【オリ設定】安価とコンマで異能バトル【part 4】 (1000)


この星には――あなた達の住まう、この星には力がある。
多様な生命を生み出し、育み、時に滅ぼし、時に恵みを与える。

地球に芽生えた、知的生命体――人間。
言語を介し、文化を作り、文明を発展させた人間。
彼らは時に星の上にあることを忘れ、時に星に畏怖し、星を探究する。

2XX0年――。
とうとう、始まりの人間が星の恩恵を知り、その手に握る。
『彼/彼女』は星の恩恵を『借り/操り』――『掴む/攫む』。

星の力を『掴んだ/攫んだ』――『彼/彼女』は――始まりのグラスパー。

『彼/彼女』の出現後、人々は星の恩恵を『借り/操り』ようと躍起になり、とうとうそれを『掴む/攫む』術を見つけ出す。


増え続けるグラスパー。
願いは拡散され、神秘は増大し、やがて星の許容を超える。

始まりのグラスパーを断罪せよ――。
星は告げて、グラスパーに命令を下す。

それきり、人為的な神秘を『掴む/攫む』者は出なくなった。

壊れた星に、新たなグラスパーが生まれる余地はない――。

                  ―――――そのはずだった。


 星の力を巡る、欲しの物語


「ねえかあさん? どうしておほしさまは奇跡をあたえてくれるの?」

「あなたがいい子で、お星様もあなたのことをかわいがってくれるからよ」

「えへへ…じゃあいっぱい、いっぱい、いいこにするね」


 炎、熱、光。
 暗闇を引き裂く盛る業火。

「憎いか? 殺したいか? ならばチカラを使って、そうしてみろ」

「聞いているぞ、他でもない貴様が最期のグラスパー。つまり、殺し合う関係にあるんだ」

「始祖のグラスパーを殺せと、母たるお星様からのお願いを受けているはずだ」

「遠慮する必要はない。――早く、チカラを使って殺しにかかってこい」

「始まりか、終わりが死んだ時、欲しの奇跡が再び世界に満ちる」


 1 【オリ設定】安価とコンマで異能バトル - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1415615140/)
 2 【オリ設定】安価とコンマで異能バトル【part 2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416137182/)
 3 【オリ設定】安価とコンマで異能バトル【part 3】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416573805/)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417349321


 現時点での各種情報

 ――個人情報――
 名前:朝霧冬也  性別:男    職業:高校生
 身体能力:超優秀 精神面:不屈  異能:光蝶・掌握
 特技:声真似   望む奇跡:友達100人できるかな?
 グラスプスキル:ポイント254/100 アーム240/200 コート59/300 バーニッシュMAX
 ピラー284/250 アンテナ0/200
 戦闘スキル:狙撃115/100

 ――異能管理機関・正職員――
  枢木イアン:異能犯罪対策課課長 封じの大釘の異能 85
  手島新太:異能犯罪対策課課長補佐 明察の異能 60
  鏑木知恵:医療部 治癒系の異能 マッド ?
  萑部律:技術部 天才技術者14歳 冬也と湊の弟分 ズレ気味 150
  宇和時久:東京支部支部長 五感共有の異能 25
  ポーラ・ヘヴィサイド:技術部部長 クレイジー かわいいもの好き ?

 ――テルス・ジハード――
  グラビアス=ラークレイン:始まりのグラスパー 星の覇者 異能吸収の異能 ー

 ――ブラック・ライト――
  次郎・エドワーズ:鈍化の異能 マヌケっぽいけど強め ー
  リリカ:同じ強さを持つ影を操る異能 ゴスロリ ちゃん付け少女 -50
  黒山輝代:榊の側近 ー
  榊日和:ブラック・ライトのボス 衝撃の異能 ー

 ――友人・勢力不明――
  宮東湊:異能犯罪対策課アルバイト 親友 光線の異能 デザインベビー 180
  風条葵:元アイドル兼殺し屋 友達 心身強化(他人限定)の異能 お酒で買収可能 80
  マスター:喫茶店の主 絶対中立地の主 ー
  夜原あざみ:クラスメート 弓道部 友達 120
  御手洗深道:元麻薬の売人 ATCV-1の異能 おっさんを自称 80
  天上院秋雨:元テルス・ジハード 電撃の異能 師匠 ?
  リク:8歳美少年 おっとり系 徐々に成長中?  150

 ※各キャラ最後の数字は友好度です
  ?は友好度はあるものの、?、という意味です
  ーの表示は、友好度は存在しない、という意味です


 木の幹を蹴って、勢いをさらに増してグラビアスに向かう。
 すれ違いざまに星のチカラを集めて、精一杯の強化した右足で思いきりグラビアスを蹴りつける。

 だが、グラビアスはガイアを使っている。
 アームで満遍なく強化をするより、アームの方が一点に特化して強化することができるが、ガイアはさらにその上をいっている。

 チカラの限りに蹴りつけると、グラビアスが力んで踏ん張るのを感じた。
 グラスプスキルにおける、身体の強化は元々の身体能力をさらに向上させられる。

 お母さんが産んでくれた、丈夫な体は数少ない自慢だった。
 全身が軋むのを感じながら、グラビアスを蹴り飛ばす。払われるようにグラビアスが後退していった。

 【直下 コンマ判定】
 1~5 グラビアス「ブリューナク!」
 6~9 冬也「もう、一撃!」


冬也「もう、一撃!」

 ディスバージショットを放ちつつ、着地した足でさらにグラビアスへと畳み掛ける。
 枝分かれしたプラズマレーザーをグラビアスはあの槍を振るうことで、払いのけてきた。

 それでも、その一動作のお陰で一気に迫れる。
 右腕をポイントで強化して、大きく振りかぶった拳を、体重を乗せながら放つ。

グラビアス「ぐおっ…!?」

冬也「イケる…!」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 グラビアス「まだECはある…!」ガリッ
 4~6 グラビアス「まだECは――」天上院「そんな無粋なマネはよせよ」
 7~9 湊「冬也ァ!」


グラビアス「まだECは――」

天上院「そんな無粋なマネはよせよ」

 グラビアスがまた、誰かのECを取り出したが師匠の電撃が襲った。
 電撃はグラビアスの腕を直撃し、そこに握られていたECが放り出される。

冬也(ECを飲み込んで、グラビアスはパワーアップをした――)


 【安価下2】
 1 掌握の異能でグラビアスのこぼしたECを回収する
 2 このままの流れでさらに攻め立てる
 3 手持ちのECを飲み込んでみる


冬也(だったら、これをボクも飲み込めば――)

 パクッ

天上院「!」

枢木「冬也!」

グラビアス「――」ニィ

天上院「吐き出せ!」

 ゴクンッ

 ビクッ

冬也「ッ――!?」


 【直下 コンマ判定】
 偶数 パワーアップ
 奇数 拒絶反応
 ※0は偶数扱いです


 どくん、と心臓が激しく鼓動を打った。
 それが誰のECかは分からなかったが、飲み下した瞬間にECは体内へ溶けるようにして質量を消した。

 同時に鼓動を強く、大きく感じる。
 脈動の度、体が破裂するのではないかと思えるほど血管が膨れ上がる。

 拡大と収縮を繰り返す度、熱いものが腹の底から込み上げてきて、4度目の鼓動で血を吐いた。
 顔を液体が伝うのを感じ、手で拭うと赤かった。目から溢れる液体が染みて、視界が赤く染められていく。

グラビアス「バカなことをする、それほど死に急ぎたかったのか?」

グラビアス「ECを取り込めるだけの器があるとうぬぼれたのか?」

 両手両膝を地面につき、ねばつく血を吐き出していく。
 体内にどろどろに溶けた鉄が流し込まれて巡っているような最悪の苦痛。

 星のチカラが漲り、たちまち、それで皮膚が破れてしまいそうな感覚に陥る。

 【直下 コンマ判定】(掌握の異能+3)
 1~6 グラビアス「呆気ない幕切れだったな」
 7~9 湊「冬也、死ぬな!」


グラビアス「呆気ない幕切れだったな」

 真っ赤に染まった視界に、ボクから溢れ出た星のチカラが見えた。
 同時に体の末端から弾けとんでいくのを感じる。手足が吹き飛ぶ。

 心臓が一際強く鼓動を打って、首の消えたボクの体を一瞬だけ見たような気がした。


                           ―――――― DEAD END


 リトライ先を選んでください
 【安価下2】
 1 >>8
 2 >>12
 3 >>14


グラビアス「まだECは――」

天上院「そんな無粋なマネはよせよ」

 グラビアスがまた、誰かのECを取り出したが師匠の電撃が襲った。
 電撃はグラビアスの腕を直撃し、そこに握られていたECが放り出される。

冬也(ECを飲み込んで、グラビアスはパワーアップをした――)


 【安価下2】
 1 掌握の異能でグラビアスのこぼしたECを回収する
 2 このままの流れでさらに攻め立てる
 3 手持ちのECを飲み込んでみる



冬也(だったら、これをボクも飲み込めば――)

 パクッ

天上院「!」

枢木「冬也!」

グラビアス「――」ニィ

天上院「吐き出せ!」

 ゴクンッ

 ビクッ

冬也「ッ――!?」


 【直下 コンマ判定】
 偶数 パワーアップ
 奇数 拒絶反応
 ※0は偶数扱いです


 どくん、と心臓が激しく鼓動を打った。
 それが誰のECかは分からなかったが、飲み下した瞬間にECは体内へ溶けるようにして質量を消した。

 同時に鼓動を強く、大きく感じる。
 脈動の度、体が破裂するのではないかと思えるほど血管が膨れ上がる。

 拡大と収縮を繰り返す度、熱いものが腹の底から込み上げてきて、4度目の鼓動で血を吐いた。
 顔を液体が伝うのを感じ、手で拭うと赤かった。目から溢れる液体が染みて、視界が赤く染められていく。

グラビアス「バカなことをする、それほど死に急ぎたかったのか?」

グラビアス「ECを取り込めるだけの器があるとうぬぼれたのか?」

 両手両膝を地面につき、ねばつく血を吐き出していく。
 体内にどろどろに溶けた鉄が流し込まれて巡っているような最悪の苦痛。

 星のチカラが漲り、たちまち、それで皮膚が破れてしまいそうな感覚に陥る。

 【直下 コンマ判定】(掌握の異能+3)
 1~6 グラビアス「呆気ない幕切れだったな」
 7~9 湊「冬也、死ぬな!」


グラビアス「呆気ない幕切れだったな」

 真っ赤に染まった視界に、ボクから溢れ出た星のチカラが見えた。
 同時に体の末端から弾けとんでいくのを感じる。手足が吹き飛ぶ。

 心臓が一際強く鼓動を打って、首の消えたボクの体を一瞬だけ見たような気がした。


                           ―――――― DEAD END


―――――

 同じ結果をこうまで見事に辿っちゃうとは…
 気を取り直して…

 リトライ先を選んでください
 【安価下2】
 1 >>8
 2 >>12
 3 >>14


冬也(だったら、これをボクも飲み込めば――)

 パクッ

天上院「!」

枢木「冬也!」

グラビアス「――」ニィ

天上院「吐き出せ!」

 ゴクンッ

 ビクッ

冬也「ッ――!?」


 【直下 コンマ判定】
 偶数 パワーアップ
 奇数 拒絶反応
 ※0は偶数扱いです


 どくん、と心臓が激しく鼓動を打った。
 それが誰のECかは分からなかったが、飲み下した瞬間にECは体内へ溶けるようにして質量を消した。

 同時に鼓動を強く、大きく感じる。
 脈動の度、体が破裂するのではないかと思えるほど血管が膨れ上がる。

 拡大と収縮を繰り返す度、熱いものが腹の底から込み上げてきて、4度目の鼓動で血を吐いた。
 顔を液体が伝うのを感じ、手で拭うと赤かった。目から溢れる液体が染みて、視界が赤く染められていく。

グラビアス「バカなことをする、それほど死に急ぎたかったのか?」

グラビアス「ECを取り込めるだけの器があるとうぬぼれたのか?」

 両手両膝を地面につき、ねばつく血を吐き出していく。
 体内にどろどろに溶けた鉄が流し込まれて巡っているような最悪の苦痛。

 星のチカラが漲り、たちまち、それで皮膚が破れてしまいそうな感覚に陥る。

 【直下 コンマ判定】(掌握の異能+3)
 1~6 グラビアス「呆気ない幕切れだったな」
 7~9 湊「冬也、死ぬな!」


―――――

 頼むでぇ…
 0でもええんやでぇ…


 ループを抜け出せて良かった…
 リトライ制限つけた方がいいんだろうか…?

―――――

湊「冬也、死ぬな!」

 耳朶を打った声で、我に返った。
 血液が沸騰していて、今にも体が弾けとんでしまいそうな感覚に襲われる。

 それでも、湊の声は届いた。

湊「死んだら俺がぶっ殺すぞ!」

 物騒な激励で思わず、口角が上がった。
 そうだ、死んでなんていられない。グラビアス=ラークレインを倒すと湊と誓った。

 こんなところでヘバってなんていられない。
 ECはグラスパーの異能の塊――凝縮された星のチカラそのものだと、飲み込んで体感的に理解する。

 だったらボクは、これさえも掴み取る。
 グラスパーは掴む者だ。自分の未来を、奇跡を、この手で掴んで切り拓く存在――。

冬也「ぐ…あ、ああああああああっ!」

 叫び、抑えきれない星のチカラを自ら解放していく。
 大丈夫、耐えきれる。ボクは最期のグラスパー、星の意志に愛された者。

湊「冬也!」

 これはただ、ちょっと体が驚いてしまっているだけだ。
 だから、これくらいじゃあ死んでいられない。初めての親友が、ボクを呼んでいる。


 【直下 コンマ判定】(掌握の異能+3)
 1~5 グラビアス「あの状態から、持ち直しただと…?」
 6~9 冬也「…グラビアス=ラークレイン…覚悟しろ」


冬也「…グラビアス=ラークレイン…覚悟しろ」

 グラビアスがECを取り込んで無事なのは、グラビアスの異能と関係している。
 吸収の異能を最大限に使うことで、自分の許容量を超えた星のチカラを身に宿しても耐えきれる。
 そういうアドバンテージを得て、次々とECを使って星のチカラを強奪することであのようになってしまった。

グラビアス「たかだか1つ取り込んだ程度で対等とは思うな」

グラビアス「覚悟を決めるのはお前だ、朝霧冬也」

冬也「…ボクだけじゃない」

 光蝶を展開する。
 暗闇をそっと照らし出す光蝶は、お母さんがボクに遺してくれた。

 この光蝶が、ずっとボクを大切に見守ってくれた。
 だから、光蝶に最期のお願いをする。


 【多数決】最速で3票集まった選択肢を採用
 1 「大切な友達を、絶対に守りたい」
 2 「グラビアス=ラークレインを絶対に倒したい」
 3 「また、お星様が元気になりますように」



 ――大切な友達を、絶対に守りたい。

 最期のお願いをした。
 光蝶は音もなく、ひらひらとその場を舞い続ける。

冬也「湊、やろう。一緒に、あいつを倒そう」

湊「おう…任しとけ」

枢木「冬也、湊だけじゃあねえだろうが…。1人でカッコつけてんじゃねえぞ…痛てて…」

御手洗「ちょ、マジで? ねえねえ、お互い、いい年よ? おっさんよ、あんたも俺も」

枢木「うるせえ、従え。あいつを倒したら、お前の罪は帳消しで自由にしてやる」

御手洗「…乗った。けど職探し面倒臭いから、機関で面倒見てちょーだいな」

 隣に湊が立った。
 枢木おじさんが、反対の隣に立って、御手洗おじさんはさらにおじさんの向こう隣で臨戦態勢を取る。

グラビアス「今さら頭数を増やして、どうにかなると思っているのか?」

冬也「どうにもなる」

グラビアス「何…?」

冬也「――――だってボクらは、グラスパーだ」

 光蝶から放たれた光線が、グラビアスのアームで防がれた。
 ボクが飛び出すのと同時に、おじさんもまた駆け出していた。

グラビアス「ほざくな! ブリューナク!」

 高密度圧縮された星のチカラで形成された槍――ブリューナク。
 あれはECと同じようなものだ。EC1つに凝縮されている星のチカラを変換、形成した無双の矛。

 でも、ECは死んだグラスパーの星のチカラだ。
 だからきっと、あの槍に宿っているのはきっとあの人のはずだった。

 投擲されたブリューナクを異能で掴み、星のチカラを流し込む。
 死の縁で湊がボクを引き止めてくれたように、呼びかければきっと応えてくれると信じた。

冬也「裾野さん、ボクだよ。――恋人にはなれないけど、湊の次に、最高の友達だと思ってる」

冬也「だから、裾野さん。戻ってきて、チカラを貸して」


 【直下 コンマ判定】
 偶数 グラビアス「ブリューナクの制御が――」
 奇数 裾野『うーらーめーしーや~~~~っ!』
 ※0は偶数扱いです


 判定、把握!

 一旦休憩です
 どうもありがとうございました


裾野『うーらーめーしーや~~~~っ!』

 ヒュ-
 ドロドロドロ

グラビアス「バカな…!」

 投擲されたブリューナクを握り締めて止めると、それが光になっておどろおどろしい人影が現れる。

裾野『うふふ…ふふふふふ…ああ、冬也くん…冬也くん、ばっちり愛の囁きは聞こえたわ…』

冬也(愛の囁きなんてしてないのに!?)

裾野『うふふふ…愛のチカラは無限よね、ふふ…ふふふふ…』

裾野『その愛を阻もうとした者には、愛の誅罰を与えるわ!』

湊「後でファーストキスなり、初夜なり好きにしていいから、今はあいつをとっちめるぞ、絢菜!」

裾野『ええ、もちろんよ…ふふふふ…湊くん、ちょっとだけ取り憑くわよ』スゥ

湊「な――って、こりゃ最高だな!」

 裾野さんが湊にくっついて消えたかと思うと、光線の火力が跳ね上がった。
 グラビアスのアームを一射で削り取り、正確な二射目が削り取った箇所へと潜り込む。

枢木「グラビアス、てめえのグラスプスキル使用を禁止する――!」

 大釘を出現させておじさんがそれでグラビアスを刺し貫こうとする。
 だが、グラビアスは当然のように受けようとはせず、ピラーを発動した――が。

御手洗「おバカさんだな~? どーこにピラーなんてやっちゃってるわけ?」

 グラビアスのピラーはてんで検討外れに、乱立する木の1本を守るだけだった。
 封じの大釘がグラビアスに突き刺さり、ピラーやアームが解除される。

湊「冬也、やれ!」

 光線が無防備なグラビアスの膝関節を撃ち抜く。
 がくりとその場でグラビアスが膝をついた。

グラビアス「ッ――こんなところで、俺が負けるわけには…!」

 【安価下2】
 1 鉄拳制裁
 2 フルバースト
 3 延髄キック


 駆け込んでいった勢いを、最後に踏み込んだ左の軸足で溜め込み、星のチカラを右足へ収束させた。
 股関節から膝を曲げたままの右足を始動させる。
 膝を伸ばしながら溜め込んだ勢いと、収束させた星のチカラを一気に解き放つ。

 スッ--
 パァァァンッ

 激しい音が響いてグラビアスの随脳を破壊する。
 白目を剥きかけたにも関わらず、その顔はまだ生きていた。

グラビアス「か、あぐが――ご…」

 焦点の合わない黒目を揺らしながら、呂律も回らないまま、グラビアスはぽろぽろと地面にこぼしながらもECを両手に持つ。

天上院「無様だね、グラビアス――」

 無数のECが輝き始めた。
 グラスプスキルは異能で封じられ、膝は撃ち抜かれ、延髄に凶悪な蹴りを受けて、尚――グラビアスは動く。

枢木「マズいぞ、あの光り方は…!」

 思いきりが良すぎたせいで、ボクは体勢を崩していた。
 軸足を置いていた地面が抉れ、滑り、転倒しようとしている最中だ。

グラビアス「奇跡よ…今――ここに!」


 ECの輝きが臨界を超える。
 視界全てを白く焼き尽くす強烈な発光が起き、腰を打った地面が粉のように脆く崩れるのを感じた。




 『冬也――』

 ボクを呼ぶ穏やかな声がした。
 暖炉と、ソファーと、ガラス窓の向こうの雪。

 暖かくて、やさしい、その部屋。
 そこにぽつんとボクは立っていて、声のする方を振り返るとお母さんがいつものように座っていた。

 「お母さん…?」

 『いいえ、あなたの母親の姿を借りているだけです』

 『わたしに名前はありませんが――あなたがお星様と呼び慕ってくれる存在だと伝えておきましょう』

 「お星様って…じゃあ、星の意志…?」

 『小さいころから、ずっとあなたを見守ってきました』

 『あなたは純真で、やさしくて、とても清らかな心の持ち主です』

 『あなたなら、わたしのお願いをきっと聞いてくれると思って、最期のグラスパーに選びました』

 「ここはどこ? グラビアス=ラークレインは? 最期のグラスパーって、どういうことなの?」

 『ここはあなたの原風景。あなたとお話をするためにここへ呼びました』

 『現実とは隔絶された、一瞬にも満たない時間であなたとお話をしています』

 『ご存知の通り、始まりのグラスパーが人類で最初にわたしの存在を発見して、チカラを掴み取りました』

 『それから多くの人々が奇跡を求め、チカラを使うようになっていきました』

 『ですが、わたしという存在はあなたの気が遠くなるほど長い年月を経て蓄積された、人々の想いによって生まれたのです』

 「人々の想い?」

 『助かる見込みのない病におかされた人の、生きたいという想い』

 『属する集団を導き、見える世界を変革したいという人の、未来への想い』

 『そういった、純粋で、前を向くための人々の気持ちです』

 『わたしは多くの人々の想いを受け取り、蓄積された奇跡への願いを監視する存在として自我を持ちました』

 『そして始まりのグラスパーと、契約を交わしたのです』

 『混迷する世界には奇跡という名の希望が必要であるから、このチカラを個々人に分け与えて人類を進化させるべきと』

 『こうしてわたしは彼と契約を交わし、チカラの管理者として彼に大いなるチカラを与え、人々の意志を汲み取ってチカラを与え始めました』

 「でもグラビアスは――」

 『あなたの思う通り、彼は道を踏み外してしまいました』

 『有限であった、わたしに蓄えられたチカラが枯渇することに気づき、彼はとうとうわたしの領分まで侵そうとしました』

 『人々が神と崇めるような、絶対的な支配者になって世界を統治しようと』

 『チカラを蓄え、それを分与する人間を選ぶのはわたしの役目でしたが、それさえも彼は自ら行おうとしました』

 『わたしは直接、何かの奇跡を起こすことはできません。そこで、わたしに代わってあなたに託すことにしたのです』

 『彼がわたしから奪った、チカラを蓄える器の奇跡を取り戻してもらうために』

 『そしてあなたには、人々の想いから成り立つチカラを実現させる奇跡を与えました』

 『器の奇跡と、実現の奇跡――この2つが揃った時、望むままのあらゆる奇跡が実現するでしょう』

 「望むままの、あらゆる奇跡…どんなこともできるの…?」

 『その通りです。そして今、始まりのグラスパーは収集したチカラの結晶を暴走させています』

 『このまま看過すれば、この星は絶望と怨嗟による悪しき想いが蔓延してしまいます』

 『冬也――あなたのチカラで、どうか、助けてください。あなたのチカラは、大切なものを掴みとるためのものです』



 星の意志は静かに語り、ボクを見つめていた。
 射抜くような鋭いものではなく、本当に見守っているような暖かな眼差しだった。

 「でも…どうすればいいの?」

 「助けてあげたくても、どうやればいいかさっぱり分からない」

 「それに、ECが暴走した…って、あのすごい光だよね? あんなの、どうやったって――」

 『信じてください』

 『冬也なら、きっと何を、どう掴み取れるか分かっているはずです』

 『星の奇跡は、欲しの奇跡です』

 『望み、願い、欲してください』

 『そうすればきっと――あなたの未来を掴み取れます』

 「ボクの未来…」

 『あなたは何を望みますか?』

 「ボクは…ボクの望みは、――――」


 【多数決】↓1~5で多票獲得した選択肢を採用
 1 また皆で笑い合いたい
 2 友達をたくさん、100人以上作りたい




 「ボクは…ボクの望みは、――また皆で笑い合いたい」

 「皆で一緒に喧嘩したり、笑ったりしながら、明日を迎えたい」

 『では、あなたの未来に祝福あれ。ずっとここで、見守っています』

 「…………うん。それじゃあ、今度こそ、ちゃんと…さようなら」

 『…』

 「今までありがとう、お母さん――」

 『行ってらっしゃい、冬也――』





 光が全てを飲み込み、白く、白く、染め上げる。

 光の中に手を伸ばして、そっと握り締めた。
 これは見せかけでしかない、まやかしのとても危ない光だった。

冬也「グラビアス――お前は間違ってる」

冬也「ボクらのチカラは、どこかの誰かが必死になって願った、尊い想いのチカラだ」

冬也「でもきっと、こんな想いをする人が誰かを傷つけたいって願ったわけじゃない」

冬也「だからここで止める。お前がやろうとしているのは、色んな人達の大切な気持ちを踏みにじっていることだ」

 壊さないようにやさしく、広がらないようにしっかりと、指を折り、手の中へ押しとどめていく。
 光は拡散をやめて一箇所に集まっていく。光の中心地にグラビアス=ラークレインはいた。

グラビアス「どうして分からない――?」

グラビアス「このまま放っておけばチカラを失い、人類は衰退して死に至る」

グラビアス「枯渇したのなら、また集めて維持すればいい。増えすぎたグラスパーを間引き、俺が管理をする」

グラビアス「それが、このチカラを発見した俺の務めだ。邪魔をするな、朝霧冬也」

冬也「星はボクらを見捨てたりなんかしないよ」

冬也「だから、人々の想いを汲んで、いつかのために蓄えてくれていたんだ」

冬也「確かにグラスパーが増加したことで、チカラは減少して消えてしまったかも知れない」

冬也「でもそれだけだ。また、星はどこかの誰かの願いをちゃんと聞いて、きっと蓄えてくれる」

冬也「枯渇なんて絶対にしない。お前がそうやって、延命をはかろうとしている想いだって、星は汲みとってチカラにする」

グラビアス「そんなことでは到底間に合うはずがない…!」

冬也「星が人間を信じてくれているのに、人間が星を信じられないなんておかしいよ」

冬也「星に還すんだ、このチカラを」

冬也「明日を生きようって、また皆で笑おうって、そう願って、想い続けるだけで、きっといつまでも星は見守ってくれる」

冬也「グラビアス=ラークレイン――あなたが星のチカラを見つけたのは、悪いことじゃなかった」

冬也「あなたがいなかったら、きっとグラスパーになれずに圧し潰されちゃった人がいたはずだよ」

グラビアス「っ…!」

冬也「もうやめよう。…奇跡を一人占めなんかしたら、それこそ世界が終わっちゃうよ」

 光が収束していき、1つの結晶に戻った。
 その場に座り尽くすグラビアスに歩み寄ると、その身体にヒビが入るのを見た。

冬也「!」

グラビアス「…そこまで言うのなら、お前を最期に信じてみよう」

グラビアス「これまで俺が溜め込んできた星のチカラも、星に還す」

グラビアス「お前が掴む未来を――ずっと待っている」

 言葉を遺してグラビアスの身体が塵になって消え去った。
 寄り集まったECは大きな結晶体になり、やさしい光を発した。

冬也「っ…眩しい――」

 手で顔を隠し、光を遮る。
 それでも光は広がり続け、星を覆い尽くしていった。




湊「と・う・や!」

冬也「っう…あれ…?」

枢木「ようやく起きたか…」

御手洗「死んじゃってるかと思って、心配してたのよ?」

冬也「…えっと…どうなったの?」

湊「知るか。気づいたらグラビアスは消えてて、みーんな寝てた」

湊「ついでに…周り見てみろよ」

冬也「…………何の変哲もない、薮の中…」

湊「派手に暴れてたのに、そんなことなかったってばかりに平然としてやがるんだぜ、この山」

湊「イアンの頭みたいに緑が禿げた残念極まりねえ山になりかけてたのに」

枢木「誰の頭が禿げだ、この野郎!」ゴツッ

湊「痛って!?」

御手洗「にしても…犠牲は大きかったなあ…」

冬也「っ…そうだね…」

湊「シケさせんなっつーの…」

 ザッザッザッ…

枢木「?」クルッ

湊「はあ…絢菜も姿見えねえし、どうなっちまってんだかなあ…」

<おーい…

御手洗「んん?」

冬也(女の人の、声…?)

湊「あれ、そういや天上院もどこ行ったんだ…?」

御手洗「ありゃ?」

枢木「おいおいおい…確か、あいつらって…」

冬也「夢――?」ギュムッ

冬也「痛っ…」

湊「あん? どしたんだよ、揃いも揃ってアホ面して――」

<ちょっと野郎ども、レディーのお迎えくらいちゃんと来なさいっての!

