マミ「UMA法少女よ!」(175)
──シャルロッテの魔女結界
マミ「ハイパーブラスター・フィナーレ!」ビィーッ
シャル「……!」ズギュン!
さやか「やった!」
シャルロッテ「んぐぁ」ヌブァ
まどか「え……!」
マミ「あ……!」
さやか「このままじゃマミさんが……逃げて!」
QB「いや、マミは大丈夫だ」
さやか「え?」
バタバタバタバタバタバタバタ!!
モスマン「キィー!!」
マミ「も、モスマン!」
まどか「え、え……え!?」
まどか「ちょっとキュゥべえ……なに今の!いきなり変な生き物が飛んでいってマミさんかっさらっていっちゃったよ!」
QB「あれはモスマン。人類、そして僕達すらその生態を確認していない謎の生命体だ。日本ではそういう生き物のことをUMAとも呼ぶね」
さやか「そ、そのモスマンが、なんでマミさんを助けて……!」
QB「あれが魔法少女としてのマミの能力さ」
マミ「ありがとう、モスマン……危ないところだったわ」シュタッ
モスマン「キィー!」バサバサ
マミ「えぇ、あれが今回の魔女よ……いつものアレ、お願い!」
モスマン「……キィー!」ギンッ!
まどか「モスマンの眼が、赤く光って……!」
マミ「GO!」
ギュン!
シャルロッテ「──!」ズバッ!
ズズゥ……ン
マミ「モスマンの飛行速度は時速400km以上……その速度から繰り出される体当たりは必殺よ」
モスマン「キィー!」バタバタバタバタ
さやか「うわぁ……倒しちゃった」
まどか「キュゥべえ、マミさんの魔法少女としての能力って……何?」
QB「UMAと友好的な関係を結び、力を借りる。それがマミの能力だ」
まどか「えぇー……。」
マガジンで連載中のむろみさんとか好きです
まどか「あ、景色が元通りになっていく……。」シュウウウウ
マミ「秘密がバレちゃったわね、二人とも……もう少し落ち着いてから話そうと思ってたんだけど」
モスマン「キィー」バタバタ
まどか「い、いいんですよ!」
さやか「そうですよ!少し驚いたけど、別に……ん?」
ほむら「……。」スースー
さやか「転校生?なんでこんなトコで寝て……。」
マミ「あら……少し催眠光線を強めにかけすぎちゃったかしら」
さやか「さ、催眠光線ん?」
まどか「マミさん、さっきから思ってたんですけど……魔女退治する時に使ってた光線銃とか、催眠光線とか一体どこで……。」
マミ「ああ、あれは……グレイのみんなに作ってもらったの」
まどさや「「な、なんだってー!」」
QB「僕も驚いたよ。異種間どころか異星間コミュニケーションを成功させてしまった魔法少女は彼女が初めてだ」
さやか「……あの、ちなみにマミさんの願いを聞いても……。」
マミ「……私ね、交通事故に遭ったんだ」
まどか「え……!」
マミ「お父さんもお母さんも即死で、私も瀕死だった……その時に、キュゥべえが現れたの。もう私、何がなんだか分からなくて……。」
QB『君の願いをなんでも一つ叶えてあげる』
マミ『えっ!?願い……?……助けて……友達……いっぱい……ああ、わけわかんない』
QB『「わけのわからないいっぱいの友達に助けてほしい」んだね?君の願いはエントロピーを凌駕した』
マミ「それで、光に包まれたと思ったら、UFOの中にいて……私は魔法少女として一命を取り留めたの」
さやか「……すいません」
マミ「いいのよ」
さやか「(全っ然わかんない……!)」
マミ「まあ、とにかく……魔法少女って大変よ。恋愛もできないし、普通の友達とも遊べない」
モスマン「キィー」バタバタバタ
さやか「(そりゃそうだろうなぁ……。)」
マミ「戦うのは辛いし、怖い……どうしても魔法少女になるなら……まず私に相談してね」
まどか「は、はい……。」
さやか「わかりました……それじゃ、また……。」トボトボ
マミ「二人とも、面食らってたわね……無理もないかしら」
モスマン「キィー」バサバサバサ
ほむら「ん……。」パチリ
マミ「あ、起きたようね」
モスマン「キィー」バサバサバサバサ
ほむら「ん……!?」
モスマン「キィー?」バッサバッサ
ほむら「う、うーん……。」バタッ
マミ「暁美さん?暁美さァーん!?」ユサユサ
異性間コミュニケーションも何も、QBってうch・・・誰か来たみたいだ
──マミホーム
ほむら「……はっ!」ガバッ
マミ「気がついた?」
ほむら「ここは……貴女の家?」
マミ「えぇ。暁美さん、起きるなり倒れちゃうんだもの」
ほむら「……あ、あの妙な生き物は」
マミ「もう帰ってもらったわ、また驚かれても困るし」
ほむら「そういう事を言っているわけではないわ。あの生き物は一体なんなのか聞いているの」
マミ「モスマンよ」
ほむら「ゴボウでしばきあう?」
マミ「それはモリマン」
