貴音「四条天皇」 (25)
~双海家~
亜美「うー…真美、何かいいの見つかったー?」
真美「まだー。んー…やっぱり歴史で面白いことを調べてくる課題って無茶ぶりすぎるよー!!」
亜美「あの先生って少しでも時間を見つけると、歴史の雑学を話すから
図書館で借りてきた本のネタは全部出尽くしているかもしんないよね」
真美「よし!グーグル先生の力借りよ」カタカタ
亜美「真美―…ちょっと面白いけど流石に『しじょうさいきょうのてんのう』はないっしょー…」
真美「………」カチカチ
亜美「『四条最強の天皇』ってなにさ…」
真美「………」ターン!
亜美「え、四条天皇って本当にいるんだ」
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~765プロ~
貴音「ふぅ、せってぃんぐ完了です」
貴音「光陰矢のごとし。今年も残すところあと数カ月」
貴音「時の流れは流れた後にしか実感できない残酷なものですね。気が付くと、世の中も様変わりしたものです」
貴音「自動車電話を初めて見たあの日の驚きを忘れることはありません」
貴音「しかし、その自動車電話という文明の利器は携帯電話の普及によりお役御免。
今日ではもう見かけることがありません。気が付けば、本当に気が付けば、の出来事でした」
貴音「機械に疎い私にはこのような移り変わりを予見することは今後もないでしょう」
貴音「………先日の件が機械のことならば諦めがついたと思います」
貴音「ぼったくりばぁなるものをプロデューサーに聞いたことがありましたが、
時代の流れでしょうかぼったくりらぁめんという派生が生まれていたのですね」
貴音「先日、私は1杯100円のラーメンに引き寄せられ、何も疑うことなくらぁめんを啜り、
それがまこと美味だったことに感激し、替え玉とおかわりを続けた結果…」
貴音「100円だったのは麺だけの値段であり、すぅぷや最初から麺の上に乗っていた野菜、
ちゃあしゅう、めんまには法外な値段が設定されていたのです」
貴音「お冷やが800円だったのには肝も冷えてしまいました…
結果、持ち合わせを全て差し出してしまったのです」
貴音「先立つものは尽き、このままではこれまで通り一日一らぁめんすることも叶わず…」
貴音「背に腹は代えられません。どうにか給料日まで生き抜かねばなりません」
貴音「そんなとき、アイドルのぱんちら写真を高値で買う輩がいると知りましたが、残念ながら私は下着を身につけていないのです」
貴音「こうなればもう誰かの力を借りるしかありません。そして、誰かに転んでもらい、ぱんちらを撮影することにしました」
貴音「誠に心が痛みますが、せめて転び慣れている春香が犠牲になるしか方法はないのです…!」
貴音「私の明日は春香の3つ目のりぼんと引き換えなのです…」
スタ…スタ…
貴音「階段を上る足音が…この足元が頼りない印象からすると、間違いなく春香ですね」
貴音「さて、扉を開けるとどこまでも続くわっくすまみれの床と散乱したばななの皮で
窓まで一直線の後、ビルの外へふらいあうぇいで有終の美を飾っていただきましょう」
貴音「………」ウズウズ
スタ…スタ…
貴音「………」ワクワク
スタ…スタ…キャー!バタバタドンガラ
貴音「ああ、春香! 階段で転ぶのは危ないです! 大丈夫ですか今駆けつけます!」
貴音「おや?」ズルッ
貴音「きゅんっ」ゴスン!!
春香「あいたたた、派手にやっちゃったぁ…さっき事務所の方で何かがぶつかる音がしたけどなんだろう?」
春香「あぁもうお尻痛いなぁ」サスサス
ガチャ
春香「こんにちはー!え?貴音さんが倒れてる!?だ、だだ大丈夫ですか!!」ダッ
春香「あれっ」ズルッ
春香「えっえっ」ツルッツルッ
春香「ああっ、転ぶー!!!」ズルー
春香「あうっ」エルボー
貴音「ちゅわっ」ゴフッ
いおりんの体調も気になる
今日はオランジーナの味だったよ
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_ ,ィ_,.. . : :{_: : : : : :`ヽ、
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|: { ;ハ ` 弋(ソ ィチ圷、 ,}:.:|: :;
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{「}-、r、 /: : : : : \ V二ヽ /-イ: {
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今日はえぐみが強かったよ
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雪歩「うっ、ふぅ…ぐすっ…じじょ、うざん…」
春香「私のせいです!私なんかが生きているから!