湊「風条!?」

風条「ったく、使えないんだから」

緑野「あの…お疲れさまでした」

碧石「…」

沖浦「どうなったんですか? 色々と…」

夕木「何でか沖浦がピンピンしてて…わたしも重傷だったはずなんだけど…」

御手洗「ま、まままさか…また幽霊…?」

湊「いや、足があるぜ?」

 ガサッ

冬也「っ――何か冷たい気配が…」ビクッ



 ガサガサッ

??「うふふふ――」

冬也「この笑い方は…!?」

裾野「う~ら~め~し~や~」

冬也「出たぁ――――っ!?」

湊「絢菜! 無事だったのか!?」

 タタッ
 ガシッ

裾野「ふふ…ええ、何でかこの通りよ…」

湊「いや、良かった、良かった!」

 ブンブン

冬也「あれ?」グシグシ

冬也「………………ねえ湊、裾野さんの手、あったかい?」

湊「ん? おう、そりゃもう、血の通ったぬくもりのある手だぜ?」

裾野「うふふ、やだ…照れちゃうじゃない…」

御手洗「よくよく見りゃあスレンダーな足してるじゃないの」

風条「まず足をチェックするってサイテーね、やっぱ。この変態」

御手洗「もっとけなしてくれ…げへへ…」

冬也「……………………いやいやいやいやいや、裾野さん、何であるの?」

湊「お?」

裾野「あら…」

冬也「それに幽霊なのに湊と握手できちゃってるって、どういうこと?」

裾野「これは…あれよ…」

湊「要するに、あれか!」

冬也「はい?」

裾野「冬也くんは幽霊だからわたしと交際してくれなかったんでしょう?」

裾野「きっと神様が、わたしを生き返らせてくれて、冬也くんと一緒にめらめら燃える愛を育みなさいというお告げに違いないわ!」

裾野「うふふ…うふふふふふ…! 冬也くぅ~~~~んっ!」

 ズドドドドッ

冬也「ひえっ、来た…!?」

裾野「これでも生前は健脚だったのよ? 山登りしちゃうくらいには――」

 ガシッ

冬也(捕まった――)

裾野「うふふ…あれが終わったから、ファーストキスなり、初夜なりしてもいいのよねぇ…?」

冬也「あの、その、ちょっとボクは、ほらあの年齢差とかあるしね…?」

湊「キーッス、キーッス、そらキーッス、キーッス」

御手洗「ひゅーひゅー、若いっていいねえ、ほらキーッス、キーッス」

冬也「だ、誰か…誰か、助けてくださぁああああああ――――――――――――――いっ!!」

 ブッチュウゥゥゥッ



 夏が終わった――。
 グラビアス=ラークレインはどこにもいなかった。

 暑い季節が過ぎると、あっという間に季節は巡っていく。
 テルス・ジハードの消滅によって規模縮小されると湊は睨んでいたが、それは大外れだった。

 グラビアスの溜め込んだ大量のECは全て消え去って、星に還っていった。
 それによって再び、世界中で次々とグラスパーとなる人間は増えて、機関はその管理に追われることになる。

 枢木おじさんは異能犯罪対策課の課長として、ストレスで禿げてしまうくらいの激務をこなす。
 そして、鏑木先生とめでたく結ばれることになった。プロポーズの言葉を湊と一緒に聞き出したかったが、教えてくれない。
 その現場に居合わせていた手島さんによると、「ロマンなど欠片ほども雰囲気がないもの」だったらしいけど詳細は不明だ。

 学校は夏期休業前に凄惨な事件があったはずなのに、あの朝――死んでしまった生徒や、教職員が体育館に生きて目を覚ました。
 誰も、何がどうなったかを分かってはいないけれど、皆が口を揃える。――――これは奇跡に違いない、と。

 そのお陰で寂しくなりそうだと予感していた二学期は、思いもよらない喜びを伴って始まった。

 思いもよらないことと言えば、緑野さんと碧石さんも結婚した。
 どこで何が起きてしまうのか、本当によく分からないものだった。

 これも奇跡の産物――なのだろうか。

 それから、裾野さんは見事に生き返っていた。
 毎日、ボクを千里眼の異能で探し当てては迫ってくるので、何だか本能的に逃げ回っている。
 ちなみに裾野さんはその異能を買われて機関に就職した。

 機関繋がりと言えば、風条さんと御手洗さんはグラビアス=ラークレイン討伐参加の功績によって自由を手に入れた。

 風条さんは「殺し屋もアイドルももう、懲り懲りだから機関のバイトでいいわ」と大好きなお酒を飲みながら語っていた。
 御手洗さんは「男のロマンを求めて、俺は旅立つぜ。まずは湯煙と煩悩渦巻く温泉街全制覇よ!」と意気込んでいた。
 ……多分、御手洗さんは得意のグラスプスキルで覗きとかをしまくるんだと思います。

 本当に何もかもが、丸く収まってしまったようで、ボクの周りは平和そのものだった。


 月日は簡単に去っていって、秋を過ぎて冬になり、雪が溶けて――とうとう、春になった。


 この街に来て、何百枚目かも分からないハムカツをかじりながら、夕暮れのアーケードを湊と並んで歩く。
 ザクザクと音を立てながらハムカツをかじり、ごくんと喉を鳴らして飲み込み、くしゃりと紙を手の平に丸め込む。

湊「冬也、お前――ほんとに行くのか?」

冬也「うん。師匠が今、アラスカにいるから…そこまで来いってさ」

 師匠はあの日を境に姿を消したが、初雪の降った日に一通の手紙が届いた。
 高校を卒業してすぐに旅に合流するように、というお達しで、いよいよ、明日の卒業式が終わったらこの街を離れることになった。



湊「リクが寂しがるぞ?」

湊「ビリヤード、ダーツ、トランプ、お絵描き、あやとり、サッカー、野球に将棋…」

湊「あれやってこれやって、って頼む相手が1人減っちまうんだから」

冬也「そこは…湊がいるし。今生の別れでもないしさ、別にいいと思うよ」

湊「…律も寂しがるぜ」

湊「アゲアゲくん10号機のパーティーやりたいとか、さんざん言ってるのをまだすっぽかしてるし」

冬也「8号機がちっちゃくて持ち運び便利で、うるさくもないから持ってこうかな」

湊「イアンもお前のこと、こき使ってるし、いなくなったら俺の負担が増えちまう」

冬也「確か異動で誰か新しく配属されてくるんでしょ? だったら人手は変わらないよ」

湊「…ああ、そうそう、風条。風条がさ、ありゃきっと…あー…お前に惚れてるぜ?」

冬也「そんなことないって。風条さんの好みは大人な人だよ? ボクじゃないよ、少なくとも」

湊「絢菜、絢菜はほら、お前といちゃつくために生き返ったってのに――」

冬也「裾野さんは強いし平気だよ…。それに、湊のことも気に入ってる節あるじゃん」

湊「……夜原! 夜原はどうなったんだよ? 最近、俺とじゃなくて夜原と一緒に帰ってるじゃん」

冬也「【安価下1】」

 1 あざみ――じゃあな・く・てっ、夜原さんはあのー…うん、ほら、今は地球の反対同士でも繋がれる時代だし?
 2 夜原さんはお友達、そういう関係じゃないよ
 3 地球スケールの遠距離恋愛でも大丈夫なくらいには進展してるから、ボクとあざみはいいんだよ



冬也「夜原さんはお友達、そういう関係じゃないよ」

湊「…」

冬也「湊、さっきからさ…何が言いたいの?」

湊「……べぇっつに~?」

冬也「もう、短いつきあいじゃないんだから分かるよ」

冬也「湊だって、東京の大学に合格したじゃない。ボクが行かなくたって、もう…さよならの時だよ」

湊「な、何だよ、その言い草! まるで俺が女々しくお前に行くなって引き止めてるみてえな――」

冬也「違ったの?」

湊「違う!」

冬也「…」

湊「…………」ススス

冬也「目逸らしたね」

湊「あの、天上院だぞ? 変態っつーか、変人、奇人の分類だぞ?」

湊「それに俺はお前のボディーガードとしてだな――」

冬也「その役目はもう終わってるってば」

湊「…ああそうだよ! 悪いか、センチになって!」

湊「俺…俺にとってのお前は、その…初めての友達ってほど寂しい人間関係じゃないけど、何だ? そのさ…あるだろ…こう…」

冬也「親友」

湊「…そ、そう、そんな言葉じゃ収まらねえけど、要するにそういうことみたいなもんであって? だからその、何だ…ほら…」

冬也「ボクも湊が初めての親友どころか…初めての友達だよ」

冬也「学校終わって買い食いして、遊んで、振り回されて…こんなにいっぱい、一緒に時間を過ごす友達いなかった」

湊「お前って寂しい人間関係だったんだな…」ポン

冬也「…でも、今はそうじゃないよ」ペシッ

冬也「ボクらもう、友達だ。だから、ちょっとくらい離れたって、また会えれば昨日さよならした時みたいになれるよ」

冬也「確かに寂しいし、1人でアラスカ行くなんて不安だけどさ、湊と一緒に過ごせてボクも成長した」

冬也「だから今度は、お互い離れて、それぞれ大人になって、また会おうよ」

冬也「約束。友達との約束は、絶対に守るよ」スッ

湊「………………カッコつけんな、冬也のくせに」パシッ

冬也「えっ、そこ握手の流れじゃ――」

湊「じゃあこうしよう。再会した時、どっちが立派な大人になれたか競おうぜ」

湊「負けた方は、勝った方に奢りだ」

冬也「…いいよ、乗った」

湊「負けねえぞ、俺は」

冬也「ボクだって。買ったら、ハムカツ10枚、大人買いでおごりね」

湊「10枚どころか、100枚買ってやんよ」

冬也「じゃ、ハムカツ100枚賭けて勝負だよ」

湊「おう」スッ

冬也「約束ね」

 コツッ




 ボクらはそれぞれの道をいく。
 それぞれの未来を見据えて、見えない未来に手を伸ばす。

 でもそこは暗い闇じゃないと、ボクは知っている。
 手を伸ばした先にあるのは、掴みたい未来があるはずだと――そう、信じている。


 これは星のチカラを巡る、欲しの物語。
 明日を求めて欲する人達の、未来を掴みとるお話。



                  ヒ ト リ メ
                 『朝霧冬也』が紡いだ、明日を掴む物語 ―――――― HAPPY END.





 くぅ疲です
 おつきあいいただいて、ありがとうございました


 【星の子】
  朝霧冬也
  性別:男   
  職業:高校生→旅人
  身体能力:超優秀
  精神面:不屈 
  異能:光蝶・掌握
  特技:声真似  
  望む奇跡:友達100人できるかな?

  グラスプスキル
  ポイント:254/100
  アーム:240/200
  コート:59/300
  バーニッシュ:MAX
  ピラー:284/250
  アンテナ:0/200

  戦闘スキル
  狙撃:115/100
  天上院流格闘術:30/100

 ・最期のグラスパー
 ・異能は母から譲られた光蝶と、自前の掌握のダブル
 ・身体能力は初めてのスポーツでもルールさえ分かれば、ぶっちぎりになれるほど高い
 ・絹ごし豆腐以下だった脆弱メンタルも成長し、自分の信じる正しいと思うことをやり遂げようとする、不屈の精神性を持つ
 ・高校卒業後、師匠の天上院秋雨の旅に合流し、世界中を巡ることになる


 《新規キャラクター設定時、所属勢力・立場を選択できるようになりました》
 選択可能勢力・立場
 ・異能管理機関
 ・ブラック・ライト
 ・フリー


 ハイ、こういうことで…
 次回もどうか、よろしくお願いします

 おやすみなさいませ




 本日は18時前後に開始するつもりでございます

 以下の12項目を安価やコンマで決めてから、2人目のお話が始まりまする
 ・性別(♂or♀)
 ・名前(自由安価)
 ・職業(自由安価)
 ・身体能力値(コンマ二桁)
 ・精神値(コンマ二桁)
 ・頭脳値(コンマ二桁)
 ・異能強度(コンマ二桁)
 ・異能(案募集の上、多数決採用)
 ・特技(自由安価)
 ・所属勢力(機関orブラックライトorフリー)
 ・主用舞台(東京or某市orその他)
 ・望む奇跡(選択肢or自由安価)
 良ければご参加してくださいまし~

 それでは後ほど


 それでは、始めさせていただくでございまする

 まず、始めに主人公のお名前です
 あんまり変なのはずらすけど、日本人名にこだわる必要なナッシングですよ

 【安価下3】
 主人公のお名前

 よろしくお願いしまーす


 名前:菊野明

 うん、どっかで明ちゃんって名前の女の子も見たことはあるっちゃあるし…

 【安価下2】
 菊野明の性別は?
 1 男!
 2 女!


 圧倒的2にちょっと面食らった

 名前:菊野明
 性別:女

 えー、じゃあ…
 【安価下3】
 ご職業をお願いします
 1 JK
 2 異能管理機関
 3 その他、自由
 ※ここで「2」を選択すると、勢力も機関になります

2


 多分、>>113>>111を見てのことだろうから、「2」ということで

 名前:菊野明
 性別:女
 職業:異能管理機関職員
 所属勢力:異能管理機関

 では、各能力値の判定を一気にやりましょう
 振り直しは1回だけおkです、安価で振り直すか、振り直さないか、何に振るかは次で決めますので

 【直下 コンマ判定】
 身体能力値 01<00

 【下2 コンマ判定】
 精神値 01<00

 【下3 コンマ判定】
 頭脳(頭の良さ) 01<00

 【下4 コンマ判定】
 異能強度 01<00

 それぞれ、二桁での判定です
 ※ゾロ目ボーナス! ゾロ目の数値+出ている数字の数
  例:77が出た場合→ 77+7=84


 安定してますなあ…

 名前:菊野明
 性別:女
 職業:異能管理機関職員
 勢力:異能管理機関

 身体能力値:78 学生時代、きっと体育の授業ではヒーローだったはず
 精神値:46 くよくよしたっていいじゃない、人間だもの
 頭脳:84 けっこうキレ者、あまり騙されたりしない
 異能強度:52 フツーに使える感じの異能

 【安価下3】
 1 振り直しはしない
 2 振り直しましょうとも
   A 身体能力値
   B 精神値
   C 頭脳
   D 異能強度
 ※振り直して低くなっても戻せないのです


 では、精神値:46の振り直しです

 【直下 コンマ判定】
 精神値
 ※ゾロ目ボーナス! ゾロ目の数値+出ている数字の数
  例:77が出た場合→ 77+7=84

 半分以上の確率で良くなるはず!


 う、うん、低くならなくて良かったね!

 名前:菊野明
 性別:女
 職業:異能管理機関職員
 勢力:異能管理機関

 身体能力値:78 学生時代、きっと体育の授業ではヒーローだったはず
 精神値:49 たまにくよくよしたっていいじゃない、人間だもの
 頭脳:84 けっこうキレ者、あまり騙されたりしない
 異能強度:52 フツーに使える感じの異能

 ではでは、お待ちかね…
 異能です
 まずは案を募集し、こっちで調整をします
 その後、多数決で決定という流れになります
 凝ってもいいっちゃいいんだけど、>>1の手に負えないのはノミネートされないので気をつけてください!
 あとこっちでバランス調整のためにいじりますゆえ、ご了承を!

 18:28までがんがんどうぞー!

タロットカード計22枚の実体化
それぞれ特徴に見合った特殊能力を持つ
0愚者 術者の指示に従わず、自分で考えて戦う
1魔術師 武器を生成する
2女教皇 術者の精神を安定させる
3女帝 植物を放つ
4皇帝 気を放つ
5教皇 術者に代わり、他のタロットたちを術者として指揮することができる
6恋人 キューピットの矢で撃ちぬいた相手を術者に惚れさせる
7戦車 一直線上を急加速で移動する
8力 ライオンを放つ
9隠者 気配を遮断する
10運命の輪 相手を傷つけると同時に運気を吸い取り術者に還元する
11正義 術者の想いによって強さが変化する
12吊された男 浮翌遊しながら逆さまになった状態で戦う
13死神 13秒死神を見続けた者を仮死状態にする
14節制 水を放つ
15悪魔 肉体をすり抜け精神を攻撃する
16塔 雷を放つ
17星 強力な閃光を発する
18月 幻を操る
19太陽 火を放つ
20審判 ラッパを吹いている間、仲間の傷を癒す
21世界 全てのタロットの能力を持つ。ただし同時に使用できない


 予想以上に多い…!
 嬉しい悲鳴とはこういうことを言うんですね
 選出するのがめっちゃ大変やでぇ…

 >>138-154の中から選んで、それぞれまとめるのでお時間をいただきまする

 その間に次の安価
 【安価下3】
 特技
 ※声真似を活かす機会なくてごめんなさいでした…
  あまりひねらない方がいいかもです


 知能に長けて、人を騙すのが得意…
 ちょっと、勢力を改めて後で安価とりますね

 名前:菊野明
 性別:女
 職業:異能管理機関職員
 勢力:ー
 特技:人を騙す

 身体能力値:78 学生時代、きっと体育の授業ではヒーローだったはず
 精神値:49 たまにくよくよしたっていいじゃない、人間だもの
 頭脳:84 けっこうキレ者、あまり騙されたりしない
 異能強度:52 フツーに使える感じの異能

 今現在、こんな感じで…
 ノミネートした異能はこちらです

 影の異能
 ・自分の影と、その影と重なった他の影を意のままに操れる
 ・影の面積に比例して発揮できる力も異なる
 ・暗闇では無力

 氷の異能
 ・何もないところから氷を生み出して操れる
 ・対象の凍結、氷で形成した武器の使用など、用途はいろいろ

 武器具現の異能
 ・およそ武器と認識しうるものをその場で精製する
 ・ただし複雑なもの、巨大なものは精製が大変で時間がかかったり不調を起こしたり
 ・異能を解除することで武器も消え去る

 知覚破綻の異能
 ・自分や他人の感覚を操る
 ・痛覚を鈍くして痛みを感じなくしたり、嗅覚を過敏化させて強化したり
 ・感覚を強くしすぎて弊害を被ることも…

 三態の異能
 ・物質の三態(固体・液体・気体)を操る
 ・操れる物質は1度に1つまで。空気中の水分を主に操ることになる
 ・>>1があまり化学的知識がないのが最大の弱点

 自然喚起の異能
 ・かつて地上で起きたあらゆる現象を任意の場所へ再現する異能
 ・地震・雷・噴火・台風・干ばつ・大雨などなど
 ・制御不能に陥ると大変危険なため、かなーり使いづらく、実質的に大した現象は起こせない

 思念の異能
 ・物質に使用すれば残留思念などを感じ取ることができる
 ・生物相手だと「ほんのり」程度に表層で思っていることが分かる
 ・尚、コンマ次第で大化けして凶悪になる可能性あり

 >>1的なおすすめは使いやすい「氷」と、
 なんか色々と策謀が渦巻きそうな「思念」のどっちか、かな…?

 残念ながら漏れちゃった方はごめんなさい
 すごく考えていただいてて嬉しかったんですけど、使えこなせそうになかったんです

 また、がんがん新キャラとか出るんで、頑張って安価を取っていってください

 そんなわけで、【多数決】です
 1 影
 2 氷
 3 武器具現
 4 知覚破綻
 5 三態
 6 自然喚起
 7 思念

 以上の7つの内から、最速で3票集まったものを採用にしたいと思います

 では、よろしくお願いします!


 はい、決まりましたー!
 機械的なもの、巨大なものは取り出すのに失敗したりするから気をつけてね!

 名前:菊野明
 性別:女
 職業:異能管理機関職員
 勢力:ー
 特技:人を騙す
 異能:武器具現

 身体能力値:78 学生時代、きっと体育の授業ではヒーローだったはず
 精神値:49 たまにくよくよしたっていいじゃない、人間だもの
 頭脳:84 けっこうキレ者、あまり騙されたりしない
 異能強度:52 フツーに使える感じの異能


 んでもって、勢力です
 職業は「異能管理機関職員」でもう決定で、これは変えられませんが…

 人を騙すなんて特技と、頭の良さと、意外といい運動神経などなど…
 何かもうまるで、どっかのスパイみたい!
 っていう>>1の妄想が動き出したので安価します

 【安価下3】
 所属勢力
 1 やっぱり機関やで
 2 実はブラック・ライトから送り込まれてるんやで
 3 新勢力があってな、何かの目的で機関に潜り込んでるんやで


 スナイプ、すげえ
 いいよいいよ、スナイプどんどんしちゃってくださっていいですよ

 安価の連投はNGですけどね

 はいそんなわけで、
 実はブラックライトのスパイでした!
 となると、表向きは機関に所属しながらもブラックライトと密かに連絡を取り合う…

 バレるの、バレないの、バレかけて言い包められるの、というやり取りが楽しめちゃうんですねぇ
 しかもあれよ、1回裏切ったら次またいつ裏切るか分からないから、コンマ次第じゃ孤立ってこともありえちゃうという…
 いやー、人間関係がとっても大事になってきますね

 名前:菊野明
 性別:女
 職業:異能管理機関職員
 勢力:ブラック・ライト
 特技:人を騙す
 異能:武器具現

 身体能力値:78 学生時代、きっと体育の授業ではヒーローだったはず
 精神値:49 たまにくよくよしたっていいじゃない、人間だもの
 頭脳:84 けっこうキレ者、あまり騙されたりしない
 異能強度:52 フツーに使える感じの異能

 では、次の安価は主用舞台です
 ちなみに、冬也の場合は某市でした
 もちろん架空で、本州のどこかにある田舎街という設定でした

 で、この舞台次第で、出てくる既存キャラも変化するわけですよ
 ネバダとかいきなり言われたら舞台はアメリカさんになっちゃって、たまたま旅してた冬也に出会えたりするかもだし
 東京を選べば、東京の大学に出てきてる湊と出会えたりしちゃうこともあるし、
 また某市を選べば枢木課長とか新太ちゃんとか律とかもいるかも知れないし…

 もっとも、冬也と天上院については「旅人」やってるから、
 すぐ別のとこに行っちゃうこともあるし、ふらっと帰ってきたりなんてこともあったりなかったりで登場はランダムだけどね

 【安価下3】
 1 東京
 2 某市
 3 その他、自由


 東京が選択されました
 あ、新組織とか自分で立ち上げちゃってもいいですし、安価やコンマ次第で出てきますよ

 表向きには東京支部所属なので、宇和さんとか緑野・碧石夫婦とか、湊とかいますね

 舞台:東京

 名前:菊野明
 性別:女
 職業:異能管理機関職員
 勢力:ブラック・ライト
 特技:人を騙す
 異能:武器具現

 身体能力値:78 学生時代、きっと体育の授業ではヒーローだったはず
 精神値:49 たまにくよくよしたっていいじゃない、人間だもの
 頭脳:84 けっこうキレ者、あまり騙されたりしない
 異能強度:52 フツーに使える感じの異能

 んでもって、最後に「望む奇跡(=願い)」ですね
 冬也は巻き込まれ型だったからほとんどフレーバーだったけど、行動原理とか、最終目的みたいに考えてもらっておkです

 来歴なものとかと合わせて、ちょびっとだけ募集かけて、それに>>1のも加えて、多数決で採用という流れにしましょうか

 簡単に例を…

 望む奇跡:復讐
 ブラック・ライトは孤児だった彼女をスパイとして養成する目的で拾って育て上げた
 汚い仕事をさせられているとは言え、初めて暖かい食事をくれたブラック・ライトは家族も同然
 それなのに機関は、大切な家族を殺しまくった。その復讐をするために機関を必ず壊滅させたい

 みたいな感じで、お願いしまーす
 唐突だから出て来ないかもですけど、出てこなかったらこっちで色々考えて選択肢で出しますので
 そいじゃあ、19:25まででよろしくお願いしまーす

機関と対立はあまり見たくないな…勝てなさそうだし仲間だった奴らが死んだりは
スパイバレれば風条さんみたいに協力関係なるかもしれないしそれ狙いで

スリルを味わいながら生きていたい


 いっぱいきたなあ…
 9秒だけだったから、>>218もいれて…
 >>205-218から選びましょう

 ちょっとまとめるんで、待っててくださいね

 その間に判定です

 【直下 コンマ判定】
 偶数 湊はリクと一緒に上京していた
 奇数 リクは某市の枢木家にいるよ

 【下2 コンマ判定】
 偶数 律「東京支部に異動されちゃったです」
 奇数 律「某市にいるです」

 ※0はいつも通りに偶数扱いです


 湊、リク、律が上京
 多分、1番寂しがってるのは冬也、間違いない


 で、ここから多数決って…割れまくらなきゃいいけど…
 多数決始まって、10分経っても票が割れたままだったら、コンマ神に決めていただきましょう

 【多数決】最速で3票集まったものを採用
 1 復讐 家族と慕っていたブラックライトを壊滅同然にさせられたことによる恨み
 2 恩人の男の子探し
 3 真実を知る 何が正しいのか。機関か、ブラックライトか、それとも別のものなのか
 4 記憶を取り戻す グラスパーとしての自分のチカラしか覚えていなかった。記憶の手がかりを探すために機関の潜入へ志願
 5 復讐 同じ方法で復讐をしても、被害者を生むだけ。機関に取り入り、牛耳って支配をしたい
 6 弟探し 幼少期に生き別れになった弟との再会を望む
 7 世界平和 機関の二重スパイとして、過激武装派組織を壊滅させたい。かつて過激組織のせいで家族を失ったから
 8 色々やりたい 一度っきりの人生、楽しまないと損。スパイ上等、貴重な経験してますわ
 9 救世主になりたい 悪党がのさばる世界はいずれ滅びを迎えるはず。同志と出会い、滅びを回避したい
 10 平穏 死にたくないから重ねる悪事 芽生えた自我を守るべく、誰かを傷つけてでも生き延びたい
 11 貢献 ブラックライトは立派な武器製造メーカー、紛争だって終わらせられる。がんばって貢献するよ
 12 自己承認欲を満たしたい 自分は欠陥品じゃない。誉めてほしい、それだけでいい
 13 刹那的快楽主義者 スリルは最高のエンタメだ、綱渡りを楽しまないと

 とりあえーずでまとめたから、案を出してくれた人とは変わっちゃう部分もあるかもだけど、
 安価とコンマ次第でこれも徐々に徐々に変化したり、しなかったりするものなので悪しからずです

 では、多数決をお願いします


 はい、2になりました

 舞台:東京

 名前:菊野明
 性別:女
 職業:異能管理機関職員
 勢力:ブラック・ライト
 特技:人を騙す
 異能:武器具現
 願い:恩人の男の子を探したい

 身体能力値:78 学生時代、きっと体育の授業ではヒーローだったはず
 精神値:49 たまにくよくよしたっていいじゃない、人間だもの
 頭脳:84 けっこうキレ者、あまり騙されたりしない
 異能強度:52 フツーに使える感じの異能

 こんな感じで、予定していたものは全て埋めりましたが…
 主人公は女性ですから、とても大切なものを決めないとなりません

 【直下 コンマ判定】
  1  絶壁
 2~3 ちっぱい
  5  フツー
 7~8 おおきめ
  9  悩殺もの
  0  もう、皆さんに多数決で決めてもらいましょう


 明さん、ちっぱい

 で、このちっぱいについて、彼女は…
 【安価下3】
 1 コンプレックス
 2 希少価値だ
 3 どうでもいいっす


 ない胸を張れるタイプですね、わかりました

 あ、あと願望で「2」になりましたけど、元の案が恩返しをしたいでしたね
 これ忘れてたんでつけ加えておきます

 舞台:東京

 名前:菊野明
 性別:女
 職業:異能管理機関職員
 勢力:ブラック・ライト
 特技:人を騙す
 異能:武器具現
 願い:恩人の男の子を見つけ、恩返しをしたい
 バスト:ちっぱい(希少価値)

 身体能力値:78 学生時代、きっと体育の授業ではヒーローだったはず
 精神値:49 たまにくよくよしたっていいじゃない、人間だもの
 頭脳:84 けっこうキレ者、あまり騙されたりしない
 異能強度:52 フツーに使える感じの異能

 えー、じゃあ…そうそう、学生でもなかったんで、年齢を
 【安価下3】
 1 18(履歴書上では高卒直後)
 2 20(履歴書上では短大卒直後)
 3 22(履歴書上では大卒直後)
 4 23(機関所属して1年目)


 舞台:東京

 名前:菊野明
 性別:女
 年齢:20歳
 職業:異能管理機関職員
 勢力:ブラック・ライト
 特技:人を騙す
 異能:武器具現
 願い:恩人の男の子を見つけ、恩返しをしたい
 バスト:ちっぱい(希少価値)

 身体能力値:78 学生時代、きっと体育の授業ではヒーローだったはず
 精神値:49 たまにくよくよしたっていいじゃない、人間だもの
 頭脳:84 けっこうキレ者、あまり騙されたりしない
 異能強度:52 フツーに使える感じの異能


 さて、明はどのような物語を紡いでくれるのでしょう

 【安価下2】
 配属希望票
 1 管理部異能犯罪対策課
 2 情報部諜報課
 3 司令部特務課


 ――異能管理機関東京支部・宇和司令の私室――

明「――はじめまして、本日より司令部特務課へ配属となった、菊野明です」

明「未熟な身ではありますが、どうぞ、よろしくお願いいたします」

宇和「けっこう、わたしは東京支部司令、宇和だ」

宇和「知っての通り、特務課はわたし専属のセクションだ」

宇和「雑用から極秘任務まで、わたしの命令で動いてもらう」

明「はい」

宇和「お前の上司を紹介する。分からないことがあればわたしではなく【安価下2】に質問するように」


 【安価下2】
 上司の名前

 【安価下4】
 上司の特徴
 ※スキンヘッド、爆乳などなど


あ、ごめん!
盛大に間違った!

今のなしね、なし!


 ――異能管理機関東京支部・異能犯罪対策課――

明「――はじめまして、本日より管理部異能犯罪対策課へ配属となった、菊野明です」

明「未熟な身ではありますが、どうぞ、よろしくお願いいたします」

課長「なかなか優秀な人みたいで良かった、良かった」

課長「うちは忙しいよ」

 【直下 コンマ判定】
 偶数 課長「もう1人、バイトの子が来るはずなんだけど…」
 奇数 課長「そうそう、キミと一緒で今日からうちでバイトする彼を紹介しておこう」
 ※0は偶数扱い

 【安価下2】
 課長の名前

 【安価下4】
 課長の特徴
 ※スキンヘッド、爆乳などなど


流石「もう1人、バイトの子が来るはずなんだけど…」ボイン

緑野「湊くんですか?」

流石「そうそう、彼…もう着いてていいはずなのよねぇ…」ボイン

碧石「…」

明(対策課…機関の犬小屋…)

明(ちゃんと希望通りの配属にはなったけど、まずはここの人達から信頼を寄せられるようになるのが最優先…)

流石「明ちゃん」ボイン

明「はい――って、あ、明ちゃ…?」

流石「この子、近くには来てると思うから探してきてくれる?」ペラッ

明「目つきの悪い少年ですね…」

流石「ついでに基地内も頭に入れておいてちょうだい。それじゃあよろしくね」

明「…はい」


 【安価下2】
 1 とりあえず、正規の入口の方まで歩いていこう
 2 この手の顔ならきっと、どこかでサボってるに違いない
 3 探すのはそっちのけで、基地内の構造を少しでも早く把握しよう


 ――異能管理機関東京支部・通路――

明「それにしても、広い基地…」

明「地下鉄が通ってるところより、さらに地下に広がってるんだったっけ…?」

明「緊急用を含めて出入り口が全部で100箇所以上――把握するだけでも骨が折れそうね…」

 スタスタ…

明(宮東湊――あの日に攻めてきた機関の人間の1人で、逃げ出したデザインベビーの3710号…)

明(いきなり、こんなところで顔を合わせることになるなんて…後で報告をしておこう)

<広すぎるんだっつーの!

<湊兄ちゃん…方向音痴です?

<うっせー、広いのが悪いんだっつーの!

明(この声…)

 【安価下2】
 1 軽くからかってやるか
 2 さっさと対策課に連れていこう
 3 こっそりやり取りを観察してみよう


明(……よし、宮東湊がどれくらいのものか確かめるのも兼ねて、ちょっと襲撃をかけてみよう)

明(きっとあの顔は直情径行だから、ちょっと煽って、やり合ったところでネタバラしして「ムキになっちゃってお子様ね」で憤慨するはず)

明(さて、やろう――)

 スゥ…

 タタタッ
 ダンッ

明「動くな、手を挙げて四つん這いになれ!」ジャキッ

湊「はあ!?」

律「ひえっ…!?」

リク「?」キョトン

明「四つん這いになれと言っている!」

 パァンッ

律「う、ううう…撃ってきたー!?」

湊「何を勘違いしてるか知らねえが、俺は招かれてるんだ」

湊「邪魔しやがるなら、痛い目に遭ってもらうぜ!?」


 【直下 コンマ判定】(スパイ+3)
 明の実力
 1~3 アームまでしか使えない半人前グラスパー
 4~6 初歩的なグラスプスキルをちょびっとずつ使える
 7~9 コート、バーニッシュ、ピラーまでさらっとなら使える


明「抵抗するつもりなら、こっちも相手をする!」ダッ

湊「女だろうが、手加減しねえ!」

明(典型的な素手の喧嘩スタイル――)

 ヒュッ
 パシッ

律「あれ!? さすまたがいきなり出てきたです!」

明「はぁあああっ!」ダンッ

 ズンッ

湊「うおっ…!?」バタバタ

明「抵抗をやめなさい」チャキ

律「り、リクも手を挙げるです!」サッ

リク「うん…?」

湊「こんなんで、俺を捕まえたつもりかよ? ――ガイア!」

明(さすがは3710号――ほぼ完成系のガイアで…!?)

