の価値観は一変した
それまでは本部所属の城戸派だったが、現在は玉狛支部に所属している
それなりに楽しくやれており、俺は悪くないと感じている

あと俺はかなりの引きこもり体質で休日は必ず家にいる
まぁ休日なんて滅多にないんですけどね☆
それもこれもあの変なサングラスかけたエリート隊員がいろいろ引っ張りまわすからだ


ちなみに俺の通っている総武高校にはボーダー隊員が何人もいる
仲の良いやつも何人かいる…と信じてる
というか一方的に向こうから絡んでくる
やれ「勝負しようぜハッチー」だの、やれ「勉強おしえてくれハッチー」だの
たまに俺の教室に来てはそんなことを言う
教室では友達いないんだからやめろよ
注意引いちゃうだろうが
しかも俺がボーダー隊員だってばれるんじゃないかとヒヤヒヤする
てかハッチーってなんだよ誰がハッチーだコラ
そうそう、俺がボーダー隊員ということは学校では同じボーダー隊員のやつらしか知らない
知られると話を聞かせてくれだの何だの鬱陶しいからな
ま、俺に限ってそれはないと思うんだけどね☆
え?さっきから陶しい?すいませんでした

すいません、パソコンが急に使えなくなってしまったので今日はここまでとさせていただきます

また使えるようになればすぐにでも投下したいのですが、無理そうです
明日になれば必ず使えるのでまた明日に投下します

こんにちは
投下します


あ、この人達は俺のチームメイト
隊長のレイジさん、もさもさしたイケメンの京介、オペレーターで眼鏡大好きな宇佐美、あと斧女の小南
俺含めて全員この玉狛支部というところに所属している
4人ともかなりの腕利きで正直言ってボーダーで最強の部隊だと思っている
さらにもう一人欠かせないのが

「迅はどうした?」

「さぁ…あの人いつも飄々としてますからね」

俺が答える

「てかあいつがミーティングに顔出すわけないでしょ。今まで一度だって顔出したことないじゃない」

「迅さんなら多分今本部にいますよ。確か今日は会議とかなんとか」

「はぁ…まぁいい」

京介曰く今日は会議らしい
まぁあの人組織の重要人物だからな


今話題に出た男
迅悠一
黒トリガーの「風刃」を所有するS級隊員だ
未来視のサイドエフェクトを持っていてそれがまた風刃と相性がかなりいい
なかなかにチートな人だ
趣味は暗躍
前述どおり俺もよく巻き込まれている
その度に厄介なことになるから勘弁してほしい
…まぁ俺から首を突っ込むこともあるけど
正直結構頼りになる人なんだけどな
キャッ、言っちゃった///
すいません、調子乗りました

まぁそれは置いといて
この俺を含めた戦闘員5人とオペレーター1人が玉狛支部の全戦力だ
スタッフも何人かいるが、それはまぁ割愛させていただく
ボーダー3勢力の1角をこの少人数で担っている
勢力は一番弱いけどな
まぁだがそのことからもこの部隊が最強だと言える要因の一つだろう


ミーティングを終え、自室で本を読んでいると迅さんが帰ってきた

「ただいまー。あー腹減った」

挨拶だけはしとくかな

「お帰りなさい、迅さん」ガチャ

「よう、八幡」

「あら迅じゃない」

「よ、小南。あーそうだお前らに言っとくことがある」

「「??」」

「明日空けとけよ。忙しくなるぞ。イレギュラーゲートの原因が明日判明するから、そうしたら隊員全員でその原因潰しだ」

ほう
流石未来視
こういうことが分かるのは便利である
まぁ引きこもりの俺に予定なんてあるわけないんですけどね☆
たまに米屋とか出水とかに連れまわされることはあるけど…


翌日になると隊員全員に指令が届き、C級までもが出動する小型トリオン兵の大掃除が行われた

「あー疲れた。これもう1ヶ月分は働いたわ。もう防衛任務しばらく休みでいいんじゃね?」

「何言ってんのよ馬鹿幡」

「おいなんで俺の小学生の頃のあだなの一つを知ってる。それに馬鹿とは失礼だな。小学生の頃はアレだが、今は成績は良い方だから別に馬鹿では…」

「あ、加古さんだ。おーい加古さん!」タッタッタ

「…あいつ今度ぶった切ってやる」ピクピク


そんな小南とのいつも通りのやり取りを終え、ぶらぶらしていると迅さんを見つけた
隣には知らないやつが二人いる
…なんか変なことに巻き込まれる気がする
気づかれる前に退散…

「お、八幡!」

チックショー
こうなってはしょうがない
挨拶だけ交わして逃げよう

「お疲れ様です迅さん。この二人は?」

「今回のイレギュラーゲートの要因を見つけてくれたやつらだよ」


「いや、僕は何も…」

「いいから手柄はもらっとけって、修」

「そうだぞー眼鏡君。パワーアップは出来る時にしといた方がいい」

「?」

「あ、僕は三雲修と言います」

「俺は空閑遊真だよ」

「空閑に三雲な。俺は比企谷八幡、よろしく」

「あ、はいこちらこそ」

「よろしく」

「ん?…迅さん、空閑ってネイバーっすか?」

「!?」

「!!」

「お、気付いたか」

「まぁ雰囲気で何となくっすけどね」

「…俺をどうもしないのか?」

「しないよ。するわけがない」

「?」

「俺はネイバーの世界に何回か行ったことがあるんだ。だからネイバーに良いやつがいるってことも知ってる。ネイバーだからって邪険にはしないさ」

『なるほど。迅以外にもそのような人物がいるのは助かる』ニュッ

「うおっ!?なんだこいつ?」

『始めまして八幡。わたしはレプリカ。遊真のお目付け役だ』

「はぁ…これはどうもご丁寧に」

「さて、そろそろ行くぞ遊真、眼鏡君」

お?俺が退散する前にどこかに行くようだ


「あ、はい」

「ん、わかったよ迅さん」

「3人でどっか行くんすか?」

「あぁちょっとな。じゃあまた後でな、八幡」

「失礼します」

「じゃあな、比企谷先輩」

「おーう、今度基地にも顔出しな。菓子くらいなら出せるぞ」

「ふむ、楽しみしています」


3人と別れた俺は帰路についていた
時刻は既に夜の7時
腹も空いてきた
マイリトルシスターのいる我が家に帰るとしますかね
…っと思ってたんだが

「おい、ハッチー!飯食いに行こうぜ!」

「この前いい中華料理屋見つけたんだよ!」

なんでお前らがいる
米屋と緑川
お前ら本部も家もこっち方面じゃないだろ
そのことを伝えると


「飯食いに行く途中だったんだよ。んで、お前を見つけたってわけ」

だからってなんで俺まで誘うんだ

「腹減ったから早く行こうよー」

「あと15分も歩けば着く。ほら、行くぞ」

「おい待てなんで行く前提なんだ。俺は家に帰る。疲れたんだ」

と言い残して歩き始めると

「さー行くぞー。緑川」ガシ

「あいあいさー」ガシ

「!?」

なん…だと…!?