ほむら「……というか、モスマンといったらUMAよ。あなたの側にいるなんてあり得ないわ」
マミ「……あり得るのよ、それが。私には──」
ピンポーン
マミ「あら?ちょっと待ってて」
ガチャ
グレイ「※●#〆→」
マミ「あら、お帰り」
ほむら「~~ッ!?」
マミ「どうしたの?暁美さん」
ほむら「それっ……それっ……宇宙人!!」
マミ「まあそうね」
グレイ「∴§£⊆」
ほむら「何!?何が起きてるの!?」
マミ「──と、いうわけなのよ」
ほむら「……それで、あなたにはUMAと意志疎通をする能力があるということ……?」
マミ「えぇ……その代わり、私自身が使える魔法は、治療とか、そういうのくらいで……戦いはUMAに頼りっきりだけど」
グレイ「あと、おら達の作った光線銃とか」
ほむら「……あれ?いつの間にか私、あなたの言葉が理解できるように……。」
グレイ「そいつはおめぇ、これだべな、これを食ったんだぁ」プルン
ほむら「コンニャク……?」
グレイ「あ?こぉれだから田舎っぺ星人は……こいつぁおらが星の翻訳器だぁ」
ほむら「ほ、ほんやくコンニャク……。」プルルン
グレイ「そうだ……これも何かの縁だし、研究に協力してくんねぇ?」
ほむら「研究……?」
グレイ「あぁ、魔法少女の研究だぁ、マミもいんだけど、比較対象として別の魔法少女も欲しいんだぁ」
ほむら「……ふざけないで。私はモルモットじゃないわ」
グレイ「あ゛ぁー!危害は加えねぇし、やさーしく扱うことも保証すっべ!な!」
マミ「暁美さん。幾三は信頼していいわ。お願い……研究が進めば、ソウルジェムだって元に戻るかもしれない……!」
ほむら「……知ってるの!?あなた……!」
マミ「知ったわ、研究の過程で……魔法少女が魔女になることも」
ほむら「……っ」
マミ「でも、研究が進めば……助かるかもしれない、いえ……私だけじゃなくって、他の魔法少女も助けられるかもしれない!」
ほむら「……。」
マミ「……お願い、暁美さん」
ほむら「……できる範囲でなら、協力するわ」
マミ「あ……!」パアァッ
マミ「じゃあ明日から、さっそく……!」
ほむら「いえ、今からでいいわ」
マミ「え!?でも暁美さん……さっきまで気絶してたじゃない、大丈夫?」
ほむら「えぇ……早く始めましょう」
グレイ「そうしましょったらそうしましょ、ハイ!」
マミ「幾三!」
ほむら「(ワルプルギスの夜までに、魔法少女の……魔女の研究が進めば、あるいは……!)」
グレイ「ちょっと研究機材をUFOから持ってくっぺ」
マミ「幾三!UFOの中でやればいいじゃない!」
グレイ「あぁ~?やだやだ、あそこにゃテレビもねぇしラジオもねぇ」
ほむら「(……GLAYなのに幾三?)」
──翌日
恭介『治らないんだよこの腕は!奇跡でもない限り!』
さやか『あるよ!奇跡も魔法もあるんだよ!』
さやか「──って、飛び出して来ちゃったのはいいけど……魔法少女になるってことはもしかしたら一生、あのモスマンみたいなのと一緒に戦わなきゃならないかもってことだよね……。」
さやか「……マミさんに相談してみよう」
──マミホーム
マミ「……それで、私のところに来たってわけね」
さやか「はい……。」
QB「まあ、マミの場合はかなり特殊なケースだから、よっぽどな願いをしない限りは安心していいと思うよ」
さやか「そうなんだ!じゃあ私……!」
マミ「……ちょっと待って」
さやか「え?」
ピンポーン
マミ「上がっていいわよ」
グレイ「おう!久兵衛じゃねえかぁ、そこにいんのはマミの友達か?」
さやか「!?」ブーッ
マミ「彼女は美樹さやか。私の後輩よ」
グレイ「ほぁーん……おらぁグレイの幾三だぁ、よろしくなぁ」
さやか「いやいやいや……いやいやいやいやいや!えー!?」
マミ「どうしたの?」
さやか「いや、だって……その、あの、宇宙じ……えっ?えっ?」
QB「僕の時はそこまで驚かなかったじゃないか」
さやか「だって……グレイって……グレイだよ?あのグレイだよ?」
グレイ「どのグレイだぁ?」
マミ「あなたの種族、この星じゃ有名なのよ」
グレイ「なるへそ」
マミ「えっとつまりね……彼、幾三も私の友達なの。美樹さん、あなたは幼なじみの腕を治すために魔法少女になりたいのよね?」
さやか「……えっ?あ、はい。お医者さんに、もう治らないって言われたって……。」
マミ「それなら、なんとかできるかもしれないわ……グレイの技術で」
さやか「な、なんだってー!」
──夜、上条恭介の室
上条「はぁ、なんであんなことしちゃったんだろ……なんか寝れないや」
パァァァ……!
上条「……ん?なんだこの光……窓の外から……。」
ガラガラガラッ!!
上条「うわっ!勝手に窓が開いて……ひ、光に吸い込まれていくッ!」シュゴォォォォ……!