 ズォオオオッ

湊「ぶっ飛ばす――」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 明「む…むむむ…ムキになっちゃって、お、お子様ね…まだまだ」
 4~6 明「ムキになるなんて…お、お子様ね」湊「ああーん?」
 7~9 明「――ムキになっちゃってお子様ね」


 押さえつけていたさすまたは、バーニッシュで強化している。
 それでもガイアを発動した湊は押さえつけるさすまたを破壊して明に迫ってくる。

 とっさにさすまたを放り出し、明は軽い身のこなしで跳んだ。
 それと同時にフライパンを異能で具現し、投げつける。すこーん、と湊の後頭部に当たったフライパンが音を立てた。

明「ムキになるなんて…お、お子様ね」

湊「ああーん?」

明「あなたが対策課に来ないから、お迎えにきただけです」

湊「お迎えだぁ? 手ぇ挙げろってのは何だ?」

明「バイトとは言え、同じ日に同僚になるのだから少しくらい実力を見ようかと思っただけです」

明「でもすぐ頭に血を上らせて、突っ込んでくるなんて…」ハンッ

湊「んだ、その笑いは!? ムカつく…!」

明「流石課長が待ってます、行きましょう」

湊「謝れ、いきなりちょっかい出してきたのはそっちだ」

明「ちょっかいではありません、ちょっとした戯れです」

 【直下 コンマ判定】
 偶数 流石「あなた達、喧嘩でもした?」明「していません」湊「ふんっ」
 奇数 流石「あら…2人揃って、お洋服ぼろついてどうしたの?」
 ※0は偶数扱いです


 ――異能管理機関東京支部・異能犯罪対策課――

 ボロッ…

流石「あら…2人揃って、お洋服ぼろついてどうしたの?」

明「年甲斐もなく、基地にはしゃいで遊んでいたようで、それをやめさせようとしたら抵抗されました」

湊「てめえ、さらっと嘘ついてんじゃねえ!」

明「嘘? どうして嘘なんてつく必要があるんです?」

明「こんなくだらない嘘をついて得することなんて何もありはしないのに…流石課長、着替えてきてよろしいですか?」

流石「そうねぇ、初日からそんなぼろってしてちゃ女の子としてかわいそうだし…」

流石「湊くん、めっ、よ」

湊「な・ん・で、俺がそんなことしなきゃならねえんだよ!?」

碧石「…」ポン

湊「んだよ?」

碧石「仕方ない、ここは某市支部に比べれば確かに広い。気持ちは分かる」

湊「無口なくせにつまんねーフォローしなくていいっつーの! だぁあああっ、クソ!」

明(ざまあ)

リク「…」ジィッ

明「ん?」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 リク「…うそつき」ボソ
 4~6 リク「…?」明「………?」
 7~9 リク「ぼく、リクっていうの、おねえさんは?」


リク「ぼく、リクっていうの、おねえさんは?」

明(そう言えば3710号と一緒についてきてるけど…誰?)

明「わたしは菊野明です」

リク「きくのあきら?」

湊「リク、その女とあんま関わるな。絶対にロクな女じゃねえ」

明「子どもとは言え、部外者がこんなところに…流石課長、いいのですか?」

流石「ちょっと特別な子だからいいのいいの。それにかわいくて素直そうでいいコそうじゃない」

湊「お、課長は見る目あるな」

明「…そう言えば、さっきまで一緒にいた、白衣の子は?」

湊「律ならこっちの技術部に挨拶行った。つーか、お前にゃ関係ねえだろ。しっしっ」

流石「ダメよ、そんなに喧嘩しちゃ~」

流石「うーん…そうだ、じゃああなた達、今日からコンビ組んでお仕事してね」

湊「はぁああああっ!?」

流石「仲良しになるまでは当面、固定ってことにするから」

明「ま、待ってください、課長。わたしはまだ入り立てですし、彼はバイトだって聞きました。それなのに――」

流石「湊くんは某市支部のエースとか何とかって感じだったみたいだから大丈夫よ、早く色々覚えてちょうだい」

湊「マジでかぁ…」

明「それはこっちの台詞です」

湊「足引っ張るんじゃねえぞ、貧乳」

明「貧乳? まさか、この控えめな胸をけなしているつもり?」

明「ふっ、これだからお子様なのよ…。いい、流石課長みたいな胸を賞賛するマジョリティーと違って、これはマイノリティー希望の星」

明「むしろ、この強い主張をせずにそっと控えるような存在感こそが、日本古来の女性らしい奥ゆかしさを備えていて――」

湊「うるっせぇええええ! 何なんだよ、貧乳のくせにうるっせえよ!」

明「だから、貧乳のくせにとか言ってるけど、これはれっきとした希少価値であって、決してけなされるようなものではないと…!」

流石「あらあらまあまあ…」

緑野「…いいんですか、止めなくても?」

流石「賑やかでいいんじゃない?」

碧石(…………俺はやはり、大きな方がいいな)



明「疲れた…」

明(まさか、3710号とコンビを組まされるだなんて…)

明(とにかく連絡だけしておこう…。ここなら誰も来ないし、傍受される心配もない)

 【安価下2】
 ブラック・ライトの連絡を入れる相手
 1 黒山
 2 次郎さん
 3 新キャラ


黒山『明か、無事に潜入はできたな?』

明「はい、異能犯罪対策課へ配属されました」

黒山『変わったことは?』

明「3710号が、東京支部に異動となって、バイトという身分で同課にいます」

明「そして、しばらく3710号とコンビを組んで活動をすることになってしまいました」

黒山『3710号――榊様に目をかけられておきながら、機関に飼われた、あの腑抜けか…!』

明「…」

黒山『明、お前の任務は機関に潜伏してその動きを伝えることだ』

黒山『極力、信頼をされるように振る舞え。もし、ブラック・ライトへ何かしようとする動きがあれば言われるまま動いていい』

黒山『ただし、何をどうしようとしているのかは必ず伝えるようにしておけ』

黒山『腑抜けのデザインベビーなど、今はどうでもいい。それと、機関の技術には目を見張るものがある』

黒山『特異なものがあれば実物や設計図など、ささいなものでもこちらへ流すようにしろ』

明「はい」

黒山『期待をしている』

明「…………あんな子どもと一緒に仕事、か…」

明「とにかく、報告も終えたしやっとプライベートタイム…」

明「何しよう…?」


 【安価下2】
 1 誰かとコミュをしよう
 2 グラスプスキルの訓練をしておこう
   A ポイント 100/100
   B アーム 200/200
   C コート 100/300
   D バーニッシュ 200/200
   E ピラー 250/250
   F アンテナ 50/200
   G ステルス 50/300
 3 外を出歩こう
 4 基地内の把握に務めよう


明(大きく分けて5層から成る東京支部…)

明(侵入経路は無数の出入り口から入れるけれど、それ以外から中に入る手立てはない…)

明(以前、ここをテルス・ジハードが襲撃してからはセキュリティーが強化されて、重要ブロックには生体認証が必要…)

明(最下層にはグラスパーの墓場をはじめ、基地の心臓部の動力室、頭脳の司令室、宇和司令の私室…)

明(立場のない職員が立ち入れるのは地下4層まで、か…)

明(でも、地下4層は全て技術部のブロック…どれだけ、技術部ってのは大きいの…?)

明「…そう言えば、あの白衣の子って、技術部なんだったっけ…?」

 【安価下2】
 1 よし、少し会いに行ってみよう
 2 まあいいや、構造把握を進めよう


 ――異能管理機関東京支部・律のラボ――

 コンコン

明「ちょっといい――」

 トンテンカンテン
 ジュワァ…
 パチパチパチ‥

10号機『へいらっしゃい、赤メバルの天ぷら揚げてるよ! 塩、柚コショウ、天つゆ、何がいいんだい!?』

明「はい?」

10号機『さぁ~、安いよ、安いよ~! 今なら揚げ物全品100万円!』

律「ああっ、また10号機の四則演算がバカになってる!? 10号機、ちょっと頭見せるです!」

 ガチャ
 ゴソゴソ…

10号機『やす、たかっ…やすい、たかい、激安…げ、げき…げ、げげげげげげげきききき――』

律「ああ、10号機!? もう、機能性は最高なのに壊れやすいなんて…!」

 バタバタ

明(何この状況…?)


 【安価下2】
 1 律を呼んでとりあえずは気づいてもらう
 2 勝手にラボの中を覗いて物色しちゃう
 3 黙って立ち去る


明(まあいっか、眼中にないみたいだし…)

明(咎められたって、ちょちょいのちょいで言い包められれば…)

 スタスタ…

<げほっ、な、何でこんなにショートしちゃって…!?

<めばめばめばめばばばばばばば

<あれ、何でこの配線、生臭いです…?

 ドタバタ
 ガチャガチャ

明(見て回っても、ぱっと見て何が何なのかほとんど分からない…)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 律「あれっ!? 誰かいるです、どちら様――って昼間の怖い人!?」ブルブル
 4~6 明(何だろう、これ…銃の設計図――にしては、こんな構造のものって…)
 7~9 律「よし、直った! あ、それはボクの自信作のミニトマトボンバー・改です! 性能実験見るです?」


律「よし、直った! あ、それはボクの自信作のミニトマトボンバー・改です! 性能実験見るです?」

 ヒョイッ

明「え? え、ええ…いいの?」

律「もちろんです。このミニトマトボンバー・快はこれまで、ヘタを取ることで爆発するようになってたです」

律「でも、この改はヘタを抜いてすぐ爆発しちゃったら安全じゃないっていう指摘から改良されたです!」

明(何でミニトマト…ていうか、爆発って、これが爆弾ってことなの?)

律「安全装置として、ヘタを取った後でぐにっと指で押し潰して爆発するようになったです」

 ペッ
 グニッ

律「これを、実験室に放り投げるです!」ポイッ

 カカッ
 ズドォォォンッ

明「」

律「安全安心の高威力です!」

明(これ…この子が作ったの?)

律「あ、自己紹介してなかったです。萑部律です」

律「技術部の新技術開発顧問っていう肩書きで異動になって東京支部にきたです!」

明「新技術開発顧問――」

律「すごーい発明をたくさんして、その仕組みを機関に提供するだけの夢みたいなお仕事です!」

律「朝から晩まで、ずっと、ずぅーっと、大好きな発明をしてれば、それでお給料がもらえちゃうです!」ジュルリ

明「【安価下2】」

 1 すごいんですね、若いのに
 2 へえ…新技術って興味があります。何か、1番すごい発明とかあるんですか?
 3 これまでの発明品とか見てみたいですね。何かそういったものをまとめたデータとかあれば拝見したいんですけど


明「これまでの発明品とか見てみたいですね。何かそういったものをまとめたデータとかあれば拝見したいんですけど」

律「これまでのです?」

律「うーんと、確か…この辺に…」

 ゴソゴソ
 ガチャガチャ

明「…何だか山になってるけれど、そこ…」

律「整理整頓が苦手です。これまでの発明品はちゃんとデータを取って持ってきたんですけど…」

律「どこにやったか分からないです…」

律「うーん…」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 律「あ! こっちの技術部長に提出したから手元に今はなかったです!」
 4~6 律「探しておくから、また来てくださいです!」
 7~9 律「あれ? でも確か、部外秘だったから見せたらいけなかったような気も…?」


律「あ! こっちの技術部長に提出したから手元に今はなかったです!」

明「そう、なの…」

明(確か、各部の部長の私室も5層の生体認証の先――あそこへ忍び込むのは、まだムリ…)

律「そういうわけでデータはないです」

明「ああ、いいんです。提出したデータはいつころに戻るんですか?」

明「見てみたいな」

律「えっと…ボクの発明をじっくり見て、使った技術をじっくり検証したいって言ってたからしばらくは…」

明「…そう、ですか」

律「あ! で、でもデータじゃなくて、実物ならあるです!」

律「消耗品以外はあげられないですけど、そうじゃないものならあげてもいいです!」

明「いいの?」

律「はいです!」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 明(ガラクタばっかり渡された…)律「また遊びにきてくださいです」
 4~6 律「これはボク的にもなかなかの発明品です」律(とりあえず、これをブラック・ライトには送っておこう)
 7~9 律「この、アゲアゲくん1号機は世界で初めて、星のチカラをエネルギーにして動いたメカです。プレゼントです」


律「これはボク的にもなかなかの発明品です」

明(とりあえず、これをブラック・ライトには送っておこう)

明「どうもありがとう、律くん」

律「えへへ…きれいなお姉さんは大歓迎です!」

明(ちょろいのね、このコ…)

明(けどこの年で新技術開発顧問――だったっけ? きっと、もっとすごいものがここには眠ってる)

明(警戒心も全くもってないし、ブラック・ライトに横流しする技術データの類はここから…)

律「ところで、お姉さんのお名前は?」

明「ああ…ごめんなさい、まだだったわね。わたしは菊野明です」

律「明さん…とってもいいお名前です」

明「ありがとう」

明(取り込むためにも、積極的にコミュニケーションした方がいいのかな…?)

明(でも突っ込んだことを尋ねたら勘づかれたりは――あんまり、なさそうだけど警戒はしておかないと)

 ↓1~2 律とのコミュ内容
 例) ・さっき壊れかけてた、あのロボットみたいのは何? ・1番すごい発明って、何?  などなど


 あ、いつも通り、ないなら「なし」でおkですので
 これは数えないっす


明「湊くんとか、リクくんとは仲がいいの?」

明「今日も一緒にいたでしょう?」

律「はいです。湊兄ちゃんはとってもすごい、ボクの兄貴分です」

律「リクが来てから、ボクの立ち位置がちょっと脅かされてるですけど…」グヌヌ

律「でも仲良しです。いつもボクのラボに遊びに来てくれるです。ほんとは冬也兄ちゃんも一緒だったら文句なしですけど…」

明「とうや…にいちゃん?」

律「大好きなもう1人のボクの兄貴分です。アラスカに行った後、ニューヨークに行って、確か南米のどこかへ行ったって連絡があって…」

律「それから今、どこにいるか分からないですけど、世界中を旅してるはずです」

明「ふうん…」

明「さっき壊れかけてた、あのロボットみたいのは何なの?」

律「あれはアゲアゲくん10号機です! 従来のアゲアゲくんシリーズは揚げ焼きまでしかできなかったです!」

律「でも、とうとう10号機になって大幅に料理機能をパワーアップしたことで、あらゆるお料理に対応可能になったです!」

律「10号機が一家に一台いれば365日、3食、材料さえあれば好きなものをちゃちゃちゃっとお料理してくれるです!」

律「ただちょっと壊れやすいのが難点です。あと好みの味にするまでいちいち味見しないと、とんでもなく味が濃かったりもするです」

律「生ゴミの処理機能を次の11号には搭載しようと思ってるんですけど、そうしたらどうしても臭いが酷くなっちゃって試行錯誤中です」

明「すごい…のね、律くんって。今までで、1番すごい発明って、何?」

律「1番すごい発明…」

 【直下 コンマ判定】(ズレた天才-2)
 1~3 律「アゲアゲくんです! 調理器具を内臓して自立歩行可能な上、盛りつけまでしてくれる全自動ロボットはすごいです!」
 4~6 律「実は、ボク…星のチカラをエネルギーにしてメカちゃんを動かす技術を作っちゃったです」
 7~9 律「このゴーグル、実は兄ちゃん達にも秘密のスーパーアイテムです」(さらに判定で詳細を教えてくれる)


律「実は、ボク…星のチカラをエネルギーにしてメカちゃんを動かす技術を作っちゃったです」

明「星のチカラで、機械を?」

律「ここだけのお話で、絶対に秘密です」

律「きっとボクが世界で初めて、この技術を発明して、実用もしてるです」

明「何かに使ってるの?」

律「もちろんです。でも、機関のとってもとっても大事な機密だって釘を刺されてるから、詳しくは教えられないです」

律「兄ちゃん達にはぺらぺら喋っちゃったけど、あの時は釘刺される前だったからセーフです」

明「わたしには話しちゃっても、いいんですか?」

律「とってもグレーですけど、メカ好きに悪い人はいないです!」

律「興味津々でラボに来てくれた明さんは、悪い人じゃないはずだからいいんです!」エッヘン


明(萑部律――)

明(取り入りやすいし、星のチカラを原動力にした機械の発明なんて、歴史的なものになるはず…)

明(これは早めに報告をしておかないと)

明(……ちょっと無防備すぎるのは、どうにかしてもらいたいところだけど)

明「まあいっか…もう寝よう…」ポフッ

明「とにかく今は、信頼を勝ち取って、基地の構造を把握して、情報をかき集めて…」

明「やることいっぱい…しんどい…」


 ――個人情報――
 名前:菊野明 性別:女 職業:異能管理機関職員 身体能力:高め 精神面:普通
 異能:武器具現 特技:人を騙す 願望:恩人の男の子と再会して恩返しをする
 グラスプスキル:ポイント100/100 アーム200/200 コート100/300 バーニッシュ200/200
 ピラー250/250 アンテナ50/200 ステルス50/300

 ――異能管理機関・正職員――
  宇和時久:東京支部支部長 五感共有の異能
  萑部律:技術部新技術開発顧問 天才技術者15歳 ズレ気味
  流石愛花:異能犯罪対策課課長 爆乳
  緑野柳:異能犯罪対策課 植物操作の異能 碧石と夫婦
  碧石不動:異能犯罪対策課 日替わりの異能 緑野と夫婦 巨乳派

 ――ブラック・ライト――
  次郎・エドワース:鈍化の異能
  黒山輝代:榊の側近
  榊日和:ブラック・ライトのボス 衝撃の異能

 ――友人・勢力不明――
  宮東湊:異能犯罪対策課アルバイト 光線の異能 大学生 デザインベビー(3710号)
  リク:9歳美少年 おっとり系


 ――異能管理機関東京支部・異能犯罪対策課――

 カタカタ…

碧石「…」ムムム

緑野「どうしたの?」

碧石「…」フイッ

緑野「悩んでるなら見せてください」ズイッ

緑野「先日の報告書…? ああ、これはほら、あの時に――」

碧石「ああ…」

明(夫婦別姓――意外といるものね…)

流石「ええ、はい、はい~。では失礼します~」ガチャ

流石「明ちゃん、明ちゃん」

明「はい、何ですか、課長」

流石「銀行強盗の犯人がグラスパーみたいで、立てこもっちゃってるみたいなの」

流石「もうすぐ、湊くんが講義終わるから合流してさっさと解決してきてね」

明「はい?」

流石「あ、怪我人とか死亡者とか出しちゃダメよ。犯人はケガくらいさせてもいいけど、絶対に殺したらダメだから」

明「あの、そんな気軽に言われても…」

緑野「菊野さん…ここ、こういう職場なんです」

碧石「…ファイト」

明「…分かりました、では行ってきます」


 【安価下2】
 立てこもり犯の異能


 ――都市銀前――

湊「おうおう、警官様がいっぱいだな」

明「すみません、異能管理機関異能犯罪対策課の菊野です。こちらは同じく、宮東です」

警官隊「ご苦労さまです」ビシッ

明「状況は?」

警官隊「人質およそ30名が中にいるものと思われます」

警官隊「犯人の要求は逃走用の車両で、要求に応じなければ人質を殺すと」

湊「物騒だな、おい…」

明「裏口も包囲はしていますね?」

警官隊「もちろんです」

明「強攻突破をしたら人質が大変な目に遭いかねない…」

明「ここは不意を突いて、犯人が刺激されない内に倒したいところですね…」

湊「さらっと物騒なこと言ってるな、お前」

明「…お前とか馴れ馴れしく言わないでください」

湊「けっ、そうかよ。じゃ、俺がガイアでつっこむ」

明「ダメです、危険です。――人質が」

湊「んじゃどうするんだ?」

明「…【安価下2】」

 1 わたしがわざと犯人に捕まって、至近距離からぶっぱします
 2 確か、あなたの異能は光線でしたね。銀行内の照明から犯人を攻撃し、怯んだところへ攻撃しましょう
 3 その他、妙案求む


明「…わたしがわざと犯人に捕まって、至近距離からぶっぱします」

湊「はあ~?」

湊「ぶっぱ…って、ぶっ放すってか?」

湊「何を?」

明「何がいいですかね? さっと出す都合、あんまり面倒臭いものは避けたいんですけど…

湊「つーか、そう簡単に捕まれるのか?」

明「どうせ、金目当てで銀行強盗して逃げられずに篭城するなんて、頭の回らない犯人ですよ」

明「だったらいくらでも言い包められるでしょう」

湊「胸はねえのに態度はでけえな…」

明「すくすくと心が大きく育っただけです。それにこの胸はですね、大きければいいなどという幻想に囚われた多くの愚かな男が――」

湊「るっせえな、俺は巨乳派だ、揺らがねえ! じゃねえ、揺らぐ方がいい!」

明「どっちですか、それ」

明「とにかく、【安価下2】でもさっと出して、至近距離から襲えば余裕でしょう」

明「もしもの時は一応お願いします、アルバイトの湊くん」

湊「うっぜぇ…」

 【安価下2】
 どんな武器出すよ?
 ざくっとやっても、ばきゅーんってしてもええんやで


 ――都市銀行内――

明「きゃーうかつにもつかまっちゃったー」

犯人「分かってると思うが、メシを届けたからってすぐ返しはしねえ」

犯人「逃走用の車が準備されるまで、てめえも人質だ。ポッケもジャケットの中も、何も武器は持ってないようだったが…」

犯人「ヘタなマネしたらぶっ殺すぞ、こんな風に」

 グイッ
 ザィィィ…

明(クリアケースを手でひきちぎ――引き裂いた…?)

明(しょぼい異能だけど、あの手で掴まれるのは好ましくない…)

明(でもきっちり油断はしてくれている…どこで仕掛けるか――)

犯人「にしても、こういうのは大体、貧乳なんか使わねえだろうが…」

犯人「食欲そそるようなナイスバディーの女を使えっつーの、そう思うよな、貧乳ねーちゃん?」

 ブチッ

明「そぉおおおおいう! マイノリティーに対して思考を停止し、穿った偏見で人を差別するなんて豪語同断です!」

 ジャジャジャ…

犯人「な――!?」

明「マイノリティーがいかに迫害されているか、SM愛好家にでもなって思い知ってください!」

 ピッシャァアアンッ

犯人「そんなもん、掴んじまえばこっちのも――」

明「バーニッシュ!」

 ジャッキィィィン

犯人「痛って、痛てて…! と、棘が刺さっ――!」

明「さあ、快感に浸りなさい! 浸らないと、ただただ痛い思いをするだけですよ!」

 ピシッ

 【直下 コンマ判定】
 1~3 犯人「ひっ…ひぃいいいっ!?」明「待て、逃げるなんて恥ずかしくはないのですか!?」
 4~6 犯人「ぐぇええっ、痛えっ、痛えけど…掴んじまえばこっちのもんだ!」明「チッ、なら次を――」
 7~9 犯人「助けてくれぇええええ――――――――っ!」明「有刺鉄線でがんじがらめにしてあげましょう!」


犯人「ぐぇええっ、痛えっ、痛えけど…掴んじまえばこっちのもんだ!」

 ガシッ
 ズジャジャジャ

明「チッ、なら次を――」

湊「――まどろっこしいこと、してんじゃねえよ!」

 シュバァンッ

犯人「あばばばば…!?」

 ドサッ

湊「こんなん、ちっとでも窓に寄ればその瞬間に俺の異能でお陀仏だ」

明「…手柄を横取りですか」

湊「は? ちげーよ、俺はさっさと帰りてえの」

湊「よーやっと講義が終わったってのに、いきなりバイトだなんて…」

明「こんな程度なのに文句ですか?」

湊「時間は限られてるんだよ。んじゃあな、今日はリクと買い物行くから――」

 ガシッ

湊「……んだよ?」

明「報告書を提出までが任務です」

湊「はあ? レポートも出されてるんだぞ、こっちは!」

明「知りません。お給料をもらいたければきちんと報告書を提出してからです」

明「大体、バイトの身分でしょう。学業と両立する前提でやるべきです。甘い考えは捨ててください」

湊「んのアマ…」

明「どう思われてもけっこうです。――が、報告書は出してください」

明「じゃなきゃ、お給料はあげません。現場でこそわたしは新入りですが、あなたと違って正職員ですから」

明「流石課長からも、わたしがあなたにお給料を手渡すようにと言われています」

湊「…分かったよ、書いたら持ってく! それと給料引き換えでいいな!?」

明「明日中にお願いします」パッ

明「あ、警察の方! 犯人の異能は手で何かを握ることで発動されるので、手をグーにしてテープとかでぐるぐる巻きにお願いします」

明「どうやらザコそのものですから、手さえ封じておけばどうにでもなりますよ」

湊「ムカつく…」ムスッ




 ――異能管理機関東京支部・異能犯罪対策課――

明(3710号に何故かつっかかってしまう…)

明(何でだろ…? やっぱ、あの顔つき? ふてぶてしくて、唯我独尊みたいな態度がよく出てて…)

明(ああいうタイプって何か嫌なのよね…。もっとやさしい顔でもしてればいいのに)

 カタカタ タンッ

明「課長、報告書です。お願いします」

流石「そこに置いといてちょうだい。えーと、これが済んだから…」ゴソゴソ

明(さて、報告書も書き終えたし、束の間の休息くらい取ってもいいはずでしょう。やることやってりゃこっちのもののはず)

 【安価下2】
 1 誰かとコミュをしよう
 2 グラスプスキルの訓練をしておこう
   A ポイント 100/100
   B アーム 200/200
   C コート 100/300
   D バーニッシュ 200/200
   E ピラー 250/250
   F アンテナ 50/200
   G ステルス 50/300
 3 外を出歩こう
 4 基地内の把握に務めよう


―――――

 一旦、ここまでです
 どうもありがとうございました


明「ステルス覚えておけば緊急避難からこっそり侵入まで用途広いし」

明「ちゃんと習得しとかないと」

 【直下 コンマ判定】(精神普通+15)
 コンマ二桁で判定
 ステルス 50/300


 ステルス 158/300

明「順調、順調…」

明「そろそろ戻った方がいいかな…?」

 【安価下1】
 1 お茶汲みでもして点数稼ぎをしておこう
 2 確か3710号は買い物とか言ってたし、この隙に律から何かまた聞き出す?
 3 もうちょっと休憩がてら基地把握


明(生体認証セキュリティーは指の静脈でやるタイプか…)

明(これくらいなら、ここに出入りする誰かをどうにかすれば偽造キーはできそう…)

明(この先の構造がどうなってるかが分からないっていうのが、ちょっとした問題点か…)

明(何かの機会で誰かとくっついて、この先に進めれば…)

明「よし、戻ろう」


 【直下 コンマ判定】
 偶数 流石「明ちゃん、明ちゃん。今夜、歓迎会やりましょ。対策課の皆で」
 奇数 緑野「はぁ…」明「…どうかされました?」
 ※0は偶数扱いです


流石「明ちゃん、明ちゃん。今夜、歓迎会やりましょ。対策課の皆で」

明「歓迎会ですか?」

緑野「基地内に飲食店入ってて、その中の一軒をもう予約しちゃったからお願いします」

流石「こういうのはやれる時にやっておかないと、いつ忙殺されちゃうか分からないからね」

緑野「そういうことで、18時に2層にある居酒屋・味覚バカにお願いします」

碧石「おい」

緑野「はーい、何? どうかしました?」

碧石「この資料…」

緑野「あ、間違ってますね。情報部にちょっと行ってきます」

明「…」

流石「あの2人、まだ年明けに籍を入れたばっかりのほやほやなの」ヒソ

明「そうなんですか」

流石「明ちゃんはそういう相手とかいるの?」

明「いませんよ、課長」

流石「やっぱり…そうなの?」ボイン

明「…やっぱりとは?」ペタ

流石「ううん、気にしないで。ほんと、本当に何でもないから気にしないでちょうだい」

流石「あ、湊くんへの連絡は明ちゃんがお願いね」

明「は、はい…」

流石「あと定時前にお仕事終わらせないと予約した時間に間に合わないから気をつけてね」

流石「はい、これ。溜まりに溜まってた報告書、データベースに転載しておいてね」ドサドサドサッ

明「…はい」


 【直下 コンマ判定】(頭脳明晰+3)
 1~3 明「全く終わる気配がない」
 4~6 明「定時丁度には間に合った」
 7~9 明「歓迎会まで1時間も余らせてしまった…迂闊」碧石「…」ジィッ緑野「自分の仕事はご自分で」コホン


明「歓迎会まで1時間も余らせてしまった…迂闊」

碧石「…」ジィッ

緑野「自分の仕事はご自分で」コホン

碧石「…」シュン

流石「あら、早いのね~、明ちゃん」

明「たまたまです」

明「【安価下1】」

 1 何かお手伝いでもしましょうか?
 2 お茶でも皆さんに淹れますね
 3 それでは味覚バカで、また


明「何かお手伝いでもしましょうか?」

碧石「!」

緑野「…」ジロ

碧石「っ…」

明「そうだ、碧石さん。異能犯罪撲滅キャンペーンのポスターを広報部の方がチェックして欲しいと言われていました」

明「わたしでは分からないことが多いので、碧石さんに行っていただけませんか?」

明「作業はお願いする身ですから、わたしが責任をもってやり遂げておきますから」

碧石「では行ってくる」スクッ

 ウィ----ン

緑野「ああ…何だか、すみません。あの人、デスクワークは苦手なんです」

明「いえ、何も問題はありません。新入りの身ですから、わたしなんかにやれることがあれば押しつけてください」

緑野「明さん…」

明「折角開いてくださる歓迎会に間に合うように、がんばりましょう」

緑野「ええ、そうですね」

流石「うんうん…」


 【直下 コンマ判定】(仕事はマジメ+2)
 1~4 明「あ――歓迎会のこと、まだ伝えてなかった」
 5~9 流石「それでは、異能犯罪対策課に配属された明ちゃんと、湊くんにかんぱーい!」


 ようやく出てきたね

 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 prrrr… 明「はい?」湊『歓迎会どころじゃなくなった、俺は行けねえから!』ガチャンッ
 奇数 明(ブラック・ライトからメッセージが届いてる…?)
 ※0は偶数扱いです


 prrrr…

明「はい?」

湊『歓迎会どころじゃなくなった、俺は行けねえから!』ガチャンッ

 ツ-ツ-ツ-…

明「…」

流石「どうかしたの?」

明「宮東くんが歓迎会どころじゃなくなって、行けなくなったと…」

流石「どうかしたのかしらねえ?」

緑野「心配ですね」

碧石「…明」

明「はい?」

碧石「コンビなら、様子を見にいけ」

 【安価下1】
 1 いえ、彼の様子から察するに行っても邪見にされるだけですから
 2 分かりました。わたし達のための歓迎会なのにすみません。急いで解決して戻ります


明「分かりました。わたし達のための歓迎会なのにすみません。急いで解決して戻ります」

緑野「急いでケガとかしないようにしてください。歓迎会より、体の方が大事ですから」

明「はい。お気遣い、ありがとうございます」

 ウィ----ン

 タタッ

流石「明ちゃんって、若いのにしっかりしてるわよねぇ…」

緑野「そうですね」

碧石「…」コクリ

緑野「あなたはデスクワークをもう少し、しっかりしてください」

碧石「…」フイッ



明(歓迎会どころじゃなくなったとは、どいうことなのか…)

明(もしかしたらデザインベビーの成功サンプルとして、何者かに狙われている?)

明(それとも、何か不慮の事故などに巻き込まれて――?)