「離せお前ら!?てか力つよっ!!よく見たら隊服…てめぇらトリオン体かよ、ずりぃぞ!!」

「「レッツゴー」」ズルズル

「ちょっ、まっ、今あんま財布に余裕ないんだよ!!おい!!」


「うまっ」バクバク

「だろ?」バクバク

「この前いずみん先輩とやねやん先輩と見つけたんだー」モグモグ

俺は普通に食べていた
悲しいかな、食欲には勝てん
いい香りがしたと思ったらもう注文していた
恐るべし中華
ちなみに小町に飯はいらんと電話したら
『お、お兄ちゃんが友達とご飯…!?』
とか言いやがった
うん、俺も驚いてる


「そういや出水っていつこっち帰ってくるんだ?」

「さぁ?1週間後くらいだっけ?」

「確かそんなもんだったと思うよ」

「適当だなお前ら」

「お前だって知らなかったじゃねぇか」

「まぁな」

「みんな適当だね」ケラケラ

腹もふくれて今度こそ帰路についていた
俺の貴重な野口が旅立っていったが、まぁうまかったので良しとしよう
さて一度基地に寄らないとな
よく考えたら持ち物一式全部基地に置いたまんまだ


「じゃあ俺こっちだから」

「おう。今度本部こいよ。バトろうぜ」

「あ、俺もやる!」

「また今度な。じゃあな」ヒラヒラ

「じゃあな」

「ばいばーい」

ほどよい疲労感と満腹感
風も気持ちいいし、こういう時って何故かテンションあがるよな
一人でひゃっほーって叫んで帰ろうか
やめとこ
黒歴史が増えるだけだ


「ただいまー」

「遅かったじゃない。どこ行ってたのよ」

「米屋と緑川と中華食いに行ってた」

「えー!?なんであたしも誘わないのよ!?」

「てめぇはずいぶん前に加古さんとこ行っただろうが」

「あんなもん世間話程度よ。ちぇー、あたしも食べたかったなー」

「今度宇佐美とか連れて行ってこい」

「そうするかー。あんたも来る?」

「暇だったらな」

「おっけー」


なんだかんだ仲が良い二人である

―――――――

「三雲はネイバーと接触している可能性があります」

「ほう、どういうことだ」

「学校で倒されていたトリオン兵とは違い、爆撃型からボーダーのものではないトリオン反応が検知されました」

「なるほど。つまりネイバーのトリガーか」

「うちの隊で見張らせてください。すぐにボロが出るはずです」

「よかろう。もし確定した場合は消せ」

「了解しました」


八幡の気持ちとは裏腹に、暗雲は立ち込める


「…」ペラッ

「よう、八幡」

「ん?迅さん?」

ラッド退治の翌日、俺が本を読みながら支部の居間で一人くつろいでいると迅さんから話しかけられた
こういうパターンは大体

「ちょっと話があるんだが、いいか?」

やっぱりな

「…また暗躍っすか?」

「今回はそんなでもないかな」

「はぁ、いいっすよ。なんすか?」

「悪いな。場所を移そう」

毎回付き合う俺も大概か


「なるほど。三輪隊が空閑をね」

三輪隊が空閑を襲うつもりらしい
まぁあいつは人一倍ネイバーを憎んでるしなぁ
下手したら昔の俺より憎んでるかもな

「それで俺は何をすれば?」

「そのことなんだが…」

「?」

「今回は何もしないでくれ」

「…は?」


「今回、俺がお前にこのことを伝えなくてもお前はどうやら現場にたまたま居合わせちゃうっぽいんだよ。だから言っとかないとってね」

「…その方が良い未来になるんすか?」

「可能性は高い」

「了解しました」

「お、あっさり了解してくれるんだな」

「まぁ迅さんの予知ですからね。それに何もするなってんなら俺にとっては楽以外のなにものでもないっすから」

「はは、助かるよ。じゃあそういうわけだから、頼むわ」

「うーい」


何もするなとは初めて言われたな
ま、つうことは特に気にしなくていいってことだな
正直なんか三輪隊が動いてるってのは気付いてた
それが空閑のことだろうってのもな
まぁでも迅さんが何もしなくていいって言ったんだ
気楽になったぜ

…暇だな。たまには散歩でもするか

「警戒区域内なら他に人もいないし、静かに散歩が出来るからいいな。まぁたまにトリオン兵が出てくるのが難点だが」

ふらふら歩いていると


ドンッ!!

「!!銃声…!トリオン兵か?」ダッ

当然銃声が響いた
近いな
場合によっては救援が必要かもしれんし、行ってみるか

現場に到着すると
そこには三輪と米屋と戦う空閑がいた
しまったな
三輪隊が襲うって言ってんだから市内なはずがない
必ず警戒区域内で戦闘が起こるはずだ
そんな単純なことを見逃してたとは
まぁでも手を出さなきゃいいんだろ?
見てる分には問題ないはずだ
そばには三雲と…女の子?
なんで警戒区域内に…


そんなことを考えていると空閑が空中へと飛びあがっていた

「あ、そりゃまずい」

チュン

遊真は右腕を狙撃されてしまった
しかし何か違和感があるな…
なんかこう…うーん…
そっか、反撃してないんだあいつ
空閑のやつ優しいなぁ
多分三雲の今後のことも考えてるのだろう

そしてさらには三輪に鉛弾までつけられてしまう

「おもっ、なんだこりゃ」


本格的にまずいな

右手を削られてさらには鉛弾
正直絶体絶命だ

手をだすなって言われたけど
…すまんね、迅さん
流石に無抵抗のやつが殺されるのは黙ってみてられん


「終わりだ、ネイバー!!」

「そこまでだ」

ザンッ!

空閑と今にも飛び掛ろうとする二人の間を旋空弧月が遮る

「!?」

「うお!?」

「お?」

八幡が三者の間に割って立つ


「比企谷先輩?」

「よう空閑。結構やられてんな」

「助けてもらわなくてもよかったぞ」

「え?そうなの?」

「うん」

「マジかー…まぁでも出てきちゃったもんは仕方ない」


「比企谷…!!」

「ハッチーじゃねぇか」

「よう米屋。昨日ぶりだな」

とりあえず軽い挨拶を交わす


「なんのつもりだ比企谷…ネイバーをかばうつもりか!」

「落ち着け三輪。そんなんじゃ対話も出来やしない」

「対話など必要ない!ネイバーは全て排除するのがボーダーの責務だ!」

「聞く耳持たず、か。やれやれ」

「お前だってネイバーを恨んでいたはずだ!何故そいつを助ける!」

「いつの話してんだお前は…」

はぁ、とため息をもらす


「ハッチー、そいつと知り合いなのか?」

「ん?ああ、そうだ」

「敵じゃねぇのか?」

「ああ」

「…おっけー。ハッチーがそういうなら信じるぜ」スッ

米屋が構えをといた
お前のそういうとこ嫌いじゃないぜ

「陽介!?」

「さすが米屋。話がわかるぜ」


「三輪、大人しく引け。これ以上こいつとやろうってんなら…」

「代わりに俺が相手になるぞ」ギロッ

腐った目で威圧してやった
どうだ、こえーだろ
何故か自分で言ってて悲しくなってきたぜ

「!!」

「あーらら。ハッチー結構怒ってら」

「…」

「秀次、ここは引こうぜ。この二人を相手にすんのはちとキツイだろ」

「…!」ギリッ

「お?」

「ネイバーは…俺が殺す!」ダッ

「あ、おい!秀次!!」


「引かねぇか…しょうがない」スッ

弧月を構えようとしたその時

「錨印(アンカー)+射印(ボルト) 四重(クアドラ)」

キュドッ!!