私の肘なんて床に叩きつけられて砕けてしまえば良かったのに!」
律子「春香…決してあなただけのせいじゃないわ。真もエルボー入れてたんだから」
春香「ぐすっ…ヴぁい…そうですよね私の電話をもらって駆けつけた律子さんもエルボー入れちゃいましたもんね!」
真「こんな別れ方ってないよ…!」
貴音「まこと真に同意です。面妖面妖」
真美「安らかに眠り給え~…」
亜美「うーん…亜ー美ン」
伊織「遺影って見るとこんなに辛いものだったのね…」
美希「………」
雪歩「うっぐぅ…ひぃふぐぅ、ンウェ、ゲホゲホッ…ウッウー!」
真「雪歩?泣きすぎて呼吸がおかしくなってるよ。一回お茶飲んで落ち着こう」
響「………」
美希「…………」
響「…………」
美希「………zzz」
響「………美希」
美希「zzzzzzzzZZZ」
響「美希、ちょっと」
美希「…んぅ、なんなの?」
響「いいから来て」グイッ
バシン!
美希「イタイの…」
響「貴音は死んだんだ…貴音が死んじゃったのに!こんなときに寝ないでよ!」
美希「ごめんなさい…」
響「貴音と美希、自分の3人で頑張ってきたはずでしょ!?」グイッ
美希「ごめんなさい…」
響「自分にじゃない!貴音に謝れ!!」ドン
美希「響っ…肩を強く握りすぎて、ホントに、ホントに痛いの…」
響「!? ……ごめん。美希、目が真っ赤…よく見たらクマもひどいじゃないか!?」
美希「あふぅ、ネイルのお手入れ…いつもの3倍なの」
響「貴音が死んでから毎晩毎晩泣いて目が真っ赤になって眠れずクマができたんだな
気付けなくてごめん…なんで怒っちゃったんだろ、それすらもわからない」
美希「えっとー…響、聞いてる?」
響「自分どうしちゃったんだろ…」
貴音「響に涙は似合いませんよ。このはんけちを使って下さい。
悼む気持ちは大事ですが、響があまり泣きすぎると彼方者も慰めたくなって死んでも死にきれません」
響「貴音ぇ…」
バシン!
美希「イタイの…」
響「貴音は死んだんだ…貴音が死んじゃったのに!こんなときに寝ないでよ!」
美希「ごめんなさい…」
響「貴音と美希、自分の3人で頑張ってきたはずでしょ!?」グイッ
美希「ごめんなさい…」
響「自分にじゃない!貴音に謝れ!!」ドン
美希「響っ…肩を強く握りすぎて、ホントに、ホントに痛いの…」
響「!? ……ごめん。美希、目が真っ赤…よく見たらクマもひどいじゃないか!?」
美希「あふぅ、ネイルのお手入れ…いつもの3倍なの」
響「貴音が死んでから毎晩毎晩泣いて目が真っ赤になって眠れずクマができたんだな…気付けなくてごめん…」
美希「えっとー…響、聞いてる?」
響「自分どうしちゃったんだろ…」
貴音「響に涙は似合いませんよ。このはんけちを使って下さい。
悼む気持ちは大事ですが、響があまり泣きすぎると彼方者も慰めたくなって死んでも死にきれません」
響「貴音ぇ…」
~後日~
雪歩「うっ…四条さん…かわいそうな四条さんを思うと…ぐすっひぐっ、うっうー!」
やよい「はわっ、雪歩さんどうしちゃったんですか!?」
雪歩「うっうー!」
やよい「大丈夫ですか!?」
雪歩「うっうー!」
やよい「おいやめろよ!」
貴音「はい、あれからというもの…事務所全体がどうかしています」
貴音「私が守らなければ!」
ガヤガヤ
貴音「事務所の入り口が騒がしいですね」
ハゲ「ちーちゃん!ちーちゃん!」
千早「………」
美希「わぁ!とてもキラキラした人!」
ハゲ「バラエティ番組に出ても、世間が茶化しても、何にもなびかない歌姫の本質に惹かれました!