明(いや、その場合は電話をした時点で助けを求めたり、状況の報告程度はするはず…)

 【安価下1】
 1 電話をかけてみる
 2 こっそり把握しておいた湊の家へ向かう


 ――湊とリクの家――

明「このマンションの910号室――やたらいいマンション…」

明「しかも最上階…」

明「ここにいればいいけど…」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 留守っぽい
 4~6 明「カギが開いてる――?」湊「うぉおおおおおっ!?」
 7~9 明「あそこが彼の――」バァンッ 湊「どこ行きやがった…!?」



明「いない…」

明「家にいないとしたら…買い物をしていた、出先で何かが起きた…?」

明「でも、一体どこに…?」

 【安価下1】
 1 電話をしてみる
 2 GPSを使って湊の携帯電話の位置から居場所を特定してみる
 3 闇雲に探しまくる


―――――

 キリ悪いですけど、今夜はここまででござる
 おつきあいいただいて、どうもありがとうございました


 湊へ

 日本を発ってから早いもので1ヶ月が経とうとしています。
 日本はすでに暖かくなり、春らしくなっていると思いますがアラスカはまだ冬がしぶとく残っています。

 すごく寒いです。防寒具を手放せないくらい寒いです。
 朝起きたら気温が氷点下ということもあって、日中も気温は10度を上回りません。

 それなのに、師匠がドケチなので野宿です。
 テントを張って、寝袋に入って、一晩中バーニッシュで少しでも寒さを緩和します。
 師匠は寝ながらでも(本当に寝ているかは不明ですが)きっちり自分のテントと寝袋にバーニッシュをかけたままで余裕なようです。
 もちろん、ボクはそんなことできないので、眠りかけては猛烈な寒さで目を覚まして…ということの繰り返しです。

 師匠曰く、グラスプスキルは「どれだけムリして体に覚えさせるか」らしいのですが、ぶっちゃけ効果のほどは分かりません。

 そんな貧乏生活をしていますが、やっぱりお金は必要になるもので金策に走ることもあります。
 日本にいたころ、ボクは全然知らなかったのですが世の中には賞金首なんていうマンガみたいな人がちゃんといるようです。
 生死を問わずに捕まえて、政府に差し出せばかけられていた賞金と引き換えてくれるという、物騒な制度です。

 そして何故か、師匠は賞金首の1人でした。意味不明です。何をしたか尋ねても覚えてないそうです。
 ここまで説明すれば分かるかも知れませんが、金策の手段は賞金首を捕まえることです。師匠は手伝ってくれません。
 そして賞金首になっている大半はグラスパーで、賞金首なんていう物騒なことになっているのでやっぱり手強いです。

 この間は危うく凍ったシャケで窒息しそうになりました。どういうことか分からないだろうけど、本当にそうなりました。
 いまだにボクもどうしてあんなことになったかは分かりません。でも今は元気だし、ちゃんと生きています。

 アラスカで3人ほど賞金首を捕まえたのですが、バウンティハンターを職業としている人に睨まれています。
 そろそろ、事故に見せかけて危ないことでもされるのかと考えながら、寒さに震える毎日です。

 でも師匠が丁度、この手紙を書いている時に次はカリフォルニアへ行くと言い出しました。
 カリフォルニアにも賞金首はそこそこいるらしく、ボクにバウンティハンターをさせながら悠々自適な旅をするのが師匠の狙いらしいです。

 そんなわけで、これからカリフォルニアに向かいます。
 移動手段はバイクだそうで、いつの間にか師匠が購入していたサイドカーに乗り込みました。
 しかも、バイクにバーニッシュをかけてぶっ飛ばすらしいです。この手紙がちゃんと届くといいです。

 カリフォルニアに到着して一段落ついたら、また手紙を送ります。

 追伸
 闇社会だと人体改造とかが大流行してるそうです。成功はしてないみたいだけど。
 きっとリクはそういうことを考える人からしたら垂涎ものの存在だと思うので、くれぐれも気をつけて。

 * * *

湊「苦労してそうだな…。だから止めたのに…」

 prrrr…

湊「ん? 菊野――?」

湊「んだよ?」

明『今夜18時に基地の居酒屋・味覚バカで歓迎会を開いてくれるそうです。遅刻せずに来てください』

湊「へいへい、分かりましたよ」

明『では』ブチッ

湊「愛想ねえな、あのアマ…。さて、と…リク、そろそろ行くぞー?」

湊「ん? ……リク?」キョロキョロ

 『きっとリクはそういうことを考える人からしたら垂涎ものの存在だと思うので、くれぐれも気をつけて』

湊「…………えっ?」

 【直下 コンマ判定】
 1~5 湊「リークー? おーい、どこに行っ――どわっ!?」?「弟を返して欲しければ300万円用意しろ」
 6~9 湊「迷子とか勘弁してくれよ…。歓迎会間に合うか…? 遠くに行ってなきゃいいけど…」
  0  ???「うふふ…やっと見つけたわよ…湊ちゃん――」

―――――

 明日(今日?)はちゃんと更新しまする
 今夜はこれだけで…おやすみなさい


湊「リークー? おーい、どこに行っ――」

 パァンッ

湊「どわっ!?」サッ

?「弟を返して欲しければ300万円用意しろ」

湊「誰だ、てめえ…」

?「警察を始め、第三者に通報すれば弟の命はないと思え」タタタッ

湊「……そんなに俺とリクって兄弟に見えたのか…?」

湊「ちょっといい気分かも――なんて浸ってる場合じゃねえな」


 【直下 コンマ判定】
 偶数 無事に明と湊、合流
 奇数 明「電源が切られた…。ここに10分前まではいたはずなのに…」
 ※0は偶数扱いです


明「電源が切られた…。ここに10分前まではいたはずなのに…」

 キョロキョロ

明「でも、住宅街のど真ん中でいったいどこに…?」

明「こうなってくると、やはり何かしらの事件に巻き込まれた可能性が高い…」

明(あの公園…いや、この道の先にある使われていない区民館も怪しい…)

明(それとも、この近くの民家のどこかへ…?)

明(博打に出るか、待つか…)


 【安価下2】
 1 薄暗い公園に入る
 2 使われていない区民館へ向かう
 3 この場で待機して、騒ぎが起こるのを期待して待ってから向かう


 ――区民館――

明(使われていないはずなのに、入口のドアが開けられている…)

明(ここにいるのは間違いなさそうですね…)

明(地上2階建てで、地下にも1階がある…)

 ガタンッ

明(音――地下の方から…?)

 【安価下2】
 1 乗り込む
 2 こっそり様子を窺い、危なくなったら参上する


 ソソソ…

明(電気が通っていないから暗い…)

明(ここだと3710号の異能は十全に威力を発揮できない…)

 キィィィ…

湊「――リクを返せ」

?「金はあるのか?」

明(リクを返せ――? 最近、身代金目的の誘拐事件が多発しているらしかったけど…)


 【安価下2】
 誘拐犯のお名前


湊「金ならここだ」

 ドンッ

吉良「…」

 カチッ

吉良「そのアタッシュケースを開けて、中身をこっちに見せろ」

湊「リクはどこにいる?」

 カチャ
 パカッ

吉良「それは金を受け取ってからだ」ポイッ

吉良「そのアイマスクと手錠をつけて、四つん這いになれ」

湊「こっちが尋ねてることにちったぁ答えやがれってんだ」

吉良「屋上だ」

明(屋上――)

 【安価下2】
 1 屋上に先回りして、犯人が出てきたところで拘束する
 2 油断して部屋を出てきたところで強襲、拘束
 3 暗闇に乗じて乗り込んで犯人をぼっこぼこ作戦


湊「これでいいのか…?」

吉良「けっこう。それでは、金はもらっていく」

湊「もし、リクを返さなかったら…死んだ方がマシって思いをさせてからぶっ殺すぞ」

吉良「それはそれはおっかない。それでは、もう2度と会わないことを祈っておこう――」

 ガチャ

明(来た…!)

明「せぇえええええいっ!」

 ズドォッ

吉良「!?」

 【直下 コンマ判定】
 一桁が5以下だったら、吉良さんグラスパー

 ※判定が5以下だった場合
 【安価下2】
 吉良さんの異能


吉良「ぐ、ふ…!?」ヨロッ

明「アームで身を守った…!?」

吉良「何だ、貴様…!」

明「通りすがりの正義の味方とでも名乗っておきます」

吉良「ふざけたことを…!」サッ

吉良「このスイッチを押せば、この建物は爆破される…」

吉良「これ以上、何かしてみろ…スイッチを押すぞ」

明「卑怯なマネを…」ジリ

 【安価下2】
 1 大人しく見逃す
 2 問答無用、スイッチを押される前に倒す


明「約束は守らないと許しません」

吉良「そうだ、それでいい…」

吉良「そのまま大人しくしていろよ…」ジリ

 タンッ…

吉良「勝った!」

明「!」

吉良「大人しく生き埋めになれ! お前はもう、そのフロアから移動などできない!」

明「血迷ったようですね」

吉良「そう思うか? 分かっていないな。お前はもう、上には決して上がれない」

明「はい?」

吉良「試しに逃げてみろ――」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 吉良「ポチっとな」
 4~6 吉良「ポチっと――」明「せいっ!」ジャラジャラ
 7~9 吉良「ポチっとな――」明「ふんぬ!」ズンッ


吉良「ポチっと――」

明「せいっ!」ジャラジャラ

 スイッチが押される前にと分銅つき鎖鎌を放つ。
 鎖鎌がスイッチを持った手首に絡みつき、引っぱり寄せた瞬間に爆発音がして空気と建物が振動した。

明「間に合いませんでしたか――しかし、放しませんよ、約束破ったのですから」

吉良「くっ…貴様…! このまま、爆発に巻き込まれて死んでもいいのか!?」

明「バカなことを言わないでください。ここであなたを葬ります」

 鎖を絡みつかせたまま至近距離で鎌を振るう。
 吉良も必死になってアームで抵抗をするが、アームのかかった肉体と、バーニッシュのかけられた鎌では後者の方が脅威となる。

 爆発は2度、3度と立て続けに起きた。

明(このままではカッコをつけたものの、お陀仏になりかねない…!)

吉良「放せ、放すんだ、この女め…!」

明「放すはずがないでしょう! 湊くん、何してるんです!」

明「さっさと加勢でも何でもしてください!」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 吉良「何かすれば、弟は絶対に助からないぞ! 脅しじゃない!」
 4~6 明「――ってあれ、反応がないし、姿もない…!?」吉良「いつの間に…どこへ行ったんだ…!?」
 7~9 湊「もうちょっと待てよ。火力は高い方がいい――」


明「――ってあれ、反応がないし、姿もない…!?」

吉良「いつの間に…どこへ行ったんだ…!?」

明「と言うか、折角、助太刀に来てるのに見捨てるなんて――きゃっ…!」

 また、爆発が起きる。
 爆風に煽られて明と吉良が離れた場所へ放り出された。

明「くっ…この、どれだけ爆弾仕込んだんです!?」

吉良「聞いて驚け、高層ビルの爆破予定現場からしこたま盗んできた!」

明「それ、あなたも死にますよ!?」

吉良「だから、お前などに構ってる時間はない…!」ダッ

明「あっ、待ちなさい…!」

 【安価下2】
 1 それいけ、鎖鎌!
 2 当てろ、スリングショット!
 3 絶対逃がさん、クロスボウ!
 4 その他、自由武器


明「覚悟しなさい…!」

 チャキッ

吉良「何だ、今度は――クロスボウ!?」

明(機動力を奪う…!)

 ヒュバッ

吉良「うぐあ…!?」ドサッ

明「さあ、大人しくすると誓うか、ここで抵抗して気絶をしておくか…」

明「好きな方を選んでいいですよ」

 ドゴォン

明「もっとも、時間はあまりないようですが」

吉良「くっ…こ、こんなところで…!」

明「なるほど、つまりアレですね。未練がましい=隙を見て逃げようとする=鉄拳制裁ですね」ニコッ

吉良「ま、待て! この金をやる、だから見逃せ、いや…! あんたほどの腕なら一緒に――」

明「申し訳ないですが、交渉の余地はありません」

吉良「何故だ!?」

明「歓迎会で上司を待たせているからです! ふんぬぅ!」

 ズドォォォッ

吉良「が、ふぉっ…」

 ガクッ

明「早く脱出をしないと…!」

 ドゴォン

明「くっ…すごい爆発ですね、一酸化炭素中毒にならない内に…!」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 一際大きな爆発
 4~6 一際大きな爆発――だったけど
 7~9 脱出完了


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 明「しまった、階段が焼け落ちて…!」
 奇数 吉良「こんな場所でェ――!」明「!?」
 ※0は偶数扱いです


 ドゴォン…

明「しまった、階段が焼け落ちて…!」

明「この階段の他に、出口なんてどこにも――」

明(無理やりに、この炎を突破する…? けれど、わたしのアームじゃムリだ…)

明(それに犯罪者とは言え、この男を見捨てるわけにもいかない――)

明(どうにかして、階段に焼け落ちてきた、これをどかさないと…でもどうやって?)

 ギリッ

 ドッゴォォォッ

明「!?」

湊「――よう、無事かよ、菊野」ザッ

明「湊くん…」

湊「リクは無事だった。出ようぜ、お前のお陰ですんなりいった」

湊「さっさと行こう。焼け死んじゃうぞ」スッ

 炎を背にし、手を差し伸べる少年の姿――。
 もう、おぼろげになってしまっている記憶の彼と、だぶる。

明「あなたは――」

湊「早くしろ、長くは保たねえ!」グイッ

 手を引かれ、炎の中を突っ切っていく。
 肌を焦がされ、喉がひりつく。それでも、握られた手が頼もしく、夢中になって駆け出した――。


 【直下 コンマ判定】
 偶数 流石「あれま、煤でまっくろけになっちゃって…仲良く火遊びでもしてきたの?」湊「んなわけあるかよ」
 奇数 流石「あ、やーっときたの?」明「遅れてすみません!」流石「もうお開きの時間よ」
 ※0は偶数扱いです


 ――異能管理機関東京支部・居酒屋味覚バカ――

流石「あ、やーっときたの?」

明「遅れてすみません!」

流石「もうお開きの時間よ」

明「」

緑野「ちょっと、あなた! これ以上はダメです、いつもみたいに二日酔いで起きれなくなりますよ!」

 グビグビ…
 ドンッ

碧石「もう1杯だけ…頼む」ガシッ

緑野「だっ、ダメです…!」

碧石「1杯だけ…最後に!」ジッ

緑野「あう…1杯だけ、ですよ?」

碧石「大徳利でおかわり」

緑野「何で大徳利なんですか!」

 ワイワイ

湊「おうおう、盛り上がってやがんな」

明「がんばったのに…」

流石「あ、でもデザートがまだだったから…それだけでも食べていったら?」

明「デザートですか」キラン

湊「飲み物くれよ、喉かわいた…」

流石「時間は少ないけど、できるだけゆっくりしてちょうだい」

明「はい。デザートって何ですか、もしかしてアイスですか、イチゴアイスとかじゃないですか?」

湊「リク、お前オレンジジュースでいいな?」

リク「うん」

 【直下 コンマ判定】
 誰かから話しかけられたよ
 1~2 流石 
 3~4 碧石
 5~6 緑野
 7~8 リク
 9~0 湊



明(アイス、アイス、アイス…!)ウキウキ

リク「…」ジィッ

明(デザートと言えばアイスのはず! 季節的にイチゴアイスの可能性は高め!)

明(バニラアイスでももちろんいいけど、イチゴだと尚うれしい! アイス、アイス、アイス!)

リク「あきら?」クイクイ

明「ハッ――な、何です?」

リク「…あきら」ニッコリ

明(正直、ちょびっと子どもは苦手…)

リク「あのね、みなととね、おかいものしてたの」

明「ええ、それはそれは」

リク「それでね…」

明(何だか今日の出来事を報告されてる!?)

明(保護者は一体、どこで何を――)

碧石「飲め」

湊「これ、日本酒?」

緑野「湊くんは未成年なんですよ!?」

流石「大学生ならいいんじゃないの?」

湊「どれどれ、酒ってのはどんなもんか――」

明(保護者、気づきなさい!)

リク「どかーんってなってたらみなとがきてね…」

明「ええ、はい…」

明(仕方ない、永遠と話を聞かされるよりはこっちから何か振った方が興味も持てる!)

 ↓1~2 リクとのコミュ内容
 例) ・バニラアイスとイチゴアイス、どっちが好き?  ・そういえば湊とはどんな関係で?  などなど


明「リクくん、バニラアイスとイチゴアイス、どっちが好きですか?」

リク「…バニラとイチゴ…?」

明「わたしはイチゴの方が嬉しいですね。酸味と甘味、見た目のかわいらしさ」

明「バニラのねっとりとした甘さもいいですが、さっぱりとしたイチゴの何とも言えないおいしさもたまりません」

リク「…うん?」

明「――と、そういえば湊とはどんな関係で?」

明「兄弟…ではないですよね? でも親子だなんてはずないし、血の繋がりなんてないだろうし…」

リク「みなとはみなとだよ?」

明「…じゃあどうして、あなたは湊と一緒に?」

リク「どうして…?」キョトン

明「…ごめんなさい、難しい質問をしましたね。お気になさらず」

明「リクくんは異能を使えたりするんですか?」

リク「いのー…?」

明「湊がぴかっとしたりするじゃないですか。ああいうのです」

リク「…わかんない」

リク「みなとがまねしちゃだめって」

明(マネをしたらダメ…? でも、本人が分からないと言っているなら、そもそも異能があるかも確かめてはない、ということ…?)

明(確かにグラスパーとなれば面倒ごとも起きることはあるかも知れませんが、幼少期からチカラに馴れさせるのも大事なことじゃ…)

明「…まあ、いいでしょう」

流石「あらー♪ デザートがきたわよ~」

明「デザート! 一体、何アイス――」

流石「あらま、プリン! いいわね~」ボイン

明「…………プリン…」ペッタンコ

リク「ぷりんっ」

明「プリン…プリンかぁ…」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 湊、泥酔につき介護
 4~6 湊、ほろ酔い
 7~9 湊、初飲酒でけろっと


湊「あ~、いい感じ…」

湊「ちっと馴れないけど、酒っていいもんだなあ…」フラフラ

明「ちゃんと帰れます?」

湊「ナメんなよ、この俺様を誰だと思ってやがる」ニタリ

リク「みなと、顔あかい」

湊「リク~…お前さ、知らないやつについてくなよ?」コツ

湊「心配したんだからな?」

リク「うん」

明「仲がいいですね」

湊「はっはっはっ、そう見えるか? そう見えちゃうか?」

明「【安価下2】」

 1 それでは、これで。気をつけて帰ってください
 2 何だかふらついてますし、送りましょうか?
 3 ところでお礼を聞いてないんですが


明「何だかふらついてますし、送りましょうか?」

湊「へーきだっての」

リク「あきらもくるの?」ギュッ

湊「…」

明「湊が素直になれば」

湊「素直にってなんだ、こら!」

リク「こないの…?」シュン

湊「……チッ、まあいい。気が済むようにしろよ」

湊「リク、もう眠いか? おんぶしてやるよ」

リク「うん」

明「…」

湊「んじゃ行くか…」

明「【安価下2】」

 1 リクくんにはとても甘――やさしく見えますね。どんな関係なんです?
 2 お尋ねしたいんですが、10年前…東京にいらっしゃったことはあります?
 3 その他、自由台詞


明「お尋ねしたいんですが、10年前…東京にいらっしゃったことはあります?」

湊「10年前に、東京? …どうして?」

明「いえ、ごくごく個人的なことなんですが…どうです?」

湊「10年前ね…10年前、10年前――」

明(年齢的にわたしとそう離れてはいなかった…と思う)

明(今じゃほとんど曖昧な記憶でしかないけれど、もしかしたら彼という可能性も…)

湊「……」

明「…長考ですか」

湊「うるせ、思い出してる最中だ」

明「…」

湊「10年前に東京…」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 湊「覚えてねえ」
 4~6 湊「いなかった…んじゃねえかな?」
 7~9 湊「いた…かも?」


湊「覚えてねえ」

明「覚えてない…?」

湊「あのころのことなんて、そうそう覚えてねえんだよ」

湊「…忘れたっつーか…そもそも、ほとんど何も記憶してなかったつーか…」

明(3710号がブラック・ライトを離叛したのは確か10年前――)

明(13年前に3710号の運用を開始していたから、3年間のどこかで東京に来て何かをした可能性はある)

明(それに10年前に3710号が離叛した際の詳細な記録は残っていないけど、あの日も任務に出ていたはず…)

明(覚えてないのでは確かめようはない。――けど、彼の可能性は拭いきれない…)

明「では思い出したら、教えてください」

湊「何でそんなこと訊く?」

明「いえ…人探しをしてるだけです」

明「まさかと思いつつ、一応、尋ねてみただけですからお気になさらず」

湊「…ふうん」

明「それにあのコがあなただったら時の流れに幻滅しますし」

湊「そりゃどーゆー意味だ? ええ?」

明「報告書、リクくんの誘拐事件の分も書いて、明日中にお願いしますよ」

湊「は?」

明「それではこの辺で、おやすみなさい」

湊「…またな」

明(帰ったら…【安価下2】)

 1 ブラック・ライトにもろもろの報告をしておこう
 2 グラスプスキルでも磨いておこう
   A ポイント 100/100
   B アーム 200/200
   C コート 100/300
   D バーニッシュ 200/200
   E ピラー 250/250
   F アンテナ 50/200
   G ステルス 158/300
 3 もう寝ておこう


明「――ということで、本日の報告は以上です」

黒山『星のチカラを動力にするという技術が気になる』

黒山『その技術をどうにか持ち出すか、技術者そのものを拉致するかしておきたい』

明「技術者の拉致というのは難しいかと…」

明「ラボがあるのは基地の地下4層ですから、そこまで辿り着くのが難しいですし、わたしが動いてはバレかねません」

黒山『では、その星のチカラで動く機械を見つけることは?』

明「あの様子だと、多少の警戒はしているようです。とは言っても、ちょろそうではありますが…」

 【直下 コンマ判定】
 1~5 黒山『ちょろいのならば、萑部律――と言ったな。その技術者を拉致する。手引きをしろ』
 6~9 黒山『どうにかして、技術を持ち出せ。命令だ』


黒山『ちょろいのならば、萑部律――と言ったな。その技術者を拉致する。手引きをしろ』

明「拉致、ですか…。手引きとはどのように?」

黒山『基地への侵入が厳しいならば、外へ誘き出せ』

黒山『そうすれば後はこちらで回した人員をもって、捕える』

黒山『決行は明日だ。明日の午後7時に指定する場所へ萑部律を連れてこい』

明「…はい」

黒山『追って、場所は連絡をする。しくじるなよ』

明(萑部律を、拉致――)

明(戦闘能力は皆無のはずだけど…もしもを考えて、スパイとはバレないようにしたい)

明(偶然襲撃された風を装って、守りきれなかったというようにすればいいか…)

明(今日だってグラスパーが子どもを誘拐して小銭を稼ごうとしていた)

明(そういった事件と思わせておけばブラック・ライトに目が向かない)

明「とにかく…【安価下2】。そうして外へ出てしまえばこっちのもの――」

 1 食事とか言って連れ出そう
 2 嫌われてはいないし、デートとか言って仕掛ければいいか
 3 その他、妙案求む


 ――個人情報――
 名前:菊野明 性別:女 職業:異能管理機関職員 身体能力:高め 精神面:普通
 異能:武器具現 特技:人を騙す 願望:恩人の男の子と再会して恩返しをする
 グラスプスキル:ポイント100/100 アーム200/200 コート100/300 バーニッシュ200/200
 ピラー250/250 アンテナ50/200 ステルス158/300

 ――異能管理機関・正職員――
  宇和時久:東京支部支部長 五感共有の異能
  萑部律:技術部新技術開発顧問 天才技術者15歳 ズレ気味
  流石愛花:異能犯罪対策課課長 爆乳
  緑野柳:異能犯罪対策課 植物操作の異能 碧石と夫婦
  碧石不動:異能犯罪対策課 日替わりの異能 緑野と夫婦 巨乳派

 ――ブラック・ライト――
  次郎・エドワース:鈍化の異能
  黒山輝代:榊の側近
  榊日和:ブラック・ライトのボス 衝撃の異能

 ――友人・勢力不明――
  宮東湊:異能犯罪対策課アルバイト 光線の異能 大学生 デザインベビー(3710号)
  リク:9歳美少年 おっとり系


 ――異能管理機関東京支部・異能犯罪対策課――

 カタカタ…

湊「えっと…それで…」カタカタ

碧石「…」チラチラ

緑野「…」カタカタ

明(もう、お昼になる…。そろそろ、彼にコンタクトを取って、夕食の約束でも取りつけておきたい)

明「…」スッ

明「お昼を食べてきます」

碧石「…」チラッ

緑野「…」コホン

碧石「…」シュン

流石「行ってらっしゃーい」

 ウィ----ン

明(3710号は報告書作成で動けず、リクくんも彼のそばで大人しくしている…)

明(きっと、これで律くんは今、1人でいるはず…何の邪魔も入らない)

 スタスタ

明(自分が狙われてるだなんて夢にも思わないような、ちょろそうなコだし、失敗要素はない)

 【直下 コンマ判定】
 偶数 律「お夕飯ですか!? おお、ぜひぜひ、ご一緒するです!」
 奇数 律「ご飯のお誘い嬉しいです! じゃあ、湊兄ちゃんやリクも誘いたいです!」明「えっ」
 ※0は偶数扱いです


 ――異能管理機関東京支部・律のラボ――

律「お夕飯ですか!? おお、ぜひぜひ、ご一緒するです!」

明「それは良かったです」ニッコリ

明(何だか子犬みたいな喜び方…)

律「何を食べるですか!?」

明「えっと…何でも、好きなのでいいけどリクエストは?」

律「じゃあじゃあ、ボク、カエル食べてみたいです! 鶏肉みたいな感じって聞いたことあります」

明「カエル…?」

律「それからそれから、あれも食べてみたいです! ヘビ!」

明「へ、ヘビ…?」

律「東京ならきっと、探せば何でも食べられるはずです!」

律「あ、ボクがお店をリサーチしておいた方がスムーズに――」

明「え、いや大丈夫、大丈夫。まかせてください。えーっと、そう…車で行きましょう」

律「お車!」

明「だから第三駐車場で待っててもらっていいですか?」

律「はいです! ドライブは大好きです!」

明「【安価下2】」

 1 それでは、後で
 2 ところで…律くんは何か、自衛手段なんていうのは持ってたりします…?
 3 ちょっとは人を――いや…何でもないです


明「ところで…律くんは何か、自衛手段なんていうのは持ってたりします…?」

律「何でです?」

明「いやその、昨日なんてリクくんが湊くんのそばにいたのに誘拐されましたから」

律「何です、それ!? 聞いてないです!」

明「そういうこともありましたし、物騒な世の中ですし…何か対策みたいなものはあったり…?」

律「一応はしてるです」

明「どんな手段ですか?」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 律「それは内緒です。でもでも、とーっても、ビックリしちゃうのは間違いなしのとっておきです」
 4~6 律「本当は内緒だけど、教えちゃうです」
 7~9 律「実はこの靴、とっても走るのに特化してるです。あとあと、この白衣、実は防刃仕様の特別繊維です」


律「実はこの靴、とっても走るのに特化してるです。あとあと、この白衣、実は防刃仕様の特別繊維です」

律「だから危なくなったら逃げるし、ちょっと刃物で白衣の上から刺されても、ちょっとは安心です!」

明(それ、グラスパー相手じゃ意味がないような…)

明(うん、拉致しやすいからいいっちゃいいんだけど…)

律「ふっふっふっ、驚いて声も出ないです?」

明「そ、そうですね…。ええ、とっても、バッチリです。ちなみに、靴が良くても律くんの運動神経は…?」

律「ボクは典型的な現代もやしっ子です!」

明「いばっちゃダメですよ、それ」

律「引きこもりこそライフワークだから、肌も白めです。むぅ…ちょっとは筋肉もつけたいです…」ムニムニ

明「と、とりあえず、それじゃあ…また後で」

律「はい! 楽しみにしてるです!」

 ウィ----ン

明(ちょろすぎて、逆に何だかな…)

明(あ、連絡がきた…。東京湾に潜水艦…じゃあ、ここまで車に乗せて連れて行けば…)

明(それにしても…)

 【直下 コンマ判定】
 偶数 明(次郎さんがわざわざ出向いてくるなんて…しくじれないな)
 奇数 明(【新キャラ】…会ったことないけど、頼りになるのかな…?)
 ※0は偶数扱い


 【安価下2】
 律を拉致するためにやってきた、
 ブラックライトのグラスパーの名前

 【安価下4】
 その異能


 タロットはすごく考えてくれてるんですけど、1人で22もあると把握が大変なんですよね…
 バラしてジョジョのごとく1人1つで、どっかの勢力が22人いてー…って感じなら採用できるんですが

―――――

律「夜景がきれいです!」

明「そうですね…」

律「それで、どんなお店ですか!? カエルとかヘビはありますか!?」

明「ええ…いいお店を探してたら、ちょっと遠い場所だったんだけど」

律「全然、ボクはかまわないです! ドライブだけでもうきうきです♪」

明(ほんとに暢気…ちょっとくらい疑ったりしないの…?)

明(お人好しっていうか、バカ…?)

明(でも…悪いけど、楽しい気持ちもここまで…)

明「東京湾のすぐそばなの」

律「おおっ、海です!」

 キィッ

律「あれっ? ここですか?」

明「……この辺りのはずなんだけど、ちょっと分かりにくいらしいの」

明「外に出て探しましょ」

律「はい!」

 バタン

明(…ここに、福路がくるはず)

 【安価下2】
 福路万里って…
 1 女性? だよね
 2 男性のお名前…?


律「お店っぽいのなんて、どこにも見えないです…」

明「変ね…。このあたりのはずなんだけど」

律「うーん…もしかして、方向音痴とかです?」

明「そんなはずな――」

 ビュオォォォッ

律「うわぁっ…!?」

明「っ…この、風…!?」

福路「おーっほほほ、ねえ、そこのボク…。グラマラスなお姉さんはお好き?」

律「ちゃ…チャイナドレスに羽根つき扇…! スリットから覗いてるお足がとっても綺麗です…!」

明(ちょっとムカつく――けど、一応は演技だけで敵対しておかないと)

明「何者ですか?」

福路「ぺちゃぱいに用はないわ」

明「衣装で誤摩化してるだけのくせに!」

律「でも衣装でとっても素敵になってるです…。誘拐されたい…」

福路「あら、じゃあ誘拐してあげる」

律「えっ!? い、いざとなったらちょっと怖いから遠慮です…!」

福路「そう言わずに、おねえさんといいことしたくなあい?」ブンッ

 ビュオォォォッ

明(この風、強すぎる…!)

律「うわっ、えっ、う、浮いたですー!?」

明「律くん…!」

律「明さーん!」

福路「暴れたら落っこちちゃうから気をつけるのよ?」シュバッ

律「た、高い! 高いですぅううう――――――――っ!」

明「………………無事に拉致成功。ちょろかったな――」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 律「秘密兵器発動! です!」
 4~9 明「…帰って、課長に報告をしなきゃ」


 ここでくるかー…

 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 律「使いたくなかったですけど…仕方ないです…。こんな大量破壊兵器、ポリシーじゃないのに――」
 奇数 律(うーん…ほんとに誘拐されちゃったです…。痛いこと起きなきゃいいですけど…)
 ※0は偶数扱いです


 ――東京上空――

律(うーん…ほんとに誘拐されちゃったです…。痛いこと起きなきゃいいですけど…)

福路(えーと、潜水艦があるのは…あそこの辺りだったかしら?)

福路(にしても大人しくしてる…)

福路「ねえボク、怖くないの?」

律「とっても怖いです」

福路「…嘘つきの顔をしてるのね」

律「ぼ、ボクは嘘なんてつかないです!」

福路「どうかしらねえ…?」

律「むむ…ほんとですー!」ジタバタ

福路「落ちるわよ?」

律「わわっ…お、おっかないです…」

律(だけど…明さんが…裏切り者なんです…?)