「ぐっ!?」ドドドッ

突然八幡の後ろから黒い射線がいくつものびた


「お?空閑?お前それ…」

「コピーした。さっき比企谷先輩が介入してこなかったらこれ使うつもりだったよ」

「へぇ、便利なトリガーだな。なるほど、そりゃ俺いらんわ」


(鉛弾をコピー!?いや、これはそれ以上の…!!)

「勝負あり、だな。三輪」

「さて、じゃあ話し合いしようか」

「くっ…!」

米屋に戦闘の気はなく、三輪は無力化した
こっちの勝ちみたいなもんだ

「おいおい、八幡。何もするなって言ったろ?」

「迅…!!」

「あ、迅さん」


迅さんが三輪隊のスナイパーの奈良坂と古寺を引き連れて現れた
途中から狙撃がなかったのは迅さんが止めてたからか

「すいません、迅さん。耐えらんなかったっす」

「まぁ結果として良かったけどさー」

「次は気をつけますよ」

迅さんの介入で本格的にこの戦いは一段落したようだ

「しかし空閑、お前のトリガーすごいな。他者の攻撃を学習して、さらにそれを威力上げて返せるのか?」


俺は気になっていた質問をぶつけてみた

「ふむ、だいたいそんなところ」

「その性能でいくと…黒トリガーか?」

「うん」

「!?」

「マジか!?」

三輪と米屋が驚きの表情を見せる
無理もない
黒トリガーとはそういうものなのだ

「はっ、そりゃ三輪隊でも勝てんわな」

「だまれ!!」

「おー、こわっ」


「やはり貴様らが一枚噛んでいるのか!裏切り者の玉狛支部が!」

「裏切り者?」

遊真が疑問の声を漏らす

「ま、後々説明してやるよ」

「ふむ」


「秀次」ザッ

「迅…!」

「お前らは帰って城戸さんにこいつを追い回しても得がないってことを伝えてこい。それに、このところゴタゴタしてるのにこいつまで相手にする気か?」

「…っ!!」

「そのネイバーが敵対しないという保証は?」

奈良坂が問う


「俺が保証するよ。クビでも全財産でもかけてやる」

「!」

「ひゅー。迅さんがそこまで言うか」

「茶化すな米屋」

「わりぃわりぃ、ハッチー」

「…損か得かなど関係ない!ネイバーは全て敵だ!!」

「緊急脱出(ベイルアウト)!!!」

ドンッ!

「うお、飛んだ」

「今のはベイルアウトって言ってな、正隊員がもつトリガーにはああやって自分の意思で発動させるか、もしくは戦闘体が破壊されると自動的に基地に送還されるようになってんだ」

「負けても逃げられる仕組みか。便利だな」


「悪いな、白チビ。いきなり襲いかかっちまって」

「気にしてないよ。どうせあんたらじゃ俺には勝てないし」

「まじか、それはそれでショックだなー」

「黒トリガーに勝てたらA級7位どころじゃないからな」

「うるせー」

米屋はいいやつだ
戦闘後すぐでも雑談を交わすくらいには緊張感のないやつだけどな

「ま、俺らは一旦本部に帰るわ」

「おう」


その後迅さんは俺と三雲を連れて本部へと向かった
三輪隊の報告だけじゃ偏るからだそうだ
まぁそれは否めないな

でも俺いらないんじゃないかなぁ?

―――――――――

「なるほど、報告ご苦労」

うえー、俺正直城戸さん苦手なんだよなぁ
規律とかに厳しいし
出来れば会いたくない


「まったく、いちいち面倒を持ってくるやつだ」

そう言ったのは開発室室長の鬼怒田さん
実はボーダーにとって最も重要な人物はこの人なんじゃないかと思う

「しかし黒トリガーとは…何故今まで黙っていたのかね?」

今度はメディア対策室室長の根付さんだ

「…」

この黙ってるのが唐沢さん
本部とバチバチやりあう時は大抵この人がネックになる
曲者だ

「眼鏡君はその黒トリガー使いから信頼を得ています。仲間にするのはどうでしょう?」

迅さんが提案した
まぁこの人だったらこう言うだろうとは思ってた



「なるほど…確かに黒トリガーは戦力になる。よし、ではその黒トリガー使いを始末して黒トリガーを回収しろ」

「なっ!?」

「…」

(やっぱりな…)

城戸さんのことだ
このまま空閑がボーダーに入隊したとしても所属する派閥は間違いなく玉狛
玉狛に黒トリガーが2つも集中するのはまずいと思っているのだろう

「馬鹿な!それでは強盗と同じだ!」

忍田本部長が声を荒げる

「それにその間の防衛任務はどうするつもりだ!」

確かにそうだ
黒トリガーを倒して捕まえようとするならばかなりの戦力をつぎ込まなければならない
加えてトップチームは遠征中
残る全ての隊員を総動員すれば倒せるかもしれんが、そんなことをすれば防衛がおろそかになってしまう