上条「──う、ん……ここは?」
グレイA「……。」
グレイB「……。」
グレイシー「オレタップシテナイヨ」
上条「ひっ……!う、宇宙人!?まさか、ここって……UFOの中じゃ」
グレイ「あんたが上条恭介かぁ?」
上条「誰だッ!」
グレイ「あんた達はグレイって呼んでるな」
上条「じ、冗談だろう……?僕をどうするつもりだ!」
グレイ「腕、元通りにしたくねぇ?」
上条「……え?」
グレイ「その腕。元通り動くようになりたいかって聞いてるんだぁ」
上条「そ……そりゃあ動くようになりたいに決まってるさ!でも……なんで僕のことを……!」
グレイ「入りな」パチン
さやか「……恭介」
上条「さやか!どうして!さやかに何をした!」
グレイ「何言ってんだボンズ、おら達ぁなんにもしてねぇよ。この子に頼まれたんだ。『あんたの腕を治してほしい』ってな」
上条「な……!本当、なのかい、さやか……!」
さやか「……。」コクリ
上条「なんにも、されてない!?それともこれからグレイ達の実験台にされるとか……!」
グレイシー「シテナイシテナイ」
さやか「大丈夫だよ、恭介……。」
上条「そっか……よかった」
さやか「……あの、恭介」
上条「さやか、あのさ……。」
上さや「「今日、ごめん!」」
上条「……あ」
さやか「……あ」
上条「あ……えっと、さ……あんなこと、しちゃってさ……本当にごめん」
さやか「う、ううん!私こそ!恭介の気持ち、考えてあげられなかったのが悪いんだし……!」
上条「いや、あれは僕が……!」
グレイ「……そろそろいいかぁ?」
上条「あっ、はい……。」
グレイ「それじゃ、手術室に向かうぞぉ」
上条「……。」ドキドキ
さやか「この人達は大丈夫だから……安心して、恭介」
上条「う、うん……。」
──44.193秒に及ぶ大手術を終え、手術室の扉を開けると……そこには!
笑顔で走り回る上条恭介の姿が!
『もう二度とチョップでCDを割ったりしないよ』上条恭介(本人)
さやか「恭介!」
上条「すごいよ!治った!治ったんだ!はは……入院なんてなかったみたいに……全部完璧に動くようになってる!」
さやか「よかった……恭介!」
上条「……常識で考えたら奇跡だよ……すごいや」
さやか「うん……うん」
上条「……ありがとう、さやか」
さやか「え!?」
上条「手術中に幾三さんから聞いたよ……さやかが頼んでくれなければ……僕の腕を治すなんて、絶対なかっただろうって」
さやか「あ……!」
上条「……早くリハビリして、バイオリンをまた弾けるようになったら……その時は、一番最初に君に聞いてほしい」
さやか「え!?それって……!」
グレイ「下ろすぞぉ」
さやか「へ!?ああぁぁぁ!」
──気づいたら、自室に瞬間移動させられていた。
でも、最後のあれって、もしかして、もしかして……!
さやか「(うわぁ~~っ!)」ニヤニヤゴロゴロ
──翌日
さやか「えへへへ……!」ニヤニヤ
まどか「さやかちゃん、朝からずっとニコニコしてるね……。」
仁美「……上条くんが復帰したからですの?」
さやか「ふふふ、それもあるんだけどさぁ……聞いてよ二人とも……実はね、恭介にね……。」ヒソヒソ
さやか「『またバイオリンが弾けるようになったら、一番最初に君に聴いてほしい』って言われちゃったんだぁ……これってもしかすると……もしかするよね!へへへぇ……!」ニヤニヤ
仁美「……!」
まどか「わぁ……それは凄いよ!絶対脈ありだよ!」
仁美「……そ、そうですわね……。」
──夜
まどか「遅くなっちゃった……あれ?」
仁美「~♪」フラフラ
まどか「……仁美ちゃん?あれ……魔女の口づけ!」タッタッタ
仁美「あら、鹿目さん、ごきげんよう」
まどか「仁美、こんな時間にどこ行くの?」
仁美「……どこに行ったっていいでしょう?」
まどか「帰ろうよ、こんな時間に危ないよ」
仁美「そうだ、鹿目さんも一緒に来なさい」ガシッ
まどか「え!?」
仁美「あなたは私を裏切ったりしませんよね?」
まどか「め、眼が怖いよ……!」
仁美「それじゃ、行きましょう」スタスタ
まどか「ど、どこに……?」
仁美「すばらしいところですわ」
──廃工場
まどか「こんなところまで連れて来られちゃったけど……。」
仁美「進化!進化!」
モブ「進化!進化!進化ァ!」
まどか「みんなおかしいよ……マミさん呼んだけど、大丈夫かな」
モブA「……。」ドボドボドボ
まどか「あ、あれって……混ぜたら危険なんじゃ!止めなきゃ!」ダッ
ドゴォ!
まどか「かっ……!」
仁美「……どうしたんですの?」
まどか「あ、あれ、混ぜたら危険なんだよ……みんな死んじゃうんだよ!止めないと……!」ケホッ
仁美「それでいいのよ」
まどか「!?」
仁美「やりたくもないことをやらされ続けて、ずっと何かに縛られ続けて……欲しいものさえ奪われて、これ以上なにを支えにしてこの世で生きて行けって言うんですの?」
まどか「仁美……ちゃん……?」
仁美「ここに集まったのはみんなそういう人たち。欲しいもの、やりたいことを奪われて、したくないものを強制された結果……生きる希望を失ってしまった人たち。
この世にいても全て奪われる、だから!肉体を捨て、魂だけの存在となり、一つ上の存在に進化するんですの!」モブ「進化!進化!進化!」
まどか「おかしいよ……それで死ぬなんて、間違ってるッ!」ダッ!