律(…………すごく残念です…)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 湊「律が誘拐――? てめえ、何してたんだ!?」
 4~6 明「申し訳ありません、わたしがついていながら…」流石「急な襲撃じゃ仕方ないわねぇ…」
 7~9 流石「グラスパーの誘拐が相次いで起きてるのね…。少し、洗いましょう」


明「申し訳ありません、わたしがついていながら…」

流石「急な襲撃じゃ仕方ないわねぇ…」

緑野「技術部からの返事がきました」

流石「何て?」

緑野「誘拐された萑部律は機関の技術的な機密情報をかなり握っており、また、直接携わってもいる」

緑野「萑部律は技術部だけでなく、東京支部――ひいては、機関全体の危機になる可能性があると」

緑野「もしも、命を落とせば…萑部律によって動こうとしていた未来が、あと200年は停滞するとも」

流石「そんなにすごいコなの…。明ちゃん、知ってた?」

明「すごい少年とは知っていましたが…これほどとは、とても…」

緑野「宇和司令が、東京支部の全セクションの代表者を招集して緊急会議をするそうです」

流石「分かった、それじゃあ行くわね」

緑野「わたし達はどうします?」

流石「とりあえず非番になってる碧石くんも呼んでおいてちょうだい」

流石「湊くんは――確か、萑部りっちゃん? と仲良かったのよねぇ…どうしましょ」

明「【安価下2】」

 1 すぐに連絡を入れておきます
 2 明日、彼が来てからで構わないのでは?
 3 可能な限り、事実を伏せて教えないようにしましょう


 安価把握しました

 一旦、ここまでです
 どうもありがとうございました


 ――異能管理機関東京支部・宇和の私室――

宇和「萑部律の誘拐事件は、由々しき問題だ」

宇和「萑部律は某市支部からの預かりものとも言える、稀代の天才技術者」

宇和「グラビアス=ラークレイン討伐を果たした、最期のグラスパー・朝霧冬也が持つ特異な銃も萑部律が作り出した」

宇和「加えて、星のチカラからエネルギーを生み出す独自の技術まで開発してしまった」

宇和「星業技術――であったか。そう、某市基地の技術部長は命名したそうだが…この星業技術は星を滅ぼしかねない代物だ」

宇和「グラスパー個人が消費する星のチカラは、個々ではどうということはない」

宇和「しかし、巨大な星業技術により、もしも大量破壊兵器などが作られれば――たちまち、持ち直した星の寿命が減る」

宇和「もし、誘拐犯がただの身代金目的ならばまだ幸いだが、誘拐されてから3時間経って、要求などはこない」

宇和「萑部律の技術力を目当てに誘拐をしたと考えるのが妥当なはずだ」

宇和「情報部エースのお前に与える任務は、何者が萑部律を誘拐したのかを探ること」

宇和「そして、内通者がいたのであれば拘束・尋問にかけ、知っていることを全て聞き出すことだ」

宇和「頼むぞ、――【安価下2】よ」

 【安価下2】
 機関の情報収集プロフェッショナルの名前

 【安価下3】
 その異能


 サイコメトリーが出てきましたね

―――――

 ――異能管理機関東京支部・異能犯罪対策課――

 ウィ----ン

湊「会議ってのはどうなった?」ドタドタ

流石「湊くん、おはようさん」

湊「挨拶なんざどうでもいい! 律はどこのどいつにさらわれた?」

明「落ち着いてください」

湊「落ち着いてなんかいられるか! 大体、お前がそばにいて――!」

碧石「ふんっ!」ドゴッ

湊「っぐ…! 何しやがる!?」

碧石「頭を冷やせ」

緑野「湊くん、大丈夫ですか?」

流石「情報部が動いてりっちゃんの居場所は探るようになったから安心してちょうだい」

流石「司令は技術力目当ての誘拐だろうって言ってたから、そうそう乱暴なことはされないんじゃいかねえ?」

湊「だったら俺も探す」

明「情報部はプロフェッショナルです。あなたの方が成果をあげられるとは思えません」

湊「るっせえな! 探すって言ってんだよ、バイト以外の時間で俺が何しようが勝手じゃねえのか!?」

 ウィ----ン

島津「あー、失礼」

流石「あら」

明「…どなたです?」

島津「俺は島津久。えーと、萑部律が誘拐された時、一緒にいたっていう新人ちゃんは――あんたかい?」

明「ええ、そうですが」

島津「ちょいと、お話聞かせてもらっていいかな?」

明「…ええ、分かりました」

島津「タバコは嫌いかい? ニコチン切れると頭が回らないんでね、喫煙室で聞こう」


 【直下 コンマ判定】
 偶数 島津「まあ、ないとは思うんだけどね…もし、萑部律誘拐で内通者がいたとすれば…あんたが怪しいと思うんだ」
 奇数 島津「単刀直入に言っちゃおうか…。えー…菊野明さん? ――おたくが、内通者かい?」
 ※0は偶数扱いです


 ――異能管理機関東京支部・喫煙室――

島津「まあ、ないとは思うんだけどね…もし、萑部律誘拐で内通者がいたとすれば…あんたが怪しいと思うんだ」

明「確かに疑われても仕方がありません。何でもお尋ねになってください」

島津「そう? じゃ、あんまり遠慮しないよ」

 カチッ
 スパ-

島津「ふぅー…」

島津「そいじゃまず…萑部律と知り合ったのはいつだい?」

明「異能犯罪対策課に配属され、すぐです。バイトの宮東湊の到着が遅れていたので、迎えに行くよう課長に命令されました」

明「その際に宮東湊とともにいて、それがファーストコンタクトです」

島津「なるほどなるほど…。んじゃあ、どうして萑部律と一緒に外出なんてしてたんだ?」

明「夕食に誘い、少し離れたレストランへ向かっていました」

島津「ふうん? そう…。何で萑部律と? 対策課ってそこそこ、人当たりのいい人ばっかでしょ」

島津「課長は大らかだし、緑野はマジメで礼儀正しくて、碧石くんは無口だけど頼りがいがある」

島津「そんなにメンツ揃ってて、わざわざ技術部の、萑部律を誘うなんてどうして?」

明(さて…どう切り抜けるか…)

明「【安価下1】」

 1 わたしの異能は、武器具現です。異能の性質上、色々な武器の構造などを把握した方が都合が良かったので、彼を誘いました
 2 実はここだけの話…わたしの身の潔白を証明するために打ち明けますが…少年愛者なんです…///
 3 知らないんですか、対策課って、表面的な人ばっかりで、腹の底は真っ黒な人ばかりなんですよ


明「実はここだけの話…わたしの身の潔白を証明するために打ち明けますが…少年愛者なんです…///」

島津「えっ?」

明「律くんって、無邪気で、少し天然っぽくて、明るくて、敬語で…」

明「すごく、たまらないんです。それにあのぶかっとした白衣の萌え袖…想像しただけでもう…///」ハァハァ

島津「あ、あー…そう…なの?」

明「とっても人懐っこくて、元気な子犬みたいな感じがまたたまらなくて…」

明「それで、もっと近づきたくって律くんを誘ったんです。年頃だから、女性にも好奇心があったのか、ほいほいついてきてくれて…」

明「雰囲気を出すために東京湾の方まで足を伸ばして、ドライブの密室でずっと外を見て、いちいち報告までしてきて――」

島津「分かった、分かった、いいよ、もう…」

島津「あー、はいはい…要するに少年愛者なもんで、萑部律を…狙ってた、と?」

明「はい…/// ほんの、デート感覚で…///」

島津「…まあ、あれだ、うん。守秘義務はあるから一応、安心して欲しいけど立場上司令とかには伝えなきゃいかんから…」

島津「変な噂が立っても司令を恨んでくれ…」

明(よし、騙された。こんなカミングアウトをしておけば戸惑ってろくに聞き出すことなんてできないはず)

明(わたしがショタコンとか、ありえないって…)

島津「性癖は人それぞれだが、犯罪はいかんからな? 例え合意の上であっても…世間体とかあるだろうし…」

明「はい、気をつけます…///」

島津「ほいじゃあ、これにて。まだまだ容疑者はいるもんで、一旦、失礼するよ」

明「ご苦労さまでした」

明(…………さて、いずれ、わたしに辿り着くかも知れない…。何かしらの手を打っておきたいな…)

 【安価下1】
 1 こっそり、始末をしておこう
 2 ブラック・ライトに連絡を入れて消してもらおう
 3 その他、妙案求む


明(島津久――あの男をブラック・ライトに消してもらおう)

明(ヘタに自分で動いてバレたらそれどころじゃなくなる)

明(でも、あの男がわたしを疑ったままで消されても、また別の人間がこの調査を引き継ぐはず…)

明(何かしらの工作をしておきたい…。せめて、わたしじゃない誰かに目が向くように、誰かを陥れる…)

明(陥れて一段落ついたと見せかけたところで島津を消せれば…でも、一体、誰を陥れればいい…?)

明(それか…内通者なんかなくて、グラスパーの犯罪者集団なんていうのをでっち上げて、そのせいにする…?)

明(ついでに萑部律がもう殺されていることにしてしまえば、ブラック・ライトの関与は疑われないまま軟禁し続けることも…)

 【安価下1】
 1 萑部律は天才技術者――技術部に妬む者がいるはず
 2 適当な犯罪グラスパー集団でも見つけて、濡れ衣着せるか
 3 いっそ、はした金でグラスパーを雇ってブラック・ライトに入れたことにして、罪を被って死んでもらう?
 4 その他、妙案求む


 ――異能管理機関東京支部・異能犯罪対策課――

明「戻りました」

流石「取り調べ、大丈夫だった? 悪く思わないでね、誰かがやんなきゃいけないことだから…」

明「いえ、大丈夫です。…それにわたしの力不足で律くんをまんまと奪われたも同然ですから…」

明「そこで考えたのですが、異能を犯罪に使うグラスパーに聞き込みをしてはいかがでしょう?」

明「蛇の道は蛇と言いますし、何か知っている者がいるかも知れません。検挙できないまでも、情報収集くらいなら」

流石「うんうん…やる気まんまんね。しおれてなくて安心しちゃったわ」

流石「自分で事件を解決したいだろうし、しばらくは明ちゃんのしたいように捜査してみてちょうだい」

流石「1人で手が足りないんなら湊くんに手伝ってもらったり、それでも人手が足りなきゃ相談してね」

明「ありがとうございます。早速、行ってきます」

流石「あらま、どこまで?」

明「グラスパーズ・プリズンに」

 【安価下1】
 1 吉良に取引を持ちかける
 2 組織的犯罪をしていた受刑者に、減刑と引き換えに所属していた組織の詳細を聞き出す
 3 先日の銀行強盗を働いた犯人に取引を持ちかける


 ――グラスパーズ・プリズン――

明「口いっぱいに空気を吸い込める気分はどうです?」

受刑者「…」

明「さて、あなたはグラスパー5人組で次々と強盗を繰り返し、総額20億もの大金をせしめた強盗団の元メンバーでしたね」

明「強盗、殺人、放火、強姦、道交法違反、麻薬取締法違反――色々と罪状が重なって、懲役300年ですか」

明「この国も途中で死ぬしかないような懲役刑が科されるようになってしまいましたから、大変そうですね」

受刑者「何の用だ…おかして欲しいのか、まな板女」

明「1/20の刑期にしてあげます」

受刑者「!?」

明「その代わり、あなたがいた強盗団のアジトなど、詳しく教えてください」

明「あ、仲間を売るなんてとか、バカなことは考えなくてけっこうですよ。彼ら、あなたがパクられても元気に活動してます」

明「先日なんてハイジャックしましたから。新聞が一面、その事件でもちきりでした」

明「いやあ、派手なことをしたがる方々なんですね」

明「そんな方をいまだに仲間だなんて思えます? まさか、そんなはずないですよね?」

明「死んだ方がマシと思えるような状態であと何十年も生きなくちゃいけなくて…でも、ここでわたしに話せば1/20ですよ、刑期」

明「たった15年です。それだけでいいんですよ。どうします?」

 【直下 コンマ判定】(騙しは得意+3)
 1~4 受刑者「仲間は…売れねえ…」
 5~9 受刑者「何でも話す…。本当だな、刑期の件は…!」


受刑者「仲間は…売れねえ…」

明「…………そうですか」

明「あなた、意外と鋭いですね」

明「あなたの仲間は、あなたが抜けてしまってからぱったりと大人しくなりましたし、刑期を1/20にするなんてできません」

明「いやあ、素晴らしく男前ですね。…どうして、強盗なんてしたんです?」

受刑者「…消えろ」

明「…そうですか」

明「【安価下1】」

 1 長生きしても大変なだけでしょうし、今ここで死んでおきます? 話してくれるなら考えますけど
 2 じゃあ、お仲間がつかまった時に特別に手を回して、彼らの減刑をすると言ったら…どうです?
 3 他の受刑者を当たろう


明「じゃあ、お仲間がつかまった時に特別に手を回して、彼らの減刑をすると言ったら…どうです?」

受刑者「何…?」

明「今度は嘘じゃありません。わたしは機関の者ですか、司法に圧力をかけることができます」

明「あまりおおっぴらにはできないので、不起訴にするなんてことはできませんが、減刑くらいなら可能です」

明「あなたと同じ責め苦を、お仲間まで味わうことになっても大丈夫ですか?」

受刑者「…」

明「それと、わたしはあなたのお仲間を捕まえようとしているわけではありません」

明「少し尋ねたいことがあるだけなんです。ですから、捕まえると決まっているわけではないとご理解ください」

明「どうします?」

 【直下コンマ判定】(仲間思い+3)
 1~4 受刑者「…あいつらは捕まらねえ。減刑も必要ない」
 5~9 受刑者「あいつらを減刑してくれるんだな…?」明「ええ、誓います」


受刑者「…あいつらは捕まらねえ。減刑も必要ない」

明「あなた、ほんとに男前ですね…」

受刑者「消えろ…」

明「いいでしょう。じゃ、あと300年苦しんでください」

明「今の医療技術はすごいですからね。生かすだけなら300年はぎりいけるはずです」

明「死ぬ前に300年、死んでから永遠に、地獄のような責め苦を感じ続けていてください」

明「では」



明(まさか、わたしが騙せないなんて…。嘘を見抜く異能とか、そんな異能の持ち主だったり…?)

明(他の受刑者を当たりますか…。と言っても、あてがあるのは――)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 変態盗撮魔
 4~6 連続婦女殺人強姦事件の犯人
 7~9 史上最悪の放火魔
  0  国際指名手配テロリスト


明(変態盗撮魔…)

明(グラスプスキルを使って温泉で盗撮をして、それを売りさばいてたとか…)

明(でも、書類上だと過去の恩赦があるから、特別に一般人の受刑者と同じ扱い…)

明(こんなのが犯罪者グループなんて知ってるのかな…?)

 キィィィ

刑務官「きびきび歩け」

御手洗「へいへいへーい、分かりましたよぉーっと」

明「…」

御手洗「あっれぇ!? かわいこちゃんがいる! てっきり、強面の誰かかと思ってたけど、ひゅーひゅー」

御手洗「ねえねえ、おっさんにどんな用があんの?」

明「すみません、離席してもらっていいですか?」

刑務官「はっ」

 バタム

御手洗「おっほほう、おっさんに何のご用? でへへへ…」

明「あなたは、グラスパーの犯罪者グループなどはご存知ですか?」

御手洗「存在はそりゃもういくらでも耳についちゃう世の中だったからねえ」

明「あなた個人では? 例えばこういう異能のグラスパーが、どこをアジトにしている…など」

 【直下 コンマ判定】(おっさんは女好き+4)
 1~5 御手洗「お嬢ちゃん、お名前はぁ~? ねえねえ、おじちゃんがお胸を大きくしてあげよっか?」
 6~9 御手洗「あ、あー、何だったかな~? 知ってるけど、何だか女の子のお色気成分足りなくて思い出せないなぁ~?」チラチラ


御手洗「あ、あー、何だったかな~? 知ってるけど、何だか女の子のお色気成分足りなくて思い出せないなぁ~?」チラチラ

明「お色気成分とは?」

御手洗「たーとーえーばー? もうちょびぃ~っと…シャツをはだけさせてみたり?」

御手洗「パンツルックもいいけどスカートにして、膝上15センチにしてみちゃったり?」

御手洗「あとはねあとはね~やっぱ、ガーターベルト! これをしてもらっちゃえればおじさんね、もう――」

 ガスンッ

明「この机みたいに、へこまされたいですか?」

御手洗「」

明「知ってるんですよね?」

御手洗「シッテルヨー、オッサン、コレデモ、ジョーホーツーダカラ」

明「では、教えていただきましょう」


 【直下 コンマ判定】
 1~5 御手洗「あー、でもねー、おっさん、ほんとに最近、寂しくてさー? ここから出してもらえないとなあ~?」
 6~9 御手洗「ねえねえ、教えたよ? お礼とかないの、ねえねえ?」明「ありません」


御手洗「あー、でもねー、おっさん、ほんとに最近、寂しくてさー? ここから出してもらえないとなあ~?」

明「減刑がお望みですか?」

御手洗「ノンノンノン、釈放」

明「…」

御手洗「釈放してくれるって言うんなら? おっさん、かわいこちゃんのために色々がんばっちゃうよ?」

御手洗「おっさん、こう見えても優秀よ? 情報通だし、こそこそするの得意だし、ゴキブリ並みの生命力だし」

御手洗「いやー…おっさんをここから出してくれるって言うんなら、手足となって――いや、手足を取って何でも教えちゃうのになぁ」

明「…」

御手洗「残念だなー? あれれー、何のお話だったかな、おっさん、年が年だから忘れてきちゃったかもー?」

明「【安価下1】」

 1 1ヶ月で釈放。この条件と引き換えでどうです?
 2 馬車馬よりも手ひどく扱ってもいいんですか?
 3 水着写真集と引き換えでどうです?


明「1ヶ月で釈放。この条件と引き換えでどうです?」

御手洗「ええー? 3日にしてよ」

明「ムリです」

御手洗「じゃあ、おっさんもムリー」

明「29日」

御手洗「4日後」

明「…」ジロ

御手洗「やん、おじさんを見つめるなんて誘ってるの~?」

明(すごくやりづらい…)


 【直下 コンマ判定】
 1~5 明「聞き出せたけど、すごく疲れた…」
 6~9 明「島津なんかよりもよっぽど、あの人の方が手強いんじゃ…。でも、目当ての情報は手に入った」


明「島津なんかよりもよっぽど、あの人の方が手強いんじゃ…。でも、目当ての情報は手に入った」

明「蛇の道は蛇――まさにそのままね。いかにもな、変態チックな犯罪者ども…」

明「女性の下着を盗んでいく変態泥棒と、全裸になってからステルスで透明人間プレーを楽しむ変態と、未成年をAV出演者にする変態…」

明「こんなの、全部消えてもいいくらい…」

明「こいつらに罪をなすりつけて、突撃をかけて問答無用で事故に見せかけて殺して…」

明「その後で、島津久を殺ってもらう――これで、疑いの目が消えるはず」

明「よし、明日に持ち越そう」


 【直下 コンマ判定】(性癖暴露+2)
 1~3 島津「怪しいのはやっぱ、菊野明…か」
 4~6 島津「果たして、どっちがクロか…」
 7~9 島津「菊野明じゃないとすれば…クロは――」


―――――

 本日はここまでです
 どうもありがとうございました

 にしても、あのイケメン受刑者に名前つけて出そうかとちょびっと悩んだわ…
 持ちすぎでしょ、あのコンマ運は


 ――東京某所――

明「わたしの情報だと、ここが身代金誘拐をしているグラスパー達のアジトです」

湊「律はここにいるのか?」

明「それは定かではありませんが、誘拐犯同士のコネクションもあるかも知れません」

明「多少、手荒なマネをしてでも聞き出しましょう」

湊「作戦は?」

明「わたしが中へ乗り込みます。あなたは外で待機して、出て来た輩を排除してください」

湊「…それで大丈夫かよ?」

明「逃げ足を油断できない連中です。逃げ出すのはお手の物でしょうからこそ、あなたに外で待機してもらいたいのですが…」

 【直下 コンマ判定】
 1~4 湊「いや、俺もいく。逃がしゃあしねえ」
 5~9 湊「分かった、それでいい」


 ――個人情報――
 名前:菊野明 性別:女 職業:異能管理機関職員 身体能力:高め 精神面:普通
 異能:武器具現 特技:人を騙す 願望:恩人の男の子と再会して恩返しをする
 グラスプスキル:ポイント100/100 アーム200/200 コート100/300 バーニッシュ200/200
 ピラー250/250 アンテナ50/200 ステルス158/300

 ――異能管理機関・正職員――
  宇和時久:東京支部支部長 五感共有の異能
  萑部律:技術部新技術開発顧問 天才技術者15歳 ズレ気味
  流石愛花:異能犯罪対策課課長 爆乳
  緑野柳:異能犯罪対策課 植物操作の異能 碧石と夫婦
  碧石不動:異能犯罪対策課 日替わりの異能 緑野と夫婦 巨乳派
  島津久:情報部 物体思念の異能

 ――ブラック・ライト――
  次郎・エドワース:鈍化の異能
  黒山輝代:榊の側近
  榊日和:ブラック・ライトのボス 衝撃の異能
  福路万里:風扇の異能 チャイナドレス美女

 ――友人・勢力不明――
  宮東湊:異能犯罪対策課アルバイト 光線の異能 大学生 デザインベビー(3710号)
  リク:9歳美少年 おっとり系
  御手洗深道:ATCV-1の異能 盗撮で服役中


湊「分かった、それでいい」

明「では、あなたも気をつけて」

明(これで何が起きるか、彼が知るよしはない…)

明(うまくことが運んでるけど…逆に少し不安になってくる)

明(考えすぎだと思いたいものの、気を引き締めていこう)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 変態グラスパーズ、意外とやる
 4~6 変態グラスパーズ、弱め
 7~9 変態グラスパーズ、貧弱すぎた


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 変態グラスパーズ、変態すぎて大苦戦
 奇数 島津「やあ、お嬢さん。――何しにこんなとこへ?」スパ-
 ※0は偶数扱いです


島津「やあ、お嬢さん。――何しにこんなとこへ?」スパ-

明「あなたこそ…何故、こんなところに…?」

明(どうしてこの男が…?)

島津「科学っていうのは疑うことから始まるらしいよ」

島津「この現象は正しいのか、ってさ。俺もこれってすごく大事な考え方だと思ってて、ないだろうって線から検証して消してくことにしてる」

島津「んなもんで、あんたじゃないだろうと思って探ってたんだけど…まさかのビンゴだったかねえ」

明「ビンゴとは…? わたしはグラスパーの誘拐グループがここにいると踏み、誘拐犯じゃないかと思って足を運びました」

島津「へえ、誘拐犯? でもここにいるのはさ、ただの変態グラスパートリオだけだった」

島津「下着ドロとか、透明人間プレーとか、あとはロリコン?」

島津「誘拐なんてことはしてないはずなんだけど、どんな捜査をしたんだい?」

明(マズい…完全に疑われてるし、こんな状況で言い逃れられるか…?)

明「【安価下2】」

 1 じ、実は…未成年をAVに出演させていると聞き、好奇心で…。男の子が出てる、幻のビデオがあるそうなんです!
 2 いいえ、彼らは本当に誘拐をしています。ここにそのデータがあります
 3 仕方がないですね、口封じをしましょう。
 4 その他、自由台詞で切り抜けろ!


明「じ、実は…未成年をAVに出演させていると聞き、好奇心で…。男の子が出てる、幻のビデオがあるそうなんです!」

明「捕まえるついでに、こっそりそのビデオを手に入れられればと思って――」

島津「おいおい、あんた、ほんとにそんな性癖じゃないだろ?」

島津「分かってるんだよ、俺は」

島津「素直に白状しちまいなって」

明「素直にですか…? じ、実はその、インターネットでダウンロードして、児童ポルノものは数点持ってますが…」

島津「嘘つくなって言ってるんだ。ネットで拾えるはずないでしょ、今の時代で」

島津「だからこそ、現物のディスクでやり取りがされてんのよ? あ、知らなかった? 付け焼き刃じゃそうなっちゃうよねえ」

島津「さて…残念だけど、内通者を見つけたら尋問にかけろって言われてるんだ…」

島津「時間が惜しいし、ここですぐに始めちまおうか」

明「【安価下2】」

 1 本当にわたしは違います! ただただ純粋に、毛も生えていないような少年のビデオをですね…!
 2 やめてください、本当に違います!(うろたえたふりをして、さくっと騙し討ちで殺る…!)
 3 残念です、気づかなければあなたが死ぬようなこともなかったはずなのに
 4 その他、自由台詞で切り抜けろ!


明「本当にわたしは違います! ただただ純粋に、毛も生えていないような少年のビデオをですね…!」

島津「あーはいはい、分かったってば、そういう設定は」

島津「萑部律は確かに幼い顔つきだけど、年齢考えりゃあ毛くらい余裕でぼーぼーだろうよ」

島津「むしろ、宮東湊と一緒にいるリクってコの方が、設定的にはドンピシャじゃねえの?」

明「っ――て、剃毛プレーがいいんじゃないですか!」

明「ふふ、こっちの方は一足先に大人になってるのね…って!」

明「それで、顔を赤らめる律くんのあそこにクリームをたっぷり塗り付けて、怯える彼の恥部にカミソリを向けて!」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 島津「そうそう、別に戦うのが苦手だからこういう仕事してるわけじゃないから、大人しくしてもらおうかね!」
 4~6 島津「正面切ってやり合うなんて、何年ぶりだろうなあ…」
 7~9 島津「あり…? ちょ、ちょっと落ち着こうか…?」


島津「あり…? ちょ、ちょっと落ち着こうか…?」

明「それできれいに剃り上げてですね、汚いものをなくした彼の――」

島津「いい、いい! 分かった、分かったから落ち着け!」

明「じゃ、じゃあ…疑いはなくなりましたか?」

島津「…本当に、やましい気持ちオンリーでここに来たって言えるか?」

明「もちろんです」キリッ

島津「それじゃあ、あんたの疑いを完全に晴らすために…ちょっとつきあってもらえるか?」

明「申し訳ないですが、守備範囲外です」

島津「そういう意味じゃない」

明「では、一体…どういうことです?」

島津「そうだなあ…」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 島津「いつもそういう、あー…妄想? をしてる道具を見せてもらおうか」
 4~6 島津「これから一緒に萑部律が連れ去られた現場に同行してもらおう」
 7~9 島津「萑部律のラボに敷いてあるマットの一部がここにある。こいつに触れてくれ」

ごめん
連取りになるからこれとまとめて安価下で


 >>578
 コンマ判定の連取りは全然おkなので気になさらず!
 何回連続で取れるかチャレンジしていただいてもけっこうですよ

―――――

島津「これから一緒に萑部律が連れ去られた現場に同行してもらおう」

明「現場検証…というものですか?」

島津「そうそう、そういうの。例えばそこに何かが落ちていて、それが誰かの持ち物だったりすれば…」

島津「その持ち主のことを何となく知れたりしちゃうわけだ」

島津「なかったら仕方ないんだけども、もしも、誘拐犯の物品なんかが残ってたりして、その物品があんたを知ってるとあったら…」

島津「それは限りなく黒に近いグレーってわけさ」

明(何かが出てくるとは思えないし、福路との繋がりはほとんどないはず…)

明「分かりました…」

島津「それじゃあ行こうか。宮東湊と来てるんだったな。連れ回すことになっちゃうねえ、悪いけど」

島津「でもま、逃げようなんて思えなくなるだろうし…いいよねえ? 一緒でも」

明「ええ、もちろんです」


 【安価下2】
 1 こっそりブラックライトに連絡を入れて、襲撃をしてもらう
 2 この場を出る前に島津を背後から殺す
 3 大人しく現場に向かう


 ――明の運転する車内――

明(現場到着と同時に襲撃…)

明(それに応戦するという形を取れば、疑惑の目が逸らせるかも知れない…)

湊「おい、律をさらったかもって連中はどうなったんだよ?」

島津「まあまあ、ちょっとは大人しくしていてくれ」

湊「つーか、お前、さっさと律の居場所探せ。情報部だろうが、油売ってんじゃねえっての」

島津「ん? そのグローブ、何? カッコいいじゃん」

湊「へっへーん、いいだろう?」

島津「ちょっと見せてよ」

湊「おうよ」

島津(萑部律の発明品…。肌身離さず身につけて、戦いの際は必ず着用――)

島津(なるほど、彼は完璧に萑部律の味方だな…。それに苛烈な気性も持ち合わせてる…)

島津(武器らしい武器を持たずに徒手空拳で戦う宮東湊のために作られたようなもの、か…)

島津「いいものだ、大事にした方がいい。返そう」

湊「おう」

明「…そろそろ、到着します。あの辺りですね――」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 福路「疑わしきは罰せよ…。あなたにもう、スパイとしての価値はなくてよ――」ニヤリ
 4~6 福路(適当にやって、さっさと帰ろう)
 7~9 明(あそこにいるのは――グラスパーでもない、一般兵。なるほど、派手にやって、繋がりはないとアピールしろと…)


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 明「ここです」島津「あいあい。なーるほど、えーっと――」ヒュパッ
 奇数 明「ここです」島津「あいよ…。でも、もう分かっちまったなあ。――確保しろ、宮東湊」
 ※0は偶数扱いです


明「ここです」

島津「あいよ…。でも、もう分かっちまったなあ。――確保しろ、宮東湊」

明「えっ――?」

 車を降り、島津がタバコをくわえるのを明は見た。
 そして、湊が車を飛び越えて迫り、一瞬で明を組み敷く。

明「うっ…! な、何を一体…!?」

湊「…どういうことか分かんねえけど、菊野…お前、本当に律をさらったのか?」

明「何を言ってるんですか…?」

島津「この車に乗って、すぐ分かった…」

島津「萑部律をここまで連れてきた車か…。車ってのは運転者の意図をリアルタイムで教えてくれちゃうからなあ…」

島津「宮東湊、すぐに襲撃も来る。俺が菊野明を拘束しておくから、お前はその対処に当たってくれ」

明「放してください、湊くん! わたしが何をしたんですか!?」

湊「グローブを返された時、車を降り次第、捕まえろってこのおっさんに伝えられた」

湊「お前が律の誘拐を手引きしたってな。――ほんの少しでも、お前を信じた俺がマヌケだったな」

明「ッ――」

島津「お、来たみたいよ。ガムテで手首を固定して、バーニッシュっと…」

島津「そいじゃあ、宮東湊が害虫駆除をしている間に、ゆっくり尋問しようか」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 湊、刺客を瞬殺
 4~6 島津「おお、強いな、彼…」
 7~9 島津「早めに吐かないと、痛い思いしちゃうよ?」


島津「早めに吐かないと、痛い思いしちゃうよ?」

明「…」ギリ

島津「人の心がどこにあるかっていうのは分かっちゃいない」

島津「脳みそかも知れないけど、心臓を移植したら元々の心臓の持ち主と同じ趣向になったとかって例もあるらしい」

島津「だからこの尋問が終わった後で、あんたのブラウスの第二ボタンをもらうよ」

島津「そこにはきっちり、俺の質問に対してあんたの考えた全てがこもる」

明(この男は始末しないと…ブラック・ライトが危なくなる…)

島津「んで、正直な第二ボタンちゃんと、あんたが口にしたことに齟齬が生じたら、1回につき、アイスピック1回突き刺しの刑」

島津「素直に喋った方がいい。あんた、胸は控えめでも美人さんなんだ」

明(バーニッシュがかかっていても、武器具現で小さなナイフを出せば充分にガムテを切れる…)

島津「さて、始めよう。萑部律を誘拐した目的は?」

 【安価下2】
 1 こっそりガムテを切って機を伺う
 2 素直に全部を打ち明ける
 3 ガムテを切って、逃亡をはかる
 4 その他、妙案求む


明「誘拐目的ですか…。さあ、分かりません…」

明「わたしはただのスパイでしたからね」

島津「本当か? これが嘘だったら、穴1つだよ?」

明「使い捨てのスパイですよ、わたしなんて」

明(よし…ガムテは切れた…。島津はわたしの尋問に気を取られてて、まだ気づいてない…)

島津「そいじゃ、どうしてスパイになんてなった?」

明「どうして…ですか。色々と事情はありますよ」

島津「事情?」

明「ええ…わたしは10年前までは東京にいたらしいんですが、事故で色々となくしてしまいまして」

明「表向きにはとっくに死んでることになってますね。それに目をつけられて、拾ってもらったんです」

明「ただ、生きるためには代償が必要になります。スパイとして生きる他に、わたしは生き方がないんですよ」

島津「情状酌量はないぞ?」

明「嘘だと思うなら、どうぞそう思ってください。第二ボタンで分かるんでしょう?」

明(尋問が長引くなら、強力な武器だって作り出せる…)

明(この間に何か、状況を打破できるようなものを…)

 【安価下2】
 1 致死毒たっぷりナイフでぐさりを狙う
 2 いっそ爆弾で何もかもぶっ飛ばす
 3 アイスピックで心臓一突きしてやる
 4 その他、自由な武器で狙え一発逆転


島津「実際のとこ、少年愛ってのはどうなのよ?」

明「本当なはずないでしょう。それっぽいことをのたまっただけですが何か?」

島津「あー、ちょびっと安心した…。もう世界が末期なのかと思っちゃったよ」

島津「あんたみたいのがいる時点で、とっくに末期かも知れないけどさ」

明「同情してくれるなら見逃してください」

島津「そんなことできるはずないでしょが。はい、次の質問ね」

島津「あんたさ、寝返ったりするつもりはある?」

明「はい?」

島津「二重スパイみたいな?」

明「【安価下2】」

 1 ありえませんね
 2 いいでしょう、寝返ります
 3 本心じゃないんでしょう、どうせ


明「本心じゃないんでしょう、どうせ」

明「そうやってわたしを口説こうとしてるんじゃないですか?」

島津「…そう思う?」

明「ええ。あなたみたいな人が、そんなこと言うはずないですよ」

明「ちょっとでもわたしを見込んでいる…みたいなポーズをして、仲間にしたふりをして、便利な道具みたいに扱うんでしょう?」

明「そんなやり方、熟知してますよ」

島津「あーらら、ふられちゃった。でも、ほんとにちょっと気に入るかも」

明「残念ながら、あなたみたいな人に好かれても嬉しくありません」

明(猛毒ナイフができた…やれる――)

島津「分かった。――そんじゃ、後のことは第二ボタンちゃんに聞いておこうか」

 【安価下2】
 1 殺る
 2 猛毒ナイフを突きつけて交渉する
 3 猛毒ナイフで威嚇して逃走する


 島津が懐に手を入れた――。
 同時に後ろ手に猛毒ナイフを握り、島津の喉を狙ってかっ切る。

島津「ッ――いつの間に…!?」

 僅かに散る、赤い血。
 掠っただけでも刃の毒はすぐ全身へ回ることになる。

明「スパイはこれで終わりですね」

島津「逃げられるとか思っちゃってんの…!?」

 まだ毒は回っていない。
 島津が腕を振るい、後ろへ跳んだ。

島津「バーニッシュ・プラズマ――!」チャキ

 拳銃が構えられる。
 そこから射出される弾丸は青白い閃光を纏っていた。

明「ッ――!?」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 直撃
 4~6 掠める
 7~9 回避完了

もしもバッドエンドだったら、可能ならスパイってとこから無しにしてやり直せないかなぁ…ブラックライト入りもスナイプだったわけだし…
さっきから私情垂れ流しですまん。安価なら下


 閃光に射抜かれる。
 瞬時に世界が、暗闇に変じた。

 闇の中で、誰かが手を差し伸べている。

 ただもう1度、彼に会いたいだけだったのに。
 あの時のお礼を言って、どれだけわたしが救われたか伝えたかったのに。


 わたしはどこで、何を間違えたのだろう――?