「部隊を動かす必要などない。黒トリガーには同じ黒トリガーをぶつければいいだけの話だ。迅、黒トリガーを回収しろ」

なるほど…そうきたか…
でも…

「ちょっと待ってください」

「比企谷…」

「…」ニッ

迅さんを見ると笑ってた
あんたこれ予知してましたね…

実は俺には一つ思い当たる節があった
4年前、ボーダーに入ったときにちらほらと聞いたとある名前があるのだ
その名前がどうにも引っかかる
その名前は…


「空閑有吾」

「「!?」」

忍田さんと林藤さんが俺が突然出した名前に驚く
ちなみに林藤さんってのは俺ら玉狛のボスだ

「…その名がどうした?」

城戸さんが問いてくる

「確かボーダーの初期メンバーっすよね。んで、今回現れた黒トリガー使いの名前は…」

「空閑遊真」

「「「!!?」」」

瞬間、会議室に動揺が広まった


「く、空閑有吾?」

「誰だそれは?」

鬼怒田さんと根付さんは知らないみたいだ
まぁこの人達俺より後に来たしなぁ

「空閑、だと…?」

城戸さんが口を開く

「えぇ、そうです。みなさんなら俺よりもはるかにこの名をご存知でしょう?」

「…!」

城戸さんは黙る

「恐らく、あいつはその有吾さんの息子です。そしてあいつが使っている黒トリガーは…」

「…そうか」

「まさか…有吾さんが」

「あれほどの人がねぇ…」


3人は有吾の死を理解したようだ

「しかし、それならばこれ以上戦力をぶつける必要はないな。有吾さんの息子と戦う理由などない」

「名を騙っている可能性もある」

「それは調べれば分かることだ。迅、比企谷、三雲君。繋ぎを頼むぞ」

「「了解」」「はいっ!」

「……では会議はこれまで、解散とする」

ふぅ、とりあえず口勝負じゃ勝ったな
まぁ城戸さんがそんなんで引くとは思えないけど…


「黒トリガーは必ず我々が手にいれる。…唐沢君、君の意見を聞きたい」

「…兵隊の運用は専門外ですよ?」

「かまわん」

「では…ま、今は強奪するための条件が整うのを待てばいいんじゃないですかね?」

「条件が整う?どういう意味だ?」

「なるほど…遠征チーム、か」

「「!!」」

「あと数日で帰還する彼らならばやってくれるだろう」

「なるほど!」

「では彼らが帰還し次第、三輪隊と組んで黒トリガーを確保する」


その後、三雲と雨取(襲撃現場に居合わせた女の子)と合流し、玉狛支部に帰った

支部につくなり宇佐美が小南のドラ焼きを引っ張りだしてきてもてなす用の菓子としていた
宇佐美さん…後で俺が噛みつかれるんですけど?

ボスに呼ばれたとか言って迅さんは空閑を連れて出て行った
その間にレプリカから空閑の過去を聞いた
なんというか…すさまじかった
はっきり言って俺なんかよりはるかに過酷だ
そして空閑に目的を与えてやってほしい、というのがレプリカの願いだった
…それなら多分大丈夫だろう

「すいません。ちょっといってきます」

「…おう」

「着いてきてくれ、千佳」

「うん」


三雲と雨取がでていった
やっぱりな
あいつはお人よしの権化みたんもんだな


しばらくすると迅さんと三雲達3人が戻ってきた
どうやらこの3人でチームを作って遠征チームを目指すらしい
そりゃ大変だぞ
と言ってはみたが3人の意志は固いらしい
やれやれ…こう本気の目を見せられては先輩として応援してやらんわけにはいかんな

俺がこんなこと思うなんて自分でもビックリだぜ
本当、玉狛に転属してからの俺はおかしくなっちまったのかな

今回はここまで
次回は俺ガイルパートです
今日の夜か明日明後日のうちには投下したいと思います

それでは

こんばんわ
余裕が出来たので投下します


翌日、俺は何故か学校の職員室にいた
いや理由は分かってるんだけども

「比企谷、これはなんだ?」

「はぁ、高校生活を振り返っての作文ですが…」

「歯くいしばれ」ドスッ

「ぐふっ」

問答無用かよこの人
教師としていいのかこれで
てかこの人の拳速おかしくね?
俺の目でも見えなかったんだけど?
トリオン体なの?


「か、書き直します…」

「当たり前だ」

はぁ、だるい…

「ところで、君は学校に友達はいるのか?」

「…そこそこ仲の良いやつらならチラホラ」

「嘘をつくな。その目を見れば分かる」

え?俺の目って友達いないかどうか分かるの?
すごくね?悪い意味で

「どんな根拠っすか…本当ですよ」

「…」

どんだけ怪しんでるんだこの人は…


「ま、いい。君には罰を与える」

「えぇ…」

「あん?」ギロッ

「なんでもないです…」

「よし、ついてきたまえ」

カゲさんほどじゃないけどこえぇよ…

「ここだ」

「?」

「失礼するぞ」ガラッ

「…平塚先生。入るときはノックを…」

「すまんすまん」

「はぁ…それで?その男は?」

「今回の依頼対象だ」

「は?」


こいつは確か雪ノ下雪乃とか言うやつだ
テストでは確か毎回学年1位だったはずだ
俺も名前と顔だけなら知ってる

てかなんだそりゃ
依頼対象?どういうことだ?

「その男をどうしろと?」

「更正してやってくれ。見ての通り目が腐っていてな。友達もおらんようだ」

「なるほど」

なるほど、じゃねぇよ
だから仲の良いやつらならいるって言ってんだろ
友達かどうかは分からんが…


そのまま俺はなぁなぁにこの部に入れさせられそうになっている
奉仕部とかいうらしい
それは困る
俺は防衛任務は放課後と土日にいれている
その時間が奪われるのは非常にまずい

「俺は了承してませんが」

「君に拒否権はない」

相変わらず教師らしからぬ発言だ
こっちの言うことは無視ですかそうですか

平塚先生はそう言って出て行った、が…

「いつまでそうやって突っ立っているのかしら?あら、ごめんなさい。そう言えば友達もまともにいないのだったわね。ならば対人関係もまともに築けないあなたがまともな受け答えも行動も取れるわけがなかったわ。私の失念ね」