グレイ「その言葉が聞きたかった」
上条「先生!」
まどか「ああああぁぁぁぁぁッッ!」ダダダダダ
仁美「鹿目さん!」
まどか「これを捨てれば……!」ガシッ
仁美「くッ!」
まどか「……えいっ!」ガシャアアアアン!
仁美「……なんて事を、してくれたんですの」
モブ「……。」ユラァリ
まどか「はあ、はあ……あ、あ……!」
モブ「ウァァァァ」ゾロゾロ
まどか「い、いや……来ないで!」ダダダダ
ガチャ! ダァン!ダァン!
まどか「はぁ、はぁ……助けて……!マミさん……!」
グニャアアア……!
まどか「今度はなに?景色が歪んで……きゃああああ!」
なんでマミさんはマグロ召喚したりVIPPER召喚したり
意味不明な能力持ちにされるんだよwwwwwww
使い魔「ハハハハ」「フフフフ」「ヘヘヘヘ」「ホホホホ」
まどか「う、そ……!」
使い魔「……ヒヒヒヒ」「……。」「……。」「……。」「……。」「ヒヒヒヒヒヒヒ」
ガシッ
まどか「あ!」
使い魔「ヒヒヒヒヒヒヒ」ビョーン
まどか「きゃあああああ!助け……!」
ドスッ……!
使い魔「ヒヒ……?」バタッ
まどか「穴が、空いた……?今のは……?」
マミ「待たせたわね!鹿目さん!」
チュパカブラ「チュッパー」
まどか「マミさん!横にいるのは……?」
マミ「彼はチュパカブラよ。さっきあなたを救ったのは、彼の伸縮自在の舌」
まどか「は、はぁ……。」
マミ「さあ!いくわよ!」
チュパカブラ「チュパチュッパー」シュッ!シュッ!
使い魔「ハハッ!」「フフッ!」ビスッ!ビスッ!
まどか「すごい……でも」
使い魔「ファファファ」ゾロゾロ
まどか「数が多すぎるよ……!」
マミ「心配ないわ。チュパカブラ、あれをやるわよ……鹿目さん!伏せて!」
まどか「え!?」ササッ
チュパカブラ「ルーンヤ……ルーンヤ」シュゴォォォォ
まどか「チュパカブラが光って……!」
マミ「GO!」
チュパカブラ「ルーンヤ!」ドシュウウウウウウ!!
使い魔「ウゴゴゴゴ……!」シュアアアア
まどか「つ、使い魔がみんな消えていく……すごい」
>>65
どういうわけかとあるでいう佐天さんポジが定着してるよな
エリー「……。」パタパタ
マミ「来たわね、大元の魔女が……チュパカブラ!」
チュパカブラ「チュパッ!」シュッ!
エリー「!?」ビシッ!ドクン、ドクン……。
まどか「ま、魔女の血を……吸ってる?」
マミ「ええ。魔女の血を吸ったチュパカブラは魔力を持ち、さっきみたいな芸当ができるようになる……。」
チュパカブラ「ルーンヤ」チュポッ
マミ「終わったようね」
まどか「うわぁ……。」
エリー「……。」シワシワァ
マミ「……とにかく一件落着ってところね、夜も遅いし、はやく帰りましょう」
まどか「は、はい……。」
──翌日
仁美「昨日、どうも無意識のうちに夜間徘徊していたみたいで……今日も精密検査ですわ」
まどか「ねぇ、仁美ちゃん……。」
仁美「はい?」
まどか「もし、さ……辛いこととか、大変なこととかあったら……話してね」
仁美「え!?だ、大丈夫ですの、精密検査っていっても本当に私は健康で──」
まどか「うん、でも……仁美ちゃん。仁美ちゃんは全部一人で解決しようとしちゃうから……辛いことがあったら、言ってね。いつもみたいな愚痴でもいいから」
仁美「か、鹿目さん……?」
まどか「……仁美ちゃんは美人だし、頭もいいし……そりゃあたしじゃ頼りにならないかもしれないけど、でも私、力になるから、だから……。」
仁美「……ありがとう、鹿目さん」
まどか「仁美ちゃん……。」
仁美「……でも、私は……あなたが思っているような人間じゃないの」
まどか「え?」
仁美「それは勉強もそこそこ出来るかもしれないし、ラブレターを貰ったことだってあるわ……だけど、だから何?」
まどか「え?」
仁美「私からそれを取ったら、何も残らないのよ!」
まどか「でもピアノとか、習い事も……。」
仁美「それが社会に出て役に立ちます?志筑の家で生きていくならまだそれでいいかもしれない……けど私は家に縛られて生きるのは嫌なの!それなのに……一人じゃ何もできない」
まどか「仁美ちゃん……。」
仁美「それに……。」
まどか「それに?」
仁美「失恋、しましたの。私」
まどか「失恋?」
仁美「えぇ……もっとも、告白もしてませんけど」
まどか「え……?」
仁美「……上条くん」
まどか「!?」
仁美「頭では……頭では分かってるの、このほうがみんな幸せなんだって……上条くんも……さやかさんも……でも……でも!」ウルッ