この頭に!サインください!」
千早「………」カキカキキュッキュウ
ハゲ「ありがとうございます!ありがとうございます!」
ハゲ「追求を続けていくうちに無駄なものは削ぎ落とされて1つの芸術を生み出す人生。
ぼくはそれに憧れているんだ。ちーちゃん、君が憧れそのものなんだ。運命を感じました結婚しよう」
貴音「りれーしょんず!」スッパーン
ハゲ「はうっ」
貴音「さっ、痴れ者が気付かぬ内に事務所へ参りましょう」
やよい「では、お仕事に行ってきますぅ」
雪歩「わー、たっくさんファンレターが届いちゃいましたー!」
貴音「雪歩、良からぬ者からの文もあることでしょうから私が検閲します」
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萩原雪歩様へ
見えている毛は弱々しくても奥深くで眠っている毛根は力強い。
まるで雪歩のようだね、結婚しよう。
ハゲより
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貴音「………」クシャポイッ
ガヤガヤ
貴音「うん?また入り口が騒がしいようです」
やよい「うう、明日の見出しを飾るのはハンドスコップ刺殺事件ですぅ…」
ハゲ「やよいちゃんやよいちゃん。ぼくの頭で家庭菜園してみないか」
貴音「もう取り柄の言葉遊びが雑になっています」キュッ
やよい「バックチョーク! 四条さんカッコイイ!」
貴音「…本当にどうかしてますね」
P「おっ、貴音か。ちょうど迎えに行こうと思っていたところなんだ。急な収録をお願いされているんだが…」
貴音「左様ですか。1人欠けた765プロを支えるためです。私も人肌脱ぎましょう」
~収録現場~
\貴音とマヨっとオペレーション!/
貴音「なんでしょうかこれは」
P「マヨネーズの会社がスポンサーのマヨラーのための宣伝動画の撮影でな」
貴音「それは先ほども聞きました。しかし、この…」
P「そこにマヨネーズのボトルがあるだろ?中身を全部、そのどんぶりにぶちまけるんだ。
マヨラーのための演出だな。あとはそれを食べて味をレビューするだけだ。簡単だろ?」
貴音「ですが、これは、食への…冒涜…」
P「え?なんだって?らしくないなぁ。明太マヨとか有精卵マヨとか他のマヨネーズの感想も
言わなくちゃならないし…貴音のことだからマヨネーズはあまり得意じゃないのか?んじゃ、俺がかけるよ」
にゅるにゅるにゅるにゅる…
貴音「えっ…なっ!」
にゅるにゅるにゅるるっ!
P「よし、できた。でも、どうやって食べるんだろうな。
下のご飯と一緒に食べるのは難しそうだし、かき混ぜとくか」グリグリ
貴音「し、正気ですか!? うぷっ…」
ぐちゃぐちゃ…
P「うん、こんなもんだろ。さぁ食べるんだ! ん?」
貴音「」チーン
スタッフ「貴音さんどうしちゃったんですか!? おい、担架持ってこい!!」
P「ちょっと待ってください!」
スタッフ「待つも何もただ座っていただけなのに急に気を失うなんてただ事じゃないですよ」
P「このまま…続けさせてください! 貴音ならきっとやれます!!」バーン!!
スタッフ「は、はい!」
P「どうした、貴音ぇ…高みを目指すんじゃなかったのか…おい!」
P「こうなったら意地でも口の中に押し込んでやる!」
カパッグイグイッ
貴音「」ビクッ
P「お、貴音!?」
貴音「」ガタガタガタガタ
P「痙攣!?」
スタッフ「うわぁ…」
P「貴音…?大丈夫か?」サワッ
P「ん…」サワサワッ
P「…………脈がない」
―――――――――
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―――
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P「くそっ! 俺がついていながらなんてことだ…」
響「貴音が死んじゃったー!」ウワーン
貴音「死んでしまった者を見送るのは辛いです。
今は甘えて私の胸で泣いてもいいのですよ」ギュッ
響「貴音…」グスッ
おしまい
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