なんだこいつ?
よく初対面の相手に好き勝手言えるな
こういうやつは俺と同類みたいなもんだ
つまり…

「お前友達いるのか?」

「…そうね。まずは友達というのが…」

「あ、もういい。察した」

やっぱりな
なんかこっちを睨んでるけど無視無視

「奉仕部ねぇ…」

「そうよ。食料に飢えてる人に釣りの仕方を教える。そういった活動を行うのがこの奉仕部よ。ようこそ目の腐ったヒキガエル君」


なるほど
あくまで自立をうながすってことか
あともうこいつに突っ込むのはやめだ
多分こいつはいくら言っても聞かん
なら言うだけ労力の無駄だ

「…あー、一つだけ言わせてもらう」

「なにかしら?」

「俺はお前に助けられたいと思ってないし、そもそもお前程度のやつに人を救えるとは思えん」

「…どういうことかしら?」


めっちゃ睨んでるな
でも二宮さんの方がプレッシャーあるし、カゲさんの方が数倍怖い
正直こいつの睨みなど毛ほども怖いと思わん

「なに、簡単だ。会ったばかりのやつを罵倒するようなやつに人が救えるはずもないからな」

「…っ」

「俺は本当に頼りになる人達を知ってる」

言いながら頭に浮かんできたのはレイジさんや東さんと言ったボーダーの兄貴分達だ
彼らは本当に頼りになる

「その人達と比べてもお前はまず人として劣る。俺が言ってるのは学力だとかそんなチープなもんじゃないぞ」


雪ノ下は黙って俺の話を聞いている

「その人達でも人一人を救うのは難しいだろう。それなのにその人達より人間性が遥かに劣るお前に人が救えるとはとてもじゃないが思えん」

雪ノ下は反論してくるかと思いきやなにやら黙り込んでいる

「それに先生はああ言ったが、俺は別に孤独じゃない。学校以外の場所にちゃんと俺の居場所はある。そこは温かくて、とても安心できる俺の大切な居場所だ」

俺は続ける

「だからはっきり言おう。俺にとって今先生とお前がやろうとしてることは迷惑以外の何ものでもない」

黙っていた雪ノ下がようやく口を開いた

「それじゃあ悩みは解決しないし…誰も救われないじゃない…」

わなわなと震えていて、大きい声ではなかったが、確かに聞こえた

「そうかもな。だが少なくとも俺は悩んでいない。人助けごっこがやりたいのなら他をあたれ」

そういい残して部屋を出ようとした時、平塚先生が扉を開けて入ってきた

「まぁ落ちつけ二人とも」

「俺は落ち着いていますよ」

「まぁまぁ、それではこうしよう」



何を言うつもりだこの人は?
てかこの人出て行ったかと思ったら扉の前で聞いてたのか
正確悪いな

「これから君達には自らの主義主張を賭けてたたかってもらう!依頼人は私がつれてくる。君達は依頼人の悩みを解決したまえ!そして自分の正義を示した…!」

Prrrr…

「すいません、電話です。廊下いってきます」ガラッ

平塚先生の横を通り過ぎるとき、先生はやや涙目になっていた
そんなにそのセリフ言い切りたかったんですかね?


電話の内容はレイジさんからで、今日のミーティングの話だった
そろそろ学校を出ないと遅れちまいそうだ

教室に戻ると何故か平塚先生が泣いていて、それを雪ノ下が氷の目で見ていた

「比企谷ぁ!最後まで言わせろよぉ!!」

(普通泣くか…?)

マジでこの人大人かよ?

「ぐすっ…ま、まぁいい。それでは条件をつけようではないか」

「条件?」

「勝ったほうが負けた方になんでも命令できるという条件だ!」


「「お断りします」」

「えぇー…」

「私がこの男を自由に出来たところで一切のメリットがありません」

「奇遇だな、俺もそう思うぜ」

「あら、その目から察するにどうやら下碑た考えを持っているようだけど?」

「そりゃお前の勘違いだな。自分の身体を見れば分かるだろう?」

「…っ!最低ね」

「お前と同じでな」

「なんだ、雪ノ下。やはりお前でも恐れるものはあるんだな」

おい、やめろ馬鹿教師
まさかこの女もこんな分かりやすい挑発に乗るわけが…


「…いいでしょう。その安い挑発に乗ってあげましょう。その勝負受けてたちます」

おいおい…どんだけ負けず嫌いなんだこいつ?

「よし!それでは勝負開始だ!」



……え、あれ?俺の意見は?

「うっす」ガチャ
「遅い!」

クソ教師とクソ女のせいでミーティング時間ギリギリになった俺は小南にはたかれそうになるが

「甘い」ガシッ

「なっ!?」

受け止めてやった
多分くるだろうかと予測してたからな
拳速もあの教師には遠く及ばんな
しかも俺はレイジさんの影響でそこそこ身体は鍛えてる
小南の生身の攻撃を受け止めるなど造作も…

「ふんっ!」ヒュッ

「ぐぅっ!?」コカーン


コ、コイツ…!俺のマイサンを…!
お前…そこ蹴るのは…いくらなんでも酷い…だ…ろ…
ドサッ
俺の意識はそこで途絶えた

「小南先輩、今からミーティングなのに比企谷先輩倒してどうするんすか」

「はっ、しまった」

「小南…」ゴゴゴゴゴ

「レ、レイジさん…!いや、これは条件反射みたなもんで自分じゃどうしようも…」

「馬鹿野郎」ゴンッ

「~~!!っったぁー!!」ジンジン

「はぁ…八幡の目が覚めるまで待つか」


「はっ!?帰ってこい俺の息子よ!」ガバッ

「あ、おきた」

「結構早かったすね、比企谷先輩」

「よし、じゃあミーティングを始めるぞ」

「???」

おかしい
基地の扉を開けるとこまでは記憶にある
そこからの記憶が…うっ、急に俺の息子が…


「よし、今回はここまで」

「じゃああたしちょっと出掛けてくる」ガチャ

「俺はバイト行ってきます」

「おう、お疲れ。八幡、お前はどうする?」

「あー…特にやることもないっすかねぇ」

「そうか。俺は本部に久しぶりにソロランク戦しに行こうかと思うんだが、お前も来るか?」

「マジっすか。じゃあ俺も行きます。そういや前に米屋と緑川に誘われてたんで」

「よし、じゃあ行くぞ」

ランク戦か
久しぶりだ


「いやー…俺結構久しぶりっす。ランク戦ブース来るの」

「俺もだ」

オ、オイ。アレタマコマノキザキサンジャネ?
ホントダ。タシカタダヒトリノパーフェクトオールラウンダートカ
スゲェヨナァ。トナリノヤツハ?
サァ?シラネェ

「さすがっすね、レイジさん。本部でも有名人じゃないっすか」

「だからって別にどうとも思わん」

「はは、レイジさんらしいっす」


「お、ハッチーじゃねぇか」

「よう、米屋。やっぱここにいたか」

「ソロランク戦か?」

「おう」

「お、じゃあ俺とやろうぜ」

「いいぞ。そのために来たんだしな」

「やりぃ!10本でいいよな。俺124号室なー!」タッタッタ

「あいよー」


「お久しぶりです、レイジさん」

「こっちいるなんて珍しいですね」

「ん?荒船に村上か。久しぶりだな」

「まさかソロランク戦っすか?」

「そうだ。いつも同じやつらと戦っててもマンネリ化してしまうからな」

「じゃあ俺とやりませんか?」

村上が提案した

「あ、ずりぃぞ鋼!俺もやりたいのに」

「どっちも相手してやる。5本ずつでいいか?」

「「お願いします!」」


「ふんふんふーん」

武富桜子は自隊の次のランク戦のためのミーティングに出るために廊下を歩いていた

「あとはこのランク戦ブースを抜けてエレベーターに乗れば…」

ザワ…ザワ…

「ん?なにやら騒がしいなぁ…なにかあった…の…」

武富桜子は見てしまったのだ
そう、あの唯一パーフェクトオールラウンダー、木崎レイジが今まさに村上とのソロランク戦を始めようとしているところを
加えて顔は見たことがあるが実力は全くの謎、噂しか聞いたことのないあの腐った目の隊員と米屋も戦おうとしている


「な、なにー!?」

その時、彼女の実況魂に火がついた
というかついてしまった

「さぁ今回の戦いの実況を勤めさせていただくのはこの私、武富桜子です!よろしくお願いします!」

「え?あれっていつもランク戦を実況してる人…」

モブが驚く

「た、武富?何故ここに…」

荒船も驚く

もはや彼女を抑えられるものはいない


『ソロランク戦開始』

「安心しろ、米屋。玉狛のトリガーは使わん」

「お?なんだ余裕じゃん?」

「ま、お前なら使わなくても勝てるからな」

「昔の俺と同じと思うなよ?」


言い終えると同時に米屋が飛び込む
八幡はそれを弧月でいなし、迫撃をかけるも米屋はそれを局所シールドでガード

「お」

「あめぇぞハッチー!オラァ!」

米屋の怒涛の攻め
しかし八幡は持ち前の目と弧月一本でかわし、いなす

「チィッ!」

痺れを切らした米屋がさらに踏み込んできた

(ちっ)


「アステロイド」キン

「!!」

とりあえず牽制のアステロイドだ
このまま攻められ続けては流石に分が悪い

「くっ!」ババッ

距離を取る米屋
アステロイドは全てかわされた
だがこの距離、俺の射程だ

「旋空弧月」キィィン

「やべっ!」


ズカッ!