 所詮は使い捨ての道具。
 そんなことは分かっている。
 分かっていたのに、唯々諾々とそのままでいたから――こんな結末を迎えたのだろうか。


                                ――――― DEAD END


 スパイっていう身分ではあるけれど、そのままで居続ける必要はそんなにないのよ

 あと選択した安価次第でちょびっとずつ主人公の思考や方針も変化していくから、
 悪いことをすれば悪い人間に、悪いことを頑なに拒めばそうじゃない人間にもなれるのよ

 >>638
 スパイからなしはちっとムリです
 でも、やり直すチャンスなんて、きっとそこかしこにあるはず

 ではでは、リトライ先をどうぞ
 【安価下2】
 1 >>622
 2 >>628
 3 >>635


明「本心じゃないんでしょう、どうせ」

明「そうやってわたしを口説こうとしてるんじゃないですか?」

島津「…そう思う?」

明「ええ。あなたみたいな人が、そんなこと言うはずないですよ」

明「ちょっとでもわたしを見込んでいる…みたいなポーズをして、仲間にしたふりをして、便利な道具みたいに扱うんでしょう?」

明「そんなやり方、熟知してますよ」

島津「あーらら、ふられちゃった。でも、ほんとにちょっと気に入るかも」

明「残念ながら、あなたみたいな人に好かれても嬉しくありません」

明(猛毒ナイフができた…やれる――)

島津「分かった。――そんじゃ、後のことは第二ボタンちゃんに聞いておこうか」

 【安価下2】
 1 殺る
 2 猛毒ナイフを突きつけて交渉する
 3 猛毒ナイフで威嚇して逃走する


 島津が懐へ手を入れる――。
 猛毒ナイフを具現し、跳ね起きて島津の喉元へ突きつけた。

島津「!?」

 懐へ入れていた手を片手で抑え込み、ナイフの刃を近づける。

明「このナイフは、掠めれば死にますよ」

島津「いつの間に…」

明「さて、もう少しだけお喋りを続けましょう」

明「ただし、尋問ではなく交渉です」

島津「交渉、ね…。俺は何の権限も持っちゃいねえよ?」

明「でしょうね。しかし、この場であなたにやれることはあるはずです」

明「それと、今の動きではっきり分かりましたが、あなたは戦いではないところが優秀な人のようですね」

明「ヘタな動きをすれば、喉をかっ切りますよ。それくらいは雑作もなくやれます」

明「せいぜい、何かをしても相討ちといったところでしょうかね」

島津「んで…何がお望みだ?」

明「【安価下2】」

 1 このまま見逃してください。そうすれば、わたしもあなたを手にかけずに済みます
 2 萑部律を必ず、無傷で返すと約束します。だから見逃してください
 3 その他、自由要求


明「萑部律を必ず、無傷で返すと約束します。だから見逃してください」

島津「おいおい、そんなのをどう信じろって?」

明「…」ブチッ

明「この第一ボタンをどうぞ。第二ボタンだと、余計なことまで知られそうで嫌なので」ギュッ

明「あなたの異能で、今、わたしがどんな気持ちでこのボタンを握り締めているか、読み取ってください。どうぞ」スッ

島津「…」パシッ

島津「…………ふうん?」

明「お返事は?」

島津「いいだろう…。だが、お前だってしくじれば居場所をなくすんじゃねえのか?」

明「ここで無駄死にするより、何倍もマシですよ」

島津「分かった――」

島津「交渉成立だ。車に乗ってどこへなりとも行け。騙し討ちなんてしねえ」

明「…わたしくらいしか、萑部律を返そうと考える人間はいないはずです」

明「ですから、血迷ったりしないようにお願いします」

島津「分かったって言ってるだろ。さっさと行きな」

 ダッ

湊「菊野明! てめえ、どこ行く!? おっさん、何逃がしてんだ!?」

明「【安価下2】」

 1 さようなら、3710号
 2 さようなら、湊くん
 3 もう少し、落ち着きを持った方がいいですよ。ではこれで
 4 その他、自由台詞


明「さようなら、湊くん」

 ブォォォン…

明(尾けてくる様子はない――)

明(ひとまず、あの場は逃れられたけれど…)

明(これからどうするか…。ブラック・ライトにのこのこと戻る…?)

明(きっと黒山さんにぶちのめされる…ボスに心酔してるし、骨の5、6本は覚悟しないとならないな…)

明(けれど律くんを必ず返すと約束もしてしまった…)

明(…………スパイだったことがバレた時点で、もう始末されるのは時間の問題、か…)

明「詰んでるなあ…」

明「【安価下2】」

 1 痛いのは覚悟して、ブラック・ライトに戻ろう
 2 ブラック・ライトと敵対してでも、約束通りに律くんを取り戻すか
 3 …………ほんと、どうしよう…?


明「…………ほんと、どうしよう…?」

明「アイス食べたい…」ボソ


 ――コンビニ――

店員「あざっしたー」

 ウィ----ン

明「…アイスおいしい…」

明「…」

明「…」ブルッ

明「ちょっと寒くなってきたな…」

明「でもおいしい…」

明「ベリーがたまらないおいしさ…」

 ザッ

 【直下 コンマ判定】
 1~3 福路「何しているのかしら、こんなところで」明「…」
 4~6 湊「見つけたぞ…こら」明「っ…」
 7~9 リク「あきらっ」明「リクくん…?」


 ザッ

湊「見つけたぞ…こら」

明「っ…」

湊「逃げんじゃねえ、ヘタな動きをしたらぶっ飛ばす」

湊「コンビニってのは夜でも明るくていいよなあ…」

明「…わたしを殺せば、律くんは戻ってきませんよ」

湊「ああ? だったら俺が連れ戻す」

明「たった1人でどうにかなると思ってるんですか?」

明「そもそも、ちゃんとさよならをしたはずなんですが」

湊「んなこと知るか」

明「わたしを見つけて、アジトの場所を聞き出そうって魂胆ですか?」

明「まだわたしは、今後をどうするか決めかねているのでお話できませんよ」

明「こんないたいけな女性をいじめて楽しいのならどうぞ?」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 湊「吐け。吐くまで痛めつける」
 4~6 湊「律を取り戻すってのは本当なのか?」
 7~9 湊「…黙って、ちょっと来い」


湊「…黙って、ちょっと来い」

明(何が目的か、分かりませんね…)

明(機関がわたしを拘束しようとしてる可能性も…)

湊「聞こえねえのか、来いって言ってんだよ」

 【安価下2】
 1 ついていく
 2 逃げる


 ――湊の家――

湊「上がれ」

明「…何で、あなたの家に?」

湊「リクー、帰ったぞー」

 パタパタ

リク「あきらだっ」

湊「さて、メシだ。大人しくしてろよ、リク」

リク「うん。あきら、こっち」グイッ

明「え、あ、はい…」

明(一体、何が…? 毒でも盛ろうとしているとか?)

リク「これよんで」

明「これ…フランス語ですか?」

リク「よめない?」

明「…読めますけど、分かるんですか?」

リク「うん」

明「…………そうですか」

 トントントン…

明(湊くんは台所で、本当に料理をしているし…一体、何がどうなって…?)

リク「はやくよんで。ここすわって」ポンポン

明「ええ…。Les Trois Mousquetaires――デュマの三銃士ですか」

湊(あいつ、フランス語読めるのかよ…)

明「ぺらぺーら」



リク「Zzz…」

湊「あーあー、こんなとこで寝やがって…。リク、ベッドで寝ろ」

リク「Zzz…」

湊「ったく、仕方ねえな…。よっ、と…」

明(リクくんの相手をして、普通に夕食を食べて、お風呂まで入ってしまって…)

明(これは一体、どういう…?)

 バタム

湊「…菊野」

明「はい。一体、何なんです? この状況」

湊「リクがお前に懐いてるんだよ」

明「はい?」

湊「次はいつお前と会えるかーって、うるせえんだ」

明「はあ…」

湊「だから連れてきた」

明「…それだけのために? だってわたしはスパイで、ずっとあなたを騙していたんですよ?」

湊「うるせえ。…お前、ほんとに律を無傷で返すのか? 本当にできるのかよ、そんなこと」

明「【安価下2】」

 1 約束は守りますよ。どうなろうとも
 2 できるかどうかは難しいですが、どうにかやるつもりです
 3 正直、もう逃げ出そうかと考えてます。何もかもから


明「正直、もう逃げ出そうかと考えてます。何もかもから」

湊「あんだと?」

明「別に弱味を握られてスパイをしていたわけじゃないですし、何もかも成り行きですからね」

明「いっそのこと、全部放り出した方が楽かと思って――」

 ゴスッ

明「痛った――何するんです!?」

湊「もう、1、発!」

 ドゴォッ

明「ぐえっ…くっ…あなた、いきなり殴るとか、何考えてるんですか!?」

湊「うるせえ、リクが起きるだろうが」

明「何て横暴な!?」

湊「逃げるなんざ、俺が許さねえ。てめえのケツはてめえで拭けよ」

湊「律を連れていく手引きはしたんだろ? だったら、責任持って、てめえで返せ」

明「簡単に言いますけど、それがどんなに難しいか知ってるんですか?」

明「彼の技術力と、ブラック・ライトの技術力が合わさればきっと、とんでもないものができます」

明「それこそ、核兵器以上の何かが…。そして、そんなものを持てば世界のパワーバランスが崩れます」

明「ブラック・ライトは萑部律を傷つけることはしないでしょうが、決して手放すはずがありません」

湊「だったら何だ!? ざけんじゃねえぞ、てめえで言ったんだろうが、律を無傷で返すって」グイッ

湊「てめえだけで手に余るなら、俺も手伝ってやるよ」

明「あなたがブラック・ライトのアジトに来るなんて、飢えたワニの群れにニワトリを放つようなものですよ」

湊「黙れ、いいエサになってやるって言ってんだ」

湊「やるのか、やらねえのか、はっきりしやがれ。次に逃げるなんて言ったら、ぶちのめすぞ」

明「……【安価下2】」

 1 いいでしょう。では協力してもらいます
 2 お断りします。…わたしだけで、充分です


明「……お断りします。…わたしだけで、充分です」

湊「ああ? 難しいとか言っといて――」

明「充分です」

湊「…」

明「わたしは優秀なので、1人でやれます」

明「あなたは子守りでもしながら、弟分の帰りでも待っていればいいでしょう」

明「では、これで。コンビニに車を停めたままですから」

湊「おい、待てよ」

明「待ちません」

湊「お前が死んだらリクが――!」

明「変わったんですね、3710号は」

明「昔の記録を見た限り、あなたに情緒と呼べるほどのものはなかったはずなのに」

明「他人をダシにして自分の要求を押し通そうとするなんて、よほど情緒が発達した証拠です」

明「…………2度目のさようならは、言いませんよ。では」

 バタム…

明(……出てきてしまった…)

明(でも、これでいい。――約束だけ果たしたら…)

明(今度こそ…もう、好きなようにしよう。何もまだ考えられないけど、あの3710号でもああなった…)

明(だったらわたしだって、きっと変われるはず…)



明「アジトに戻って、黒山さんの制裁を受けてから萑部律をコンタクトを取ろう…」

明「あとは隙を見て離脱して、機関に萑部律を届ければ全て済む…」

明「……口に出すと簡単かも知れない」

明「さっさとアジトに行こう…」

 【直下 コンマ判定】
 1~5 黒山「貴様はスパイとして榊様に選ばれたのに、のこのこと戻ってくるなど恥を知らないのかァ!?」
 6~9 明「…想定したより…お仕置きはキツくなかった…」ボロッ


 ――某所・ブラックライトのアジト――

明「…想定したより…お仕置きはキツくなかった…」ボロッ

明「せいぜい、裂傷多数の…打撲多数…? うん、見てくれが悪くなっただけ…」

明「これぐらいなら、何ていうことはない…はず…」

明「【安価下2】」

 1 早速、律くんに会いにいこう
 2 でも傷がどうにかなるまで静養しておこう…
 3 アイス食べたい…


 ――律の即席ラボ――

律「はぁ…」

 ガチャ…

明「…お久しぶりです」ヨロッ

律「!」

律「あ、明さん…」

明「どうしました?」

律「…何でぼろぼろなんです? もしかして、湊兄ちゃんにぼこぼこにされちゃったです?」

明「まさか。ちょっとおいたをして、お仕置きされただけですよ」

律「…」

明「あなたこそ、いつもの元気がないですね」

律「だって…ここ、面白くないです…」

明「そうですか」

明「【安価下2】」

 1 何か作らされたんですか?
 2 ケガとかはしてないですか?
 3 帰りたいですか?


明「帰りたいですか?」

律「帰ってもいいですか?」

明「ダメでしょうね、組織的には」

律「ぬか喜びさせられたです…。弄ばれた気分です…」

明「でも…あなたを無理やりにでも機関に返すために来ました」

律「…どういうこと、です?」

明「どうもこうも、そのままの意味ですが?」

律「…ぼろぼろになってるのと、関係があるです?」

明「…まあ、ちょっとはありますね」

明「それより、全然驚いていませんね。わたしがここに来たことにさえ」

明「わたしがスパイだったと知っていたんですか?」

律「誰っていうのは知らなかったですけど、ボクをどこかの誰かが狙うかも知れないって言われてたです」

律「それで、もしも本当に誘拐とかをされちゃったら、できるだけ抵抗するなって言われたです」

明「…誰にそんなことを…?」

律「それは内緒です。でも…誰かに外に行くのを誘われたら断らずについて行って、誘拐されておけって言われました」

律「ボクをダシにして悪者は潰すって過激な方針らしいです。わざわざ東京支部まで異動までさせられて…」

律「だから明さんが誘ってきた時、もしかしてってほんとに少しだけ思ったです」

律「…………ちょびっと、ショックだったです」

明「それは悪いことを…」

律「それで、帰れるんです?」

明「ええ。どんな手段を用いても」

律「何だかとっても、危険な香りがするです…」

明「危険ですね。あなたを手放したくはないはずですから。でも、逃げましょう」

律「逃げられるです?」

明「ええ、どうにかして。まだその手段は考えてないんですが…」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 明「まあ、どうにかなるでしょう」
 4~6 律「だったら、ボクも協力するです」
 7~9 律「逃げるなら、いいものがここにあるです」


律「逃げるなら、いいものがここにあるです」

明「いいもの…?」

 バサァッ

律「渋々で作らされた、星業戦闘機の試作機です」

明「戦闘機…? こんなものまで…」

律「でも、問題はここからは出撃できないことです」

律「量産機がたくさんもうできてるかも知れないし、それで追いかけられたら大変です」

明「…確かに…」

律「それに操縦できるかどうかも危ういです。マッハ3は余裕で出るです」

明「マッハ3…」

律「これで逃げられるです?」

明「…そうですね…」

明「【安価下2】」

 1 これをデコイにでもできれば…
 2 この試作機を、さらに魔改造なんてこと…できないですよね
 3 折角ですけど、これは使わないでやりましょう


明「この試作機を、さらに魔改造なんてこと…できないですよね」

明「となると、やはり――」

律「やるです?」

明「はい?」

律「だって、悪いことに使われたら嫌だから性能は控えめにしておいたです」

律「なかなか予算もらえなくて、作れなかったですけど…戦闘機ってとってもやりたかったんです」

律「だからきっと、できると思うです」

明「…いつまでに、できます?」

律「うーん…最速でも3日くらいあれば…」

明(3日!?)

律「もうちょっとがんばるです?」

律「3日もあればマッハ5くらいまでがんばれる気がするです」

明「…じゃ、じゃあ…これで脱出することにしましょう」

律「やった、自分で作って自分で乗れるなんて…!」

明「でもテストをする時間はありませんけど大丈夫ですか?」

律「性能実験はしておきたいですけど、この際仕方ないです!」

律「マッハ5を最高速の目標にして、あとは戦闘機ならではの武装を考えてー♪」

明(本当に規格外の技術力なのね…)

律「あっ、でも…ちょっとだけ、心配があるです」

明「心配とは?」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 律「アゲアゲくん12号機が…取り上げられたままです」
 4~6 律「ボクが提供しちゃった技術が悪用されるのは…すごく嫌です…」
 7~9 律「パイロットスーツのカッコいいデザインが全然、思い浮かばないんですー!」明「どうでもいい…」


律「アゲアゲくん12号機が…取り上げられたままです」

明「アゲアゲくんって…あの、ロボット?」

律「はいです。アゲアゲくんは食卓を豊かにしてくれるスーパーロボットなのに…」

律「ここの人に目をつけられて取り上げられたです…」

明「別にそんなの、どうってこと――」

律「アゲアゲくん12号機は、グラスパー5人分くらいの戦闘能力があるんです!」

明「はい?」

律「ちょびっと、偶然に偶発と必然とボクの技術力が重なっちゃって…」

明「ちょびっとではないと思うんですが、本当にグラスパー5人分くらいですか? どういう基準で?」

律「単純に、グラスパーが使う星のチカラの通常値の5倍くらいまで取り込んで、出力に回せるです」

律「レーザービームは試算した限りだと、エアーズロックをぶち抜けるくらいの威力で…」

明「どうしてそんな物騒なものが…」

律「内臓してる小型ミサイルは自動追尾で、着弾すれば直径30メートルにも及ぶ高密度大爆発を起こして…」

明「アゲアゲくんというのはとんでも兵器だったんですか?」

律「ついでにアゲアゲくんがもしも壊れちゃったりしたら、スパークした星のチカラで、小さい山1つくらい吹き飛ぶくらいで…」

明「あなたはアゲアゲくんで何をしたいんですか!?」

律「12号機を取り返さないと、気が気じゃないです」

律「食卓を彩るスーパーロボットが、恐怖の大量破壊ロボットになっちゃうなんて…ボク、耐えられないです…」

明「そうですねー…(白目)」

律「12号機の奪還…してほしいです」

明「【安価下2】」

 1 また新しいのを作ってください
 2 …………分かりました…


明「…………分かりました…」

律「じゃあじゃあ、3日後までに試作戦闘機の改造はしておくので、12号機をよろしくです!」

明「…スイッチ1つで無力化とか、そういう機能は…?」

律「ないです」

明「」

律「明さん?」キョトン

明「…弱点とか…」

律「弱点…?」

 【直下 コンマ判定】
 偶数 律「右腕部側面のコンソールに秘密のコマンド『ABBA→→←』を入力すればスリープモードになるはずです」
 奇数 律「そんなものないです! ボクのスーパーロボットは無て――あいたたたっ! 痛いですぅ~!」明「反省してください」
 ※0は偶数扱いです


律「そんなものないです! ボクのスーパーロボットは無て――あいたたたっ! 痛いですぅ~!」

明「反省してください」

 ギリギリギリ…

律「ギブギブギブーっ! 頭が割れちゃうですぅー!」ジタバタ

 パッ

明「まったくもう…」

律「うぅ…頭がとっても痛いです…アイアンクローもグラスパーがやるとシャレにならないです…」

明(12号機…何が食卓を彩るよ…。ブラック・ライトが求めてる、まんまの殺戮兵器じゃない…)

明(となると、きっと12号機を近くに置いているのはボス――)

明(ボスの傍には必ずと言っていいほど、黒山さん…)

律「あ、でも! ご主人様の設定を変えれば悪さはしないはずです!」

明「ご主人様の、設定?」

律「はい! でも、それを変えない限りはご主人様に設定されてる人の言うことしか聞かないです」

明「どうやって変更すればいいの?」

律「ご主人様の声紋で、『次のご主人様はあの方でーす!』って言って、12号機が最初に目に留めた人がご主人様になるです」

明「ムリです」

律「…てへっ」

明「ふんぬっ」

 ギリギリギリ…

律「あだだだだ…! ギブギブ! ギブですぅー!」

明「疲れたから、明日ゆっくり考えよう…」グッタリ

律「よろしくです!」


―――――

 一旦ここまでです
 どうもありがとうございました

 いやー、コンマ神はアゲアゲくんがお好きなようで何よりです


明(エアーズロックをぶち抜ける威力のレーザービーム…)

明(直径30メートルにも及ぶ規模の爆発を引き起こす小型ミサイル…)

明(極めつけに破壊してもし、ドカンといけば小さな山なら吹き飛ぶほどの被害…)

明(こんなの、どうすりゃいいっての…?)

 ハァ…

明(明後日には戦闘機の魔改造が終わる…)

明(12号機をどうにかしてから離脱と考えれば、明後日にアクションを起こさないと)

明(そもそも、12号機がどこにあるのか。どんな運用がされているのか…)

明(それを明らかにした後で、付け入る隙の有無を確認しよう)

明「【安価下2】」

 1 そうと決まれば、早速、調査開始
 2 そういえば顔なじみの人がどうしてるか、探ってみようかな
 3 そうと決まれば、――アイスを食べてからにしよう


明(このアジトに来るのは初めて…)

明(それにしても気温が高い…。湿度が低いけど、この太陽の暑さ…赤道の近く?)

明(何故かいつも海底とか、無人島か、果ては海上要塞とか、海にアジト作るんだから謎…)

明「!」

明(あれは…)

 【直下 コンマ判定】
 1~3 黒山「何をしている、明?」
 4~6 リリカ「…ブツブツ…ブツブツ…」明(スルーしておこう…)
 7~9 榊「…?」キョロキョロ 明(ボスが1人でこんなところに…)


リリカ「…ブツブツ…ブツブツ…」

明(スルーしておこう…)

明(今探さなくちゃいけないのはぶっ飛びメンヘラじゃなくて、ぶっ飛び性能ロボット…)

リリカ「!」ピタッ

明(それにしても、この先にあればいいけど…)

 【直下 コンマ判定】
 1~3 リリカ「ミナトちゃんの臭いがする…」明「」ゾワッ
 4~6 リリカ「ねえあなた…?」明「!」
 7~9 リリカ「…ブツブツ…」明(絡まれなくて良かった…)


リリカ「ミナトちゃんの臭いがする…」

明「」ゾワッ

リリカ「ミナトちゃんがいるの…? どこから、この香りが漂ってるの…?」クンクン

リリカ「この臭い――あなたから漂ってる…。ねえ、ミナトちゃんのこと、知ってるの?」

明「…は、はじめまして、諜報員の菊野です」

リリカ「あなたのお名前なんてどうでもいいの。ねえ、ミナトちゃんと会ったの?」

リリカ「ミナトちゃんは今どこにいるの? 何してるの? ねえ、知ってるんでしょう?」

リリカ「ねえ、ねえ教えてよ。ねえ、ねえってば、ねえねえねえねえねえねえねえねえねえ…」

明「【安価下2】」

 1 御免! 三十六計、何とやら!
 2 3710号なら確か…えーっと…め、メキシコらへんにいるんじゃないかなあー?
 3 知りません、臭い違いです。よく嗅いでください、気のせいじゃないですか?


明「3710号なら確か…えーっと…め、メキシコらへんにいるんじゃないかなあー?」

リリカ「メキシコ! メキシカンマフィア! メキシカンナイトメアー!」

リリカ「ミナトちゃんミナトちゃんミナトちゃん…待ってて、今すぐ行くからミナトちゃあああああああ―――――――ん!」ダダダ

明(メキシコの方、ごめんなさい…)

明(よし、先へ行こう)

 【直下 コンマ判定】
 1~3 明「12号機が見つからない…」
 4~6 明「12号機発見――でも、やっぱりボスの傍に控えてる…」
 7~9 明「12号機発け――」榊「どうかされましたか?」


明「12号機発け――」

榊「どうされましたか?」

明「」

榊「?」キョトン

明「…ご苦労さまです、ボス」ペコリ

榊「お疲れさまです、菊野」ポン

 ナデナデ

明(どうして頭を撫でられてるんだろう…)

榊「それで、どうかしましたか?」

明「【安価下2】」

 1 あのロボットに興味津々です。少し拝見させてください
 2 散歩してただけですので、これで失礼します
 3 と、とってもアイスがおいしい気温なので、1つどうかと思いまして


明「あのロボットに興味津々です。少し拝見させてください」

榊「よろしいですよ。おいでなさい、アゲアゲ」

明(アゲアゲくんじゃなくて、アゲアゲって呼ばれることにすごい違和感が…)

 ウィ-ン

12号機『イエス、ボス。命令は何だい?』

明「何だかダンディズムな感じなんですね…」

12号機『何も用事がないってんなら、俺はもう早めに上がってもいいかい?』

12号機『フライヤーなだけにな。はっはっはっ』

明(アメリカンジョークっぽいこと言おうとしてるけど、何だかビミョー…)

榊「どうです?」

明「【安価下1】」

 1 さすがはボスですね。素晴らしいロボットです
 2 リピート・アフター・ミー! 次のご主人様はこの方でーす
 3 わたしにください。こんなに素敵なロボットは初めて見ます


明「リピート・アフター・ミー! 次のご主人様はこの方でーす」

榊「…」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 榊「いきなりどうされました? 疲れているのですか?」
 4~6 榊「次のご主人様は――ところでこれは、どのような遊びですか?」明(惜しい…!)
 7~9 榊「次のご主人様はこの方でーす…?」12号機「ご主人様設定変更――」


榊「次のご主人様はこの方でーす…?」

12号機『ご主人様設定変更――』

明「3日後にわたしが必要とするまで、このままで居続けるふりをしていてください」ヒソ

12号機『…了解』

榊「今のは何ですか?」

明「何でもないです、何でも」

榊「そうですか…?」

明(あまりボスと話したことはないけど…別に怖い感じはしない…)

明(この人のことをもう少し探ってみるべき…?)

明「【安価下1】」

 1 これで失礼します
 2 ボス、アイスはバニラとイチゴ、どちらがお好きですか?
 3 珍しく黒山さんがお傍にいないのですね


明「珍しく黒山さんがお傍にいないのですね」

榊「黒山は少しうるさいので、こっそり抜け出てきましたの」

明(うるさがられてる…)

榊「黒山はお節介焼きなところがもう少し改善してもらえれば、とても良い方ですが…」

明「そう…なんですか?」

榊「あら、部下の方なのにご存知ない? 黒山がいなければブラック・ライトなんてとっくに消えてしまっています」

榊「どんな時も黒山がいたからこそ、乗り越えることができたのですよ」

明(前々から、本当のボスは黒山さんなんて声はあったけれど…もしかして、本当に…?)

明(ボスはおっとりしてるし、どことなくのほほんとして、危険な人には見えない…)

明「【安価下1】」

 1 ボスは今のこの組織をどう考えていらっしゃいますか?
 2 とても信頼していらっしゃるのですね
 3 その他、自由台詞


明「とても信頼していらっしゃるのですね」

榊「ふふ…そうですね」

榊「けれど…そろそろ、飽きていますの」

明「飽きる…?」

榊「変化がないと、人間はすぐに耄碌してしまいます」

榊「黒山はお節介焼きだけれど、面白いから傍に置いているのに最近は保守的で何もしてくれません」

榊「また、大きな波の1つや2つ、起きてくれないと…何だか退屈で死んでしまいそうですわ」ニッコリ

榊「それではごきげんよう。アゲアゲ、行きますよ」

12号機『イエス、マム』

明「…………」

 【直下 コンマ判定】
 偶数 榊「早く、アレができてくれれば嬉しいですね…」
 奇数 榊「早く、何か起きてほしいですわね…」
 ※0は偶数扱いです


―――――

 おねむなので、今夜はここまでです
 どうもありがとうございました


 ――某所・ブラックライトのアジト――

明(12号機はちゃっかりご主人様登録を変更できてしまった…)

明(魔改造戦闘機が完成するのは2日後――正直、あっさりいきすぎてやることがない)

明(何してよう…?)