まどか「仁美ちゃん……!」
仁美「思ってしまいますの!『どうして私じゃないの?』って!さやかさんに嫉妬してしまいますの!私は!私は……!」
まどか「仁美ちゃん……。」
仁美「あああああぁぁぁぁぁん!」ブワッ
まどか「──落ち着いた?」
仁美「……えぇ。ごめんなさい、突然……。」
まどか「ううん、大丈夫」
仁美「おかげで少し、楽になりましたわ」
まどか「よかった……。」
仁美「……あの」
まどか「ん?」
仁美「ありがとうございます。あのままだったら私、何をしていたか……。」
まどか「そ、そんな!私は何も……!聞いてただけで……!」
仁美「いえ……本当にありがとう。もし困ったことがあったら、今度は私が力になりますわ。それでは、また明日」
まどか「うん、また明日」
まどか「……ふう、仁美ちゃん……まさか、なぁ……。」
──マミホーム
グレイ「おぉいマミさん、てーへんだ!」
マミ「どうしたの?」
グレイ「何日かしたら、ワルプルギスの夜が現れっぞ!」
マミ「ワルプルギスの夜ですって!?」
グレイ「あぁ、現れた地に天災をもたらす魔女……あぁ、おっかねぇ!」
マミ「すぐに迎え撃つ準備をしないと……暁美さんに連絡!れ……連絡先聞いてなかった!えっと、えっと……!」
グレイ「さぐらの嬢ちゃんはどうだい?」
マミ「佐倉さん?そうね……ダメ元で頼んでみるかしら。モスマン、行くわよ!」
モスマン「キィー!」バッサバッサ
──隣町
杏子「てい!」ザシュッ!
魔女「ヴォー」シュウウウ
杏子「さて、一丁あがりっと……。」
バサバサバサバサバサバサ……!
杏子「……こ、この羽音はもしや……!」
マミ「久しぶりね、佐倉さん」シュタッ
モスマン「キキィー!!」バサバサ
杏子「やっぱりてめぇか、マミ!何しに来やがった!」
マミ「今日は大事な話よ。近いうち見滝原に来る魔女……ワルプルギスの夜の撃退に協力してほしいの」
杏子「……お断りだ」
マミ「……どうして?」
杏子「襲われんのは見滝原でしょ?隣町のあたしには関係ねー。見返りも期待できねーし、なにより……。」
モスマン「キィー?」バッサバッサ
杏子「……アンタらとやっていける自信がない」
マミ「どうして?みんなあなたのことを可愛がってくれてたじゃない」
杏子「そうはいったってなぁ……!」
マミ「モスマンにだって、助けられたことがあるでしょ?」
モスマン「キキィー」バタバタ
杏子「そ、そうだけど……。」
マミ「……人は助け合いの精神が大切じゃない」
杏子「大半が人じゃねーだろ!」
マミ「細かいことはいいのよ!」ビィッ
杏子「え?う……」バタッ
マミ「催眠光線……結局、こうなっちゃった」ハァ
──隣町
杏子「……はっ!」ガバ
マミ「起きたようね」
杏子「ここって……!」
マミ「私の家よ」
グレイ「久しぶりだなぁ、さぐらの嬢ちゃん」
杏子「うわぁぁぁ!?幾三か?」
グレイ「ああ」
杏子「何度見ても見慣れねー……。」
チュパカブラ「カブラー!」
杏子「うわ!チュパカブラの野郎まで!」
マミ「ええ。みんなあなたのことが好きなのよ。ここにはいないみんなも」
グレイ「さぐらの嬢ちゃんは可愛いしな」
杏子「……。」
マミ「佐倉さん、お願い。私たちと……!」
杏子「……分かったよ」
マミ「あ……!」パアァ
杏子「ただし!」
マミ「ただし?」
杏子「あたしに変な事すんなよ!変なチップ埋め込んだり、記憶飛ばしたり、寝てる時に覗き込んだり……!」
マミ「全部幾三じゃない」
グレイ「さぐらの嬢ちゃんはリアクションいいからなぁ」
杏子「てめぇ……。」
マミ「──というわけで、暁美さんにもワルプルギスの夜を倒すため、協力してほしいの」
ほむら「それはいいけど……なんで知ってるのよ、あなた達」
グレイ「魔法少女の研究が進んだんで、魔力に反応するセンサーを作ってみたんだぁ。そしたら桁違いの魔力が観測されたんで過去のデータと照合したらドンピシャリよ」
ほむら「過去のデータ?」
グレイ「グレイはけっこう昔から地球に来てるんだぁ」
ほむら「……インキュベーターを知っている?」
グレイ「……知らねーわけねーべ」
ほむら「!?」
グレイ「感情を持った知的生命体の住む星に忍び込み、言葉巧みに勧誘しては最終的に生命体の感情をエネルギーに変えて回収し、気づいた時には星から姿を消している……そうやって幾つもの星を転々としている連中だぁ」