しかしこれも飛んでかわす米屋
今のは決まったかと思ったんだけどなぁ
いや、以前の米屋ならこれで決まってただろうな

「強くなってんじゃねぇか」

「だから言ってんだろ?俺だって日々鍛錬してっからな」

「お前にとっては半分遊びみたいなもんだろ」

「まぁな」


ったく、こいつは…
ま、おしゃべりはここまでだ
そろそろ本気を出すかね
滅多にやらないことだ
サービスだぜ、米屋

「バイパー+メテオラ」ギュワン

「!!」

「トマホーク」ドドドドッ

「おいおい!出水より作んのはえぇじゃねぇか!シールド!」キンッ

流石の米屋もこれには驚いたようだ
シールドでも防ぎきれずにメテオラの爆発に被弾している


俺が玉狛に転属してから2年
俺はその時から必死にトリオンコントロールの訓練をつんできた
理由はとあるトリガーを使いこなすため
まぁそれは今は置いとこう
昔じゃトマホーク作るのに10秒はかかっていた
こんなに時間がかかっていては到底使い物にならない
今では1秒ちょっとはかかるものの2秒はかからない
確か出水は2秒だったか
いつの間にか抜いていたんだな

「くそっ!」

米屋の身体からトリオンが漏れ出ている


しかし俺が勝負を決めるのはあくまで弧月だ
俺自身トリオン量はそんなに多くない
サイドエフェクト発現ギリギリのレベルだ
だからあまりトマホークなんか使ってるとすぐにトリオンがからっけつになっちまう
だから普段はこういった風に普通の使い方では使わないのだ
この距離ではいくら撃っても致命傷には出来ないだろう
よし、一気に決めさせてもらうとするか
距離をつめ、弧月をふりかぶる
米屋はバランスを崩していて体制が不安定になっている
避けることは不可能だ

「もらったぜ、米屋」

「…と、思うじゃん?」

「!?」ガキッ


急に八幡の動きが止まった

なんだ!?
俺の足が…
これは、スコーピオン!?
まさかモールクローか!?

「もーらい」ドスッ

動きが止まった隙に米屋が槍で俺のトリオン供給器官を貫いた

『戦闘体活動限界。緊急脱出』

ランク戦ブース待機室の大画面に
米屋―比企谷 1-0 と表示される
見ていた観客からはおぉーと歓声が上がっている


「くそっ、やられた…そういやあいつスコーピオンも使えるんだった…」

『まずは俺の一勝だな、ハッチー』

そんな嬉しそうな声が画面から聞こえた

「調子のんなよ、次だ次!」

そんなこんなで戦っていき…

『ビー!ソロランク戦終了』
『最終スコア7-3 勝者、比企谷八幡』

「ふぅ」

「くっそー!負けたー!」

二人の勝負はその後いつになくやる気になった八幡が本気を出し、勝利を収めた

どうも≫1です
すいません、明日でw
実は明日が大学の最後のテストなんですよ
他の大学より2週間も遅いようやくの春休みです
テストさえ終われば投下も書き溜めも仕放題なので、明日まで待っていてくださいw

明日というかもう今日ですねw
昼過ぎか夕方か夜に投下いたします

sageし忘れたw

こんにちは
お待たせしました
投下します


戦闘開始と同時にスナイパー2人が身をかくした
だが俺と迅さんはボーダー内での対スナイパー2トップと言ってもいい
そうそうあたらんぜ
まぁ相手もスナイパー2トップだから不安だけど

風間隊の3人と迅さんがつっこんできた
風間さんと太刀川さんは迅さんに
残り二人の菊地原と歌川は俺の方にきた
迅さんと風間さんが激しくきりあっている

「僕達の邪魔しないでくれる?」

「そりゃ無理だって言ったろ?」

「じゃあ無理にでも通らせていただきます」

「やれるもんならやってみな」


2対1でガンガンやりあう
さすがA級3位部隊だな
連携もいい
なかなか反撃する隙がないな
ま、普通ならな

「そらっ」ヒュッ

「!!」ザキン

ごくわずかに生まれた隙を逃さず菊地原をスコーピオンごと斬りつける
米屋みたいな弧月使いは隙があっても弧月で防がれてしまうため、こういう風に武器ごと斬るなんて出来ないがスコーピオンなら力込めて斬りつければ武器ごといける
手数は多いし攻撃は強いが反撃には弱い
スコーピオン使うならその辺も常に警戒してないとダメだぜ


「ちっ」ババッ

「大丈夫か菊地原」バッ

「かすり傷だよこんなもん」


『八幡!飛べっ!』

「ん?うおっ!?」バッ

ズカッ!!

足元すれすれを旋空弧月が切り裂いた

「ちっ、外したか」

『あっぶねー。助かりました迅さん』

『一旦距離とるぞ』

『了解』


「距離をとったか」

「二人まとまってると殺しきれんな」

「しかも迅は風刃を一発も使ってない。比企谷も恐らく玉狛製のトリガーを持っているだろうが使っていない。トリオンを温存する気だ」

「風間さん、こいつら無視して玉狛に向かっちゃ駄目だめなんですか?」

「玉狛には木崎達もいる。流石に全員を相手にするのは危険だ」

「なるほど、了解」

「三輪、米屋と古寺はいつ合流できる?」

「もうすぐ合流します」

「よし、出水」

「はいはい」

「俺らとスナイパー組みで迅を仕留める。お前は三輪と米屋と組んで比企谷を仕留めろ」

「了解」


「どうします?迅さん」

「多分太刀川さん達は俺らを分断しに来るだろうな」

「でしょうね。嵐山さんたちは?」

「まだ到着にはもうちょいかかるな」

「んじゃ何人かを一人で相手しないといけないってことっすか」

「多分三輪隊と出水あたりがそっちに行くと思う。スナイパーはこっちかな」

「ってことは3人か、了解。まぁとりあえずプランAでチマチマやりますよ」

ズズン…

「お、来たな。うまくやれよ?」

「はい」


迅さんが太刀川さん達がいるであろう方面へ駆けていく
俺は待ってりゃ向こうから来るかな
お、来た来た

「比企谷…何故そこまで邪魔をする」

三輪が聞いてくる

「後輩を守るため、じゃあおかしいか?」

「少なくともハッチーらしくはねぇな」

出水が笑いながら言ってくる

「それは自覚してる」


「すまん、ハッチー。俺としてもあんまり乗り気じゃねぇんだけど、上からの命令だからさぁ」

「分かってるよ」

「ま、でも戦うからには勝たせてもらうぜ。この前のリベンジだ」

「いってろ」

ふぅ
迅さんにはああ言ったけど、正直この3人相手は結構きつい
順番に1対1とかなら勝てるだろうけど、3対1じゃなぁ…

「ま、ぐちぐち言っててもしょうがないだろ」


出水はそう言うやいなや両手をかざし

「さっさとやろうぜ」キン

トリオンキューブを作った

「しょうがねぇか」スラッ

俺も弧月を抜く

「アステロイド!」ドドドドドド

出水の先制射撃
流石の弾数だなぁ弾バカ
そのトリオン量わけてくれよ


シールドを展開し、大体はガード
抜けてきたやつは全てかわした

『陽介、動きを制限しろ』

『おっけー』

その間に三輪隊の二人が距離をつめていた

米屋が斬りかかってくるが、まだ距離がある
反撃に備えてるな
ってことは


ドンドンッ!

