ライナー「そうだったな」(23)

ライナー「んっ…」

アルミン「ライナー」

ライナー「…アルミン?」

アルミン「早く起きなよ」

ライナー「…」

アルミン「どうしたの?」

ライナー「いや…なんでもない」

ライナー「そういや何かあるのか?」

アルミン「訓練だよ」

ライナー「何の訓練だっけか」

アルミン「立体機動の訓練だよ」

ライナー「ああ、そうだったな」

立体機動訓練

アルミン「今日は班の組み合わせを変えるらしいね」

ライナー「みたいだな。これは一体どういう了見だ?」

アルミン「さぁ…多分だけど、いつもとは異なった人物とでも連携を上手くこなすことができるか、とかを審査するんじゃないかな?」

ライナー「それっぽいな。まだ納得できる」

ライナー「…誰と組むことになるんだろうな?なぁアルミン」

アルミン「僕はできるだけ親しい人がいいな…」

ライナー「親しい人か…」

アルミン「ライナーは?誰かと組みたい、とかある?」

ライナー「俺は特に…誰でもいいな」

アルミン「誰とでも仲良くやっていけるもんね。羨ましいよ」

ライナー「そうか?」

アルミン「そうだよ。一部では『兄貴』という俗称で呼ぼうとしていた人もいるみたいだ」

ライナー「兄貴か…悪くないな」

アルミン「実際ライナーって皆のお兄さんって感じがするよ」

ライナー「自分で言うのもなんだが、結構ガッシリしてるからか?そう思われるのかもな」

ライナー「俺に比べればアルミン、お前はほっそりしてるな」

アルミン「…言わないでよ。少しは気にしてるからさ」

ライナー「悪い」


アルミン「あ、班の組み合わせが発表されるみたいだよ」

ライナー「さて、一体誰と組むことになったんだろうな」




フランツ「よろしくね」

アルミン「よろしくね、フランツ」

ライナー「ああ、よろしくな」

ライナー「…俺たちって今更よろしくって言い合う仲じゃねえよな」

アルミン「それもそうだね」

フランツ「なんでよろしくって言ってしまったんだろう。僕…」

ライナー「まぁいいじゃねえか。ほら、始まるみてえだ。気にしないで行こうぜ」

ライナー「ふんっ!」ザシュッ

アルミン「ふっ!」ザシュッ

フランツ「ふんっ!」ザシュッ


ライナー「アルミン!フランツ!お前らは左のやつを行け!」

アルミン「ライナー!?」

ライナー「俺は右のやつをやる!」パシュッ ヒュンッ

フランツ「すごいね…あんなに素早く、しかも深く抉り取っている」

アルミン「うん。凄い迫力だ」

また後日。少なくてすまん




ライナー「ふぅ…」

アルミン「お疲れ、ライナー」

ライナー「ああ。お前らもお疲れ」

フランツ「すごいねライナー。あんなに深く削げるなんて」

ライナー「ありがとよ」

アルミン「ねえライナー」

ライナー「ん?どうした」

アルミン「どうやってあんなに深く削げるの?」

ライナー「そうだな…削ぐ瞬間、思いっきり力を入れることだな」

アルミン「力を…」

ライナー「それで深く削げる」

アルミン「僕にはできないよ」

ライナー「なんでだ?」

アルミン「僕には力がないから…。ライナーみたいに逞しくない」

ライナー「そう卑下するな」

アルミン「…」

ライナー「力だけじゃねえぞ。腕の力だけで削ごうとするんじゃなくて、全身を回転させるような勢いで体重を乗せて、ブレードを振ればいい」

アルミン「全身を…」

ライナー「ああ。でも本当に回転すると方向がわからなくなるがな」

アルミン「あはは」

アルミン「今度試してみるよ。全身を回転させるような勢いでするんだね」

ライナー「ああ。こういうのは実際にやってみてわかるもんだと思う。俺の説明じゃわかりづらいだろ」

アルミン「いや、いいことを聞けたと思うよ」

ライナー「そうか。そりゃよかった」

エレン「おいお前ら!」

アルミン「エレン?」

ライナー「どうしたエレン」

エレン「そろそろ戻るってよ」

アルミン「うん」

ライナー「じゃあ戻るか」

アルミン「この後は?」テクテク

エレン「格闘訓練だな」テクテク

ライナー「格闘訓練か…」テクテク

エレン「…なぁライナー。ちょっと相談があるんだけどよ」

ライナー「なんだ?」

エレン「俺と組んでくれねえか?」

ライナー「どうしたんだ急に」

エレン「いや、たまには相手を変えることも必要かなって思っただけだよ」

ライナー「そうか…」

エレン「で、どうなんだライナー?」

ライナー「ああ、別に構わないが…いいのか?お前の相手は」

エレン「ああ。多分いいだろ。後で説明すれば何とかなる」

ライナー「それならいいんだが……手加減しねえからな。エレン」

エレン「俺もだ。そっくりそのままひっくり返してやるよ」

ライナー「ははは。そりゃかなわんな」




ライナー「ぐぁっ」ドサッ

エレン「…ふぅ」

ライナー「いてて…」

エレン「大丈夫か?ライナー。ほら」スッ

ライナー「ああ。大丈夫だ」ガシッ

ライナー「最近調子がいいみたいだな」

ライナー「俺の巨体を投げ飛ばすとはな…たいした奴だ」

エレン「ありがとよ」

ライナー「一体どうやったんだ?腕力でやったのか?」

エレン「いや?自分の力だけじゃなくて相手の力を利用するんだとよ」

エレン「自分より体の大きな相手でも簡単に投げられるんだ。便利だよな」

ライナー「ほう…」

ライナー「お、エレン。見ろよ。サシャとコニーが馬鹿やってるぜ」

エレン「何してんだあいつら?」

ライナー「…教官もちょうど目を離してる。からかうついでに聞いてみるか」

エレン「サボリか?」

ライナー「そんなんじゃねえよ。言うとしたら休憩だ」

エレン「まぁ…べつにいいか」

ライナー「コニー」

コニー「ライナーか。どうした?」

ライナー「どうした?じゃねえよ」

ライナー「お前ら妙なポーズとってなにしてんだ?」

コニー「拳法だ。俺が編み出したんだぜ」

ライナー「お前が?」

コニー「ああ」

ライナー「一体どうやって?」

コニー「なんだろな…直感?ほら、俺天才だから」

ライナー「だったらもっと座学の成績がいいはずなんだがな」

コニー「うっ 痛いとこつくなよ」

ライナー「…サシャ、お前もか?」

サシャ「そうです!けんぽーです!」

ライナー「なんのポーズだ?」

サシャ「むむむ…そうですね…名づけるなら」

サシャ「荒ぶる鷹のポーズでしょうか」

ライナー「なんだそりゃ」

また後ほど

キース「貴様ら…」

サシャ「!?」

コニー「!?」

ライナー「教官…っ!」

キース「訓練をサボるとはいい度胸だな…」ガシッ

コニー「ふぐっ」

サシャ「ひぃっ!?」ガクブル

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