明「【安価下2】」

 1 グラスプスキルの練習でも
   A ポイント 100/100
   B アーム 200/200
   C コート 100/300
   D バーニッシュ 200/200
   E ピラー 250/250
   F アンテナ 50/200
   G ステルス 50/300
 2 顔見知りの誰かとコミュでも取るか
 3 律くんの様子でも見ておこう
 4 ブラック・ライトの今後の動向とか分かるだろうか

 ――個人情報――
 名前:菊野明 性別:女 職業:異能管理機関職員 身体能力:高め 精神面:普通
 異能:武器具現 特技:人を騙す 願望:恩人の男の子と再会して恩返しをする
 グラスプスキル:ポイント100/100 アーム200/200 コート100/300 バーニッシュ200/200
 ピラー250/250 アンテナ50/200 ステルス158/300

 ――異能管理機関・正職員――
  宇和時久:東京支部支部長 五感共有の異能
  萑部律:技術部新技術開発顧問 天才技術者15歳 ズレ気味
  流石愛花:異能犯罪対策課課長 爆乳
  緑野柳:異能犯罪対策課 植物操作の異能 碧石と夫婦
  碧石不動:異能犯罪対策課 日替わりの異能 緑野と夫婦 巨乳派

 ――ブラック・ライト――
  次郎・エドワース:鈍化の異能
  黒山輝代:榊の側近
  榊日和:ブラック・ライトのボス 衝撃の異能

 ――友人・勢力不明――
  宮東湊:異能犯罪対策課アルバイト 光線の異能 大学生 デザインベビー(3710号)
  リク:9歳美少年 おっとり系


 ご指摘感謝でござる

―――――

明「どこかの変態達のせいで、危ういスキルにしか思えなくなってしまっている…」

明「いかんいかん…」

 【直下 コンマ判定】(精神普通+15)
 コンマ二桁分加算
 ステルス 158/300


 ステルス 188/300

明「やってしまった…」

明「変態どもめ…クソ、クソぅ…」

明「まあいい、仕方がない」

明「【安価下2】」

 1 顔見知りの誰かとコミュでも取るか
 2 律くんの様子でも見ておこう
 3 ブラック・ライトの今後の動向とか分かるだろうか
 4 寝て過ごそう


明「寝て過ごそう」

明「たまにはごろ寝してたっていいはず…」

明「スパイ活動もなし…これといった任務もなし…」

明「こんな時くらいゆっくりしていないとやってられない…」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 鳴り響く警報
 4~9 熟睡、体力回復完了

質問なんだけど、明の武器具現て同時に出せるの何個まで?


 >>783
 原則1つまでっす
 ただ、1セットのもの(双剣的なものとか?)は例外です

―――――

 ビィ- ビィ-

明「折角、休もうとしたのにはた迷惑な…」

放送『侵入者あり。対処にあたってください。繰り返します――』

明(このタイミングで侵入者…?)

明(どっちにしろ、この場所を突き止めて乗り込んでくるなら、相応の自信を持っているはず)

明「【安価下2】」

 1 仕方ないからネズミ退治でポイント稼ぎでも
 2 律くんのところへ一応、行ってみよう
 3 関係ないや、見つかったら相手することにして寝てよう


明「無傷で返すという約束もありますし、何かあってからじゃ遅い…」

明「道中で侵入者と鉢合わせしなければいいですが――」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 鉢合わせたよ
 4~9 無事に辿り着いたよ

質問に答えてくれてありがとうございました 確かに、何個も出せたら某バビロンみたいに強すぎますよね


 >>788
 シンプルな構造の武器なら某紅茶さんみたいにガンガン使い捨てでやれますよ

―――――

明「この先で戦闘が――」

明「この通路を行かないといけないのに…」

明「何て間の悪い…」

明「さっさと蹴散らしていくとしましょう!」ダンッ

 ダダダッ

 【直下 コンマ判定】
 1~5 侵入者の所属は不明
 6~9 明「あなた――」湊「よお、また会ったな」


 【安価下2】
 侵入者の異能


侵入者「新手…!」

明「まかり通ります…!」

 侵入者が手にしているのは、短めの槍と、涙型の盾。
 アームで身体能力を強化し、一気に踏み込んで迫る。
 瞬時に突き出された矛の一撃は、側面を片手で払いのける。

明「せぇえええいっ!」

 メリケンサックを形成して殴りつけるが、盾に防がれて押し飛ばされる。

明(やりづらいな…。リーチがあるし、あの盾もなかなか…)

明(有効な武器を何か――)

 【安価下2】
 対抗するための武器
 どうやってそれで対処するかも併記してくれたら嬉しいな


明(ロケットランチャーで一気にぶっ飛ばしてしまおう)

明(でも、ロケランとなると…すぐに作り出せないのが難点…)

侵入者「こちらから行くぞ!」

明(ロケラン作成まで、どうにか凌いでぶっ放す!)

侵入者「せいせいせいせい、はぁああああああっ!」ヒュババババッ

明「くっ…なかなかの槍捌き…!」

侵入者「この矛に、貫けぬものはない――!」グンッ

 ヒュバァッ

明「投擲――!?」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 負傷
 4~6 明「しかし、攻撃は直線――」侵入者「我が盾に防げぬものはなく、攻めに転じれば破ることも叶わぬ!」
 7~9 明「貫けずとも、軌道を逸らすことはできる…!」


明「ぐぅっ…!?」

侵入者「左腕はもう使えぬな!」

明(ロケランの構造を修正――右腕一本で使えるように足をつけて――)

侵入者「さあ、次でトドメだ!」

明「ああもう、頭使ってるんだから邪魔しないでください…!」

 躍りかかってきた侵入者をピラーで下から突き上げる。
 盾で防ごうと、突き上げられた形で侵入者は天井にめり込む。

侵入者「この…小癪なマネを!」

侵入者「だがしかし、この程度で止まりはしない…!」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 ヤバめになってきた
 4~6 明「くっ…! 凌ぐので精一杯…!」
 7~9 侵入者「とおりゃああああっ!」明「――SMAWを食らいなさい」ガシャン


 あきらたんの運が今日は悪いね…

―――――

侵入者「食らえぇええええ―――――――――――い!」

 着地と同時に侵入者が一足で明に迫り、槍を繰り出す。
 とっさに負傷している左腕で槍の一撃から体を庇うが、左腕は宙を舞う。

 血飛沫の向こうで、侵入者が笑顔を浮かべていた。

明(マズい――マズいマズいマズい、どうする…!?)

 左腕を切り飛ばした槍が返り、さらに続く2撃目を予感する。

 【安価下2】
 1 投網+バーニッシュで逃亡する
 2 鎌で侵入者の槍を持つ腕を刈り取り返す
 3 その他、自由に機転を利かせて打破しよう


明(やられたら、やり返す――!)

 右手に鎌を握り、刃をバーニッシュで覆う。
 振り切られる侵入者の肘に刃を立てて振り抜いた。

侵入者「何ィ――!?」

明「次はあなたの首を刈りましょうか…!」

 さらに鎌を振るうものの、それは盾で防がれた。
 火花が散り、鎌の先端が削れるのを感じて手を放す。

侵入者「互いにハンデは同等…! ならば負ける道理はない…!」

明(ハンデが同等? 先に出血を始めたのはわたし――こっちの方が不利!)

 盾そのもので侵入者が殴りかかってきて、ラバーカップをくっつけた。
 かぱっとマヌケな音がして盾にラバーカップがくっつき、思いきり引く。
 体勢を崩した侵入者に足を引っかけて転ばせた。その拍子に盾が手放されて奪い上げる。

明「【安価下2】」

 1 お待ちかねの、ロケランですよ
 2 あなたの得物の贋作で、心臓ぶっ刺してあげますよ
 3 その他、トドメを刺せる武器


明「お待ちかねの、ロケランですよ」

 ジャキィッ

侵入者「ど、どこから出してる!? さっきから!?」

侵入者「それに待ってなんか――」

明「わたしがずっと、待ってたんですよ!」

 容赦なくトリガーを絞る。
 噴煙を撒き散らし、弾頭が侵入者と接着した。

 【直下 コンマ判定】
 1~3 侵入者「俺の盾は無敵…!」
 4~6 明「はぁ…はぁ…距離が近すぎて…巻き込まれた…」
 7~9 明「血が足りない…早く、行かないと…」


明「血が足りない…早く、行かないと…」

 ヨロヨロ…

明「痛っつう…腕がちぎれるなんて…」

明「最低…引退したい…」

明「ヤバい…」

明「何だか、意識が朦朧と…」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 気を失った
 4~6 12号機『へい、マスター。乗ってくかい?』ウィ--ン
 7~9 どうにか律のラボに辿り着いた


12号機『へい、マスター。乗ってくかい?』ウィ--ン

明「12号機…どうして…ここに…?」

12号機『ご主人様のバイタルチェックは完璧だぜ』

明「ただの…無意味な高性能フライヤーじゃないんですね…」

12号機『どこまで?』

明「【安価下2】」

 1 あなたを作った人のところまで
 2 医務室と言う名の…気味が悪い、人体改造ルーム…に…行きたくないけど…死ぬよりは…


 ――律の即席ラボ――

12号機『到着したぜ、マスター』

明「律くん…無事ですか…?」ヨロッ

律「うわあっ!? あ、明さん…どうしたです…?」

律「ていうか、12号機が! ああ、何だかホッとしたような、あたふたしちゃうような…!」

明「とにかく…止血をしたいのですが…」

律「12号機、止血です!」

12号機『オーケー、ちょっと手荒にやるぜ』

明「こんな機能まで…」

律「う、腕がなくなっちゃってるです…」

律「でもボク、お薬とかは専門じゃないから分かんないですし…うーんと、えーと…」

明「【安価下2】」

 1 とにかく…休ませてください…
 2 ああ…わたしの左腕が…
 3 アイス食べたい…最低の日はアイスを食べなきゃやってられないよ…


明「ああ…わたしの左腕が…」

律「うぅ…とっても痛ましいです…」

明「両手でアイスのカップを持って手の熱でちょっと温めて、丁度よくアイスを温めることももうできないなんて…」

律「そんな使い道なんです?」

明「走る時も左右のバランスが取れなくなるし、こんな片腕じゃ、奇異の目にさらされて社会生活も…」

律「じゃっかん、惜しんでるポイントが違うような気がするです…」

明「ああ、もうダメ…これから何を楽しみに生きれば…」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 律「今からアゲアゲくん13号機を作って、新たにアイスも調理メニューに加えるです! だから元気を出して!」
 4~6 律「…………明さん、新しい腕とか…欲しいです…?」
 7~9 律「い、生きる楽しみなんて、いっぱいあるから弱気なこと言っちゃダメです!」


律「い、生きる楽しみなんて、いっぱいあるから弱気なこと言っちゃダメです!」

明「いっぱいなんてありませんよ…わたしはアイスだけしか、楽しみらしい楽しみなんて…」

律「そんなことないです!」

律「明さんはきっと、知らないだけです!」

律「新しいことを知ったり、何かを作ったり、お友達とお喋りしたり、おいしいものを食べたり…たくさん、人間の楽しみはあるです!」

明「そんなの、わたしには分からないことですよ…」

律「わ、分からないならボクが教えるです!」

明「教えるとは何をですか? 今さらわたしは、普通の人並みな生活なんてできないんです…」

明「左腕のことではなく…何もかもなくして、ブラック・ライトでスパイとして飼い馴らされて、汚いことをたくさんして…」

明「あなたじゃ想像がつかないような罪を犯して、罪悪感すらもう感じなくなって、惰性で生きているだけなんです…」

明「今さら、わたしには何も――」

律「そんなことないです!」

 【直下 コンマ判定】
 偶数 律「だって、ボクの初恋は! 他でもなく明さんです!」
 奇数 律「何もないなら、何でも手に入れられるです! 腕がなくなっちゃったなら、新しい腕をつければいいです!」
 ※0は偶数扱いです


律「何もないなら、何でも手に入れられるです! 腕がなくなっちゃったなら、新しい腕をつければいいです!」

明「そんな、詭弁――」

律「人間は欠落したものを探しながら生きる、不完全な生き物です」

律「明さんは失くしたものが多くて自暴自棄になってるだけなんです」

律「だから失くしちゃったものを1つずつ取り戻していけば、ちょっとずつ、自信が持てるようになるはずです」

明「…じゃあ何です、あなたが自慢の技術力でわたしの腕を生やすって言うんですか?」

明「スパイとして仕込まれて、色んなところに放り出されて、無味に過ごした時間を取り戻してくれるって言うんですか?」

明「そんなことができるなら、やってみてください」

明「ムリでしょう、そんなこと――」

律「腕を生やすなら…知り合いのグラスパーさんがそういう異能だから可能性はあるです」

明「…どうせ機関のグラスパーなんでしょう? わたしなんかを治すはずがないですよ」

律「生身の腕が欲しいなら、ボクがモルモットになってでも、脳みそをちょっと覗かれても、お願いするです」

明「どうしてそこまで…!」

律「だってヤです、誰かが悲しんでる顔を見るのは。ボクがメカを作るのは、驚いた顔が見たいからです」

律「ちょっとでも暮らしが面白くなって、便利になって、笑顔になってくれれば嬉しいから、色々作ってるです」

律「だから明さんにも、そんな顔をしてほしくないだけです」

律「生身じゃない腕でもいいなら、ボクが最高の義手でも何でも作るです」

律「五体満足になって、明さんが好きなアイスでも食べればきっと今よりいい気持ちになれるです」

律「だから自暴自棄にはなってほしくないです…」

明「【安価下2】」

 1 本当に元の腕が生えるんですか?
 2 フライヤー機能つきの義手なんていりませんよ…
 3 放っておいてください…


明「本当に元の腕が生えるんですか?」

律「約束するです」

明「…分かりました…。ではこの腕が治るまでは、あなたを信じることにします」

律「!」

明「あなたんお手がける義手なんて、どんなトンデモ機能がつくか分かったものじゃないですし」

律「えっ…そういう理由です…?」

12号機『熱源探知、数3』

明「そう言えば…12号機がわたしのところへ来たってことは…ボスがコントロールを奪われてることを知ったことになる…」

律「戦闘機はまだ完全に改造が終わってないです」

明「すぐに飛べますか?」

律「飛ぶのはわけないですけど…まだ、マッハ4にも到達してないはずです」

明(この際、速度は重要じゃない…。離叛がバレれば、即断罪――)

明(12号機が感知した3つの熱源が侵入者の一派であれ、ブラック・ライトの者であれ、危険はつきまとう…)

明「【安価下2】」

 1 予定より早まりましたが、脱出しましょう
 2 覚悟を決めて、迎え撃つとしましょう


明「予定より早まりましたが、脱出しましょう」

明「懸念材料だった12号機も奪取に成功していますし、長居する理由はありません」

律「でもでも、まだ12号機が入るスペースができてないです」

12号機『へい、マスター。危害を加えてくる敵はどうすりゃいいんだい?』

明「…男前ですね、12号機は」

12号機『よせやい、照れるぜ、マスター』

明「【安価下2】」

 1 12号機、わたし達が安全空域に逃れるまで、追っ手を退けてもらえますか?
 2 このアジトを徹底的に破壊してください、12号機
 3 けれど、一緒に逃げましょう。離陸までわたし達を守ってもらえますか?


明「このアジトを徹底的に破壊してください、12号機」

律「そんな…それじゃ、12号機が…。いくら12号機が強くても、ここにいるグラスパーに袋叩きにされちゃったら…」

明「できるだけ盛大に気を惹いてください」

12号機『イエス、マスター』

律「12号機ぃ…」ウルウル

12号機『へいへい、そう泣くんじゃあないさ』

12号機『ご主人様のお役に立てるなら本望だぜ。――作ってくれて、ありがとうよ』

明「律くん、戦闘機の離陸準備をお願いします」

律「っ…分かったです。12号機…ハムカツ2枚、作ってください」

12号機『了解』

明「は、ハムカツ…?」

律「ハムカツを食べればきっとうまくいくって信じるです」

律「明さん、そこの赤いボタンをぽちってしてください」

明「赤いボタン――これですね」ポチッ

12号機『揚がったぜ。ヤケドしないで食いな。ご主人様、行ってくる――』ウィ--ン

律「12号機…ありがとうです!」モグモグ

明(こんなのを食べながらお別れって…どうなの…?)

律「明さん、操縦できるです? 操作はセスナと同じ感じです」モグモグ

明「何でセスナ――片腕でどこまでやれるか分かりませんが、やりましょう」

律「操縦桿だけ操作してもらえれば、こっちで他はやるです。前に乗ってくださいです」ゴクンッ

 ドォォォンッ

明「始まった…!」

律「エンジン始動、ハッチ開放、システムオールグリーン…」パチパチ

 グォォォォン…

律「初速で時速200キロは出せるです! 思いっきり、行くです! ――発・進!!」

 【直下 コンマ判定】(12号機の奮闘+2)
 1~4 明「すごい速度…! でも、追っ手がきてる…!」
 5~9 律「ステルス展開、ブースト発動…! これで捕捉されないし、追いつかれないです…!」


明「すごい速度…! でも、追っ手がきてる…!」

明「3機! どうにかできるんですか!?」

律「わわっ、ボクの作った戦闘機とボクの作った戦闘機の対決――負けられないです!」

明「何だかミサイルがたくさん射出されてるみたいだけど…!」

律「ちゃんとフレアは詰んであるです!」

 パパパッ
 ズドドドドッ

明「撃ち漏らしが――!」

律「この程度じゃへこたれないです! もう一丁、フレア!」ポチッ

 パパパッ
 ズドォンッ

明「でも、あれを落とさないとどこにも逃れられません!」

律「今度は機銃…! どうにか後ろを取れば、この機体にしかない武装で迎撃できるです!」

明「それじゃあちょっと荒っぽくやります…!」

 キィィィン

律「うぐぅっ…! Gがぁ…!」

明「今度はもっと鋭い旋回で――!」

律「うわわわっ…!?」

 キィィィン

明「取った…!」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 律「ぎもぢわるいでずぅ…」明「攻撃してください、攻撃!」
 4~9 律「ホーミング・レーザー!」


律「ホーミング・レーザー!」

 ポチッ

 ビィィィッ
 シュバァンッ

明「戦闘機が全部、真っ二つ…!?」

律「レーダー反応を見ても、これで追っ手はないはずです…!」

明「こんなの直撃したらグラスパーでもタダじゃすまないんじゃ…?」

律「実は星のチカラを使ってるから、とっても強いです」エッヘン

明「…オートパイロットとかないんですか?」

明「そろそろ、キツいんですが…」

律「日本まで4時間もあれば到着するはずです。それまでがんばってくださいです」

明「4時間…」

律「うわあっ、明さん、しっかりです! そこで気絶されちゃったら、ボクのところからじゃ操縦はできないです!」

明「キツい…」


 【直下 コンマ判定】
 偶数 榊「ただの機械なのに、ちょっと面白かったですわ」12号機『』プシュ-
 奇数 榊「はあ…所詮はおもちゃだったのですね、残念です、12号機――」
 ※0は偶数扱いです


榊「ただの機械のに、ちょっと面白かったですわ」

12号機『』プシュ-

榊「黒山、コレを解体しなさい」

黒山「はい、ボス」

榊「ふふ…萑部律には逃げられましたけど、いいものを遺してくださりました…」

黒山「菊野の処理はどうしますか?」

榊「はて…どうしましょう。もうちょっと、楽しませていただきたいですね――」



 ――戦闘機内――

明「ところで、目的地は…?」

律「某市です」

明「日本にある、もう1つの機関の支部があるっていう…某市ですか?」

律「そこで明さんの腕を治してもらうです」

明「…本当に、そううまくいくんですか?」

律「ダメだったらボクが義手とか作ってあげるです」

明「…そうですか」

 【直下 コンマ判定】
 1~5 鏑木「見返りは本人からもらうとしよう。まずは治療が先だがなあ?」
 6~9 律「ほんとに、モルモットとか、脳みそぱかっとしたりしなくていいですか!?」


 ――異能管理機関某市支部・鏑木クリニック――

鏑木「見返りは本人からもらうとしよう。まずは治療が先だがなあ?」

明(見返り…?)

律「先生、ほんとのほんとに、内緒でお願いするです」

鏑木「なに、心配はいらないさ。何事もなるようになるんだ」

鏑木「さて、そこに寝ていろ。3時間後には全快だ。しばし、休んでおけ」

明(何だか油断していたら何をされるか分からなくなりそう…)

明(でも体力は限界だし…少しは休まない…と――)

 スゥスゥ…

律「呆気なく寝ちゃったです…」

律「ところで、明さんにどんな見返りを要求するです?」

律「ボクが代わりになれることなら、ボクがやりたいです」

鏑木「お前が代わりにやれることはない」

 【直下 コンマ判定】
 偶数 鏑木「何、大したことをさせるつもりはない。ただ、イアンの手駒になってもらうだけさ」
 奇数 鏑木「ちょっと、素直に色々と話してもらうだけだ。破格だろう?」
 ※0は偶数扱いです


 ――異能管理機関某市支部・拘束室――

 パッ

明「ぅ…」

 パチ…

明「ここは――っ、体が、動かない…」

鏑木「ようやくお目覚めか。8時間きっかり…疲労もあっただろうに、体内のリズムが規則正しいようだ」

明「…これが、見返りと言うやつですか?」

鏑木「ちょっと、素直に色々と話してもらうだけだ。破格だろう?」

鏑木「左腕もきっちり治っている。感覚もあるはずだ」

明「! ……確かに…」

鏑木「では、役者は交替だ」

 ガチャ…

枢木「菊野明、だったか」

明「…あなたは?」

枢木「ここの異能犯罪取締課の課長だ」

明「素直に話してもらうとか聞きましたが、素直に喋る確証などありませんよ」

枢木「素直におしゃべりしたくねえってんなら、自白剤をぶち込むだけだ」

枢木「だが、俺のハニーの注射は太くて痛えぜ」

明(ハニー…?)

枢木「一応聞いておくが、注射された方がいいか?」

明「【安価下2】」

 1 黙秘権の行使についてお尋ねします
 2 今はもうフリーの身ですし、不快な質問でなければ素直に答えますよ
 3 自白剤なんかが効くのか、甚だ疑問ですね


明「今はもうフリーの身ですし、不快な質問でなければ素直に答えますよ」

枢木「そりゃあ殊勝な心がけだな」

明(この感じ…誰かと被る…。口調も、態度も…)

枢木「そいじゃ、最初の質問だ」

枢木「お前はスパイだった。そうだな?」

明「…ええ」

枢木「それで律をブラック・ライトに拉致するための手引きをした」

明「そうですね」

枢木「律から話を聞いたが…ブラック・ライトとは袂を分かったんだったな?」

明「…帰属意識なんてほとんどありませんでしたし、そんな大それた言葉では意味合いに疑問がありますが」

枢木「だが――お前はそもそも、ブラック・ライトじゃなく、機関の二重スパイだった。どうだ?」

明「はい?」

明(どういう意図だ…? 二重スパイだったなんて事実はない…)

明(素直に喋れと言っておいて、こんな事実無根の問いかけ…)

明(肯定したら、嘘だと糾弾される? けれど、否定したところで、こんな質問の意味…)

明「【安価下2】」

 1 …………ええ、そうです
 2 …………違います


明「…………ええ、そうです」

枢木「…」ニィ

枢木「そうだよな。それでいいんだ」

明「…」

枢木「お前は機関の二重スパイとしてブラック・ライトに潜り込んでいた」

枢木「――が、ブラック・ライトはお前を機関にスパイとして潜り込ませた」

枢木「事情の知らねえ機関の人間は、お前をブラック・ライトのスパイとして追い詰めた」

枢木「だが、お前は元々は機関の手の者だから、ブラック・ライトのアジトをぶっ潰して帰還してきた」

枢木「これが筋書きだ。間違いないな?」

明「…その通りです」

枢木「長きに渡る、スパイ活動、ご苦労だったな」

枢木「お陰でブラック・ライトのアジトを1つ潰すことができた。いい手柄だ」

枢木「そこで、スパイ活動はこれで終わりにして、本来の職務に戻れ」

明「本来の職務とは…?」

枢木「忘れちまったのかよ、上司の顔を」

明「…そういうことですか。物好きですね、あなたは。そんなに人手不足ですか?」

枢木「折角の新婚なのに仕事ばっかで、ロクに家へ帰れなくてなあ。お前が戻ってきて、頼もしいぜ」

明「もしかしたら、スパイに行っていた間にブラック・ライトに心酔しているかも知れませんよ」

枢木「だったら俺がぶちのめす。部下のケツを拭うのは上司の役目だろ?」

枢木「何か質問は?」

明「【安価下2】」

 1 いえ、特に
 2 アイス食べていいですか?
 3 その他、自由質問


明「アイス食べていいですか?」

枢木「腹壊さない程度に、好きなだけ食ってろ」

明「す、好きなだけ…!?」

枢木「…」

明「何て素晴らしい職場なんだ…」ゴクリ

枢木(人選、失敗したか…?)

明「アイスはどこで売っていますか?」

枢木「…売店でも、外のコンビニでもスーパーでも、好きなとこで買え」

明「じゃあ早くこの拘束具を外してください」

枢木「おっと、その前に…1つ、封じさせてもらうぞ」ブゥン

明「…異能ですか」

枢木「お前の裏切り行為は、禁止だ」

 ズブッ

明「っ――何とも、ない…?」

枢木「俺が死ぬか、解除するまでそれは刺さったままだ。見えなくはなるが、お前はもう裏切れねえ」

枢木「律が心配してた。顔くらい見せてやれよ」

明「…どうして、こんなことを? わたしはスパイ――」

枢木「いつまで経っても生意気なガキんちょが、久々に頼ってきたんでな」

明「ガキんちょ…?」

 【安価下2】
 1 とりあえず、心行くまで、指先が冷えるまでアイスを食らっておく
 2 アイスを2人分持って律のラボを訪ねる
 3 あてがわれた自室でアイスをむさぼる


 ――異能管理機関某市支部・律のラボ――

 ウィ----ン

明「律く――」

 トンテンカンテン

明(作業中ですか…。でもアイスが溶けてしまう…)

明「律くん」

律「!」

律「明さんっ! ど、どうなったですか?」

律「枢木課長に意地悪とかされなかったです?」

明「ええ…何だか、紆余曲折を経て、とりあえずは…どうにかなりました」

明「アイス、バニラとイチゴ…どっちが好きですか?」

律「バニラか、イチゴ…」ゴクリ

律「バニラの濃厚クリーミーな甘さも捨て難いです…。でも、イチゴのほどよい酸味と甘さのハーモニーもまた…」

明「!」

明「分かっているじゃないですか。じゃあ、半分こずつにしましょう」

律「!」

律「あ、明さんは天才です!? そんな発想が…!?」

明「【安価下2】」

 1 あなたのお陰で腕も治りました。ありがとうございます
 2 あれ? 何だかいつもより、アイスがおいしい…?
 3 そういえば誘拐されろって指示を出したのは誰だったんですか?


明「あれ? 何だかいつもより、アイスがおいしい…?」

 モグモグ

律「当たり前です」

明「当たり前とは?」

律「だって、誰かと一緒に大好きなものを食べるなんて、おいしさ倍増です」

律「1人でご飯食べてると味気ないものです」

明(そう言えば、誰かと一緒にアイスを食べるなんて…初めて…?)

明「そんなものですか…」

律「明さんはとってもすごいけど、ボクの方が色々とやっぱり物知りです」エッヘン

明「…そうかも知れませんね」

律「もう、悪い気分じゃないです?」

明「…ええ。何だか、とても今は楽な気持ちですよ」ニコ

律「おおっ、じゃあこの調子で、もっともっと、楽になった方がいいです!」

律「明さんは笑顔だと、とっても素敵です」ニッコリ

明「…【安価下2】」

 1 やさしいんですね
 2 もしかして、口説いてます?
 3 そういう台詞はあと10年経ってからの方がいいかと思いますよ


明「…もしかして、口説いてます?」

律「えっ…」

明「えっ…て、何ですか、その反応は?」

 【直下 コンマ判定】
 1~6 律「こういう感じだと、女の子ってくらっとくるんです? 全自動愛の言葉囁きロボ開発のためのアンケートにご協力を!」
 7~9 律「べっ、別にそそそ…そういんじゃないですっ///」フイッ 明「顔、赤くなってますけど?」


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 律「ボク、明さんのことが女の人として、好きになってるかも知れないです…」
 奇数 律「あり得ないです。ボクはポーラ部長に一筋です」
 ※0は偶数扱いです


 惜しい!
 偶数奇数の判定でさえなければ…

―――――

律「ボク、明さんのことが女の人として、好きになってるかも知れないです…」

明「えっ…」

律「でも、こういう気持ちは初めてで、よく分かんないんです」

明「いやいや、落ち着いてください」

明「だってわたしは、あなたを危険に晒したんですよ?」

明「吊り橋効果みたいなものですから、よくよく考えてみてくださ――」

律「勘違いじゃないです! 明さんが東京支部のボクのラボに来てくれた時、メカに興味持ってくれて、すごく嬉しかったです!」

明「あれはスパイとして、探っていただけで…」

律「でもでも、すっごく、嬉しかったんです! さらわれちゃった時、明さんがスパイなのかもって考えて、何だか胸がきゅってなりました!」

律「ブラック・ライトのアジトに連れて行かれて、明さんが顔を見せてくれた時、ボロボロだったのに驚いたけど嬉しかったです!」

律「またおしゃべりができて、すごく…ボク…」

明「…」

律「明さん…ボクのことは、嫌いですか…? それとも、誰か明さんが好きな人とかいる…です?」

 【多数決】↓1から最速3票獲得したものを採用
 1 明「嫌いではないですが、わたしはそういう気持ちがよく分からないので…応えることができません」
 2 明「…年の差が少し気になるところですが、些細な問題…と思うことにしましょう。嬉しいですよ、わたしも」


明「…年の差が少し気になるところですが、些細な問題…と思うことにしましょう。嬉しいですよ、わたしも」

律「じゃ、じゃあ…」

明「でもこれって、犯罪になるんじゃ…巷でショタコンとか言われるのは趣味じゃないですし…」

律「うぐぅ…そ、そんなの些細な問題って思うことにするって言ったです!」

明「冗談ですよ、冗談」

律「今の答えも冗談とかじゃないです?」

明「それは本当です」

律「たったの5歳差なんて、ボクがおっきくなれば何も問題なくなるです!」

明「そうですか。ではがんばってくださいね」

律「子ども扱いはちょっとヤです…」

明「でも…妬かれる前に言っておきますが、わたしは探している恩人がいます」

律「恩人さんです?」

明「はい。…以前、助けてもらったことがあります。当時は男の子でしたから、わたしとそう年の変わらない人のはずです」

明「あの人に会って、恩返しをしたいんです。…許容してくれますよね?」

律「……ボクは今こそ体はちっちゃいかも知れないですけど、心は広いつもりです」

律「だから大丈夫です! …明さんがボクを見捨てないなら…」

明「見捨てるだなんてしませんよ。あなただって、わたしを見捨てなかったんです」

明「あなたが思い悩んでいたら、今度はわたしがあなたを支えて引っ張り上げます。それで、またアイスを食べましょう」

明「あまり、こういうことはよく分かっていませんが…よろしくお願いします」

律「こっ、こちらこそ、どうぞよろしくです!」


 【直下 コンマ判定】
 偶数 律「そう言えばボク…明日には東京支部戻らなくちゃなんです…」
 奇数 律「そうだ! 冬也兄ちゃんと湊兄ちゃんに自慢しなくちゃ!」
 ※0は偶数扱いです


律「そう言えばボク…明日には東京支部戻らなくちゃなんです…」

明「…わたしはどうなるんでしょう…。全然、聞いてませんでした」

律「じゃ、じゃあ! 一緒に手を繋いで対策課まで――」

明「いえ、あまりベタつくのは…」

律「」

明「ちょっと、こっちの課長に尋ねてきます」

 ウィ----ン

律「行ってらっしゃい…です…」


 【直下 コンマ判定】
 偶数 枢木「お前には重要な仕事を言い渡す」
 奇数 枢木「お前、そもそも東京支部にまた顔を出せるのか?」
 ※0は偶数扱いです


 ――異能管理機関某市支部・異能犯罪対策課課長室――

枢木「お前には重要な仕事を言い渡す」

明「重要な仕事、ですか…」

枢木「最近、奇妙な事件が起きててな…。その対処に追われてるんだ」

枢木「この奇妙な事件の選任調査チームを結成することになって、各支部から人材を出してるんだ」

枢木「んで、某市支部はうちの課に白羽の矢が立った。――が、人手が足りねえ」

枢木「そこでお前の出番だ」

枢木「オールラウンドに、何にでも対処できる人材が丁度欲しかったんでな」

明「奇妙な事件というのは何なんです?」

 【直下 コンマ判定】
 偶数 枢木「神様とか名乗っちゃってる、いかれぽんちがいるらしい」
 奇数 枢木「奇跡を扱う動物ってのがいるらしい」
 ※0は偶数扱いです

―――――

 一旦、ここまでです
 どうもありがとうございます

>>1火炎瓶やローションはすぐに作れるん?