「鉛弾か」

三輪が鉛弾を撃ってくる
だが強化視覚のサイドエフェクトを持ってる俺にはその弾は遅すぎる

「あまいあまい」ヒュンヒュン

「チッ!」

「メテオラ!」

三輪の後ろから出水が攻撃を仕掛けてくる
今度はメテオラか


後退して爆風をかわせば問題な…

ギュワン

「!?」

曲がった!?
しまった、トマホーク!

ドドドォン!

「くっ…」バッ

あっぶねー
ちょっと食らったけど大きなダメージじゃない
この野郎今度はこっちの番だぜ


「旋空弧月」キィン

「「「!!」」」ババッ

ズカッ

ま、よけられるわな
けど

「メテオラ」キン ドドドド

その状態でこいつをよけれるかな?

「ちっ!」

「うお!」

「シールド!」


三輪と米屋にはかすり傷程度負わせられたか
感触的に出水にはシールドで防がれたな

けど出水、シールドなんか展開してて大丈夫か?

爆発の影響で舞い上がった土煙に紛れて出水との距離をつめる

「よう、出水」ボッ

「!?」

土煙から突然現れた俺に出水は驚きを隠せないようだ

「腕一本もらうぜ」ヒュッ

入った


「させるかよ!」

「うおっ」

かと思ったけど寸前のところで米屋がカバーにきた
腕を落とすことは出来なかったがダメージは負わせられたな

「よっと」ババッ

そして俺はまた距離をとる

「ちっ、やっぱハッチー強いな」

「しかもあいつなかなか踏み込んでこねぇ」

「時間稼ぎのつもりか?」

「…!!いや、まて。お前ら残存トリオンどんなもんだ?」

出水が三輪と米屋に問いた


「ん?あと8割ちょっとってとこだな」

「俺は9割は残ってる」

「俺はちょうど8割…なるほどな」

ん?あの様子…
ばれたか?

「ハッチーの野郎、俺達をトリオン切れで撤退させるつもりだ」

「トリオン切れ?」

「そうか…撃退よりも撤退の方が本部との摩擦が少なくてすむ、ということか」

あーらら
完全にばれたな


「戦闘中に後始末の心配か…ずいぶんと余裕だな、比企谷」

「…」

どうしよっかねぇ…
ばれたらもうさっきまでのようにはいかんだろうしなぁ

ドンッ!

お?

「誰か飛んだぞ?」

「誰だ?」

迅さんの方で誰かが緊急脱出した
黒トリガーには緊急脱出の機能はついてない
ってことは相手の誰か、か


『八幡』

迅さんから通信が入る

『見えましたよ。プランBっすね』

『ああ。存分にやっちまってくれ』

『了解』

『あとすまん、当真がそっちいった』

『えー、マジっすか』

『ま、あとは頼んだぜ』プツン

やれやれ

さっさと終わらせるか


「ハッチー、こっちも余裕がなくなってきたみたいだ。悪いが本気でいくぞ」

「悪いなハッチー。本当はもっと楽しみたかったんだけど」

出水と米屋が言う

「そうか…」

まぁそっちがその気なら…

「しょうがないな」バチッバチッ

俺もそうしよう

「「「!?」」」

「ヤマト オン」キィィィィン

さーて
お前らには初お披露目だぜ

とりあえずここまで
続きは今日の夜か
明日で

ではでは

≫173

×風間さんと迅さんが
◯風間さんと太刀川さんが

すいません
訂正します

こんばんは
続き投下します


『ヤマトの起動を確認』

機械音が響く

『残存トリオン88%のうち、50%を消費。戦闘体を特別体へ換装、弧月を強化。特別体解除まで残り300秒、カウントダウン開始』

バチバチと俺の身体がさらに換装されていく
格好は普通の隊服から和服らしき着物へ
そして弧月は刀身が伸び、日本刀のようになっていく

「さて、どいつから基地に戻りたい?」

悪いな
お前ら全員蹴散らすぜ

「おいおい…なんだそりゃ」

「玉狛の新トリガーか?前はそんなん使ってなかったろ」


出水と米屋がやや驚きながらも冷静に質問してくる
動揺してくれたらもらいもんだと思ったけど、そんな甘い相手じゃないわな

「悪いが、あんまりお喋りしてる時間はなくてな…」スッ

俺は弧月を腰の位置にもっていき、まるで居合いのような格好をとる
そして左手からアステロイドを形成し…

「アステロイド+弧月」ギュワン

「「「!?」」」

「斬空弧月 死突」キィィン

「!!弾バカ!」バッ

「分かってら!!」バッ

「シールド!」キン


出水と米屋が瞬時に回避行動に移る
彼らは比企谷八幡という人物をよく知っているからこその回避なのだろう
嫌な予感がする、と
が、三輪はシールドを張った
いや、張ってしまった

「フッ」ニヤッ

「…!!秀次!」バッ

ボッ!!

「!?」


次の瞬間
三輪を庇った米屋の胸に…

直径20センチほどの風穴ができた
さらにその後方にある民家をいくつも貫いていく弾丸のような白線
軽く100mはいっているだろうか

三輪を庇ったか
だがこれで…

『トリオン供給器官破損。戦闘体活動限界』

「マジかよ…」ピシピシ

『緊急脱出』

ドンッ!