ほむら「……そのインキュベーターが地球に潜入しているというのは?」
グレイ「地球?」
ほむら「キュゥべえ……奴こそがインキュベーターよ」
グレイ「久兵衛の野郎が?ただのUMAだと思ってたが……インキュベーターは星を変えるたび、姿を変えるという……ありえねぇ話じゃねぇなこりゃ……するってぇと魔法少女のシステムはインキュベーターのエネルギー回収システム?ほぉん……。」
マミ「杏子、なに言ってるかわかる?」
杏子「わからん」
グレイ「だいたいわかった、嬢ちゃん」
ほむら「わかったって?」
グレイ「魔法少女のシステムがインキュベーターのものならば、対抗策も打ち出せるかもって話だべさ」
ほむら「対抗策?」
グレイ「おらの星もインキュベーターにやられてた時期があってな……惑星を結集してアンチシステムを作り上げたおかげでなんとかインキュベーターは諦めたんだぁ」
マミ「幾三にそんな過去が……!」
グレイ「ちみっと待ってりゃあ……ワルプルギスの夜の翌日には完成すっべさ」
ほむら「翌日……ということは」
マミ「どうあっても私たちは……ワルプルギスの夜を迎え撃つしかないようね」
杏子「……そうだな!」
グレイ「出来る限りのバックアップはすっべした……死ぬなよ」
──そして、ワルプルギスの夜当日
⑤
マミ「……ついに来たわね」
④
杏子「なんかあっという間だな」
②
ほむら「とにかく、これを倒せば、これを乗り切れば……!」
マミ「……えぇ」
①
ワルプルギス「キャーッハハハハハハ!!」
マミ「行くわよ!ワルプルギスの夜!」
ほむら「……。」ボシュッ! ズドォォォォン!
マミ「ロケットランチャー!いきなりそんな……。」
ほむら「牽制よ。おそらく効いていないわ」
ワルプルギス「キャハハハハハハ!!」モクモク
マミ「無傷!」
杏子「離れてダメなら……接近戦だッ!」シュバッ!
ほむら「杏子!」
使い魔「──」ギュン!
杏子「なっ……!?」
ピカギューン!
『バトルチップ スロットイン! 「カワリミ」!』
杏子「うわっ!」ボシュッ
マミ「佐倉さんが消えた!」
使い魔「!?」キョロキョロ
杏子「……こっちだ!」シュシュシュッ!
使い魔「!!」カカカッ
マミ「手裏剣!?佐倉さん、これはいったい……。」
杏子「幾三だ、たぶん……。」
杏子「とにかく、これでワルプルギスに届く!くらえッ!」ギィィン!
マミ「刃が通らない!」
ワルプルギス「キャハハハハハハ!!」グワッ!
杏子「く……うわぁぁぁぁぁ!」
ほむら「突風……杏子が吹き飛ばされるわ!」
杏子「(ヤバい……このまま地面に叩きつけられたら、死……?)」
ガシッ!
マミ「……間に合ったようね」
ほむら「あ、れは!」
バッサバッサバッサバッサ……。
モスマン「キィー!」
杏子「も、モスマン……助けられちまったな」
マミ「よし……みんな!来て!」
チュパカブラ「ルーンヤ!」スタッ
ビッグフット「ウホホッ」ドスッ
シーサーペント「キシャー!」ザバー
モケーレムベンベ「ベンベベンベー!」バシャア
ファービー「ナデナデシテー」
ほむら「ゆ……UMAがこんなに沢山……!」
マミ「お願い、みんな……力を貸して!」
ファービー「イイヨー」
マミ「……ありがとう。さあ、ワルプルギスの夜を倒すわよ!」
杏子「……いや、ちょっと待てよ、えっと……ん?」
マミ「シーサーペント!」
シーサーペント「キシャー!」ガブリ
杏子「ワルプルギスに噛みついた!」
マミ「そのまま引きずり下ろして……!モケーレ・ムベンベ!」
モケーレムベンベ「ベベンベベン!!」ガブリ
ほむら「モケーレ・ムベンベまで!」
杏子「すげぇ……どんどんワルプルギスが海に引きずられていく!」
マミ「チュパカブラ!」
シュッ……ドスッ!
チュパカブラ「13kmヤ」
杏子「舌で貫きやがった……槍が通らないワルプルギスを」
ほむら「それだけじゃないわ……チュパカブラも、ワルプルギスを海に引きずり込んでいく!」
マミ「とどめよ!ビッグフット!」
ビッグフット「ウホホッ!」ピョーン
ドガッ!
杏子「ビッグフットの跳び蹴りが決まった!」
ほむら「ワルプルギスが……海に沈んでいく!」
ゴボゴボゴボゴボ……!
マミ「……やった!?」
ファービー「ブルスコ……ファーブルスコ……。」ブルブル
マミ「どうしたのファービー、そんなに震えて……。」
杏子「マミ!なんかヤバい!」
ゴポゴポ……!
ワルプルギス「アハハハハ……キャーッハッハッハッハッハッハ!!」バッシャアアアアン!