乙ー!
ローションでエロいこと想像した俺は末期


 >>921
 火炎瓶は簡単にいけそうな感じですね
 ただ、ローションは「武器」と呼べるのかって点でアウト…になります
 それだけで傷をつけられるようなものならマンホールでも鈍器扱いでいけるけど
 ローションは滑らせて転倒させてようやく…といった感じにしかなりそうにないので

 >>922
 そんな…>>1も末期だったなんて…

―――――

 ――電車内――

 ガタンガタン…

明(神様…)

枢木『神様だなんて名乗っちゃってる、いかれぽんちがいるらしい』

枢木『そして、大量の信者を率いて危なっかしいことを画策している』

枢木『この自称神様ってのを見つけ出して、ぶっ殺せ。それが任務だ』

明(今時、神様だなんて言われたところで嘘っぽいとしか思えない…)

律「明さん、明さん、初めてのデートですよね、ねっ?」

明(しかも大量の信者とか…そんなことをやるから、日本で宗教=カルトなイメージついてるのに…)

律「ポッキーあるんですけど、あの、端っこ同士をくわえてっていう、アレを…」

明「はあ…バカらしい…」

律「そんなあ!?」

明「えっ?」

律「うぅ…ボクはもっともっとあまあまな感じがいいですぅ…」

明「でも夏になってきたらさっぱりシャーベット系がおいしいですよね」

律「アイスのお話じゃないです…」

明(調査チームって…どんなメンツが集められるんだろう…?)

 【直下 コンマ判定】
 偶数 どこかで見たことある人達が多い
 奇数 新キャラ多数登場の予感
 ※0は偶数扱いです

 ――個人情報――
 名前:菊野明 性別:女 職業:異能管理機関職員 身体能力:高め 精神面:普通
 異能:武器具現 特技:人を騙す 願望:恩人の男の子と再会して恩返しをする
 グラスプスキル:ポイント100/100 アーム200/200 コート100/300 バーニッシュ200/200
 ピラー250/250 アンテナ50/200 ステルス158/300

 ――異能管理機関・正職員――
  宇和時久:東京支部支部長 五感共有の異能
  萑部律:技術部新技術開発顧問 天才技術者15歳 ズレ気味 交際中
  流石愛花:異能犯罪対策課課長 爆乳
  緑野柳:異能犯罪対策課 植物操作の異能 碧石と夫婦
  碧石不動:異能犯罪対策課 日替わりの異能 緑野と夫婦 巨乳派
  鏑木千恵:治癒の異能 枢木の妻
  枢木イアン:封じの大釘の異能 鏑木の夫(ハニー呼び)

 ――ブラック・ライト――
  次郎・エドワース:鈍化の異能
  黒山輝代:榊の側近
  榊日和:ブラック・ライトのボス 衝撃の異能

 ――友人・勢力不明――
  宮東湊:異能犯罪対策課アルバイト 光線の異能 大学生 デザインベビー(3710号)
  リク:9歳美少年 おっとり系


 ――東京――

律「折角だから、基地に戻る前にデートしたいです!」

明「さすが、思春期はガツガツしていますね」

律「嫌です…?」

律「いっぱい写真撮って、自慢しまくりたいです

明「…」

明「【安価下1】」

 1 構いませんよ
 2 さっさと基地に行きましょうか。あなたを心配してる人がいますよ
 3 自慢目的ならお断りです


明「構いませんよ」

律「やった!」ピョンッ

律「じゃあ、いっぱい遊びまくるです!」

明(犬みたい…。尻尾とかあればぶんぶん振ってそう)

律「こっちです、こっち!」ギュッ

明「あーれー」

律「まず最初は、コールドストーンです!」

明「行きますよ、手を放さないでください!」ダンッ

律「うわわっ、ちょっ、は、早すぎですぅー!」

 ズドド…


 【直下 コンマ判定】
 1~3 律「お腹が痛くなってきた…です…」明「アイシストとしてまだまだ甘いですね」モグモグ
 4~6 律「送信完了! ふふふ、仲良しの人に今日のお写真、ばらまきまくったです」
 7~9 律「楽しかったです…むにゃ…」明「もう電池切れかけじゃないですか…。仕方ないですね」


律「楽しかったです…むにゃ…」

明「もう電池切れかけじゃないですか…。仕方ないですね」

律「男として、おんぶされちゃいけない時がある…です」

明「…そうですか」

律「それにボクは明さんを守るです」ムニャムニャ

明「そんな眠たそうな顔で言われても説得力がないですよ」

 ピロリラリン

律「あ、メールが…」ゴソゴソ

律「おおっ、ポーラ部長からです! あ、ポーラ部長は某市の技術部部長で、とっても尊敬してる人です」

律「えーと…」

メール『初めての彼女に浮かれてとろけそうな顔の律かわいいよ、はすはす』

メール『これからももっともっと、この手の画像を送るように。それと今度、是非ともいぬ耳カチューシャを装着してもらいたい』

メール『感情を読み取って本物の犬の耳のように動くカチューシャを至急開発して郵送する。よろしく頼んだ』

メール『そしてお前の彼女の胸のかわいさにわたしのハートがきゅんきゅんだ!』

明(変態の臭いがする…)

律「部長のお墨付きゲットです!」グッ

 ピロリラリン

律「あっ、今度は冬也兄ちゃん…」

メール『あのさえっとボクなんかが口を挟めることじゃあないと思うんだけどね、一言だけね、うん』

メール『何で律がボクより先に!!?』

律「ふふふ…冬也兄ちゃんの反応なんて手に取るように分かってたです」

明(人間関係が濃いな…)

律「でも、肝心の湊兄ちゃんからはスルーされてるっぽいです…」

律「…まあいいです。そう言えば明さん、どこに住んでたです?」

明「基地内の私室に暮らしてたけど、あんなことがあったし、今はどうなってるか分かりませんね」

律「じゃ、じゃあ…ボクのラボで、お泊まり…するです?」ゴクリ

明「【安価下1】」

 1 いえ、わたしは1人でビジネスホテルに泊まるので。あ、そこ、基地の入口ですね。では、また明日
 2 そうですね。お邪魔します


 ――異能管理機関東京支部・律のラボ――

律(ほ、ほほほ…本当に明さんとお泊まり…!?)

律(まだおつきあいしたてなのに、ボク、大人の階段を駆け上がりまくりんぐです!?)

律(緊張しちゃう…どうしよう…)

律(で、でも変に緊張なんてしちゃダメです、あくまで自然体に、さりげなく…です!)ドキドキ

律(ベッドが1つしかないから一緒に眠ることになるです…って、さも当たり前のように言えばいいだけです!)ドキドキドキ

律(そしたら明さんが、それは仕方ないですね、って言ってなって、2人で同じベッドに入って、それで…!)ドキドキドキドキ

律「あ、明サン! ベッドが1つしかないから一緒にねね、眠ることになるんです!」クワッ

明「お構いなく。いいクッションがあったので、これで寝られますから」

律「」

明「律くんも疲れてるでしょうし、早く眠った方がいいですよ」

律「…で、でも明さんにはベッドで寝てもらいたい…です」

明「ハッ――つまり、それは…!」

律「そ、そうです!」ドキドキ

明「律くんがこのクッションで寝るってことですね。どうもありがとうございます」

律「」

明「どうかしました?」

律「…おやすみなさい、です…」

明「おやすみなさい」

律(うぅぅ…ハードル高いです…。で、でも、焦ることなんてないはずです…)

律(きっとその内、自然と…!)


 【直下 コンマ判定】
 調査チームの人数
 1~5 5人
 6~9 6人
  0  7人


 新キャラ多数の予感…
 な・の・で 半数が新キャラということで
 【↓1~3】
 調査チームのメンバーの名前募集

槙島 軍人 まきしま ぐんと


 >>936-938を採用です

 字面的には女の子っぽいけど…一応、ね
 夏希さんの性別を
 【安価下1】
 1 女性やろ
 2 男性なんやで

 ※ちなみに、調査チームの男女比は夏希さんを除いて 男3:2女 となってます


 ――異能管理機関東京支部・律のラボ――

律「おふぁよぅ…ございまふ…です」

明「寝癖がすごいことになってますよ」

律「寝癖はこのスプレーをしゅっと一吹きでぺったんこです」シュッ

 ペタァ

明「すごいですね、それ」

律「ボクが作ったやつじゃないけど、便利なものはどんどん使うべきです」

明「そう言えば、今日から調査チームの顔合わせでした…。もう行く時間なので――」

律「あ、それボクも入ってるです」

明「はい? でもあなた…戦いに向く人ではないと思いましたけど」

律「選任の調査チームっていうことで、戦闘員だけの構成だと不都合があるらしいです」

律「それで、戦い以外が専門の人もチームに入ることになってるそうです。顔合わせ、楽しみです!」ウキウキ

明「そう、ですか…」

律「朝ご飯、今、11号機が作ってくれるから待ってるです」

11号機『朝ご飯ができまままままままましししたったたったたたたた』

律「ああっ、肝心なところでまた壊れてる!?」

明「あの、早くしてもらえません? て言うか、朝から揚げ物ですか…」

律「11号機、直るです!」トンテンカンテン


 【直下 コンマ判定】
 湊の明に対する感情
 コンマ一桁で判定
 1<0で数字が大きい方が怒ってない


 ――異能管理機関東京支部・ブリーフィングルーム――

 ガチャ…

律「おはようございますです!」

槙島「ございますですは、日本語がおかしい! やり直せ!」

律「はひゃっ!?」

古神「マッキー堅いよ…」

沙神「Zzz…」

槙島「そこ、眠るんじゃない! 涎でテーブルが汚れてしまうだろう!」

律「何だかおっかない人です…」

明「おはようございます」

明(わたしと律くんを入れて、5人…。聞いていた話だと、6人のチームだったから…あと1人いる…?)

槙島「むっ、集合時刻になったな! だが、1、2、3…1人足りない!」

槙島「何たることだ!? 大切な初顔合わせに遅刻とは、どういう了見をしているんだ!?」

槙島「ここに集合していないのは、――宮東湊か!」

明「湊くん…」

律「湊兄ちゃんもチームだったですか…」

 バタム

湊「悪いな、遅れ――」

 ブンッ

湊「っぶねえな、てめえ、何しやがる!?」

槙島「規則も守れぬ人間が、世のため、人のために何かを成せるはずがない!」

槙島「ここでその根性を鍛え直してくれる!」

 【直下 コンマ判定】
 1~7 湊「朝っぱらから、うるせえ! うちのコが起きちゃうだろうが!」律「あっ、背中にリク背負ってたです」
 8~9 湊がまさかの…


湊「朝っぱらから、うるせえ! うちのコが起きちゃうだろうが!」

 飛びかかった槙島の顔面に湊の蹴りが炸裂し、そのまま蹴り飛ばした。
 壁にぶつかった槙島が悔しそうに歯ぎしりしながら起き上がり、湊を睨む。

律「あっ、背中にリク背負ってたです」

槙島「何故、子どもを背負っている!? それでは制裁に支障を来す!」

湊「はあ? ふざけたこと言ってんじゃねえぞ、ちゃーんとここの司令には許可もらってんだよ、ぶわーか」

槙島「な・ん・だ、その口の利き方はぁ~!?」

湊「だーから、リクが起きちまうから静かにしろって言ってんのが聞こえねえのか、てめえ!」

律「湊兄ちゃん…今日も絶好調で過保護です…」

明「そうみたいですね…」

古神「マッキー…そろそろ、本題に入ろうよぉ~…」

槙島「ハッ、俺としたことがすっかり忘れていた! 午前9時3分にはそれぞれ、自己紹介を始めなければならなかったのに!」

槙島「沙神、起きろ!」

沙神「むにゃ…何さ…?」

槙島「では、俺から時計回りの順番で自己紹介をしよう」

槙島「俺の名は、槙島軍人! 司令部特務課所属、異能は【安価下1】! 趣味はアニメ観賞、以上!」

律「あのぴしっとした感じで趣味がオタクチックなんて…」

古神「あ、次はあたし? あたしはね、古神夏希だよ。役割は【安価下2】だからよろしくね」

沙神「…沙神唯乃。趣味は昼寝とごろ寝とうたた寝…よろしく」

律「全部似たようなものにしか思えないです…」

槙島「沙神は【安価下3】だ!」

 【安価下1】
 槙島の異能

 【安価下2】
 1 オペレーター
 2 戦闘員。異能は【自由(ちゃんと併記してね)】
 3 情報担当

 【安価下3】
 1 グラスパー【異能も併記してね】
 2 情報担当
 3 オペレーター

 ※役割被っちゃうと、アレかも
  気をつけてネ☆

自分の髪型を自由に変え、その髪型のイメージに合った異能になる
アフロ:投げた物を爆発させる
リーゼント:身体強化
ウニ頭:右手で触れた異能を打ち消す


 >>947はちっと、NGっす!
 ので、槙島の異能を【直下】で改めて!
 >>947の方も狙っておkっす!


 整理
 ・槙島軍人 炎の異能
 ・古神夏希 細胞分裂の異能
 ・沙神唯乃 思考欠陥の異能

―――――

律「ボクは技術部です。グラスパーじゃないです。あと、明さんとおつきあい中なのです!」エッヘン

明「そういうの、いいですよ」

律「うぅ…」

明「菊野明、武器具現の異能です」

槙島「お前が最後だ、子連れ不良!」

湊「てめえ、喧嘩売ってんのか? 俺様は宮東湊、光線の異能」

槙島「よし、これで全員だな!」

槙島「我々はこれより、チームで動き、神様を自称する何者かを調査・対処することになる!」

槙島「そこで、差し当たって、このチームを統率するに相応しいリーダーを決めなければならない!」

槙島「我こそはと思う者は挙手で名乗り出よ!」ビシッ

律(まっすぐ腕を耳につけて綺麗に挙手したです…)

明(あの熱血漢がリーダーというのは少し…けれど、メンツ的に…)

 【安価下1】
 1 やりたい人に任せるのが1番か
 2 挙手で名乗り出る
 3 他の誰かを推薦してみる
   ※誰を推薦するかも併記してね


槙島「よし、異論はないようだな!」

槙島「ではこれより、俺がこのチームのリーダーとなる!」

槙島「俺が率いるからには、メンバーはそれぞれに助け合い、協力し、一丸となって目標を達成しようではないか!」

槙島「わははははっ!」

明(少し不安になる…)

律「何だか愉快な人で面白そうです…」ウズウズ

湊「うるっせえな…」

古神「マッキー、張り切ってるなあ…」

沙神「Zzz…」

槙島「それではこれより、機関の持っている情報を開示して、チームで共有するとしよう!」

槙島「この資料を回してくれ! そして、スライドショー、スタート!」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 めぼしい情報はなかった
 4~6 何だかよく分からなかった
 7~9 とりあえず、どこを拠点にしていそうなのかは分かった


―――――

 今夜はこれまでです
 どうもありがとうございました

 次の更新再開時に新スレ立てて誘導しますね


 一応、どんな異能案がNGになるかをちらっと…

 ・複数の能力になってしまう場合
  同時併用不可でも、1人で全く違う別々の能力みたいのはアウトです
  碧石さんはもう登場・採用しちゃったから見逃すとして、これからはNGです
  ※ただし、1つの異能で複数の使い方ができる場合は全然あり(福路みたいなパターン)

 ・メタ的なもの
  前にあった、リトライ不可みたいなやつですね
  あと、好感度に応じて~みたいなのも、メタっちゃメタなんでNGになっちゃいます
  もっとも、好感度云々についてはこっちで条件を一部変更とかして採用にする場合はあるかもですが

 ・使い道がすごく難しいor分からないもの
  今日出てきてすごく悩んだのは、色を変える、ってやつですね
  頭をひねれば使い道があるのかも知れないですけど、ちょっと、うーん…?ってなりかねないので
  こんな使い道できるのよ! って簡単にご説明いただけたら不採用にはならないかもです

 ・強すぎちゃう系
  触れたら死ぬ、とかね 絶望感がパないけど、アカン系ですね

 ・抽象的すぎちゃう系
  上の強すぎちゃう系にも包括されちゃうかもですけど、何かもう意味不明になっちゃうとアレなんで、ね

 できるだけ>>1としても色々な異能を採用したいので、ご協力をどうぞよろしくお願いします

 目からビームとか、けっこう好きよ
 ぜひぜひ、安価狙っていってくださいな

 ではではこれで
 おやすみなさいませ


 湊へ

 アラスカがカナダの左側にあるところだったことに、少なからぬ驚きを覚えています。
 カナダを突っ切ってカリフォルニアに到着したのも束の間、ものすごく色々と楽しそうな場所があるのに3日しかいませんでした。

 ロサンゼルスがカリフォルニア州だったことに始まり、サンフランシスコとかまであって、驚きの連続でした。
 しかもお隣のネバダ州にラスベガスまであったりして、カリフォルニア・ショックが満載でした。

 そう寒くなかったし、自然はアメリカンな感じだし、すごくいい感じです。
 西部劇みたいな感じのグラスパーに1回襲われました。何でも、師匠がその昔、おちょくり倒して恨みを買っていたそうです。
 でも師匠がガン無視決め込むので、何でかボクが相手をさせられることになって、銃撃戦をしました。
 それで気付いたら、その人とは仲良しになってしまいました。世の中、何が起きるか分かりません。

 けれど、ちょっとやりすぎた感があって機関が乗り出してきたので逃げることになり、そのままカリフォルニアとおさらばです。
 機関って意外とそこかしこにあるようで、アメリカには3つも支部があるらしいです。

 カリフォルニアからどんどん南下していって、いつの間にかアメリカを抜けていました。
 メキシコのチワワ州っていうところにいるそうです。チワワ。でもタコススタンドがたくさんです。
 タコスおいしい。でも師匠がタコスしか食べなくておいしいけど、もう飽き飽きしています。タコス見たくない。マジタコス。

 おっかないイメージはあったけど、あまり物騒な感じは普通にいる分には感じ…なかったはずでした。

 だけど、ちょっと人気のないところに迷い込んだりすると、全身タトゥーだらけのお兄さん達がいたりします。
 ダルマさんもいたりして、タコスが食べられなくなったこともありました。

 それで、案の定、師匠が面白がってメキシコの怖いお兄さんにちょっかいを出しました。
 どんなちょっかいかっていうのは、思い出したくないからスルーしてください。
 スリル満点っていうか、命に直結してる恐ろしい夜をすでに3回数えてるけど、どうにか無事です。
 何とかっていうマフィアのドン? の私兵がところ構わず、時間も問わず、熱烈に歓待してきてくれています。

 早くここから出ていきたいのに師匠がこの状況を楽しんでて、なかなか離れられそうにありません。
 対物ライフルにバーニッシュかけて、何発も何発もぶち込まれる目覚ましは豪快に朝を教えてくれます。

 もちろん、師匠は寝てる間もピラーをやってて、バーニッシュ込みの対物ライフルでも破れないし余裕なようです。
 師匠が起きるまで逃げ回ったお陰で、チワワの地理はそろそろ完璧になりそうです。おいしいタコススタンドも完璧把握です。

 あと、最近は装甲車で襲われることも多くなってきています。
 バーニッシュで装甲が強化されると、もうとんでもないモンスターマシーンで手に負えません。

 メキシコで邦人男性の死体発見とかなったら、ボクだと思ってもいいかも知れません。
 そうなった時はぜひとも、師匠を1発、ボクの代わりにぶん殴っておいてください。

 でも今、ボクらを狙ってきているマフィアのボスさんの首にかかった賞金がとんでもない金額のようです。
 けど色々な利権関係とかが絡んで、殺っちゃった場合の危険度も込みの賞金額っぽいです。
 200万ドルだって。師匠は200万ドルもらえたら、100分の1だけボクにくれるそうです。

 100分の1でも、日本円だと240万円ちょいになるのかな。
 バウンティハンターって大金を稼いでから隠居とかして、自由に暮らせる人とかいるのかな。
 一獲千金をすればするほど、後々のことがすごく大変なことになりそうだよね。

 装甲車が3台くらい来たっぽいのでこれで。
 もう、やってられないよね。壊れないポスト探しをしないと手紙も出せないなんて。
 空笑いも最近増えてきてるし…。

 でもボクは一応、元気です。
 湊も体には気をつけてお過ごしください。

 追伸
 対戦車ライフルって、壁なんて簡単にぶち抜いちゃうから気をつけてね。
 あとサルサソースとタコスの相性はすごくいいよ。

―――――

湊「あいつ、大丈夫か…?」

湊「つーか、天上院も天上院だろ…」

湊「それに、タコスタコスって、頭ん中はそれだけかっての…」

湊「っと…もう時間か。自称神様――どこのいかれぽんちだか」

湊「リクー、出るぞ。おい、起きろー?」

リク「Zzz…」

湊「ギリギリまで寝かしてやるか…」



 もうちょびっとだけこのスレを埋めてから、次スレ立てますね

―――――

槙島「神様――そう名乗っている者がいるらしい」

古神「はいはいはーい、質問。マッキーは堅そうな感じなのに、どうしてアニメが趣味なの?」

槙島「関係のない話は後にしろ!」

明「わたしはその自称神様とやらが、大量の信者を率いて危ないことを画策しているとうかがいました」

明「具体的にはどのようなことが?」

槙島「いいぞ、その姿勢! そうだ、こういうやり取りを俺は求めているのだ!」

古神「はいはーい、マッキーのディスプレーの向こうのお嫁さんは誰?」

槙島「ゾイドのフィーネだ! ――って、そういう話は今はいいんだ! フィーネの良さを語るには時間が足りんのだ!」

湊「いちいちうるせえんだよ、ボリューム落とせ」

槙島「何だ、その態度は!?」

律「ゾイド…ああいうの、作ってみたいです。ボクはジークみたいなのがほしいです」

明(どうしてこんな話題に…。もしかしてここ、窓際チーム…? 持て余してる人員の寄せ集め…?)

沙神「Zzz…」グゥグゥ

リク「Zzz…」スヤスヤ

槙島「話が逸れた! 世界各地で、唐突なテロのような行為が起きている!」

槙島「自爆テロ、武装蜂起、放火、――いずれも、犯人は取り調べなどで『主に従い行動を起こした』と証言をしている」

槙島「そして、その主とやらの存在こそが、神様と名乗る人物らしいと判明した!」

槙島「神様の特徴で、分かっているのは以下のことのみだ!」

槙島「第一に、何の繋がりもないと思われている人々に社会に混乱をきたすようなことをさせてしまったこと!」

槙島「第二に、犯人は事件を起こしたことで神様とやらの居場所を教えてもらえると言っていること!」

槙島「ちなみに逮捕された時点ではどこに神様とやらがいるのかは分かっていないらしい!」

槙島「そして、第三に! 【安価下2】!」

 【安価下2】
 神様とやらの特徴を自由に
 ※男、とか、女、とかの性別指定でもいいし、頭に輪っかがあるらしいとかでもいいし、愛猫家とかでもいいです
  ぶっとびんぐなのはずらすけど、できるだけ採用したい気ではいますので、いい塩梅でおねがいしまする


槙島「そして、第三に! 素敵な笑顔を見せるらしい!」

律「素敵な…笑顔? こんな感じです?」ニコッ

槙島「いや、こうだろう!」ニンマリ

律「それは悪い人っぽい笑顔です」

古神「素敵な笑顔…強キャラ臭がするね…きっと強いに違いない」

明(そんなものなの…?)

湊「んで、どうすんだよ? それを調べるってんだろ? どうやって調べるんだ?」

明「笑顔を見せるってことは、顔を見たことがある誰かがいるってことですか?」

槙島「そうかも知れん」

律「何で断定ができないです?」

槙島「資料に書かれていない!」

湊「威張るんじゃねえよ」

槙島「さっきから貴様は何なのだ!? そのやる気のない態度は!?」

湊「お前みたいな暑苦しい性格、うざってえんだよ!」

槙島「何だと、貴様ァ!」

明「喧嘩なら後でやってください。何をするんですか?」

槙島「何か、いい案はないか!?」

明「【安価下2】」

 1 捕まってる人がいるなら、詳しく話を聞くことから始めては?
 2 テロだの何だのが起きたという現場に行けば、何か分かるかも知れません
 3 その他、妙案求む


明「捕まってる人がいるなら、詳しく話を聞くことから始めては?」

槙島「いいぞ、建設的な意見だ! 素晴らしい! 彼女を見習うように!」

明「やめてください。ごくごく基本的なことを言っただけです」

槙島「日本には1人だけいる。グラスパー・プリズンに収監されているはずだ」

古神「6人で押しかけるの?」

槙島「話を聞くだけだ。口の立つ者、脅しのうまい者、尋問が得意な者――。それだけいればいい」

律「何だか物騒です」

槙島「よし、では俺がリーダーとして選出を――」

湊「俺と明と誰かでいい」

明「…」チラッ

律「じゃあボクが――」

槙島「俺はリーダーだ、行かざるをえまい!」

律「」

古神「じゃ、待ってるからよろしくねー!」

湊「律、リクのこと頼むぞ」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 湊「何でお前まで…うぜえ…」槙島「貴様…そろそろ実力でどちらが上か、はっきりさせておくか?」
 4~6 槙島「ここがグラスパー・プリズンだ! さあ、行くぞ!」
 7~9 湊「おい」明「…何です?」


 【00】
 いつもよりとんでもビックリな何かが起きる
 【直下 コンマ判定】
 偶数 湊「明、ちょっと面貸せ。お前に聞いておきたいことがある」
 奇数 古神「ねえねえ、りっちゃん?」律「何です?」古神「りっちゃんも、神様の下僕になるよね?」ニッコリ
 ※0は偶数扱いです


 ――異能管理機関東京支部・ブリーフィングルーム――

古神「ねえねえ、りっちゃん?」

律「何です?」

古神「りっちゃんも、神様の下僕になるよね?」ニッコリ

律「…ボクのお家は仏教徒で、改宗予定はないです」

古神「そうじゃないよ。りっちゃんも、あの方のためなら何でもするよね、って」ズイッ

律「え? えっと…何だか、じりじり迫られると怖いです…。あと、ボクは明さんに一途だから浮気みたいなのは…」

沙神「なるよ。――ほら、聞こえてくるでしょ?」

 コォォォォォ…

 『破壊…いを…先へ…る…』

律「ッ――な、何だか、声が頭の中に…ど、どんなカラクリで…!?」

古神「神様、何て言ってる?」

律「だ、ダメですダメです、ボクは世のため人のために色々作ってるだけで…」

沙神「でも、神様が言ってる」

古神「従わないと神罰が下っちゃうよ」

律「ぁ…ぇ…で、でも…あの…だって…」

 『破壊が世界を先へ進める…』

古神「りーっちゃん、一緒に神様のところに行くよね?」

律「か、み…さま…?」

 『使徒よ、我が下に集え…』

 『破壊が世界を先へ進める――』

沙神「…行く?」

律「…行くです…」フラッ

古神「1名様、ごあんなーい♪」

リク「むにゃ…?」パチ

リク「…りつ…?」

 ウィ---ン

リク「…?」キョトン

 ポツン…


 【直下 コンマ判定】
 1~3 prrrrr… 槙島「むっ? 特務課からの連絡…槙島です、何が? ――ロボットの、反乱?」
 4~6 槙島「結局、何も聞き出せなかったか…」明「一旦、戻りましょうか?」
 7~9 槙島「聞き出せたことを整理しよう」


 ――東京某所・グラスパーズプリズン――

槙島「聞き出せたことを整理しよう」

槙島「どこからともなく、ある日、突然に声が聞こえてきて…その声に従わないといけないと思い込んだ」

槙島「そう、思い込んでいる状態は逮捕後も続いていたが、収監から10日ほどで正気に戻るようになった」

槙島「一種の催眠状態――のようなものと推測ができるな」

槙島「声の主とやらが俺達の探している神様らしく、凶行後にその居場所を教えてもらえるとも、思い込んでいた」

槙島「だが、機関で拘束し、ここへ収監したことでこの催眠――いや、洗脳? が解除された…と」

槙島「何かしらの異能…という線も濃厚だが、資料を見る限りでは同時多発的に世界中で事件が起きている」

槙島「世界規模で洗脳をしてしまえるような異能が、果たしてあるだろうか…?」

湊「普通に考えりゃあ、あり得ねえな」

明「複数のグラスパーの異能を組み合わせることで、効果範囲を広げられることもあるかも知れませんが…地球をカバーするほどとは…」

明「しかし、時限爆弾のように何かしらの下準備をし、それを起動させることで洗脳をするのであれば距離は関係なくなるかも知れません」

湊「けどこれといった有益な情報はなかったな」

槙島「となると、凶行を起こした者達の共通点でも洗い出して探るか…?」

湊「地味なことが続きそうだな…。暴れる段になるまで、俺は戦力外扱いでいいぜ」

槙島「貴様、なめているのか!? ない知恵でも振り絞って協力する姿勢を示せ!」

湊「んじゃ、お前はない知恵を絞っとけ。…おい、明、ちょっと話がしたい」

明「…ええ、いいですよ」

槙島「待て! 三人寄れば文殊の知恵と言って――」

明「すぐ戻りますから」

 スタスタ…

 【直下 コンマ判定】
 1~5 湊「もう、ブラック・ライトとは手を切ったって考えていいのか?」
 6~9 湊「お前が何者だろうが、どうでもいい。けど、無茶ばっかすんな。フォローが効いたのは、たまたまだぞ」


湊「もう、ブラック・ライトとは手を切ったって考えていいのか?」

明「…立場としては、そうなりますね。逃げ出してきた身ですから」

湊「んで、イアンの部下か?」

明「どうしてそこまで?」

湊「り、律に聞いただけだ。あと、そう! お前、律の彼女とかって、マジでか?」

明「…ええ、まあ」

湊「……………クソ、クッソ、律に先を…」

明「先を越されたって…そんなに悔しがることですか?」

湊「悔しがってなんかねえ! 全然、別に悔しくなんてねえ!」

湊「だけどな、俺のかわいい弟分を泣かせでもしてみろ、ぶっ飛ばすぞ」

明「…そんなことしませんから、安心してください」

湊「ほんとか?」

明「しょうもない嘘をついてどうなるんです?」

湊「お前、さらっと嘘とかつきそうな気がしてならねえんだよ」

明「いいですよ。もし、律くんがわたしの不祥事で傷ついたなら、甘んじてぶっ飛ばされます」

湊「…それでいい」

湊「あの天才バカのこと…任せるからな」

明「ええ。……そろそろ、戻りましょうか」

 【直下 コンマ判定】
 1~5 槙島「む? あの3人がいないな…」
 6~9 ピロリラリン 明(ん? メール…?)


 ――異能管理機関東京支部・通路――

 ピロリラリン

明(ん? メール…?)

湊「もうリクが起きてるころだな…」

槙島「結局、どうやって神様とやらを見つけるか…」

 スタスタ

明(律くんから…?)ポチッ

メール『ボクは神様にお仕えするです』

メール『だから明さんとは、もうさよならしておくです』

メール『バイバイ』

明「――はい?」

湊「あん? どうした? 間抜けな声で」

明「律くん――?」

 【安価下2】
 1 ブリーフィングルームに走る
 2 律のラボへ走る
 3 電話をかける

―――――

 安価把握次第、次スレいきます


 安価、把握です
 次スレはこちらですよ
 【オリ設定】安価とコンマで異能バトル【part 5】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417861637/)


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