まず一人


「陽介…!」

「なんだ今の…ハッチーのやつ、何をした?」

「くそっ…!」


「さーて、いきなり米屋が落ちたな。ま、本当は三輪を落とそうとしたんだが。おい三輪、基地に戻ったら米屋に礼言っとけよ?」

「…ッチ!」


俺が今何をしたのか
それにはまずこの『ヤマト』というのを説明しないといけないだろう
もう分かってると思うが、これは玉狛製の一点物のトリガーだ
名を『ヤマト』
コンセプトは『攻撃一点特化』
小南の火力重視とかそんなレベルじゃない
本当にそれのみを特化させたものだ

発動するには残存トリオンを何%か消費しないといけない
時間にして10%で1分
今回は50%分使ったから5分、つまり300秒だな
発動と同時に換装体からさらに換装した特別体になり、その時間分経過すればこの特別体は解除される


だがこの特別体、さらには弧月が強化されたこの日本刀のような剣型トリガー
まぁこれを日本刀型弧月とでもするか
これらにはある特殊な効果が付随される。

具体的には、特別体には
『この特別体の状態にある限り、あらゆるトリオン消費は大幅に抑えられる』
という効果が、そして日本刀弧月には
『日本刀型弧月と射撃トリガーの合成が可能になる』
という効果だ
さらにはこの日本刀型弧月のトリオン密度がめちゃくちゃ高くなる
多分小南の本気でやっとヒビが入る、くらい硬いだろう

ただし、いいことばっかりってわけでもない
これらの機能を付けるにあたって犠牲にしたものもある
それは
『弧月と射撃トリガー以外の全てのトリガーが使用不可になる』
というものだ


つまりシールドもバックワームも使えないということだ
っつーことは相手からの攻撃をかわす動体視力や、日本刀型弧月で叩き落とす技術、これらが必要不可欠というわけで…

そこらの隊員じゃ扱うのは到底無理ってわけだ
さらには日本刀型弧月と射撃トリガーの合成
これにはかなりのトリオンコントロールが要求される
トマホークを5秒以内で作れないやつにはまず合成すら無理だろう

ってことで結構欠点もある
が、俺はそれを全てクリアしている
というかクリアするために修行した


玉狛に転属した時、エンジニアがまず俺の何に目をつけたのかと言うと、強化視力のサイドエフェクトとアタッカーらしからぬ高度なトリオンコントロールだ
アタッカーはシューターとは違い、トリオンコントロールをほとんど必要としない
旋空弧月の時にちょっと必要なくらいだ
だからアタッカーのやつらにトマホーク作らせて見ると、30秒40秒が普通、1分をこえるやつもいた
だが俺は10秒で作れた
これならば訓練すればあのトリガーを使えるかもしれん!!
とは当時のエンジニアの言葉だ

そんなわけでこの『ヤマト』を扱うために俺は2年も修行している
実践に投入できるようになったのなんてごく最近だ
ヤマトは俺のみに扱える、つまり一点物ってわけだ

「あー、そういや三輪」

「…?」


「この前現れた爆撃型トリオン兵からボーダーのものじゃないトリガーの反応が出たろ?」

「…それがなんだ。あれはあのネイバーの…」

「いや、すまん。それ俺のこのトリガーなんだわ」

「!?」

「さっき米屋を貫いたやつあったろ?あれであの爆撃型落としたんだよ。んでそん時はこのトリガーをボーダーのって認証するの忘れててさ、悪いな。もうちゃんと認証したからよ」

「…そんなことは今更どうでもいい!」

「あ、そうっすか…」


「んで?ハッチー。そりゃなんだ?」

出水がこのヤマトのことを問いてくる

「そりゃ今は教えられんな。それに言ったろ?あんまお喋りしてる時間的余裕はないんだよ」

「そっか。んじゃお前を倒して後でじっくり教えてもらうわ」

「出来るもんならやってみな」スッ

「メテオラ!」キキン

ドドドドドドドド!!

出水のフルアタックでのメテオラだ
流石にこの範囲はまずいな


俺はバックステップで距離をとる
メテオラの嵐は俺に当たることなく土煙をあげる
すると三輪が俺の裏に回ってきた

「挟み撃ちか」


「三輪!合わせろ!」

「あぁ!」

「アステロイド!」

「シッ!」ダンッ

おっとこりゃまずい
前方からは出水のアステロイド
後方からは三輪の弧月による挟撃だ
けど…

「バイパー+弧月」ギュワン


「「!!」」

「蛇空弧月」

ガキキキキキン!!

俺の放った斬撃が様々な軌道を描き、前方の出水のアステロイドを全てなぎ払った

「なに!?」

「うそだろ!?」

三輪と出水も流石にこれには動揺を隠せないようだ

けどそんな悠長にしてて大丈夫か?

俺の放った蛇空弧月は全てのアステロイドをなぎ払っても勢いを止めることなく、その威力とスピードのまま出水へと向かっていく


「!!」

「出水!」

決まったな
これで二人目

ボッ!!

そう思った瞬間、俺の左肩が後ろから前へと貫かれる

「「「!?」」」

この衝撃で俺はバランスを大きく崩し、蛇空弧月は出水の右腕を切り裂くだけに終わり、戦闘体を破壊するまでには至らなかった

なにが!?
そう思い、後ろを振り向くとそこには


「させねーよ」ニヤッ

後方100メートルほどのビルにある人影があった

当真さん…!!
しまった…!完全に失念していた!

「比企谷、お前の目のことは知ってるぜ。真正面からやったら俺でも当てんのは無理だろうなぁ。けど、そもそも視界に入らなければいいだけの話だ、そうだろ?」

迅さんがわざわざ知らせてくれたってのに…!

『おら、出水、三輪。さっさとたたんじまえ』

「ナイスアシストだぜ!当真さん!バイパー+メテオラ!」ギュワン

まずい!

「トマホーク!」ドドドドド

「終わりだ!比企谷!」ドン!ドン!ドン!


くそっ
出水のトマホークと三輪のバイパーによる鳥かご
しかも俺は今バランスを大きく崩してる
ちっ…
せめて当真さんはもってくか…

「メテオラ+弧月」ギュワン

「爆塵弧月」ビッ

俺は先ほど当真さんがいたところへ向けて斬撃を放つ

「お?悪あがきか比企谷?でも残念、俺はもうそこには…」

「離れろ!当真さん!」

カッ!!


「!?」

俺の斬撃が当真さんのいたビルにあたった直後

ドォォン!!!

大爆発が起こった
ビルはあまりの爆発にその場で崩れ落ちていく

「おいおい…なんだそりゃ…」ピシピシ

『戦闘体活動限界。緊急脱出』

爆塵弧月の爆発に巻き込まれた当間さんは緊急脱出したようだ


ふぅ、なんとか当真さんは倒せたか
けど、俺ももう終わりだなぁ

すぐ目の前にはトマホークとバイパーによる鳥かご
もう逃げる隙間もない

すんません、迅さん
役目、果たせなかったっす…

俺は諦めて目を閉じる


しかし

「「「シールド!!」」」

!?

ガキキキキキキン!!

出水のトマホークと三輪のバイパーは俺の周りに突如出来たシールドによって完全に防がれた


「なに!?」

「!?」

なにが…?

ダダダン!

俺の目に赤い3つの影が映る

はっ…あんたらマジでヒーローだな…
かっこよすぎだぜ



「嵐山隊、現着した!」


今回はここまで
書き溜めがあと1投下分まで減ってしまったので明日の午前中を使って書き溜めます
ではでは

レイジさんの全武装と烏丸のガンナーシフトかっこよすぎじゃないっすか…?

あ、批判・感想などばしばし頂けたら幸いです

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