チュパカブラ「チュパ!?」
ビッグフット「ウホッ!?」
シーサーペント「シャー!」
モケーレムベンベ「ベベン!?」
ファービー「モルスァ」ビタン
マミ「ファービー!?」
ファービー「アアアアアアイヤアアアアアアアアアアア」
マミ「ファービー!ファービー!しっかり!」
ファービー「ヘギョミツ」カクッ
マミ「ファービー?ねえ、起きてよ……ファービー……!」
ワルプルギス「キャハハハハハハ!!」
マミ「ファービー……許さない、ワルプルギスの夜!」
マミ「ファービーは……水に弱かったのよ!それを、それを……あんな風に……!」
杏子「マミ……。」
ほむら「(何て言ったらいいの、これ……。)」
マミ「(他のみんなも、ダメージを受けてしまっている……!ワルプルギスを倒せるUMA!そんなのがいたら……。)」
──ふと、マミはあることを思い出していた。小さな頃の思い出を……。
母『マミ、ネッシーはネス湖で見つかったからネッシーっていうのよ』
マミ『へぇ、それじゃあ……見滝原湖で見つかったらミッ○ー!なんちゃっ……』
母『しっ!』バッ
マミ『むぐっ!?』
母『その名前を口にしては駄目……世界を敵に回すようなものよ』
マミ『ママ、怖い……!』ヒック
マミ「……○ッキーなら、倒せるかもしれない、ワルプルギスを……。」
マミ「でも、果たして本当にいるの?ミοキーが、見滝原湖に……。」
──その時、マミはふたたび思い出していた。
幼い頃の思い出を……。
マミ「ねー、パパ」
父「うん?」
マミ「ネッシーって本当にいるのかなあ?クラスのみんなが、ネッシーは嘘だとか本当はいないとか言うの……。」
父「そりゃあいるさ!」
マミ「本当!?」
父「ああ、いると信じ続ければ、ずっといる。いるって信じるのをやめたとたん、いなくなっちゃうけど」
マミ「いるよ!ネッシーもミッ○ーも!」
父「おい、あんまり大きな声でそれを言うなって!」
マミ「……いる。いると信じればそこに……○ッキーはいる!」キッ
ワルプルギス「キャハハハハハハ」
マミ「……私の声に応えて!ミッキィィィィィィィ!!」
杏子「アウト!アウトー!」
ワルプルギス「キャハハハハハハハ!!」
?「何がそんなに面白いんだい?」
ワルプルギス「……!」ピタッ
?「ハハッ」
マミ「あ……!」
ほむら「ほ、本当に……。」
杏子「現れやがった……!」
マミ「応えてくれたのね……ミッ○ー」
○ッキー「キミだね?僕を呼んだのは」
マミ「えぇ……いきなりで悪いんだけど、あの」
ミοキー「分かってるよ。あれをやっつければいいんだろ?ハハッ」
マミ「……やってくれるの?」
ミッ○ー「勿論!さぁ、いっくぞお☆」シュタッ
ワルプルギス「ア、ア……!」ガタガタガタガタガタ
ミッ○ー「殴る構えをして細切れにしてやる☆」
ミッ○ー「さあ……。」ツカ……ツカ……。
ワルプルギス「ア……ア……!」ガタガタガタガタガタ
○ッキー「楽しいパーティーを……。」ツカ……ツカ……。
ワルプルギス「ヤ……ヤメ……!」
ミッキー「始めようか☆」ニンマリ
ワルプルギス「止めてぇぇぇぇぇぇッ!」シュウウウウウウ……。
ほむら「え……ワルプルギスの夜が、消えていく!」
杏子「どういうことだオイ……!」
ミッ○ー「なんだ、怖すぎて自分で成仏しちゃったのか……ハハッ」
ほむら「自分で成仏……そんなことが……。」
マミ「ありがとう、○ッキー、私なんて言ったらいいか……!」
ミοキー「お礼なんていいよ、それよりこれからも……夢の国をご贔屓にね☆バッハハ~イ」ボォン
杏子「消えた……なんだったのさ一体」
マミ「とにかく……これで一件落着といったところね」
ほむら「(釈然としない……。)」
QB「な、なんなんだい……今のは」ガタガタガタガタガタ
マミ「キュゥべえ!いつからそこに……!」
QB「あんなのがいるなんて、聞いてないよ……あのネズミに目を付けられたら、存在そのものを消されてもおかしくないじゃないか」
杏子「そりゃそうだ」
QB「なんだ、この薄寒い感覚……これが恐怖って感情なのかい?とにかく、この星にはもう一秒たりともいたくない……さよなら!」タタタッ
マミ「あ!キュゥべえ!」
グレイ「効いたみてぇだなぁ、カウンターシステムは」
マミ「カウンターシステム!?じゃあ、さっきの○ッキーは……。」
グレイ「おらが一枚噛んでらぁ」
グレイ「いいか?インキュベーターってのは殺しても殺しても代わりが出てくんだ。星から駆逐する最大の方法は『自発的にでていかせる』ことだぁ」
ほむら「なるほど……それで、それと今回のミッ○ーがどう関係あるの?」
グレイ「……まずは、マミの正しい能力の説明からしなきゃなんねぇな」
マミ「正しい?」
グレイ「あぁ。おめぇの能力はUMAを引き寄せ、意志疎通をするだけじゃねぇ。『いる』と信じたものならば、例え実在しなくとも構築して連れてきちまう能力なんだぁ」
マミ「嘘……!じゃあ、みんなは……!」
グレイ「さぁな、UMAってもんがそもそもみんな未確認だからな……でも、みんな一緒にいたってのは事実だべ」
マミ「……うん」
グレイ「そこでおらはちみっと細工をした……『構築』がされた時に、インキュベーターが出て行きたくなるような因子を身体の中に組み込むことを」
杏子「それでキュゥべえの野郎、あんなに怯えて……。」
グレイ「そういうこった。そして……魔法少女を人間に戻す機械も、もうすぐ完成すっべ」
杏子「本当か!?」
グレイ「あぁ。嬢ちゃんたちはもう戦わずにすむ。魔女のほうもデータはあるからなんとかすっべ」
ほむら「……それが完成したら、私……やっと……!」
マミ「……ちょっと待って。魔法少女じゃなくなるってことは……能力を失うってことよね?」
グレイ「あぁ」
マミ「つまり私……あなた達に、もう会えないってこと?」
グレイ「……あぁ」
マミ「嫌よ!私……もうあなた達と会えなくなるなんて!お別れなんて……!」
グレイ「インキュベーターのシステムの恩恵にあやかってる異常、長くは生きられねぇんだ……マミ、人間に戻るんだ」
マミ「……私、いや……!人間に戻ったって……なんにも……!」
グレイ「人間には人間の幸せもあるべ……おら達だって別れたくて別れるわけじゃねぇ……でも、おら達がいることでマミが人間社会で不便してきたのも、よく知ってる」
マミ「幾三……。」
グレイ「……マシンの仕上げがあるから、UFOに戻るべ」
杏子「マミ……。」
マミ「……考えさせて。私……!」
杏子「マミ」
ほむら「そっとしてあげましょう、今は……。」
マミ「……みんな、聞いていたでしょう?今の話……」
マミ「……魔法少女の能力を失ったら、私はみんなと会えなくなる、話せなくなる……でも魔法少女のままだと、命が危ない」
マミ「……どうしたらいいのよ、私……!どうしたら……!」
ファービー「ファー……ブルスコ」
マミ「……ファービー!大丈夫!?」
ファービー「ナ……。」
マミ「な?」
ファービー「ナガイキシテー」
マミ「……!」
バチッ!バチバチバチ……ボンッ!!
ファービー「ヘギョミツ」カクン
ブシュウウウ……!
マミ「ファービー……あなた、それを伝えるために……わざわざ!」ウルッ
マミ「馬鹿……駄目じゃない、自分が、長生きしなきゃ……!」
ファービー「……。」プスプス
マミ「ファービー……ファービィィィィィィィィ!!」
──翌日、UFO内
杏子「……ありがとうな、幾三」
ほむら「本当に……ありがとう。あなたのおかげで私たち……!」
グレイ「なぁに、てーしたことねぇよ。それより……。」
杏子「あぁ……どうしたんだ、マミの奴……遅いな」
シュイーン
マミ「ごめんなさい……みんなにお別れの挨拶巡りをしていたら、遅くなってしまったわ」
グレイ「……ってことは」
マミ「うん、私……普通の女の子に戻ります!」
グレイ「……そんじゃ、始めっぞぉ」バチバチバチ……!
マミ「う……!」
ドシュウウウウウ!!
グレイ「……終わりだ、もうマミには魔法少女としての能力はねぇ」
マミ「そう……なのね」
グレイ「気分はどうだぁ?」
マミ「不思議な感じ……。嬉しいのに……悲しいの」
グレイ「……そうか。マミ、餞別にこれやる」
マミ「綺麗……これは?」
グレイ「『チャネリングストーン』ってんだぁ。どうしても寂しくなったら使ってみるといいべ」
マミ「……ありがと」
グレイ「それじゃ、お別れだべ……マミ」
マミ「うん……。」
グレイ「達者でな」
マミ「うん」
グレイ「風邪ひくなよ」
マミ「うん」
グレイ「……長生きしろよ」
マミ「うん……!」
マミ「──行ってしまったわ」
ほむら「そうね……。」
杏子「幾三……また、会えるかな?」
マミ「……会えるわよ、絶対」
──そうよね?幾三……。
長生きしていたら……きっと、また──!
──十数年後
マミ「ただいま」ガチャ
マミ「……はぁ、ひとり、か……。」
マミ「もう……嫌だよ……独りは……!」コロ……。
マミ「……あ、これ……ずっと前、幾三に貰った……。」
マミ「幾三……懐かしいな……あの時は楽しかったな、辛かったけど……友達が沢山いて……。」
マミ「……会いたいな、幾三……。」
『呼んだかぁ?』
マミ「え!その声は……幾三!?どうして!」
グレイ『マミがチャネリングストーンを通して念じてくれたからなぁ……今から行ぐだ』
マミ「行くって……!」
グレイ『おら見滝原さ行ぐだ』
マミ「……待ってる!」
完
終わりです
支援、保守ありがとうございます
ネタは悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架やってたら思いつきました
UMAいっぱい出てくるんだもん
こわいこわい
あ、ちなみにスレ内で言及がありましたがマグロとかドンキーとか悪魔城の作者は私です
前回から間が開いたのでかなり緊張しました
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません